説明

メッセージの自動ディジタル・マッチング

一連のディジタル・メッセージの交換を、パーティ間で調停して、トランザクション処理に関連づけられている所定のメッセージング・プロトコルに対するコンプライアンスを確実にする方法とシステムである。この調停は、内部通信ネットワークと外部通信ネットワークとの間に配置されたインテリジェント・ゲートウェイによって実現され、ゲートウェイを通過するメッセージを監視し、グローバル記述言語でコード化可能な、所定のメッセージング・プロトコルに、このメッセージが従っているか、あるいは、逸脱しているかを判定するためのコンポーネントを含む。この監視装置は、受動的に動作し、コンプライアンスの度合いの通知を提供してよく、あるいは、 能動的に非コンプライアントなメッセージを遮断してよい。非コンプライアントなメッセージを、再生、修復するための機構が、提供される。複数のインテリジェント・ゲートウェイからなるシステムは、宛先に応じて、特定のインテリジェント・ゲートウェイに、メッセージをルーティングするためのルータを含む。メッセージに関する情報と、それらのコンプライアンスを、追跡し、トランザクションのグローバルなイメージを再構成するための中央相関ユニットへ、送ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワーク間のゲートウェイのインテリジェントな監視に関し、詳しくは、所定のメッセージング・プロトコルに対する、送信されたメッセージのコンプライアンスに関する。
【背景技術】
【0002】
外部の観察者にとって、卸売金融サービス会社の中のトレーディングルームは、極めて複雑にして広大な聖域である。知識のある観察者にとって、それは、市場フォーカスとなっている領域によって構成された、非常に整然とした性能となっている。
【0003】
最も急速に拡大している、市場フォーカスとなっている領域の1つは、店頭取引によるデリバティブ市場、すなわち、「OTCデリバティブ取引」である。この領域では、非常に複雑な長期性取引商品を、様々な異なる形式で、処理している。各トランザクションには、少なくとも2つのカウンターパーティ、すなわち買い手と売り手がいて、各カウンターパーティは、いったん取引が行われると、その取引それぞれについて、取引相手との権利と義務の理解を「マッチング」させる必要がある。
【0004】
歴史的に、このトランザクションのマッチングの事後実行は、手作業による工程であった。急速なトランザクション量の増大と、革新的で、より複雑なトランザクション構造の導入により、この手作業による工程は、自動化されたシステムに置き換えられることが、現在、要求されている。これは、特に、手作業による工程が、圧倒されてきたOTCクレジット・デリバティブ市場において、顕著である。
【0005】
トランザクション量の膨張に追随していた手作業による工程ではあったが、その能力の限界から、2005年には、危機的なレベルに達し、このとき、無署名のコンファメーションの数は、数10万のトランザクションに関して集計され、新しい取引が1日に15,000を超えるというスピードで、この問題は肥大化していた。この問題は、業界団体である国際スワップデリバティブ協会(ISDA:International Swaps and Derivatives Association, Inc)が、未確認のトランザクションに対する新しい尺度を導入せざるをえないほどに、極めて深刻なものとなった。この尺度は、「単位日数に相当するビジネス」に関して、未確認の取引の数を表していた。これは、未処理のコンファメーションの数を、1日の新しい取引量で割ることによって決定される。2006年1月までで、この尺度は、主導的な市場参加者の間で、23日を超えていた。
【0006】
未確認のトランザクション数と、この肥大化のスピードは、ニューヨーク連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of New York)、米国通貨監督庁(Office of the Comptroller of Currency (USA))、米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission (USA))、国際決済銀行(Bank of International Settlements)、英国金融サービス機構(United Kingdom Financial Services Authority)、ドイツ金融監督庁(German Financial Supervisory Authority)、スイス連邦銀行理事会(Swiss Federal Banking Commission)、および オランダ中央銀行(De Nederlandsche Bank (Holland))を含む業界監督機関を驚愕させた。
【0007】
2005年9月、これら業界監督機関は、ニューヨーク連邦準備銀行がスポンサーとなった共同イニシアチブに参画して、この問題に取り組んだ。この結果、2006年3月に主導的な市場参加者によって与えられる事業がもたらされ、以下は、その抜粋である。
「主要なディーラーは、以下に定義するように、業界の、より強固で安定的な状態であるポジションを実現することに尽力する。
・業界が承認したプラットフォームによって、電子的に処理できる、すべての取引を、電子的に処理する、大規模な電子市場。
・業界が承認したプラットフォーム(「適格な取引」)によって、電子的に処理できる、すべての確認可能な取引イベント(取引、更改、終結、その他)は、各主要なディーラーと、そのカウンターパーティ(それぞれに、「電子的プラットフォーム)の間で相互に同意されるような、DTCC、または任意の他の同等な電子プラットフォームによって、電子的に処理されるべきである。このガイドラインは、少なくとも、どれか1つの主要なディーラーと、1ヶ月あたり4つの適格な取引の量の閾値を満たすクライアントに適用される。」
【0008】
トレーディングルームは、一般に、市場とやりとりする「窓口部門」と、実行されたトランザクションを記録、照合、確認する「事務管理部門」との、2つの重要な領域に分かれている。長い期間をかけて、これらのアクティビティの多くは、自動化されてきた。最も自動化された機能は、窓口部門から事務管理部門へのデータ転送、総勘定元帳、損益計算書、現金管理への更なるデータ転送に使用されるものである。参加者の大多数においては、窓口部門は、電子システムを使用して、取引データを得ており、市場の50%以上は、電子システムを使用して、コンファメーション書類の、自動生成、送信、受信を行っている。
【0009】
