メタルラスの固定方法
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタルラスなどのメッシュ素材を蓋状部材に簡便に固定する固定方法に関する。
ここで、本発明においては、メタルラスの他にも、エキスパンドメタル、金網などのメッシュ素材を総称してメタルラスと呼ぶものとする。
【0002】
【従来の技術】
メタルラスは、本来、主にしっくい、モルタルなどの下地用に用いられる素材で、図4に示すような網目(メッシュ)状の金属材である。ここで、メッシュ31は、ボンド32から伸びる複数のストランド33が別のボンド32に連なっていくことによって構成されている。
【0003】
メタルラスは、一般に鋼板などの薄板を素材として常温引伸切断法によって製造される。
このメタルラスを蓋状部材に固定する方法としては、リベットあるいはボルトで固定する方法と溶接によって固定する方法とがある。ここで、溶接方法としては、スポット溶接が最も一般的であり、他に、ティグ溶接、アーク溶接(以上、電気溶接)とガス溶接などがある。
【0004】
図5を例として、従来のメタルラスと蓋状部材の固定方法を説明する。
図5は、半円形の蓋状部材2に半筒状にしたメタルラス3を固定する様子を示している。ここで、図を簡略とするため、メタルラス3のメッシュ構造を省略して記載している(以下、同じ)。
蓋状部材2とメタルラス3の固定には、溶接が最も簡便な方法であるが、溶接には、下記のような問題がある。
【0005】
スポット溶接などの電気溶接では、蓋状部材が金属であることが必要であり、各部材の表面に被覆のないことが要求される。また、溶接は、美観上の観点から内面側を溶接することが要求され、図5に代表されるような複雑な形状では、内面側の奥まで溶接用電極を近づけることは困難である。
また、ガス溶接においては、溶接位置以外にも溶接の熱が拡がってしまい、仕上がりの外観が悪く、溶接後の手直しが不可欠となる。さらに、熱が広範囲に拡がるため熱歪みによってメタルラスが変形してしまうトラブルも発生する。
【0006】
そのため、リベット、ボルトなどで固定する方法が用いられるが、ボルトで固定する方法では、メタルラスの内面側にあらかじめナットを溶接等で取り付けておく必要があり、更に、取付時に、そのナットとボルトの位置合わせが難しいという問題がある。
一方、リベットは、例えば図2に示す外観のものが用いられ、図3に示すように、2枚の板状材46、47と必要に応じワッシャ45を重ね、その取り付け孔にリベット4を挿入し、マンドレル41を引き抜くことでボディ部43をひしゃげさせ、そのひしゃげたボディ部43とフランジ部42とで板状材46、47をかしめて接合するものである。
【0007】
このリベットで固定する方法も簡便であるが、メタルラスの固定においては、リベットのひしゃげたボディ部がメタルラスのストランド部に確実にかかるようにしっかりとかしめることが困難であり、また、ストランド部に確実にかかっているかどうかの判別もつきにくい。そのため、メタルラスにあらかじめワッシャーなどを溶接しておくことも行われるが、やはり位置決めが難しくなり、作業性も悪いためコストアップの要因となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上に述べたような悪い作業性を改善し、簡便で確実なメタルラスと蓋状部材の固定方法を提供し、作業能率を向上させ、低コスト化を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、蓋状部材にあらかじめ取付部材を取り付けておくことで、蓋状部材の側面部と取付部材でメタルラスを容易に、かつ、確実に挟み込むことができるようになることに着目してなされたものである。
すなわち、本発明は、あらかじめ蓋状部材の側面部に必要数だけメタルラス固定用孔を設け、その孔に対向するようにそれぞれの取付部材のメタルラス固定用孔を位置決めして前記蓋状部材の内側の底面部に前記取付部材を固定しておいて、メタルラスの端部が蓋状部材の側面部と取付部材に挟持されるようにメタルラスを蓋状部材に装入し、前記蓋状部材の外部から蓋状部材のメタルラス固定用孔それぞれにリベットまたはボルトを差し込み、メタルラスのいずれかの間隙部と取付部材のメタルラス固定用孔を挿通させて固着し、蓋状部材の側面部と取付部材にメタルラスが挟持して固定されるようにしたことを特徴とするメタルラスと蓋状部材の固定方法によって上記課題を解決したのである。
【0010】
また、前記取付部材を、その側面部にメタルラス固定用孔を有し底面部に位置決め用の2つ以上の孔を有した略L字状の金具とし、前記蓋状部材の底面部に、その側面部に設けられたメタルラス固定用孔の位置決め用として、前記取付部材の位置決め用の2つ以上の孔に対応し、かつ、該孔の径を小さくした張り出し部をあらかじめ加工しておくことが好ましいことを見出したのである。
