説明

メタボリック・シンドローム改善剤

【課題】本発明の目的は、安全にかつ長期間に亘って摂取可能である、体脂肪の低減を促進させ肥満を解消させる体脂肪低減促進剤、脂質の代謝を促進させ脂質燃焼を亢進させるための脂質代謝促進剤、脂肪肝等の肝障害を予防又は治療するための肝障害の予防又は治療剤、及び食欲を適度に抑制させて過剰な食物摂食を抑制するための摂食抑制剤を提供することである。
【解決手段】チャの花部又はその抽出物を、体脂肪低減促進剤、脂質代謝促進剤、肝障害の予防又は治療剤、及び摂食抑制剤の有効成分として使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体脂肪の低減を促進させ肥満を解消させる体脂肪低減促進剤、脂質の代謝を促進して脂肪燃焼を亢進させるための脂質代謝促進剤、脂肪肝等の肝障害を予防又は治療するための肝障害の予防又は治療剤、及び食欲を適度に抑制させて食物摂食を適度に抑制するための摂食抑制剤等に関する。
【背景技術】
【0002】
日本を含む欧米先進諸国では、動物性蛋白質、動物性脂肪、或いはインスタント食品、ファーストフード等の過剰摂取による栄養過多、更には運動不足等の原因により、肥満が著しい増加傾向にある。
【0003】
肥満は、体内に脂肪が過剰に貯蔵又は蓄積された状態で、一般にBMI値が25以上の場合が肥満とされている。
【0004】
肥満は、糖尿病、高血圧、動脈硬化及び高脂血症の危険因子の一つであり、この他にも高尿酸血症、胆石症及び痛風等の一因ともなると言われている。特に、内臓脂肪型肥満にこれらが複数合併した症状はメタボリック・シンドロームと呼ばれ、日本をはじめとする先進国を中心に患者人口が爆発的に増加しており、様々な形での対策が求められている。
【0005】
肥満の解消には、カロリー制限による食事療法、エネルギー消費による運動療法、肥満解消効果があると言われている飲食品又は医薬品の摂取による療法、或いはそれらの組み合わせが挙げられる。しかし、特に食事療法と運動療法は、確かな効果は期待されるものの、これらの方法は長期間継続する必要があり、これに耐えられない者は、一過性の減量によく見られる体重のリバウンドという問題を抱えることになる。
【0006】
また、医薬品の摂取による療法としては、食欲を抑制して食物摂取量を軽減させる摂食抑制剤を用いる方法が知られている。このような療法には、アドレナリン作動薬或いはセロトニン作動薬等の摂食抑制剤が用いられているが、食事療法が困難な高度肥満患者にのみ使用される等、適応対象者が限定される場合があり、更に薬物依存性という点でも問題がある。
【0007】
また、肥満と診断される者には、脂肪肝を併発している割合が高い。脂肪肝は、脂肪滴が肝小葉の中で3分の1以上を占めている状態を指し、肝硬変や肝炎を誘発する要因になっている。そのため、脂肪肝を伴う肥満患者の場合には、脂肪肝を改善することも重要であると考えられている。
【0008】
更に、体脂肪の低減促進、脂質代謝促進、摂食抑制、脂肪肝の改善等の多面的な作用を有する物質は、肥満の解消に止まらず、生活習慣病として注目されているメタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)の改善にも有効であり得る。
【0009】
一方、チャ(Camellia sinensis、別名:Thea sinensis)は、インド、スリランカ、インドネシア、中国及び日本等の東南アジアや東アジアにおいて広く自生又は栽培されている常緑樹であり、学術的には、ツバキ科ツバキ属(TheaceaeCamellia)に属する植物として分類されている。チャに関しては、従来、緑茶、ウーロン茶又は紅茶等の茶飲料の原料として、その幼葉が使用されている。また、チャの葉部については、活性酸素の消去等に有効なポリフェノール類が含まれていること、抗炎症や抗アレルギー作用等を有するサポニン化合物が含まれること(非特許文献1及び特許文献1等)等が報告されており、チャの葉部又はその抽出物は機能性食品素材として、これまでに多くの研究がなされている。
【0010】
更に最近では、これまであまり注目を浴びていなかったチャの花部に関する研究も進められてきており、チャの花部の抽出物又は該抽出物に含まれる特定のサポニン化合物には、中性脂肪吸収抑制作用、糖吸収抑制作用又は胃粘膜保護作用があることが報告されている(特許文献2)。しかしながら、チャの花部の抽出物については、上述のような中性脂肪及び糖の生体吸収を抑制する機能等が明らかにされているに止まり、一旦蓄積された脂肪に対する影響、脂肪肝を初めとする肝障害に対する影響、摂食抑制効果の有無等についての報告は皆無である。
【特許文献1】特開平7-61998号公報
【特許文献2】特開2006−70018号公報
【非特許文献1】Kitagawa I.,Hori K.,Motozawa T.,Murakami T.,Yoshikawa M.,Chem.Pharm.Bull.,46,1901-1906 (1998)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、安全にかつ長期間に亘って摂取可能である、体脂肪の低減を促進させ肥満を解消させる体脂肪低減促進剤、脂質の代謝を促進させ脂質燃焼を亢進させるための脂質代謝促進剤、脂肪肝等の肝障害を予防又は治療するための肝障害の予防又は治療剤、及び食欲を適度に抑制させて過剰な食物摂食を抑制するための摂食抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、安全性が高く食品素材として使用可能なチャの花部又はその抽出物には、体脂肪の低減を促進させる作用、脂質の代謝を促進させる作用、脂肪肝等の肝障害を予防又は治療する作用、及び食物摂食量を適度に抑制する作用があることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて、更に検討を重ねて開発されたものである。
【0013】
即ち、本発明は、チャの花部又はその抽出物の体脂肪低減促進に関する用途として、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1-1. チャの花部又はその抽出物を有効成分とする、体脂肪低減促進剤。
項1-2. 蓄積された体脂肪を低減させるためのものである、項1-1に記載の体脂肪低減促進剤。
項1-3. 前記抽出物が、チャの花部を水又は含水低級アルコールで抽出することにより得られる抽出物である、項1-1又は1-2に記載の体脂肪低減促進剤。
項1-4. チャの花部又はその抽出物を含む、体脂肪低減促進用組成物。
項1-5. 食品組成物又は医薬品組成物である、項1-4に記載の体脂肪低減促進用組成物。
項1-6. 1日摂取単位又は1日投与単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製されている、項1-4又は1-5に記載の体脂肪低減促進用組成物。
項1-7. 項1-1乃至1-3のいずれかに記載の体脂肪低減促進剤、並びに食品素材及び/又は食品添加剤を含む、食品組成物。
項1-8. 体脂肪低減促進の用途に使用される、項1-7に記載の食品組成物。
項1-9. チャの花部を0.005〜99重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜70重量%含有する、項1-7又は1-8に記載の食品組成物。