最も自動化されていない機能は、ダイレクトなOTCデリバティブ・トランザクションのディジタル・マッチング(バイラテラル・マッチングとも呼ばれる)、または業界が承認したプラットフォームを経由するOTCデリバティブ・トランザクションのディジタル・マッチング(クリアリング・ハウス・マッチングとも呼ばれる)に関係する。自動化されたディジタル・マッチングへの技術的挑戦は、複雑である。従来、この問題は、「オーケストレーション」の使用によって取り組まれてきた。
【0010】
オーケストレーションは、複数のアプリケーション同士を、中央集中型制御機構の導入によって、結合する手段である。この中央集中型制御機構は、各アプリケーションが、相互に作用し、確実にイベントを論理シーケンスで、実行する方式を制御する手段を提供する。
【0011】
オーケストレーションは、この問題設定に適用したとき、2つの弱点がある。第1に、オーケストレーションは、中央集中型サーバーベース制御機構に頼って、トランザクション処理の実行を管理する。これは、「ファイアーウォールを横切って」供給されるコンピュータ環境において、実際的でない。第2に、オーケストレーションによる解決策では、プロセスを記述するために使用されるBPEL(Business Process Execution Language)標準は、プロセスを1つの観点から記述することしかできない。これには、2つの影響、すなわち、トランザクション処理の「全体の」状態を監視することが不可能になってしまうこと、および、複雑なトランザクション環境で要求されるロール(役割)とアクティビティの多様性を記述することが、非常にわずらわしくなってしまうことである。
【0012】
オーケストレーションを使用して、マッチングされた1組のロール(申し立て者と受諾者)に対するコンファメーション処理を記述することは、プログラマーに、送信および受信されるメッセージの記述を、別々に各ロールに対して、エンコードすることを要求する。トランザクション処理を行うインフラストラクチャの内部で、多数のクリアリングおよびマッチング・メッセージング・プロトコルを統合する必要のあるとき、多数のロールとアクティビティがエンコードされる必要があって、指数的に肥大化し、このとき、このプログラミングに要する労力は、非常に肥大化する。
【0013】
アクティビティを別々に、各ロールについてエンコードするというオーケストレーションの要求事項は、複雑なトランザクション構造の処理からなる多数のロールとアクティビティに拡張されるとき、過度に、わずらわしくなる。これらのロールのサンプルを以下に提示する。
・コンファメーション処理における申し立て者と受諾者
・利払い期日における支払者と被支払者
・アサインメント/更改における料金の受け取りと料金の支払い
・更改におけるアサイナー、アサイニー、残りのパーティ
・トランザクションのキャンセル者と被キャンセル者
・トランザクションの変更者と変更受諾者
・担保物件の受取者と引き渡し者
・マージンの支払者と被支払者
・クレジット・イベントにおける担保物件および/または現金の支払者と受取者
【0014】
エンコードする必要のあるアクティビティは、コンファメーション、改正、終結、部分的終結、更改、アロケーション、増加、減少、オプション・エクササイズ、譲歩、法人活動、および、トランザクション・イグジットを含む。多数のロールとアクティビティの、このようなエンコードは、個々に、非常に複雑で、プログラミングに要する労力は、数人月にもなる。
【0015】
要求される処理への変更、または要求される処理と通信するサービスへの変更を導入する必要がある場合、更に複雑なものが、導入される。これにより、各メッセージング・プロトコルに対する莫大なメンテナンス・オーバーヘッドが生じる。このオーバーヘッドは、多数のクリアリングおよびマッチング実施場所を統合する場合、指数的に肥大化する。
【0016】
今、市場に対し利用可能な多数のクリアリングおよびマッチング実施場所があり、それぞれ、それ自身のメッセージング・プロトコルを有し、主なものは、以下の通りである。
・ISDAが規定した、バイラテラル・クリアリングに対するプロトコル。
・Swapsclearが規定した、中央決算所を経由する銀行間金利デリバティブ・クリアリングに対するプロトコル。
・DTCC Deriv/SERVが規定した、中央決算所を経由するクレジット、エクイティー、金利デリバティブ・クリアリングに対するプロトコル。
・SwapsWireが規定した、クレジット、金利、インフレーション、エクイティー・デリバティブのバイラテラル・クリアリングに対するプロトコル。
・T−Zeroが規定した、クレジット・デリバティブのアファーメーションと、ローンオンリーデフォルト商品(loan−only default product)に対するプロトコル。
OTCDerivNETが規定した、中央決算所を経由する銀行間クロスカレンシーデリバティブ・クリアリングに対するプロトコル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
市場参加者は、現在、多数のメッセージング・プロトコルと、それらのそれぞれについて、要求される多数のロールおよびアクティビティを実装せねばならないであろうという見通しに直面している。これにより、参加者には、2つの困難がもたらされる。すなわち、各サービスに対し、特定のプロトコルを実装する必要があること、および、各サービス・プロトコルをメンテナンスする必要があることである。
【0018】
オーケストレーション、または、手作業によるコーディング手法を使用する各サービス・プロトコルの実装は、非常に、面倒で、何人月ものプログラミングに要する労力が必要なことが分かっている。
【0019】
また、いったん、実装してしまうと、プロトコル自体の変更、または、すべての2重のエンコード処理と相互に関係するサービスに渡って広範囲に再試験を行う必要があって、導入される変更によって意図しない計算結果とならないことを確実になくす必要のある、そのプロトコルと通信する内部サービスの変更が、導入される毎に、各サービス・プロトコルのメンテナンス・オーバーヘッドも、非常に面倒なものになることが分かっている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の第1の態様によれば、一連のディジタル・メッセージの交換を、パーティ間で調停して、トランザクション処理に関連づけられている所定のメッセージング・プロトコルに対するコンプライアンスを確実にする方法が、提供され、前記方法は、
前記一連のディジタル・メッセージを、ゲートウェイで受信するステップと、
前記ディジタル・メッセージを有効にするステップとを含み、前記ディジタル・メッセージを有効にするステップは、
