説明

メチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物の製造方法

【課題】メチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物を効率良く製造することができる方法を提供する。
【解決手段】ベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物と、マンニッヒ塩基と塩基性触媒とを含む混合物を加熱して、メチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物を製造するに際して、混合物の加熱を混合物の反応の進行により生成する第二級アミンのガスを、第二級アミン溶解性溶媒に吸収させるなどの方法により混合物から除去しながら行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の式(III)で表されるメチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物は、合成樹脂材料の紫外線吸収剤として有用な化合物である。
【0003】
【化1】

【0004】
但し、式(III)中、R1は、炭素原子数1〜12のヒドロキシアルキル基であり、R2は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜14のアリール基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。
【0005】
特許文献1には、メチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物の製造方法として、ベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物とそのマンニッヒ塩基と塩基性触媒との混合物を溶媒存在下で加熱して反応させる方法が記載されている。
【0006】
特許文献2には、溶媒を用いないでメチレンビスベンゾトリアゾリルフェノール化合物を製造する方法として、ベンゾトリアゾリルフェノール化合物とそのマンニッヒ塩基と塩基性触媒との混合物を減圧下で加熱して反応させる方法が記載されている。但し、この特許文献2の製造目的物は、上記式(III)のR1が炭素原子数1〜12のアルキル基、CO2H基により置換された炭素原子数1〜12のアルキル基、フェニル基、アルキル基部分に1〜4個の炭素原子を含むフェニルアルキル基、又は炭素原子数5〜8のシクロアルキル基であり、メチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物に関する記載はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−316060号公報
【特許文献2】特開平4−290877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1に記載されているベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物とそのマンニッヒ塩基と塩基性触媒との混合物を溶媒存在下で加熱して反応させる方法は、メチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物の製造方法として有用な方法の一つであるが、反応効率が低いという問題がある。
従って、本発明の目的は、ベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物とそのマンニッヒ塩基とを用いて、メチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物を効率良く製造することができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、ベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物とそのマンニッヒ塩基と塩基性触媒との混合物を加熱して、メチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物を製造するに際して、メチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物と共に生成する第二級アミンガスがメチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物の生成を阻害することに気が付いた。そして、ベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物とそのマンニッヒ塩基と塩基性触媒との混合物の加熱を、第二級アミンガスを除去しながら行うことによって、白色もしくは白色に近い高純度のメチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物を効率良く製造することが可能となることを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
従って、本発明は、下記式(I):
【0011】
【化2】

【0012】
(但し、式(I)において、R1は、炭素原子数1〜12のヒドロキシアルキル基を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜14のアリール基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す)で表されるベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物と、下記式(II):