項1-10. 1日摂取単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製されている、項1-7乃至1-9のいずれかに記載の食品組成物。
項1-11. 飲料、又はサプリメントタイプの食品である、項1-7乃至1-10のいずれかに記載の食品組成物。
項1-12. タブレット、カプセル剤、粉末剤、又は顆粒剤である、項1-11に記載の食品組成物。
項1-13. チャの花部を0.005〜25w/v%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜5w/v%含有する飲料である、項1-11に記載の食品組成物。
項1-14. チャの花部を0.25〜99重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.05〜70重量%含有するサプリメントタイプの食品である、項1-11に記載の食品組成物。
項1-15. 項1-1乃至1-3のいずれかに記載の体脂肪低減促進剤、並びに薬学的に許容される担体及び/又は添加剤を含む、医薬組成物。
項1-16. 体脂肪低減促進の用途に使用される、項1-15に記載の医薬組成物。
項1-17. チャの花部を0.005〜70重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜70重量%含有する、項1-15又は1-16に記載の医薬組成物。
項1-18. 1日投与単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製剤化されている、項1-15乃至1-17のいずれかに記載の医薬組成物。
【0014】
本発明は、チャの花部又はその抽出物の脂質代謝促進に関する用途として、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項2-1. チャの花部又はその抽出物を有効成分とする、脂質代謝促進剤。
項2-2. 前記抽出物が、チャの花部を水又は含水低級アルコールで抽出することにより得られる抽出物である、項2-1に記載の脂質代謝促進剤。
項2-3. チャの花部又はその抽出物を含む、脂質代謝促進用組成物。
項2-4. 食品組成物又は医薬品組成物である、項2-3に記載の脂質代謝促進用組成物。
項2-5. 1日摂取単位又は1日投与単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製されている、項2-3又は2-4に記載の脂質代謝促進用組成物。
項2-6. 項2-1又は2-2に記載の脂質代謝促進剤、並びに食品素材及び/又は食品添加剤を含む、食品組成物。
項2-7. 脂質代謝促進の用途に使用される、項2-6に記載の食品組成物。
項2-8. チャの花部を0.005〜99重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜70重量%含有する、項2-6又は2-7に記載の食品組成物。
項2-9. 1日摂取単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製されている、項2-6乃至2-8のいずれかに記載の食品組成物。
項2-10. 飲料、又はサプリメントタイプの食品である、項2-6乃至2-9のいずれかに記載の食品組成物。
項2-11. タブレット、カプセル剤、粉末剤、又は顆粒剤である、項2-10に記載の食品組成物。
項2-12. チャの花部を0.005〜25w/v%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜5w/v%含有する飲料である、項2-10に記載の食品組成物。
項2-13. チャの花部を0.25〜99重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.05〜70重量%含有するサプリメントタイプの食品である、項2-10に記載の食品組成物。
項2-14. 項2-1又は2-2に記載の脂質代謝促進剤、並びに薬学的に許容される担体及び/又は添加剤を含む、医薬組成物。
項2-15. 脂質代謝促進の用途に使用される、項2-14に記載の医薬組成物。
項2-16. チャの花部を0.005〜70重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜70重量%含有する、項2-14又は2-15に記載の医薬組成物。
項2-17. 1日投与単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製剤化されている、項2-14乃至2-16のいずれかに記載の医薬組成物。
【0015】
本発明は、チャの花部又はその抽出物の肝障害の予防又は治療に関する用途として、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項3-1. チャの花部又はその抽出物を有効成分とする、肝障害の予防又は治療剤。
項3-2. 前記抽出物が、チャの花部を水又は含水低級アルコールで抽出することにより得られる抽出物である、項3-1に記載の肝障害の予防又は治療剤。
項3-3. チャの花部又はその抽出物を含む、肝障害の予防又は治療用組成物。
項3-4. 食品組成物又は医薬品組成物である、項3-3に記載の肝障害の予防又は治療用組成物。
項3-5. 1日摂取単位又は1日投与単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製されている、項3-3又は3-4に記載の肝障害の予防又は治療用組成物。
項3-6. 項3-1又は3-2に記載の肝障害の予防又は治療剤、並びに食品素材及び/又は食品添加剤を含む、食品組成物。
項3-7. 肝障害の予防又は治療の用途に使用される、項3-6に記載の食品組成物。
項3-8. チャの花部を0.005〜99重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜70重量%含有する、項3-6又は3-7に記載の食品組成物。
項3-9. 1日摂取単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製されている、項3-6乃至3-8のいずれかに記載の食品組成物。
項3-10. 飲料、又はサプリメントタイプの食品である、項3-6乃至3-9のいずれかに記載の食品組成物。
項3-11. タブレット、カプセル剤、粉末剤、又は顆粒剤である、項3-10に記載の食品組成物。
項3-12. チャの花部を0.005〜25w/v%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜5w/v%含有する飲料である、項3-10に記載の食品組成物。
項3-13. チャの花部を0.25〜99重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.05〜70重量%含有するサプリメントタイプの食品である、項3-10に記載の食品組成物。
項3-14. 項3-1又は3-2に記載の肝障害の予防又は治療剤、並びに薬学的に許容される担体及び/又は添加剤を含む、医薬組成物。
項3-15. 肝障害の予防又は治療の用途に使用される、項3-14に記載の医薬組成物。
