メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法

【課題】細菌を通常の培養条件下で培養することにより、その細菌がメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌であるかどうかの判別をする方法を提供する。
【解決手段】分離培養した細菌をβ−ラクタム薬および金属−EDTAキレート錯体とともに培養することにより、金属−EDTAキレート錯体の存在下と非存在下での被検菌の発育状況を比較して、発育に対する金属−EDTAキレート錯体による影響の有無を調べることにより、被検菌がメタロ−β−ラクタマーゼを産生しているかどうかを判別することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、β−ラクタム薬とメタロ−β−ラクタマーゼ阻害物質を組み合わせることにより、簡便にメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌か否かを判別する方法に関するものである。さらに本発明は、β−ラクタム薬とメタロ−β−ラクタマーゼ阻害物質を含む、簡便にメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌か否かを判別する方法に用いるキットおよびこのキットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
1940年代に抗菌薬としてペニシリンが使用されるようになり、細菌により引き起こされる感染症を制御できると考えられた。しかし、まもなく抗菌薬の不活化酵素や抗菌薬の排出機構を有する薬剤耐性菌が分離され始めた。そこで、これらの耐性細菌により引き起こされる感染症を制御するため、より幅広く安定な抗菌力を有する新型の抗菌薬が開発され、使用された。
【0003】
この中で、ペニシリン、セフェム等のβ−ラクタム薬に関しては、β−ラクタマーゼと呼ばれる加水分解酵素の存在が古くから知られている。このβ−ラクタマーゼは、酵素の活性中心にセリン残基を持つセリン−β−ラクタマーゼ及び亜鉛原子を活性発現に必要とするメタロ−β−ラクタマーゼの2種類が知られている。
【0004】
一方、1980年代に開発された、広域な抗菌スペクトルを有するカルバペネム系薬剤に対して耐性を獲得した緑膿菌やセラチア菌が分離されるようになった。これらの耐性菌の性状を詳細に検討したところ、後者のメタロ−β−ラクタマーゼを産生することが明らかになった。
【0005】
このメタロ−β−ラクタマーゼは、その活性中心に存在する亜鉛原子に結合した不安定なHO分子がβ−ラクタム環を攻撃し、加水分解するとされている。それゆえ、メタロ−β−ラクタマーゼは、グラム陰性桿菌が通常産生するセリン−β−ラクタマーゼにより分解されにくいカルバペネム系薬剤やβ-ラクタマーゼ阻害剤をも容易に分解・不活化してしまうという憂慮すべき性質を示している(非特許文献1)。
【0006】
なお、メタロ−β−ラクタマーゼの阻害剤である有機チオール化合物のメルカプト酢酸またはメルカプトプロピオン酸を含浸したディスクとセフタジジム(CAZ)ディスクを、菌を接種した培地上に置くことにより、培養後に有機チオール化合物を含浸したディスクと隣接したCAZディスクの発育阻止円が生じることによって、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌であると簡便に判別できる(特許文献1)。
【0007】
また、液体のメルカプト酢酸に代えて、メルカプト酢酸ナトリウム(SMA)を含浸したディスクを用いることにより、保存安定性に優れたキットを提供することが可能となった(特許文献2)。
【0008】
しかし、これらの方法では判別できないNDM−1型のメタロ−β−ラクタマーゼを産生する多剤耐性菌が多くの国で分離されるようになった。それゆえ、メタロ−β−ラクタマーゼを産生する多剤耐性菌であるかどうかを判別することが感染症の治療するための重要な情報となるため、NDM−1型も含めたメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の検出方法が必要不可欠となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−224998公報
【特許文献2】特開2001−299388公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】荒川宣親、週間医学界新聞、第2256号、7.院内感染
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
メタロ−β−ラクタマーゼを産生する菌は、多剤耐性菌であることが多いため、感染のごく早い時期にメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌か否かを調べることが必要である。それゆえ、簡便な方法を用いて全ての型のメタロ−β−ラクタマーゼを検出することが、この細菌に対する治療に重要となるため、この検出方法が不可欠になっている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明者は、メタロ−β−ラクタマーゼに対して阻害効果を有するが、細菌の発育を抑制するエチレンジアミン四酢酸(EDTA)に着目し、メタロ−β−ラクタマーゼを検出する方法の検討を進めた。すると、金属−EDTAキレート錯体を用いることにより、細菌の増殖を阻害せず、メタロ−β−ラクタマーゼの活性を阻害することが判った。
