説明

メッシュ生成装置、メッシュ生成方法、及びコンピュータプログラム

【課題】可能な限り少ない要素数で有限要素解析が可能な三次元メッシュを生成することができるメッシュ生成装置、メッシュ生成方法、及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】三次元ソリッドモデルに関する情報を取得し、取得した三次元ソリッドモデルに関する情報を記憶部に記憶する。三次元要素を積み上げる積み上げ方向を検出し、記憶してある三次元ソリッドモデルに関する情報に基づいて、検出した積み上げ方向と直交する面に三次元ソリッドモデルを投影した二次元投影形状を算出する。算出した二次元投影形状を一又は複数の領域に分割する。分割した領域について、三次元ソリッドモデルの積み上げ方向の構成に関する情報である積み上げ情報を生成し、分割した領域ごとに二次元メッシュを生成する。生成した二次元メッシュ及び生成した積み上げ情報に基づいて、三次元メッシュを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有限要素法を用いて電磁界などの数値解析を行うためのメッシュを生成するメッシュ生成装置、メッシュ生成方法、及びコンピュータを該メッシュ生成装置として具現化するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
構造物に対して有限要素解析を行うには、解析対象モデルの有限要素メッシュ(以下、メッシュ)を生成する必要がある。
【0003】
三次元の形状モデルに対するメッシュを生成する場合、三角形要素、四角形要素等で構成された二次元メッシュを生成し、生成した二次元メッシュを垂直方向へ引き伸ばし(以下、積み上げメッシュ生成方法)、手作業で物性を分けて三次元メッシュを生成していた。斯かる方法では、二次元メッシュを構成する三角形要素、四角形要素等の大きさを調整し、有限要素解析の精度に影響するメッシュの粗密を自由に調整することができる一方、作業自体は非常に煩雑であり、変更が頻繁に行われる設計部門等で適用することは困難であった。
【0004】
そこで、三次元メッシュを生成するための自動メッシュ生成ツールが開発されている。例えば非特許文献1では、三次元モデルを円筒座標系に座標変換し、円筒座標空間で六面体要素で構成されたメッシュを生成する。生成した六面体要素で構成されたメッシュを元の座標系に逆変換することで、三次元メッシュを自動生成している。非特許文献2では、まずソリッドモデルの形状を認識して部分形状に分割し、次にそれぞれの部分形状を直交座標軸に平行な線分のみで構成される認識モデルに変換した後、三次元メッシュを自動生成し、それぞれ認識モデルから元のソリッドモデルに変換するのに伴って生成された三次元メッシュを変形することで、ソリッドモデルに対する三次元メッシュを自動生成している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】前田利博、他2名、「回転機のための六面体要素自動分割手法の検討」、2003年、SA−03−14、p.41−45
【非特許文献2】高橋宏明、他4名、「形状認識を用いた三次元自動要素分割システムの開発」、1993年、日本機械学会論文集、59巻560号、p.279−285
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、非特許文献1で開示されている方法は、理想化した形状である電気学会モデル(回転機のモデル)を対象にしており、実際の工業製品である回転機等を対象とした場合にはメッシュを生成することが困難である、又は生成することができない。非特許文献2で開示されている方法では、複雑なソリッドモデルを適切な部分形状に分割することは困難であり、一般的な回転機等の回転体に適用してもメッシュを生成することが困難である。
【0007】
さらに、三次元メッシュを自動生成する装置として、四面体要素で構成されたメッシュ生成装置等が開発されている。しかし、六面体要素で構成されたメッシュに比べて、四面体要素で構成されたメッシュの要素数は極端に多くなり、有限要素法を用いた数値解析に要する演算処理時間を短縮することが困難であるという問題点があった。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、可能な限り少ない要素数で有限要素解析が可能な三次元メッシュを生成することができるメッシュ生成装置、メッシュ生成方法、及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために第1発明に係るメッシュ生成装置は、三次元ソリッドモデルを複数の有限要素の組み合わせとして表現し、有限要素法にて所定の物理量を算出するためのメッシュを生成して記憶するメッシュ生成装置において、三次元ソリッドモデルに関する情報を取得し、取得した三次元ソリッドモデルに関する情報を記憶部に記憶する三次元ソリッドモデル取得手段と、三次元要素を積み上げる積み上げ方向を検出する方向検出手段と、記憶してある三次元ソリッドモデルに関する情報に基づいて、検出した積み上げ方向と直交する面に三次元ソリッドモデルを投影した二次元投影形状を算出する投影形状算出手段と、算出した二次元投影形状を一又は複数の領域に分割する分割手段と、分割した領域について、前記三次元ソリッドモデルの前記積み上げ方向の構成に関する情報である積み上げ情報を生成する積み上げ情報生成手段と、分割した領域ごとに二次元メッシュを生成する二次元メッシュ生成手段と、生成した二次元メッシュ及び生成した積み上げ情報に基づいて、三次元メッシュを生成する三次元メッシュ生成手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、第2発明に係るメッシュ生成装置は、第1発明において、前記三次元ソリッドモデルを、三次元要素を積み上げることが可能な形状に変形するための変形情報を生成するための変形情報生成手段と、生成した三次元メッシュを、前記変形情報に基づいて元の形状に補正する三次元メッシュ補正手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、第3発明に係るメッシュ生成装置は、第1又は第2発明において、前記二次元メッシュ生成手段は、三角形要素及び/又は四角形要素を用いて二次元メッシュを生成することを特徴とする。
