説明

メッキ法

【課題】浴の均一電着性に著しい影響を及ぼさず、平坦な銅堆積物を提供する、レベリング剤の提供。
【解決手段】窒素、硫黄および窒素と硫黄の混合から選択されるヘテロ原子を含む化合物の、エーテル結合を含有するポリエポキシド化合物との反応生成物であるレベリング剤を含有する銅メッキ浴であって、電子デバイスの表面上およびかかる基体上の開口部中に銅を堆積させる銅メッキ浴が提供される。かかるメッキ浴は、電解質濃度の範囲全体にわたって実質的に平面的な基体表面上に銅層を堆積させる。このような銅メッキ浴を用いて銅層を堆積させる方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電気メッキの分野に関する。特に、本発明は銅の電気メッキの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を金属コーティングで電気メッキする方法は、一般に、メッキ液中、2つの電極間に電流を通すことを含み、ここにおいて、電極の1つはメッキされる物品である。典型的な酸銅メッキ液は、溶解させた銅(通常、硫酸銅)、浴に伝導性を付与するために充分な量の酸電解質、例えば硫酸、および、メッキの均一性および金属堆積物の品質を向上させるための独自の添加剤を含む。このような添加剤は、促進剤、レベラー、界面活性剤、抑制剤などを含む。
【0003】
電解銅メッキ液は、多くの工業的用途に用いられる。例えば、これらは自動車産業において、その後に装飾的および防食のコーティングを適用させるための基層を堆積させるために用いられる。これらは、電子産業、特にプリント回路板および半導体の製造のためにも用いられる。回路板を製造するために、銅を、プリント回路板の表面の選択された部分の上、ブラインドビア中、および回路板基材の表面間を通るスルーホールの壁面上に電気メッキする。スルーホールの壁面を、まず金属化して、基板の回路層間に伝導性を提供する。半導体を製造するために、様々なフィーチャー(feature)、例えば、ビア、トレンチまたはその組み合わせを含有するウェハの表面上に銅を電気メッキする。ビアおよびトレンチを金属化して、半導体デバイスの様々な層間に伝導性を提供する。
【0004】
メッキのある分野において、例えば、プリント回路板の電気メッキにおいて、電気メッキ浴中、促進剤および/またはレベラーを使用することは、基体表面上に均質な金属堆積物を達成するために重要であり得ることがよく知られている。不規則な形状を有する基体のメッキは特に困難をもたらし得る。電気メッキの過程で、典型的には不均整な表面に沿って電圧降下の変化が存在し、この結果、不均一な金属堆積物が得られ得る。メッキのでこぼこは、電圧降下変化が比較的極端な場合、すなわち、表面が相当不均整である場合に悪化する。その結果、さらに厚い金属堆積物(オーバープレートと称する)が、このような表面のでこぼこの上に観察される。それ故に、高品質の金属メッキ(例えば、実質的に均一な厚さの金属層またはメッキ)は、電子デバイスの製造においてしばしば困難な工程である。電子デバイスにおいて実質的に均一な、または平坦な銅層を提供するために、銅メッキ浴中にレベリング剤がしばしば用いられる。例えば、米国特許第6,610,192号(ステップら)は、1以上のレベリング剤を含有する銅メッキ浴から銅を電気メッキすることにより平坦な銅堆積物を製造する方法を開示しており、ここにおいて、少なくとも1種のレベリング剤は、複素環式アミンのエピハロヒドリンとの反応生成物である。このようなレベリング剤を用いても、平坦でなめらかな銅堆積物が必ずしも製造されるとは限らない。特に、マウンディング(mounding)が問題であり得る。「マウンディング」とは、開口部、例えば、ブラインドビア上の、銅をはじめとする金属の過剰なメッキ(あるいはオーバープレーティング)を意味する。
【0005】
電子デバイスの携帯性の傾向が機能の増大とあいまってプリント回路板(PCB)の小型化を推進させているプリント回路板(PCB)の製造においては、難題が存在する。スルーホール相互接続ビアを有する従来型の多層PCBは、必ずしも実際的な解決法ではない。高密度相互接続の代替法、例えば、ブラインドビアを利用する連続構築技術が開発されている。ブラインドビアを使用するプロセスにおける目標の一つは、基体表面全体にわたって銅堆積物における厚さの変動を最小限に抑えつつ、ビア充填を最大にすることである。これは、PCBがスルーホールとブラインドビアのどちらも含有する場合に特に困難である。
