説明

メタルハライドランプ、メタルハライドランプ点灯装置および自動車用前照灯装置

【課題】 光束立ち上がりを早くしたメタルハライドランプ、その点灯装置および自動車用前照灯装置を提供する。
【解決手段】 ランプは、電極端間距離L(mm)、電極の放電開始点の間を結ぶ第1の仮想直線、放電空間の中央上部の内表面から第1の仮想直線に対して直角な第2の仮想直線、第1、第2の仮想直線の交点と放電空間の中央上部の内表面との間の距離をDc/2(mm)、電極間距離の中央寄り80%の気密容器の最大肉厚をt(mm)、0.25≦Dc/L≦0.96、0.16≦t/L≦1.10を満足し、放電空間の両端内面と内面形状の変曲点との距離をp1(mm)、電極の突出長をp2(mm)とし、0.6≦p2/p1≦1.7を満足する放電容器と、少なくともNa、Scまたは希土類金属を含む複数種のハロゲン化物の第1のハロゲン化物、可視域に発光しにくい金属のハロゲン化物の第2のハロゲン化物、希ガスを含む放電媒体とを具備し、無水銀でランプ電力100W以下で点灯する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメタルハライドランプ、これを用いたメタルハライドランプ点灯装置および自動車用前照灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
相対向する一対の電極を備えた発光管内に希ガス、発光金属のハロゲン化物および水銀を封入したメタルハライドランプは、比較的高効率で、高演色性であるため広く使用されている。自動車の前照灯用においても、メタルハライドランプの使用が普及してきている。自動車の前照灯用を含めて、現在実用されているメタルハライドランプは、水銀を必須としている。なお、自動車前照灯用のメタルハライドランプの仕様は既知である(例えば、特許文献1参照。)。ただし、このメタルハライドランプには約2〜15mgの水銀の封入が不可欠とされている。
【0003】
また、電極間の中間におけるランプ容器の壁厚tを1.5〜2.5mm、電極間の中間のランプ容器の内径Dを1〜3mm、電極の先端間の距離dを3.5〜6mm、ランプ容器内に突出している電極の距離lを0.5〜1.5mmとし、ガス充填物として希ガス、水銀およびハロゲン化金属を含有し、かつ水銀の封入量A(mg)が下式を満足する構成の、自動車前照灯用として好適な放電ランプすなわちメタルハライドランプが知られている(特許文献2参照。)。このメタルハライドランプにおいては、水平作動状態にて放電アークが収縮して少なくともほぼ直線的となり、高効率を呈する旨記述されている。
【0004】
0.002(d+4・l)・D exp 2 <A<0.2(d+4/l)・D exp(1/3)
しかしながら、環境問題が深刻化してきている現在、照明分野においても、環境負荷が大きい水銀をランプから減少させ、さらに廃絶することは非常に重要なことと考えられている。
【0005】
この課題に対して、メタルハライドランプにおいても、水銀を用いないための提案が既にいくつかなされている(例えば、特許文献3、4、5参照)。これらの特許文献に記載されている発明は、本発明者らがなしたものである。前者は、スカンジウムScまたは希土類金属のハロゲン化物と希ガスとを封入して、パルス電流で点灯制御する構成である。中者は、放電媒体を金属ハロゲン化物と希ガスで構成することにより、広い入力範囲で色特性の変化を少なくして調光点灯を可能にした構成である。後者は、主発光物質であるところの第1のハロゲン化物に加えて、蒸気圧が高くて発光しにくい第2のハロゲン化物を添加することにより、電気特性などの改善を行うようにした構成である。
【0006】
また、スカンジウムScおよびナトリウムNaのハロゲン化物に加えて、金属単体での電離電圧が5〜10eVであり、かつ動作時の蒸気圧が1×10−5であるところの第3のハロゲン化物としてイットリウムYおよびインジウムInを添加することにより、電極の飛散による黒化を防止する構成も知られている(特許文献6参照。)。なお、この従来技術においては、発明により得られたメタルハライドランプが自動車前照灯用としての全光束および色度範囲を有している旨記述されている。
【0007】
【特許文献1】特開平02−007347号公報
【特許文献2】特開昭59−111244号公報
【特許文献3】特開平03−236151号公報
【特許文献4】特開平06−084496号公報
【特許文献5】特開平11−238488号公報
【特許文献6】特開平11−307048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
メタルハライドランプを前照灯用ランプとして用いる場合、安全上の問題から電源投入から所定時間後に照射面での明るさが所定値以上になっていることが要求される。例えば、自動車では日本電球工業会規格JEL−215において、ランプ単体での光束が1秒後25%以上、4秒後80%以上と規定されている。水銀封入のメタルハライドランプにあっては、概ね4秒後までは低温でも蒸発しやすい水銀が主体で発光し、その後ハロゲン化物の発光金属が発光し始める。このため、1秒、4秒の時点での発光効率は、一般的なハロゲン化物における発光金属主体の発光のときの半分以下である。そこで、点灯直後の入力電力を定常時の約2倍に高めることで規格値を達成している。このような理由から、水銀を封入したメタルハライドランプの場合、点灯直後の発光色は水銀放電によるものであるため光特性が非常に悪く、JEL−215に規定している白色の色度範囲から逸脱していて、規格内に収まるまで数十秒を要する。
