説明

メダルセレクタ、およびメダルセレクタを備えるスロットマシン

【課題】ゴミの影響を受けることなく動作が安定し、メンテナンス作業が容易なメダルセレクタ、およびこのメダルセレクタを備えるスロットマシンを提供する。
【解決手段】メダルセレクタにおいて、セレクタ本体ユニット720に、メダルが転動しながら通過する転動通路830を設け、このメダル転動通路830の底面830bを所定の溝となるようにV字状に形成し、底面830bとメダルMとをメダルMの角部で接触させ、V字状の溝の頂点部分にゴミを収容可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば遊技媒体として使用するメダルを選別するメダルセレクタ、及びこのメダルセレクタを備えるスロットマシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットマシンは、メダルを投入する投入口が設けられており、この投入口に投下されたメダルは、遊技台内部の通路を通過し、この通路に設けたセンサによって投入されたメダルを検知するようになっている。
【0003】
例えば、図36に示す従来のメダルセレクタ6は、メダル通路を形成するセレクタ本体ユニット61と、このセレクタ本体ユニット61に着脱自在に設けられる側面ガイドユニット62と、投入されたメダルをメダル受皿に案内する開閉可能なガイドカバー63と、から構成され、取付基板64を介してスロットマシンの前面扉の裏面側に、着脱可能に取り付られている。
【0004】
ところで、従来のメダルセレクタ6においては、側面ガイドユニット62の取付・取外作業が煩雑であった。これは、側面ガイドユニット62の着脱機構が複雑であることに起因する。
【0005】
例えば、図36において、側面ガイドユニット62は、ベース基板612に対して回動自在且つ着脱自在に設けられている。即ち、メダル返却装置67の軸673を、この側面ガイドユニット62も支軸621として共有し、当該軸621に嵌装した装着スプリング622により、側面ガイドユニット62がセレクタ本体ユニット61のベース基板612に対して着脱自在且つ回動自在に装着してある。
【0006】
このため、側面ガイドユニット62は、装着時に、ベース基板612に対峙するガイド基板623を有し、このガイド基板623に軸受部624と、押圧片625とが装着してある。軸受部624は、ガイド基板623の一部をほゞコ字状に屈曲成型し、屈曲先端部に軸受溝624aを形成したものである。
【0007】
また、前記装着スプリング622は、中央部分に係止端部622aが形成してあり、前記軸受溝624aに前記軸673を嵌着したときに、この係止端部622aが前記ガイド基板623に開設した係止口626に係止することにより、側面ガイドユニット62がセレクタ本体ユニット61に装着される。
【0008】
側面ガイドユニット62は、可動型押出しガイド627を備える。この可動型押出しガイド627は、前記ガイド基板623に軸628により回動自在に設けられると共に、この軸628に巻装したトーションスプリング629によりメダルを押圧する方向に緩く付勢され、当該可動型押出しガイド627の押圧片625の先端が、前記メダル選別口611に臨んでいる。
【0009】
前記メダル選別口611の下縁付近には、投入されたメダルが転動するメダル転動面を有する移送ガイド65が、メダルの下部一側をガイドするベース基板612に対して止着されている。
【0010】
この移送ガイド65は、メダルが転動して流下するように下り傾斜が設けてある。そして、メダルセレクタ6は、取付基板64に装着した場合に、移送ガイド65の流下端が、取付基板64の搬送樋641の入口に連絡し、投入されたメダルをホッパーのメダルタンクへ移送するメダルの通路が連通するようになっている。上記のようなメダルセレクタとして、例えば特許文献1がある。
【0011】
【特許文献1】特開2005−52397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来のメダルセレクタにおいては、蓄積したゴミの影響によって安定した動作が得られないのが現状であった。例えば、蓄積したゴミに乗り上げたメダルが傾動して、正規のメダルでありながら、排出されてしまうことがあった。このような現象が起こると、遊技者は、改めてメダルを投入しなければならないので、面倒であるとともに、遊技のリズムが崩れ、遊技意欲の減少に繋がることもあった。また、従来のメダルセレクタでは、ゴミを収容する容量が少なかったので、頻繁に清掃をしなければならず、遊技店にとっても、大きな負担となっていた。
【0013】
本発明は、上記問題に基づいてなされたものであり、ゴミの影響を受けることなく動作が安定し、メンテナンス作業が容易なメダルセレクタ、およびこのメダルセレクタを備えるスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、メダルが転動しながら通過する転動通路を備え、この転動通路を通過するメダルを選別するメダルセレクタであって、前記転動通路は、底部として、転動するメダルの周縁が接するメダル通過面を有し、前記メダル通過面には、所定の溝を形成したことを特徴とする。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のメダルセレクタであって、前記メダル通過面に形成した所定の溝は、メダルの通過方向に沿って形成してあることを特徴とする。
【0016】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のメダルセレクタであって、前記メダル通過面は、複数の転動通路面を所定の配置として、前記所定の溝が形成してあることを特徴とする。
【0017】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のメダルセレクタであって、前記複数の転動通路面は、メダルの通過方向に沿う垂直面に対して傾斜させた第1傾斜面と、該第1傾斜面と同角度で傾斜させた第2傾斜面と、で構成され、前記所定の配置は、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とを互いに向き合わせて略V形とした配置であることを特徴とする。
【0018】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のメダルセレクタであって、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とは、前記第1傾斜面の上縁と、前記第2傾斜面の上縁とが、メダルの厚幅長に比して大きな長さで離隔するように設けられていることを特徴とする。
【0019】
請求項6に係る発明は、請求項4または5に記載のメダルセレクタであって、前記第1傾斜面には、通過するメダルに接する第1位置と、通過するメダルに接することのない第2位置とを、移動可能に構成した移動傾斜面が形成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載のメダルセレクタであって、前記移動傾斜面を、前記第1位置と第2位置との間を移動させるように、電気供給を受けて動作する駆動部を設けたことを特徴とする。
【0021】
請求項8に係る発明は、請求項6または7に記載のメダルセレクタであって、前記メダルの転動通路には、メダルの通過方向に沿って下り傾斜させた第1傾斜通路と、前記第1傾斜通路の下流側に位置し、前記第1傾斜通路より緩斜面または略水平面とした第2傾斜通路と、を形成し、前記第1傾斜通路から第2傾斜通路となる通路付近に、前記移動傾斜面を形成したことを特徴とする。
【0022】
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載したメダルセレクタを備えることを特徴とするスロットマシンである。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に係る発明によれば、メダルの転動によって、溝の内部にゴミを排除することができ、メダルの転動時にゴミの影響を受けず、動作が安定する。また、ゴミを溝内に収容しておくことができるので、清掃作業を行う頻度を低減し、遊技店のメンテナンスの負担を低減することができる。
【0024】
請求項2に係る発明によれば、メダルの通過面にゴミを均一に分散させることができる。このため、通過面全体に渡ってゴミを収容することが可能になって、ゴミの収容能力が増大するので、清掃回数を更に減らすことができる。
【0025】
請求項3に係る発明によれば、メダルの通過面に対して、幅の狭い溝を形成することは微細な作業を要求されて困難であるが、部材の配置作業は容易に行なうことができる。このため、メダルセレクタの製造組立時の作業性が向上する。
【0026】
請求項4に係る発明によれば、メダル通過面のほゞ全体を、ゴミの収容空間とすることができるので、ゴミの収容能力を大幅に向上させることができ、清掃回数を大幅に減らすことができる。
【0027】
請求項5に係る発明によれば、メダルと通過面との接触面積が少なく、転動するメダルによって、ゴミを接触点以外の部位に移動させることができる。従って、メダルの転動が安定するとともに、ゴミの排除が可能である。
【0028】
請求項6に係る発明によれば、粘性の少ないゴミを自然落下させることができ、ゴミを言わば半自動的に排除することができる。
【0029】
請求項7に係る発明によれば、電気的に制御することができ、ゴミを自動的、或いは定期的に排除することができる。
【0030】
請求項8に係る発明によれば、メダル通過面の傾斜が変わる部分で、ゴミを排除可能であり、ゴミが溜まり易い部分においてゴミを効果的に排除することができる。
【0031】
請求項9に係る発明によれば、メダルセレクタの動作が安定するので、スロットマシンにおける円滑な遊技が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例に係るスロットマシン100の斜視図である。
【0033】
<全体構成>
まず、図1を用いて、本実施例に係るスロットマシン100の全体構成について説明する。なお、同図はスロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
【0034】
スロットマシン100は、略箱状の本体101と、この本体101の前面開口部に取り付けられた前面扉102とを有して構成されている。スロットマシン100の本体101の中央内部には、外周面に複数種類の図柄が所定コマ数だけ配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。なお、本実施例では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0035】
また、図柄表示窓113の外枠には、点滅や点灯などの点灯制御によって、後述する有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED(図示省略)が配置されている。
【0036】
