説明

メタクリル酸製造用触媒の製造方法

【課題】 触媒前駆体の粉粒体を成形した成形品の機械的強度を向上でき、またメタクリル酸を高収率で製造できる触媒の製造方法、その方法で製造された触媒、および、その触媒を用いたメタクリル酸の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 メタクロレインを分子状酸素で気相接触酸化する際に使用されるリン、モリブデン、バナジウムを含むメタクリル酸製造用触媒の製造方法において、触媒前駆体の粉粒体100質量部と、直径が0.1〜150μmの粉粒体が80質量%以上である尿素類の粉粒体0.1〜15質量部を混合し、得られた混合物を乾式成形した後、熱処理する工程を含むことを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造する際に使用する触媒(以下、触媒ともいう)の製造方法、この方法により製造される触媒、およびこの触媒を用いたメタクリル酸の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メタクロレインを分子状酸素で気相接触酸化してメタクリル酸を製造するための触媒として、例えば、特許文献1にはリン、モリブデン、バナジウム等を含む多成分系の触媒が記載されている。また、触媒原料の水溶液に尿素や尿素の誘導体を加えた後に水を除去し、残留物を熱処理する工程を含む触媒の製造方法が記載されている。さらに、水溶液から水を除去した残留物に尿素や尿素の誘導体を加えたのち熱処理してもよいことも記載されている。
【特許文献1】特開平02−119942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1記載の方法で製造された触媒はメタクリル酸の収率が十分ではなく、また熱処理前の触媒前駆体の粉粒体を成形した場合に成形品の機械的強度が十分でないことがあり、更なる改良が望まれていた。
【0004】
本発明は、触媒前駆体の粉粒体を成形した成形品の機械的強度を向上でき、またメタクリル酸を高収率で製造できる触媒の製造方法、その方法で製造された触媒、および、その触媒を用いたメタクリル酸の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、メタクロレインを分子状酸素で気相接触酸化する際に使用されるリン、モリブデン、バナジウムを含むメタクリル酸製造用触媒の製造方法において、触媒前駆体の粉粒体100質量部と、直径が0.1〜150μmの粉粒体の割合が80質量%以上である尿素類の粉粒体0.1〜15質量部を混合し、得られた混合物を乾式成形した後、熱処理する工程を含むことを特徴とする触媒の製造方法である。
【0006】
また本発明は、前記の方法により製造されたメタクリル酸製造用触媒である。さらに本発明は、前記の触媒の存在下で、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化するメタクリル酸の製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、触媒前駆体の粉粒体を成形した成形品の機械的強度を向上でき、またメタクリル酸を高収率で製造できる触媒の製造方法、その方法で製造された触媒、および、その触媒を用いたメタクリル酸の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明において、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化してメタクリル酸を製造するためのリン、モリブデン、バナジウムを含むメタクリル酸製造用触媒を製造する際には、まずは触媒成分を含む溶液またはスラリーを調製する。該溶液またはスラリーの調製方法は特に限定されず、例えば、沈殿法、酸化物混合法等の公知の方法が挙げられる。
【0009】