【0013】
【化3】

【0014】
(但し、式(II)において、R1及びR2は上記式(I)と同一であり、R3及びR4は、それぞれ独立に炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、R3及びR4は互いに連結して環を形成していてもよい)で表されるマンニッヒ塩基と、塩基性触媒とを含む混合物を加熱して、下記式(III):
【0015】
【化4】

【0016】
(但し、式(III)において、R1及びR2は上記式(I)と同一である)で表されるメチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物を製造する方法であって、
上記混合物の加熱を、該混合物の反応の進行により生成する下記式(IV):
【0017】
【化5】

【0018】
(但し、式(IV)において、R3及びR4は上記式(II)と同一である)で表される第二級アミンのガスを、該混合物から除去しながら行うことを特徴とする製造方法にある。
【0019】
本発明のメチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物の製造方法の好ましい態様は、下記の通りである。
(1)式(II)のR3及びR4が炭素原子数1〜3のアルキル基である。
(2)第二級アミンガスの除去を、第二級アミン溶解性溶媒を該混合物から空間的に接続した位置に配置して、第二級アミンガスを該溶媒に吸収させることにより行う。
(3)第二級アミンガスの除去を、該混合物に不活性ガスを接触させながら、該不活性ガスと第二級アミンガスを一緒に除去することにより行う。
(4)第二級アミンガスの除去を、該混合物の表面に接触している気体を減圧下で除去することにより行う。
【発明の効果】
【0020】
本発明の方法を利用することによって、ベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物とそのマンニッヒ塩基とを用いて、メチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物を効率良く製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の製造方法を実施するための反応装置の一例の構成図である。
【図2】本発明の製造方法を実施するための反応装置の別の一例の構成図である。
【図3】本発明の製造方法を実施するための反応装置の別の一例の構成図である。
【図4】本発明の製造方法を実施するための反応装置の別の一例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
前記式(I)〜(IV)におけるR1、R2、R3及びR4について、次に説明する。
【0023】
1は、炭素原子数1〜12のヒドロキシアルキル基である。
【0024】
上記ヒドロキシアルキル基は、1〜3個の水素原子が水酸基に置換されている直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を意味する。ヒドロキシアルキル基の例としては、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル基、5,5,4−トリヒドロキシペンチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、1−ヒドロキシイソプロピル基、2−メチル−3−ヒドロキシプロピル基、7−ヒドロキシヘプチル基、8−ヒドロキシオクチル基、9−ヒドロキシノニル基、10−ヒドロキシデシル基、11−ヒドロキシウンデシル基及び12−ヒドロキシドデシル基を挙げることができる。
【0025】
2は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜14のアリール基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基である。
【0026】
上記ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を挙げることができる。
【0027】
上記アルキル基は直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよい。アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基及びtert−ブチル基を挙げることができる。
【0028】
上記アリール基の例としては、フェニル環上に炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子を有することのあるフェニル基及びナフチル基を挙げることができる。
【0029】
上記アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基及びtert−ブトキシ基を挙げることができる。
【0030】
3及びR4は、それぞれ独立に炭素原子数1〜3のアルキル基であるか、互いに連結して環を形成している。環は五員環及び六員環であることが好ましい。環は炭素原子以外の原子を含んでいてもよい。炭素原子以外の原子としては、酸素原子及び硫黄原子を挙げることができる。環の例としては、モルホリン環、ピペリジン環を挙げることができる。R3及びR4は、それぞれ独立に炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましく、メチル基及びエチル基であることが特に好ましい。