【特許文献1】米国特許第6,610,192号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、基体表面全体にわたってより良好なレベリングを提供する銅メッキ浴添加剤は、電気メッキ浴の均一電着性を悪化させる傾向がある。均一電着性は、ホール中心での銅堆積物の厚さの、表面での銅堆積物の厚さに対する比として定義される。最新のPCBは、スルーホールとブラインドビアの両方を含有するように製造される。最近の浴添加剤、特に最近のレベリング剤は、基体表面上に平坦な銅堆積物を提供せず、有効なスルーホールの充填および/またはブラインドビアの充填を行わない。当該分野において、浴の均一電着性に著しい影響を及ぼさず、平坦な銅堆積物を提供する(すなわち、ブラインドビアおよびスルーホールを充填する)、PCB製造において用いられる銅電気メッキ浴中に使用するレベリング剤が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、本発明は、PCB基体全体にわたって、非常に小さなフィーチャーを有する基体および様々なフィーチャーサイズを有する基体上でさえも、実質的に平坦な表面を有する金属層、特に銅層を提供することが見いだされた。このような実質的に平坦な金属層は、広範囲に及ぶ電解質濃度を有するメッキ浴から提供される。驚くべきことに、本発明は、フィーチャー、特に非常に小さなフィーチャーにおいて、欠陥、例えば、空隙を実質的に形成することなく、金属層を提供することがさらに見いだされた。本発明は、なめらかな表面を有する、すなわち表面粗さが低い銅堆積物も提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
一具体例において、本発明は、銅イオンの供給源;電解質;並びに窒素、硫黄および窒素と硫黄の混合から選択されるヘテロ原子を含む化合物と、エーテル結合を含有するポリエポキシド化合物との反応生成物であって、2.5未満の多分散性を有する反応生成物;を含む銅電気メッキ浴を提供する。かかる反応生成物は、金属メッキ浴、例えば、銅メッキ浴におけるレベリング剤として特に有用である。加えて、かかるレベリング剤は、典型的には銅メッキ浴の均一電着性に悪影響を及ぼさない。本発明の銅電気メッキ浴は、任意に1以上の促進剤および抑制剤を含有してもよい。
【0009】
本発明によりさらに、銅を基体上に堆積させる方法であって:メッキされる基体を、前記の銅メッキ浴を用いて銅と接触させ;次いで、基体上に銅層を堆積させるために充分な時間、電流密度を加える工程を含む方法が提供される。特に好適な基体は、電子デバイス、さらに詳細にはプリント回路板の製造において用いられるものである。従って、本発明は:電子デバイス基体、特にプリント回路板を前記の銅メッキ浴と接触させ;次いで基体上に銅層を堆積させるために充分な時間、電流密度を加えることを含む、電子デバイスを製造する方法を提供する。本発明の方法はさらに、プリント回路板上のブラインドビアおよびスルーホール中に銅を堆積させる。
【0010】
本明細書全体にわたって用いられる場合、次の略語は、文脈が明らかに他を表していル場合を除き以下の意味を有する:A=アンペア;ASD=1平方デシメートルあたりのアンペア;℃=摂氏度;g=グラム;mg=ミリグラム;L=リットル;ppm=百万分の1部;μm=ミクロン=マイクロメートル;mm=ミリメートル;cm=センチメートル;DI=脱イオン化;AR=アスペクト比;およびmL=ミリリットル。特に他に注記しない限り、全ての量は重量パーセントであり、全ての比はモル比である。全ての数値範囲は、境界値を含み、かかる数値範囲が合計して100%までに制限されることが明らかである場合以外は、任意の順序で組み合わせ可能である。
【0011】
本明細書全体にわたって用いられる場合、「フィーチャー」とは、基体上の形状を意味する。「開口部」とは、スルーホールおよびブラインドビアを包含するくぼんだフィーチャーを意味する。本明細書全体にわたって用いられる場合、「メッキ」なる用語は金属電気メッキを意味する。「堆積」および「メッキ」は本明細書全体にわたって交換可能に用いられる。「ハライド」とは、フルオリド、クロリド、ブロミドおよびヨージドを意味する。同様に、「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。「アルキル」なる用語は、直鎖、分岐鎖および環状アルキルを含む。「促進剤」とは、電気メッキ浴のメッキ速度を増大させる有機添加剤を意味する。「抑制剤」とは、電気メッキの過程での金属のメッキ速度を抑制する有機添加剤を意味する。「レベラー」とは、実質的に平坦(または平面的)な金属層を提供することができる有機化合物を意味する。「レベラー」および「レベリング剤」なる用語は本明細書全体にわたって交換可能に用いられる。「プリント回路板」および「プリント配線板」なる用語は本明細書全体にわたって交換可能に用いられる。
【0012】
本発明は、基本的に平坦なメッキされた金属層、特にメッキされた銅層を基体、例えば、プリント回路板上に提供する。基体が小さなフィーチャーを含む場合、メッキされた金属層は従来どおりにメッキされた金属層と比べてオーバープレーティングが減少し、小さなフィーチャー、特にブラインドビア中に堆積された金属は実質的に空隙がなく、好ましくは空隙がない。「オーバープレーティング」とは、開口部がないか、または少なくとも比較的少ない開口部を含有する領域と比較して、稠密な開口部領域上のより厚い金属堆積物を意味する。「比較的少ない開口部」なる用語は、同じデバイス内に多くのこのような開口部を有する比較領域(稠密開口部領域)の開口部の合計数の10%まで、好ましくは5%までを含有する領域を意味する。
【0013】
