説明

メダルゲーム機

【課題】プッシャ台の狙った位置にメダルを載置できるメダルゲーム機を提供する。
【解決手段】ゲーム機1は、メダル放出部54から放出されたメダルMを落下させるゲーム盤5と、ゲーム盤5に設けられ、左右方向Xに回転し、メダル放出部54から放出されたメダルMの落下方向を変える下羽根58と、下羽根58によって落下方向が変換されたメダルMを載置するプッシャ台6と、プレイヤの操作を受け付ける下羽根操作ボタン4Aと、下羽根操作ボタン4Aの操作に応じて、下羽根58を左右方向Xに回転駆動して停止するように制御する下羽根制御部81aとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盤面に落下させたメダルによりプレイするメダルゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム盤にメダルを落下させて、揺動部材の揺動位置に応じて、メダルが落下する方向を変化させるメダルゲーム機があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のメダルゲーム機は、揺動部材の揺動位置に応じてチェッカ等を狙う場合等には、プッシャ台の所望の位置に、メダルを落下させることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−40592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、プッシャ台の狙った位置にメダルを載置できるメダルゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
第1の発明は、表面が手前側を向くように配置され、メダル放出部(54)から放出されたメダル(M)を落下させる盤面(5,205)と、前記盤面に設けられ、左右方向に回転し、前記メダル放出部から放出されたメダルの落下方向を変えるメダル落下方向変換部(58,58L,58R,258,258L,258R)と、前記メダル落下方向変換部によって落下方向が変換されたメダルを載置するプッシャ台(6)と、プレイヤの操作を受け付けるメダル落下方向操作部(4A,4L,4R)と、前記メダル落下方向操作部の操作に応じて、メダル落下方向変換部を左右方向に回転駆動して停止するように制御する制御部(81a)と、を備えるメダルゲーム機である。
第2の発明は、第1の発明のメダルゲーム機において、前記メダル落下方向変換部(58,58L,58R,258,258L,258R)は、複数の回転位置が予め定められており、前記制御部(81a)は、前記メダル落下方向操作部(4A,4L,4R)から操作を受け付ける毎に、前記メダル落下方向変換部を回転駆動して前記回転位置に段階的に配置すること、を特徴とするメダルゲーム機である。
第3の発明は、第1又は第2の発明のメダルゲーム機において、前記メダル落下方向操作部(4A,4L,4R)は、操作ボタンであること、を特徴とするメダルゲーム機である。
第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明のメダルゲーム機において、前記メダル落下方向変換部(58,58L,58R,258,258L,258R)の回転位置の間隔(θL1〜θL6,θR1〜θR6)は、左右方向外側に至る程狭くなること、を特徴とするメダルゲーム機である。
第5の発明は、第1から第4までのいずれかの発明のメダルゲーム機において、プレイヤのメダル投入操作に応じて、前記メダル放出部(54)からメダル(M)を放出する投入操作部(4B)を備え、前記制御部(81a)は、前記投入操作部が一定時間メダル投入操作されない場合に、又は一定の枚数のメダルが投入された場合に、前記メダル落下方向変換部(58,58L,58R,258,258L,258R)を、メダルを下側に導く回転位置である基準位置に配置すること、を特徴とするメダルゲーム機である。
第6の発明は、第1から第5までのいずれかの発明のメダルゲーム機において、前記盤面(5,205)は、落下するメダル(M)を入賞させるメダル入賞部(53)を備え、前記メダル落下方向変換部(58,58L,58R,258,258L,258R)は、前記メダル入賞部よりも鉛直方向下側に配置されていること、を特徴とするメダルゲーム機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
