説明

メッセージ送受信システム、メッセージ送受信方法、及びプログラム

【課題】コミュニケーションを活性化させるようにする。
【解決手段】動画を視聴しながらメッセージのやり取りを行うチャットサービスを提供する。チャットサービスでは、メッセージの送受信可能な時間であるオープン時間が経過するまでの間のみ、チャンネルに参加しているユーザ間でメッセージの転送を行うようにする。ユーザから対価の支払を受けた場合には、そのチャンネルについてオープン時間を延長する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージ送受信システム、メッセージ送受信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザが同じ動画を視聴しながらメッセージをやり取りすることにより、コミュニケーションを活性化させようとする取り組みがなされている。例えば特許文献1では、同一の内容の発言が目立つようにメッセージを表示することで、コミュニケーションを円滑にしようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−301404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チャットのようなメッセージのやり取りを活性化するには、チャットに参加するユーザの貢献が不可欠である。しかしながら、同じ動画を再生した場合であっても、参加したユーザからの発言内容や再生される動画の内容などにより形成される雰囲気によって、チャットによるコミュニケーションが活性化する場合もあれば活性化しない場合もあり、コミュニケーションを活性化させるように仮想空間を運営することは困難であった。
【0005】
本発明は、このような背景を鑑みてなされたものであり、コミュニケーションを活性化させることのできる、メッセージ送受信システム、メッセージ送受信方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、グループに所属するユーザ間においてメッセージの送受信を行うシステムであって、前記メッセージの送受信可能な時間であるオープン時間が経過するまでの間のみ、前記グループに所属する前記ユーザ間での前記メッセージの転送を行うメッセージ転送部と、前記グループごとに、前記オープン時間が経過するクローズ時点を決定するためのクローズ情報を記憶するクローズ情報記憶部と、前記ユーザから前記グループを指定した対価の支払を受け付ける支払受付部と、前記支払に応じて、前記指定されたグループに対応する前記クローズ時点が遅くなるように前記クローズ情報を更新する延長処理部と、を備えることとする。
【0007】
本発明のメッセージ送受信システムによれば、メッセージのやり取りができるオープン時間を制限するとともに、ユーザが仮想通貨による対価の支払を行った場合にはオープン時間を延長するようにすることができる。活発なメッセージのやり取りが行われていなければユーザが対価を支払うとは考えられないので、活発なメッセージのやり取りが行われているグループのみが存続し、対価が支払われないグループはクローズしていくことになることが期待される。したがって、全体としてコミュニケーションの活発化を図ることが可能となる。
【0008】
また、本発明のメッセージ送受信システムで、前記支払受付部は、前記ユーザが指定した前記グループと、前記ユーザが支払った前記対価の額とを取得し、前記延長処理部は、前記対価の額に応じて前記クローズ時点が遅くなるように前記クローズ情報を更新するようにしてもよい。
この場合、ユーザが支払った対価の額に応じてオープン時間を延長することができるので、ユーザが多くの対価を支払う程に活発なコミュニケーションがなされているグループほど長い時間運営されるようにすることができる。
【0009】
また、本発明のメッセージ送受信システムは、前記ユーザごとに前記ユーザの支払可能な対価の残高を管理する残高管理部を備え、前記支払受付部は、前記グループを特定するグループ特定情報と、前記ユーザを特定するユーザ特定情報と、前記対価の額とを設定した支払要求をユーザから受信し、前記延長処理部は、前記支払要求に設定されている前記グループ特定情報により特定される前記グループに対応する前記クローズ情報を、前記支払要求に設定されている前記対価の額に応じて前記クローズ時点が遅くなるように更新するとともに、前記支払要求に設定されている前記ユーザ特定情報により特定される前記ユーザに対応する前記残高から、前記対価の額を減算するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明のメッセージ送受信システムは、前記グループに所属する全ての前記ユーザに対して動画を提供する動画提供部を備えるようにしてもよい。
この場合、グループに所属するユーザは同じ動画を視聴しながらメッセージのやり取りを行うことができる。動画により話題が提供されるため、メッセージのやり取りの活発化を図ることができる。
【0011】
また、本発明のメッセージ送受信システムは、前記オープン時間が経過するまでの間のみ、前記ユーザから前記動画に対するリクエストを受け付けるリクエスト受付部を備え、前記動画提供部は、前記リクエストに応じて前記ユーザに前記動画を提供するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明のメッセージ送受信システムは、前記ユーザのユーザ端末と、前記動画を配信する動画配信サーバとに接続されており、前記動画配信サーバは、動画再生要求に応じて動画データを送出するように構成されており、前記動画提供部は、前記動画を指定した前記動画再生要求を前記動画提供サーバに送信するように前記ユーザ端末を制御するようにしてもよい。
この場合、既存の動画配信サーバを利用して、グループに所属するユーザが同じ動画を視聴しながらのメッセージのやり取りを行うようにすることができる。したがって、メッセージの送受信サービスの構築にかかるコストを抑制することができる。
【0013】
