説明

メッセージの配送方法及びシステム

【課題】 受信者個人に電子メールを送る感覚でメッセージを送信することができるメッセージの配送方法及びシステムを提供することを課題としている。
【解決手段】 受信者1個別のメッセージの受付先を公開部4により公開せしめ、送信者3による受信者1へのメッセージデータを上記受付先を備えた受付部6によりインターネットを介して受信し、受付部6が各受信者個別に上記メッセージデータを読み出して所定の形式に処理して配送部7に送信し、配送部7が所定の形式に処理されたメッセージデータから配達形式に加工して受信者1にメッセージを配送する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は所定の受信者に送信者からのメッセージを代行して届けるメッセージのメッセージ配送方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来所定の人や団体等に対してメッセージを送る場合、メッセージを送る送信者は新聞広告や雑誌の記事、広告等を通じて上記所定の人や団体等の受信者の情報を得て、当該情報に従ってメッセージの送信を行う。そして一般的に送信者は受信者の住所を上記情報ソースから得て、電報や電話、郵便により受信者にメッセージを送付(配送)している。
【0003】一方近年電子メールやインターネットのウェブサイトから送信者が電報局側に電報を依頼することによって、受信者にメッセージ(電報)を送るインターネット電報システム等も知られている。そしてこのインターネット電報システムは、一般的には電報局側の電子メールサーバ(Mail Transfer Agent)又はウェブサーバが送信者からの電報の申し込みを受付け、このコンピュータネットワーク(通常インターネット)を介して得た電報の申し込みに従って、受信側の電報局が受信者に電報(メッセージ)を届けるものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、送信者は電報局に対してメッセージ(電報)の依頼を行うため、電子メールを使用するにもかかわらず、電報の依頼感覚が強くなり、個人宛に電子メールを出す感覚とは異なる違和感を覚える場合があるという欠点があった。このため、送信者においてあたかも受信者個人に電子メールを送る感覚でメッセージを送信することができるメッセージの配送システムが望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明のメッセージの配送方法は、公開部4が受信者1個別のメッセージの受付先を公開し、送信者3が上記受付先に受信者1へのメッセージデータをインターネットを介して送信し、上記受付先を備えた受付部6が各受信者個別に上記メッセージデータを読み出して所定の形式に処理して配送部7に送信し、配送部7が所定の形式に処理されたメッセージデータから配達形式に加工して受信者1にメッセージを配送することを特徴としている。
【0006】また本発明のメッセージの配送システムは、第1にメッセージの受信者1と該受信者1にメッセージを送る送信者3との間に、各受信者1個別のメッセージデータの受付先を公開する公開部4と、受信者1へのメッセージの配送を送信者3から受け付ける受付部6と、受信者1にメッセージの配送を行う配送部7とを配設し、受付部6に送信者3からインターネットを介して送信されるメッセージデータを受信して、コンピュータ通信可能なネットワークを介して配送部7に中継して送信するコンピュータ端末を設け、受付部6のコンピュータ端末が、受信者1へのメッセージデータを受信する受信者個別のスプールを有する運用サーバ12と、該運用サーバ12に送信されるメッセージデータに基づいてメッセージを所定の形式に作成して配送部7に送信する配信サーバ13とを備え、配送部7のコンピュータ端末が、受付部6によって中継されたメッセージデータを受信するデータ受信クライアントを備え、配送部7にて受信したメッセージデータから受信者1に配送するメッセージを配達形式に加工する加工手段とを設けたことを特徴としている。
【0007】第2に公開部4に受付部6とコンピュータ通信可能なネットワークを介した通信が可能なコンピュータ端末を配置したことを特徴としている。
【0008】第3に運用サーバ12がウェブサーバ又は電子メールの受信をサポートするメールサーバであることを特徴としている。
【0009】第4にユーザ制御サーバ11を運用サーバ12に接続して設け、ユーザ制御サーバ11は各受信者1個別のスプール用のファイルを上記運用サーバ12に作成せしめるとともに受信者1側からのスプール用のファイル作成の依頼に起因して、予め決められた期間のみスプール用のファイルが有効となるように作動せしめられることを特徴としている。
【0010】第5に運用サーバ12にて作成されるスプールファイルに対する電子メールアドレス又はスプールファイル名が、運用サーバ12内の既存の電子メールアドレス又はスプールファイル名と重複する場合に、スプールファイル名又はスプールファイルに対する電子メールアドレスを変更する変更手段18をユーザ制御サーバ11に接続して設けたことを特徴としている。
【0011】第6に送信者3からのメッセージデータを読み出し、該メッセージデータを編集して依頼内容を送信者3が確認するべく送信者3に返送する電子メールを自動作成する自動編集手段23を運用サーバ12に接続して設けたことを特徴としている。
【0012】第7に配送部7を複数設け、メッセージを受信する受信者1の近傍に位置する配送部7に受付部6からメッセージデータを送信せしめるように設定するデータ作成手段28を配信サーバ13に設けたことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明をメッセージ配送システムに適用した本発明の実施例の形態について説明する。
【0014】図1は本発明のメッセージの配送システムの全体システム図であり、本システムは、メッセージの受信者1と、該受信者1へのメッセージの配信を依頼する依頼者2と、受信者1にメッセージを送信する送信者3との間に介在し、送信者3が各受信者1に対して個別に設定される所定の電子メールアドレス(メールアドレス)にメッセージを含んだ電子データ(メッセージデータ)を送信することで、受信者1に送信者3からのメッセージ(多くの場合は紙等に印字されたメッセージ)を配送するシステムとなっている。
