説明

メッセージ記録及び再生装置

【課題】本や写真アルバム等のコンテンツ記録媒体に直接書き込みをすることなく、コンテンツ記録媒体の任意のページの任意の位置に対応して、記録されたコンテンツに対するメッセージの記録/再生を容易に行なうことを可能にする。
【解決手段】表面全面に所定パターンが形成されたコンテンツ上の任意の位置を、スキャナ付き電子ペンで検出する検出手段、および検出手が検出した任意位置から、コンテンツのページ情報、およびページ内において指定された任意位置の情報を、位置情報として認識する位置情報取得手段と、任意位置に関連した情報を入力する関連情報入力手段と、位置情報と関連情報と対応付けて、メッセージ情報として記憶装置に記録するメッセージ情報記録手段とを有することにより、前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージ記録および再生装置および方法に係り、各種の物品、特に、本やノートあるいは新聞等の物理的な記録媒体に記録されたコンテンツに対し、前記記録媒体中の所定の場所を指定してメッセージを入力し、あるいは関連情報を指定した場合に、前記記録媒体中の所定の場所において、前記メッセージあるいは関連情報が自動的に再生されるようにしたメッセージ記録および再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、本やノートあるいは新聞等の記録媒体に記録されたコンテンツや、テレビ放送やラジオ放送等によるコンテンツの楽しみ方としては、単にそれを受け取るだけという受動的な楽しみ方がほとんどであった。
ここで、本、ノートあるいは新聞等の物理的(ハードウエア的)な記録媒体に記録されたコンテンツの能動的な楽しみ方としては、例えば、本の所定のページ等に対してメッセージ情報等を付与しておき、後で再度その本を読む際に、そのページを開くと以前付与したメッセージ情報が再生されたり、そのメッセージ情報を友人等に伝送し、友人がその同じ本の同じページを開くとそのメッセージ情報が再生されたり、というように記録媒体を介してのメッセージ情報の伝達ということが考えられる。
【0003】
しかし、従来はこのように記録媒体へのメッセージ情報の付与(記録)や再生を容易に行うことにより、記録媒体を介してメッセージ情報を伝達する方法というものは存在せず、記録媒体そのものに直接メッセージを書き込んでしまうものが存在するのみであった。
例えば、物理的な記録媒体として写真プリントにメッセージを書き込む方法として特許文献1には、写真の娯楽性を高めるために、撮影画像データを可視画像として再生する際に、第三者からのメッセージを合成するようにしたメッセージ付き画像再生方法およびシステムが開示されている。
すなわち、これは、再生すべき撮影画像の画像データから、メッセージを書き込む参照画像を作成して、参照画像を知人や友人等のメッセージを書き込んでもらう第三者に伝送し、メッセージを書き込んで返送してもらい、返送されたメッセージを前記再生すべき撮影画像に寄せ書き風に合成した写真プリントを出力するようにしたものである。
【0004】
【特許文献1】特開2001−268342号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、物理的な記録媒体等のメディアを利用するにあたり、単に受動的にコンテンツ等を楽しむのみではなく、また、メッセージの記録も一方向のみでなく、また、メッセージの記録および再生を容易に行うことを可能として、記録媒体を介したコミュニケーションを実現することが望まれている。
この点、上記特許文献1に記載のものは、メッセージを書き込んでもらうべき画像をメッセージを書き込んでもらう第三者に送信し、書き込んでもらった第三者のメッセージを合成した画像を出力するものであり、自らのメッセージを発信するのには対応しておらず、そもそもメッセージを書き込んでもらう画像を第三者に送信するのに手間がかかり煩雑であるという問題がある。
【0006】
また、本、ノートや写真アルバム等で直接メッセージ情報を書き込むことができない場合には、メッセージ情報は他の紙に書かれたり、パソコンに入力されたりする。また、本等を読んでいるときに、関連する項目等をインターネットサイト等で調べたりすることもある。