【0009】
これに対して、水銀を封入しないメタルハライドランプの場合、ハロゲン化物の蒸気圧が水銀に比較して、すこぶる低いため、電源投入から4秒までの光束がわずかであり、しかも主に希ガスの発光となる。このような場合の希ガスの発光は、水銀より発光効率が低い。したがって、入力電力を2倍程度に増加しても、上記規格値を満足できないという問題がある。特許文献5に記載のように水銀に代えて第2のハロゲン化物を封入する構成のみであっても、点灯直後における第2のハロゲン化物の蒸気圧がなお水銀蒸気圧より1桁以上低いために、上記の問題に対する本質的な解決にはならない。
【0010】
本発明は、電極の表面に形成される放電開始点が電極の軸線から上方へ偏倚しても光束立ち上がりが早くて自動車前照灯用として好適なメタルハライドランプ、これを用いたメタルハライドランプ点灯装置および自動車用前照灯装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、加えて水銀を本質的に用いないで環境に配慮した自動車前照灯用として好適なメタルハライドランプ、これを用いたメタルハライドランプ点灯装置および自動車用前照灯装置を提供することを他の目的とする。
【0012】
さらに、本発明は、加えて放電容器の構造と放電媒体との相互関係を適切にすることにより、光束立ち上がりを早くして、自動車前照灯用として好適なメタルハライドランプ、これを用いたメタルハライドランプ点灯装置および自動車用前照灯装置を提供することをさらに他の目的とする。
【0013】
さらにまた、本発明は、加えて光束立ち上がりを早くするとともに、放電容器の膨れを防止して、自動車前照灯用として好適なメタルハライドランプ、これを用いたメタルハライドランプ点灯装置および自動車用前照灯装置を提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のメタルハライドランプは、内部に細長い放電空間が形成される耐火性で透光性の気密容器および気密容器内の放電空間の両端に離間対向して封装された一対の電極を備え、電極端間距離をL(mm)とし、一対の電極の放電開始点の間を結ぶ第1の仮想直線を引き、放電空間の中央上部の内表面から第1の仮想直線に対して直角な第2の仮想直線を引いたとき、第1および第2の仮想直線の交点と放電空間の中央上部の内表面との間の距離をDc/2(mm)とし、電極間距離の中央寄り80%の領域における気密容器の最大肉厚をt(mm)としたとき、Dc/Lおよびt/Lが下式を満足するとともに、放電空間の両端の内面と内面形状の変曲点との間の距離をp1(mm)とし、一対の電極の放電空間への突出長をp2(mm)としたとき、p2/p1が下式を満足する放電容器と;少なくともナトリウムNa、スカンジウムScまたは希土類金属を含む複数種の発光金属のハロゲン化物からなる第1のハロゲン化物、点灯中の蒸気圧が相対的に大きくて、かつ第1のハロゲン化物に比較して可視域に発光しにくい金属の一種または複数種のハロゲン化物からなる第2のハロゲン化物、ならびに希ガスを含み、気密容器内に封入された放電媒体と;を具備し、本質的に水銀が封入されていないとともにランプ電力100W以下で点灯することを特徴としている。
【0015】
0.25≦Dc/L≦0.96
0.16≦t/L≦1.10
0.6≦p2/p1≦1.7
本発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0016】
<放電容器について>
放電容器は、気密容器および一対の電極を備えて構成されている。
【0017】
(気密容器について)
気密容器は、耐火性で透光性である。「耐火性」とは、放電ランプの通常の作動温度に十分耐える意味である。したがって、気密容器は、耐火性を備える材料であり、かつ放電によって発生した所望波長域の可視光を外部に導出することができれば、どのようなもので作られていてもよい。例えば、石英ガラスや透光性アルミナ、YAGなどのセラミックスまたはこれらの単結晶などを用いて形成することができる。なお、必要に応じて、気密容器の内面に耐ハロゲン性または耐ハロゲン化物性の透明性被膜を形成するか、気密容器の内面を改質することが許容される。
【0018】
また、気密容器は、その内部に細長い放電空間が形成されている。細長い放電空間は、後述するように、その内径が電極間距離との相対的な数値関係によって規定される。また、気密容器は、後述するように、その肉厚が電極間距離との相対的な数値関係によって規定される。
【0019】
(電極について)
本発明のメタルハライドランプは、交流および直流のいずれで点灯するように構成してもよい。
【0020】
交流で作動する場合、一対の電極は同一構造とする。また、自動車前照灯用のメタルハライドランプの場合、電極の先端部を軸部より径大にすると好都合である。すなわち、ランプの点滅回数が非常に多くなるとともに、また始動時には定常時より大きな電流を流すので、これに対応して電極全体を径大にすると、電極軸に接触している気密容器の構成材料が点滅のたびに熱応力を受けてクラックを生じやすい。そこで、電極の先端に径大部を形成することで、電極を点滅に対応させることができるが、軸部は径大になっていないから、クラックを生じにくい。
【0021】
直流で作動する場合、一般に陽極は温度上昇が激しいから、先端に径大部を形成すれば放熱面積を大きくすることができるとともに、頻繁な点滅に対応することができる。これに対して、陰極は必ずしも径大部を形成する必要がない。
