説明

メッセージ通信システムおよびメッセージ通信方法

【課題】複数のメッセージサービスのうち文字数制限がゆるいメッセージサービスを利用したいというユーザの要望に応えることが可能なメッセージ通信システムを提供する。
【解決手段】メッセージ通信システム1は、複数のメッセージサービスのうち入力可能な文字数が最も多いメッセージサービスを有する推奨ネットワークを管理する管理部23と、送信元端末と送信先端末の位置を管理する管理部21と、複数種類のネットワークのうち推奨ネットワーク以外のネットワークの通信エリアを推奨ネットワークの通信エリアと隣接している隣接通信エリアと隣接通信エリア以外の通信エリアとに分けて管理する管理部22と、送信元端末から送信先端末宛のメッセージを受け付けた際に、管理部21、22および23を参照し、一方の端末が隣接通信エリア内の場合、送信元端末に隣接通信エリア内の端末の位置に応じた通信情報を通知する制御部31および41と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージ通信システムおよびメッセージ通信方法に関し、特には、複数種類のネットワークに接続可能な端末間でのメッセージの通信を管理するメッセージ通信システムおよびメッセージ通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数種類のネットワークに接続可能な端末が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
複数種類のネットワークのそれぞれは、固有のメッセージサービスを提供している。これらメッセージサービスは、互いに異なる場合がある。
【0004】
具体的には、あるネットワークのメッセージサービスと、他のネットワークのメッセージサービスでは、入力可能な文字数が異なる場合がある。
【0005】
例えば、CDMA1X網でのCメールサービスで使用可能な文字数は、MMD(マルチメディア・ドメイン)網でのIM(インスタントメッセージ)で使用可能な文字数より少ない。
【0006】
なお、特許文献2には、複数の端末装置の位置情報を管理すると共に、問い合わせのあった端末装置の位置情報を、問い合わせを行った端末装置に提供する管理装置が記載されている。
【0007】
また、特許文献3には、端末の位置情報を基にして、その周辺の通信エリアを検索し、抽出されたエリアをユーザに案内する移動端末が記載されている。
【0008】
また、特許文献4には、位置登録制御が実行された時点で、メールサーバから新着メールを自動的にダウンロードする移動通信端末装置が記載されている。
【特許文献1】特開2004−289756号公報
【特許文献2】特開2002−199433号公報
【特許文献3】再公表特許WO2004/089008号公報
【特許文献4】特開平11−252655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
現在、CDMA1X網のCメールとMMD網のIMを相互変換するSMS−GWの仕様が検討されている。
【0010】
MMD網のユーザ(発信者)が、IMサービスを利用して、自己の端末からCDMA1X網のユーザ(着信者)の端末にCメールを送信する場合、Cメールには文字数制限(全角50文字)があるため、IMに文字数の制限がかかってしまう。なお、IMの文字数がCメールの文字数制限に引っ掛かると、IMからCメールへの変換は、SMS−GWによって拒絶されてしまう。この問題を極力解決するための手段が必要であると考えられる。
【0011】
また、CDMA1Xユーザ(発信者)がCメールサービスを利用する場合、同様に文字数の制限がかかってしまう。
【0012】
このため、ユーザとしては極力IMサービスを利用したいといった要望が考えられる。
【0013】
なお、この要望は、CDMA1X網のCメールとMMD網のIMが相互利用可能になる場合にのみ生じるものではなく、利用可能な複数のメッセージサービスのうち文字数制限がゆるいメッセージサービスを極力利用したいというユーザの心理に起因すると考えられる。
【0014】
なお、特許文献1から4には、複数のメッセージサービスのうち文字数制限がゆるいメッセージサービスを極力利用したいといったユーザの要望およびその要望に応える手法は記載されていない。
【0015】
