説明

メソポーラス粉末、金属イオンセンサー及び金属イオン検出方法並びに金属イオン吸着材と金属回収方法

【課題】本発明は、シリカ単独のメソポーラス粉末よりも強力に有機機能材料と結合できるメソポーラス粉末とこれを用いた金属イオンセンサー及び金属イオン検出方法並びに金属イオン吸着材と金属回収方法を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、シリカと金属酸化物とからなることを特徴とするメソポーラス粉末を用い、液中に含有された金属イオンを吸着して提色するプローブがメソポーラス粉末に保持されてなる金属イオンセンサー及び前記金属イオンセンサーを、検出する金属イオンとそのプローブの種類に適合したpHに調整した被検出液中に所定量投入し、金属イオン固有の提色の有無及び濃度を検出すること並びにメソポーラス粉末の表面に、金属イオン吸着基を持つプルーブを固定したことを特徴とする金属イオン吸着材、金属イオンを含有する液から金属を回収する金属回収方法であって、除去する金属イオンの吸着に適したpHに調整した被処理液中に金属イオン吸着材を投入し、前記被処理液中の所望の金属イオンを前記金属イオン吸着材に吸着させ、当該吸着材を前記被処理液から分離し、分離した吸着材から回収液中に金属イオンを移動させ、金属イオンが分離された吸着材を前記回収液から分離し、前記回収液を蒸発させて、金属を回収することを特徴とする手段を用いた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規則的な配列を持って多孔質化されているメソポーラス粉末と、これに液中に含有された金属イオンを吸着して提色するプローブが保持された金属イオンセンサーと、この金属イオンセンサーを用いた金属イオン検出方法並びに前記メソポーラス粉末に液中の金属イオンを吸着するプローブを固定した金属イオン吸着材と、この吸着材を用いた金属回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メソポーラス粉末の内、シリカ粉末は、各種の有機機能材料の担持体として用いられているが、より一層の強度及び結合力をもつものが求められていた。
また、メソポーラス粉末の内、シリカを金属イオンとの接触による提色する能を持つプローブの担持体として用いることで、金属イオンセンサーとして利用することも行われていた。
これも、担持体としての強度や結合力を増加して、より一層の安定した利用が望まれていた。
また、このようなセンサーは金属イオンを吸着することで提色することを利用して、廃液等の金属イオン含有液から金属を取り出す吸着材としてもちいることも、本発明者らにより最近提案された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、このような実情に鑑み、シリカ単独のメソポーラス粉末よりも強力に有機機能材料と結合できるメソポーラス粉末とこれを用いた金属イオンセンサー及び金属イオン検出方法並びに金属イオン吸着材と金属回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明1のメソポーラス粉末は、シリカと金属酸化物とからなることを特徴とするメソポーラス粉末。
【0005】
発明2の金属イオンセンサーは、液中に含有された金属イオンを吸着して提色するプローブがメソポーラス粉末に保持されてなる金属イオンセンサーであって、前記メソポーラス粉末が発明1のメソポーラス粉末であることを特徴とする。
【0006】
発明3の金属イオン検出方法は、液中に含有された金属イオンの種類と濃度とを検出する金属イオン検出方法であって、発明2に記載の金属イオンセンサーを、検出する金属イオンとそのプローブの種類に適合したpHに調整した被検出液中に所定量投入し、金属イオン固有の提色の有無及び濃度を検出することを特徴とする。
発明4は、発明3の金属イオン検出方法において、濃度検出に使用した金属イオンセンサーを被検出液から分離回収し、当該センサーに吸着された金属イオンを除去して再生することを特徴とする。
【0007】
発明5の金属イオン吸着材は、被処理液中に含有された金属イオンを吸着し、前記被処理液から金属イオンを分離して回収する為に用いる金属イオン吸着材であって、発明1のメソポーラス粉末の表面に、金属イオン吸着基を持つプルーブを固定したことを特徴とする。
【0008】
発明6の金属回収方法は、金属イオンを含有する液から金属を回収する金属回収方法であって、除去する金属イオンの吸着に適したpHに調整した被処理液中に発明5に記載の金属イオン吸着材を投入し、前記被処理液中の所望の金属イオンを前記金属イオン吸着材に吸着させ、当該吸着材を前記被処理液から分離し、分離した吸着材から回収液中に金属イオンを移動させ、金属イオンが分離された吸着材を前記回収液から分離し、前記回収液を蒸発させて、金属を回収することを特徴とする。
