説明

メッセージ送信装置および方法ならびにプログラム

【課題】誤送信や送信エラーの機会を極力減らし、相手側に正確に簡易メールを含むメッセージを送信することを可能にする。
【解決手段】ISDN網20を介し自動発呼により得られる応答情報から指定の電話番号の使用状況を判定する調査判定手段と、調査判定手段で指定の電話番号が有効と判定された場合、指定の電話番号を宛先として契約端末50に作成したメッセージを送信し、調査判定手段で指定の電話番号が移転案内中であると判定された場合、移転先電話番号を宛先として契約端末50に作成したメッセージを送信するメッセージ送信手段と、を有するメッセージ送信装置10。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信事業者(キャリア)に依存することなく、契約端末に対し、作成したメッセージを送信する、コンピュータによって制御されるメッセージ送信装置および方法ならびにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
簡易メール(SMS:Short Message Service)は、携帯電話やPHS(Personal Handy Phone)同士で短文を送受信するサービスとして普及している。これまでの簡易メールは、キャリアに依存して送受信が行なわれていたが、平成23年7月13日(新聞報道)から異キャリア間でも送受信が可能になった。
【0003】
簡易メールは、加入者の携帯電話番号を宛先に作成したメッセージを送受信する特徴を有する。このため、相手側の電話番号が変更になり、あるいは解約した場合には送受信ができない。また、相手側が解約して今までに使用していた電話番号を継続して使用しない場合、各キャリアは、6カ月間(固定電話番号は3カ月間)経過すると、今まで使用していた電話番号を第三者に使用させることができる。この場合、送信側で相手側電話番号の変更を知らずに簡易メールを送信した場合、相手側の個人情報にかかわる重要な情報を第三者に誤送信することになる。このため、相手側の電話番号が変更になり、あるいは解約した場合に、上記した誤送信を未然に防止する方法の出現が望まれていた。
【0004】
一方、契約時の電話番号から当初のキャリアが判明することは、総務省のホームページ「電気通信番号指定状況」で公開されている携帯電話の電話番号から明らかである。このため、簡易メールを送信するにあたり、発信対象となる電話番号毎に契約キャリアを判定し、キャリア毎に指定されるメール送信手順で簡易メールを作成し送信すればよい。あるいは、携帯電話にPC(Personal Computer)を接続し、PCから携帯電話をコントロールして簡易メールを送信することで同様の結果が得られることはいうまでもない。PCから携帯電話をコントロールして接続された複数の携帯電話から大量にメールを発信する技術は、過去に「ワン切事件」として新聞報道され、周知である。
【0005】
ところで、携帯電話の加入者が別のキャリアに契約を切り替えても元の電話番号をそのまま使用することができる「ナンバーポータビリティ制度」によるサービスが2006年10月24日から開始された。しかしながら、従来、加入者がナンバーポータビリティ制度を利用して別のキャリアと契約した場合、簡易メールの送信手順が変更になることから送信できなかった。
【0006】
このことを解決するために、出願人は、「ISDN(Integrated Service Digital Network)回線網から返信される現在の電話番号情報と、コンピュータに記憶された電話番号情報DB(Data Base)の中から該当する携帯電話番号の使用状況履歴とを比較することにより、ナンバーポータビリティを利用している携帯電話番号を特定し、変更されたキャリアの簡易メール用の携帯電話番号を自動生成してリスト出力するアドレス変換装置」を開発し、特許出願した(特許文献1参照)。
【0007】
上記したアドレス変換装置を実現するための基礎技術として、出願人は、「電話帳に掲載されない電話番号の他、刻々と変化する電話番号を逐次チェックし、常に有効な電話番号が何番であるかを情報提供すると共に、移転等の異動があった場合でも電話番号の変更情報を提供することができる電話番号情報自動作成装置」を特許出願している(特許文献2、3参照)。
【0008】
出願人は、この特許文献2、3に記載された技術に基づき、国内に存在する固定電話と携帯電話の全ての電話番号に対して相手方の電話を鳴らすことなく調査対象の電話番号が、「現在使用されている(有効)、未使用になった(新規無効)、以前から未使用である(無効)、移転先電話番号を案内(移転)、都合取り消し案内中である(都合取り消し)」等の電話番号使用状況を定期的に電話番号自動発信装置で調査し、電話番号履歴情報として提供する「Doc.Bell(登録商標)」、と、指定の電話番号について同様に発呼して現在の使用状況を調査して返信する「Dr.Bell(登録商標)」と、を商用化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−258838号公報
【特許文献2】特開平10−117235号公報
【特許文献3】特開2000−316048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、上記したDoc.Bell(登録商標)、またはDr.Bell(登録商標)、あるいはその両方により提供される電話番号の使用履歴情報を参照し、全てのキャリアを対象に携帯電話番号の使用状況に変化が無いか判定し、その結果を用いて作成したメッセージを送信することにより、誤送信や送信エラーの機会を極力減らし、相手側に正確に簡易メールを含むメッセージ送信が可能な、メッセージ送信装置および方法ならびにプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するために、本発明は、以下のメッセージ送信装置、同方法及び同プログラムを提供する。(1)通信事業者に依存することなく契約端末に作成したメッセージの送信が可能なコンピュータにより制御されるメッセージ送信装置であって、サービス統合デジタル網を介し自動発呼により得られる応答情報から指定の電話番号の使用状況を判定する調査判定手段と、前記調査判定手段で判定された前記指定の電話番号の使用状況に基づき、前記契約端末に対する、前記作成したメッセージの送信可否を制御するメッセージ送信制御手段と、を有することを特徴とするメッセージ送信装置を提供する。