これらの場合に、後でその本やノート等を読み直すときに、その本の中の位置(ページ等)と前に書き込んだメッセージ情報とが対応付けられていないと、そのメッセージ情報を再生したり、参照することが非常に煩雑となってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであり、各種物品、特に、物理的な記録媒体に記録されたコンテンツへのメッセージ情報の記録およびその再生を容易に行うことを可能とし、また、コンテンツを媒介とした、第三者とのコミュニケーションを実現し、コンテンツ鑑賞における娯楽性を向上させたメッセージ記録および再生装置および方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明のメッセージ記録装置は、表面全面に所定パターンが形成されたコンテンツ記録媒体上で指定された任意の位置を、前記所定パターンをスキャナ付き電子ペンで検出することで検出する検出手段、および、前記検出手段によって検出された前記任意の位置から、前記コンテンツ記録媒体のページの情報、および、このページ内のコンテンツ表示エリア内において指定された前記任意の位置の前記ページに対する相対的位置情報を、位置情報として認識する位置情報認識手段を有する位置情報取得手段と、前記指定された位置に関連した情報を入力する関連情報入力手段と、前記位置情報と、前記関連情報あるいは前記関連情報のアクセス先と対応付けて、メッセージ情報として記憶装置に記録するメッセージ情報記録手段と、を有することを特徴とするメッセージ記録装置を提供する。
【0009】
また、本発明のメッセージ再生装置は、前記本発明のメッセージ記録装置によって記録されたメッセージ情報を再生するメッセージ再生装置であって、表面全面に所定のパターンが形成されたコンテンツ記録媒体と、スキャナ付き電子ペンによって前記コンテンツ記録媒体の表面上の所定パターンを検出することにより、前記コンテンツ記録媒体表面上で指定された任意の位置を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出された任意の位置から、前記コンテンツ記録媒体のページの情報、および、このページ内のコンテンツ表示エリア内で指定された前記任意の位置の前記ページに対する相対的位置情報からなる位置情報を認識する位置情報認識手段と、前記コンテンツ記録媒体表面上の前記位置情報に対応するメッセージ情報が存在しないか記憶装置内を検索する検索手段と、前記コンテンツ記録媒体表面上の位置情報に対応するメッセージ情報が検出された場合に、該メッセージ情報を出力するメッセージ情報出力手段と、を有することを特徴とするメッセージ再生装置を提供する。
【0010】
このような、本発明のメッセージ記録装置および再生装置において、前記所定パターンが、ドットパターンであるのが好ましく、また、前記メッセージ情報は、テキストデータ、音声データ、手書き文字、および絵のいずれか1つ以上を含むのが好ましい。
さらに、前記コンテンツ記録媒体が、シートであるのが好ましく、また、前記シートを利用する本もしくはノートであるのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
上記構成を有する本発明によれば、各種物品、特に物理的な記録媒体に記録されたコンテンツへのメッセージ情報の記録およびその再生を容易に行うことが可能となり、その結果、共通の物理的なコンテンツ記録媒体を介した第三者とのコミュニケーションを容易に実現することができる。
また、このような第三者とのコミュニケーションの他、自分自身での利用においても非常に便利となる。例えば、従来は、本に直接書き込みをしたり、マーカペンで印を付けたりしていたが、本の見栄えが悪くなり、さらに、直接書き込みをしたのでは修正しにくいという問題があったが、本発明によれば、モニタ上で本の該当ページに以前の書き込みやマーカを合成表示でき、また、何度でも書き込みやマークの修正も可能となるため、本自体を損傷することなく情報の記録、再生を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明のメッセージ記録および再生装置について、添付の図面に示される好適実施形態を基に詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の第1実施形態に係るメッセージ記録装置およびメッセージ再生装置の両方の機能を備えたメッセージ記録再生システムの概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本メッセージ記録再生システムは、主に、ICタグ10を有するコンテンツ記録媒体12(例えば本 以下本12とする)ICタグ10と交信して本12を検出するICタグセンサ14、本12を撮影する撮影手段16(例えばデジタルカメラ 以下単にカメラ16とする)、および各種機能を有するパソコン20から構成される。
【0014】
パソコン20は、撮影指示手段22、位置情報認識手段24、メッセージ情報記録手段26、メモリ28および検索手段30を有している。
また、パソコン20には、メッセージ情報を入力する入力手段32、メッセージ情報を出力(再生)するモニタ34やスピーカ35あるいはプリンタ36等が接続されており、さらに、パソコン20は、インターネット等のネットワーク40と接続されている。
【0015】