前記ディジタル・メッセージがゲートウェイで受信されると、前記ディジタル・メッセージを監視するステップと、
前記トランザクション処理のための前記所定のメッセージング・プロトコルと、前記メッセージを比較するステップと、
前記メッセージが、前記所定のメッセージング・プロトコルに従っているか、あるいは、逸脱しているかを判定するステップと、
前記メッセージが、前記所定のメッセージング・プロトコルに従っているか、あるいは、逸脱しているかを示す通知を生成するステップとを実行することからなる。
【0021】
本発明の第2の態様によれば、一連のディジタル・メッセージの交換を、パーティ間で調停して、トランザクション処理に関連づけられている所定のメッセージング・プロトコルに対するコンプライアンスを確実にするインテリジェント・ゲートウェイが、提供され、前記インテリジェント・ゲートウェイは、
第1の通信ネットワークからメッセージを受信し、第2の通信ネットワークへメッセージを転送するように適合され、第2の通信ネットワークからメッセージを受信し、第1の通信ネットワークへ前記メッセージを転送するように更に適合されているゲートウェイと、
前記ゲートウェイによって受信される前記一連のメッセージの、所定のメッセージング・プロトコルに対するコンプライアンスを監視し、前記メッセージが、前記所定のメッセージング・プロトコルに従っているか、あるいは、逸脱しているかを示す通知を生成するように適合されている監視コンポーネントとを含む。
【0022】
本発明の第3の態様によれば、一連のディジタル・メッセージの交換を、パーティ間で調停して、トランザクション処理に関連づけられている所定のメッセージング・プロトコルに対するコンプライアンスを確実にするシステムが、提供され、前記システムは、第2の態様による、複数のインテリジェント・ゲートウェイを含む。好ましくは、前記システムは、前記メッセージに関して好適な宛先に応じて、種々のインテリジェント・ゲートウェイへ、一連のメッセージをルーティングするように適合されているルータを含む。前記ルータは、インテリジェント・ゲートウェイとしてもよい。
【0023】
本発明は、中央集中型制御機構を導入することなく、高度に分散されたシステムに渡って、処理状態を連続的に監視することを提供する。これは、局在する監視エージェントの実装によって実現され、この監視エージェントは、各エンドポイント記述によって送られ、受信されている実際のメッセージを監視する。このように連続的に監視することによって、リアルタイム情報を、各トランザクション処理の「全体の」動作に関して、収集することができる。
【0024】
このトランザクション全体を監視するという特性により、ユーザは各トランザクション処理の現在の状態を把握することができる。これは、局在する各監視エージェントがメッセージング・アクティビティを、相関エンジンに報告することにより実現される。この相関エンジンは、監視エージェントによって提供される情報を使い、提供された情報から、トランザクション処理のグローバルな状態を再構成する。そして、この再構成されたグローバルな状態を、「グローバル記述」と比較する。この比較により、グローバル記述からの逸脱をすべて、直ちに特定し、管理することができる。特に、本発明は、OTCデリバティブ市場の参加者が、各クリアリングおよびマッチング実施場所メッセージング・プロトコルのグローバル記述を使用することで、参加者がグローバル記述に対するトランザクション状態を監視できるようにすることにより、ファイアーウォールを越えて、彼らの取引を、デジタル処理でマッチングできるようにする手段を提供する。
【0025】
グローバル記述に対してイベントの実行を監視することにより、すべてのトランザクション・イベントのコンプライアントな処理を確実に行うか、または、内部サービスと外部サービス間の境界で、グローバル記述からの逸脱を、直ちに特定し、キャプチャできるようにするかの、いずれかを行う。
【0026】
上記のように、本発明は、各メッセージング・プロトコルの明確なグローバル記述を利用する。WS−CDLの使用により、記述された処理に対し、意図しない計算結果がないか、コードの配備の前に、静的に確認することができ、相互に関係するサービスに渡って、広範囲に再試験を行う必要なく、速やかに変更することができる。好ましくは、これは、WS−CDL(Web Services Choreography Description Language)と、Pi4 Technologies Foundationによって提供される一連のオープンソース・モデリング・ソフトウェアとを使用することによって実現される。
【0027】
Pi4 Technologies Foundationの一連のモデリング・ソフトウェアにより、すべてのメッセージング・プロトコルに対する、すべての処理イベントの明確なグローバル記述を、速やかに、中立的な方式で、生成し、提示することができ、あたかも、サード・パーティがメッセージング・プロトコルを、独立した観点から見ているかのようである。
【発明の効果】
【0028】
明確なグローバル記述を提供することにより、ロールとアクティビティをエンコードするのに要求される時間を、著しく短縮し、各トランザクションの「全体の」状態を監視することができ、オーケストレーション、または、手作業によるコーディング手法によって実現できるものよりも極めて速く、要求される処理への変更、および/または、要求される処理と通信するサービスへの変更を、導入することができる。
【0029】
また、本発明は、複数のロールのエンドポイント記述を、利用する。本発明は、複雑なトランザクション構造の処理を含む、すべてのロールとアクティビティに要求される、すべてのメッセージ交換の明確なグローバル記述を包含しているので、市場参加者は、種々のトランザクションに対する複数のロールを同時に行うことができる。これにより、市場参加者は、(例えば、)ある取引で申し立て者として行動し、同時に、別の取引で受取者のロールを行い、第3のトランザクションで、担保物件の受取者を行うことができる。これにより、処理スループットが増大し、処理効率が著しく高められる。
【0030】
また、本発明により、市場参加者の内部サービスと、その参加者が通信している外部システムとの間の境界で、処理エラーをキャプチャすることができる。この境界で処理エラーをキャプチャし、処理エラーがダウンストリームのサービスへ通過していかないようにすることにより、トランザクション処理効率が、大幅に増大する。
【0031】
本発明は、各トランザクション処理の全体の状態を連続的に監視することにより、各実施場所について要求されるメッセージ・プロトコルに対する連続的なコンプライアンスを確実にする方式で、複数のクリアリングおよびマッチング実施場所に渡って、OTCデリバティブ・トランザクションの自動化されたディジタル・マッチングを支援する方法を提供する。。