【0011】
そして、前記取付部材の底面部に設けた位置決め用の2つ以上の孔の径が互いに異なっており、その異なった径に対応して、前記張り出し部の底面部に設けた張り出し部の径が同様に異なるようにすることで、あらかじめ取り付けておく取付部材の取付が容易になることを見出したのである。
さらに、前記蓋状部材の側面部に必要数だけ設けられたメタルラス固定用孔と前記取付部材のメタルラス固定用孔がメタルラスのメッシュ間隔以上の長さの長孔とすることで、メタルラスと蓋状部材の固定時の作業性が更に向上することを見出したのである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のメタルラスの固定方法を図1に示す手順に従って説明する。
図1では、半円状の蓋状部材へのメタルラスの本発明による固定方法を示している。
まず、図1(a)に示すように、あらかじめ蓋状部材2の側面部にメタルラス固定用孔21を所用数だけあけておく。次に、それらのメタルラス固定用孔21に合わせて蓋状部材2の底面部に位置決め用張り出し部22、23をそれぞれ加工する。この位置決め用張り出し部は、取付部材1の位置決め孔12、13に対応させて、メタルラス固定用孔11とメタルラス固定用孔21の位置が合うようにそれぞれ加工しておく。このメタルラス固定用孔11とメタルラス固定用孔21は円形状でも良いが、メタルラスのメッシュ間隔以上の長さとした長円とすることが好ましい。
【0013】
位置決め用張り出し部22、23の径は、その張り出し部に合わせる取付部材1の位置決め孔12、13の径より小さくしておき、かつ、位置決め用張り出し部22、23の径を異ならせるようにしておくことで、さらに位置決めを容易にすることができる。ここで、取付部材1の位置決め孔12、13の径は、位置決め用張り出し部22、23の径にあわせて異ならせておくことは当然のことである。
【0014】
取付部材1の蓋状部材2への取付は、スポット溶接とすることが作業性から最も好ましいが、ボルト、リベットなどで固定するようにしても良い。
このように、あらかじめ取付部材1を取り付けておいた蓋状部材2にメタルラス3を装入し(図1(b))、蓋状部材2の外部からリベットなどでかしめて蓋状部材2とメタルラス3を固定する(図1(c))のである。
【0015】
このようにすることで、リベットなどがメタルラスのメッシュ内を通るようにさえしておけば、厳密な位置あわせは不要であり、きわめて簡便に蓋状部材とメタルラスの固定を行うことができるのである。
本発明の固定方法は、各種形状の蓋状部材へのメタルラスの固定に適用することが可能である。図6に、そのいくつかの例を示す。図6(a)は円形の蓋状部材、図6(b)は四角形の蓋状部材への適用例を示している。また、図6(c)はメタルラスが円錐台形(いわゆるメガホン形)の場合についての適用を示している。
【0016】
メタルラスのメッシュ形状は、リベット、ボルトなどを通すことが可能であれば、任意の形状で良いが、ダイヤ型、亀甲型などの形状が好ましい。
また、メタルラスの材質は、特に限定しないが、鉄板、表面処理鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウムなどがあげられる。
さらに、本発明は網状の素材を蓋状部材に固定する方法として汎用的に適用することが可能であり、網状の素材として非金属の素材を適用することも可能であることは言うまでもない。
【0017】
蓋状部材の材質は、作業性の観点から、取付部材をスポット溶接することが可能な金属製とすることが望ましいが、それに限定されるわけではなく、ABS樹脂製などのプラスティック製等であっても良い。
【0018】
【実施例】
実際に適用した例として、図1に示す半円形状の蓋状部材2にメタルラス3を固定する場合について説明する。本適用例で用いた取付部材1の実寸法を図7に図面化して示す。蓋状部材に取り付けるメタルラスのメッシュ間隔を10mmとしたため、取付部材1のメタルラス固定用孔11と、蓋状部材2のメタルラス固定用孔21はそれぞれ10mm長さの長孔としている。取付部材1の位置決め孔12、13は、それぞれ 3.2mmφ、 4.2mmφとしており、蓋状部材2の位置決め用張り出し部22、23の径はそれより若干小さく形成している。そして、取付部材1を蓋状部材2に位置決めして、スポット溶接で固定した。
【0019】
あらかじめ、蓋状部材2を上記のように加工しておいたため、メタルラス3と蓋状部材2の取付そのものはきわめて簡便に行うことができ、作業性を大幅に向上させることができた。
作業時間は70%低減でき、従来の30%となった。
【0020】