【0013】
さらに、金属−EDTAキレート錯体に有機チオール化合物を加えることにより、より効果が高くなることが判明した。具体的には、β−ラクタム薬の抗菌効果を測る際に、金属−EDTAキレート錯体単独、もしくは金属−EDTAキレート錯体とメルカプト酢酸ナトリウムの混合物を添加することにより、メタロ−β−ラクタマーゼを検出することができる。
【0014】
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)β−ラクタム薬と金属−EDTAキレート錯体を用いることによるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
(2)平板培地に被検菌を接種し、該培地上にβ−ラクタム薬を含浸したディスクおよび金属−EDTAキレート錯体を含浸したディスクを並べて置き、培養後の阻止円の形状を観察することによる(1)記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
(3)平板培地に被検菌を接種し、該培地上にβ−ラクタム薬を含浸したディスク並びにβ−ラクタム薬および金属−EDTAキレート錯体を含浸したディスクを並べて置き、培養後の阻止円の形状を観察することによる(1)記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
(4)β−ラクタム薬含有平板培地に被検菌を接種し、該培地上に金属−EDTAキレート錯体を含浸したディスクを置き、培養後の阻止円の大きさを観察することによる(1)記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
(5)金属−EDTAキレート錯体含有平板培地に被検菌を接種し、該培地上にβ−ラクタム薬を含浸したディスクを置き、培養後の阻止円の大きさを観察することによる(1)記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
(6)β−ラクタム薬含有液体培地と金属−EDTAキレート錯体含有液体培地とを組み合わせて被検菌を接種し、培養後の被験菌の増殖の有無を観察することによる(1)記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
(7)前記β−ラクタム薬がカルバペネム系薬剤、セファマイシン系薬剤、およびセファロスポリン系薬剤から選ばれる1以上の薬剤である(1)〜(6)記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
(8)前記カルバペネム系薬剤がイミペネム、パニペネム、メロペネム、ビアペネム、ドリペネム、およびテビペネムから選ばれる少なくとも1以上の薬剤である(1)〜(7)記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
(9)前記セファマイシン系薬剤がセフォキシチン、セフメタゾール、セフブペラゾン、およびセフミノクスから選ばれる少なくとも1以上の薬剤である(1)〜(7)記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
(10)前記セファロスポリン系薬剤がセフタジジム、セフェピム、セフトリアキソン、およびセフォタキシムから選ばれる少なくとも1以上の薬剤である(1)〜(7)記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
(11)前記金属−EDTAキレート錯体がMg−EDTA、Cu−EDTA、Ca−EDTA、Co−EDTA、Mn−EDTA、およびFe−EDTAから選ばれる少なくとも1以上の化合物である(1)〜(10)記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
(12)金属−EDTAキレート錯体にさらに有機チオール化合物を添加する(1)〜(11)記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
(13)前記有機チオール化合物がメルカプト酢酸ナトリウムである(1)〜(12)記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
(14)β−ラクタム薬と金属−EDTAキレート錯体を含む、(1)〜(11)記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法に用いるキット。
(15)β−ラクタム薬と金属−EDTAキレート錯体および有機チオール化合物を含む、(12)〜(13)記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法に用いるキット。
【発明の効果】
【0015】
本発明を実施することにより、臨床の場で発生する多剤耐性菌がメタロ−β−ラクタマーゼを産生しているかどうかを容易に判別することが可能となり、その後の治療方針を決定するための一助となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】β−ラクタム薬を含浸したディスクおよびβ−ラクタム薬と金属−EDTAキレート錯体を単独で含浸させたディスクを並べて比較した模式図。その阻止円径の差(d)がメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別の指標となる。
