説明

メッセージ表示システム、メッセージ表示方法、メッセージ表示プログラム、メッセージ送信プログラム

【課題】クライアント装置において画像等のコンテンツを広告とともに表示する場合、サーバ装置からコンテンツデータと広告データとを受信する場合、サーバ装置とクライアント装置との間のネットワークにかかる負荷が大きくなるという問題があった。
【解決手段】メッセージ送信装置と、少なくとも一つのメッセージ表示装置とがネットワークを介して接続される。メッセージ送信装置は、入力されたメッセージのメッセージデータに、メッセージ表示装置においてメッセージとともに表示される広告を構成する広告データの所在に関する情報である広告情報を付加してメッセージ表示装置に送信する。メッセージ表示装置は、受信した広告情報が付加されたメッセージデータに基づいて、自装置内の記憶装置から広告データを取得し、メッセージおよび広告をポップアップウィンドウでユーザに通知する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の装置に対してメッセージを送信して表示させるメッセージ表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されているように、ネットワークを介して接続されたサーバ装置とクライアント装置から構成されるシステムであって、サーバ装置からクライアント装置に画像等のコンテンツを送信し、クライアント装置において送信されたコンテンツを再生するシステムが存在する。また、特許文献1に記載のシステムにおいては、クライアント装置でコンテンツを表示する際に、企業等の広告用コンテンツ(ポップアップ)を一緒に表示するようになっている。
【0003】
また、企業等において、社内の連絡事項をメールや掲示板等を用いて複数の社員に同時に通知することは、一般的によく行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−207193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、サーバ装置からコンテンツと広告の両方をクライアント装置に送信するようになっている。また、企業等の社内の連絡事項を社員に通知するためのシステムとして特許文献1に記載のシステムを採用した場合、連絡事項とともに広告用コンテンツをもサーバ装置からクライアント装置に送信することになり、サーバ装置とクライアント装置とを接続するネットワークにかかる負荷が大きくなる。これは、特に複数の社員に同時に連絡事項を通知する場合には、ネットワークの輻輳を招きかねないという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記課題を解決し、ネットワークへの負荷を抑えつつ、ユーザに広告付きのメッセージを閲覧させることが可能なメッセージ表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、メッセージ送信装置と、前記メッセージ送信装置とネットワークを介して接続される少なくとも一つのメッセージ表示装置と、を含むメッセージ表示システムであって、前記メッセージ送信装置は、メッセージの入力を受け付けるメッセージ入力手段と、前記メッセージ表示装置において前記メッセージとともに表示される広告を構成する広告データの所在に関する情報である広告情報を、前記メッセージを構成するメッセージデータに付加する付加手段と、前記広告情報が付加された前記メッセージデータを前記少なくとも一つのメッセージ表示装置に送信する送信手段と、を有し、前記メッセージ表示装置は、前記送信手段から送信される前記メッセージデータを受信する受信手段と、広告データを保持する広告データ保持手段と、前記メッセージデータに付加されている前記広告情報に基づいて、前記広告データ保持手段から広告データを取得する広告データ取得手段と、前記広告データ取得手段によって取得した広告データに基づいて、前記メッセージおよび前記広告をユーザに通知する通知手段と、を有することを特徴とするメッセージ表示システムを提案する。
【0008】
すなわち、広告データはメッセージ表示装置において保持しておくため、メッセージ送信装置からは、メッセージデータと、広告に関する広告情報のみをメッセージ表示装置に送信する。これにより、メッセージ送信装置とメッセージ表示装置間のネットワークにかかる負荷が軽減される。
【0009】
また、前記広告データ取得手段は、前記広告データを、前記広告データ保持手段に代えて、外部の装置から取得するようになっていてもよい。
【0010】
これにより、メッセージ表示装置に所望の広告データが存在しない場合等であっても、広告を外部の装置から取得してメッセージとともに出力することが可能となる。また、広告データの更新も容易に行うことができる。
