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メチルメルカプタン生成阻害剤
説明

メチルメルカプタン生成阻害剤

【課題】口腔衛生上問題となるメチルメルカプタンの生成を阻害する安全性の高いメチルメルカプタン生成阻害剤の提供。
【解決手段】水溶性ブドウ種子抽出物からなるメチルメルカプタン生成阻害剤、さらに好ましくはプロアントシアニジンを乾燥物換算で80質量%以上含有することを特徴とするメチルメルカプタン生成阻害剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メチルメルカプタンの生成阻害剤に関する。より詳細には、メチルメルカプタンの生成にかかわるメチオニナーゼの活性を阻害する水溶性ブドウ種子抽出物に関する。
【背景技術】
【0002】
メチルメルカプタンは、低濃度でも異臭を感じる臭気閾値の低いいわゆる悪臭物質として知られているが、生体に対しては種々の悪影響を与える物質でもある。
人体において、メチルメルカプタンは、たまねぎやキャベツのような含硫食品や含硫アミノ酸を含む蛋白質やペプチドなどを細菌が資化することにより、代謝産物として生成することが知られている。特に口腔や咽頭は、種々の組織が複雑な形態を構成していることから、メチルメルカプタンの発生源となりうる食物の残渣が残留しやすく、かつプラークなど物理的、化学的に除去しにくい細菌の繁殖環境が整いやすい部位であるためメチルメルカプタンが発生しやすい部位と考えられる。これら口腔や咽頭においてメチルメルカプタンが発生すると、コラーゲンなどの蛋白質の合成活性の低下や細胞障害、口腔内や咽頭内の粘膜の透過性亢進による生体防御力の低下などの種々の影響を及ぼし、口腔や咽頭衛生上好ましくない状況をもたらす。
【0003】
そこで、従来より口腔や咽頭部位におけるメチルメルカプタンの除去・消臭や生成を抑制することにより、メチルメルカプタンに由来する前記の有害な事象を防止する試みがなされている。例えば、メチルメルカプタンの除去・消臭の観点から、シクロデキストリン誘導体(特許文献1)、動植物抽出物(特許文献2、3)モリブデン(特許文献4)を利用する方法、また、メチルメルカプタンの生成抑制の観点から、特定の金属を塩基とする長鎖アルキロイルザルコシン塩(特許文献5)やマメ科植物抽出物と特定の化合物の組合せ(特許文献6)をメチルメルカプタンの生成細菌の一つであるフゾバクテリウム属に作用させる方法や、植物抽出物(特許文献7、8)や3−クロローDL−アラニン(非特許文献1)、塩化亜鉛(非特許文献2)、エピガロカテキンガレート(非特許文献3)などの化合物を配合することにより、メチルメルカプタンの産生に関与するメチオニナーゼの活性を阻害させる方法などがある。しかし、何れの方法も効果が十分でなかったり、十分な効果を得ることができる量を配合すると組成物の嗜好性に難を生じたり、安全性上の懸念を生じたりするといった理由から、未だ十分に問題を解決する方法は見出されておらず、より安全性が高く、効果の優れた方法の提供が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−169228号公報
【特許文献2】特開昭64−26512号公報
【特許文献3】特開2010−280591号公報
【特許文献4】特開2010−111591号公報
【特許文献5】特開昭61−37720号公報
【特許文献6】特開2002−114658号公報
【特許文献7】特開2008−31062号公報
【特許文献8】特開2010−265215号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】YoshimuraM, FEBS Letter 523, 119-122, 2002
【非特許文献2】Yamashita Y, J Dent Hlth 56, 335, 2006
【非特許文献3】Sakurai K, Y, J Dent Hlth 59, 391,2009
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、口腔や咽頭組織に悪影響を及ぼしうるメチルメルカプタンの生成を阻害する嗜好性や安全性が高いメチルメルカプタン生成阻害剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことに水溶性ブドウ種子抽出物に優れたメチルメルカプタン生成阻害効果が存在することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、特に以下の項1または2のメチルメルカプタン生成阻害剤およびそれを配合した口腔用組成物を提供するものである。
項1.水溶性ブドウ種子抽出物からなるメチルメルカプタン生成阻害剤。