【0015】すなわち本システムは上記受信者1、依頼者2、送信者3の他、依頼者2からの上記依頼を電話やFAX等により受ける仲介部(仲介業者)4、該仲介業者4からの依頼により送信者3からの電子メールを受信するメールスプールを開設する受付部(受付業者)6、送信者3により送信されたメッセージデータに基づいたメッセージメールを上記受付業者6から電子メールにより受信し、メッセージメールからメッセージを加工して取り出し、受信者1に配送する配送部(配送業者)7、上記受付業者6からメッセージメールを受信して依頼者2又は受信者1から本システムの使用料を徴収する金融業者8とが存在する。
【0016】そして少なくとも仲介業者4、受付業者6、配送業者7、金融業者8、送信者3にコンピュータネットワークを介した通信が可能なネットワークコンピュータ端末が備えられ、各コンピュータ端末はインターネットを介した電子メール又はWWW(World Wide Web)の少なくとも一方又は両方をサポートした通信が可能となっている。
【0017】以上のように構成されたメッセージ配送システムは、依頼者2が仲介業者4にメッセージの配送の仲介を依頼し、仲介業者4が受付業者6に受信者個別の受付先(電子メールアドレス)の発行を依頼するとともに、公開部となり受信者1の宛先となる送信先を公開する。そして送信者3から送信されたメッセージは送信者3→受付業者6→配送業者7へと配送され、配送業者7から受信者1へと送られる。
【0018】なお上記受信者1に届けるメッセージとして、メッセージが紙等に印字されたもの、写真、ビデオテープ等のような画像が収容された画像収容メディア、カセットテープ等のような音声が収容された音声収容メディア、コンピュータ等により再現可能なデータが収容されたフロッピー(登録商標)ディスク等のコンピュータ用のリムーバブルメディア等が考えられ、受信者1側がコンピュータを備えていない場合にも、受信者1が確認することができるメッセージを届けることができる。
【0019】また通常送信者3は不特定多数であり、このため仲介業者4は後述するように依頼者2からの依頼により受付業者6が開設するメールスプールの電子メールアドレスを公開部として不特定多数の人に公開する必要があり、一般的には新聞社や雑誌社、広告会社等となっている。そして仲介業者4は新聞、雑誌、広告、仲介業者4のインターネット上のウェブページ等に受信者1にメッセージを送るための受信者個別の電子メールのメールアドレスを掲載してメッセージの送信を促す。
【0020】一方図2は、インターネットなどの通信網を介して接続される送信者3,仲介業者4,受付業者6,配送業者7の接続状態、配送業者7と受信者1、仲介業者4と依頼者2の接続状態、受付業者6の構成を示すブロック図である。
【0021】上記受付業者6側のコンピュータ端末5には、図2に示されるように仲介業者4からの本システムの利用の申し込みの電子メール(依頼メール)の受信と、該依頼メール(依頼内容)に対する回答の電子メール(回答メール)の送信が可能な受付メールサーバ9と、メールアドレスの発行制御を行うユーザ制御サーバ11と、該ユーザ制御サーバ11によって送信者3からの電子メールをスプール(蓄積又は一時保存)するメールスプールが作成される運用メールサーバ12と、運用メールサーバ12が受信した送信者3からの電子メールを処理して配送業者7側に中継して送信するメール制御サーバ13等が備えられている。
【0022】すなわち上記コンピュータ端末5は、上記各サーバ9,11,12,13等を介して送信者3からの電子メールを受信して後述するように所定の処理を施して受信者1側(配送業者7)に中継して送信する構造となっている。次に上記各サーバの構造について説明する。
【0023】上記受付メールサーバ9はインターネットを介した電子メールの送受信が可能な従来公知のものと同様であり、仲介業者4とインターネットを介した電子メールの送受信が可能となっており、少なくとも仲介業者4からの電子メールをスプールする仲介業者4用のメールスプールを備えたものとなっている。すなわち依頼者2からの依頼内容(依頼データ)と該依頼内容に対する回答内容(回答データ)は電子メール(依頼メール及び回答メール)の形式で仲介業者4と受付業者6との間で通信される。
【0024】なお上記依頼データは、依頼者情報及び分類情報とからなり、依頼者情報として依頼者及び受信者の氏名,氏名のローマ字表記,住所,郵便番号,電話番号が、また分類情報として利用種別と利用期間(開始年月日と終了年月日)が各設定されている。また利用種別とはどのような目的で本システムを使用するかを設定するものであり、予め設定された利用種別を選択するように構成されている。
【0025】例えば上記利用種別として葬儀等において受信者側にお悔やみのメッセージを送信する際に使用する弔辞,結婚式等において受信者にお祝いのメッセージを送信する際に使用する祝辞,スポーツ選手の試合等に際して激励のメッセージを送信する際に使用する激励が設定されており、所定のスポーツ選手に試合前に激励のメッセージを送信するために本システムを使用する場合は、利用種別が「激励」となる。
【0026】一方上記ユーザ制御サーバ11は受付メールサーバ9から依頼データ(依頼メール)を読み出し、後述するように受信者1個別のメールスプールを運用メールサーバ12に作成せしめるように構成されており、すなわち受付業者6はユーザ制御サーバ11を介して、仲介業者4から受付メールサーバ9に送られる依頼内容のデータ(依頼データ)に基づいて受信者1の個別のメールスプールを運用メールサーバ12に作成する。
【0027】そして上記運用メールサーバ12は複数のメールスプールを有することが可能な構成となっており、インターネット等のTCP/IPをサポートしたコンピュータネットワークを介した電子メールの送受信が可能なMTA(Mail TransferAgent)と、ローカルなメールスプールに電子メールを配信するMDA(Mail Delivery Agent)の機能を備え、MTAからMDAにローカルな電子メールを送ることで、各受信者1個別のメールスプールにメールを配信(送信)することができるものとなっている。また通信プロトコルとして少なくともSMTPをサポートしたものとなっている。
【0028】各サーバは以上のように構成されており、図1及び受付業者6の構成を示す図3に示されるように、仲介業者4側は送信者3側に備えられたコンピュータ端末10内のメールクライアントからの電子メール(送信者3から受信者1へのメッセージを含んだ電子メール)を運用メールサーバ12によって受信して、該電子メールをMTA→MDAと介して各受信者1個別のメールスプールに配信してスプールする。
