説明

メチルチオフェンカルボキサニリド

【課題】作物保護及び材料保護において有害微生物を防除(control)する新規なメチルチオフェンカルボキサニリド及びその複数の製造方法の提供。
【解決手段】強い殺微生物活性を有し、作物の保護及び種々の物質の保護において真菌類及び細菌類などの望ましくない微生物の防除に使用できる下記式で例示される、メチルチオフェンカルボキサニリド化合物、並びにその製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なメチルチオフェンカルボキサニリド、その複数の製造方法並びにその作物保護及び材料保護において有害微生物を防除(control)するための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多数のカルボキサニリドが殺菌活性を有することは既に知られている(例えば、国際公開第WO93/11097号明細書、Can.Pestic.Biochem.Physiol.,1980,14,26−40、Can.Pestic.Biochem.Physiol.,1986,25,188−204、特開2001−72507号公報、特開2001−72510号公報又は欧州特許出願公開0 545 099号公報参照)。これらの刊行物に記載されている物質の活性は、良好である;しかし低施用量では不満足な場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第93/11097号明細書
【特許文献2】特開2001−72507号公報
【特許文献3】特開2001−72510号公報
【特許文献4】欧州特許出願公開0545099号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Can.Pestic.Biochem.Physiol.,1980,14,26−40
【非特許文献2】Can.Pestic.Biochem.Physiol.,1986,25,188−204
【発明の概要】
【0005】
本発明は、今般、次の式(I)
【0006】
【化1】

〔式中、R及びRは、同一であるか又は異なり、それぞれ独立して水素原子又は弗素原子を表し、
、R及びRは、同一であるか又は異なり、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、C〜Cアルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜Cハロアルキル基を表し、
は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cシクロアルキル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルキルチオ基、C〜Cアルキルスルホニル基、1から5個のハロゲン原子を有するC〜Cハロアルキル基、1から5個のハロゲン原子を有するC〜Cハロアルコキシ基、1から5個のハロゲン原子を有するC〜Cハロアルキルチオ基又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜Cハロアルキルスルホニルを表す(但し、R、R、R及びRが同時に水素原子を表すことはないものとする)〕で示される新規なメチルチオフェンカルボキサニリドを提供する。
【0007】
また、前記の式(I)で示されるメチルチオフェンカルボキサニリドが、
a)次の式(II)
【0008】
【化2】

(式中、Xはハロゲン原子を表す)で示されるメチルチオフェンカルボニルハライドを、次の式(III)
【0009】
【化3】

(式中、R、R、R、R、R及びRは上で定義した通りである)で示されるアニリン誘導体と、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
b)次の式(IV)
【0010】
【化4】

(式中、R及びRは上で定義した通りであり且つXは臭素原子又はヨウ素原子を表す)で示されるメチルチオフェンカルボン酸ハロゲンアニリドを次の式(V)
【0011】
【化5】

(式中、R、R、R及びRは上で定義した通りである)で示されるボロン酸と、触媒の存在下に、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させることによって得られることが見出された。
【0012】
最後に、前記の式(I)で示される新規メチルチオフェンカルボキサニリドが極めて良好な殺微生物性を有し、作物保護及び材料保護の両方において望ましくない微生物を防除するために使用できることが見出された。
【0013】
意外にも、前記の式(I)で示されるメチルチオフェンカルボキサニリドが、同じ作用傾向をもつ従来の構造上良く類似している活性化合物よりも相当に良い殺菌活性を有することが見出された。
【0014】
前記の式(I)は、本発明のメチルチオフェンカルボキサニリドの一般的な定義を提供する。
【0015】
前記の式(I)で示されるメチルチオフェンカルボキサニリドであって、式中の
及びRが、同一であるか又は異なり、それぞれ独立して水素原子又は弗素原子を表し、
、R及びRが、同一であるか又は異なり、それぞれ独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、n−もしくはi−プロピル基、n−、i−、s−もしくはt−ブチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基又はトリフルオロエチル基を表し、
が水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、n−もしくはi−プロピル基、n−、i−、s−もしくはt−ブチル基、シクロプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n−もしくはi−プロピルチオ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロエチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロクロロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基、ジフルオロメチルチオ基、ジフルオロクロロメチルチオ基又はトリフルオロメチルチオ基を表し、
がさらにヨウ素原子を表す(但し、R、R、R及びRが同時に水素原子を表すことはないものとする)場合のメチルチオフェンカルボキサニリドが好ましい。
【0016】
前記の式(I)で示されるメチルチオフェンカルボキサニリドであって、式中の
及びRが、同一であるか又は異なり、それぞれ独立して水素原子又は弗素原子を表し、
、R及びRが、同一であるか又は異なり、それぞれ独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表し、
が水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、シクロプロピル基、メトキシ基、メチルチオ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロエチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロクロロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基、ジフルオロメチルチオ基、ジフルオロクロロメチルチオ基又はトリフルオロメチルチオ基を表し、
がさらにヨウ素原子又はシアノ基を表す(但し、R、R、R及びRが同時に水素原子を表すことはないものとする)場合のメチルチオフェンカルボキサニリドが特に好ましい。
【0017】
及びRがそれぞれ水素原子を表す場合の式(I)で示される化合物がさらに特に好ましい。
【0018】
が弗素原子を表し且つRが水素原子を表す場合の式(I)で示される化合物がさらに特に好ましい。
【0019】
が水素原子を表し且つRが弗素原子を表す場合の式(I)で示される化合物がさらに特に好ましい。
【0020】
、R及びRがそれぞれ水素原子を表し且つRが水素原子を表さない場合の式(I)で示される化合物がさらに特に好ましい。
【0021】
及びRがそれぞれ水素原子を表し且つR及びRがそれぞれ水素原子を表さない場合の式(I)で示される化合物がさらに特に好ましい。
【0022】
及びRがそれぞれ水素原子を表し且つR及びRがそれぞれ水素原子を表さない場合の式(I)で示される化合物がさらに特に好ましい。
【0023】
及びRがそれぞれ水素原子を表し且つR及びRがそれぞれ水素原子を表さない場合の式(I)で示される化合物がさらに特に好ましい。
【0024】
また、次の式(I−a)
【0025】
【化6】

(式中、R及びRは上で定義した通りであり且つR5aは弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、メチルチオ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はトリフルオロメチルチオ基を表し、R5aはさらにまたヨウ素原子又はシアノ基を表す)で示される化合物がさらに特に好ましい。
【0026】
及びRがそれぞれ水素原子を表す場合の式(I−a)で示される化合物が特に好ましい。
【0027】
さらにまた、次の式(I−b)
【0028】
【化7】

(式中、R及びRは上で定義した通りであり、R4bは弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表し且つR5bは弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はトリフルオロメチルチオ基を表す)で示される化合物がさらに特に好ましい。
【0029】
及びRがそれぞれ水素原子を表す場合の式(I−b)で示される化合物が特に好ましい。
【0030】
さらにまた、次の式(I−c)
【0031】
【化8】

(式中、R及びRは上で定義した通りであり、R3cは弗素原子、塩素原子、臭素原子又はメチル基を表し且つR5cは弗素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基又はトリフルオロメチルチオ基を表す)で示される化合物がさらに特に好ましい。
【0032】
及びRがそれぞれ水素原子を表す場合の式(I−c)で示される化合物が特に好ましい。
【0033】
さらにまた、次の式(I−d)
【0034】
【化9】

(式中、R及びRは上で定義した通りであり、R4dは弗素原子又は塩素原子を表し且つR6dは弗素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表す)で示される化合物がさらに特に好ましい。
【0035】
及びRがそれぞれ水素原子を表す場合の式(I−d)で示される化合物が特に好ましい。
【0036】
上に示した一般的な基又は好ましい基の定義又は説明はまた、所望のように相互に、すなわちそれぞれの範囲及び好ましい範囲の間で組み合わせることができる。この定義は最終生成物並びに前駆物質及び中間体に対応して適用される。また、個々の定義を適用しないこともある。
【0037】
アルキル基のような飽和炭化水素基は、これが可能な限りは、例えばアルコキシ基のようにヘテロ原子との組み合わせを含めていずれの場合にも直鎖又は分岐鎖であり得る。
【0038】
ハロゲン置換された基、例えばハロアルキル基は、モノハロゲン化されるか又は置換基の最大可能な個数まで多ハロゲン化されている。多ハロゲン化の場合には、ハロゲン原子は、同一であることができるし又は異なることができる。ここで、ハロゲンとは、弗素、塩素、臭素又はヨウ素、特に弗素、塩素又は臭素を表す。
【0039】
例えば、3−メチル−2−チオフェンカルボニルクロリドと3’−クロロ−4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−アミンを出発原料として使用し且つ塩基を使用すると、本発明の方法(a)の反応経路は下記の式で説明できる:
【0040】
【化10】