【0012】
また、第4発明に係るメッシュ生成装置は、第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記方向検出手段の代わりに、三次元要素を積み上げる積み上げ方向の入力を受け付ける積み上げ方向受付手段を備えることを特徴とする。
【0013】
次に、上記目的を達成するために第5発明に係るメッシュ生成方法は、三次元ソリッドモデルを複数の有限要素の組み合わせとして表現し、有限要素法にて所定の物理量を算出するためのメッシュを生成して記憶するメッシュ生成装置で実行することが可能なメッシュ生成方法において、三次元ソリッドモデルに関する情報を取得し、取得した三次元ソリッドモデルに関する情報を記憶部に記憶するステップと、三次元要素を積み上げる積み上げ方向を検出するステップと、記憶してある三次元ソリッドモデルに関する情報に基づいて、検出した積み上げ方向と直交する面に三次元ソリッドモデルを投影した二次元投影形状を算出するステップと、算出した二次元投影形状を一又は複数の領域に分割するステップと、分割した領域について、前記三次元ソリッドモデルの前記積み上げ方向の構成に関する情報である積み上げ情報を生成するステップと、分割した領域ごとに二次元メッシュを生成するステップと、生成した二次元メッシュ及び算出した積み上げ情報に基づいて、三次元メッシュを生成するステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
また、第6発明に係るメッシュ生成方法は、第5発明において、前記三次元ソリッドモデルを、三次元要素を積み上げることが可能な形状に変形するための変形情報を生成するステップと、生成した三次元メッシュを、前記変形情報に基づいて元の形状に補正するステップとを含むことを特徴とする。
【0015】
次に、上記目的を達成するために第7発明に係るコンピュータプログラムは、三次元ソリッドモデルを複数の有限要素の組み合わせとして表現し、有限要素法にて所定の物理量を算出するためのメッシュを生成して記憶するメッシュ生成装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、前記メッシュ生成装置を、三次元ソリッドモデルに関する情報を取得し、取得した三次元ソリッドモデルに関する情報を記憶部に記憶する三次元ソリッドモデル取得手段、三次元要素を積み上げる積み上げ方向を検出する方向検出手段、記憶してある三次元ソリッドモデルに関する情報に基づいて、検出した積み上げ方向と直交する面に三次元ソリッドモデルを投影した二次元投影形状を算出する投影形状算出手段、算出した二次元投影形状を一又は複数の領域に分割する分割手段、分割した領域について、前記三次元ソリッドモデルの前記積み上げ方向の構成に関する情報である積み上げ情報を生成する積み上げ情報生成手段、分割した領域ごとに二次元メッシュを生成する二次元メッシュ生成手段、及び生成した二次元メッシュ及び算出した積み上げ情報に基づいて、三次元メッシュを生成する三次元メッシュ生成手段として機能させることを特徴とする。
【0016】
また、第8発明に係るコンピュータプログラムは、第7発明において、前記メッシュ生成装置を、前記三次元ソリッドモデルを、三次元要素を積み上げることが可能な形状に変形するための変形情報を生成する変形情報生成手段、及び生成した三次元メッシュを、前記変形情報に基づいて元の形状に補正する三次元メッシュ補正手段として機能させることを特徴とする。
【0017】
第1発明、第5発明及び第7発明では、三次元ソリッドモデルに関する情報を取得し、取得した三次元ソリッドモデルに関する情報を記憶部に記憶しておく。三次元要素を積み上げる積み上げ方向を検出し、記憶してある三次元ソリッドモデルに関する情報に基づいて、検出した積み上げ方向と直交する面に三次元ソリッドモデルを投影した二次元投影形状を算出する。算出した二次元投影形状を一又は複数の領域に分割し、分割した領域について、三次元ソリッドモデルの積み上げ方向の構成に関する情報である積み上げ情報を生成する。分割した領域ごとに二次元メッシュを生成し、生成した二次元メッシュ及び算出した積み上げ情報に基づいて、三次元メッシュを生成する。積み上げ情報を用いることで、二次元投影形状を分割した領域について、三次元ソリッドモデルの積み上げ方向の構成を把握することができ、三次元ソリッドモデルが複雑な形状を有している場合であっても、三次元メッシュを正しく生成することが可能となる。また、六面体要素からなる三次元メッシュを容易に生成することができるので、要素数が増大することを比較的容易に抑制することができ、積み上げ方向に規則的な三次元メッシュが生成されることから、不規則性に起因する解析誤差を低減することも可能となる。
【0018】
第2発明、第6発明及び第8発明では、三次元ソリッドモデルを、三次元要素を積み上げることが可能な形状に変形するための変形情報を生成し、生成した三次元メッシュを、変形情報に基づいて元の形状に補正するので、積み上げメッシュ生成方法では三次元メッシュを正しく生成することが困難な形状であっても、三次元要素を積み上げることが可能な形状に変形してから三次元メッシュを生成して、元の形状に補正すれば足り、要素数が増大しないことから有限要素法を用いた数値解析に要する演算処理時間を大きく短縮することが可能となる。
【0019】
第3発明では、三角形要素及び/又は四角形要素を用いて二次元メッシュを生成することにより、三角柱要素(五面体要素)又は六面体要素からなる三次元メッシュを容易に生成することが可能となる。
