説明

メチルチオニニウム塩化物(MTC)などのジアミノフェノチアジニウム化合物を化学合成および精製する方法

【課題】高純度のジアミノフェノチアジニウム化合物の提供。
【解決手段】ニトロシル化(NOS);ニトロシル還元(NR);チオスルホン酸生成(TSAF);酸化的カップリング(OC)、Cr(VI)還元(CR);双性イオン中間体の単離および精製(IAPOZI);閉環(RC)、塩化物塩生成(CSF);硫化物処理(ST)、ジメチルジチオカルバメート処理(DT)、カーボネート処理(CT)、エチレンジアミン四酢酸処理(EDTAT)のうちのひとつ;有機抽出(OE);および再結晶化(RX)のステップを順番に含む合成方法により得られる、高純度のジアミノフェノチアジニウム化合物。該化合物を含むタブレットまたはカプセル。該化合物を含む医薬組成物。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
98%より高い純度を有すること;
不純物としてのアズールBが2%未満であること;
不純物としてのメチレン・バイオレット・ベルントゼン(MBV)が0.13%未満であること;
アルミニウム(Al)100μg/g、クロム(Cr)10μg/g、亜鉛(Zn)10μg/g、銅(Cu)10μg/g、鉄(Fe)100μg/g、マンガン(Mn)10μg/g、ニッケル(Ni)10μg/g、モリブデン(Mo)10μg/g、カドミウム(Cd)1μg/g、スズ(Sn)1μg/g、および鉛(Pb)10μg/gである欧州薬局方(EP)限度値よりも優れた元素純度を有していること;
の一つ以上により特徴付けられる、以下の式:
【化1】

[式中:
R1およびR9はそれぞれ、-H、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、およびハロゲン化C1〜4アルキルから独立に選択され;
R3NAおよびR3NBはそれぞれ、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、およびハロゲン化C1〜4アルキルから独立に選択され;
R7NAおよびR7NBはそれぞれ、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、およびハロゲン化C1〜4アルキルから独立に選択され;
Xは電気的中性を保つための1個または複数個のアニオン対イオンである]
で表される高純度ジアミノフェノチアジニウム化合物。
【請求項2】
次の各ステップ:
Cr(VI)であるかまたはそれを含んでいる酸化剤を用いてチオ硫酸S-{2-(アミノ)-3-(置換されていてもよい)-5-(二置換アミノ)-フェニル}エステル(4)をN,N-二置換-3-置換されていてもよい-アニリン(5)に酸化的にカップリングさせて[4-{2-(チオスルフェート)-4-(二置換アミノ)-6-(置換されていてもよい)-フェニル-イミノ}-3-(置換されていてもよい)-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-二置換アンモニウム(6)を生成させる、酸化的カップリング(OC)のステップ;
【化2】


該[4-{2-(チオスルフェート)-4-(二置換アミノ)-6-(置換されていてもよい)-フェニル-イミノ}-3-(置換されていてもよい)-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-二置換アンモニウム(6)を単離および精製する、双性イオン中間体の単離および精製(IAPOZI)のステップ;
該単離および精製された[4-{2-(チオスルフェート)-4-(二置換アミノ)-6-(置換されていてもよい)-フェニル-イミノ}-3-(置換されていてもよい)-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-二置換アンモニウム(6)を閉環させて3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)を生成させる、閉環(RC)のステップ;
【化3】

を順番に含み、さらに閉環(RC)ステップのあとに次の追加のステップ:
前記3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)を塩化物と反応させて3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を生成させる、塩化物塩生成(CSF)のステップ;
【化4】

を含み、さらに塩化物塩生成(CSF)ステップのあとに次の追加のステップ:
前記3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を硫化物により処理する、硫化物処理(ST)のステップ;
を含み、さらに次の追加の後続のステップ:
水性溶液もしくは水性懸濁液中の前記3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を有機溶媒により洗浄する、有機抽出(OE)のステップ;
をさらに含み、
有機抽出(OE)で用いられる有機溶媒がジクロロメタン(CH2Cl2、DCM)である合成方法によって得られる、請求項1に記載の高純度ジアミノフェノチアジニウム化合物。
【請求項3】
前記酸化的カップリング(OC)のステップ用の酸化剤がNa2Cr2O7であり;
前記酸化的カップリング(OC)のステップが酸性条件下で行われ;
前記閉環(RC)のステップが硫酸Cu(II)による処理により達成され;かつ
閉環(RC)のステップが酸性条件下で行われる、請求項2に記載の高純度ジアミノフェノチアジニウム化合物。
【請求項4】
次の各ステップ:
N,N-二置換-3-置換されていてもよいアニリン(1)を4-ニトロシル化してN,N-二置換-3-置換されていてもよい-4-ニトロシルアニリン(2)を生成させる、ニトロシル化(NOS)のステップ;
【化5】

該N,N-二置換-3-置換されていてもよい-4-ニトロシルアニリン(2)を還元してN,N-二置換-1,4-ジアミノ-5-置換されていてもよいベンゼン(3)を生成させる、ニトロシル還元(NR)のステップ;
【化6】

該N,N-二置換-1,4-ジアミノ-5-置換されていてもよいベンゼン(3)をチオスルフェートの存在下で酸化させてチオ硫酸S-{2-(アミノ)-3-(置換されていてもよい)-5-(二置換-アミノ)-フェニル}エステル(4)を生成させる、チオスルホン酸生成(TSAF)のステップ;
【化7】