本発明の目的は、複数のメッセージサービスのうち文字数制限がゆるいメッセージサービスを利用したいというユーザの要望に応える、という課題を解決することが可能なメッセージ通信システムおよびメッセージ通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のメッセージ通信システムは、各々が固有のメッセージサービスを有する複数種類のネットワークに接続可能な送信元端末および送信先端末の間のメッセージの送信を管理するメッセージ通信システムであって、複数の前記メッセージサービスのうち入力可能な文字数が最も多いメッセージサービスを有する推奨ネットワークを管理する推奨情報管理手段と、前記送信元端末および前記送信先端末の位置を管理する端末管理手段と、前記複数種類のネットワークのうち前記推奨ネットワークと異なるネットワークが有する通信エリアを、前記推奨ネットワークの通信エリアと隣接している隣接通信エリアと、当該隣接通信エリア以外の通信エリアと、に分けて管理するエリア管理手段と、前記送信元端末から前記送信先端末宛のメッセージを受け付けた際に、前記端末管理手段と前記エリア管理手段と前記推奨情報管理手段を参照し、前記送信元端末または前記送信先端末が前記隣接通信エリアに存在する場合、前記送信元端末に、前記隣接通信エリアに存在する前記送信元端末または前記送信先端末の位置に応じた通信情報を通知する制御手段と、を含む。
【0017】
本発明のメッセージ通信方法は、各々が固有のメッセージサービスを有する複数種類のネットワークに接続可能な送信元端末および送信先端末の間のメッセージの送信を管理するメッセージ通信方法であって、複数の前記メッセージサービスのうち入力可能な文字数が最も多いメッセージサービスを有する推奨ネットワークを、推奨情報管理手段を用いて管理する推奨情報管理ステップと、前記送信元端末および前記送信先端末の位置を、端末管理手段を用いて管理する端末管理ステップと、前記複数種類のネットワークのうち前記推奨ネットワークと異なるネットワークが有する通信エリアを、前記推奨ネットワークの通信エリアと隣接している隣接通信エリアと、当該隣接通信エリア以外の通信エリアと、に分けて、エリア管理手段を用いて管理するエリア管理ステップと、前記送信元端末から前記送信先端末宛のメッセージを受け付けた場合に、前記端末管理手段と前記エリア管理手段と前記推奨情報管理手段を参照し、前記送信元端末または前記送信先端末が前記隣接通信エリアに存在する場合、前記送信元端末に、前記隣接通信エリアに存在する前記送信元端末または前記送信先端末の位置に応じた通信情報を通知する制御ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数のメッセージサービスのうち文字数制限がゆるいメッセージサービスを利用したいというユーザの要望に応えることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施例を、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施例のメッセージ通信システム1を示したブロック図である。
【0021】
図1において、メッセージ通信システム1は、複数種類のネットワークに接続可能な端末100および端末200の間のメッセージの送信を管理する。
【0022】
本実施例では、複数種類のネットワークとして、CDMA1X網とMMD網が用いられる。なお、複数種類のネットワークは、CDMA1X網とMMD網とに限らず適宜変更可能である。また、端末の数も2台に限らず適宜変更可能である。
【0023】
CDMA1X網では、固有のメッセージサービスとして、Cメールサービスが提供される。また、MMD網では、固有のメッセージサービスとして、IMサービスが提供されている。IMサービスは、Cメールサービスより、入力可能な文字数が多い。このため、本実施例では、推奨ネットワークとしてMMD網が用いられる。
【0024】
メッセージ通信システム1は、LIS(情報管理装置)2と、SMSC(ショートメッセージサービスセンタ)3と、SMS−GW(ショートメッセージサービスゲートウェイ)4と、を含む。
【0025】
端末100および端末200のそれぞれは、GPS衛星300およびGPS衛星400等からのGPS信号に基づいて自己の位置を取得する。端末100および端末200のそれぞれは、自己の位置を示す位置情報を自己のメールアドレスと共にLIS2に送信する。端末100および端末200のそれぞれは、自己の位置の取得と、位置情報とメールアドレスとの送信とを、定期的に行ってもよい。
【0026】