【0032】
本発明は、複数のクリアリングおよびマッチング実施場所に渡って、共通の機能性を供給する統合化プラットフォームの、市場における重要な必要性を扱い、同時に、複数のクリアリングおよびマッチング実施場所に渡って、接続性の単一の論理的観点を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
ここで、本発明の例を添付図面を参照しながら、詳細に説明する。
【図1】ディジタル・マッチングのためのクリアゲート(商標)(ClearGateTM)インテリジェント・ゲートウェイの1インスタンスを示す模式図である。
【図2】クリアゲート(商標)インテリジェント・ゲートウェイの複数の異なるインスタンスに接続されたルータを含むクリアゲート(商標)システムを示す図である。各インスタンスには、異なるトランザクション・コンファメーション・プロトコルが実装されている。
【図3】銀行のITネットワークと、取引のための複数のコンファメーション実施場所との間に接続されたクリアゲート(商標)システムを示す図である。
【図4】クリアゲート(商標)システムによって取り扱われるトランザクションを報告する、トランザクション情報サービスと、ダッシュボードとを示す図である。
【図5】ダッシュボードの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、ビジネスの規則を使用して、多数のインテリジェント・ゲートウェイに渡って、ビジネス・メッセージを調停する能力を提供する。このアプローチの一実施形態は、多数のコンファメーション実施場所に渡るコンファメーション・メッセージのルーティングであり、各実施場所との通信は、異なるインテリジェント・ゲートウェイによって管理される。
【0035】
調停のためのビジネスの規則により、メッセージが、どのインテリジェント・ゲートウェイに送られるか、および、それに従い、どのコンファメーション実施場所が、その処理を行うかが決定される。このようなビジネスの規則の一例は、クライアントの記録にアクセスして、クライアントの取引が、どこで確認されるかに関して、契約上の同意がなされたかを判定するものである。別の一例は、初期取引コンファメーション・メッセージの内部に包含された情報を使用して、カウンターパーティが、どこで、明白にトランザクションを確認することに同意したかを特定するものである。更なる一例は、そのメッセージが、存在するビジネス・トランザクションの範囲内に、関連づけられるかを判定し、それによって、そのメッセージを、以前、使用されたのと同一のインテリジェント・ゲートウェイにルーティングするものである。
【0036】
本発明の範囲内では、インテリジェント・ゲートウェイは、外部組織と交換されたメッセージが、1セットの関連するビジネス・シナリオの規則に確実に従うようにさせる責任を持っている。更に、インテリジェント・ゲートウェイは、後で「修復」されなくてはならない失敗したメッセージを、エラーの修正をするために再生することができる。
【0037】
図1は、本発明に係るクリアゲート(商標)(ClearGateTM)インテリジェント・ゲートウェイの一例におけるコンポーネントを示している。クリアゲート(商標)インテリジェント・ゲートウェイは、クリアゲート(ClearGate)ゲートウェイ1と、クリアゲート(ClearGate)モニタ2の、2つの主なコンポーネントからなり、これらは互いにインターフェイス手段(概略的に「A」として示す)によって分離されている。クリアゲートゲートウェイ1は、ルーターの形状を取るものとしてよいが、2つの通信ネットワーク間の任意の適切なゲートウェイとして実装してよい。インターフェイス(A)は、1セットのメソッド呼び出し(または関数)を表し、このメソッド呼び出しが、実装されると、そのインターフェイスを使う者、すなわち、ユーザが、このメソッド呼び出し(または関数)手段によって通信を行える。例えば、以下の通りである。

【0038】
任意のクリアゲート(商標)のインスタンスに対するコンテキストは、ある内部ネットワークとある外部ネットワーク間のゲートウェイとして存在し、そこでは、メッセージが、内部ネットワークから外部ネットワークへ、処理のために渡され、返答が、外部ネットワークから、処理の結果として受信され、その後、内部処理のため、内部ネットワーク内に渡される。これは逆もまた、同様とすることができ、すなわち、メッセージは、外部ネットワークから受信され、内部で処理され、返答が、内部ネットワークから外部ネットワークへ送られる。
【0039】
つまり、クリアゲート(商標)システムが解決する問題は、内部ネットワークおよび外部ネットワーク間の調停と、これらの間で交換されるメッセージの監視規則に対する順守である。この監視規則の一実施形態は、WS−CDL(図1に3で示される)等のグローバル記述言語に対してメッセージ・シーケンスを監視するものとすることができる。他の実施形態は、ある派生規則に対してメッセージと関連づけられた状態を監視するものとしてよく、この派生規則は、他のビジネス・シナリオを、例えば、取引における増大量は、それが増大である、その取引の以前の事例よりも高い公称価値を持たねばならないことを、記述する。
【0040】
一般に、インターフェイスと実装の使用は、1つのコンポーネントが他のものを使えるようにするプロセス内パイプライン機構を具現化するものである。この「パイプライン」という用語を、この技術を指すものとして使用する。このアプローチは、インバウンド/アウトバウンド通信アダプタと、メッセージ変換コンポーネントまたはスキーマ・バリデーション・コンポーネントの構成の柔軟性を提供する。
【0041】
このパイプライン技術の好適な実施形態は、ある呼び出しが、コンポーネントAから、B、Cへのパイプラインを行うとき、BからAへのリターンは、CがBに戻った後に発生するように、同期されている。本発明の範囲は、非同期パイプライン技術を含む。
【0042】
「パイプライン」コンポーネントの厳格な実装は、それらが提供するインターフェイスが変化しない限り、変更可能である。つまり、アウトバウンド内部ネットワーク転送コンポーネント4の一実施形態は、JbossまたはMQSeries等のようなJMS(Java Messaging Service)とすることができる。アウトバウンド変換コンポーネント5の一実施形態は、XSLT、Java、MetaMatrix、Polarlake等とすることができる。
【0043】
