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メチルナルトレキソンの経口製剤および親油性塩
説明

メチルナルトレキソンの経口製剤および親油性塩

【課題】本発明の目的は、メチルナルトレキソンの経口製剤および親油性塩を提供することである。
【解決手段】本発明は、メチルナルトレキソンまたはその塩を含む組成物、ならびに経口投与用のその組成物および製剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メチルナルトレキソンの経口製剤および親油性塩に関する。
【0002】
関連出願
本出願は、2010年3月11日に出願した米国仮特許出願第61/313,018号の恩典を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
オピオイドは、疼痛を有する患者の治療において広く用いられている。そのような患者には、進行癌および他の末期疾患を有する患者、ならびにまた慢性非悪性疼痛および急性非悪性疼痛を有する患者が含まれる。オピオイドは、中枢神経系に位置するオピオイド受容体を活性化して疼痛を緩和する麻酔性医薬である。しかしながら、オピオイドは中枢神経系外の受容体とも反応して、便秘、悪心、嘔吐、尿閉、および重篤な掻痒を含む副作用をもたらす。最も顕著なものは胃腸(GI)管におけるオピオイドの影響であり、ここでこれらの薬物は胃内容排出および腸の蠕動運動を阻害し、それによって腸管輸送速度を減少させ、便秘を引き起こす。疼痛治療におけるオピオイドの使用はこれらの望ましくない副作用のために制限される場合が多く、これによって衰弱させることがあり、患者はこの副作用のためにオピオイド鎮痛薬の使用を拒否することが多い。
【0004】
外因性オピオイドにより誘発される副作用に加えて、内因性オピオイドおよびオピオイド受容体もまた、胃腸(GI)管に影響を及ぼす可能性があり、腸運動および流体の粘膜輸送の正常な調節に関与し得ることが研究により示唆されている。したがって、内因性オピオイドおよび/または受容体活性の異常な生理的レベルもまた、腸管機能不全をもたらす場合がある。例えば、外科手術、特に腹部の手術を受けた患者は、術後イレウスと称される特定の腸管機能不全に罹患する場合が多いが、これは天然オピオイドレベルの変動によって引き起こされ得る。同様に、出産後間もない女性は一般に産後イレウスに罹患するが、これは出産ストレスの結果としての、同様の天然オピオイドレベルの変動によって引き起こされ得る。術後または産後イレウスに関連する胃腸障害は、典型的には3〜5日間持続し得て、いくつかの重篤な症例では1週間超持続する場合もある。術後患者へのオピオイドの投与は現在ではほぼ一般的な慣行であるが、腸管機能不全を悪化させる場合があり、それによって正常な腸機能の回復が遅れ、入院が長引き、医療費の増加を招く。
【0005】
ナロキソン、ナルトレキソン、およびナルメフェンなどのオピオイド受容体アンタゴニストは、オピオイドの望ましくない末梢性副作用と拮抗する手段として研究されてきた。しかしながらこれらの薬剤は、末梢性オピオイド受容体に作用するばかりでなく中枢神経系のオピオイド受容体にも作用して、オピオイドの有益かつ望ましい鎮痛効果を逆転させるか、またはオピオイド離脱の症状を引き起こす場合がある。オピオイド誘発性副作用の制御において使用するのに好ましいアプローチには、血液脳関門を容易に通過しない末梢作用性オピオイド受容体アンタゴニストの投与が含まれる。
【0006】
1970代後半から、末梢性μオピオイド受容体アンタゴニストであるメチルナルトレキソンが研究されてきた。これは、便秘、掻痒、悪心、および尿閉などのオピオイド誘発性副作用を軽減するために患者で用いられている(例えば、特許文献1〜4;および非特許文献1を参照されたい)。これらの研究において最も頻繁に用いられたメチルナルトレキソンの剤形は、静脈内注射用のメチルナルトレキソン溶液であった。
【0007】
特許文献5において、メタドン維持療法患者を治療するためのメチルナルトレキソンの用量が探索された。特許文献5では、メタドン維持療法患者の研究に基づいて、慢性的にオピオイドを使用している患者は、以前には臨床的に有効でないほど低いと見なされたメチルナルトレキソンの用量に対して反応すると仮定された。(メタドン維持療法患者は典型的に、ヘロイン、オキシコンチン、ジラウジッド、またはヒドロコン(hydrocone)などのアヘン剤に対する依存症を有する。該患者は、30 mg/日以上の少なくとも30日間にわたる、およびより典型的にはそれよりも高い、安定した用量のメタドン治療歴を有する)。低用量のメチルナルトレキソンが静脈投与された。これらの用量は0.01〜0.37 mg/kgであり、162(30〜774 ng/ml)という平均ピーク血漿レベルが報告された。メタドン維持療法患者におけるこれらの静脈内用量により、「迅速な」便通が誘導された。
【0008】
メチルナルトレキソン皮下注射が探索され、これは米国において、緩和ケアを受けている進行性医学的疾患患者においてオピオイド誘発性便秘を治療するために臨床的に認可された。有効であることが判明した皮下注射用量は、0.15または0.3 mg/kgであった。この用量は「迅速な」便通は誘導しなかったが、むしろ、治療した患者のかなりの数において4時間以内に便通を誘導した。
【0009】
メチルナルトレキソンを含む特定のオピオイドアンタゴニストの経口剤刑を作製する試みが行われた。特許文献6では、「全胃腸管にわたって」特定の化合物を放出させるために経口剤形が構築される。特許文献6によれば、オピオイドアンタゴニストは、用量を制限する副作用のために、迅速な放出形態での投与に必ずしも適しているとは限らない。加えて、オピオイド誘発性便秘は、胃腸管全体にわたる受容体上のオピオイドの直接的および局所的効果に起因すると考えられた。これらの問題に取り組むため、特許文献6は、制御放出剤形でメチルナルトレキソンを含む特定のオピオイドアンタゴニストを投薬し、それによって胃腸管全体にわたって局所的に、許容可能な用量でこれらのアンタゴニストを送達することを示唆している。しかしながら、メチルナルトレキソンに関するデータは具体的に報告されなかった。
【0010】
特許文献7において、胃内でメチルナルトレキソンを実質的に放出しない腸溶コーティングされたメチルナルトレキソンが、モルヒネによって起こる口-盲腸遅延の拮抗において、非コーティングメチルナルトレキソンよりも有効であることが実証された。特許文献7では、胃を完全に回避する経口投薬を使用して、有効量のメチルナルトレキソンを送達することを示唆し、主張している。しかしながら、便通に関するデータは報告されなかった。
【0011】
特許文献5において、メタドン維持療法患者(すなわち、メチルナルトレキソンの効果に対する感受性が高いことが示された患者)において便秘を治療するため、経口用量のメチルナルトレキソンが探索された。カプセル中で経口投与されたメチルナルトレキソンの用量は、0.3〜3.0 mg/kgであった。これらの患者に投与されたメチルナルトレキソンカプセルは、試験した数名の患者において便通を誘導したが、期間は用量に応じて1.2〜24時間であった。最も速い反応は、3.0 mg/kgを投与された患者4名で見られた(1.2〜10時間の範囲で5.2 +/- 4.5時間)。
【0012】
したがって、メチルナルトレキソンを含む生物学的に利用可能な経口投薬製剤の必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5,972,954号
【特許文献2】米国特許第5,102,887号
【特許文献3】米国特許第4,861,781号
【特許文献4】米国特許第4,719,215号
【特許文献5】米国特許第6,559,158号
【特許文献6】米国特許第6,419,959号
【特許文献7】米国特許第6,274,591号
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Yuan et al., Drug and Alcohol Dependence 1998, 52, 161
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、メチルナルトレキソンの経口製剤および親油性塩を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
メチルナルトレキソンの製剤の腸溶性スフェロイドを含有するカプセルを、オピオイド誘発性便秘を患う患者において試験した。本研究における患者は、非悪性疼痛のためにオピオイドの投与を受けていた。(該患者は、慢性メタドン維持療法患者ではなかった。) '591特許において有効であると報告された範囲内の用量である300 mgまたは450 mgの腸溶性メチルナルトレキソンカプセル(それぞれおよそ4 mg/kgおよび6 mg/kg)を患者に投与した。300 mg用量によって生じたメチルナルトレキソンの平均ピーク血漿レベルは10 ng/mLであり、450 mg用量によって生じたメチルナルトレキソンの平均ピーク血漿レベルは20 ng/mL未満であった。予期せぬことに、これらの調製物はオピオイド誘発性便秘を治療するのに有効ではなかった。該調製物は便通を誘導せず、患者において対照と比較してより頻繁な排便をもたらさなかった。このことは、当技術分野における教示を考えると驚くべきことであった。
【0017】
腸溶性メチルナルトレキソンカプセルの結果に基づくと、便通の達成が該薬物のピーク血漿レベルに依存するのか、該薬物の血漿レベルを達成するタイミングに依存するのか、または局所効果などの他の要因に依存するのかは不明であった。さらなる実験を行い、結果として、本発明者らは、腸溶コーティングしていないメチルナルトレキソンを含有する経口製剤を開発することに着眼した。
【0018】
腸溶コーティングしていないメチルナルトレキソンの製剤のスフェロイドを含有するカプセルを、非悪性疼痛のためにオピオイドの投与を受けている患者において試験した。150 mg、300 mg、450 mg、および600 mgの用量を試験した。これらの用量により、約15〜40 ng/mlの平均ピーク血漿レベルが生じた。腸溶コーティングしていないこれらのカプセルは便通を誘導せず、この患者集団において対照と比較してより頻繁な排便をもたらさなかった。
【0019】
腸溶コーティングしていないメチルナルトレキソンの製剤のスフェロイドを含有する錠剤を、非悪性疼痛のためにオピオイドの投与を受けている患者において試験した。150 mg、300 mg、450 mg、および600 mgの用量を試験した。これらの用量により、非コーティングカプセルで達成されたピーク血漿レベルと類似の、約7〜40 ng/mlの平均ピーク血漿レベルが生じた。腸溶コーティングしていないこれらの錠剤は、1つの用量では統計的有意性を有して活性を示したが、全用量にわたって一貫して便通を誘導するわけではなかった。錠剤では活性があり、カプセルでは活性がないということは、先行技術で入手可能な情報に基づくと、当業者にとって驚くべきことであった。
【0020】
先行技術は、非悪性疼痛のためにオピオイドの投与を受けている患者においてオピオイド誘発性便秘を治療するのに有効な経口メチルナルトレキソンを作製するのに何が必要であるのかを明らかにしなかった。第一に、先行技術は、便通の達成が該薬物の全体の血漿レベルに依存するのか、該薬物のピーク血漿レベルに依存するのか、または該薬物の血漿レベルを達成するタイミングに依存するのかを明らかにしなかった。第二に、たとえ便通を達成するための薬物動態が確立されたとしても、先行技術は、用量変更およびコーティングによる以外の、経口メチルナルトレキソンの薬物動態を予測通りに制御するための製剤化方法論を明らかにしなかった。非腸溶性錠剤の性能をさらに向上させることを所望して、さらなる製剤開発研究を行った。
【0021】
メチルナルトレキソンは親水性であり、水溶液によく溶ける。第4級アミンの正電荷のために、メチルナルトレキソンは胃腸管において吸収されにくい。一般に、経口送達した場合、メチルナルトレキソンの約5%未満しか血流中に吸収されない。
【0022】
経口投与薬の吸収を高めるためには、多くの考えられ得る一般的アプローチが存在する。しかしながら、どのアプローチが経口メチルナルトレキソンの有効性の向上をもたらすのかは不明であった。本発明者らは、錠剤製剤、カプセル製剤、液体製剤、ギャップ結合開口薬、Pgp阻害剤、能動輸送剤、油懸濁液、迅速放出のための発泡溶液等を試験した。試みたアプローチの大部分は、使用した実験モデルにおいて吸収を向上させなかった。実際に、ある種のイヌモデルで試験した場合、アプローチのいくつかは予測した効果と反対の効果を有し、すなわち試験したパラメータの1つまたは複数において吸収は阻害された。
【0023】
分子上の見かけのイオン電荷を減少させるために、イオン対形成が調べられてきた。親水性荷電分子と両親媒性対イオンの間の相互作用により、親水性分子は十分に親油性となって、非水溶媒中での該分子の溶解性が可能になり得る(または増加し得る)。イオン対形成によって有機相への分子の分配が増加するため、この分野の研究の多くは、イオン性分子の有機溶媒中への抽出、クロマトグラフィーによる分子の分離、有機溶媒中での親水性分子の反応等に向けられてきた。薬物吸収に関して、研究の大部分は、皮膚、眼、鼻腔、または腟腔への薬物の送達に限定されていた(例えば、J. Hadgraft, 「Skin Deep,」 European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 58, 291-299, 2004;Quintanar-Guerrero et al., Application of the Ion-Pair Concept to Hydrophilic Substances with Special Emphasis on Peptides,」 Pharmaceutical Research 14, 119-127, 1997を参照されたい)。イオン対を用いて経口投与薬の生物学的利用能を向上させることに関して、先行技術では限られた研究しか報告されていない。
【0024】
臭化メチルナルトレキソンよりも疎水性の高い「対」を形成し、それによって胃内でのメチルナルトレキソンの吸収を高めるため、本発明者らにより、正荷電メチルナルトレキソンと負荷電部分とのイオン対が仮定された。メチルナルトレキソンと陰イオンを用いて、様々なイオン類が形成された。メチルナルトレキソンとドデシル(ラウリル)硫酸との間で、1つのそのようなイオン対が形成された。
【0025】
予期せぬことに、即効性崩壊剤(例えば、二酸化炭素発生崩壊剤)を伴う固体剤形中の、メチルナルトレキソンと、溶液中に溶解した場合にメチルナルトレキソンとイオン対または塩を形成する両親媒性の薬学的に許容される賦形剤が、便通を誘導するのに効果的であることが発見された。
【0026】
本発明の任意の特定の理論によって縛られることは望まないが、本発明の製剤および調製物を用いた場合、局所的な胃への効果および全身的な効果が存在し、それらが組み合わさって便通を達成すると考えられる。そのような二重効果により、皮下注射に有効であることが示されたピーク血漿レベルよりも低いピーク血漿レベルで、本発明の経口製剤を用いて便通が達成され得ることが示唆され得る。
【0027】
本発明は、メチルナルトレキソンと両親媒性の薬学的に許容される賦形剤のイオン対、そのようなイオン対を形成する方法、そのようなイオン対を選択する方法、そのようなイオン対の使用、そのようなイオン対を含む組成物、即効性崩壊剤(例えば、発泡性または二酸化炭素発生崩壊剤)を含有する製剤を含む、メチルナルトレキソンおよび両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の固体経口製剤、ならびにそのような組成物およびその製剤を使用する方法に関する。
【0028】
1つの局面において、本発明は以下の式のメチルナルトレキソンの塩を提供する:
【化1】

