説明

メダル遊戯装置

【課題】メダル遊戯の興趣を損なうことなく、ボール等の遊戯価値部材のプレイヤからの見え方を考慮した構成とする。
【解決手段】メダル遊戯装置1は、当該メダル遊戯装置1の略中央に配置されたセンターユニット80と、該センターユニット80を挟んで少なくとも一対が反対側に位置するように当該遊戯装置1の筐体10に配され、各プレイヤが遊戯するための遊戯スペースとなるサテライト部20と、筐体10の内側と外側とを区画する透光性の側壁40と、を備え、側壁40の一部が、一のプレイヤがサテライト部20から見た場合のセンターユニット80裏の死角領域の少なくとも一部を反射像として当該プレイヤに映し出すとともに、当該側壁40を通じて装置外からメダルフィールド40等の様子が視認可能な程度に内部からの光を透過する板状ビームスプリッター112で構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はメダル遊戯装置に関する。さらに詳述すると、本発明は、メダル遊戯装置の構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
メダルを使う遊戯装置として、従来、プッシャを備えたメダル遊戯装置が知られている。このメダル遊戯装置は、当該装置へプレイヤ(遊戯者)がメダルを投入することにより、プッシャが往復動するフィールド(本明細書ではメダルフィールドという)にてプッシャに押圧されたメダルが当該メダルフィールドから落下し、落下したメダル(または落下したメダルに相当する枚数のメダル)がプレイヤに払い出されるように構成されている。
【0003】
また、近時、ギミック装置を配した大型の例えば回転可能なセンターユニットを中心に設置し、その周囲に複数のサテライト(遊戯スペース)部を例えば周状かつ等間隔に設けたり、あるいは平面視矩形の筐体の周囲に該サテライトを適宜設けたりし、これにより、複数のプレイヤが同時に遊戯できるようにしたメダルゲーム装置が多く利用されている。さらに、メダル通過を検出して何らかの処理を実行するための入賞口(本明細書ではこれをチャッカともいう)を設け、当該チャッカをメダルが通過したことに連動して電子制御された懸賞ゲームを行い、一定の条件を満たした場合には多数のメダルを一度に払い出すなど、遊戯性を高めたゲームも広く知られている。
【0004】
また、このようなメダルゲーム装置として、例えばボールやカプセル等の、メダルとは異なる部材(オブジェクト)を遊戯の興趣性をより高める遊戯価値部材として追加的にメダルフィールドに供給するものもある(例えば、特許文献1参照)。ボールやカプセル等は、興趣性のより高いゲームを演出する遊戯価値部材の一例であり、例えばメダルフィールドに供給されたボールが所定の落下溝に落下した場合には、通常よりも多い枚数のメダルを払い出したり、抽選を伴う懸賞ゲームを行ったりする。
【0005】
さらには、各プレイヤに共通のフィールドを装置中央に設けたメダルゲーム装置もある。このような構成は、ターゲットとなるボールやカプセル等をプレイヤ自身のサテライトにいかに落とすかを競い合わせることにより、遊戯の興趣性をさらに盛り上げる一要素となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−140406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のメダル遊戯装置においては、上述したようなボールやカプセル等、メダルとは異なるオブジェクトを遊戯価値部材として追加していても、これら遊戯価値部材が各プレイヤに共通のフィールド上を移動し、各プレイヤの遊戯スペースが共通フィールドの周囲に設けられている場合、遊戯価値部材は各プレイヤから順次視認されるように移動するため、一のプレイヤから常に視認することが困難となっていた。」
【0008】
そこで、本発明は、複数の遊戯スペースに対して共通なフィールドを移動する遊戯価値部材をいずれのプレイヤからでも常に視認できる構成のメダル遊戯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するべく本発明者は種々の検討を行った。上述のごときメダル遊戯装置において、プレイヤは、中央の共有フィールド上に載置されている多数のメダルやターゲット(ボール等)を共有している。特にターゲット(ボール等)には高い価値が付加されているというゲームの演出上、誰がどのターゲットを獲得したのかという情報は各プレイヤが気にかける所であり、各々のプレイヤが目論む遊戯の進行上、重要な部分でもある。ところが、共有フィールドに高さのあるギミック装置が設けられていると、プレイヤから見て中央共有フィールドの裏側エリアに位置するターゲットについてはもはや視認することができなくなる。だからといって、首を傾(かし)げて覗き込んだり、わざわざ立って別の場所まで見に行ったりするのは面倒であり、しかも自己の狙いが他のプレイヤに知られてしまい駆け引きのうえで不利になることもあるなど、プレイヤとしてはできるだけ避けたい行為である。要は,各プレイヤにしてみればできるだけ簡便にターゲットを確認し、これらターゲットの状況を把握して自己に有利にゲームを進めたいという願望があり、同様の欲望を持つ他者との駆け引きがゲームの醍醐味の一つでもある。これらに基づき、メダル遊戯の興趣が損なわれることなく、ボール等のオブジェクト(遊戯価値部材)のプレイヤからの見え方について考慮した本発明者は、かかる課題の解決に結び付く新たな知見を得るに至った。