内部ネットワークからのメッセージは、アウトバウンド内部ネットワーク転送コンポーネント4で、受信される。このメッセージは、トランザクション的に受信されて、失敗のイベントでのデータ消失を回避する。アウトバウンド内部ネットワーク・コンポーネント4は、アウトバウンド変換コンポーネント5によって提供されるインターフェイスを使用する。同一の機能性を、クリアゲートゲートウェイ1によって提供することができる。この例では、アウトバウンド・ネットワーク転送コンポーネント4によって使用されるインターフェイスを実装するアウトバウンド変換コンポーネント5(これは任意選択である)により、内部ネットワークからのアウトバウンド・メッセージを、適切なアウトバウンド・フォーマットに翻訳することができる。
【0044】
(任意選択の)アウトバウンド変換コンポーネント5は、内部ネットワークから受信されたメッセージを、外部ネットワークによって使われるのに適した形式に翻訳し終えたとき、クリアゲートゲートウェイ1(へのパイプライン)上のインターフェイスを呼び出し、そして、クリアゲートゲートウェイ1は、インターフェイス(A)を使用するクリアゲートモニタ2(へのパイプライン)上のインターフェイスを呼び出す。
【0045】
クリアゲート(商標)システムは、その厳格な構成に応じて、パッシブ・モードまたはアクティブ・モードになることができる。パッシブ・モードになっている場合、ゲートウェイは、クリアゲートモニタ2によるメッセージのバリデーションを待つことはしない。バリデーションの結果は、単に、情報としての目的のため、報告され、進行中のメッセージの処理には影響しないようになっている。そのため、ゲートウェイは、アウトバウンド外部ネットワーク転送コンポーネント6上のインターフェイスも呼び出す。アウトバウンド外部ネットワーク転送コンポーネント6は、変換されたメッセージを、所望の外部組織(すなわち、コンファメーション実施場所)に、適切な転送を通して、送る責任を持っている。アウトバウンド外部ネットワーク転送コンポーネント6の一実施形態は、Jboss、AMQP、MQSeries、HTTPを通してのSOAP等を含んでよい。
【0046】
この構成は、パッシブよりも、むしろアクティブな場合、クリアゲートゲートウェイ1は、任意のエラーのイベントにおいて、アウトバウンド外部ネットワーク転送コンポーネント6にメッセージを送らないと決定してよい。
【0047】
パッシブな構成、またはアクティブな構成のいずれかにおいて、アウトバウンド内部転送コンポーネント4と、インバウンド外部ネットワーク転送コンポーネント7は、これらが起動するパイプラインが解放された後、トラッカーコンポーネント8を呼び出すようになっている。
【0048】
トラッカーコンポーネント8の役割は、アウトバウンド内部ネットワーク転送コンポーネント4から、任意選択のアウトバウンド変換コンポーネント5を経由して、アウトバウンド外部ネットワーク転送コンポーネント6に送信されたすべてのメッセージを、または、インバウンド外部ネットワーク転送コンポーネント7から任意選択のインバウンド変換コンポーネント9を経由して、インバウンド内部ネットワーク転送コンポーネント10に、実際に送信されたメッセージを、関係するパーティに、キャプチャし、知らせることである。
【0049】
トラッカーコンポーネント8の好適な実施形態は、公に入手可能な“com.hattricksoftware.tracker.Tracker”のインターフェイスであり、これは、1つ、または複数の特定の実装を有してよい。これは、インターフェイスを構成する関数の呼び出しを定義するJavaパッケージである。インターフェイスの実施形態は、同一の関数の呼び出しを有するが、その背後に実際のコードを有する、あるコードである。トラッカーコンポーネント8は、インターフェイスを実装し、実際の実行コードとして、そのように、それに実施形態を与える。
【0050】
メッセージを処理した後、アウトバウンド内部ネットワーク転送コンポーネント4には、パイプラインが完了したとき、値が返される。それは、成功して、完了する場合もあり、そうでない場合もある。前者の場合、その結果は、アウトバウンド内部ネットワーク転送コンポーネント4によって、トラッカーコンポーネント8に、送られる。後者の場合、パイプラインを経由して元に戻される情報は、発生した問題の詳細のすべてを含むようになっており、この情報は、元のメッセージとともに、トラッカーコンポーネント8に、送られるようになっている。同様に、成功または失敗の結果をもたらす、インバウンド外部ネットワーク転送コンポーネント7によって処理されるメッセージは、トラッカーコンポーネント8に報告されるようになっている。
【0051】
パイプラインの一部であるクリアゲートゲートウェイ1が、クリアゲートモニタ2上のインターフェイス(A)を呼び出すとき、クリアゲートモニタ2は、WS−CDLグローバル記述言語3を使用して、メッセージが、その記述に対して、有効であるか判定する。有効でない場合、メッセージは、それが無効であり、これがクリアゲートゲートウェイ1に戻されることを示す、それに関連づけられたプロパティを有し、クリアゲートゲートウェイ1は、パイプラインの一部として、それを呼び出した、どのコンポーネントにも、その情報を戻す。つまり、クリアゲートモニタ2が有する唯一の責任は、グローバル記述に基づくメッセージの有効性を判定することである。
【0052】
クリアゲートモニタ2は、好ましくは、公に入手可能な“com.hattricksoftware.monitor.Monitor”のインターフェイスを実装したものであり、これは、1つ、または複数の特定の実装を有してよい。これは、インターフェイスを構成する関数の呼び出しを定義するJavaパッケージである。インターフェイスの実施形態は、同一の関数呼び出しを有するが、その背後に実際のコードを有する、あるコードである。クリアゲートモニタ2は、インターフェイスを実装し、実際の実行コードとして、そのように、それに実施形態を与える。現在の実装は、pi4soaモニタ・コンポーネントに関するラッパーであるが、そのコンポーネントに対する、いかなる手法にも制限されない。別の実施形態は、RuleMLに準拠した規則エンジンを使用して、同じ結果を実現するものとしてよい。
【0053】
本実施形態におけるクリアゲートモニタ2を使用して、関連するプロトコルのグローバル記述に対するメッセージを有効にする間、それを使用して、グローバルなモデルおよびXMLスキーマのいずれにおいても、実装することができないメッセージに適用されるセマンティック規則等のビジネス・シナリオの他の態様の確認も行うことができる。つまり、クリアゲートモニタ2の役割は、プロトコルのグローバル記述と、正確なメッセージ・シーケンシングに、制限されない。
【0054】
