説明

メチレンジアニリン誘導体の製造法

【課題】ゼオライト触媒存在下で、メチレンジアニリン誘導体(MDA誘導体)が高収率で得られ、かつ4,4’−MDAが高選択的に得られる製造法を提供する。
【解決手段】N,N’−ジフェニル、メチレンジアミン誘導体を、触媒として、第1族元素(ただし、水素を除く)のイオン及び第2族元素のイオンからなる群より選ばれる一種又は二種以上のカチオンでイオン交換した12員環又は10員環を有するゼオライトの存在下で反応させることを特徴とする、下記式(II)


[上記式(II)中、Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜8の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数4〜10の環状アルキル基、又は炭素数6〜12の芳香族基を表し、nは1〜5の整数を表す。]で示されるメチレンジアニリン誘導体を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メチレンジアニリン誘導体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メチレンジアニリン誘導体(以下、「MDA誘導体」と称する場合がある。)は、ジフェニルメタンジイソシアネート誘導体(以下、「MDI誘導体」と称する場合がある。)を製造する際の原料として知られている。
【0003】
従来、MDA誘導体の製造法としては、例えば、塩酸等の鉱酸を触媒として用い、アニリン又はその誘導体とホルムアルデヒドとを反応させる方法が用いられてきた。しかしながら、この方法では、装置の腐食、反応後に得られた反応液を中和するために鉱酸と等モル以上のアルカリを必要とし、塩として廃棄物が発生することが問題となっていた。
【0004】
このような問題点を解決する方法として、種々のゼオライトを触媒としたMDA誘導体の製造法が提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
【0005】
しかしながら、これらの方法は、ゼオライトの細孔径(ゼオライト構造)やその酸性質(Si/Al比、イオン交換等)に着目したMDA誘導体の製造法であり、MDA誘導体の収率が十分ではなかった。このため、特に高収率でMDA誘導体が得られる製造法が望まれていた。
【0006】
更に、これらの文献では、MDA異性体の選択性については触れられておらず、最も有用な4,4’−MDAが高選択的に得られる製造法が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−26571号公報
【特許文献2】特表2003−529577号公報
【特許文献3】特表2005−521722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、ゼオライト触媒存在下で、MDA誘導体が高収率で得られ、かつ4,4’−MDAが高選択的に得られる製造法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下に示すとおりのMDA誘導体の製造法である。
【0011】
[1]下記式(I)
【0012】
【化1】

[式(I)中、Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜8の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数4〜10の環状アルキル基、又は炭素数6〜12の芳香族基を表す。]
で示される化合物を、触媒として、第1族元素(ただし、水素を除く)のイオン及び第2族元素のイオンからなる群より選ばれる一種又は二種以上のカチオンでイオン交換した12員環又は10員環を有するゼオライトの存在下で反応させることを特徴とする、下記式(II)
【0013】
【化2】

