メダル遊技機
【課題】遊技者が自分に適したメダル投入部の種類を容易かつ任意に選択できるようにすることにより、誰もが快適に遊技ができるようにする等のメダル遊技機を提供する。
【解決手段】スロットマシン１のコンパネ１８に、相互に形状が異なる複数種類のメダル投入部材１１０、１１１、１１２を配列したターンテーブル１０１を回動自在に設ける。各メダル投入部材は遊技者の特性や好みに応じて複数種類備えられ、遊技者がターンテーブルを回動操作することでいずれかのメダル投入部材をスリット１８０ａの位置に選択的に整合させる。これにより、一般遊技者の誰でもが公平快適にメダルの投入操作を行うことができるようになる。
【解決手段】スロットマシン１のコンパネ１８に、相互に形状が異なる複数種類のメダル投入部材１１０、１１１、１１２を配列したターンテーブル１０１を回動自在に設ける。各メダル投入部材は遊技者の特性や好みに応じて複数種類備えられ、遊技者がターンテーブルを回動操作することでいずれかのメダル投入部材をスリット１８０ａの位置に選択的に整合させる。これにより、一般遊技者の誰でもが公平快適にメダルの投入操作を行うことができるようになる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、遊技メダルの投入を条件に遊技が開始されるスロットマシン等のメダル遊技機に関する。
【背景技術】
【０００２】
パチンコホールやゲームセンタ等の遊技施設に多数設置され、遊技者が購入しまたは借り受けた遊技メダル（以下、単に「メダル」という）の投入を条件に遊技を提供するメダル遊技機として、例えばスロットマシンが知られている。従来のスロットマシンは、回転することで図柄を変動表示する例えば３列のリールと、入賞等の際にメダルを払い出すホッパー装置等が筐体内部に設けられ、また、遊技者が遊技操作するコンソールパネル（以下、単に「コンパネ」という）には、メダルを投入するためのメダル投入部、投入したメダルを賭けてゲーム開始を指示するためのベットボタン、リールの回転開始を指示するためのスタートレバー及びリールの回転停止を指示するためのストップボタン等が配設されている。
【０００３】
例えばスロットマシンの遊技者は、メダルをメダル投入部に投入して所定枚数賭けた後、スタートレバーを操作してリールを回転させる。そして、ストップボタンを操作してそれぞれ停止させたリールが表示する図柄の種類が揃う等、所定の態様で図柄を表示できたとき入賞が成立し、その図柄（入賞）に応じたメダルが配当として払い戻される。また、遊技者は、メダルをメダル投入部に投入することで、一定枚数までのメダルを内部に貯留（クレジット）することもできる。すなわち、上述のベットボタンが操作されることで、既に貯留したクレジットが消費されてメダルが賭けられ、ゲーム開始の条件が整うようになっている。
【０００４】
なお、かかるメダルを用いるメダル遊技機としてはスロットマシンが代表的ではあるが、その他にも例えば雀球遊技機やメダル落としゲーム機、ルーレットゲーム機等のメダルを賭けることが必要な遊技機も総じてメダル遊技機に含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところで、上述した従来のメダル遊技機においては、メダルの投入口であるスリットにメダルを誘導するためのメダル投入部が筐体前部のコンパネに設けられている。従来のメダル投入部は、一般的な遊技者がメダルをスリットに投入し易い形状に形成されてはいるものの、人口統計上多数を占める例えば右利きの遊技者に適合した設計仕様となっている。このため、例えば左利きの遊技者にとっては逆にメダルの投入がし難くなり、このような遊技操作行為において不満や不都合を感じる遊技者も少なからずいた。
【０００６】
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、遊技者自身に適したメダル投入部を容易かつ任意に選択できるようにすることにより、一般遊技者の誰でもが快適に遊技ができるようにする等のメダル遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上述した課題を解決するために有効な手段について、必要に応じて作用または効果等を示しながら説明する。なお、理解を容易にするため、本明細書中の実施の形態において対応する構成要素を符号とともに括弧書き等で適宜例示するが、これらの具体的構成は本発明を限定するものではない。
【０００８】
手段１．遊技者が遊技メダルを投入することを条件に遊技を提供するメダル遊技機（スロットマシン１）であって、当該メダル遊技機のコンソールパネル（コンパネ１８）には前記遊技メダルの投入を受け容れるスリット（スリット１８０ａ）が開口形成され、相互に形状が異なる複数種類のメダル投入部材（メダル投入部材１１０、１１１、１１２）がターンテーブル（ターンテーブル１０１）の回動中心に対して同一半径円上に配設されるとともに、前記ターンテーブルは、複数種類の前記メダル投入部材のうち遊技者が任意に選択するいずれかを前記スリットの位置に整合可能なように前記コンソールパネルに対し回動自在に設けられていることを特徴とする。