【0011】
また、前記通知手段は、表示画面にポップアップ表示されるポップアップウィンドウにて前記メッセージおよび前記広告を表示出力して、前記メッセージおよび前記広告を通知するようになっていてもよい。また、前記通知手段は、前記メッセージおよび前記広告の通知の際に前記メッセージ表示装置において起動されている全てのアプリケーションについての出力に対して優先的に前記メッセージおよび前記広告の通知を行うようになっていてもよい。
【0012】
一般的に行われているように、例えば、メールや掲示板などによって連絡事項を社員に通知する場合、社員が自ら積極的にメールや掲示板の内容を閲覧する作業が必要である。つまり、連絡事項が社員に伝わるタイミングや、連絡事項が社員に伝わったか否かは、社員の動作に依存する。よって、緊急に連絡事項を社員に通知したい場合や、確実に連絡事項を通知したい場合、連絡事項の通知方法としてメールや掲示板を用いる方法では対応しきれない。
【0013】
そこで、上記の構成によれば、受信者の積極的な操作に依存することなく、即時に、かつ確実に連絡事項を受信者に通知すること等が可能である。
【0014】
また、本発明は、メッセージ送信装置と、前記メッセージ送信装置とネットワークを介して接続される少なくとも一つの広告データを保持する広告データ保持手段を有するメッセージ表示装置と、によって実行されるメッセージ表示方法であって、前記メッセージ送信装置において、メッセージの入力を受け付けるメッセージ入力ステップ(例えば、図6のステップS101)と、前記メッセージ送信装置において、前記メッセージ表示装置にて前記メッセージとともに表示される広告を構成する広告データの所在に関する情報である広告情報を、前記メッセージを構成するメッセージデータに付加する付加ステップ(例えば、図6のステップS102)と、前記メッセージ送信装置において、前記広告情報が付加された前記メッセージデータを前記少なくとも一つのメッセージ表示装置に送信する送信ステップ(例えば、図6のステップS103)と、前記メッセージ表示装置において、前記送信手段から送信される前記メッセージデータを受信する受信ステップ(例えば、図6のステップS103)と、前記メッセージ表示装置において、前記メッセージデータに付加されている前記広告情報に基づいて、前記広告データ保持手段から広告データを取得する広告データ取得ステップ(例えば、図6のステップS104およびS105)と、前記メッセージ表示装置において、前記広告データ取得手ステップにて取得した広告データに基づいて、前記メッセージおよび前記広告をユーザに通知する通知ステップ(例えば、図6のステップS106およびS107)と、を有することを特徴とするメッセージ表示方法を提案する。
【0015】
すなわち、広告データはメッセージ表示装置において保持しておくため、メッセージ送信装置からは、メッセージデータと、広告に関する広告情報のみをメッセージ表示装置に送信する。これにより、メッセージ送信装置とメッセージ表示装置間のネットワークにかかる負荷が軽減される。
【0016】
また、本発明は、メッセージの入力を受け付け(例えば、図6のステップS101)、メッセージ表示装置において前記メッセージとともに表示される広告を構成する広告データの所在に関する情報である広告情報を、前記メッセージを構成するメッセージデータに付加して(例えば、図6のステップS102)メッセージ表示装置であるコンピュータに送信する(例えば、図6のステップS103)メッセージ送信装置、とネットワークを介して接続され、前記広告データを保持する広告データ保持手段を有する前記メッセージ表示装置に実行させるメッセージ表示プログラムであって、前記メッセージ表示装置に、前記送信手段から送信される前記メッセージデータを受信する受信ステップ(例えば、図6のステップS103)と、前記メッセージデータに付加されている前記広告情報に基づいて、前記広告データ保持手段から前記広告データを取得する広告データ取得ステップ(例えば、図6のステップS104およびS105)と、前記広告データ取得ステップにて取得した広告データに基づいて、前記メッセージおよび前記広告をユーザに通知する通知ステップ(例えば、図6のステップS106およびS107)と、を実行させるためのメッセージ表示プログラムを提案する。
【0017】