【図2】β−ラクタム薬を含浸したディスクおよびβ−ラクタム薬と金属−EDTAキレート錯体の両方を含浸させたディスクを比較した模式図。その阻止円径の差(d)がメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別の指標となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を、一例として被検菌の培養にはミュラーヒントン寒天培地を用い、β−ラクタム薬のイミペネムおよび金属−EDTAキレート錯体のMg−EDTAによる被検菌の発育への影響によりメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を判別する方法を説明するが、本例に限定されることはない。
【0018】
被検菌を滅菌生理食塩水にMcFarland標準濁度0.5と同じ濁度に調製し、ミュラーヒントン寒天培地に接種した。
【0019】
次に、同一平板培地上にイミペネムを含浸したディスクを3cm以上離して2枚置き、その1枚のイミペネムを含浸したディスクの中心から1.5〜2.0cm離してMg−EDTAを含浸したディスクを置いた。
【0020】
35℃で16〜18時間培養後にMg−EDTAを含浸したディスクを隣接して置いたイミペネムを含浸したディスクの阻止円の形状と単独で置いたイミペネムを含浸したディスクの阻止円の形状の違いを観察した。
【0021】
被検菌としてメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を用いた場合、図1に示すとおり、Mg−EDTAを含浸したディスクを隣接して置いたイミペネムを含浸したディスクの阻止帯(b)が、独立して置いたイミペネムを含浸したディスクの阻止体(a)に比べて、Mg−EDTAを含浸したディスクとイミペネムを含浸したディスクの中心をつないだ軸方向に対して垂直方向に拡大を認めた。
【0022】
被検菌として別のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を用いた場合、単独で置いたイミペネムを含浸したディスクの阻止帯は認められないものの、Mg−EDTAを含浸したディスクを隣接して置いたイミペネムを含浸したディスクは阻止帯の形成が認められた。
【0023】
一方、被検菌としてメタロ−β−ラクタマーゼ非産生菌を用いた場合、単独で置いたイミペネムを含浸したディスクとMg−EDTAを含浸したディスクを隣接して置いたイミペネムを含浸したディスクの阻止帯は同等であった。
【0024】
以上、本例の試験を実施することにより、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を容易に判別することが可能となる
【0025】
すなわち、細菌のβ−ラクタム薬に対する感受性試験を実施する際に、被験対象のβ−ラクタム薬の他に金属−EDTAキレート錯体もしくは金属−EDTAキレート錯体と有機チオール化合物の混合物を添加することにより、その細菌がメタロ−β−ラクタマーゼを産生しているかどうかの判別が出来る。
【0026】
本発明のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を判別する方法が適用出来る被検菌としては腸内細菌、緑膿菌が挙げられるが、これらの菌に限定されない。また、本試験に用いる培地としては、平板培地ではミュラーヒントン寒天培地を、液体培地としてはミュラーヒントンブイヨンを使用することが好ましい。
【0027】
使用するβ−ラクタム薬は、カルバペネム系薬剤としてはイミペネム、パニペネム、メロペネム、ビアペネム、ドリペネム、およびテビペネムが、セファマイシン系薬剤としてはセフォキシチン、セフメタゾール、セフブペラゾン、およびセフミノクスが、セファロスポリン系薬剤としてはセフタジジム、セフェピム、セフトリアキソン、およびセフォタキシムが各々挙げられるが、これらの薬剤に限定されない。
【0028】
使用する金属−EDTAキレート錯体としてはMg−EDTA、Cu−EDTA、Ca−EDTA、Co−EDTA、Mn−EDTA、およびFe−EDTAが挙げられるが、これらに限定されず、Zn−EDTAを除く金属−EDTA錯体であれば良い。好ましくは、Mg−EDTA、Cu−EDTA、およびCa−EDTAである。
【実施例】
【0029】
1.β−ラクタム薬含浸ディスクと金属−EDTAキレート錯体含浸ディスクを並べた試験
[実施例1]金属−EDTAキレート錯体によるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の確認試験
被検菌を滅菌生理食塩水にMcFarland標準濁度0.5と同じ濁度に調製し、滅菌綿棒を用いてミュラーヒントン寒天培地上に均一に接種した。
【0030】
次に、同一平板培地上に3cm以上離して二枚のβ−ラクタム薬含浸ディスクを置き、その中の一枚のディスクの中心から1.5cm離して金属−EDTAキレート錯体含浸ディスクを置いた。
【0031】
35℃で16〜18時間培養した後にβ−ラクタム薬含浸ディスクの阻止円の形状およびβ−ラクタム薬含浸ディスクと金属−EDTAキレート錯体含浸ディスクを並べた場合の阻止円の形状の違いを観察した。
【0032】
具体的には、β−ラクタム薬含浸ディスクの阻止円が、β−ラクタム薬含浸ディスクと金属−EDTAキレート錯体含浸ディスクを並べることにより、β−ラクタム薬含浸ディスクと金属−EDTAキレート錯体含浸ディスクの中心を繋いだ軸方向に対して垂直方向に拡大するかを確認した。
【0033】