また、本発明のメッセージ送受信システムでは、前記動画配信サーバは、前記動画再生要求に、前記動画の先頭からの経過時間である再生開始時間が設定されている場合には、前記再生開始時間から以降の動画データを送出するように構成されており、前記メッセージ送受信システムはさらに、前記動画の配信を開始する時刻を記憶する制御履歴記憶部と、前記グループごとに、前記グループに所属する前記ユーザを管理するユーザ管理部と、を備え、前記動画提供部は、前記動画を指定した前記動画再生要求を前記動画提供サーバに送信するように指示するコマンドを前記ユーザ端末に送信することにより前記ユーザ端末を制御し、前記動画提供部は、新しい前記ユーザが前記グループに参加した場合、前記制御履歴記憶部から当該グループに対応する前記時刻を読み出し、読み出した前記時刻から現在時刻までの経過時間を算出し、算出した前記経過時間を前記動画の再生開始時間として指定した前記動画再生要求を前記動画提供サーバに送信するように指示する前記コマンドを、前記新しいユーザのユーザ端末に送信するようにしてもよい。
この場合、新しいユーザが参加した場合に、すでに再生済みの動画の時間分を考慮して動画の再生が開始されるように、新しいユーザのユーザ端末を制御することができる。したがって、既に動画が再生されているグループに新たにユーザが参加した場合でも、新しいユーザは他のユーザと同期したタイミングで動画を視聴するようにすることができる。
【0014】
また、本発明の他の態様は、グループに所属するユーザ間におけるメッセージの送受信を支援する方法であって、コンピュータが、前記メッセージの送受信可能な時間であるオープン時間が経過するまでの間のみ、前記グループに所属する前記ユーザ間での前記メッセージの転送を行い、前記グループごとに、前記オープン時間が経過するクローズ時点を決定するためのクローズ情報を記憶し、前記ユーザから前記グループを指定した対価の支払を受け付け、前記支払に応じて、前記指定されたグループに対応する前記クローズ時点が遅くなるように前記クローズ情報を更新することとする。
【0015】
また、本発明の他の態様は、グループに所属するユーザ間におけるメッセージの送受信を支援するためのプログラムであって、コンピュータに、前記メッセージの送受信可能な時間であるオープン時間が経過するまでの間のみ、前記グループに所属する前記ユーザ間での前記メッセージの転送を行うステップと、前記グループごとに、前記オープン時間が経過するクローズ時点を決定するためのクローズ情報を記憶するステップと、前記ユーザから前記グループを指定した対価の支払を受け付けるステップと、前記支払に応じて、前記指定されたグループに対応する前記クローズ時点が遅くなるように前記クローズ情報を更新するステップと、を実行させることとする。
【0016】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、コミュニケーションを活性化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態のチャットサービスの画面例を示す図である。
【図2】本実施形態のチャットシステムの全体構成例を示す図である。
【図3】ユーザ端末10、チャットサーバ20及び動画配信サーバ30に用いられるコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
【図4】動画配信サーバ30のソフトウェア構成例を示す図である。
【図5】ユーザ端末10のソフトウェア構成例を示す図である。
【図6】チャンネルに参加する前に表示される画面51の一例を示す図である。
【図7】チャンネルに出資を行うための画面52の一例を示す図である。
【図8】チャンネルの情報を入力するための画面53の一例を示す図である。
【図9】チャットサーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。
【図10】参加者管理部231の構成例を示す図である。
【図11】残高管理部232の構成例を示す図である。
【図12】リクエスト管理部233の構成例を示す図である。
【図13】再生管理部234の構成例を示す図である。
【図14】チャンネル管理部235の構成例を示す図である。
【図15】出資履歴管理部236の構成例を示す図である。
【図16】チャットサービスに係るチャットサーバ20の処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
==システムの概要==
以下、本発明の一実施形態に係るチャットシステムについて説明する。本実施形態のチャットシステムは、あるグループに所属する複数のユーザが同時に動画を視聴可能にするとともに、当該複数のユーザ間においてリアルタイムにメッセージのやりとりを可能とするチャットサービスを提供するものである。以下の説明において、チャットサービスが提供される仮想空間、すなわち、メッセージが交換されるグループのことを「チャンネル」と称する。
【0020】
図1は、本実施形態のチャットシステムにより提供されるチャットサービスの画面例を示す図である。図1の画面例は、ある1つのチャンネルにおいてチャットが行われている様子を表している。本実施形態のチャットサービスのチャンネルでは、画面1において動画2が再生されるとともに、チャットに参加しているユーザの分身(アバターと呼ばれる。)が表示され、ユーザから発せられたメッセージがアバター3からの吹き出し4の内部に出力される。また、アバター3はユーザからの指示により画面上で動かすことが可能である。
【0021】
本実施形態のチャットシステムでは、チャンネルでチャット(以下の説明において、チャットには動画の再生及びメッセージのやりとりを含むものとする。)を行うことができる時間(以下、オープン時間という。)が制限されており、チャンネルが開設された後オープン時間が経過するとチャットを行うことができなくなるようにしている。その一方で、チャンネルに参加しているユーザ(グループに所属するユーザ)が対価を支払うことにより、オープン時間を延長することができるようにもなっている。本実施形態では、対価はユーザに与えられる仮想通貨により支払われるものとする。本実施形態では、仮想通貨は、定期的に一定の額が与えられるものとする。
【0022】
仮想通貨とはいえ、チャンネルにおいて活発なコミュニケーションが行われていなければ、ユーザは支払いをする動機付けはなされないと考えられるので、本実施形態のチャットシステムのように、ユーザからの仮想通貨の支払いに応じてオープン時間を延長することにより、コミュニケーションの活発なチャンネルのみが存続することが期待される。これにより、チャットサービス全体としてのコミュニケーションの活発化を図ることが可能となっている。
【0023】
==システム構成==