また、本発明は、メッセージを構成するメッセージデータを受信して(例えば、図6のステップS103)、このメッセージデータに付加されている情報であって広告データの所在に関する情報である広告情報に基づいて自装置内に保持されている広告データを取得し(例えば、図6のステップS104およびS105)、前記取得した広告データに基づいて前記メッセージおよび前記広告をユーザに通知する(例えば、図6のステップS106およびS107)メッセージ表示装置、とネットワークを介して接続されるメッセージ送信装置であるコンピュータに実行させるメッセージ送信プログラムであって、前記メッセージ送信装置に、メッセージの入力を受け付けるメッセージ入力ステップ(例えば、図6のステップS101)と、前記メッセージ表示装置にて前記メッセージとともに表示される広告を構成する広告データについての広告情報を、前記メッセージのメッセージデータに付加する付加ステップ(例えば、図6のステップS102)と、前記広告情報が付加された前記メッセージデータを少なくとも一つの前記メッセージ表示装置に送信する送信ステップ(例えば、図6のステップS103)と、を実行させるためのメッセージ送信プログラムを提案する。
【0018】
本発明によれば、コンピュータが備える記憶装置にメッセージ表示プログラム、メッセージ送信プログラムを記憶させておき、コンピュータがこのプログラムを読み出して実行することで、上記各ステップを実行することができる。
【0019】
なお、上記のメッセージ表示プログラム、メッセージ送信プログラムは、ネットワークを通じてダウンロードされることによりコンピュータにインストールされて実行されてもよいし、記憶媒体に記憶されて配布されることによりコンピュータにインストールされて実行されてもよい。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、ネットワークへの負荷を抑えつつ、広告付きのメッセージをユーザに閲覧させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態に係るメッセージ表示システムの構成例を示す図である。
【図2】本実施形態に係るメッセージ送信装置100およびメッセージ表示装置200aの構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態に係るメッセージ送信装置100およびメッセージ表示装置200aの具体的な構成例を示す図である。
【図4】広告情報が付加されたメッセージデータの具体例を示す図である。
【図5】メッセージおよび広告の表示の具体例を示す図である。
【図6】本実施形態に係るメッセージ表示システムにおける処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示す。
【0023】
(メッセージ表示システムの構成)
【0024】
図1は、本実施形態に係るメッセージ表示システムの構成例を示す図である。図1に示すメッセージ表示システムは、メッセージ送信装置100と、複数のメッセージ表示装置200a、200b、200cとを含んで構成される。また、これらの装置は相互にLAN(Local Area Network)、VPN(Virtual Private Network)等のネットワーク10を介して接続されている。メッセージ送信装置100は、メッセージ表示装置200a、200b、200cの少なくとも一つにメッセージを送信し、メッセージ表示装置200a、200b、200cは、受信したメッセージを広告とともにポップアップで表示する。
【0025】
また、メッセージ送信装置100とメッセージ表示装置200a、200b、200cは、一般的なパーソナルコンピュータ、携帯電話、デジタルテレビ等で構成することが可能である。本実施形態においては、メッセージ送信装置100とメッセージ表示装置200a、200b、200cは、パーソナルコンピュータで構成されるものとする。
【0026】
図2は、メッセージ送信装置100およびメッセージ表示装置200aの構成例を示すブロック図である。以下、図2を用いて、メッセージ送信装置100およびメッセージ表示装置200aの構成について説明する。メッセージ表示装置200b、200cの構成は、メッセージ表示装置200aと同様の構成であるので、ここでは、メッセージ表示装置200aの構成について説明する。
【0027】
なお、メッセージ送信装置100およびメッセージ表示装置200aは、具体的には、例えば、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ハードディスク等の不揮発性記憶装置303、ネットワークインタフェース304、等の一般的なコンピュータの構成と同様の構成により実現される。また、以下に説明する各構成の機能は、例えばCPU301が不揮発性記憶装置303に記憶されているプログラムを読み出して実行することによって実現される機能である。また、後述するメッセージデータ、広告情報、広告データ等は、RAM302または不揮発性記憶装置303に記憶され、必要に応じて適宜、RAM302上のワーク領域に読み出されてCPU301によって処理されるデータである。
【0028】
(メッセージ送信装置100の構成)
【0029】
図2に示すように、メッセージ送信装置100は、メッセージ入力部110と、付加部120と、送信部130と、を有する。