その上に銅を電気メッキすることができる基体が本発明において有用である。このような基体としては、これらに限定されないが、電子デバイス、例えば、プリント配線板、集積回路、半導体パッケージ、リードフレームおよび相互接続が挙げられる。特に有用な基体は、電子デバイス、例えば集積回路の製造において用いられる任意のもの、さらに詳細にはデュアルダマシン製造プロセスにおいて用いられるウェハである。このような基体は、典型的には、様々なサイズを有する多くのフィーチャー、特に開口部を含有する。PCBにおけるスルーホールは、例えば数ミリメートルまでのような、様々な直径を有し得る。例えば、スルーホールは直径50μmから3mmまで様々であり得る。PCBは、広範囲のサイズ、例えば200μmまで、またはそれ以上を有するブラインドビアを含有し得る。本発明は、様々なアスペクト比、例えば低アスペクト比ビアおよび高アスペクト比開口部をはじめとする開口部を充填するために特に好適である。「低アスペクト比」とは、0.1:1〜4:1のアスペクト比を意味する。「高アスペクト比」なる用語は、4:1以上、例えば10:1〜20:1のアスペクト比を意味する。
【0014】
本発明は、プリント回路板上に銅を堆積させる方法であって、ブラインドビアを有するプリント回路板を、銅イオン供給源;電解質;並びに窒素、硫黄および窒素と硫黄の混合から選択されるヘテロ原子を含む化合物と、エーテル結合を含有するポリエポキシド化合物との反応生成物であるレベリング剤;を含む銅電気メッキ浴と接触させ、次いで基体上に銅層を堆積させるために十分な時間、電流密度を適用することを含む方法を提供し、ここにおいて、該反応生成物は2.5未満の多分散性を有する。かかる銅メッキ浴は典型的には水性である。典型的には、銅メッキ浴は、促進剤および抑制剤の1以上を含む。任意に、メッキ浴はハライドイオンを含有することができる。
【0015】
本明細書において用いられる場合、用語「多分散性」とは、反応生成物レベリング剤の重量平均分子量(「Mw」)を反応生成物の数平均分子量(「Mn」)で割ったものとして定義される。分子量は、任意の従来の技術、例えば、末端基分析、沸点上昇法、凝固点降下法、浸透圧法、ゲル透過クロマトグラフィー(「GPC」)、および光散乱を用いて決定することができる。例えば、かかる技術の説明については、F.W.Billmeyer,Textbook of Polymer Science、第2版、Wiley−Interscience、ニューヨーク、1971、pp62−96参照。本明細書において用いられるMwおよびMn分子量はどちらも、GPCにより決定されている。反応生成物の分子量は、106から168,000までの分子量範囲の一連のポリエチレングリコール標準の校正曲線に対してGPCにより決定した。
【0016】
本発明のレベリング剤反応生成物は、1から2.5未満の範囲の多分散性を有する。典型的には、多分散性は2.3以下であり、さらに典型的には2以下である。一具体例において、多分散性は1.2〜2.3の範囲であり、さらに典型的には1.2〜2であり、なおいっそう典型的には1.5〜2である。
【0017】
本発明の反応生成物を調製するために用いられ得るヘテロ原子を含有する化合物は、ポリマーであっても、非ポリマーであってもよい。ポリマー化合物の例には、これらに制限されることはないが、ポリエチレンイミンおよびポリアミドアミンが含まれる。ヘテロ原子を含有する化合物として、様々なアミンを用いることができる。このようなアミンは、第一、第二または第三アルキルアミン、アリールアミンまたは複素環式アミンであり得る。アミンの例としては、これらに限定されないが、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、アリールアルキルアミン、ジアリールアミン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ピリジン、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ピリミジン、キノリン、およびイソキノリンが挙げられる。イミダゾールおよびピリジンが特に好適である。硫黄含有化合物の例としては、チオ尿素および置換チオ尿素が挙げられる。「置換」とは、1以上の水素が1以上の置換基で置換されていることを意味する。アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル、アリール、アルケニル、アルコキシ、およびハロをはじめとする様々な置換基を用いることができる。他の好適な非ポリマーヘテロ原子含有化合物としては、ニグロシン、ペンタメチル−パラ−ローザニリンヒドロハライド、ヘキサメチル−パラ−ローザニリンヒドロハライドおよび式N−R−S(式中、Rは置換アルキル、非置換アルキル、置換アリールまたは非置換アリールである)の官能基を含有する化合物が挙げられる。典型的には、アルキル基は、(C−C)アルキル、好ましくは(C−C)アルキルである。一般に、アリール基は、(C−C20)アリール、好ましくは、(C−C10)アリールを包含する。このようなアリール基はさらに、ヘテロ原子、例えば、硫黄、窒素および酸素を含むことができる。アリール基がフェニルまたはナフチルであるのが好ましい。