【発明の効果】
本発明の方法の適用により、作業性が大幅に向上し、作業能率を向上させ、低コスト化を実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメタルラスの固定方法を説明する説明図であり、(a)は蓋状部材と取付部材を示し、(b)は取付部材を取り付けた蓋状部材とメタルラスを示し、(c)はメタルラスを蓋状部材に取り付けた状態を示している。
【図2】メタルラスの取り付け用に用いられるリベットの外観図である。
【図3】リベットの接合の仕組みを説明する説明図であり、(a)は2枚の板状材の孔部にリベットを装着した状態を断面図で示しており、(b)はマンドレルを抜き取ってリベットで2枚の板状材をかしめた状態を断面図で示している。
【図4】メタルラスの構造を示す外観図である。
【図5】従来のメタルラスの固定方法を説明する説明図であり、(a)は蓋状部材とメタルラスを示し、(b)はメタルラスを蓋状部材に取り付けた状態を示している。
【図6】本発明のメタルラスの固定方法によって、各種形状の蓋状部材にメタルラスを取り付けて固定する態様を説明する説明図であり、(a)は円筒状にしたメタルラスの蓋状部材への取付の様子を示し、(b)は四角形状にしたメタルラスの蓋状部材への取付の様子を示し、(c)は円錐台状にしたメタルラスの蓋状部材への取付の様子を示している。
【図7】本発明のメタルラスの固定方法に用いられる取付部材を示す、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は平面図である。
【符号の説明】
1 取付部材
2 蓋状部材
3 メタルラス
4 リベット
11 メタルラス固定用孔
12、13 位置決め孔
14 スポット溶接用マーク
21 メタルラス固定用孔
22、23 位置決め用張り出し部
31 メッシュ
32 ボンド
33 ストランド
41 マンドレル
42 フランジ部
43 ボディ部
45 ワッシャ
46、47 板状材
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタルラスなどのメッシュ素材を蓋状部材に簡便に固定する固定方法に関する。
ここで、本発明においては、メタルラスの他にも、エキスパンドメタル、金網などのメッシュ素材を総称してメタルラスと呼ぶものとする。
【0002】
【従来の技術】
メタルラスは、本来、主にしっくい、モルタルなどの下地用に用いられる素材で、図4に示すような網目(メッシュ)状の金属材である。ここで、メッシュ31は、ボンド32から伸びる複数のストランド33が別のボンド32に連なっていくことによって構成されている。
【0003】
メタルラスは、一般に鋼板などの薄板を素材として常温引伸切断法によって製造される。
このメタルラスを蓋状部材に固定する方法としては、リベットあるいはボルトで固定する方法と溶接によって固定する方法とがある。ここで、溶接方法としては、スポット溶接が最も一般的であり、他に、ティグ溶接、アーク溶接(以上、電気溶接)とガス溶接などがある。
【0004】
図5を例として、従来のメタルラスと蓋状部材の固定方法を説明する。
図5は、半円形の蓋状部材2に半筒状にしたメタルラス3を固定する様子を示している。ここで、図を簡略とするため、メタルラス3のメッシュ構造を省略して記載している(以下、同じ)。
蓋状部材2とメタルラス3の固定には、溶接が最も簡便な方法であるが、溶接には、下記のような問題がある。
【0005】
スポット溶接などの電気溶接では、蓋状部材が金属であることが必要であり、各部材の表面に被覆のないことが要求される。また、溶接は、美観上の観点から内面側を溶接することが要求され、図5に代表されるような複雑な形状では、内面側の奥まで溶接用電極を近づけることは困難である。
また、ガス溶接においては、溶接位置以外にも溶接の熱が拡がってしまい、仕上がりの外観が悪く、溶接後の手直しが不可欠となる。さらに、熱が広範囲に拡がるため熱歪みによってメタルラスが変形してしまうトラブルも発生する。
【0006】
そのため、リベット、ボルトなどで固定する方法が用いられるが、ボルトで固定する方法では、メタルラスの内面側にあらかじめナットを溶接等で取り付けておく必要があり、更に、取付時に、そのナットとボルトの位置合わせが難しいという問題がある。
一方、リベットは、例えば図2に示す外観のものが用いられ、図3に示すように、2枚の板状材46、47と必要に応じワッシャ45を重ね、その取り付け孔にリベット4を挿入し、マンドレル41を引き抜くことでボディ部43をひしゃげさせ、そのひしゃげたボディ部43とフランジ部42とで板状材46、47をかしめて接合するものである。
【0007】