【0012】
上記(1)のメッセージ送信装置によれば、メッセージ送信制御手段は、調査判定手段で判定された指定の電話番号の使用状況に基づき、契約端末に対する、作成したメッセージの送信可否を制御する。このため、例えば、所有者が変更になって、本来送ってはいけない相手側へのメッセージ送信を禁止するように制御することができ、したがって、正確にメッセージを送信可能なメッセージ送信装置を提供することができる。
【0013】
(2)前記メッセージ送信制御手段は、前記調査判定手段で前記指定の電話番号が有効と判定された場合、前記指定の電話番号を宛先として前記契約端末に前記作成したメッセージを送信し、前記調査判定手段で前記指定の電話番号が移転案内中であると判定された場合、移転先電話番号を宛先として前記契約端末に前記作成したメッセージを送信することを特徴とする上記(1)記載のメッセージ送信装置を提供する。上記(2)のメッセージ送信装置によれば、メッセージ送信制御手段は、調査判定手段で指定の電話番号が移転案内中であると判定された場合、移転先電話番号を宛先として契約端末に作成したメッセージを送信する。したがって、移転先電話番号を宛先に作成されたメッセージが送信され、例えば、通信事業者の変更に伴い移転が発生した場合に、現在有効になっている通信事業者の送信手順にしたがうメッセージが作成され送信される。このため、相手側に正確にメッセージを送信可能なメッセージ送信装置を提供することができる。
【0014】
(3)前記調査判定手段と前記メッセージ送信手段は、ともに第1のコンピュータに実装されることを特徴とする上記(1)又は(2)記載のメッセージ送信装置を提供する。上記(3)のメッセージ送信装置によれば、第1のコンピュータのみで、サービス統合デジタル網を介し自動発呼により得られる応答情報から指定の電話番号の使用状況を判定し、指定の電話番号が移転案内中であると判定された場合、移転先電話番号を宛先として契約端末に前記作成したメッセージを送信するため、費用対効果が増して設備投資が少なくて済む。
【0015】
(4)前記調査判定手段は第1のコンピュータに実装され、前記メッセージ送信手段は、前記第1のコンピュータとは独立した第2のコンピュータに実装されることを特徴とする上記(1)又は(2)記載のメッセージ送信装置を提供する。上記(4)のメッセージ送信装置によれば、第1のコンピュータと第2のコンピュータとにより負荷分散をはかり、第1のコンピュータで、サービス統合デジタル網を介し自動発呼により得られる応答情報から指定の電話番号の使用状況を判定し、第2のコンピュータで、指定の電話番号が移転案内中であると判定された場合に移転先電話番号を宛先として契約端末に作成したメッセージを送信する。したがって、第1のコンピュータの負荷が軽減され、システムとしてのスループットが向上する。
【0016】
(5)前記調査判定手段は、前記判定された指定の電話番号の使用状況を所定期間蓄積した電話番号使用履歴情報から順次読み出して前記メッセージ送信制御手段へ出力する第1の判定を行うことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1つ記載のメッセージ送信装置を提供する。上記(5)のメッセージ送信装置によれば、指定の電話番号の使用状況を所定期間蓄積した電話番号使用履歴情報から使用状況を判定するため、過去において移転案内をしていた無効電話番号を得ることが出来、この場合メッセージ送信制御手段はメッセージ送信を禁止するため、誤送信や送信エラーを極力回避することが出来る。
【0017】
(6)前記調査判定手段は、前記判定された指定の電話番号の使用状況を所定期間蓄積した電話番号使用履歴情報から直近の使用状況を読み出して前記メッセージ送信制御手段へ出力する第2の判定を行うことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1つ記載のメッセージ送信装置を提供する。上記(6)のメッセージ送信装置によれば、メッセージ送信制御手段は、今現在の使用状況により無効や移転に変化した状態を知ることが出来、最新の状態でメッセージの送信を制御することができる。また、調査判定手段は、直近のみならず過去の電話番号使用履歴も参照することで、メッセージ送信制御手段は、過去から現在に至る調査結果に基づきメッセージ送信を制御するため、誤送信、送信エラーの機会をより一層減らすことができる。
【0018】
(7)前記メッセージ送信制御手段は、前記取得した応答情報から前記指定の電話番号がナンバーポータビリティを利用しているか否かを判定し、利用していると判定された場合、前記作成したメッセージが現在着信可能な宛先に変換することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれか1つ記載のメッセージ送信装置を提供する。上記(7)のメッセージ送信装置によれば、相手加入者がナンバーポータビリティを使用している場合に宛先が自動変換されメッセージが送信されるため、ナンバーポータビリティによる通信事業者の変更に対処することができる。
【0019】
(8)前記メッセージ送信制御手段は、前記作成したメッセージを所定の時間帯に送信することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれか1つ記載のメッセージ送信装置を提供する。上記(8)のメッセージ送信装置によれば、深夜又は早朝など送信先へのメッセージの送信が例えば法令上制限されているような場合であっても対処することができる。
【0020】
(9)通信事業者に依存することなく契約端末に作成したメッセージの送信が可能な、コンピュータにより制御されるメッセージ送信システムに用いられるメッセージ送信方法であって、サービス統合デジタル網を介し自動発呼により得られる応答情報から指定の電話番号の使用状況を判定する第1のステップと、前記第1のステップで判定された前記指定の電話番号の使用状況に基づき、前記契約端末に対する、前記作成したメッセージの送信可否を制御する第2のステップと、を有することを特徴とするメッセージ送信方法を提供する。
