説明

メタクリル樹脂組成物、及びメタクリル樹脂組成物の製造方法

【課題】難燃性を有し、かつ、耐熱性により優れるメタクリル樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体とネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレートとが重合してなる重合体A、並びにハロゲン化リン酸エステルを含有するメタクリル樹脂組成物であって、前記重合体A、及びハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して10.5〜12.5重量部のハロゲン化リン酸エステルを含有することを特徴とするメタクリル樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難燃性を有し、かつ耐熱性に優れるメタクリル樹脂組成物と、該組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メタクリル樹脂組成物は、その透明性から、例えば、照明材料、看板、ディスプレイ、建築材料等に広く用いられている。このような用途に使用されるメタクリル樹脂組成物としては、難燃性のほか、良好な耐熱性も要求されている。
【0003】
かかるメタクリル樹脂組成物として、特開平8−113655号公報(特許文献1)では、トリメチロールプロパントリメタクリレート又はモノエチレングリコールジメタクリレートとメタクリル酸メチルとの共重合体、メタクリル酸メチルの重合体、及びハロゲン化リン酸エステルを含有するメタクリル樹脂組成物であって、該樹脂組成物に対して13重量%、15重量%のハロゲン化リン酸エステルを含有するメタクリル樹脂組成物が提案されている。
【0004】
また、特開2003−277568号公報(特許文献2)では、ネオペンチルグリコールジメタアクリレートとメタクリル酸メチルとの共重合体、メタクリル酸メチルの重合体、及びハロゲン化リン酸エステルを含有するメタクリル樹脂組成物であって、該樹脂組成物100重量部に対して1〜10重量部のハロゲン化リン酸エステルを含有するメタクリル樹脂組成物が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開平8−113655号公報
【特許文献2】特開2003−277568号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のメタクリル樹脂組成物は、難燃性を保持しつつ、かつ良好な耐熱性を獲得するという点で、必ずしも満足のいくものではなかった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、難燃性を有し、かつ、耐熱性により優れるメタクリル樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる状況の下、本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、[1]メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体とネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレートとが重合してなる重合体A、並びにハロゲン化リン酸エステルを含有するメタクリル樹脂組成物であって、前記重合体A、及びハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して10.5〜12.5重量部のハロゲン化リン酸エステルを含有することを特徴とするメタクリル樹脂組成物を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、[2]メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体とネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレートとが重合してなる重合体A、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体が重合してなる重合体B、並びにハロゲン化リン酸エステルを含有するメタクリル樹脂組成物であって、前記重合体A、前記重合体B、及びハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して10.5〜12.5重量部のハロゲン化リン酸エステルを含有することを特徴とするメタクリル樹脂組成物を提供するものである。
【0011】
さらに、本発明は、[3]メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、並びにハロゲン化リン酸エステルを含有する重合性混合物を重合反応させて前記[1]に記載のメタクリル樹脂組成物を製造する方法であって、前記重合性混合物中のハロゲン化リン酸エステルの含有量が、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、並びにハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して10.5〜12.5重量部であるメタクリル樹脂組成物の製造方法を提供するものである。
【0012】
くわえて、本発明は、[4]メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体が重合してなる重合体B、並びにハロゲン化リン酸エステルを含有する重合性混合物を重合反応させて前記[2]に記載のメタクリル樹脂組成物を製造する方法であって、前記重合性混合物中のハロゲン化リン酸エステルの含有量が、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、前記重合体B、並びにハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して10.5〜12.5重量部であるメタクリル樹脂組成物の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、難燃性を有し、かつ、耐熱性により優れるメタクリル樹脂組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のメタクリル樹脂組成物は、(1)メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体とネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレートという2官能単量体とが重合してなる重合体Aと、ハロゲン化リン酸エステルを含有し、かつ前記重合体A、及びハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して10.5〜12.5重量部のハロゲン化リン酸エステルを含有するものであるか、若しくは、(2)メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体とネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレートという2官能単量体とが重合してなる重合体Aと、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体が重合してなる重合体Bと、ハロゲン化リン酸エステルを含有し、かつ前記重合体A、前記重合体B、及びハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して10.5〜12.5重量部のハロゲン化リン酸エステルを含有するものである。これらのような構成を採用することにより、難燃性を有し、かつ、耐熱性により優れたメタクリル樹脂組成物を得ることができる。
【0015】
メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体とネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレートとが重合してなる重合体A(以下、重合体Aということがある。)は、メタクリル酸メチルを50重量%以上含む単官能単量体と、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレートとの共重合体であることができ、好ましくはメタクリル酸メチルを85重量%以上含む単官能単量体と、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレートとの共重合体であることができる。
【0016】
ここでいうメタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体は、メタクリル酸メチルを50重量%以上、好ましくは85重量%以上含むものであり、メタクリル酸メチルのほかに、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に1個有する単官能単量体を含んでもよい。メタクリル酸メチル以外の単官能単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニルのようなアクリル酸エステル類;メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソノニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニルのようなメタクリル酸エステル類;メタクリル酸、無水マレイン酸、スチレン、シクロヘキシルマレイミド、アクリロニトリル等が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上が含まれていてもよい。
【0017】
メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体が重合してなる重合体B(以下、重合体Bということがある。)は、メタクリル酸メチルを50重量%以上、好ましくは85重量%以上含む単官能単量体の重合体であることができる。また、ここでいうメタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体は、前述のとおりメタクリル酸メチルを50重量%以上、好ましくは85重量%以上含むものであり、メタクリル酸メチルのほかに、ラジカル重合可能な二重結合を分子内に1個有する単官能単量体を含んでもよい。また、メタクリル酸メチル以外の単官能単量体としては、例えば、前述と同様のものを挙げることができる。
【0018】
本発明のメタクリル樹脂組成物は、重合体A、及びハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して10.5〜12.5重量部のハロゲン化リン酸エステルを含有するものであるか、若しくは、重合体A、重合体B、及びハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して10.5〜12.5重量部のハロゲン化リン酸エステルを含有するものである。これらのように所定量のハロゲン化リン酸エステルを含有することにより、該樹脂組成物は、所望の難燃性及び耐熱性を有することができる。ハロゲン化リン酸エステルの含有量が、前記100重量部に対して10.5重量部未満である場合、難燃性の点で十分ではないことがあり、前記100重量部に対して12.5重量部より高い場合、耐熱性の点で十分ではないことがある。
【0019】
ここでいうハロゲン化リン酸エステルとしては、例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロピルホスフェート、ビス(クロロプロピル)オクチルホスフェート等のハロゲン原子を含有するリン酸エステルや、ハロゲン化アルキルポリホスフェート等のハロゲン原子を含有するポリリン酸エステル(所謂含ハロゲン縮合リン酸エステル)が挙げられ、中でも、ハロゲン原子を含有するポリリン酸エステル(所謂含ハロゲン縮合リン酸エステル)が好ましい。また、これらハロゲン化リン酸エステルとしては、市販のものを用いることができ、例えば、大八化学工業株式会社製の「TMCPP」、「CRP」、「CR−504L」、「CR−570」、「DAIGUARD−540」等が挙げられる。
【0020】
尚、本発明のメタクリル樹脂組成物には、必要に応じて、光拡散剤、着色剤、補強剤、充填剤、離型剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤等の各種添加剤を、1種または2種以上含有させてもよい。
【0021】