ICタグ10は、図示したようにコンテンツ記録媒体が本12の場合には、その背表紙や表紙あるいは裏表紙等に付設されている。また、本12を、例えば図のように、机42の上に置くような場合には、ICタグセンサ14は机42に設置される。
また、カメラ16は、例えば図のように天井44や蛍光灯等の照明器具あるいは専用の取り付け手段等により、本12の真上に取り付けられる。
【0016】
撮影指示手段22は、ICタグセンサ14から本12の検出信号を受け取ると、カメラ16に対して本12を撮影するように指示を出すものである。カメラ16は、上述したように、コンテンツ記録媒体である本12の真上に配置され、そのとき開かれている本12のページ全体を撮影するようになっている。
【0017】
位置情報認識手段24は、カメラ16が撮影した本12の画像を取得して、この撮影画像から、例えばこのシステムの利用者が指した本12のあるページ上の位置を検出し、位置情報を作成するものである。
この場合、撮影時に利用者が所定の指示器具を用いて本12のあるページ上の所定の位置を指し示すようになっている場合には、撮影画像中からその指示器具(例えばその先端)を検出すればよく、簡単に指示した位置を検出することができて好ましい。
【0018】
メッセージ情報記録手段26は、入力手段32からシステム利用者が入力した、本12の上で指示した位置に対応するメッセージ等の関連情報あるいは関連情報のアクセス先と、位置情報認識手段24が作成した位置情報とを組み合わせてメッセージ情報として、メモリ(記憶装置)28に記録するものである。メモリ28は、図ではパソコン20の内部メモリとなっているが、これに限定されるものではなく、外付けの記憶装置であってもよい。
なお、パソコン20内においては、以上の撮影指示手段22、位置情報認識手段24、メッセージ情報記録手段26およびメモリ28がメッセージ記録装置の働きを行う部分である。
【0019】
検索手段30は、メッセージ再生時において、本12を上記のように撮影した画像から得た位置情報を用いて、その位置情報に対応するメッセージ情報がメモリ28に記録されていないか、メモリ28内を検索し、メッセージ情報が存在した場合には、このメッセージ情報をモニタ34やプリンタ36に出力(再生)するものである。
【0020】
入力手段32は、システム利用者が本12の所定の位置(例えば、本のあるページのある行等)を指定して、その位置に関連したメッセージ等の関連情報を入力するものであり、テキストデータを入力するキーボードや、音声データを入力するマイクロフォン、あるいは手書きの文字や絵を読み取って入力するスキャナ等が例示される。
【0021】
以下、本実施形態の作用を、メッセージの記録およびメッセージの再生に分けて、それぞれフローチャートを参照して説明する。
図2は、本実施形態のメッセージ記録再生システムにおいて、メッセージを記録する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
図2を用いて、まずメッセージの記録方法を説明する。
【0022】
図2のステップS100において、本システムの利用者がICタグ10の付いた本(コンテンツ記録媒体)12を机42上に置いて開くと、ステップS110において、机42に設置されたICタグセンサ14が、本12に付されたICタグ10と交信を行い、本12を検出(識別)する。
検出信号は、ICタグセンサ14からパソコン20に伝送され、撮影指示手段22および位置情報認識手段24に入力される。
【0023】
次に、ステップS120において、システム利用者が本12のあるページのある場所を指し示して、本12全体を、その真上に設置されたカメラ16によって撮影する。撮影は、ICタグセンサ14から本12の検出信号を受信した撮影指示手段22がカメラ16に指示を出すことによって行われる。この撮影は、撮影指示手段22が本12の検出信号を受け取ると、所定時間間隔で自動的に連続して行うようにしてもよいし、あるいは利用者が本12のある位置を指示しながら、例えば入力手段32等から撮影指示手段22を通じてカメラ16に指示して行うようにしてもよい。カメラ16で撮影された本12の撮影画像データは、位置情報認識手段24に送られる。
【0024】
次に、ステップS130において、位置情報認識手段24は、ICタグセンサ14から送られた本12の検出信号により、本12を識別するとともに、撮影画像データから利用者が指し示した位置を認識する。このとき、本12のページ等の識別は、撮影画像データから文字認識によって行ってもよいし、利用者が入力手段32を用いて入力してもよい。例えば、利用者がマイクロフォンを通じて音声で入力するようにしてもよい。
これらの方法により、本12のページおよびページ内の所定の位置が認識され、この本12内の位置を示す位置情報が作成される。作成された位置情報はメッセージ情報記録手段26に送られる。
【0025】