【0029】そしてメール制御サーバ13が後述するように運用メールサーバ12の受信者1個別のスプールから各受信者1(スプール)毎に電子メールを取り出して配送業者7側にメッセージメールとして送信者3から受信者1へのメッセージをデータ送信する。なお受付メールサーバ9と運用メールサーバ12を1台のコンピュータ端末にMTAのアプリケーションをインストールすることで兼用させてもよい。
【0030】次に上記ユーザ制御サーバ11について、さらに詳細に説明する。ユーザ制御サーバ11は、図3に示されるように自動ユーザ作成手段14、利用種別コード変換手段16、ユーザ名変更手段18、回答データ送信手段19、アカウント期限管理手段21などから構成されており、上記自動ユーザ作成手段14が前述のように、仲介業者4から受付メールサーバ9に送信される依頼メールを自動的に読み出し、依頼データに基づいて自動的に運用メールサーバ12に受信者1のアカウントを作成せしめて、受信者1の個別のメールスプールを作成せしめる。
【0031】なお本実施形態において運用サーバ12側でのアカウントの作成は、自動ユーザ作成手段14が運用メールサーバ12側のユーザ(アカウント)作成機能(adduserやuseradd等のコマンド)を呼び出すことで行われ、自動ユーザ作成手段14が、依頼データから、受信者1のローマ字表記の氏名,利用種別,開始年月日を抽出し、「"名前に使用されているアルファベット-名字"+利用開始年月日」をアカウント名(メールスプール名)として、アカウント作成機能に引数として渡し、上記コマンドが運用メールサーバ12に受信者1のアカウントを追加して、受信者1のメールスプールを作成する。
【0032】また自動ユーザ作成手段14は、このユーザ(アカウント)登録時にアカウント(メールスプール)の有効期限として、依頼データの終了年月日を抽出し、該終了年月日に所定に日数を追加した日時も運用メールサーバ12側のアカウント作成機能に送り、メールスプールの有効期限を設定する。
【0033】さらに自動ユーザ作成手段14は、当該運用メールサーバ12のドメイン名のエイリアス(alias)として"利用種別のコード".comを当該運用メールサーバ12を管理するDNSサーバ32、又は当該運用メールサーバ12のMTA33のコントロールファイルに追加する等によって、ドメイン名が"利用種別のコード".comの電子メールが運用メールサーバ12に届くようにも設定する。
【0034】なお利用種別のコードは、上記利用種別コード変換手段16が、依頼データの利用種別を抽出して利用種別を予め設定したコードに変換し、本実施形態の場合、利用種別が弔辞であればmail-cond,祝辞であればmail-cong,激励であればmail-encというコードに変換するように構成されている。
【0035】また前述のアカウント期限管理手段21は、自動ユーザ作成手段14により登録されたアカウント(メールスプール)の期限をユーザデータベース17からチェックし、アカウント(ユーザ)の有効期限から所定日数を引いて利用終了日時を演算し、利用終了日時を越えると、該当メールスプールに利用終了を警告する電子メールを運用メールサーバ12のMTA33とMDAを介して送信し、ユーザアカウント(メールスプール)の有効期限切れの時点で当該アカウントをメールサーバから自動的に削除する。
【0036】以上により例えば受信者がセコム太郎(secom taro)、利用開始年月日が2000年11月11日、利用終了年月日が2000年12月12日、利用種別が激励で、運用メールサーバ12がmail.XXXX.co.jpであり、ドメインXXXX.co.jpのMXレコードがmail.XXXX.co.jpであるとすると、ユーザ制御サーバ11は運用メールサーバ12にユーザ名がt-secom20001111となるユーザ(アカウント)を有効期限を2000年12月26日に設定して追加し、さらに運用メールサーバ12又はDNSサーバ32にXXXX.co.jpのailiasとしてmail-enc.comを設定する。
【0037】これによりインターネットを通じたt-secom20001111@mail-enc.com宛の電子メールはmail.XXXX.co.jp(運用メールサーバ12)のユーザ(アカウント)t-secom20001111のメールスプールに送信され、すなわちt-secom20001111@mail-enc.com(受信者1)宛に電子メールを送信すると、運用メールサーバ12(mail.XXXX.co.jp)の受信者1個別のメールスプール(所定のディレクトリに配されたファイルt-secom20001111)に電子メールが送信されてスプールされる。
【0038】なおユーザ制御サーバ11には、前述のようにユーザ名変更手段18が備えられており、ユーザ名変更手段18が運用メールサーバ12の全ユーザが管理されたユーザデータベース17(通常運用メールサーバ12側に備えられている)を参照し、登録すべきアカウント名(メールスプール名)が既に登録されている場合、自動ユーザ作成手段14が作成するアカウント(ユーザ)名を変更することが可能となっている。
【0039】このときユーザ名変更手段18は、「名前に使用されているアルファベット」の数を1つずつ増加させて、ユーザ名を変更するように構成されており、例えば上記セコム太郎(secom taro)の場合、ユーザ名変更手段18により、ユーザ登録する際にt-secom20001111が既に登録されていると、次にユーザ名をta-secom20001111としてユーザ登録しようとし、さらにta-secom20001111も既に登録されている場合は、ユーザ名をtar-secom20001111としてユーザ登録しようとする。
【0040】そして名前に使用されているローマ字のすべての組み合わせを順列で試し(この例の場合は4P1+4P2+4P3+4P4=64回)、ユーザ名が重複しないようにユーザの登録を行う。
【0041】以上に示されるユーザ名変更手段18により比較的高い確率でユーザの登録が可能(ユーザデータベース17内でユーザ名が重複すると運用メールサーバ12においてユーザ登録できない)となるが、ユーザ名の重複によりユーザ(メールアドレス)登録ができない場合もケースによっては発生し、この場合は受付業者6側で運用メールサーバ12に手動でユーザ登録を行い、受付メールサーバ9側にユーザ名(メールアドレス)を手動で送る必要がある。ただしユーザ名変更手段18により手動でのユーザ登録のケースは少なく稀となる。
【0042】特に前記アカウント期限管理手段21により、運用メールサーバ12側においては、所定期限でアカウント(メールスプール)が削除され、運用メールサーバ12に必要以上の負荷がかからず、また使用可能となるアカウント名も増加するため、上記アカウント名の変更等も必要最低限となり、メールスプールの作成を円滑に行うことができる。