なお、端末100は、CDMA1X網の通信エリア500A内に存在し、端末200は、MMD網の通信エリア700A内に存在するものとする。
【0027】
LIS2は、記憶装置を含み、各端末から送信された位置情報およびメールアドレスを受け付け記憶する。
【0028】
SMSC3は、CDMA1X網に属し、CDMA1X網で提供されているCメールサービスに応じたCメールを蓄積する。
【0029】
SMSC3は、例えば、端末100から送信されたCメールを、CDMA1X網のBTS(無線基地局)500およびBSC(制御局)600を介して受け付け蓄積する。なお、SMSC3は、そのCメールをSMS−GW4に提供可能である。
【0030】
SMS−GW4は、CDMA1X網とMMD網とに接続され、CメールとIMとを相互変換する。なお、IMは、MMD網で提供されているIMサービスに応じたメッセージである。
【0031】
SMS−GW4は、例えば、端末200から送信されたIMを、MMD網のBTS700bおよびBSC800を介して受け付ける。SMS−GW4は、そのIMを、蓄積したり、Cメールに変換してSMSC3に提供したりする。また、SMS−GW4は、SMSC3から提供されたCメールをIMに変換してMMD網に提供する。
【0032】
なお、SMS−GW4とBSC800の間には、MMD網の種々の装置が介在する。
【0033】
LIS2は、端末管理部21と、エリア管理部22と、推奨情報管理部23と、を含む。SMSC3は、制御部31を含む。SMS−GW4は、制御部41を含む。
【0034】
端末管理部21は、端末管理手段の一例である。端末管理部21は、各端末100および200(送信元端末および送信先端末)の位置を管理する。
【0035】
図2は、端末管理部21にて管理される情報の一例を示した説明図である。
【0036】
図2において、端末管理部21は、端末ごとに、メールアドレス21aと位置情報21bとを互いに関連づけて記憶する。なお、メールアドレス21aと位置情報21bは、各端末から送信される。
【0037】
図1に戻って、エリア管理部22は、エリア管理手段の一例である。エリア管理部22は、CDMA1X網とMMD網の各々の通信エリアを管理する。
【0038】
図3は、エリア管理部22にて管理される情報の一例を示した説明図である。
【0039】
図3において、エリア管理部22は、ネットワークごとに、ネットワークID22aと通信エリア22bとを互いに関連づけて記憶する。
【0040】
本実施例では、エリア管理部22は、推奨ネットワークであるMMD網と異なるCDMA1X網の通信エリア22bを、MMD網の通信エリアと隣接している隣接通信エリア22b1と、隣接通信エリア22b1以外の通信エリア(他通信エリア)22b2と、に分けて管理する。
【0041】
図1に戻って、推奨情報管理部23は、推奨ネットワークであるMMD網を示す推奨情報「MMD」(ネットワークID)を管理する。
【0042】
制御部31は、制御手段の一例である。
【0043】
制御部31は、端末100から端末200宛のCメールを受け付けた場合、端末管理部21とエリア管理部22と推奨情報管理部23を参照して、端末100と端末200のうちの一方が隣接通信エリア22b1に存在するかを確認する。
【0044】
例えば、制御部31は、端末100から端末200宛のCメールを受け付けた場合、端末管理部21とエリア管理部22と推奨情報管理部23を参照して、端末100と端末200の一方がMMD網の通信エリア700Aに存在すると共に他方が隣接通信エリア22b1に存在するかを確認する。
【0045】
一例としては、制御部31は、端末100から端末200宛のCメールを受け付けた場合、まず、端末管理部21を参照して、そのCメールの送信元メールアドレスに関連づけられた位置情報(端末100の位置情報)と、そのCメールの送信先メールアドレスに関連づけられた位置情報(端末200の位置情報)と、を読み出す。
【0046】
続いて、制御部31は、エリア管理部22を参照して、端末100が存在している通信エリア(端末100の位置情報を含む通信エリア)と、端末200が存在している通信エリア(端末200の位置情報を含む通信エリア)と、を確認する。
【0047】
続いて、制御部31は、エリア管理部22と推奨情報管理部23を参照して、端末100が存在している通信エリアが隣接通信エリア22b1であり、かつ、端末200が存在している通信エリアが、推奨情報管理部23内の推奨情報「MMD」にて示されたMMD網の通信エリア700Aであるか確認する。