次に、ステップS140において、上で指定した本12内の位置に対する関連情報が、入力手段32から利用者によって入力される。すなわち、その本12内の位置に対して利用者が付与したいメッセージや、後でまたその本12を読むときに参考となるような関連情報をキーボードやマイクロフォンあるいはスキャナによって入力する。関連情報の入力は、利用者が撮影指示手段22を介してカメラ16に指示して撮影を行う場合には、撮影に引き続いて入力手段32から入力すればよいが、関連情報の入力のタイミングはこれに限定されず、任意の時点で行うことができる。その場合には、例えば、すでに作成されメッセージ情報記録手段26に蓄積されている位置情報を、入力手段32を操作してモニタ34に表示して、その中から関連情報を付したい位置情報を指定して、これに対する関連情報を入力するようにすればよい。いずれにしても位置情報と関連情報の対応が取れた形で入力されればよい。
関連情報は、メッセージ情報記録手段26に入力される。
【0026】
また、関連情報は、このように利用者自身が入力するものには限定されず、例えば、本の販売時に業者が提供するその本12に付属した業者提供情報でもよいし、本12のその部分に関連する情報をインターネットサイト等からダウンロードして、それを関連情報としてもよい。
またこのとき、関連情報自体は別の記憶装置等に保持するようにして、そのアクセス先(例えば、インターネットサイトのアクセス先)のみをメッセージ情報記録手段28に入力するようにしてもよい。
【0027】
次に、ステップS150において、メッセージ情報記録手段26は、位置情報と関連情報(あるいは関連情報のアクセス先)を組み合わせてメッセージ情報を作成し、これをメモリ28に記録する。
このように利用者は、本を読みながら、随所にその参考となる情報や感想あるいは覚書等の関連情報を付すことができる。また、コンテンツ記録媒体も本には限定されず、ノートや新聞、あるいは写真アルバム等様々なものに対して関連情報を付すことができる。
【0028】
次に、メッセージ再生方法について説明する。
図3は、本実施形態のメッセージ記録再生システムにおいて、メッセージを再生する場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【0029】
まず、図3のステップS200において、システム利用者がICタグ10の付いた本12を机42上に置いて開くと、ステップS210において、机42に設置されたICタグセンサ14が、本12に付されたICタグ10と交信を行い、本12を検出する。検出信号は、ICタグセンサ14からパソコン20に伝送され、撮影指示手段22および位置情報認識手段24に入力される。
【0030】
次に、ステップS220において、システム利用者が、本12のあるページのある場所を指し示して本12全体をその真上に設置されたカメラ16によって撮影する。撮影は、利用者がメッセージ情報が付されていそうな場所を指し示して、撮影指示手段22を介してカメラ16に指示を出して撮影するようにしてもよいし、撮影指示手段22が本12の検出信号を受け取ったら自動的に所定時間間隔で連続的に撮影を行うようにして、利用者がその撮影のタイミングに合わせて本12の所定の場所を指し示すようにしてもよい。
カメラ16で撮影された本12の撮影画像データは、位置情報認識手段24に送られる。
【0031】
次に、ステップS230において、位置情報認識手段24は、ICタグセンサ14から送られた本12の検出信号により、本12を識別するとともに、撮影画像データから利用者が指し示した位置を認識し、位置情報を作成する。
次に、ステップS240において、この位置情報に対応するメッセージ情報が存在しないか、検索手段30がメモリ28内を検索する。
【0032】
そして、その位置情報に対応するメッセージ情報が見つかった場合には、ステップS250において、そのメッセージ情報を再生する。メッセージ情報の再生方法は特に限定はされず、例えば、モニタ34に表示し、スピーカ35から音声で再生してもよいし、あるいはプリンタ36から紙媒体に出力してもよいしその他の再生方法でもよい。
【0033】
このように、本実施形態によれば、本やノート、新聞あるいはアルバム等のコンテンツ記録媒体を見ながら、そのコンテンツ記録媒体中の随所に関連情報を付与しておき、後で再度そのコンテンツ記録媒体を見るときにコンテンツ記録媒体中の適当な場所を指し示すだけで、そこに付されている関連情報を自動的に再生することができる。
なお、関連情報の付与は、上に示した例のように、例えば本の中のあるページ中のある場所を指定して付与するだけでなく、あるページに対して付与してもよいし、場合によっては、本そのものに対して付与するようにしてもよい。
ページに対して関連情報が付与されている場合には、本の中のそのページが開かれていることがカメラの撮影画像から認識されると、そのページに対する関連情報が自動的に再生される。また、本そのものに対して関連情報が付されている場合には、その本を机の上に置き、ICタグセンサによってその本が認識されるとその本に対する関連情報が自動的に再生される。