【0022】
次に、電極間距離は、実際的には6mm以下が好適である。すなわち、電極間距離が6mmを超えると、点光源から離れてしまい、光学系の焦点特性が悪くなり、例えば自動車前照灯用光源として用いた場合に照射面の明るさが低下してしまう。また、電極間距離は、後述するように、気密容器の内径および肉厚との間に密接な相互関係がある。
【0023】
(気密容器の距離Dc/2と電極間距離Lとの関係について)
放電容器の電極間距離をL(mm)とし、一対の電極における放電開始点の間を結ぶ第1の仮想直線を引き、放電空間の中央上部の内表面から第1の仮想直線に対して直角な第2の仮想直線を引いたとき、第1および第2の仮想直線の交点と放電空間の中央上部の内表面との間の距離をDc/2(mm)とする。そして、Dc/Lが下式を満足するように設定されている必要がある。
【0024】
0.25≦Dc/L≦0.96
上記において、「電極の放電開始点」とは、電極上に生じるアークスポットの位置の中心を意味する。メタルハライドランプのいわゆる水平点灯においては、アークが上方に湾曲しやすいことから、電極の放電開始点が電極間を結ぶ仮想線より上方に変位して形成されやすく、これに伴ってアークも全体に上方へ変位する。このため、アークは、変位量に応じて放電空間の内表面の上部へ接近する。
【0025】
本発明は、電極の放電開始点の位置による影響を考慮して、放電容器の放電空間の内径を実質的に補正して規定している。すなわち、Dc/2は、放電開始点の電極軸からの変位を補正した半径に相当するもので、補正後の内径Dcは、Dc/2の2倍である。
【0026】
次に、上記数式の限定理由を説明する。すなわち、Dc/Lが上記範囲内であると、アークの中央部が放電容器の内表面に適度に接近し、アークから放電容器への伝熱量が増加して、放電容器の所期の温度上昇が得られる。Dc/Lの範囲は、一般的には上記の範囲であるが、好ましくは0.45〜0.90である。
【0027】
これに対して、Dc/Lが0.96超であると、上記伝熱量の増加が少なくなりすぎる。反対に、Dc/Lが0.25未満であると、放電容器の温度上昇が過度になり、放電容器が膨れたり、ハロゲン化物または遊離ハロゲンと放電容器とが反応して白濁したりする不都合が生じる。
【0028】
(気密容器の肉厚tと電極間距離Lとの関係について)
放電容器の電極間距離をL(mm)とし、その中央寄りの80%の領域における放電空間の最大肉厚をt(mm)とする。そして、t/Lが下式を満足するように設定されている必要がある。
【0029】
0.16≦t/L≦1.10
本発明においては、前述のように放電空間の内表面をアークに適当な距離だけ接近させることによって、気密容器の温度上昇を早めるのであるが、さらにこれに加えて、放電容器の肉厚を上記の範囲内で大きくすることを要件としている。これにより、放電容器の主として上部においてアークから受けた熱を放電容器の側面および底面など他の部分へ速やかに伝導して、これらの部分の温度を上昇させることができる。t/Lの範囲は、一般的には上記の範囲であるが、好ましくは0.21〜0.77である。より一層好ましくは、0.31〜0.57である。
【0030】
これに対して、t/Lが0.16未満であると、放電容器の肉厚が小さくなって他の部分への伝熱が遅くなりすぎる。反対に、t/Lが1.10超であると、放電容器の熱容量が大きくなりすぎて、返って放電容器における他の部分の温度上昇が遅くなる。
【0031】
なお、電極間距離L(mm)の中央寄りの80%の領域を規定する理由は、次のとおりである。すなわち、本発明においては、放電空間の内表面をアークに適当な距離だけ接近させることによって、気密容器の温度上昇を早めることを企図している。そして、電極間距離L(mm)の中央寄りの80%の領域においては、気密容器の内径を小さくすることによって、アークを気密容器の内表面に接近させることができる。ところが、電極間距離Lにおける一対の電極寄りのそれぞれ10%の領域では電極に近いためにアークが気密容器の内表面から離れる。そのため、この領域においては、内径および肉厚を規定する意味が薄れるからである。
【0032】
(気密容器の内面の距離p1と電極の突出長p2との関係について)
放電空間の両端の内面と内面形状の変曲点との間の距離をp1(mm)とし、一対の電極の放電空間への突出長をp2(mm)としたとき、p2/p1が下式を満足している必要がある。
【0033】
0.6≦p2/p1≦1.7
上記数式は、気密容器の形状および電極の突出長の範囲を特定して光束立ち上がりを早くするための構成を規定している。
【0034】
上記数式において、p1は、放電空間の両端の内面と内面形状の変曲点との間の距離である。距離p1は、次のようにして決定するものとする。すなわち、放電空間の両端において、電極の周囲には、電極軸の基部をほぼ頂点とする円錐状(すり鉢状)の凹部が形成される。また、放電空間の中間部には、円筒状または紡錘状の胴部が形成される。そして、放電空間は、中央の胴部と、その両端に連続する一対の凹部とで形成されている。
【0035】
そうして、凹部のほぼ直線をなす部分に一致する第1の仮想直線と、胴部の中央内面から放電容器の軸線に平行に引いた第2の仮想直線との間に形成される第1の交点から軸線に直角な第3の仮想直線を引く。そして、第3の仮想直線と軸線との間に形成される第2の交点と、第1の仮想直線と放電容器の軸線との間に形成される第3の交点との間の距離をp1とする。
【0036】