[上記式(II)中、Rは上記と同じ定義であり、nは1〜5の整数を表す。)
で示されるメチレンジアニリン誘導体の製造法。
【0014】
[2]ゼオライトが、FAU構造、EMT構造、MOR構造、BEA構造、及びMFI構造からなる群より選ばれる構造を有することを特徴とする上記[1]に記載のメチレンジアニリン誘導体の製造法。
【0015】
[3]ゼオライトが、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、又はそれらの両方でイオン交換されていることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のメチレンジアニリン誘導体の製造法。
【0016】
[4]上記式(I)及び上記式(II)のRが水素原子であることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載のメチレンジアニリン誘導体の製造法。
【0017】
[5]上記式(II)において、n=1であることを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のメチレンジアニリン誘導体の製造法。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ゼオライト触媒を用いてMDA誘導体を製造する方法において、従来にない高い収率でMDA誘導体を製造できるとともに、4,4’−MDAを高選択率で製造することができる。よって、本発明は工業的に極めて有用である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、上記式(I)で示される化合物を、触媒として、第1族元素(ただし、水素を除く)のイオン及び第2族元素のイオンからなる群より選ばれる一種又は二種以上のカチオンでイオン交換した12員環又は10員環を有するゼオライトの存在下で反応させて、上記式(II)で示されるMDA誘導体を製造することを、その特徴とする。
【0020】
本発明において、上記式(II)で示されるMDA誘導体としては、特に限定するものではないが、Rが水素原子であり、かつn=1の場合はメチレンジアニリン(MDA)となる。MDA異性体のうち、工業的にはMDAが選択的に得られることが好ましい。また、MDAにはアミノ基の位置によりいくつかの異性体が存在し、2,2’―MDA、2,4’―MDA、4,4’―MDA等が知られているが、工業的には、4,4’―MDAが選択的に得られることが好ましい。
【0021】
本発明において、上記式(I)で示される化合物としては特に限定するものではないが、Rが水素原子であり、かつn=1の場合はN,N’−ジフェニルメチレンジアミンとなる。当該化合物を製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、アニリン誘導体とホルムアルデヒド誘導体とを反応させて製造することができる。
【0022】
N,N’−ジフェニルメチレンジアミンは、例えば、アニリンとホルムアルデヒドを反応させることで製造できる。ここで使用されるアニリンとしては、特に制限はなく、例えば、市販品、合成品、本発明の製造法で用いられて後に回収されたもの、又はこれらの混合品を用いることができる。ホルムアルデヒドは、通常20〜50重量%のホルムアルデヒドを含有する水溶液の形で用いられる。このホルムアルデヒド水溶液はメタノール等の通常の安定剤を含有していても問題ない。アニリンとホルムアルデヒドの比は特に限定されないが、アニリン/ホルムアルデヒドのモル比で2〜50の範囲が好ましい。アニリン/ホルムアルデヒドのモル比が2より小さい場合、ホルムアルデヒドが過剰に存在するため、効率が低下するおそれがある。またアニリン/ホルムアルデヒドのモル比が50より大きい場合、大過剰のアニリンが存在するため、後のゼオライト存在下でMDA誘導体を製造する際の効率が低下するおそれがある。
【0023】
アニリンとホルムアルデヒドとを反応させる場合、触媒存在下で反応させても、無触媒下で反応させても良い。アニリンとホルムアルデヒドが十分に混合されれば良く、回分式、半回分式、連続式のいずれの方法でも良い。反応器は槽型、管型、いずれの形状でも良い。また、アニリンとホルムアルデヒドを混合する場合、アニリンにホルムアルデヒドを加えても、ホルムアルデヒドにアニリンを加えても、いかなる方法でも良い。
【0024】
アニリンとホルムアルデヒドとを反応させる温度は、特に限定するものではないが、例えば、0℃〜80℃の範囲で実施することが好ましい。0℃より低温の場合、反応効率は問題ないが冷却のためのエネルギーが必要となり、経済的ではない。80℃より高温の場合、反応効率は問題ないが加熱のためのエネルギーが必要となり、経済的ではない。
【0025】
また、反応時間は、特に限定するものではないが、例えば、0.5時間〜5時間の範囲で実施することが好ましい。0.5時間より短い場合、アニリンとホルムアルデヒドの反応が十分に進行しないおそれがある。また、反応時間を5時間より長くしても、それ以上の反応の進行は望めない。
【0026】
アニリンとホルムアルデヒドとを反応させる場合、溶媒を用いずに合成しても、溶媒を用いて合成しても良い。溶媒を使用する場合は、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン系炭化水素を用いることができる。
【0027】
アニリンとホルムアルデヒドとの反応終了後、反応液は通常2相に分離する。水相にはホルムアルデヒド水溶液とメタノール等の水溶性のホルムアルデヒド安定剤が含まれる。有機相にはN,N’−ジフェニルメチレンジアミンとアニリン、及び若干の水が含まれる。このような2相からなる反応液から、アニリンとN,N’−ジフェニルメチレンジアミンの混合物を分離する。分離する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、分液等の物理的な分離や、蒸留等の公知の方法を用いることができる。分液により水層を除去した場合、減圧乾燥や、脱水剤により水分を更に除去してもよい。溶媒を用いて反応させた場合、溶媒を除去してもしなくてもよい。
【0028】
上記式(I)で示される化合物が、N,N’−ジフェニルメチレンジアミン以外の場合も、対応するアニリン誘導体とホルムアルデヒド誘導体とを前記した条件で反応させ、同様に製造することができる。
【0029】
本発明において、ゼオライトとは、一般式:M/nO・Al・ySiO・zHO(式中、MはNa、K、Ca、Ba等の金属を表し、nは陽イオンMの原子価を表す。また、yは2以上の数を表し、zは0以上の数を表す。)で示される結晶性アルミノシリケートをいい、天然品及び合成品として多くの種類が知られている。
【0030】
本発明に用いられるゼオライトは、第1族元素(ただし、水素を除く)のイオン及び第2族元素のイオンからなる群より選ばれる一種又は二種以上のカチオンでイオン交換した12員環又は10員環を有するものである。
【0031】
第1族元素(ただし、水素を除く)とは、アルカリ金属とも呼ばれ、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムがこれに該当する。一方、第2族元素とは、周期表の第2族に属する典型元素で、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムがこれに該当する。これらのうち、カルシウム、ストロンチウム・バリウム、ラジウムは、アルカリ土類金属と呼ばれる。
【0032】
