説明

メタクリレートコポリマーの流動点降下剤

【課題】メタクリレートコポリマーの流動点降下剤を提供すること。
【解決手段】
約60ないし約96重量%の炭素原子数12ないし16のアルキルメタクリレート及び約40ないし約4重量%の炭素原子数18ないし30のアルキルメタクリレートを含み並びに潤滑油に優れた低温特性を与えるメタクリレートコポリマーを開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた低温特性を有するポリアルキルメタクリレートコポリマーに関する。本発明は潤滑油のための、低温での流動点降下剤又は粘度改善剤としての、これらコポリマーの使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアルキルメタクリレートの流動点降下剤は、潤滑工業で知られている。多くの試みが、様々な潤滑剤組成物の低温粘度特性を改善する、ポリアルキルメタクリレートの流動点降下剤の生産のためになされてきた。
【0003】
流動点降下剤(PPD)添加物は、ワックス結晶化プロセスの修正によって油の低温性能を改善する。種々様々な化学種が利用でき及びポリアルキルメタクリレート、スチレン化ポリエステル、アルキル化ポリスチレン、エチレン−ビニルアセテート、ビニルアセテート−フマレート、エステル化オレフィンポリマー、スチレンマレイン酸無水物及びアルキル化ナフタレンを含む。
【0004】
本発明は、望ましい低温特性を示すアルキルメタクリレートポリマーを対象にしている。より具体的には、本発明は、例えばオートマチックトランスミッション液、マニュアルトランスミッション液、圧媒液、グリース、ギア液、金属加工液、エンジン油用途、クランクケースモーター油及びショックアブソーバー液などの用途のための潤滑油中で、極めて優れた低温特性を示すPPDを対象としている。低濃度での最適な低温特性を実現するPPDの油は、必要性が増大している。本発明は、改善されたPPDの必要性に対処するものである。
【0005】
特に、本発明はより低い取扱い割合での種々の油において使用され得、例えば分散剤や防止剤など油の他の成分とのより少ない相互作用を示し、並びにせん断場で安定性を示し、及び場合によっては、基油に依存して従来の流動点のポリアルキルメタクリレートより低いゲル化指数を示す流動点降下剤の必要性に対処するものである。PPDは基油に可溶及び相性が良く並びに低温で適したブルックフィールド粘度を維持する事も重要である。本発明のポリアルキルメタクリレートの配合を実証している。本発明のポリアルキルメタクリレートの添加は、許容できる流動点降下活性を維持しながら、低温で改善された粘度を与える。
【0006】
特許文献1は、約12.7の平均側鎖長を有する第一のコポリマーと、約11.2の平均側鎖長を有する第二のコポリマーとの2つのコポリマーのブレンドから成る流動点降下剤組成物を開示している。
【0007】
特許文献2は、流動点降下剤として2種類の脂溶性ポリアルキルメタクリレートの混合物を開示している。
【0008】
特許文献3は、0.5ないし30.0質量%の具体的に定義されたエチレン−ポリプロピレンコポリマー並びに約0.005ないし10.0質量%の、(A)炭素原子数1ないし15のアルキルアクリレート及び(B)炭素原子数16ないし22のアルキルアクリレートの、約90:10ないし50:50のAとBの質量比を有し、1000ないし25000の分子量及び炭素原子数が約11ないし16の範囲内の平均側鎖長を有する、純粋なインターポリメリックポリアルキルアクリレートを含む潤滑油組成物を開示している。
【0009】
特許文献4は、10ないし30モル%のメチルメタクリレート、10ないし70モル%の炭素原子数16ないし30の直鎖状のアルキルメタクリレート、10ないし80モル%の炭素原子数4ないし15の直鎖状のアルキルメタクリレート及び/又は分枝鎖状の炭素原子数4ないし40のアルキルメタクリレート並びにフリーラジカル重合可能な、分散作用を有する、0ないし30モル%の窒素原子含有モノマーを含む、鉱油のための流動点改善添加剤を開示している。
【0010】
特許文献5及び特許文献6は、潤滑油のための流動点降下剤としてとして有用な、15ないし67モル%の炭素原子数8ないし15のアルキル(メタ)アクリレート、3ないし40モル%の炭素原子数16ないし24のアルキル(メタ)アクリレート及び30ないし65モル%の炭素原子数1ないし4のアルキルメタクリレートを含むコポリマーを開示している。これらの特許文献は本発明で必要とされる、具体的な割合の具体的なモノマーを含むコポリマーを教示していない。
【0011】
特許文献7は、油のための流動点降下剤として有用な、1種類は15℃より高い結晶化開
始温度を有しそして1種類は15℃より低い結晶化開始温度を有する、少なくとも2種類のポリアルキル(メタ)アクリレートを含有するコポリマーを開示している。
【0012】
特許文献8は、12ないし20質量%の炭素原子数1ないし3のアルキル(メタ)アクリレート、45ないし72質量%の炭素原子数11ないし15のアルキル(メタ)アクリレート及び14ないし30体積%の炭素原子数16ないし25のアルキル(メタ)アクリレートから誘導される不飽和脂肪酸エステルのコポリマーを開示している。
【0013】
特許文献9は、メチルメタクリレートから誘導される流動点改善剤を開示している。
【0014】
特許文献10は、流動点降下剤としての使用される、5ないし60質量%の炭素原子数11ないし15のアルキル(メタ)アクリレート及び95ないし40質量%の炭素原子数16ないし30のアルキル(メタ)アクリレートから形成されるコポリマーを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第2,655,479号明細書
【特許文献2】英国特許第1,559,952号明細書
【特許文献3】米国特許第4,146,492号明細書
【特許文献4】米国特許第4,867,894号明細書
【特許文献5】米国特許第5,312,884号明細書
【特許文献6】米国特許第5,368,761号明細書
【特許文献7】米国特許第5,281,329号明細書
【特許文献8】米国特許第5,534,175号明細書
【特許文献9】欧州特許第236,844号明細書
【特許文献10】米国特許第6,255,261号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、ポリアクリルメタクリレート、及び潤滑油のための流動点降下剤としてのそれらの使用を対象にしている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のポリアルキルメタクリレートコポリマーは、
(A)約60ないし約96.0質量%の炭素原子数12ないし16のアルキルメタクリレート、及び