前記の式(II)は、本発明の方法(a)を実施するための出発原料として必要なメチルチオフェンカルボニルハライドの一般的な定義を提供する。この式(II)において、Xは塩素原子を表すことが好ましい。
【0041】
前記の式(II)で示されるメチルチオフェンカルボニルハライドは、公知の入手し得る実験室化学薬品である。
【0042】
前記の式(III)は、本発明の方法(a)を実施するための出発原料としてさらに必要なアニリン誘導体の一般的な定義を提供する。この式(III)において、R、R、R、R、R及びRは、これらの基について好ましいものとして又は特に好ましいものとして本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して既に挙げられている意義を有することが好ましい又は特に好ましい。
【0043】
前記の式(III)で示されるアニリン誘導体は、公知であり、及び/又は公知の方法(例えば、Bull.Korean Chem.Soc.,2000,21,165−166;Chem.Pharm.Bull.,1992,40,240−4;特開平9−132567号公報)により製造できる。
【0044】
例えば、N−(2−ヨードフェニル)−3−メチル−2−チオフェンカルボキサミドと3−クロロ−4−フルオロフェニルボロン酸を出発原料として使用し且つ触媒と塩基とを使用すると、本発明の方法(b)の反応経路は下記の式で説明できる:
【0045】
【化11】

前記の式(IV)は、本発明の方法(b)を実施するための出発原料として必要なメチルチオフェンカルボン酸ハロアニリドの一般的な定義を提供する。この式(IV)において、R及びRは、これらの基について好ましいものとして又は特に好ましいものとして本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して既に挙げられている意義を有することが好ましい又は特に好ましい。Xは臭素原子又はヨウ素原子を表すことが好ましい。
【0046】
前記の式(IV)で示されるメチルチオフェンカルボン酸ハロアニリドは、これまでに文献に記載されていない。これらは新規な化合物であり、これもまた本出願の主題の一部を形成する。前記の式(IV)で示されるメチルチオフェンカルボン酸ハロアニリドは、
c)次の式(II)
【0047】
【化12】