本発明においては、高い4,4’−MDA収率を得るため、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン又はこれらの両方でゼオライトをイオン交換することが好ましい。イオン交換される量は特に限定されるものではないが、高い4,4’−MDA選択率を得るためには、ゼオライトのイオン交換容量の5〜100%がイオン交換されていることが好ましい。5%より低い場合、これらのカチオンでイオン交換した効果が小さく、4,4’−MDA選択率が低下するおそれがある。
【0033】
12員環又は10員環を有するゼオライトは多種多様にあり、特に限定するものではないが、高い触媒性能を得るためにはFAU構造、EMT構造、MOR構造、BEA構造、又はMFI構造であることが好ましい。また、ゼオライトのSiO/Alモル比は特に限定されないが、高い耐久性を得るためには、SiO/Alモル比が5以上であることが好ましい。
【0034】
本発明において、上記式(I)で示される化合物を上記したゼオライトの存在下で反応させる場合、反応温度は特に限定するものではないが、例えば、50℃〜300℃の範囲で反応させることが好ましい。反応温度が50℃より低い場合、触媒作用が弱くなって、高い触媒性能を得られなくなるおそれがある。また、反応温度が300℃より高い温度の場合、反応温度を維持するために多量のエネルギーが必要となるため、経済的ではない。
【0035】
また、反応時間は特に限定されるものではなく、例えば、0.5時間〜50時間で反応させることが好ましい。反応時間が0.5時間より短い場合、触媒が十分に機能せず、高い触媒性能を得られなくなるおそれがある。また、反応時間を50時間より長くしても、それ以上の反応の進行は望めない。
【0036】
この反応は、回分式、半回分式、又は固定床のいずれの方法によって実施してもよい。
【0037】
本発明において、触媒として用いるゼオライトの形状は特に限定するものではないが、粉末、ペレット、ビーズ等、公知の形状のものを用いることができる。また、ゼオライトに対して何らかの前処理を実施してもよい。
【0038】
本発明において、ゼオライトの濃度は、特に限定するものではないが、上記式(I)で示される化合物を含有する反応液に対して、通常0.1〜500重量%、好ましくは1〜100重量%の範囲である。ゼオライトの濃度が0.1重量%より少ないと十分な触媒性能が得られなくなるおそれがある。また、500重量%より多いと触媒が大量に必要となるため、経済的ではない。
【実施例】
【0039】
以下、本発明を実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定して解釈されるものではない。
【0040】
(イオン交換量の測定)
ICP発光分光分析法には、OPTIMA3000DV(パーキンエルマージャパン社製)を用い、イオン交換したゼオライトを測定した。イオン交換に用いたカチオンとAlを定量し(検量線法)、カチオン量とAl量からイオン交換量〔m/2×[カチオンm+]/[Al](mol/mol) mはカチオンの価数〕を算出した。
【0041】
(MDA誘導体の測定)
ガスクロマトグラフ分析には、ガスクロマトグラフGC−17A(島津製作所社製)を用い、生成したMDA誘導体を測定した。カラムにはDB−5(アジレント・テクノロジー社製)、検出器にはFIDを用いた。反応に用いた中間体の量に対して、ガスクロマト分析により求められたMDAの量からMDA収率を算出した。また、MDAの量に対して4,4’−MDAの量から4,4’−MDAの選択率を算出した。
【0042】
実施例1.
FAU型ゼオライト(東ソー社製、製品名:HSZ320HOA)を用い、そのイオン交換容量の50%をリチウムカチオンでイオン交換した。残りの50%はプロトンであった。ゼオライトのSiO/Alモル比は5.5であった。ここで得られたゼオライトを「Li(0.25)−FAU」と称する。
【0043】
アニリンとホルムアルデヒドのモル比が4となるように、アニリンと37重量%ホルムアルデヒドを常温にて混合し、50℃で2時間撹拌した。放冷後、水相を分液し中間体であるN,N’−ジフェニルメチレンジアミンのアニリン溶液を得た。
【0044】
得られたN,N’−ジフェニルメチレンジアミンのアニリン溶液10gに対して、Li(0.50)−FAUを0.5g窒素雰囲気の室温にて加えた。
【0045】
この混合物を窒素雰囲気下、140℃で24時間撹拌した。室温まで放冷し、触媒を除去した反応液をガスクロマトグラフ分析した結果、MDAの収率は86%、4,4’−MDAの選択率は82%であった。
【0046】
実施例2.
ナトリウムカチオンでイオン交換を行った以外は実施例1と同様にした。なお、ここで得られたゼオライトを「Na(0.50)−FAU)」と称する。
【0047】
ガスクロマトグラフ分析の結果、MDAの収率は87%、4,4’−MDAの選択率は84%であった。
【0048】
実施例3.
カリウムカチオンでイオン交換をで行った以外は実施例1と同様にした。なお、ここで得られたゼオライトを「K(0.50)−FAU」と称する。
【0049】
ガスクロマトグラフ分析の結果、MDAの収率は89%、4,4’−MDAの選択率は85%であった。
【0050】
実施例4.
セシウムカチオンでイオン交換を行った以外は実施例1と同様にした。なお、ここで得られたゼオライトを「Cs(0.50)−FAU」と称する。
【0051】
ガスクロマトグラフ分析の結果、MDAの収率は81%、4,4’−MDAの選択率は85%であった。
【0052】
実施例5.
カルシウムカチオンでイオン交換を行った以外は実施例1と同様にした。なお、ここで得られたゼオライトを「Ca(0.50)−FAU」と称する。
【0053】
ガスクロマトグラフ分析の結果、MDAの収率は81%、4,4’−MDAの選択率は84%であった。
【0054】
実施例6.
ゼオライトのイオン交換容量の25%をナトリウムカチオンでイオン交換した以外は実施例1と同様にした。なお、ここで得られたゼオライトを「Na(0.25)−FAU」と称する。
【0055】
ガスクロマトグラフ分析の結果、MDAの収率は86%、4,4’−MDAの選択率は82%であった。
【0056】
実施例7.
ゼオライトのイオン交換容量の100%をナトリウムカチオンでイオン交換した以外は実施例1と同様にした。なお、ここで得られたゼオライトを「Na(1.00)−FAU」と称する。
【0057】
ガスクロマトグラフ分析の結果、MDAの収率は90%、4,4’−MDAの選択率は87%であった。
【0058】
実施例8.
イオン交換容量の25%をカリウムでイオン交換した以外は実施例1と同様にした(K(0.25)−FAU)。
【0059】
ガスクロマトグラフ分析の結果、MDAの収率は89%、4,4’−MDAの選択率は84%であった。
【0060】
実施例9
ゼオライトのイオン交換容量の100%をカリウムカチオンでイオン交換した以外は実施例1と同様にした。なお、ここで得られたゼオライトを「K(1.00)−FAU」と称する。
【0061】
ガスクロマトグラフ分析の結果、MDAの収率は92%、4,4’−MDAの選択率は85%であった。
【0062】
比較例1.
FAU型ゼオライト(東ソー社製、製品名:HSZ320HOA)をイオン交換せずそのまま用いた以外は実施例1と同様にした。なお、ここで用いたゼオライトを「H−FAU」と称する。
【0063】
ガスクロマトグラフ分析の結果、MDAの収率は81%、MDA誘導体収率は75%であった。
【0064】
実施例1〜9及び比較例1の結果を表1にあわせて示す。
【0065】
【表1】