項3-16. チャの花部を0.005〜70重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜70重量%含有する、項3-14又は3-15に記載の医薬組成物。
項3-17. 1日投与単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製剤化されている、項3-14乃至3-16のいずれかに記載の医薬組成物。
【0016】
本発明は、チャの花部又はその抽出物の摂食抑制に関する用途として、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項4-1. チャの花部又はその抽出物を有効成分とする、摂食抑制剤。
項4-2. 前記抽出物が、チャの花部を水又は含水低級アルコールで抽出することにより得られる抽出物である、項4-1に記載の摂食抑制剤。
項4-3. チャの花部又はその抽出物を含む、摂食抑制用組成物。
項4-4. 食品組成物又は医薬品組成物である、項4-3に記載の摂食抑制用組成物。
項4-5. 1日摂取単位又は1日投与単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製されている、項4-3又は4-4に記載の摂食抑制用組成物。
項4-6. 項4-1又は4-2に記載の摂食抑制剤、並びに食品素材及び/又は食品添加剤を含む、食品組成物。
項4-7. 摂食抑制の用途に使用される、項4-6に記載の食品組成物。
項4-8. チャの花部を0.005〜99重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜70重量%含有する、項4-6又は4-7に記載の食品組成物。
項4-9. 1日摂取単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製されている、項4-6乃至4-8のいずれかに記載の食品組成物。
項4-10. 飲料、又はサプリメントタイプの食品である、項4-6乃至4-9のいずれかに記載の食品組成物。
項4-11. タブレット、カプセル剤、粉末剤、又は顆粒剤である、項4-10に記載の食品組成物。
項4-12. チャの花部を0.005〜25w/v%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜5w/v%含有する飲料である、項4-10に記載の食品組成物。
項4-13. チャの花部を0.25〜99重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.05〜70重量%含有するサプリメントタイプの食品である、項4-10に記載の食品組成物。
項4-14. 項4-1又は4-2に記載の摂食抑制剤、並びに薬学的に許容される担体及び/又は添加剤を含む、医薬組成物。
項4-15. 摂食抑制の用途に使用される、項4-14に記載の医薬組成物。
項4-16. チャの花部を0.005〜70重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜70重量%含有する、項4-14又は4-15に記載の医薬組成物。
項4-17. 1日投与単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製剤化されている、項4-14乃至4-16のいずれかに記載の医薬組成物。
【0017】
本発明は、チャの花部又はその抽出物の血中コレステロール又は中性脂肪の低減に関する用途として、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項5-1. チャの花部又はその抽出物を有効成分とする、血中コレステロール又は中性脂肪の低減剤。
項5-2. 前記抽出物が、チャの花部を水又は含水低級アルコールで抽出することにより得られる抽出物である、項5-1に記載の血中コレステロール又は中性脂肪の低減剤。
項5-3. チャの花部又はその抽出物を含む、血中コレステロール又は中性脂肪の低減用組成物。
項5-4. 食品組成物又は医薬品組成物である、項5-3に記載の血中コレステロール又は中性脂肪の低減用組成物。
項5-5. 1日摂取単位又は1日投与単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製されている、項5-3又は5-4に記載の血中コレステロール又は中性脂肪の低減用組成物。
項5-6. 項5-1又は5-2に記載の血中コレステロール又は中性脂肪の低減剤、並びに食品素材及び/又は食品添加剤を含む、食品組成物。
項5-7. 血中コレステロール又は中性脂肪の低減の用途に使用される、項5-6に記載の食品組成物。
項5-8. チャの花部を0.005〜99重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜70重量%含有する、項5-6又は5-7に記載の食品組成物。
項5-9. 1日摂取単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製されている、項5-6乃至5-8のいずれかに記載の食品組成物。
項5-10. 飲料、又はサプリメントタイプの食品である、項5-6乃至5-9のいずれかに記載の食品組成物。
項5-11. タブレット、カプセル剤、粉末剤、又は顆粒剤である、項5-10に記載の食品組成物。
項5-12. チャの花部を0.005〜25w/v%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜5w/v%含有する飲料である、項5-10に記載の食品組成物。
項5-13. チャの花部を0.25〜99重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.05〜70重量%含有するサプリメントタイプの食品である、項5-10に記載の食品組成物。
項5-14. 項5-1又は5-2に記載の血中コレステロール又は中性脂肪の低減剤、並びに薬学的に許容される担体及び/又は添加剤を含む、医薬組成物。
項5-15. 血中コレステロール又は中性脂肪の低減の用途に使用される、項5-14に記載の医薬組成物。
項5-16. チャの花部を0.005〜70重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜70重量%含有する、項5-14又は5-15に記載の医薬組成物。
項5-17. 1日投与単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製剤化されている、項5-14乃至5-16のいずれかに記載の医薬組成物。
【0018】
本発明は、チャの花部又はその抽出物のメタボリック・シンドロームの改善に関する用途として、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項6-1. チャの花部又はその抽出物を有効成分とする、メタボリック・シンドロームの改善剤。
項6-2. 前記抽出物が、チャの花部を水又は含水低級アルコールで抽出することにより得られる抽出物である、項6-1に記載のメタボリック・シンドロームの改善剤。
項6-3. チャの花部又はその抽出物を含む、メタボリック・シンドロームの改善用組成物。