コンファメーション実施場所26(概略的に図3に示す)からの任意の返答は、インバウンド外部ネットワーク転送コンポーネント7の実装で、受信される。このメッセージは、トランザクション的に受信されて、任意の失敗におけるデータ消失を回避する。インバウンド外部ネットワーク転送コンポーネント7は、クリアゲートゲートウェイ1を経由してパイプラインを行う。クリアゲートゲートウェイ1は、クリアゲートモニタ2へ、パイプラインを行い、クリアゲートモニタ2は、WS−CDLグローバル記述3に対するインバウンド・メッセージの有効性を判定する。
【0055】
クリアゲート(商標)インテリジェント・ゲートウェイが、パッシブ・モードになっている場合、インバウンド・メッセージは、インバウンド内部ネットワーク転送コンポーネント10に向かって、任意の任意選択のインバウンド変換コンポーネント9を経由して、有効性におけるいかなるエラーにもかかわらず、継続して、パイプラインにされるようになっている。有効性におけるいかなるエラーも、クリアゲートモニタ2から、クリアゲートゲートウェイ1を経由して、元に戻って報告され、インバウンド外部ネットワーク転送コンポーネント7へ、元に戻って報告される。インバウンド外部ネットワーク転送コンポーネント7は、成功したメッセージ交換と、エラーになったメッセージ交換の両方を、トラッカーコンポーネント8を経由して、元に戻って報告する。
【0056】
クリアゲート(商標)インテリジェント・ゲートウェイが、アクティブ・モードになっている場合、エラーになったメッセージは、インバウンド内部ネットワーク転送コンポーネント10へのパイプラインにされず、代わりに、パイプラインがインバウンド外部ネットワーク転送コンポーネント7によって、トラッカーコンポーネント8へ、解放されたとして、報告される。
【0057】
インバウンド外部転送コンポーネント7とアウトバウンド内部ネットワーク転送コンポーネント4の両方とも、エラーになったメッセージを再試行または再生することが要求される接続情報のすべてを、維持し、競合条件が発生するイベントで、自動的に再試行するように構成することができる。自動的に再試行する回数が、設定可能な閾値を超えた場合、メッセージ交換は、失敗し、エラーとして記録され、トラッカーコンポーネント8に報告される。
【0058】
メッセージを再生する能力は、クリアゲート(商標)システムによって使用されて、メッセージ内のエラーを修復し、そのままの状態で再生されることができる。一実施形態では、このエラーは、手作業で、検査され、ダッシュボード25を経由して訂正され、その後、再生情報を使用し、そのメッセージを、適切なアダプタ(4または7のいずれか)に再提出することができる。別の実施形態では、あらかじめ設定された規則により、エラーになったメッセージと添付された情報を検査して、それが、手作業による調停をすることなく修復できる一般的な問題かどうかを判定することができる。そして、その場合、再生情報を使用して、修復したメッセージを、適切なアダプタ(4または7のいずれか)に、再提出することができる。
【0059】
図2と図3に示すように、クリアゲート(商標)システムは、典型的に、銀行の内部ITインフラストラクチャ27に、例えば、ルール・ベース・ルータ11を経由して、結合されている(ルータ11は、図3では明確にするために省略したが、いかなる場合にも、任意選択であり、クリアゲート(商標)インテリジェント・ゲートウェイのインスタンスを1つだけ本図に示す。)。特に、クリアゲート(商標)システムは、(JMSを使用する、アウトバウンド・メッセージ用ポート16と、インバウンド・メッセージ用ポート20とを経由して、)内部ITネットワーク27と、(ポート17〜19を経由して、)コンファメーション実施場所26の外界とに、接続される。また、このコンファメーション実施場所26の外界は、JMSベースであり、採用された特定の転送機構にラップされる。DTCCに対し、これは、MQSeriesを使用しているが、他のものに対しては、異なるものでよい。
【0060】
ルータ11は、内部ITネットワーク27から、メッセージを、それがポート20を経由して到着する、どのような形式においても、受信する。ルータ11に関連づけられたビジネス規則12(例えば、RuleMLにおけるシナリオ規則)に基づき、ルータ11は、クリアゲート(商標)インテリジェント・ゲートウェイのインスタンス13〜15のどれが、メッセージを取り扱うべきかを判定する。
【0061】
この例では、クリアゲート(商標)インテリジェント・ゲートウェイの1インスタンス13は、Deriv/SERVコンファメーションを取り扱い、別のインスタンス14は、バイラテラル・コンファメーションを取り扱い、残りのインスタンス15は、SwapsWireコンファメーションを取り扱う。
【0062】
クリアゲート(商標)インテリジェント・ゲートウェイの個別のインスタンス13〜15は、メッセージの同一のアクティブおよびパッシブな監視のすべてを提供することを続け、効力のある内部ネットワーク27と、外部ネットワーク26の他端で要求される処理との間の調停を行う。
【0063】
インスタンス13〜15それぞれの各トラッカーコンポーネント8からの監視情報は、トランザクション情報サービス23(図4参照)に、ポート20〜22を経由して、それぞれ送られる。
【0064】
本発明の更なる態様は、相関エンジンを使用して、トラッカーコンポーネントによって生成された監視情報を再構成し、各クリアゲート(ClearGate)インテリジェント・ゲートウェイによって管理されているビジネス・トランザクションの「グローバルな」表示を生成するものである。この情報は、トランザクション情報サービス23を経由して、ユーザに提示されるようになっている。
【0065】
相関エンジンは、「送られたメッセージ」の通知のマッチングによって動作し、プロトコルのWS−CDL記述における特定の相互作用に関係づけられ、同一のWS−CDL相互作用に対する、相当する「受信されたメッセージ」の通知を伴う。これらの通知は、種々のインテリジェント・ゲートウェイによって生成されるようになっており、種々の通信ロールを表している。いったん、これらのマッチングの通知が、受信されたら、完了した「相互作用」(すなわち、メッセージが、あるパーティによって送られ、別のパーティによって受信されたという事実を表している)は、ユーザに提示することができる。
【0066】
図4に示すように、トランザクション情報サービス23は、1セットの複製データベースであり、この複製データベースは、クリアゲート(商標)システムから受信される監視情報を使い、これを保存する。そして、この情報は、適切なインターフェイス24を使用して、関係するパーティに提供され、このインターフェイス24は、ダッシュボード25から呼び出すことができる。このインターフェイスの一実施形態は、WSDLインターフェイスを用いたWebサービスを使用して、提供されるものである。別の実施形態は、JMSキューを使用して提供されるインターフェイスとしてよい。