次に、本発明のメタクリル樹脂組成物の製造方法について説明する。該メタクリル樹脂組成物の製造方法としては、例えば、(ア)重合体Aを溶融したものや、重合体A及び重合体Bを溶融して混合したものに、更にハロゲン化リン酸エステルを添加する方法、(イ)メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、並びにハロゲン化リン酸エステルをそれぞれ所定量混合して得られる重合性混合物を重合反応させる方法や、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、重合体B、並びにハロゲン化リン酸エステルをそれぞれ所定量混合して得られる重合性混合物を重合反応させる方法等が挙げられ、中でも、上記(イ)の方法が有利に採用される。
【0022】
上記各々の重合性混合物を重合反応させる場合、上記各原料の使用量は、得られるメタクリル樹脂組成物において、上述した組成比率になるよう適宜調整することができ、例えば、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、並びにハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して10.5〜12.5重量部のハロゲン化リン酸エステルを使用することができる。また、重合体Bを使用する場合は、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、重合体B、並びにハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して10.5〜12.5重量部のハロゲン化リン酸エステルを使用することができる。
【0023】
また、重合体Bを使用する場合、その使用量は、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体と重合体Bの合計に対して、通常20重量%以下、好ましくは1〜10重量%であり、上記単官能単量体の使用量は、該単官能単量体と重合体Bの合計に対して、通常80重量%以上、好ましくは90〜99重量%である。尚、重合性混合物に重合体Bを含有させると、該重合性混合物は適度な粘性を有するため、重合体Bを含有させたほうが、重合性混合物を重合反応に供する際の操作性の点で有利である。
【0024】
ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレートの使用量は、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、並びにハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して、通常0.01〜0.20重量部、好ましくは0.05〜0.15重量部であり、重合体Bを使用する場合は、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、重合体B、並びにハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して、通常0.01〜0.20重量部、好ましくは0.05〜0.15重量部である。
【0025】
尚、メタクリル樹脂組成物中に、必要に応じて上述したような添加剤を含有させる場合には、上記重合性混合物に添加すればよい。
【0026】
上記各原料を混合する方法については、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。
【0027】
上記重合性混合物を重合反応させる際、通常、該混合物にラジカル開始剤を添加して重合反応を行う。かかるラジカル開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)のようなアゾ化合物や、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドのような過酸化物等が挙げられ、また必要に応じて、アミン類やメルカプタン類のような促進剤を併用してもよい。この重合反応の温度は、通常、使用するラジカル開始剤の種類等によって、常温〜150℃の範囲で適宜設定され、また、必要に応じて多段階の温度条件で重合を行ってもよい。
【0028】
重合反応の方式としては、例えば、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、分散重合等の方法により行うことができるが、中でも、塊状重合、特にキャスト重合(注型重合)により行うことが好ましい。
【0029】
かかるキャスト重合は、上記重合性混合物をセルに注入して重合させることにより行うことができる。このセルとしては、例えば、2枚のガラス板と軟質塩化ビニルチューブのようなシール材から構成されるものを用いることができる。セルの空隙の間隔は所望の厚さの樹脂板が得られるように適宜調整されるが、一般的には1〜30mmである。
【0030】
かくして、難燃性及び耐熱性を備えたメタクリル樹脂組成物を製造することができる。かかるメタクリル樹脂組成物は、例えば、照明材料、看板、ディスプレイ、建築材料等に用いることができ、特にガソリンスタンドの如き可燃性物質を取り扱う場所において、その店名や商品価格等を表示するための看板等に好ましく用いることができる。
【実施例】
【0031】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、得られたメタクリル樹脂組成物の難燃性試験、及び耐熱性試験は、以下のとおり行った。
【0032】
(1)難燃性試験
JIS K 6911−1979の耐燃性試験A法に準拠して、3個1組のサンプルにて不燃性、自消性、可燃性の判定を行った。尚、表1中、不燃性の場合には◎を、自消性の場合には○を、可燃性の場合には×を示した。
【0033】
(2)耐熱性試験
JIS K 7191に準拠して、80℃で16時間アニールしたサンプルの熱変形温度(℃)を測定した。
【0034】
実施例1
メタクリル酸メチルが重合してなるポリメタクリル酸メチルを5重量%含有するメタクリル酸メチル部分重合体シロップ88.90重量部(4.45重量部のポリメタクリル酸メチルと、84.45重量部のメタクリル酸メチルとの混合物)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート0.10重量部、含ハロゲン縮合リン酸エステル(大八化学工業株式会社製の「CR−570」)11.0重量部、及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.07重量部を混合した。この混合物を、2枚のガラス板と塩化ビニル製ガスケットから構成される空隙の間隔が5mmのセルに流し込み、60℃にて6時間、次いで110℃にて1時間加熱して、重合させた。得られた厚さ5mmの板状の樹脂組成物は、不燃性であり、その熱変形温度は88.3℃であった。結果を表1に示す。