【0030】
メッセージ入力部110は、メッセージの入力を受け付ける。「メッセージ」とは、メッセージ表示装置200aにおいて表示されるメッセージである。メッセージの内容としては、例えば、企業内における社員への連絡事項、特定の企業の新製品情報、ソフトウェアのアップデート情報等が挙げられる。「メッセージの入力を受け付ける」とは、例えば、メッセージ送信装置100に備えられているキーボード等を介してユーザからのメッセージの入力を受け付ける場合や、外部の装置からメッセージを受信する場合等が該当する。外部の装置からメッセージを受信する場合としては、例えば、あらかじめ設定された所定の日時にインターネットから、新製品情報、価格情報、ソフトウェアのアップデート情報等を取得するようになっていてもよい。また、定期的に同じメッセージをメッセージ表示装置200aに表示させたい場合には、ユーザが最初にメッセージをメッセージ入力部110にて入力する際に、後述する付加部120および送信部130においてメッセージを送信するための処理を実行すべき日時を指定できるようになっていてもよい。
【0031】
より具体的には、メッセージ入力部110は、例えばGUI(Graphical User Interface)によって画面表示されたメッセージ入力画面においてユーザがキーボード等を操作してメッセージを入力したことを検知し、このメッセージを文字データとしてRAM302や不揮発性記憶装置303に記憶する。
【0032】
付加部120は、メッセージ表示装置200aにおいてメッセージとともに表示される広告を構成する広告データの所在に関する情報である広告情報を、メッセージを構成するメッセージデータに付加する。また、「メッセージ」および「広告」は、後述するメッセージ表示装置200aにおいて、例えば、文章で出力されてもよいし、画像、ストリーミング、音声などで出力されてもよい。また、メッセージと広告は異なる態様で出力されるようになっていてもよい。また、「メッセージデータ」および「広告データ」は、例えば、文字データ、画像データ、ストリーミングデータ、音声データ等が該当する。なお、本実施形態においては、メッセージは文章、広告は画像であり、メッセージ表示装置200aにおいて両者は一つのポップアップで出力される場合を示す。
【0033】
また、後述するように、広告データはメッセージ表示装置200aの広告データ取得部230において取得されるが、「広告データの所在に関する情報である広告情報」とは、例えば、メッセージ表示装置200a内の記憶装置に保存されている広告データのパス名やファイル名、インターネット上のURL(Uniform Resource Locator)等が該当する。また、広告情報は、例えば、ユーザがメッセージをメッセージ送信装置100に入力する際に同時に入力するようになっていてもよいし、あらかじめメッセージと広告の組み合わせをメッセージ送信装置100の不揮発性記憶装置303に記憶しておき、ユーザがGUIによって画面表示されたメッセージ選択画面においてメッセージと広告の組み合わせを選択する等となっていてもよい。
【0034】
(メッセージデータの具体例)
【0035】
図4は、広告情報が付加されたメッセージデータの具体例を示す図である。図4に示す具体例は、XML(eXtensible Markup Language)構文によって記述されている。<ポップアップ>と</ポップアップ>のタグは、両者で囲まれている部分が、メッセージ表示装置200aにおいてポップアップ表示されるメッセージと広告についてのメッセージデータと広告情報であることを示すタグである。
【0036】
また、<タグ 名称=”画像” 値=”pic-1.jpg”/>は、メッセージ表示装置200aにおいてメッセージとともにポップアップで出力される広告の広告データの画像ファイル名が、‘pic-1.jpg’であることを示す。また、<タグ 名称=”メッセージ” 値=”午後3時より会議を行います。”/>は、ポップアップで出力されるメッセージが‘午後3時より会議を行います。’という文章であることを示している。
【0037】
より具体的には、付加部120は、例えばRAM302や不揮発性記憶装置303に記憶されているメッセージの文字データと、広告データのファイル名とを読み出し、図4に示すXML文章を生成し、RAM302等に記憶する。
【0038】
送信部130は、広告情報が付加されたメッセージデータをメッセージ表示装置200a、200b、200cの少なくとも一つのメッセージ表示装置に送信する。また、送信部130は、複数のメッセージ表示装置に対して順番にメッセージデータを送信するようになっていてもよいし、ブロードキャスト送信により全てのメッセージ表示装置にメッセージデータを送信するようになっていてもよい。また、送信部130は、ユーザからの指示を受け付けることにより、ユーザの任意のタイミングでメッセージデータを送信するようになっていてもよいし、あらかじめ指定された所定の時刻に自動的にメッセージデータを送信する等となっていてもよい。