次に、p2は、電極の放電空間への突出長である。距離p2は、次のようにして決定するものとする。すなわち、上記第3の交点と電極先端との間の距離をp2とする。
【0037】
そうして、p2/p1が0.6未満であると、電極の突出長が小さく、放電空間の寸法が一定であるとすると、電極間距離が大きくなる。また、電極間距離が一定であるとすると、放電空間が小さくなる。この状態では、電極の真上が傾斜した凹部となり、この部分の電極と放電空間の内壁面との間の距離が小さくなるため、始動後の温度上昇が激しく、放電容器の膨れやハロゲン化物と気密容器との反応が生じるので、不可である。また、電極突出長が短くなると、電極のくわえ込み部付近がアークや電極の高熱により過熱され、反応や膨れを生じるので、これまた不可である。
【0038】
これに対して、p2/p1が1.7を超えると、電極の突出長が大きく、放電空間の寸法が一定であるとすると、電極間距離が小さくなる。また、電極間距離が一定であるとすると、放電空間が大きくなる。この状態では、電極と放電空間の内壁面との間が大きすぎて温度上昇が遅くなって光束立ち上がりが遅くなるので、不可である。
【0039】
なお、本発明のさらに好適な範囲は、下式を満足する範囲である。
【0040】
1.0≦p2/p1≦1.3
<放電媒体について>
本発明において、放電媒体は、前述したように本質的には第1および第2のハロゲン化物および希ガスからなり、本質的に水銀が封入されていない。
【0041】
(第1のハロゲン化物について)
第1のハロゲン化物は、少なくともナトリウムNa、スカンジウムScまたは希土類金属を含む複数種の発光金属のハロゲン化物である。上記ナトリウムNaおよびスカンジウムScは、白色光を効率よく発光する発光金属として必須である。好適にはこれらの金属に加えて希土類金属として例えばジスプロシウムDyなどのハロゲン化物を含むものとし、これにより発光の色度を白色光の規格に適合させやすくなる。第1のハロゲン化物は、要すれば、上記に加えて他の発光金属を含むことが許容される。
【0042】
(第2のハロゲン化物について)
第2のハロゲン化物は、第1のハロゲン化物における発光金属のハロゲン化物に加えて封入され、点灯中の蒸気圧が相対的に大きくて、かつ発光金属に比較して可視域に発光しにくい金属のハロゲン化物からなる。第2のハロゲン化物としては、マグネシウムMg、鉄Fe、コバルトCo、クロムCr、亜鉛Zn、ニッケルNi、マンガンMn、アルミニウムAl、アンチモンSb、ベリリウムBe、レニウムRe、ガリウムGa、チタンTi、ジルコニウムZr、ハフニウムHfおよびスズSnからなるグループの中から選択された1種または複数種の金属のハロゲン化物を用いることができる。また、上記のグループの中では、鉄Fe、亜鉛Zn、マンガンMn、アルミニウムAlおよびガリウムGaのグループの中から選択された1種または複数種の金属のハロゲン化物が好適である。なお、スズSnは、可視域の発光であるが、Naとともに封入すると、Naが支配的になる。また、第2のハロゲン化物を添加することについては、特許文献5に記載されている。
【0043】
第2のハロゲン化物を添加する態様は、メタルハライドランプの主として電気特性の改善に顕著な効果がある。しかし、実施に際しては、注意しなければならない点もあるので、以下に詳細に説明する。すなわち、第1に寿命特性に難点が生じる場合があり、また第2にメタルハライドランプを自動車用前照灯に組み込んだとき、照射中心部での明るさの立ち上がりがランプ単体のときと比較して劣る場合がある。
【0044】
以上説明した第2のハロゲン化物を封入する場合の問題点については、高圧放電ランプを最適設計することによって回避可能である。
【0045】
次に、ハロゲン化物を構成するハロゲンについて説明する。すなわち、ハロゲンとしては、ヨウ素が反応性において最も適当であり、臭素、塩素、フッ素の順に反応性が強くなっていくが、要するに以上のいずれを用いてもよい。また、例えばヨウ化物および臭化物のように異なるハロゲンの化合物を併用することもできる。
【0046】
(希ガスについて)
希ガスは、始動ガスおよび緩衝ガスとして作用するもので、一般的には気密容器を透過しなければ特に限定されないが、ネオンは石英ガラスを透過しやすいので、気密容器を石英ガラスで形成する場合には、アルゴン、クリプトンまたはキセノンが推奨される。始動直後の発光を希ガスに依存する場合、最も発光効率が高いのはキセノンであるため、希ガスはキセノンが最適である。また、希ガスの封入圧力を高くすると、メタルハライドランプのランプ電圧が高くなり、同一ランプ電流に対してランプ入力を大きくして、光束立ち上がり特性を向上させることができる。光束立ち上がり特性が良好であることは、どのような使用目的であっても好都合であるが、特に自動車用前照灯装置および液晶プロジェクタなどにおいて極めて重要である。
【0047】
(水銀について)
本発明において、「本質的に水銀が封入されていない」とは、水銀を全く封入していないばかりでなく、気密容器の内容積1cc当たり2mg未満、好ましくは1.0mg以下の水銀が存在していることを許容するという意味である。しかし、水銀を全く封入しないことは環境上望ましいことである。従来のように水銀蒸気によって放電ランプの電気特性を維持する場合には、小形の短アーク形においては気密容器の内容積1cc当たり20〜40mg、さらに場合によっては50mg以上封入していたことからすれば、本発明は水銀量が実質的に少ないといえる。
【0048】
<ランプ電力について>