【0031】
次に、本発明のメチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物の製造方法を説明する。
【0032】
本発明は、前記式(I)で表されるベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物と、前記式(II)で表されるマンニッヒ塩基と塩基性触媒とを含む混合物を原料に用いて、この原料混合物を加熱して、前記式(III)で表されるメチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物を製造する方法であって、混合物の加熱を、混合物の反応の進行により生成する前記式(IV)で表される第二級アミンのガスを混合物から除去しながら行うことに主な特徴点がある。
【0033】
原料混合物は固体であってもよいし、溶媒に溶解させて液体としてもよい。溶媒には脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、エーテル及びエステルを用いることができる。脂肪族炭化水素の例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン及びノナンを挙げることができる。芳香族炭化水素の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン及びジエチルベンゼンを挙げることができる。アルコールの例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、2−ノナノールなどの一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコールなどの二価アルコール、及びグリセリンを挙げることができる。エーテルの例としては、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ヘキシルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ジフェニルエーテル、二価アルコールのモノ又はジアルキルエーテル、二価アルコールのモノ又はジフェニルエーテル、ジオキサン及びテトラヒドロフランを挙げることができる。エステルの例としては、酢酸エチル、酢酸プロピル及び酢酸ブチルを挙げることができる。
【0034】
原料混合物に含まれるマンニッヒ塩基は、ベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物と第二級アミンとホルムアルデヒド誘導体とを溶媒中にて加熱して反応させることによって製造することができる。加熱温度は、一般に30〜200℃の範囲、好ましくは50〜150℃の範囲である。
【0035】
マンニッヒ塩基の原料として用いるホルムアルデヒド誘導体の例としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキサン及びテトラオキシメチレンを挙げることができる。
【0036】
マンニッヒ塩基の原料として用いる第二級アミンは下記式(V)で表される。
【0037】
【化6】

【0038】
式(V)において、R3及びR4の定義は前記の通りである。第二級アミンの例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン及びイソプロピルアミンなどの鎖状アミン、モルホリン及びピペリジンなどの環状アミンを挙げることができる。第二級アミンは鎖状アミンであることが好ましく、ジメチルアミン及びジエチルアミンであることが特に好ましい。
【0039】
マンニッヒ塩基の合成に用いる溶媒としては、アルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル及びエステルを用いることができる。アルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル及びエステルの例は前記の通りである。
【0040】
原料混合物に含まれる塩基性触媒としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩、ナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属のアルコキシドを用いることができる。
【0041】
原料混合物に含まれるベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物とマンニッヒ塩基との割合はモル比で1.2:0.8〜0.8:1.2(前者:後者)の範囲にあることが好ましい。塩基性触媒の割合は、ベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物1モルに対して1〜100gの範囲にあることが好ましい。このような組成の原料混合物は、例えば、下記(1)〜(4)の方法を用いて製造することができる。
【0042】
(1)ベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物とマンニッヒ塩基と塩基性触媒とをそれぞれ用意して、上記の割合となるように混合する方法。
【0043】