項6-4. 食品組成物又は医薬品組成物である、項6-3に記載のメタボリック・シンドロームの改善用組成物。
項6-5. 1日摂取単位又は1日投与単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製されている、項6-3又は6-4に記載のメタボリック・シンドロームの改善用組成物。
項6-6. 項6-1又は6-2に記載のメタボリック・シンドロームの改善剤、並びに食品素材及び/又は食品添加剤を含む、食品組成物。
項6-7. メタボリック・シンドロームの改善の用途に使用される、項6-6に記載の食品組成物。
項6-8. チャの花部を0.005〜99重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜70重量%含有する、項6-6又は6-7に記載の食品組成物。
項6-9. 1日摂取単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製されている、項6-6乃至6-8のいずれかに記載の食品組成物。
項6-10. 飲料、又はサプリメントタイプの食品である、項6-6乃至6-9のいずれかに記載の食品組成物。
項6-11. タブレット、カプセル剤、粉末剤、又は顆粒剤である、項6-10に記載の食品組成物。
項6-12. チャの花部を0.005〜25w/v%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜5w/v%含有する飲料である、項6-10に記載の食品組成物。
項6-13. チャの花部を0.25〜99重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.05〜70重量%含有するサプリメントタイプの食品である、項6-10に記載の食品組成物。
項6-14. 項6-1又は6-2に記載のメタボリック・シンドロームの改善剤、並びに薬学的に許容される担体及び/又は添加剤を含む、医薬組成物。
項6-15. メタボリック・シンドロームの改善の用途に使用される、項6-14に記載の医薬組成物。
項6-16. チャの花部を0.005〜70重量%、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.001〜70重量%含有する、項6-14又は6-15に記載の医薬組成物。
項6-17. 1日投与単位当たり、チャの花部を0.5〜25000mg、或いはチャの花部の抽出物を乾燥重量換算で0.1〜5000mg含有するように製剤化されている、項6-14乃至6-16のいずれかに記載の医薬組成物。
【発明の効果】
【0019】
本発明の体脂肪低減促進剤によれば、体脂肪の低減を促進することができるので、肥満の解消、体脂肪率の低減等に有用である。また、本発明の脂質代謝促進剤によれば、脂質の代謝を促進させることにより、脂質の燃焼を亢進させることができるので、肥満の解消、体脂肪率の低減、血中中性脂肪濃度の低減等に有用である。更に、本発明の肝障害の予防又は治療剤によれば、脂肪肝等の肝障害を予防又は治療できるので、肝硬変や肝炎の予防又は治療等に有用である。そして更に、本発明の摂食抑制剤によれば、摂食抑制効果により食欲を適度に抑制させて過剰な食物摂食を抑制させることができるため、肥満の予防、痩身の維持、ダイエット等に有用である
また、本発明の体脂肪低減促進剤、脂質代謝促進剤、肝障害の予防又は治療剤、或いは摂食抑制剤は、体脂肪低減促進、脂質代謝促進、肝障害の予防又は治療、摂食抑制、血中コレステロール又は中性脂肪の低減等の作用を総合的に発揮できるので、メタボリック・シンドロームの改善にも有用である。
【0020】
更に、本発明で使用される有効成分は、チャの花部又はこれを原料として調製されるものであるので、安全性が高く、医薬品のみならず食品の形態でも提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の体脂肪低減促進剤、脂質代謝促進剤、肝障害の予防又は治療剤、摂食抑制剤、血中コレステロール又は中性脂肪の低減剤、及びメタボリック・シンドロームの改善剤(以下、これらを単に「本発明の剤」と総称することもある)は、チャの花部又はその抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
【0022】
本発明において使用されるチャの花部には、雄しべ、雌しべ、花弁、花軸、花柄、萼、苞葉等の部位を含む、チャの花;チャの花芽;及びチャの蕾等が包含される。本発明において、チャの花部として、チャの花の全体又は一部、花芽の全体又は一部、蕾の全体又は一部の内のいずれか1つを使用してもよく、またこれらを混合したものを使用してもよい。
【0023】
また、本発明において使用されるチャの花部は、野生種由来のものであってもよく、また改良品種由来のものであってもよい。具体的には、チャの花部として、中国種var. sinensis、アッサム種var. assamica(Mast.) Kitam、及びこれらの雑種由来のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。本発明の有効成分の抽出原料には、1種のチャの花部を単独で使用してもよく、また2種以上のチャの花部を組み合わせて使用してもよい。
【0024】
本発明において、チャの花部自体を有効成分とする場合、チャの花部を採取された状態のまま使用してもよいが、必要に応じて乾燥、細切、粉末化等の処理を施したものを使用してもよい。チャの花部自体を有効成分とする場合には、体脂肪低減促進効果、脂質代謝促進効果、肝障害の予防又は治療効果、摂食抑制効果等を一層顕著に奏させるという観点から、チャの花部の乾燥粉末物を使用することが望ましい。
【0025】
また、本発明において有効成分として使用されるチャの花部の抽出物は、前記チャの花部を原料として、これを溶媒抽出して得ることができる。
【0026】
チャの花部の抽出物は、通常用いられている植物抽出物の調製方法に従って製造することができる。具体的には、チャの花部の抽出物は、チャの花部を採取された状態のまま、或いは必要に応じて乾燥、細切、破砕等の処理をしたものを、溶媒で抽出処理することにより取得することができる。
【0027】
チャの花部の抽出処理に使用される溶媒としては、例えば、水、有機溶媒、又は水と有機溶剤の混合液等が挙げられる。この抽出処理に使用される有機溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール等の炭素数1〜5の低級アルコールを挙げることができるが、これらに限定されない。当該抽出溶媒としては、好ましくは水又は炭素数1〜5の低級アルコールと水の混合液(含水低級アルコール)、更に好ましくは水又はエタノールと水の混合液(含水エタノール)、特に好ましくは水を挙げることができる。溶媒として含水低級アルコールを使用する場合、該含水低級アルコールの総重量に対する低級アルコールの含有割合としては、例えば0重量%より多く80重量%以下、好ましくは0重量%より多く50重量%以下、更に好ましくは0重量%より多く30重量%以下が例示される。
【0028】