図2は、本実施形態のチャットシステムの全体構成の一例を示す図である。本実施形態のチャットシステムは、ユーザ端末10、チャットサーバ20及び動画配信サーバ30を含んで構成される。ユーザ端末10、チャットサーバ20及び動画配信サーバ30はそれぞれ通信ネットワーク40に接続されており、互いに通信可能となっている。通信ネットワーク40は、例えば、イーサネット(登録商標)や公衆電話回線網、無線通信網、携帯電話回線網などにより構築される、インターネットやLAN(Local Are Network)、VAN(Value Added Network)などである。
【0024】
ユーザ端末10は、チャットに参加するユーザが操作するコンピュータである。ユーザ端末10は、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション、スマートフォン、携帯電話端末などである。
【0025】
チャットサーバ20は、チャットサービスを提供する、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータなどのコンピュータである。
【0026】
動画配信サーバ30は、動画を提供する、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータなどのコンピュータである。動画配信サーバ30は、動画を再生するための動画データを取得するためのコマンド(以下、動画配信要求という。)に応じて動画データを送信する。本実施形態では、動画データは複数の単位データ(以下、チャンクという。)から構成されており、動画配信サーバ30は、チャンクを順次送信する方式により動画データを送信するものとするが、動画配信サーバ30による動画の配信処理は一般的な動画配信サービスに用いられているものを採用することができる。
【0027】
なお、チャットサーバ20及び動画配信サーバ30は、複数台のコンピュータが1台の仮想的なコンピュータを提供するクラウドコンピューティングにより実現してもよい。
【0028】
==ハードウェア==
図3は、ユーザ端末10、チャットサーバ20及び動画配信サーバ30を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。ユーザ端末10、チャットサーバ20及び動画配信サーバ30は、CPU101、メモリ102、記憶装置103、通信インタフェース104、入力装置105、出力装置106を備える。記憶装置103は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース104は、通信ネットワーク40に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置105は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置106は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。
【0029】
==動画配信サーバ30==
図4は、動画配信サーバ30のソフトウェア構成例を示す図である。動画配信サーバ30は、動画検索処理部311、動画配信処理部312、動画記憶部331を備える。
【0030】
動画記憶部331は、動画を再生するための動画データ、動画の一コマをキャプチャしたサムネイル画像を表示するための画像データ(以下、サムネイルデータという。)、ならびに当該動画及び当該動画データに関するメタ情報を記憶する。メタ情報には、動画を特定するための識別情報(以下、動画IDという。)、動画のタイトル、動画についてのキーワード、動画に登場するアーティストの名前、動画の長さ、動画データの圧縮形式などが含まれる。なお、メタ情報には、これら以外にも、動画や動画データに関する各種の項目を含めるようにすることができる。
【0031】
動画検索処理部311は、動画を検索するためのコマンド(以下、動画検索要求という。)に応じて動画を検索する。動画検索要求には、例えばキーワードや動画を投稿したユーザの識別情報(以下、ユーザIDという。)、アーティストの名前など、メタ情報の項目に対する検索条件を指定可能である。動画検索処理部311は、動画検索要求に指定された検索条件にマッチするメタ情報を動画記憶部331から検索し、マッチしたメタ情報の一覧を、動画検索要求の送信元に送信する。
【0032】
動画配信処理部312は、動画配信要求に応じて動画データを送信する。動画配信要求には動画IDが設定され、動画配信処理部312は、動画配信要求に設定されている動画IDに対応する動画データを動画記憶部331から検索し、検索した動画データの先頭から順にチャンクを読み出しながら動画配信要求の送信元に送信していく。動画配信要求には動画を開始する時点(以下、オフセットという。本発明の再生開始時間に該当する。)も設定可能である。本実施形態では、チャンクは1秒単位の動画データであるものとし、オフセットは、動画の先頭からの秒数であるものとする。動画配信要求にオフセットが設定されている場合、動画配信処理部312は、動画データの先頭を0として、オフセット番目のチャンクから順に読み出して送信していく。
【0033】
==ユーザ端末10==
図5は、ユーザ端末10のソフトウェア構成例を示す図である。ユーザ端末10は、チャンネル参加処理部111、動画検索処理部112、リクエスト送信部113、動画表示処理部114、チャットメッセージ送信部115、画面処理部116、延長処理部117、チャンネル開設処理部118を備える。なお、これらの機能部111〜118は、ユーザ端末10が備えるCPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現される。
【0034】
チャンネル参加処理部111は、ユーザをチャンネルに参加させるための処理を行う。図6は、ユーザがチャンネルに参加する前に表示される画面51の一例を示す図である。図6の例において、画面51の下段には、開設されているチャンネルに対応する表示欄511が一覧表示されている。表示欄511には、チャンネル名512や現在そのチャンネルにおいて再生中の動画のサムネイル513が表示されている。ユーザは画面51の表示欄511からチャンネルを選択することができる。画面51では、リスト状にチャンネルを一覧表示するようにしてもよいし、キーワードなどを用いてチャンネルを検索するようにしてもよい。チャンネル参加処理部111は、画面51においてチャンネルが選択されると、チャンネルに参加するためのコマンド(以下、チャンネル参加要求という。)に、選択されたチャンネルの識別情報(以下、チャンネルIDという。)とユーザIDとを設定してチャットサーバ20に送信する。これによりユーザはチャンネルに参加することになる。