【0021】
上記(9)のメッセージ送信方法によれば、メッセージ送信装置は、第1のステップで判定された指定の電話番号の使用状況に基づき、契約端末に対する、作成したメッセージの送信可否を制御する。このため、例えば、所有者が変更になって、本来送ってはいけない相手側へのメッセージ送信を禁止するように制御することができ、したがって、正確にメッセージを送信可能なメッセージ送信方法を提供することができる。また、例えば、指定の電話番号が移転案内中であると判定された場合、移転先電話番号を宛先として契約端末に作成したメッセージを送信する。したがって、移転先電話番号を宛先に作成されたメッセージが送信されるため、例えば、キャリア変更に伴い移転が発生した場合に、現在有効になっている通信事業者の送信手順にしたがうメッセージが作成され、その結果、相手側に正確にメッセージを送信可能なメッセージ送信方法を提供することができる。
【0022】
(10)コンピュータ上で実行され、通信事業者に依存することなく契約端末に作成したメッセージの送信が可能なメッセージ送信装置に使用されるメッセージ送信プログラムであって、前記コンピュータに、サービス統合デジタル網を介し自動発呼により得られる応答情報から指定の電話番号の使用状況を判定する調査判定処理と、前記調査判定処理で判定された前記指定の電話番号の使用状況に基づき、前記契約端末に対する、前記作成したメッセージの送信可否を制御するメッセージ送信制御処理と、を実行させることを特徴とするメッセージ送信プログラムを提供する。
【0023】
上記(10)のメッセージ送信プログラムによれば、メッセージ送信装置は、調査判定処理で判定された指定の電話番号の使用状況に基づき、契約端末に対する、作成したメッセージの送信可否を制御する。このため、例えば、所有者が変更になって、本来送ってはいけない相手側へのメッセージ送信を禁止するように制御することができ、したがって、正確にメッセージを送信可能なメッセージ送信プログラムを提供することができる。また、例えば、指定の電話番号が移転案内中であると判定された場合、移転先電話番号を宛先として契約端末に作成したメッセージを送信する。したがって、移転先電話番号を宛先に作成されたメッセージが送信されるため、例えば、通信事業者の変更に伴い移転が発生した場合に、現在有効になっている通信事業者の送信手順にしたがうメッセージが作成され、その結果、相手側に正確にメッセージを送信可能なメッセージ送信プログラムを提供することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、誤送信の機会を極力減らして相手側に正確に簡易メールを含むメッセージ送信が可能な、メッセージ送信装置および方法ならびにプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態に係るメッセージ送信装置の接続構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るメッセージ送信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るメッセージ送信装置のメッセージ送信画面の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るメッセージ送信装置において、交換機から返送される理由表示の一例を表形式で示した図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るメッセージ送信装置により生成される電話番号使用履歴情報DBのデータ構造の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るメッセージ送信装置の動作(実施例1)を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態に係るメッセージ送信装置の動作(実施例2)を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係るメッセージ送信装置の接続形態の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0027】
(実施形態の構成)
図1は、本実施形態に係るメッセージ送信装置の接続構成の一例を示す図である。図1に示すメッセージ送信システム1によれば、本実施形態に係るメッセージ送信装置10が作成したメッセージを簡易メールの形態で契約ユーザ(契約端末50)が閲覧できるように、インターネット等のオープンネットワーク(IP:Internet Protocol網30)を経由して提供する構成になっている。
【0028】
本実施形態に係るメッセージ送信装置10は、例えば、病院等の構内に設置され、診察待ちをしている契約顧客に対して診察の順番の到来が近いことを通知し、あるいは、会計準備が整ったことを通知するアプリケーションに使用される。図1に示されるように、本実施形態に係るメッセージ送信装置10は、例えば、PC(Personal Computer)等からなるメッセージ作成端末70がLAN60(Local Area Network)経由で接続される。メッセージ送信装置10は、国内に存在する固定電話や携帯電話等、電話機40の全ての電話番号に対して相手方の電話機を鳴らすことなく発信し、指定の電話番号が、「現在使用されている(有効)、未使用になった(新規無効)、以前から未使用である(無効)、移転先電話番号を案内(移転)、都合取り消し案内中である(都合取り消し)」等を定期的に調査して電話番号履歴情報を生成し、後述するDB上に蓄積する。
【0029】
具体的に、メッセージ送信装置10は、電話番号を発信したときに公衆電話回線網の一つであるISDN(Integrated Service Digital Network)網20に接続される交換機から返信される理由識別情報を所定期間だけ収集して上記したDBを構築する。そして、このDBを参照することにより、指定の送信対象となる電話番号の使用状況の変化を調べ、ここで判定された使用状況が「有効」と判定された場合、その電話番号を宛先として契約端末50に作成したメッセージを送信し、移転案内中であると判定された場合、案内された移転先電話番号を宛先として契約端末50に作成したメッセージを送信する。なお、ここで指定の電話番号とは、予め上記したアプリケーションの使用契約を締結した顧客が所持する契約端末50に割り当てられている電話番号である。