【0010】
本発明はかかる知見に基づくものであり、複数のプレイヤが当該装置の外部から当該装置内のメダルフィールドへメダルを投入して遊戯することが可能なメダル遊戯装置において、当該メダル遊戯装置の略中央に配置されたセンターユニットと、該センターユニットを挟んで少なくとも一対が反対側に位置するように当該遊戯装置の筐体に配され、各プレイヤが遊戯するための遊戯スペースとなるサテライト部と、筐体の内側と外側とを区画する透光性の側壁と、を備え、側壁の一部が、一のプレイヤがサテライト部から見た場合のセンターユニット裏の死角領域の少なくとも一部を反射像として当該プレイヤに映し出すとともに、当該側壁を通じて装置外からメダルフィールド等の様子が視認可能な程度に内部からの光を透過する板状ビームスプリッターで構成されている、というものである。
【0011】
ビームスプリッターは、光束を二つあるいはそれ以上に分割する光学装置であり、該ビームスプリッターに入射した光の一部を反射し、一部を透過させる。このような特性を有する板状ビームスプリッターを少なくとも側壁の一部に備えたメダルゲーム装置においては、当該板状ビームスプリッターが、一のプレイヤに対し、当該プレイヤからは直接視認することができないセンターユニット裏の死角領域の少なくとも一部を反射像として映し出す。したがって、プレイヤは、首を傾げて覗き込んだりわざわざ立って見に行ったりしなくても、板状ビームスプリッターを利用して死角領域の様子を確認することができる。
【0012】
しかも、このメダル遊戯装置における板状ビームスプリッターは、当該側壁を通じて装置外からメダルフィールド等の様子が視認可能な程度に内部からの光を透過する。このため、来場者や通行者など、プレイヤ以外の者が外側から当該装置内の様子を視認することの妨げとはならない。
【0013】
メダル遊戯装置は、メダルを使った遊戯の興趣性を高めるための遊戯価値部材をさらに含み、メダルおよび遊戯価値部材を載置した状態で回転するターンテーブルを備えているものであってもよい。
【0014】
また、メダル遊戯装置においては、筐体が平面視矩形であり、4面ある側壁のうちの一面および該面と対向する面にサテライト部が設けられ、残りの側壁の少なくとも一部が板状ビームスプリッターで構成されていることも好ましい。
【0015】
さらに、板状ビームスプリッターが、反射光と透過光の強さがほぼ等しいハーフミラーであることも好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の遊戯スペースに対して共通なフィールドを移動する遊戯価値部材をいずれのプレイヤからでも常に視認できる構成のメダル遊戯装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るゲーム装置の模式的斜視図である。
【図2】図1に示すゲーム装置を矢印Aの方向からみたときの模式的正面図である。
【図3】図1に示すゲーム装置を矢印Bの方向からみたときの模式的側面図である。
【図4】図1に示すゲーム装置を矢印Cの方向からみたときの模式的平面図である。
【図5】図4の平面図においてゲーム装置の天板を外した状態を示す模式的平面図である。
【図6】本発明にかかるゲーム装置(メダル遊戯装置)の構成例を示す、ゲーム装置の天板を外した状態での模式的平面図である。
【図7】本発明にかかるゲーム装置(メダル遊戯装置)の構成例を示すゲーム装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0019】
(全体構成)
図1〜図5は、一実施形態に係るゲーム装置1を示す図である。図1はゲーム装置1の模式的斜視図、図2は図1に示すゲーム装置1を矢印Aの方向からみたときの模式的正面図、図3は図1に示すゲーム装置を矢印Bの方向からみたときの模式的側面図である。また、図4は図1に示すゲーム装置を矢印Cの方向からみたときの模式的平面図であり、図5は図4の平面図においてゲーム装置1の天板を外した状態を示す模式的平面図である。なお、図1〜図5には、以下の説明で方向や平面を便宜的に規定する3次元(XYZ)座標系を設定しており、例えば、Z軸は鉛直方向、X軸はゲーム装置1の幅方向、Y軸はゲーム装置1の奥行き方向をそれぞれ表わしている。
【0020】
図1〜5に示すゲーム装置1は、例示的に、直方体形状の筐体10と、筐体10の周囲に設けられた1又は複数(例示的に4つ)のいわゆるサテライト(プレイヤが遊戯を実行する端末装置のことで、以下、「プレイヤステーション」という)20とを備える。プレイヤは、プレイヤステーション20に対面してゲーム装置1が提供するゲームを楽しむことができる。
【0021】
ゲーム装置1には、1又は複数の照明装置(電飾)や1又は複数の音声出力装置(例えばスピーカ)等の演出装置を適宜に設けることができ、これらの演出装置によって光や音声、音楽等による演出を実施することも可能である。図1〜図5には、4つのプレイヤステーション20に対応して4つのスピーカ30をゲーム装置1の天板12に設けた様子を例示している。
【0022】