【0035】
動画検索処理部112は、動画を検索する。動画検索処理部112は、動画を検索するためのコマンド(以下、動画検索要求という。)を動画配信サーバ30に送信することにより動画を検索する。上述したように、動画検索要求には、動画のメタ情報に対する各種の条件を指定することができる。動画検索処理部112は、動画検索要求に応じて動画配信サーバ30から送信されるメタ情報の一覧を受信して、メタ情報に含まれる動画のタイトルやサムネイルなどを出力装置106に一覧表示することができる。
【0036】
リクエスト送信部113は、チャンネルにおいて再生したい動画のリクエストをチャットサーバ20に送信する。リクエスト送信部113は、動画検索処理部112が表示したサムネイルデータの中から動画IDの指定を受け付け、受け付けた動画IDと、ユーザ端末10を操作しているユーザのユーザIDと、ユーザが参加しているチャンネルのチャンネルIDと、動画のメタ情報に含まれる動画の長さとを設定したリクエストをチャットサーバ20に送信する。なお、リクエストにはその他のメタ情報の項目を含めるようにしてもよい。
【0037】
動画表示処理部114は、チャットサーバ20から送信される、動画配信要求を送信するように指示するコマンド(以下、動画再生コマンドという。)に応じて動画配信要求を動画配信サーバ30に送信する。動画再生コマンドには、動画の再生を開始する日時(再生日時)、動画ID、及びオフセットが設定される。なお、オフセットは省略されることもあるが、その場合には「0」のオフセットが設定されているものとする。動画表示処理部114は、現在の日時が動画再生コマンドに設定されている再生日時以後であれば、動画再生コマンドに含まれている動画ID及びオフセットを設定した動画配信要求を動画配信サーバ30に送信し、動画配信サーバ30から送信されるチャンクに基づいて動画を再生する。これにより、図1の例では、画面1において動画2が再生されることになる。なお、動画表示処理部114による動画データ(チャンク)に基づく動画の再生処理には一般的な処理を用いるものとする。また、動画表示処理部114は、現在の日時が動作再生コマンドに設定されている再生日時より前であれば、再生日時になるまで待機するものとする。
【0038】
チャットメッセージ送信部115は、チャンネルに対して発するメッセージ4(以下、チャットメッセージともいう。)をチャットサーバ20に送信する。チャットメッセージ送信部115は、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力装置105からチャットメッセージの入力を受け付けて、受け付けたチャットメッセージをユーザIDとともにチャットサーバ20に送信する。なお、チャットメッセージ送信部115は、ユーザからの指示に応じて、当該ユーザに対応するアバターの動作を指示するコマンド(以下、アバター動作コマンドという。)をチャットメッセージとしてチャットサーバ20に送信することもできる。
【0039】
画面処理部116は、画面1の表示処理を行う。後述するように、チャットサーバ20からは画面1の表示に関する情報(以下、画面情報という。)が送信され、画面情報には、例えば、アバター3の動作に関する動作情報やユーザから発せられたメッセージ4などが含まれる。画面処理部116は、画面情報に基づいて、画面1上に、アバター3やメッセージ4を表示する。なお、画面情報には、画面1に表示すべき各種の情報を設定することが可能である。
【0040】
延長処理部117は、チャンネルのオープン時間を延長する処理を行う。上述したように、オープン時間が経過すると、そのチャンネルについてチャットサーバ20から画面情報が送信されないようになり、チャンネルにおけるチャットメッセージのやりとりや、動画の再生ができなくなるが、ユーザが仮想通貨を支払うことによりオープン時間が延長するようになっている。なお、以下の説明において、チャンネルのオープン時間を延長するためにユーザが対価を支払うことをチャンネルへの「出資」という。
【0041】
図7は、出資を行うための画面52の一例を示す図である。図7の例では、画面52は、画面1上にポップアップ画面として表示されているが、画面1から独立した新しい画面を表示するようにしてもよい。画面1のチャンネル詳細ボタン7が押下された場合に画面52が表示される。画面52には、チャンネルに関する各種の情報とともに、ユーザに割り当てられている仮想通貨の残高521が表示されている。ユーザは残高以下の額を出資することができる。プルダウンリスト522から出資額が選択され、ボタン523が押下されると、延長処理部117は、オープン時間を延長させるように要求するコマンド(以下、延長要求という。)に、プルダウンリスト522で選択された出資額と、ユーザを示すユーザIDと、現在ユーザが参加しているチャンネルを示すチャンネルIDとを設定してチャットサーバ20に送信する。この出資額に応じてオープン時間が延長されることになる。本実施形態では、100単位の仮想通貨が支払われると、オープン時間は10分延長されるものとしているが、どれだけの仮想通貨を支払えばどれだけオープン時間を延長するかは任意に設定することができる。
【0042】
チャンネル開設処理部118は、チャンネルを開設する処理を行う。図8は、開設するチャンネルに関する情報を入力するための画面53の一例を示す図である。画面53は、チャンネル名の入力欄531及びチャンネルに関するキーワードを入力する複数の入力欄532を備えている。また、本実施形態では、チャンネルを開設するには、オープン時間の規定値(本実施形態では30分であるものとするが、任意の時間に設定可能である。)に応じた額、すなわち300単位以上の出資が必要であり、チャンネルの開設時に300単位以上の出資がされない場合には、出資の総額が300単位以上になるまでチャンネルはオープン(チャットが可能な状態)にならないものとする。画面53は、チャンネルの開設にあたりユーザが支払う出資額を選択するプルダウンリスト533を備えている。入力欄531にチャンネル名が入力され、入力欄532にキーワードが入力され、プルダウンリスト533から出資額が選択されて、ボタン534が押下されると、チャンネル開設処理部118は、チャンネルを新しく開設するように要求するコマンド(以下、チャンネル開設要求という。)に、画面53に入力されたチャンネル名、キーワード及び出資額と、ユーザIDを設定してチャットサーバ20へ送信する。これにより、チャットサーバ20において新しいチャンネルが開設される。
【0043】