発明7は、発明6の金属回収方法において、回収液から分離した吸着材を再使用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
発明1のメソポーラス粉末は、金属が含有されているシリカにより構成されているので、シリカのみならず、金属とシリカの結合により強度を増すことができるとともに、有機機能材料との結合が、従来のシリカはシリカと酸素の物理結合という不安点な結合をとっていたが、金属とシリカと酸素の化学結合により安定した強度な関係が得られることから、外表面のみならず、多孔質を構成する孔の内面においても、有機機能材料と強く結合させることができた。
【0010】
このような本発明のメソポーラス粉末の性質を生かした発明2、3、4の金属イオンセンサーとそれを用いた検出方法では、金属イオンの吸着の為になされる被検出液のpH調整に対しても、プローブが脱落したり、メソ構造が崩壊するようなことがないので、吸着した金属イオンを除去することで繰返し使用できるようになった。
また、被検出液のpH調整により、吸着する金属イオンを変更できることから、各種の金属イオンを検出できるものでもある。
【0011】
さらに、発明5,6,7に示すように、発明1のメソポーラス粉末を用いた吸着材を、被処理液からの金属回収手段として用いた場合にも、回収後の吸着材を繰返し用いることができるとともに、同じ吸着材を異なる金属イオンの回収に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】異なるSi/Al比率 での19 (20−01−01), 9 (20−02−01), 4 (20−03−01), 2.3 (20−04−01),1.5 (20−05−01), 及び 1.0 (20−06−01),でのXRD(X線解析)によるcubic Im3m aluminosilicate nanocomposites.
【図2】Wide−Angle XRD patterns of metal/silica nanocomposites with different space groups of P6mm (01), Pm3n (02), Fm3m (03), Fd3m (04), Ia3d (05), and Im3m (06), and composition Si/M ratios of 2.33 (04), respectively.
【図3】異なるSi/Al比率19 (20−01−01), 9 (20−02−01), 4 (20−03−01), 2.3 (20−04−01),1.5 (20−05−01), and 1.0 (20−06−01),でのN2 isothermal patterns of 3−dimensional cubic Im3m aluminosilicate nanocomposites のN2等温パターン
【図4】Al/Si 比率9、 H2DSPy (21−02)、TMPyP (22−02)プローブの追加により製造されたCubic Im3m Al/silica nanocomposite sensors のHRTEM 画像および FTD (inserts) パターンTEM、 FTD画像は [111] (A) および [110] (B)ゾーン軸にて記録された。
【図5】Al/Si 比率9、 H2DSPy (21−02)、TMPyP (22−02)、DZC (23−02)プローブの追加により製造されたCubic Im3m Al/silica nanocomposite sensors のXRD patterns パターン
【図6】Al/Si 比率9、 H2DSPy (21−01)、TMPyP (22−01)、DZC (23−01)プローブの追加により製造されたCubic Im3m Al/silica nanocomposite センサー のN2等温線 パターン
【図7】H2DSPy , TMPyP and DZC −immobilized aluminosilica (Al/HOM−1) monoliths (20−02−01)を使ったpH値機能としてのマルチ金属検出のシグナル反応
【図8】M/HOM/DZC センサーの色変化
【図9】可視センシング環境(例:pH of 5, R > 90 sec. sensor amount of 4 mg, volume of 10 ml、温度25 C)でのCu(II) [26−02] イオン分析認識中の[22−02] センサーのUV/Vis reflectance spectroscopic反応のconcentration−dependent変化イラストレーション