(式中、Xはハロゲン原子を表す)で示されるメチルチオフェンカルボニルハライドを2−ブロモアニリン又は2−ヨードアニリンと、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させることによって得られる。
【0048】
本発明の方法(c)を実施するための出発原料として必要な式(II)で示されるメチルチオフェンカルボニルハライドは、本発明の方法(a)に関連して上に既に記載されている。
【0049】
本発明の方法(c)を実施するための出発原料としてさらに必要な物質2−ブロモアニリン及び2−ヨードアニリンは、公知の合成用化学薬品である。
【0050】
前記の式(V)は、本発明の方法(b)を実施するための出発原料としてさらに必要なボロン酸の一般的な定義を与える。この式(V)において、R、R、R及びRは、これらの基について好ましいものとして又は特に好ましいものとして本発明の式(I)で示される化合物の説明に関連して既に挙げられている意義を有することが好ましい又は特に好ましい。
【0051】
式(V)で示されるボロン酸は、公知の合成用化学薬品である。該ボロン酸は、反応の直前にハロベンゼン誘導体とボロン酸エステルから直接製造でき、後処理することなくさらに反応せることができる(製造例も参照)。
【0052】
本発明の方法(a)及び(c)を実施するのに適した希釈剤は、全ての不活性有機溶媒である。これらの不活性有機溶媒としては、好ましくは、脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、例えば石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;ハロゲン化炭化水素、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール、あるいはアミド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミドが挙げられる。
【0053】
適切ならば、本発明の方法(a)及び(c)は、適切な酸受容体の存在下で実施される。適切な酸受容体は、全て慣用の無機又は有機塩基である。これらの塩基としては、好ましくは、アルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、酢酸塩、炭酸塩又は炭酸水素塩、例えば水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸セシウム、及び第三級アミン類、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)が挙げられる。
【0054】
本発明の方法(a)及び(c)を実施する場合には、反応温度は比較的広い範囲で変化させることができる。一般的に、前記の方法は0℃から150℃の温度、好ましくは20℃から110℃の温度で実施される。
【0055】
前記の(I)で示される化合物を製造するための本発明の方法(a)を実施するためには、式(II)で示されるメチルチオフェンカルボニルハライド1モル当たり、式(III)で示されるアニリン誘導体を、一般的には0.2から5モル、好ましくは0.5から2モル使用する。
【0056】
前記の(IV)で示される化合物を製造するための本発明の方法(c)を実施するためには、式(II)で示されるメチルチオフェンカルボニルハライド1モル当たり、2−ブロモアニリン又は2−ヨードアニリンを、一般的には0.2から5モル、好ましくは0.5から2モル使用する。
【0057】
本発明の方法(b)を実施するのに適した希釈剤は、全て、不活性有機溶媒である。これらの不活性有機溶媒としては、好ましくは、脂肪族、脂環式又は芳香族炭化水素、例えば石油エーテル、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン又はデカリン;エーテル類、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、メチルt−アミルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン又はアニソール;ニトリル類、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル、n−もしくはi−ブチロニトリル又はベンゾニトリル;アミド類、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチル−ピロリドン又はヘキサメチルリン酸トリアミド;エステル類、例えば酢酸メチル又は酢酸エチル;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド;スルホン類、例えばスルホラン;アルコール類、例えばメタノール、エタノール、n−もしくはi−プロパノール、n−、i−、s−もしくはt−ブタノール、エタンジオール、プロパン−1,2−ジオール、エトキシエタノール、メトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、これらと水又は純水との混合物が挙げられる。
【0058】
本発明の方法(b)を実施する場合には、反応温度は比較的広い範囲で変化させることができる。一般的に、上記の方法は、0℃から150℃の温度、好ましくは20℃から110℃の温度で実施される。
【0059】
本発明の方法(b)は、適切ならば、適切な酸受容体の存在下で実施される。適切な酸受容体は、全ての慣用の無機又は有機塩基である。これらの塩基としては、好ましくは、アルカリ土類金属又はアルカリ金属の水素化物、水酸化物、アミド、アルコキシド、酢酸塩、弗素化物、リン酸塩、炭酸塩又は炭酸水素塩、例えば水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、弗化カリウム、弗化セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム又は炭酸セシウム、及び第三級アミン類、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)が挙げられる。
【0060】
本発明の方法(b)は、触媒、例えばパラジウム塩又はパラジウム錯体の存在下で実施される。この目的に適したものは、好ましくは塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド又は1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリドである。
【0061】
パラジウム塩と、錯体配位子、例えばトリエチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィン)ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、トリフェニルホスフィン、トリス(o−トリル)ホスフィン、3−(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリス−2−(メトキシフェニル)ホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィン)−1,1’−ビナフチル、1,4−ビス(ジフェニルホスフィン)ブタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィン)エタン、1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィン)ブタン、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィン)エタン、2−(ジシクロヘキシルホスフィン)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン又はトリス(2,4−tert−ブチルフェニル)ホスファイトとを別々に反応に加えることによって、反応混合物中でパラジウム錯体を生成させることもできる。
【0062】
前記の(I)で示される化合物を製造するための本発明の方法(b)を実施するためには、式(IV)で示されるメチルチオフェンカルボン酸ハロアニリド1モル当たり、式(V)で示されるボロン酸を、一般的には1から15モル、好ましくは2から8モル使用する。
【0063】
本発明の方法(a)、(b)及び(c)は、一般に大気圧下で実施される。しかし、本発明の方法は、高圧又は減圧下で、一般的には0.1から10バールで操作することができる。
【0064】
本発明の物質は、強い殺微生物活性を有し、作物の保護及び種々の物質の保護において真菌類及び細菌類などの望ましくない微生物の防除に使用できる。
【0065】
殺真菌剤は、作物保護においてネコブカビ類(Plasmodiophoromycetes)、卵菌類(Oomycetes)、ツボカビ類(Chytridiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)、子嚢菌類(Ascomycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)及び不完全菌類(Deuteromycetes)を防除するのに使用できる。
【0066】
殺菌剤は、作物保護においてシュードモナス科(Pseudomonadaceae)、リゾビウム科(Rhizobiaceae)、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、コリネバクテリウム科(Corynebacteriaceae)及びストレプトマイセス科(Streptomycetaceae)の細菌を防除するのに使用できる。
【0067】
真菌性及び細菌性の病気を引き起こすある種の病原体であって上に挙げた属名に入る病原体を例として挙げ得るが、これらに限定されるものではない:
キサントモナス(Xanthomonas)種、例えばイネ白葉枯病菌(Xanthomonas campestris pv.oryzae);
シュードモナス(Pseudomonas)種、例えばウリ科萎凋細菌病菌(Pseudomonas syringae pv.lachrymans);
エルウィニア(Erwinia)種、例えば火傷病菌(Erwinia amylovora);
ピシウム属菌(Pythium)、例えば苗腐敗病菌(Pythium ultimum);
疫病菌(Phytophthora)種、例えばトマト、ジャガイモの疫病菌(Phytophthora infestans);
ニセツユカビ(Pseudoperonospora)種、例えばホップ疫病菌(Pseudoperonospora humuli)又はウリ科べと病菌(Pseudoperonospora cubensis);
タンジクツユカビ(Plasmopara)種、例えばブドウのべと病菌(Plasmopara viticola);
ブレミア(Bremia)種、例えばレタスべと病菌(Bremia lactucae);
ツユカビ(Peronospora)種、例えばエンドウべと病菌(Peronospora pisi)又はナタネべと病菌(P.brassicae);
ウドンコカビ(Erysiphe)種、例えばオオムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis);
スファエロセカ(Sphaerotheca)種、例えばうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea);
ポドスフェラ(Podosphaera)種、例えばリンゴうどんこ病菌(Podosphaera leucotricha);
ベンツリア(Venturia)種、例えばリンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis);
ピレノホーラ(Pyrenophora)種、例えばオオムギの網斑病菌(Pyrenophora teres)又は斑葉病菌(P.graminea)〔分生胞子体:Drechslera属菌、syn:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属菌〕;
コクリオボルス(Cochliobolus)種、例えばムギ類斑点病菌(Cochliobolus sativus)〔分生胞子体:Drechslera属菌、syn:ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)属菌〕;
ウロミケス(Uromyces)種、例えばマメ類さび病菌(Uromyces appendiculatus);
プクキニア(Puccinia)種、例えばコムギ、ライムギ赤さび病菌(Puccinia recondita);
スクレロチニア(Sclerotinia)種、例えば菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)、
チレチア(Tilletia)種、例えばコムギなまぐさ黒穂病菌(Tilletia caries);
クロボキン(Ustilago)種、例えばオオムギ裸黒穂病菌(Ustilago nuda)又はエンバク裸黒穂病菌(Ustilago avenae);
ペリキュラリア(Pellicularia)種、例えばイネ紋枯病菌(Pellicularia sasakii);
ピリキュラリア(Pyricularia)種、例えばイネいもち病菌(Pyricularia oryzae);
フザリウム(Fusarium)種、例えばフーザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum);
ボトリチス(Botrytis)種、例えば灰色かび病菌(Botrytis cinerea);
セプトリア(Septoria)種、例えばコムギふ枯病菌(Septoria nodorum);
レプトスフェリア(Leptosphaeria)種、例えばコムギふ枯病菌(Leptosphaeria nodorum);
セルコスポラ(Cercospora)種、例えば褐斑病菌(Cercospora canescens);
アルタナリア(Alternaria)種、例えばナタネ黒斑病(Alternaria brassicae);及び
シュードセルコスポレラ(Pseudocercosporella)種、例えばコムギ眼紋病菌(Pseudocercosporella herpotrichoides)。
【0068】
本発明の活性化合物はまた、植物において強力な強化作用(invigorating action)も示す。従って、本発明の活性化合物は、望ましくない微生物による攻撃に対して植物の内部防御を結集する(mobilizing)のに適している。
【0069】
本明細書において、植物強化(抵抗性誘導)化合物とは、処理植物がその後に望ましくない微生物を接種された場合にこれらの微生物に対して十分な抵抗性を示すように植物の防御系を刺激することができる物質を意味すると理解されるべきである。
【0070】
この場合に、望ましくない微生物とは、植物病原性の真菌、細菌及びウイルスを意味すると理解されるべきである。従って、本発明の化合物は、処理後のある一定の期間、前記の病原体による攻撃から植物を保護するのに使用できる。この保護が達成される期間は、一般に活性化合物による植物の処理から1から10日間、好ましくは1から7日間に及ぶ。
【0071】
活性化合物が植物の病気を防除するのに必要な濃度で植物が十分に耐性があるということは、植物の地上部分、繁殖ストック及び種子の処理、並びに土壌の処理を可能にする。
【0072】
本発明の活性化合物は、穀物の病害を防除するのに、例えばピレノホーラ(Pyrenophora)種に対して、ブドウ栽培、果物及び野菜の栽培における病害を防除するのに、例えばベンツリア(Venturia)種、スファエロセカ(Sphaerotheca)種及びポドスフェラ(Podosphaera)種に対して特によい結果を伴って使用できる。
【0073】
本発明の活性化合物はまた、作物の収量を高めるのに適している。また、本発明の活性化合物は低毒性であり、植物は十分に耐性がある。
【0074】
適切ならば、本発明の活性化合物はまた、ある濃度及び施用量で、除草剤として、植物の生長を調節するために及び動物害虫を防除するために使用することもできる。適切ならば、本発明の活性化合物はまた、別の活性化合物の合成における中間体及び前駆物質としても使用できる。
【0075】
本発明によれば、本発明の活性化合物は、植物全体及び植物の一部分を処理するのに使用できる。植物とは、本明細書では全ての植物及び植物群、例えば望ましい及び望ましくない野生植物又は作物植物(天然産の作物植物を含む)を意味すると理解される。作物植物は、慣用の育種法及び最適化法によって、あるいはバイオテクノロジー法及び遺伝子工学法又はこれらの方法の組み合わせによって得ることができる植物であり、これには、トランスジェニック植物や、植物品種改良者の証明書(certificate)によって保護し得るか又は保護し得ない栽培変種植物が含まれる。植物の部分とは、植物の地上部分及び地下部分並びに器官の全て、例えば新芽、葉、花及び根を意味すると理解されるべきであり、その挙げ得る例は葉、針状葉、茎、幹、花、子実体、果実及び種子並びに根、塊茎及び根茎である。また、植物の部分としては、収穫物並びに栄養及び生殖繁殖材料、例えば、苗、幹、根茎、切り枝及び種子が挙げられる。