(2)ベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物1モルに対して、第二級アミンとホルムアルデヒド誘導体とをそれぞれ1.0〜1.2モルの範囲となる量にて含む混合物を溶媒中にて加熱して反応させてマンニッヒ塩基を生成させ、次いで得られたマンニッヒ塩基にベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物と塩基性触媒とを上記の割合となるように加える方法。
【0044】
(3)ベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物2モルに対して、第二級アミンとホルムアルデヒド誘導体とをそれぞれ1.0〜1.2モルの範囲となる量にて含む混合物を溶媒中にて加熱して反応させてベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物とマンニッヒ塩基とを含む混合物を生成させ、次いで塩基性触媒を加える方法。
【0045】
(4)ベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物2モルに対して、第二級アミンとホルムアルデヒド誘導体とをそれぞれ1.0〜1.2モルの範囲となる量、塩基性触媒を0.5〜50gの範囲にて含む混合物を溶媒中にて加熱して反応させる方法。
【0046】
本発明では原料混合物を加熱して、メチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物を製造するに際して、混合物の反応の進行により生成する第二級アミンのガスを混合物から除去しながら行う。原料混合物の加熱温度は、第二級アミンの沸点以上の温度であり、通常は100〜300℃の範囲、好ましくは150〜300℃の範囲、特に好ましくは180〜250℃の範囲にある。
【0047】
次に、添付図面の図1〜4を参照しながら、第二級アミンのガスを混合物から除去しながら原料混合物を加熱する方法について説明する。
【0048】
図1の反応装置は、内部に原料混合物1と回転子2とが入った上部が開口した内側容器3と、内部に内側容器3と第二級アミン溶解性溶媒4とが入った上部が開口した外側容器5と、外側容器5の上部開口を密封するためのねじ蓋6とから構成された封管(オートクレーブ)構造の反応装置である。
【0049】
第二級アミン溶解性溶媒4としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、エーテル及びエステルを用いることができる。脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、エーテル及びエステルの例は前記の通りである。第二級アミン溶解性溶媒は、アルコール及びエーテルであることが好ましい。
【0050】
図1の反応装置において、内側容器3内の回転子2を回転させながら原料混合物1を加熱すると、原料混合物1の反応により第二級アミンが生成し気化して第二級アミンガスが発生する。第二級アミンガスは内側容器3の上部開口を通って、外側容器5に拡散して、第二級アミン溶解性溶媒4に接触して捕捉吸収される。
【0051】
図2の反応装置は、内部に原料混合物11と回転子12とが入った上部が開口した内側容器13と、内部に内側容器13と第二級アミン溶解性溶媒14とが入った上部が開口した外側容器15と、外側容器15の上部開口に備えられた冷却器16、冷却器16の上部開口に備えられた連結管17、連結管17に接続する不活性ガス供給管18、そして不活性ガス供給管18に接続する第二級アミン回収容器19からなる。第二級アミン回収容器19は、第二級アミン溶解性溶媒20が入った上部が開口した容器21と、容器21の上部開口に挿入された蓋22と、蓋22に備えられた排ガス管23とからなり、不活性ガス供給管18は蓋22を貫通し、先端部が第二級アミン溶解性溶媒20に浸漬している。
【0052】
外側容器15内に入れる第二級アミン溶解性溶媒の例としては、アルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル及びエステルを挙げることができる。また、第二級アミン回収容器19内の第二級アミン溶解性溶媒の例としては、水、アルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル及びエステルを挙げることができる。アルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル及びエステルの例は前記と同じである。
【0053】
不活性ガス供給管18を流れる不活性ガスの例としては、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス及び窒素ガスを挙げることができる。
【0054】
図2の反応装置において、内側容器13内の回転子12を回転させながら原料混合物11を加熱すると、原料混合物11の反応により第二級アミンが生成し気化して第二級アミンガスが発生する。第二級アミンガスは内側容器13の上部開口を通って、外側容器15に拡散し、その一部は第二級アミン溶解性溶媒14に直接接触して捕捉吸収される。残りの第二級アミンガスは冷却器16に拡散し、その一部は冷却器16で冷却されて液化して、冷却器16の下端部を伝わって外側容器15内の第二級アミン溶解性溶媒14に送られて捕捉吸収される。冷却器で液化しない第二級アミンガスは連結管17を介して不活性ガス供給管18を流れる不活性ガスに拡散し、不活性ガスと共に第二級アミン回収容器19に送られる。第二級アミン回収容器19にて、不活性ガス中の第二級アミンガスは第二級アミン溶解性溶媒20により捕捉吸収される。第二級アミンガスが除去された不活性ガスは、排ガス管23を通って外部に排気される。