【0048】
制御部31は、端末100と端末200のうち端末100が隣接通信エリア22b1内に存在する場合、端末100に、端末100の位置に応じた通信情報を通知する。
【0049】
例えば、制御部31は、端末100が隣接通信エリア22b1に存在すると共に端末200がMMD網の通信エリア700Aに存在する場合、端末管理部21とエリア管理部22と推奨情報管理部23を参照して、端末100とMMD網の通信エリア700Aとの位置関係(両者の距離を含む)を求める。制御部31は、その位置関係に基づく情報を含む通信情報(例えば、「東に1キロメートル移動すればMMD網の通信エリアに入る」)を端末100に通知する。
【0050】
なお、通信情報は、端末100がMMD網の通信エリア700A内に入った場合にMMD網が提供しているIMサービスに基づくIMの送信が可能になる旨を含むことが望ましい。
【0051】
例えば、制御部31は、端末200がMMD網の通信エリア700Aに存在すると共に端末100が隣接通信エリア22b1に存在する場合、端末100に、「MMD網の通信エリアに移動すればIMが使用可能になる」という通信情報を通知してもよい。
【0052】
なお、制御部31が通知する送信情報は、上記に限らず適宜変更可能である。
【0053】
制御部41は、制御手段の一例である。
【0054】
制御部41は、端末200から端末100宛のIMを受け付けた場合、端末管理部21とエリア管理部22と推奨情報管理部23を参照して、端末100と端末200のうちの一方が隣接通信エリア22b1に存在するかを確認する。
【0055】
例えば、制御部41は、端末200から端末100宛のIMを受け付けた場合、端末管理部21とエリア管理部22と推奨情報管理部23を参照して、端末100と端末200の一方がMMD網の通信エリア700Aに存在すると共に他方が隣接通信エリア22b1に存在するかを確認する。
【0056】
一例としては、制御部41は、端末200から端末100宛のIMを受け付けた場合、まず、端末管理部21を参照して、そのIMの送信元メールアドレスに関連づけられた位置情報(端末200の位置情報)と、そのIMの送信先メールアドレスに関連づけられた位置情報(端末100の位置情報)と、を読み出す。
【0057】
続いて、制御部41は、エリア管理部22を参照して、端末100が存在している通信エリア(端末100の位置情報を含む通信エリア)と、端末200が存在している通信エリア(端末200の位置情報を含む通信エリア)と、を確認する。
【0058】
続いて、制御部41は、エリア管理部22と推奨情報管理部23を参照して、端末100が存在している通信エリアが隣接通信エリア22b1であり、かつ、端末200が存在している通信エリアが、推奨情報管理部23内の推奨情報「MMD」にて示されたMMD網の通信エリア700Aであるか確認する。
【0059】
制御部41は、端末100と端末200のうち端末100のみが隣接通信エリア22b1内に存在する場合、端末200に、端末100の位置に応じた通信情報を通知する。
【0060】
例えば、制御部41は、端末100が隣接通信エリア22b1に存在すると共に端末200がMMD網の通信エリア700Aに存在する場合、端末管理部21とエリア管理部22と推奨情報管理部23を参照して、端末100とMMD網の通信エリア700Aとの距離(例えば、最短距離)を求め、その距離に応じた移動予測時間を含む通信情報を端末200に通知してもよい。制御部41は、例えば、端末100とMMD網の通信エリア700Aとの距離と、予め定められた移動速度と、を乗算して、距離に応じた移動予測時間を求める。
【0061】
この場合、制御部41は、「端末(着信)は間もなくMMD網の通信エリアに入るため、その時点でIMが使用可能になる」や、「着信者が使用可能なサービスが、CメールからIMサービスに切り替わるまで、5分間お待ちください」のような通信情報を、端末200に通知する。
【0062】
なお、通信情報は、例えば「端末(着信)がMMD網の通信エリアに移動すればIMが使用可能になる」のように、端末100がMMD網の通信エリア700A内に入った場合にMMD網が提供しているIMサービスに基づくIMの送信が可能になる旨を含むことが望ましい。
【0063】
なお、制御部41が通知する送信情報は、上記に限らず適宜変更可能である。
【0064】