さらに、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部からなる光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間を、リールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン114上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
【0037】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。有効となる入賞ラインは、スロットマシン100に投入されたメダルの数によって予め定まっている。5本の入賞ライン114のうち、例えば、メダルが1枚投入された場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚投入された場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚投入された場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5本が入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5本に限定されるものではない。
【0038】
スタートランプ121は、リール110乃至112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。告知ランプ123は、内部抽選において、特定の入賞役(例えば、BB(ビッグボーナス)やRB(レギュラーボーナス)等のボーナス)に内部当選していることを遊技者に知らせるランプである。メダル投入ランプ124は、メダルの投入が可能であることを知らせるランプである。払出枚数表示器125は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技回数表示器126は、メダル投入時のエラー表示や、ビッグボーナスゲーム中(BBゲーム中)の遊技回数、所定の入賞役の入賞回数等を表示するための表示器である。貯留枚数表示器127は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。リールパネルランプ128は、演出用のランプである。
【0039】
メダル投入ボタン130、131は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルを所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施例においては、メダル投入ボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、メダル投入ボタン131が押下されると3枚投入されるようになっている。メダル投入口134は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、メダル投入ボタン130又は131により電子的に投入することもできるし、メダル投入口134から実際のメダルを投入することもできる。なお、メダル投入口134は、投入されるメダルの径によりメダルを選別可能に構成されている。具体的には、スロットマシン100が25パイメダルを使用して遊技する仕様の場合、25パイメダルは通過可能であって、30パイメダルが通過することがないような投入口形状とする。精算ボタン132は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル及びベットされたメダルを精算し、メダル払出口155よりメダル受皿156に排出するためのボタンである。メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。
【0040】
スタートレバー135は、遊技の開始操作を行うためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口134に所望する枚数のメダルを投入して、スタートレバー135を操作すると、これを契機としてリール110乃至112が回転し、遊技が開始される。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112に対する停止操作を行うためのボタンであり、各リール110乃至112に対応して設けられている。そして、いずれかのストップボタン137乃至139を操作すると対応するいずれかのリール110乃至112が停止することになる。
【0041】
ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口155は、メダルを払出すための払出口である。メダル受皿156は、メダル払出口155から払出されたメダルを溜めるための器である。なお、メダル受皿156は、本実施例では発光可能な受皿を採用している。
【0042】
上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。演出装置190は、例えば開閉自在な扉(シャッター)163が前面に取り付けられた液晶表示装置157を含み、この演出装置190には、例えば小役告知等の各種の情報が表示される。音孔160は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。タイトルパネル162には、スロットマシン100を装飾するための図柄が描かれる。
【0043】
<制御部>
次に、図2および図3を用いて、このスロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。
【0044】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300より送信されたコマンドに応じて各種機器を制御する副制御部400と、によって構成されている。
【0045】
<主制御部>
まず、図2を用いて、スロットマシン100の主制御部300について説明する。なお、同図は主制御部300の回路ブロック図を示したものである。
【0046】
主制御部300は、主制御部300の全体を制御するための演算処理装置であるCPU310や、CPU310が各ICや各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、その他、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路314は、水晶発振器311から発振されたクロックを分周してCPU310に供給する回路である。例えば、水晶発振器311の周波数が12MHzの場合に、分周後のクロックは6MHzとなる。CPU310は、クロック補正回路314により分周されたクロックをシステムクロックとして受け入れて動作する。
【0047】
また、CPU310には、センサやスイッチの状態を常時監視するためのタイマ割り込み処理の周期やモータの駆動パルスの送信周期を設定するためのタイマ回路315がバスを介して接続されている。CPU310は、電源が投入されると、データバスを介してROM312の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路315に送信する。タイマ回路315は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU310に送信する。CPU310は、この割込み要求を契機に、各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、CPU310のシステムクロックを6MHz、タイマ回路315の分周値を1/256、ROM312の分周用のデータを44に設定した場合、この割り込みの基準時間は、256×44÷6MHz=1.877msとなる。
【0048】
さらに、CPU310には、各ICを制御するためのプログラム、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等の各種データを記憶しているROM312や、一時的なデータを保存するためのRAM313が接続されている。これらのROM312やRAM313については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400においても同様である。また、CPU310には、外部の信号を受信するための入力インタフェース360が接続され、割込み時間ごとに入力インタフェース360を介して、スタートレバーセンサ321、ストップボタンセンサ322、メダル投入ボタンセンサ323、精算スイッチセンサ324、メダル払い出しセンサ326、電源判定回路327の状態を検出し、各センサを監視している。
【0049】
メダル投入センサ320は、メダル投入口134に投入されたメダルを検出するためのセンサである。スタートレバーセンサ321はスタートレバー135の操作を検出するためのセンサである。ストップボタンセンサ322はストップボタン137乃至139のいずれかが押された場合、どのストップボタンが押されたかを検出するためのセンサである。メダル投入ボタンセンサ323はメダル投入ボタン130、131のいずれかが押下された場合、どのメダル投入ボタンが押されたかを検出するためのセンサである。精算スイッチセンサ324は、精算ボタン132に設けられており、精算ボタン132が一回押されると、貯留されているメダル及びベットされているメダルが精算されて払い出されることになる。メダル払い出しセンサ326は、払い出されるメダルを検出するためのセンサである。電源判定回路327は、スロットマシン100に供給される電源の遮断を検出するための回路である。
【0050】
CPU310には、更に、入力インタフェース361、出力インタフェース370、371がアドレスデコード回路350を介してアドレスバスに接続されている。CPU310は、これらのインタフェースを介して外部のデバイスと信号の送受信を行っている。入力インタフェース361には、インデックスセンサ325が接続されている。インデックスセンサ325は、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リール110乃至112に設けた遮光片がこのインデックスセンサ325を通過するたびにハイレベルになる。CPU310は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。出力インタフェース370には、リールを駆動させるためのモータを制御するリールモータ駆動部330と、ホッパー(バケットにたまっているメダルをメダル払出口155から払出すための装置。)のモータを駆動するためのホッパーモータ駆動部331と、遊技ランプ340(具体的には、入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122、告知ランプ123、メダル投入ランプ124等)と、7セグメント(SEG)表示器341(払出枚数表示器125、遊技情報表示器126、貯留枚数表示器127等)が接続されている。
【0051】