【0055】
図3の反応装置は、内部に原料混合物31と回転子32とが入った上部が開口した容器33と、容器33の上部開口に備えられた蓋34と、蓋34に備えられた不活性ガス導入管35とからなる反応容器36、第二級アミン溶解性溶媒37が入った上部が開口した容器38と、容器38の上部開口に備えられた蓋39と、蓋39に備えられた排ガス管40とからなる第二級アミン回収容器41、そして反応容器36と第二級アミン回収容器41と連結する連結管42からなる。第二級アミン回収容器41側の連結管42の先端部は、第二級アミン溶解性溶媒37に浸漬している。
【0056】
不活性ガス導入管35から反応容器36に導入される不活性ガスの例としては、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス及び窒素ガスを挙げることができる。
【0057】
第二級アミン回収容器41内の第二級アミン溶解性溶媒の例としては、水、一価アルコール、多価アルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル及びエステルを挙げることができる。一価アルコール、多価アルコール、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル及びエステルの例は前記と同じである。
【0058】
図3の反応装置において、反応容器36内の回転子32を回転させながら原料混合物31を加熱すると、原料混合物31の反応により第二級アミンが生成し気化して第二級アミンガスが発生する。第二級アミンガスは不活性ガス導入管35により導入された不活性ガスと共に連結管42を通って、第二級アミン回収容器41に送られる。第二級アミン回収容器41にて不活性ガス中の第二級アミンガスは第二級アミン溶解性溶媒37により捕捉吸収される。第二級アミンガスが除去された不活性ガスは、排ガス管40を通って外部に排気される。
【0059】
図4の反応装置は、内部に原料混合物51と回転子52とが入った上部が開口した容器53と、容器53の上部開口に備えられた蓋54と、蓋54に備えられた排ガス管55とからなる反応容器56、排ガス管55に接続する第二級アミン回収器57、そして真空ポンプ58からなる。
【0060】
図4の反応装置において、反応容器56内の回転子52を回転させながら原料混合物51を加熱すると、原料混合物51の反応により第二級アミンが生成し気化して第二級アミンガスが発生する。第二級アミンガスは反応容器56内の気体と共に真空ポンプ58により吸引され、排ガス管55を通って第二級アミン回収器57に送られる。第二級アミン回収器57にて、第二級アミンガスは冷却などによって液化し、気体と分離され回収除去される。
【実施例】
【0061】
[実施例1]
図1に示す反応装置の内側容器3(容量:5mL)に2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)−6−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール312mg(1.0ミリモル)と、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール255mg(1.0ミリモル)と、水酸化カリウム粉末10mgと、キシレン1mLとを入れ、外側容器5(容量:10mL)にジエチレングリコールモノエチルエーテル1mLを入れた。
【0062】
反応装置をオイルバスに入れ、内側容器3内の回転子2を回転させながら200℃の温度で4時間加熱した。加熱終了後、回転子2の回転を止め、密閉型二重管反応装置をオイルバスから取り出して室温まで放冷した。次いで反応装置のねじ蓋6を開けて内側容器を取り出し、内側容器3内にて生成した固形物をスパテラで撹拌しながら、5%塩酸水溶液(1M)0.5mLと酢酸エチル3mLとを加えて静置した。1時間後、固形物をろ過により回収した。回収した固形物を酢酸エチルで洗浄した後、減圧乾燥した。得られた乾燥物は白色粉末であった。この白色粉末を1H−NMRで分析したところ、白色粉末は2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]であることが確認された(収率:58%)。
【0063】
[実施例2]
内側容器3にキシレンの代わりに2−エチルヘキシルアルコール1mLを入れたこと以外は、実施例1と同様にして粉末を得た。得られた粉末は白色粉末であった。この白色粉末を1H−NMRで分析したところ、白色粉末は2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]であることが確認された(収率:56%)。
【0064】
[実施例3]
内側容器3にキシレンの代わりにエチレングリコールモノメチルエーテル1mLを入れたこと以外は、実施例1と同様にして粉末を得た。得られた粉末は白色粉末であった。この白色粉末を1H−NMRで分析したところ、白色粉末は2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]であることが確認された(収率:74%)。
【0065】
[実施例4]
内側容器3にキシレンの代わりにジエチレングリコールモノエチルエーテル1mLを入れたこと以外は、実施例1と同様にして粉末を得た。得られた粉末は白色粉末であった。この白色粉末を1H−NMRで分析したところ、白色粉末は2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]であることが確認された(収率:64%)。