==チャットサーバ20==
図9は、チャットサーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。チャットサーバ20は、チャンネル参加処理部211、リクエスト処理部212、動画再生コマンド送信部213、チャットメッセージ受信部214、画面情報送信部215、延長処理部216、チャンネル開設処理部217、参加者管理部231、残高管理部232、リクエスト管理部233、再生管理部234、チャンネル管理部235、出資履歴管理部236を備える。なお、上記各機能部211〜217は、チャットサーバ20においてCPU101が記憶装置103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより実現され、上記各記憶部231〜236は、チャットサーバ20が備えるメモリ102及び記憶装置103の提供する記憶領域の一部として実現される。
【0044】
参加者管理部231は、チャンネルに参加しているユーザを管理する。図10は、参加者管理部231の構成例を示す図である。参加者管理部231は、チャンネルIDに対応付けて、当該チャンネルに参加しているユーザのユーザIDを記憶している。
【0045】
残高管理部232は、ユーザが所持している仮想通貨の残高を管理する。図11は、残高管理部232の構成例を示す図である。残高管理部232は、ユーザIDに対応付けて仮想通貨の残高を記憶する。本実施形態では、仮想通貨の残高は定期的に一定額増額されるものとする。
【0046】
チャンネル参加処理部211は、チャンネルにユーザを参加させるための処理を行う。チャンネル参加処理部211は、ユーザ端末10からチャンネル参加要求を受信すると、チャンネル参加要求に含まれているチャンネルID及びユーザIDを対応付けて参加者管理部231に登録する。これにより、ユーザがチャンネルに参加したことになる。
【0047】
リクエスト管理部233は、ユーザからの動画のリクエストを管理する。図12は、リクエスト管理部233の構成例を示す図である。リクエスト管理部233に記憶されるリクエストには、チャンネルID、ユーザID及び動画IDに加えて、動画の長さが設定される。動画の長さは後述するリクエスト処理部212により設定される。本実施形態では、リクエスト管理部233には、FIFO(First In First Out)によりリクエストの登録及び取り出しが可能なキューがチャンネルごとに構築されるものとする。
【0048】
リクエスト処理部212は、ユーザからの動画のリクエスト(動画サーバからユーザが取得した動画ID及び動画の長さ等を含むメタ情報)をリクエスト管理部233に登録する。
【0049】
再生管理部234は、チャンネルにおいて再生されている動画を管理する。図13は、再生管理部234の構成例を示す図である。再生管理部234は、チャンネルIDに対応付けて、再生中の動画を示す動画ID、当該動画の長さ、及び動画の再生を開始した日時(すなわち、動画再生コマンドに設定した再生日時である。)を記憶する。
【0050】
動画再生コマンド送信部213は、チャンネルに参加している各ユーザのユーザ端末10に動画再生コマンドを送信する。動画再生コマンド送信部213は、ある動画の再生が終わると、次のリクエストに設定されている動画IDと現在の日時とを指定した動画再生コマンドをチャンネルに参加している全てのユーザのユーザ端末10に送信する。これにより、チャンネルに参加している全てのユーザのユーザ端末10において同時に同じ動画が再生されることになる。また、チャンネルに新たにユーザが参加したときには、動画再生コマンド送信部213は、再生管理部234が記憶している開始日時から現在の日時までの時間を計算してオフセットとし、当該オフセット、動画ID及び現在の日時を設定した動画再生コマンドを、新しく参加したユーザのユーザ端末10に送信する。これにより、新しく参加したユーザのユーザ端末10においても、他の参加ユーザと同期したタイミングで動画が再生されることになる。
【0051】
チャットメッセージ受信部214は、ユーザ端末10から送信されるチャットメッセージを受信する。
【0052】
画面情報送信部215は、ユーザ端末10において画面を表示するための画面情報をユーザ端末10に送信する。画面情報送信部215は、チャットメッセージの受信に応じて、チャットメッセージとして受信したメッセージやアバターの動作などを、他のユーザのユーザ端末10に画面情報として送信する。また、チャットサーバ20の運営側から全てのユーザに対してメッセージを通知する場合にも、画面情報送信部215は画面情報として当該メッセージを送信する。例えば、チャンネルにおいてオープン時間が経過しようとしている状態では、もうすぐチャンネルがクローズする旨のメッセージをユーザ端末10の画面に表示するように画面情報をユーザ端末10に送信することができる。
【0053】
チャンネル管理部235は、チャンネルに関する情報を記憶する。図14は、チャンネル管理部235の構成例を示す図である。チャンネル管理部235は、チャンネルIDに対応付けて、チャンネルの名称(チャンネル名)、チャンネルが開設された日時(オープン日時)、オープン日時からオープン時間が経過する日時(以下、クローズ日時という。本発明のクローズ時点に対応する。)、キーワード、及びユーザが当該チャンネルに対して出資した仮想通貨の合計額(出資総額)を記憶する。
【0054】
出資履歴管理部236は、ユーザによる出資の履歴を管理する。図15は、出資履歴管理部236の構成例を示す図である。出資履歴管理部236は、チャンネルIDに対応付けて、出資を行ったユーザのユーザID、出資額及び出資が行われた日時を記憶する。
【0055】
延長処理部216は、ユーザがチャンネルに対して仮想通貨を支払ったことに応じてオープン時間を延長する処理を行う。延長処理部216は、ユーザ端末10から延長要求を受信すると、延長要求に設定されている出資額に応じて延長時間を算出する。本実施形態では、100単位の仮想通貨により10分の延長が行われるものとしているので、延長処理部216は、出資額を100で割った商に600を乗じて秒単位の延長時間を算出することになる。延長処理部216は、延長要求に設定されているチャンネルIDに対応するチャンネル管理部235のクローズ日時に延長時間を加算するとともに、出資総額に出資額を加算し、ユーザIDに対応する残高管理部232の残高から出資額を減算する。また延長処理部216は、延長要求に含まれるチャンネルID、ユーザID及び出資額と、現在の日時とを対応付けて出資履歴管理部236に登録する。