また、CPU310には、乱数発生回路317がデータバスを介して接続されている。乱数発生回路317は、水晶発振器311及び水晶発振器316から発振されるクロックに基づいて、一定の範囲内で値をインクリメントし、そのカウント値をCPU310に出力することのできるインクリメントカウンタであり、後述する入賞役の内部抽選をはじめ各種抽選処理に使用される。CPU310のデータバスには、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェース371が接続されている。主制御部300と副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400へコマンドを送信するが、副制御部400から主制御部300へ何らかのコマンド等を送信することはできない。
【0052】
<副制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の副制御部400について説明する。なお、同図は副制御部400の回路ブロック図を示したものである。
【0053】
副制御部400は、主制御部300より送信された主制御コマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する演算処理装置であるCPU410や、CPU410が各IC、各回路と信号の送受信を行うためのデータバス及びアドレスバスを備え、以下に述べる構成を有する。クロック補正回路414は、水晶発振器411から発振されたクロックを補正し、補正後のクロックをシステムクロックとしてCPU410に供給する回路である。
【0054】
また、CPU410にはタイマ回路415がバスを介して接続されている。CPU410は、所定のタイミングでデータバスを介してROM412の所定エリアに格納された分周用のデータをタイマ回路415に送信する。タイマ回路415は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに、割り込み要求をCPU410に送信する。CPU410は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0055】
また、CPU410には、副制御部400の全体を制御するための命令及びデータ、ライン表示LEDの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータが記憶されたROM412や、データ等を一時的に保存するためのRAM413が各バスを介して接続されている。
【0056】
さらに、CPU410には、外部の信号を送受信するための入出力インタフェース460が接続されており、入出力インタフェース460には、図柄表示窓113の外枠に配設され、点滅や点灯などの点灯制御によって有効ラインや入賞ラインを報知するためのライン表示LED420、前面扉102の開閉を検出するための扉センサ421、RAM413のデータをクリアにするためのリセットスイッチ422が接続されている。
【0057】
CPU410には、データバスを介して主制御部300から主制御コマンドを受信するための入力インタフェース461が接続されており、入力インタフェース461を介して受信したコマンドに基づいて、遊技全体を盛り上げる演出処理等が実行される。また、CPU410のデータバスとアドレスバスには、音源IC480が接続されている。音源IC480は、CPU410からの命令に応じて音声の制御を行う。また、音源IC480には、音声データが記憶されたROM481が接続されており、音源IC480は、ROM481から取得した音声データをアンプ482で増幅させてスピーカ483から出力する。CPU410には、主制御部300と同様に、外部ICを選択するためのアドレスデコード回路450が接続されており、アドレスデコード回路450には、主制御部300からのコマンドを受信するための入力インタフェース461、時計IC423、7セグメント表示器440への信号を出力するための出力インタフェース472等が接続されている。
【0058】
時計IC423が接続されていることで、CPU410は、現在時刻を取得することが可能である。7セグメント表示器440は、スロットマシン100の内部に設けられており、たとえば副制御部400に設定された所定の情報を遊技店の係員等が確認できるようになっている。更に、出力インタフェース470には、デマルチプレクサ419が接続されている。デマルチプレクサ419は、出力インタフェース470から送信された信号を各表示部等に分配する。即ち、デマルチプレクサ419は、CPU410から受信されたデータに応じて上部ランプ150、サイドランプ151、中央ランプ152、腰部ランプ153、下部ランプ154、リールパネルランプ128、タイトルパネルランプ170、払出口ストロボ171を制御する。タイトルパネルランプ170は、タイトルパネル162を照明するランプであり、払出口ストロボ171は、メダル払い出し口155の内側に設置されたストロボタイプのランプである。なお、CPU410は、扉・液晶画面制御部490への信号送信は、デマルチプレクサ419を介して実施する。扉・液晶画面制御部490は、液晶表示装置157及び扉163を制御する制御部である。
【0059】
<遊技の基本的制御>
図4は、本実施例のスロットマシン100における遊技の基本的制御を示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、MainCPU310が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、同図の処理を繰り返し実行する。
【0060】
先ず、S101では、メダル投入処理として、メダルの投入数に応じた入賞ライン表示ランプ120の点灯等を行う。なお、メダル投入ボタン130,131によるクレジットによる投入も、メダル投入口ブロックのメダル投入口134から、実際のメダルを投入する場合も同等に処理する。
【0061】
S102では、遊技のスタート操作に関する処理を行う。スタートレバー135が操作された場合、投入されたメダル枚数を確定する。次いで、S103では、確定されたメダル枚数に基づいて、有効な入賞ライン114を確定する。
【0062】
S104では、乱数発生器311で発生させた乱数値を取得する。
S105では、ROM312に格納されている抽選データテーブルと、S104で取得した乱数値を用いて、入賞役の内部当選の当否を定める内部抽選を行う。なお、抽選データテーブルには、あらかじめ、BB、RB、小役等の抽選確率に応じたデータが格納されている。
【0063】
S106では、例えば、演出装置190においてどのような演出を行うか決めたり、ゲームを盛り上げるためキャラクター等を登場させる、演出抽選処理を行う。
【0064】
S107では、S104で取得した乱数値を用いて、リール停止制御テーブルを選択し、各リール110〜112の回転を開始させる。
【0065】
S108では、ストップボタン137〜139の受付が可能になり、いずれかのストップボタンが押されると、押されたストップボタンに対応するリールを、S105で選択したリール停止制御テーブルに基づいて停止させる。
【0066】
S109では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、入賞役に対応する絵柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に、例えば「ベル−ベル−ベル」が揃っていたならば、ベル入賞と判定する。また、例えば「青7−青7−青7」が揃っていたならば、BB入賞と判定する。
【0067】
S110では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
【0068】
S111では、遊技状態を制御する。例えば、BB入賞時には、次の遊技からBBゲームが開始されるように準備をし、BB終了時には、次の遊技から通常の遊技が開始されるように準備させる。
【0069】
<本体内部構造>
次に、本実施例のスロットマシン100の内部構成について簡単に説明する。図5は、スロットマシン100の内部構成の概略を示す前面扉102を開いた斜視図である。本体部としてのキャビネット101の内部には、主基板収納ケース210、副制御基板収納ケース220及びリールユニット185や、図示を省略した電源ボックス、メダル払出装置180、メダル補助収納部240、中央スピーカユニット、外部中継端子板等の諸装置が配設されている。
【0070】
リールユニット185は、樹脂製のケース221内にステッピングモータで駆動されるリール110乃至112を個別に着脱可能に取り付けて構成している。そして、このリールユニット185は、ケース221により3本のリールをユニット化し、キャビネット101に設けたリールユニット載置台278に対する着脱を容易に行えるように構成している。また、リールユニット載置台278の下部には、音通路277が取り付けられ、前面扉102がキャビネット101に閉じられた状態で前面扉102に取付られた音通路268と組み合わさるように構成している。中央スピーカユニットから出力された音は、この音通路277および音通路268を通過して外部に出力される。
【0071】
キャビネット101の内部には、透明な樹脂ケースからなる基板収納ケースが、キャビネット101を構成している後板の上部に取り付けられている。この主基板収納ケース210の内部空間には、スロットマシン100の全体的な制御を行う主制御部300を構成する電気部品を実装した主制御基板が収納されている。
【0072】
また、図示を省略した電源ボックスは、キャビネット101の後板の壁面に装着され、金属製ケースの内部に、スロットマシン100の諸装置へ必要な電力を供給するための電源基板が収納されている。
【0073】
さらに、キャビネット101の内部には、メダルを払い出すためのメダル払出装置180(以下、ホッパー180ということがある)が配設してある。メダル払出装置180は、DCモーターで駆動されメダルを1枚ずつ払い出すと共に、メダルを払い出す毎に検出信号を出力する払出装置本体182と、払出装置本体182にメダルを供給するとともにメダルを蓄積するメダルタンク181とで構成されている。そして、メダル払出装置180の横には、メダル補助収納部240が置かれており、前記メダル払出装置180がメダルでいっぱいになると、余分なメダルは流れ落ち、このメダル補助収納部240内に蓄積される。
【0074】
そして、前記主制御基板及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側板には、副制御基板を収納した副基板収納ケース220が配設してある。
【0075】
一方、キャビネット101の側板にヒンジ装置276を介して蝶着された前面扉102には、演出装置290、この演出装置を制御する演出制御基板を収納した演出制御基板収納ケース274、上部スピーカ272、図柄表示窓113を有するリールパネル270、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿156に落下させる際にメダルが通過する通路266等が設けてある。メダルセレクタ170は、さらに、投入されたメダルをメダルタンク181に案内する通路641を備えている。
<メダルセレクタ>
【0076】