【0034】
次に本発明の第2実施形態について説明する。
図4に、本発明の第2実施形態に係るメッセージ記録および再生装置を有するメッセージ記録再生システムの概略構成を示す。
本実施形態のメッセージ記録再生システムは、メッセージ記録側100とメッセージ再生側200とがネットワーク140によって接続されている。
【0035】
図4に示すメッセージ記録再生システムの記録側100は、コンテンツ記録媒体(本)112に付されたICタグ110と交信するICタグセンサ114、本112を撮影するカメラ(デジタルカメラ)116、撮影指示手段122、位置情報認識手段124、メッセージ情報記録手段126、メモリ128を有し、入力手段132、モニタ134等が接続されたパソコン120とから主に構成される。
また一方、再生側200は、コンテンツ記録媒体(本)212に付されたICタグ210と交信するICタグセンサ214、本212を撮影するカメラ216、撮影指示手段222、位置情報認識手段224、メモリ228、検索手段230を有し、メッセージ再生(出力)手段としてモニタ234、スピーカ235、プリンタ236等が接続されたパソコン220とから主に構成される。
【0036】
なお、ここでは、メッセージ記録側100においては少なくともメッセージ情報の記録に必要な構成要素のみを示し、メッセージ再生側200においては少なくともメッセージ情報の再生に必要な構成要素のみを示したが、これは説明のために、便宜的にメッセージ記録側100とメッセージ再生側200に分けたものであって、装置としてはメッセージ記録側100もメッセージ再生側200も上記第1実施形態と同様に両方の機能を有する同じ装置であっても差し支えない。また、上記各構成要素の働き等は前述した第1実施形態のものと同様であり、下二桁を同じ符号として詳しい説明は省略する。
なお、本112と本212は、同じ本であればよく、メッセージ記録側100の本112をメッセージ再生側200に持ち込んだ物理的に完全に同一の本である必要はない。
【0037】
次に本実施形態の作用を図5のフローチャートを参照して説明する。
メッセージ情報の記録方法および再生方法は基本的に前述した第1実施形態と同様であり、本実施形態が第1実施形態と異なるのは、メッセージ情報の記録と再生を別の装置で行うようにし、メッセージ記録側100で記録したメッセージ情報をメッセージ再生側200に伝送し、メッセージ再生側で再生するようにした点である。
【0038】
図5において、ステップS300からステップS340まではメッセージ記録側100における動作であり、ステップS350からステップS380まではメッセージ再生側200における動作である。メッセージ記録側100において、ステップS300で、本112の所定位置を指定してカメラ116により本112を撮影し、ステップS310で、撮影画像から位置情報を認識し位置情報を作成し、ステップS320で、この位置情報に対応する関連情報を入力し、ステップS330で、位置情報と関連情報を組み合わせてメッセージ情報を作成して記録する。以上の動作は、図2に示すメッセージ記録方法と同様であるので詳しい説明は省略する。
【0039】
次に、ステップS340において、メッセージ記録側100では、メッセージ情報を記録すると同時に、メッセージ情報を再生側200へ伝送する。メッセージ再生側200では、メッセージ情報を受け取ると、メモリ228に記憶しておく。
メッセージ記録側100では、以上の動作を必要なだけ繰り返し、本112に対するメッセージ情報をすべて記録するとともに、ネットワーク140を介してメッセージ情報をメッセージ再生側200に伝送し、メッセージ再生側200のメモリ228に蓄積する。
【0040】
以下、ステップS350からステップS380は、メッセージ再生側200の動作である。メッセージ再生側200の動作は、基本的に図3のメッセージ再生方法と同様である。
すなわち、メッセージ再生側200におけるシステム利用者が、メッセージ記録側100と同じコンテンツ記録媒体、例えば本112と同じ本212を読む場合に、ステップS350において、本212の適当な位置を指し示してカメラ216で撮影し、ステップS360において、撮影画像からその本212上の位置情報を認識し、ステップS370で、その位置情報に対応するメッセージ情報が蓄積されていないか、検索手段230が位置情報を基にメモリ228内を検索する。
【0041】
検索の結果、その位置情報に対応するメッセージ情報が検出された場合には、メモリ228からメッセージ情報を読み出してモニタ234、スピーカ235、プリンタ236等のメッセージ再生(出力)手段から再生する。
このとき、メッセージ情報が関連情報そのものではなく、関連情報のアクセス先を有している場合には、検索手段230は、そのアクセス先へアクセスして関連情報を呼び出して再生する。
【0042】
このように、本実施形態によれば、あるコンテンツ記録媒体の所定の場所に対し付与した関連情報を友人等に伝送して、友人が同じコンテンツ記録媒体を参照する場合に、その関連情報を再生することで、本メッセージ記録再生システムを利用した第三者とのコミュニケーションを実現することができる。
上記の例は、同一タイトルの本についての事例であったが、写真プリントの場合は、焼き増しプリントに共通の識別情報を記録したICタグを貼付することにより、共通の写真シーンを基に情報を伝達し合うことができる。
【0043】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
上で説明した第1および第2実施形態では、コンテンツ記録媒体上の位置を指定し、認識するために、カメラによる撮影画像を利用したが、本実施形態は、この位置認識をより簡単化したものである。
【0044】
図6に本実施形態のメッセージ記録再生システムの概略構成を示す。
図6に示すように、本実施形態においては、コンテンツ記録媒体上の位置を簡単に認識するために、コンテンツ記録媒体として、特殊なドットパターンが形成されたシート312を利用し、このシート312上をスキャナ付き電子ペン314等の検出手段でなぞって指し示すことによりその位置が検出できるようになっている。
このように位置を検出するために特殊なシート312および電子ペン314を用いる他は、上記実施形態と同様の構成となっている。
【0045】
すなわち、電子ペン314で検出されたコンテンツ記録媒体(シート312)上の位置は、パソコン320の位置情報認識手段324に入力されるようになっており、パソコン320は、その他メッセージ情報記録手段326、メモリ328、検索手段330を有している。また、パソコン320には、キーボードやマイクロフォンあるいはスキャナ等の入力手段332、モニタ334、スピーカ335、プリンタ336等のメッセージ再生手段が接続されている。
【0046】
以下、図7および図8を参照して、本実施形態の作用を説明する。
まず図7を参照して、メッセージ記録方法を説明する。
図7のステップS400において、コンテンツ記録媒体(例えばシート312を利用した本やノート等)上の所定位置を、電子ペン(検出手段)314で指定する。シート312には、特殊なドットパターンが形成されており、電子ペン314でこれをなぞって、その特殊なドットパターンを読み取ることにより、シート312上の位置を特定することができるようになっている。
【0047】
次にステップS410において、特定された位置はパソコン320の位置情報認識手段324に入力される。位置情報認識手段324では、この特定された位置を基にそのシート312上の所定の位置を示す位置情報を作成し、メッセージ情報記録手段326および検索手段330に送る。
次にステップS420において、上の位置情報に対応する関連情報を入力手段332から入力する。この関連情報の入力は、前述したように、必ずしも位置を特定した直後に行う必要はなく、位置情報と対応がついていれば、任意の時点で行うことができる。
次にステップS430において、メッセージ情報記録手段326は、位置情報および関連情報を組み合わせてメッセージ情報を作成し、メモリ328に記録する。
【0048】
次に図8を参照してメッセージ再生方法を説明する。
図8のステップS500において、コンテンツ記録媒体としてのシート312上の所定位置を、検出手段である電子ペン314で指定する。電子ペン314で指定することによりシート312上の位置が特定される。電子ペン314の信号はパソコン320の位置情報認識手段324に入力される。
【0049】
次にステップS510において、位置情報認識手段324は、電子ペン314によって特定された位置からシート312上の位置情報を作成し、検索手段330に送る。
次にステップS520において、検索手段330は、送られた位置情報を基に、その位置情報に対応するメッセージ情報が存在しないか、メモリ328内を検索する。
【0050】
検索した結果、その位置情報に対応するメッセージ情報が検出された場合には、ステップS530において、その関連情報をモニタ334等のメッセージ再生手段によって再生する。
このように本実施形態によれば、コンテンツ記録媒体として特殊なドットパターンが形成されたシート312を用いることにより、電子ペン314でシート312上の位置を指すだけで位置を特定できるため、カメラによってコンテンツ記録媒体を撮影し、その撮影画像を画像処理して解析することにより位置を認識する場合に比べてはるかに簡単に位置を特定することが可能となる。
【0051】
以上、本発明のメッセージ記録および再生装置について、詳細に説明したが、本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