【0056】
チャンネル開設処理部217は、チャンネルの開設に係る処理を行う。チャンネル開設処理部217は、ユーザ端末10からチャンネル開設要求を受信すると、新たなチャンネルIDを生成し、出資額に応じたオープン時間(本実施形態では延長と同じく100単位で10分とする。)を算出する。チャンネル開設処理部217は、生成したチャンネルID、チャンネル開設要求に設定されているチャンネル名、現在の日時、現在の日時にオープン時間を加算したクローズ日時、チャンネル開設要求に設定されているキーワード、及びチャンネル開設要求に設定されている出資額を対応付けてチャンネル管理部235に登録する。これにより、新しいチャンネルが開設される。なお、上述したように、出資額が300単位に満たない場合、チャンネル開設処理部217は、オープン時間を0に設定し、延長処理部216が、延長要求に設定されているチャンネルIDに対応する出資総額が300単位未満であり、かつ延長要求に設定されている出資額を出資総額に加算して300単位以上になるときには、出資総額に応じたオープン時間を現在の日時に加算してクローズ日時を算出し、このクローズ日時を設定するようにする。
【0057】
==チャット及び動画の再生処理==
図16は、チャットサービスに係るチャットサーバ20の処理を説明する図である。なお、図16の処理はチャンネルごとに行われる。
【0058】
動画再生コマンド送信部213は、現在の日時から所定時間(本実施形態では3秒とするが、0を含む任意の長さを設定することができる。)後を再生日時とし(S601)、リクエスト管理部233から当該チャンネルのチャンネルIDに対応するリクエストを1つ読み出し(S602)、再生日時とリクエストに含まれる動画IDとを設定した動画再生コマンドをチャンネルに参加している全てのユーザのユーザ端末10に送信する(S603)。動画再生コマンド送信部213は、リクエストに含まれるチャンネルID、動画ID及び長さと再生日時とを対応付けて再生管理部234に登録する(S604)。
【0059】
チャットメッセージ受信部214がユーザ端末10からチャットメッセージを受信した場合(S605:YES)、画面情報送信部215は、チャットメッセージに応じた画面情報を、当該ユーザとは異なる他のユーザのユーザ端末10に送信する(S606)。なお、画面情報送信部215は、チャットメッセージにメッセージが含まれている場合には、そのメッセージを画面1の吹き出し4に表示するための情報を画面情報として送信し、チャットメッセージにアバターの動作が指定されている場合には、画面1上において当該ユーザのアバター3を動作させるための情報を画面情報として送信する。なお、画面情報は、一般的なアバターを用いたチャットサービスにおいて用いられているものとすることができる。
【0060】
リクエスト処理部212は、リクエストを受信した場合(S607:YES)、当該リクエストをリクエスト管理部233に登録する(S608)。上述したように、リクエスト処理部212は、動画配信サーバ30から動画の長さを取得してリクエストに設定した上で登録を行う。画面情報送信部215は、リクエストが登録された旨のメッセージを画面1に表示するための画面情報をユーザ端末10に送信する(S609)。例えば、図1の例において、動画2の近傍にリクエストを行ったユーザのアバター8が表示されており、画面情報送信部215は、このようなアバター8を表示するための画面情報をユーザ端末10に送信する。なお、リクエストに関する情報であれば何でもよく、例えばリクエストに動画のタイトルやアーティスト名などを含めるようにし、画面情報送信部215がこれらを表示するような画面情報をユーザ端末10に送信するようにしてもよい。
【0061】
チャンネル参加処理部211は、当該チャンネルのチャンネルIDが設定されたチャンネル参加要求を受信した場合(S610:YES)、当該チャンネル参加要求に含まれるチャンネルID及びユーザIDを対応付けて参加者管理部231に登録してユーザをチャンネルに参加させる(S611)。なお、チャンネル参加処理部211は、チャンネル参加要求に含まれるユーザIDが既に参加者管理部231に登録されている場合には、そのチャンネルID及びユーザIDの組み合わせを参加者管理部231から削除するようにしてもよい。動画再生コマンド送信部213は、再生管理部234からチャンネルIDに対応する動画ID及び開始日時を取得し、当該開始日時から現在の日時までの秒数を計算してオフセットとし(S612)、現在の日時、取得した動画ID及びオフセットを設定した動画再生コマンドを、チャンネル参加要求の送信元のユーザ端末10に送信する(S613)。
【0062】
延長処理部216は、当該チャンネルのチャンネルIDが設定された延長要求を受信した場合(S614:YES)、延長要求に設定されている出資額を100で割り600を乗じて延長時間を算出し、延長要求に設定されているチャンネルIDに対応するチャンネル管理部235のクローズ日時に上記延長時間を加算するとともに(S615)、出資総額に出資額を加算する(S616)。延長処理部216は、延長要求に設定されているユーザIDに対応する残高管理部232の残高から出資額を減算し(S617)、延長要求に設定されているチャンネルID、ユーザID及び出資額と現在の日時とを対応付けて出資履歴管理部236に登録する(S618)。なお、上述したように、チャンネルがクローズしている場合には、延長処理部216は、現在の日時に上記延長時間を加算した日時をチャンネル管理部235のクローズ日時に設定する。
【0063】
画面情報送信部215は、当該チャンネルのチャンネルIDに対応するクローズ日時をチャンネル管理部235から読み出し、現在の日時からクローズ日時までの秒数を残り時間として算出する(S619)。残り時間が所定の閾値(図16の例では、5分とするが、任意の長さを設定することができる。)未満である場合には(S620:YES)、チャンネルに参加している全てのユーザのユーザ端末10に対して、延長を促すメッセージを表示するための画面情報を送信する(S621)。例えば、図1の例では、「あと3分でクローズです!出資して延長しましょう」というメッセージが表示されており、このようなメッセージを表示するための画面情報がここで送信されることになる。
【0064】
残り時間が0またはそれ未満となった場合(S622:YES)、処理が終了する。