【0066】
[実施例5]
内側容器3にキシレンの代わりにジエチレングリコールジメチルエーテル1mLを入れ、外側容器にジエチレングリコールモノエチルエーテルの代わりにジエチレングリコールジメチルエーテル1mLを入れたこと以外は、実施例1と同様にして粉末を得た。得られた粉末は白色粉末であった。この白色粉末を1H−NMRで分析したところ、白色粉末は2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]であることが確認された(収率:64%)。
【0067】
[実施例6]
図2に示す反応装置の内側容器13(容量:5mL)に2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)−6−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール312mg(1.0ミリモル)と、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール255mg(1.0ミリモル)と、水酸化カリウム粉末10mgと、エチレングリコール1mLとを入れ、外側容器15(容量10mL)にエチレングリコール1mLを入れた。
【0068】
反応装置をオイルバスに入れ、不活性ガス供給管18にアルゴンガスを流し、内側容器13内の回転子12を回転させながら、200℃の温度で5時間加熱した。加熱終了後、アルゴンガスの供給と回転子12の回転を止め、反応装置をオイルバスから取り出して室温まで放冷した。次いで冷却器16を取り外して内側容器13を取り出し、内側容器13内にて生成した固形物をスパテラで撹拌しながら、5%塩酸水溶液(1M)0.5mLと酢酸エチル3mLとを加えて静置した。1時間後、固形物をろ過により回収した。回収した固形物を酢酸エチルで洗浄した後、減圧乾燥した。得られた乾燥物は白色粉末であった。この白色粉末を1H−NMRで分析したところ、白色粉末は2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]であることが確認された(収率:92%)。
【0069】
[実施例7]
内側容器13にエチレングリコールの代わりにジエチレングリコールモノエチルエーテル1mLを入れ、外側容器15にエチレングリコールの代わりにジエチレングリコールモノエチルエーテル1mLを入れたこと以外は、実施例6と同様にして粉末を得た。得られた粉末は白色粉末であった。この白色粉末を1H−NMRで分析したところ、白色粉末は2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]であることが確認された(収率:92%)。
【0070】
[実施例8]
内側容器13にエチレングリコールの代わりにエチレングリコールモノフェニルエーテル1mLを入れ、外側容器15にエチレングリコールの代わりにエチレングリコールモノフェニルエーテル1mLを入れたこと以外は実施例6と同様にして粉末を得た。得られた粉末は白色粉末であった。この白色粉末を1H−NMRで分析したところ、白色粉末は2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]であることが確認された(収率:85%)。
【0071】
[実施例9]
内側容器13にエチレングリコールを入れないで、外側容器15にエチレングリコールの代わりにジエチレングリコールモノエチルエーテル1mLを入れたこと以外は、実施例6と同様にして粉末を得た。得られた粉末は白色粉末であった。この白色粉末を1H−NMRで分析したところ、白色粉末は2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]であることが確認された(収率:80%)。
【0072】
[実施例10]
図2に示す反応装置の内側容器13に2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール255mg(1.0ミリモル)と、純度95質量%のパラホルムアルデヒド38.0mg(ホルムアルデヒドとして1.1ミリモル)と、濃度50質量%のジメチルアミン水溶液0.11mL(ジメチルアミンとして1.1ミリモル)と、ジエチレングリコールモノエチルエーテル1mLを入れ、外側容器15にジエチレングリコールモノエチルエーテル1mLを入れた。
【0073】
反応装置をオイルバスに入れ、不活性ガス供給管18にアルゴンガスを供給し、内側容器13内の回転子12を回転させながら、90℃の温度で17時間加熱した。加熱終了後、アルゴンガスの供給と回転子12の回転を止め、反応装置をオイルバスから取り出して室温まで放冷した。反応装置の冷却器16を一時的に取り外し、内側容器13の内容物をTLC(薄層クロマトグラフィー)で分析したところ、内容物は2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)−6−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノールであることが確認された。
【0074】