項2.プロアントシアニジンを乾燥物換算で80質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載のメチルメルカプタン生成阻害剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明のメチルメルカプタン生成阻害剤は、メチオニナーゼの活性を阻害することにより口腔および咽頭内におけるメチルメルカプタンの生成を抑制する。これにより、口腔や咽頭内の衛生環境を良化させるだけでなく口臭発生予防も可能となる。また、食経験がある素材であることから、長期に摂取しても安全性の心配がない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明で使用するメチルメルカプタン生成阻害剤は、ブドウ種子を水溶性溶媒で抽出することにより得られる水溶性ブドウ種子抽出物である。なお、本願明細書において配合比率は、特に断りのない限り配合質量比率を表す。
【0011】
本発明に用いる水溶性ブドウ種子抽出物は、ブドウ科植物の種子を水溶性溶媒で抽出したものである。ブドウ科植物(Vitaceae)として代表的な品種としては、特に限定されるものではないが、欧、中東品種のビニフェラ種(V.vinifera)やシルベルトリス種(V.silvestris)、北米品種のラブラスカ種(V.labrusca)、カリフォルニア種(V.california)、エースティバリス種(V.aestivalis)、マンソニアーナ種(V.mansoniana)、リンケクミー種(V.lincecumii)、ブルピナ種(V.vulpina)、カンディカンス種(V.candicans)、シネラ種(V.cinerea)、ドニーナ種(V.doaniana)、ベランディニ種(V.berlandieri)、シャンピニ種(V.champini)、コーディフォリア種(V.cordifolia)に代表される約30品種。アジア品種のアミュレンシス(V.amurensis)、ヤマブドウ(V.coignetiae)、チョウセンヤマブドウ(V.amurensis)、エビズル(V.thunbergii)、サンカクズル(V.flexuosa)に代表される真ブドウ亜属(Euvitis)及びムソニャーナ種(V.munsoniana)、ロトンディフォリア種(V.rotundifolia)、ポペノーイ種(V.popenoei)に代表される擬ブドウ亜属(Muscadinia)が挙げられる。このなかでもビスティス ビニフェラ種(V.vinifra)、ビスティス ラブルスカ種(V.labrusca)および日本で開発された品種が好ましい。具体的にはイーレン(Airen),アリゴテ(Aligote)、リースリング(Riesling)、ソーヴィニオンブラン(Sauvignon blanc)、トレッビアーノ(Trebbiano)、シャルドネ(Chardonnay)、シュナンブラン(Chenin blanc)、セミヨン(Semillon)、ミュスカ(Muscat)、カベルネソービニオン(Cabernet Sauvignon)、カリニャン(Carignan)、サンソー(Cinsaut)、グルナッシュノワール(Grenache Noir)、メルロ(Merlot)、マタロ(Mataro)、ピノノワール(Pinot Noir)、サンジョヴェーゼ(Sangiovese)、シラー(Syrah)、ガメイ(Gamay)、テンプラニーリョ(Tempranillo)、トレッビアーノ(Trebbiano)、ゲヴェルツトラミネル(Gewurtraminer)、ツバイゲルトレーベ(Zweigltrebe)、ミュラー トゥルガウ(Muller-Thurgau)、グロロー(Grolleau)、カベルネフラン(Cabernet Franc)、プチベルド(Petit Verdot)、甲州、マスカットベリーA、グラッククイーンが挙げられる。
抽出溶媒しては、水のほかエチルアルコール、プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、アセトンなどの水性溶媒の一種又は二種以上を混合して使用することができる。その中でも、水やエチルアルコールおよびその混液が好ましい。
【0012】
上記抽出後、溶液のままで使用しても良いが、乾燥させて粉末、顆粒などの固形にするほうが、メチルメルカプタン生成阻害剤の保存安定性や本願効果がより向上できるなどの点で好ましい。また、当該抽出物を乾燥させ、固形状の製剤とする場合、固形状製剤の製剤化やメチルメルカプタン生成阻害剤の安定性向上などのため、シクロデキストリン、デキストリン、デンプンなどの粉末化剤を配合しても良い。本願明細書では、液状、軟ペースト状、固形状などのエキスを総称して、水溶性ブドウ種子抽出物と称する。なお、本願のメチルメルカプタン生成阻害剤は、ブドウ種子由来のプロアントシアニジンを多く含有していることが好ましい。具体的には、エキス乾燥物換算で、エキス全量に対して35質量%以上のブドウ種子由来のプロアントシアニジンが含まれる場合が好ましく、80質量%以上のブドウ種子由来のプロアントシアニジンが含まれる場合がより好ましい。これらの水溶性ブドウ種子抽出物は、ビノフェロン(起源植物Vitis spp.:常盤植物化学研究所社製)、ブドウ種子抽出物(起源植物V.vinifra:サビンサジャパン社製)、ヱヴィノール(起源植物V.coignetiae:ヤヱガキ醗酵技研社製)、GSP−T(起源植物Pinot Noir:ミベールAG社製)、ビタフラバン(起源植物V.vinifra:DRT社製)、グラヴィノール(キッコーマン社製)、exGrape(La Gardonnenque社製)などとして粉末及び液体の状態で入手することができる。