【0030】
メッセージ送信装置10は、図2にその内部構成が示されるように、演算処理装置100と、記憶装置200とを含み構成される。演算処理装置100は、記憶装置200のプログラム領域201に割り付けられて記憶されるメッセージ送信プログラムに基づき、電話番号を発信したときにISDN網20に接続される図示の交換機から返信される理由識別情報(理由表示)に基づき指定のとなる電話番号の使用状況を判定する。そして、使用状況が「有効」と判定された場合、その電話番号を宛先として契約端末50に作成したメッセージを送信し、「移転案内中」であると判定された場合、案内された移転先電話番号を宛先として契約端末50に作成したメッセージを送信する。
【0031】
このため、演算処理装置100が実行するメッセージ送信プログラムは、図2にその構造が機能展開されて示されているように、音声・回線制御部101と、使用状況判定部102と、メッセージ取込み部103と、メッセージ組立部104と、通信ネットワークインタフェース部105とを含む。なお、記憶装置200には、その一部領域に、上記したメッセージ送信プログラムが割り当てられ記憶されるプログラム領域201の他に、電話番号使用履歴情報DB202と、電話番号情報DB203とが割り付けられ記憶される。電話番号使用履歴情報DB202のデータ構造等の詳細については後述する。
【0032】
使用状況判定部102は、電話帳に不掲載の電話番号を含む、刻々変化する全国の有効電話番号をISDN網20経由でオートダイヤルにより得、電話番号の使用状況を示す理由識別情報、および移転先電話番号を、調査年月日と共に電話番号使用履歴情報DB202として記憶装置200に保存する。このため、使用状況判定部102は、音声・回線制御部101を介してISDN網20に接続される。使用状況判定部102は、収集された理由識別情報に基づき、指定の電話番号が、「現在使用されている(有効)、未使用になった(新規無効)、以前から未使用である(無効)、移転先電話番号を案内(移転)、都合取り消し案内中である(都合取り消し)」等を判定し、メッセージ組立部104に引き渡す。
【0033】
このため、音声・回線制御部101と使用状況判定部102とが協働して動作することにより、「サービス統合デジタル網(ISDN網20)を介し自動発呼により得られる応答情報から指定の電話番号の使用状況を判定する調査判定手段」として機能する。
【0034】
メッセージ取込み部103は、メッセージ作成端末70を操作することにより作成されるメッセージを取り込んでメッセージ組立部104に出力する。メッージ作成者はメッセージ作成端末70を操作することにより、例えば、図3に示すメッセージ作成端末70の画面上に表示されるテンプレートにしたがい、メッセージと、配信先(契約者指定の電話番号)とを、入力フィールド70a、70bにそれぞれ操作入力し、実行釦70cを押下する。メッセージ取込み部103はこれを検知してメッセージ組立部104にその内容を出力する。
【0035】
なお、図3に示すテンプレートは、携帯電話のOS(Operating System)の一つであるアンドロイド(登録商標)で動作が確認されたツールである。簡易メッセージの作成、送信の仕方については周知であり、上記したアンドロイド(登録商標)に限らず、Skype(登録商標)やWindows(登録商標)によっても同様にツールが提供されている。
【0036】
メッセージ組立部104は、使用状況判定部102により、電話番号情報DB203に格納された指定の電話番号が実在し、「有効」と判定された場合に、その電話番号を宛先として通信ネットワークインタフェース部105を介して契約端末50に作成したメッセージを送信する。また、メッセージ組立部104は、使用状況判定部102により指定の電話番号が「移転案内中」であると判定された場合、案内された移転先電話番号を宛先とし、通信ネットワークインタフェース部105を介して契約端末50に作成したメッセージを送信する。
【0037】
通信ネットワークインタフェース部105は、IP網30を介して接続される契約端末70との間で、SIP(Session Initiation Protocol)等、所定のプロトコルに基づきメッセージを組み立て、IP網30を介して接続される契約端末50に作成したメッセージの送信を行なう。
【0038】
このため、メッセージ取込み部103と、メッセージ組立部104と、通信ネットワークインタフェース部105とが協働して動作することにより、「調査判定手段で判定された指定の電話番号の使用状況に基づき、契約端末に対する、作成したメッセージの送信可否を制御するメッセージ送信制御手段」として機能する。メッセージ送信制御手段は、更に、調査判定手段で指定の電話番号が有効と判定された場合、指定の電話番号を宛先として契約端末に作成したメッセージを送信し、調査判定手段で指定の電話番号が移転案内中であると判定された場合、移転先電話番号を宛先として契約端末に作成したメッセージを送信する。
【0039】
図4は、ISDN網20上で電話番号を発信したときに交換機から返送される理由識別情報(理由表示)の代表例である。交換機からの理由表示はCCITT(国際電信電話諮問委員会)勧告を基にTTC(電信電話技術委員会)標準によりJT−Q931に規定された回線交換呼の基本呼制御手順にしたがう。NTTは、INS(Information Network System)ネットサービスの技術資料において理由表示を公開している。音声・回線制御部122は、交換機との呼制御メッセージを利用してJT−Q931(レイヤ3)情報を収集することになる。交換機からの理由表示には、「001:欠番」、「016:正常」、「022:加入者番号変更」、「028:無効番号」、等があり、使用状況判定部102は、これらを必要な種類に分類し、同時に、調査年月、時間等を記憶装置200上の電話番号使用履歴情報DB202に蓄積し保存する。
【0040】