【0076】
活性化合物による本発明の植物及び植物部分の処理は、直接に行うか又は該植物及び植物部分の環境、生育環境又は貯蔵領域に慣用の処理方法に従って作用させることによって、例えば浸漬、吹き付け、蒸発、噴霧、散布、刷毛塗り、注入によって、及び繁殖材料の場合、特に種子の場合には、さらに単層又は多層被覆によって行うことができる。
【0077】
材料の保護において、本発明の化合物は、望まれない微生物による感染及び破壊から産業資材(industrial material)を保護するのに使用できる。
【0078】
本明細書において産業資材とは、産業で使用するために製造された非生物材料を意味すると理解される。例えば、本発明の活性化合物によって微生物による変質又は破壊から保護すべきことを目的とする産業資材は、粘着性付与剤、糊、紙及び厚紙、織物、皮革、木材、塗料及びプラスチック製品、冷却用潤滑剤、並びに微生物が感染又は破壊し得るその他の材料であり得る。微生物の増殖によって損なわれ得る製造プラントの部品、例えば冷却水循環路もまた、保護すべき材料の範囲内に挙げ得る。本発明の範囲内に挙げ得る産業資材は、粘着性付与剤、糊、紙及び厚紙、皮革、木材、塗料、冷却用潤滑剤並びに熱媒液であることが好ましく、木材であることが特に好ましい。
【0079】
挙げ得る産業資材を分解又は変化させ得る微生物は、例えば細菌、真菌(カビ菌)、酵母、藻類及びスライム生物である。本発明の活性化合物は、真菌、特に糸状菌、木材変色菌及び木材腐朽菌(担子菌類)に対して、並びにスライム生物及び藻類に対して作用することが好ましい。
【0080】
下記の属の微生物を例として挙げ得る:
アルタナリア属(Alternaria)、例えばアルタナリア・テヌイス(Alternaria tenuis)、
アスペルギルス属(Aspergillus)、例えばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、
ケトミウム属(Chaetomium)、例えばケトミウム・グロボーサム(Chaetomium globosum)、
コニオホーラ(Coniophora)属、例えばコニオホーラ・プエタナ(Coniophora puetana)、
レンティナス(Lentinus)属、例えばレンティナス・チグリヌス(Lentinus tigrinus)、
ペニシリウム(Penicillium)属、例えばペニシリウム・グラウクム(Penicillium glaucum)、
ポリポルス(Polyporus)属、例えばポリポルス・バージカラー(Polyporus versicolor)、
アウレオバシジウム(Aureobasidium)属、例えばアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、
スクレロフォーマ(Sclerophoma)属、例えばスクレロフォーマ・ピティオフィラ(Sclerophoma pityophila)、
トリコデルマ(Trichoderma)属、例えばトリコデルマ・ヴィリデ(Trichoderma viride)、
エシェリキア(Escherichia)属、例えば大腸菌(Escherichia coli)、
シュードモナス(Pseudomonas)属、例えば緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、
ブドウ球菌(Staphylococcus)属、例えば黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)。
【0081】
本発明の活性化合物は、その個々の物理的及び/又は化学的性質に応じて、慣用の製剤、例えば液剤、乳剤、懸濁剤、粉剤、発泡剤、ペースト剤、顆粒剤、エーロゾル剤並びに高分子物質及び種子用被覆組成物中の微細カプセル剤に変えることができ、またULV冷却及び加温煙霧製剤に変えることができる。
【0082】
これらの製剤は、公知の方法で、例えば活性化合物を増量剤(extender)、すなわち液状溶媒、加圧液化ガス及び/又は固形担体と、場合によっては界面活性剤、すなわち乳化剤及び/又は分散剤、及び/又は気泡形成剤と混合することにより製造される。使用する増量剤が水である場合には、例えば有機溶媒を補助溶媒として使用することも可能である。本質的に、適切な液状溶媒は、芳香族化合物、例えばキシレン、トルエン又はアルキルナフタレン類、塩素化芳香族炭化水素又は塩素化脂肪族炭化水素、例えばクロロベンゼン類、クロロエチレン類又は塩化メチレン、脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサン又はパラフィン類、例えば石油留分、アルコール類、例えばブタノール又はグリコール並びにこれらのエーテル類及びエステル類、ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン又はシクロヘキサノン、強極性溶媒、例えばジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシド、あるいは水である。液化ガス状増量剤又は担体とは、標準温度及び大気圧下でガス状の液体、例えばエーロゾル噴射剤、例えばハロゲン化炭化水素、あるいはブタン、プロパン、窒素及び二酸化炭素を意味すると理解されるべきである。適切な固形担体は、例えば粉砕天然鉱物、例えばカオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モントモリロナイト又はケイソウ土、並びに粉砕合成鉱物、例えば微細シリカ、アルミナ及びケイ酸塩である。粒剤に適した固形担体は、例えば破砕及び分別天然石、例えば方解石、大理石、軽石、海泡石及びドロマイトであるか、あるいは無機及び有機粉末の合成顆粒、及び有機材料の顆粒例えばおが屑、ヤシ殻、トウモロコシの穂軸及びタバコの茎である。適切な乳化剤及び/又は気泡形成剤は、例えば非イオン性乳化剤及び陰イオン性乳化剤、例えばポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル類、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル類、アルキルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アリールスルホン酸塩類、又はタンパク質加水分解生成物である。適切な分散剤は、例えばリグノ亜硫酸塩廃液及びメチルセルロースである。
【0083】
粘着付与剤、例えばカルボキシメチルセルロース並びに粉末状、顆粒状又はラテックス状の天然及び合成重合体、例えばアラビアゴム、ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル、あるいは天然リン脂質、例えばセファリン類及びレシチン類並びに合成リン脂質が前記の製剤に使用できる。その他の可能な添加剤は、鉱油及び植物油である。
【0084】
着色剤、例えば無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタン及びプルシアンブルー、並びに有機染料、例えばアリザリン染料、アゾ染料及び金属フタロシアニン染料、並びに微量栄養素、例えば鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデン及び亜鉛の塩を使用できる。
【0085】
前記の製剤は、一般に活性化合物を0.1から95重量%、好ましくは0.5から90重量%含有する。
【0086】
本発明の活性化合物は、そのままで使用できるし又はそれらの製剤として使用できるし、あるいは公知の殺真菌剤、殺菌剤、殺ダニ剤、殺線虫剤又は殺虫剤との混合物として使用し、例えば活性スペクトルを広げるか又は抵抗性の発現を防止することができる。多くの場合、相乗効果が得られる、すなわち混合物の活性がその個々の成分の活性よりも高い。
【0087】
適切な混合成分の例は、下記の化合物である:
殺真菌剤:
2−フェニルフェノール;8−ヒドロキシキノリンサルフェート;
アシベンゾラル−S−メチル;アルジモルフ;アミドフルメト;アムプロピルホス;アムプロピルホスカリウム;アンドプリム(andoprim);アニラジン;アザコナゾール;アゾキシストロビン;
ベナラキシル;ベノダニル;ベノミル;ベンチアバリカルブ・イソプロピル;ベンザマクリル;ベンザマクリル・イソブチル;ビラナホス;ビナパクリル;ビフェニル;ビテルタノール;ブラストサイジン・S;ブロムコナゾール;ブピリメート;ブチオベート;ブチルアミン;
多硫化石灰;カプシマイシン(capsimycin);カプタホール;キャプタン;カルベンダジム;カルボキシン;カルプロパミド;カルボン;キノメチオナート;クロベンチアゾン;クロルフェナゾール;クロロネブ;クロロタロニル;クロゾリネート;クロジラコン;シアゾファミド;シフルフェナミド;シモキサニル;シプロコナゾール;シプロジニル;シプロフラム;
Dagger G;デバカルブ;ジクロフルアニド;ジクロン;ジクロロフェン;ジクロシメット;ジクロメジン;ジクロラン;ジエトフェンカルブ;ジフェノコナゾール;ジフルメトリム;ジメチリモール;ジメトモルフ;ジモキシストロビン;ジニコナゾール;ジニコナゾール−M;ジノカップ;ジフェニルアミン;ジピリチオン;ジタリムホス;ジチアノン;ドジン;ドラゾキソロン;
エジフェンホス;エポキシコナゾール;エタボキサム;エチリモール;エトリジアゾール;
ファモキサドン;フェナミドン;フェナパニル;フェナリモール;フェンブコナゾール;フェンフラム;フェンヘキサミド;フェニトロパン;フェノキサニル;フェンピクロニル;フェンプロピジン;フェンプロピモルフ;ファーバム;フルアジナム;フルベンジミン;フルジオキソニル;フルメトオーバー(flumetover);フルモルフ(flumorph);フルオロミド;フルオキサストロビン(fluoxastrobin);フルキンコナゾール;フルルプリミドール;フルシラゾール;フルスルファミド;フルトラニル;フルトリアホール;フォルペット;ホセチル・アルミニウム;ホセチル・ナトリウム;フベリダゾール;フララキシル;フラメトピル;フルカルバニル;フルメシクロックス;
グアザチン;ヘキサクロロベンゼン;ヘキサコナゾール;ヒメキサゾール;
イマザリル;イミベンコナゾール;イミノクタジン三酢酸塩;イミノクタジン三アルベシル酸塩;ヨードカルブ;イプコナゾール;イプロベンホス;イプロジオン;イプロバリカルブ;イルママイシン;イソプロチオラン;イソバレジオン;
カスガマイシン;クレソキシム・メチル;
マンコゼブ;マネブ;メフェリムゾン;メパニピリム;メプロニル;メタラキシル;メタラキシル・M;メトコナゾール;メタスルホカルブ;メトフロキサム;メチラム;メトミノストロビン;メトスルホバックス(metsulfovax);ミルディオマイシン;マイクロブタニル;マイクロゾリン;
ナタマイシン;ニコビフェン(nicobifen);ニトロタル・イソプロピル;ノビフルムロン;ヌアリモール;
オフレース;オリサストロビン;オキサジキシル;オキソリン酸;オキソポコナゾール;オキシカルボキシン;オキシフェンチイン(oxyfenthiin);
パクロブトラゾール;ペフラゾエート;ペンコナゾール;ペンシクロン;ホスダイフェン;フサライド;ピコシキストロビン;ピペラリン;ポリオキシン類;ポリオキソリム(polyoxorim);プロベナゾール;プロクロラズ;プロシミドン;プロパモカルブ;プロパノシン(propanosine)・ナトリウム;プロピコナゾール;プロピネブ;プロキナジッド(proquinazid);プロチオコナゾール(prothioconazole);ピラクロストロビン;ピラゾホス;ピリフェノックス;ピリメタニル;ピロキロン;ピロキシフル;ピロールニトリン;
キンコナゾール;キノキシフェン;キントゼン;シメコナゾール;スピロキサミン;硫黄;
テブコナゾール;テクロフタラム;テクナゼン;テトシクラシス;テトラコナゾール;チアベンダゾール;チシオフェン(thicyofen);チフルザミド;チオファネート・メチル;チラム;チオキシミド;トルクロホス・メチル;トリルフルアニド;トリアジメホン;トリアジメノール;トリアズブチル;トリアゾキシド;トリシクラミド;トリシクラゾール;トリデモルフ;トリフロキシストロビン;トリフルミゾール;トリホリン;トリチコナゾール;
ウニコナゾール;バリダマイシンA;ビンクロゾリン;ジネブ;ジラム;ゾキサミド;
(2S)−N−[2−[4−[[3−(4−クロロフェニル)−2−プロピニル]オキシ]−3−メトキシフェニル]エチル]−3−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド;
1−(1−ナフタレニル)−1H−ピロール−2,5−ジオン;
2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン;
2−アミノ−4−メチル−N−フェニル−5−チアゾールカルボキサミド;
2−クロロ−N−(2,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチル−1H−インデン−4−イル)−3−ピリジンカルボキサミド;
3,4,5−トリクロロ−2,6−ピリジンジカルボニトリル;
アクチノベート(actinovate);シス−1−(4−クロロフェニル)−2−(1H−l,2,4−トリアゾール−1−イル)シクロヘプタノール;
1−(2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−1H−インデン−1−イル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸メチル;
炭酸水素カリウム;N−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−シクロプロパンカルボキサミド;
N−ブチル−8−(1,1−ジメチルエチル)−1−オキサスピロ[4.5]デカン−3−アミン;
テトラチオカルボン酸ナトリウム;
並びに銅塩及び銅製剤、例えばボルドー液;水酸化銅;ナフテン酸銅;オキシ塩化銅;硫酸銅;クフラネブ;酸化銅;マンカッパー;オキシン銅。
【0088】
殺菌剤:
ブロノポール、ジクロロフェン、ニトラピリン、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、カスガマイシン、オクチリノン、フランカルボン酸、オキシテトラサイクリン、プロベナゾール、ストレプトマイシン、テクロフタラム、硫酸銅及びその他の銅製剤。
【0089】
殺虫剤/殺ダニ剤/殺線虫剤:
アバメクチン、ABG−9008、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アセトプロール、アクリナトリン、AKD−1022、AKD−3059、AKD−3088、アラニカルブ、アルジカルブ、アルドキシカルブ、アレスリン、アレスリン1R−異性体、α−シペルメトリン(アルファメトリン)、アミドフルメト、アミノカルブ、アミトラズ、アバーメクチン、AZ−60541、アザジラクチン、アザメチホス、アジンホス・メチル、アジンホス・エチル、アゾシクロチン,
バシラス・ポピリエ(Bacillus popilliae)、バシラス・スフェリカス(Bacillus sphaericus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、バシラス・スリンジエンシス(Bacillus thuringiensis)、バシラス・スリンジエンシス株EG−2348、バシラス・スリンジエンシス株GC−91、バシラス・スリンジエンシス株NCTC−11821、バキュロウイルス、ボーベリア・バシアーナ(Beauveria bassiana)、ボーベリア・テネラ(Beauveria tenella)、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンゾキシメート、β−シフルトリン、β−シペルメトリン、ビフェナゼート、ビフェントリン、ビナパクリル、ビオアレスリン、ビオアレスリン−S−シクロペンチル−異性体、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、ビストリフルロン、BPMC、ブロフェンプロックス(brofenprox)、ブロモホス・エチル、ブロモプロピレート、ブロムフェンビンホス(−メチル)、BTG−504、BTG−505、ブフェンカルブ、ブプロフェジン、ブタチオホス、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、ブチルピリダベン、