次に、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170について説明する。図6は、メダルセレクタ170を構成している取付基板710、及びセレクタ本体ユニット720の斜視図である。また、図7(a)はメダルセレクタ170の正面図、図7(b)はメダルセレクタ170の背面側を示す斜視図である。更に、図8(a)はメダルセレクタ170の平面図、図8(b)はメダルセレクタ170の底面図である。
【0077】
メダルセレクタ170は、メダル投入口ブロックのメダル投入口134に投入されたメダルを選別するものであって、サイズの小さい不正なメダルを選別してメダル受皿156に排出すると共に、正規のメダルを取り込んでホッパー180のメダルタンク181に送り出すユニット化された装置である。そこで、メダルセレクタ170は、内部にメダルが通過するメダル通路800が形成されている。なお、このメダル通路800は、投入されたメダルが、ほゞ鉛直方向に落下するように形成した部分(上方通路)と、メダルの通過方向を横向きに変換するように曲線状に形成した部分(曲線通路)と、メダルが転動する傾斜状に形成した部分(側方通路)と、を備えている。そして、前記した鉛直方向に形成した部分をメダル導入路810或いは導入路810と、曲線状に形成した部分をメダル曲線通路820或いは曲線通路820と、傾斜状に形成した部分をメダル転動通路830或いは転動通路830と、それぞれ呼ぶことがある。
【0078】
メダルセレクタ170は、例えば、図9に示すように、セレクタ本体ユニット720と、このセレクタ本体ユニット720に着脱可能かつ回動可能に設けられる側面ガイドユニット730とから構成されている。そして、この実施例によるメダルセレクタ170は、従来のメダルセレクタと同様に、取付基板710を介してスロットマシン100の前面扉102の裏面側所定位置に、着脱可能に取り付けられる。
【0079】
セレクタ本体ユニット720は、ほゞコ字形状に屈曲されたベース基板を中心に構成してある。このベース基板は、基板部721の左右側縁からそれぞれ起立する左右の側板部722を備える断面図形状がほゞコ字状の部材である。このベース基板における基板部721の上部ほゞ中央には、側面ガイドユニット730を着脱可能に装着するための装着部723が形成してある。
【0080】
この装着部723と、一方の側板部722、即ち図面では左側の側板部722であり、メダルの流れから見ると上流側に位置する第1側板部7221との間には、メダル投入口134に投入されたメダルを、導入するためのメダル導入路810およびメダルの通過方向を変更するためのメダル曲線通路820を形成する固定案内壁724が設けてある。なお、メダル導入路810およびメダル曲線通路820は、メダル通路800の一部であり、導入路810ではメダルがほゞ鉛直方向に通過し、曲線通路820ではメダルが横方向に通過する(図7(a)参照)。
【0081】
また、この装着部723と他方の側板部722である右側の第2側板部7222との間には、通過するメダルを検出するメダル投入センサ320が設けてある。そして、この下流側の第2側板部7222には、メダルをホッパー180のメダルタンク181に送り出すメダル出口725が開設してある(図9参照)。
【0082】
次に、図9(a)は、後述する押圧部材760をセレクタ本体ユニット720に対して着脱する状態を示す斜視図、図9(b)は、側面ガイドユニット730を押圧部材760を介してセレクタ本体ユニット720に対して着脱する状態を示す斜視図である。また、図10(a)は、側面ガイドユニット730を外した状態のメダルセレクタ170、即ちセレクタ本体ユニット720の斜視図であり、図10(b)は、同上の正面図である。さらに、図11は、同じく側面ガイドユニット730を外した状態のメダルセレクタ170の底面図である。一方、図12(a)は、メダルをガイドするために設けた後述する起立部850および案内板853の配置を説明するように適宜な面で欠截したメダルセレクタ170の要部を示す側面図、図12(b)は、図12(a)におけるA部の拡大図である。そして、以下に、これらの図面を適宜参照しながら、この実施例によるメダルセレクタ170を説明する。
【0083】
装着部723よりも上流側に位置してメダル導入路810および曲線通路820を形成している固定案内壁724の壁面には、メダルとの接触抵抗を低減するための突条726が設けてある。この突条726は、例えば、図10に示すように、入口部分、即ち導入路810において直線的にメダルを案内する部分では本数を多く、メダルを曲線的に案内する部分、即ち曲線通路820では本数を少なくしている。即ち、図10に示す実施例では、メダル導入路810の壁面には、4本の突条726を設け、メダルが方向を変えて転動し始める曲線通路820の壁面には、2本の突条726を設けている。しかし、この突条726の本数は、これに限るものではなく、メダルとの接触面積を減少させてメダルの転動を妨げることがないようにすればよい。また、導入路810の突条726と曲線通路820の突条726とを、一連に設けるようにしてもよく、この場合には導入路810および曲線通路820が同数の突条726を備えることになる。
【0084】
一方、このセレクタ本体ユニット720の壁面に対向して、メダル導入路810を形成する後述する側面ガイドユニット730の壁面にも、前記壁面と同様に複数の突条736が設けてある。なお、この側面ガイドユニット730側の突条736も、メダルがスムーズかつスピーディに通過可能なように適宜設ければよい。
【0085】
セレクタ本体ユニット720を構成するベース基板(基板部721)の背面側には、図7(b)に示すように、メダル返却装置741や、メダルブロッカ751を駆動するブロッカソレノイド752や、前記したメダル投入センサ320が配置してある。なお、このメダル投入センサ320の検出信号は、センサハーネス759を介して制御装置である主制御部300へ送られる。
【0086】
メダル返却装置741は、遊技者がメダル返却ボタン133を操作したときに、返却プレート7411が回動して、メダル詰まりを解消する。また、メダルブロッカ751は、適宜タイミングで作動することにより、メダルの投入を中止させたり、余分に投入されたメダルをメダル受皿156に返却したり、不正なメダルを排出する機能を有している。
【0087】
セレクタ本体ユニット720には、メダル通路800の一部となるメダルの転動通路830が、前記した曲線通路820の下流側に連なって形成してある。即ち、ベース基板の基板部721のほゞ中段部分に、下流へ向って下り傾斜する傾斜状の底部を有する転動通路830を形成するのである。そして、この転動通路830の底部は、メダルの周縁が接するメダル通過面を有している。
【0088】
ところで、メダル通路800を通過するメダル、即ちスロットマシン100で使用されているメダルMは、角部が摩耗するため、例えば図23(a)に示すように、角が取れて円弧状になっているものが多い。
【0089】
一方、従来のメダルセレクタにおけるメダル通路800の底部であるメダル通過面T1は、平坦に形成されているもの多かった。そこで、メダルMに付着した手垢等が剥がれ落ちたり、埃等が水分や油脂分と共に固まりゴミGとして通過面T1に堆積している。このため、図23(b)に示すように、摩耗して角部が丸くなったメダルMの転動によって、ゴミGが左右(図において)に押しやられるが、一側に形成された壁部T2のために、ゴミGの逃げ場がなくなっている。このため、このゴミGに乗り上げた不安定なメダルMが、このメダル通路800から落下してしまう事故が多発しているのが現状である。
【0090】
そこで、この実施例では、メダル通過面Tに、所定の溝を形成している。即ち、図23(c)に示すように、メダル通過面TがV字状の溝840となるように形成し、この溝840内でメダルMが転動するように構成している。このように、V字形をしている溝840の内側をメダルMが転動するときは、メダルMの角部(周縁)M1と通過面T1が接触するので、接触面積が小さくなる。また、ゴミGが、図23(c)に示す矢印方向に移動するため、メダルMがゴミGに直接乗り上げて不安定になることがない。更に、V字状の溝840を形成する2つの底面841、841で、言い換えると、メダル通過面T1、T1で、転動するメダルMを支えるので、このメダルMを垂直方向に保持可能になる。
【0091】
この溝840は、図24に示すように、他の形状とすることもできる。例えば、メダルMが入り込まないような、小さなV形溝8401とすることができ、この溝8401は複数あってもよい。具体的には、図24(a)に示すように、メダル通過面Tにより形成するV形溝8401の幅は、メダルMの幅よりも狭くし、V形溝8401の中にメダルMが落ち込まないようにするのである。
【0092】
また、図24(b)に示すように、メダル通過面Tに凸部8402を形成することにより、当該凸部8402の両側が凹んで溝840が形成されるようにしてもよいし、二つの通路部材843、843の間に、溝840が形成されるようにしてもよい。なお、凸部8402は、角形でも、円形でもよい。
【0093】
図24(c)に示す実施例では、溝840の開口角度を比較的大きく、例えば150度程度に開き、メダルMの周面と溝840の底面841(メダル通過面T1)とが接するように形成してある。また、溝840を形成する底面841が作る斜面は、左右対称になっていなくても差し支えない。なお、開口角度は150度を越えると、溝としての機能が減少するので、90度前後が好ましい。
【0094】
図24(d)に示す実施例では、溝840を形成している底面842a、842b(メダル通過面T1、T2)の一方を移動可能に構成している。また、溝の形状は、V字形ばかりではなく、底部を備える溝であってもよい。即ち、溝は、三つの頂点を備えた三角形状のものばかりではなく、更に多数の頂点を備えた多角形状のものであってもよいし、円弧形の底部を備える溝でもよい。いずれの溝であっても、転動するメダルと溝の内面或いは底面とは、面で接触することなく、線で接触することになるので、接触抵抗が少ない。
【0095】
メダル通過面T、言い換えるとメダル通路800を形成している部材の表面部分に形成する溝840は、直線状に形成しなくてもよいし、メダルの転動方向に沿って形成する必要もない。例えば、図25(a)に示す実施例では、直線状の溝840a1を、メダルの転動方向に対して斜交するように形成している。
【0096】
また、図25(b)に示す実施例では、曲線状の溝840b1、840b2を、メダルの転動方向に対して斜交するように形成している。更に、図25(c)に示す実施例においては、メダルの転動方向に沿って溝840cが形成してあり、進行方向に向けて尖ったV字状に形成したり、進行方向に平行する短い溝840dが複数形成してある。
【0097】
更に、このメダル通過面Tの溝は、複数の転動通路面を所定の配置とすることで、形成することができる。例えば、メダルの通過方向に沿う垂直面に対して傾斜させた第1傾斜面(第1の転動通路面)8431と、この第1傾斜面8431と同じ角度で傾斜する第2傾斜面(第2の転動通路面)8432とで、メダル通過面Tを構成する。このとき、第1傾斜面8431と第2傾斜面8432とを互いに向き合わせてほゞV字形の溝840を形成するのである。言い換えると、第1の転動通路面を備える第1の部材と、第2の転動通路面を備える第2の部材とによって、メダル通過面T、即ちメダル通路800を構成するのである(図26参照)。
【0098】