【0020】
第4発明では、三次元要素を積み上げる積み上げ方向を検出する代わりに、三次元要素を積み上げる積み上げ方向の入力を受け付けることができ、演算処理負荷を軽減することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
上記構成によれば、積み上げ情報を用いることで、二次元投影形状を分割した領域について、三次元ソリッドモデルの積み上げ方向の構成を把握することができ、三次元ソリッドモデルが複雑な形状を有している場合であっても、三次元メッシュを正しく生成することが可能となる。また、六面体要素からなる三次元メッシュを容易に生成することができるので、要素数が増大することを比較的容易に抑制することができ、積み上げ方向に規則的な三次元メッシュが生成されることから、不規則性に起因する解析誤差を低減することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置を、CPUを用いて具現化した場合の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置のメッシュ生成対象となる三次元ソリッドモデルの一部を模式的に示す例示図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置で形状を変形した三次元ソリッドモデルの一部を模式的に示す例示図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置の二次元投影形状の算出処理を説明する模式図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置の積み上げ情報を説明する模式図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置で生成した二次元メッシュの例示図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置で生成した三次元メッシュの例示図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置で生成した三次元メッシュの例示図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置で補正した三次元メッシュの例示図である。
【図11】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置の補正処理を説明する模式図である。
【図12】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置の、三次元ソリッドモデルがテーパ形状を有する場合の変形処理を説明する斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置の、三次元ソリッドモデルがテーパ形状を有する場合の三次元メッシュの補正処理を説明する斜視図である。
【図14】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置の、三次元ソリッドモデルがスキュー形状を有する場合の変形処理を説明する斜視図である。
【図15】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置の、三次元ソリッドモデルがスキュー形状を有する場合の三次元メッシュの補正処理を説明する斜視図である。
【図16】本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置のCPUのメッシュ生成処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置について図面に基づいて具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置を、CPUを用いて具現化した場合の構成を示すブロック図である。図1において、メッシュ生成装置1は、演算を行う演算部を構成するCPU(中央演算装置)11、演算に伴って発生する一時的な情報を記憶するメモリ12、ハードディスク等の記憶装置13、I/Oインタフェース14、ビデオインタフェース15、可搬型ディスクドライブ16、通信インタフェース17及び上述したハードウェアを接続する内部バス18で構成されている。
【0024】
CPU11は、内部バス18を介してメッシュ生成装置1の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置13に記憶しているコンピュータプログラム100に従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。メモリ12は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラム100の実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラム100の実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
【0025】
記憶装置13は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク)、ROM等で構成されている。記憶装置13に記憶しているコンピュータプログラム100は、プログラム及びデータ等の情報を記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体90から、可搬型ディスクドライブ16によりダウンロードされ、実行時には記憶装置13からメモリ12へ展開して実行される。もちろん、通信インタフェース17を介して、接続されている外部のコンピュータからダウンロードされたコンピュータプログラムであっても良い。