【0035】
実施例2〜7、比較例1〜5
メタクリル酸メチルが重合してなるポリメタクリル酸メチルを5重量%含有するメタクリル酸メチル部分重合体シロップ(ポリメタクリル酸メチルとメタクリル酸メチルとの混合物)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、含ハロゲン縮合リン酸エステル(大八化学工業株式会社製の「CR−570」)、及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を、それぞれ表1に記載の量、混合し、該混合物を実施例1と同様に重合させた。得られた樹脂組成物の難燃性及び熱変形温度を表1に示す。
【0036】
比較例6〜12
メタクリル酸メチルが重合してなるポリメタクリル酸メチルを5重量%含有するメタクリル酸メチル部分重合体シロップ(ポリメタクリル酸メチルとメタクリル酸メチルとの混合物)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、含ハロゲン縮合リン酸エステル(大八化学工業株式会社製の「CR−570」)、及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を、それぞれ表1に記載の量、混合し、該混合物を実施例1と同様に重合させた。得られた樹脂組成物の難燃性及び熱変形温度を表1に示す。
【0037】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体とネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレートとが重合してなる重合体A、並びにハロゲン化リン酸エステルを含有するメタクリル樹脂組成物であって、
前記重合体A、及びハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して10.5〜12.5重量部のハロゲン化リン酸エステルを含有することを特徴とするメタクリル樹脂組成物。
【請求項2】
メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体とネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレートとが重合してなる重合体A、
メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体が重合してなる重合体B、並びに
ハロゲン化リン酸エステルを含有するメタクリル樹脂組成物であって、
前記重合体A、前記重合体B、及びハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して10.5〜12.5重量部のハロゲン化リン酸エステルを含有することを特徴とするメタクリル樹脂組成物。
【請求項3】
メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、並びに
ハロゲン化リン酸エステル
を含有する重合性混合物を重合反応させて請求項1に記載のメタクリル樹脂組成物を製造する方法であって、
前記重合性混合物中のハロゲン化リン酸エステルの含有量が、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、並びにハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して10.5〜12.5重量部であるメタクリル樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】
前記重合性混合物中のネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレートの含有量が、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、並びにハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して0.05〜0.15重量部である請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、
ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、
メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体が重合してなる重合体B、並びに
ハロゲン化リン酸エステル
を含有する重合性混合物を重合反応させて請求項2に記載のメタクリル樹脂組成物を製造する方法であって、
前記重合性混合物中のハロゲン化リン酸エステルの含有量が、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、前記重合体B、並びにハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して10.5〜12.5重量部であるメタクリル樹脂組成物の製造方法。
【請求項6】
前記重合性混合物中のネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレートの含有量が、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体、ネオペンチルグリコールジメタクリレート及び/又はネオペンチルグリコールジアクリレート、前記重合体B、並びにハロゲン化リン酸エステルの合計100重量部に対して0.05〜0.15重量部である請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記重合性混合物において、メタクリル酸メチルを主体とする単官能単量体及び前記重合体Bに対する前記重合体Bの比率が1〜10重量%である請求項5又は6に記載の製造方法。

【公開番号】特開2009−132802(P2009−132802A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310075(P2007−310075)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】