また、第1傾斜面8431の上縁と第2傾斜面8432の上縁との間隔を、言い換えると、前記した第1の転動通路830面を備える第1の部材と、第2の転動通路面を備える第2の部材との間隔を、メダルMの厚幅長に比べて大きく離隔するようにするとよい。このようにすれば、第1傾斜面8431と第2傾斜面8432との間に、メダルMを嵌入させることができ、嵌入したメダルMを第1傾斜面8431及び第2傾斜面8432によって支承することができる。
【0099】
このように、複数の転動通路面を所定の配置として溝を形成する場合、即ち2つの部材を組み合わせて溝を形成する場合は、一つの部材に細かな溝を穿つことに比べて容易に作成することができる。
【0100】
メダル通過面Tを形成する第1傾斜面8431及び第2傾斜面8432、或いは第1傾斜面8431または第2傾斜面8432の一方、を移動可能な移動傾斜面とすることができる。即ち、例えば、図26(b)に示すように、第1傾斜面8431及び第2傾斜面8432の上端部分を軸Oによって回動可能に枢着するのである。そこで、同図に破線で示すように、第1傾斜面8431及び第2傾斜面8432が内向きに回動してV字形の溝840を形成しているときには、この溝840内にメダルMが保持される。一方、同図に実線で示すように、両傾斜面8431、8432を外向きに回動させ、ほゞ鉛直方向に位置させると、メダルMを直ちに落下させることができる。従って、不正メダルを検出した場合に、この両傾斜面8431、8432を回動させるように設定すれば、不正なメダルを速やかに排除することが可能である。
【0101】
しかも、第1傾斜面8431および/または第2傾斜面8432を回動させることにより、V字形の溝840の底部を開放すると、溜まったゴミを排出することも可能であり、掃除等のメンテナンス作業も容易になる。
【0102】
図26(c)に示すように、固定した第2傾斜面8432の下端に、第1傾斜面8431の下端を軸Oにより回動可能に枢着し、第1傾斜面8431が上向きに回動しているときに、V字形の溝840を形成するようにしてもよい。
【0103】
この実施例によれば、第1傾斜面8431と第2傾斜面8432とがほゞ直交する位置では、メダルMの両周縁(角部)が第1傾斜面8431及び第2傾斜面8432に接触して、メダルMがV溝840内に保持される。一方、第1傾斜面8431が第2傾斜面8432の延長状に位置するように、当該第1傾斜面8431を回動させると、支えを失ったメダルMが、直ちに落下する。このため、不正メダルの排除に有効である。
【0104】
図26(d)に示す実施例では、第1傾斜面8431を側方へ平行移動するように構成してある。このため、第1傾斜面8431と第2傾斜面8432とが、双方の下端部分を接してV字形の溝840を形成している場合は、メダルMを保持することができる。一方、第1傾斜面8431を側方へ移動させると、支えを失ったメダルMが直ちに落下する。
【0105】
そこで、メダル通路800の一部を移動傾斜面844で構成することもできる。例えば、図27に示す実施例では、通過するメダルMに接する第1位置と、通過するメダルMに接することのない第2位置との間を移動可能な移動傾斜面844により、第1傾斜面844aを構成している。言い換えると、メダルが接する面を有した可動部材が、第1位置と第2位置との間を移動可能に構成してある。
【0106】
この移動傾斜面844を、第1位置と第2位置との間を移動させる駆動源としては、電気供給を受けて動作するソレノイド等を利用可能であるが、手動で移動可能なように構成することもできる。そして、この移動傾斜面844を、必要に応じて、或いは定期的に移動させるようにするとよい。
【0107】
一方、メダル通路800である転動通路830には、メダルMの通過方向に沿って下り傾斜する第1傾斜通路(第1傾斜面)831と、この第1傾斜通路831の下流側に位置し、第1傾斜通路831より緩斜面またはほゞ水平面とした第2傾斜通路(第2傾斜面)832を設けることができる。そして、第1傾斜面から第2傾斜面832となる通路付近に、前記した移動傾斜面844を形成するとよい。
【0108】
一般に、メダル転動通路830は、メダルの転動方向、即ち通過方向に沿って下り傾斜しているが、図27に示す実施例においては、下り傾斜する第1傾斜通路831と、この第1傾斜通路831の下流に、ほゞ水平に連なる第2傾斜通路832が設けてある。なお、この第2傾斜通路832は、第1傾斜通路831の傾斜に比べて緩斜面となればよい。
【0109】
図27に示す実施例においては、第1傾斜通路831と第2傾斜通路との接続部分、換言すると傾斜角度の変換点付近には、通過するメダルMを検出する投入センサ320が臨ませてある。この投入センサ320は、二個一組の検出素子によって構成してあり、双方の検出素子に反応した場合に、メダルMが正しく通過したと判別するよう構成してある。なお、投入センサ320による判別は、双方の検出素子に反応しなかった場合を、メダルMが正しく落下したと判別するなど、適宜に設定することができる。
【0110】
前記したように、図27に示す実施例においては、第1傾斜通路831の下端領域に、移動することによりメダル通路800を言わば消失させて、支えを失ったメダルMを排出する移動傾斜面844が設けてある。この移動傾斜面844は、移動可能な第1傾斜面844aと、固定状の第2傾斜面844bとがV字状に組み合わされて形成されており、第1傾斜面844aが移動することにより、2点でメダルMを支えるV字状の通路が崩れ、第2傾斜面844bに沿ってメダルMが滑り落ちるようになっている。このため、メダルMは、メダル通路800であるメダル転動通路830から離れるようにして落下する。
【0111】
言い換えると、起立状態にあって転動しながら進むメダルMは、移動傾斜面844である第1傾斜面844aが移動すると、片側の支えを失うことになるため、片側周縁を第2傾斜面844bに載せた状態で、この第2傾斜面844bを滑り落ちることになる。このため、メダル転動通路830を通過していたメダルMを確実に落下させることができる(図27(d))。
【0112】
そして、第1傾斜通路831と第2傾斜通路832との傾斜角度が変わる変換点付近は、メダルMが落下し易いように、第1傾斜通路831の傾斜角度より第2傾斜通路832の傾斜角度を緩やかに設定している。メダルMは、第1傾斜通路831を移動することにより、第1傾斜通路831の傾斜に沿った移動をさらに継続させようとするが、第2傾斜通路832が第1傾斜通路831とは異なる方向へ傾斜していることで、第1傾斜通路831の移動を継続させた結果としてメダル転動通路830から落下することとなる。さらにこの部分はゴミも溜まり易い。この変換点付近に移動傾斜面844を設けて、メダル転動通路830の一部を開放するときは、溜まったゴミを、前記メダル転動通路830の開放部分から排出することが可能であり、効果的なゴミの収集が可能になる。
【0113】
一方、図28に示すように、メダル通路800であるメダル転動通路830上に落下口845を設け、通常はこの落下口845を移動部材845aによって塞いでおき、必要に応じて移動部材845aを移動させるように構成したものがある。そこで、メダルMを落下口845から直下に落下させるときは、落下のために充分な距離を取らないと落下しきれない。このため、落下させて排除すべきメダルMが、再びメダル通路800に戻ったり、落下口845の端845bで跳ね返ることがある。また、落下口845を塞ぐために復帰する移動部材845bに通過途中のメダルMが挟まれることがあったため、確実にメダルMを落下させることができなかった。
【0114】
また、図29に示すように、従来のいわゆるメダルブロッカ651によって、メダルMを側方から押し出す場合には、メダルブロッカ651がメダル通路800に突出する位置に到達した後に、メダルMがこの位置に到達する場合、メダルMをメダルブロッカ651で落下させることが可能であるが(図29(a)の下図)、メダルブロッカ651がメダル通路800に突出する位置に到達する前に、メダルMがこの位置に到達していた場合、メダルブロッカ651がメダルMの体勢を変化させてしまい、この体勢を崩したメダルMがメダル出口725で停止する場合があった。この場合、メダルブロッカ651がメダル通路800から退避した位置に移動した後に進入したメダルMが、先にメダル出口725で停止したメダルMに衝突し、そのまま移動を停止することとなった。こうして、メダルブロッカ651の作動タイミングによっては、メダルMが落下しないで通過してしまい、メダル出口725に到達したメダルMが、このメダル出口725に係止して、メダル詰まりの原因になることがあった(図29(b)の下図)。
【0115】
そこで、前記した移動傾斜面844により、メダル通路800からメダルが離れるように落下させれば、落下すべきメダルMが原因となるトラブルを未然に防止することができる。なお、固定側通路の垂直壁部の先端部分を、メダル通路800のメダルMの進行方向に対して鋭角に形成し、これに対応させて、移動傾斜面844の先端部分、即ちメダルMの進行方向の先端部分を鈍角に形成している。これにより、落下するメダルMをこの部分においてもガイド可能としている。
【0116】
さらに説明すれば、例えばメダルセレクタ170の底面図を示す図11には、移動傾斜面844を形成している移動傾斜部材8440が画かれており、また、この移動傾斜面844の先端部分に対応する案内部として形成した壁部861が画かれている。移傾斜部材8440は、電気的な駆動源によって、通過するメダルに接する第1位置と、メダルに接することのない第2位置との間を移動する。言い換えると、移動傾斜部材8440は、図11では隠れている軸を中心に回動して、前記メダルに接する第1位置と、メダルに接することのない第2位置との間を移動する。そして、図11は、移動傾斜部材8440がメダルに接する第1位置ある状態、即ち閉じた状態を示している。
【0117】
一方、移動傾斜部材8440は、下流側の先端部分をメダルMの進行方向に向かって鈍角に形成している。この移動傾斜部材8440の下流側の先端部分の形状に対応して、固定側通路の最上流の先端部分に案内部を形成している。例えば図10や図11に示されているように、固定側通路は、第1傾斜面844aおよび第2傾斜面844bに対応させてV字状の通路底面を形成しており、さらに、第1傾斜面844aに対応する上流側に位置する通路底面を、メダルMの進行方向に対して鋭角に形成し、この鋭角な通路底面から垂直下方に壁部861を形成している。つまり、案内部は、固定側通路の最上流側の通路略中央から通路外側に向けて形成した鋭角通路部と、この鋭角通路部から略垂直下方に形成した壁部とで構成されている。よって、第2傾斜面844bから落下しきれなかったメダルMがこの案内部に到達した場合、この案内部に当接してメダル出口725に向かうことがないように進行方向を変えられ、第2側板部7222に衝突して落下することとなる。
【0118】
前記した移動傾斜面844は、第1傾斜通路831ばかりではなく、第2傾斜通路832に設けてもよいし、第1傾斜通路831から第2傾斜通路832に掛けて設けてもよい。即ち、図30(a)に示すように、傾斜する第1傾斜通路831の下端部分と、第2傾斜通路832の水平通路部分とに掛けて設けてよい。また、図30(b)に示すように、第2傾斜通路832の水平通路部分を、移動面とすることもできる。さらに、第1傾斜通路831の下流側の先端部分の位置に対応させて、固定側通路に壁部861を形成する。何れの場合でも、移動傾斜面844または移動面によって、メダルを確実に落下させることができ、不正なメダルを確実に排除することができる。