該溶液の溶媒または該スラリーの液体としては、例えば、水、エチルアルコール、アセトン等が挙げられるが、水を用いることが好ましい。触媒成分の原料としては、モリブデン原料として、三酸化モリブデン、および、パラモリブデン酸アンモニウム、ジモリブデン酸アンモニウム等の各種モリブデン酸アンモニウムを使用することができる。モリブデン以外の各種触媒原料としては、例えば、各元素の酸化物、硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、ハロゲン化物等が利用できる。このような原料のうち、例えば、バナジウム原料としては、メタバナジン酸アンモニウム、五酸化バナジウム、蓚酸バナジル等が、銅原料としては、硝酸銅、水酸化銅、塩化銅等が挙げられる。
【0010】
リン、モリブデン、バナジウムを含むメタクリル酸製造用触媒は次の式(1)の組成のものが好ましい。該溶液または該スラリーを調製する際の触媒原料の配合量は所望の触媒組成を元に決めることができる。
MoCu (1)
式(1)において、P、Mo、V、CuおよびOは、それぞれリン、モリブデン、バナジウム、銅および酸素を表し、Xは、砒素、アンチモンおよびテルルからなる群より選ばれた少なくとも1種類の元素を表し、Yは、ビスマス、ゲルマニウム、ジルコニウム、銀、セレン、ケイ素、タングステン、ホウ素、鉄、亜鉛、クロム、マグネシウム、タンタル、コバルト、マンガン、バリウム、ガリウム、セリウムおよびランタンからなる群より選ばれた少なくとも1種類の元素を表し、Zは、カリウム、ルビジウムおよびセシウムからなる群より選ばれた少なくとも1種類の元素を表す。a、b、c、d、e、f、gおよびhは各元素の原子比率を表し、b=12のとき、a=0.5〜3、c=0.01〜3、d=0.01〜2、e=0.01〜3、f=0〜3、g=0.01〜3であり、hは前記各元素の原子価を満足するのに必要な酸素の原子比率である。
【0011】
次に、該溶液またはスラリーを乾燥させて触媒前駆体の粉粒体を得る。乾燥方法は特に限定されず、例えば、蒸発乾固法、噴霧乾燥法、ドラム乾燥法、気流乾燥法等の公知の方法が利用できる。この際に使用する乾燥機の機種や乾燥温度等の条件は特に限定されず、所望する乾燥物の形状や大きさにより適宜選択することができる。得られる乾燥物が塊状等であって粉粒体でない場合は粉砕する等して粉粒体にする。続いて、この触媒前駆体の粉粒体に尿素類を混合する。混合方法は両者が十分に混合できれば特に制限はなく公知の混合方法が利用できるが、得られた混合物は後に乾式成形するので、混合方法は乾式混合法が好ましい。混合の際に液体を加える場合には、乾式成形に差し支えない程度の量に留めることが好ましい。
【0012】
本発明において尿素類とは尿素および/または尿素誘導体のことである。尿素誘導体とは、式(2)に示すN−CO−N構造を含む化合物のことである。尿素誘導体としては、例えば、N−メチル尿素、N−エチル尿素、N,N’−ジメチル尿素、N,N−ジメチル尿素、N,N’−ジエチル尿素、N,N−ジエチル尿素、N,N’−エチリデン尿素、N−アセチル尿素、N−アセチル−N’−メチル尿素、アロファン酸、アロファン酸エチル、ヒダントイン酸、N−オキサロ尿素、ビウレット、N−ニトロ尿素、アゾジホルムアミド及びこれらの尿素塩等が挙げられる。本発明においては、メタクリル酸収率の面で特に優れた効果が得られることから、尿素類としては尿素がより好ましい。また尿素類は2種類以上の化合物の混合物であってもよい。
【0013】
【化1】

【0014】
使用する尿素類は粉粒体であって、直径0.1〜150μmの粉粒体の割合が80質量%以上のものを使用する。この割合は85質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましい。このような尿素類の粉粒体を使用すると、尿素類と触媒前駆体の粉粒体との混合物の成形品の機械的強度が高くなり、またメタクリル酸を高収率で製造できる触媒が得られる。尿素類の粉粒体に占める直径0.1μm未満の粉粒体の割合は少ないほど焼成時にメタクロレインからメタクリル酸を合成する反応に有効な細孔構造が触媒中に形成され、メタクリル酸の収率が向上する傾向がある。また、直径150μm超の粉粒体の割合は少ないほど尿素類と触媒前駆体の粉粒体との混合物の流動性が良くなるので成形性が向上し、その結果として触媒前駆体の粉粒体を成形した成形品の機械的強度が高まる傾向がある。直径0.1〜150μmの粉粒体の割合は、レーザー回折法で測定した質量基準の粒度分布から求めることができる。