【０００９】
この手段を備えてなるメダル遊技機によれば、遊技者が好むまたは自分に合った形状・種類のメダル投入部材を容易かつ任意に選択することができ、誰もが公平快適に遊技メダルの投入を行うことができるようになる。したがって、遊技の操作性をより向上させる。
【００１０】
手段２．前記各メダル投入部材を前記スリットの位置に整合させた回動位置にある前記ターンテーブルを保持するための節度装置が更に設けられ、前記節度装置は、前記各メダル投入部材に対応して前記ターンテーブルに裏面に形成される複数の係合孔（係合孔１０３）と、前記各係合孔の何れかと弾性的に係合して当該係合孔に対応するメダル投入部材を前記スリットの位置に保持する押圧突起（押圧突起１０４ａ）とを備えてなることを特徴とする。
【００１１】
この手段を備えてなるメダル遊技機によれば、節度装置がターンテーブルの回動操作に節度操作感を生じさせ、その節度操作感を通じて、遊技メダルを投入可能なターンテーブルの回動位置を遊技者に的確に認識させる。
【発明の効果】
【００１２】
本発明のメダル遊技機によれば、遊技者が好むまたは自分に合った形状・種類のメダル投入部材を容易かつ任意に選択することができ、一般遊技者の誰もが公平快適に遊技メダルの投入を行うことができるようになる。したがって、遊技の操作性をより向上させることが可能となる。また、遊技者は、ターンテーブルの回動操作によって感じる節度操作感を通じて、各メダル投入部材がスリットに整合する位置、つまり遊技メダルを投入可能な回動位置を容易かつ的確に知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下、本発明に係るメダル遊技機の好適な実施形態としてスロットマシン１を説明する。図１は、スロットマシン１の外観構造を表した斜視図である。スロットマシン１は、矩形箱状のキャビネット２と、当該キャビネット２に開閉可能に取り付けられる前扉３とからなる筐体を備えている。通常時においては、図１に示されるように、前扉３がキャビネット２に対し閉塞した状態で施錠されている。
【００１４】
前扉３の前面側には、遊技者に面する化粧板としてのいわゆるフロントパネルが形成されている。フロントパネルの上段部には、高輝度のＬＥＤを内蔵する上部ランプ５やコーナーランプ６ａ、６ｂ、また、スピーカを内蔵する左右の放音部７ａ、７ｂなどが配設されている。
また、フロントパネル上段部の中央に、液晶表示装置８が配設されている。なお、上部ランプ５、コーナーランプ６ａ、６ｂ、液晶表示装置８は、ゲームを演出する演出手段として主に用いられる。
【００１５】
フロントパネルの中段部には、平坦な樹脂板からなる中パネル９が設けられ、中パネル９の中央に形成された四角形の透明領域である表示窓９ａを介して、キャビネット２内部の３個のリール１０ａ、１０ｂ、１０ｃが視認可能とされている。なお、各リール１０ａ、１０ｂ、１０ｃは、それぞれ独立して回転可能であり、それぞれの外周面に描かれた縦３個、横３列の図柄（図示略）が表示窓９ａを介して変動表示されるようになっている。
【００１６】
中パネル９の下方には、前方に若干突出する卓状のコンパネ（コンソールパネル）１８が形成されている。このコンパネ１８には、ゲームに賭けるメダルを投入するための、本発明に関わる特徴的な構成でもある回動式メダル投入部１００と、ゲーム開始を操作指示するためのベットボタン１２と、リール１０ａ、１０ｂ、１０ｃの回転開始操作をするためのスタートレバー１３と、各リール１０ａ、１０ｂ、１０ｃの回転停止操作をするためのストップボタン１４ａ、１４ｂ、１４ｃ等がそれぞれ所定の位置に配設されている。なお、回動式メダル投入部１００の詳細については後述する。
【００１７】
フロントパネルの下段部には、スロットマシン１のモデルタイプ等を遊技者へ認識させるための、例えば登場キャラクターの絵柄（図示略）などが印刷された略四角形のプラスチック板である下パネル１５が取り付けられている。
フロントパネルの最下部には、入賞等の際にメダルを払い出すためのメダル払出口１６と、メダル払出口１６から払い出されたメダルを貯留するための受け皿４ａが形成された下皿部材４が取り付けられている。また、下皿部材４には、スピーカを内蔵する放音部１７ａ、１７ｂがそれぞれ左右位置に形成されている。
【００１８】
かかる構成のスロットマシン１は、マイコンからなる図示しない内部の主制御基板によりゲーム動作が制御される。すなわち、スロットマシン１は、先のゲームにおいて入賞しメダルの払い出しを完了させた時、または先のゲームにおいてハズレが確定すると待機状態となる。この状態において、遊技者がベットボタン１２を押圧操作することにより、内部に貯留したメダル（クレジット）から当該ゲームにメダルが賭けられゲームが開始する。このゲーム開始の状態でスタートレバー１３が傾倒操作されると、主制御基板は、リール１０ａ、１０ｂ、１０ｃを一斉に回転させると同時に、表示窓９ａに設定される有効ラインに引き込み停止制御可能な図柄の組み合せ、すなわち内部役を抽選する。