【0026】
また記憶装置13は、三次元ソリッドモデル記憶部131、積み上げ情報記憶部132、三次元メッシュ情報記憶部133、補正後三次元メッシュ情報記憶部134、変形情報記憶部135を備えている。三次元ソリッドモデル記憶部131には、後述する三次元ソリッドモデル取得部で取得した三次元ソリッドモデルに関する情報、例えば数値情報、仕様情報等を記憶する。また、積み上げ情報記憶部132には、分割された領域について、三次元ソリッドモデルの積み上げ方向の構成に関する情報である積み上げ情報を記憶する。三次元メッシュ情報記憶部133には、後述する三次元ソリッドモデル変形部で変形した三次元ソリッドモデルに対して生成した三次元メッシュに関する情報、例えば節点の位置情報、節点間の結合情報等を記憶する。補正後三次元メッシュ情報記憶部134には、後述する三次元メッシュ補正部で補正した元の三次元ソリッドモデルに対する三次元メッシュに関する情報、例えば節点の位置情報、節点間の結合情報等を記憶する。変形情報記憶部135は、三次元ソリッドモデルを、積み上げメッシュ生成方法を適用することが可能な形状に変形するための変形情報を記憶する。
【0027】
通信インタフェース17は内部バス18に接続されており、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワークに接続されることにより、外部のコンピュータ等とデータ送受信を行うことが可能となっている。
【0028】
I/Oインタフェース14は、キーボード21、マウス22等のデータ入力媒体と接続され、データの入力を受け付ける。また、ビデオインタフェース15は、CRTモニタ、LCD等の表示装置23と接続され、所定の画像を表示する。
【0029】
以下、三次元ソリッドモデルに対して三次元メッシュを生成する例を用いて、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成方法を説明する。図2は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1の機能ブロック図である。
【0030】
三次元ソリッドモデル取得部201は、オペレータによって操作されたキーボード21、マウス22等から、又は通信インタフェース17を介して外部のコンピュータから、解析対象となる構造物の三次元ソリッドモデルに関する情報を取得する。解析対象となる構造物は、回転対称性、鏡面対称性を有する回転体であっても良いし、他の形状であっても良い。取得した三次元ソリッドモデルに関する情報は、記憶装置13の三次元ソリッドモデル記憶部131に記憶される。
【0031】
図3は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1のメッシュ生成対象となる三次元ソリッドモデルの一部を模式的に示す例示図である。図3(a)は、回転機の4分の1に相当する三次元ソリッドモデル3の斜視図であり、回転するロータ31、固定されているステータ32、及びロータ31とステータ32との間の空間部分33を含む。
【0032】
図3(b)は、図3(a)の部分30の部分拡大斜視図である。図3(b)に示すように板状部材が交差する角部分を半径Rで面取りしてある。すなわち、板状部材が交差する角部分が曲面状になっている。従来の積み上げメッシュ生成方法では、板状部材が交差する角部分が曲面状になっている場合、三次元メッシュを生成することが困難であった。
【0033】
そこで、本実施の形態では、三次元ソリッドモデル3を、積み上げメッシュ生成方法を適用することができる形状、例えば曲面状の部分を角張った形状に変形して、三次元メッシュを生成する。図4は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1で形状を変形した三次元ソリッドモデル3の一部を模式的に示す例示図である。図4(a)は、図3に示す回転機の三次元ソリッドモデル3の、形状を変形した場合の一例を示す斜視図である。
【0034】
図4(b)は、図4(a)の部分30の部分拡大斜視図である。図4(b)に示すように、図3(b)に示す曲面状の部分34が、角張った形状(部分35)になるように変形されている。このように、三次元ソリッドモデル3を、積み上げメッシュ生成方法を適用することが可能な形状に変形することにより、三次元要素を積み上げて三次元メッシュを生成することができ、生成した三次元メッシュを元の形状へ補正することにより、図3に示す三次元ソリッドモデル3に対する三次元メッシュを生成することができる。
【0035】
図2に戻って、積み上げ方向検出部(方向検出手段)202は、三次元要素を積み上げる積み上げ方向を検出する。もちろん、三次元ソリッドモデルの形状によっては、積み上げ方向を検出することが困難である場合も生じうるので、積み上げ方向検出部202の代わりに積み上げ方向受付部203を設けておき、三次元要素を積み上げる積み上げ方向の入力を受け付けても良い。
【0036】
変形情報生成部204は、三次元ソリッドモデルを、積み上げメッシュ生成方法を適用することが可能な形状、すなわち三次元要素を積み上げることが可能な形状に変形するための変形情報を生成する。例えば図3(b)に示すように、板状部材が交差する角部分が曲面状になっている場合には、曲面状の部分を角張った形状に変形し、変形時に行った座標変換に関する情報を変形情報として生成して、記憶装置13の変形情報記憶部135に記憶しておく。
【0037】
三次元ソリッドモデル変形部205は、生成して記憶してある変形情報に基づいて、元の三次元ソリッドモデルを、積み上げメッシュ生成方法を適用することが可能な形状、すなわち三次元要素を積み上げることが可能な三次元ソリッドモデルに変形する。変形した三次元ソリッドモデルに関する情報は、記憶装置13の三次元ソリッドモデル記憶部131に記憶しておく。
【0038】