この表によれば、触媒として、第1族元素(ただし、水素を除く)のイオン及び第2族元素のイオンからなる群より選ばれる一種又は二種以上のカチオンでイオン交換した12員環又は10員環を有するゼオライトの存在下で、上記式(1)で示される化合物を反応させることで、高効率でMDA誘導体を製造するとともに、高選択率で4,4’−MDAを製造できることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明のメチレンジアニリン誘導体の製造法により製造されたメチレンジアニリン誘導体は、例えば、ポリウレタンの原料として用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)
【化1】

[式(I)中、Rは各々独立して、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数3〜8の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数4〜10の環状アルキル基、又は炭素数6〜12の芳香族基を表す。]
で示される化合物を、触媒として、第1族元素(ただし、水素を除く)のイオン及び第2族元素のイオンからなる群より選ばれる一種又は二種以上のカチオンでイオン交換した12員環又は10員環を有するゼオライトの存在下で反応させることを特徴とする、下記式(II)
【化2】

[上記式(II)中、Rは上記と同じ定義であり、nは1〜5の整数を表す。)
で示されるメチレンジアニリン誘導体の製造法。
【請求項2】
ゼオライトが、FAU構造、EMT構造、MOR構造、BEA構造、及びMFI構造からなる群より選ばれる構造を有することを特徴とする請求項1に記載のメチレンジアニリン誘導体の製造法。
【請求項3】
ゼオライトが、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、又はそれらの両方でイオン交換されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のメチレンジアニリン誘導体の製造法。
【請求項4】
上記式(I)及び上記式(II)のRが水素原子であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のメチレンジアニリン誘導体の製造法。
【請求項5】
上記式(II)において、n=1であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいれかに記載のメチレンジアニリン誘導体の製造法。

【公開番号】特開2012−131720(P2012−131720A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283795(P2010−283795)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】