筐体10は、例示的に、ベース筐体部分10aとカバー筐体部分10bとに分けることができる(図2参照)。ベース筐体部分10aには、プレイヤが対面してゲーム操作に用いられるコンソールパネル22、コンソールパネル22に付設されたボタン装置23等を適宜に設けることができる。コンソールパネル22及びボタン装置23は、後述のメダル投入装置21とともにプレイヤステーション20の一例を成す。
【0023】
ベース筐体部分10aの内部には、ゲーム装置1の動作(ゲームの進行等)を制御するゲーム制御装置(CPUやメモリ等)を設けることができる。コンソールパネル22及びボタン装置23の組は、例示的に、ベース筐体部分10aを成す4つの側壁のうちゲーム装置1の奥行き方向(Y軸方向)に対向する2つの側壁のそれぞれに幅方向(X軸方向)に所定の間隔を空けて2つずつ(計4つ)設けることができる。
【0024】
カバー筺体部分10bは、例示的に、4つの側壁11−1,11−2,11−3,11−4と、ゲーム装置1の屋根を成す天板12とを備える。カバー筐体部分10bの内側に、ゲーム装置1のゲーム空間(プレイヤによって遊戯内容が視認されうる部分)が形成される。コンソールパネル22の上方に位置するカバー筐体部分10b(対向する側壁11−1及び11−3)には、1又は複数のメダル投入装置21を設けることができる。
【0025】
メダル投入装置21は、プレイヤがゲーム装置1内部のゲーム空間へメダルを投入するのに用いられる。図1〜図5には、対向する側壁11−1及び11−3のそれぞれに4台(計8台)のメダル投入装置21が設けられた様子を例示している。メダル投入装置21は、カバー筐体部分10bの所定領域、例えばプレイヤが椅子(図示省略)に座った状態(あるいはプレイヤが立った状態でもよい)で操作しやすい位置に、所定の固定部材を用いて固定することができる。
【0026】
4つの側壁11−i(i=1〜4のいずれか)のうち、メダル投入装置21が設けられた側壁11−1及び11−3には、内部のゲーム空間を外部から視認できるように、それぞれガラスやアクリル、ポリカーボネート等の、可視光線を透過する透明部材を用いることができる。図1及び図2においては、例示的に、横方向(X軸方向)のスライド動作により開閉可能な2枚のガラス(又はアクリル)板111が所定の窓枠に取り付けられた様子を示している。
【0027】
図1及び図2に例示するように、透明部材、例えばガラス(又はアクリル)板111は、メダル投入装置21の固定部材を除いた周囲領域(例えば、X軸方向に隣接するメダル投入装置21−21間)にも適用することができる。これにより、側壁11−1及び11−3における透明領域の面積を増やすことができ、メダル投入装置21近傍のゲーム空間の視認性を向上することができる。
【0028】
メダル投入装置21の設けられていない残りの側壁11−2及び11−4の一部又は全部には、ハーフミラー等の可視光線の一部を反射し一部を透過する板状の部材(以下、「板状ビームスプリッター」ともいう。)を用いることができる。図1及び図3においては、例示的に、側壁11−2及び11−4のそれぞれに2枚のハーフミラー112が取り付けられた様子を示している。なお、ハーフミラー112は、ガラス(又はアクリル)板にハーフミラーフィルムを貼り付けたものでもよい。
【0029】
ゲーム装置1の内部のゲーム空間よりも当該ゲーム装置1の設置場所の照明が相対的に暗ければ、ハーフミラー112は、明るい側(ゲーム空間)からの光を透過する。したがって、ゲーム装置1の外側に位置する人は、側壁11−2及び11−4を通してそれぞれ内部のゲーム空間を視認することができる。
【0030】
逆に、暗い側(ゲーム装置1外部)からゲーム空間へは逆方向と比べて相対的に弱い光がハーフミラー112を透過する。したがって、ゲーム空間内の光の反射が優位になるから、側壁11−1又は11−3を成すガラス板111を通してゲーム空間を視認する者にとって、側壁11−2及び11−4を成すハーフミラー112はゲーム空間を映す鏡として機能する。その結果、ゲーム空間の照明度や空間的な広がり感を向上させることができる。また、プレイヤは、ゲーム装置1の反対側(平面視において対面あるいは対角線上)に位置する他のプレイヤステーション20に対応するゲーム空間の様子をハーフミラー112の反射により視認することも容易となる。
【0031】
カバー筐体部分10bが成すゲーム空間は、プレイヤステーション20の数に対応して空間的、仮想的に区画することができ、各区画のそれぞれには、メダルプッシャゲームを実施する種々の機構や装飾(電飾やゲーム空間を仮想的に広く見せるミラー等)を設けることができる。
【0032】
例示的に、ゲーム空間は図5に示すように平面視において4区画に分けることができ、各区画に対応するベース筐体部分10aのそれぞれに、メダルが載置されるメダルフィールド40(40−1〜40−4)と、当該メダルフィールド40上を例えばゲーム装置1の奥行き方向(Y軸方向)に往復動(スライド)可能なプレート状のプッシャ50とを設けることができる。
【0033】
なお、各区画は隣接する区画に対して互いに対称な構成とすることができる。例えば、ゲーム装置1のゲーム空間は、側壁11−1側から見た場合と反対側の側壁11−3側から見た場合とで同じ空間に見えるように構成することができ、また、側壁11−2側から見た場合と反対側の側壁11−4側から見た場合についても同じ空間に見えるように構成することができる。図1及び図2においては、ゲーム装置1内のゲーム空間の様子を把握し易いように構成の一部の図示を省略しており、そのため非対称に見える部分が存在する。