カズサホス、カンフェクロル、カルバリル、カルボフラン、カルボフェノチオン、カルボスルファン、カルタップ、CGA−50439、キノメチオネート、クロルデン、クロルジメホルム、クロエトカルブ、クロルエトキシホス、クロルフェナピル、クロルフェンビンホス、クロルフルアズロン、クロルメホス、クロルベンジレート、クロルピクリン、クロルプロキシフェン(chlorproxyfen)、クロルピリホス・メチル、クロルピリホス(・エチル)、クロベパトリン(chlovaporthrin)、クロマフェノジド、シス−シペルメトリン、シス−レスメトリン、シス−ペルメトリン、クロシトリン(clocythrin)、クロエトカルブ、クロフェンテジン、クロチアニジン、クロチアゾベン(clothiazoben)、コドレモン、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、シクロプレン(cycloprene)、シクロプロトリン、シドリンガ(Cydia pomonella)、シフルトリン、シハロトリン、シヘキサチン、シペルメトリン、シフェノトリン(1R−トランス−異性体)、シロマジン、
DDT、デルタメトリン、ジメトン−S−メチル、ジメトン−S−メチルスルホン、ジアフェンチウロン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジクロルボス、ジコホル、ジクロトホス、ジシクラニル、ジフルベンズロン、ジメトエート、ジメチルビンホス、ジノブトン、ジノカップ、ジノテフラン、ジオフェノラン、ジスルホトン、ドクサト−ナトリウム(docusat−sodium)、ドフェナピン(dofenapyn)、DOWCO−439、
エフルシラネート(eflusilanate)、エマメクチン、エマメクチン安息香酸塩、エンペントリン(1R−異性体)、エンドスルファン、接合菌エントモフソーラ種(Entomopfthora spp.)、EPN、エスフェンバレレート、エチオフェンカルブ、エチプロール、エチオン、エトプロホス、エトフェンプロックス、エトキサゾール、エトリムホス、
ファムフル、フェナミホス、フェナザキン、酸化フェンブタスズ、フェンフルトリン、フェニトロチオン、フェノブカルブ、フェノチオカルブ、フェノキサクリム、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンピラド、フェンピリトリン、フェンピロキシメート、フェンスルホチオン、フェンチオン、フェントリファニル、フェンバレレート、フィプロニル、フロニカミド、フルアクリプリム、フルアズロン、フルベンジミン、フルブロシトリネート、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェンプロックス、フルメトリン、フルピラゾホス、フルテンジン(flutenzin)〔フルフェンジン(flufenzine)〕、フルバリネート、ホノホス、ホルメタネート、ホルモチオン、ホスメチラン、ホスチアゼート、フブフェンプロックス(fubfenprox)、(フルプロキシフェン(fluproxyfen))、フラチオカルブ、
γ−HCH、ゴッシプルレ(gossyplure)、グランドルレ(grandlure)、顆粒病ウイルス、
ハルフェンプロックス、ハロフェノジド(halofenozide)、HCH、HCN−801、ヘプテノホス、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、ヒドラメチルノン、ハイドロプレン,
IKA−2002、イミダクロプリド、イミプロトリン、インドキサカルブ、ヨードフェンホス、イプロベンホス、イサゾホス、イソフェンホス、イソプロカルブ、イソキサチオン、イベルメクチン、
幼弱ホルモンjaponilure、カデスリン、核多核体病ウイルス、キノプレン、
λ−シハロトリン、リンデン、ルフェヌロン、
マラチオン、メカルバム、メスルフェンホス、メタアルデヒド、メタム・ナトリウム、メタクリホス、メタミドホス、メタリジウム・アニソプリエ(Metharhizium anisopliae)、メタリジウム・フラボビリデ(Metharhizium flavoviride)、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトキシフェノジド、メトルカルブ、メトキサジアゾン、メビンホス、ミルベメクチン、ミルベマイシン、MKI−245、MON−45700、モノクロトホス、モキシデクチン、MTI−800、
ナレッド、NC−104、NC−170、NC−184、NC−194、NC−196、ニクロサミド、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、NNI−0001、NNI−0101、NNI−0250、NNI−9768、ノバルロン、ノビフルムロン、
OK−5101、OK−5201、OK−9601、OK−9602、OK−9701、OK−9802、オメトエート、オキサミル、オキシデメトン・メチル、
ペシロマイセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus)、パラチオン・メチル、パラチオン(・エチル)、ペルメトリン(シス、トランス)、石油、PH−6045、フェノトリン(1R−トランス異性体)、フェントエート、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホスホカルブ(phosphocarb)、ホキシム、ピペロニルブトキシド、ピリミカーブ、ピリミホス・メチル、ピリミホス・エチル、プラレスリン、プロフェノホス、プロメカルブ、プロパホス、プロパルギット、プロペタムホス(propetamphos)、プロポキスル、プロチオホス、プロトエート、プロトリフェンブテ(protrifenbute)、ピメトロジン、ピラクロホス、ピレスメトリン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリダフェンチオン、ピリダチオン(pyridathion)、ピリミジフェン、ピリプロキシフェン、
キナルホス、レスメトリン、RH−5849、リバビリン、RU−12457、RU−15525、
S−421、S−1833、サリチオン、セブフォス、SI−0009、シラフルオフェン、スピノサド、スピロディクロフェン、スピロメシフェン(spiromesifen)、スルフラミド、スルホテップ、スルプロホス、SZI−121、
タウ−フルバリネート、テブフェノジド、テブフェンピラド、テブピリミホス(tebupirimiphos)、テフルベンズロン、テフルトリン、テメホス、テミビンホス、ターバム、テルブホス、テトラクロルビンホス、テトラジホン、テトラメトリン、テトラメトリン(1R−異性体)、テトラサル、θ−シペルメトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チアプロニル、チアトリホス(thiatriphos)、チオシクラムシュウ酸塩(thiocyclam hydrogenoxalate)、チオジカルブ、チオファノックス、チオメトン、チオサルタップ・ナトリウム(thiosultap−sodium)、スリンジエンシン(thuringiensin)、トルフェンピラド、トラロシトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、トリアラセン、トリアゼメート、トリアゾホス、トリアズロン(triazuron)、トリクロフェニジン(trichlophenidine)、トリクロルホン、トリフルムロン、トリメタカルブ、
バミドチオン、バニリプロール(vaniliprole)、ベルブチン(verbutin)バーティシリウム・レカニ(Verticillium lecanii)、
WL−108477、WL−40027、YI−5201、YI−5301、YI−5302、XMC、キシリルカルブ、
ZA−3274、ζ−シペルメトリン、ゾラプロホス(zolaprofos)、ZXI−8901、
化合物 プロピルカルバミン酸3−メチルフェニル(ツマサイドZ)、
化合物 3−(5−クロロ−3−ピリジニル)−8−(2,2,2−トリフルオロエチル)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボニトリル(CAS−Reg.No.185982−80−3)及び対応する3−エンド−異性体(CAS−Reg.No.185984−60−5)(国際公開第WO96/37494号明細書、同第WO98/25923号明細書参照)、
並びに殺虫活性植物抽出物、線虫、真菌又はウイルスを含有する製剤。
【0090】
除草剤などのその他の公知の活性化合物との混合物又は肥料及び生長調節剤、薬害軽減剤(safener)及び/又は情報化学物質との混合物も可能である。
【0091】
また、本発明の式(I)で示される化合物は、極めて良好な抗真菌活性も有する。該化合物は、特に皮膚糸状菌及び酵母、糸状菌及び二相性真菌〔例えば、カンジダ種、例えばカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)〕、並びにエピデルモフィトン・フロッコーズム(Epidermophyton floccosum)、アスペルギルス種例えばアルペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)及びアルペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、白癬菌種例えばトリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、ミクロスポルム種、例えばミクロスポルム・カニス(Microsporon canis)及びミクロスポルム・オーズアニー(Microsporon audouinii)に対して極めて広い抗真菌活性を有する。これらの真菌類のリストは、カバーされた真菌スペクトルを決して限定するものではなく、単なる例示のためのものである。
【0092】
本発明の活性化合物は、そのままで使用できるし、その製剤の形態で使用できるし又はそれから調製される使用形態、例えばすぐ使用可能な液剤、懸濁剤、水和剤(wettable powder)、ペースト剤、水溶剤(soluble powder)、粉剤及び粒剤の形態で使用できる。施用は慣用の方法で、例えば散水、液剤散布、噴霧、散播、散粉、発泡、展着などで実施される。また、本発明の活性化合物は、微量散布法で散布することが可能であるし、又は該活性化合物製剤又は該活性化合物それ自体を土壌に注入することも可能である。また、植物の種子を処理することも可能である。
【0093】
本発明の活性化合物を殺真菌剤として使用する場合には、その施用量は施用の種類に応じて比較的幅広い範囲内で変化させ得る。植物の部分の処理に関しては、本発明の活性化合物の施用量は、一般的には0.1から10,000g/ha、好ましくは10から1000g/haである。種子粉衣に関しては、本発明の活性化合物の施用量は、一般的には種子1kg当たり0.001から50g、好ましくは種子1kg当たり0.01から10gである。土壌処理に関しては、本発明の活性化合物の施用量は、一般的には0.1から10,000g/ha、好ましくは1から5000g/haである。
【0094】
上で既に述べたように、本発明に従って植物全体及びその部分を処理することが可能である。好ましい実施態様においては、野生植物種及び植物変種、又は慣用の生物学的育種、例えば異種交配又は細胞融合によって得られる植物変種及びその部分が処理される。さらに好ましい実施態様においては、遺伝子工学によって、適切ならば慣用の方法と組み合わせることによって得られるトランスジェニック植物及び植物変種(遺伝子修飾生物)、並びにこれらの部分が処理される。「部分」又は「植物の部分」又は「植物部分」という用語は、上で説明してある。
【0095】
市販されているか又は使用されているそれぞれの場合の植物変種の植物は、本発明に従って処理されることが特に好ましい。植物変種とは、新規な性質(「特性」)を有し且つ慣用の育種法によって、突然変異誘発によって又は組換えDNA技術によって得られている植物を意味すると理解されるべきである。これらは、変種、品種、生物型又は遺伝子型であり得る。
【0096】
植物種又は植物変種、その生育環境及び生育条件(土壌、気候、生育期間、飼料)に応じて、本発明の処理はまた超付加(「相乗」)効果をもたらし得る。従って、例えば、施用量の低減及び/又は活性スペクトルの拡大及び/又は本発明に従って使用できる物質及び組成物の活性の増大、より良い植物生長、高温又は低温に対する耐性の増大、干ばつ又は水分もしくは土壌塩分に対する耐性の増大、開花性能の向上、収穫のより容易さ、熟成の促進、より高い収穫量、より良い品質及び/又はより高い栄養価の収穫品、収穫品のより良い貯蔵安定性及び/又は加工性が可能であり、これらは実際に期待されるべきであった効果を凌ぐ。
【0097】
本発明に従って処理されることが好ましいトランスジェニック植物又は植物変種(すなわち、遺伝子工学によって得られる植物変種)としては、遺伝子組み換えにおいてこれらの植物に特に都合のよい有用な性質(「特性」)を付与した遺伝子材料を受け入れた植物全てが挙げられる。かかる性質の例は、より良い植物生長、高温又は低温に対する耐性の増大、干ばつ又は水分もしくは土壌塩分に対する耐性の増大、高められた開花性能、収穫のより容易さ、促進された熟成、より高い収穫量、より良い品質及び/又はより高い栄養価の収穫品、収穫品のよりよい貯蔵安定性及び/又は加工性である。このような性質の別の及び特に重視される例は、動物及び微生物害虫、例えば昆虫、ダニ、植物病原性の真菌、細菌及び/又はウイルスに対する植物のよりよい防衛能、及びある種の除草活性化合物に対する植物の高められた抵抗性である。挙げ得るトランスジェニック植物の例は、重要な作物植物、例えば穀類(コムギ、イネ)、トウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ、ナタネ及び果樹植物(リンゴ、ナシ、柑橘系果物及びブドウ)であり、特に重要なものはトウモロコシ、ダイズ、ジャガイモ、ワタ、タバコ及びナタネが挙げられる。重視される特性は、特に、植物内で形成された毒素、特にバシラス・スリジエンシス(Bacillus thuringiensis)由来の遺伝物質〔例えば、遺伝子CryIA(a)、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIIA、CryIIIA、CryIIIB2、Cry9c、Cry2Ab、Cry3Bb及びCryIF並びにこれらの組み合わせ〕により植物内で形成された毒素による昆虫に対する植物の高められた防衛能である(以下、「Bt植物」という)。また特に重視される特性は、全身獲得抵抗性(SAR)、システミン、フィトアレキシン類、エリシター類並びに耐性遺伝子並びにこれらに対応して発現されるタンパク質及び毒素による真菌、細菌及びウイルスに対する植物の高められた防衛能である。さらに別の特に重視される特性は、ある種の除草活性化合物、例えばイミダゾリノン類、スルホニルウレア類、グリホセート又はホスフィノトリシン(例えば、「PAT」遺伝子)に対する植物の高められた耐性である。当該所望の特性を付与する遺伝子はまた、トランスジェニック植物内で相互に組み合わせて存在させ得る。挙げ得る「Bt植物」の例は、トウモロコシ変種、ワタ変種、ダイズ変種及びジャガイモ変種であり、これらは商品名YIELD GARD(登録商標)(例えば、トウモロコシ、ワタ、ダイズ)、KnockOut(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、StarLink(登録商標)(例えば、トウモロコシ)、Bollgard(登録商標)(ワタ)、Nucoton(登録商標)(ワタ)及びNewLeaf(登録商標)(ジャガイモ)として販売されている。挙げ得る除草剤抵抗性植物の例は、トウモロコシ変種、ワタ変種及びダイズ変種であり、これらは商品名Roundup Ready(登録商標)(グリホセート抵抗性、例えばトウモロコシ、ワタ、ダイズ)、Liberty Link(登録商標)(ホスフィノトリシン抵抗性、例えばナタネ)、IMI(登録商標)(イミダゾリノン抵抗性)及びSTS(登録商標)(スルホニルウレア抵抗性、例えばトウモロコシ)として販売されている。挙げ得る除草剤抵抗性植物(除草剤耐性について慣用の方法で育成させた植物)としては、商品名Clearfield(登録商標)(例えばトウモロコシ)として販売されている変種を挙げ得る。勿論、これらの説明は、これらの遺伝特性又はさらに開発されるべき遺伝特性を有する植物変種にも適用される、これらの植物は今後開発され及び/又は市販される。
【0098】
上に挙げた植物は、本発明の一般式(I)で示される化合物又は活性化合物混合物を用いて特に都合のよい方法で本発明に従って処理することができる。また、活性化合物又は混合物について前記の好ましい範囲が、これらの植物の処理に適用される。本明細書で具体的に述べた化合物又は混合物を用いて植物を処理することが特に重要である。
【実施例】
【0099】
製造実施例
実施例1
【0100】
【化13】