【0043】またアカウント期限管理手段21により運用メールサーバ12側において所定の受信者のメールスプールの有効期限を容易に管理することができるため、有効期限切れが近い、又は有効期限切れの受信者1に対応する依頼者3等に有効期限に関する情報を送ることができ、受信者1側(依頼者3等)はメールスプールの有効期限等を容易に認識することができる。
【0044】そして上記回答データ送信手段19が、自動ユーザ作成手段14側から情報を得て、設定された受信者1個別の電子メールアドレスを含む回答データ(回答メール)を自動的に作成して受付メールサーバ9に送信する構成となっており、この回答データ送信手段19によって、回答メールが受付メールサーバ9を介して仲介業者4側に返信される。
【0045】これにより仲介業者4は上記回答メールによって受信者1個別の電子メールアドレスを確認することができ、前述のように新聞、雑誌、広告等に受信者1にメッセージを送るための電子メールのメールアドレスを掲載してメッセージの送信を促すことができる。例えば上記例の場合は「セコム太郎選手への応援メッセージはt-secom20001111@mail-enc.comに電子メールにてお願いします。受付は12月12日までです。」等の広告等を掲載することが可能となる。
【0046】なお以上に示す自動ユーザ作成手段14(ユーザ制御サーバ11)の作動は自動的に行われ、すなわち仲介業者4が依頼メール(依頼データ)を受付メールサーバ9に電子メールにより送信することによって自動的に受付業者6側の運用メールサーバ12に受信者1の個別のメールスプールが形成され、仲介業者4側に上記メールスプールに対する電子メールアドレスが通知される。
【0047】また受付業者6側には、ユーザ制御サーバ11に連牽せしめて、依頼データに含まれる依頼者データを抽出して運用メールサーバ12のユーザデータベース17と連携させてデータベースとして構築せしめる依頼者データベースサーバ22も備えられており、依頼者2及び受信者1のデータもデータベースとして依頼者データベースサーバ22において管理せしめられている。これにより依頼者2や受信者1の氏名,住所,郵便番号等も依頼者データベースサーバ22に蓄積される。
【0048】一方前述のように仲介業者4により掲載された広告等を送信者3が見ることによって、送信者3が受信者1に対してメッセージを送る場合(上記例の場合は受信者セコム太郎選手に激励のメッセージを送る場合)、送信者3は受信者1に贈りたいメッセージを、前述のように自動的に作成される当該受信者(セコム太郎選手)専用のメールアドレスに対して、メッセージを含む電子データ(メッセージデータ)を電子メールとして送信する。これにより運用メールサーバ12における上記受信者専用(個別)のメールスプールには、各送信者3から送信される電子メールが蓄積される。
【0049】次にメール制御サーバ13について、受付業者6におけるメール制御サーバ13と運用メールサーバ12との接続状態を示した図4に従って説明する。図4R>4に示されるようにメール制御サーバ13は、メール自動編集手段23、メッセージメール作成手段28、配送業者検索手段29、課金設定手段31を等有して構成される。
【0050】まずメール自動編集手段23について説明する。メール自動編集手段23は、送信者3からの電子メールを自動的に編集するものであり、運用メールサーバ12の受信者個別のメールスプールから電子メールを読みだし、所定の形式に編集して送信者(送信者3のメールアドレス)にメッセージの確認を問い合わせるためのデータ(問い合わせデータ)を作成するとともに、問い合わせデータを備えた送信者3への返信の電子メール(問い合わせメール)を作成し、この問い合わせメールをメールサーバ(メール制御サーバ13が問い合わせメールを送るMTAを備えたメールサーバ)を介して送信者3に自動返信するように構成されている。
【0051】すなわち上記メール自動編集手段23は、問い合わせメールのヘッダを自動生成するヘッダ生成手段24と、問い合わせデータを自動的に生成するデータ作成手段26と、本文に添付ファイル(問い合わせデータ)を添付するファイル添付手段27とを備えており、上記各手段等により前述の機能を実現している。
【0052】このとき上記ヘッダ生成手段24は、従来公知のメーラ(メールクライアント)アプリケーション(smtp及びpop又はimapクライアントアプリケーション)等において実現されている返信メール作成機能と同様のものであり、詳細な説明は割愛するが、送信者3からの電子メールのFrom 又は Return-Pathを問い合わせメールのTo:に書き込みヘッダを自動生成するものである。
【0053】またファイル添付手段27は問い合わせメールをマルチパートの電子メールとするとともに、後述するようにデータ作成手段26により自動作成される問い合わせデータを、本文の次のパートに暗号化して書き込むものとなっており、データのエンコーディングと書き込みをサポートするものとなっている。
【0054】なお問い合わせデータはHTMLファイルとなっており、ウェブブラウザにより表示(実行)すると、「利用種別」とタイトルが書かれた利用種別フィールドに利用種別内容が、「受信メッセージ」とタイトルが書かれたメッセージフィールドに送信者が受信者に贈るメッセージが、「情報」とタイトルが書かれた情報フィールドには内容が空白で表示されるとともに、後述するように画像や音声ファイル等のファイルを確認データに追加させるファイル添付操作ボタンと、後述するサービスのデータを確認データに追加させるサービス設定ボタンと、確認データを自動的に受付業者のメール制御サーバに送信せしめる送信ボタンとが表示されるものとなっている。
【0055】そしてデータ作成手段26は、上記問い合わせデータを自動生成するものとなっており、上記各フィールドのタイトルが書き込まれている問い合わせデータのスケルトンに、サービス説明フィールドに書き込む内容としてメールスプールに蓄積された送信者3からの電子メールのヘッダにおけるTo:から始まる要素における@と@以降の最初の.(ドット)までのテキストを抽出して利用種別のコードを判別し、該コードから利用種別を特定して利用種別フィールドにデータとして書き込み、さらに送信者からの電子メールのヘッダを除いた部分(本文)をメッセージとしてメッセージフィールドにデータとして書き込む構成となっている。