【0039】
より具体的には、送信部130は、例えば図4に示すXML文章をRAM302等から読み出してLAN等のネットワークインタフェース304を介してネットワーク10に出力する。
【0040】
(メッセージ表示装置200aの構成)
【0041】
図2に示すように、メッセージ表示装置200aは、受信部210と、広告データ保持部220と、広告データ取得部230と、通知部240と、を有する。
【0042】
受信部210は、メッセージ送信装置100の送信部130から送信されるメッセージデータを受信する。より具体的には、受信部210は、例えばLAN等のネットワークインタフェース304を介して図4に示すXML文章を受信し、RAM302や不揮発性記憶装置303に記憶する。
【0043】
広告データ保持部220は、広告データを保持する。具体的には、広告データ保持部220は、例えば広告データである画像データ等を不揮発性記憶装置303等に記憶して保持する。
【0044】
広告データ取得部230は、メッセージデータに付加されている広告情報に基づいて、広告データを取得する。「広告データを取得する」とは、主には広告データを広告データ保持部220から取得することを想定しているが、広告データ保持部220からではなく、例えばインターネット上の外部の装置から広告データをダウンロードして取得するようになっていてもよい。例えば、図4のXML文章にファイル名で示される広告データが広告データ保持部220に存在しない場合には、インターネット上からこのファイルをダウンロードする等となっていてもよい。また、このような仕組みにより、例えば新製品情報、ソフトウェアのアップデート情報などのように、頻繁に更新される情報を広告として採用することも可能となる。なお、本実施形態においては、広告データ取得部230は、広告データを広告データ保持部220から取得する。
【0045】
より具体的には、広告データ取得部230は、例えば、図4のXML文章に記述されている広告データのファイル名等に基づいて広告の画像データ等を不揮発性記憶装置303等から読み出したり、XML文章に記述されているURLに基づいて広告の画像データ等をインターネットからダウンロードする。
【0046】
通知部240は、広告データ取得部230にて取得した広告データに基づいて、メッセージおよび広告をユーザに通知する。「メッセージおよび広告をユーザに通知する」とは、具体的には、メッセージと広告とを、文字、画像、ストリーミング、音声等として出力することである。また、メッセージと広告とは異なる方法で出力されてもよい。例えば、メッセージは音声で出力され、広告は画像で表示される等となっていてもよい。本実施形態においては、メッセージは文章、広告は画像であり、両者は一つのポップアップに表示されて出力される。
【0047】
また、通知部240は、メッセージおよび広告の通知の際にメッセージ表示装置200aにおいて起動されている全てのアプリケーションについての出力に対して、優先的にメッセージおよび広告の通知を行うようになっていてもよい。「全てのアプリケーションについての出力に対して、優先的にメッセージおよび広告の通知を行う」とは、具体的には、例えば、メッセージ表示装置200aにおいて他のアプリケーションの表示出力や音声出力が実行中であっても、それらの実行を中断して、メッセージおよび広告の出力を実行すること等を意味する。より具体的には、例えば本実施形態のようにメッセージおよび広告を一つのポップアップで表示する場合、メッセージ表示装置200aのディスプレイ上に他のアプリケーションの表示ウィンドウが表示されていても、それらの表示ウィンドウを強制的に非アクティブとし、メッセージおよび広告のポップアップをアクティブにして最前面に表示する場合等が挙げられる。このような、ポップアップ表示を行うには、Webページがスクリプトを使うことによって、別のウィンドウ(すなわち、ポップアップウィンドウ)を自動的に開くようにすればよい。
【0048】
図5は、メッセージおよび広告の表示の具体例を示す図である。メッセージ表示装置200aのディスプレイ画面500において、メッセージ520、広告530、確認ボタン540が一つのポップアップ510として表示されている。また、図5では図示しないが、このポップアップ510の表示の際に、メッセージ表示装置200aのディスプレイ画面500において他のアプリケーションの表示ウィンドウ等が表示されている場合には、ポップアップ510が最前面に表示されるようになっていてもよい。
【0049】