【0034】
プッシャ50は、例示的に、メダルフィールド40に対する立壁面となる端面51(図5参照)を有し、当該端面51にてメダルフィールド40に置かれているメダルを前記往復動により押し出し、当該メダルフィールド40の手前側端部に位置するメダルから順次落下させることができる。
【0035】
また、プッシャ50の上面もメダルが堆積可能となっており、投入されたメダル、あるいは例えば後述するメダル払い出し装置70によって払い出されたメダルは、まず、この上面に落下するように案内される。プッシャ50の上面に落下したメダルは、プッシャ50の往復動に伴って移動し、メダル払い出し装置70の下端部に接触することで、プッシャ50に対して相対的に前方へ移動する。新たに投入されたメダルが前方に移動する際に、上面に堆積しているメダルに押圧力が加わり、端面51の手前にメダルが落ちる。なお、往復動することにより、メダルフィールド40に置かれているメダルを押し出し順次落下させるというプッシャ50の機能に照らせば、当該プッシャ50の上面もメダルフィールド40の一部に含めて差し支えない。
【0036】
プッシャ50の往復動は、例えば、モーターの回転運動を所定ストローク量の直線(往復)運動に変換するクランク機構等を用いて実現することができる。図示を省略した既述のゲーム制御装置は、周期的又は間欠的なタイミングでプッシャ50を作動させることができる。なお、プッシャ50の往復動は、ソレノイドなどのアクチュエータや駆動源を用いて実現してもよい。
【0037】
プッシャ50は、対面するプレイヤステーション20に対応する2つのメダルフィールド40に共通化することができる。例えば、プッシャ50の形状を、平面視においてY軸方向両端に2つの端面51を有する矩形状とし、一方の端面51でメダルフィールド40−1(又は40−3)に置かれたメダルを押し、他方の端面51でメダルフィールド40−4(又は40−2)に置かれたメダルを押すことができるようにしてもよい。
【0038】
メダルフィールド40に例えば堆積した状態等で存在するメダル数が多くなると、プッシャ50の往復動に応じてプッシャ50の端面51から干渉(押圧力)を受けるメダル数が確率的に増える。メダルに押圧力が加わり、その押圧力が他のメダルに伝播することで、1又は複数のメダルを例えばメダルフィールド40と側壁11−1(11−3)との間に設けられた溝状の隙間(落下溝)60(図5参照)へ落下させることができる。落下溝60に落下したメダル(または当該落下したメダル数と同数の払い出し用メダル)は、ベース筐体部分10aに設けられたペイアウト装置(図示省略)及びメダル払い出し口(図示省略)を通じてプレイヤに払い出すことができる。
【0039】
したがって、プレイヤは、できるだけプッシャ50の端面51近傍にメダルが投入、配置されるよう、メダルフィールド40へのメダル投入位置を調整するとよい。メダル投入位置は、メダル投入装置21の水平面(XY平面)内の向きを操作することで調整可能である。メダルフィールド40に対するメダル投入位置が良ければ、プレイヤは、投入したメダル数以上の枚数のメダルを獲得可能である。
【0040】
なお、1つのメダルフィールド40につき複数のメダル投入装置21を設けることで、複数プレイヤが同じメダルフィールド40に対してメダルを投入してメダルプッシャゲームを楽しむことができる。図1〜図5に例示するゲーム装置1では、1つのメダルフィールド40につき2台のメダル投入装置21が設けられているから、4箇所のメダルフィールド40−1〜40−4でそれぞれ2人ずつ(最大8人)のプレイヤが同時にメダルプッシャゲームを実施可能である。なお、1人のプレイヤが2台のメダル投入装置21を操作してもよい。
【0041】
メダル投入装置21は、図5中に示すように、例示的に、メダル投入口(図示省略)を有するメダル投入部210と、前記メダル投入口に連通するとともに、メダルフィールド40に向けて延在し、かつ、鉛直下方に向かって傾斜するメダルスロープ(メダル通路)211とを備える。
【0042】
メダルスロープ211は、メダル1枚分が通過可能な厚さのスリットを有し、かつ、メダルの転がり移動を可能とするガイドレールを有する。メダル投入口に投入されたメダルは、当該ガイドレールを自重によってメダルフィールド40に向けて転がり落ちて、ガイドレールの先端(終端)部(以下、「メダル放出口」ともいう。)からメダルフィールド40に放出される。
【0043】
メダル放出口の向きは、水平面内において所定の角度範囲で変更できる。例えば、メダルスロープの途中に、プレイヤの操作に応じて水平面内で回動可能な1又は複数の可動部(関節部)212(図5参照)を設けることができる。当該可動部212を通じて、プレイヤは、メダル放出口の水平面内における向きを適宜に変更することで、メダルがメダルフィールド40に落下する位置を調整することができる。なお、代替的あるいは付加的に、メダル投入装置21の側壁11−1(11−3)への取り付け部分を、水平方向に回動可能な構造として、メダル放出口の向きを調節可能としてもよい。
【0044】
ゲーム空間には、各区画の一部又は全部に共通のゲーム演出装置を1又は複数設けることができる。第1のゲーム演出装置の一例は、メダルフィールド40に複数(例えば10枚)のメダルを一度に払い出し可能なメダル払い出し装置(以下、「小当たりメカ」ともいう)であり、例えばプッシャ50の上方で図5の平面視において符号70で示す位置に設けることができる。なお、以下、当該装置を「メダル払い出し装置70」と表記する。メダル払い出し装置70は、平面視においてゲーム装置1の奥行き方向(Y軸方向)に隣接する2つのメダルフィールド40に共通とすることができる。