第1の発明は、メダル落下方向操作部の操作に応じてメダル落下方向変換部を左右方向に回転駆動して停止するので、メダルがプッシャ台に載置される範囲をプレイヤが選択できる。これにより、プレイヤは、プッシャ台の狙った位置にメダルを載置できる。
第2の発明は、メダル落下方向操作部から操作を受け付ける毎に、メダル落下方向変換部を回転位置に段階的に配置するので、メダル落下方向変換部を任意の位置に移動する場合に比べると、細かい操作が必要ないため、操作性を向上できる。
第3の発明は、メダル落下方向操作部が操作ボタンであるので、回転するダイヤル、直線的に移動するレバー等に比べると、操作性を向上できる。
第4の発明は、メダル落下方向変換部の回転位置の間隔が、左右方向外側に至る程狭くなるので、左右方向外側であっても、プッシャ台へのメダルの落下範囲を細かく選択できる。
第5の発明は、一定時間メダル投入操作されない場合、又は一定の枚数のメダルが投入された場合、メダル落下方向変換部を基準位置に配置する。これにより、プレイヤがメダル落下方向変換部を操作できることを知らない場合であっても、メダル落下方向変換部が基準位置から回転した状態でプレイしてしまったり、プレイ継続することを抑制できる。
第6の発明は、メダル落下方向変換部がメダル入賞部よりも鉛直方向下側に配置されているので、メダルが盤面の上部を通過する場合には、従来のようなプレイ態様にして、その後メダルがプッシャ台に配置される場合の落下範囲を選択できる形態にできる。これにより、盤面によるプレイ、プッシャ台によるプレイの両方を楽しめるゲーム機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1実施形態のゲーム機1の斜視図である。
【図2】第1実施形態のゲーム盤5及びプッシャ台6の正面図、及び断面図である。
【図3】第1実施形態の下羽根58が回転して配置される位置を説明する正面図である。
【図4】第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
【図5】第2実施形態のゲーム機201のゲーム盤205及びプッシャ台6の正面図、及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のゲーム機1の斜視図である。
図1に示すように、ゲーム機1は、主にゲームセンタ等の店舗等に設置される装置である。ゲーム機1は、プレイ領域Fにプッシャ台6が配置されたメダルプッシャゲームを行う装置である。プレイ領域Fとは、ゲーム盤5、プッシャ台6等の装置が配置され、メダルMを移動させるプレイが実際に行われる領域をいう。
【0010】
ゲーム機1は、ケース2、ウィンドウ3、操作部4、ゲーム盤5(盤面)、プッシャ台6、メダル獲得孔10、メダル払い出し口11を備える。
ケース2は、ゲーム機1の筐体である。
ウィンドウ3は、ゲーム機1内部のプレイ領域Fとゲーム機1の外部とを仕切る部材である。ウィンドウ3は、ゲーム機1の手前側Y1に設けられている。ウィンドウ3は、外部からプレイ領域Fを視認できるように、透明な材料(例えばガラス、アクリル樹脂等)により形成される。
【0011】
操作部4は、ケース2の手前側Y1に設けられた操作パネル2aに配置されている。操作部4は、下羽根操作ボタン4A(メダル落下方向操作部)、メダル投入装置4B(投入操作部)を備える。
下羽根操作ボタン4Aは、下羽根58(後述する)を回転するために、プレイヤの操作を受け付けるボタンである。下羽根操作ボタン4Aは、操作パネル2aの左側X1の範囲に配置されている。下羽根操作ボタン4Aは、左側X1に配置された下羽根左回転ボタン4L、右側X2に配置された下羽根右回転ボタン4Rを備える。下羽根操作ボタン4Aは、プレイヤに操作されると、操作情報を制御部81(図4参照)に出力する。下羽根操作ボタン4Aの操作にともなう動作は、後述する。
【0012】
メダル投入装置4Bは、プレイ領域FにメダルMを投入するために、プレイヤが投入操作をする装置である。
メダル投入装置4Bは、案内溝4aの端部に設けられたメダル投入孔4cに、プレイヤがメダルMを投入するようになっている。メダル投入孔4cには、投入されたメダルMを検出するメダル投入センサ4d(図4参照)が設けられている。メダル投入センサ4dは、例えば光学センサであり、メダルMを検出すると、検出情報を制御部81(図4参照)に出力する。制御部81は、メダル投入センサ4dの出力に応じて、メダル送出部(図示せず)を駆動して、メダル放出部54(後述する)からゲーム盤5にメダルMを放出する。