Cr(VI)であるかまたはそれを含んでいる酸化剤を用いて該チオ硫酸S-{2-(アミノ)-3-(置換されていてもよい)-5-(二置換アミノ)-フェニル}エステル(4)をN,N-二置換-3-置換されていてもよい-アニリン(5)に酸化的にカップリングさせて[4-{2-(チオスルフェート)-4-(二置換アミノ)-6-(置換されていてもよい)-フェニル-イミノ}-3-(置換されていてもよい)-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-二置換アンモニウム(6)を生成させる、酸化的カップリング(OC)のステップ;
【化8】

該酸化的カップリング(OC)ステップの生成物を処理して残留Cr(VI)をCr(III)に変換させる、Cr(VI)還元(CR)のステップ;
該[4-{2-(チオスルフェート)-4-(二置換アミノ)-6-(置換されていてもよい)-フェニル-イミノ}-3-(置換されていてもよい)-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-二置換アンモニウム(6)を単離および精製する、双性イオン中間体の単離および精製(IAPOZI)のステップ;
該単離および精製された[4-{2-(チオスルフェート)-4-(二置換アミノ)-6-(置換されていてもよい)-フェニル-イミノ}-3-(置換されていてもよい)-シクロヘキサ-2,5-ジエニリデン]-N,N-二置換アンモニウム(6)を閉環させて3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)を生成させる、閉環(RC)のステップ;
【化9】

該3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩(7)を塩化物と反応させて3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を生成させる、塩化物塩生成(CSF)のステップ;
【化10】

該3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を硫化物により処理する、硫化物処理(ST)のステップ;
水性溶液もしくは水性懸濁液中の該3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を有機溶媒により洗浄し、有機溶媒はジクロロメタン(CH2Cl2、DCM)である、有機抽出(OE)のステップ;
該3,7-ビス(二置換-アミノ)-1,9-(置換されていてもよい)-フェノチアジン-5-イウム塩化物塩(8)を再結晶化させる、再結晶化(RX)のステップ;
を順番に含む合成方法によって得られる、請求項2または3に記載の高純度ジアミノフェノチアジニウム化合物。
【請求項5】
前記残留Cr(VI)をCr(III)に変換させる処理が、ハイドロサルファイトナトリウム、エタノールおよびヨウ化ナトリウムから選択される還元剤による処理であり;
前記チオスルフェートがNa2S2O3であるかまたはそれを含んでおり;
前記チオスルホン酸生成(TSAF)ステップにおける酸化がNa2Cr2O7であるかまたはそれを含んでいる酸化剤を用いた反応によるものであり;
ニトロシル還元(NR)ステップにおける還元が金属鉄であるかまたはそれを含んでいる還元剤を用いた反応によるものであり;
ニトロシル化を亜硝酸ナトリウムを用いて行い;
塩化物塩生成(CSF)で用いられる塩化物が塩酸または塩化ナトリウムであり;かつ
硫化物処理(ST)で用いられる硫化物が硫化ナトリウムである、
請求項4に記載の高純度ジアミノフェノチアジニウム化合物。
【請求項6】
以下の式:
【化11】

で表される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の高純度ジアミノフェノチアジニウム化合物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の高純度ジアミノフェノチアジニウム化合物20〜300mg、および薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬タブレットもしくはカプセル。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の高純度ジアミノフェノチアジニウム化合物30〜200mg、および薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬タブレットもしくはカプセル。
【請求項9】
治療によってヒトもしくは動物の身体を治療する方法で使用するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の高純度ジアミノフェノチアジニウム化合物を含む医薬組成物。
【請求項10】
治療によってヒトもしくは動物の身体のウイルス性、細菌性、または原虫性疾患を治療する方法で使用するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の高純度ジアミノフェノチアジニウム化合物を含む医薬組成物。
【請求項11】
治療によってヒトもしくは動物の身体のタウオパシー、アルツハイマー病(AD)、皮膚癌、黒色腫、C型肝炎、HIV、または西ナイルウイルスを治療する方法で使用するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の高純度ジアミノフェノチアジニウム化合物を含む医薬組成物。
【請求項12】
ウイルス性、細菌性、または原虫性疾患の治療で使用するための医薬の製造のための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の高純度ジアミノフェノチアジニウム化合物の使用。
【請求項13】
タウオパシー、アルツハイマー病(AD)、皮膚癌、黒色腫、C型肝炎、HIV、または西ナイルウイルスの治療で使用するための医薬の製造のための、請求項1〜6のいずれか一項に記載の高純度ジアミノフェノチアジニウム化合物の使用。
【請求項14】
サンプル中の病原体を不活性化する方法であって、該サンプルに請求項1〜6のいずれか一項に記載の高純度ジアミノフェノチアジニウム化合物を導入すること、およびそのサンプルを光に曝露することを含む前記方法。
【請求項15】
サンプルが血液または血漿サンプルである、請求項14に記載の方法。

【公開番号】特開2012−184244(P2012−184244A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−106551(P2012−106551)
【出願日】平成24年5月8日(2012.5.8)
【分割の表示】特願2007−532950(P2007−532950)の分割
【原出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(507092676)ウィスタ ラボラトリーズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】