β−ラクタム薬含浸ディスクと金属−EDTAキレート錯体含浸ディスクを並べることにより、図1に示すdの値が5mm以上の拡大が認められたものを+、拡大が認められたものの5mm未満のものを±、および拡大が認められなかったものを−と判定した。なお、β−ラクタム薬含浸ディスクで阻止円が認められなかったものについては、12mm以上の阻止帯を形成したものを+、阻止帯を形成したものの12mm未満のものを±、および阻止帯を形成しなかったものを−と判定した。
【0034】
被検菌として、Escherichia coli(EKN9981)、Klebsiella pneumoniae(ATCC BAA−2146)、Klebsiella pneumoniae(EKN4635)、Pseudomonas aeruginosa(EKN7102)、Pseudomonas aeruginosa(EKN7103)、Acinetobacter baumannii(EKN7108)、Acinetobacter baumannii(EKN7109)、Pseudomonas aeruginosa(EKN7116)、Pseudomonas aeruginosa(EKN7117)、およびAcinetobacter baumannii(EKN7170)を用いた。
【0035】
β−ラクタム薬として、イミペネム(IPM:10μg力価/ディスク)、メロペネム(MEPM:10μg力価/ディスク)、およびセフタジジム(CAZ:30μg力価/ディスク)含浸ディスクを用いた。
【0036】
金属−EDTAキレート錯体として、Ca−EDTA(12.5mg/ディスク)、Co−EDTA(12mg/ディスク)、Mn−EDTA(10mg/ディスク)、Mg−EDTA(12mg/ディスク)、Cu−EDTA(15mg/ディスク)、Zn−EDTA(12mg/ディスク)、およびFe−EDTA(2mg/ディスク)を用いた。なお、対照として、メルカプト酢酸ナトリウム(SMA)含浸ディスクを用いた。
【0037】
【表1】

【0038】
表1に示す結果より、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を判別する上で、Mg−EDTAを含浸させたディスクを用いることが最も有効と判断された。しかしながら、Ca−EDTA、Cu−EDTA、Co−EDTA、Mn−EDTA、およびFe−EDTAを含浸させたディスクにおいても、メタロ―β―ラクタマーゼ産生菌の判別に有効であった。一方、Zn−EDTA含浸ディスクを用いた場合には、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を判別することは出来なかった。
【0039】
[比較例1]メタロ−β−ラクタマーゼ以外のβ−ラクタマーゼ産生菌
メタロ−β−ラクタマーゼとは異なるβ−ラクタマーゼを産生していると確認しているKlebsiella pneumoniae(EKN9491)、Escherichia coli(EKN6663)、およびPseudomonas aeruginosa(EKN7149)を用いて、その他の条件を[実施例1]と同様に試験を実施した。
【0040】
【表2】

【0041】
表2に示す結果より、β−ラクタム薬含浸ディスクおよび金属−EDTAキレート錯体含浸ディスクを組み合わせて試験を行なったが、阻止円の変化は認められず、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌ではないと判別された。
【0042】
[実施例2]Mg−EDTAの濃度の違いによる試験結果への影響
被検菌として、Klebsiella pneumoniae(ATCC BAA−2146)、Klebsiella pneumoniae(EKN4635)、Acinetobacter baumannii(EKN7170)、およびAcinetobacter baumannii(EKN7171)を用い、イミペネム(IPM:10μg力価/ディスク)およびセフタジジム(CAZ:30μg力価/ディスク)含浸ディスクと10mg/ディスク、8mg/ディスク、および6mg/ディスクのMg−EDTA含浸ディスクの組合せを用いて、その他の条件を[実施例1]と同様に試験を実施した。
【0043】
【表3】

【0044】
表3に示す結果より、β−ラクタム薬含浸ディスクとMg−EDTA含浸ディスクを組み合わせてメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を判別するときに、Mg−EDTAの含浸量が6〜10mg/ディスクの間で、メタロ―β―ラクタマーゼ産生菌の判別が可能であった。
【0045】
[実施例3]Mg−EDTAの濃度の違いによる試験結果への影響(低濃度)
被検菌として、Klebsiella pneumoniae(ATCC BAA−2146)を用い、メロペネム(MEPM:10μg力価/ディスク)、テビペネム(TBPM:10μg力価/ディスク)、ドリペネム(DRPM:10μg力価/ディスク)、およびパニペネム(PAPM:10μg力価/ディスク)含浸ディスクと60μg/ディスク、30μg/ディスク、10μg/ディスク、および5μg/ディスクのMg−EDTA含浸ディスクの組合せを用いて、その他の条件を[実施例1]と同様に試験を実施した。
【0046】
【表4】

【0047】
表4に示す結果より、β−ラクタム薬含浸ディスクとMg−EDTA含浸ディスクを組み合わせてメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を判別するときに、Mg−EDTAの含浸量が30μg/ディスク以上で、メタロ―β―ラクタマーゼ産生菌の判別が可能であった。
【0048】
[実施例4]β−ラクタム薬含浸ディスクとMg−EDTA含浸ディスクの距離の違いによる試験結果への影響