【0013】
ゲーム盤5は、表面が手前側Y1を向くように配置されている。ゲーム盤5の上部には、メダル放出部54が設けられており、メダル投入装置4BにメダルMが投入されると、制御部81(図4参照)がメダル放出部54からメダルMを放出するようなっている。ゲーム盤5は、このメダル放出部54から放出されたメダルMを落下させる部材である。
【0014】
プッシャ台6は、ゲーム盤5から落下してきて、下羽根58(後述する)によって落下方向が変換されたメダルMを載置する装置である。プッシャ台6は、載置されたメダルMを徐々に手前側Y1に移動させて、メダル獲得孔10に落下させる。
【0015】
プッシャ台6は、固定テーブル62と、固定テーブル62上を奥行方向Yに往復移動する往復テーブル61とを備えている。
往復テーブル61は、ゲーム盤5から落下してきたメダルMを載置し、往復移動によってメダルMをゲーム盤5の下側に当接させて、玉突きのように固定テーブル62に押し出すように構成されている。
固定テーブル62は、往復テーブル61から落下してきたメダルMや、ゲーム盤5から落下してきたメダルMを直接載置する。固定テーブル62は、往復テーブル61の往復移動によって、メダルMを往復テーブル61の手前側Y1の壁61aに当接させて、玉突きのようにメダル獲得孔10に落下させるように構成されている。
【0016】
メダル獲得孔10は、プッシャ台6よりも手前側Y1に設けられた開口孔であり、プッシャ台6に押し出されたメダルMが落下する。メダル獲得孔10に落下したメダルMは、メダル払い出し装置(図示せず)により、メダル払い出し口11に払い出される。
【0017】
ゲーム盤5の構成について説明する。
図2は、第1実施形態のゲーム盤5及びプッシャ台6の正面図、及び断面図である。
図2(a)は、正面図であり、図2(b)は、図2(a)のB−B部矢視断面図である。
図3は、第1実施形態の下羽根58が回転して配置される位置を説明する正面図である。
ゲーム盤5は、上羽根51、ピン52、入賞部53(メダル入賞部)、表示部55、上部カバー部材56、メダルはじき部57、下羽根58(メダル落下方向変換部)、下部カバー材59を備える。
上羽根51は、ゲーム盤5内の上側Z2かつ左右方向Xの中央であり、メダル放出部54(図1参照)の直下に設けられている。つまり、上羽根51は、メダル放出部54及び入賞部53の間に配置されている。上羽根51は、2つの上羽根51L,51Rを備える。
【0018】
2つの上羽根51L,51Rは、それぞれ上端を中心に左右方向Xに往復するように揺動(回転)する。上羽根51L,51Rは、左右方向Xに同期して回転する。上羽根51L,51Rは、DCモータ等(図示せず)によって駆動される。メダル放出部54から放出されたメダルMは、2つの上羽根51L,51Rの間を通って、落下方向が変化する。
ピン52は、ゲーム盤5に複数設けられている。ピン52は、メダルMの落下方向を不規則に変化させたり、連設された部分52a等では、連設された方向にメダルMを導いたりする。
【0019】
入賞部53は、表示部55の上側Z2に、左右方向Xに5つ並べて配置されている。後述するように、プレイヤは、入賞部53に狙いを定めてメダルMを落下させて、入賞させることができる。各入賞部53には、入賞部センサ53bが設けられている。入賞部センサ53bは、入賞したメダルMを検出すると、検出情報を制御部81(図4参照)に出力する。
入賞部センサ53bは、機械的な検出スイッチである。入賞部センサ53bは、ゲーム盤5の表面から突出するように設けられたレバーを有する。メダルMが通過するとレバーが回転して、電気接点(図示せず)をONにする。入賞部センサ53bは、メダルMを検出すると、検出情報を制御部81(図4参照)に出力する。
【0020】
表示部55は、ゲーム盤5の中央に配置された液晶表示装置等のモニタである。表示部55は、プレイヤからよく見えるように、ゲーム盤5のほぼ中央に配置されている。表示部55は、スロットを表示したり、プレイ進行に応じた演出表示をする。
【0021】
上部カバー部材56は、ゲーム盤5内の上側Z2の範囲に設けられた透明な板材である。上部カバー部材56の下側の辺は、表示部55の上側Z2の辺と一致している。