【００１９】
この内部抽選により何れかの内部役を当選したとき（当選した内部役を「内部当選役」ともいう）、その結果が主制御基板のＲＡＭの所定記憶領域に設定される内部当選フラグにセットされる。なお、この内部当選フラグがセットされ入賞が内定している状態を「内部当選状態」という。
【００２０】
次に、主制御基板は、ストップボタン１４ａ、１４ｂ、１４ｃが押圧操作されるに応じて対応するリールを順に停止させる。そして、主制御基板は、全てのリール１０ａ、１０ｂ、１０ｃが停止したのを検知した後、各リールが有効ラインに表示する図柄の組み合せと、上述の内部当選フラグで参照される当選した入賞に係る図柄の組み合せとが一致するか否か判定する。そして、何れかの有効ラインにおいて図柄が一致したとき当該入賞が確定し、配当されるメダルの数だけクレジットが加算される。また、配当された結果、クレジットがその上限を超える場合には、その上限を超える枚数分のメダルをメダル払出口１６より遊技者に払い出している。
【００２１】
このように、スロットマシン１の遊技者は、回動式メダル投入部１００からメダルを投入した後、リール１０ａ、１０ｂ、１０ｃを回転・停止させる遊技操作を行って変動表示した図柄が揃わなければ賭けたメダルを失うが、内部当選した組み合せで図柄を揃えることにより入賞が成立し賭けた以上のメダルを獲得し得るので、技量と運によりメダルを増やすという興趣を伴ったゲームを楽しむことができる。
【００２２】
次に、回動式メダル投入部１００について図１〜図３を参照して詳細に説明する。ここで、図２は、スロットマシン１の前扉３の断面図であるが、主にコンパネ１８を上方からみた場合の外観構造を表した図である。また、図３は、回動式メダル投入部１００の中心位置で切断した場合において当該回動式メダル投入部１００の部分の構造を主に表した縦断面図である。
【００２３】
回動式メダル投入部１００は、円盤状のターンテーブル１０１と、ターンテーブル１０１の円周に沿ってほぼ等間隔で配置された、例えば３個の形状及び種類が異なるメダル投入部材１１０、１１１、１１２とを備えている。例えば１つ目のメダル投入部材１１０は、従来のスロットマシンに設けられているメダル投入部を踏襲する形状を有している。すなわち、メダル投入部材１１０は、複数枚のメダルを層状に並べた状態で、その端から１枚ずつスリット１８０ａ（図３参照）に通じる投入口１１０ａにメダルを落下させて投入できるようになっている。なお、メダル投入部材１１０は、主に右利きの遊技者にとってメダルを投入しやすいように、投入口１１０ａにメダルを誘導する右側の土手の部分が左側のそれよりも低く形成されている。
【００２４】
また、２つ目のメダル投入部材１１１は、従来のメダル投入部と同様に層状に並べた複数枚のメダルを端から１枚ずつ投入口１１１ａに投入できるようになっている。ただし、１つ目のメダル投入部材１１０とは異なり、主に左利きの遊技者にとって投入しやすいように投入口１１１ａの左側の土手の部分が右側よりも低く形成されている。
【００２５】
また、３つ目のメダル投入部材１１２は、従来のスロットマシンのメダル投入部とは全くコンセプトが異なる形態を有するものであり、図に示すように投入口１１２ａの部分がバケット状に大きく開口して形成されている。これにより、メダル投入部材１１２に投げ入れられたメダルは、投入口１１２ａ内の底面部に沿って流下し、自然に整列して１枚ずつスリット１８０ａから下方のメダルセレクタ２０（図３参照）へ案内されるようになっている。したがって、遊技者は、複数枚のメダルを手の中で並べて揃えなくても、メダル投入部材１１２にメダルを無造作に投げ入れるだけで、一度に複数枚のメダルを投入することができる。
【００２６】
かかる複数種類のメダル投入部材１１０、１１１、１１２は、ターンテーブル１０１の回動中心に対して同一半径円上に配設されている。ターンテーブル１０１は、複数のメダル投入部材１１０、１１１、１１２のうち遊技者が任意に選択するいずれかを、コンパネ１８の上面部１８０に形成したスリット１８０ａの位置に整合可能なように回動自在に設けられている。
【００２７】
すなわち、図３に参照されるように、ターンテーブル１０１の裏面には、その回動中心に回動軸１０２が植設して形成され、コンパネ１８の前方部１８１内に固定されているベアリング１０５にこの回動軸１０２が締まり嵌めされた状態で固定されている。これにより、ターンテーブル１０１がコンパネ１８に対し回動自在に軸支されている。
【００２８】