(B)約40.0ないし約4.0質量%の炭素原子数18ないし30のアルキルメタクリレートから形成されたモノマー単位を含む。
【0018】
ポリアルキルメタクリレートコポリマーは、例えば直鎖状、架橋鎖状、構造化された鎖状、簡単に構造された鎖状又は分枝鎖状のなどの、どのような構造も取り得る。
【0019】
ポリアルキルメタクリレートコポリマーは潤滑粘度の油中に添加されて、潤滑油組成物を形成する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の更なる実施態様は、
(i)潤滑粘度の油、
(ii)請求項1に記載のポリアルキルメタクリレートコポリマー、及び所望により、
(iii)その他添加物
を含む潤滑油に関する。
【0021】
その上、上記組成物は、潤滑油の低温特性の改善に使用される。
【0022】
「から形成されたモノマー単位」という語句は、モノマーが反応した後形成されたポリマーのモノマー単位に関する。例えば、炭素原子数12ないし16のアルキルメタクリレートモノマーは重合して、炭素原子数12ないし16のアルキルメタクリレートから誘導された単位を備えたポリマーを与える。
【0023】
用語モノマーはそれ自体、重合していないアルキルメタクリレートを指す。
【0024】
パーセンテージは普通、他に特に規定が無ければ総質量に基づく。
【0025】
用語コポリマーは、(A)及び(B)から誘導されたモノマー単位から形成されたポリアルキルメタクリレートを指す。
【0026】
本発明のコポリマーは、約5000ないし約250000の範囲内の相対質量平均分子量を有する。一般的に、質量の平均は約10000ないし約200000、約15000ないし約150000、そして最も一般的には約20000ないし約130000の範囲内である。分子量分布は通常2.5未満であり、一般的に約1.5ないし約2.5の範囲内である。
【0027】
分子量はポリメチルメタクリレート標準液を使用した、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により決定される。決定された平均分子量はそれゆえ、標準液と相対的であり絶対的なものではない。
【0028】
メタクリレートの長鎖アルキルエステルは、直鎖状又は分枝鎖状であり得る。
【0029】
架橋剤は、例えば、ポリエチレン性不飽和架橋剤である。
【0030】
例としては、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート;ポリエチレングリコールジメタクリレート;N−ビニルアクリルアミド;ジビニルベンゼン;テトラ(エチレングリコール)ジアクリレート;ジアリルオクチルアミド;トリメチルプロパンエトキシレートトリアクリレート、N−アリルアクリルアミド N−メ
チルアリルアクリルアミド、ペンタエリトリトールトリアクリレート、及びそれらの組み合わせである。この代わりに又はこれに加えて、架橋のための他の方式が使用し得る。例としては、例えばエチレン性不飽和エポキシモノマーの使用又は他の既知の多官能性の架橋剤の使用による、側鎖の基を介した共有結合架橋が達成し得る。
【0031】
成分(A)は、例えば、形成されたポリアルキルメタクリレートコポリマーの、約65.0ないし約95.0質量%又は約70.0ないし約95.0、約80.0ないし約95.0、約88.0%ないし約95.0質量%で変化し得る。
【0032】
成分(B)は、例えば、形成されたポリアルキルメタクリレートコポリマーの、約35.0ないし約5.0質量%又は約30.0ないし約5.0、約20.0ないし約5.0、約15.0ないし約5.0、約12.0ないし約5.0質量%で変化し得る。
【0033】
形成されたアルキルメタクリレートの成分(A)及び(B)の質量パーセントは、成分(A)又は(B)の総質量を、形成されたポリアルキルメタクリレートコポリマーの総質量で割り100を乗ずることで算出される。
形成されたコポリマーの基本質量は、コポリマーそのものであり、希釈剤は含まない。
【0034】
用語炭素原子数12ないし16のメタクリレートは、ラウリルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、セチルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、テトラデシルメタクリレート、ペンタデシルメタクリレート、ヘキサデシルメタクリレート及びこれらの混合物のような、直鎖又は分枝鎖の炭素原子数12ないし16のアルキルエステル基を有する、メタクリル酸のアルキルエステルを意味する。
【0035】
炭素原子数12ないし16のアルキルメタクリレートエステルのための好ましい供給源は、炭素原子数12ないし16のアルキルアルコールの混合物から形成されたメタクリレートエステルの混合物を含有する、ラウリルメタクリレートである。例えば、約60.0ないし約96.0質量%のラウリルメタクリレートエステル、約65.0ないし約95.0質量%のラウリルメタクリレートエステルが、形成されたポリメタクリレートのコポリマーを占める。
【0036】
又は、成分(A)の質量パーセンテージは、ラウリルメタクリレートについて、上記のよ
うに変化し得る。
【0037】
ラウリルメタクリレートエステルが、ポリアルキルメタクリレートコポリマーの成分(A)を構成することに使用される場合、ラウリルエステルは、直鎖又は分枝鎖の炭素原子数12ないし16の長鎖アルコールの分布から誘導される。ラウリルメタクリレートエステルを含む組成物の質量%は、下記の範囲を取り得る。
【表1】

【0038】
ラウリルメタクリレートの様々な同族体の質量パーセンテージの定義は、ラウリルメタクリレートの全質量を基礎とした質量パーセンテージを意味する。もし全ラウリルメタクリレートの画分が100gであり、炭素原子数12の寄与が68gなら、炭素原子数12の成分の質量パーセンテージは全ラウリルメタクリレートの68質量%である。
【0039】
成分(A)のアルキル鎖は、実質的に直鎖状であることが望ましい。
【0040】
炭素原子数12ないし16のアルキルエステルは、偶数のエステル鎖長(炭素原子数12、14、及び16)を含有することが好ましいが、偶数及び奇数のエステル鎖長(炭素原子数12、13、14、15及び16)も又可能である。偶数の鎖長のみが使用されている場合では、成分(A)は主として炭素原子数12、14及び16のアルキルエステルを含有する。
【0041】
(A)は、基本的に約60.0ないし約96.0質量%の炭素原子数12、14及び16のアルキルメタクリレートから成り得る。
【0042】
炭素原子数12及び14の同族体が、一般的に(A)の画分の優位を占める。例えば、少なくとも80質量%の(A)の画分は、炭素原子数12及び14である。一般的には少なくとも85.0ないし88.0質量%の(A)の画分は、炭素原子数12ないし14である。