これにより、上部カバー部材56は、表示部55の画像出力範囲を覆うことがないので、上部カバー部材56の裏面側が汚損している場合でも、表示部55の視認性に影響を与えることがない。またゲーム機1は、上部カバー部材56が配置されていない分、表示部55からの光を透過させる部材を少なくできるので、表示部55の視認性を向上できる。さらに、ゲーム機1の管理者は、表示部55の表面を容易に清掃できるため、メンテナンスが容易である。
上部カバー部材56及びゲーム盤5の隙間L1は、メダルMの直径よりも十分に小さく、またメダルMの厚みよりも少し大きい程度である。このため、メダルMは、上部カバー部材56が設けられている範囲を落下する場合には、表面が手前側Y1を向いた状態で落下する。
【0022】
メダルはじき部57は、表示部55の直下に左右方向Xに延在するように設けられている。メダルはじき部57は、ゲーム盤5の表面から突出するように設けられた突起である。表示部55上を落下してきたメダルMは、メダルはじき部57によって、手前側Y1にはじかれて落下する。
【0023】
下羽根58は、メダルはじき部57の下側に設けられた羽根である。つまり、下羽根58は、入賞部53よりも鉛直方向Zの下側Z1に配置されている。
下羽根58は、下羽根58L,58R、下羽根駆動モータ58b、エンコーダ58d(図4参照)を備える。
下羽根58L,58Rは、それぞれ上側Z2の回転軸58aを中心に左右方向Xに往復するように回転する。下羽根58L,58Rは、左右方向Xに同期して回転する。メダルはじき部57によってはじかれて落下してきたメダルMは、2つの下羽根58L,58Rの間を通って、左右方向Xの落下方向が変換(変化)する。下羽根58によって落下方向が変換されたメダルMは、プッシャ台6に載置される。
【0024】
下羽根駆動モータ58bは、下羽根58L,58Rを回転駆動するDCモータである。下羽根駆動モータ58bは、下羽根操作ボタン4Aの操作に応じて、制御部81(図4参照)によって制御される。下羽根駆動モータ58bの回転軸58cは、下羽根58の回転軸58aに接続されている。下羽根駆動モータ58bの回転軸58cの回転位置は、エンコーダ58d(図4参照)によって検出される。
エンコーダ58dは、下羽根駆動モータ58bの回転軸58cの回転角度を検出する検出部である。エンコーダ58dは、検出情報を制御部81(図4参照)に出力する。制御部81は、エンコーダ58dの出力に基づいて、下羽根58の回転位置を判定する。
なお、下羽根58の回転位置の検出は、下羽根58を直接検出する各光学センサを、ゲーム盤5に設けて行ってもよい。この場合でも、制御部81(図4参照)は、各光学センサの出力に応じて、下羽根58の回転位置を判定できる。
【0025】
図3(a)に示すように、矢印A0,AL1〜AL6,AR1〜AR6は、下羽根58が各回転位置に配置された場合の下羽根58L,58R間の中心線の向き、つまりメダルMの落下方向を表している。また、矢印A0,AL1〜AL6,AR1〜AR6とプッシャ台6(往復テーブル61)の表面との交点P0,PL1〜PL6,PR1〜PR6は、メダルMの落下方向が各矢印A0,AL1〜AL6,AR1〜AR6である場合におけるプッシャ台6のメダルMの各落下範囲の中心を表す。
下羽根58は、矢印A0,AL1〜AL6,AR1〜AR6に示すように、13箇所の回転位置が予め定められており、下羽根操作ボタン4Aが操作される毎に、制御部81(図4参照)が下羽根58を左右方向Xに段階的に回転駆動して停止するようになっている。
【0026】
下羽根58の回転位置の間隔、つまり矢印A0,AL1〜AL6,AR1〜AR6の間隔θL1〜θL6,θR1〜θR6は、左右方向Xの外側に至る程狭くなるように設定されている。これにより、ゲーム機1は、プッシャ台6の左右方向Xの外側であっても、メダル落下範囲を細かく選択できる。
これとは反対に、図3(b)に示すように、下羽根58の回転位置の間隔θL11〜θL14,θR11〜θR14が等角度間隔の場合には、プッシャ台6上の左右方向Xの外側に至る程、落下範囲の中心PL11〜PL14,PR11〜PR14の間隔が大きくなり、細かな落下範囲の選択ができなくなってしまう。これに対して、図3(a)に示すように、ゲーム機1は、往復テーブル61上に左右方向Xに渡ってほぼ等間隔に落下範囲を選択できる。
【0027】
図2に示すように、下部カバー材59は、下部カバー材59がはじいたメダルMの手前側Y1への移動範囲を規制する部材である。下部カバー材59は、ゲーム盤5の下部の範囲に設けられた透明な板材である。下部カバー材59は、下羽根58の手前側Y1の範囲をほぼ覆うようになっている。