式中、メチルナルトレキソンは塩の陽イオンであり、A-は両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである。特定の態様において、メチルナルトレキソンは、上記の式に示されるように(R)-N-メチルナルトレキソンである。両親媒性の薬学的に許容される賦形剤は酸性である。特定の態様において、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤は、約3以下のpKaを有する。例えば、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤は、硫酸、スルホン酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、またはホスホン酸部分を含み得る。1つの態様において、薬学的に許容される賦形剤は(-OSO3-)基を含む。特定の理論によって縛られることは望まないが、約3以下のpKa値を有するそのような化学官能基により、イオン対は、胃で見出される酸性pHにおいて共に結合したままであることが可能になる。これは、賦形剤の共役塩基が脱プロトン化され、負に荷電したままであり、かつメチルナルトレキソンが正に荷電した4級アミンであるためである。薬学的に許容される賦形剤はまた、疎水性部分を含む。いくつかの態様において、疎水性部分は、分岐または非分岐で、飽和型または不飽和型で、環式または非環式のC4-30脂肪族鎖であり、これは任意に置換されてよい。いくつかの態様において、薬学的に許容される賦形剤は、例えば、置換されていてもよい、飽和型または不飽和型で、分岐または非分岐で、環式または非環式のC4-30脂肪族基である。いくつかの態様において、これは飽和型で、非分岐で、非環式で、非置換型のC4-30アルキル基である。いくつかの態様において、これは飽和型で、非分岐で、非環式で、非置換型のC7-15アルキル基である。いくつかの態様において、これはC12 n-アルキル基である。いくつかの態様において、これはドデシル(ラウリル)硫酸である。任意の理論によって縛られることは望まないが、脂肪族鎖によって賦形剤が両親媒性になり、事実上表面が活性化し、これがGI管の内表面を裏打ちしている非撹拌拡散層を通したイオン対の輸送を助け、よって受容体部位への局所的効果ならびに/または例えば胃および十二指腸上部といったGI管の裏打ちなどの親油性障壁を通した吸収に関して、GI膜へのメチルナルトレキソンの利用能が増加すると考えられる。特定の態様において、メチルナルトレキソンイオン対は、室温で固体である塩である。
【0029】
本発明の別の局面に従って、組成物を提供する。組成物は上記の塩またはイオン対である。塩またはイオン対は、組成物中のメチルナルトレキソンの少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%を含み得る。いくつかの態様において、組成物は薬学的組成物である。
【0030】
本発明の別の局面において、経口投与用の組成物を提供する。組成物は、メチルナルトレキソン、および溶液中に溶解した場合にメチルナルトレキソンとイオン対または塩を形成し、それによってメチルナルトレキソンのオクタノール/水分配係数を増加させる両親媒性の薬学的に許容される賦形剤を含む。組成物を水溶液中に溶解した場合、酸性条件においておよびいくつかの態様ではpH 1〜4において、メチルナルトレキソンの見かけのオクタノール/水分配係数は少なくとも0.25である。pH 1〜4は、胃の生理的状態をシミュレートするために用いられる。特定の態様において、メチルナルトレキソンの見かけのオクタノール/水分配係数は、pH 1〜4において少なくとも0.5、1.0、5.0、10、20、または30である。典型的には、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の共役塩基が脱プロトン化されたままであり、胃で見出される生理的条件(すなわち、酸性pHの溶液)下で陽イオン性メチルナルトレキソンに非共有結合できるように、薬学的に許容される賦形剤は約3以下のpKaを有する。
【0031】
組成物はまた即効性崩壊剤を含んでもよく、この場合、組成物は胃内で約15分以内に溶解する。少なくとも1つの態様において、組成物中のメチルナルトレキソンの少なくとも50%が15分以内に溶解する。他の態様において、組成物中のメチルナルトレキソンの少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、またはさらには99%が15分で溶解する。前述の態様のいずれかにおいて、組成物中のメチルナルトレキソンは、10分以内またはさらには5分以内に溶解し得る。胃内での組成物の溶解は、37℃の900 ml 0.1 N HCl中、100 rpmのパドルを備えた溶解装置においてインビトロ研究によってシミュレートすることができる。特定の態様において、崩壊剤は即効性崩壊剤である。特定の態様において、組成物は、図2に示した溶解プロファイルと実質的に類似している溶解プロファイルを有する。いくつかの態様において、崩壊剤は発泡性崩壊剤(すなわち、気体を発生する崩壊剤)である。組成物内で気泡を発生させることにより、組成物はより容易に分解し、それによってメチルナルトレキソンが放出される。発泡性崩壊剤は、メチルナルトレキソンおよびドデシル硫酸を含有する溶解錠剤を助けるのに特に有用であることが判明した。特定の態様において、崩壊剤は、組成物を水性媒体と接触させた場合に二酸化炭素を発生し得る発泡性崩壊剤である。態様のいずれかにおいて、発泡性崩壊剤は、炭酸水素塩または炭酸塩であってよい。態様のいずれかにおいて、発泡性崩壊剤は炭酸水素ナトリウムであってよい。
【0032】
本発明の別の局面に従って、メチルナルトレキソン製剤を調製する方法を提供する。本方法は、臭化またはヨウ化メチルナルトレキソンなどの、メチルナルトレキソンの固体の薬学的に許容される塩(メチルナルトレキソンと両親媒性の薬学的に許容される賦形剤のイオン対ではない)を、両親媒性賦形剤の固体の薬学的に許容される塩(メチルナルトレキソンと両親媒性の薬学的に許容される賦形剤のイオン対ではない)と混合して、混合物を形成する段階を含む。混合物は湿式造粒され得る。特定の態様においては、メチルナルトレキソンまたはその薬学的に許容される塩、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤、少なくとも1種の崩壊剤、少なくとも1種の結合剤、少なくとも1種のキレート剤、少なくとも1種の湿潤剤、および任意で少なくとも1種の充填剤の湿式顆粒を調製し、固体剤形に形成する。特定の態様においては、メチルナルトレキソンまたはその薬学的に許容される塩、結合剤、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤、および任意で崩壊剤を乾式混合し;乾式混合物をキレート剤および/または湿潤剤の溶液と共に造粒して、湿式顆粒を形成することにより、湿式顆粒を形成する。湿式顆粒を乾燥および粉砕してもよく、固体剤形を調製する前に、粉砕乾燥顆粒を追加の崩壊剤(例えば、炭酸水素ナトリウム)ならびに任意に潤滑剤および/または流動促進剤と混合してもよい。
【0033】
いくつかの局面において、本発明は、陽イオン性メチルナルトレキソンと両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオン(例えば、ドデシル硫酸)の塩を含む、経口投与用の組成物を提供する。いくつかの態様において、経口投与用の組成物は錠剤製剤である。いくつかの態様において、経口投与用の製剤はカプセル製剤である。
【0034】
一般に、経口投与用の製剤は、メチルナルトレキソン、上記のような両親媒性の薬学的に許容される賦形剤、および崩壊剤を含み、さらに任意で、例えば結合剤、担体、キレート剤、抗酸化剤、充填剤、潤滑剤、湿潤剤、またはそれらの組み合わせなどの1種または複数種の他の成分を含む。前述の態様のいずれかにおいて、経口製剤は錠剤製剤である。いくつかの態様において、本発明は、本明細書に記載の製剤または組成物を含む単位剤形を提供する。
【0035】
本発明はまた、そのような投与が望ましい任意の状況における、メチルナルトレキソンの経口投与の方法を提供する。例えば、製剤は、腸運動の阻害または胃腸障害(例えば、便秘、GI括約筋収縮)、悪心、嘔吐、および掻痒を含む、オピオイドの投与によって生じる副作用の重症度を予防、治療、または軽減するのに有用である。組成物および製剤は、急性オピオイド治療を受けている患者(例えば、術後イレウス、または急性オピオイド投与による胃腸障害に罹患している患者)への投与に有用である。そのような製剤はまた、慢性オピオイド投与を受けている対象(例えば、オピオイド療法を受けている末期症状患者(例えば、エイズ患者、癌患者、および心血管疾患患者);疼痛管理のために慢性オピオイド療法を受けている対象;オピオイド離脱の維持のためにオピオイド療法を受けている対象)への投与にも有用である。いくつかの態様において、対象は、慢性疼痛管理のためにオピオイド療法を受けている。他の態様において、対象は、急性疼痛管理のためにオピオイド療法を受けている。特定の態様において、疼痛は非悪性疼痛(例えば、背部痛、神経障害性疼痛、線維筋痛症、変形性関節症等に伴う疼痛)である。特定の態様において、疼痛は慢性非悪性疼痛である。特定の態様において、疼痛は悪性疼痛である。特定の態様において、本発明は、本明細書に記載の通りに、提供される錠剤製剤を対象に投与する段階を含む、オピオイド治療を受けている対象におけるオピオイド療法の1つまたは複数の副作用を軽減する段階を含む方法を提供する。他の態様において、本発明は、対象に製剤を投与する段階を含む、対象における内因性オピオイド活性の複数の影響のうちの1つ(例えば、産後イレウス)を軽減する方法を提供する。いくつかの態様において、対象はメタドン維持療法患者ではない。前述の態様のいずれかにおいて、対象は絶食しても、または摂食してもよい。1つの重要な態様において、対象は一晩絶食する。
【0036】
より具体的には、本発明は以下を提供する:
[1] 式(I)の塩:
【化2】

式中、A-は両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである;
[2] 薬学的に許容される賦形剤が3以下のpKaを有する、[1]の塩;
[3] 薬学的に許容される賦形剤がスルフェート(-OSO3-)基を含む、[1]の塩;
[4] 薬学的に許容される賦形剤が、置換されていてもよい、飽和型または不飽和型で、分岐または非分岐で、環式または非環式のC4-30脂肪族基を含む、[1]〜[3]の塩;
[5] 薬学的に許容される賦形剤が、飽和型で、非分岐で、非環式で、非置換型のC4-30アルキル基を含む、[1]〜[3]の塩;
[6] 薬学的に許容される賦形剤が、飽和型で、非分岐で、非環式で、非置換型のC7-15アルキル基を含む、[1]〜[3]の塩;
[7] 薬学的に許容される賦形剤がC12 n-アルキル基を含む、[1]〜[3]の塩;
[8] A-がドデシル硫酸である、[1]の塩;
[9] [1]〜[8]の塩を含む、経口投与用の薬学的組成物;
[10] 固体投薬量のメチルナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩および両親媒性の薬学的に許容される賦形剤を含む、経口投与用の薬学的組成物;
[11] メチルナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩および両親媒性の薬学的に許容される賦形剤が、溶液中に溶解した場合にイオン対を形成する、[10]の薬学的組成物;
[12] メチルナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩および両親媒性の薬学的に許容される賦形剤を、pHが約1を上回りかつ約4未満である溶液中に溶解した場合に、イオン対が形成される、[11]の薬学的組成物;
[13] 崩壊剤をさらに含む、[12]の薬学的組成物;
[14] 前記組成物の少なくとも50%が、100 rpmのパドルを備えた溶解装置において37℃の900 mL 0.1 N HCl中で約15分以内に溶解する、[10]〜[13]の薬学的組成物;
[15] 前記組成物の少なくとも75%が、100 rpmのパドルを備えた溶解装置において37℃の900 mL 0.1 N HCl中で約15分以内に溶解する、[14]の組成物;
[16] 前記組成物の少なくとも90%が、100 rpmのパドルを備えた溶解装置において37℃の900 mL 0.1 N HCl中で約10分以内に溶解する、[15]の組成物;
[17] 溶液中の前記組成物におけるメチルナルトレキソンの見かけのオクタノール/水分配係数がpH 1〜4において少なくとも0.25である、[10]〜[16]の組成物;
[18] 見かけの分配係数が少なくとも1である、[17]の組成物;
[19] 見かけの分配係数が少なくとも10である、[18]の組成物;
[20] 見かけの分配係数が少なくとも20である、[19]の組成物;
[21] 見かけの分配係数が少なくとも30である、[20]の組成物;
[22] 薬学的に許容される賦形剤が3以下のpKaを有する、[10]〜[21]の組成物;
[23] 薬学的に許容される賦形剤がスルフェート(-OSO3-)基を含む、[10]〜[22]の組成物;
[24] 薬学的に許容される賦形剤が、置換されていてもよい、飽和型または不飽和型で、分岐または非分岐で、環式または非環式のC4-30脂肪族基を含む、[10]〜[22]の組成物;
[25] 薬学的に許容される賦形剤が、飽和型で、非分岐で、非環式で、非置換型のC4-30アルキル基を含む、[10]〜[22]の組成物;
[26] 薬学的に許容される賦形剤が、飽和型で、非分岐で、非環式で、非置換型のC7-15アルキル基を含む、[10]〜[22]の組成物;
[27] 薬学的に許容される賦形剤がC12 n-アルキル基を含む、[10]〜[22]の組成物;
[28] 薬学的に許容される賦形剤が陰イオン界面活性剤である、[10]〜[22]の組成物;
[29] 薬学的に許容される賦形剤がドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である、[10]〜[22]の組成物;
[30] 式(I)の化合物を含む、[10]〜[29]の組成物:
【化3】