【0043】
用語「から本質的に成る」とは、完全に調合された液の低温特性に悪影響しない限り、アルキルメタクリレートと重合可能なその他のモノマーが少量存在し得ることを意味する。
【0044】
成分(A)の炭素原子数が12ないし16のアルキルメタクリレートの平均鎖長は、炭素原子数約12ないし約13と幅がある。
【0045】
用語炭素原子数18ないし30のアルキルメタクリレートは、ステアリルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、ヘプタデシルメタクリレート、ノナデシルメタクリレート、エイコシルメタクリレート、ヘニコシルメタクリレート、ドコシルメタクリレート、トリコシルメタクリレート、テトラコシルメタクリレート、ペンタコシルメタクリレート、ヘキサコシルメタクリレート、オクタコシルメタクリレート、ノナコシルメタクリレート、トリアコンチルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート及びそれらの混合物のような、基当り炭素原子数18ないし30の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を有する、メタクリル酸のアルキルエステルを意味する。
【0046】
炭素原子数18ないし30のアルキルメタクリレートエステルのための可能な供給源はベヘニルメタクリレートエステルである。本実施例で使用されるベヘニルメタクリレートは、エステル鎖長が炭素原子数18ないし22の範囲内である様々なメタクリレートエステルを含有する。例えば、約40.0ないし約4.0質量%のベヘニルメタクリレートエステルが、形成されたポリアルキルメタクリレートコポリマーを占める。例えば、形成されたポリアルキルメタクリレートコポリマーの35.0ないし約5.0質量%、約30ないし約5.0又は約20ないし5.0がベヘニルメタクリレートエステルから形成される。
【0047】
ベヘニルメタクリレートエステルがポリアルキルメタクリレートコポリマーの成分(B)の構成に使用される場合、ベヘニルエステルは炭素原子数18ないし22の長鎖アルコールの分布から誘導される。ベヘニルメタクリレートエステルの質量パーセンテージによる組成は下記の範囲を取り得る。
【表2】

【0048】
ヘベニルメタクリレートの特定のエステルの質量パーセントの分布に言及する場合、質量パーセンテージは、ベヘニルメタクリレートの全質量に基づく。
【0049】
ベヘニルメタクリレートは、ベヘニルメタクリレートの全質量に基づき、約40.0ないし約50.0、好ましくは42.0ないし約48質量%の炭素原子数18のアルキルメタクリレート、約5.0ないし約15.0、好ましくは6.5ないし約12.0質量%の炭素原子数20のアルキルメタクリレート及び約40.0ないし約50.0、好ましくは42.0ないし約48.0質量%の炭素原子数22のアルキルメタクリレートから本質的に成り得る。
【0050】
ベヘニルメタクリレートは実質的に直鎖状であり、主に炭素原子数18ないし22のアルキルメタクリレートを含有する。ヘベニルメタクリレートは少量の炭素原子数16のアルキル基を含有し得る。
例えば、ベヘニルメタクリレートは普通0.8質量%未満の炭素原子数16のアルキル基又は0.5質量%未満の炭素原子数16のアルキル基を含有する。
【0051】
形成されたコポリマーにおける炭素原子数16のアルキルメタクリレートと炭素原子数18のアルキルメタクリレートの累積的な質量%は約22.0ないし23.0質量%を超えないであろう。例えば、炭素原子数16のアルキル基画分と炭素原子数18のアルキル基画分を組み合わせた質量パーセンテージは、成分(A)及び(B)から形成されたアルキルメタクリレートの約15.0、16.0、17.0、18.0、19.0又は21.0質量%であり得、炭素原子数16のアルキルメタクリレートと炭素原子数18のアルキルメタクリレートの累積的な質量パーセンテージについては、最低限少なくとも7.0、8.0又は9.0質量%である。例えば、成分(A)と(B)は更に、組み合わせた質量パーセンテージの炭素原子数16のアルキルメタクリレートと炭素原子数18のアルキルメタクリレートを含むものとして定義され、その組み合わせた質量は、ポリメタクリレートコポリマーの全質量の、最低約7.0質量%ないし最高約23.0質量%の範囲内である。
【0052】
更に、炭素原子数20以上の、成分(B)におけるアルキルメタクリレートエステルは、形成されたポリアルキルメタクリレートコポリマーの少なくとも約2.0ないし約40.0質量%を構成する。例えば、形成されたポリアルキルメタクリレートコポリマーの最低約2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、6.0、7.0又は8.0質量%が炭素原子数20ないし30のアルキルメタクリレートエステルから誘導される。形成されたポリアルキルメタクリレートコポリマーは最高約10.0、20.0、30.0又は40.0質量%の炭素原子数20ないし30のアルキルメタクリレートエステルから形成される。
【0053】
成分(B)は更に、ポリアルキルメタクリレートコポリマーの全質量に基づいて、最低2.0質量%ないし最高約40.0質量%の範囲内にある組み合わせた質量パーセントの、炭素原子数20ないし30のアルキルメタクリレートエステルを含むものとして定義され
る。
【0054】
炭素原子数20ないし24のアルキル基の同族体は成分(B)の同族体として好ましく、炭素原子数20ないし22のアルキル基の同族体は成分(B)の同族体として最も好ましい。例えば、炭素原子数20ないし22のアルキル基の同族体は形成されたポリアルキルメタクリレートコポリマーの約2.0ないし約40.0、約4.0ないし約40.0又は約4.0ないし約30.0質量%を構成し得る。炭素原子数20ないし24のアルキル基の同族体の一般的な質量範囲は形成されたポリアルキルメタクリレートコポリマーの約4.0ないし約40.0、約4.0ないし約30.0又は約5.0ないし約20.0質量%である。
【0055】
成分(B)のアルキルメタクリレートの平均鎖長は、約20ないし22の炭素原子又は約20ないし21の炭素原子と幅がある。
【0056】
好ましい実施例では、(A)と(B)の合計は、形成されたポリアルキルメタクリレート100.0質量%と等しい。
【0057】
本発明に従うポリメタクリレートのPPDのコポリマーは、所望により、炭素原子数1ないし10のアルキルメタクリレートエステル、又はその他の重合可能なアルキルではないメタクリレートモノマーを含み得る。
【0058】
ポリアルキルメタクリレートは、モノマー(A)及び(B)から本質的に成り得る。例えば(A)及び(B)の合計は、100%に等しい。
【0059】