被検菌として、Escherichia coli(EKN9981)、Klebsiella pneumoniae(ATCC BAA−2146)、Klebsiella pneumoniae(EKN4635)、およびAcinetobacter baumannii(EKN7170)を用い、イミペネム(IPM:10μg力価/ディスク)、メロペネム(MEPM:10μg力価/ディスク)、およびセフタジジム(CAZ:30μg力価/ディスク)含浸ディスクと9mg/ディスクおよび10mg/ディスクのMg−EDTA含浸ディスクの組合せを用いて、ディスクの中心間の距離を2.0cm、1.5cm、および1.0cmとし、加えてディスク同士を接触させた試験を実施した。なお、その他の条件は[実施例1]と同様に試験を実施した。
【0049】
【表5】

【0050】
表5に示す結果より、β−ラクタム薬含浸ディスクとMg−EDTA含浸ディスクを組み合わせてメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を判別するときに、β−ラクタム薬含浸ディスクとMg−EDTA含浸ディスクの中心間の距離を2.0cmとしてもメタロ―β―ラクタマーゼ産生菌の判別が可能であったが、その距離を1.5cm以下にすることによりメタロ―β―ラクタマーゼ産生菌の明瞭な判別が行なえるようになった。
【0051】
[実施例5]種々のβ−ラクタム薬含浸ディスクを用いた検討
被検菌として、Escherichia coli(EKN9981)、Klebsiella pneumoniae(ATCC BAA−2146)、Klebsiella pneumoniae(EKN4635)、Enterobacter cloacae(EKN7173)、およびPseudomonas aeruginosa(EKN7102)を用い、イミペネム(IPM:10μg力価/ディスク)、メロペネム(MEPM:10μg力価/ディスク)、ドリペネム(DRPM:10μg力価/ディスク)、テビペネム(TBPM:10μg力価/ディスク)、ビアペネム(BIPM:10μg力価/ディスク)、パニペネム(PAPM:10μg力価/ディスク)、セフブペラゾン(CBPZ:75μg力価/ディスク)、セフメタゾール(CMZ:30μg力価/ディスク)、セフミノクス(CMNX:30μg力価/ディスク)、セフォキシチン(CFX:30μg力価/ディスク)、セフタジジム(CAZ:30μg力価/ディスク)、セフトリアキソン(CTRX:30μg力価/ディスク)、セフォタキシム(CTX:30μg力価/ディスク)、およびセフェピム(CFPM:30μg力価/ディスク)含浸ディスクと12mg/ディスクのMg−EDTA含浸ディスクの組合せを用いて、その他の条件を[実施例1]と同様に試験を実施した。
【0052】
【表6】

【0053】
表6に示す結果より、多くのβ−ラクタム薬含浸ディスクとMg−EDTA含浸ディスクを組み合わせることにより、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別が可能であった。
【0054】
2.β−ラクタム薬含浸ディスクとβ−ラクタム薬および金属−EDTAキレート錯体含浸ディスクを並べた試験
[実施例6]β−ラクタム薬および金属−EDTAキレート錯体含浸ディスクによるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の確認試験
被検菌を滅菌生理食塩水にMcFarland標準濁度0.5と同じ濁度に調製し、滅菌綿棒を用いてミュラーヒントン寒天培地上に均一に接種した。
【0055】
次に、同一平板培地上に3cm以上離してβ−ラクタム薬含浸ディスクとβ−ラクタム薬および金属−EDTAキレート錯体含浸ディスクを置いた。
【0056】
35℃で16〜18時間培養した後にβ−ラクタム薬含浸ディスクの阻止円の大きさとβ−ラクタム薬および金属−EDTAキレート錯体含浸ディスクの阻止円の大きさの違いを観察した。
【0057】
β−ラクタム薬含浸ディスクとβ−ラクタム薬および金属−EDTAキレート錯体含浸ディスクを比較することにより、図2に示すdの値が5mm以上の拡大が認められたものを+、拡大が認められたものの5mm未満のものを±、および拡大が認められなかったものを−と判定した。なお、β−ラクタム薬含浸ディスクで阻止円が認められなかったものについては、12mm以上の阻止帯を形成したものを+、阻止帯を形成したものの12mm未満のものを±、および阻止帯を形成しなかったものを−と判定した。
【0058】
被検菌として、Escherichia coli(EKN9981)、Klebsiella pneumoniae(ATCC BAA−2146)、Klebsiella pneumoniae(EKN4635)、Pseudomonas aeruginosa(EKN7102)、およびPseudomonas aeruginosa(EKN7116)を用いた。
【0059】
β−ラクタム薬として、イミペネム(IPM:10μg力価/ディスク)、メロペネム(MEPM:10μg力価/ディスク)、ビアペネム(BIPM:10μg力価/ディスク)、ドリペネム(DRPM:10μg力価/ディスク)、テビペネム(TBPM:10μg力価/ディスク)、パニペネム(PAPM:10μg力価/ディスク)、セフタジジム(CAZ:30μg力価/ディスク)、セフトリアキソン(CTRX:30μg力価/ディスク)、セフォタキシム(CTX:30μg力価/ディスク)、セフブペラゾン(CBPZ:75μg力価/ディスク)、セフミノクス(CMNX:30μg力価/ディスク)、セフォキシチン(CFX:30μg力価/ディスク)、セフメタゾール(CMZ:30μg力価/ディスク)、およびセフェピム(CFPM:30μg力価/ディスク)含浸ディスクを用いた。