【図10】可視センシング環境(例:pH of 11, R > 120 sec, sensor amount of 4 mg, volume of 10 ml、温度25 C)でのHg(II) [28−02]イオン分析認識中の[22−02] センサーでのUV/Vis reflectance spectroscopic反応のconcentration−dependent変化イラストレーション
【図11】Illustration of concentration−dependent changes in UV/Vis reflectance spectroscopic responses of [23−02] sensor during the recognition of Hg(II) analyte ions [33−02] at optimal sensing conditions (such as pH of 11, R > 20 sec., sensor amount of 4 mg, volume of 10 ml and temperature of 25 C)
【図12】カリブレーションカーブ (A−Ao& [Cu(II)]濃度, where Ao and Ac is the absorbance of TMPyP−probe and [Cu−TMPyP]n+ complex at λ= 552 nm) of optical sensor (22−02) during the recognition of Cu(II) ion (in the absence of interferences, see the black curve) and in the addition of interfered cations (see the red curve). The inlet in graph shows the amplification for the low−limit colorimetric response for Cu(II) ions (experimental data). The graph was represented by a linear fit line in the linear concentration range before saturation. エラーバーは10回の繰り返し分析データの 1−5 %の標準公差を意味する。[Table26−02 参照]
【図13】実施例3の金属回収システムを示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、メソポーラス粉末に関し、シリカメソポーラス粉末の弱点である、強度とプローブとの接着性とを向上することに成功したものである。
具体的には、実施例1に示すように、金属酸化物とシリカとが混合したメソポーラス粉末を実現したことによる。
シリカだけだとシリカの物性からアモルファスの中に目的とする安定なメゾポーラス層しか得られない、しかし金属を入れる事により全体が規則的で安定な構造を持つ事となる。
下記実施例に示した金属元素及びその酸化物の他に、遷移金属元素、半金属類、典型金属領域の酸化物などが所要可能である。
質量比においてシリコン元素1に対して金属元素が0.05〜4、好ましくは0.1〜4とするのが望ましい。
金属とシリカとの混合は、一方に対して他方が1/3以下になると、混合物における少ないほうの元素の性状が著しく低下するとされている。
このことからすれば、本願発明は、金属とシリカの両性状を維持したモノリスを必要とするので、上記のような相対比を維持して構成するのが妥当と考えられる。
具体的には、金属元素が三分の一以下(参照:三分の一の法則)と希薄になると機能的な点(秩序だったポア孔構造や表面面積やポアボリュームの質を下げてしまうがフレームワークは保たれる。)では効果は減少する。また逆の場合にも、シリカの性状が滅失して、フレームワークが低下する。
【0014】
本発明の金属含有メソポーラスシリカを製造する場合に、それに用いる界面活性剤としてはBrij−type (CEO)「例えば、Brji 56, Brji76, Brji97,CnTMA−B or−C,P123 F108」が最も有効である。
当該界面活性剤を用いることで、Hexagon cubic孔等のメゾポーラス構造を、ナノスケールレベルで形成し、M/HOM構造の広面積の形成を助ける。
【0015】
アルカンは、その基礎構造を鋳型に作ってその周りに目的原子をつけ、規則的な組織構造をつくるためのものである。
規則的な組織構造が得難い原料であっても、当該方法を用いることで規則的な組織構造のモノリストとすることができる。
このような金属含有メソポーラスシリカは、液中の金属イオンを吸着する因子を持つ有機プローブとの接着が、容易であるのみならず、一旦接着すると、その接着が電子構造によるものであるから、投入された液中のpH等の変動によっても容易には分離しない。