【0013】
本発明のメチルメルカプタン生成阻害剤は、通常、口腔用組成物に配合することのより口腔や咽頭 に適用される。配合できる口腔用組成物としては、特に限定するものではないが、練歯磨剤、ジェル剤、液体歯磨剤、洗口剤、スプレー剤、パスタ剤、軟ペースト剤(クリーム状製剤)、軟膏状製剤、錠剤、顆粒剤、チューイングガム剤、キャンディ剤、トローチ剤、タブレット剤、チュアブルタブレット剤、粒カプセル剤、飲料等の形態(剤形)として用いることができる。このなかでも、練歯磨剤、ジェル剤、液体歯磨剤、洗口剤、スプレー剤、パスタ剤、軟ペースト剤(クリーム状製剤)、タブレット剤、キャンディー剤などの形態が好ましく、練歯磨剤、ジェル剤、液体歯磨剤、洗口剤、スプレー剤、タブレット剤、キャンディー剤などの形態が最も好ましい。水溶性ブドウ種子抽出物は、通常、乾燥物換算でこれら口腔用組成物に対して、0.001〜10質量%、好ましくは 0.01〜5質量%、最も好ましくは 0.025〜3質量%配合する。0.001質量%より少ないと所期の効果が得られない可能性があるため好ましくなく、10質量%より多いと抽出物由来の香味(渋味など)が強く感じられるため、配合した口腔用組成物の嗜好性が悪くなる可能性があるため好ましくない。
【0014】
本発明のメチルメルカプタン生成阻害剤を配合する口腔用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、通常口腔用組成物に配合し得る成分をさらに配合してもよい。
【0015】
界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤または両性界面活性剤を配合することができる。具体的には、ノニオン界面活性剤としてはショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステル等の糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド類、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレン付加係数が4〜15、アルキル基の炭素数が10〜18であるポリオキシエチレンアルキルエーテル系またはポリオキシエチレン付加係数が10〜18、アルキル基の炭素数が9であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、セバシン酸ジエチル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレンラノリン、ポリエチレンステロール、ポリエチレンラノリンアルコール、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等の硫酸エステル塩、ラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウム等のアシルアミノ酸塩、ココイルメチルタウリンナトリウム等が挙げられる。両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型活性剤、N−ココイル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等のイミダゾリン型活性剤、N−ラウリルジアミノエチルグリシン等のアミノ酸型活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
香味剤としては、例えばメントール、カルボン、サリチル酸メチル、バニリン、ベンジルサクシネート、メチルオイゲノール、アネトール、リモネン、オシメン、n−デシルアルコール、メチルアセタート、シトロネニルアセテート、シネオール、エチルリナロール、ワニリン、タイム、ナツメグ、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、珪皮油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、ピメント油、ティーツリー油、タバナ油、スターアニス油、フェンネル油、珪藻油、バジル油などが挙げられる。これら香料は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
研磨剤としては、例えば研磨性沈降シリカ、研磨性ゲルシリカなどの研磨性シリカ、リン酸水素カルシウム・二水和物および無水物、リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、第3リン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、不溶性メタリン酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル、パミス(軽石)、ベントナイト、合成樹脂などが挙げられる。これら研磨剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】