チャの花部の抽出処理は、例えば、チャの花部1重量部に対して、約1〜50重量部の溶媒、好ましくは約5〜20重量部の溶媒を加え、必要に応じて撹拌して、数分〜数日間、好ましくは30分〜20時間、更に好ましくは1時間〜10時間程度行えばよい。抽出処理時の温度条件については、溶媒の種類等に応じて適宜設定すればよいが、通常10〜100℃、好ましくは50〜98℃、更に好ましくは60〜97℃が例示される。更に、抽出処理時の圧力条件についても特に制限されず、常圧であっても、また加圧条件下であってもよい。また、抽出処理は、バッチ式又は還流式のいずれを用いてもよい。
【0029】
上記抽出処理を行った後に、濾過や遠心分離等の固液分離手段により固形分を除去して、溶液画分を回収することによって、チャの花部の抽出物を得ることができる。また、除去された固形分については、再度、抽出処理に供して抽出物を回収してもよく、これによって抽出効率を高めることができる。
【0030】
斯くして抽出処理して得られるチャの花部の抽出物は液状であり、本発明には該抽出物をそのままの状態で用いることもできるが、有機溶媒が含まれている場合には減圧蒸留等により有機溶媒を取り除くことが好ましい。また、本発明において、チャの花部の抽出物は、液状のものを使用してもよいが、必要に応じて、減圧乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥等の乾燥処理を行って水分を低減又は除去することにより、濃縮液状、半固形状、固形状又は粉末状にして使用してもよい。
【0031】
また、チャの花部の抽出物は、更にクロマトグラフィーや溶剤分離等の適当な精製処理等に供することにより精製されたものであってもよい。
【0032】
本発明の剤は、有効成分として、チャの花部及びその抽出物の内、いずれか一方を使用してもよく、またこれらを組み合わせて使用してもよい。チャの花部の抽出物は、体脂肪低減促進効果、脂質代謝促進効果、肝障害の予防又は治療効果、或いは摂食抑制効果等に寄与する成分が高濃度に濃縮されているため、適用量を低減でき、更に様々な形態の組成物に適用できるという利点があり、本発明で使用される有効成分として好適である。
【0033】
本発明の剤は、体脂肪低減促進、脂質代謝促進、肝障害の予防又は治療、或いは摂食抑制等の用途に使用される。具体的には、本発明の体脂肪低減促進剤によれば、脂質代謝を促進して、体脂肪の低減(特に、蓄積された体脂肪の燃焼)を促進できるので、肥満の解消、体脂肪率の低減等の用途に使用できる。また、本発明の脂質代謝促進剤によれば、脂質の代謝を促進して脂質燃焼を亢進できるので、肥満の解消、体脂肪率の低減、血中中性脂肪濃度の低減等の用途に有用である。また、本発明の肝障害の予防又は治療剤によれば、脂肪肝等の肝障害を予防又は治療できるので、肝硬変や肝炎の予防又は治療等の用途に有用である。尚、ここでいう肝障害は、肥満により誘発された脂肪肝等の肝障害であってもよいし、また飲みすぎ等のアルコール摂取過多によって誘発された脂肪肝等の肝障害であってもよい。更に、本発明の摂食抑制剤によれば、摂食抑制効果により食欲を適度に抑制させて過剰な食物摂食を抑制させることができるため、肥満の予防、痩身の維持、ダイエット等の用途に有用である。
【0034】
また、本発明で使用される有効成分には、血中コレステロール及び中性脂肪濃度を低減させる作用がある。従って、上記有効成分は、更に、血中コレステロール又は中性脂肪の低減剤としても有用である。特に、該低減剤は、コレステロール値や中性脂肪値が高めのヒト(例えば、過去の健康診断などにおいてコレステロール値や中性脂肪値が高めと診断されたヒト)等に対する血中コレステロール又は中性脂肪の低減剤として有用である。
【0035】
更に、上記有効成分が有する有用作用、即ち、体脂肪低減促進、脂質代謝促進、肝障害の予防又は治療、摂食抑制、血中コレステロール又は中性脂肪の低減等の作用は、メタボリック・シンドロームの改善に有効である。従って、上記有効成分は、メタボリック・シンドロームの改善剤としても有用である。
【0036】
本発明の剤は、経口摂取又は経口投与の形態で使用される。本発明の剤の摂取又は投与量については、有効成分の種類、摂取者又は投与対象者の年齢や体重、症状、期待される効果等によって異なり一律に規定することはできないが、例えば、成人1日当たりの摂取量(1日摂取単位)又は成人1日当たりの投与量(1日投与単位)として以下の範囲が例示される:
有効成分がチャの花部自体の場合:0.5〜25000mg、好ましくは5〜15000mg、更に好ましくは50〜5000mg。
有効成分がチャの花部の抽出物の場合:抽出物自体の乾燥重量換算で、0.1〜5000mg、好ましくは1〜3000mg、更に好ましくは10〜1000mg。
【0037】
また、本発明の剤の1日当たりの摂取又は投与回数としては、1回当たりの摂取量又は投与量、1日摂取単位又は1日投与単位、該剤の形態等を総合的に勘案して適宜設定すればよいが、通常1回又は数回、好ましくは1〜3回、更に好ましくは1〜2回が例示される。
【0038】
本発明の剤は、前述するように経口摂取又は経口投与されることにより、所望の効果を奏することができるので、食品又は医薬等の分野で使用され、例えば、前述する用途に用いられる食品添加剤又は医薬用添加剤等として使用してもよい。また、本発明の剤は、上記有効成分を単独で前述する各種用途に使用してもよいが、食品素材(食品用担体)、食品添加剤、薬学的に許容される担体、薬学的に許容される添加剤等の他の成分と共に混合されて、組成物の形態で提供されることが望ましい。このように本発明の剤を含む組成物は、体脂肪低減促進用組成物、脂質代謝促進用組成物、肝障害の予防又は治療用組成物、或いは摂食抑制用組成物として使用される。更に、本発明の剤を含む組成物は、血中コレステロール又は中性脂肪の低減用組成物、或いはメタボリック・シンドローム改善用組成物としても使用できる。
【0039】
上記組成物において、本発明の剤と併用される成分としては、具体的には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、防湿剤、防腐剤、増粘剤、乳化剤、湿潤化剤、緩衝剤、希釈剤、酸化防止剤、甘味料、酸味料、調味料、着色料、香料等が例示されるが、食品素材、食品添加剤、薬学的に許容される担体、又は薬学的に許容される添加剤として使用可能である限り、制限されるものではない。
【0040】
また、上記組成物には、本発明の剤と共に、肥満の予防又は治療、ダイエット、或いは痩身のために使用される公知の素材を配合することもできる。このような素材としては、例えば、ガルシニア・カンボジア果皮エキス、ブドウ種子エキス、リンゴ等の果実ポリフェノール、山査子果実エキス、グアバ葉エキス、ギムネマ・シルベスタ葉エキス、イチョウ葉エキス、フーディアゴードニーエキス等の植物エキス;リパーゼ阻害剤、α-及びβ-アミラーゼ阻害剤等の酵素阻害剤;L-カルチニン;緑藻エキス、褐藻類エキス等の藻類エキス等が例示される。
【0041】
本発明の剤を含む組成物において、本発明の剤の配合割合については、該組成物の形態、有効成分の種類、摂取又は投与対象者の年齢、性別、期待される効果等によって異なるが、例えば、有効成分がチャの花部自体である場合には0.005〜99重量%、有効成分がチャの花部の抽出物である場合には乾燥重量換算で0.001〜70重量%が挙げられる。なお、該組成物中の本発明の剤の配合割合は、該組成物の1日の総摂取量又は総投与量当たり、前述する本発明の剤の1日摂取単位又は1日投与単位が含まれるように設定されていることが望ましい。