なお、モニタ表示またはプリンタに出力する際には、関連情報のみ出力するモードと、カメラ16による撮影画像内の該当位置に関連情報を合成するモードを設定できる様にしてもよい。
【0052】
また、上記の例におけるカメラは、固定されたものでも携帯型(デジタルカメラあるいはカメラ付携帯電話等)でもいずれでもよい。また、記録媒体上の所定の位置を認識するためにその位置を指し示すことは必ずしも必要ではない。
また、ICタグセンサを使用せずに、画像認識のみでその記録媒体あるいはその記録媒体上の位置を識別するシーン識別情報を作成するようにしてもよい。例えば、表紙タイトルを撮影して、文字認識によりタイトルをテキストデータ化してもよい。あるいは撮影画像そのものをシーン識別情報としてもよい。この場合、再生時には、撮影画像とのパターンマッチングにより、メッセージ情報との照合処理を行う。このとき、撮影画像としては、例えば、本の表紙、ページ、および指し指、の3段階の撮影画像を用いればよい。ただし、さし指は必ずしも必要ではない。あるいは、写真プリントを撮影した画像でもよい。
あるいは、カメラを使用せずに、ICタグシステムのみでも実施可能である。ただし、ICタグシステムのみの場合には、ページ指定や位置指定は、別途入力装置等により行う必要がある。
【0053】
また、写真プリントの場合、焼き増しプリントにおいては、共通の識別番号をプリントの余白やプリントの隅のエリアに合成してプリントし、これを用いて識別するようにしてもよい。この識別番号としては、例えば、撮影者ID、日付(日時、時刻)およびコマNo.等が例示される。
このときカメラ16で識別番号を読取り、文字認識することで個々のプリントを認識するようにしてもよい。
【0054】
また、本発明の他の適用例として、図9に示すように、本や写真あるいは衣服等の各種の物品50にICタグ52を貼付し、ウエラブルパソコン54を所持した人物が、その物品50を持つと、人体を導体としてICタグ52に保持されている物品IDがウエラブルパソコン52に伝送され、その物品50が識別されるようなシステムとしてもよい。このとき、例えばその物品50の関連情報がサーバ56に予め記録されている場合に、その物品IDによりサーバ56内を検索してその物品の関連情報が読み出される。読み出された情報は、例えばウエラブルパソコン54の表示画面に表示される。
あるいは、物品50を識別したら、その物品IDと対応させてウエラブルパソコン54からサーバ56に新規の関連情報を記録するようにしてもよい。
【0055】
また、この他、物品50にICタグ52とともに圧力センサ、加速度センサ、温度センサ等を貼付しておき、人物がその物品50を持つと、上記各種センサの検出データの変化をトリガとして、物品IDを発信し、その信号を受信器で受信し、データに変化のある物品を識別するようにしてもよい。あるいは、センサのデータを物品IDと一緒に発信するようにしてもよい。これらの信号はICタグ52から受信器側に発信される。受信器はウエラブルパソコン54に付設されていてもよいし、別体でもよい。
また、上記のような手法で、物品50を特定し、パソコンによるデータ伝送あるいは音声吹き込み等により、物品50に貼付されたICタグ52に情報を書込むようにしてもよい。
このようにすることにより、記録媒体に限定されない各種物品に、手軽にその関連情報を記録したり、その関連情報にアクセスすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1実施形態に係るメッセージ記録装置およびメッセージ再生装置の両方の機能を備えたメッセージ記録再生システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるメッセージ記録方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態におけるメッセージ再生方法を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態に係るメッセージ記録装置およびメッセージ再生装置を備えたメッセージ記録再生システムの概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2実施形態のメッセージ記録および再生方法を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第3実施形態に係るメッセージ記録装置およびメッセージ再生装置の両方の機能を備えたメッセージ記録再生システムの概略構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3実施形態におけるメッセージ記録方法を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態におけるメッセージ再生方法を示すフローチャートである。