【0028】
奥行方向Yの位置において、下部カバー材59の裏面の位置は、図2(b)に破線で示すように、往復テーブル61が最も手前側Y1に配置された場合の先端の位置に、ほぼ一致するようになっている。このため、往復テーブル61が手前側Y1に移動した場合には、ほとんどのメダルMは、往復テーブル61上に落下する。一方、往復テーブル61が最も手前側Y1に移動した状態よりも奥側Y2に位置する場合には、一部のメダルMは、往復テーブル61上に載置されることなく、固定テーブル62に落下する。
なお、下部カバー材59の裏面の位置は、上記に限られず、往復テーブル61が最も奥側Y2に配置された場合の先端の位置に、一致するようにしてもよい。この場合には、ほとんどのメダルMを、往復テーブル61上に落下させることができる。
【0029】
図4は、第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
ゲーム機1は、前述したハードウェアの他に、記憶部80、制御部81を備える。
記憶部80は、ゲーム機1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部80は、ゲームプログラム80aを有している。
ゲームプログラム80aは、プッシャゲームを進行するためのプログラムであり、下羽根58を駆動するためのプログラム、表示部55に表示するスロットに関するプログラム等を有している。
【0030】
制御部81は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えばCPU(中央処理装置)等から構成される。制御部81は、記憶部80に記憶されたプログラムに従って動作する。制御部81は、下羽根制御部81a、プレイ進行部81b、必要に応じてこれら各制御部の間で情報を伝達するためのバスを備える。
下羽根制御部81aは、下羽根58の駆動に関する制御を行う制御部である。
プレイ進行部81bは、ゲームの進行を統括的に制御する制御部である。
【0031】
次に、ゲーム機1の動作、処理について説明する。
(プレイ処理)
ゲーム機1が、初期状態である場合に、プレイが開始されプレイが進行する動作を説明する。
なお、初期状態として、下羽根58が基準位置(図3(a)に示すように、落下方向が矢印A0になる位置)、つまりメダルMを鉛直方向の下側Z1に導く回転位置に配置されているとする。
図1に示すように、プレイヤがメダル投入操作をすると、メダル投入センサ4dは、投入されたメダルMを検出して検出情報を制御部81に出力する。
プレイ進行部81bは、メダル投入センサ4dの出力に応じて、メダル送出装置(図示せず)を制御して、メダルMをメダル放出部54からゲーム盤5へと放出する。
プレイヤは、例えば、入賞部53を狙う場合には、上羽根51が入賞部53の方向を向いているときにメダルMが放出されるように、メダルMを投入すればよい。
【0032】
ゲーム盤5に放出したメダルMが入賞部53に入賞すると、入賞部センサ53bが入賞したメダルMを検出して、検出情報を制御部81に出力する。プレイ進行部81bは、入賞部センサ53bの出力に応じて、表示部55のスロットを回転させて、所定の数字が揃うと、メダルMを大量放出したり、ボーナスゲームを開始する。また、ボーナスゲーム中にメダルMが入賞部53に入賞すると、プレイ進行部81bは、メダルMを大量に払い出したりする。
【0033】
入賞部53に入賞したメダルMは、表示部55上を通過し、さらにメダルはじき部57によって手前側Y1にはじかれて落下する。そして、このメダルMは、下羽根58によって方向が変換されて往復テーブル61上に載置されるか、又は固定テーブル62に載置される。
【0034】
一方、下羽根制御部81aは、メダル投入センサ4dの出力に応じて、下羽根操作ボタン4Aの操作情報の受付を開始する。
プレイヤが下羽根操作ボタン4Aを操作すると、下羽根操作ボタン4Aは、操作情報を制御部81に出力する。下羽根制御部81aは、下羽根操作ボタン4Aから操作情報を出力される度に、下羽根駆動モータ58bを駆動して、下羽根58を回転駆動して段階的に下羽根58を回転位置に配置する。
【0035】