【0018】
好適なポリエポキシド化合物は、エーテル含有結合により結合した2以上のエポキシド部分を有するものである。ポリエポキシド化合物の例は、式(I)を有するものである。
【0019】
【化1】

【0020】
式中、Rは(C−C10)アルキルであり;RおよびRは、独立してHおよびRから選択され、nは1〜20である。典型的には、n=1〜10であり、さらに典型的にはn=1〜5である。一具体例において、n=1である。さらなる具体例において、RおよびRはどちらもHである。もう一つ別の具体例において、Rは任意に置換されていてもよい。「置換され」とは、1以上の水素が1以上の置換基、例えば、ヒドロキシル、(C−C)アルコキシ、チオール、アミノ、(C−C)アルキルアミノ、およびジ(C−C)アルキルアミノで置換されていることを意味する。式(I)のポリエポキシド化合物は2個のエポキシ基を有するが、3以上のエポキシ基を有するポリエポキシド化合物を使用できることは当業者には理解される。
【0021】
式(I)の化合物の例には、これらに制限されることはないが、1,4−ブタンジオール、ジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、およびポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテルが含まれる。好適なポリ(プロピレングリコール)ジグリシジルエーテルは、380の数平均分子量を有するものであるが、他の平均分子量も使用できる。このようなポリエポキシド化合物は、一般に様々な供給源、例えば、Aldrich(ウィスコンシン州ミルウォーキー)から入手することができ、さらに精製することなく用いることができる。
【0022】
一具体例において、アミンはイミダゾールであり、ポリエポキシド化合物は式(I)のジエポキシド化合物である。もう一つ別の具体例において、アミンはピリジンであり、ポリエポキシド化合物は式(I)のジエポキシド化合物である。
【0023】
アミンの、式(I)のポリエポキシドとの反応生成物は、所望の量のアミンを水中に溶解させ、撹拌しながら溶液を約40〜90℃に加熱することにより調製することができる。次いで、ポリエポキシド化合物を引き続き撹拌しながら溶液に添加する。ポリエポキシド化合物の添加後、反応混合物を約75〜95℃に4〜8時間加熱する。12〜18時間撹拌後、反応混合物を水で希釈し、pHを約7の値に調節する。
【0024】
ヘテロ原子を有する化合物のポリエポキシドとの反応生成物の例は、1000〜10000のMn値を有するが、他のMn値を有する反応生成物も使用できる。このような反応生成物は、1000〜50000の範囲のMw値を有することができるが、他のMw値を用いることもできる。典型的には、Mwは1000〜20000である。一具体例において、Mwは1500〜5000である。もう一つ別の具体例において、Mwは5000〜15000である。
【0025】
典型的には、反応生成物を調製するために用いられる、ヘテロ原子含有化合物のポリエポキシドに対する比は、0.1:10〜10:0.1であり得る。さらに典型的には、比は0.5:5〜5:0.5であり、さらに典型的には、0.5:1〜1:0.5である。ヘテロ原子含有化合物のポリエポキシドに対する他の好適な比を用いることができる。
【0026】
本発明のレベリング剤は、抑制剤として作用することができる機能を有することもできることは当業者には理解される。かかる化合物は、二重機能性(すなわち、これらがレベリング剤および抑制剤として機能することができる)であってもよい。
【0027】
金属電気メッキ浴において用いられるレベリング剤の量は、選択される特定のレベリング剤、電気メッキ浴中の金属イオンの濃度、使用される特定の電解質、電解質の濃度および適用される電流密度に依存する。一般に、電気メッキ浴中のレベリング剤の合計量は、メッキ浴の合計重量基準で0.5ppmから10000ppmであるが、これより多い量または少ない量を用いることもできる。典型的には、レベリング剤の合計量は1〜5000ppmであり、さらに典型的には5〜1000ppmである。
【0028】
本発明において有用なレベリング剤は、一般に商業的に入手可能であるか、または文献において知られた方法により調製することができる。このようなレベリング剤は、そのまま用いることもできるし、あるいはさらに精製することもできる。
【0029】
少なくとも部分的に電気メッキ浴中に可溶性であり、その金属を電気的に堆積させることができる任意の金属イオン供給源が好適である。典型的には、金属イオン供給源はメッキ浴中に可溶性である。好適な金属イオン供給源は、金属塩であり、これらに制限されることはないが、金属硫酸塩、金属ハライド、金属酢酸塩、金属硝酸塩、金属フルオロホウ酸塩、金属アルキルスルホン酸塩、金属アリールスルホン酸塩、金属スルファミン酸塩、および金属グルコン酸塩が含まれる。一具体例において、金属は銅である。銅イオンの好適な供給源としては、これらに限定されないが、硫酸銅、塩化銅、酢酸銅、硝酸銅、フルオロホウ酸銅、メタンスルホン酸銅、フェニルスルホン酸銅、フェノールスルホン酸銅およびp−トルエンスルホン酸銅が挙げられる。硫酸銅五水和物が特に好適である。金属イオン供給源の混合物、例えば、スズイオン供給源と銅イオン供給源の混合物を用いることができる。このような金属イオン供給源の混合物は、金属合金の堆積において有用である。このような金属塩は、一般に商業的に入手可能であり、さらに精製することなく使用することができる。