このリベットで固定する方法も簡便であるが、メタルラスの固定においては、リベットのひしゃげたボディ部がメタルラスのストランド部に確実にかかるようにしっかりとかしめることが困難であり、また、ストランド部に確実にかかっているかどうかの判別もつきにくい。そのため、メタルラスにあらかじめワッシャーなどを溶接しておくことも行われるが、やはり位置決めが難しくなり、作業性も悪いためコストアップの要因となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上に述べたような悪い作業性を改善し、簡便で確実なメタルラスと蓋状部材の固定方法を提供し、作業能率を向上させ、低コスト化を実現することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、蓋状部材にあらかじめ取付部材を取り付けておくことで、蓋状部材の側面部と取付部材でメタルラスを容易に、かつ、確実に挟み込むことができるようになることに着目してなされたものである。
すなわち、本発明は、あらかじめ蓋状部材の側面部に必要数だけメタルラス固定用孔を設け、その孔に対向するようにそれぞれの取付部材のメタルラス固定用孔を位置決めして前記蓋状部材の内側の底面部に前記取付部材を固定しておいて、メタルラスの端部が蓋状部材の側面部と取付部材に挟持されるようにメタルラスを蓋状部材に装入し、前記蓋状部材の外部から蓋状部材のメタルラス固定用孔それぞれにリベットまたはボルトを差し込み、メタルラスのいずれかの間隙部と取付部材のメタルラス固定用孔を挿通させて固着し、蓋状部材の側面部と取付部材にメタルラスが挟持して固定されるようにしたことを特徴とするメタルラスと蓋状部材の固定方法によって上記課題を解決したのである。
【0010】
また、前記取付部材を、その側面部にメタルラス固定用孔を有し底面部に位置決め用の2つ以上の孔を有した略L字状の金具とし、前記蓋状部材の底面部に、その側面部に設けられたメタルラス固定用孔の位置決め用として、前記取付部材の位置決め用の2つ以上の孔に対応し、かつ、該孔の径を小さくした張り出し部をあらかじめ加工しておくことが好ましいことを見出したのである。
【0011】
そして、前記取付部材の底面部に設けた位置決め用の2つ以上の孔の径が互いに異なっており、その異なった径に対応して、前記張り出し部の底面部に設けた張り出し部の径が同様に異なるようにすることで、あらかじめ取り付けておく取付部材の取付が容易になることを見出したのである。
さらに、前記蓋状部材の側面部に必要数だけ設けられたメタルラス固定用孔と前記取付部材のメタルラス固定用孔がメタルラスのメッシュ間隔以上の長さの長孔とすることで、メタルラスと蓋状部材の固定時の作業性が更に向上することを見出したのである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のメタルラスの固定方法を図1に示す手順に従って説明する。
図1では、半円状の蓋状部材へのメタルラスの本発明による固定方法を示している。
まず、図1(a)に示すように、あらかじめ蓋状部材2の側面部にメタルラス固定用孔21を所用数だけあけておく。次に、それらのメタルラス固定用孔21に合わせて蓋状部材2の底面部に位置決め用張り出し部22、23をそれぞれ加工する。この位置決め用張り出し部は、取付部材1の位置決め孔12、13に対応させて、メタルラス固定用孔11とメタルラス固定用孔21の位置が合うようにそれぞれ加工しておく。このメタルラス固定用孔11とメタルラス固定用孔21は円形状でも良いが、メタルラスのメッシュ間隔以上の長さとした長円とすることが好ましい。
【0013】
位置決め用張り出し部22、23の径は、その張り出し部に合わせる取付部材1の位置決め孔12、13の径より小さくしておき、かつ、位置決め用張り出し部22、23の径を異ならせるようにしておくことで、さらに位置決めを容易にすることができる。ここで、取付部材1の位置決め孔12、13の径は、位置決め用張り出し部22、23の径にあわせて異ならせておくことは当然のことである。
【0014】
取付部材1の蓋状部材2への取付は、スポット溶接とすることが作業性から最も好ましいが、ボルト、リベットなどで固定するようにしても良い。
このように、あらかじめ取付部材1を取り付けておいた蓋状部材2にメタルラス3を装入し(図1(b))、蓋状部材2の外部からリベットなどでかしめて蓋状部材2とメタルラス3を固定する(図1(c))のである。
【0015】
このようにすることで、リベットなどがメタルラスのメッシュ内を通るようにさえしておけば、厳密な位置あわせは不要であり、きわめて簡便に蓋状部材とメタルラスの固定を行うことができるのである。