SMSC3とLIS2、かつ、SMS−GW4とLIS2が通信を行うことにより、従来のCメールサービスやIMサービスやそれらの連携サービスに加えて、CメールサービスよりもIMサービスを優先してユーザに利用して貰える環境を提供することが可能になる。
【0065】
次に、動作を説明する。
【0066】
図4は、端末100がCDMA1X網の隣接通信エリア22b1に存在し、端末200がMMD網の通信エリア700Aに存在している状況で、端末100がCメールの送信元となり、端末200がその送信先となるケースの動作を説明するための説明図である。なお、図4において、図1に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
【0067】
CDMA1X網の通信エリア500Aにいるユーザが、端末(発信)100から端末200宛のCメールを発信すると(ステップ41)、端末100は、GPS衛星300等からのGPS信号に基づいて、端末100の現在位置を求め、その位置を示す位置情報を端末100のメールアドレスと共にLIS2に登録する(ステップ42)。なお、端末200の位置情報およびメールアドレスは、定期的にLIS2に登録されているとする。
【0068】
次に、発信されたCメールは、CDMA1X網のSMSC3に送信されて蓄積される(ステップ43)。
【0069】
SMSC3は、そのCメールを端末(着信)200へ送信する前にLIS2を参照する(ステップ44)。
【0070】
具体的には、制御部31は、そのCメールを受け付けると、LIS2を参照して、端末100が隣接通信エリア22b1に存在すると共に端末200がMMD網の通信エリア700Aに存在するかを確認する。
【0071】
端末100が隣接通信エリア22b1に存在すると共に端末200がMMD網の通信エリア700Aに存在する場合、制御部31は、端末100に、「隣接するMMD網の通信エリアに移動すればIMが使用可能になる」という通信情報を通知する(ステップ45)。
【0072】
このため、端末(発信)100のユーザは、MMD網の通信エリアに移動すれば、CメールではなくIMを選択して使用することが可能になる。
【0073】
なお、端末100と端末200の両者がCDMA1X網の通信エリアに存在する場合、制御部31は、通信情報を通知せずに、端末100からのCメールを端末200に送信する。
【0074】
また、端末100がCDMA1X網の他通信エリア22b2に存在し、かつ、端末200がMMD網の通信エリアに存在する場合、制御部31は、通信情報を通知せずに、端末100からのCメールをSMS−GW4に提供する。SMS−GW4は、SMSC3からCメールを受け付けると、そのCメールをIMに変換して端末200に送信する。
【0075】
図5は、端末100がCDMA1X網の隣接通信エリア22b1に存在し、端末200がMMD網の通信エリア700Aに存在している状況で、端末200がIMの送信元となり、端末100がその送信先となるケースの動作を説明するための説明図である。なお、図5において、図1に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
【0076】
MMD網の通信エリア700Aにいるユーザが、端末(発信)200から端末100宛のIMを発信する(ステップ51)。なお、端末100および端末200のそれぞれの位置情報およびメールアドレスは、定期的にLIS2に登録されているとする(ステップ52)。
【0077】
次に、発信されたIMは、MMD網からSMS−GW4へ送信される(ステップ53)。
【0078】
SMS−GW4は、そのIMを端末(着信)100へ送信する前に、LIS2を参照する(ステップ54)。
【0079】
具体的には、制御部41は、そのIMを受け付けると、LIS2を参照して、端末100が隣接通信エリア22b1に存在すると共に端末200がMMD網の通信エリア700Aに存在するかを確認する。
【0080】
端末100が隣接通信エリア22b1に存在すると共に端末200がMMD網の通信エリア700Aに存在する場合、制御部41は、端末200に、例えば「端末(着信)は間もなくMMD網の通信エリアに入るため、その時点でIMが使用可能になる」という通信情報を通知する(ステップ55)。
【0081】
本実施例によれば、制御部31および制御部41は、送信元端末から送信先端末宛のメッセージを受け付けると、LIS2を参照し、送信元端末または送信先端末が隣接通信エリア内に存在する場合、送信元端末に、隣接通信エリアに存在する端末の位置に応じた通信情報を通知する。