粘結剤としては、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、キサンタンガム、ジェランガムなどの微生物産生高分子、トラガントガム、カラヤガム、アラビヤガム、カラギーナン、デキストリンなどの天然高分子または天然ゴム類、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの合成高分子、増粘性シリカ、ビーガムなどの無機粘結剤、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースなどのカチオン性粘結剤が挙げられる。これら粘結剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0019】
甘味剤としては、例えばサッカリン、サッカリンナトリウム、アセスルファームカリウム、ステビアエキス、ステビオサイド、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、ソウマチン、アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル、メトキシシンナミックアルデヒド、パラチノース、パラチニット、スクラロース、エリスリトール、マルチトール、キシリトール、ラクチトールなどが挙げられる。これら甘味剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0020】
湿潤剤としては、例えばグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブチレングリコール、ソルビット、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0021】
保存剤としては、例えばメチルパラベン、プロピルパラベンなどのパラベン類、安息香酸ナトリウムなどの安息香酸塩などが挙げられる。これらの保存剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0022】
またpH調整剤としては、クエン酸、リン酸、リンゴ酸、グルコン酸、マレイン酸、アスパラギン酸、コハク酸、グルクロン酸、フマル酸、グルタミン酸、アジピン酸、およびこれらの塩や、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの成分は単独あるいは2種以上を組合せて本発明の口腔用組成物に含ませることができる。なお、本発明の口腔用組成物は、口腔内で使用できる範囲であれば、そのpHは特に制限されないが、通常pH3.0〜10.5、好ましくはpH5.5〜8.0である。
【0023】
薬効成分としては、殺菌剤として塩化セチルピリジニウム以外にも例えば塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムなどのカチオン性殺菌剤;ドデシルジアミノエチルグリシンなどの両性殺菌剤;イソプロピルメチルフェノール、トリクロサンなどの非イオン殺菌剤;デキストラナーゼ、アミラーゼ、プロテアーゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素(リテックエンザイム)などの酵素;抗炎症剤としてグリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウムなどのグリチルリチン酸塩;血行促進剤としてニコチン酸または酢酸トコフェロールなど;抗プラスミン剤としてトラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸など;出血改善剤としてアスコルビン酸など;組織修復剤としてアラントインなど;再石灰化剤としてフッ化ナトリウムなどのフッ素化合物;その他、水溶性溶媒で抽出された植物抽出物、クロロフィル、塩化ナトリウム、カロペプタイド、塩化亜鉛、ヒノキチオールなどが挙げられ、これらを単独あるいは2種以上を組み合わせて配合することができる。
【実施例】
【0024】
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。なお、以下特に断りのない限り「%」は「質量%」を示す。
【0025】
メチオニナーゼに対する阻害活性評価(1)
以下の方法に従い、メチオニナーゼに対する阻害活性を測定した。
試験管に基質溶液(*1)2mL、被検溶液(*2)(コントロールとして蒸留水またはエタノールを使用)200μLを加え攪拌し37℃で5分間加温した。この液に1.0unit/mL 酵素溶液(*3)20μLを加え攪拌し、37℃で10分加温したのち500g/L トリクロロ酢酸溶液250μLを加え攪拌したものを反応液1とした。別の試験管に1mol/L酢酸緩衝液(pH5.0)2.0mL、1g/LMBTH水溶液0.8mLを加え攪拌したものを反応液2とした。反応液1を1mLはかりとり、反応液2に加え攪拌し、50℃で30分加温した後、室温で30分間放冷した溶液の320nmにおける吸光度を分光光度計(SHIMADZU、UV2450)で測定した。ブランク溶液は、反応液1において酵素を添加しないものとした。得られた結果を表1に示す。