また、コンパネ１８の上面部１８０には、ターンテーブル１０１の回動操作に節度感を与えて所定位置に保持する節度装置が設けられている。節度装置は、図３に示されるように表面がボール状の押圧突起１０４ａを有しこれを内部で付勢する係合部材１０４と、ターンテーブル１０１の裏面において、回動軸１０２を中心に各メダル投入部材１１０、１１１、１１２に対応して同一半径円上に形成された凹溝状の係合孔１０３、１０３、１０３とから構成される。コンパネ１８内で固定されている係合部材１０４の押圧突起１０４ａが、ターンテーブル１０１の係合孔１０３、１０３、１０３の何れかと弾性的に係合することで、当該係合孔１０３に対応するメダル投入部材がスリット１８０ａの位置に保持される。そして、いずれかのメダル投入部材１１０、１１１、１１２がコンパネ１８の上面部１８０に開口形成されたスリット１８０ａに位置整合した状態で、当該メダル投入部材にメダルを投入することで、スリット１８０ａを介して連通するメダルセレクタ２０にメダルが案内されるようになっている。
【００２９】
また、遊技者が自らの意思でメダル投入部材を変更しようとする場合には、ターンテーブル１０１を回動操作することにより、当該係合孔１０３に係合していた押圧突起１０４ａが係合部材１０４内に没入しターンテーブル１０１の裏面と相対的に摺接する。そして、遊技者が所望するメダル投入部材をスリット１８０ａの位置に整合させると、これに対応する係合孔１０３に押圧突起１０４ａが突出し再び係合し、これによりターンテーブル１０１を当該メダル投入部材を介してメダルを投入可能な位置に保持することができる。
また、ターンテーブル１０１の回動操作に節度操作感（クリックフィーリング）を生じさせ、その節度操作感を通じて各メダル投入部材１１０、１１１、１１２がスリット１８０ａに位置整合する回動位置、つまりメダルを投入可能なターンテーブル１０１の回動位置を遊技者に容易かつ的確に認識させることができる。
【００３０】
なお、本発明に係る相互に形状が異なる複数種類のメダル投入部材の他の実施例として、図４（ａ）〜（ｄ）に示される外観形状のメダル投入部材１１３、１１４、１１５、１１６などが挙げられる。但し、本発明はこの実施の形態で例示した形状に限定されるものではなく、様々なデザインが採用できることは言うまでもない。
【００３１】
以上説明したように本実施形態のスロットマシン１によれば、遊技者が好むまたは自分に合った形状・種類のメダル投入部材を自由に選択することができ、誰もが公平快適にメダルの投入を行うことができる。これにより、ゲーム操作性を向上させ、ゲームをより楽しむことができる。また、例えばゲームにハマリ中の遊技者がターンテーブル１０１を廻して適宜にメダル投入部材１１０、１１１、１１２の種類を変更することで、ゲームに対する気分転換の効果をも与えることができる。また、遊技者は、ターンテーブル１０１の回動操作によって感じる節度操作感を通じて、メダルを投入可能な適切な回動位置を容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３２】
【図１】本発明に係るメダル遊技機の一実施形態であるスロットマシンの外観斜視図である。
【図２】図１に示したスロットマシンの前扉の断面図であり、主にコンパネの上面構造を表した図である。
【図３】図１に示したスロットマシンの前扉の縦断面図であり、主に回動式メダル投入部の断面構造を表した図である。
【図４】本発明に係るメダル投入部材の実施例を示した斜視図である。
【符号の説明】
【００３３】
１ スロットマシン
２ キャビネット ３ 前扉
４ 下皿部材 ５ 上部ランプ
６ａ、６ｂ コーナーランプ ７ａ、７ｂ 放音部
８ 液晶表示装置 ９ 中パネル
９ａ 表示窓 １０ａ、１０ｂ、１０ｃ リール
１１ メダル投入部 １２ ベットボタン
１３ スタートレバー １４ａ、１４ｂ、１４ｃ ストップボタン
１５ 下パネル １６ メダル払出口
１７ａ、１７ｂ 放音部 １８ コンパネ（コンソールパネル）
１００ 回動式メダル投入部
１０１ ターンテーブル １０２ 回動軸
１０３ 係合孔 １０４ 係合部材
１０４ａ 押圧突起 １０５ ベアリング
１１０、１１１、１１２ メダル投入部材 １８０ 上面部
１８０ａ スリット １８１ 前方部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、遊技メダルの投入を条件に遊技が開始されるスロットマシン等のメダル遊技機に関する。
【背景技術】
【０００２】
パチンコホールやゲームセンタ等の遊技施設に多数設置され、遊技者が購入しまたは借り受けた遊技メダル（以下、単に「メダル」という）の投入を条件に遊技を提供するメダル遊技機として、例えばスロットマシンが知られている。従来のスロットマシンは、回転することで図柄を変動表示する例えば３列のリールと、入賞等の際にメダルを払い出すホッパー装置等が筐体内部に設けられ、また、遊技者が遊技操作するコンソールパネル（以下、単に「コンパネ」という）には、メダルを投入するためのメダル投入部、投入したメダルを賭けてゲーム開始を指示するためのベットボタン、リールの回転開始を指示するためのスタートレバー及びリールの回転停止を指示するためのストップボタン等が配設されている。
【０００３】