【0082】
この場合、送信元端末のユーザは、その通知を見ることによって、隣接通信エリアに存在する端末を認識することが可能になる。このため、例えば、ユーザが、隣接通信エリアすなわちMMD網の直ぐ近くにいるにもかかわらず、CDMA1X網のCメールサービスを使用してしまうことを防止可能になる。
【0083】
例えば、送信元端末が隣接通信エリアに存在する場合、そのユーザは、その通知を見ることによって、もう少し移動すればIMを利用可能になると認識できる。このため、ユーザは、利用可能な複数のメッセージサービスのうち文字数制限がゆるいメッセージサービス(IMサービス)を極力利用することが可能になる。
【0084】
また、送信先端末が隣接通信エリアに存在する場合、送信元端末のユーザは、その通知を見ることによって、もう少し待てばIMを利用可能になる可能性があることを認識できる。このため、ユーザは、利用可能な複数のメッセージサービスのうち文字数制限がゆるいメッセージサービスを極力利用することが可能になる。
【0085】
また、本実施例では、制御部31および制御部41は、送信元端末または送信先端末が隣接通信エリアに存在する場合、端末管理部21とエリア管理部22と推奨情報管理部23を参照して、隣接通信エリア22b1内の端末とMMD網の通信エリア700Aとの距離(例えば、最短距離)を算出し、その距離に応じた情報を、通信情報として送信元端末に通知する。
【0086】
この場合、その通信情報を受け取ったユーザは、隣接通信エリア22b1内の端末と通信エリア700Aまでの距離に関する情報を認識できる。
【0087】
このため、送信元端末が隣接通信エリアに存在する場合、そのユーザは、その通知を見ることによって、通信エリア700Aまでの距離を認識可能になり、例えば、もう少し移動すればIMを利用可能になると認識できる。
【0088】
また、送信先端末が隣接通信エリアに存在する場合、送信元端末のユーザは、その通知を見ることによって、どのぐらい待てばIMを利用可能になるかを認識できる。
【0089】
また、本実施例では、通信情報として、隣接通信エリア22b1内の端末と通信エリア700Aまでの距離に応じた移動予測時間を用いることも可能である。
【0090】
この場合、この場合、ユーザは、IMを利用可能になるまでの目安となる待ち時間を認識できる。
【0091】
また、本実施例では、通信情報が、隣接通信エリア22b1に存在する端末が通信エリア700Aに入った場合にIMサービスを用いたメッセージの送信が可能になる旨を含んでもよい。
【0092】
この場合、IMサービスの利用を促すことが可能になる。
【0093】
なお、制御部31および制御部41は、文字数制限がゆるいメッセージサービスの利用を促しているが、その利用を強制していない。このため、ユーザは、その通信情報を参考にしながら、IMサービスとCメールサービスのいずれかを用いるかを自らの判断で自由に選択することができる。
【0094】
次に、他の実施例を説明する。
【0095】
図6は、本発明の他の実施例のメッセージ通信システム1Aを示したブロック図である。メッセージ通信システム1Aは、図1に示したメッセージ通信システム1内の制御部41の代わりに制御部41Aを有し、さらに蓄積管理部42を含む。
【0096】
以下、メッセージ通信システム1Aについて、メッセージ通信システム1と異なる点を中心に説明する。
【0097】
制御部41Aは、制御部41と同じ機能を有し、さらに、端末200がMMD網の通信エリア700Aに存在すると共に端末100が隣接通信エリア22b1に存在する場合、端末200からの端末100宛のメッセージを、蓄積管理部42に提供して蓄積する。
【0098】
蓄積管理部42は、蓄積管理手段の一例である。蓄積管理部42は、制御部41Aからメッセージを受け付けた場合、そのメッセージを端末100に送信せずに蓄積する。
【0099】
なお、制御部41Aは、端末200からの端末100宛のメッセージを蓄積管理部42に提供した後、LIS2を参照して、端末200がMMD網の通信エリア700Aに入ったか確認し、端末200がMMD網の通信エリア700Aに入ったことを検出すると、蓄積管理部42内の端末100宛のメッセージを端末100に送信する。
【0100】
本実施例のメッセージ通信システム1Aは、図1に示したメッセージ通信システム1と同様の効果を奏する。
【0101】