式中、A-は両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである;
[31] 崩壊剤が発泡性崩壊剤である、[10]〜[30]の組成物;
[32] 崩壊剤が炭酸水素塩である、[10]〜[30]の組成物;
[33] 崩壊剤が炭酸水素ナトリウムである、[10]〜[30]の組成物;
[34] 前記組成物の全重量に基づいて約5%〜約80%の薬学的に許容される賦形剤を含む、[9]〜[33]の組成物;
[35] 製剤が前記組成物の全重量に基づいて約7%〜約75%のメチルナルトレキソンを含有する、[9]〜[33]の組成物;
[36] 錠剤である、[9]〜[33]の組成物;
[37] 結合剤、キレート剤、湿潤剤、潤滑剤、非機能性コーティング、または抗酸化剤、およびそれらの組み合わせの少なくとも1つまたは複数を含む錠剤である、[9]〜[36]の組成物;
[38] キレート剤を含む、[37]の組成物;
[39] キレート剤がEDTAの塩である、[38]の組成物;
[40] キレート剤がEDTAカルシウム二ナトリウムである、[38]の組成物;
[41] 潤滑剤を含む、[37]の組成物;
[42] 潤滑剤がステアリン酸マグネシウムである、[41]の組成物;
[43] 抗酸化剤を含む、[37]の組成物;
[44] 抗酸化剤がアスコルビン酸である、[43]の組成物;
[45] 以下を含む、[37]の組成物:
(a) 該組成物の全重量に基づいて約7%〜約75%の臭化メチルナルトレキソン;
(b) 該組成物の全重量に基づいて約5%〜約80%の両親媒性の薬学的に許容される賦形剤;
(c) 該組成物の全重量に基づいて約0.01%〜約5%のキレート剤;
(d) 該組成物の全重量に基づいて約1%〜約25%の湿潤剤;
(e) 該組成物の全重量に基づいて約5%〜約90%の結合剤;
(f) 該組成物の全重量に基づいて約1%〜約25%の崩壊剤;
(g) 該組成物の全重量に基づいて約0.1%〜約7%の潤滑剤;および任意で
(h) 該組成物の全重量に基づいて約0.01%〜約5%の抗酸化剤;
[46] 結合剤が微結晶性セルロースおよびケイ化微結晶性セルロースである、[45]の組成物;
[47] 崩壊剤がクロスポビドンである、[45]の組成物;
[48] キレート剤がカルシウムEDTAである、[45]の組成物;
[49] 湿潤剤がポリソルベート80である、[45]の組成物;
[50] 潤滑剤がステアリン酸マグネシウムである、[45]の組成物;
[51] 抗酸化剤がアスコルビン酸である、[45]の組成物;
[52] オピオイド治療を受けている対象におけるオピオイド療法の1つまたは複数の副作用を軽減する方法であって、[9]〜[51]の組成物を該対象に投与する段階を含む、方法;
[53] オピオイド受容体活性によって副作用が生じる、仲介される、または悪化する、[52]の方法;
[54] 治療の影響を受ける副作用が、腸運動の阻害、胃腸障害、便秘、腸の運動性低下、宿便(impaction)、胃の運動性低下、GI括約筋収縮、括約筋緊張の増加、胃腸運動の阻害、胃内容排出の阻害、胃内容排出の遅延、残便(incomplete evacuation)、悪心、嘔吐、皮膚の紅潮、鼓脹、腹部膨満、発汗、不快、掻痒、および尿閉より選択される少なくとも1つの作用を含む、[52]の方法;
[55] 対象が、オピオイド投与を少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも3カ月間、少なくとも6カ月間、少なくとも12カ月間、またはそれ以上受けている患者である、[52]の方法;
[56] 患者が慢性非悪性疼痛を有する、[55]の方法;
[57] 投与の約24時間以内に便通を達成するのに十分な組成物の量を対象に投与する、[53]〜[56]の方法;
[58] 投与の約4時間以内に便通を達成するのに十分な組成物の量を対象に投与する、[57]の方法;
[59] 対象が投与時に絶食状態にある、[57]および[4658]の方法;
[60] 対象が少なくとも10時間絶食している、[57]および[58]の方法;
[61] 対象が一晩絶食している、[57]および[58]の方法;
[62] 対象が絶食していない、[57]および[58]の方法;
[63] 組成物を対象に経口投与する、[52]〜[62]の方法;
[64] オピオイド治療を受けている対象を選択する段階をさらに含む、[52]〜[63]の方法;
[65] 対象が、少なくとも14日間にわたり、一日量>50 mgの経口モルヒネ等価物の投与を受けている、[64]の方法;
[66] 以下の段階を含む、メチルナルトレキソン製剤を調製する方法:
メチルナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤、少なくとも1種の崩壊剤、少なくとも1種の結合剤、少なくとも1種のキレート剤、少なくとも1種の湿潤剤、および任意で少なくとも1種の充填剤を含む、湿式顆粒を調製する段階;ならびに
固体投薬量単位を形成する段階;
[67] メチルナルトレキソン、結合剤、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤、および任意で崩壊剤を乾燥混合すること;ならびに該乾燥混合物をキレート剤および/または湿潤剤の溶液と共に造粒して湿式顆粒を形成することによって、湿式顆粒が形成される、[66]の方法;
[68] 薬学的に許容される賦形剤がドデシル硫酸ナトリウムである、[66]の方法;
[69] 薬学的に許容される賦形剤が3以下のpKaを有する、[66]の方法;
[70] 薬学的に許容される賦形剤がスルフェート(-OSO3-)基を含む、[66]の方法;
[71] 薬学的に許容される賦形剤が、置換されていてもよい、飽和型または不飽和型で、分岐または非分岐で、環式または非環式のC4-30脂肪族基を含む、[66]の方法;
[72] 薬学的に許容される賦形剤が、飽和型で、非分岐で、非環式で、非置換型のC4-30アルキル基を含む、[66]の方法;
[73] 薬学的に許容される賦形剤が、飽和型で、非分岐で、非環式で、非置換型のC7-15アルキル基を含む、[66]の方法;
[74] 薬学的に許容される賦形剤がC12 n-アルキル基を含む、[66]の方法;
[75] 崩壊剤が炭酸水素ナトリウムである、[66]の方法;
[76] 崩壊剤がクロスポビドンである、[66]の方法;
[77] 結合剤が微結晶性セルロースである、[66]の方法;
[78] キレート剤がカルシウムEDTAである、[66]の方法;
[79] 湿潤剤がポリソルベート80である、[66]の方法;
[80] 湿式顆粒を乾燥させる段階;
乾燥顆粒を粉砕する段階;
1種または複数種の追加の崩壊剤を該乾燥顆粒と混合する段階;および
形成段階の前に、任意で、潤滑剤、流動促進剤、またはそれらの組み合わせを該乾燥顆粒に添加する段階
をさらに含み、少なくとも1種の該崩壊剤が発泡性崩壊剤である、[66]の方法;
[81] 発泡性崩壊剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、[80]の方法;
[82] 発泡性崩壊剤が炭酸水素ナトリウムである、[80]の方法;
[83] 崩壊剤がクロスポビドンである、[80]の方法;
[84] 追加の崩壊剤がクロスポビドンである、[80]の方法;
[85] 潤滑剤がステアリン酸マグネシウムである、[80]の方法;
[86] 流動促進剤が、タルク、二酸化ケイ素、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、[85]の方法;
[87] 結合剤がケイ化微結晶性セルロースである、[80]の方法;
[88] 溶液中のメチルナルトレキソンの見かけのオクタノール/水分配係数がpH 1〜4において少なくとも0.25であるメチルナルトレキソン製剤を提供する、[66]〜[87]の方法;
[89] 溶液中のメチルナルトレキソンの見かけのオクタノール/水分配係数がpH 1〜4において少なくとも10であるメチルナルトレキソン製剤を提供する、[66]〜[87]の方法;
[90] 溶液中のメチルナルトレキソンの見かけのオクタノール/水分配係数がpH 1〜4において少なくとも20であるメチルナルトレキソン製剤を提供する、[66]〜[87]の方法;
[91] 37℃の900 ml 0.1 N HCl中で、実質的に図1に示すような溶解プロファイルを有するメチルナルトレキソン製剤を提供する、[66]〜[87]の方法;
[92] 固体投薬量単位が錠剤である、[66]〜[91]の方法;
[93] [66]〜[92]の方法によって製造される製品;
[94] [9]〜[47]の複数の単位投薬組成物を含む複数日パック;
[95] 7日、14日、または30日パックである、[94]のパック;および
[96] 処方情報をさらに含む、[94]のパック。
【発明の効果】
【0037】
本発明は、メチルナルトレキソンまたはその塩を含む組成物、ならびに経口投与用の組成物およびその製剤を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】37℃、100 rpmパドルにおける900 ml 0.1 N HCl中のメチルナルトレキソン錠剤およびカプセルの溶解プロファイルを示す。
【図2】Cary 50分光光度計を用いて解析した、37℃、100 rpmパドルにおける、(実施例5に記載の通りに)ドデシル硫酸ナトリウムおよび発泡性崩壊剤である炭酸水素ナトリウムと共に製剤化したメチルナルトレキソン(150 mg)錠剤の溶解プロファイルを示す。
【図3】10時間の絶食後に臭化(R)-N-メチルナルトレキソン(300 mgまたは450 mg)SDS錠剤製剤を投与された、慢性悪性疼痛を有する患者における、時間と最初の便通反応を有する患者の割合のプロットを示す。
【図4A】MNTX-ヘプチル硫酸の特徴づけデータによるMNTX-ヘプチル硫酸の1H NMRスペクトルである。
【図4B】MNTX-ヘプチル硫酸の特徴づけデータによるMNTX-ヘプチル硫酸のHPLCクロマトグラムである。
【図4C】MNTX-ヘプチル硫酸の特徴づけデータによるMNTX-ヘプチル硫酸のUVスペクトルである。
【図5A】MNTX-ドデシル硫酸の特徴づけデータによるMNTX-ドデシル硫酸の1H NMRスペクトルである。
【図5B】MNTX-ドデシル硫酸の特徴づけデータによるMNTX-ドデシル硫酸のHPLCクロマトグラムである。
【図5C】MNTX-ドデシル硫酸の特徴づけデータによるMNTX-ドデシル硫酸のUVスペクトルである。
【図6A】MNTX-ラウリン酸ナトリウムの特徴づけデータによるMNTX-ラウリン酸ナトリウムの1H NMRスペクトルである。
【図6B】MNTX-ラウリン酸ナトリウムの特徴づけデータによるMNTX-ラウリン酸ナトリウムのHPLCクロマトグラムである。
【図6C】MNTX-ラウリン酸ナトリウムの特徴づけデータによるMNTX-ラウリン酸ナトリウムのUVスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の特定の態様の詳細な説明
定義
本明細書で使用する「脂肪族」という用語は、飽和型および不飽和型両方の直鎖(すなわち、非分岐)、分岐、非環式、環式、または多環式の脂肪族炭化水素を含み、これらは任意に1つまたは複数の官能基で置換されている。当業者に理解されるように、「脂肪族」は本明細書において、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル部分を含むように意図されるが、これらに限定されない。したがって、本明細で使用する「アルキル」という用語は、直鎖、分岐、および環式のアルキル基を含む。「アルケニル」、「アルキニル」等のような他の一般用語にも、類似の規定が適用される。さらに、本明細書で使用する「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」等の用語は、置換基および非置換基の両方を包含する。特定の態様において、本明細書で使用する「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(環式、非環式、置換、非置換、分岐、または非分岐)を示すように用いられる。
【0040】
特定の態様において、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、1〜30個の脂肪族炭素原子を含む。特定の態様において、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、10〜30個の脂肪族炭素原子を含む。特定の態様において、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、5〜25個の脂肪族炭素原子を含む。特定の態様において、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、5〜20個の脂肪族炭素原子を含む。特定の態様において、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、10〜20個の脂肪族炭素原子を含む。特定の態様において、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、15〜25個の脂肪族炭素原子を含む。他の特定の態様において、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、本発明で使用されるアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基は、1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。そのため、例証的な脂肪族基には、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、-CH2-シクロプロピル、ビニル、アリル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、シクロブチル、-CH2-シクロブチル、n-ペンチル、sec-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、シクロペンチル、-CH2-シクロペンチル、n-ヘキシル、sec-ヘキシル、シクロヘキシル、-CH2-シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル(カプリル)、ノニル、デシル(カプリン)、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、エイコシル(アラキジル)、ドコシル、テトラコシル、ヘキサコシル、オクタコシル、トリアコンチル部分等が含まれるが、これらに限定されず、この場合もやはり1つまたは複数の置換基を有してよい。
【0041】
上記脂肪族部分の置換基のいくつかの例には、以下が含まれるが、これらに限定されない:脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アリールアルキル;ヘテロアリールアルキル;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;-OH;-NO2;-CN;-CF3;-CH2CF3;-CHCl2;-CH2OH;-CH2CH2OH;-CH2NH2;-CH2SO2CH3;-C(O)Rx;-CO2(Rx);-CON(Rx)2;-OC(O)Rx;-OCO2Rx;-OCON(Rx)2;-N(Rx)2;-S(O)2Rx;および-NRx(CO)Rx;この場合、Rxの各存在には独立して、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルが含まれるが、これらに限定されず、上記のおよび本明細書において記載した脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキル置換基のいずれも、置換または非置換、分岐または非分岐で、環式または非環式であってよく、かつ上記のおよび本明細書において記載したアリールまたはヘテロアリール置換基のいずれも、置換または非置換であってよい。
【0042】
分子について記載するために本明細書で使用する「両親媒性」という用語は、分子の疎水性および親水性の二重の特性を指す。典型的には、両親媒性分子は、
非極性の水不溶性基(例えば、炭化水素)に結合している極性水溶性基(例えば、リン酸、カルボン酸、硫酸)を有する。両親媒性(amphiphilic)という用語は、両親媒性(amphipathic)と同義である。両親媒性分子の例には、ドデシル(ラウリル)硫酸ナトリウム、脂肪酸、リン脂質、および胆汁酸が含まれる。両親媒性分子は、非荷電、陽イオン性、または陰イオン性であってよい。
【0043】
本明細書で使用する「溶解速度」という用語は、有効成分またはその組成物(例えば、メチルナルトレキソン塩)を溶媒に溶解するのに要する時間を指す。溶解速度は、混合、温度、pH、溶媒、粒径等を含む様々な因子に依存し得る。薬物またはその組成物の溶解速度は、該薬物の生物学的利用能に影響する。特定の状況において、溶解速度は、固体剤形からの薬物利用能を決定するために用いられる。
【0044】
本明細書において使用する場合、化合物または薬学的に許容される組成物もしくは製剤の「有効量」は、所望の治療および/または予防効果を達成し得る。いくつかの態様において、「有効量」とは、オピオイド鎮痛療法に付随する副作用(例えば、胃腸障害(例えば、運動不全型便秘等)、悪心、嘔吐等)などの、末梢性μオピオイド受容体の調節に関連する障害または状態の1つまたは複数の症状を治療するのに十分な、化合物または化合物を含有する製剤もしくは組成物の少なくとも最少量である。特定の態様において、化合物、化合物を含有する組成物または製剤の「有効量」は、異常な内因性末梢性オピオイドまたはμオピオイド受容体活性に関連する症状、疾患(例えば、特発性便秘、イレウス等)を治療するのに十分である。いくつかの態様において、メチルナルトレキソンまたはメチルナルトレキソンの塩の量と関連して使用する場合の「有効量」という用語は、患者において便通を達成するのに十分なメチルナルトレキソンまたはメチルナルトレキソンの塩の量を意味する。
【0045】
本明細書で使用する「発泡性崩壊剤」という用語は、水性媒体との接触後に剤形の迅速な崩壊をもたらす発泡を生じる物質を指す。典型的には、発泡性崩壊剤は、酸(例えば、胃内のHCl)と反応して二酸化炭素を形成する塩基(例えば、炭酸塩)である。したがって、そのような発泡性崩壊剤は二酸化炭素発生崩壊剤を含む。炭酸源には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、セスキ炭酸ナトリウム、グリシン炭酸ナトリウム、L-リジン炭酸塩、アルギニン炭酸塩、および炭酸カルシウムなどの炭酸塩および炭酸水素塩が含まれるが、これらに限定されない。発泡性崩壊剤は、高速崩壊剤形を達成することが当技術分野において公知である。
【0046】
本明細書で使用する「親油性」という用語は、脂肪、脂質、油、または非極性溶媒と会合するか、またはそれらに溶ける化合物の能力を指す。親油性および疎水性は、脂肪、油、脂質、および非極性溶媒に溶ける分子の同様の傾向を説明するために用いられ得る。
【0047】
本明細書で使用する「非機能性コーティング」という用語は、投与した場合に、製剤からの1種または複数種の治療活性化合物の放出特性に有意に影響しないコーティングである。非機能性コートの例には、密封コート(seal coat)(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、またはポリビニルアルコール)が含まれる。特定の態様において、非機能性コーティングは光沢コート(polish coat)または密封コートである。
【0048】
本明細書で使用する「非悪性疼痛」という用語は、「非癌疼痛」を指す。
【0049】
本明細書で使用する「見かけの分配係数」という用語は、平衡状態にある、不混和溶媒2種類の混合物の2相における任意の形態の化合物の濃度比を指す。特定の態様において、2種類の不混和溶媒はオクタノールと水である。見かけの分配係数は、例えば温度、pH、濃度等といった様々な条件下で決定することができる。見かけの分配係数は、体内における化合物の分布を推定するのに有用であることが判明している。見かけの分配係数が高いほど、より疎水性の高い(より親油性の高い)化合物を示し、見かけの分配係数が低いほど親水性の化合物を示す。化合物の見かけの分配係数は、当技術分野、例えば米国薬局方で公知の手順によって決定することができる。見かけの分配係数は、実施例においてドデシル硫酸メチルナルトレキソンおよびヘプチル硫酸メチルナルトレキソンの見かけの分配係数を決定するために使用した手順によって決定することができる。
【0050】
本明細書で使用する「対象」という用語は哺乳動物を意味し、ヒト対象、ならびに家畜(例えば、ウマ、イヌ、ネコ等)および実験動物(例えば、マウス、ラット、イヌ、チンパンジー、類人猿等)などの動物対象を含む。
【0051】
本明細書で使用する「罹患する」または「罹患すること」という用語は、患者が診断されているか、または患者が有する疑いのある1つまたは複数の状態を指す。
【0052】
本明細書で使用する「スフェロイド」という用語は、実質的球状微粒子のその技術分野で理解される意味を有する。多くの態様において、本発明に従って調製または使用されるスフェロイドは、約1〜1500ミクロンの範囲内のサイズを有する。いくつかの態様において、そのようなスフェロイドは、約20〜1500ミクロンの範囲内のサイズを有する。いくつかの態様において、そのようなスフェロイドは、約20〜1000ミクロンの範囲内のサイズを有する。いくつかの態様において、そのようなスフェロイドは、約20〜500ミクロンの範囲内のサイズを有する。いくつかの態様において、そのようなスフェロイドは、約20〜300ミクロンの範囲内のサイズを有する。特定の態様において、スフェロイドは、スフェロイドの少なくとも80%が約20〜325ミクロンの範囲内に入るサイズ範囲を有する。いくつかの態様において、スフェロイドは、スフェロイドの少なくとも50%が約45〜120ミクロンの範囲内に入るサイズ範囲を有する。
【0053】
本明細書で使用する「治療する」または「治療すること」という用語は、障害もしくは状態、または障害、疾患、もしくは状態の1つもしくは複数の症状を部分的にまたは完全に軽減すること、阻害すること、その発症を遅延させること、その発生率を減少させること、改善すること、および/または緩和することを指す。
【0054】
「治療活性薬剤」または「活性薬剤」とは、予防的および治療的処置を含む療法(例えば、ヒト療法、獣医療法)に有用である、生物学的活性物質を含む物質を指す。治療活性薬剤には、薬物化合物、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖、オリゴ糖、多糖、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質に結合した小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、およびビタミンである有機分子が含まれる。治療活性薬剤には、疾患、状態、または障害の治療、予防、遅延、軽減、または改善のための医薬として用いられる任意の物質が含まれる。なかでも、本発明の製剤において有用な治療活性薬剤は、オピオイド受容体アンタゴニスト化合物、オピオイド鎮痛化合物等である。治療活性薬剤として有用な化合物のさらに詳細な説明を以下に提供する。治療活性薬剤には、例えば、第2化合物の効力を増強するかまたは有害作用を軽減することにより、第2化合物の効果または有効性を高める化合物が含まれる。
【0055】
本明細書で使用する「単位剤形」という表現は、治療すべき対象に適切な、提供される製剤の物理的に分離された単位を指す。しかしながら、提供される製剤の総1日使用量が健全な医学的判断の範囲内で担当医により決定されることが理解されるであろう。任意の特定の対象または生物に対する具体的な有効用量レベルは、治療する障害およびその障害の重症度;使用する具体的な活性薬剤の活性;使用する具体的な製剤;対象の年齢、体重、全般的健康状態、性別、および食生活;使用する具体的な活性薬剤の投与時期および排泄速度;治療期間;使用する具体的な化合物と組み合わせてまたは同時に用いられる薬物および/または追加療法、ならびに医学分野において周知の同様の因子を含む様々な因子に依存することになる。
【0056】
本明細書で使用する「pKa」という用語は-log10Kaを指し、式中、Kaは酸解離定数である。pKaは、対数尺度で溶液中の酸の強度を測定する。酸解離定数Kaとは、象徴的に以下のように記載される、化合物のプロトンとその共役塩基への解離の平衡定数である。

【0057】
メチルナルトレキソンの組成物および製剤
本明細書で使用するメチルナルトレキソンとは、(R)-N-メチルナルトレキソンを指す。末梢作用性μオピオイド受容体アンタゴニストである(R)-N-メチルナルトレキソンは研究が続けられ、オピオイドの投与を受けている患者における腸管機能不全を治療するために用いられている。驚くべきことに、メチルナルトレキソンの腸溶性調製物は、オピオイド誘発性便秘の治療において必ずしも一貫して実質的な効果を示すわけではない。経口メチルナルトレキソンに関する先行技術の示唆に反して、胃から離れた腸管におけるメチルナルトレキソンの局所濃度は、便通を誘導し、便秘を治療するのに有効ではない。
【0058】
特定の態様において、本発明はメチルナルトレキソンおよび薬学的に許容される賦形剤を含む組成物を提供し、ここで、溶液中の該組成物におけるメチルナルトレキソンの見かけのオクタノール/水分配係数は、酸性条件下で、特定の態様においてはpH 1〜4で、少なくとも0.25である。いくつかの態様においては、そのような組成物を経口投与用に製剤化する。いくつかの態様においては、経口投与用の組成物を錠剤に製剤化する。そのような組成物および製剤に用いるためのメチルナルトレキソンは、種々の形態のいずれかであってよい。例えば、本発明の組成物および製剤における使用に適したメチルナルトレキソンの形態には、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、多形体(すなわち、結晶形)、共結晶、水和物、溶媒和物等が含まれる。組成物または製剤中では任意の形態のメチルナルトレキソンを用いることができるが、その形態は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤とのイオン対形成を可能にすべきである。
【0059】
特定の態様において、組成物およびその製剤は式Iの塩を含む:
【化4】