本発明において、ランプ電力は、安定時にメタルハライドランプに投入される電力であり、100W以下である。これは小形のメタルハライドランプであることを意味する。そして、この種の従来のメタルハライドランプにおいては、光束立ち上がりを早くしたいという要求が多い。
【0049】
<外管について>
放電容器を内部に収納する外管を具備することができる。その場合、外管内を排気して真空にするか、不活性ガスを封入することができる。しかし、要すれば、外管内を封止切らないで外気に連通している構成にしてもよい。
【0050】
<本発明の作用について>
本発明においては、放電開始点の電極軸からの変位を補正して放電空間の内径を規定しているので、電極径が大きい場合や、電極の先端に径大部が形成されていて、放電開始点が電極の軸線より上方へ偏倚している場合であっても、放電空間の内径が放電開始点に合わせて適切に設定されているため、光束立ち上がりが早いとともに、温度過昇による放電容器の膨れを生じない。
【0051】
また、上記に加えて気密容器の内面の距離p1と電極の突出長p2とを所定の数値関係になるように構成したことにより、放電容器の膨れやハロゲン化物と気密容器との反応が生じない。
【0052】
次に、本発明の一般的な作用を列挙する。
【0053】
1.放電容器の伝熱特性の改良により光束立ち上がりが早くなる。
【0054】
本発明においては、環境負荷の大きい水銀を本質的に用いないで、しかも放電容器の電極間距離Lと放電空間の補正された内径Dcおよび肉厚tとを所定の数値関係になるように構成したことにより、アークが放電容器の上部内表面に接近するため、アークの熱が放電容器の主として中央部の上部に良好に伝熱される。また、放電容器の上部に伝導した熱は、放電容器の管壁部分を伝導し、その側面から底面へ伝達してそれらの部分を速やかに加熱して昇温させる。
【0055】
その結果、主として放電容器の内表面の底部および側面にわたり付着して固化しているハロゲン化物を速やかに加熱してこれを温度上昇させて液化させ、さらには蒸発させるので、電源投入直後からの光束立ち上がり特性が著しく改善される。このため、自動車用前照灯として規定されている規格を満足させるように構成することができる。
【0056】
したがって、本発明は、自動車用前照灯のメタルハライドランプとして好適であるが、これに限定されるものではない。
【0057】
2.本発明においては、水銀を封入するメタルハライドランプより電源投入直後の光束立ち上がりが良好である。
【0058】
すなわち、同一の放電容器を備えているとしても、水銀を封入する場合、始動直後の発光は水銀主体であり、始動後、放電容器の温度の上昇に応じて水銀が蒸発していき、その蒸気圧に比例して光束が増加する。水銀は、発光効率がハロゲン化物を構成している金属の半分程度なので、自動車用前照灯においては、これを補うために、一般的に始動後4秒間ないしそれ以上の時間2倍前後のランプ電力を投入するように点灯装置を可制御に構成している。たとえば、自動車用前照灯に用いられるメタルハライドランプにおいては、1秒後の光束は、安定時の25%程度で、1秒以内、特に始動直後が暗い。その後、5秒前後で100%に達する。このため、ハロゲン電球より光束立ち上がりが遅く、安全上、より早い光束立ち上がりが望まれる所以である。なお、水銀は、急速に蒸発するので、電源投入1秒後の光束を大きくするように投入電力を調整しようとすると、その後の立ち上がりがオーバーシュートして実用に適さない。
【0059】
これに対して、本発明においては、始動直後は希ガスが主に発光するとともに、ハロゲン化物を構成する発光金属も一部発光する。その後徐々に発光金属の発光比率が増大し、またこれに比例して光束が増加して安定点灯に至る。始動時の投入電力を調整することにより、1秒後25%以上の光束を得ることができるので、水銀封入の場合より安全である。特に始動直後から0.3秒までの光束の時間当たりの増加率は非常に高く、水銀封入のメタルハライドランプの数倍以上になる。始動直後の光束は、その後数秒間維持され、その後、発光金属の発光が主な発光へと移行していく。このため、電源投入後すぐ明るくなってハロゲン電球の感覚に近いメタルハライドランプを得ることができる。したがって、実用に際して始動時の投入電力などを適切化することにより、1秒後の光束立ち上がりを同一消費電力のハロゲン電球のそれと同等にすることができる。水銀を封入するメタルハライドランプにおいては、上述したようなフラットな光束立ち上がりを得ることは至難の技である。すなわち、水銀は急速に蒸発するので、1秒後の光束立ち上がり%を大きくするように投入電力を調整しようとすると、その後の立ち上がりがオーバーシュートして実用に適さないものとなってしまうからである。
【0060】
3.水銀を封入した場合より放電容器の破裂の危険性が少ない。
【0061】
すなわち、現在市販されている自動車用前照灯に用いる35Wのメタルハライドランプは、水銀1mg前後と、発光金属のハロゲン化物および室温で4〜6気圧のキセノンとが封入されている。そして、点灯中の圧力は、水銀が完全蒸発するので、水銀量とキセノンの封入圧とで決まる。なお、ハロゲン化物の蒸気圧は上記より2桁以上低いので、考慮する必要はない。
【0062】
これに対して、本発明においては、点灯中の圧力が希ガスで決まる。希ガスの封入圧を水銀を封入する場合より多い6〜10気圧にするにしても、明らかに水銀封入の場合より低くなる。このため、放電容器の耐圧性能が同等でれば、破裂の危険性は本発明の方が低くなり、それだけ信頼性が高くなる。
【0063】