【0119】
前記したように、この実施例による移動傾斜面844は、通過するメダルMを直ちにメダル通路800(メダル転動通路830)から落下させて、メダル受皿156に排出するものであり、従来のいわゆるメダルブロッカ751と同じ機能を有している。そこで、この移動傾斜面844を、以下メダルブロッカ751と呼ぶことがある。
【0120】
この実施例におけるメダルブロッカ751、即ち、移動傾斜面844は、例えば図7(b)に示すように、支軸O1によって回動自在に支承した移動傾斜部材8440に、電気的駆動源として設けたブロッカソレノイド752のプランジャに連係させた連係機構を、臨ませて構成してある。
【0121】
具体的には、例えば図21に一部が示されているように、移動傾斜部材8440から延出する支承腕8441を、ベース基板の基板部721に開設した開口に通し、また前記基板部721に突設した支承部7211に、前記支承腕8441の先端を支軸O1によって回動自在に軸着して、移動傾斜面844を基板部721の前面側に構成している。また、前記移動傾斜部材8440には、前記支承腕8441と共にレバー部8442が延設してある。
【0122】
レバー部8442には、前記連係機構を構成しているメダルブロッカ押圧板753の先端が臨ませてある。このとき、ブロッカソレノイド752が通電されていないときには、メダルブロッカ押圧板753が、付勢手段である戻りバネ754によって後退して、移動傾斜部材8440が下向きに回動して、メダルの落下位置になる。従って、例えば、電源コードが抜かれて、ブロッカソレノイド752が通電されていない状態では、投入されたメダルは、メダル通路800を通過途中で落下されてメダル受皿156に返却される。一方、ブロッカソレノイド752が通電された状態では、投入されたメダルは移動傾斜部材8440が形成する移動傾斜面844を通過して、ホッパー180のメダルタンク181へ導入される。
【0123】
また、図16は、一部を欠截したメダルセレクタを示しており、(a)は移動傾斜部材がメダルに接することのない第2位置に移動した状態を示す斜視図である。(b)は移動傾斜部材8440がメダルに接する第1移動した状態を示す斜視図である。ブロッカソレノイド752が通電されていない状態では(a)の状態であり、ブロッカソレノイド752が通電された状態では(b)の状態となる。言い換えると、(a)は、メダルブロッカ751が作動してメダルを排出する状態、(b)は、メダルブロッカ751が作動していない状態と言うこともできる。
【0124】
このようなメダルブロッカ751は、制御装置によって自動的に制御される。ところで、メダルブロッカ751と同じように、メダルをメダル受皿156に排出させるものとして、遊技者自身がメダル返却ボタン133を操作することにより、メダルをメダル受皿156に排出させるメダル返却装置741があるが、このメダル返却装置741については、後述する。
【0125】
スロットマシン100において、メダル投入口134へ投入されたメダルは、メダルセレクタ170に導かれるが、メダルセレクタ170では、上方からほゞ鉛直に進入するメダルの進行方向を、側方に変化させている。そこで、従来のメダルセレクタ6にあっては、メダルを受け入れるほゞ鉛直な導入路(上方通路)810と、上方通路に連設されて底面を曲線形状とした曲線通路820と、この曲線通路820に連設された転動通路(側方通路)830と、を備えていた。
【0126】
しかしながら、従来のメダルセレクタにあっては、ほゞ鉛直方向に落下するメダルが曲線通路820の底面821で跳ね返ったり、この通路820内で跳ね返りを繰り返して滞留したり、後続のメダルと衝突して、メダル詰まりを起こすなどのトラブルが発生していた(図32参照)。
【0127】
そこで、この実施例においては、曲線通路820の曲線形状をクロソイド曲線形状としている。クロソイド曲線における曲線の曲がり方の度合いは、「曲率円」で表され、クロソイド曲線の曲率円の半径(r)は、その曲線上の道のり(移動距離:S)に反比例する。即ち、式、
r = a 2 / s ( θ ) ( a は定数)
によって定義される曲線を、クロソイド曲線という。この曲線は曲がり方の度合いが急変することなく、連続して大から小へ、あるいは小から大へと変化する曲線である。クロソイド曲線の一例を、図31(c)に示す。
【0128】
そこで、図31(b)に示すように、半径rのメダルにおいて、2直線(導入路810の外形線の延長線8101と転動通路830の外形線の延長線8301)の交点からクロソイド曲線の開始点までの距離(d1)か、2直線の交点からクロソイド曲線の終了点までの距離(d2)の何れか一方が、半径rよりも長くなるように設定するとよい。
【0129】
このようなクロソイド曲線形状を、曲線通路820の底面8201に採用するときは、メダル通路800の曲がり具合を連続的に変化させることができ、メダルMにブレーキがかかって失速することなくメダルMの進行方向を滑らかに変更することができる。
【0130】
そこで、この実施例におけるメダルの曲線通路820は、クロソイド曲線形状を有する底面8201と、メダルMの側面方向への移動を制限する壁面とで構成されている。具体的には、前記したように、ベース基板が備える固定案内壁724に、メダルMが転動する底面8201が形成され、固定案内壁724の壁面によりメダルMの横振れを防止するようになっている。なお、メダルMの側面方向への移動を制限する壁面は、固定案内壁724と、この固定案内壁724に対向して設けた側面ガイドユニット730の取外案内壁734と、で構成される。
【0131】
そして、固定案内壁724には、前記したように、メダルMとの接触面積を減少させる複数の突条726を設けるとよい。また、取外案内壁734にも、同様な突条736を設けるとよい。このようにして、メダルMとの接触抵抗を低減するときは、クロソイド曲線による円滑な方向転換と相俟って、メダルMを円滑かつ速やかに通過させることができる。
【0132】
また、クロソイド曲線形状の曲線通路820を備えるメダルセレクタ170は、クロソイド曲線形状の底面8201に、投入されたメダルMを案内する案内部8202を有している。この案内部8202は、上方通路である前記したメダル導入路810が相当し、メダルの厚み方向を固定案内壁724と取外案内壁734との間隔により規制するとともに、メダルの直径方向を、導入路810の側面の幅を、下流に向けて若干縮幅することにより形成している。例えば、図31(a)において、導入路810の一方の側面をほゞ鉛直方向に形成するとともに、対向する側面を若干傾斜状に、即ち下流側の幅を若干狭くして、メダルMがクロソイド形状の底面8201に確実に向うように誘導している。なお、案内部8202を形成する際に、上方通路であるメダル導入路810の両側面を傾斜させるようにしてもよい。
【0133】
曲線通路820は、クロソイド曲線のみによって形成しなくてもよい。例えば、図33(a)に示すように、曲線通路820の開始区間Aをクロソイド曲線区間とし、続く中間区間Bを他の曲線区間とし、次いで転動通路830である直線区間Cとしてもよい。この実施例の場合には、クロソイド曲線区間と他の曲線区間との組み合わせによって、所望のカーブを得ることができ、多様な態様に対応可能である。
【0134】
また、図33(b)に示す実施例では、曲線通路820の開始区間Aを通常の曲線区間aとし、続く中間区間bをクロソイド曲線区間とし、続く区間を直線区間cとしている。この実施例によっても、クロソイド曲線区間と他の曲線区間によって所望のカーブを得ることができ、多様な態様に対応できる。
【0135】
更に、図33(c)に示すように、曲線通路820の開始区間Aをクロソイド曲線区間とするとともに、このクロソイド曲線区間に直線区間Cを繋いでもよい。この場合であっても、クロソイド曲線区間によって、メダルの移動速度が保たれているので、スムーズにメダルを転動させることができる。
【0136】
更に、図示の実施例では、メダル通路800を通過するメダルMの上部を落下方向に若干傾斜させている。これは、所定の径に満たない不正なメダルMを排除するための構成である。即ち、前記した固定案内壁724および取外案内壁734の壁面を、鉛直面に対して傾斜させることにより、メダル通路800を通過するメダルの上部を落下方向に傾斜させるのである。また、メダル通路800、即ちメダル転動通路830の上部には、図12に示すように、傾斜しているメダルMを起立させるための起立部850が設けてあり、正規の径を有するメダルMのみが、この起立部850に係止することができる。このため、正規のメダルMは起立部850に係止して転動を続けるが、正規の径に満たない小径なメダルMは、起立部850に係止することなく、傾斜が大きくなってやがて転倒するため、この転動通路830から落下して排除される。
【0137】
起立部850は、図12(a)に示すように、転動通路830の上方に位置し、側面ガイドユニット730に設けられている。詳しくは、図18および図19に示すように、側面ガイドユニット730の取付溝に案内部材851を着脱可能に嵌め込むことにより、設けられている。案内部材851は、側方が開放した端面の形状がコ字状をなす部材であり、下側の突出片が案内部分8511となる。また、この案内部分8511の上方に側面ガイドユニット730に対して着脱可能に止着する止着部8512を備えている。
【0138】
一方、起立部850と対をなしてメダルをガイドする案内板853は、セレクタ本体ユニット720の基板部721から、前記した案内部分8511の先端付近に向けて、ほゞ水平方向に延出している。また、この案内板853は、例えば図11に示すように、転動通路830の方向に延びている。そして、案内部分8511と案内板853との間隔は、メダルの厚みよりも、若干広くなっているが、部位によって適宜変化させている。
【0139】
このような起立部850、即ち案内部材851および案内板853は、図17に示されている。この図17は、メダルセレクタ170から、側面ガイドユニット730を取り外すと共に、適宜位置でセレクタ本体ユニット720を欠截した斜視図である。
【0140】
ところで、メダルMの上部を傾斜させるには、固定案内壁724および固定案内壁724の肉厚を変更し、曲線通路820の中心面を鉛直面に対して傾斜させればよい。即ち、例えば図11に示すように、固定案内壁724の厚みを上部と下部とで変えればよいが、固定案内壁724および固定案内壁724に設ける前記した突条726、736の高さ或いは形状を変更するようにしてもよい。なお、この実施例では、曲線通路820において、投入されたメダルMを傾斜させているが、メダル導入路810からメダルMが傾斜するようにしてもよい。
【0141】
一方、図10に示す実施例においては、曲線通路820に連なる転動通路830の底面830aを、最初の段階(図10(b)のA−A断面付近)では、平面状に形成してある、これは小径なメダルMの判別を行うのでメダルMがV字状の底面830bとメダルMの角部で接するときは、メダルMの厚みに応じてメダルMの上下位置が変化してしまい、小径メダルの排除が困難になる虞れがあるためである。