【0042】
本発明の剤を含む組成物の好ましい形態として、食品組成物及び医薬組成物が例示される。以下、該食品組成物及び医薬組成物の具体的態様について説明する。
【0043】
本発明の剤を含む食品組成物は、本発明の剤と共に、食品素材(食品用担体)及び/又は食品添加物を混合して、必要に応じて、目的とする食品組成物の形態に応じた各種処理(加熱、冷却、成型等)を行うことにより調製される。該食品組成物は、本発明の剤に基づく有用作用を有しているので、一般の食品のみならず、特定保健用食品、栄養補助食品、機能性食品、病者用食品等としても提供される。特に、該食品組成物は、体脂肪低減促進、脂質代謝促進、肝障害の予防又は治療、或いは摂食抑制の用途で提供される食品として有用である。また、該食品組成物は、血中コレステロール又は中性脂肪の低減、或いはメタボリック・シンドローム改善の用途で提供される食品としても有用である。また、特定の実施形態において、本発明の食品組成物は、上記のような用途に用いられるものである旨の表示を付した食品として提供され得る。
【0044】
該食品組成物の好適な一形態として、栄養飲料、清涼飲料、乳飲料等の飲料;タブレット、カプセル剤、粉末剤、顆粒剤等のサプリメントタイプの食品;シリアル、焼き菓子、ゼリー等の菓子類等が例示される。このような形態の食品の中でも、飲料及びサプリメントタイプの食品は、本発明の剤を高濃度で含有できるので、1日当たりの食品の摂取量を少量に設定しても、所望の効果を十分に奏させることが可能になるため好ましい。
【0045】
該食品組成物において、本発明の剤の配合割合については、該食品組成物の種類、有効成分の種類、摂取対象者の年齢、性別、期待される効果等に応じて、適宜設定することができる。該食品組成物の総重量に対する本発明の剤の配合割合の一例として、有効成分がチャの花部自体である場合には0.005〜99重量%、好ましくは10〜75重量%;有効成分がチャの花部の抽出物である場合には乾燥重量換算で0.001〜70重量%、好ましくは2〜50重量%が挙げられる。
【0046】
該食品組成物の摂取によって、本発明の剤に基づく前記有用効果を一層有効に奏させるという観点から、該食品組成物中の本発明の剤の配合割合は、該食品組成物の形態、1日当たりの摂取回数等を勘案して、該食品組成物の1日の総摂取量当たり、前述する本発明の剤の1日摂取単位が含まれるように設定されていることが望ましい。具体的には、このような配合割合として、飲料及びサプリメントタイプの食品の場合には、以下の範囲が例示される:
飲料の場合:有効成分がチャの花部自体であれば、通常0.005〜25w/v%、好ましくは0.025〜25w/v%、更に好ましくは10〜25w/v%;有効成分がチャの花部の抽出物であれば、乾燥重量換算で、通常0.001〜5w/v%、好ましくは0.005〜5w/v%、更に好ましくは2〜5w/v%。
サプリメントタイプの食品の場合:有効成分がチャの花部自体であれば、通常0.25〜99重量%、好ましくは0.5〜99重量%、更に好ましくは10〜75重量%;有効成分がチャの花部の抽出物であれば、乾燥重量換算で、通常0.05〜70重量%、好ましくは0.1〜60重量%、更に好ましくは2〜50重量%。
【0047】
また、本発明の剤を含む医薬組成物は、本発明の剤と共に、薬学的に許容される担体及び/又は添加剤を配合して所望の形態に成型することにより調製される。該医薬組成物は、本発明の剤に基づく有用作用を有しているので、体脂肪低減促進用、脂質代謝促進用、肝障害の予防又は治療用、又は摂食抑制用の医薬として有用である。更に、該医薬組成物は、血中コレステロール又は中性脂肪の低減用、或いはメタボリック・シンドローム改善用の医薬としても有用である。
【0048】
該医薬組成物の形態については、特に制限されないが、液剤、散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、トローチ剤等が例示される。
【0049】
該医薬組成物において、本発明の剤の配合割合については、該医薬組成物の1日の総投与量当たり、前述する本発明の剤の1日投与単位が含まれるように設定されていればよく、該医薬組成物の種類、有効成分の種類、投与対象者の年齢、性別、期待される効果等に応じて適宜設定される。一例として、上記医薬組成物の総重量に対する本発明の剤の配合割合として、有効成分がチャの花部自体である場合には0.005〜70重量%、好ましくは10〜50重量%;有効成分がチャの花部の抽出物である場合には乾燥重量換算で0.001〜70重量%、好ましくは2〜50重量%が挙げられる。
【実施例】
【0050】
以下に、実施例等に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0051】
参考例1 チャ花部抽出物の調製
チャの花部150Kgに、95℃の熱水を13倍量(重量比)添加し、95℃に保持したまま120分間浸漬して抽出処理を行った。抽出処理後、ろ過にて固形分と液体分(以下、第1抽出液と表記する)を分離した。次いで、回収した固形分に対して、再度、95℃の熱水を11倍量(重量比)添加し、95℃に保持したまま10分間浸漬して抽出処理を行った。抽出処理後、ろ過にて固形分と液体分(以下、第2抽出液と表記する)を分離した。斯くして回収された第1抽出液と第2抽出液を混合し、これを真空濃縮装置(濃縮温度40〜50℃、真空度2.7〜21.3kPa)で160L程度まで濃縮した。斯くして得られた濃縮液を、噴霧乾燥装置(入口温度140℃、出口温度90℃、アトマイザー回転数16000rpm)にて乾燥処理することにより、粉末状のチャ花部抽出物35.5gを得た。
【0052】
試験例1 脂肪細胞分化抑制試験
ラット内臓脂肪前駆細胞(株式会社プライマリーセル)を約2500cells/wellとなるように96穴培養プレートに播種し、内臓脂肪細胞培養キット(株式会社プライマリーセル)の内臓脂肪分化メディウムを培地として使用して、37℃、5%CO2条件下で3日間培養した。その後、参考例1で得られたチャ花部抽出物を0.1又は1.0mg/mL濃度となるように培養プレートに添加し、更に37℃、5%CO2条件下で5日間培養した。また、コントロールとして、チャ花部抽出物を添加しないこと以外は、上記と同条件でラット内臓脂肪前駆細胞の培養を行った。培養終了後、分化した脂肪細胞の核をHoechst 33258(DOJINDO)、脂肪滴をBODIPY 493/503 (Invitrogen)で染色し、それぞれの蛍光値をIn cell Analyzer 1000 (GE)で数値化した。計測した一細胞あたりの脂肪滴の平均面積を脂肪細胞の分化指標として用い、更に計測した生細胞数を毒性の指標として用いた。
【0053】
図1に細胞あたりの脂肪滴の平均面積と生細胞数の結果を示す。この結果より、本発明の抽出物を添加することにより、脂肪滴面積が著しく低減され、脂肪細胞の分化が抑制されることが明らかとなった。また、毒性の指標として生細胞数の変化を見たところ、本発明の抽出物の添加による細胞数の大きな減少は認められず、チャの花部の抽出物が細胞毒性を示さず、安全に使用され得るものであることも確認された。
【0054】
試験例2 脂肪細胞を用いた脂肪滴代謝試験