反応装置の冷却器16を取り外して、内側容器13に2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール255mg(1.0ミリモル)と、水酸化カリウム粉末10mgとを入れた後、冷却器16を装着した。次いで反応装置をオイルバスに入れ、不活性ガス供給管18にアルゴンガスを供給し、内側容器13内の回転子12を回転させながら、200℃の温度で5時間加熱した。加熱終了後、アルゴンガスの供給と回転子12の回転を止め、反応装置をオイルバスから取り出して室温まで放冷した。次いで反応装置の冷却器16を取り外して内側容器13を取り出し、内側容器13内にて生成した固形物をスパテラで撹拌しながら、5%塩酸水溶液(1M)0.5mLと酢酸エチル3mLとを加えて静置した。1時間後、固形物をろ過により回収した。回収した固形物を酢酸エチルで洗浄した後、減圧乾燥した。得られた乾燥物は白色粉末であった。この白色粉末を1H−NMRで分析したところ、白色粉末は2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]であることが確認された(収率:84%)。
【0075】
[実施例11]
図2に示す反応装置の内側容器13に2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール510mg(2.0ミリモル)と、純度95質量%のパラホルムアルデヒド38.0mg(ホルムアルデヒドとして1.1ミリモル)と、濃度50質量%のジメチルアミン水溶液0.11mL(ジメチルアミンとして1.1ミリモル)と、ジエチレングリコールモノエチルエーテル1mLを入れ、外側容器15にジエチレングリコールモノエチルエーテル1mLを入れた。
【0076】
反応装置をオイルバスに入れ、不活性ガス供給管18にアルゴンガスを供給し、内側容器13内の回転子12を回転させながら、90℃の温度で17時間加熱した。加熱終了後、アルゴンガスの供給と回転子12の回転を止め、反応装置をオイルバスから取り出して室温まで放冷した。反応装置の冷却器16を一時的に取り外し、内側容器13の内容物をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析したところ、内容物は2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)−6−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノールと、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノールとをモル比で1.1:0.9の割合で含む混合物であることが確認された。
【0077】
反応装置の冷却器16を取り外して、内側容器13に水酸化カリウム粉末10mgを入れた後、冷却器16を装着した。次いで反応装置をオイルバスに入れ、不活性ガス供給管18にアルゴンガスを供給し、内側容器13内の回転子12を回転させながら、200℃の温度で5時間加熱した。加熱終了後、アルゴンガスの供給と回転子12の回転を止め、反応装置をオイルバスから取り出して室温まで放冷した。次いで反応装置の冷却器16を取り外して内側容器13を取り出し、内側容器13内にて生成した固形物をスパテラで撹拌しながら、5%塩酸水溶液(1M)0.5mLと酢酸エチル3mLとを加えて静置した。1時間後、固形物をろ過により回収した。回収した固形物を酢酸エチルで洗浄した後、減圧乾燥した。得られた乾燥物は白色粉末であった。この白色粉末を1H−NMRで分析したところ、白色粉末は2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]であることが確認された(収率:78%)。
【0078】
[実施例12]
図2に示す反応装置の内側容器13に2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール510mg(2.0ミリモル)と、純度95質量%のパラホルムアルデヒド38.0mg(ホルムアルデヒドとして1.1ミリモル)と、濃度50質量%のジメチルアミン水溶液0.11mL(ジメチルアミンとして1.1ミリモル)と、水酸化カリウム粉末10mgと、ジエチレングリコールモノエチルエーテル1mLとを入れ、外側容器15にジエチレングリコールモノエチルエーテル1mLを入れた。
【0079】
反応装置をオイルバスに入れ、不活性ガス供給管18にアルゴンガスを流し、内側容器13内の回転子12を回転させながら、90℃の温度で17時間加熱した。加熱終了後、アルゴンガスの供給と回転子12の回転を止め、反応装置をオイルバスから取り出して室温まで放冷した。反応装置の冷却器16を一時的に取り外して内側容器13の内容物をHPLCで分析したところ、内容物は2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)−6−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノールと、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノールとをモル比で1.1:0.9の割合で含む混合物であることが確認された。
【0080】
次いで反応装置をオイルバスに入れ、不活性ガス供給管18にアルゴンガスを供給し、内側容器13内の回転子12を回転させながら、200℃の温度で5時間加熱した。加熱終了後、アルゴンガスの供給と回転子12の回転を止め、反応装置をオイルバスから取り出して室温まで放冷した。次いで反応装置の冷却器16を取り外して内側容器13を取り出し、内側容器13内にて生成した固形物をスパテラで撹拌しながら、5%塩酸水溶液(1M)0.5mLと酢酸エチル3mLとを加えて静置した。1時間後、固形物をろ過により回収した。回収した固形物を酢酸エチルで洗浄した後、減圧乾燥した。得られた乾燥物は白色粉末であった。この白色粉末を1H−NMRで分析したところ、白色粉末は2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]であることが確認された(収率:77%)。