【0142】
メダル通路800の底面が、ここでは転動通路830の底面830aが平面状に形成してあると、図13に示すように、傾斜して進入してきた適正なメダルMは、上縁が起立部850を構成する案内部材851に係止しているので、進行に伴って徐々に起立して行き、正しい位置に誘導される(図13(a)→(b)→(c)の順にメダルMは進行している)。
【0143】
一方、正規のメダルMに比べて径が小さい、例えばゲームセンターで使用される小径メダルM′の場合は、図14に示すように、メダルM′の上縁が案内部材851に係止することができないので、径の小さい不正なメダルM′は、進行に伴い傾斜が大きくなって、遂には転倒して落下する(図14(a)→(b)→(c)の順にメダルM′は進行している)。
【0144】
また、径の小さな不正なメダルM′であっても、メダル転動通路830の側壁に衝突を繰り返すなどして、垂直に進入することも考えられ、この場合には、メダルM′の上縁が側壁に押し付けられる可能性がある(図15(a)参照)。そこで、前記したように、底面830aを水平面とすることで、小径のメダルM′が通路から落下し易いように構成してある。
【0145】
更に、小径なメダルM′であってもメダル転動通路830を通過してしまった場合には、側面ガイドユニット730に設けた落下ガイド852によって、小径なメダルM′を最終的に排出するようになっている。即ち、小径なメダルM′であっても、傾斜しながら転動するときには、このメダルM′は落下ガイド852の案内面852aに当接するため、この案内面852aに沿って排出されることになる。
【0146】
なお、前記した落下ガイド852は、例えば図9(b)や図19等に示すように、側面ガイドユニット730に突設した部位であって、この落下ガイド852の背面にメダルの転動通路830が形成されることになる。また、案内面852aは、落下ガイド852の上流側の側面部分を、下流側に向って転動通路830から離れるように傾斜させた面である。
【0147】
メダル通路800、即ち転動通路830を通過するメダルMの上縁部分は、セレクタ本体ユニット720に設けた案内板853および案内部材851との間を転動する。本実施形態では、不正に投入されたメダルMが、正規のメダルMより厚みを増したメダルMである場合、案内板853および案内部材851に挟持されて係止することとなる。
【0148】
案内板853は、メダルを案内するためにセレクタ本体ユニット720に設けた部位であって、その全形が例えば図11或いは図17に示されるように、メダルの転動通路830に沿う側端面(先端面)が、案内部材851と協動して、メダルを徐々に起立させるように、適宜な形状に湾曲している。即ち、上流側である曲線通路830の固定案内壁724に連なる側の突出量が多い。したがって、曲線通路830に連なる部分では、メダルが大きく傾斜している(寝ている)。そして、メダルの進行方向に沿って突出量が減少し、途中からほゞ一定の突出量になっている。そこで、この案内板853に沿ってメダルが転動するときには、この案内板853がカムのように作用して、傾倒状態にあるメダルを、徐々に起立させ、最終的には直立させることになる。
【0149】
説明は戻るが、前記したようなメダル通路800は、セレクタ本体ユニット720と、このセレクタ本体ユニット720に着脱可能に取り付けられた側面ガイドユニット730とによって形成されている(例えば図9参照)。そして、この側面ガイドユニット730は、取外案内壁734を備えており、後述する押圧部材760を介してセレクタ本体ユニット720の基板部721に押圧される。
【0150】
取外案内壁734を備える側面ガイドユニット730は、押圧部材760によってセレクタ本体ユニット720に取り付けられる一方、押圧に抗して取り外されるように構成してある。このとき、取付・取外方向は、押圧部材760による押圧・反押圧方向と異なる方向になるように構成してある(図22参照)。
【0151】
取外案内壁734を備える側面ガイドユニット730の所定の先端部分には、嵌合部737が設けてある。一方、セレクタ本体ユニット720には、嵌合部737が嵌り込む嵌合受部727を設けてある。そして、嵌合受部727に嵌合部737が嵌め合わさった場合に、押圧部材760とセレクタ本体ユニット720の所定部とによって、取外案内壁734の所定端を挟持するように構成してある。
【0152】
側面ガイドユニット730の嵌合部737は、セレクタ本体ユニット720に形成された略半円凹部7271に嵌まり込む例えば略半円凸部7371であり、セレクタ本体ユニット720の嵌合受部727は、側面ガイドユニット730に形成された略半円凸部7371が嵌り込む例えば略半円凹部7271である(図22参照)。
【0153】
更に、側面ガイドユニット730は、略半円凹部7271に嵌まり込んだ略半円凸部7371を移動軸O2としている。そして、メダルMを転動通路830より排除する第1位置から、メダルMの移動を案内する第2位置へ、押圧部材760の押圧によって移動し、第2位置から第1位置へは、所定の排除部材の押圧によって移動するように構成してある。なお、所定の排除部材は、この実施例では、メダル返却装置741の押圧ロッド7442である。
【0154】
側面ガイドユニット730には、略半円凸部7371が略半円凹部7271に嵌まり込んだ場合に、押圧部材760によって係止される押圧係止受部738が設けてある。
【0155】
側面ガイドユニット730は、メダル返却装置741の返却プレート7411による押圧を受ける押圧受部7375を備えている。この押圧受部7375には、メダル返却装置741の回動自在な返却プレート7411の押圧部7441が当接可能になっている。
【0156】
メダル返却装置741は、遊技者がメダル返却ボタン133を押したときに、押圧ロッド7442がメダル返却装置741の返却プレート7411の受圧部7412に当接し、上端部分を軸着した返却プレート7411が回動して、側面ガイドユニット730が軸O2を支点に回動する。すると、側面ガイドユニット730が軸O2を支点に回動することにより、メダル通路800即ちメダル転動通路830の上方部分が拡幅するため、メダルMの上縁が係止できなくなって、通過中のメダルが落下し、メダル受皿156に返却される。
【0157】
このメダル返却装置741では、返却プレート7411が、上端に設けた軸O3を支点にして回動する。このため、押圧部7441が、側面ガイドユニット730の押圧受部7375を押圧し、この側面ガイドユニット730が軸O2を支点に回動する。なお、側面ガイドユニット730が回動するとき、押圧部材760が変形して、側面ガイドユニット730の後退を許容するものである。
【0158】
ところで、この押圧部材760が、返却プレート7411を介して側面ガイドユニット730によって押圧される方向、或いは、押圧部材760が、自身の有する弾性によって反発する方向を、図22においてP方向とする。一方、押圧部材760に、側面ガイドユニット730を着脱する方向を、図22においてQ方向とする。すると、P方向とQ方向とが、ほゞ直交していることが分かる。言い換えると装着方向と、押圧方向とが異なっていることを示している。
【0159】
一方、従来のメダルセレクタ6は、例えば、図34(a)に示すように、側面ガイドユニット62が、セレクタ本体ユニット61に設けた軸621に、回動自在かつ着脱自在に設けてある。詳しくは、側面ガイドユニット62の取付片624に設けた溝624aを、セレクタ本体ユニット61の軸棒673に嵌合させると共に、この軸棒673に巻装したコイルスプリング622によって、側面ガイドユニット62を、メダルが通過可能なように、セレクタ本体ユニット61の方向へ付勢している。即ち、図34(b)に示すように、取付片624に対して、軸棒673に巻装したコイルスプリング622の一端により白抜き矢印a方向の力が加わると共に、コイルスプリング622の他端により白抜き矢印b方向の力が加わっている。
【0160】
そこで、従来のメダルセレクタ6においては、側面ガイドユニット62の着脱方向と、コイルスプリング622による付勢方向がほゞ同じ方向であった。このため、側面ガイドユニット62を着脱するには、コイルスプリング622を付勢に抗して引き起こした状態でなければ、着脱することができなかった。
【0161】
しかも、従来のメダルセレクタ6における側面ガイドユニット62には、メダルの上縁部分が係止する押圧片625が回動可能に軸着されると共に、メダルを若干押圧するようにバネ629によって付勢しているので、構造が複雑で組立も煩雑であった。例えば、側面ガイドユニット62を取り外すには、前記した力aおよびbに抗して外さなければならなかった。
【0162】
例えば、図35(a)に示すように、従来のメダルセレクタ6における側面ガイドユニット62に、白抜き矢印で示す方向に力が加わる場合には、軸棒673に嵌合する溝部624aが支点なり、この力が加わる部位が力点となり、セレクタ本体ユニット61に当接する部分が作用点となる。
【0163】
そこで、この従来のメダルセレクタ6から、側面ガイドユニット62を取り外す場合には、図35(b)に示すように、側面ガイドユニット62の溝部624aが開口する方向とは逆方向に、同図では右側に向けて当該側面ガイドユニット62をほゞ水平移動させて取り外す。このため、従来のメダルセレクタ6においては、側面ガイドユニット62に加わる力に抗しながら、当該側面ガイドユニット62を取り外さなければならず、取り外しも煩雑であった。
【0164】
一方、前記した押圧部材760を用いる図示の実施例では、図35(c)に示すように、ほゞ半円形の凸部7371と凹部7271とによって軸を形成し、この軸が支点となる。また、白抜き矢印で示す方向に力が加わる場合には、この力が加わる部位が力点となり、セレクタ本体ユニット720に当接する部分が作用点となる。
【0165】
ここで、この実施例によれば、図35(d)に示すように、側面ガイドユニット730を下方に向けて取り外すことが可能である。このとき、力点に加わる力に殆ど抗することなく容易に取り外すことができる。
【0166】
セレクタ本体ユニット720と協動してメダル通路800を形成する側面ガイドユニット730には、メダル転動通路830を通過するメダルの上縁が係止する案内部材851が、着脱自在に設けてある(図18参照)。この案内部材851は、例えば、金属板を屈曲形成したものであって、図18に示すように、断面形状がほゞコ字状の案内部分8511と、側面ガイドユニット730に対して着脱可能に止着する止着部8512とを備えている。
【0167】
案内部分8511の外縁形状は、傾斜しているメダルMを起立させるように、所望の形状に形成してある。そして、この形状を適宜変更可能なように、案内部材851は着脱自在になっている。従って、この案内部材851を交換することにより、多様な対応が可能になる。
【0168】
押圧部材760は、弾性材、例えば板バネを屈曲形成してなる部材であって、セレクタ本体ユニット720に取り付けるための取付部761と、側面ガイドユニット730の押圧係止受部738に係止する押圧係止部762とを備えている(図20参照)。
【0169】