【0056】例えば送信者3からの電子メールのヘッダにTo:t-secom20001111@mail-euc.comが含まれており、本文がContent-Type: text/plain; charset=ISO-2022-JPから開始されている場合、データ作成手段は@と.(ドット)との間のmail-encを抽出し、問い合わせデータの使用種別フィールドにmail-encに対応する利用種別名である「激励」と書き込み、Content-Type: text/plain; charset=ISO-2022-JP以降の本文を抽出してメッセージフィールドに書き込む。
【0057】またファイル添付ボタン,サービス設定ボタン,送信ボタンはウェブブラウザで表示させると、マウス等によりクリックすることができるボタンとなるように前述のスケルトンに予め作成されており、各ファイル添付ボタンをクリック(実行)すると、添付ファイルを参照する画面がウェブブラウザ上に表示され、添付するファイルを選択すると、該ファイルをデータに展開して確認データに追加し、サービス設定ボタンをクリックすると、設定可能なサービスの一覧が表示され、任意のサービスを選択すると当該サービスに該当するコードが確認データに追加され、送信ボタンをクリックすると、確認データをメール制御サーバ13に送信するように、各ボタンに実行内容が設定されている。
【0058】なお前述のサービスとは、予め受付業者6側で設定されている受信者1に届けるメッセージに対するサービスであり、例えば受付業者6側は比較的シンプルなケースに印字したメッセージを収容して受信者1に届けるものをレギュラー,レギュラーに比較して豪華なケースにメッセージを収容して受信者1に届けるものをエクストラ,エクストラに比較して豪華なケースにメッセージを収容して受信者1に届けるものをスペシャルとして予めサービスを設定しておくことができる。
【0059】そして上記のように受付業者6側でサービスが設定されている場合、送信者3は問い合わせデータのサービス設定ボタンにより、送信者3が受信者1にいずれのサービスによってメッセージを贈るかを確認データに設定することができる。例えば上記レギュラーに対応するコードがreg,エクストラに対応するコードがext,スペシャルに対応するコードがspeである場合、送信者3がレギュラーを設定するとregが、エクストラを設定するとextが、スペシャルを設定するとspeが確認データに追加される。
【0060】なおサービスの説明を表示するサービス説明フィールドを作成し、該サービス説明フィールドにサービスの概要を説明するテキストを書き込み、サービスを設定すると設定されたサービス名が表示されるように構成しても良い。すなわち例えばサービス設定ボタンによりエクストラを設定するとextが確認データに追加されるとともに、サービス説明フィールドにエクストラと表示されるとともに、エクストラの内容が表示せしめられるように構成しても良い。
【0061】問い合わせメールは以上のようにメール自動編集手段23により自動生成されて前述のようにメールサーバを介して送信者3側に送信(返信)される。なお問い合わせメールの送信用のメールサーバ(MTA)はインターネットに対してSMTPをサポートしていれば、いずれのものを使用してもよいが、本実施形態の場合運用メールサーバ12を使用している。
【0062】そして送信者3側において返信された問い合わせメールを受信すると、問い合わせデータが問い合わせメールに添付ファイルとして添付されているため、送信者3が問い合わせデータをウェブブラウザで実行することによって、送信者3のウェブブラウザに問い合わせデータが上記のように表示される。
【0063】これにより送信者3が各フィールドに書き込まれている内容を確認し、又は情報フィールドに所定の情報を追加して書き込み、場合によってはファイル添付ボタンで確認データに添付ファイルを追加したり、サービス設定ボタンによりサービスのデータを確認データに追加したりすることによって確認データを容易に作成することができ、そして確認データ作成後に送信ボタンをクリックすることにより確認データが受付業者6(メール制御サーバ13)に容易に送信される。
【0064】なお上記情報フィールドには、例えば受信者1に金銭を送付したい場合、情報フィールドに金額と引き落とし銀行口座やクレジットカードのナンバー等を記載することができ、これにより受付業者に送付する金額や当該金額の引き落とし先等の情報を送信することができる。
【0065】すなわち送信者3が問い合わせメールを受信し、場合によっては(送信内容が正しくない場合等)問い合わせデータを修正するとともに、サービス等の設定を行い問い合わせデータを編集(データの追加)して確認データとして受付業者6(メール制御サーバ13)に送信することによって、送信者3と受付業者6との間で送信内容の確認が行われ、送信者により確認された利用種別,メッセージ、情報フィールド内の情報、添付される画像や音声ファイル、サービス内容が受付業者6側に送信される。
【0066】これにより受付業者6が前述のメッセージメール作成手段28を介して確認データを所定の形式(電子メールであるメッセージメール又は課金メール)に作成して配送データとして配送業者7及び金融業者8に送信することによって、配送業者7に送信者3からの受信者1へのメッセージが送信されて、配送業者7が受信者1にメッセージを配信(配送)することができるほか、後述するように受信者1側に課金等を行うことができる。
【0067】次に上記メッセージメール作成手段28について説明する。メッセージメール作成手段28は上記確認データを受信するとともに、受信した確認データを電子メール化してメッセージメール(配送データ)とする構造となっており、受付業者6(メール制御サーバ13)が確認データを受信すると、この確認データがメッセージメール作成手段28により所定の形式(電子メール形式)のメッセージメールに変換され、該メッセージメールがメッセージメール作成手段28によりメールサーバ(メッセージメール作成手段28がメッセージメールを送るMTAを備えたメールサーバ)を介して配送業者7に送信される。
【0068】なおメッセージメール作成手段28はマルチパートの電子メールを作成して、添付ファイル用のパートに確認データを書き込み、ヘッダに所定の要素を書き込むものであり、詳細な説明は割愛する。ただし当該ヘッダのTo:から始まる要素は後述するように決定するように構成されている。
【0069】すなわちメール制御サーバ13に備えられた配送業者検索手段29が、メッセージメール作成手段28側からの指示によって、前述の依頼者データベースサーバ22を検索して受信者1の住所又は郵便番号等を引き出し、配送業者検索手段29内に備えられた配送業者の住所等のデータベースと突き合わせて、受信者1にもっとも近い配送業者7を検索し、当該配送業者7の電子メールのアドレスをメッセージメール作成手段28に返す。