例えばスロットマシンの遊技者は、メダルをメダル投入部に投入して所定枚数賭けた後、スタートレバーを操作してリールを回転させる。そして、ストップボタンを操作してそれぞれ停止させたリールが表示する図柄の種類が揃う等、所定の態様で図柄を表示できたとき入賞が成立し、その図柄（入賞）に応じたメダルが配当として払い戻される。また、遊技者は、メダルをメダル投入部に投入することで、一定枚数までのメダルを内部に貯留（クレジット）することもできる。すなわち、上述のベットボタンが操作されることで、既に貯留したクレジットが消費されてメダルが賭けられ、ゲーム開始の条件が整うようになっている。
【０００４】
なお、かかるメダルを用いるメダル遊技機としてはスロットマシンが代表的ではあるが、その他にも例えば雀球遊技機やメダル落としゲーム機、ルーレットゲーム機等のメダルを賭けることが必要な遊技機も総じてメダル遊技機に含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところで、上述した従来のメダル遊技機においては、メダルの投入口であるスリットにメダルを誘導するためのメダル投入部が筐体前部のコンパネに設けられている。従来のメダル投入部は、一般的な遊技者がメダルをスリットに投入し易い形状に形成されてはいるものの、人口統計上多数を占める例えば右利きの遊技者に適合した設計仕様となっている。このため、例えば左利きの遊技者にとっては逆にメダルの投入がし難くなり、このような遊技操作行為において不満や不都合を感じる遊技者も少なからずいた。
【０００６】
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、遊技者自身に適したメダル投入部を容易かつ任意に選択できるようにすることにより、一般遊技者の誰でもが快適に遊技ができるようにする等のメダル遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上述した課題を解決するために有効な手段について、必要に応じて作用または効果等を示しながら説明する。なお、理解を容易にするため、本明細書中の実施の形態において対応する構成要素を符号とともに括弧書き等で適宜例示するが、これらの具体的構成は本発明を限定するものではない。
【０００８】
手段１．遊技者が遊技メダルを投入することを条件に遊技を提供するメダル遊技機（スロットマシン１）であって、当該メダル遊技機のコンソールパネル（コンパネ１８）には前記遊技メダルの投入を受け容れるスリット（スリット１８０ａ）が開口形成され、相互に形状が異なる複数種類のメダル投入部材（メダル投入部材１１０、１１１、１１２）がターンテーブル（ターンテーブル１０１）の回動中心に対して同一半径円上に配設されるとともに、前記ターンテーブルは、複数種類の前記メダル投入部材のうち遊技者が任意に選択するいずれかを前記スリットの位置に整合可能なように前記コンソールパネルに対し回動自在に設けられていることを特徴とする。
【０００９】
この手段を備えてなるメダル遊技機によれば、遊技者が好むまたは自分に合った形状・種類のメダル投入部材を容易かつ任意に選択することができ、誰もが公平快適に遊技メダルの投入を行うことができるようになる。したがって、遊技の操作性をより向上させる。
【００１０】
手段２．前記各メダル投入部材を前記スリットの位置に整合させた回動位置にある前記ターンテーブルを保持するための節度装置が更に設けられ、前記節度装置は、前記各メダル投入部材に対応して前記ターンテーブルに裏面に形成される複数の係合孔（係合孔１０３）と、前記各係合孔の何れかと弾性的に係合して当該係合孔に対応するメダル投入部材を前記スリットの位置に保持する押圧突起（押圧突起１０４ａ）とを備えてなることを特徴とする。
【００１１】
この手段を備えてなるメダル遊技機によれば、節度装置がターンテーブルの回動操作に節度操作感を生じさせ、その節度操作感を通じて、遊技メダルを投入可能なターンテーブルの回動位置を遊技者に的確に認識させる。
【発明の効果】
【００１２】
本発明のメダル遊技機によれば、遊技者が好むまたは自分に合った形状・種類のメダル投入部材を容易かつ任意に選択することができ、一般遊技者の誰もが公平快適に遊技メダルの投入を行うことができるようになる。したがって、遊技の操作性をより向上させることが可能となる。また、遊技者は、ターンテーブルの回動操作によって感じる節度操作感を通じて、各メダル投入部材がスリットに整合する位置、つまり遊技メダルを投入可能な回動位置を容易かつ的確に知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下、本発明に係るメダル遊技機の好適な実施形態としてスロットマシン１を説明する。図１は、スロットマシン１の外観構造を表した斜視図である。スロットマシン１は、矩形箱状のキャビネット２と、当該キャビネット２に開閉可能に取り付けられる前扉３とからなる筐体を備えている。通常時においては、図１に示されるように、前扉３がキャビネット２に対し閉塞した状態で施錠されている。