また、本実施例では、蓄積管理部42は、端末200がMMD網の通信エリアに存在すると共に端末100が隣接通信エリアに存在する場合、端末200からの端末100宛のメッセージを、端末100に送信せずに蓄積する。制御部41Aは、端末200がMMD網の通信エリアに入った際に、蓄積管理部42内の端末100宛のメッセージを端末100に送信する。
【0102】
この場合、端末100宛のメッセージ(IM)を有効に使用することが可能になる。
【0103】
なお、上記各実施例において、複数種類のネットワークは、1つの通信会社によって運営されていてもよい。
【0104】
例えば、ある通信会社が、既存のネットワークに加えて、新しいネットワークを提供する場合に、新しいネットワークの方が既存のネットワークより、メッセージサービスの文字数制限が緩やかな場合がある。
【0105】
この状況で、メッセージ通信システム1またはメッセージ通信システム1Aが使用されれば、その通信会社を利用しているユーザは、その通信会社が提供する複数種類のメッセージサービスのうち、ユーザにとって使い勝手のよいメッセージサービスを、極力使用することが可能になる。
【0106】
よって、その通信会社は、メッセージ通信システム1またはメッセージ通信システム1Aを使用することによって、ユーザに有益なサービスを提供することが可能になる。
【0107】
以上説明した各実施例において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の一実施例のメッセージ通信システム1を示したブロック図である。
【図2】端末管理部21にて管理される情報の一例を示した説明図である。
【図3】エリア管理部22にて管理される情報の一例を示した説明図である。
【図4】メッセージ通信システム1の動作の一例を説明するための説明図である。
【図5】メッセージ通信システム1の動作の他の一例を説明するための説明図である。
【図6】本発明の他の実施例のメッセージ通信システム1Aを示したブロック図である。
【符号の説明】
【0109】
1、1A メッセージ通信システム
2 LIS
21 端末管理部
22 エリア管理部
23 推奨情報管理部
3 SMSC
31 制御部
4 SMS−GW
41、41A 制御部
100、200 端末
300、400 GPS衛星
500、700a、700b BTS
600、800 BSC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が固有のメッセージサービスを有する複数種類のネットワークに接続可能な送信元端末および送信先端末の間のメッセージの送信を管理するメッセージ通信システムであって、
複数の前記メッセージサービスのうち入力可能な文字数が最も多いメッセージサービスを有する推奨ネットワークを管理する推奨情報管理手段と、
前記送信元端末および前記送信先端末の位置を管理する端末管理手段と、
前記複数種類のネットワークのうち前記推奨ネットワークと異なるネットワークが有する通信エリアを、前記推奨ネットワークの通信エリアと隣接している隣接通信エリアと、当該隣接通信エリア以外の通信エリアと、に分けて管理するエリア管理手段と、
前記送信元端末から前記送信先端末宛のメッセージを受け付けた際に、前記端末管理手段と前記エリア管理手段と前記推奨情報管理手段を参照し、前記送信元端末または前記送信先端末が前記隣接通信エリアに存在する場合、前記送信元端末に、前記隣接通信エリアに存在する送信元端末または送信先端末の位置に応じた通信情報を通知する制御手段と、を含むメッセージ通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のメッセージ通信システムにおいて、
前記エリア管理手段は、前記推奨ネットワークの通信エリアをさらに管理し、
前記制御手段は、前記送信元端末または前記送信先端末が前記隣接通信エリアに存在する場合、前記端末管理手段と前記エリア管理手段と前記推奨情報管理手段を参照して、当該送信元端末または送信先端末と前記推奨ネットワークの通信エリアとの距離を算出し、当該距離に応じた情報を、前記通信情報として、前記送信元端末に通知する、メッセージ通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載のメッセージ通信システムにおいて、
前記通信情報は、前記距離に応じた移動予測時間である、メッセージ通信システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載のメッセージ通信システムにおいて、