この機能は、下記実施例2、3に示すセンサーや金属イオン回収用吸着材として用いるときの繰返し使用を容易にする要因となっている。
【0016】
特に、液中のpHの違いにより吸着する金属イオンが異なるプローブを用いて、その提色機能により可視的に金属イオン濃度を検査する為のセンサーとして用いた場合は、含有金属イオンが不明な場合でも、pHを変えて、繰返し使用することができるようになる。
さらに、実施例3で示すような液中の金属イオン回収に当たっては、金属イオン吸着材として用いた場合は、吸着材の使用料を軽減し、二次公害の発生の虞を軽減できる。また、その吸着材の構成材料が、回収液中に溶出するようなこともないので、回収液には、所定の金属イオンが存在する極めて高純度の金属回収が可能となるものである。
【0017】
前記センサー及び吸着材は、メソポーラス構造を持つ担持体を利用したものである。
メソポーラス構造とは、多孔質構造の1種であり、均一で高度に秩序化した大きさと形状を有する多数の細孔(メソ孔)よりなることをいう。
細孔の作るネットワークの様式(空間対称性)や製造方法等によって、様々な特性を有することが知られている多孔質物質群である。また、このような構造は、メソポア領域と呼ばれる、2から50nmの領域の直径を有する細孔において生じやすいものであるが、本発明では、メソ孔よりも小さなマイクロ孔(2nm未満の細孔)やメソ孔よりも大きなマクロ孔(50nm超の細孔)を有する構造をも含んだ概念としてメソポーラス構造と表記する。
高度に秩序化したとは、立方晶や六方晶系メソポーラス構造が3次元的に表面や内壁表面に規則正しく配列した状態を言い、たとえば立方晶Ia3d、Pm3n、Im3mや六方晶P6m構造を言う。これらの構造が広範囲に存在すると、プローブとしての化合物を大量に担持することができ、全体の金属イオン吸着量を大きくすることができる。
特に、対象液体の流入を許す大きさの孔径のものでは、孔の内面にも、プローブを固定させることで、対象液体との接触及び反応面積を飛躍的に増大して、その提色及び吸着量を飛躍的に増大させることができる。
そして、このような構造を持つ多孔質担持体をM/HOM(High Ordered Mesoporous)と表記するが、本発明は、シリカに金属が含有しているので、M/HOMと表記する。
M/HOMの形態は、薄膜状形態やモノリス形態を含む。モノリス形態とは、通常薄膜以外の各種の形態、たとえば微粒子、粒子、ブロック状のもの等の形態を言う。また、M/HOMのBET比表面積は大きいほど良いが、通常500m/g以上であり、好適には800m/g以上である。
【0018】
本発明のセンサー及び金属イオン回収用の吸着材は、M/HOMの細孔の内面に、金属イオンの結合基を有する化合物(以下、Probeと記す。)を化学結合させたものである。
このようにすることで、M/HOMのもつ細孔の均一性により、いずれの細孔にも液が侵入するのみならず、侵入した液の中央部と前記結合基との距離も一定なので、いずれの細孔においても同様な確率で液中の金属イオンを吸着することができる。
さらに、ナノレベルの直径であると、液中の金属イオンの全てが前記結合基と接触させることも期待でき、その結果、従来には不可能とされていた低濃度の含有金属イオンをも吸着することができるものである。
【0019】
また、M/HOMと前記Probeとが上記のように結合して一体化していることより、物理的な力が加わってもM/HOMから前記化合物が容易には離脱せず、その結合に影響しない化学処理により、吸着した金属イオンを離脱させることで、金属イオンのみを回収できる。
つまり、吸着材成分を混入させずに金属イオンを回収することが可能になった。
また、このようにして金属イオンを離脱させた吸着材は、使用前の状態に戻ることを意味するので、これを再度利用して、金属イオンを吸着することに何ら支障はない。
【0020】
前記Probeとしては、回収目標の金属イオンを吸着できる結合基を有し、前記M/HOM内面と前記のように結合することができるものであれば使用可能である。