本発明の固定方法は、各種形状の蓋状部材へのメタルラスの固定に適用することが可能である。図6に、そのいくつかの例を示す。図6(a)は円形の蓋状部材、図6(b)は四角形の蓋状部材への適用例を示している。また、図6(c)はメタルラスが円錐台形(いわゆるメガホン形)の場合についての適用を示している。
【0016】
メタルラスのメッシュ形状は、リベット、ボルトなどを通すことが可能であれば、任意の形状で良いが、ダイヤ型、亀甲型などの形状が好ましい。
また、メタルラスの材質は、特に限定しないが、鉄板、表面処理鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウムなどがあげられる。
さらに、本発明は網状の素材を蓋状部材に固定する方法として汎用的に適用することが可能であり、網状の素材として非金属の素材を適用することも可能であることは言うまでもない。
【0017】
蓋状部材の材質は、作業性の観点から、取付部材をスポット溶接することが可能な金属製とすることが望ましいが、それに限定されるわけではなく、ABS樹脂製などのプラスティック製等であっても良い。
【0018】
【実施例】
実際に適用した例として、図1に示す半円形状の蓋状部材2にメタルラス3を固定する場合について説明する。本適用例で用いた取付部材1の実寸法を図7に図面化して示す。蓋状部材に取り付けるメタルラスのメッシュ間隔を10mmとしたため、取付部材1のメタルラス固定用孔11と、蓋状部材2のメタルラス固定用孔21はそれぞれ10mm長さの長孔としている。取付部材1の位置決め孔12、13は、それぞれ 3.2mmφ、 4.2mmφとしており、蓋状部材2の位置決め用張り出し部22、23の径はそれより若干小さく形成している。そして、取付部材1を蓋状部材2に位置決めして、スポット溶接で固定した。
【0019】
あらかじめ、蓋状部材2を上記のように加工しておいたため、メタルラス3と蓋状部材2の取付そのものはきわめて簡便に行うことができ、作業性を大幅に向上させることができた。
作業時間は70%低減でき、従来の30%となった。
【0020】
【発明の効果】
本発明の方法の適用により、作業性が大幅に向上し、作業能率を向上させ、低コスト化を実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメタルラスの固定方法を説明する説明図であり、(a)は蓋状部材と取付部材を示し、(b)は取付部材を取り付けた蓋状部材とメタルラスを示し、(c)はメタルラスを蓋状部材に取り付けた状態を示している。
【図2】メタルラスの取り付け用に用いられるリベットの外観図である。
【図3】リベットの接合の仕組みを説明する説明図であり、(a)は2枚の板状材の孔部にリベットを装着した状態を断面図で示しており、(b)はマンドレルを抜き取ってリベットで2枚の板状材をかしめた状態を断面図で示している。
【図4】メタルラスの構造を示す外観図である。
【図5】従来のメタルラスの固定方法を説明する説明図であり、(a)は蓋状部材とメタルラスを示し、(b)はメタルラスを蓋状部材に取り付けた状態を示している。
【図6】本発明のメタルラスの固定方法によって、各種形状の蓋状部材にメタルラスを取り付けて固定する態様を説明する説明図であり、(a)は円筒状にしたメタルラスの蓋状部材への取付の様子を示し、(b)は四角形状にしたメタルラスの蓋状部材への取付の様子を示し、(c)は円錐台状にしたメタルラスの蓋状部材への取付の様子を示している。
【図7】本発明のメタルラスの固定方法に用いられる取付部材を示す、(a)は正面図であり、(b)は側面図であり、(c)は平面図である。
【符号の説明】
1 取付部材
2 蓋状部材
3 メタルラス
4 リベット
11 メタルラス固定用孔
12、13 位置決め孔
14 スポット溶接用マーク
21 メタルラス固定用孔
22、23 位置決め用張り出し部
31 メッシュ
32 ボンド
33 ストランド
41 マンドレル
42 フランジ部
43 ボディ部
45 ワッシャ
46、47 板状材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ蓋状部材の側面部に必要数だけメタルラス固定用孔を設け、その孔に対向するようにそれぞれの取付部材のメタルラス固定用孔を位置決めして前記蓋状部材の内側の底面部に前記取付部材を固定しておいて、メタルラスの端部が蓋状部材の側面部と取付部材に挟持されるようにメタルラスを蓋状部材に装入し、前記蓋状部材の外部から蓋状部材のメタルラス固定用孔それぞれにリベットまたはボルトを差し込み、メタルラスのいずれかの間隙部と取付部材のメタルラス固定用孔を挿通させて固着し、蓋状部材の側面部と取付部材にメタルラスが挟持して固定されるようにしたことを特徴とするメタルラスと蓋状部材の固定方法。
【請求項2】