方法(a)
トリエチルアミン0.36ml(2.6ミリモル)と、3−メチルチオフェン−2−カルボニルクロリド0.25g(1.56ミリモル)をテトラヒドロフラン3mlに溶解した溶液とを、3’−クロロ−4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−アミン0.288g(1.3ミリモル)をテトラヒドロフラン3mlに溶解した溶液に加えた。この反応溶液を60℃で16時間攪拌した。処理については、得られた溶液を濃縮し、シリカゲルを用いてシクロヘキサン/酢酸エチルを使用してクロマトグラフィーに供した。
【0101】
これによりlogP(pH2.3)=3.85のN−(3’−クロロ−4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−イル)−3−メチル−2−チオフェンカルボキサミド0.45g(理論値の99%)が得られた。
【0102】
実施例2
【0103】
【化14】

方法(b)
酸素を除きながら、2−クロロ−5−ブロモトルエン103mg(0.5ミリモル)、酢酸カリウム162mg(1.65ミリモル)及びピナコールジボロン酸エステル152mg(0.6ミリモル)を、脱気したジメチルスルホキシド8mlに溶解し、次いで触媒量(37mg)の1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリドを加えた。この反応混合物を80から90℃で2時間攪拌した。冷却した後に、得られた反応混合物に、炭酸ナトリウムの2モル溶液1.25ml、N−(2−ブロモフェニル)−3−メチル−2−チオフェンカルボキサミド148mg(0.5ミリモル)をジメチルスルホキシド4mlに溶解した溶液及び別量の1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)クロリド37mgを加え、この混合物を80から90℃でさらに16時間攪拌した。処理については、水2mlと酢酸エチル8mlを加え、有機相を分離した。得られた有機相を濃縮し、活性炭及びケイ酸に通して濾過した。濾液を、シリカゲルを用いてシクロヘキサン/酢酸エチル(1:1)を使用してクロマトグラフィーに供した。
【0104】
これによりlogP(pH2.3)=4.41を有するN−(3’−クロロ−4’−メチル−1,1’−ビフェニル−2−イル)−3−メチル−2−チオフェンカルボキサミド79mg(理論値の46%)が得られた。
【0105】
下記の表1に挙げた式(I)の化合物は、実施例1及び2と同様にして及び方法a)及びb)の一般的記載の説明に従って得られる。
【0106】
【表1】