前記送信元端末が前記推奨ネットワークの通信エリアに存在すると共に前記送信先端末が前記隣接通信エリアに存在する場合、前記送信先端末宛のメッセージを、前記送信先端末に送信せずに蓄積する蓄積管理手段をさらに含み、
前記制御手段は、前記端末管理手段と前記エリア管理手段と前記推奨情報管理手段を参照して、前記送信先端末が前記隣接通信エリアから前記推奨ネットワークの通信エリアに移動したことを検出した際に、前記蓄積管理手段内の前記送信先端末宛のメッセージを、前記送信先端末に送信する、メッセージ通信システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のメッセージ通信システムにおいて、
前記通信情報は、前記隣接通信エリアに存在する前記送信元端末または前記送信先端末が前記推奨ネットワークの通信エリアに入った場合に前記入力可能な文字数が最も多いメッセージサービスを用いたメッセージの送信が可能になる旨を、さらに含む、メッセージ通信システム。
【請求項6】
各々が固有のメッセージサービスを有する複数種類のネットワークに接続可能な送信元端末および送信先端末の間のメッセージの送信を管理するメッセージ通信方法であって、
複数の前記メッセージサービスのうち入力可能な文字数が最も多いメッセージサービスを有する推奨ネットワークを、推奨情報管理手段を用いて管理する推奨情報管理ステップと、
前記送信元端末および前記送信先端末の位置を、端末管理手段を用いて管理する端末管理ステップと、
前記複数種類のネットワークのうち前記推奨ネットワークと異なるネットワークが有する通信エリアを、前記推奨ネットワークの通信エリアと隣接している隣接通信エリアと、当該隣接通信エリア以外の通信エリアと、に分けて、エリア管理手段を用いて管理するエリア管理ステップと、
前記送信元端末から前記送信先端末宛のメッセージを受け付けた場合に、前記端末管理手段と前記エリア管理手段と前記推奨情報管理手段を参照し、前記送信元端末または前記送信先端末が前記隣接通信エリアに存在する場合、前記送信元端末に、前記隣接通信エリアに存在する前記送信元端末または前記送信先端末の位置に応じた通信情報を通知する制御ステップと、を含むメッセージ通信方法。
【請求項7】
請求項6に記載のメッセージ通信方法において、
前記エリア管理ステップでは、前記推奨ネットワークの通信エリアを、前記エリア管理手段を用いてさらに管理し、
前記制御ステップでは、前記送信元端末または前記送信先端末が前記隣接通信エリアに存在する場合、前記端末管理手段と前記エリア管理手段と前記推奨情報管理手段を参照して、当該送信元端末または送信先端末と前記推奨ネットワークの通信エリアとの距離を算出し、当該距離に応じた情報を、前記通信情報として、前記送信元端末に通知する、メッセージ通信方法。
【請求項8】
請求項7に記載のメッセージ通信方法において、
前記通信情報は、前記距離に応じた移動予測時間である、メッセージ通信方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載のメッセージ通信方法において、
前記送信元端末が前記推奨ネットワークの通信エリアに存在すると共に前記送信先端末が前記隣接通信エリアに存在する場合、前記送信先端末宛のメッセージを、前記送信先端末に送信せずに蓄積管理手段に蓄積する蓄積管理ステップと、
前記端末管理手段と前記エリア管理手段と前記推奨情報管理手段を参照して、前記送信先端末が前記隣接通信エリアから前記推奨ネットワークの通信エリアに移動したことを検出した際に、前記蓄積管理手段内の前記送信先端末宛のメッセージを、前記送信先端末に送信する送信ステップと、をさらに含むメッセージ通信方法。
【請求項10】
請求項6から9のいずれか1項に記載のメッセージ通信方法において、
前記通信情報は、前記隣接通信エリアに存在する前記送信元端末または前記送信先端末が前記推奨ネットワークの通信エリアに入った場合に前記入力可能な文字数が最も多いメッセージサービスを用いたメッセージの送信が可能になる旨を、さらに含む、メッセージ通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−4953(P2009−4953A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162315(P2007−162315)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】