式中、A-は適切な陰イオンである。特定の態様において、A-はブレンステッド酸の陰イオンである。例示的なブレンステッド酸には、ハロゲン化水素、カルボン酸、スルホン酸、硫酸、およびリン酸が含まれる。特定の態様において、A-は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、硫酸塩、重硫酸塩、酒石酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、酒石酸水素塩、炭酸塩、リン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩 スルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、ギ酸塩、カルボン酸塩、硫酸塩、メチル硫酸塩、またはコハク酸塩である。特定の態様において、A-はトリフルオロ酢酸である。特定の態様において、A-は臭化物である。特定の態様において、A-は両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである。特定の態様において、A-は酸性両親媒性の薬学的に許容される賦形剤である。特定の態様において、薬学的に許容される賦形剤は約3以下のpKaを有する。特定の態様において、薬学的に許容される賦形剤は約2以下のpKaを有する。特定の態様において、薬学的に許容される賦形剤は約1〜約2のpKaを有する。特定の態様において、薬学的に許容される賦形剤は約1以下のpKaを有する。特定の態様において、薬学的に許容される賦形剤の陰イオンは、硫酸、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、硝酸、または亜硝酸部分を含む。特定の態様において、薬学的に許容される賦形剤の陰イオンはスルフェート(-OSO3-)基を含む。特定の態様において、陰イオンはブチル硫酸、ペンチル硫酸、ヘキシル硫酸、ヘプチル硫酸、オクチル硫酸、ノニル硫酸、デシル硫酸、ウンデシル硫酸、ドデシル硫酸、トリデシル硫酸、テトラデシル硫酸、ペンタデシル硫酸、ヘキサデシル硫酸、ヘプタデシル硫酸、オクタデシル硫酸、エイコシル硫酸、ドコシル硫酸、テトラコシル硫酸、ヘキサコシル硫酸、オクタコシル硫酸、およびトリアコンチル硫酸である。特定の態様において、組成物または製剤中のメチルナルトレキソンは、それと会合した複数の陰イオン(例えば、臭化物およびドデシル(ラウリル)硫酸)を有してもよい。
【0060】
いくつかの態様において、組成物およびその製剤は臭化(R)-N-メチルナルトレキソンを含む。臭化(R)-N-メチルナルトレキソンは「MNTX」としても知られ、参照により本明細書に組み入れられるWO2006/12789に記載されている。臭化(R)-N-メチルナルトレキソンの化学名は、(R)-N-(シクロプロピルメチル)ノルオキシモルホンメトブロミドである。臭化(R)-N-メチルナルトレキソンは分子式C21H26NO4Brおよび分子量436.36 g/モルを有する。臭化(R)-N-メチルナルトレキソンは以下の構造を有し:
【化5】

該化合物は四級窒素に関して(R)立体配置にある。本発明の特定の態様において、化合物の少なくとも約99.6%、99.7%、99.8%、99.85%、99.9%、または99.95%が、窒素に関して(R)立体配置にある。試料中に存在する臭化(R)-N-メチルナルトレキソンの量を、同じ試料中に存在する臭化(S)-N-メチルナルトレキソンの量と比較して決定する方法は、参照により本明細書に組み入れられるWO2006/127899に詳述されている。他の態様において、メチルナルトレキソンは、0.15%、0.10%、またはそれ未満の臭化(S)-N-メチルナルトレキソンを含有する。
【0061】
いくつかの態様において、組成物またはその製剤は、該製剤の全重量に基づいて、約7%〜約75%、約25%〜約55%、約40%、または約50%までの(R)-N-メチルナルトレキソン陽イオンを含む。特定の態様において、提供される組成物またはその製剤は、所与の組成物または製剤の全重量に基づいて、約7%、約8%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、または約75%の(R)-N-メチルナルトレキソン陽イオンを含む。(R)-N-メチルナルトレキソン陽イオンと両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンは組成物中でイオン対として存在してよく、または臭化物およびナトリウムもしくはそれらの混合物などの他の対イオンと対を成した別個の塩として存在してもよいことが理解されるであろう。
【0062】
いくつかの態様において、組成物またはその製剤は、該組成物または製剤の全重量に基づいて、約7%〜約75%、約25%〜約55%、約40%、または約50%までの(R)-N-メチルナルトレキソン陽イオンおよびドデシル硫酸陰イオンを含む。特定の態様において、組成物またはその製剤は、該組成物または製剤の全重量に基づいて、約7%、約8%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、または約75%の(R)-N-メチルナルトレキソン陽イオンおよびドデシル硫酸陰イオンを含む。
【0063】
特定の態様において、本発明は、メチルナルトレキソンおよび両親媒性の薬学的に許容される賦形剤を含む組成物を提供する。両親媒性の薬学的に許容される賦形剤により組成物の親油性が増加し、それによってGI管における非撹拌拡散層を通した輸送の増加が可能となり、結果として生体膜を通した浸透が増加する。特定の態様では、賦形剤により薬物の親油性が増加する。特定の態様において、賦形剤は界面活性剤である。いくつかの態様において、賦形剤は陰イオン界面活性剤である。特定の態様において、賦形剤は、正荷電メチルナルトレキソンとイオン対または塩を形成する陰イオン界面活性剤である。そのような陰イオン界面活性剤は当技術分野で公知であり、典型的に、親油性末端および陰イオン部分を有することを特徴とする。本発明において有用な例示的な賦形剤には、脂肪族硫酸(例えば、ドデシル(ラウリル)硫酸ナトリウム)、脂肪族リン酸、脂肪酸、ならびにそれらの塩および誘導体が含まれる。
【0064】
結果として得られたイオン対の親油性の尺度として、組成物の溶液において、pH 1〜4におけるメチルナルトレキソンの見かけのオクタノール/水分配係数が少なくとも0.25となる。本明細書で使用する見かけのオクタノール/水分配係数は、およそ0.5 mg/mLの濃度で室温で決定する。メチルナルトレキソン塩の見かけのオクタノール/水分配係数を決定する例示的な方法を、以下の実施例に記載する。
【0065】
特に有用な両親媒性の薬学的に許容される賦形剤には、メチルナルトレキソンの経口吸収を高めるものが含まれる。特定の態様では、賦形剤によって胃内でのメチルナルトレキソンの吸収が高まる。特定の態様では、賦形剤によって、親油性障壁を通過するメチルナルトレキソンの能力が高まる。特定の態様では、賦形剤によって、陽イオン性メチルナルトレキソンとイオン対を形成することによりメチルナルトレキソンの親油性が増加する。イオン対形成により、脂質二重層などの有機相へのメチルナルトレキソンの分配が増加する。特定の態様においては、組成物が溶液中に存在する場合に、pH 1〜4においてメチルナルトレキソンの見かけのオクタノール/水分配係数が少なくとも0.25となるように、賦形剤はメチルナルトレキソンとイオン対を形成する。特定の態様において、見かけのオクタノール/水分配係数はpH 1〜4において少なくとも0.5である。特定の態様において、見かけのオクタノール/水分配係数はpH 1〜4において少なくとも0.75である。特定の態様において、見かけのオクタノール/水分配係数はpH 1〜4において少なくとも1.0である。特定の態様において、見かけのオクタノール/水分配係数はpH 1〜4において少なくとも10である。特定の態様において、見かけのオクタノール/水分配係数はpH 1〜4において少なくとも15である。特定の態様において、見かけのオクタノール/水分配係数はpH 1〜4において少なくとも20である。特定の態様において、見かけのオクタノール/水分配係数はpH 1〜4において少なくとも25である。特定の態様において、見かけのオクタノール/水分配係数はpH 1〜4において少なくとも30である。
【0066】
本明細書で使用する「脂肪族硫酸」という用語は、一方の末端における硫酸部分および脂肪族尾部を有する化合物を指し、脂肪族尾部は直鎖または分岐かつ飽和または不飽和である。脂肪族尾部は置換されてもよく、また環式基を含んでもよい。いくつかの態様において、脂肪族尾部はC4〜C30脂肪族基である。特定の態様において、脂肪族尾部はC7〜C20脂肪族基である。特定の態様において、脂肪族尾部はC10〜C20脂肪族基である。特定の態様において、脂肪族尾部はC10、C11、C12、C13、C14、またはC15脂肪族基である。特定の態様において、脂肪族基は、飽和型で、非分岐で、かつ非置換型のn-アルキル基である。特定の態様において、脂肪族基はC7〜C20 n-アルキルである。特定の態様において、脂肪族基はC10〜C15 n-アルキルである。
【0067】
特定の態様において、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤は、以下の式の化合物またはその塩である:
R1-OSO2OH
式中、R1は、飽和型または不飽和型で、非分岐または分岐で、かつ環式または非環式であるC4-30脂肪族基であり、該脂肪族基は1つまたは複数のハロゲン基またはヒドロキシル基で任意に置換されている。特定の態様において、各R1はC4-10脂肪族基である。特定の態様において、各R1はC10-15脂肪族基である。特定の態様において、各R1はC15-20脂肪族基である。特定の態様において、各R1はC20-30脂肪族基である。特定の態様において、R1は不飽和型である。特定の態様において、R1は飽和型である。特定の態様において、R1は非分岐である。特定の態様において、R1は分岐である。特定の態様において、R1は置換型である。特定の態様において、R1は非置換型である。特定の態様において、R1は飽和型で、非分岐で、かつ非置換型である。特定の態様において、R1はC4-30 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC5〜15 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC5-10 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC10-15 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC6 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC7 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC8 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC9 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC10 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC11 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC12 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC13 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC14 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC15 n-アルキルである。特定の態様において、賦形剤はナトリウム塩形態である。
【0068】
特定の態様において、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤は、以下の式の化合物またはその塩である:
R1-SO2OH
式中、R1は、飽和型または不飽和型で、非分岐または分岐で、かつ環式または非環式であるC4-30脂肪族基であり、該脂肪族基は1つまたは複数のハロゲン基またはヒドロキシル基で任意に置換されている。特定の態様において、各R1はC4-10脂肪族基である。特定の態様において、各R1はC10-15脂肪族基である。特定の態様において、各R1はC15-20脂肪族基である。特定の態様において、各R1はC20-30脂肪族基である。特定の態様において、R1は不飽和型である。特定の態様において、R1は飽和型である。特定の態様において、R1は非分岐である。特定の態様において、R1は分岐である。特定の態様において、R1は置換型である。特定の態様において、R1は非置換型である。特定の態様において、R1は飽和型で、非分岐で、かつ非置換型である。特定の態様において、R1はC4-30 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC5-15 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC5-10 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC10-15 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC6 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC7 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC8 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC9 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC10 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC11 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC12 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC13 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC14 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC15 n-アルキルである。特定の態様において、賦形剤はナトリウム塩形態である。
【0069】
特定の態様において、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤は、以下の式の化合物またはその塩である:
R1-P(O)2OH
式中、R1は、飽和型または不飽和型で、非分岐または分岐で、かつ環式または非環式であるC4-30脂肪族基であり、該脂肪族基は1つまたは複数のハロゲン基またはヒドロキシル基で任意に置換されている。特定の態様において、各R1はC4-10脂肪族基である。特定の態様において、各R1はC10-15脂肪族基である。特定の態様において、各R1はC15-20脂肪族基である。特定の態様において、各R1はC20-30脂肪族基である。特定の態様において、R1は不飽和型である。特定の態様において、R1は飽和型である。特定の態様において、R1は非分岐である。特定の態様において、R1は分岐である。特定の態様において、R1は置換型である。特定の態様において、R1は非置換型である。特定の態様において、R1は飽和型で、非分岐で、かつ非置換型である。特定の態様において、R1はC4-30 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC5-15 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC5-10 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC10-15 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC6 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC7 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC8 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC9 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC10 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC11 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC12 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC13 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC14 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC15 n-アルキルである。特定の態様において、賦形剤はナトリウム塩形態である。
【0070】
特定の態様において、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤は、以下の式の化合物またはその塩である:
R1-OP(O)2OH
式中、R1は、飽和型または不飽和型で、非分岐または分岐で、かつ環式または非環式であるC4-30脂肪族基であり、該脂肪族基は1つまたは複数のハロゲン基またはヒドロキシル基で任意に置換されている。特定の態様において、各R1はC4-10脂肪族基である。特定の態様において、各R1はC10-15脂肪族基である。特定の態様において、各R1はC15-20脂肪族基である。特定の態様において、各R1はC20-30脂肪族基である。特定の態様において、R1は不飽和型である。特定の態様において、R1は飽和型である。特定の態様において、R1は非分岐である。特定の態様において、R1は分岐である。特定の態様において、R1は置換型である。特定の態様において、R1は非置換型である。特定の態様において、R1は飽和型で、非分岐で、かつ非置換型である。特定の態様において、R1はC4-30 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC5-15 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC5-10 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC10-15 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC6 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC7 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC8 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC9 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC10 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC11 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC12 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC13 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC14 n-アルキルである。特定の態様において、R1はC15 n-アルキルである。特定の態様において、賦形剤はナトリウム塩形態である。
【0071】
当業者は、メチルナルトレキソンが、陰イオン性両親媒性の薬学的に許容される賦形剤とイオン対または塩を形成し得ることを認識するであろう。いくつかの態様において、本発明は式IIの化合物を提供する:
【化6】

式中、A-は陰イオン性両親媒性の薬学的に許容される賦形剤である。
【0072】
いくつかの局面において、メチルナルトレキソンは、本明細書に記載の通り、式R1-COOH、R1-SO2OH、R1-OSO2OH、R1-P(O)2OH、R1-OP(O)2OH、またはその塩のいずれかとイオン対を形成し得る。よって、別の態様に従って、本発明は式III、式IV、式V、式VI、または式VIIのいずれかの化合物を提供する:
【化7】