4.水銀を封入する場合より再始動が容易になる。
【0064】
自動車用前照灯に用いるメタルハライドランプにおいては、その性質上要求される頻繁な点滅と素早い光束立ち上がりとの対応させるために、再始動が必要であるが、本発明においては放電容器内の圧力が低いので、その分再始動が容易になる。
【0065】
5.水銀を封入する場合より光色の変化が少ない。
【0066】
本発明においては、水銀を本質的に封入していないので、入力の変動に対する光色の変化が少ない。なぜなら、水銀封入の場合、ランプからの発光は、発光金属と水銀との発光からなる。放電容器の温度が変わっても水銀の蒸気圧は非常に高いので、その点灯圧力殆ど変わらないが、金属ハロゲン化物は水銀に較べて蒸気圧がすこぶる低いので、放電容器の温度に応じて蒸気圧が敏感に変化する。このため、ランプ入力が変化すると、水銀の発光量は変わらないのに、金属ハロゲン化物の発光金属の発光は大いに変化し、光色の変化が著しい。
【0067】
これに対して、本発明においては、発光金属の発光が殆どであるから、光色の変化は殆ど生じないからである。したがって、調光特性が良好であるとともに、同一ランプ電力における光色のばらつきが少ない。水銀を封入するメタルハライドランプにおいては、放電容器の形状および寸法のばらつきに伴うランプ個々の色温度の違いによる色むらや、長期寿命中での放電容器の黒化などによる最冷部温度の上昇による色温度の変化が大きな問題になるが、本発明においては、この点が改善される。
【0068】
本発明のメタルハライドランプ点灯装置は、請求項1または2に記載されたメタルハライドランプと;メタルハライドランプを点灯する点灯回路と;を具備していることを特徴としている。
【0069】
本発明のメタルハライドランプ点灯装置は、本発明のメタルハライドランプを光源として備えているので、光束立ち上がりが早くて安全である。
【0070】
本発明の自動車用前照灯装置は、自動車用前照灯装置本体と;放電容器の軸が自動車用前照灯装置本体の光軸に沿って自動車用前照灯装置本体内に配設された請求項1または2記載のメタルハライドランプと;を具備していることを特徴としている。
【0071】
本発明の自動車用前照灯装置は、本発明のメタルハライドランプを光源として備えているので、光束立ち上がりが早くて安全である。なお、「自動車用前照灯装置本体」とは、自動車用前照灯装置からメタルハライドランプを除いた残余の全ての部分を意味する。
【発明の効果】
【0072】
本発明によれば、電極の表面に形成される放電開始点が電極の軸線から上方へ偏倚しても、光束立ち上がりが早くて自動車前照灯用として好適で、しかも水銀を本質的に封入しないで環境に配慮しているタルハライドランプ、これを用いたメタルハライドランプ点灯装置および自動車用前照灯装置を提供することができる。
【0073】
また、一対の電極の先端に軸部より径大の径大部を形成することにより、自動車前照灯用の交流で作動するメタルハライドランプにおいて、点滅回数が多くなってもクラックが生じにくくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0074】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0075】
図1および図2は、本発明のメタルハライドランプを実施するための第1の形態を示し、図1は正面断面図、図2は各部の寸法を説明するために放電容器の内部を模式的に示す模式図である。
【0076】
各図において、1は放電容器、2は封着金属箔、3は外部リード線、Hは付着したハロゲン化物である。
【0077】
放電容器1は、石英ガラス製の気密容器1aおよび一対の電極1bからなる。気密容器1aは、中空の紡錘形状に成形されてなり、その両端に一対の細長い封止部1a1を一体に備えているとともに、内部に細長い放電空間1cが形成されている。電極1bは、タングステン製で、電極軸1b1および径大部1b2を備えており、電極軸1b1の基端が封止部1a1に埋設されることによって所定の位置に支持されている。径大部1b2は、電極軸1b1と一体に形成されている。また、電極軸1b1の基部は、封止部1a1内において、封着金属箔2の一端に溶接されている。
【0078】
封着金属箔2は、モリブデン箔からなり、気密容器1aの封止部1a1内に気密に封着されるとともに、他端に外部リード線3が溶接されている。
【0079】
気密容器1a内には、放電媒体として、希ガス、第1のハロゲン化物および第2のハロゲン化物が封入されている。第1のハロゲン化物は、ナトリウムNa、スカンジウムScおよび希土類金属のハロゲン化物からなる。第2のハロゲン化物は、第1のハロゲン化物に比較して可視域に発光しにくい金属の一種または複数種のハロゲン化物からなる。
【0080】
本形態は、電極1bの表面に形成される放電開始点4aが電極1bの軸線から偏倚する場合に、これを考慮して放電空間1cの形状を決定している点に構成の特徴がある。
【0081】
すなわち、放電空間1c内に形成されるアーク4は、一対の電極1b、1bの上に生じる放電開始点4a、4aの間に形成される。メタルハライドランプを水平点灯すると、アーク4が上方に湾曲するので、放電開始点4aが電極1bの上側の部位に偏倚する。そのため、アーク4の全体が放電空間1cの上側に変位する。この現象は、電極1bの径大部1b2がある程度大きいほど顕著になる。そして、放電開始点4aと、放電空間1cの中央上部内面との間の垂直方向の距離をDc/2とし、その2倍をDcとする。内径Dcと電極間距離Lとの比Dc/Lを0.25〜0.96の範囲に設定している。なお、放電開始点4aの位置は、いうまでもないことではあるが、放電開始点における放電の上下方向の中心を基準とする。