【0060】
金属−EDTAキレート錯体として、Ca−EDTAおよびMg−EDTAを用い、各々12mg/ディスクとなるようにβ−ラクタム薬含浸ディスクに添加した。
【0061】
【表7】

【0062】
表7に示す結果より、β−ラクタム薬含浸ディスクとβ−ラクタム薬および金属−EDTAキレート錯体含浸ディスクの阻止円の大きさを比較することにより、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別が可能であった。
【0063】
3.β−ラクタム薬含浸ディスクと金属−EDTAキレート錯体および/またはメルカプト酢酸ナトリウム含浸ディスクを並べた試験
[実施例7]金属−EDTAキレート錯体および/またはメルカプト酢酸ナトリウム(SMA)含浸ディスクによるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の確認試験
被検菌を滅菌生理食塩水にMcFarland標準濁度0.5と同じ濁度に調製し、滅菌綿棒を用いてミュラーヒントン寒天培地上に均一に接種した。
【0064】
次に、同一平板培地上に3cm以上離して二枚のβ−ラクタム薬含浸ディスクを置き、その中の一枚のディスクの中心から1.5cm離して金属−EDTAキレート錯体および/またはメルカプト酢酸ナトリウム含浸ディスクを置いた。
【0065】
35℃で16〜18時間培養した後にβ−ラクタム薬含浸ディスクの阻止円の形状およびβ−ラクタム薬含浸ディスクと金属−EDTAキレート錯体および/またはメルカプト酢酸ナトリウム含浸ディスクを並べた場合の阻止円の形状の違いを観察した。
【0066】
具体的には、β−ラクタム薬含浸ディスクの阻止円が、β−ラクタム薬含浸ディスクと金属−EDTAキレート錯体および/またはメルカプト酢酸ナトリウム含浸ディスクを並べることにより、β−ラクタム薬含浸ディスクと金属−EDTAキレート錯体および/またはメルカプト酢酸ナトリウム含浸ディスクの中心を繋いだ軸方向に対して垂直方向に拡大するかを確認した。
【0067】
β−ラクタム薬含浸ディスクと金属−EDTAキレート錯体および/またはメルカプト酢酸ナトリウム含浸ディスクを並べることにより、図1に示すdの値が5mm以上の拡大が認められたものを+、拡大が認められたものの5mm未満のものを±、および拡大が認められなかったものを−と判定した。なお、β−ラクタム薬含浸ディスクで阻止円が認められなかったものについては、12mm以上の阻止帯を形成したものを+、阻止帯を形成したものの12mm未満のものを±、および阻止帯を形成しなかったものを−と判定した。
【0068】
被検菌として、Escherichia coli(EKN9981)、Klebsiella pneumoniae(EKN4635)、Acinetobacter baumannii(EKN7108)、Acinetobacter baumannii(EKN7109)、Acinetobacter baumannii(EKN7170)、Pseudomonas aeruginosa(EKN9156)、およびPseudomonas sp.(EKN9995)を用い、β−ラクタム薬として、イミペネム(IPM:10μg力価/ディスク)およびセフタジジム(CAZ:30μg力価/ディスク)含浸ディスクを用いた。
【0069】
金属−EDTAキレート錯体としてCa−EDTAを用い、ディスクに12mgのCa−EDTAおよび1mgのメルカプト酢酸ナトリウムを含浸させて試験に用いた。なお、各々Ca−EDTAおよびメルカプト酢酸ナトリウムを単独で含浸したディスクも準備し、その他の条件を[実施例1]と同様に試験を実施した。
【0070】
【表8】

【0071】
表8に示す結果より、Ca−EDTA含浸ディスクまたはメルカプト酢酸ナトリウム含浸ディスクを用いてもメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別が可能であったが、両者を混合してディスクに含浸することによりメタロ―β―ラクタマーゼ産生菌の明瞭な判別が行なえるようになった。
【0072】
4.β−ラクタム薬含有平板培地を用いた試験
[実施例8]金属−EDTAキレート錯体含浸ディスクによるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の確認試験
被検菌を滅菌生理食塩水にMcFarland標準濁度0.5と同じ濁度に調製し、滅菌綿棒を用いてミュラーヒントン寒天培地およびイミペネム(IPM:50μg力価/mL)含有ミュラーヒントン寒天培地上に均一に接種した。
次に、各々の平板培地上に金属−EDTAキレート錯体としてMg−EDTA(10μg/ディスク)含浸ディスクを置いた。
【0073】
35℃で16〜18時間培養した後に各々の平板培地に置いたMg−EDTA含浸ディスクの阻止円を計測し、その大きさに変化が認められたものを+、変化が認められなかったものを−と判定した。
【0074】
被検菌として、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌のEscherichia coli(EKN9981)、Klebsiella pneumoniae(ATCC BAA−2146)、およびKlebsiella pneumoniae(EKN4635)並びにメタロ−β−ラクタマーゼ以外のβ−ラクタマーゼ産生菌のKlebsiella pneumoniae(EKN9491)、Escherichia coli(EKN6663)、およびPseudomonas aeruginosa(EKN7149)を用いた。