【0045】
この場合、メダル払い出し装置70は、ゲーム制御装置(図示省略)の制御の下、Y軸方向に隣接する2つのメダルフィールド40の一方に対して選択的に複数メダルを一度に払い出すことができる。
【0046】
例えば、ゲーム制御装置において、ゲーム装置1の奥行き方向(Y軸方向)に対面するプレイヤステーション20の一方に抽選等による所定のゲーム条件が成立した場合に、メダル払い出し装置70は、当該ゲーム制御装置の制御を受けて、ゲーム条件の成立したプレイヤステーション20に対応するメダルフィールド40に、成立したゲーム条件に応じた所定枚数のメダルを一度に払い出すことができる。所定のゲーム条件とは、例えば、抽選結果として「小当たり」等と呼ばれる所定役が当選した場合などである。この場合、例えば数枚〜数十枚程度のメダルが配当として払い出される。
【0047】
メダル払い出し装置70へのメダルの供給及び補充は、例示的に、メダルホッパーと称される(第1の)メダル搬送装置71によって行なうことができる。メダル搬送装置71は、例えばベース筐体部分10aの底部からゲーム空間内に設置されたメダル払い出し装置70へ延在するメダル搬送路(メダルガイド)72にメダルを補充する。
【0048】
落下溝60以外の隙間や孔部からベース筐体部分10a内に落下しプレイヤに払い出されなかったメダル(払い出しの対象とならなかったメダル)は、図示を省略したメダル回収装置によって回収された後、メダル搬送装置71により搬送され、メダル払い出し装置70のメダルガイド72へ導入される。
【0049】
メダルガイド72は、例示的に、メダル1枚分が通過可能な厚さのスリット通路を有し、当該スリット通路を一枚ずつ後続のメダルに押されながら移動するメダルを整列させる。メダルガイド72は、例示的に、側壁11−2(11−4)の幅方向(Y軸方向)中心近傍のゲーム空間に、高さ方向(Z軸方向)に沿って設けることができる。
【0050】
第2のゲーム演出装置の一例は、ベース筐体部分10a上のゲーム空間の中央付近に設けられたセンターユニット80である。センターユニット80には、例示的に、水平面(XY平面)内で回転可能なターンテーブル81や、液晶ディスプレイ等の表示装置82を適宜に設けることができる。表示装置82には、ゲーム制御装置からの制御を受けてゲーム内容の説明等を適宜に表示させることができる。
【0051】
ターンテーブル81は、例えばモーターやギアを用いた回転駆動機構(図示省略)によって駆動することができる。当該回転駆動機構は、ゲーム制御装置からの制御を受けて、ターンテーブル81の回転方向や回転速度等を制御することが可能である。
【0052】
ターンテーブル81の露出面(例えば平面視においてドーナツ状のフィールド)には、メダルが載置される。以下、当該フィールドを「メダルフィールド81」と称する。メダルフィールド81には、例えばセンターユニット80に設けられたメダル供給装置(図示省略)からメダルが供給される。
【0053】
当該メダル供給装置へのメダルの供給及び補充は、(第2の)メダル搬送装置84(図1及び図2参照)によって行なうことができる。メダル搬送装置84は、例えばベース筐体部分10aの内部から天板12を経由してセンターユニット80へ延在するメダルガイド85を有する。メダルガイド85には、例えば既述のメダル回収装置によって回収されたメダルが導入される。
【0054】
メダルガイド85は、例示的に、メダル1枚分が通過可能な厚さのスリット通路を有し、当該スリット通路をメダルが一枚ずつ後続のメダルに押されながらセンターユニット80に設けられたメダル供給装置へ移動してゆく。
【0055】
メダルガイド85は、例示的に、側壁11−2(11−4)及び天板12の幅方向(Y軸方向)中心近傍のゲーム空間に、側壁11−2(11−4)及び天板12の長手方向の中心線に沿って設けることができる。メダルガイド85のスリット通路は、メダル払い出し装置70に至るメダルガイド72のスリット通路と部分的に共用されていてもよい。
【0056】
メダル搬送装置84(メダルガイド85)は、両側壁11−2及び11−4側にそれぞれ設けてもよい。この場合、センターユニット80、ひいてはメダルフィールド81への単位時間あたりの供給メダル数(メダル供給能力)を、片側1台の場合よりも増やすことが可能である。
【0057】
センターユニット80は、当該センターユニット80のメダルフィールド(以下、「共通フィールド」ともいう。)81から落下したメダルがメダルフィールド(以下、「個別フィールド」ともいう。)40のいずれかに落下しうるように、各プレイヤステーション20に対応するメダルフィールド40に連係した状態で配置することができる。
【0058】
共通フィールド81上には、例示的に、共通フィールド81とともに回転し、当該共通フィールド81の径方向(共通フィールド81上でフィールド中心からフィールド外周に向かう方向及びその逆の方向)に往復動(スライド)可能なプレート(プッシャ)83を設けることができる(図1及び図5参照)。
【0059】