【図9】本発明の他の適用例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0057】
10、110、210 ICタグ
12、112、212 本(コンテンツ記録媒体)
14、114、214 ICタグセンサ
16、116、216 カメラ(撮影手段)
20、120、220、320 パソコン
22、122、222 撮影指示手段
24、124、224、324 位置情報認識手段
26、126、326 メッセージ情報記録手段
28、128、228、328 メモリ
30、230、330 検索手段
32、132、232、332 入力手段
34、134、234、334 モニタ
35、235、335 スピーカ
36、236、336 プリンタ
40、140、340 ネットワーク
42 机
44 天井
50 物品
52 ICタグ
54 ウエラブルパソコン
56 サーバ
100 メッセージ記録側
200 メッセージ再生側
312 シート(コンテンツ記録媒体)
314 電子ペン(検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面全面に所定パターンが形成されたコンテンツ記録媒体上で指定された任意の位置を、前記所定パターンをスキャナ付き電子ペンで検出することで検出する検出手段、および、前記検出手段によって検出された前記任意の位置から、前記コンテンツ記録媒体のページの情報、および、このページ内のコンテンツ表示エリア内において指定された前記任意の位置の前記ページに対する相対的位置情報を、位置情報として認識する位置情報認識手段を有する位置情報取得手段と、
前記指定された位置に関連した情報を入力する関連情報入力手段と、
前記位置情報と、前記関連情報あるいは前記関連情報のアクセス先と対応付けて、メッセージ情報として記憶装置に記録するメッセージ情報記録手段と、を有することを特徴とするメッセージ記録装置。
【請求項2】
前記所定パターンが、ドットパターンである請求項1に記載のメッセージ記録装置。
【請求項3】
前記メッセージ情報は、テキストデータ、音声データ、手書き文字、および絵のいずれか1つ以上を含む請求項1または2に記載のメッセージ記録装置。
【請求項4】
前記コンテンツ記録媒体が、シートである請求項1〜3のいずれかに記載のメッセージ記録装置。
【請求項5】
前記コンテンツ記録媒体が、前記シートを利用する本もしくはノートである請求項4に記載のメッセージ記録装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のメッセージ記録装置によって記録されたメッセージ情報を再生するメッセージ再生装置であって、
表面全面に所定のパターンが形成されたコンテンツ記録媒体と、
スキャナ付き電子ペンによって前記コンテンツ記録媒体の表面上の所定パターンを検出することにより、前記コンテンツ記録媒体表面上で指定された任意の位置を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された任意の位置から、前記コンテンツ記録媒体のページの情報、および、このページ内のコンテンツ表示エリア内で指定された前記任意の位置の前記ページに対する相対的位置情報からなる位置情報を認識する位置情報認識手段と、
前記コンテンツ記録媒体表面上の前記位置情報に対応するメッセージ情報が存在しないか記憶装置内を検索する検索手段と、
前記コンテンツ記録媒体表面上の位置情報に対応するメッセージ情報が検出された場合に、該メッセージ情報を出力するメッセージ情報出力手段と、
を有することを特徴とするメッセージ再生装置。
【請求項7】
前記所定パターンが、ドットパターンである請求項6に記載のメッセージ再生装置。
【請求項8】
前記出力するメッセージ情報は、テキストデータ、音声データ、手書き文字、および絵のいずれか1つ以上を含む請求項6または7に記載のメッセージ再生装置。
【請求項9】
前記コンテンツ記録媒体が、シートである請求項6〜8のいずれかに記載のメッセージ再生装置。
【請求項10】
前記コンテンツ記録媒体が、前記シートを利用する本もしくはノートである請求項9に記載のメッセージ再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−140506(P2009−140506A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322125(P2008−322125)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【分割の表示】特願2003−83573(P2003−83573)の分割
【原出願日】平成15年3月25日(2003.3.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】