たとえば、各種の金属に対して選択的に結合するキレート化合物が挙げられる。具体的には、エチレンジアミン4酢酸(EDTA:C10H16N2O8)はCa2+、Cu2+、Fe3+などを選択的に吸着する。ジチゾン(Cu、Zn、Ag、Hg、Pb)、クペロン(Ti、Fe、Cu)、キナルジ酸(Cu、Zn、Cd)、α−ニトロソ−β−ナフトール(Co、Pd)、ジメチルグリオキシム(Ni、Pd)がある。またキレート化合物の高分子体であるキレート樹脂のモノマー又はオリゴマーとして、たとえば、カルボン酸型樹脂(Cu、Ni、Zn)、ポリアミン型樹脂(Hg、Cd、Cu)、ポリイミン型(Hg)樹脂、チオール型樹脂(Ag、Hg、Au)、βジケトン型樹脂(U)、ヒドロキシル型樹脂(Mo、V)、アゾ型樹脂(Cu、La、Zr、Pd)等のモノマー又はオリゴマーが使用可能である。キトサン{(C11NO)n}も金属イオン吸着選択性(Fe、In、Ni、Cd、Zn)を持っている。(カッコ内の金属は選択的に吸着できる金属を示す。)各種の金属イオンが存在する液のpH値や温度や濃度などを調整すれば、そのProbeに特定の金属を選択的に吸着できる。また、キレート化合物は、非常に微量の(たとえば、ppbオーダー)金属を選択的に吸着することができるので、本発明の構造により、それが如何なく発揮できて、液中に含まれる目標金属イオンの量が少なくても、効率的に選択的に目標金属イオンを吸着する。
【0021】
このようなProbeをM/HOMに結合(修飾)させる方法(複合化法とも呼ぶ)として種々の方法が挙げられる。たとえば、M/HOMに保持されるべきProbeが中性である場合には、試薬含浸法(REACTIVE & FUNCTIONAL POLYMERS、49、189(2001)など)が、陰イオン性である場合には、陽イオン交換法、陽イオン性である場合には陰イオン交換法が用いられる。
これらの複合化法は、特別の条件、操作ではなく、既知の一般的な技術分野に属するものである。したがって、これらの一般的な技術分野の詳細については、当該固体吸着分野に関する総説、文献などを参照することにより、容易に実施できるものである。
【0022】
具体的には、以下のような方法が容易に実施できる。
1)M/HOMシリカを陽イオン性有機試薬(たとえば、陽イオン性シリル化剤)を用いて表面処理し、そのM/HOMシリカに陽イオン性官能基を付与し、次いで、この陽イオン性M/HOMシリカと陰イオン性Probeの水溶液やアルコール溶液とを接触させ、ProbeをM/HOMシリカ内に吸着させる方法。
2)M/HOMシリカとProbeの有機溶媒溶液とを接触させ、有機溶媒だけを取り除くことで、ProbeをM/HOMシリカ内に吸着させて担持する方法。
3)M/HOMシリカをチオール基を持つシリル化剤を用いて表面処理し、次いで、生成する表面のチオール基を酸化処理することで、そのM/HOMシリカに陰イオン性官能基を付与し、この陰イオン性M/HOMシリカと陽イオン性Probeの水溶液とを接触させ、ProbeをM/HOMシリカ内に吸着させる方法。
4)あらかじめProbeを細孔内および表面に充填した後に、これを陽イオン性有機試薬の有機溶媒溶液で処理して、Probeを細孔内および表面に固定する方法。
5)Probeと陽イオン性有機試薬をあらかじめ混合し、得られた試薬複合体の有機溶媒溶液と該シリカとを接触させ、有機溶媒だけをろ過あるいは蒸留などにより取り除くことで、Probeを該シリカ内に担持する方法。
また、Probeとして前述のNNをM/HOMに担持させるには、NNをエタノールに溶解し、この溶液とM/HOMを接触させて、M/HOMへNNを含浸させる。このようにしてNNを高密度に整然と担持したM/HOMが完成する。
【0023】
また、結晶構造の秩序性が高くBET比表面積が大きいポーラス(細孔)密度の大きなM/HOMほど、多くのProbeが規則的にM/HOMの表面および細孔内壁に担持される。たとえば、好適には、立方晶構造Pm3n、Fm3m、Ia3d、六方晶構造P6mなどの構造が広範囲に形成されたM/HOMにProbeを吸着させることができる。
これは、M/HOMの孔内表面の化学的な性状が規則的であることにより、その性状に会った状態でProbeを化学結合させると、孔内表面の規則性に倣って、Probeも規則的に配列されることによる。
また、これらは、下記実施例に示すM/HOMシリカにOH基を介して結合させることができる。
【0024】
Probeのみでは、液中にて凝集することで、その内部にある金属イオン結合基と金属イオンとの接触を妨げたり、凝集内部において仮に金属イオンを吸着しても、それを分離させることが困難になる等の理由で、使用するProbeの量に比べ、さほど多くの金属イオンを回収することはできない。また、一旦吸着した金属イオンを分離することも、凝集が生じている以上、完全には困難であり、結果的には回収効率を悪くする要因となる。
【0025】
これに対して、本発明では、Probeの1分子ずつが金属イオン吸着に利用できる。
本発明の構造においては規則的(5nm〜25nm)な配列である為に「立体障害」(構造的ロス)は生じない。
金属イオン含有液は、メソポーラス構造の細孔へ容易に侵入していくので、M/HOMに担持されたProbe(の反応基)と容易に速く接触する。逆に吸着された金属を遊離するときも遊離成分と素早く接触し、余りなく金属イオンが遊離されることとなる。