【0070】そしてメッセージメール作成手段28は配送業者検索手段29から返された配送業者7の電子メールのアドレスをメッセージメールにおけるヘッダのTo:から始まる要素として設定する。これによりメッセージメールは受信者1に最も近い配送業者7宛てに送信される。
【0071】一方メッセージメール作成手段28は前述のように確認データを受信すると、上記のように配送業者検索手段29側に配送業者の検索の指示を出す他、メール制御サーバ13に備えられた課金設定手段31に課金先の検索の指示も出す。そして該課金設定手段31は、依頼者データベースサーバ22を検索し、当該確認データの送受信に係る課金の引き落とし先(引き落とし金融機関)を検索し、検索された引き落とし金融機関のデータを確認データに追加して課金データを作成する。
【0072】そして課金設定手段31もメッセージメール作成手段28と同様に、マルチパートの電子メールを作成し、添付ファイルのパートに課金データを展開して書き込み、この展開された課金データに電子メール用のヘッダを加え、受付業者6側の金融機関8に電子メール(課金メール)として運用メールサーバ12等のメールサーバ(MTA)を介して送信する。
【0073】そして受付業者6側の金融機関8が引き落とし金融機関等より課金金額を引き落とすことで、受付業者6側に利益が発生する。すなわち依頼データに記載された金融機関により依頼者2又は受信者1に対して課金が行われ、受付業者6側が収益を上げることができる。
【0074】一方配送業者7にはインターネットに接続可能なネットワークコンピュータ端末15が備えられており、メッセージメールを該コンピュータ端末に備えられたメールクライアント(いわゆるメーラソフト)によって受信することによって確認データを受信することができる。
【0075】そして該確認データからメッセージフィールド,利用種別フィールド,サービス説明フィールドの内容や、添付ファイル等を再構築することで、受信者1に宛てられたメッセージの詳細を得ることができ、例えばメッセージが文字であれば、該プリンタ等の加工手段によってメッセージを印字して、前述の所定のサービスを施すことによって、メッセージを配達形式に加工し、受信者1にメッセージを届けることが可能となる。
【0076】このとき受信者1に届けるメッセージはサービスにより決定されるデコレートされたメッセージのほか、添付ファイルがある場合、添付ファイルが画像データであれば印刷して受信者1に届け、あるいは添付ファイルが音声データである場合は、音声の録音等を行い、録音されたメディアを受信者1に届けることもできる。
【0077】また場合によってはメッセージをコンピュータのデータ形式のままでフロッピーディスク等のリムーバブルディスクに書き込み、当該リムーバブルディスクを受信者に届けることもできる。あるいは情報フィールドの指示等により受信者1に金銭等を渡す場合は、金銭の引き落とし先から料金を引き落として、受信者1に渡すことも可能となる。
【0078】以上のように構成されたメッセージ配送システムの動作について、図5に従って依頼者2が、「セコム太郎選手にメッセージを送る」ために、本メッセージ配送システムを使用する場合を例に説明する。
【0079】依頼者2はステップS1において、仲介業者4に電話又はFAXにて「セコム太郎選手にメッセージを送るための電子メールアドレスを開設したい」旨の依頼をする。そしてこの依頼を受けた仲介業者4は、ステップS2で依頼者2から得た情報に基づき依頼メールを作成し、受付業者6にインターネットを介して送信する。
【0080】なお依頼データは、依頼者情報としてセコム四郎と受信者情報としてセコム太郎等が、分類情報として利用種別(激励)及び利用期間(2000年11月11日から2000年12月12日)となっているものとする。
【0081】受付業者6では、ステップS3で受付メールサーバ9にて上記依頼データを受信し、この受信した依頼データに基づき運用メールサーバ12では、自己のアドレスがmail.XXXX.co.jp、ドメインXXXX.co.jpのMXレコードがmail.XXXX.co.jpであるとすると、ユーザ制御サーバ11は運用メールサーバ12内のユーザデータベース17にユーザ名がt-secom20001111となるユーザ期限を2000年12月26日(12月12日に14日足した日にち)に設定して追加し、さらにDNSサーバ32にXXXX.co.jpのailiasとしてmail-enc.comを設定する。
【0082】これにより、インターネットを通じたt-secom20001111@mail-enc.com宛のメールはmail.XXXX.co.jpのユーザ(アカウント)t-secom20001111のメールスプールに送信され、すなわちt-secom20001111@mail-enc.com宛に電子メールを送信すると、mail.XXXX.co.jpのユーザt-secom20001111宛に電子メールが送信される。
【0083】そこで、受付業者6は仲介業者4に対し、登録が完了した旨の回答メールに受信者セコム太郎の個別のメールアドレス(t-secom20001111@mail-enc.com)を含めて返信する。
【0084】そして回答メールを受信した仲介業者4は、ステップS4で新聞、雑誌、広告仲介業者4のウェブページ等に「セコム太郎選手への応援メッセージは、t-secom20001111@mail-enc.comに電子メールにてお願いします。受付は12月12日までです。」等の掲載することで、送信先を公開する。
【0085】次にステップS5で、この新聞等を見てセコム太郎選手に激励のメッセージを送ろうとする者(送信者3)は、セコム太郎選手(受信者1)に贈りたいメッセージが含まれる電子メールをインターネット経由にて前述のt-secom20001111@mail-enc.com宛てに送信する。
【0086】そして受付業者6では、ステップS6で、送信者3からの電子メールを運用メールサーバ12にて受信し、受信者1個別のメールスプールに蓄積するとともに、メール制御サーバ13に出力し、メール制御サーバ13において、メール自動編集手段23により自動生成された問い合せデータを運用メールサーバ12経由にて電子メール(問い合わせメール)で送信者3に送信する。