より具体的には、通知部240は、例えばRAM302等に記憶されているXML文章を読み出し、タグからメッセージの内容と、広告データの所在を示すファイル名等を抽出する。そして、抽出したファイル名等に基づいて広告の画像ファイル等を不揮発性記憶装置303等から読み出し、メッセージと広告とを一つのポップアップで表示するための表示データを生成して、ディスプレイ等に表示出力する。
【0050】
(メッセージ表示システムの動作)
【0051】
次に、図6を用いて、本実施形態に係るメッセージ表示システムの動作について説明する。図6は、メッセージ表示システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【0052】
まず、メッセージ送信装置100のメッセージ入力部110において、ユーザ等からのメッセージの入力が受け付けられる(ステップS101)。次に、付加部120において、入力されたメッセージに応じたメッセージデータに広告情報が付加され、XML文章が生成される(ステップS102)。
【0053】
そして、送信部130において、生成されたXML文章がメッセージ表示装置200aに送信される(ステップS103)。送信されたXML文章は、メッセージ表示装置200aの受信部210において受信される。
【0054】
メッセージ表示装置200aの広告データ取得部230において、受信したXML文章から広告のファイル名が読み出され(ステップS104)、読み出されたファイル名に基づいて、広告データ保持部220から広告データ(画像ファイル)が取得される(ステップS105)。
【0055】
そして、通知部240において、メッセージおよび広告を一つのポップアップとして表示するための表示データが生成され(ステップS106)、メッセージおよび広告がポップアップでディスプレイ等に表示される(ステップS107)。
【0056】
(まとめ)
【0057】
以上のように、本発明によれば、ネットワークへの負荷を抑えつつ、広告付きのメッセージをユーザに閲覧させることが可能である。
【0058】
また、一般的に行われているように、例えばメールや掲示板などによって連絡事項を社員に通知する場合、社員が自ら積極的にメールや掲示板の内容を閲覧する作業が必要である。つまり、連絡事項が社員に伝わるタイミングや、連絡事項が社員に伝わったか否かは、社員の動作に依存する。よって、緊急に連絡事項を社員に通知したい場合や、確実に連絡事項を通知したい場合、連絡事項の通知方法としてメールや掲示板を用いる方法では対応しきれない。しかし、本発明によれば、受信者(すなわち、ユーザ)の積極的な操作に依存することなく、即時に、かつ確実に連絡事項を受信者に通知すること等が可能である。
【0059】
(応用例)
【0060】
地震速報を広告とともにメッセージ表示装置200a、200b、200cにてポップアップウィンドウで表示するようになっていてもよい。すなわち、上記実施形態におけるメッセージ送信装置100に該当する地震速報受信機を設けておき、地震速報受信機が地震速報又は地震のP波を検知した場合に、地震発生の旨のメッセージをメッセージ表示装置200a等に送信する。そして、メッセージ表示装置200a等では、このメッセージを広告とともにポップアップウィンドウで表示してユーザに地震の発生を通知する。
【符号の説明】
【0061】
10 ネットワーク
100 メッセージ送信装置
110 メッセージ入力部
120 付加部
130 送信部
200a メッセージ表示装置
200b メッセージ表示装置
200c メッセージ表示装置
210 受信部
220 広告データ保持部
230 広告データ取得部
240 通知部
301 CPU
302 RAM
303 不揮発性記憶装置
304 ネットワークインタフェース
500 ディスプレイ画面
510 ポップアップ
520 メッセージ
530 広告
540 確認ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッセージ送信装置と、前記メッセージ送信装置とネットワークを介して接続される少なくとも一つのメッセージ表示装置と、を含むメッセージ表示システムであって、
前記メッセージ送信装置は、
メッセージの入力を受け付けるメッセージ入力手段と、
前記メッセージ表示装置において前記メッセージとともに表示される広告を構成する広告データの所在に関する情報である広告情報を、前記メッセージを構成するメッセージデータに付加する付加手段と、
前記広告情報が付加された前記メッセージデータを前記少なくとも一つのメッセージ表示装置に送信する送信手段と、を有し、
前記メッセージ表示装置は、
前記送信手段から送信される前記メッセージデータを受信する受信手段と、
広告データを保持する広告データ保持手段と、
前記メッセージデータに付加されている前記広告情報に基づいて、前記広告データ保持手段から広告データを取得する広告データ取得手段と、