【0030】
金属塩は、本発明において、基体上の電気メッキのために充分な金属イオンを提供する任意の量で用いることができる。金属が銅である場合、銅塩は典型的には、10〜180g/Lのメッキ液の金属銅の量を提供するために十分な量で存在する。合金、例えば、銅−スズ、例えば、2重量%までのスズを有する銅を本発明に従って有利にメッキすることができる。他の好適な銅合金には、これらに制限されることはないが、銅−銀、スズ−銅−銀、およびスズ−銅−ビスマスが含まれる。かかる混合物中の金属塩のそれぞれの量は、メッキされる個々の合金に依存し、当業者にはよく知られている。
【0031】
本発明において有用な電解質は、アルカリ性または酸性であり得る。好適な酸性電解質には、これらに限定されないが、硫酸、酢酸、フルオロホウ酸、アルカンスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸およびトリフルオロメタンスルホン酸、アリールスルホン酸、例えばフェニルスルホン酸、フェノールスルホン酸およびトルエンスルホン酸、スルファミン酸、塩酸、およびリン酸が含まれる。酸の混合物を、本発明の金属メッキ浴において有利に用いることができる。好ましい酸には、硫酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、およびその混合物が含まれる。このような電解質は、一般に様々な供給源から商業的に入手可能であり、さらに精製することなく使用できる。酸は典型的には1〜300g/L、さらに典型的には5〜250g/L、なおいっそう典型的には10〜225g/Lの範囲の量で存在する。
【0032】
このような電解質は任意にハライドイオン(例えば塩化物イオン)の供給源(例えば、塩化銅または塩酸)を含有することができる。広範囲におよぶハライドイオン濃度を本発明において用いることができる。典型的には、ハライドイオン濃度はメッキ浴基準で0〜100ppm、好ましくは10〜100ppmの範囲である。ハライドイオンの特に有用な量は、20〜75ppmである。このようなハライドイオン供給源は、一般に商業的に入手可能であり、さらに精製することなく使用することができる。
【0033】
任意の促進剤(光沢剤とも称する)が本発明における使用に好適である。このような促進剤は、当業者にはよく知られている。典型的な促進剤は1以上の硫黄原子を含有し、1000以下の分子量を有する。スルフィドおよび/またはスルホン酸基を有する促進剤化合物が一般に好ましく、特に、式R’−S−R−SOX(式中、Rは任意に置換されていてもよいアルキル、任意に置換されていてもよいヘテロアルキル、任意に置換されていてもよいアリール、または任意に置換されていてもよい複素環であり;Xは対イオン、例えばナトリウムまたはカリウムであり;R’は水素または化学結合である)の基を含む化合物である。典型的には、アルキル基は(C−C16)アルキルであり、好ましくは、(C−C12)アルキルである。ヘテロアルキル基は典型的にはアルキル鎖中に、1以上のヘテロ原子、例えば、窒素、硫黄または酸素を有する。好適なアリール基としては、これらに限定されないが、フェニル、ベンジル、ビフェニルおよびナフチルが挙げられる。好適な複素環基は、典型的には1〜3個のヘテロ原子、例えば、窒素、硫黄または酸素、および1〜3個の別々のまたは縮合した環系を含有する。このような複素環基は、芳香族であってもよいし、あるいは非芳香族であってもよい。本発明における使用に好適な具体的な促進剤としては、これらに限定されないが、N,N−ジメチル−ジチオカルバミン酸−(3−スルホプロピル)エステル;3−メルカプト−プロピルスルホン酸−(3−スルホプロピル)エステル;3−メルカプト−プロピルスルホン酸ナトリウム塩;カルボン酸−ジチオ−o−エチルエステル−s−エステルと3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸カリウム塩;ビス−スルホプロピルジスルフィド;3−(ベンゾチアゾリル−s−チオ)プロピルスルホン酸ナトリウム塩;ピリジニウムプロピルスルホベタイン;1−ナトリウム−3−メルカプトプロパン−1−スルホネート;N,N−ジメチル−ジチオカルバミン酸−(3−スルホエチル)エステル;3−メルカプト−エチルプロピルスルホン酸−(3−スルホエチル)エステル;3−メルカプト−エチルスルホン酸ナトリウム塩;カルボン酸−ジチオ−o−エチルエステル−s−エステルと3−メルカプト−1−エタンスルホン酸カリウム塩;ビス−スルホエチルジスルフィド;3−(ベンゾチアゾリル−s−チオ)エチルスルホン酸ナトリウム塩;ピリジニウムエチルスルホベタイン;および1−ナトリウム−3−メルカプトエタン−1−スルホネートが挙げられる。