【0026】
たとえば、キレート樹脂単独の場合には、キレート樹脂の表面において、表面原子がすべて有効にキレート(吸着基)を持った状態にはならず、原子的には離散的にキレートの反応端がある状態となっている。キレート樹脂のみで金属イオンを吸着する時も、キレート樹脂のどの部分につくか制御できない。また、金属イオン含有液と接触した部分のキレート官能基には金属イオンが吸着(抽出とも言う)されると予想されるが、金属イオン含有液が浸透しにくいキレート樹脂内部では金属イオンは殆ど吸着されないと考えられる。すなわち、金属イオン吸着効率が非常に悪い。
さらにキレート樹脂に吸着した金属イオンを遊離するとき(逆抽出とも言う)も、キレート樹脂内部に吸着した金属イオンを取り出すことが困難となる。このキレート樹脂を繰り返し利用したときも、キレート樹脂中の残存物等の影響により、金属イオンの吸着とその分離回収(抽出・逆抽出)の効率がどんどん悪くなり、繰り返し使用でキレート樹脂の性能が大幅に劣化してしまう。
【0027】
本発明の吸着材(Material of adsorbs metal ion)では、このようなキレート樹脂(モノマー又はオリゴマー)を用いる場合でも、M/HOMに担持したものは、M/HOMの大きな比表面積と整列した原子配列を使って、実反応面積の大きなキレート官能基をM/HOMの表面上に形成することができる。
言い換えれば、M/HOMではキレートの反応端はほぼ同一の性状になる。しかも、従来のキレート樹脂単独では実現できないほどに、M/HOM表面および細孔内壁に多量にキレートの反応端を有する。
そのキレート官能基が金属イオンまたはキレート化したイオンを選択的に吸着するので、金属イオンの吸着効率が非常に良くなる。また、その吸着された金属イオンを逆抽出で取り出すことができる。さらに、キレート樹脂単独で使用した場合には樹脂そのものの物理的および/または化学的強度が不十分であるため、キレート樹脂の繰り返し使用による劣化が大きいが、キレート樹脂をM/HOMに担持したものは、その骨格たるM/HOMの物理的および/または化学的強度が十分であるため、繰り返し使用による劣化が小さい。
以下に本発明の実施例を例示する。
【実施例1】
【0028】
本実施例は、金属含有メソポーラスシリカ粉末の例を表1から19に示す。
その方法は以下の通りである。
界面活性剤とシリカ源及びメタル源ならびに必要に応じて、アルカン(Alkane)とを、下表に示す分量、塩酸水溶液(液中に溶解し、Tで示す反応温度の温浴槽において数分保持して溶解して、透明な溶液、すなわち均質溶液を得た。5〜10分の短時間にM/HOMを作製できる。
ドデカン等のアルカン類の付加によりメソポーラス構造のポアサイズなどを制御することができる。
このゾル−ゲル溶液にHCl水溶液(H2O/HCl」pH=1.3)を約2g素早く添加した。均質溶液の組成物ドメインにHCl酸性水溶液を付加すると、TMOSの発熱性加水分解と凝縮が速やかに起こる。この後、フラスコを真空引きしながら、450℃〜500℃(通常、470℃)で焼成すると、アルコール分が速やかに除去され、半透明のM/HOMモノリスが生成する。
以上のようにして、各表に示す、シリコン/金属比率(Si/M)となるM/HOMを合成した。
得られたM/HOMモノリスの構造は、表1から20に示す通りであった。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【実施例2】
【0029】
本実施例は、前記実施例1の表20で示した、Al/HOM粒子を用いたセンサーの創製と、得られたセンサーの使用についての具体例を示す。
なお、前記実施例1に示す表1から19の示す各M/HOM粒子は、本実施例と同様にしてセンサーとすることが可能であり、また、その性能も同様なものである。
表21,22,23は、Al/HOMの異なったProbeを結合した例を示す。
M/HOMへの金属イオン吸着化合物(Probe)の担持。
M/HOMは高秩序化した細孔を持つ金属シリカ粒子であるが、このM/HOMの表面および内孔の内壁に種々の化合物を担持できる。本実施例では、目標金属イオンを選択的に吸着可能なProbeを担持させる。たとえば、ケージ状或いはシリンダー状の立方晶モノリス上にProbeを担持する場合には以下のように行う。
Probeを無水エタノールに溶解し(0.01M/l)、3.5gのM/HOMを浸漬して室温で10分間保持する。次に60℃に加熱してProbeをM/HOMに含浸させ24時間で飽和させる。固形物を水洗し、60℃で45分間乾燥して、エタノールを除去すれば、Probeを担持したセンサーを得ることができる。この操作により、Probe分子はM/HOM表面および内壁面のポア(細孔)表面に、含有された金属とProbeとが電子的結合する。
【表21】