【0082】
また、気密容器1aの肉厚tについては、t/Lを0.16〜1.10の設定している。なお、内径Dc、肉厚tは、ともに電極間距離Lの中央寄り80%における最大値である。
【0083】
図3および図4は、本発明のメタルハライドランプを実施するための2の形態を示し、図3は正面断面図、図4は各部の寸法を説明するために放電容器の内部を模式的に示す模式図である。
【0084】
本実施形態は、距離p1と、電極1bの突出長p2とを下式を満足するように設定している。
【0085】
0.6≦p2/p1≦1.7
すなわち、気密容器1aの放電空間1cの内面は、その両端にすり鉢状の凹部1c1、1c1が形成され、それらの間に位置する胴部1c2は紡錘状をなしている。そして、図4に示すように、すり鉢状の凹部1c1と紡錘状の胴部1c2との境界に変曲点1c3が形成されているものとする。この変曲点1c3は、凹部1c1のほぼ直線状をなす部分に一致する第1の仮想直線l2と、胴部1c2の中央内面から放電容器1の軸線l3に平行に引いた第2の仮想直線l4との間に形成される交点P1である。また、第1の仮想直線l2と軸線l3との間に形成される交点P2が放電空間1cの端部の内面を示す。したがって、距離p1は、軸線L3上に投影された交点P1とP2との間の距離である。
【0086】
一方、電極1bの突出長p2は、交点P1と電極1bの先端との間の距離である。なお、ランプ電力は100W以下である。
【実施例1】
【0087】
放電容器形状は、図3と同じである。
放電容器:中央部の外径6.5mm、最大内径4.5mm、電極間距離4.2mm、
電極軸径0.4mm、長さ7mm、径大部の直径0.6mm、
p2/p1=1.0
放電媒体:第1のハロゲン化物−ScI0.5mg、NaI3.5mg、
第2のハロゲン化物−ZnI0.6mg、希ガスXe5気圧

【実施例2】
【0088】
放電容器形状は、図3と同じである。
放電容器:中央部の外径6.5mm、最大内径3.0mm、電極間距離4.2mm、
電極軸径0.4mm、長さ7mm、径大部の直径0.6mm、
p2/p1=1.3
放電媒体:第1のハロゲン化物−ScI0.5mg、NaI3.5mg、
第2のハロゲン化物−ZnI0.6mg、希ガスXe5気圧

図5は、本発明のメタルハライドランプの第3の実施形態を示す正面図である。
【0089】
本実施形態は、図3に示すのと同様なメタルハライドランプをさらに自動車用前照灯装置に装着するように構成したものである。
【0090】
5は外管、6は口金、7は絶縁チューブである。
【0091】
外管5は、紫外線カット性能を備えており、内部に図3に示すのとほぼ同様な構造のメタルハライドランプ10を収納していて、両端が封止部1a1に固定されているが、気密ではなく、外気に連通している。一方の封止部1a1が口金6に植立されている。他端から導出された外部リード線3は外管5に平行に延在して口金6内に導入され、図示しない端子に接続されている。
【0092】
絶縁チューブ7は、外部リード線3を被覆する。
【0093】
図6は、本発明の自動車用前照灯装置の一実施形態を示す斜視図である。
【0094】
図において、11は反射鏡、12は前面カバーである。
【0095】
反射鏡11は、プラスチックスの成形によって異形の回転放物面に形成され、頂部背面から図16に示すメタルハライドランプ(図示しない。)を着脱するように構成されている。
【0096】
前面カバー12は、透明性のプラスチックスの成形によりプリズムまたはレンズを一体に形成していて、反射鏡11の前面開口に気密に装着される。
【0097】
図7は、本発明のメタルハライドランプ点灯装置を実施するための第1の形態の回路図である。
【0098】
本形態は、メタルハライドランプを直流点灯するように構成したものである。
【0099】
図において、21は直流電源、22はチョッパ、23は制御手段、24はランプ電流検出手段、25はランプ電圧検出手段、26は始動手段、27はメタルハライドランプである。
【0100】
直流電源21は、バッテリーまたは整流化直流電源が用いられる。自動車の場合には、一般的にバッテリーが用いられる。しかし、交流を整流する整流化直流電源であってもよい。必要に応じて電解コンデンサ21aを並列接続して平滑化を行う。
【0101】
チョッパ22は、直流電圧を所要値の電圧に変換するとともに、メタルハライドランプ27を所要に制御する。直流電源電圧が低い場合には、昇圧チョッパを用い、反対に高い場合には降圧チョッパを用いる。
【0102】
制御手段23は、チョッパ72を制御する。たとえば、点灯直後にはメタルハライドランプ27に定格ランプ電流の3倍以上のランプ電流をチョッパ22から流し、その後時間の経過とともに徐々にランプ電流を絞っていき、やがて定格ランプ電流にするように制御する。また、制御手段23は、ランプ電流とランプ電圧との検出信号が帰還入力されることにより、定電力制御信号を発生して、チョッパ22を定電力制御する。さらに、制御手段23は、時間的な制御パターンが予め組み込まれたマイコンが内蔵されていて、点灯直後には定格ランプ電流の3倍以上のランプ電流をメタルハライドランプ27に流し、時間の経過とともにランプ電流を絞るようにチョッパ22を制御するように構成されている。
【0103】
ランプ電流検出手段24は、ランプと直列に挿入されてランプ電流を検出して制御手段23に制御入力する。