例えば、図3(a)に示すように、下羽根58が基準位置(矢印A0)に配置されている場合に、下羽根左回転ボタン4Lが1度操作されると、下羽根制御部81aは、下羽根58を左側X1に角度θL1だけ回転駆動して、落下方向が矢印AL1になる位置に配置し停止する。なお、実施形態において、下羽根58を左側X1に回転するとは、回転軸58aを中心にして、下端が左側X1に移動すること、つまり、下羽根58が回転軸58aを中心に時計回り(右回り)に回転することをいう。一方、下羽根58を右側X2に回転するとは、その反対側への回転をいう。
次に、落下方向が矢印AL1になる位置に配置された状態から、下羽根左回転ボタン4Lが再度操作されると、下羽根制御部81aは、下羽根58を左側X1に角度θL2だけ回転して、落下方向が矢印AL2になる位置に配置する。一方、落下方向が矢印AL1になる位置に配置された状態から、下羽根右回転ボタン4Rが操作されると、下羽根58を右側X2に角度θL1だけ回転して、基準位置に配置する。
【0036】
このように、ゲーム機1は、下羽根操作ボタン4Aの操作毎に下羽根58を段階的に予め定められた回転位置に配置することにより、任意の位置に配置できる場合に比べると、細かい調整等の操作が必要ないので、プレイヤの操作性を向上できる。
また、下羽根58を任意の位置に配置する場合には、下羽根58を鉛直方向Zに平行に配置して、基準位置に配置することが困難である。実施形態では、予め基準位置が定められているので、下羽根操作ボタン4Aの操作によって容易に基準位置に配置できる。
【0037】
さらに、下羽根操作ボタン4Aは、押し下げして操作するボタンであるので、回転するダイヤル、直線的に移動するレバー等に比べると、操作性を向上できる。
例えば、ダイヤル等を利用する場合には、歯車等でダイヤルの回転角度等と、下羽根58の回転角度との比率を変えてしまうと、移動量の感覚が把握できなくなるので、ダイヤル等の回転位置等の感覚を把握しやすくするために、両者の回転角度を一致させる必要がある。しかし、この場合には、大きいダイヤル等を設けない限り、下羽根58の細かい回転位置の操作性を向上できないし、大きいダイヤル等を設けたとしても、メダル投入操作をしながらのダイヤル等の操作は、作業が煩雑になる。これに対して、ゲーム機1は、段階的に下羽根58を回転駆動するので、落下方向を変更するときには、順次ボタン操作すればよいので、操作性がよい。
【0038】
このように、ゲーム機1は、ゲーム盤5の上部の上部カバー部材56が配置されている範囲をメダルMが通過する場合には、従来と同様に、メダルMを入賞させるプレイ態様にできる。そして、ゲーム機1は、メダルMがゲーム盤5の上部を通過した後には、下羽根58によってメダルMがプッシャ台6に配置される場合の落下範囲をも選択できる。
【0039】
一方、従来のゲーム機は、メダル放出部からゲーム盤へと放出されたメダルは、プッシャ台に載置される位置が、上羽根によって定められた方向にほぼ決まってしまっていた。このため、従来のゲーム機は、入賞部への入賞を優先するか、プッシャ台への載置位置を優先するかを、適宜選択しながらプレイしなければならず、両方のプレイを同時に楽しめるものではなかった。
これに対して、実施形態のゲーム機1は、ゲーム盤5の上側Z2で入賞部53を狙っても、下側Z1では、プッシャ台6に載置される位置も選択できるので、ゲーム盤5のプレイと、プッシャゲームのプレイの両方を十分に楽しめる形態にできる。
【0040】
(初期化処理)
下羽根制御部81aは、一定時間(例えば3分間程度)、メダル投入センサ4dの出力がない場合、かつ下羽根58が基準位置に配置されていない場合には、下羽根58を基準位置に戻すように制御する。これは、例えば、プレイヤが下羽根58を操作できることを知らないで、下羽根58が基準位置から回転した状態でプレイを開始してしまうことを抑制するためである。ゲーム機1では、メダルMは、下羽根58が向いている方向に落下するので、プレイヤが下羽根58を操作できることを知らない場合には、プレイヤに不利な状態になってしまう可能性があるため、そのような事態を抑制するためである。
また、下羽根制御部81aは、一定の枚数のメダルMが投入された場合に、下羽根58を基準位置に戻してもよい。これにより、下羽根58が基準位置から回転した状態でプレイを開始してしまった場合であっても、そのままプレイ継続することを抑制できる。
【0041】
以上説明したように、ゲーム機1は、プッシャ台6に落下するメダルMが載置される領域をプレイヤが選択できるので、プレイヤは、プッシャ台6の狙った位置にメダルMを載置できる。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図5は、第2実施形態のゲーム盤205及びプッシャ台6の正面図、及び断面図である。