前記取付部材を、その側面部にメタルラス固定用孔を有し底面部に位置決め用の2つ以上の孔を有した略L字状の金具とし、前記蓋状部材の底面部に、その側面部に設けられたメタルラス固定用孔の位置決め用として、前記取付部材の位置決め用の2つ以上の孔に対応し、かつ、該孔の径を小さくした張り出し部をあらかじめ加工しておくことを特徴とする請求項1記載のメタルラスと蓋状部材の固定方法。
【請求項3】
前記取付部材の底面部に設けた位置決め用の2つ以上の孔の径が互いに異なっており、その異なった径に対応して、前記張り出し部の底面部に設けた張り出し部の径が同様に異なっていることを特徴とする請求項1または2のいずれか記載のメタルラスと蓋状部材の固定方法。
【請求項4】
前記蓋状部材の側面部に必要数だけ設けられたメタルラス固定用孔と前記取付部材のメタルラス固定用孔がメタルラスのメッシュ間隔以上の長さの長孔であるようにすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のメタルラスと蓋状部材の固定方法。
【請求項1】
あらかじめ蓋状部材の側面部に必要数だけメタルラス固定用孔を設け、その孔に対向するようにそれぞれの取付部材のメタルラス固定用孔を位置決めして前記蓋状部材の内側の底面部に前記取付部材を固定しておいて、メタルラスの端部が蓋状部材の側面部と取付部材に挟持されるようにメタルラスを蓋状部材に装入し、前記蓋状部材の外部から蓋状部材のメタルラス固定用孔それぞれにリベットまたはボルトを差し込み、メタルラスのいずれかの間隙部と取付部材のメタルラス固定用孔を挿通させて固着し、蓋状部材の側面部と取付部材にメタルラスが挟持して固定されるようにしたことを特徴とするメタルラスと蓋状部材の固定方法。
【請求項2】
前記取付部材を、その側面部にメタルラス固定用孔を有し底面部に位置決め用の2つ以上の孔を有した略L字状の金具とし、前記蓋状部材の底面部に、その側面部に設けられたメタルラス固定用孔の位置決め用として、前記取付部材の位置決め用の2つ以上の孔に対応し、かつ、該孔の径を小さくした張り出し部をあらかじめ加工しておくことを特徴とする請求項1記載のメタルラスと蓋状部材の固定方法。
【請求項3】
前記取付部材の底面部に設けた位置決め用の2つ以上の孔の径が互いに異なっており、その異なった径に対応して、前記張り出し部の底面部に設けた張り出し部の径が同様に異なっていることを特徴とする請求項1または2のいずれか記載のメタルラスと蓋状部材の固定方法。
【請求項4】
前記蓋状部材の側面部に必要数だけ設けられたメタルラス固定用孔と前記取付部材のメタルラス固定用孔がメタルラスのメッシュ間隔以上の長さの長孔であるようにすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のメタルラスと蓋状部材の固定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【特許番号】特許第3566068号(P3566068)
【登録日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【発行日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−76108
【出願日】平成10年3月24日(1998.3.24)
【公開番号】特開平11−270517
【公開日】平成11年10月5日(1999.10.5)
【審査請求日】平成13年8月2日(2001.8.2)
【出願人】(000231110)JFE建材株式会社 (150)
【参考文献】
【文献】実開平03−030608(JP,U)
【文献】特開平08−240207(JP,A)
【文献】実開昭59−074256(JP,U)
【文献】実開平03−059681(JP,U)
【文献】実開昭63−100884(JP,U)
【文献】特開平10−089637(JP,A)
【文献】実開昭63−027563(JP,U)
【登録日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【発行日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成10年3月24日(1998.3.24)
【公開番号】特開平11−270517
【公開日】平成11年10月5日(1999.10.5)
【審査請求日】平成13年8月2日(2001.8.2)
【出願人】(000231110)JFE建材株式会社 (150)
【参考文献】
【文献】実開平03−030608(JP,U)
【文献】特開平08−240207(JP,A)
【文献】実開昭59−074256(JP,U)
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