アルキルエステル基中に12又はそれ以上の炭素原子を含有するアルキルメタクリレートコモノマーは、通常工業グレードの長鎖の脂肪族アルコールを使用した、標準的なエステル化の手順によって製造される。これら市販のアルコールは、アルキル基に12ないし30の炭素原子を含有する、異なる鎖長のアルコールの混合物である。その結果として、この発明の目的のためには、アルキルメタクリレートコモノマーは、特定の指定されたアルキルメタクリレートエステルだけでなく、他のアルキルメタクリレートエステルとの混合物も含む。
【0060】
フリーラジカル重合の従来の方法が、本発明のコポリマーの製造に使用し得る。アルキルメタクリレートモノマーの重合は、バルク重合、通例は有機溶媒中好ましくは鉱油中での溶液重合を含む、様々な状況下で行われる。
【0061】
溶液重合では、反応混合物は希釈剤、アルキルメタクリレートモノマー、重合開始剤、並びに通例は連鎖移動剤、及び所望により、架橋剤を含む。
【0062】
希釈剤は、どのような不活性の炭化水素の液体でもあり得る。希釈液の総モノマー量に対する質量比は、約90:10ないし約60:40の範囲内である。用語総モノマー量は、初期すなわち未反応の反応混合物内のすべてのモノマーを組み合わせた量を意味する。
【0063】
フリーラジカル重合による本発明のコポリマーの製造では、アルキルメタクリレートモノマーは同時に又は連続して重合され得る、又は前記モノマーは徐々に反応容器へ供給され得る。例えば、炭素原子数12ないし30のアルキルメタクリレートモノマーのブレンドは開始剤の供給と共に反応容器へ徐々に供給される。
【0064】
好適な重合開始剤は、加熱の際に分解してフリーラジカルを生成する開始剤、例えば、過酸化ベンゾイル、第三ブチルペルベンゾエート、第三ブチルペルオクテート及びクメンヒ
ドロペルオキシドのような過酸化化合物;又は例えば、アゾイソブチルニトリル及び2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)のようなアゾ化合物を含む。
前記混合物は、総モノマー混合物に対して約0.01質量%ないし約5.0質量%の開始剤を含む。例えば、0.02質量%ないし約4.0質量%、0.02質量%ないし約3.5質量%が想定される。一般的には、約0.02質量%ないし約2.0質量%が使用される。
【0065】
好適な連鎖移動剤は、メルカプタン及びアルコールのような当該業界で従来用いられているものを含む。例えばトリデシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン及びエチルメルカプタンが連鎖移動剤として使用され得る。使用される連鎖移動剤の量の選択は、合成されるポリマーの望ましい分子量、並びに該ポリマーの望ましいせん断安定性、に基づく、すなわち、よりせん断安定なポリマーを望む場合、反応混合物中により多くの移動連鎖剤を加え得る。連鎖移動剤は反応混合物又はモノマー供給材料にモノマー混合物に対して0.01ないし3.0質量%の量を加える。
【0066】
一例として無制限に、全ての成分をスターラー、温度計、還流冷却器が備えられた反応容器に満たし、そして窒素雰囲気生成装置下、約50℃ないし約125℃の温度に、約0.5時間ないし約15時間の時間攪拌しながら加熱して、重合化反応を実行した。
【0067】
希釈剤中の粘性のある本発明のコポリマーの溶液が、上記プロセスの生成物として得られた。
【0068】
本発明の潤滑油を形成するため、基油は従来の方法で本発明のコポリマーで処理される、すなわち、基油へのコポリマーの添加により、望ましい低温特性を有する潤滑油組成物を与える。潤滑油は、基油100質量部当り約0.01ないし約5.0質量部、例えば約0.01ないし約2.0、より一般的には約0.02ないし約0.5の純粋なコポリマー(言い換えれば希釈油を含まない)を含む。好ましい用量は勿論基油に依存する。
【0069】
特に好ましい実施例では、コポリマーは希釈剤中のコポリマーの比較的濃縮された溶液の形で基油に加えられる。希釈油は基油としての使用に適した、下記の油のいずれかであり得る。
【0070】
好ましい基油は、鉱油、ポリ−アルファ−オレフィン合成油及びそれらの混合物を含む。好適な基油は、合成ワックス及びスラックワックスの異性化によって得られるベースストック、並びに、原油の芳香族及び極性成分の水素化分解法(溶液抽出よりも)によって生産されるベースストック、をも含む。一般的な用途はそれぞれの油が100℃で約2ないし約20cStの範囲内の粘度を有することを必要とするが、通常、鉱物基油及び合成基油は双方共、それぞれ100℃で約1ないし約40cStの範囲内の動力学的な粘度を有する。
【0071】
本発明で有用な鉱油は、全ての一般的な鉱油のベースストックを含む。これは化学構造がナフテン系、パラフィン系又は芳香族の油を含む。
【0072】
ナフテン系油は、環状に配列されたメチレン基から構成され、パラフィン系側鎖が環に結合している。流動点は通常パラフィン系油の流動点より低い。パラフィン系油は、飽和した直鎖又は分枝鎖の炭化水素を含む。高分子量の直鎖パラフィンは、油の流動点を上げ、しばしば脱ろうによって除去される。芳香族の油は、半不飽和の性質の閉じた炭素環の炭化水素であり、結合した側鎖を有し得る。この油は、パラフィン系やナフテン系油より容易に劣化して、腐食性の副産物を生じる。
【0073】
ベースストックは、普通、3つ(パラフィン系、ナフテン系及び芳香族)全てがいくらかの割合で含有される化学組成物を含有する。ベースストックの種類の議論についてはMotor Oil and Engine Lubrication, A.Schilling,Scientific publications,1968年,節2.2ないし2.5を参照のこと。
【0074】
ポリアルキルメタクリレートコポリマーは、パラフィン系、ナフテン系及び芳香族の種類の基油に使用される。例えば、ポリメタクリレートコポリマーはグループIないしVの基油に使用される。これらのグループは当該業界で既知である。加えてポリメタクリレートコポリマーは、ガス・ツー・リキッド油に使用される。
【0075】
ガス・ツー・リキッド油(GTL)は、当該技術分野で知られている。ガス源は、例えば、天然ガス、メタン、炭素原子数1ないし3のアルカン、埋立地ガスなどのような種々様々な物質を含む。これらのガスは、米国特許第6,497,812号明細書に述べられたプロセスのような、ガス・ツー・リキッド(GTL)プロセスにより潤滑基油としての使用に好適な液体炭化水素生成物に変換され得る。
【0076】
以下「GTL基油」と呼ぶ、ガス源由来の基油は、一般的に約130より大きい粘度指数、質量0.3質量%未満の硫黄含有量を有し、約90質量%を超える飽和炭化水素(イソパラフィン)、一般的には約95.0ないし100.0質量%の分枝鎖の脂肪族炭化水素を含有し、−15℃ないし20℃より低い流動点を有する。
【0077】