【0081】
[実施例13]
図3に示す反応装置の反応容器36(容量:10mL)に2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)−6−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール312mg(1.0ミリモル)と、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール255mg(1.0ミリモル)と、水酸化カリウム粉末10mgと、ジエチレングリコールモノエチルエーテル1mLとを入れ、第二級アミン回収容器41(容量:5mL)にエチレングリコール2mLを入れた。
【0082】
反応容器36をオイルバスに入れ、不活性ガス導入管35にアルゴンガスを導入し、回転子32を回転させながら、200℃の温度で5時間加熱した。加熱終了後、アルゴンガスの供給と回転子32の回転を止め、反応容器36をオイルバスから取り出して室温まで放冷した。次いで反応容器36の蓋34を開けて生成した固形物をスパテラで撹拌しながら、5%塩酸水溶液(1M)0.5mLと酢酸エチル3mLとを加えて静置した。1時間後、固形物をろ過により回収した。回収した固形物を酢酸エチルで洗浄した後、減圧乾燥した。得られた乾燥物は白色粉末であった。この白色粉末を1H−NMRで分析したところ、白色粉末は2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール]であることが確認された(収率:87%)。
【符号の説明】
【0083】
1 原料混合物
2 回転子
3 内側容器
4 第二級アミン溶解性溶媒
5 外側容器
6 ねじ蓋
11 原料混合物
12 回転子
13 内側容器
14 第二級アミン溶解性溶媒
15 外側容器
16 冷却器
17 連結管
18 不活性ガス供給管
19 第二級アミン回収容器
20 第二級アミン溶解性溶媒
21 容器
22 蓋
23 排ガス管
31 原料混合物
32 回転子
33 容器
34 蓋
35 不活性ガス導入管
36 反応容器
37 第二級アミン溶解性溶媒
38 容器
39 蓋
40 排ガス管
41 第二級アミン回収容器
42 連結管
51 原料混合物
52 回転子
53 容器
54 蓋
55 排ガス管
56 反応容器
57 第二級アミン回収器
58 真空ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
【化1】

(但し、式(I)において、R1は、炭素原子数1〜12のヒドロキシアルキル基を示し、R2は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜14のアリール基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す)で表されるベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物と、下記式(II):
【化2】

(但し、式(II)において、R1及びR2は上記式(I)と同一であり、R3及びR4は、それぞれ独立に炭素原子数1〜3のアルキル基を示し、R3及びR4は互いに連結して環を形成していてもよい)で表されるマンニッヒ塩基と、塩基性触媒とを含む混合物を加熱して、下記式(III):
【化3】

(但し、式(III)において、R1及びR2は上記式(I)と同一である)で表されるメチレンビスベンゾトリアゾリル(ヒドロキシアルキル)フェノール化合物を製造する方法であって、
上記混合物の加熱を、該混合物の反応の進行により生成する下記式(IV):
【化4】

(但し、式(IV)において、R3及びR4は上記式(II)と同一である)で表される第二級アミンのガスを、該混合物から除去しながら行うことを特徴とする製造方法。
【請求項2】
式(II)のR3及びR4が炭素原子数1〜3のアルキル基である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
第二級アミンガスの除去を、第二級アミン溶解性溶媒を該混合物から空間的に接続した位置に配置して、第二級アミンガスを該溶媒に吸収させることにより行う請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
第二級アミンガスの除去を、該混合物に不活性ガスを接触させながら、該不活性ガスと第二級アミンガスを一緒に除去することにより行う請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
第二級アミンガスの除去を、該混合物の表面に接触している気体を減圧下で除去することにより行う請求項1に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−37774(P2011−37774A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187178(P2009−187178)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【出願人】(509183844)東永産業株式会社 (2)
【Fターム(参考)】