【表22】

【表23】

【0030】
上記のようにして製造したセンサーを、下表のようにして使用した結果、図示のような結果を得た。
【表24】

【表25】

【表26】

【表27】

【表28】

【表29】

【表30】

【表31】

【表32】

【表33】

【表34】

【0031】
[0.5 ppm] Pd (II), Bi(III), Pb(II), Zn(II), Hg(II) 及び Cd(II)イオンの識別中の可視センサー分析 [(35−01), (35−02), (35−03), (35−04), (35−05), 及び (35−06)] を利用した妨害マトリックス種(interfering matrix species)への耐久限度(tolerance limit)
注: 通常センシング環境下(R, pH値 2.0, 5.0, 7.0, 9.5, 11.0, および 12.5, 温度設定25 C)でのセンサー(23−02) (Al/HOM/DZC)を利用した妨害外部イオン、電子種、複合エージェントという追加内でのそれぞれの目的金属から得られる選別性(参照: 表 29−34).

【表35】

【実施例3】
【0032】
本実施例は、前記実施例2で示す、センサー粒子を、液中の金属イオン吸着材として用いた例を示す。
[都市鉱石からの金属イオン含有液の作成]
金属イオンの分離回収は、都市鉱石からの金属、特に希少金属の回収に有効に利用できる。
都市鉱石に含有されている金属イオンを溶出させた液を製造する方法は以下のようにすればよい。
1)携帯電話やパソコンなどから得られたCo、In、Nb等の希少金属イオンを含む材料を硝酸水溶液中に浸漬すると、Fe、Cu、Coなどの多数の金属イオン(これらも都市鉱石中に含まれる)が溶解され、また、この酸には溶解しなかった成分は固形分として残るのでこれをろ過して除去すれば、金属イオン含有液が得られる。
無論、本発明は、このようにして得られた金属イオン含有液のみならず、メッキや冶金等の工程にて排出される廃液等の、一般に金属イオンの含有濃度が高いとされている廃液の浄化においても、廃液の浄化とともに、含有される金属を回収することを可能にすることができる。
【0033】
図Xに示す工程図に基づき、各工程順に本発明の回収方法を以下に説明する。
第一工程
金属イオン含有液が使用する吸着材と回収する金属イオンに基づき定めたpHになるようにpH調整剤を注入する。
そして、この液に金属イオン吸着材を投入して、吸着に適当な温度に維持して、攪拌・混合することで、含有されている金属イオンの内、前記pHと吸着材により定まる種類の金属イオンのみを吸着材に吸着する。
pH調整剤としては、実施例に示すような、ProbeとM/HOMとの結合及び回収しようとする金属イオンとProbeの結合を阻害せずに、液のpHを調整できるものであれば良い。
第二工程
第一工程で金属イオンを吸着した吸着材は、前記液中で沈殿するので、ろ過装置などを使用して、吸着材と液とを分離する。
第三工程
第二工程で分離した吸着材には、金属イオンが結合しているので、これらを分離する成分(分離成分)を含有する回収液中に投入することで、吸着材に吸着されていた金属イオンは、分離されて回収液中に解放される。
この回収液の分離成分としては、実施例に示すような、ProbeとM/HOMとの結合を阻害せずに、Probeから金属イオンを分離できるものであれば良い。
第四工程
そして、この回収液から固形分である吸着材(金属イオンが離れたもの)を、濾過機等により分離する。
第五工程
第四工程により、吸着材を除いた回収液を加熱蒸発或いは真空蒸発等して液分を除去すると、金属成分が残存することとなる。
このようにして得た金属成分を溶融して、インゴット等を作成し、再利用に供することができる。
複数の金属イオンが含有されている液でも、上記のようにすることで、一種類の金属イオンを高純度で回収することが可能である。
【0034】
[複数の金属イオンを含有する液からの金属イオンの回収]
前記方法では、含有濃度の高い金属イオンから順次、吸着分離するのが、精度よく回収出来る。
そして、図1に示すように、第二工程で吸着材を分離した金属イオン含有液は、再度、第一工程の金属イオン含有液として使用し、残存する最も高濃度の金属イオンに適合するように、吸着材とpHを調整して、前記工程を繰り返すことで、複数の金属イオンをそれぞれ選別して高純度で回収することができるようになった。
[金属の回収]
高純度で金属を回収するには、この回収液に、他の金属イオンが予め含まれないようにするのは当然である。
この回収液を加熱して、水分を蒸発させると、金属が回収されることとなるが、この場合は、吸着材の成分は一切含まれず、また、金属イオンを分離する薬剤成分もほとんどが蒸散することより、極めて高純度の金属を得ることができた。
要は、Probe、M/HOMの材質により、前記条件を満たすものであれば使用可能である。なお、このようにすることで、吸着材は、金属イオン吸着以前の状態に戻ることとなるので、再利用が可能である。
しかし、再利用しない場合は、吸着材を燃焼して、金属を回収することも可能であるが、吸着材を構成する蒸発しない成分(Si等)が不純物成分として混入する。
以下、本発明の実施例を説明する。
【0035】
[吸着材の再使用]
図1に示すように、第四工程で分離した吸着材は、金属イオンが分離して無くなり、使用前の状態に戻っている。そのため、これを第一工程で液中に投入する吸着材として指定使用するのに何ら困難はない。
そのことは、下記実施例における繰返し使用によるデータからも明らかである。
【0036】
[測定方法等の説明]
なお、以下の実施例において用いる各種の記号について、説明する。
各表又は図面において、特別な説明が無い限り、これを用いる。
各実施例において、特性その他の数値は、それぞれ以下のようにして求めた数値である。
「Q」はプローブの飽和吸着能力(mmol/g)
プローブの飽和時の飽和吸着力は、以下の計算式で求められる。 Q = (C−C) V/m、Q は飽和時tの吸着量、Vは溶液量(L)、 mはM/HOMキャリア(g)の質量(mass)、C 及び Cは初期濃度と飽和時の濃度