GTL基油は、アメリカ石油協会によって分類された、グループIないしVのような、より慣用の基油と混合され得る。例えば潤滑油組成物の基油成分はGTL基油に対して1ないし100質量%含み得る。
【0078】
潤滑油組成物は、少なくとも部分的にガス源から誘導され、流動点降下剤としての本発明のポリメタクリレートエステルを含有する。
【0079】
油は、酸、アルカリ及び粘土又は塩化アルミニウムのようなその他の試薬を使用して従来の手順で精製されるか、又はそれらは、例えばフェノール、二酸化硫黄、フルフラール、ジクロロジエチルエーテルのような溶剤での溶剤抽出により生産された抽出油であり得る。それらは、水素化処理又は水素化精製されるか、冷却による脱ろうプロセス、又は接触脱ろうプロセスにより脱ろうされるか、又は水素化分解され得る。鉱油は天然原油源から生産されるか又は異性化されたワックス材料、又はその他精製工程の残渣から成り得る。好ましい合成油はa−オレフィンのオリゴマー、特にポリ−アルファオレフィン(PAO)としても知られている、1−デセンのオリゴマーが好ましい。
【0080】
基油は精製油、再精製された油、又はそれらの混合物から誘導され得る。未精製の油は、更なる精製又は処理をせず、天然源又は合成源(例えばコール、シェール又はタールサンド瀝青)から直接得られる。
未精製の油の例は、乾留操作から直接得られるシェール油、蒸留から直接得られる石油、又はエステル化プロセスから直接得られるエステル油を含み、それらのいずれも更なる処理なしで使用されている。精製された油は、1以上の特性を改善するために1以上の精製化段階で処理されたこと以外は、未精製の油と同様である。好適な精製化技術は、全て当該業界で既知の方法である、蒸留、水素処理、脱ろう、溶媒抽出、酸又は塩基抽出、濾過及びパーコレーションを含む。再精製された油は、精製化された油を得るのと同様のプロセスで、使用された油を処理することで得られる。これら再精製された油は、再生または再処理された油としても知られ、使用済みの添加剤又は油の分解生成物の除去技術によって、しばしば付加的に処理される。
【0081】
少なくとも1つの付加的な慣用の油添加物の、組成物への添加が可能である。
上記潤滑油組成物、例を挙げると、グリース、ギア液、金属加工液及び圧媒液は、それらの基本性能を更に改善する目的で加えられる更なる添加物を更に含み得る。そのような添加剤とは、更なる酸化防止剤、金属不動化剤、錆抑制剤、粘度指数向上剤、付加的な流動点降下剤、分散剤、洗浄剤、更なる極圧添加剤及び耐磨耗添加剤を含む。そのような添加剤は、それぞれ慣用の量で、それぞれの場合において約0.01ないし10質量%、好ましくは0.1ないし1.0質量%の範囲で加えられる。更なる添加剤の例を以下に示す。
【0082】
1.抗酸化剤の例:
1.1.アルキル化モノフェノール:
2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖状のノニルフェノール又は側鎖において分枝鎖状であるノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチル −ウンデシ−1’−イル)−フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘ
プタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノール及びそれらの混合物。
【0083】
1.2.アルキルチオメチルフェノール:
2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0084】
1.3.ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン:
2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0085】
1.4.トコフェロール:
α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール及びそれらの混合物(ビタミンE)。
【0086】
1.5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル:
2,2’−チオ−ビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス(3,6−ジ−第二−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0087】
1.6.アルキリデンビスフェノール:
2,2’−メチレン−ビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチ
レンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデン−ビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレン−ビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0088】
1.7.O−、N−及びS−ベンジル化合物:
3,5,3’,5’−テトラ−第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジル−メルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジル−メルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル−メルカプトアセテート。
【0089】
1.8.ヒドロキシベンジル化マロネート:
ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0090】
1.9.芳香族ヒドロキシベンジル化合物:
1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0091】
1.10.トリアジン化合物:
2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチル
メルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0092】
1.11.アシルアミノフェノール:
4−ヒドロキシラウリン酸アニリド、4−ヒドロキシステアリン酸アニリド、N−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバミン酸オクチルエステル。
【0093】
1.12.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸の以下の多価アルコールとのエステル:
アルコール例、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)シュウ酸ジアミ
ド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0094】
1.13.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、γ−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸及び3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸の以下の一価
又は多価アルコールとのエステル:
アルコール例、メタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)シュウ酸ジアミド
、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0095】
1.14.β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド:
N,N'−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキ
サメチレンジアミン、N,N'−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ルプロピオニル)トリメチレンジアミン、N,N'−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4
−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン。
【0096】
1.15.アスコルビン酸(ビタミンC)
【0097】
1.16.アミン系酸化防止剤:
N,N'−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジア
ミン、N,N'−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、
N,N'−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N'−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N
,N'−ジ(ナフチ−2−イル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−
p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N'−フェニル−p−フェニレ
ンジアミン、N−シクロヘキシル−N'−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p
−トルエンスルファミド)−ジフェニルアミン、N,N'−ジメチル−N,N'−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノフェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ジ(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−第三ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ジ[(2−メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2−ジ(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ジ[4−(1’,3’−ジメチルブチル)フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルフェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三オクチルフェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N',N'−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル−ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−オール。
【0098】
2.更なる酸化防止剤の例:
脂肪族若しくは芳香族ホスファイト、チオジプロピオン酸若しくはチオジ酢酸のエステル、又はジチオカルバミン酸の塩、2,2,12,12−テトラメチル−5,9−ジヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカン及び2,2,15,15−テトラメチル−5,12−ジヒドロキシ−3,7,10,14−テトラチアヘキサデカン。
【0099】
3.金属奪活剤、例えば銅のための奪活剤の例:
3.1ベンゾトリアゾールとそれらの誘導体:
2−メルカプトベンゾトリアゾール、2,5−ジメルカプトベンゾトリアゾール、4−又は5−アルキルベンゾトリアゾール(例えばトルトリアゾール)及びそれらの誘導体、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾトリアゾール、5,5’−メチレン−ビス−ベンゾトリアゾール;1−[ジ(2−エチルヘキシル)アミノメチル]トルトリアゾール及び1−[ジ(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾールのようなベンゾトリアゾール又はトルトリアゾールのマンニッヒ塩基;1−(ノニルオキシメチル)ベンゾトリアゾール、1−(1−ブトキシエチル)−ベンゾトリアゾール及び1−(1−シクロヘキシルオキシブチル)−トルトリアゾールのようなアルコキシアルキルベンゾトリアゾール。
【0100】
3.2.1,2,4−トリアゾール及びそれらの誘導体:
3−アルキル(又はアリール)−1,2,4−トリアゾール、1−[ジ(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−1,2,4−トリアゾールのような1,2,4−トリアゾールのマンニッヒ塩基;1−(1−ブトキシエチル)−1,2,4−トリアゾールのようなアル
コキシアルキル−1,2,4−トリアゾール;アシル化3−アミノ−1,2,4−トリアゾール。
【0101】
3.3イミダゾール誘導体:
4,4’−メチレンビス−(2−ウンデシル−5−メチル)イミダゾール及びビス[(N−メチル)イミダゾール−2−イル]カルビノール−オクチルエーテル。
【0102】
3.4含硫黄複素環化合物:
2−メルカプトベンゾチアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプトベンゾチアジアゾール及びそれらの誘導体;3,5−ビス[ジ(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−1,3,4−チアジアゾリン−2−オン。
【0103】
3.5アミノ化合物:
サリチリデン−プロピレンジアミン、サリチルアミノグアニジン及びそれらの塩。
【0104】
4.錆抑制剤の例:
4.1有機酸及びそれらのエステル、金属塩、アミン塩及び無水物:
アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸、及びそれらのアルコール、ジオール又はヒドロキシカルボン酸との部分エステル、アルキルコハク酸及びアルケニルコハク酸の部分アミド、ドデシルオキシ酢酸、4−ノニルフェノキシ酢酸、ドデシルオキシ酢酸、ドデシルオキシ(エトキシ)酢酸のようなアルコキシカルボン酸及びアルコキシエトキシカルボン酸及びそのアミン塩、及びN−オレイル−サルコシン、ソルビタンモノオレエート、ナフテン酸鉛、アルケニルコハク酸無水物、例えば無水ドデセニルコハク酸、2−(2−カルボキシエチル)−1−ドデシル−3−メチルグリセロールおよびそれらの塩、特にそれらのナトリウム及びトリエタノールアミン塩。
【0105】
4.2含窒素化合物:
4.2.1.第3級脂肪族または環式脂肪族アミン類、及び有機及び無機酸のアミン塩:例えば油溶性のアルキルアンモニウムカルボキシレート及び1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−(4−ノニルフェノキシ)プロパン−2−オール。
【0106】
4.2.2.複素環化合物:
置換イミダゾリン類とオキサゾリン類、例えば2−ヘプタデセニル−1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリン。
【0107】
4.2.3.含硫黄化合物:
ジノニルナフタレンスルホン酸バリウム、石油スルホン酸カルシウム、アルキルチオ−置換脂肪族カルボン酸、脂肪族2−スルホカルボン酸のエステル及びそれらの塩。
【0108】
5.粘度指数向上剤の例:
ポリアクリレート、ポリメタクリレート、窒素原子含有ポリメチルメタクリレート、ビニルピロリドン/メタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリブテン、ポリイソブチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、スチレン−イソプレンコポリマー、水和したスチレン−イソプレンコポリマー、スチレン/アクリレートコポリマーのようなオレフィンコポリマー及びポリエーテル。分散剤及び/又は酸化防止特性も有する多機能性粘度改善剤は既知であり、所望によりこの発明の生成物に加えて使用され得る。
【0109】
6.流動点降下剤の例:
ポリメタクリレート、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、アルキルポリスチレン、フマレートコポリマー、アルキル化ナフタレン誘導体。
【0110】
7.分散剤/界面活性剤の例:
ポリブテニルコハク酸アミド又はポリブテニルコハク酸イミド、ポリブテニルホスホン酸誘導体、塩基性マグネシウム、カルシウム及びバリウムのスルホネート、及びカルシウム及びバリウムのフェノラート。
【0111】
8.極圧添加剤及び耐磨耗添加剤の例:
硫黄原子含有化合物及びハロゲン原子含有化合物、例えば、塩化パラフィン、硫化オレフィン又は植物油(大豆油、菜種油)、アルキルジスルフィド、アリールジスルフィド、アルキルトリスルフィド又はアリールトリスルフィド、ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチルトルトリアゾールのようなベンゾトリアゾール又はそれらの誘導体、メチレンビスジブチルジチオカルバメートのようなジチオカルバメート、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−2−メルカプト−1H−1,3−ベンゾチアゾールのような2−メルカプトベンゾチアゾールの誘導体、2,5−ビス(第三ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾールのような2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールの誘導体。
【0112】
9.摩擦係数を減少させるための物質の例:
ラード油、オレイン酸、獣脂、菜種油、硫化脂肪、アミド、アミン。更なる例は欧州特許出願公開第0565487号明細書中に開示されている。
【0113】
10. 水/油金属加工液及び圧媒液における使用のための特別な添加剤の例:
乳化剤:石油スルホン酸塩、ポリオキシエチル化脂肪アミンのようなアミン、非イオン性界面活性物質。
緩衝剤:アルカノールアミンなど。
殺生物剤:トリアジン、チアゾリノン、トリス−ニトロメタン、モルホリン、ピリジンチオールナトリウム。
加工速度改善剤:スルホン酸カルシウム及びスルホン酸バリウム。
【0114】
本発明の流動点降下剤は、上記のものと、潤滑剤中で直接混合される。消費されるに従い、意図した潤滑剤のための使用濃度へ希釈し得る濃縮物、又はいわゆる添加剤パック(additive pack)も製造することができる。
【0115】
本発明のコポリマーを含有する潤滑油は、オートマチックトランスミッション液、マニュアルトランスミッション液、圧媒液、グリース、ギア液、金属加工液、エンジン油用途及びショックアブソーバー液を含む、多くの異なる用途で使用し得る。
【0116】
本発明の更なる実施例は、潤滑粘度の油に上記にて定義されたポリアルキルメタクリレートコポリマーを加える事を含む、潤滑油の低温特性の改善方法に関する。
【実施例】
【0117】
実施例1:ラウリル−ベヘニルメタクリレートコポリマー(モノマー質量比90/10)の合成。
140gの高温の油(中性水素化処理された油)を反応装置に加え、窒素下95℃まで加熱した。7.7gの油中の0.406gの第三ブチルペルオクテートを、反応装置中の加熱した油に加えた。反応装置へ投入するために、2つの別々の並行する供給材料を設けた。第一の供給材料は、252.0gのラウリルメタクリレート、28gのベヘニルメタクリレート、1.12gのドデシルメルカプタン(DDM)、及び235.2gの高温の油の混合物から構成され、2時間にわたり投入された。第二の供給材料は、23.14gの油中の1.22gの第三ブチルペルオクトエートから成り、3時間にわたり供給した。第