式中、R1は、飽和型または不飽和型で、非分岐または分岐で、かつ環式または非環式であるC4-30脂肪族基であり、該脂肪族基は1つまたは複数のハロゲン基またはヒドロキシル基で任意に置換されている。
【0073】
いくつかの態様において、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤はドデシル(ラウリル)硫酸ナトリウム(SDSまたはSLSとしても知られる)、ヘプチル硫酸ナトリウム、ヘプチルスルホン酸ナトリウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)等である。
【0074】
いくつかの態様において、組成物、すなわちメチルナルトレキソンおよびドデシル(ラウリル)硫酸ナトリウム(SDSまたはSLSとしても知られる)を含む薬学的組成物を提供する。
【0075】
いくつかの態様において、提供される組成物またはその製剤は、該組成物またはその製剤の全重量に基づいて、約5%〜約80%の両親媒性の薬学的に許容される賦形剤を含む。特定の態様では、組成物または製剤中に約5%〜約25%の両親媒性の薬学的に許容される賦形剤が用いられる。いくつかの態様において、提供される組成物またはその製剤は、該組成物またはその製剤の全重量に基づいて、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、または約80%の賦形剤を含む。
【0076】
特定の両親媒性の薬学的に許容される賦形剤およびそれらに対応するメチルナルトレキソンイオン対は、水性環境中で臭化メチルナルトレキソンと比較して溶解度が低い。したがって、特定の態様において、本発明は、メチルナルトレキソンまたはその塩、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤、および崩壊剤を含む組成物または製剤を提供する。組成物または製剤中に適切な即効性崩壊剤を取り込むことにより、錠剤またはその他の固体剤形の分解、特に胃内での錠剤またはその他の固体剤形の速やかな分解が促進される。したがって、有効成分を含有する錠剤などの固体剤形では、即効性崩壊剤の封入が望ましい。崩壊剤の量は、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤(および任意で他の成分)の性質および量に応じて異なる。当業者は、上記のパラメータに従って胃内で溶解する固体剤形を製造する方法を理解するであろう。米国薬局方(USP)溶解試験、USP崩壊試験等のような、そのような決定を下すためのインビトロモデルが存在する。いくつかの態様では、組成物中のメチルナルトレキソンの少なくとも50%が15分で溶解する。他の態様では、組成物中のメチルナルトレキソンの少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、またはさらには99%が15分で溶解する。いくつかの態様では、上記のメチルナルトレキソンの量が約10分で、またはさらには約5分で溶解する。本明細書で用いる場合、特定の時間内に胃内で特定の割合が溶解するということは、37℃、100 rpmパドルにおける900 ml 1 N HCl中に組成物を入れた場合に固体から溶液に変換する、組成物中の陽イオンとして、またはイオン対などの塩としてのメチルナルトレキソンの割合を意味する。
【0077】
適切な崩壊剤は当技術分野で公知であり、これには、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クロスポビドン(架橋PVP)、カルボキシメチルデンプンナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、アルファ化デンプン(デンプン1500)、微結晶性デンプン、不水溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、およびそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、崩壊剤はクロスポビドンである。特定の態様において、崩壊剤は発泡性崩壊剤である。発泡性崩壊剤は、水性媒体中で、特に胃の内容物のような酸性水性媒体中で、二酸化炭素を発生し得る。特定の態様において、崩壊剤は炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)または炭酸水素カリウム(KHCO3)などの炭酸水素塩である。特定の態様において、崩壊剤は炭酸塩である。特定の態様において、崩壊剤は炭酸ナトリウム(Na2CO3)である。特定の態様において、崩壊剤は炭酸カルシウム(CaCO3)である。特定の態様において、組成物または製剤は少なくとも2種類の崩壊剤を含む。例えば、組成物または製剤は、発泡性崩壊剤1種および発泡性ではない崩壊剤1種を含み得る。特定の態様において、組成物または製剤は崩壊剤として炭酸水素ナトリウムおよびクロスポビドンを含む。いくつかの態様において、提供される製剤は、該製剤の全重量に基づいて、約1%〜約25%、約1%〜約15%、約1%〜約10%、または約2%〜約5%の崩壊剤を含む。いくつかの態様において、提供される製剤は、該製剤の全重量に基づいて、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約7%、約8%、約10%、約12%、または約15%の崩壊剤を含む。特定の態様において、組成物または製剤は、口腔内での固体剤形の溶解を遅延させるかまたは妨げる物質および/またはコーティングを含む。好ましくは、固体剤形は胃内で迅速に分解または崩壊するが、口腔内ではそのようなことはない。
【0078】
いくつかの態様において、本発明は、例えば結合剤、担体、崩壊剤、キレート剤、抗酸化剤、充填剤、湿潤剤、またはそれらの組み合わせなどの1種または複数種の追加の成分をさらに含むメチルナルトレキソンの製剤を提供する。特定の態様では、組成物を、例えば結合剤、担体、崩壊剤、キレート剤、抗酸化剤、充填剤、湿潤剤、潤滑剤、またはそれらの組み合わせなどの1種または複数種の追加の成分をさらに含む錠剤に製剤化する。いくつかの態様では、組成物を、抗酸化剤、および例えば結合剤、担体、キレート剤、充填剤、湿潤剤、またはそれらの組み合わせなどの1種または複数種の成分をさらに含む錠剤に製剤化する。いくつかの態様では、組成物を、崩壊剤、および例えば結合剤、担体、キレート剤、抗酸化剤、充填剤、湿潤剤、またはそれらの組み合わせなどの1種または複数種の成分をさらに含む錠剤に製剤化する。いくつかの態様では、組成物を、抗酸化剤、崩壊剤、および例えば結合剤、担体、キレート剤、充填剤、湿潤剤、またはそれらの組み合わせなどの1種または複数種の成分をさらに含む錠剤に製剤化する。そのような追加の成分については、本明細書において以下に詳述する。
【0079】
特定の態様では、メチルナルトレキソンおよび両親媒性の薬学的に許容される賦形剤、ならびに崩壊剤、ならびに任意に結合剤、キレート剤、および湿潤剤の1つまたは複数を含む組成物を含む錠剤として、本発明の薬学的に許容される製剤を提供する。いくつかの態様において、そのような錠剤は、メチルナルトレキソンおよび両親媒性の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、キレート剤、崩壊剤、ならびに湿潤剤を含む組成物を含む。特定の態様において、そのような錠剤は、メチルナルトレキソンおよび両親媒性の薬学的に許容される賦形剤、抗酸化剤、ならびに結合剤、キレート剤、崩壊剤、および湿潤剤の1つまたは複数を含む組成物を含む。いくつかの態様によれば、提供される製剤は、非機能性コーティングを有する錠剤を含む。いくつかの態様において、提供される製剤は抗酸化剤をさらに含む。
【0080】
当業者は、特定の成分を列挙するカテゴリーが限定されるものではないことを容易に理解するであろう;場合によっては、特定の成分は2つ以上のカテゴリーに適切に適合する。同様に、理解されるように、特定の製剤との関連において、例えば成分の量、ならびに/またはその他の成分および/もしくは活性化合物の存在に応じて、同じ成分が場合によっては異なる機能を果たし得るか、または2つ以上の機能を果たし得る。
【0081】
湿潤剤は当技術分野で周知であり、典型的には、疎水性の活性薬剤のような活性薬剤と、周囲の水性環境中の水分子との相互作用を促進する。例示的な湿潤剤には、ポロキサマー、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリソルベート80などのポリソルベート、セチルアルコール、グリセロール脂肪酸エステル(例えば、トリアセチン、モノステアリン酸グリセリン等)、ステアリン酸ポリオキシメチレン、ドデシル硫酸ナトリウム、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、塩化ベンザルコニウム、ポリエトキシ化ヒマシ油、およびドクサートナトリウム等、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。いくつかの態様において、提供される錠剤は、該錠剤の全重量に基づいて、約1%〜約25%の湿潤剤を含む。いくつかの態様において、提供される錠剤は、該錠剤の全重量に基づいて、約1%、約3%、約4%、約5%、約10%、約15%、または約20%の湿潤剤を含む。
【0082】
特定の態様において、湿潤剤はポリソルベートである。いくつかの態様において、湿潤剤は、Tween 80としても知られており、他の供給元の中でもとりわけSigma-Aldrichから入手可能なポリソルベート80である。いくつかの態様において、提供される錠剤は、所与の錠剤の全重量に基づいて、約1%〜約25%のポリソルベート80、約1%〜約5%、約2%〜約5%、約3%、または約4%までを含む。特定の態様において、提供される錠剤は、所与の錠剤の全重量に基づいて、約1%、約3%、約4%、約5%、約10%、約15%、または約20%のポリソルベート80を含む。任意の特定の理論によって縛られることは望まないが、ポリソルベート80はまた吸収増強剤としても作用し得る。さらに、任意の特定の理論によって縛られることは望まないが、ポリソルベート80は、胃腸管内に生じた粘液層の菲薄化を促進することができ、その結果、粘液層中の残存メチルナルトレキソンがより容易に放出されて、迅速に吸収される。
【0083】
1種または複数種のキレート剤の添加は、メチルナルトレキソンを含む製剤において特に有用であり、そのような薬剤は、金属触媒による分解および/またはメチルナルトレキソンの沈殿からの保護を提供し得る。適切なキレート剤は当業者に公知であり、これには任意の薬学的に許容されるキレート剤が含まれる。一般的なキレート剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその誘導体、エチレングリコール-ビス-(2-アミノエチル)-N,N,N',N'-四酢酸(EGTA)およびその誘導体、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)およびその誘導体、N,N-ビス(カルボキシメチル)グリシン(NTA)およびその誘導体、ニトリロ三酢酸およびその誘導体、クエン酸およびその誘導体、ナイアシンアミドおよびその誘導体、ならびにデキシコール酸ナトリウムおよびその誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
【0084】
いくつかの態様において、キレート剤は、EDTAまたはその誘導体からなる群より選択される。いくつかの態様において、キレート剤は、EDTAカルシウム二ナトリウム、EDTA二アンモニウム、EDTA二カリウム、EDTA二ナトリウム、TEA-EDTA、EDTA四ナトリウム、EDTA三カリウム、EDTA三ナトリウム、HEDTA、およびHEDTA三ナトリウム、およびそれらの関連塩からなる群より選択される。いくつかの態様において、キレート剤はEDTA二ナトリウム、EDTA三ナトリウム、またはEDTAカルシウム二ナトリウムである。いくつかの態様において、キレート剤は、カルシウムEDTA(エデト酸カルシウム)もしくはEDTAカルシウム塩誘導体、またはカルシウムEGTAもしくはEGTAカルシウム塩誘導体である。いくつかの態様において、キレート剤は、例えばEDTAカルシウム二ナトリウム水和物(エデト酸カルシウム二ナトリウム水和物)などのEDTAカルシウム二ナトリウムである。カルシウムEDTAは、他の供給元の中でもとりわけSigma-Aldrichから入手可能である。いくつかの態様において、提供される製剤は、該製剤の全重量に基づいて、約0.01%〜約5%、約0.01%〜約4%、約0.01%〜約3%、約0.01%〜約2%、約0.01%〜約1%、約0.1%〜約5%、約0.1%〜約4%、約0.1%〜約4%、約0.1%〜約3%、約0.1%〜約2%、約0.1%〜約1%、または約0.1 %〜約0.5%のキレート剤を含む。いくつかの態様において、提供される製剤は、該製剤の全重量に基づいて、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、または約0.6%のキレート剤を含む。
【0085】
適切な結合剤(「希釈剤」および/または「充填剤」とも称される)は当技術分野において公知である。例えば、適切な結合剤には、デンプン、PVP(ポリビニルピロリドン)、低分子量HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標))、ケイ化微結晶性セルロース(Prosolv 50)、低分子量HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、低分子量カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリエチレンオキシド、アカシアゴム、デキストリン、スクロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、およびポリメタクリル酸が含まれるが、これらに限定されない。充填剤には、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標))、デンプン、ラクチトール、ラクトース、適切な無機カルシウム塩、スクロース、グルコース、マンニトール、ケイ酸、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される薬剤が含まれる。いくつかの態様において、製剤は、該製剤の全重量に基づいて、約5%〜約90%、または約10%〜約50%、または約10%〜約40%、または約10%〜約45%の結合剤を含む。いくつかの態様において、製剤は、錠剤の全重量に基づいて、約10%、約15%、約16%、約20%、約24%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%の結合剤を含む。いくつかの態様において、製剤は、結合剤として微結晶性セルロースを含む。特定の態様において、製剤は、結合剤、微結晶性セルロースおよびケイ化微結晶性セルロースを含む。
【0086】
特定の態様において、提供される製剤は、1種または複数種の抗酸化剤を含み得る。そのような抗酸化剤には、当業者に公知の抗酸化剤が含まれる。例示的な抗酸化剤には、アスコルビン酸ならびにその塩およびエステル;クエン酸ならびにその塩およびエステル;ブチルヒドロキシアニソール(「BHA」);ブチルヒドロキシトルエン(「BHT」);トコフェロール(例えば、d-αトコフェロール、dl-αトコフェロール、d-α酢酸トコフェロール、dl-α酢酸トコフェロール、βトコフェロール、δトコフェロール、γトコフェロール等)、およびカロテノイド(例えば、ビタミンA、ルテイン、およびゼアキサンチン)が含まれる。特定の態様において、製剤はアスコルビン酸を含む。いくつかの態様において、製剤は、重量で約10%までの1種または複数種の抗酸化剤を含む。いくつかの態様において、提供される製剤は、重量で約0.01%〜約5%の1種または複数種の抗酸化剤を含む。いくつかの態様において、提供される製剤は、重量で約1.0%〜約10%の1種または複数種の抗酸化剤を含む。特定の態様において、提供される製剤は、重量で約1%、約2%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%の1種または複数種の抗酸化剤を含む。
【0087】
特定の態様において、製剤は潤滑剤を含み得る。潤滑剤とは一般に、圧縮中の摩擦を軽減するために、固体投薬製剤中で用いられる物質である。そのような化合物には、例として非限定的に、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、タルク、鉱油、ステアリン酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、および当業者に公知のその他の物質が含まれる。特定の態様において、潤滑剤はステアリン酸塩である。いくつかの態様において、製剤は、所与の製剤の全重量に基づいて、約0.1%〜約7%または約0.2%〜約1%の潤滑剤を含む。特定の態様において、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムであり、その他の供給元の中でもとりわけSigma-Aldrichから入手可能である。
【0088】
特定の態様において、製剤は非機能性コーティングを含み得る。例えば、いくつかの態様において、錠剤は非機能性コーティングを含み得る。いくつかの態様において、非機能性コーティングは密封コートである。例えば、適切な密封コーティングは、約1% w/w〜25% w/w、および好ましくは1% w/w〜約10% w/wの濃度の溶液(例えば、HPMC溶液)として適用され得る。適切な条件下で乾燥した場合、最初の密封コーティングは、非コーティング錠剤の約1% w/w〜約3% w/wの範囲内、または約2% w/wである。そのような密封コーティングはポリマー(例えば、HPMC)を含んでよく、Opadry(登録商標) Clear(Colorcon, Inc.)またはHPMC E3などの市販の密封コーティングシールであってよい。乾燥した場合、密封コーティングは、全コーティング製剤の約1%〜約10%の増量であってよい。特定の態様において、製剤は、口腔内での剤形の崩壊を妨げるためのコーティングを含み得る。
【0089】
特定の態様において、経口投与用の製剤は、(a) 該製剤の全重量に基づいて、約7%〜約75%の臭化メチルナルトレキソン;(b) 該製剤の全重量に基づいて、約5%〜約80%の両親媒性の薬学的に許容される賦形剤;(c) 該製剤の全重量に基づいて、約0.01%〜約5%のキレート剤;(d) 該製剤の全重量に基づいて、約1%〜約25%の湿潤剤;(e) 該製剤の全重量に基づいて、約5%〜約90%の結合剤;(f) 該製剤の全重量に基づいて、約1%〜約25%の崩壊剤;(g) 該製剤の全重量に基づいて、約0.1%〜約7%の潤滑剤;および任意で(h) 該製剤の全重量に基づいて、約0.01%〜約5%の抗酸化剤を含む。特定の態様において、製剤の臭化メチルナルトレキソンは臭化(R)-N-臭化メチルナルトレキソンである。特定の態様において、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤はドデシル(ラウリル)硫酸ナトリウムである。特定の態様において、キレート剤はEDTAの塩(例えば、カルシウムEDTA)である。特定の態様において、湿潤剤はポリソルベート80である。特定の態様において、崩壊剤は炭酸水素ナトリウムである。他の態様において、崩壊剤はクロスポビドンである。特定の態様において、崩壊剤は炭酸水素ナトリウムとクロスポビドンの組み合わせである。特定の態様において、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムである。特定の態様において、抗酸化剤はアスコルビン酸である。特定の態様において、本発明は、約30%の臭化メチルナルトレキソン、約10%のドデシル硫酸ナトリウム、約11%の微結晶性セルロース、約5%のクロスポビドン、約0.25%のカルシウムEDTA、約2%のポリソルベート80、約30%のProsolv 50、約11%の炭酸水素ナトリウム、約2%のタルク、約0.5%のコロイド状二酸化ケイ素、および約0.25のステアリン酸マグネシウムを含む、経口投与用の錠剤製剤を提供する。本明細書に記載の本発明の錠剤または他の製剤を作製する様式に応じて、メチルナルトレキソンが臭化物と対を成して、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンまたはそれらのいくつかの組み合わせと対を成して存在し得ることが、当業者によって理解されよう。
【0090】
製造
特定の態様では、押出/球形化段階を含む方法によって、組成物および製剤を調製する。いくつかの態様では、提供される製剤の湿式造粒、およびそれに続くスフェロイドを形成するための押出/球形化により、製剤を製造する。次に、得られたスフェロイドを乾燥させ粉砕して粉末を形成し、これを適切な結合剤および崩壊剤と混合する。次に、結果として生じた混合物を粉砕し、適切な潤滑剤と混合し、圧縮して錠剤にする。特定の態様では、非機能性コーティングを施す。
【0091】
いくつかの態様では、押出/球形化段階を含まない方法によって錠剤を調製し、そのような方法に従って、湿式造粒により錠剤を製造する。乾燥させたならば、顆粒を粉砕して顆粒状粉末を形成し、これを適切な結合剤および崩壊剤と混合する。次に、結果として生じた混合物を粉砕し、適切な潤滑剤と混合し、圧縮して錠剤にする。特定の態様では、非機能性コーティングを施す。
【0092】
単位剤形
メチルナルトレキソンの製剤は、単位剤形として調製してもよい。実際に、錠剤は典型的に単位剤形である。いくつかの態様において、単位剤形は、25 mg、50 mg、75 mg、100 mg、125 mg、150 mg、175 mg、200 mg、225 mg、250 mg、275 mg、300 mg、325 mg、350 mg、375 mg、400 mg、425 mg、450 mg、475 mg、または500 mg、525 mg、550 mg、575 mg、600 mg、625 mg、650 mg、675 mg、700 mg、725 mg、750 mg、775 mg、800 mg、825 mg、850 mg、875 mg、900 mg、925 mg、950 mg、975 mg、1000 mg、1025 mg、1050 mg、1075 mg、1100 mg、1125 mg、1150 mg、1175 mg、1200 mg、1225 mg、1250 mg、1275 mg、1300 mg、1325 mg、1350 mg、1375 mg、1400 mg、1425 mg、1450 mg、1475 mg、または1500 mgの臭化メチルナルトレキソンを含有する。いくつかの態様において、単位剤形は、包括的に50 mg〜900 mg、または包括的に150 mg〜450 mgの臭化メチルナルトレキソンを含有する。いくつかの態様において、単位剤形は、50 mg、75 mg、150 mg、225 mg、300 mg、450 mg、600 mg、または900 mgの臭化メチルナルトレキソンを含有する。いくつかの態様において、単位剤形は、メチルナルトレキソンおよび両親媒性の薬学的に許容される賦形剤、例えばドデシル(ラウリル)硫酸ナトリウム(SDSまたはSLSとしても知られる)を含む。
【0093】
投与
有効量のメチルナルトレキソンを提供するために、組成物および製剤を必要に応じて患者に投与することができる。特定の態様では、メチルナルトレキソンまたはその製剤を少なくとも1日に1回、患者に経口投与する。他の態様では、メチルナルトレキソンまたはその製剤を最大で1日に1回まで、患者に経口投与する。特定の態様では、メチルナルトレキソンまたはその製剤を1日に1回以下、患者に経口投与する。特定の態様では、メチルナルトレキソンまたはその製剤を必要に応じて患者に経口投与する。特定の態様では、メチルナルトレキソンまたはその製剤を必要に応じて、しかし1日に1回以下、患者に経口投与する。例えば、例えば約150 mg、300 mg、もしくは450 mg臭化メチルナルトレキソン、または相当するモル量のメチルナルトレキソンの単位剤形といった、提供される製剤の単位剤形を1日のうちに患者に経口投与する。いくつかの態様において、本発明は、本発明の1つまたは複数の錠剤を患者に経口投与する段階を含む、それを必要とする患者におけるオピオイド誘発性副作用を治療する方法を提供し、該錠剤は、約150 mg、300 mg、もしくは450 mgのメチルナルトレキソン、または相当するモル量の臭化メチルナルトレキソン、例えばメチルナルトレキソン、およびドデシル(ラウリル)硫酸ナトリウム(SDSまたはSLSとしても知られる)、ヘピチル硫酸ナトリウム、ヘプチルスルホン酸ナトリウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)等のような両親媒性の薬学的に許容される賦形剤を提供する。特定の態様において、本発明の単一の錠剤製剤は、約25 mg、約50 mg、約75 mg、約100 mg、約125 mg、約150 mg、約300 mg、または約450 mgの臭化メチルナルトレキソン、または相当するモルの別の塩形態、またはメチルナルトレキソン、およびドデシル(ラウリル)硫酸ナトリウム(SDSまたはSLSとしても知られる)などの両親媒性の薬学的に許容される賦形剤を提供する。
【0094】