【0015】
直径0.1〜150μmの粉粒体の割合が80質量%以上の尿素類の粉粒体(以下、特定の尿素類ともいう)は、例えば、尿素類を製造する際に結晶化の条件を制御する、市販の大粒径の尿素(例えば、50〜100mesh分級品:目開き150〜300μmに相当)を粉砕または擂潰等の手段で細粒化し、篩等を用いて分級する等の方法で製造することができる。市販品に特定の尿素類に該当するものがある場合はそのまま使用することもできる。尿素類の配合量は触媒前駆体の粉粒体に対して0.1〜15質量%であり、1〜8質量%が好ましい。このような配合量にすると、尿素類と触媒前駆体の粉粒体との混合物の成形品の機械的強度が高くなり、またメタクリル酸を高収率で製造できる触媒が得られる。
【0016】
尿素類と触媒前駆体の粉粒体の混合物を成形する際には公知の成形方法が利用できる。成形方法としては、例えば、打錠成型、プレス成形、押出成形、造粒成形等が挙げられる。成形品の形状としては、例えば、円柱状、リング状、球状等が挙げられる。なお、成形に際しては、公知の添加剤、例えば、グラファイト、タルク等を少量添加してもよい。
【0017】
成形品を熱処理する方法は特に限定されず、例えば、ガス流通式加熱電気炉、箱型電気炉、ロータリーキルン等の加熱装置を用いて行う方法、メタクリル酸製造用の反応器の内部で行う方法等の公知の方法が適用できる。熱処理の条件は特に限定されず、公知の処理方法および条件を適用することができ、用いる触媒原料、触媒組成、調製法等を考慮して適宜決めることができる。熱処理の雰囲気は空気等の酸素含有ガス流通下または不活性ガス流通下が好ましい。ここで、不活性ガスとは、触媒の反応活性を低下させない気体のことをいい、具体的には、窒素、炭酸ガス、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。熱処理温度は200〜500℃が好ましく、300〜450℃がより好ましい。熱処理時間は0.5時間以上が好ましく、1〜40時間がより好ましい。熱処理は触媒の活性を発現させる目的で行われるものであるが、本発明においては尿素類の少なくとも一部分を分解して除去する目的も併せ持つ。
【0018】
本発明によりメタクリル酸の収率が高い触媒が製造できる理由は明らかではないが、熱処理工程で発生する尿素類由来の炭酸ガス等の分解物によってメタクロレインからメタクリル酸を合成する反応に有効な細孔構造が触媒中に形成されるためと推測している。
【0019】
次に、本発明のメタクリル酸の製造方法について説明する。メタクリル酸は、上記の本発明の方法で製造した触媒の存在下でメタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化して製造する。気相接触酸化反応は固定床で行うことが好ましい。固定床反応における触媒層の状態は特に限定されず、例えば、触媒だけを含む無希釈層または触媒と不活性担体を含んだ希釈層の単一層であっても、異なる2種類以上の層を含む複数層であってもよい。
【0020】
反応にはメタクロレインと分子状酸素とを含む原料ガスを用いる。原料ガス中のメタクロレインの濃度は広い範囲で変えることができるが、1〜20容量%が好ましく、3〜10容量%がより好ましい。原料ガス中の分子状酸素はメタクロレイン1モルに対して0.4〜4モルが好ましく、0.5〜3モルがより好ましい。分子状酸素源としては空気を用いることが経済的であるが、必要ならば純酸素で富化した空気等も用いることができる。原料ガスは希釈の目的で窒素や炭酸ガス等の不活性ガスを含んでいてもよい。また原料ガスには水(水蒸気)を加えてもよい。水の存在下で反応を行うと、より高収率でメタクリル酸が得られる。原料ガス中の水蒸気の濃度は0.1〜50容量%が好ましく、1〜40容量%がより好ましい。原料ガスには低級飽和アルデヒド等の不純物を少量含んでいてもよいが、その量はできるだけ少ないことが好ましい。