一及び第二両方の供給は、同時に開始した。2時間の供給の最後には、開始剤の第二の供給速度を2倍にした。反応混合物は、95℃で更に1時間保持し、その後、反応混合物に10.64gの油中の0.56gの開始剤を更に加え、そして95℃でもう1時間保持した。ラウリルメタクリレートの平均鎖長は、約12.6の炭素原子数であった。ベヘニルメタクリレートの平均鎖長は、約20.3の炭素原子数であった。実施例1で形成されたポリアルキルメタクリレート(ラウリル/ベヘニルポリメタクリレート90/10)は、炭素原子数約13.4の平均鎖長を有した。
【表3】

【0118】
実施例2:ラウリル/炭素原子数30のアルキルメタクリレートコポリマー(モノマー質量比90/10)の合成。
100gの高温の油(中性水素化処理された油)を反応装置に加え、窒素下95℃まで加熱した。4.05gの油中の0.213g第三ブチルペルオクテートを、反応装置中の加熱した油に加えた。反応装置へ投入するために、2つの別々の並行する供給材料を設けた。第一の供給材料は、180.1gのラウリルメタクリレート、31.48gの炭素原子数30のアルキルメタクリレート、1.46gのドデシルメルカプタン(DDM)及び175.8gの高温の油の混合物から構成され、2時間にわたり投入された。炭素原子数30のアルキルメタクリレートは、室温では基油に完全には溶解しないため、第一の供給材料はまた攪拌し、穏やかに加熱した。第二の供給材料は、12.14gの油中の0.64gの第三ブチルペルオクトエートから成り、3時間にわたり供給した。第一及び第二の供給は同時に開始した。2時間の供給の最後には、開始剤の第二の供給速度を2倍にした。反応混合物は、95℃で更に1時間保持し、その後反応混合物に3.61gの油中の0.29gの開始剤を更に加え、そして95℃でもう1時間保持した。炭素原子数30のアルキルメタクリレートの平均鎖長は、約30.4の炭素原子数であった。実施例2で形成されたポリアルキルメタクリレート(ラウリル/炭素原子数30のアルキルメタクリレート90/10)は、平均鎖長が14.4であった。
【表4】



【0119】
実施例3:
流動点降下剤のための適用データ:低温での粘度の比較。
実施例1のコポリマーと市販されている流動点降下剤を、それぞれ別々に水素化処理したグループIIの鉱油中へ加えた。流動点と粘度を表5に記録した。
【表5】

1)実施例1と比較例の組成物は、水素化処理された油中に40質量%のポリアルキルメタクリレートを含んだ。0.2質量%のこの溶液を粘度及び流動点を決定するために水素化処理された油中へ加えた。表5中の0.2質量%は0.8質量%の有効成分(コポリマー)を表す。
2)比較例に従う組成物は市販のポリアルキルメタクリレートコポリマーを含んだ。ポリマーは、メタクリレート(炭素原子数12以上)の長鎖のエステルから形成されていた。
【0120】
括弧内の流動点は同じ試験の2回目を表す。市販のポリアルキルメタクリレートコポリマーは、主に炭素原子数12ないし18のアルキルメタクリレートの分布であると決定されている。炭素原子数22のアルキルメタクリレートは、熱分解GC/MSにより検出されなかった。低温ブルックフィールド粘度はASTM D2983により決定した。動粘度はASTM D445により決定した。流動点はASTM D5950により決定した。表5は、実施例1(本発明)が、市販のポリアルキルメタクリレートよりも、著しく低い低温での粘度を有することを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)60.0ないし96.0質量%の炭素原子数12ないし16のアルキルメタクリレート、及び
(B)40.0ないし4.0質量%の炭素原子数18ないし30のアルキルメタクリレート、
から形成されたモノマー単位を含むポリアルキルメタクリレートコポリマー。
【請求項2】
前記コポリマーは5000ないし250000の平均分子量を有する、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項3】
成分(A)は、形成されたポリアルキルメタクリレートコポリマーの65.0ないし95.0質量%である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項4】
成分(B)は、形成されたポリアルキルメタクリレートコポリマーの35.0ないし5.0質量%である、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項5】
請求項1に記載の成分(A)は、ラウリルメタクリレート、ミリスチルメタクリレート、セチルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、テトラデシルメタクリレート、ペンタデシルメタクリレート、ヘキサデシルメタクリレート、及びそれらの混合物から成る群から選択された、メタクリル酸の直鎖又は分枝鎖のアルキルエステルである、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項6】
請求項1に記載の成分(B)は、ステアリルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、ヘプタデシルメタクリレート、ノナデシルメタクリレート、エイコシルメタクリレート、ヘニコシルメタクリレート、ドコシルメタクリレート、トリコシルメタクリレート、テトラコシルメタクリレート、ペンタコシルメタクリレート、ヘキサコシルメタクリレート、オクタコシルメタクリレート、ノナコシルメタクリレート、トリアコンチルメタクリレート並びにベヘニルメタクリレート及びそれらの混合物から成る群から選択された、メタクリル酸の直鎖又は分枝鎖のアルキルエステルである、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項7】
成分(A)はラウリルメタクリレートであり、そして成分(B)はベヘニルメタクリレートである、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項8】
(i)潤滑粘度の油、
(ii)請求項1に記載のポリアルキルメタクリレートコポリマー、及び所望により、
(iii)その他の添加物、
を含む潤滑油組成物。
【請求項9】
成分(ii)は、100質量部の油当り、有効コポリマーが0.01ないし約5質量%の量で存在する、請求項8に記載の潤滑油組成物。

【公表番号】特表2010−508412(P2010−508412A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535063(P2009−535063)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【国際出願番号】PCT/EP2007/061589
【国際公開番号】WO2008/055797
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】