【0107】
式(II)で示される出発原料の製造
実施例(II−1)
【0108】
【化15】

3−クロロ−4−フルオロフェニルボロン酸38.8g(223ミリモル)と2−ヨードアニリン40.6g(186ミリモル)とを、アルゴン雰囲気下で、トルエン220ml、エタノール22ml及び4M炭酸水素ナトリウム溶液45mlに溶解した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)4.3g(4ミリモル)を加え、この反応溶液をアルゴン雰囲気下に80℃で16時間攪拌した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、次いで濃縮した。残渣を、シリカゲルを用いてシクロヘキサン/酢酸エチル)を使用してクロマトグラフィーに供した。
【0109】
これにより、logP(pH2.3)=3.01の3’−クロロ−4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−2−アミン22.5g(理論値の48%)が得られた。
【0110】
式(III)で示される出発原料の製造
実施例(III−1)
【0111】
【化16】

方法(c)
炭酸カリウム5.6g(0.040モル)と3−メチルチオフェン−2−カルボニルクロリド6.0g(0.037モル)とを、2−ブロモアニリン5.36g(0.031モル)をアセトニトリル80mlに溶解した溶液に加えた。この反応溶液を還流下で16時間加熱し、次いで濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、シリカゲルを用いてシクロヘキサン/酢酸エチル(2:1)を使用してクロマトグラフィーに供した。
【0112】
これによりlogP(pH2.3)=3.30のN−(2−ブロモフェニル)−3−メチル−2−チオフェンカルボキサミド7.4g(理論値の80%)が得られた。
【0113】
前記の製造実施例及び表に示したlogP値の測定は、EEC Directive 79/831 Annex V.A8に従って逆相カラム(C18)を用いてHPLC(高性能液体クロマトグラフィー)で行った。温度:43℃。
【0114】
前記の測定は、pH2.3の酸性範囲で、移動相として0.1%水性リン酸とアセトニトリルを使用し;アセトニトリルが10%からアセトニトリルが90%までの直線濃度勾配で行った。
【0115】
較正は、既知のlogP値を有する非分岐アルカン−2−オン類(3から16個の炭素原子を有する)を使用して行った(炭素数が連続する2種類のアルカノン同士の間の線形補間法を使用して保持時間によりlogP値を測定した)。
【0116】
λmax値は200nmから400nmのUVスペクトルを使用してクロマトグラフ信号の最大値で測定した。
【0117】
使用実施例
実施例A
うどんこ病試験(リンゴ)/保護試験
溶 媒:アセトン24.5重量部
ジメチルアセトアミド24.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1.0重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、次いで得られた濃厚物を水で所定の濃度に希釈した。
【0118】
保護活性について試験するために、稚苗に活性化合物の製剤を下記の表に示した施用量で噴霧した。噴霧被膜が乾燥した後に、前記の稚苗にリンゴのうどん粉病菌(Podosphaera leucotricha)の水性胞子(conidia)懸濁液を接種した。次いで、この苗を約23℃の温度及び相対大気湿度約70%の温室に入れた。
【0119】
評価は、菌接種後10日目に行った。0%は対照の効果に対応する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が全く認められないことを意味する。
【0120】
活性化合物、施用量及び試験結果を下記の表に示す。
【0121】
【表2】