プッシャ83は、共通フィールド(メダルフィールド)81に対する立壁面となる端面、例えば円弧状の端面を有するように形成することができる。当該円弧状の端面によって、共通フィールド81に置かれているメダルを前記往復動により共通フィールド81から落下するように押すことができる。プッシャ83から直接あるいは間接的に押圧力を受けて共通フィールド81から押し出されたメダルは、個別フィールド40のいずれかに落下し得る。
【0060】
プッシャ83の往復動も、例えば、モーターの回転運動を所定ストローク量の直線(往復)運動に変換するクランク機構や、ソレノイドなどのアクチュエータ、あるいは駆動源等を用いて実現することができる。ただし、プッシャ83の往復動は、当該プッシャ83の操作権限が与えられたプレイヤステーション20から制御可能とすることができる。
【0061】
プッシャ83の操作権限は、例えば、ゲーム制御装置において所定の抽選等によって特定のゲーム条件が成立したプレイヤステーション20に与えられるものとすることができる。操作権限を与えられたプレイヤステーション20では、例えばボタン装置23を操作(例えば押下)することでゲーム制御装置にプッシャ操作信号を与えてプッシャ83を作動させることができる。操作権限が与えられた状態であるか否かは、例えばゲーム制御装置がボタン装置23の照明制御(点灯、点滅等)を行なうことによって表示することができる。
【0062】
プレイヤは、ボタン装置23の操作権限が与えられたことを認識すると、当該操作権限が与えられたプレイヤの方を向いて静止したプッシャ83の押し出し方向がプレイ中の個別フィールド40に向かう方向となる角度範囲にある任意のタイミングで、ボタン装置23を操作することができる。ターンテーブル81は回転し続けており、プレイヤは、ターンテーブル81上のメダルやボールが移動して行くのを見ながら、狙ったメダルやボールを落とす目的でタイミングを図って当該ボタン装置23を適時に操作すると、プレイ中の個別フィールド40に向かう方向にプッシャ83の端面が押し出されて、共通フィールド81から当該個別フィールド40にメダルを落下させることができる。なお、プッシャ83の操作権限は所定時間、あるいは共通フィールド81の所定周回数だけ有効な設定にすることができる。
【0063】
以上のようなメダルプッシャゲームを実施可能なゲーム装置1では、ボールやカプセル等の、メダルとは異なる部材(オブジェクト)を遊戯の興趣性をより高める遊戯価値部材として追加的にメダルフィールド40又は81に供給できるようにしてもよい。ボールやカプセル等は、興趣性のより高いゲームを演出する遊戯価値部材の一例であり、例えば、メダルフィールド40又は81に供給されたボールが、1又は複数のメダルとともに所定の落下溝(前記メダルの落下溝60と共通でもよいし異なってもよい)に移動すると当該落下溝から落下する。
【0064】
当該ボールの落下を光センサ等で検出したゲーム装置1(ゲーム制御装置)は、所定の抽選を実施する。当該抽選の結果、小当たり等の役が当選すると、ゲーム装置1(ゲーム制御装置)は、メダル払い出し装置70によって、メダルを当選プレイヤに対応する個別フィールド40に供給する。
【0065】
ボールは、当選の種類(配当等)に応じて複数種類用意することができ、例えば、当選の種類に応じてボールの色やサイズ(径)を異ならせることができる。したがって、ゲーム制御装置において、ボール径が大きいほど当選時にメダル供給装置から個別フィールド40に放出するメダル数を多くするような設定も可能である。
【0066】
このようなボールを用いた演出を可能とするゲーム装置1には、例えば落下溝60からベース筐体部分10aの内部に落下したボールを回収してゲーム空間の所定領域(例えば、メダルフィールド40又は81)に再供給するボール循環装置90(図1〜図3参照)を設けることができる。
【0067】
ボール循環装置90には、例えば、メダルフィールド40又は81にボールを案内するボールスロープ91(図1参照)と、落下溝60から落下したボールを回収して当該ボールスロープ91の開始端(入口)へ搬送する搬送装置92(図1〜図3参照)とを備えることができる。
【0068】
例示的に、前記ボールスロープ91の入口(以下、「スロープ入口」ともいう。)は、メダルフィールド40及び81よりも鉛直上方に設けることができ、搬送装置92は、搬送方向が鉛直方向となるようにベース筐体部分10a内からゲーム空間へ突出して設置されて、回収したボールを前記スロープ入口に搬送(揚送)する。
【0069】
搬送装置92は、ゲーム装置1において1又は複数設けることができる。例えば、各メダルフィールド40別に搬送装置92をそれぞれ設けることもできる。この場合、各搬送装置92は、例示的に、平面視における側壁11−2及び11−4の中央近傍の空間に、隣接して配置することができる(図1及び図3参照)。
【0070】
搬送装置92には、例示的に、スクリューコンベヤを用いることができる。本例のスクリューコンベヤ92は、ゲーム空間で用いられる異なる径のボールを搬送物の一例として同じ搬送経路で搬送可能である。したがって、異なるボール径に個別のスクリューコンベヤあるいは個別の搬送経路を設けずに済み、ゲーム装置1の規模(設置スペース)やコスト等の低減化を図ることができる。
【0071】
(板状ビームスプリッター112)
図6および図7に、本実施形態の板状ビームスプリッター112等の構成例を示す。
【0072】