【0021】
反応圧力は大気圧から0.3MPaまでが好ましい。反応温度は230〜450℃が好ましく、250〜400℃がより好ましい。原料ガスの接触時間は1.5〜15秒が好ましく、2〜5秒がより好ましい。
【実施例】
【0022】
以下、本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。下記の実施例および比較例中の「部」は質量部である。
【0023】
(尿素の整粒)
市販の尿素(以下、尿素(A)という)を瑪瑙製乳棒を用いて瑪瑙製乳鉢内で適度に粉砕した後、上段に目開きの広いメッシュサイズがWのステンレス製篩、下段に目開きの狭いメッシュサイズがNのステンレス製篩の二段の異なるステンレス製篩を用いて分級した。具体的には上部の篩上に尿素(A)の粉砕物を置き、ふるい落として、下部の篩上に残った尿素(以下、この尿素のサイズをWmesh〜Nmeshと表現する)を分取した。この方法で尿素(B)および尿素(C)を分級した。また、尿素(B)と尿素(A)を混合して尿素(D)および尿素(E)を調製した。表1に各尿素の調製方法とレーザー回折法で測定した直径0.1〜150μmの粉粒体の割合を示した。
【0024】
【表1】

【0025】
(落下粉化率の測定)
成形品の機械的強度の指標には、以下のように定義される落下粉化率を用いた。すなわち、垂直に立てた内径27mmφ、長さ5000mm鉄製のパイプの上部から成形品2000gを落下させ、該パイプの下部において8meshの篩で受け止め、篩上に残った成形品質量を量り、次式により算出する。
【0026】
【数1】

【0027】
(反応評価)
触媒を反応管に充填し、メタクロレイン5容量%、酸素10容量%、水蒸気30容量%および窒素55容量%の原料ガスを用いて、大気圧下、接触時間3.6秒、反応温度290℃で反応させた。原料ガスおよび生成物の分析はガスクロマトグラフィーを用いて行った。なお、メタクロレインの反応率、生成するメタクリル酸の選択率、および、メタクリル酸の単流収率は以下のように定義される。
メタクロレインの反応率(%)=(B/A)×100
メタクリル酸の選択率(%)=(C/B)×100
メタクリル酸の単流収率(%)=(C/A)×100
ここで、Aは供給したメタクロレインのモル数、Bは反応したメタクロレインのモル数、Cは生成したメタクリル酸のモル数である。
【0028】
[実施例1]
純水400部に三酸化モリブデン100部、85質量%リン酸7.34部、メタバナジン酸アンモニウム3.39部および三酸化アンチモン2.53部を加え、還流下で5時間攪拌した。60℃に冷却後、重炭酸セシウム12.35部を純水28.43部に溶解した液を攪拌しながら添加し、10分間攪拌保持した。ついで、攪拌しながら、硝酸アンモニウム11.58部を純水25.00部に溶解した液、硝酸銅2.10部を純水9.80部に溶解した液を順次添加してスラリーを調製した。このスラリーを101℃まで加熱し、攪拌しながら蒸発乾固した後、さらに130℃で16時間乾燥し、得られた乾燥物を粉砕して触媒前駆体粉粒体を調製した。
【0029】
この触媒前駆体粉粒体100部に対して尿素(B)5部およびグラファイト2部を乾式混合した後、打錠成型機を用いて外形5mm、内径2mm、長さ4mmのリング状に成型した。この成形品をガス流通式加熱電気炉内で、空気流通下380℃で12時間熱処理してメタクリル酸合成用触媒を製造した。触媒の酸素以外の組成は、P1.1Mo120.5Sb0.3Cu0.08Cs1.1であった。この触媒を用いて反応評価を行った結果を表2に示した。
【0030】
[実施例2]
尿素(B)の代わりに尿素(C)を用いた点以外は実施例1と同様にして触媒を調製し、反応評価を行った結果を表2に示した。