【0075】
その結果、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌は全て+となり、メタロ−β−ラクタマーゼ以外のβ−ラクタマーゼ産生菌は全て−となった。これらと表1および表2が同じ結果を示していることより、β−ラクタム薬含有平板培地に被検菌を接種し、培地上に金属−EDTAキレート錯体を含浸したディスクを置いて培養後の阻止円の大きさを観察することにより、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別が可能である。
【0076】
5.金属−EDTAキレート錯体含有平板培地を用いた試験
[実施例9]β−ラクタム薬含浸ディスクによるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の確認試験
被検菌を滅菌生理食塩水にMcFarland標準濁度0.5と同じ濁度に調製し、滅菌綿棒を用いてミュラーヒントン寒天培地および金属−EDTAキレート錯体としてMg−EDTA(100μg/mL)含有ミュラーヒントン寒天培地上に均一に接種した。
次に、各々の平板培地上にイミペネム(IPM:10μg力価/ディスク)およびセフタジジム(CAZ:30μg力価/ディスク)含浸ディスクを置いた。
【0077】
35℃で16〜18時間培養した後に各々の平板培地に置いたβ−ラクタム薬含浸ディスクの阻止円を計測し、5mm以上の拡大が認められたものを+、拡大が認められたものの5mm未満のものを±、および拡大が認められなかったものを−と判定した。なお、ミュラーヒントン寒天培地においてβ−ラクタム薬含浸ディスクで阻止円が認められなかったものについては、Mg−EDTA含有ミュラーヒントン寒天培地において12mm以上の阻止帯を形成したものを+、阻止帯を形成したものの12mm未満のものを±、および阻止帯を形成しなかったものを−と判定した。
【0078】
被検菌として、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌のEscherichia coli(EKN9981)、Klebsiella pneumoniae(ATCC BAA−2146)、Klebsiella pneumoniae(EKN4635)、Pseudomonas aeruginosa(EKN7102)、Pseudomonas aeruginosa(EKN7116)、およびAcinetobacter baumannii(EKN7170)並びにメタロ−β−ラクタマーゼ以外のβ−ラクタマーゼ産生菌のKlebsiella pneumoniae(EKN9491)、Escherichia coli(EKN6663)、およびPseudomonas aeruginosa(EKN7149)を用いた。
【0079】
【表9】

【0080】
表9と表1および表2が同等の結果を示していることより、金属−EDTAキレート錯体含有平板培地に被検菌を接種し、培地上にβ−ラクタム薬を含浸したディスクを置いて培養後の阻止円の大きさを観察することにより、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別が可能である。
【0081】
6.微量液体希釈法を用いた試験
[実施例10]金属−EDTAキレート錯体含有液体培地によるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の確認試験
ミュラーヒントンブロス培地並びに金属−EDTAキレート錯体としてMg−EDTA(500μg/mL)およびCa−EDTA(500μg/mL)含有ミュラーヒントンブロス培地を用いてイミペネム(IPM)の希釈系列を作製した。
次に、各々の希釈系列のウェルに最終接種菌液量が約5×10CFU/ウェルとなるように被検菌を接種した。
【0082】
35℃で16〜18時間培養した後に各々の希釈系列での被検菌の増殖よりMIC値を求め、金属−EDTAキレート錯体の有無により3管以上のMIC値の低下が認められたものを+、認められなかったものを−と判定した。
【0083】
被検菌として、Escherichia coli(EKN9981)、Klebsiella pneumoniae(ATCC BAA−2146)、Klebsiella pneumoniae(EKN4635)、Acinetobacter baumannii(EKN7108)、およびAcinetobacter baumannii(EKN7109)を用いた。
【0084】
【表10】

【0085】
表10と表1が同等の結果を示していることより、β−ラクタム薬含有液体培地と金属−EDTAキレート錯体含有液体培地とを組み合わせて被検菌を接種し、培養後の被験菌の増殖の有無を観察することにより、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0086】
従来、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別に、β−ラクタム薬と有機チオール化合物であるメルカプト酢酸ナトリウムを組み合わせて、被検菌の発育抑制効果の変化の有無が用いられてきた。
【0087】
しかしながら、メタロ−β−ラクタマーゼの遺伝子型の中で、メルカプト酢酸ナトリウムを用いてもそのβ−ラクタマーゼ活性が抑制されないNDM−1と呼ばれる遺伝子型のメタロ−β−ラクタマーゼを発現する細菌が検出されるようになった。