交換機からの理由表示には大別される「使用中電話番号」と「未使用電話番号」の他に、「A:使用中電話番号であっても都合取り外し電話番号」、「B:未使用電話番号であっても(移転先メッセージ案内中電話番号)、(連絡先メッセージ案内中電話番号)」、「C:番号誤りメッセージ案内中電話番号)、(現在使われていませんメッセージを案内中電話番号)」、「D:前回調査で未使用電話番号から今回使用中になった電話番号」等が存在する。この収集された調査時点での「電話番号」、「理由表示」、「年月日」、「時間」等は、記憶装置11に保存され、使用状況判定部102は、この処理を定期的または随時行うことで、記憶装置200上に電話番号使用履歴情報DB202として構築することができる。
【0041】
図5に、電話番号使用履歴情報DB202のデータ構造が例示されている。図5によれば、(a)は、過去から現在に至る調査でいずれも実在(有効)するキャリアAの電話番号“a”の調査結果である。(b)は、過去に実在し、2011年6月22日の直近の調査で移転状態(移転先電話番号は“09063782475”)にあるキャリアBの電話番号“b”の調査結果である。(c)は、過去に「実在」し、「移転」(移転先の電話番号は“08051517195”)を挟み、現在欠番になっているキャリアCの電話番号“c”の調査結果である。(d)は、過去に実在したが現在欠番になっているキャリアDの電話番号“d”の調査結果である。(e)は、過去に実在と欠番を繰り返し、ここ数カ月の間実在するキャリアEの電話番号“e”の調査結果である。
【0042】
ここで、図5(e)のケースを例示し、例えば、2010年2月以前に実在(有効)し、システムに登録された契約ユーザ(契約端末50)に対して作成したメールを送信する場合の補足説明を行う。本ケースでは、契約端末50は、2010年4月4日から6カ月以上の間無効になっており、2011年12月29日から実在して、再度有効になっている。このことは、契約端末50の所有者が変更になったことを意味する。したがって、メール送信は禁止されてしかるべきものである。しかしながら、2カ月程度前の直近の使用履歴、あるいは今現在の使用状況のみで判断すれば、メールが誤送信されてしまう。しかしながら上記したように過去数年間の履歴を参照すればこのようなメールの誤送信は回避することができる。但し、2010年12月29日以降に登録された契約ユーザ(契約端末)であれば、メール送信は許可される。
【0043】
(実施形態の動作)
図6、図7は、本実施形態に係るメッセージ送信装置10の動作を示すフローチャートである。図6に示すフローチャートは、定期的に更新される過去数年間の電話番号使用履歴情報に基づき調査判定した結果からメッセージ送信を行う実施例であり、図7に示すフローチャートは、電話番号使用履歴情報DB202に蓄積され保存された、例えば2か月間における直近の電話番号使用履歴情報基づき調査判定した結果からメッセージ送信を行なう実施例である。すなわち、図6は、Dr.Bell(登録商標)により指定の電話番号の使用状況の判定を行い、メッセージ送信を制御する実施例であり、図7は、Doc.Bell(登録商標)により指定の電話番号の使用状況の判定を行い、メッセージ送信を制御する実施例である。
【0044】
実施例1.
まず、図6のフローチャートを参照しながら、Dr.Bell(登録商標)を用いてメッセージ送信を制御する実施例1に係るメッセージ送信装置10の動作について詳細に説明する。
【0045】
使用状況判定部102は、音声・回線制御部101と連携して動作することにより、電話帳に不掲載の電話番号を含む、刻々変化する全国の有効電話番号をISDN網20経由でオートダイヤルにより得、理由表示、移転先電話番号、調査年月日をデータ項目として含む電話番号使用履歴情報DB202を構築し、記憶装置200上に蓄積してあるものとする。
【0046】
使用状況判定部102は、まず、電話番号情報DB203からメッセージ送信対象の電話番号を1件毎抽出する(ステップS101)。そして、電話番号使用履歴情報DB202を参照し、指定の電話番号の過去数年間の電話番号使用履歴情報を読み出し(ステップS102)、そのメッセージ送信対象の電話番号が「有効」であるか否かを判定する(ステップS103)。
【0047】
使用状況判定部102で「有効」であると判定され、メッセージ組立部104にその旨が通知されると(ステップS103“YES”)、メッセージ組立部104は、指定の電話番号を宛先とし、メッセージ作成端末70により作成され、メッセージ取込み部103で取り込まれたメッセージを組立て(ステップS104)、通信ネットワークインタフェース部105に出力する。これを受けて通信ネットワークインタフェース部105では、メッセージ組立部104から出力されるメッセージをSIPに基づく送信手順にしたがい、IP網30経由で該当の契約端末70宛てに送信する(ステップS105)。
【0048】
一方、メッセージ送信対象の電話番号が無効であって(ステップS104“NO”)、更に、その電話番号が移転案内中であると判定された場合(ステップS106“YES”)、メッセージ組立部104は、旧電話番号を破棄し、案内された移転先電話番号に入れ替えて新宛先とし(ステップS107)、メッセージ取込み部103によって取り込まれたメッセージを組立て(ステップS108)、通信ネットワークインタフェース部105に出力する。これを受けて通信ネットワークインタフェース部105では、メッセージ組立部104により出力されるメッセージをSIPの送信手順にしたがいIP網30を介して該当の契約端末50に送信する(ステップS109)。
【0049】
なお、ステップS106の判定処理で、移転先電話番号の案内が無いと判定された場合(ステップS106“NO”)、メッセージ組立部104は、無効電話番号であることからメッセージの生成および送信は行なわない。このため、メッセージ送信は禁止される。上記の一連の動作は、電話番号情報DB203に格納された指定の送信対象電話番号全件の抽出が終了するまで繰り返し実行される(ステップS110)。
【0050】
上記した実施例1に係るメッセージ送信装置10によれば、指定の電話番号の使用状況を所定期間蓄積した電話番号使用履歴情報から使用状況を判定するため、過去において移転案内をしていた無効電話番号を得ることが出来、この場合メッセージ送信制御手段はメッセージ送信を禁止するため、誤送信や送信エラーを極力回避することが出来る。
【0051】
実施例2.