図5(a)は、正面図であり、図5(b)は、図5(a)のB−B部矢視断面図である。
ゲーム盤205は、従来と同様に、カバー部材256がゲーム盤205のほぼ全面を覆うようになっている。
下羽根258(258L,258R)は、ゲーム盤5の表面及びカバー部材256との隙間に配置されている。つまり、下羽根258は、第1実施形態と比べると、奥行方向Yの厚みが薄い。
【0043】
この場合であっても、本実施形態のゲーム機201は、第1実施形態と同様に、落下するメダルMがプッシャ台6に載置される範囲をプレイヤが選択できるので、プレイヤは、プッシャ台6の狙った位置にメダルMを載置できる。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0045】
(変形形態)
実施形態において、ゲーム機は、プレイヤが下羽根を操作できる例を示したが、これに限定されない。例えば、プレイヤが上羽根を操作できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1,201…ゲーム機 4A…下羽根操作ボタン 4L…下羽根左回転ボタン 4R…下羽根右回転ボタン 5,205…ゲーム盤 6…プッシャ台 53…入賞部 55…表示部 56,256…上部カバー部材 57…メダルはじき部 58,58L,58R,258,258L,258R…下羽根 58b…下羽根駆動モータ58d…エンコーダ 59…下部カバー材 81…制御部 81a…下羽根制御部81b…プレイ進行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が手前側を向くように配置され、メダル放出部から放出されたメダルを落下させる盤面と、
前記盤面に設けられ、左右方向に回転し、前記メダル放出部から放出されたメダルの落下方向を変えるメダル落下方向変換部と、
前記メダル落下方向変換部によって落下方向が変換されたメダルを載置するプッシャ台と、
プレイヤの操作を受け付けるメダル落下方向操作部と、
前記メダル落下方向操作部の操作に応じて、メダル落下方向変換部を左右方向に回転駆動して停止するように制御する制御部と、
を備えるメダルゲーム機。
【請求項2】
請求項1に記載のメダルゲーム機において、
前記メダル落下方向変換部は、複数の回転位置が予め定められており、
前記制御部は、前記メダル落下方向操作部から操作を受け付ける毎に、前記メダル落下方向変換部を回転駆動して前記回転位置に段階的に配置すること、
を特徴とするメダルゲーム機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のメダルゲーム機において、
前記メダル落下方向操作部は、操作ボタンであること、
を特徴とするメダルゲーム機。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のメダルゲーム機において、
前記メダル落下方向変換部の回転位置の間隔は、左右方向外側に至る程狭くなること、
を特徴とするメダルゲーム機。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のメダルゲーム機において、
プレイヤのメダル投入操作に応じて、前記メダル放出部からメダルを放出する投入操作部を備え、
前記制御部は、前記投入操作部が一定時間メダル投入操作されない場合に、又は一定の枚数のメダルが投入された場合に、前記メダル落下方向変換部を、メダルを下側に導く回転位置である基準位置に配置すること、
を特徴とするメダルゲーム機。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のメダルゲーム機において、
前記盤面は、落下するメダルを入賞させるメダル入賞部を備え、
前記メダル落下方向変換部は、前記メダル入賞部よりも鉛直方向下側に配置されていること、
を特徴とするメダルゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−95860(P2012−95860A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−246714(P2010−246714)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)