【0034】
このような促進剤は、様々な量において用いることができる。一般に、促進剤は浴基準で少なくとも1mg/L、典型的には少なくとも1.2mg/L、さらに典型的には少なくとも1.5mg/Lの量で用いられる。例えば、促進剤は1mg/L〜200mg/Lの量で存在する。本発明において有用な促進剤の特に好適な量は、少なくとも2mg/Lであり、さらに好適には少なくとも4mg/Lである。さらに高い促進剤濃度、例えば浴基準で少なくとも10、15、20、30、40または50mg/Lが好適である。このような促進剤濃度の特に有用な範囲は、5〜50mg/Lである。
【0035】
金属メッキ速度を抑制することができる任意の化合物を本発明の電気メッキ浴において抑制剤として使用できる。好適な抑制剤には、これらに限定されないが、ポリマー物質、特にヘテロ原子置換を有する、さらに詳細には酸素置換を有するものが含まれる。抑制剤の例は、高分子量ポリエーテル、例えば下式を有するものである。
R−O−(CXYCX’Y’O)R’
式中、RおよびR’は独立して、H、(C−C20)アルキル基および(C−C10)アリール基から選択され;X、Y、X’およびY’のそれぞれは独立して、水素、アルキル、例えばメチル、エチルもしくはプロピル、アリール、例えばフェニル、またはアルアルキル、例えばベンジルから選択され;nは5〜100000の整数である。典型的には、X、Y、X’およびY’の1以上は水素である。特に好適な抑制剤としては、商業的に入手可能なポリプロピレングリコールコポリマーおよびポリエチレングリコールコポリマーが挙げられ、これらには、エチレンオキシド−プロピレンオキシド(「EO/PO」)コポリマーおよびブチルアルコール−エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーが包含される。好適なブチルアルコール−エチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマーは、1500〜10000の重量平均分子量を有するものである。このような抑制剤が用いられる場合、これらは典型的には浴の重量基準で1〜10000ppm、好ましくは5〜10000ppmの範囲の量で存在する。
【0036】
本発明において電気メッキ浴として有用な特に好適な組成物には、可溶性銅塩、酸電解質、レベリング剤としての前記反応生成物、促進剤、抑制剤およびハライドイオンが含まれる。さらに詳細には、好適な組成物は、10〜220g/Lの金属銅としての可溶性銅塩、5〜250g/Lの酸電解質、1〜50mg/Lの促進剤、1〜10000ppmの抑制剤、10〜100ppmのハライドイオン、および1〜5000ppmのレベリング剤としての前記反応生成物を含む。
【0037】
もう一つ別の具体例において、本発明は、銅イオン供給源;電解質;ならび窒素、硫黄、および窒素と硫黄の混合から選択されるヘテロ原子を包含する化合物の、エーテル結合を含有するポリエポキシド化合物との反応生成物;を含む銅電気メッキ浴を提供し、ここにおいて、該反応生成物は2.5未満の多分散性を有する。
【0038】
本発明の電気メッキ浴は、成分を任意の順序で組み合わせることにより調製することができる。無機成分、例えば、金属塩、水、電解質および任意のハライドイオン供給源をまず浴容器に添加し、続いて有機成分、例えば、レベリング剤、促進剤、抑制剤、および任意の他の有機成分を添加するのが好ましい。
【0039】
典型的には、本発明のメッキ浴は、10℃〜65℃またはそれ以上の任意の温度で用いることができる。さらに典型的には、メッキ浴の温度は10℃〜35℃、さらに典型的には15℃〜30℃である。
【0040】
一般に、本発明の銅電気メッキ浴は使用中に撹拌される。任意の好適な撹拌法を本発明に関して使用することができ、かかる方法は当該分野においてよく知られている。好適な撹拌法としては、これらに限定されないが、空気散布法、ワークピースアジテーション(work piece agitation)、および衝突(impingement)が挙げられる。
【0041】
典型的には、基体を本発明のメッキ浴と接触させることにより、基体を電気メッキする。基体は典型的には陰極として機能する。メッキ浴は、陽極を含有し、陽極は可溶性であっても不溶性であってもよい。電位は、典型的には陰極に適用される。基体上に所望の厚さを有する銅層を堆積させ、且つブラインドビアおよび/またはスルーホールを充填するために、十分な電流密度が適用され、十分な時間、メッキが行われる。好適な電流密度は、これに限定されないが、0.1〜10ASDの範囲を含むが、これよりも高いかまたは低い電流密度も使用できる。具体的な電流密度は、メッキされる基体および選択されるレベリング剤に一部依存する。このような電流密度の選択は、当業者の能力範囲である。
【0042】