次に、図7のフローチャートを参照しながら、Doc.Bell(登録商標)を用いてメッセージ送信を制御する実施例2に係るメッセージ送信装置10の動作について詳細に説明する。
【0052】
使用状況判定部12は、音声・回線制御部101と連携して動作することにより、電話帳に不掲載の電話番号を含む、刻々変化する全国の有効電話番号をISDN網20経由でオートダイヤルにより得、理由表示、移転先電話番号、調査年月日からなる電話番号使用履歴情報DB202を構築し、記憶装置200上に蓄積してあるものとする。
【0053】
使用状況判定部102は、まず、電話番号情報DB203からメッセージ送信対象となる指定の電話番号を1件毎抽出する(ステップS201)。そして、使用状況判定部102は、記憶装置200上の電話番号使用履歴情報DB202を参照し(ステップS202)、当該履歴が更新された最後の調査日の指定の電話番号が有効か否かを判定し、あるいは、今現在、調査判定した結果が有効か否かを判定する(ステップS203)。
【0054】
使用状況判定部102で「有効」であると判定され、メッセージ組立部104に通知されると(ステップS203“YES”)、メッセージ組立部104は、そのメッセージ送信対象の電話番号を宛先とし、メッセージ取込み部103により取り込まれたメッセージを通信ネットワークインタフェース部105に出力する(ステップS204)。これを受けて通信ネットワークインタフェース部105では、メッセージ組立部104から出力されるメッセージをSIPに基づく送信手順にしたがいIP網30経由で該当の宛先を有する契約端末50に送信する(ステップS205)。
【0055】
一方、指定の電話番号の直近の履歴が無効であって(ステップS203“NO”)、更に、その電話番号が移転案内中であると判定された場合(ステップS206“YES”)、メッセージ組立部104は、旧電話番号を案内された移転先電話番号に入れ替え(ステップS207)、メッセージ取込み部103により取込まれたメッセージを組立て、通信ネットワークインタフェース部105に出力する(ステップS208)。これを受けて通信ネットワークインタフェース部105は、メッセージ組立部104により出力されるメッセージをSIPの送信手順にしたがいIP網30を介して該当の宛先を持つ契約端末50宛てに送信する(ステップS209)。
【0056】
なお、ステップS206の判定処理で移転先電話番号の案内が無いと判定された場合(ステップS206“NO”)、メッセージ組立部104は、無効電話番号であることからメッセージの生成および送信は行なわない。このため、メッセージ送信は禁止される。上記の一連の動作は、電話番号情報DB203に格納された指定の送信対象電話番号全件の抽出が終了するまで繰り返し実行される(ステップS210)。
【0057】
上記した実施例2に係るメッセージ送信装置10によれば、直近の使用状況により今現在の無効や移転に変化した状態を知ることが出来、最新の状態でメッセージの送信を制御することができる。また、直近の使用状況のみならず、所定期間の電話番号使用履歴も参照することで、漏れのない調査結果からメッセージ送信の制御が可能になるため、誤送信、送信エラーの機会をより一層減らすことができる。
【0058】
なお、本実施形態に係るメッセージ送信装置10は、実施例1、実施例2共に、メッセージ送信装置10をIP網30に接続して契約端末50に作成したメッセージを送信するものとして説明したが、例えば、図8にそのシステム構成が示されるように、契約キャリア毎に用意される通信カード80a〜80nのいずれかを介して公衆網90に接続して契約端末50に作成したメッセージを送信してもよい。なお、ここでいう通信カード80a〜80nとは、図8に公衆網90として示されるPHS(Personal Handyphone System)網や携帯電話回線網を利用してWeb(World Wide Web)ページの閲覧やメールの送受信を行うためのカード形態、あるいはUSB(Universal Serial Bus)形態の通信装置であって、ここでは、メッセージ送信装置10を構成するPCのカードスロットあるいはUSBスロットに装着して使用する。
【0059】
ところで、実施例1及び2において、大量のメッセージを送信した場合、送信先への送信時刻が深夜又は早朝となることも予想される。このような事態を避けるため、メッセージ送信制御手段において、メッセージの送信可能な時間帯を制限するように設定してもよい。例えば、本願発明に係るメッセージ送信装置等のユーザとして貸金業者が想定されるが、現在の貸金業法第21条では、「貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たって、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。」とされ、その第1号において、「正当な理由がないのに、社会通念に照らし不適当と認められる時間帯として内閣府令で定める時間帯(午後九時から午前八時までの間)に、債務者等に電話をかけ、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者等の居宅を訪問すること」を禁止している。本願発明に係るメッセージ送信装置等は、このような法令上の制限等を遵守するように、予め送信可能な時間帯を設定することができる。
【0060】
また、通信事業会社は、迷惑メール送信業者を排除するため、1月当たりや1日当たりなどのメール送信件数を制限している。例えば、NTTドコモでは、送信側への制限として、本願の出願現在、SMSの送信通数を1月当たり1000通未満、1日当たり200通未満としている。そして、それ以上の通数を送信すると、迷惑メールの送信として利用停止や回線利用契約解除措置などが講じられる。但し、SMSを送信する正当な理由がある場合には、これを予め開示することにより通信事業会社と回線利用契約の締結にあたって制限の適用除外を受けることができる。本実施形態に係るメッセージ送信制御手段は、送信通数の制限が適用される場合に備え、その制限を組込むことができるものである。例えば、1時間当たりの送信通数を10通とするなどしてゆっくりとSMSを送信することが可能であって、しかもユーザが端末を用いて送信間隔を自由に設定することができる。仮に1日当たり送信通数の上限を199通に設定したとすると、1時間当たり10通ならば20時間かけて送信し、1時間当たり20通ならば10時間かけて送信するがごときである。もちろん1日の最後の時間帯である20時間目又は10時間目においては、9通又は19通の送信で停止する。このように、メッセージ送信制御手段は、いつでも必要に応じて、1日当たり、1時間当たり、さらには1月当たりなどの送信制限を設定し、1つの電話回線ごとに送信間隔を設定することができる。