まず、カバー筐体部分10bを構成する4つの側壁11−1,11−2,11−3,11−4は、筐体10の内側と外側とを区画する透光性部材、例えば上述したようなガラスやアクリル、ポリカーボネート等の、可視光線を透過する透明部材などで構成されている。
【0073】
ここで、本実施形態では、これら側壁11−i(i=1〜4のいずれか)の内、プレイヤステーションが設けられていない面に板状ビームスプリッター112が取り付けられている。板状ビームスプリッター112は、一のプレイヤ(図6において符号Pで示している)があるプレイヤステーション(サテライト)20から見た場合のセンターユニット80裏の死角領域の少なくとも一部を反射像として当該プレイヤに映し出すとともに、当該側壁を通じて装置外からメダルフィールドの様子が視認可能な程度に内部からの光を透過する。
【0074】
以下、具体例を挙げて説明する(図6参照)。本実施形態のゲーム装置1においては筐体10が平面視矩形であり、4面ある側壁11−1〜11−4のうち、横幅が広い側壁11−1,11−3に、プレイヤステーション(サテライト)20が2つずつ、計4つ設けられている。また、これら以外の側壁11−2,11−4に、板状ビームスプリッター112が側壁のほぼ全面を覆うように取り付けられている。
【0075】
板状ビームスプリッター112は、光束を二つあるいはそれ以上に分割する光学装置であり、該ビームスプリッターに入射した光の一部を反射し、一部を透過させる。このような板状ビームスプリッター112の具体例としては、反射光と透過光の強さがほぼ等しいハーフミラーを挙げることができるが特にこれに限定されることはなく、反射光と透過光の強さが異なるものを用いてもよい。
【0076】
また、板状ビームスプリッター112は、一のプレイヤに対し、当該プレイヤからは直接視認することができないセンターユニット80裏の死角領域の少なくとも一部を反射像として映し出すように構成されている。具体例を挙げて説明すると、側壁11−2の少なくとも一部を覆うように取り付けられた板状ビームスプリッター112は、メダルフィールド40−1が形成されたプレイヤステーション20にて遊戯するプレイヤに対し、死角領域の様子(この場合、具体的には、メダルフィールド40−3付近に位置しているメダルMやボール(図6において符号Bで示している)の位置、堆積具合、状態など)を映し出す(図6参照)。
【0077】
すなわち、一般に、上述したターンテーブル81や、液晶ディスプレイ等の表示装置82など、装飾や各種動作、表示などのための各種装置(本明細書ではギミック装置ともいう)が設けられたセンターユニット80は、当該ゲーム装置1の存在感をアピールするべく特に上方向に大型化する場合が多い(図1等参照9)。このようなゲーム装置1においては、あるプレイヤから見て、センターユニット80の手前側や両側は視認することができても、センターユニット80の裏側は直接視認することができない。特に、メダルMや、遊戯価値部材としての各種ボールが載置されたターンテーブル81がセンターユニット80の周囲を回転する構成のゲーム装置1の場合、回転中にこれらメダルMやボールがセンターユニット80の裏に隠れ、その間の状況を把握することができない。本実施形態の場合、ターンテーブル81上のメダルMやボールは全プレイヤステーション20に共通であり、どのプレイヤも獲得することが可能となっている。したがって、誰がどのボール(遊戯価値部材)を獲得したのかという情報は、プレイヤ心理として気になる所であり、ゲームの興趣性を盛り上げる一因ともなっている。
【0078】
この点、本実施形態のゲーム装置1においては、側壁11−2の少なくとも一部を構成する板状ビームスプリッター112、および側壁11−4の少なくとも一部を覆うように取り付けられた板状ビームスプリッター112を利用することにより、各プレイヤは死角となる領域の様子を確認することが可能である。したがって、ターンテーブル81の回転に伴い、それまで直接見ることができたメダルMやボール(遊戯価値部材)がセンターユニット80の裏に隠れたとしても、当該隠れた部分の様子を板状ビームスプリッター112を利用して視認し、把握することができる。
【0079】
しかも、本実施形態のゲーム装置1における板状ビームスプリッター112は、当該側壁11−2,11−4を通じて装置外からメダルフィールド40など装置内の様子が視認可能な程度に内部からの光を透過する。このため、来場者や通行者など、プレイヤ以外の者が外側から当該ゲーム装置1内の様子を視認することの妨げとはならない。
【0080】
一般に、ハーフミラーといった板状ビームスプリッター112はガラス等よりも光透過率が低いが、暗い場所から明るい場所を通して見た場合は高い視認性が得られやすい。この点、メダル型のゲーム装置1の設置場所は照明が比較的抑えめであることが多い反面、筐体10の内部は電飾による照明や点灯、ライトアップがなされており明るい。このため、プレイヤ以外の者に対して当該ゲーム装置1の脇から内部の様子を視認させ、興味を惹くようにアピールすることができるという利点がある。
【0081】