【0067】
ダッシュボード25は、成功したトランザクションと、エラーになったトランザクションを報告し、更に、後者は適切に取り扱われ、再提出される。ダッシュボードの更に詳しい図解を、図5に示す。ここで、特定の取引に関係するメッセージを、特定することができる。
【0068】
当業者には理解されうるように、本発明は、ネットワーク間のメッセージのディジタル・マッチングのための強力な機構を提供し、所定のメッセージング・プロトコルに対するメッセージのコンプライアンスを確実にするものである。特に、そのプロトコルは、コンファメーションやマッチング等の、特定のトランザクション処理に関連づけられている。インテリジェント・ゲートウェイのシステムは、適切なゲートウェイを経由してメッセージのルーティングを可能にし、同時に、そのメッセージに関する情報と、それらのコンプライアンスを追跡し、中心に保存することができ、相互に関係づけ、トランザクションと個別のロールのグローバルなイメージを、その内部に再形成することができる。
【符号の説明】
【0069】
1・・・クリアゲート(ClearGate)ゲートウェイ 2・・・クリアゲート(ClearGate)モニタ 3・・・WS−CDLグローバル記述言語 4・・・アウトバウンド内部ネットワーク転送コンポーネント 5・・・アウトバウンド変換コンポーネント 6・・・アウトバウンド外部ネットワーク転送コンポーネント 7・・・インバウンド外部ネットワーク転送コンポーネント 8・・・トラッカーコンポーネント 9・・・インバウンド変換コンポーネント 10・・・インバウンド内部ネットワーク転送コンポーネント 11・・・ルータ 23・・・トランザクション情報サービス 24・・・インターフェイス 25・・・ダッシュボード25

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連のディジタル・メッセージの交換を、パーティ間で調停して、トランザクション処理に関連づけられている所定のメッセージング・プロトコルに対するコンプライアンスを確実にする方法であって、前記方法は、
前記一連のディジタル・メッセージを、ゲートウェイで受信するステップと、
前記ディジタル・メッセージを有効にするステップとを含み、前記ディジタル・メッセージを有効にするステップは、
前記ディジタル・メッセージが前記ゲートウェイで受信されると、前記ディジタル・メッセージを監視するステップと、
前記トランザクション処理のための前記所定のメッセージング・プロトコルと、前記メッセージを比較するステップと、
前記メッセージが、前記所定のメッセージング・プロトコルに従っているか、あるいは、逸脱しているかを判定するステップと、
前記メッセージが、前記所定のメッセージング・プロトコルに従っているか、あるいは、逸脱しているかを示す通知を生成するステップとを実行することからなることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ゲートウェイは、メッセージを受信したとき、前記メッセージを有効にする前記ステップを実行する監視コンポーネントを呼び出すことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記監視コンポーネントは、前記トランザクション処理のための前記所定のメッセージング・プロトコルのコンピュータ・コード化された記述を保存することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記記述は、グローバル記述言語で、コンピュータ・コード化されていることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記グローバル記述言語は、WS−CDL(Web Services Choreography Description Language)からなることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記有効にするステップは、前記ディジタル・メッセージのシーケンスを監視し、前記所定のメッセージング・プロトコルと、前記シーケンスを比較して、前記受信されたメッセージは、前記所定のメッセージング・プロトコルについて有効なメッセージの一部であるかを判定するステップと、それに応じて、コンプライアンス通知、または非コンプライアンス通知を生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項3または4に記載の方法。
【請求項7】
前記受信されたディジタル・メッセージのシーケンスを、前記所定のメッセージング・プロトコルに従うように、順序付けをし直すステップを更に含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記メッセージング・プロトコルは、コンファメーションおよびマッチング・プロトコルであることを特徴とする、前記請求項のいずれか一に記載の方法。
【請求項9】
前記メッセージが、前記所定のメッセージング・プロトコルに従っているか、あるいは、逸脱しているかを判定するステップは、1セットの派生規則と比較することによって実行されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
非コンプライアントなメッセージを自動的に再生するステップを、更に含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか一に記載の方法。
【請求項11】
規則を自動的に適用して、非コンプライアントなメッセージを訂正するステップを、更に含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか一に記載の方法。
【請求項12】
規則を手作業で適用して、非コンプライアントなメッセージを訂正するステップを、更に含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか一に記載の方法。
【請求項13】
トラッカーコンポーネントを呼び出して、前記メッセージが、前記所定のメッセージング・プロトコルに従っているか、あるいは、逸脱しているかを示す前記通知を含む前記メッセージに関するトラッカー情報を転送するステップを、更に含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか一に記載の方法。