前記広告データ取得手段によって取得した広告データに基づいて、前記メッセージおよび前記広告をユーザに通知する通知手段と、を有する
ことを特徴とするメッセージ表示システム。
【請求項2】
前記広告データ取得手段は、前記広告データを、前記広告データ保持手段に代えて、外部の装置から取得することを特徴とする請求項1に記載のメッセージ表示システム。
【請求項3】
前記通知手段は、表示画面にポップアップ表示されるポップアップウィンドウにて前記メッセージおよび前記広告を表示出力して、前記メッセージおよび前記広告を通知することを特徴とする請求項1又は2に記載のメッセージ表示システム。
【請求項4】
前記通知手段は、前記メッセージおよび前記広告の通知の際に前記メッセージ表示装置において起動されている全てのアプリケーションについての出力に対して優先的に前記メッセージおよび前記広告の通知を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のメッセージ表示システム。
【請求項5】
メッセージ送信装置と、前記メッセージ送信装置とネットワークを介して接続される広告データを保持する広告データ保持手段を有する、少なくとも一つのメッセージ表示装置と、によって実行されるメッセージ表示方法であって、
前記メッセージ送信装置において、メッセージの入力を受け付けるメッセージ入力ステップと、
前記メッセージ送信装置において、前記メッセージ表示装置にて前記メッセージとともに表示される広告を構成する広告データの所在に関する情報である広告情報を、前記メッセージを構成するメッセージデータに付加する付加ステップと、
前記メッセージ送信装置において、前記広告情報が付加された前記メッセージデータを前記少なくとも一つのメッセージ表示装置に送信する送信ステップと、
前記メッセージ表示装置において、前記送信手段から送信される前記メッセージデータを受信する受信ステップと、
前記メッセージ表示装置において、前記メッセージデータに付加されている前記広告情報に基づいて、前記広告データ保持手段から広告データを取得する広告データ取得ステップと、
前記メッセージ表示装置において、前記広告データ取得ステップにて取得した広告データに基づいて、前記メッセージおよび前記広告をユーザに通知する通知ステップと、
を有することを特徴とするメッセージ表示方法。
【請求項6】
メッセージの入力を受け付け、メッセージ表示装置にて前記メッセージとともに表示される広告を構成する広告データの所在に関する情報である広告情報を、前記メッセージを構成するメッセージデータに付加して前記メッセージ表示装置であるコンピュータに送信するメッセージ送信装置、とネットワークを介して接続され、前記広告データを保持する広告データ保持手段を有する前記メッセージ表示装置に実行させるメッセージ表示プログラムであって、
前記メッセージ表示装置に、
前記メッセージ送信装置から送信される前記メッセージデータを受信する受信ステップと、
前記メッセージデータに付加されている前記広告情報に基づいて、前記広告データ保持手段から前記広告データを取得する広告データ取得ステップと、
前記広告データ取得ステップにて取得した広告データに基づいて、前記メッセージおよび前記広告をユーザに通知する通知ステップと、
を実行させるためのメッセージ表示プログラム。
【請求項7】
メッセージを構成するメッセージデータを受信して、このメッセージデータに付加されている情報であって広告データの所在に関する情報である広告情報に基づいて自装置内に保持されている広告データを取得し、前記取得した広告データに基づいて前記メッセージおよび前記広告データにより構成される広告をユーザに通知するメッセージ表示装置、とネットワークを介して接続されるメッセージ送信装置であるコンピュータに実行させるメッセージ送信プログラムであって、
前記メッセージ送信装置に、
メッセージの入力を受け付けるメッセージ入力ステップと、
前記メッセージ表示装置にて前記メッセージとともに表示される広告を構成する広告データについての広告情報を、前記メッセージのメッセージデータに付加する付加ステップと、
前記広告情報が付加された前記メッセージデータを少なくとも一つの前記メッセージ表示装置に送信する送信ステップと、
を実行させるためのメッセージ送信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−154514(P2011−154514A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15287(P2010−15287)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(300023383)株式会社トリニティーセキュリティーシステムズ (376)
【Fターム(参考)】