酵素阻害率(%)={(B−A)−(D−C)}/(B−A)×100

A:酵素を添加していない反応液の吸光度(コントロールのブランク)
B:被検溶液を添加していない反応液の吸光度(コントロール:蒸留水また
はエタノール)
C:酵素を添加していない被検溶液の反応液の吸光度(被検溶液のブランク)
D:被検溶液の反応液の吸光度

なお使用した試薬については下記の手順で調製した。
*1 基質溶液:L-メチオニンが25mM、リン酸ピリドキサールが
0.1mMなるようにpH8.0の0.1M Tris−
HCl緩衝液で希釈した。
*2 被検溶液:水溶性ブドウ種子エキスはエキス末は0.1gをエタノー
ルに溶解し100gとした。また、ビルベリー実エキス
及び紫玄米エキスは固形分換算で0.1をエタノール
に溶解し100gとした。
水溶性ブドウ種子エキス末1:ブドウ種子抽出物(サビンサジャパン社
製:プロアントシアニジン含有量95.8%)
水溶性ブドウ種子エキス末2:グラヴィノールSL(キッコーマン社製:
プロアントシアニジン含量83.9%)
水溶性ブドウ種子エキス末3:ビノフェロン(常盤植物化学研究所社製:
プロアントシアニジン含量98.3%)
ビルベリー実エキス:エコファームビルベリーリーフE(一丸ファルコス社製)
紫玄米エキス:紫玄米ヌカエキスBG(丸善製薬社製)
*3 酵素溶液:EDTA1mL、リン酸ピリドキサール0.02mL、2
−メルカプトエタノール0.01%となるように、各成分をpH7.
2の0.1M Tris−HCl緩衝液に溶解させる。希釈後、さらに、
L−メチオニンーγリアーゼ溶液を1.0unit/mLとなるように溶解
した。
【0026】
【表1】

【0027】
表1に示したとおり、水溶性ブドウ種子エキス末は、いずれの被検体においても優れた酵素阻害活性を示した。一方、アントシアニジンを含有するビルベリー実エキスや紫玄米エキスは酵素阻害活性を全く示さなかった。以上より水溶性ブドウ種子エキス末には優れたメチオニナーゼの活性阻害作用があり、メチルメルカプタン生成阻害剤としての効果を有することがわかった。
【0028】
メチオニナーゼに対する阻害活性評価(2)
上記の方法に従い、水溶性ブドウ種子エキスの濃度違いによるメチオニナーゼに対する阻害活性を測定した。また、対照として代表的なポリフェノールであるエピガロカテキン(EGCgと略する。:サンフェノンEGCg(太陽化学社製))を用いた。被検溶液は、エキス(粉末)0.05g、0.025gおよび0.01gをエタノールに溶解し100gとすることで濃度を調整した。得られた結果を表2および図1に示す。
【0029】
【表2】

― は未実施を示す。
【0030】
表2に示したとおり、水溶性ブドウ種子エキス末は、いずれの被検体濃度においても優れた酵素阻害活性を示した。一方、EGCgは、最大でも0.05質量%存在下において10%の酵素阻害活性を示すにとどまった。以上より水溶性ブドウ種子抽出物には優れたメチオニナーゼの活性阻害作用があり、メチルメルカプタン生成阻害剤としての効果を有することがわかった。
【0031】
以下、本発明に係るメチルメルカプタン生成阻害剤を配合した口腔用組成物の実施例の処方を挙げるが、本発明は下記の処方に限定されるものではない。
【0032】
処方例1
常法に従って、練歯磨を調製した。
成 分 配 合 量
塩化セチルピリジニウム 0.05
ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 0.5
水溶性ブドウ種子エキス末
(プロアントシアニジン含量80%) 0.1
研磨性シリカ 18.0
増粘性シリカ 3.0
ソルビトール 45.0
ポリエチレングリコール400 3.0
香料 1.0
サッカリンナトリウム 0.2
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.4
フッ化ナトリウム 0.2
イソプロピルメチルフェノール 0.05
pH調整剤 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
【0033】
処方例2
常法に従って、ジェルを調製した。
成 分 配 合 量
水溶性ブドウ種子エキス末
(プロアントシアニジン含量85%) 0.5
グリセリン 10.0
プロピレングリコール 10.0
ヒドロキシエチルセルロース 1.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 0.4
クエン酸 0.01
クエン酸3ナトリウム 0.1
香料 0.4
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
スクラロース 0.02
精製水 残 部
合 計 100.0
【0034】
処方例3
常法に従って、液体歯磨を調製した。
成 分 配 合 量
水溶性ブドウ種子エキス末
(プロアントシアニジン含量80%) 0.001
グリセリン 10.0
エタノール 10.0
キシリトール 7.0
ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 0.4
塩化セチルピリジニウム 0.3
トラネキサム酸 0.05
クエン酸 0.01
クエン酸3ナトリウム 0.1
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
香料 0.2
精製水 残 部
合 計 100.0
【0035】
処方例4
常法に従って、洗口液を調製した。
成 分 配 合 量
水溶性ブドウ種子エキス末
(プロアントシアニジン含量80%) 0.01
グリセリン 10.0
ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 0.5
塩化セチルピリジニウム 0.1
クエン酸ナトリウム 0.1
サッカリン 0.05
香料 0.2
精製水 残 部
合 計 100.0
【0036】
処方例5
常法に従って、マウススプレーを調製した。
成 分 配 合 量
水溶性ブドウ種子エキス
(プロアントシアニジン含量35%) 1.0
エタノール 30.0
グリセリン 15.0
ポリオキシエチレン(60E.O.)硬化ヒマシ油 1.5
メントール 1.0
サッカリン 0.1
クエン酸ナトリウム 0.2
精製水 残 部
合 計 100.0
【0037】
処方例6
常法に従って、タブレットを調製した。
成 分 配 合 量
パラチニット 35.0
ショ糖脂肪酸エステル 2.0
水溶性ブドウ種子エキス末
(プロアントシアニジン含量80%) 3.0
スクラロース 0.1
アセスルファムカリウム 0.05
香料 1.5
マルチトール 残 部
合 計 100.0
【0038】
処方例7
常法に従って、キャンディーを調製した。
成 分 配 合 量
水溶性ブドウ種子エキス末
(プロアントシアニジン含量40%) 5.0
マルチトール 10.0
アスパルテーム 0.1
香料 0.2
パラチニット 残 部
合 計 100.0
【0039】
処方例8
常法に従って、粒カプセルを調製した。
ゼラチンおよびソルビトールからなる内カプセル皮膜40重量部でカプセル内溶液60重量部を被包し、さらに糖質からなる外カプセル皮膜110重量部で糖衣することにより粒カプセルを調製した。