【００１４】
前扉３の前面側には、遊技者に面する化粧板としてのいわゆるフロントパネルが形成されている。フロントパネルの上段部には、高輝度のＬＥＤを内蔵する上部ランプ５やコーナーランプ６ａ、６ｂ、また、スピーカを内蔵する左右の放音部７ａ、７ｂなどが配設されている。
また、フロントパネル上段部の中央に、液晶表示装置８が配設されている。なお、上部ランプ５、コーナーランプ６ａ、６ｂ、液晶表示装置８は、ゲームを演出する演出手段として主に用いられる。
【００１５】
フロントパネルの中段部には、平坦な樹脂板からなる中パネル９が設けられ、中パネル９の中央に形成された四角形の透明領域である表示窓９ａを介して、キャビネット２内部の３個のリール１０ａ、１０ｂ、１０ｃが視認可能とされている。なお、各リール１０ａ、１０ｂ、１０ｃは、それぞれ独立して回転可能であり、それぞれの外周面に描かれた縦３個、横３列の図柄（図示略）が表示窓９ａを介して変動表示されるようになっている。
【００１６】
中パネル９の下方には、前方に若干突出する卓状のコンパネ（コンソールパネル）１８が形成されている。このコンパネ１８には、ゲームに賭けるメダルを投入するための、本発明に関わる特徴的な構成でもある回動式メダル投入部１００と、ゲーム開始を操作指示するためのベットボタン１２と、リール１０ａ、１０ｂ、１０ｃの回転開始操作をするためのスタートレバー１３と、各リール１０ａ、１０ｂ、１０ｃの回転停止操作をするためのストップボタン１４ａ、１４ｂ、１４ｃ等がそれぞれ所定の位置に配設されている。なお、回動式メダル投入部１００の詳細については後述する。
【００１７】
フロントパネルの下段部には、スロットマシン１のモデルタイプ等を遊技者へ認識させるための、例えば登場キャラクターの絵柄（図示略）などが印刷された略四角形のプラスチック板である下パネル１５が取り付けられている。
フロントパネルの最下部には、入賞等の際にメダルを払い出すためのメダル払出口１６と、メダル払出口１６から払い出されたメダルを貯留するための受け皿４ａが形成された下皿部材４が取り付けられている。また、下皿部材４には、スピーカを内蔵する放音部１７ａ、１７ｂがそれぞれ左右位置に形成されている。
【００１８】
かかる構成のスロットマシン１は、マイコンからなる図示しない内部の主制御基板によりゲーム動作が制御される。すなわち、スロットマシン１は、先のゲームにおいて入賞しメダルの払い出しを完了させた時、または先のゲームにおいてハズレが確定すると待機状態となる。この状態において、遊技者がベットボタン１２を押圧操作することにより、内部に貯留したメダル（クレジット）から当該ゲームにメダルが賭けられゲームが開始する。このゲーム開始の状態でスタートレバー１３が傾倒操作されると、主制御基板は、リール１０ａ、１０ｂ、１０ｃを一斉に回転させると同時に、表示窓９ａに設定される有効ラインに引き込み停止制御可能な図柄の組み合せ、すなわち内部役を抽選する。
【００１９】
この内部抽選により何れかの内部役を当選したとき（当選した内部役を「内部当選役」ともいう）、その結果が主制御基板のＲＡＭの所定記憶領域に設定される内部当選フラグにセットされる。なお、この内部当選フラグがセットされ入賞が内定している状態を「内部当選状態」という。
【００２０】
次に、主制御基板は、ストップボタン１４ａ、１４ｂ、１４ｃが押圧操作されるに応じて対応するリールを順に停止させる。そして、主制御基板は、全てのリール１０ａ、１０ｂ、１０ｃが停止したのを検知した後、各リールが有効ラインに表示する図柄の組み合せと、上述の内部当選フラグで参照される当選した入賞に係る図柄の組み合せとが一致するか否か判定する。そして、何れかの有効ラインにおいて図柄が一致したとき当該入賞が確定し、配当されるメダルの数だけクレジットが加算される。また、配当された結果、クレジットがその上限を超える場合には、その上限を超える枚数分のメダルをメダル払出口１６より遊技者に払い出している。
【００２１】
このように、スロットマシン１の遊技者は、回動式メダル投入部１００からメダルを投入した後、リール１０ａ、１０ｂ、１０ｃを回転・停止させる遊技操作を行って変動表示した図柄が揃わなければ賭けたメダルを失うが、内部当選した組み合せで図柄を揃えることにより入賞が成立し賭けた以上のメダルを獲得し得るので、技量と運によりメダルを増やすという興趣を伴ったゲームを楽しむことができる。
【００２２】
次に、回動式メダル投入部１００について図１〜図３を参照して詳細に説明する。ここで、図２は、スロットマシン１の前扉３の断面図であるが、主にコンパネ１８を上方からみた場合の外観構造を表した図である。また、図３は、回動式メダル投入部１００の中心位置で切断した場合において当該回動式メダル投入部１００の部分の構造を主に表した縦断面図である。
【００２３】