【0122】
実施例B
うどんこ病試験(キュウリ)/保護試験
溶 媒:アセトン24.5重量部
ジメチルアセトアミド24.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1.0重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、次いで得られた濃厚物を水で所定の濃度に希釈した。
【0123】
保護活性について試験するために、稚苗に活性化合物の製剤を下記の表に示した施用量で噴霧した。噴霧被膜を乾燥した後に、前記の稚苗にキュウリのうどん粉病菌(Sphaerotheca fuliginea)の水性胞子懸濁液を接種した。次いで、この苗を約23℃の温度及び相対大気湿度約70%の温室に入れた。
【0124】
評価は、菌接種後7日目に行った。0%は対照の効果に対応する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が全く認められないことを意味する。
【0125】
活性化合物、施用量及び試験結果を下記の表に示す。
【0126】
【表3】



【0127】
実施例C
黒星病(リンゴ)試験/保護試験
溶 媒:アセトン24.5重量部
ジメチルアセトアミド24.5重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1.0重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、次いで得られた濃厚物を水で所定の濃度に希釈した。
【0128】
保護活性について試験するために、稚苗に、活性化合物の製剤を下記の施用量で噴霧した。噴霧被膜を乾燥した後に、前記の稚苗にリンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)の分生子懸濁液を接種し、次いで約20℃及び相対大気湿度約100%の培養室に1日入れて置いた。
【0129】
次いで、この植物を約21℃及び相対大気湿度約90%の温室に入れた。
【0130】
評価は、菌接種後10日目に行った。0%は対照の効果に対応する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が認められないことを意味する。
【0131】
活性化合物、施用量及び試験結果を下記の表に示す。
【0132】
【表4】


【0133】
実施例D
輪紋病(トマト)試験/保護試験
溶 媒:N,N−ジメチルホルムアミド49重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル1重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、次いで得られた濃厚物を水で所定の濃度に希釈した。
【0134】
保護活性について試験するために、トマトの稚苗に活性化合物の製剤を前記の施用量で噴霧し、処理後1日目に該植物にトマトの輪紋病菌(Altemaria solani)の胞子懸濁液を接種し、次いで相対湿度100%及び20℃で24時間保持した。次いで、この苗を相対大気湿度96%及び温度20℃で保持した。
【0135】
評価は、菌接種後7日目に行った。0%は対照の効果に対応する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が全く認められないことを意味する。
【0136】
活性化合物、施用量及び試験結果を下記の表に示す。
【0137】
【表5】


【0138】
実施例E
網斑病(オオムギ)試験/保護試験
溶 媒:N,N−ジメチルアセトアミド25重量部
乳化剤:アルキルアリールポリグリコールエーテル0.6重量部
活性化合物の適切な製剤を製造するために、活性化合物1重量部を上記の量の溶媒及び乳化剤と混合し、次いで得られた濃厚物を水で所定の濃度に希釈した。
【0139】
保護活性について試験するために、稚苗に活性化合物の製剤を前記の施用量で噴霧した。噴霧被膜を乾燥した後に、前記稚苗にオオムギの網斑病菌(Pyrenophora teres)の分生子懸濁液を噴霧した。この苗を20℃及び相対大気湿度100%の培養室で48時間保持した。
【0140】
次いで、前記の苗を温度約20℃及び相対大気湿度約80%の温室に入れた。
【0141】
評価は、菌接種後7日目に行った。0%は対照の効果に対応する効果を意味し、これに対して100%の効果は感染が全く認められないことを意味する。
【0142】
活性化合物、施用量及び試験結果を下記の表に示す。
【0143】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式(I)
【化1】

〔式中、R及びRは、同一であるか又は異なり、それぞれ独立して水素原子又は弗素原子を表し、
、R及びRは、同一であるか又は異なり、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、C〜Cアルキル基を表すか又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜Cハロアルキル基を表し、
は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、C〜Cアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜Cシクロアルキル基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルキルチオ基、C〜Cアルキルスルホニル基、1から5個のハロゲン原子を有するC〜Cハロアルキル基、1から5個のハロゲン原子を有するC〜Cハロアルコキシ基、1から5個のハロゲン原子を有するC〜Cハロアルキルチオ基又は1から5個のハロゲン原子を有するC〜Cハロアルキルスルホニルを表す(但し、R、R、R及びRが同時に水素原子を表すことはないものとする)〕で示されるメチルチオフェンカルボキサニリド。
【請求項2】
及びRが、同一であるか又は異なり、それぞれ独立して水素原子又は弗素原子を表し、
、R及びRが、同一であるか又は異なり、それぞれ独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基、エチル基、n−もしくはi−プロピル基、n−、i−、s−もしくはt−ブチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基又はトリフルオロエチル基を表し、
が水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、n−もしくはi−プロピル基、n−、i−、s−もしくはt−ブチル基、シクロプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、n−もしくはi−プロピルチオ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロエチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロクロロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基、ジフルオロメチルチオ基、ジフルオロクロロメチルチオ基又はトリフルオロメチルチオ基を表し、
がさらにヨウ素原子を表す(但し、R、R、R及びRが同時に水素原子を表すことはないものとする)、請求項1に記載の式(I)で示されるメチルチオフェンカルボキサニリド。
【請求項3】
及びRが、同一であるか又は異なり、それぞれ独立して水素原子又は弗素原子を表し、
、R及びRが、同一であるか又は異なり、それぞれ独立して水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表し、
が水素原子、弗素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、シクロプロピル基、メトキシ基、メチルチオ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロエチル基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロクロロメトキシ基、トリフルオロエトキシ基、ジフルオロメチルチオ基、ジフルオロクロロメチルチオ基又はトリフルオロメチルチオ基を表し、
がさらにヨウ素原子又はシアノ基を表す(但し、R、R、R及びRが同時に水素原子を表すことはないものとする)、請求項1に記載の式(I)で示されるメチルチオフェンカルボキサニリド。
【請求項4】
請求項1に記載の式(I)で示されるメチルチオフェンカルボキサニリドの製造方法であって、
a)次の式(II)
【化2】

(式中、Xはハロゲン原子を表す)で示されるメチルチオフェンカルボニルハライドを、次の式(III)
【化3】

(式中、R、R、R、R、R及びRは請求項1で定義した通りである)で示されるアニリン誘導体と、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させるか、又は
b)次の式(IV)
【化4】

(式中、R及びRは請求項1で定義した通りであり且つXは臭素原子又はヨウ素原子を表す)で示されるメチルチオフェンカルボン酸ハロゲンアニリドを次の式(V)
【化5】

(式中、R、R、R及びRは請求項1で定義した通りである)で示されるボロン酸と、触媒の存在下に、適切ならば酸結合剤の存在下で及び適切ならば希釈剤の存在下で反応させることを特徴とする、製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の式(I)で示されるメチルチオフェンカルボキサニリドの少なくとも1種と増量剤及び/又は界面活性剤とを含有してなることを特徴とする、望ましくない微生物の防除用組成物。
【請求項6】
望ましくない微生物を防除するための、請求項1に記載の式(I)で示されるメチルチオフェンカルボキサニリドの使用。
【請求項7】
請求項1に記載の式(I)で示されるメチルチオフェンカルボキサニリドを望ましくない微生物及び/又はそれらの生息環境に施用することからなることを特徴とする、望ましくない微生物の防除方法。
【請求項8】
請求項1に記載の式(I)で示されるメチルチオフェンカルボキサニリドを増量剤及び/又は界面活性剤と混合することを特徴とする、望ましくない微生物の防除用組成物の製造方法。
【請求項9】
次の式(IV)
【化6】

(式中、R及びRは請求項1で定義した通りであり且つXは臭素原子又はヨウ素原子を表す)で示されるメチルチオフェンカルボン酸ハロアニリド。

【公開番号】特開2011−6432(P2011−6432A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−177583(P2010−177583)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【分割の表示】特願2003−587799(P2003−587799)の分割
【原出願日】平成15年4月15日(2003.4.15)
【出願人】(302063961)バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト (524)
【Fターム(参考)】