「Rt」はプローブの応答時間(sec)
Rtは、金属イオンの吸着によりプローブの色や紫外光・可視光吸収スペクトルが継続的に変化するのを観測することで得られた数値であり、応答時間という。
実施例では、UV−Vis スペクトロメーター検出値を用いた。
「D」検出限界(mol dm−3
プローブの金属イオンの検出限界値は、異なった濃度の2価のCoでλmax が534 nm値で測定されたプローブのスペクトラ吸収(A−Ao)のカリブレーション測定結果を示す、X軸=2価のCo、Y軸=A、Ao)としたグラフにて示されたリニア部分から算出された値である。
具体的には、D=k/mの計算式によるものであり、検出値決定時k=3の場合、S はブランクの標準偏差、m はリニア域でのカリブレーショングラフの勾配をさす。
「L」定量化の限界係数(mol dm−3
プローブの金属イオンの検出限界値は、異なった濃度の2価のCoでλmax が534 nm値で測定されたプローブのスペクトラ吸収(A−Ao)のカリブレーション測定結果を示す、(X軸=2価のCo、Y軸=A、Ao)としたグラフにて示されたリニア部分から算出された値である。
具体的には、L=k/mの計算式によるものであり、検出値の決定時k=10の場合、S はブランクの標準偏差、m はリニア域でのカリブレーショングラフの勾配をさす。
「D」イオン拡散係数( cm.min−1
ナノサイズのポーラス材料への金属イオンの移動速度を示すイオン拡散係数( cm.min−1)は、以下の式を使って計算される。
D= 0.03 r/t1/2
rはナノ吸着剤の直径(Dp)の半分、
1/2 は反応信号時間Rtの半分
「Log Ks」金属イオン配位子安定度定数
特定のpH値での複合[metal−receptor] n+安定度定数(log K) は、以下の式で算出ができる。
log K = [ML]/[L] × [M]
式中
[ML]は、金属イオン結合子(リガント)の全数。
[M]は、金属イオンと結合していないキレートの濃度、[L]は、プローブの金属イオン結合子(リガント)の金属と結合していないものの濃度。
Sは固形段階の(Metal complex and ligand)合計濃度をさしている。
「D」紫外線分光スペクトルから求められた最大および最低濃度の検出範囲(mol dm−3
「No*」繰り返し回数
吸着材の使用回数を示し、1は初回の使用を、2以上が再使用となる。
「効率性(E)」吸着剤設計の効率性(%)
吸着材の再利用は、一旦吸着した金属イオンを吸着材の構造や性質に大きな変化を生じさせずに離脱させることに成功したことによる。
このことを数値として表わすために、No*がn回目の吸着材の応答時間(Rtn)が、初回の応答時間(Rt1)に比べどのように変化したのかを効率性(E)として示した。その計算式は以下の通りである。
E= Rtn/Rt1(%)
「(S)」金属イオンと吸着材のモル比
S=金属イオンのモル数/[M− receptor]n+のモル数
BETはBET比表面積
窒素吸着法によって求められたBET法比表面積
Dpはポア(細孔)サイズ(nm)
BJH法によって計算される中心細孔径
Vpはポア容積(cm/g)
前記SBET とDp及びポア形状から求められた容積
「a*」
Pm3n、 Ia3d and Im3mキュービック単位格子係数(nm) は、以下の様に算出される。
(aPm3n= d210√5、 aIa3d= d211√6、 and aIm3m= d110√2)、 dはhkl回折指数間の空間距離(distance spacing)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
規則的な配列を持って多孔質化されているメソポーラス粉末であって、シリカと金属酸化物とからなることを特徴とするメソポーラス粉末。
【請求項2】
液中に含有された金属イオンを吸着して提色するプローブがメソポーラス粉末に保持されてなる金属イオンセンサーであって、前記メソポーラス粉末が請求項1に記載のメソポーラス粉末であることを特徴とする金属イオンセンサー。
【請求項3】
液中に含有された金属イオンの種類と濃度とを検出する金属イオン検出方法であって、請求項2に記載の金属イオンセンサーを、検出する金属イオンとそのプローブの種類に適合したpHに調整した被検出液中に所定量投入し、金属イオン固有の提色の有無及び濃度を検出することを特徴とする金属イオン検出方法。
【請求項4】
請求項3に記載の金属イオン検出方法において、濃度検出に使用した金属イオンセンサーを被検出液から分離回収し、当該センサーに吸着された金属イオンを除去して再生することを特徴とする金属イオン検出方法。
【請求項5】
被処理液中に含有された金属イオンを吸着し、前記被処理液から金属イオンを分離して回収する為に用いる金属イオン吸着材であって、請求項1に記載のメソポーラス粉末の表面に、金属イオン吸着基を持つプルーブを固定したことを特徴とする金属イオン吸着材。
【請求項6】
金属イオンを含有する液から金属を回収する金属回収方法であって、除去する金属イオンの吸着に適したpHに調整した被処理液中に請求項5に記載の金属イオン吸着材を投入し、前記被処理液中の所望の金属イオンを前記金属イオン吸着材に吸着させ、当該吸着材を前記被処理液から分離し、分離した吸着材から回収液中に金属イオンを移動させ、金属イオンが分離された吸着材を前記回収液から分離し、前記回収液を蒸発させて、金属を回収することを特徴とする金属回収方法。
【請求項7】
請求項6に記載の金属回収方法において、回収液から分離した吸着材を再使用することを特徴とする金属回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−201731(P2011−201731A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71178(P2010−71178)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(301023238)独立行政法人物質・材料研究機構 (1,333)
【Fターム(参考)】