残り時間が0より大きい場合(S622:NO)、動画再生コマンド送信部213は、当該チャンネルのチャンネルIDに対応する開始日時を再生管理部234から取得し、取得した開始日時から現在の日時までの秒数を動画の長さから減算して動画残り時間を算出する(S623)。動画残り時間が3秒又はそれ未満になった場合には(S624:YES)、ステップS601に進み、次のリクエストに係る動画を再生するようにする。動画残り時間が0より大きい場合には(S624:NO)、ステップS605からの処理を繰り返す。
【0065】
以上のようにして、本実施形態のチャットシステムによれば、チャットを行うことができるオープン時間を制限するとともに、ユーザが仮想通貨による対価を支払うことによりオープン時間を延長することができる。仮想通貨とはいえ、チャンネルにおいて活発なコミュニケーションが行われていなければ、ユーザは支払いをする動機付けはなされないと考えられるので、活発なコミュニケーションが行われているチャンネルはオープン時間が延長され、コミュニケーションが活発でないチャンネルについてはクローズの状態(チャットができない状態)となるように仕向けることが可能となる。これにより、チャットサービス全体として、コミュニケーションの活発化を図ることができる。
【0066】
また、本実施形態のチャットシステムでは、同じチャンネルに参加している複数のユーザは同じ動画を視聴しながらメッセージのやり取りを行うことができる。したがって、話題が動画から提供されることにより、メッセージを発信し易くなる。さらに、同じチャンネルでは同じテーマの動画が再生されることが想定されるので、同じ趣味を持つユーザ同士が同じチャンネルに集まることが期待される。同じ趣味を持つユーザ間では活発なコミュニケーションが行われることが多いので、コミュニケーションの活発化を図ることができる。
【0067】
また、本実施形態のチャットシステムでは、チャットサーバ20と動画配信サーバ30とが別のシステムであるため、チャットサーバ20は、既存の動画配信サービスを行っている動画配信サーバ30と連係して、動画を視聴しながらのチャットサービスを提供することができる。これにより、チャットサーバ20の構築コストを抑えることができる。その一方で、3秒後の開始日時を指定して動画再生コマンドをユーザ端末10に送信することで、全てのユーザ端末10において同期した動画の再生が行われるようにすることができる。また、途中からチャンネルに参加したユーザに対しては、再生済みの動画の時間分をオフセットとして設定した動画再生コマンドを送信することにより、既に動画が再生されているチャンネルに新たにユーザが参加した場合でも、新しいユーザのユーザ端末10において他のユーザと同期したタイミングで動画が再生されるようにすることができる。
【0068】
なお、本実施形態では、オープン時間を延長するための対価は仮想通貨により支払うものとしたが、これに限らず、ユーザに割り当てられるポイントや現金による支払としてもよいし、クレジットカードによる信用払いとしてもよい。
【0069】
また、本実施形態では、仮想通貨は定期的に一定額が各ユーザに与えられるものとしたが、これに限らず、任意に設定することができる。例えば、ユーザが仮想通貨を購入するようにしてもよいし、当該チャットサービスやその他のSNS(Social Networking Service)におけるユーザの行動に応じて与えるようにしてもよい。また、ユーザがコミュニケーションをとることに応じて仮想通貨をユーザに与えるようにしてもよい。この場合、例えばアバター3間で挨拶がなされた場合に、挨拶をされた側のアバター3に対応するユーザに所定の額の仮想通貨を与えるようにすることができる。また、特定のユーザを指定したメッセージを送信可能としておき、あるユーザに対してメッセージが送信された場合には、メッセージを受信したユーザに仮想通貨を与えるようにすることもできる。さらに、動画に対する評価を入力可能としておき、動画に対する評価に応じて、その動画のリクエストを登録したユーザに対して仮想通貨を与えるようにすることもできる。
【0070】
また、本実施形態では、動画配信サーバ30からユーザ端末10に動画を配信するものとしたが、チャットサーバ20から動画を配信するようにしてもよい。この場合、チャットサーバ20が動画配信サーバ30の機能を全て有するようにしてもよいし、チャットサーバ20が、リクエストに対応する動画データを動画配信サーバ30からダウンロードしておき、ダウンロードした動画データを各ユーザ端末10に配信するようにすることもできる。
【0071】
また、本実施形態では、チャットサーバ20は1台のコンピュータであるものとしたが、複数のコンピュータにより構成するようにすることもできる。例えば、チャットサーバ20を、ユーザ端末10からチャンネル参加要求や動画のリクエスト、チャットメッセージ、延長要求、チャンネル開設要求を受信し、ユーザ端末10に動画再生コマンドや画面情報などを送信するWebサーバと、チャットサーバ20の記憶部231〜236の全部又は一部を構成するデータベースサーバと、ユーザをチャンネルに参加させる処理や動画のリクエストを追加する処理、動画再生コマンドを送信するための処理、画面情報を作成する処理、チャンネルの延長や解説に係る処理などを行うアプリケーションサーバと、を含むように構成することもできる。
【0072】
また、本実施形態のチャットサーバ20の構成は一例であり、異なる数の機能部や記憶部として構成することも可能である。例えば、参加者管理部231やチャンネル管理部235、出資履歴管理部236を1つまたは2つのテーブルとして構成することもできるし、リクエスト管理部233と再生管理部234とを1つのテーブルで構成することもできる。
【0073】
また、本実施形態では、チャンネル管理部235がチャンネルのクローズ日時を記憶するものとしたが、オープン日時とオープン時間とを記憶することによりクローズ日時を管理するようにしてもよい。この場合、延長処理部216は、ユーザが仮想通貨を支払った場合にチャンネル管理部235のオープン時間に延長時間を加算するようにすることができる。
【0074】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0075】
10 ユーザ端末
111 チャンネル参加処理部
112 動画検索処理部
113 リクエスト送信部
114 動画表示処理部
115 チャットメッセージ送信部
116 画面処理部
117 延長処理部
118 チャンネル開設処理部
20 チャットサーバ
211 チャンネル参加処理部
212 リクエスト処理部
213 動画再生コマンド送信部
214 チャットメッセージ受信部