投影形状算出部206は、記憶装置13の三次元ソリッドモデル記憶部131に記憶してある、変形後の三次元ソリッドモデルに関する情報に基づいて、検出した積み上げ方向と直交する面に三次元ソリッドモデルを投影した二次元投影形状を算出する。図5は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1の二次元投影形状の算出処理を説明する模式図である。
【0039】
図5に示すように、投影面40に三次元ソリッドモデル3を投影した二次元投影形状41を算出する。投影面40は、三次元メッシュを生成する場合の、積み上げ方向に直交する面である。本実施の形態では、算出した二次元投影形状41を積み上げ情報が同一である一又は複数の領域に分割し、分割した領域について生成した積み上げ情報に基づいて、領域ごとに生成した二次元メッシュに三次元要素を積み上げることにより、三次元メッシュを生成する。
【0040】
図2に戻って、領域分割部(分割手段)207は、算出した二次元投影形状を一又は複数の領域に分割する。本実施の形態では、三次元ソリッドモデルの積み上げ方向の構成に関する情報が同一である領域ごとに二次元投影形状を分割することが好ましい。積み上げ情報が同一である領域ごとに二次元メッシュを生成することができるからである。
【0041】
積み上げ情報生成部208は、分割した領域について、三次元ソリッドモデルの積み上げ方向の構成に関する情報である積み上げ情報を生成する。なお、ここで三次元ソリッドモデルとは、元の三次元ソリッドモデルが三次元要素を積み上げることが可能な形状である場合は、元の三次元ソリッドモデルを、三次元要素を積み上げることが不可能な形状である場合は、三次元ソリッドモデル変形部205で変形された三次元ソリッドモデルを、それぞれ意味している。図6は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1の積み上げ情報を説明する模式図である。図6(a)は、二次元投影形状の一部を示す模式図であり、図6(b)は、図6(a)の領域50について、三次元ソリッドモデル3の積み上げ方向の構成を示す模式図である。
【0042】
例えば、図6(a)に示す、二次元投影形状の領域(ハッチング部分)50の積み上げ方向の構成は、図6(b)に示すように、ステータコア51の上にコイル52が設けてあり、その上は何も設けられていない空間部分53となっている。そこで、高さh=0.0を原点として、0.0<h≦10.0mmがステータコア51、10.0<h≦12.0mmがコイル52、12.0mm<hが空間部分53という情報を積み上げ情報として生成し、積み上げ情報記憶部132に記憶しておく。このようにすることで、三次元ソリッドモデルが凹凸を有する形状であっても、空間部分を含めた積み上げ方向の構成を把握することができ、誤った三次元メッシュを生成することを回避することができる。
【0043】
図2に戻って、二次元メッシュ生成部209は、分割した領域ごとに二次元メッシュを生成する。なお、二次元メッシュは、三角形要素及び/又は四角形要素を用いて生成することが好ましい。三次元要素を積み上げる場合に三角柱要素(五面体要素)又は六面体要素で積み上げることが容易だからである。
【0044】
図7は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1で生成した二次元メッシュの例示図である。図7に示すように、周知の手法により、空間部分33も含めて二次元メッシュを生成する。
【0045】
図2に戻って、三次元メッシュ生成部210は、生成した二次元メッシュ及び生成した積み上げ情報に基づいて、三次元メッシュを生成する。図8は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1で生成した三次元メッシュの例示図である。図8に示すように、周知の積み上げメッシュ生成方法により三次元メッシュが生成されている。二次元投影形状を分割した領域ごとに生成した二次元メッシュに、三次元要素を積み上げ方向(図中の矢印方向)に積み上げることにより、中途に存在する空間部分も含めて、三次元メッシュを正しく生成することができる。
【0046】
三次元メッシュ補正部211は、三次元メッシュ生成部210で生成した三次元メッシュを、変形情報記憶部135に記憶してある変形情報に基づいて、座標逆変換することにより、元の形状に追従した三次元メッシュに補正する。
【0047】
図9は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1で生成した三次元メッシュの例示図である。図9(a)は、回転機の4分の1に相当する三次元ソリッドモデル3に対して生成された三次元メッシュの例示図であり、回転するロータ31、固定されているステータ32、及びロータ31とステータ32との間の空間部分33を含めて三次元メッシュが生成されている。
【0048】
図9(b)は、図9(a)の部分30の部分拡大斜視図である。図9(b)に示すように、板状部材が交差する角部が角張った形状である三次元ソリッドモデル3に対して三次元メッシュが生成されている。
【0049】
図10は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1で元の形状に補正した三次元メッシュの例示図である。図10(a)は、図9に示す回転機の三次元ソリッドモデル3に対して生成された三次元メッシュを補正した場合の例示図である。
【0050】
図10(b)は、図10(a)の部分30の部分拡大斜視図である。図10(b)に示すように、図9(b)に示す角張った形状(部分36)が曲面状(部分37)になるように復元されている。それに伴って、生成された三次元メッシュも補正されるので、従来は三次元メッシュを生成することが困難であった、板状部材が交差する角部分が曲面状になった三次元ソリッドモデルに対しても、三次元要素の要素数を増大させることなく三次元メッシュを正しく生成することができる。