【0088】
すなわち、従来の方法ではメタロ−β−ラクタマーゼを産生している菌の全てを検出できないこととなった。その結果、医療行為を行なう上で、治療薬としての抗菌薬の選択に支障を来たす虞が生じている。
【0089】
そこで、本願発明の技術を用いることにより、より広範囲のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌を判別することが出来るようになり、メタロ−β−ラクタマーゼ産生菌による感染症を治療する上で有用な情報を得ることが可能となり、早期に治療薬としての抗菌薬を選択出来、感染症の治癒に寄与する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
β−ラクタム薬と金属−EDTAキレート錯体を用いることによるメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
【請求項2】
平板培地に被検菌を接種し、該培地上にβ−ラクタム薬を含浸したディスクおよび金属−EDTAキレート錯体を含浸したディスクを並べて置き、培養後の阻止円の形状を観察することによる請求項1記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
【請求項3】
平板培地に被検菌を接種し、該培地上にβ−ラクタム薬を含浸したディスク並びにβ−ラクタム薬および金属−EDTAキレート錯体を含浸したディスクを並べて置き、培養後の阻止円の形状を観察することによる請求項1記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
【請求項4】
β−ラクタム薬含有平板培地に被検菌を接種し、該培地上に金属−EDTAキレート錯体を含浸したディスクを置き、培養後の阻止円の大きさを観察することによる請求項1記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
【請求項5】
金属−EDTAキレート錯体含有平板培地に被検菌を接種し、該培地上にβ−ラクタム薬を含浸したディスクを置き、培養後の阻止円の大きさを観察することによる請求項1記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
【請求項6】
β−ラクタム薬含有液体培地と金属−EDTAキレート錯体含有液体培地とを組み合わせて被検菌を接種し、培養後の被験菌の増殖の有無を観察することによる請求項1記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
【請求項7】
前記β−ラクタム薬がカルバペネム系薬剤、セファマイシン系薬剤、およびセファロスポリン系薬剤から選ばれる1以上の薬剤である請求項1〜6記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
【請求項8】
前記カルバペネム系薬剤がイミペネム、パニペネム、メロペネム、ビアペネム、ドリペネム、およびテビペネムから選ばれる少なくとも1以上の薬剤である請求項1〜7記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
【請求項9】
前記セファマイシン系薬剤がセフォキシチン、セフメタゾール、セフブペラゾン、およびセフミノクスから選ばれる少なくとも1以上の薬剤である請求項1〜7記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
【請求項10】
前記セファロスポリン系薬剤がセフタジジム、セフェピム、セフトリアキソン、およびセフォタキシムから選ばれる少なくとも1以上の薬剤である請求項1〜7記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
【請求項11】
前記金属−EDTAキレート錯体がMg−EDTA、Cu−EDTA、Ca−EDTA、Co−EDTA、Mn−EDTA、およびFe−EDTAから選ばれる少なくとも1以上の化合物である請求項1〜10記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
【請求項12】
金属−EDTAキレート錯体にさらに有機チオール化合物を添加する請求項1〜11記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
【請求項13】
前記有機チオール化合物がメルカプト酢酸ナトリウムである請求項1〜12記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法。
【請求項14】
β−ラクタム薬と金属−EDTAキレート錯体を含む、請求項1〜請求項11記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法に用いるキット。
【請求項15】
β−ラクタム薬と金属−EDTAキレート錯体および有機チオール化合物を含む、請求項12〜請求項13記載のメタロ−β−ラクタマーゼ産生菌の判別方法に用いるキット。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−74885(P2013−74885A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−199052(P2012−199052)
【出願日】平成24年9月11日(2012.9.11)
【出願人】(000120456)栄研化学株式会社 (67)
【Fターム(参考)】