215 画面情報送信部
216 延長処理部
217 チャンネル開設処理部
231 参加者管理部
232 残高管理部
233 リクエスト管理部
234 再生管理部
235 チャンネル管理部
236 出資履歴管理部
30 動画配信サーバ
311 動画検索処理部
312 動画配信処理部
331 動画記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グループに所属するユーザ間においてメッセージの送受信を行うシステムであって、
前記メッセージの送受信可能な時間であるオープン時間が経過するまでの間のみ、前記グループに所属する前記ユーザ間での前記メッセージの転送を行うメッセージ転送部と、
前記グループごとに、前記オープン時間が経過するクローズ時点を決定するためのクローズ情報を記憶するクローズ情報記憶部と、
前記ユーザから前記グループを指定した対価の支払を受け付ける支払受付部と、
前記支払に応じて、前記指定されたグループに対応する前記クローズ時点が遅くなるように前記クローズ情報を更新する延長処理部と、
を備えることを特徴とするメッセージ送受信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のメッセージ送受信システムであって、
前記支払受付部は、前記ユーザが指定した前記グループと、前記ユーザが支払った前記対価の額とを取得し、
前記延長処理部は、前記対価の額に応じて前記クローズ時点が遅くなるように前記クローズ情報を更新すること、
を特徴とするメッセージ送受信システム。
【請求項3】
請求項2に記載のメッセージ送受信システムであって、
前記ユーザごとに前記ユーザの支払可能な対価の残高を管理する残高管理部を備え、
前記支払受付部は、前記グループを特定するグループ特定情報と、前記ユーザを特定するユーザ特定情報と、前記対価の額とを設定した支払要求をユーザから受信し、
前記延長処理部は、前記支払要求に設定されている前記グループ特定情報により特定される前記グループに対応する前記クローズ情報を、前記支払要求に設定されている前記対価の額に応じて前記クローズ時点が遅くなるように更新するとともに、前記支払要求に設定されている前記ユーザ特定情報により特定される前記ユーザに対応する前記残高から、前記対価の額を減算すること、
を特徴とするメッセージ送受信システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のメッセージ送受信システムであって、
前記グループに所属する全ての前記ユーザに対して動画を提供する動画提供部を備えること、
を特徴とするメッセージ送受信システム。
【請求項5】
請求項4に記載のメッセージ送受信システムであって、
前記オープン時間が経過するまでの間のみ、前記ユーザから前記動画に対するリクエストを受け付けるリクエスト受付部を備え、
前記動画提供部は、前記リクエストに応じて前記ユーザに前記動画を提供すること、
を特徴とするメッセージ送受信システム。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のメッセージ送受信システムであって、
前記ユーザのユーザ端末と、前記動画を配信する動画配信サーバとに接続されており、
前記動画配信サーバは、動画再生要求に応じて動画データを送出するように構成されており、
前記動画提供部は、前記動画を指定した前記動画再生要求を前記動画提供サーバに送信するように前記ユーザ端末を制御すること、
を特徴とするメッセージ送受信システム。
【請求項7】
請求項6に記載のメッセージ送受信システムであって、
前記動画配信サーバは、前記動画再生要求に、前記動画の先頭からの経過時間である再生開始時間が設定されている場合には、前記再生開始時間から以降の動画データを送出するように構成されており、
前記メッセージ送受信システムはさらに、
前記動画の配信を開始する時刻を記憶する制御履歴記憶部と、
前記グループごとに、前記グループに所属する前記ユーザを管理するユーザ管理部と、
を備え、
前記動画提供部は、前記動画を指定した前記動画再生要求を前記動画提供サーバに送信するように指示するコマンドを前記ユーザ端末に送信することにより前記ユーザ端末を制御し、
前記動画提供部は、新しい前記ユーザが前記グループに参加した場合、前記制御履歴記憶部から当該グループに対応する前記時刻を読み出し、読み出した前記時刻から現在時刻までの経過時間を算出し、算出した前記経過時間を前記動画の再生開始時間として指定した前記動画再生要求を前記動画提供サーバに送信するように指示する前記コマンドを、前記新しいユーザのユーザ端末に送信すること、
を特徴とするメッセージ送受信システム。
【請求項8】
グループに所属するユーザ間におけるメッセージの送受信を支援する方法であって、
コンピュータが、
前記メッセージの送受信可能な時間であるオープン時間が経過するまでの間のみ、前記グループに所属する前記ユーザ間での前記メッセージの転送を行い、
前記グループごとに、前記オープン時間が経過するクローズ時点を決定するためのクローズ情報を記憶し、
前記ユーザから前記グループを指定した対価の支払を受け付け、
前記支払に応じて、前記指定されたグループに対応する前記クローズ時点が遅くなるように前記クローズ情報を更新すること、
を特徴とするメッセージ送受信支援方法。
【請求項9】
グループに所属するユーザ間におけるメッセージの送受信を支援するためのプログラムであって、
コンピュータに、
前記メッセージの送受信可能な時間であるオープン時間が経過するまでの間のみ、前記グループに所属する前記ユーザ間での前記メッセージの転送を行うステップと、
前記グループごとに、前記オープン時間が経過するクローズ時点を決定するためのクローズ情報を記憶するステップと、
前記ユーザから前記グループを指定した対価の支払を受け付けるステップと、
前記支払に応じて、前記指定されたグループに対応する前記クローズ時点が遅くなるように前記クローズ情報を更新するステップと、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−73307(P2013−73307A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210256(P2011−210256)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(599115217)株式会社 ディー・エヌ・エー (9)
【Fターム(参考)】