【0061】
(実施形態の効果)
以上説明のように、本実施形態に係るメッセージ送信装置10によれば、メッセージ取込み部103と、メッセージ組立部104と、通信ネットワークインタフェース部105とからなるメッセージ送信手段は、音声・回線制御部101と使用状況判定部102とからなる調査判定手段で、指定の電話番号が移転案内中であると判定された場合、移転先電話番号を宛先とする該当の契約端末50に対して作成したメッセージを送信する。したがって、契約端末50に対して現在有効な移転先電話番号を宛先に作成されたメッセージが送信され、例えば、通信事業者の変更に伴い移転が発生した場合に、現在有効になっている通信事業者の送信手順にしたがうメッセージが作成され送信される。このため、誤送信や送信エラーが極力回避され、相手側に正確にメッセージを送信することができる。
【0062】
なお、上記した本実施形態に係るメッセージ送信装置10によれば、メッセージ送信装置10が、単独のコンピュータ(演算処理装置100)を用いて、ISDN網20を介し自動発呼により得られる応答情報から指定の電話番号の使用状況を判定し、指定の電話番号が移転案内中であると判定された場合、移転先電話番号を宛先として契約端末に作成したメッセージを送信するものとして説明したが、例えば、特許文献2に開示された電話番号情報自動作成装置との間で機能分散を図り、ISDN網20を介して接続される不図示の電話番号情報自動作成装置(第1のコンピュータ)で、ISDN網20を介し自動発呼により得られる応答情報から指定の電話番号の使用状況を判定し、メッセージ送信装置10(第2のコンピュータ)で、指定の電話番号が移転案内中であると判定された場合に移転先電話番号を宛先として契約端末50に作成したメッセージを送信してもよい。前者は投資効果が高い利点があるのに対し、後者は、メッセージ送信装置10の負荷が軽減されるため、システム全体としてのスループットが向上するという利点がある。
【0063】
また、本実施形態に係るメッセージ送信装置10によれば、メッセージ送信前にDr.Bell(登録商標)を単独で使用し、或いは、Doc.Bell(登録商標)を単独使用して誤送信や送信エラーを極力防止するものとして説明したが、Dr.Bell(登録商標)とDoc.Bell(登録商標)との併用により電話番号の使用状況を判定してメッセージ送信を制御する形態が好ましい。すなわち、Dr.Bell(登録商標)のみで電話番号の利用状況を判定した場合、直近の使用状況のみからメッセージ送信を制御することになり、過去において移転案内していた無効電話番号の情報を得ることが出来ない。また。Doc.Bell(登録商標)のみで電話番号の使用状況を判定してメッセージ送信を制御すると、データベース提供する迄の時間差があるため、どうしても最新の状態で20日程度前の調査結果を利用することになるため、件数的には微小であっても直近の無効や移転に変化した状態を知ることができず、この間の救済ができない。したがって、Dr.Bell(登録商標)とDoc.Bell(登録商標)を併用して電話番号の使用状況を判定し、メッセージ送信を制御する形態をとることで、過去から現在まで漏れなく電話番号の使用状況を判定でき、このため、誤送信や送信エラーを極力回避することが出来る。
【0064】
なお、Doc.Bell(登録商標)と同様、本発明のメッセージ送信装置10を採用企業毎に設置し、採用企業の顧客の登録携帯電話番号情報を、Dr.Bell(登録商標)を使用して定期的に調査して履歴情報を蓄積することにより、Doc.Bell(登録商標)を使用した場合と同様の効果があることはいうまでもない。
【0065】
(メッセージ送信方法)
なお、本実施形態に係るメッセージ送信方法は、例えば、図1、図2に示されるように、通信事業者に依存することなく契約端末50に、作成したメッセージの送信が可能な、コンピュータ(演算処理装置100)により制御されるメッセージ送信システム1に適用されるメッセージ送信方法である。そして、例えば、図6のフローチャートに示されるように、サービス統合デジタル網(ISDN網20)を介し自動発呼により得られる応答情報から指定の電話番号の使用状況を判定する第1のステップ(S102)と、第1のステップで判定された指定の電話番号の使用状況に基づき、契約端末に対する、作成したメッセージの送信可否を制御する第2のステップ(S103〜S109)と、を有するものである。
【0066】
本実施形態に係るメッセージ送信方法によれば、メッセージ送信装置10は、第1のステップで判定された指定の電話番号の使用状況に基づき、契約端末に対する、作成したメッセージの送信可否を制御する。このため、例えば、所有者が変更になって、本来送ってはいけない相手側へのメッセージ送信を禁止するように制御することができ、したがって、正確にメッセージを送信可能なメッセージ送信方法を提供することができる。また、例えば、指定の電話番号が移転案内中であると判定された場合、移転先電話番号を宛先として契約端末50に作成したメッセージを送信する。したがって、移転先電話番号を宛先に作成されたメッセージが送信されるため、例えば、通信事業者の変更に伴い移転が発生した場合に、現在有効になっている通信事業者の送信手順にしたがうメッセージが作成され、その結果、相手側に正確にメッセージを送信するメッセージ送信方法を提供することができる。
【0067】
(メッセージ送信プログラム)
なお、本実施形態に係るメッセージ送信プログラムは、例えば、図1、図2に示されるように、コンピュータ(演算処理装置100)上で実行され、通信事業者に依存することなく契約端末50に作成したメッセージの送信が可能なメッセージ送信装置10に使用されるメッセージ送信プログラム(記憶装置200のプログラム領域201に記憶)である。そして、例えば、図7に示されるように、コンピュータ(演算処理装置100)に、サービス統合デジタル網(ISDN網20)を介し自動発呼により得られる応答情報から指定の電話番号の使用状況を判定する調査判定処理(S202)と、調査判定処理で判定された指定の電話番号の使用状況に基づき、契約端末に対する、作成したメッセージの送信可否を制御するメッセージ送信制御処理(S203〜S209)と、を実行させるものである。