【0031】
[比較例1]
尿素(B)の代わりに尿素(A)を用いた点以外は実施例1と同様にして触媒を調製し、反応評価を行った結果を表2に示した。
【0032】
[比較例2]
尿素(B)5部の代わりに尿素(A)20部を用いた点以外は実施例1と同様にして触媒を調製することを試みたが、打錠成型の際に触媒前駆体粉粒体と尿素(A)との混合物の流動性が悪く、成形品を得ることはできなかった。
【0033】
[実施例3]
純水150部にモリブデン酸アンモニウム100部とメタバナジン酸アンモニウム2.21部を60℃で溶解し、この溶液を攪拌しながら85質量%リン酸5.99部を加えて90分間攪拌保持した。得られたスラリーに、純水25部に三酸化アンチモン1.38部を懸濁した液、純水30部に硝酸銅6.84部を溶解した液を順次添加し15分間攪拌保持した。更に、攪拌しながら純水25部に硝酸セシウム11.96部を溶解させた液、純水30部に二酸化ゲルマニウム0.74部を懸濁した液を順次添加してスラリーを調製した。以降は、グラファイトの量を2部から3部に変更した点以外は実施例1と同様にして触媒を製造した。触媒の酸素以外の組成はP1.1Mo120.4Sb0.2Cu0.6Ge0.15Cs1.3であった。この触媒を用いて反応評価を行った結果を表2に示した。
【0034】
[実施例4]
尿素(B)の添加量を5部から10部に変更した点以外は実施例3と同様にして触媒を調製し、反応評価を行った結果を表2に示した。
【0035】
[比較例3]
尿素(B)の添加量を5部から25部に変更した点以外は実施例3と同様にして触媒を調製し、反応評価を行った結果を表2に示した。
【0036】
[実施例5]
純水200部に三酸化モリブデン100部、五酸化バナジウム2.11部、そして硝酸銅3.50部を添加した後、85質量%リン酸6.67部を加えて還流下で3時間攪拌した。60℃に冷却後、60質量%砒酸水溶液6.85部、純水25部に硝酸カリウム7.61部を溶解した液を順次添加した。更に攪拌しながら25質量%アンモニア水43.41部を添加し90分間攪拌保持後、また更に、純水25部に硝酸亜鉛6水和物1.72部を溶解した液を添加してスラリーを調製した。以降は、グラファイトの量を2部から3部に変更した点以外は実施例1と同様にして触媒を製造した。触媒の酸素以外の組成はP1.0Mo120.4As0.5Cu0.25Zn0.11.3であった。この触媒を用いて反応評価を行った結果を表2に示した。
【0037】
[実施例6]
尿素(B)の代わりに尿素(D)を用いた点以外は実施例5と同様にして触媒を調製し、反応評価を行った結果を表2に示した。
【0038】
[比較例4]
尿素(B)の代わりに尿素(E)を用いた点以外は実施例5と同様にして触媒を調製し、反応評価を行った結果を表2に示した。
【0039】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタクロレインを分子状酸素で気相接触酸化する際に使用されるリン、モリブデン、バナジウムを含むメタクリル酸製造用触媒の製造方法において、触媒前駆体の粉粒体100質量部と、直径が0.1〜150μmの粉粒体の割合が80質量%以上である尿素類の粉粒体0.1〜15質量部を混合し、得られた混合物を乾式成形した後、熱処理する工程を含むことを特徴とする触媒の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法により製造されたメタクリル酸製造用触媒。
【請求項3】
請求項2に記載のメタクリル酸製造用触媒の存在下で、メタクロレインを分子状酸素により気相接触酸化するメタクリル酸の製造方法。

【公開番号】特開2007−802(P2007−802A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−185293(P2005−185293)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】