参考例1で得られたチャ花部抽出物の脂肪代謝効果を検討する為、以下の試験を行った。まず、ラット内臓脂肪前駆細胞(株式会社プライマリーセル)を約2500cells/wellとなるように96穴培養プレートに播種し、内臓脂肪細胞培養キット(株式会社プライマリーセル)の内臓脂肪分化メディウムを培地として使用して、37℃、5%CO2条件下で7日間培養を行い、充分な脂肪量を蓄積した脂肪細胞に分化させた。その後、参考例1で得られたチャ花部抽出物を0.1又は1.0mg/mL濃度となるように培養プレートに添加し、更に37℃、5%CO2条件下で12時間培養した。その後、Adipocyte Lipolysis kit (Zen Bio) を用い培養液中に分泌されたグリセロール濃度を測定し、脂肪滴代謝の指標とした。
【0055】
図2にグリセロール濃度の測定結果を示す。この結果より、チャの花部の抽出物を添加することにより、脂肪細胞からのグリセロール放出が著しく高まり、脂肪細胞における脂肪代謝が亢進されることが明らかとなった。
【0056】
試験例3 肥満モデルラットを用いた体脂肪低減効果検定(1)
5日間の検疫馴化が終了したSD系ラット(雄4週齢)を、体重を指標に群分けし、各群が均等になるようにした。実験期間中、コントロール群の飼料は下記表1の低繊維高脂肪飼料(繊維0.4%、牛脂30%含有)とし、チャ花部抽出物投与群は0.5重量%又は5重量%の濃度で参考例1で得られたチャ花部抽出物を該低繊維高脂肪飼料に配合した飼料を作成して、ペア・フィーディングにて飼育した。22日間の飼育終了後、一晩絶食し、解剖して皮下脂肪及び内臓脂肪(副睾丸脂肪、後腹膜脂肪、腸管膜脂肪、腎周囲脂肪)を摘出した。皮下脂肪の重量を測定し、ラットの体重あたりの皮下脂肪重量の割合として皮下脂肪率(%)を算出した。また、内臓脂肪の重量を測定し、ラットの体重あたりの内臓脂肪重量の割合を内臓脂肪率(%)として算出した。
【0057】
【表1】

【0058】
図3に皮下脂肪率の測定結果を、図4に内臓脂肪率の測定結果を示す。この結果から、チャ花部抽出物を含む飼料を給餌させた群では、皮下脂肪率及び内臓脂肪率のいずれにおいても顕著な低下が認められた。以上の結果から、チャの花部の抽出物には、体脂肪の低減促進作用、或いは脂質代謝促進作用に有用な成分が含まれていることが明らかとなった。
【0059】
試験例4 肥満モデルマウスを用いた体脂肪低減効果検定(2)
3日間の検疫馴化が終了したC57BL/6J系マウス(雄4週齢)に高脂肪飼料(リサーチダイエット社D12492:60%kcal fat含有飼料)を与えて飼育した。高脂肪飼料給餌2週間後、各群の平均体重が均等になるように、体重を指標に3群に分けた。各群に対して、それぞれに高脂肪飼料、低脂肪飼料(日本クレア(株)製、CE-2:12.4%kcal fat)、参考例1で得られたチャ花部抽出物を3重量%となるように配合した低脂肪飼料(CE-2)を与えた。10日間の飼育終了後、一晩絶食させ、解剖して腹部大静脈から採血するとともに、皮下脂肪、内臓脂肪(副睾丸脂肪、後腹膜脂肪、腸管膜脂肪、腎周囲脂肪)を摘出した。皮下脂肪の重量を測定し、マウスの体重あたりの皮下脂肪重量の割合として皮下脂肪率(%)を算出した。また、内臓脂肪の重量を測定し、マウスの体重あたりの内臓脂肪重量の割合を内臓脂肪率(%)として算出した。また、血液遠心後の血漿中の総コレステロールと中性脂肪(トリグリセリド)を測定した。
【0060】
図5に皮下脂肪率の測定結果、図6に内臓脂肪率の測定結果、図7に血漿中の総コレステロール濃度の測定結果、及び図8に血漿中の中性脂肪(トリグリセリド)濃度の測定結果を示す。この結果から、チャ花部抽出物を含む飼料を給餌させた群では、皮下脂肪率、内臓脂肪率、血漿中の総コレステロール濃度、及び血漿中の中性脂肪濃度の全ての測定項目において顕著な低下が認められた。以上の結果から、チャの花部の抽出物には、蓄積された体脂肪の低減促進作用、或いは脂質代謝促進作用に有用な成分が含まれていることが明らかとなった。
【0061】
試験例5 肝臓保護作用効果検定
7日間の検疫馴化が終了したSDラット(雄5週齢)に、ラット1kg当たり100又は500mgの参考例1で得られたチャ花部抽出物を経口投与した。その後、ラット1kg当たり1000mgのDL-エチオニン(WAKO)を腹腔内投与して、該ラットに脂肪肝の誘発を試みた。DL-エチオニン投与から1日後に、該ラット1kg当たり100mg又は500mgのチャ花部抽出物を1日1回、合計2日間経口投与した。なお、実験期間中は、低脂肪飼料(CE-2)を自由に摂取させた。最終投与後、ラットを絶食させ、最終投与から16時間後に血清を採取し、血清中のGOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)を富士ドライケム(FUJIFILM)で測定した。
【0062】
結果を図9に示す。その結果、チャ花部抽出物の投与量依存的にGOTの減少が確認された。以上より、チャの花部の抽出物には、肝保護効果に有用な成分が含まれており、チャ花の抽出物が、肝障害の予防又は治療に有用であることが明らかとなった。
【0063】
試験例6 摂食抑制効果検定
7日間の検疫馴化が終了したC57BL/6J系マウス(雄5週齢)を体重を指標に群分けし各群が均等になるようにした後、二ヶ月間高脂肪飼料(リサーチダイエット社D12492:60%kcal fat含有飼料)を与えて飼育した。飼育期間中は、マウス1kg当たり参考例1で得られたチャ花部抽出物500mgを一日一回経口投与した。また、コントロール群においては、同容量の蒸留水(大塚製薬製)を経口投与した。経口投与期間中のマウスの飼料摂取量を週一回計測し、試験終了日まで行った。
【0064】
得られた結果を図10に示す。この結果から、二ヶ月間のマウス一匹あたりの飼料総摂取量はチャ花部抽出物投与群において明らかに減少していた。以上より、チャの花部の抽出物には、飼料の摂食量を抑制する成分が含まれており、チャ花の抽出物が、摂食抑制に有用であることが明らかとなった。
【0065】
製剤実施例
以下に製剤実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の製剤実施例で使用されるチャ花部抽出物は、上記参考例1で製されたものが用いられる。
【0066】
製剤実施例1 錠剤(1錠280mg)
チャ花部抽出物 100mg
結晶セルロース 168mg
ショ糖脂肪酸エステル 9mg
微粒二酸化ケイ素 3mg
計 280mg
1錠あたり上記配合量を含むように、常法に従って錠剤を製する。この錠剤は、1回1錠で1日3回を目安に摂取される。
【0067】
製剤実施例2 フィルムコート錠(1錠250mg)
チャ花部粉末 25mg
カフェイン 12.5mg
テアニン 25mg
乳糖 適量
コーンスターチ 57mg
ステアリン酸カルシウム 5mg
シェラック 3mg
カルナウバロウ 微量
計 250mg
1錠あたり上記配合量を含むように、常法に従ってフィルムコート錠を製する。この錠剤は、1回4錠で1日3回を目安に摂取される。
【0068】
製剤実施例3 チュアブル錠(1錠850mg)
チャ花部抽出物 50mg
緑茶末 50mg
還元麦芽糖水飴 707mg
微粒二酸化ケイ素 10mg
ショ糖脂肪酸エステル 30mg
香料 3mg
計 850mg