【請求項14】
前記トラッカー情報は、メッセージ再生情報を含むことを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記トラッカー情報は、中央相関ユニットへ転送されることを特徴とする、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
複数のトラッカーコンポーネントからのトラッカー情報は、前記相関ユニットで結合されて、トランザクションの全体の状態の表示を提供することを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ゲートウェイからの前記メッセージを、前記コンプライアンス通知に応じて、転送するステップを、更に含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか一に記載の方法。
【請求項18】
前記所定のメッセージング・プロトコルに従っていないメッセージが、ゲートウェイによって転送されないようにするステップを含むことを特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
1つ、または複数のパイプラインに渡って、実行されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一に記載の方法。
【請求項20】
前記一連のメッセージを、前記ゲートウェイに、前記メッセージに関して好適な宛先に応じて、ルーティングするステップを、更に含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか一に記載の方法。
【請求項21】
一連のディジタル・メッセージの交換を、パーティ間で調停して、トランザクション処理に関連づけられている所定のメッセージング・プロトコルに対するコンプライアンスを確実にするインテリジェント・ゲートウェイであって、前記インテリジェント・ゲートウェイは、
第1の通信ネットワークからメッセージを受信し、第2の通信ネットワークへメッセージを転送するように適合され、前記第2の通信ネットワークからメッセージを受信し、前記第1の通信ネットワークへ前記メッセージを転送するように更に適合されているゲートウェイと、
前記ゲートウェイによって受信される前記一連のメッセージの、所定のメッセージング・プロトコルに対するコンプライアンスを監視し、前記メッセージが、前記所定のメッセージング・プロトコルに従っているか、あるいは、逸脱しているかを示す通知を生成するように適合されている監視コンポーネントとを含むことを特徴とするインテリジェント・ゲートウェイ。
【請求項22】
前記ゲートウェイは、一連のメッセージを受信次第、前記監視コンポーネントを呼び出すように適合されていることを特徴とする、請求項21に記載のインテリジェント・ゲートウェイ。
【請求項23】
前記ゲートウェイは、前記監視コンポーネントのインターフェイスを呼び出すように適合されていることを特徴とする、請求項22に記載のインテリジェント・ゲートウェイ。
【請求項24】
前記ゲートウェイは、前記第1の通信ネットワークから受信したメッセージを、前記第2の通信ネットワークへ転送するのに適した形式に変換するように適合されていることを特徴とする、請求項21乃至23のいずれか一に記載のインテリジェント・ゲートウェイ。
【請求項25】
前記ゲートウェイは、前記第2の通信ネットワークから受信したメッセージを、前記第1の通信ネットワークへ転送するのに適した形式に変換するように適合されていることを特徴とする、請求項21乃至24のいずれか一に記載のインテリジェント・ゲートウェイ。
【請求項26】
前記ゲートウェイは、ルータを含むことを特徴とする、請求項21乃至25のいずれか一に記載のインテリジェント・ゲートウェイ。
【請求項27】
1つ、または複数のパイプラインを含むことを特徴とする、請求項21乃至26のいずれか一に記載のインテリジェント・ゲートウェイ。
【請求項28】
前記メッセージが、前記所定のメッセージング・プロトコルに従っているか、あるいは、逸脱しているかを示す前記通知を含むトラッカー情報を転送するように適合されているトラッカーコンポーネントを、更に含むことを特徴とする、請求項21乃至27のいずれか一に記載のインテリジェント・ゲートウェイ。
【請求項29】
一連のディジタル・メッセージの交換を、パーティ間で調停して、トランザクション処理に関連づけられている所定のメッセージング・プロトコルに対するコンプライアンスを確実にするシステムであって、前記システムは、請求項21乃至28のいずれか一に記載の複数のインテリジェント・ゲートウェイを含むことを特徴とするシステム。
【請求項30】
前記メッセージに関して好適な宛先に応じて、前記複数の種々のインテリジェント・ゲートウェイへ、一連のメッセージをルーティングするように適合されているルータを、更に含むことを特徴とする、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記ルータは、請求項21乃至28のいずれか一に記載のインテリジェント・ゲートウェイであることを特徴とする、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記複数のインテリジェント・ゲートウェイの前記トラッカーコンポーネントから受信された情報を関係づける中央相関ユニットを、更に含むことを特徴とする、請求項28に従属するときの、請求項29乃至31のいずれか一に記載のシステム。
【請求項33】
1つ、または複数のトラッカーコンポーネントから受信された情報に関係するメッセージを表示するインターフェイスを呼び出すように適合されているダッシュボードを、更に含むことを特徴とする、請求項28に従属するときの、請求項29乃至32のいずれか一に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−505609(P2011−505609A)
【公表日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531579(P2010−531579)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【国際出願番号】PCT/GB2008/003688
【国際公開番号】WO2009/056844
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(510121765)ハット トリック ソフトウェア リミテッド (1)
【Fターム(参考)】