【0051】
図11は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1の補正処理を説明する模式図である。図11では、説明しやすいように二次元形状の場合を例に挙げて説明するが、三次元形状の場合でも同様である。
【0052】
まず、図11(a)に示す任意の二次元形状を、図11(b)に示すように、積み上げメッシュ生成方法により二次元要素を容易に積み上げることが可能な形状へと座標変換することにより変形する。変形する時に行った座標変換に関する変形情報は、変形情報記憶部135に記憶される。
【0053】
そして、図11(c)に示すように、図11(b)に示す二次元形状に対して二次元メッシュを生成する。図11(d)に示すように、生成した二次元メッシュを変形情報記憶部135に記憶してある変形情報に基づいて座標逆変換することにより、元の形状に補正する。二次元要素の要素数は変化することなく、二次元メッシュの節点の座標のみが変換されるので、図11(a)に示すような任意の二次元形状であっても二次元要素の要素数を増大させることなく二次元メッシュを正しく生成することができる。三次元ソリッドモデルの場合も同様である。
【0054】
図9及び図10の例では、曲面状の部分を角張った形状に変形しているが、例えば曲面状の部分が円筒形状の一部である場合には、円筒の中心軸の位置、半径等の幾何学的情報を変形情報として変形情報記憶部135に記憶する。また、曲面状の部分がトーラス面である場合には、変形前後のトーラスの軸の位置、大半径、小半径等の幾何学的情報を変形情報として変形情報記憶部135に記憶する。これにより、変形した三次元ソリッドモデルに対して生成した三次元メッシュの節点の座標と、元の三次元ソリッドモデルに対する三次元メッシュの節点の座標との関係を容易に求めることができ、相互に座標変換することができる。
【0055】
なお、他の形状の三次元ソリッドモデルについても同様に変形情報を記憶することで三次元メッシュを生成することができる。図12は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1の、三次元ソリッドモデルがテーパ形状を有する場合の変形処理を説明する斜視図である。図12(a)は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1の、テーパ形状を有する三次元ソリッドモデルの一例を示す部分斜視図を、図12(b)は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1の、変形した三次元ソリッドモデルの一例を示す部分斜視図を、それぞれ示している。
【0056】
図12(a)に示すように、三次元ソリッドモデルが上面にテーパ形状を有する場合、積み上げメッシュ生成方法では、三次元メッシュを正しく生成することができない。そこで、図12(b)に示すように上面をテーパを失くした形状に変形することにより、積み上げメッシュ生成方法により三次元メッシュを正しく生成することができる。
【0057】
図13は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1の、三次元ソリッドモデルがテーパ形状を有する場合の三次元メッシュの補正処理を説明する斜視図である。図13(a)は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1の、形状を変形した三次元ソリッドモデルに対して生成された三次元メッシュの一例を示す部分斜視図を、図13(b)は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1の、テーパ形状を有する元の形状に補正された三次元メッシュの一例を示す部分斜視図を、それぞれ示している。図13(a)に示す形状が変形された三次元ソリッドモデルに生成された三次元メッシュを、変形情報記憶部135に記憶してある変形情報に基づいて、座標逆変換することにより、図13(b)に示す、テ―パ形状を有する元の三次元ソリッドモデルに追従した三次元メッシュに補正することができる。
【0058】
また、三次元ソリッドモデルがねじりの加わったスキュー形状を有する場合も同様である。図14は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1の、三次元ソリッドモデルがスキュー形状を有する場合の変形処理を説明する斜視図である。図14では、ギャップ部分141の存在によりスキュー形状が形成されている。
【0059】
図14(a)に示すように、三次元ソリッドモデルが周面にスキュー形状を有する場合、三次元要素を積み上げて三次元メッシュを生成することができない。ギャップ部分141が積み上げ方向に均等に存在していないからである。そこで、図14(b)に示すように、周面の溝(ギャップ部分)141が円筒の中心軸に平行、すなわち積み上げ方向と一致するように三次元ソリッドモデルの形状を変形することにより、積み上げメッシュ生成方法により三次元メッシュを生成することができる。
【0060】
図15は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1の、三次元ソリッドモデルがスキュー形状を有する場合の三次元メッシュの補正処理を説明する斜視図である。図15(a)は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1の、形状を変形した三次元ソリッドモデルに対して生成された三次元メッシュの一例を示す部分斜視図を、図15(b)は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1の、スキュー形状を有する元の形状に補正された三次元メッシュの一例を示す部分斜視図を、それぞれ示している。図15(a)に示す形状が変形された三次元ソリッドモデルに生成された三次元メッシュを、変形情報記憶部135に記憶してある変形情報に基づいて、座標逆変換することにより、図15(b)に示す、スキュー形状を有する元の三次元ソリッドモデルに追従した三次元メッシュに補正することができる。