【0087】その後ステップS7で送信者3は、受信した問い合せデータを確認し、その結果を確認データとして受付業者6に送信する。すなわち、送信者3により確認された利用種別,メッセージ、情報フィールド内の情報、添付される画像や音声ファイル、サービス内容が確認データとして受付業者6に送信される。
【0088】そしてステップS8で、確認データを受信した受付業者6は、確認データをメッセージメール作成手段28によってメッセージメール化して配送業者7に電子メールとして送信する。ここで、図5には示していないが、課金情報を金融業者8に送信する。
【0089】これにより配送業者7はステップS9で、メッセージメールを受信すると、メッセージを印字等により受信者に届けることができる形式に加工して、所定のサービスを施すことによって、ステップS10でセコム太郎選手(受信者1)にメッセージを届ける。なおメッセージをコンピュータのデータ形式のままでフロッピーディスク等のリムーバブルディスクに書き込み、当該リムーバブルディスクを受信者に届けることもできる。あるいは、情報フィールドの指示等により受信者1に金銭等を渡す場合は、金銭の引き落とし先から料金を引き落として、受信者1に渡すことも可能となる。
【0090】以上に示されるメッセージの配送システムにより、送信者3が各受信者1個別の電子メールアドレス(メールスプール)に電子メールで受信者1に送るメッセージを送信することで、配送業者7によって各受信者1に所定の形式のメッセージが配送されるため、電報を電報局に電子メールで依頼する感覚ではなく、個人に電子メール等を送信する感覚でメッセージの送信を行うことができ、よりプライベートな感覚のメッセージ配送システムが構築される。
【0091】このとき運用メールサーバ12側においてメール自動編集手段23によって、送信内容を送信者3が確認するべく送信者3に返送する問い合わせ電子メールが作成され送信者3に返送されるため、送信者3と受付業者6側との間で送信内容の確認が行われ、送信内容の誤り等を防止することができる。
【0092】この際メール自動編集手段23が、問い合わせデータを送信者3宛の電子メール(問い合わせメール)の添付ファイルとするため、上記のように送信者3側において返信された問い合わせメールに添付された問い合わせデータを対応するアプリケーションのもとで実行することにより、当該アプリケーションの操作により送信の内容をより容易に確認して、受付業者6側に返信することができる。
【0093】特に問い合わせデータがHTMLに基づいたデータであるため、問い合わせデータを実行するアプリケーションが比較的安価に入手可能なウェブブラウザとなり、送信者3側が特殊なアプリケーションを使用することなく、内容の確認及び受付業者6側への送信等をより容易に行うことができる。
【0094】なお上記実施形態においては受付業者6が仲介業者4から電子メールにより依頼データを受ける場合について説明したが、受付業者6側に依頼データの受信を行うウェブサーバ(図示しない)を設け、該ウェブサーバを介して依頼データを受信するように構成してもよい。
【0095】この場合仲介業者4側に、受付業者6側のウェブサーバとインターネットを介して通信して、上記ウェブサーバにより提供されるサイト(ウェブサーバに格納されているHTMLやスタイルシート、画像ファイル等)をディスプレイに表示することが可能なウェブブラウザを備えた通信装置(コンピュータやPDA、ディスプレイ付きの携帯電話等)を設ける必要がある。
【0096】そして上記ウェブサーバをWWW(World Wide Web)サービスの提供が可能な従来公知のものとし、仲介業者4側のウェブブラウザに前述の依頼データの記入が可能なフォームを表示させることによって、仲介業者4側がウェブブラウザ側で該フォームに依頼データの内容を記入し、ウェブサーバ側に送信することにより、上記依頼データをウェブサーバ(受付業者6)側で受信することができる。
【0097】また上記実施形態において送信者3は受信者1に対して電子メールでメッセージを送信するように構成されているが、受信者1専用のメールアドレスではなく、受信者1専用のウェブサイトを受付業者6側に開設し、当該ウェブサイトに対してメッセージを送信するように構成することも可能である。
【0098】ただしウェブサーバには受信者個別のウェブサイトを設ける必要があり、受信者個別のウェブサイト用のファイル(場合によってはディレクトリ)を運用メールサーバ12にメールスプールを作成する場合と同様に、ウェブサーバ側に作成し、送信者1からの電子データである送信データ(メッセージデータ)のスプール(メッセージデータの蓄積用のファイル)を設定する必要がある。また送信者3が受信者専用のウェブサイトに入る場合に、パスワード管理等を行い、セキュリティー等を確保する必要もある。
【0099】さらに上記実施形態においては受付業者6から配送業者7への確認データの転送は電子メール(メッセージメール)によるもの(この場合上記配送業者7のサーバはメールサーバとなる)として説明したが、データ通信で上記配送業者7のサーバに配送データを直接送信する等の方法も可能である。
【0100】また上記実施形態においては依頼者2は電話又はFAXにて仲介業者4に申し込むように説明しているが、依頼者2がインターネット等を介して仲介業者4に申し込みを行うように構成しても良い。なお上記実施形態においては受信者1と依頼者2が異なる場合について説明したが、受信者1と依頼者2とが同一の場合もある。
【0101】なお上記実施形態においては利用種別に応じて電子メールの@以降を設定し、送信者3からの電子メールをmail.XXXX.co.jpのメールサーバ(運用メールサーバ12)で受信する構成となっているが、場合によっては(運用メールサーバ12に対する負荷が大きい場合等)利用種別毎に運用メールサーバ12を個別に設けてもよい。
【0102】この場合は運用メールサーバ12全体にかかる負荷を分散させることができ、運用メールサーバ12の作動を安定させることができる他、前述のalias設定等の複雑な設定をすることなく、利用種別毎に該当する運用メールサーバで送信者3からの電子メールを受信することが可能となる。
【0103】なお送信者3側においては、上記運用メールサーバ12の分散化には無関係に、上記受信者1の電子メールアドレス名によって、電子メールの送信履歴を確認して送信先の@以降を確認することで受信者の名前だけでなく利用種別(目的)までも容易に確認することができる
【0104】
【発明の効果】以上のように構成される本発明の構造によると、送信者が各受信者個別のスプールに、電子メール又はウェブ通信を介して、電子メールアドレス又はウェブサイト等を介して受信者に送るメッセージを電子データで送信することによって、各受信者に所定の形式のメッセージが配送されるため、電報を電報局に電子メールで依頼する感覚ではなく、個人に電子メール等を送信する感覚でメッセージの送信を行うことができるという利点がある。