1錠あたり上記配合量を含むように、常法に従ってチュアブル錠を製する。この錠剤は、1回2錠で1日3回を目安に摂取される。
【0069】
製剤実施例4 チュアブル錠(1錠1000mg)
チャ花部粉末 10mg
エリスリトール 280mg
キシリトール 280mg
結晶セルロース 280mg
フーディアゴードニー 100mg
ステアリン酸カルシウム 30mg
香料 20mg
計 1000mg
1錠あたり上記配合量を含むように、常法に従ってチュアブル錠を製する。この錠剤は、1回2錠で1日3回を目安に摂取される。
【0070】
製剤実施例5 チュアブル錠(1錠180mg)
チャ花部抽出物 1mg
ビタミンC 10mg
ソルビトール 適量
スクラロース 0.3mg
ショ糖脂肪酸エステル 3mg
l-メントール 2mg
香料 3mg
計 180mg
1錠あたり上記配合量を含むように、常法に従ってチュアブル錠を製する。この錠剤は、1回4錠で1日3回を目安に摂取される。
【0071】
製剤実施例6 ソフトカプセル剤(1カプセル440mg)
チャ花部抽出物 120mg
月見草オイル 50mg
サフラワー油 30mg
ミツロウ 30mg
グリセリン脂肪酸エステル 30mg
ソフトカプセル剤皮 180mg
計 440mg
1錠あたり上記配合量を含むように、常法に従ってソフトカプセル剤を製する。このソフトカプセル剤は、1回1カプセルで1日3回を目安に摂取される。
【0072】
製剤実施例7 果汁飲料(1本100mL)
チャ花部抽出物 3g
果糖ぶどう糖液糖 16g
クエン酸 0.25g
グレープフルーツ濃縮果汁 2.3g
香料 0.8g
水 適量
計 100mL
1本あたり上記配合量を含むように、常法に従って果汁飲料を製する。この果汁飲料は、1日1本を目安に摂取される。
【0073】
製剤実施例8 清涼飲料水(1本200mL)
チャ花部抽出物 0.05g
果糖ぶどう糖液糖 20g
スクラロース 0.005g
クエン酸 0.4g
クエン酸三ナトリウム 0.1g
香料 0.2g
水 適量
計 200mL
1本あたり上記配合量を含むように、常法に従って清涼飲料水を製する。この清涼飲料水は、1日1本を目安に摂取される。
【0074】
製剤実施例9 緑茶飲料(1本500mL)
チャ葉部(緑茶) 3g
チャ花部(細切) 1g
ビタミンC 0.1g
水 適量
計 500 mL
上記量となるようにチャ葉部及びチャ花部を熱水で煮出した後、十分に冷却し、ビタミンCを添加して緑茶飲料を製する。この緑茶飲料は、1日1本を目安に摂取される。
【0075】
製剤実施例10 ゼリー(1個20g)
チャ花部抽出物 0.01g
エリスリトール 3g
甘味料 0.01g
ゲル化剤 1.5g
クエン酸 0.06g
クエン酸三ナトリウム0.04g
香料 0.1g
水 適量
計 20g
1個あたり上記配合量を含むように、常法に従ってゼリーを製する。このゼリーは、1日3個を目安に摂取される。
【0076】
製剤実施例11 ダイエットバー(1本20g)
チャ花部抽出物 0.04g
卵殻カルシウム 0.5g
ビタミンB1 0.6mg
ビタミンB2 0.4mg
ナイアシン 7mg
鉄 8mg
薄力粉 適量
グラニュー糖 4.5g
マーガリン 5g
卵黄 1g
食塩 0.05g
香料 0.04g
水 適量
計 20g
1本あたり上記配合量を含むように、常法に従ってバーを製する。このバーは、1日1本を目安に摂取される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】試験例1において、チャの花部抽出物を添加した後の脂肪細胞あたりの脂肪滴の平均面積と、生細胞数を測定した結果を示す図である。図中、棒グラフは脂肪滴の平均面積(μm2/cell)を示し、折れ線グラフは生細胞数を示す。
【図2】試験例2において、充分な脂肪量を蓄積した脂肪細胞にチャの花部抽出物を添加した後に、培養液中に分泌されたグリセロール濃度を測定した結果を示す図である。
【図3】試験例3において、肥満モデルラットにチャの花部抽出物を給餌した後に、ラットの皮下脂肪率を測定した結果を示す図である。
【図4】試験例3において、肥満モデルラットにチャの花部抽出物を給餌した後に、ラットの内臓脂肪率を測定した結果を示す図である。
【図5】試験例4において、高脂肪飼料(HFD)、低脂肪飼料(CE2)、又はチャの花部の抽出物を配合した低脂肪飼料(CE2+チャ花部抽出物3%)をマウスに給餌した後に、マウスの皮下脂肪率を測定した結果を示す図である。図中、高脂肪飼料投与群を「HFD」、低脂肪飼料投与群を「CE2」、及びチャの花部の抽出物を配合した低脂肪飼料投与群を「CE2+チャ花部抽出物3%」と表記する。
【図6】試験例4において、高脂肪飼料、低脂肪飼料、又はチャの花部の抽出物を配合した低脂肪飼料をマウスに給餌した後に、マウスの内臓脂肪率を測定した結果を示す図である。図中、高脂肪飼料投与群を「HFD」、低脂肪飼料投与群を「CE2」、及びチャの花部の抽出物を配合した低脂肪飼料投与群を「CE2+チャ花部抽出物3%」と表記する。
【図7】試験例4において、高脂肪飼料、低脂肪飼料、又はチャの花部の抽出物を配合した低脂肪飼料をマウスに給餌した後に、マウスの血漿中の総コレステロール濃度を測定した結果を示す図である。図中、高脂肪飼料投与群を「HFD」、低脂肪飼料投与群を「CE2」、及びチャの花部の抽出物を配合した低脂肪飼料投与群を「CE2+チャ花部抽出物3%」と表記する。
【図8】試験例4において、高脂肪飼料、低脂肪飼料、又はチャの花部の抽出物を配合した低脂肪飼料をマウスに給餌した後に、マウスの血漿中の中性脂肪(トリグリセリド)濃度を測定した結果を示す図である。図中、高脂肪飼料投与群を「HFD」、低脂肪飼料投与群を「CE2」、及びチャの花部の抽出物を配合した低脂肪飼料投与群を「CE2+チャ花部抽出物3%」と表記する。
【図9】試験例5において、チャ花部抽出物を与えなかったラットと、チャ花部抽出物を体重1kgあたり100mg又は500mg与えたラットの血清中のGOTを測定した結果を示す図である。
【図10】試験例6において、蒸留水を経口投与したマウス(コントロール群)とチャ花部抽出物を経口投与したマウス(チャ花部抽出物投与群)の飼料摂取量を測定した結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャの花部又はその抽出物を有効成分とする、体脂肪低減促進剤。
【請求項2】
蓄積された体脂肪を低減させるためのものである、請求項1に記載の体脂肪低減促進剤。
【請求項3】
チャの花部又はその抽出物を有効成分とする、脂質代謝促進剤。
【請求項4】
チャの花部又はその抽出物を有効成分とする、肝障害の予防又は治療剤。
【請求項5】
チャの花部又はその抽出物を有効成分とする、摂食抑制剤。
【請求項6】
前記抽出物が、チャの花部を水又は含水低級アルコールで抽出することにより得られる抽出物である、請求項1〜5のいずれかに記載の剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−185004(P2009−185004A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29446(P2008−29446)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】