本発明は、様々な基体、特に様々なサイズの開口部を有する基体上に銅層を堆積させるために有用である。従って、本発明は、基体上に銅層を堆積させる方法であって:前記銅メッキ浴を用いて、メッキされる基体を銅と接触させる工程;次に基体上に銅層を堆積させるために十分な時間、電流密度を適用する工程を含む方法を提供する。例えば、本発明は、ブラインドビアおよびスルーホールを有するプリント回路板上に銅を堆積させるために特に好適である。
【0043】
本発明に従って、金属堆積物内に実質的に空隙を形成することなく、開口部中に銅が堆積される。用語「実質的に空隙を形成することなく」とは、メッキされた開口部の95%より多くが空隙を含まないことを意味する。メッキされた開口部は空隙を含まないのが好ましい。
【0044】
本発明の方法を概してプリント回路板製造への言及により記載したが、本発明は、本質的に平坦または平面的な銅堆積物および実質的に空隙を含まない充填された開口部が望ましい任意の電解プロセスにおいて有用であり得ると理解される。かかる方法は、半導体パッケージングおよび相互接続の製造を包含する。
【0045】
本発明の利点は、実質的に平坦な銅堆積物がPCB上に得られることである。「実質的に平坦な」銅層とは、ステップ高、すなわち、稠密な非常に小さな開口部の領域と、開口部がないかまたは実質的に開口部がない領域間の差が5μm未満、好ましくは1μm未満であることを意味する。PCB中のスルーホールおよび/またはブラインドビアは、実質的に空隙が形成されずに実質的に充填される。さらに、このような銅堆積物は、従来型の銅メッキ法と比較して、ノジュール形成が減少している。本発明のさらなる利点は、広範囲の開口部および開口部サイズが、実質的に、抑制された局所メッキなしで1つの基体内で充填され得ることである。従って、本発明は、プリント回路板におけるブラインドビアおよび/スルーホールの充填に特に好適であり、ここにおいて、ブラインドビアおよびスルーホールが実質的に追加の欠陥を含まない。「実質的に追加の欠陥を含まない」とは、レベリング剤を含有しない対照メッキ浴と比較して、充填された開口部において、欠陥(例えば空隙)の数またはサイズを増大させないレベリング剤を意味する。本発明のさらなる利点は、実質的に平面的な銅層を、サイズが均一でない開口部を有するPCB上に堆積させることができることである。「サイズが均一でない開口部」とは、同じPCBにおいて様々なサイズを有する開口部を意味する。
【実施例】
【0046】
実施例1
イミダゾール(225g)を反応容器中、水(563mL)中に溶解させた。混合物を撹拌しながら80℃に加熱した。撹拌を続けながら、607.5mLの1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(「BDE」)(下式を有するジエポキシ官能性化合物である)の60.8%水中溶液を反応容器に82.7mL/分の速度で添加した。BDEの添加後、撹拌しながら混合物の温度を95℃±3℃に5.5〜6時間維持した。加熱後、混合物を16〜18時間撹拌した。次いで、硫酸を用いて反応生成物混合物のpHを6〜7の値にした。反応生成物を次いで適当な容器に移し、必要に応じてDI水で希釈した。この反応生成物は2.5未満の多分散性および約14000のMwを有していた。
【0047】
【化2】

【0048】
実施例2
使用したレベラーが、イミダゾールとBDEの1:0.6反応生成物であり、この反応生成物は2700〜2900のMn値、4500〜4700のMw値および1.6〜1.7の多分散性を有していたことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。
【0049】
実施例3
硫酸銅として40g/Lの銅、10g/Lの硫酸、50ppmの塩化物イオン、10mL/Lの促進剤および3mL/Lの抑制剤を組み合わせることにより、銅メッキ浴を調製した。促進剤は、スルホン酸基を有し、1000未満の分子量を有するジスルフィド化合物であった。抑制剤は、5000未満の分子量を有し、末端ヒドロキシル基を有するEO/POコポリマーであった。メッキ浴は実施例1からの1mL/Lの反応生成物も含有していた。
【0050】
実施例4
硫酸銅五水和物として75g/Lの銅、190g/Lの硫酸、50ppmの塩化物イオン、1〜5ppmの促進剤および500ppmの抑制剤を組み合わせることにより、銅メッキ浴を調製した。促進剤は、スルホン酸基を有し、1000未満の分子量を有するジスルフィド化合物であった。抑制剤は、5000の未満の分子量を有するEO/POコポリマーであった。メッキ浴は、250〜300ppmの実施例2からの反応生成物もレベリング剤として含有していた。
【0051】
実施例5
スルーホール(直径0.3mm)を有する厚さ1.6mmのPCBを、実施例4による銅メッキ浴を用いてメッキした。各浴の促進剤の量は2から4ppmまで様々であった。レベリング剤の量は、250から300ppmまで様々であった。浴の温度は25℃であった。3ASDの電流密度を各浴に50分間適用した。PCB上の目標の銅堆積物の厚さは33μmであった。浴の均一電着性は約73〜83%の幅があった。レベリング剤が異なる以外は、同じ量で同じ成分(2ppm促進剤)を含有する従来型の商業的銅メッキ浴も同じ条件下で試験した。商業的浴は70%の均一電着性を有していた。