そして、押圧部材760をセレクタ本体ユニット720の装着部723に嵌着するために設定された押圧部材760の移動方向と、側面ガイドユニット730を押圧部材760を介してセレクタ本体ユニット720に嵌着するために設定された側面ガイドユニット730の移動方向とが、同じ移動方向になるように構成してある。言い換えると、押圧部材760と、セレクタ本体ユニット720とが、ほゞ平行しているといえる。
【0170】
この押圧部材760は、例えば、図20に示すように、バネ性を有する金属板を、ほゞS字状に屈曲形成した部材であって、所望の位置に、前記した取付部761及び押圧係止部762を備えている。そして、取付部761には、セレクタ本体ユニット720に設けた位置決め部が嵌入する位置決め切欠部763が設けてあり。この切欠部763によって、取付部761が左右に分れている。
【0171】
次に、この押圧部材760による、側面ガイドユニット730の取付方法を説明する。先ず、セレクタ本体ユニット720の装着部723に、押圧部材760を嵌着する。このとき、取付部761が、装着部723を挟着することになる。
【0172】
一方、取付部761が装着されたセレクタ本体ユニット720には、側面ガイドユニット730を回動自在に装着するのであるが、押圧部材760とセレクタ本体ユニット720との間に、隙間が形成され、この隙間に側面ガイドユニット730が挿入され、半円形状の凸部7371と凹部7271とが嵌合して、回動自在に軸着される。
【0173】
このような押圧部材760を用いるときは、側面ガイドユニット730の取り付けに必要な部品を大幅に削減することができる。また、側面ガイドユニット730の着脱に際して、押圧部材760の押圧に抗する必要がなく、着脱が容易になる。
【0174】
メダルセレクタ170によって選別された不正なメダルは、当該メダルセレクタ170から落下してメダル受皿156に排出される訳であり、メダル受皿156に連通するメダル排出樋266が上向きに開口している。そこで、従来のメダルセレクタ6にあっては、この排出樋266に、選別されたメダルを確実に案内するために、カバー部材63が回動かつ着脱自在に設けてあった。
【0175】
一方、本発明に係るメダルセレクタ170においては、選別されたメダルが大きく位置を変えることなく、ほゞ真下に滑り落ちるように構成してあるので、カバー部材63を省略しても、排出されたメダルを何ら問題がなくメダル受皿156へ案内することが可能である。しかし、落下するメダルを、メダル排出樋266の入口へ案内するカバー部材63を設けるようにしてもよい。
【0176】
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は前記した各実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。例えば、前記した各実施例では、メダルを遊技媒体として使用し、このメダルを選別するメダルセレクタを備えるスロットマシンについて説明したが、メダルは遊技媒体ばかりではなく、ゲームセンター等で使用するコインに適用することもできるし、更には硬貨の選別に使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】遊技台の一例であるスロットマシンの斜視図である。
【図2】スロットマシンの主制御部の回路ブロック図である。
【図3】スロットマシンの副制御部の回路ブロック図である。
【図4】主制御部によるメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】スロットマシンの前面扉を開いた状態の斜視図である。
【図6】メダルセレクタを構成している取付基板、及びセレクタ本体ユニットの斜視図である。
【図7】(a)はメダルセレクタの正面図、(b)はメダルセレクタの背面側を示す斜視図である。
【図8】(a)はメダルセレクタの平面図、(b)はメダルセレクタの底面図である。
【図9】メダルセレクタの分解斜視図であり、(a)は押圧部材を着脱する場合、(b)は側面ガイドユニットを着脱する場合を示す。
【図10】側面ガイドユニットを外した状態のメダルセレクタを示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図11】側面ガイドユニットを外した状態のメダルセレクタの底面図である。
【図12】(a)はメダルセレクタの要部を示す側面図、(b)はそのA部の拡大図である。
【図13】正規なメダルの通過状態の説明図である。
【図14】小径なメダルの通過状態の説明図である。
【図15】小径なメダルの通過状態の説明図である。
【図16】一部を欠截したメダルセレクタを示し、(a)は移動傾斜部材が移動した状態を示す斜視図、(b)は移動傾斜部材が復帰した状態を示す斜視図である。
【図17】一部を欠截したメダルセレクタの斜視図である。
【図18】(a)は側面ガイドユニットの斜視図、(b)は側面ガイドユニットの分解斜視図である。
【図19】側面ガイドユニットを示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は斜視図である。
【図20】押圧部材を示し、(a)は正面側の斜視図、(b)は背面側の斜視図、(c)は正面図、(d)は右側面図である。
【図21】メダルセレクタの要部を示し、(a)は移動傾斜面が閉止した状態の斜視図、(b)は移動傾斜面が開放した状態の斜視図である。
【図22】側面ガイドユニットの動作を示し、(a)は一部を欠截したメダルセレクタの斜視図、(b)は一部を欠截したメダルセレクタの側面図、(c)は動作説明図、(d)は動作説明図である。
【図23】(a)はメダルの説明図、(b)は従来のメダルセレクタにおけるメダルとメダル通過面とゴミとの関係を示す説明図、(c)は本発明に係るメダルセレクタにおけるメダルとメダル通過面とゴミとの関係を示す説明図である。
【図24】メダル通過面に設ける溝の実施例を示す説明図である。
【図25】メダル通過面に設ける溝の実施例を示す説明図である。
【図26】転動通路面で形成した溝の実施例を示す説明図である。
【図27】移動傾斜面を設けたメダル転動通路の説明図である。
【図28】従来の移動部材を設けたメダル転動通路の説明図である。
【図29】従来のメダルブロッカを設けたメダル転動通路の説明図である。
【図30】移動傾斜面を設けたメダル転動通路の説明図である。
【図31】(a)はクロソイド曲線形状の底面を備えるメダル通路の説明図、(b)はクロソイド曲線形状の底面の一例を示す説明図、(c)クロソイド曲線の一例を示す説明図である。
【図32】従来のメダル通路におけるメダルの挙動を示す説明図である。
【図33】クロソイド曲線と他の曲線および曲線を組み合わせたメダル通路の説明図である。
【図34】(a)は従来のメダルセレクタの分解斜視図、(b)は側面ガイドユニットの軸着部分の断面説明図である。
【図35】側面ガイドユニットの着脱時の作用を示す概略説明図である。
【図36】従来のメダルセレクタの斜視図である。
【符号の説明】
【0178】
100 スロットマシン
101 キャビネット
102 前面扉
110 左リール
111 中リール
112 右リール
130 メダル投入ボタン
131 メダル投入ボタン
132 精算ボタン
133 メダル返却ボタン
134 メダル投入口
135 スタートレバー
137〜139 ストップボタン
155 メダル払出口
156 メダル受皿
157 液晶表示装置
180 メダル払出装置
181 メダルタンク
190 演出装置
300 主制御部
400 副制御部
710 取付基板
720 セレクタ本体ユニット
721 基板部
722 側板部
723 装着部
724 固定案内壁
725 メダル出口
726 突条
730 側面ガイドユニット
734 取外案内壁
736 突条
737 嵌合部
741 メダル返却装置
751 メダルブロッカ
760 押圧部材
761 取付部
800 メダル通路
810 メダル導入路
820 メダル曲線通路
820 曲線通路
830 メダル転動通路
831 第1傾斜通路
832 第2傾斜通路
840 溝
8431 第1傾斜面
8432 第2傾斜面
844 移動傾斜面
845 落下口
850 起立部
851 案内部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メダルが転動しながら通過する転動通路を備え、この転動通路を通過するメダルを選別するメダルセレクタであって、
前記転動通路は、底部として、転動するメダルの周縁が接するメダル通過面を有し、
前記メダル通過面には、所定の溝を形成したことを特徴とするメダルセレクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のメダルセレクタであって、
前記メダル通過面に形成した所定の溝は、メダルの通過方向に沿って形成してあることを特徴とするメダルセレクタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のメダルセレクタであって、
前記メダル通過面は、複数の転動通路面を所定の配置として、前記所定の溝が形成してあることを特徴とするメダルセレクタ。
【請求項4】
請求項3に記載のメダルセレクタであって、
前記複数の転動通路面は、メダルの通過方向に沿う垂直面に対して傾斜させた第1傾斜面と、該第1傾斜面と同角度で傾斜させた第2傾斜面と、で構成され、
前記所定の配置は、前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とを互いに向き合わせて略V形とした配置であることを特徴とするメダルセレクタ。
【請求項5】
請求項4に記載のメダルセレクタであって、
前記第1傾斜面と前記第2傾斜面とは、前記第1傾斜面の上縁と、前記第2傾斜面の上縁とが、メダルの厚幅長に比して大きな長さで離隔するように設けられていることを特徴とするメダルセレクタ。
【請求項6】
請求項4または5に記載のメダルセレクタであって、
前記第1傾斜面には、通過するメダルに接する第1位置と、通過するメダルに接することのない第2位置とを、移動可能に構成した移動傾斜面が形成されていることを特徴とするメダルセレクタ。
【請求項7】
請求項6に記載のメダルセレクタであって、
前記移動傾斜面を、前記第1位置と第2位置との間を移動させるように、電気供給を受けて動作する駆動部を設けたことを特徴とするメダルセレクタ。
【請求項8】
請求項6または7に記載のメダルセレクタであって、
前記メダルの転動通路には、メダルの通過方向に沿って下り傾斜させた第1傾斜通路と、前記第1傾斜通路の下流側に位置し、前記第1傾斜通路より緩斜面または略水平面とした第2傾斜通路と、を形成し、
前記第1傾斜通路から第2傾斜通路となる通路付近に、前記移動傾斜面を形成したことを特徴とするメダルセレクタ。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載したメダルセレクタを備えることを特徴とするスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2009−72301(P2009−72301A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−242756(P2007−242756)
【出願日】平成19年9月19日(2007.9.19)
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】