上記で定義した通り、特定の態様において、メチルナルトレキソンの量と関連して使用する「有効量」という用語は、患者において便通を達成するのに十分なメチルナルトレキソンの量を意味する。いくつかの態様において、有効量とは、患者への投与の約24時間以内、約12時間以内、約8時間以内、約5時間以内、約4時間以内、約3時間以内、約2時間以内、または約1時間以内に、該患者において便通を達成するのに十分なメチルナルトレキソンの量を意味する。いくつかの態様において、有効量とは、患者への投与の約4時間以内に便通を達成するのに十分なメチルナルトレキソンの量を意味する。いくつかの態様において、有効量とは、全投薬の少なくとも99%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、または少なくとも50%について、患者への投与の約4時間以内に便通を達成するのに十分なメチルナルトレキソンの量を意味する。いくつかの態様において、有効量とは、最初の4週間の投薬期間中の全投薬について、患者への投与の約4時間以内に便通を達成するのに十分なメチルナルトレキソンの量を意味する。
【0095】
いくつかの態様では、絶食した患者に製剤を投与する。本明細書で使用する「絶食した」という用語は、患者が、提供される製剤の投与前の少なくとも2時間、少なくとも4時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも10時間、または少なくとも12時間にわたり、食物を何も摂食しなかったことを意味する。特定の態様において、「絶食した」という用語は一晩の絶食を意味する。摂食した患者よりも絶食した患者において、効果の向上が認められると考えられる。これらの効果は、カプセル形態の同じ用量を投与した患者と比較して、提供される錠剤中のメチルナルトレキソンを投与した患者において強まる可能性がある。したがって、提供されるメチルナルトレキソン錠剤製剤の、絶食状態の患者への投与は、有利であると考えられる。
【0096】
他の態様では、絶食していない患者に製剤を投与する。したがって、メチルナルトレキソンを投与する前に患者は摂食しないという必要条件はない。
【0097】
併用製品および併用投与
提供される組成物および製剤を併用療法において使用することができる、すなわち、提供される製剤を1種または複数種の他の所望の治療剤または医療手順と同時に、その前に、またはその後に投与することができることもまた理解されよう。併用レジメンにおいて使用するための特定の併用療法(治療剤または手順)では、所望の治療剤および/または手順の適合性、ならびに達成すべき所望の治療効果を考慮に入れる。使用する治療は、同じ障害に対して所望の効果を達成してもよく(例えば、製剤を、同じ障害を治療するために用いられる別の化合物と同時に投与してもよい)、またはこれらは異なる効果(例えば、任意の有害作用の調節)を達成してもよいことがまた理解されよう。本明細書で使用する場合、特定の疾患または状態を治療または予防するために通常投与される追加の治療化合物は、「治療する疾患または状態に適切である」と知られている。
【0098】
いくつかの態様では、メチルナルトレキソンまたは本発明のイオン対もしくは製剤および1種または複数種の他の活性薬剤を、単一製剤(例えば、単位剤形)中で共に投与することができる;他の態様では、メチルナルトレキソンと1種または複数種の他の活性薬剤を別個の製剤として投与することができる。特定の態様では、メチルナルトレキソンおよび/または1種もしくは複数種の他の活性薬剤を複数回投与で投与することができる。
【0099】
いくつかの態様において、本発明のメチルナルトレキソンイオン対または製剤と併用して投与する他の活性薬剤はオピオイドである。メチルナルトレキソンとオピオイドの併用療法により、疼痛の緩和およびオピオイド関連副作用(例えば、胃腸影響(例えば、胃内容排出の遅延、GI管運動の変化))の最小化が同時に可能となる。したがって特定の態様において、本発明は、単層剤形(例えば、錠剤)中にメチルナルトレキソンとオピオイドの組み合わせを共に含む単位剤形を提供する。いくつかの態様において、そのような単位剤形は、1層中にメチルナルトレキソンを含み、かつ別の層中にオピオイドを含む2層錠剤であってもよい。具体的な態様において、併用単位剤形は経口投与に適している。
【0100】
鎮痛に有用なオピオイドは当技術分野で公知である。例えば、オピオイド化合物には、アルフェンタニル、アニレリジン、アシマドリン、ブレマゾシン、ブルプレノルフィン(burprenorphine)、ブトルファノール、コデイン、デゾシン、ジアセチルモルヒネ(ヘロイン)、ジヒドロコデイン、ジフェノキシレート、エチルモルヒネ、フェドトジン、フェンタニル、フナルトレキサミン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レバロルファン、酢酸レボメタジル、レボルファノール、ロペラミド、メペリジン(ペチジン)、メタドン、モルヒネ、モルヒネ-6-グルコロニド(morphine-6-glucoronide)、ナルブフィン、ナロルフィン、ニコモルフィン、アヘン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、プロピラム、プロポキシフェン、レミフェンタニル、スフェンタニル、チリジン、トリメブチン、およびトラマドールが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、オピオイドは、アルフェンタニル、ブルプレノルフィン、ブトルファノール、コデイン、デゾシン、ジヒドロコデイン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン(ペチジン)、メタドン、モルヒネ、ナルブフィン、ニコモルフィン、オキシコドン、オキシモルホン、パパベレタム、ペンタゾシン、プロピラム、プロポキシフェン、スフェンタニル、および/またはトラマドールより選択される少なくとも1種のオピオイドである。本発明の特定の態様において、オピオイドは、モルヒネ、コデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、ジヒドロコデイン、プロポキシフェン、フェンタニル、トラマドール、およびそれらの混合物より選択される。特定の態様において、オピオイドはロペラミドである。他の態様において、オピオイドはブトルファノールなどの混合アゴニストである。いくつかの態様では、2種以上のオピオイド、例えばモルヒネおよびヘロインまたはメタドンおよびヘロインを対象に投与する。
【0101】
典型的には、併用療法において投与する他の活性薬剤の量は、関連薬剤による単独療法において通常投与する量以下であってよい。特定の態様において、併用療法において投与する他の活性薬剤の量は、関連薬剤による単独療法において通常投与する量未満であってよい。例えば、本発明の特定の態様において、追加の活性薬剤の量は、その化合物を唯一の治療剤として含む製剤中に通常存在する量の約50%〜100%の範囲であってよい。
【0102】
特定の態様では、便秘および腸管機能不全の改善を助けるために、胃腸障害の通常の治療と共におよび/または併用して、製剤を使用してもよい。例えば、通常の治療には、腸管の機能的刺激、便軟化剤、緩下剤(例えば、ジフェリメタン(diphelymethane)緩下剤、寫下性緩下剤、浸透圧性緩下剤、塩類緩下剤)、膨張性薬剤および緩下剤、潤滑剤、静脈内水分補給、ならびに経鼻胃減圧が含まれるが、これらに限定されないと考えられる。
【0103】
組成物および製剤の使用およびキット
本発明は、そのような送達が望ましい任意の状況においてそのような化合物を送達するのに有用な、経口投与用の、メチルナルトレキソンを含む本明細書に記載の薬学的に許容される製剤を提供する。特定の態様において、提供される製剤は、オピオイド鎮痛療法の望ましくない副作用(例えば、胃腸影響(例えば、胃内容排出遅延、GI管運動の変化))の拮抗においてメチルナルトレキソンを送達するのに有用である。さらに、μオピオイド受容体と結合することによって改善される疾患状態を有する対象を治療するために、またはμオピオイド受容体系の一時的抑制が望ましい任意の治療(例えば、イレウス)において、製剤を用いてもよい。本発明の特定の態様において、提供される製剤の使用方法はヒト対象におけるものである。
【0104】
したがって、提供される製剤の投与は、オピオイド使用の副作用、例えば胃腸障害(例えば、腸運動の阻害、便秘、GI括約筋収縮、悪心、嘔吐(emesis)(嘔吐(vomiting)))、胆道痙攣、オピオイド腸管機能不全、疝痛、不快、掻痒、尿閉、呼吸の抑制、乳頭収縮、心血管系影響、胸壁硬直および咳の抑制、ストレス応答の低下、ならびに麻酔性鎮痛薬の使用に関連する免疫抑制、またはそれらの組み合わせなどの治療、予防、改善、遅延、または軽減に有利であり得る。したがって、製剤の使用は、オピオイドの投与を受けている対象の生活の質の観点からだけでなく、痔、食欲抑制、粘膜破壊、敗血症、結腸癌リスク、および心筋梗塞など、慢性便秘から生じる合併症を軽減するのにも有益であり得る。
【0105】
いくつかの態様おいて、提供される製剤は、急性オピオイド投与を受けている対象への投与に有用である。いくつかの態様において、提供される製剤は、術後胃腸障害に罹患している患者への投与に有用である。
【0106】
特定の態様において、提供される製剤は、慢性オピオイド投与を受けている対象(例えば、エイズ患者、癌患者、心血管患者のようなオピオイド療法を受けている末期症状患者;疼痛管理のために慢性オピオイド療法を受けている対象;オピオイド離脱の維持のためにオピオイド療法を受けている対象)への投与にも有用である。いくつかの態様において、対象は慢性疼痛管理のためにオピオイド療法を使用している対象である。特定の態様において、疼痛は非悪性疼痛(例えば、背部痛、神経障害性疼痛、線維筋痛症、変形性関節症に伴う疼痛)である。いくつかの態様において、対象は末期症状患者である。他の態様において、対象はオピオイド離脱維持療法を受けている人である。
【0107】
特定の態様では、本明細書において提供する製剤を、メチルナルトレキソンによる治療に関して選択された対象に対して投与する。具体的な態様において、対象は、上記の状態の1つまたは複数を発症するリスクが増加した対象に基づいて選択される。別の態様において、対象は、疼痛管理のためのオピオイド療法の使用に基づいて、または本明細書に記載する状態の1つもしくは複数を有することに基づいて選択される。特定の態様において、対象は便秘しているか、またはオピオイド療法に起因する便秘の既往歴を有する。1つの態様において、便秘対象は前3日間排便がない。1つの態様において、便秘対象は、前1週間に2回以下しか排便がない。特定の態様において、便秘対象は、連続した前4週間にわたり平均して1週間に2回以下しかレスキューなしの(rescue-free)排便がなく、かつ以下の1つまたは複数を有する:(a) 固いまたは塊の多い便、(b) 排便時のいきみ、および/または(c) 排便後の残便感。
【0108】
特定の態様において、対象は、例えば非悪性疼痛のためのオピオイドの使用に基づいて、本明細書に記載のメチルナルトレキソン製剤による治療に関して選択される。対象は、断続的にまたは規則的にオピオイドを使用していてよい。1つの態様において、選択される対象は、必要に応じてオピオイドを摂取している。1つの態様において、選択される対象は、1週間未満の間オピオイドを摂取している。1つの態様において、選択される対象は、少なくとも1週間にわたりオピオイドを摂取している。別の態様において、選択される対象は、少なくとも2週間にわたりオピオイドを摂取している。別の態様において、選択される対象は、少なくとも3週間にわたりオピオイドを摂取している。別の態様において、選択される対象は、少なくとも4週間にわたりオピオイドを摂取している。別の態様において、選択される対象は、少なくとも3カ月にわたりオピオイドを摂取している。別の態様において、選択される対象は、少なくとも6カ月にわたりオピオイドを摂取している。別の態様において、選択される対象は、少なくとも12カ月にわたりオピオイドを摂取している。別の態様において、選択される対象は、1年超にわたりオピオイドを摂取している。別の態様において、選択される対象は、少なくとも2週間にわたり少なくとも1日おきにオピオイドを摂取している。1つの態様において、選択される対象は、少なくとも14日間にわたり、>25 mgの経口モルヒネ等価物の投与を少なくとも7回受けている。1つの態様において、選択される対象は、少なくとも14日間にわたり、>50 mgの経口モルヒネ等価物の投与を毎日受けている。1つの態様において、選択される対象はオピオイド療法のために便秘しており、かつ少なくとも14日間にわたり>50 mgの経口モルヒネ等価物の投与を毎日受けている。特定の態様において、対象は、少なくとも14日間にわたり>50 mgの経口モルヒネ等価物の投与を毎日受けており、かつ少なくとも連続4週間にわたり平均して1週間に2回以下しかレスキューなしの排便がなく、それは以下の1つまたは複数を伴った:(a) 少なくとも25%のレスキューなしの排便での、ブリストル大便スケール1型もしくは2型、(b) 少なくとも25%のレスキューなしの排便中のいきみ、および/または(c) 少なくとも25%のレスキューなしの排便後の残便感。レスキューなしの排便とは、排便前24時間以内の緩下剤の使用を伴わない排便を指す。
【0109】
特定の態様において、本明細書に記載のメチルナルトレキソン製剤による治療に関して選択される対象は、オピオイド誘発性便秘を患っている対象である。特定の態様において、本明細書に記載のメチルナルトレキソン製剤による治療に関して選択される対象は、緩和ケアを受けており、かつオピオイド誘発性便秘を患っている、進行疾患を有する対象である。特定の態様において、本明細書に記載のメチルナルトレキソン製剤による治療に関して選択される対象は、緩和ケアを受けており、かつオピオイド誘発性便秘を患っており、緩下剤療法(例えば、ビサコジル、セノコット、ドクサート)に対する反応が十分ではなかった、進行疾患を有する対象である。特定の態様において、本明細書に記載のメチルナルトレキソン製剤による治療に関して選択される対象は、オピオイド誘発性便秘を患っている、非悪性疼痛を有する対象である。特定の態様において、本明細書に記載のメチルナルトレキソン製剤による治療に関して選択される対象は、オピオイド誘発性便秘を患っており、緩下剤療法(例えば、ビサコジル、セノコット、ドクサート)に対する反応が十分ではなかった、非悪性疼痛を有する対象である。特定の態様において、本明細書に記載のメチルナルトレキソン製剤による治療に関して選択される対象は、標準的な緩下剤療法に反応しなかった。特定の態様において、本明細書に記載のメチルナルトレキソン製剤による治療に関して選択される対象は、標準的な緩下剤療法に反応した。特定の態様において、本明細書に記載のメチルナルトレキソン製剤による治療に関して選択される対象は、同時に緩下剤療法を施されている。
【0110】
本明細書に記載される提供される製剤の別のまたは付加的な使用は、例えば、内皮細胞(例えば、血管内皮細胞)の異常な遊走または増殖、血管新生の増加、および日和見感染病原体(例えば、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa))による致死因子産生の増加を含む、オピオイド使用の影響を治療するのに有用である。提供される製剤の付加的な有利な使用には、オピオイド誘発性免疫抑制の治療、血管新生の阻害、血管増殖の阻害、疼痛の治療、炎症性腸症候群などの炎症状態の治療、感染症および筋骨格系の疾患、例えば骨粗鬆症、関節炎、骨炎、骨膜炎、ミオパチーなどの治療、ならびに自己免疫疾患の治療が含まれる。
【0111】
特定の態様において、提供される製剤は、過敏性腸症候群、オピオイド誘発性腸管機能不全、大腸炎、術後または産後イレウス、悪心および/または嘔吐、胃運動および胃内容排出の低下、胃ならびに小腸および/または大腸推進力の阻害、非推進性部分の収縮幅の増加、オディ括約筋の収縮、肛門括約筋の緊張の増加、直腸拡張を伴う反射性弛緩障害、胃液、胆汁、膵液、または腸液分泌の減少、腸内容物からの水分吸収の増加、胃食道逆流、胃不全麻痺、筋痙攣、鼓脹、腹部または上腹部の疼痛および不快、便秘、特発性便秘、腹部手術(例えば、結腸切除(例えば、右半結腸切除、左半結腸切除、横行半結腸切除、結腸切除テイクダウン(takedown)、低位前方切除)、子宮摘出)後の術後胃腸障害、ならびに経口投与された医薬または栄養物質の吸収の遅延を含むがこれらに限定されない胃腸障害を予防する、阻害する、軽減する、遅延させる、低下させる、または治療する方法において使用してもよい。
【0112】
提供される製剤は、血管新生を伴う癌、免疫抑制、鎌状赤血球貧血、血官創傷、および網膜症を含む状態の治療、炎症関連障害(例えば、過敏性腸症候群)、免疫抑制、慢性炎症の治療においても有用である。
【0113】
他の態様において、提供される製剤および単位剤形は、胃腸副作用(例えば、腸運動の阻害、GI括約筋収縮、便秘)、悪心、嘔吐(emesis)、嘔吐(vomiting)、不快、掻痒、またはそれらの組み合わせを含む、オピオイド使用の副作用の治療に有用な医薬品を含むがこれらに限定されない医薬品の調製において有用である。提供される製剤は、急性オピオイド療法を受けている患者(例えば、急性オピオイド投与を受けている、術後胃腸障害に罹患している患者)、または慢性的にオピオイドを使用している対象(例えば、エイズ患者、癌患者、心血管疾患患者のようなオピオイド療法を受けている末期症状患者;疼痛管理(悪性または非悪性疼痛)のために慢性オピオイド療法を受けている対象;またはオピオイド離脱の維持のためにオピオイド療法を受けている対象)の治療において有用な医薬品の調製に有用である。なおさらに、疼痛の治療、炎症性腸症候群などの炎症状態の治療、感染症の治療、骨粗鬆症、関節炎、骨炎、骨膜炎、ミオパチーなどの筋骨格系の疾患の治療、自己免疫疾患および免疫抑制の治療、腹部手術(例えば、結腸切除(例えば、右半結腸切除、左半結腸切除、横行半結腸切除、結腸切除テイクダウン、低位前方切除)後の術後機能障害、特発性便秘、およびイレウス(例えば、術後イレウス、産後イレウス)の療法、ならびに血管形成を伴う癌、慢性炎症および/または慢性疼痛、鎌状赤血球貧血、血管創傷、および網膜症などの障害の治療において有用な医薬品の調製
【0114】
なおさらなる態様では、提供される製剤の使用の獣医学的適用(例えば、例えばウマ、イヌ、ネコといった家畜の治療)を提供する。よって、ヒト対象について上記したものと類似の、獣医学的適用における提供される製剤の使用が意図される。例えば、疝痛および便秘などのウマの胃腸運動の阻害は、ウマにとって致命的な場合がある。疝痛を有するウマが結果として患う疼痛は、死を誘導するショックをもたらす可能性がある一方で、長期間の便秘もまたウマの死を引き起こし得る。末梢性オピオイド受容体アンタゴニストによるウマの治療は、例えば2005年1月20日公開の米国特許公報第2005/0124657号に記載されており、これは参照により本明細書に組み入れられる。
【0115】
本発明には、本明細書に記載の製剤および容器(例えば、ホイルもしくはプラスチックパッケージ、またはその他の適切な容器)を含む薬学的パックおよび/またはキットもなおさらに包含される。任意に、そのようなキット中には、使用説明書が付加的に提供される。
【0116】
本明細書に記載の本発明がより十分に理解され得るように、以下の実施例を示す。これらの実施例は単なる例示目的であり、いかなる方法においても本発明を限定するものと解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【0117】
本発明の各局面の特徴はすべて、適宜変更して、すべての他の局面に当てはまる。本出願を通じて引用した全参考文献、特許、係属中特許出願、および公開済み特許の内容は、参照により本明細書に明白に組み入れられる。
【実施例】
【0118】
実施例1
臭化メチルナルトレキソンは、WO 2006/127899に詳述されている方法に従って調製することができ、またはCovidien, Saint Louis, Moなどの商業的供給元から入手することもできる。薬学的に許容される賦形剤を使用して、メチルナルトレキソンを含有する製剤を調製した。メチルナルトレキソンを含有するスフェロイドを調製した。カプセルにスフェロイドを充填することにより、カプセルを調製した。いくつかのカプセルは腸溶性スフェロイドを含有するように調製し、このスフェロイドは胃を通過して初めて溶解する。腸溶コーティングしていない、または腸溶コートの溶解後のカプセルは、10〜30分間で溶解する。従来技法を用いて、スフェロイドから錠剤も調製した。錠剤は10分足らずで溶解する。
【0119】
スフェロイドは、以下の一般法に記載する通りに、湿式造粒工程ならびにその後の押出および球形化により調製した。臭化メチルナルトレキソンと薬学的に許容される賦形剤を水溶液中で混合した。押出に適した湿塊が得られるまで、水を添加した。湿塊を押出機に通し、押出物を球形化機で球形化した。得られたスフェロイドを流動層乾燥機で乾燥させ、篩に通した。非コーティングスフェロイドを適切な容器中で保存した。
【0120】
実施例2
腸溶性メチルナルトレキソンスフェロイドを含有するカプセルの投与
実施例1に記載した、メチルナルトレキソンの腸溶性スフェロイドを含有するカプセルを、オピオイド誘発性便秘を患っている患者において試験した。本研究における患者は、慢性メタドン維持患者ではなかった。患者は慢性非悪性(非癌)疼痛を有し、その慢性疼痛の根底にある非悪性状態(例えば、変形性関節症、背部痛、神経障害性疼痛)は、スクリーニング前の少なくとも2カ月間の実証された既往歴を有し、少なくとも1カ月間安定した疼痛を有した。患者は、スクリーニング来院の前およびスクリーニング来院期間中に、少なくとも1カ月間オピオイド投与を受けており、かつ少なくとも2週間は1日当たり1日用量20 mg以上のモルヒネ等価物の投与を受けており、本研究中に変化は見込まれなかった。患者はまた、スクリーニング来院前の少なくとも1カ月間、オピオイド使用に起因する便秘の既往歴を有した。便秘は、平均して1週間に2回以下の排便、かつ以下の1つまたは複数と定義した:(i) 少なくとも25%の排便での固いまたは塊の多い便、(ii) 少なくとも25%の排便後の残便感、(iii) 少なくとも25%の排便中のいきみ。
【0121】
10 mg、50 mg、150 mg、300 mg、または450 mgのメチルナルトレキソンを含有する腸溶性メチルナルトレキソンカプセルを患者に投与した。その用量で生じたメチルナルトレキソンの平均ピーク血漿レベルは、以下の通りであった:(i) 10 mgでは、1 ng/ml未満、(ii) 50 mgでは、5 ng/ml未満、(iii) 150 mgでは、5 ng/ml未満、(iv) 300 mgでは、10 ng/mL未満、および(v) 450 mgでは、20 ng/mL未満。メチルナルトレキソンの腸溶性調製物を含有するこれらのカプセルは、オピオイド誘発性便秘を治療するのに有効ではなかった。それらは便通を誘導せず、対照と比較して、患者においてより頻繁な排便をもたらさなかった。
【0122】
実施例3
腸溶コーティングしていないメチルナルトレキソンを含有するカプセルの投与
実施例1に記載した通りであるが、腸溶コーティングしていないメチルナルトレキソンのスフェロイドを含有するカプセルを、非悪性疼痛のためにオピオイドの投与を受けている患者において試験した。本研究における患者は、慢性メタドン維持患者ではなかった。患者は、オピオイドの最小1日用量が、20 mgの代わりに30 mg以上のモルヒネ等価物であることを除いて、実施例2で使用した基準と同じ基準に基づいて選択した。150 mg、300 mg、450 mg、および600 mgの用量を試験した。これらの用量により、有効用量の皮下メチルナルトレキソン注射に伴う平均ピーク血漿レベルのおよそ1/3またはそれよりも低い、約15〜40 ng/mlという平均ピーク血漿レベルを生じた。腸溶コーティングしていないスフェロイドを含有するこれらのカプセルは便通を誘導せず、対照と比較して、この患者集団においてより頻繁な排便をもたらさなかった。
【0123】
腸溶コーティングしていないメチルナルトレキソンを含有する錠剤の投与
実施例1に記載した通りに調製した、腸溶コーティングしていないメチルナルトレキソンのスフェロイドを含有する錠剤を、非悪性疼痛のためにオピオイドの投与を受けている患者において試験した。本研究における患者は、慢性メタドン維持患者ではなかった。患者は実施例3で使用した基準と同じ基準に基づいて選択した。150 mg、300 mg、450 mg、および600 mgの用量を試験した。これらの用量により、約7〜40 ng/mlという平均ピーク血漿レベルを生じた。腸溶コーティングしていないこれらの錠剤は、1つの用量では統計的に有意な活性を示したが、全用量にわたって一貫して便通を誘導するわけではなかった。
【0124】
錠剤を形成するためにスフェロイドを薬学的に許容される賦形剤と共に圧縮するのに対して、カプセルを調製するためにスフェロイドを硬ゼラチン殻に封入することを除いて、非コーティングスフェロイドを含有する錠剤およびカプセルはいずれも類似の組成を有した。水性媒体と接触させると、錠剤は直ちに崩壊し、10分未満でほぼすべての薬物が溶解した。対照的に、カプセル殻は溶解するのに10分を要し、カプセルから薬物が完全に溶解するのに少なくとも30分を要した。(図1) 非コーティングスフェロイドを含有する両剤形に付随する血漿レベルは変動的であり(錠剤は、カプセルと比較してより一貫した平均ピーク血漿レベルを生じた)、対象間で重複していた。
【0125】
実施例4
分配係数の決定
メチルナルトレキソンと両親媒性の薬学的に許容される賦形剤とのイオン対を調製し、見かけのオクタノール-水分配係数(APC)を測定し、臭化メチルナルトレキソンのものと比較した。所定量のMNTX-ヘプチル硫酸およびMNTX-ドデシル硫酸をそれぞれ、水で飽和した1-オクタノール2 mLに溶解した。1-オクタノールで飽和した水2 mLを各MNTX塩溶液に添加した。混合物を室温で一晩振盪させ、次に1-オクタノール層1 mLを、試料のクロマトグラフィー(HPLC)解析に用いられる移動相で10 mLになるよう希釈した。水相1 mLを移動相で5 mLになるよう希釈した。次に、HPLCにより試料を解析して、各MTNX塩の見かけの分配係数およびlogPを決定した。各塩の水相のpHは4.5〜6.8であった。(MNTXの報告された分配係数は0.025であり、LogPは-1.605である。)