【0061】
なお、ギャップ部分については、従来の周知の方法により、空間メッシュを施す必要がある。これにより、スキュー形状を有する三次元ソリッドモデルであっても三次元メッシュを生成することができる。
【0062】
つまり、三次元ソリッドモデルを、積み上げメッシュ生成方法を適用することが可能な形状に変形してから、積み上げ情報に基づいて三次元メッシュを生成し、最後に元の三次元ソリッドモデルに対応するように座標逆変換することで、三次元メッシュを元の三次元ソリッドモデルに追従した三次元メッシュに補正する。図16は、本発明の実施の形態に係るメッシュ生成装置1のCPU11のメッシュ生成処理の手順を示すフローチャートである。
【0063】
図16において、メッシュ生成装置1のCPU11は、オペレータによって操作されたキーボード21、マウス22等から、三次元ソリッドモデルに関する情報を取得する(ステップS1601)。もちろん、入力装置を介して入力を受け付けても良いし、通信インタフェース17を介して外部のコンピュータから取得しても良い。取得した三次元ソリッドモデルに関する情報は、記憶装置13の三次元ソリッドモデル記憶部131に記憶される。
【0064】
CPU11は、三次元要素を積み上げる積み上げ方向を検出する(ステップS1602)。もちろん、三次元ソリッドモデルの形状によっては、積み上げ方向を検出することが困難である場合も生じうるので、代わりに三次元要素を積み上げる積み上げ方向の入力を受け付けても良い。
【0065】
CPU11は、三次元ソリッドモデルを、積み上げメッシュ生成方法で三次元要素を積み上げることが可能な形状に変形するための変形情報を生成し、変形情報記憶部135に記憶する(ステップS1603)。CPU11は、三次元ソリッドモデルに関する情報及び変形情報に基づいて、三次元ソリッドモデルを変形し(ステップS1604)、変形した三次元ソリッドモデルに基づいて、三次元要素を積み上げる方向と直交する面に、三次元ソリッドモデルを投影した二次元投影形状を算出する(ステップS1605)。
【0066】
CPU11は、算出した二次元投影形状を一又は複数の領域に分割する(ステップS1606)。ここでは、三次元ソリッドモデルの積み上げ方向の構成に関する情報が同一である領域ごとに二次元投影形状を分割することが好ましい。積み上げ情報が同一である領域ごとに二次元メッシュを生成することができるからである。
【0067】
CPU11は、分割した領域について、三次元ソリッドモデルの積み上げ方向の構成に関する情報である積み上げ情報を生成する(ステップS1607)。生成した積み上げ情報は、積み上げ情報記憶部132に記憶する。
【0068】
CPU11は、分割した領域ごとに二次元メッシュを生成する(ステップS1608)。なお、二次元メッシュは、三角形要素及び/又は四角形要素を用いて生成することが好ましい。
【0069】
CPU11は、生成した二次元メッシュ及び生成した積み上げ情報に基づいて、積み上げメッシュ生成方法により三次元メッシュを生成する(ステップS1609)。CPU11は、変形した三次元ソリッドモデルに生成された三次元メッシュの節点の座標を、記憶してある変形情報に基づいて元の三次元ソリッドモデルに追従した三次元メッシュの座標へと変換する(ステップS1610)。
【0070】
図9に示す三次元ソリッドモデル3に対して、従来の積み上げメッシュ生成方法により三次元メッシュを生成した場合の要素数は49470個であった。同じ三次元ソリッドモデル3に対して、従来の自動メッシュ生成ツールにより、四面体要素からなる三次元メッシュを自動生成した場合、要素数は234387個と大きく増大する。それに対して、本実施の形態に係るメッシュ生成装置1では、従来の積み上げメッシュ生成方法と同じ49470個の要素数で、複雑な形状の三次元ソリッドモデルに対しても三次元メッシュを正しく生成することができ、有限要素法を用いた数値解析に要する演算処理時間を大きく短縮することができる。
【0071】
以上のように本実施の形態によれば、積み上げ情報を用いることで、二次元投影形状を分割した領域について、三次元ソリッドモデルの積み上げ方向の構成を把握することができ、三次元ソリッドモデルが複雑な形状を有している場合であっても、三次元メッシュを正しく生成することが可能となる。また、六面体要素からなる三次元メッシュを容易に生成することができるので、要素数が増大することを比較的容易に抑制することができ、積み上げ方向に規則的な三次元メッシュが生成されることから、不規則性に起因する解析誤差を低減することも可能となる。
【0072】
その他、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変形、置換等が可能である。したがって、三次元ソリッドモデルについても、実施例に開示した回転体を含む回転機の三次元ソリッドモデルのように回転対称性及び/又は鏡面対称性を有する三次元ソリッドモデルに限定されるものではなく、回転対称性も鏡面対称性も有していない一般的な形状、例えばトランス、リアクトル等の構造解析にも適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
1 メッシュ生成装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 I/Oインタフェース
15 ビデオインタフェース
16 可搬型ディスクドライブ
17 通信インタフェース
18 内部バス
90 可搬型記録媒体
100 コンピュータプログラム
131 三次元ソリッドモデル記憶部
132 積み上げ情報記憶部