【0068】
本実施形態に係るメッセージ送信プログラムによれば、メッセージ送信装置10(演算処理装置100)は、記憶装置200上のプログラム領域201に記憶されたメッセージ送信プログラムを逐次読み出し実行することにより、例えば、所有者が変更になって、本来送ってはいけない相手側へのメッセージ送信を禁止するように制御することができ、したがって、正確にメッセージを送信可能なメッセージ送信プログラムを提供することができる。また、例えば、指定の電話番号が移転案内中であると判定された場合に、移転先電話番号を宛先として契約端末50に作成したメッセージを送信する。したがって、移転先電話番号を宛先に作成されたメッセージが送信されるため、例えば、通信事業者の変更に伴い移転が発生した場合に、現在有効になっている通信事業者の送信手順にしたがうメッセージが作成され、その結果、相手側に正確にメッセージを送信可能なメッセージ送信プログラムを提供することができる。
【0069】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0070】
1 メッセージ送信システム
10 メッセージ送信装置
20 ISDN網(サービス統合デジタル網)
30 IP網
40 電話機
50 契約端末
60 LAN
70 管理端末
80a〜80n 通信カード
90 公衆網
100 演算処理装置
101 音声・回線制御部
102 使用状況判定部
103 メッセージ取込み部
104 メッセージ組立部
105 通信ネットワークインタフェース部
200 記憶装置
201 プログラム領域
202 電話番号使用履歴情報DB
203 電話番号情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信事業者に依存することなく契約端末に作成したメッセージの送信が可能なコンピュータにより制御されるメッセージ送信装置であって、
サービス統合デジタル網を介し自動発呼により得られる応答情報から指定の電話番号の使用状況を判定する調査判定手段と、
前記調査判定手段で判定された前記指定の電話番号の使用状況に基づき、前記契約端末に対する、前記作成したメッセージの送信可否を制御するメッセージ送信制御手段と、
を有することを特徴とするメッセージ送信装置。
【請求項2】
前記メッセージ送信制御手段は、前記調査判定手段で前記指定の電話番号が有効と判定された場合、前記指定の電話番号を宛先として前記契約端末に前記作成したメッセージを送信し、前記調査判定手段で前記指定の電話番号が移転案内中であると判定された場合、移転先電話番号を宛先として前記契約端末に前記作成したメッセージを送信することを特徴とする請求項1記載のメッセージ送信装置。
【請求項3】
前記調査判定手段と前記メッセージ送信制御手段は、ともに第1のコンピュータに実装されることを特徴とする請求項1又は2記載のメッセージ送信装置。
【請求項4】
前記調査判定手段は第1のコンピュータに実装され、前記メッセージ送信制御手段は、前記第1のコンピュータとは独立した第2のコンピュータに実装されることを特徴とする請求項1又は2記載のメッセージ送信装置。
【請求項5】
前記調査判定手段は、前記判定された指定の電話番号の使用状況を所定期間蓄積した電話番号使用履歴情報から順次読み出して前記メッセージ送信制御手段へ出力する第1の判定を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のメッセージ送信装置。
【請求項6】
前記調査判定手段は、前記判定された指定の電話番号の使用状況を所定期間蓄積した電話番号使用履歴情報から直近の使用状況を読み出して前記メッセージ送信制御手段へ出力する第2の判定を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のメッセージ送信装置。
【請求項7】
前記メッセージ送信制御手段は、前記取得した応答情報から前記指定の電話番号がナンバーポータビリティを利用しているか否かを判定し、利用していると判定された場合、前記作成したメッセージが現在着信可能な宛先に変換することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載のメッセージ送信装置。
【請求項8】
前記メッセージ送信制御手段は、前記作成したメッセージを所定の時間帯に送信することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載のメッセージ送信装置。
【請求項9】
通信事業者に依存することなく契約端末に作成したメッセージの送信が可能な、コンピュータにより制御されるメッセージ送信システムに用いられるメッセージ送信方法であって、
サービス統合デジタル網を介し自動発呼により得られる応答情報から指定の電話番号の使用状況を判定する第1のステップと、
前記第1のステップで判定された前記指定の電話番号の使用状況に基づき、前記契約端末に対する、前記作成したメッセージの送信可否を制御する第2のステップと、
を有することを特徴とするメッセージ送信方法。
【請求項10】
コンピュータ上で実行され、通信事業者に依存することなく契約端末に作成したメッセージの送信が可能なメッセージ送信装置に使用されるメッセージ送信プログラムであって、
前記コンピュータに、
サービス統合デジタル網を介し自動発呼により得られる応答情報から指定の電話番号の使用状況を判定する調査判定処理と、
前記調査判定処理で判定された前記指定の電話番号の使用状況に基づき、前記契約端末に対する、前記作成したメッセージの送信可否を制御するメッセージ送信制御処理と、
を実行させることを特徴とするメッセージ送信プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−102414(P2013−102414A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−87779(P2012−87779)
【出願日】平成24年4月6日(2012.4.6)
【出願人】(596155786)
【Fターム(参考)】