回動式メダル投入部１００は、円盤状のターンテーブル１０１と、ターンテーブル１０１の円周に沿ってほぼ等間隔で配置された、例えば３個の形状及び種類が異なるメダル投入部材１１０、１１１、１１２とを備えている。例えば１つ目のメダル投入部材１１０は、従来のスロットマシンに設けられているメダル投入部を踏襲する形状を有している。すなわち、メダル投入部材１１０は、複数枚のメダルを層状に並べた状態で、その端から１枚ずつスリット１８０ａ（図３参照）に通じる投入口１１０ａにメダルを落下させて投入できるようになっている。なお、メダル投入部材１１０は、主に右利きの遊技者にとってメダルを投入しやすいように、投入口１１０ａにメダルを誘導する右側の土手の部分が左側のそれよりも低く形成されている。
【００２４】
また、２つ目のメダル投入部材１１１は、従来のメダル投入部と同様に層状に並べた複数枚のメダルを端から１枚ずつ投入口１１１ａに投入できるようになっている。ただし、１つ目のメダル投入部材１１０とは異なり、主に左利きの遊技者にとって投入しやすいように投入口１１１ａの左側の土手の部分が右側よりも低く形成されている。
【００２５】
また、３つ目のメダル投入部材１１２は、従来のスロットマシンのメダル投入部とは全くコンセプトが異なる形態を有するものであり、図に示すように投入口１１２ａの部分がバケット状に大きく開口して形成されている。これにより、メダル投入部材１１２に投げ入れられたメダルは、投入口１１２ａ内の底面部に沿って流下し、自然に整列して１枚ずつスリット１８０ａから下方のメダルセレクタ２０（図３参照）へ案内されるようになっている。したがって、遊技者は、複数枚のメダルを手の中で並べて揃えなくても、メダル投入部材１１２にメダルを無造作に投げ入れるだけで、一度に複数枚のメダルを投入することができる。
【００２６】
かかる複数種類のメダル投入部材１１０、１１１、１１２は、ターンテーブル１０１の回動中心に対して同一半径円上に配設されている。ターンテーブル１０１は、複数のメダル投入部材１１０、１１１、１１２のうち遊技者が任意に選択するいずれかを、コンパネ１８の上面部１８０に形成したスリット１８０ａの位置に整合可能なように回動自在に設けられている。
【００２７】
すなわち、図３に参照されるように、ターンテーブル１０１の裏面には、その回動中心に回動軸１０２が植設して形成され、コンパネ１８の前方部１８１内に固定されているベアリング１０５にこの回動軸１０２が締まり嵌めされた状態で固定されている。これにより、ターンテーブル１０１がコンパネ１８に対し回動自在に軸支されている。
【００２８】
また、コンパネ１８の上面部１８０には、ターンテーブル１０１の回動操作に節度感を与えて所定位置に保持する節度装置が設けられている。節度装置は、図３に示されるように表面がボール状の押圧突起１０４ａを有しこれを内部で付勢する係合部材１０４と、ターンテーブル１０１の裏面において、回動軸１０２を中心に各メダル投入部材１１０、１１１、１１２に対応して同一半径円上に形成された凹溝状の係合孔１０３、１０３、１０３とから構成される。コンパネ１８内で固定されている係合部材１０４の押圧突起１０４ａが、ターンテーブル１０１の係合孔１０３、１０３、１０３の何れかと弾性的に係合することで、当該係合孔１０３に対応するメダル投入部材がスリット１８０ａの位置に保持される。そして、いずれかのメダル投入部材１１０、１１１、１１２がコンパネ１８の上面部１８０に開口形成されたスリット１８０ａに位置整合した状態で、当該メダル投入部材にメダルを投入することで、スリット１８０ａを介して連通するメダルセレクタ２０にメダルが案内されるようになっている。
【００２９】
また、遊技者が自らの意思でメダル投入部材を変更しようとする場合には、ターンテーブル１０１を回動操作することにより、当該係合孔１０３に係合していた押圧突起１０４ａが係合部材１０４内に没入しターンテーブル１０１の裏面と相対的に摺接する。そして、遊技者が所望するメダル投入部材をスリット１８０ａの位置に整合させると、これに対応する係合孔１０３に押圧突起１０４ａが突出し再び係合し、これによりターンテーブル１０１を当該メダル投入部材を介してメダルを投入可能な位置に保持することができる。
また、ターンテーブル１０１の回動操作に節度操作感（クリックフィーリング）を生じさせ、その節度操作感を通じて各メダル投入部材１１０、１１１、１１２がスリット１８０ａに位置整合する回動位置、つまりメダルを投入可能なターンテーブル１０１の回動位置を遊技者に容易かつ的確に認識させることができる。
【００３０】
なお、本発明に係る相互に形状が異なる複数種類のメダル投入部材の他の実施例として、図４（ａ）〜（ｄ）に示される外観形状のメダル投入部材１１３、１１４、１１５、１１６などが挙げられる。但し、本発明はこの実施の形態で例示した形状に限定されるものではなく、様々なデザインが採用できることは言うまでもない。
【００３１】