133 三次元メッシュ情報記憶部
134 補正後三次元メッシュ情報記憶部
135 変形情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元ソリッドモデルを複数の有限要素の組み合わせとして表現し、有限要素法にて所定の物理量を算出するためのメッシュを生成して記憶するメッシュ生成装置において、
三次元ソリッドモデルに関する情報を取得し、取得した三次元ソリッドモデルに関する情報を記憶部に記憶する三次元ソリッドモデル取得手段と、
三次元要素を積み上げる積み上げ方向を検出する方向検出手段と、
記憶してある三次元ソリッドモデルに関する情報に基づいて、検出した積み上げ方向と直交する面に三次元ソリッドモデルを投影した二次元投影形状を算出する投影形状算出手段と、
算出した二次元投影形状を一又は複数の領域に分割する分割手段と、
分割した領域について、前記三次元ソリッドモデルの前記積み上げ方向の構成に関する情報である積み上げ情報を生成する積み上げ情報生成手段と、
分割した領域ごとに二次元メッシュを生成する二次元メッシュ生成手段と、
生成した二次元メッシュ及び生成した積み上げ情報に基づいて、三次元メッシュを生成する三次元メッシュ生成手段と
を備えることを特徴とするメッシュ生成装置。
【請求項2】
前記三次元ソリッドモデルを、三次元要素を積み上げることが可能な形状に変形するための変形情報を生成する変形情報生成手段と、
生成した三次元メッシュを、前記変形情報に基づいて元の形状に補正する三次元メッシュ補正手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載のメッシュ生成装置。
【請求項3】
前記二次元メッシュ生成手段は、三角形要素及び/又は四角形要素を用いて二次元メッシュを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載のメッシュ生成装置。
【請求項4】
前記方向検出手段の代わりに、三次元要素を積み上げる積み上げ方向の入力を受け付ける積み上げ方向受付手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のメッシュ生成装置。
【請求項5】
三次元ソリッドモデルを複数の有限要素の組み合わせとして表現し、有限要素法にて所定の物理量を算出するためのメッシュを生成して記憶するメッシュ生成装置で実行することが可能なメッシュ生成方法において、
三次元ソリッドモデルに関する情報を取得し、取得した三次元ソリッドモデルに関する情報を記憶部に記憶するステップと、
三次元要素を積み上げる積み上げ方向を検出するステップと、
記憶してある三次元ソリッドモデルに関する情報に基づいて、検出した積み上げ方向と直交する面に三次元ソリッドモデルを投影した二次元投影形状を算出するステップと、
算出した二次元投影形状を一又は複数の領域に分割するステップと、
分割した領域について、前記三次元ソリッドモデルの前記積み上げ方向の構成に関する情報である積み上げ情報を生成するステップと、
分割した領域ごとに二次元メッシュを生成するステップと、
生成した二次元メッシュ及び算出した積み上げ情報に基づいて、三次元メッシュを生成するステップと
を含むことを特徴とするメッシュ生成方法。
【請求項6】
前記三次元ソリッドモデルを、三次元要素を積み上げることが可能な形状に変形するための変形情報を生成するステップと、
生成した三次元メッシュを、前記変形情報に基づいて元の形状に補正するステップと
を含むことを特徴とする請求項5記載のメッシュ生成方法。
【請求項7】
三次元ソリッドモデルを複数の有限要素の組み合わせとして表現し、有限要素法にて所定の物理量を算出するためのメッシュを生成して記憶するメッシュ生成装置で実行することが可能なコンピュータプログラムにおいて、
前記メッシュ生成装置を、
三次元ソリッドモデルに関する情報を取得し、取得した三次元ソリッドモデルに関する情報を記憶部に記憶する三次元ソリッドモデル取得手段、
三次元要素を積み上げる積み上げ方向を検出する方向検出手段、
記憶してある三次元ソリッドモデルに関する情報に基づいて、検出した積み上げ方向と直交する面に三次元ソリッドモデルを投影した二次元投影形状を算出する投影形状算出手段、
算出した二次元投影形状を一又は複数の領域に分割する分割手段、
分割した領域について、前記三次元ソリッドモデルの前記積み上げ方向の構成に関する情報である積み上げ情報を生成する積み上げ情報生成手段、
分割した領域ごとに二次元メッシュを生成する二次元メッシュ生成手段、及び
生成した二次元メッシュ及び算出した積み上げ情報に基づいて、三次元メッシュを生成する三次元メッシュ生成手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記メッシュ生成装置を、
前記三次元ソリッドモデルを、三次元要素を積み上げることが可能な形状に変形するための変形情報を生成する変形情報生成手段、及び
生成した三次元メッシュを、前記変形情報に基づいて元の形状に補正する三次元メッシュ補正手段
として機能させることを特徴とする請求項7記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図11】
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【図16】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−109604(P2013−109604A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254508(P2011−254508)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(507228172)株式会社JSOL (23)
【Fターム(参考)】