【0104】
ランプ電圧検出手段25は、ランプと並列的に接続されてランプ電圧を検出して制御手段23に制御入力する。
【0105】
始動手段26は、始動時に20kVのパルス電圧をメタルハライドランプ27に供給できるように構成されている。
【0106】
そうして、メタルハライドランプ点灯装置を用いてメタルハライドランプを直流点灯すると、点灯直後から所要の光束を発生する。これにより、自動車用前照灯として必要な電源投入後1秒後に定格に対して光束25%、4秒後に光束80%の点灯を実現することができる。
【0107】
また、直流−交流変換回路が不要になるため、交流点灯に比較して約30%コスト低減が可能である。また、重量で15%軽減できる。これに伴い点灯回路が安価になる。
【0108】
図8は、本発明のメタルハライドランプ点灯装置を実施するための第2の形態の回路図である。
【0109】
図7と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。本形態は、メタルハライド放電ランプを交流点灯するように構成している。
【0110】
28は交流変換手段である。この交流変換手段28は、フルブリッジインバータからなる。すなわち、一対のスイッチング手段28a、28aの直列回路の一対をチョッパ22の出力端間に並列接続してブリッジ回路を構成し、発振器28bの発振出力を4個のスイッチング手段28aの対角方向のスイッチング手段に交互に供給してブリッジ回路の出力端間に高周波交流を発生するものである。
【0111】
そうして、高周波交流によってメタルハライドランプ27が点灯されるようになっている。
【0112】
また、この例においても、図7と同様な制御が行われるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】本発明のメタルハライドランプを実施するための第1の形態の正面断面図
【図2】同じく各部の寸法を説明するために放電容器の内部を模式的に示す模式図
【図3】本発明のメタルハライドランプを実施するための第2の形態の正面断面図
【図4】同じく各部の寸法を説明するために放電容器の内部を模式的に示す模式図
【図5】本発明のメタルハライドランプを実施するための第3の形態の正面図
【図6】本発明の自動車用前照灯装置を実施するための一形態の斜視図
【図7】本発明のメタルハライドランプ点灯装置を実施するための第1の形態の回路図
【図8】本発明のメタルハライドランプ点灯装置を実施するための第2の形態の回路図
【符号の説明】
【0114】
1…放電容器、1a…気密容器、1a1…封止部、1b…電極、2…電極、3…封着金属箔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に細長い放電空間が形成される耐火性で透光性の気密容器および気密容器内の放電空間の両端に離間対向して封装された一対の電極を備え、電極端間距離をL(mm)とし、一対の電極の放電開始点の間を結ぶ第1の仮想直線を引き、放電空間の中央上部の内表面から第1の仮想直線に対して直角な第2の仮想直線を引いたとき、第1および第2の仮想直線の交点と放電空間の中央上部の内表面との間の距離をDc/2(mm)とし、電極間距離の中央寄り80%の領域における気密容器の最大肉厚をt(mm)としたとき、Dc/Lおよびt/Lが下式を満足するとともに、放電空間の両端の内面と内面形状の変曲点との間の距離をp1(mm)とし、一対の電極の放電空間への突出長をp2(mm)としたとき、p2/p1が下式を満足する放電容器と;
少なくともナトリウムNa、スカンジウムScまたは希土類金属を含む複数種の発光金属のハロゲン化物からなる第1のハロゲン化物、点灯中の蒸気圧が相対的に大きくて、かつ第1のハロゲン化物の発光金属に比較して可視域に発光しにくい金属の一種または複数種のハロゲン化物からなる第2のハロゲン化物、ならびに希ガスを含み、気密容器内に封入された放電媒体と;
を具備し、本質的に水銀が封入されていないとともにランプ電力100W以下で点灯することを特徴とするメタルハライドランプ。
0.25≦Dc/L≦0.96
0.16≦t/L≦1.10
0.6≦p2/p1≦1.7
【請求項2】
一対の電極は、その先端に軸部より径大の径大部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のメタルハライドランプ。
【請求項3】
請求項1または2記載のメタルハライドランプと;
メタルハライドランプを点灯する点灯回路と;
を具備していることを特徴とするメタルハライドランプ点灯装置。
【請求項4】
自動車用前照灯装置本体と;
放電容器の軸が自動車用前照灯装置本体の光軸に沿って自動車用前照灯装置本体内に配設された請求項1または2記載のメタルハライドランプと;
を具備していることを特徴とする自動車用前照灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−73538(P2006−73538A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266899(P2005−266899)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【分割の表示】特願2000−130603(P2000−130603)の分割
【原出願日】平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】