以上説明したように本実施形態のスロットマシン１によれば、遊技者が好むまたは自分に合った形状・種類のメダル投入部材を自由に選択することができ、誰もが公平快適にメダルの投入を行うことができる。これにより、ゲーム操作性を向上させ、ゲームをより楽しむことができる。また、例えばゲームにハマリ中の遊技者がターンテーブル１０１を廻して適宜にメダル投入部材１１０、１１１、１１２の種類を変更することで、ゲームに対する気分転換の効果をも与えることができる。また、遊技者は、ターンテーブル１０１の回動操作によって感じる節度操作感を通じて、メダルを投入可能な適切な回動位置を容易に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３２】
【図１】本発明に係るメダル遊技機の一実施形態であるスロットマシンの外観斜視図である。
【図２】図１に示したスロットマシンの前扉の断面図であり、主にコンパネの上面構造を表した図である。
【図３】図１に示したスロットマシンの前扉の縦断面図であり、主に回動式メダル投入部の断面構造を表した図である。
【図４】本発明に係るメダル投入部材の実施例を示した斜視図である。
【符号の説明】
【００３３】
１ スロットマシン
２ キャビネット ３ 前扉
４ 下皿部材 ５ 上部ランプ
６ａ、６ｂ コーナーランプ ７ａ、７ｂ 放音部
８ 液晶表示装置 ９ 中パネル
９ａ 表示窓 １０ａ、１０ｂ、１０ｃ リール
１１ メダル投入部 １２ ベットボタン
１３ スタートレバー １４ａ、１４ｂ、１４ｃ ストップボタン
１５ 下パネル １６ メダル払出口
１７ａ、１７ｂ 放音部 １８ コンパネ（コンソールパネル）
１００ 回動式メダル投入部
１０１ ターンテーブル １０２ 回動軸
１０３ 係合孔 １０４ 係合部材
１０４ａ 押圧突起 １０５ ベアリング
１１０、１１１、１１２ メダル投入部材 １８０ 上面部
１８０ａ スリット １８１ 前方部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
遊技者が遊技メダルを投入することを条件に遊技を提供するメダル遊技機であって、
当該メダル遊技機のコンソールパネルには前記遊技メダルの投入を受け容れるスリットが開口形成され、
相互に形状が異なる複数種類のメダル投入部材がターンテーブルの回動中心に対して同一半径円上に配設されるとともに、
前記ターンテーブルは、複数種類の前記メダル投入部材のうち遊技者が任意に選択するいずれかを前記スリットの位置に整合可能なように前記コンソールパネルに対し回動自在に設けられていることを特徴とするメダル遊技機。
【請求項２】
前記各メダル投入部材を前記スリットの位置に整合させた回動位置にある前記ターンテーブルを保持するための節度装置が更に設けられ、
前記節度装置は、前記各メダル投入部材に対応して前記ターンテーブルに裏面に形成される複数の係合孔と、前記各係合孔の何れかと弾性的に係合して当該係合孔に対応するメダル投入部材を前記スリットの位置に保持する押圧突起とを備えてなることを特徴とする請求項１に記載のメダル遊技機。
【請求項１】
遊技者が遊技メダルを投入することを条件に遊技を提供するメダル遊技機であって、
当該メダル遊技機のコンソールパネルには前記遊技メダルの投入を受け容れるスリットが開口形成され、
相互に形状が異なる複数種類のメダル投入部材がターンテーブルの回動中心に対して同一半径円上に配設されるとともに、
前記ターンテーブルは、複数種類の前記メダル投入部材のうち遊技者が任意に選択するいずれかを前記スリットの位置に整合可能なように前記コンソールパネルに対し回動自在に設けられていることを特徴とするメダル遊技機。
【請求項２】
前記各メダル投入部材を前記スリットの位置に整合させた回動位置にある前記ターンテーブルを保持するための節度装置が更に設けられ、
前記節度装置は、前記各メダル投入部材に対応して前記ターンテーブルに裏面に形成される複数の係合孔と、前記各係合孔の何れかと弾性的に係合して当該係合孔に対応するメダル投入部材を前記スリットの位置に保持する押圧突起とを備えてなることを特徴とする請求項１に記載のメダル遊技機。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００９−８９７５１（Ｐ２００９−８９７５１Ａ）
【公開日】平成２１年４月３０日（２００９．４．３０）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−２６０５１９（Ｐ２００７−２６０５１９）
【出願日】平成１９年１０月４日（２００７．１０．４）
【出願人】（３９００３１７８３）サミー株式会社 (5,279)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年４月３０日（２００９．４．３０）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年１０月４日（２００７．１０．４）
【出願人】（３９００３１７８３）サミー株式会社 (5,279)
【Ｆターム（参考）】
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