【0126】
実施例5
臭化メチルナルトレキソンおよびドデシル硫酸ナトリウムを含有する錠剤の調製
本実施例では、メチルナルトレキソン、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、および発泡性崩壊剤(炭酸水素ナトリウム)を含有する錠剤の調製について記載する。メチルナルトレキソン(150 mg)錠剤の定量的製剤化を表1に提供する。
【0127】
【表1】

a100%純度の「まま」に基づいて、実際の効力を元にして量を調整することができ、微結晶性セルロースについても対応する調整を行うことができる。
b乾燥によって除去される。最終的な剤形中には存在しない。
【0128】
製造およびパッケージングの方法:手順
1. 臭化メチルナルトレキソン、微結晶性セルロース、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、およびクロスポビドンを造粒機中で混合する。
2. 精製水中にエデト酸カルシウム二ナトリウムおよびポリソルベート80を含有する溶液を作製する。
3. 段階1による混合物を混合しながら、エデト酸カルシウム二ナトリウム/ポリソルベート80溶液を添加して、およそ4分間混合を続ける。適切な顆粒を得るために、さらなる水を添加してもよい。注記:造粒段階は、より大きなバッチサイズを得るためにサブバッチで完了してもよい。
4. 顆粒を乾燥させる。
5. 適切な粉砕機を使用して、#4による顆粒を粉砕する。
6. #5による物質を適切な混合機に添加する。
7. 粉砕の収量を記録し、最終混合物に合わせて賦形剤のレベルを調節する。
8. クロスポビドン、ケイ化微結晶性セルロース、炭酸水素ナトリウム、タルク、二酸化ケイ素、およびステアリン酸マグネシウムを、適切な篩を通して任意に篩別する。
9. 上記混合機にクロスポビドン、炭酸水素ナトリウム、タルク、およびケイ化微結晶性セルロースを添加し、混合する。
10. 段階9の混合物を適切な篩を通して任意に篩別し、これを混合機に添加して混合する。
11. 任意に、混合物の一部を採取し、これを二酸化ケイ素に添加して、袋の中で混合する。
12. 任意に、二酸化ケイ素の予混合物を移し、上記混合機に添加して混合する。
13. 混合物の一部を採取し、これをステアリン酸マグネシウムに添加して、袋の中で混合する。注記;段階13は50 kgを超えるバッチには必要でないと考えられる。
14. 予混合物ステアリン酸マグネシウムを移し、上記混合機に混ぜ合わせて混合する。
15. 混合物の最終収量を記録する。
16. 段階15による最終混合物を、必要な規格の錠剤を製造し得る工具を備えた適切な圧縮機を用いて圧縮する。
17. 許容される錠剤の収量を秤量する。
【0129】
実施例6
臭化メチルナルトレキソン(150 mg)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、および
炭酸水素ナトリウムを含む錠剤を、実施例5に記載した方法を用いて製造した。錠剤を、100 rpmのパドルを備えた溶解装置において37℃の900 mL 0.1 N HCl中に入れた。次いで、既定の時点で試料を取り出し、HPLCにより解析した。錠剤2剤の溶解速度を決定した。炭酸水素ナトリウムを含むSDS錠剤の溶解プロファイルを図2に示す。錠剤から90%を超えるメチルナルトレキソンが11分以内に溶解した。
【0130】
実施例7
GI-生理機能が改変されたイヌにおける提供される製剤の投与
実施例5に記載した通りに調製した、臭化メチルナルトレキソン(150 mg)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、および炭酸水素ナトリウムを含有する錠剤の経口バイオアベイラビリティおよび薬物動態プロファイルを、実施例1に記載した通りに調製した、メチルナルトレキソンの非コーティングスフェロイドを含有するが、両親媒性の薬学的に許容される担体および発泡性崩壊剤を含有しない錠剤と比較した。GI-生理機能が改変された雄のビーグル犬を使用して、製剤投与の15分前にアトロピン(〜20μg/kg;IV)およびペンタガストリン(〜10μg/kg;IM)を投与し、投薬の30分後にさらなる用量のペンタガストリン(10μg/kg;IM)を投与した。アトロピンはイヌのGI運動を低下させ、またペンタガストリンはpHを低下させ、その結果、GIの状態をヒトの状態とほぼ同様にする。一晩絶食後のイヌ6匹(9.4〜13.7 kg)に製剤(150 mg MNTX)を経口投与により投薬し、投薬後0時間(投薬前)、0.5、1、2、3、4、6、8、12、24、および48時間の時点で血液試料を採決し、血漿を分離して、メチルナルトレキソン含量についてアッセイした。
【0131】
個々のイヌ血漿メチルナルトレキソン濃度-時間プロファイルを、非コンパートメント薬物動態解析(WinNonlin, Model 200)に供した。結果を以下の表2に要約する。
【0132】
【表2】