【0052】
実施例6
実施例4の銅メッキ浴を用いて、ブラインドビアホール(直径100μm、深さ60μm)を有するPCBをメッキした。各浴の促進剤の量は、3から4ppmまで様々であった。レベリング剤の量は、250から300ppmまで様々であった。浴の温度は25℃であった。2ASDの電流密度を各浴に80分間適用した。PCB上の目標の銅堆積物の厚さは35μmであった。ブラインドビアをメッキするための浴の均一電着性は約130〜140%の幅があった。図1は、3ppmの促進剤および300ppmのレベリング剤を含有する実施例4の浴を用いてメッキされたブラインドビアの断面を示す。この浴の均一電着性は約140%であった。
【0053】
実施例5において用いた従来型商業的銅メッキ浴も試験し、約90%の均一電着性を有することが判明した。この従来型銅メッキ浴を用いてメッキされたブラインドビアの断面を図2に示す。
【0054】
これらのデータからわかるように、本発明のメッキ浴は、従来型銅メッキ浴よりも、ブラインドビアをメッキするために良好な均一電着性を有する。
【0055】
実施例7
5×10cmのPCBを4つの銅メッキ浴のそれぞれに添加した。各浴は硫酸銅五水和物として75g/Lの銅、190/Lの硫酸、50ppmの塩化物イオン、および抑制剤として500ppmの5000未満の分子量を有するEO/POコポリマーを含有していた。浴1は、促進剤として、スルホン酸基を有し1000未満の分子量を有する3ppmのジスルフィド化合物およびレベリング剤として250ppmの実施例2からの反応生成物も含有していた。浴2は、促進剤が4ppmで存在する以外は浴1と同じであった。浴3はレベリング剤が300ppmで存在する以外は浴1と同じであった。浴4(比較例)は実施例5から得られる従来型の商業的銅メッキ浴であった。
【0056】
各メッキ浴の温度は25℃であった。3ASDの電流密度を各浴に50分間適用した。PCB上の目標の銅堆積物の厚さは33μmであった。銅メッキ後、基板をメッキ浴から取り出し、すすぎ、乾燥させた。基板の両面を次いで銅ノジュールの存在について目視で検査した。各基板上に見いだされた銅ノジュールの合計数を以下に記載する。
【0057】
【表1】

【0058】
前記データは明らかに、本発明の銅メッキ浴は従来型の銅メッキ浴よりもより少ないノジュールを生じることを示す。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明にしたがって銅でメッキされたPCBにおけるブラインドビアの断面を示す図である。
【図2】従来型の銅電気メッキ浴を用いて、銅でメッキされたPCBにおけるブラインドビアの断面を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント回路板上に銅を堆積させる方法であって、ブラインドビアを有するプリント回路板を、銅イオンの供給源;電解質;ならびに窒素、硫黄および窒素と硫黄の混合から選択されるヘテロ原子を含む化合物の、エーテル結合を含有するポリエポキシド化合物との反応生成物であるレベリング剤;を含む銅電気メッキ浴と接触させ;次いで、銅層を基体上に堆積させるために充分な時間、電流密度を適用することを含み、ここにおいて、該反応生成物が2.5未満の多分散性を有する方法。
【請求項2】
多分散性が2未満である請求項1記載の方法。
【請求項3】
ヘテロ原子を含む化合物がアミンである請求項1記載の方法。
【請求項4】
アミンが、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、アリールアルキルアミン、ジアリールアミン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ピペリジン、モルホリン、ピペラジン、ピリジン、オキサゾール、ベンズオキサゾール、ピリミジン、キノリン、およびイソキノリンから選択される請求項3記載の方法。
【請求項5】
ポリエポキシド化合物が式(I)を有する請求項1記載の方法:
【化1】

(式中、Rは(C−C10)アルキルであり;並びにRおよびRは独立して、HおよびRから選択され、nは1〜20である)。
【請求項6】
プリント回路板がさらにスルーホールを含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
銅電気メッキ浴が、70%の均一電着性を有する請求項1記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−31834(P2007−31834A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−186340(P2006−186340)
【出願日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(591016862)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (270)
【Fターム(参考)】