カプセル内溶液
成 分 配 合 量
水溶性ブドウ種子エキス末
(プロアントシアニジン含量90%) 10.0
ビタミンC 7.2
ビタミンE 2.4
グリセリン脂肪酸エステル 1.0
紅花油 残 部
合 計 60重量部

内カプセル皮膜
成 分 配 合 量
ゼラチン 36.0
ソルビトール 残 部
合 計 40重量部

外カプセル皮膜
成 分 配 合 量
卵殻カルシウム 1.0
アスパルテーム 0.1
アラビアガム 0.6
ゼラチン 0.2
カルバナワックス 0.1
シェラック 0.3
香料 0.4
パラチニット 残 部
合 計 110重量部
【0040】
処方例9
常法に従って、口腔用パスタを調製した。

成 分 配 合 量
グリセリン 20.0
流動パラフィン 11.0
セタノール 9.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 4.0
塩化セチルトリメチルアンモニウム 2.0
レシチン 2.0
ソルビタンモノパルミテート 1.0
ニコチン酸トコフェロール 1.0
ラウリル硫酸ナトリウム 0.3
塩化ベンゼトニウム 0.2
塩化セチルベンゼトニウム 0.1
サリチル酸メチル 0.15
塩化セチルピリジニウム 0.05
サッカリン 0.05
水溶性ブドウ種子エキス末
(プロアントシアニジン含量90%) 0.05
香料 0.3
精製水 残 部
合 計 100.0
【0041】
処方例10
常法に従って、チューイングガムを調製した。
成 分 配 合 量
水溶性ブドウ種子エキス末
(プロアントシアニジン含量85%) 3.0
キシリトール 58.0
炭酸カルシウム 7.0
マルチトール 8.0
香料 3.0
ガムベース 残 部
合 計 100.0
【0042】
処方例11
常法に従って、チュアブルタブレットを調製した。
成 分 配 合 量
水溶性ブドウ種子エキス末
(プロアントシアニジン含量85%) 1.0
アラビアガム 1.2
ショ糖脂肪酸エステル 1.8
香料 3.0
パラチニット 残 部
合 計 100.0

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性ブドウ種子抽出物からなるメチルメルカプタン生成阻害剤。
【請求項2】
プロアントシアニジンを乾燥物換算で80質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載のメチルメルカプタン生成阻害剤。





【公開番号】特開2013−75860(P2013−75860A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216693(P2011−216693)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000106324)サンスター株式会社 (200)
【Fターム(参考)】