【0105】このとき公開部により受信者個別の電子データの受付先が公開されるため、送信者は容易に受信者個別の電子データの受付先を知ることができるが、特に公開部側においては、受付部側とコンピュータ端末等による通信が可能であることによって、受信者個別の受付先を受付部側から容易に取り出すことができ、受付先の公開が容易となるという利点がある。
【0106】なお運用サーバに設定される各受信者用のスプールファイル(メールスプール又はウェブサイト用のファイル)を予め決められた期間のみ有効に設定することによって、運用サーバに必要以上に負荷をかける必要がない。
【0107】また運用サーバへのスプール用のファイルの作成時、該スプールファイルに対応する電子メールアドレス又はスプールファイル名が運用サーバ内の既存のものと重複する場合に、変更手段によって電子メールアドレス又はファイル名を変更することによって、運用サーバにスプールファイルをより高い確率で自動作成することができ、電子メールアドレスや上記ファイル名の手動変更等が少なくなるという効果もある。
【0108】また運用サーバ側において自動編集手段によって、送信者から受信者宛に送信された電子データに基づき送信内容を送信者が確認するべく送信者に返送する電子メールに自動編集することによって、送信者と受付業者側との間で容易に内容確認を行うことができる。
【0109】一方受信者にメッセージを届ける配送部を複数設け、データ作成手段によって受付部から配送部に送信するデータの送信先を受信者の近傍に位置する配信業者に自動的に決定することによって、受信者により低コストでメッセージを届けることができ、すなわち配信業者を全国に配置することによって、本発明のシステムを容易に全国に展開することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メッセージの配送システムの全体構成図である。
【図2】送信者及び受信者と各業者との接続状態を示すブロック図である。
【図3】受付業者の構成を示すブロック図である。
【図4】メール制御サーバの構成と連係を示したブロック図である。
【図5】メッセージの送信から配送までを示したフロー図である。
【符号の説明】
1 受信者
3 送信者
4 仲介業者(公開部)
6 受付業者(受付部)
11 ユーザ制御サーバ
12 運用メールサーバ(運用サーバ)
13 メール制御サーバ(配信サーバ)
23 メール自動編集手段(自動編集手段)
28 メッセージメール作成手段(データ作成手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 公開部(4)が受信者(1)個別のメッセージの受付先を公開し、送信者(3)が上記受付先に受信者(1)へのメッセージデータをインターネットを介して送信し、上記受付先を備えた受付部(6)が各受信者個別に上記メッセージデータを読み出して所定の形式に処理して配送部(7)に送信し、配送部(7)が所定の形式に処理されたメッセージデータから配達形式に加工して受信者(1)にメッセージを配送するメッセージの配送方法。
【請求項2】 メッセージの受信者(1)と該受信者(1)にメッセージを送る送信者(3)との間に、各受信者(1)個別のメッセージデータの受付先を公開する公開部(4)と、受信者(1)へのメッセージの配送を送信者(3)から受け付ける受付部(6)と、受信者(1)にメッセージの配送を行う配送部(7)とを配設し、受付部(6)に送信者(3)からインターネットを介して送信されるメッセージデータを受信して、コンピュータ通信可能なネットワークを介して配送部(7)に中継して送信するコンピュータ端末を設け、受付部(6)のコンピュータ端末が、受信者(1)へのメッセージデータを受信する受信者個別のスプールを有する運用サーバ(12)と、該運用サーバ(12)に送信されるメッセージデータに基づいてメッセージを所定の形式に作成して配送部(7)に送信する配信サーバ(13)とを備え、配送部(7)のコンピュータ端末が、受付部(6)によって中継されたメッセージデータを受信するデータ受信クライアントを備え、配送部(7)にて受信したメッセージデータから受信者(1)に配送するメッセージを配達形式に加工する加工手段を配送部(7)に設けたメッセージの配送システム。
【請求項3】 公開部(4)に受付部(6)とコンピュータ通信可能なネットワークを介した通信が可能なコンピュータ端末を配置した請求項2のメッセージの配送システム。
【請求項4】 運用サーバ(12)がウェブサーバ又は電子メールの受信をサポートするメールサーバである請求項2又は3のメッセージの配送システム。
【請求項5】 ユーザ制御サーバ(11)を運用サーバ(12)に接続して設け、ユーザ制御サーバ(11)は各受信者(1)個別のスプール用のファイルを上記運用サーバ(12)に作成せしめるとともに受信者(1)側からのスプール用のファイル作成の依頼に起因して、予め決められた期間のみスプール用のファイルが有効となるように作動せしめられる請求項4のメッセージの配送システム。
【請求項6】 運用サーバ(12)にて作成されるスプールファイルに対する電子メールアドレス又はスプールファイル名が、運用サーバ(12)内の既存の電子メールアドレス又はスプールファイル名と重複する場合に、スプールファイル名又はスプールファイルに対する電子メールアドレスを変更する変更手段(18)をユーザ制御サーバ(11)に接続して設けた請求項2又は3又は4又は5のいずれかであるメッセージの配送システム。
【請求項7】 送信者(3)からのメッセージデータを読み出し、該メッセージデータを編集して依頼内容を送信者(3)が確認するべく送信者(3)に返送する電子メールを自動作成する自動編集手段(23)を運用サーバ(12)に接続して設けた請求項2又は3又は4又は5又は6のメッセージの配送システム。
【請求項8】 配送部(7)を複数設け、メッセージを受信する受信者(1)の近傍に位置する配送部(7)に受付部(6)からメッセージデータを送信せしめるように設定するデータ作成手段(28)を配信サーバ(13)に設けた請求項2又は3又は4又は5又は6又は7のメッセージの配送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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