【0133】
上記の表3に要約したように、イオン対形成剤ドデシル(ラウリル)硫酸ナトリウムを含有する原型錠剤製剤の経口投与は、イオン対形成剤を含有しない錠剤よりも質的に優れたメチルナルトレキソン全身曝露をもたらした。
【0134】
実施例8
本実施例は、慢性非悪性疼痛を有する対象に経口投与した300および450 mg用量のSDS錠剤製剤におけるメチルナルトレキソンの有効性に関して報告する。本研究に登録された対象は、スクリーニング来院の前に少なくとも1カ月間、オピオイド使用に起因する便秘の既往歴を有する必要があった。本研究は、第1相、非盲検、単回投与、入院患者研究であった。対象には、少なくとも10時間の一晩絶食後に、SLS錠剤製剤の単回投与(2×150 mgまたは3×150 mg)としてメチルナルトレキソンを投与した。用量は、1日目のおよそ0800時間の時点で、常温水240 mLと共に経口摂取された。オピオイド医薬は、毎日ほぼ同じ時間に提供された。各対象は、およそ3週間にわたり本試験に参加した。これは、被験物質投与前の3週間以内に行われるスクリーニング評価、および2日/1泊の入院期間を含んだ。
【0135】
結果を図3に示す。この図は、10時間の絶食後にメチルナルトレキソン(300 mgおよび450 mg)SDS錠剤を投与された、慢性悪性疼痛を有する患者における、時間と最初の便通反応を有する患者の割合との比較のプロットを示す。SLS錠剤製剤は、対象患者において、4時間以内および24時間以内の便通の割合の増加をもたらした。
【0136】
実施例8において、本発明のSDS製剤の単回初期用量450 mgを投与されて4時間以内に排便した患者の割合は、およそ41%であった。実施例8において、本発明のSDS製剤の単回初期用量450 mgを投与されて24時間以内に排便した患者の割合は、およそ72%であった。
【0137】
前述の研究は、排便の統計的有意性を確立するよう設計していなかった。プラセボ群が存在しなかった。歴史的に見て、類似の、しかしより厳密な組み入れ/除外基準で設計された、慢性非悪性疼痛患者のより大きな研究では、4時間以内に排便した、プラセボを投与された対象の割合は約9%〜13%程度であった。当業者は、本研究におけるプラセボ反応が、より小さな研究サイズおよび異なる組み入れ/除外基準といった要因に起因して、以前の研究とは異なり得ることを理解するであろう。本発明の任意の理論によって縛られることは望まないが、経口用量を投与した場合に、排便の達成に関与する二重機構が存在し得ること、および経口投与した場合に排便を達成するのに必要な血漿レベルは、皮下投与した場合に必要なレベルよりも低い可能性があることが考えられる。
【0138】
当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に確認し、前述の説明および実施例が、提供される本発明を実施する例であることを理解するであろう。当業者は、日常的な実験だけを用いて、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されている本発明の特定の態様に対して本明細書に示されている詳細の多くの改変を行うことができることを確認し得るであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の塩:
【化1】

式中、A-は両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである。
【請求項2】
薬学的に許容される賦形剤が3以下のpKaを有する、請求項1記載の塩。
【請求項3】
薬学的に許容される賦形剤がスルフェート(-OSO3-)基を含む、請求項1記載の塩。
【請求項4】
薬学的に許容される賦形剤が、置換されていてもよい、飽和型または不飽和型で、分岐または非分岐で、環式または非環式のC4-30脂肪族基を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の塩。
【請求項5】
薬学的に許容される賦形剤が、飽和型で、非分岐で、非環式で、非置換型のC4-30アルキル基を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の塩。
【請求項6】
薬学的に許容される賦形剤が、飽和型で、非分岐で、非環式で、非置換型のC7-15アルキル基を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の塩。
【請求項7】
薬学的に許容される賦形剤がC12 n-アルキル基を含む、請求項1〜3のいずれか一項記載の塩。
【請求項8】
A-がドデシル硫酸である、請求項1記載の塩。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項記載の塩を含む、経口投与用の薬学的組成物。
【請求項10】
固体投薬量のメチルナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩および両親媒性の薬学的に許容される賦形剤を含む、経口投与用の薬学的組成物。
【請求項11】
メチルナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩および両親媒性の薬学的に許容される賦形剤が、溶液中に溶解した場合にイオン対を形成する、請求項10記載の薬学的組成物。
【請求項12】
メチルナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩および両親媒性の薬学的に許容される賦形剤を、pHが約1を上回りかつ約4未満である溶液中に溶解した場合に、イオン対が形成される、請求項11記載の薬学的組成物。
【請求項13】
崩壊剤をさらに含む、請求項12記載の薬学的組成物。
【請求項14】
前記組成物の少なくとも50%が、100 rpmのパドルを備えた溶解装置において37℃の900 mL 0.1 N HCl中で約15分以内に溶解する、請求項10〜13のいずれか一項記載の薬学的組成物。
【請求項15】
前記組成物の少なくとも75%が、100 rpmのパドルを備えた溶解装置において37℃の900 mL 0.1 N HCl中で約15分以内に溶解する、請求項14記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物の少なくとも90%が、100 rpmのパドルを備えた溶解装置において37℃の900 mL 0.1 N HCl中で約10分以内に溶解する、請求項15記載の組成物。
【請求項17】
溶液中の前記組成物におけるメチルナルトレキソンの見かけのオクタノール/水分配係数がpH 1〜4において少なくとも0.25である、請求項10〜16のいずれか一項記載の組成物。
【請求項18】
見かけの分配係数が少なくとも1である、請求項17記載の組成物。
【請求項19】
見かけの分配係数が少なくとも10である、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
見かけの分配係数が少なくとも20である、請求項19記載の組成物。
【請求項21】
見かけの分配係数が少なくとも30である、請求項20記載の組成物。
【請求項22】
薬学的に許容される賦形剤が3以下のpKaを有する、請求項10〜21のいずれか一項記載の組成物。
【請求項23】
薬学的に許容される賦形剤がスルフェート(-OSO3-)基を含む、請求項10〜22のいずれか一項記載の組成物。
【請求項24】
薬学的に許容される賦形剤が、置換されていてもよい、飽和型または不飽和型で、分岐または非分岐で、環式または非環式のC4-30脂肪族基を含む、請求項10〜22のいずれか一項記載の組成物。
【請求項25】
薬学的に許容される賦形剤が、飽和型で、非分岐で、非環式で、非置換型のC4-30アルキル基を含む、請求項10〜22のいずれか一項記載の組成物。
【請求項26】
薬学的に許容される賦形剤が、飽和型で、非分岐で、非環式で、非置換型のC7-15アルキル基を含む、請求項10〜22のいずれか一項記載の組成物。
【請求項27】
薬学的に許容される賦形剤がC12 n-アルキル基を含む、請求項10〜22のいずれか一項記載の組成物。
【請求項28】
薬学的に許容される賦形剤が陰イオン界面活性剤である、請求項10〜22のいずれか一項記載の組成物。
【請求項29】
薬学的に許容される賦形剤がドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である、請求項10〜22のいずれか一項記載の組成物。
【請求項30】
式(I)の化合物を含む、請求項10〜29のいずれか一項記載の組成物:
【化2】

式中、A-は両親媒性の薬学的に許容される賦形剤の陰イオンである。
【請求項31】
崩壊剤が発泡性崩壊剤である、請求項10〜30のいずれか一項記載の組成物。
【請求項32】
崩壊剤が炭酸水素塩である、請求項10〜30のいずれか一項記載の組成物。
【請求項33】
崩壊剤が炭酸水素ナトリウムである、請求項10〜30のいずれか一項記載の組成物。
【請求項34】
前記組成物の全重量に基づいて約5%〜約80%の薬学的に許容される賦形剤を含む、請求項9〜33のいずれか一項記載の組成物。
【請求項35】
製剤が前記組成物の全重量に基づいて約7%〜約75%のメチルナルトレキソンを含有する、請求項9〜33のいずれか一項記載の組成物。
【請求項36】
錠剤である、請求項9〜33のいずれか一項記載の組成物。
【請求項37】
結合剤、キレート剤、湿潤剤、潤滑剤、非機能性コーティング、または抗酸化剤、およびそれらの組み合わせの少なくとも1つまたは複数を含む錠剤である、請求項9〜36のいずれか一項記載の組成物。
【請求項38】
キレート剤を含む、請求項37記載の組成物。
【請求項39】
キレート剤がEDTAの塩である、請求項38記載の組成物。
【請求項40】
キレート剤がEDTAカルシウム二ナトリウムである、請求項38記載の組成物。
【請求項41】
潤滑剤を含む、請求項37記載の組成物。
【請求項42】
潤滑剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項41記載の組成物。
【請求項43】
抗酸化剤を含む、請求項37記載の組成物。
【請求項44】
抗酸化剤がアスコルビン酸である、請求項43記載の組成物。
【請求項45】
以下を含む、請求項37記載の組成物:
(a) 該組成物の全重量に基づいて約7%〜約75%の臭化メチルナルトレキソン;
(b) 該組成物の全重量に基づいて約5%〜約80%の両親媒性の薬学的に許容される賦形剤;
(c) 該組成物の全重量に基づいて約0.01%〜約5%のキレート剤;
(d) 該組成物の全重量に基づいて約1%〜約25%の湿潤剤;
(e) 該組成物の全重量に基づいて約5%〜約90%の結合剤;
(f) 該組成物の全重量に基づいて約1%〜約25%の崩壊剤;
(g) 該組成物の全重量に基づいて約0.1%〜約7%の潤滑剤;および任意で
(h) 該組成物の全重量に基づいて約0.01%〜約5%の抗酸化剤。
【請求項46】
結合剤が微結晶性セルロースおよびケイ化微結晶性セルロースである、請求項45記載の組成物。
【請求項47】
崩壊剤がクロスポビドンである、請求項45記載の組成物。
【請求項48】
キレート剤がカルシウムEDTAである、請求項45記載の組成物。
【請求項49】
湿潤剤がポリソルベート80である、請求項45記載の組成物。
【請求項50】
潤滑剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項45記載の組成物。
【請求項51】
抗酸化剤がアスコルビン酸である、請求項45記載の組成物。
【請求項52】
オピオイド治療を受けている対象におけるオピオイド療法の1つまたは複数の副作用を軽減する方法であって、請求項9〜51のいずれか一項記載の組成物を該対象に投与する段階を含む、方法。
【請求項53】
オピオイド受容体活性によって副作用が生じる、仲介される、または悪化する、請求項52記載の方法。
【請求項54】
治療の影響を受ける副作用が、腸運動の阻害、胃腸障害、便秘、腸の運動性低下、宿便(impaction)、胃の運動性低下、GI括約筋収縮、括約筋緊張の増加、胃腸運動の阻害、胃内容排出の阻害、胃内容排出の遅延、残便(incomplete evacuation)、悪心、嘔吐、皮膚の紅潮、鼓脹、腹部膨満、発汗、不快、掻痒、および尿閉より選択される少なくとも1つの作用を含む、請求項52記載の方法。
【請求項55】
対象が、オピオイド投与を少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも3カ月間、少なくとも6カ月間、少なくとも12カ月間、またはそれ以上受けている患者である、請求項52記載の方法。
【請求項56】
患者が慢性非悪性疼痛を有する、請求項55記載の方法。
【請求項57】
投与の約24時間以内に便通を達成するのに十分な組成物の量を対象に投与する、請求項53〜56のいずれか一項記載の方法。
【請求項58】
投与の約4時間以内に便通を達成するのに十分な組成物の量を対象に投与する、請求項57記載の方法。
【請求項59】
対象が投与時に絶食状態にある、請求項57および4658のいずれか一項記載の方法。
【請求項60】
対象が少なくとも10時間絶食している、請求項57および58のいずれか一項記載の方法。
【請求項61】
対象が一晩絶食している、請求項57および58のいずれか一項記載の方法。
【請求項62】
対象が絶食していない、請求項57および58のいずれか一項記載の方法。
【請求項63】
組成物を対象に経口投与する、請求項52〜62のいずれか一項記載の方法。
【請求項64】
オピオイド治療を受けている対象を選択する段階をさらに含む、請求項52〜63のいずれか一項記載の方法。
【請求項65】
対象が、少なくとも14日間にわたり、一日量>50 mgの経口モルヒネ等価物の投与を受けている、請求項64記載の方法。
【請求項66】
以下の段階を含む、メチルナルトレキソン製剤を調製する方法:
メチルナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤、少なくとも1種の崩壊剤、少なくとも1種の結合剤、少なくとも1種のキレート剤、少なくとも1種の湿潤剤、および任意で少なくとも1種の充填剤を含む、湿式顆粒を調製する段階;ならびに
固体投薬量単位を形成する段階。
【請求項67】
メチルナルトレキソン、結合剤、両親媒性の薬学的に許容される賦形剤、および任意で崩壊剤を乾燥混合すること;ならびに該乾燥混合物をキレート剤および/または湿潤剤の溶液と共に造粒して湿式顆粒を形成することによって、湿式顆粒が形成される、請求項66記載の方法。
【請求項68】
薬学的に許容される賦形剤がドデシル硫酸ナトリウムである、請求項66記載の方法。
【請求項69】
薬学的に許容される賦形剤が3以下のpKaを有する、請求項66記載の方法。
【請求項70】
薬学的に許容される賦形剤がスルフェート(-OSO3-)基を含む、請求項66記載の方法。
【請求項71】
薬学的に許容される賦形剤が、置換されていてもよい、飽和型または不飽和型で、分岐または非分岐で、環式または非環式のC4-30脂肪族基を含む、請求項66記載の方法。
【請求項72】
薬学的に許容される賦形剤が、飽和型で、非分岐で、非環式で、非置換型のC4-30アルキル基を含む、請求項66記載の方法。
【請求項73】
薬学的に許容される賦形剤が、飽和型で、非分岐で、非環式で、非置換型のC7-15アルキル基を含む、請求項66記載の方法。
【請求項74】
薬学的に許容される賦形剤がC12 n-アルキル基を含む、請求項66記載の方法。
【請求項75】
崩壊剤が炭酸水素ナトリウムである、請求項66記載の方法。
【請求項76】
崩壊剤がクロスポビドンである、請求項66記載の方法。
【請求項77】
結合剤が微結晶性セルロースである、請求項66記載の方法。
【請求項78】
キレート剤がカルシウムEDTAである、請求項66記載の方法。
【請求項79】
湿潤剤がポリソルベート80である、請求項66記載の方法。
【請求項80】
湿式顆粒を乾燥させる段階;
乾燥顆粒を粉砕する段階;
1種または複数種の追加の崩壊剤を該乾燥顆粒と混合する段階;および
形成段階の前に、任意で、潤滑剤、流動促進剤、またはそれらの組み合わせを該乾燥顆粒に添加する段階
をさらに含み、少なくとも1種の該崩壊剤が発泡性崩壊剤である、請求項66記載の方法。
【請求項81】
発泡性崩壊剤が、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項80記載の方法。
【請求項82】
発泡性崩壊剤が炭酸水素ナトリウムである、請求項80記載の方法。
【請求項83】
崩壊剤がクロスポビドンである、請求項80記載の方法。
【請求項84】
追加の崩壊剤がクロスポビドンである、請求項80記載の方法。
【請求項85】
潤滑剤がステアリン酸マグネシウムである、請求項80記載の方法。
【請求項86】
流動促進剤が、タルク、二酸化ケイ素、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項85記載の方法。
【請求項87】
結合剤がケイ化微結晶性セルロースである、請求項80記載の方法。
【請求項88】
溶液中のメチルナルトレキソンの見かけのオクタノール/水分配係数がpH 1〜4において少なくとも0.25であるメチルナルトレキソン製剤を提供する、請求項66〜87のいずれか一項記載の方法。
【請求項89】
溶液中のメチルナルトレキソンの見かけのオクタノール/水分配係数がpH 1〜4において少なくとも10であるメチルナルトレキソン製剤を提供する、請求項66〜87のいずれか一項記載の方法。
【請求項90】
溶液中のメチルナルトレキソンの見かけのオクタノール/水分配係数がpH 1〜4において少なくとも20であるメチルナルトレキソン製剤を提供する、請求項66〜87のいずれか一項記載の方法。
【請求項91】
37℃の900 ml 0.1 N HCl中で、実質的に図1に示すような溶解プロファイルを有するメチルナルトレキソン製剤を提供する、請求項66〜87のいずれか一項記載の方法。
【請求項92】
固体投薬量単位が錠剤である、請求項66〜91のいずれか一項記載の方法。
【請求項93】
請求項66〜92のいずれか一項記載の方法によって製造される製品。
【請求項94】
請求項9〜47のいずれか一項記載の複数の単位投薬組成物を含む複数日パック。
【請求項95】
7日、14日、または30日パックである、請求項94記載のパック。
【請求項96】
処方情報をさらに含む、請求項94記載のパック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【公開番号】特開2011−190259(P2011−190259A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−52316(P2011−52316)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】