その一方で、比較的明るい筐体10の内部を見るプレイヤ等にとっては、板状ビームスプリッター112は鏡面のように機能するから、装置外の様子は視認し難い。この場合、プレイヤ等にとっては、メダルフィールド40等、筐体内10の明るい各種装置が板状ビームスプリッター112の表面にも映し出され、実際より広い空間が筐体10内に広がっているかのような視覚効果が感じられる。特に、本実施形態のごとく、プレイヤから見て左右に位置する側壁11−2,11−4の両方に板状ビームスプリッター112を配した場合には、内部の奥行き感が大きく増すことにもなる。また、ゲーム装置1の多数のメダルMやボール(遊戯価値部材)もこれら板状ビームスプリッター112に映り込むから、これらボール等がより一層多く存在するように見えるいわば賑やかし効果を演出することもできる(図7参照)。加えて、メダルフィールド40上の電飾によるライトアップが板状ビームスプリッター112により反射することで、これらメダルフィールド40をより明るくすることができるという光学的な視覚効果を演出することもできる。
【0082】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した実施形態では支点76を中心として案内部材(可動レール)75を傾動させるようにした構成を説明したが、これは一例に過ぎず、例えば上述した実施形態では側壁11−2,11−4の一部を板状ビームスプリッター112で構成する場合を例示したが、もちろん、側壁11−2,11−4の全部を板状ビームスプリッター112で構成してもよい。また、側壁11以外の箇所、例えば天板12にも板状ビームスプリッター(あるいは鏡でもよい)を配置し、奥行き感や明るさの演出効果をさらに増大させるようにしてもよい。
【0083】
また、上述した実施形態では、ゲーム装置1の側壁11−2及び11−4の一部が板状ビームスプリッター112で構成されている形態を例示したが、ここでいう「構成されている」とは、側壁(上述の実施形態の場合、側壁11−2及び11−4)の少なくとも一部にハーフミラーの機能を備えさせることであり、側壁11−2及び11−4の内側または外側の少なくとも一部を覆うようにハーフミラーを取り付けたり、あるいはハーフミラーフィルムを貼り付けたりすることを含む。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、複数のプレイヤが当該装置の外部から当該装置内のメダルフィールドへメダルを投入して遊戯する装置であって、当該装置の略中央に配置されたセンターユニットを備えるメダル遊戯装置に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0085】
1…ゲーム装置(メダル遊戯装置)、10…筐体、10a…ベース筐体部分、10b…カバー筐体部分、11−1〜11−4…側壁、12…天板、20…プレイヤステーション(サテライト部)、21…メダル投入装置、22…コンソールパネル、23…ボタン装置、30…スピーカ、40…メダルフィールド(個別フィールド)、41…傾斜部、42…表示装置、50…プッシャ、51…端面、60…落下溝、70…小当たりメカ(メダル払い出し装置)、71…メダルホッパー(メダル搬送装置)、72…メダルガイド、80…センターユニット、81…ターンテーブル(メダルフィールド(共通フィールド))、82…表示装置、83…プッシャ、84…メダル搬送装置、85…メダルガイド、111…ガラス板、112…ハーフミラー(板状ビームスプリッター)、210…メダル投入部、211…メダルスロープ(メダル通路)、212…可動部(関節部)、B…ボール(遊戯価値部材)、M…メダル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤが当該装置の外部から当該装置内のメダルフィールドへメダルを投入して遊戯することが可能なメダル遊戯装置において、
当該メダル遊戯装置の略中央に配置されたセンターユニットと、
該センターユニットを挟んで少なくとも一対が反対側に位置するように当該遊戯装置の筐体に配され、各プレイヤが遊戯するための遊戯スペースとなるサテライト部と、
前記筐体の内側と外側とを区画する透光性の側壁と、
を備え、
前記側壁の一部が、一のプレイヤが前記サテライト部から見た場合の前記センターユニット裏の死角領域の少なくとも一部を反射像として当該プレイヤに映し出すとともに、当該側壁を通じて装置外から装置内の様子が視認可能な程度に内部からの光を透過する板状ビームスプリッターで構成されている、メダル遊戯装置。
【請求項2】
前記メダルを使った遊戯の興趣性を高めるための遊戯価値部材をさらに含み、前記メダルおよび前記遊戯価値部材を載置した状態で回転するターンテーブルを備えている、請求項1に記載のメダル遊戯装置。
【請求項3】
前記ターンテーブルは、前記センターユニットの周囲を回転するものである、請求項2に記載のメダル遊戯装置。
【請求項4】
前記筐体が平面視矩形であり、4面ある前記側壁のうちの一面および該面と対向する面に前記サテライト部が設けられ、残りの側壁の少なくとも一部が前記板状ビームスプリッターで構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のメダル遊戯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−101732(P2011−101732A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257814(P2009−257814)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)