説明

メディア隠蔽装置

【課題】 本発明は画像や音などの原メディアの一部情報を隠蔽し、かつ、原メディアが第3者に復元されないようにしつつ、一部情報を隠蔽したメディアを第3者に開示することを可能にすることを目的とする。
【解決手段】 モーフィング技術によって画像や音の原メディアを変形することで原メディアの一部情報を隠蔽し、モーフィング時の原メディア、目的メディア、モーフィング率あるいは、原メディアおよび目的メディアのモーフィング変形対応箇所の少なくとも1つの情報を暗号化するか個別に伝送・記録することで、第3者に対する原メディアの復元を不可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像や音楽や音声などの視聴覚メディアの暗号化や隠蔽分野において、部分的なメディア情報を変形して開示することで限定された目的の利用は可能にするものの、原メディアの復元は復元情報を伝送受信あるいは記録再生した者のみができるようにするように制限をかけるメディア隠蔽装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットに代表される情報通信の発達に伴い情報の暗号化は必須になっている。画像や音も同様でメディア隠蔽装置は広く利用されている。
【0003】
以下図面を参照しながら、上記した従来のメディア隠蔽装置について,画像メディアの隠蔽を例に取り一例について説明する。
【0004】
図11は従来のメディア隠蔽装置の構成を示すものである。図11において、1は暗号化する原画像を入力する原メディア入力部である。20は原メディア入力部1から入力された画像を暗号化するための鍵を入力する暗号化鍵入力部である。21は暗号化鍵入力部20から入力された暗号化鍵を使って原メディア入力部1から入力した原画像を暗号化するメディア暗号化部である。22はメディア暗号化部21が生成した暗号化画像を伝送あるいは記録する伝送部である。23は伝送部22から送られてきた暗号化画像を受信あるいは再生する受信部である。24は受信部23で受信あるいは再生した暗号化画像を別途に保持する暗号化鍵を使って復元し利用できるようにする原メディア復元部である。
【0005】
以上のように構成された従来のメディア隠蔽装置について、以下その動作を説明する。
【0006】
まず原メディア入力部1から原画像を、暗号化鍵入力部20から暗号鍵を入力し、メディア暗号化部21で暗号化された画像を生成する。
【0007】
この暗号化方式は、DES、 AES、 FEAL、 E2、 Camelia、 RC6、 IDEAなど多くの方式が提案されてきた。現在の主流は公開鍵暗号化方式であり、RAS暗号が実用化されている。RAS暗号は技術的には剰余を利用する方式で、インターネット上の認証など暗号化の分野で広く用いられている。非特許文献1参照。
【非特許文献1】伊藤正史、「図解雑学 暗号理論」、ナツメ社(2003年)
【0008】
従来の暗号化手法では暗号化鍵と復元鍵が同じであり、公開鍵暗号化では暗号化鍵と復元鍵が異なるという違いはあるものの、いずれの方法にしても図11の従来のメディア隠蔽装置に示すように、原画像と暗号化鍵を入力して画像を暗号化する方式を採り、伝送部22から送信あるいは記録された画像は復元鍵を持たない限り、画像内容を100%隠蔽し内容を第3者に知られることがない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら上記のような構成では、第3者に知られたくない内容と知らせたい内容が同じメディアの中に混在する場合、知られたくない内容のみを隠蔽することは困難であった。例えば医療画像、特に顔画像や身体特徴のような個人情報を含む場合は、第3者にその個人性を隠蔽しつつ病気の特徴や診断に必要な画像情報は関係者に公開したい場合がある。インターネット上で画像や音声を公開する際に、個人を特定できる画像や音声情報を隠蔽しつつその他の部分の画像や音声情報を公開したい場合もある。
【0010】
例えば、血中コレステロールが400mg/dl以上の高脂肪血症ではまぶたや目の周りが黄色く盛り上がったようなシミが出ることが多くなると言われている。また、甲状腺機能低下症の場合、眉毛の外側1/3から半分が薄くなることが多くなると言われている。その他にも顔や体表面に症状が現れる病気は多々ある。このような病気の症状の画像をインターネット上で開示する場合、個人を特定できないようにしたいが、従来のメディア隠蔽装置では画像内容を100%隠蔽してしまうため、このような要求を満たすことが困難であるという問題点を有していた。
【0011】
本発明は上記問題点に鑑み、画像や音のメディア中の部分的な情報のみを隠蔽するメディア隠蔽装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記問題点を解決するために本発明のメディア隠蔽装置は、原メディアを入力する原メディア入力部と、目的メディアまたは目的メディア変形対応箇所またはモーフィング率または原メディア変形対応箇所の何れかの変動情報を入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された変動情報のうち少なくとも1種類の情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とする。
【0013】
一方で、本発明のメディア隠蔽装置は、メディア隠蔽装置において、モーフィングメディア生成部が原メディアにある特殊情報を分離し、それを保存しつつ、原メディアをモーフィングすることができることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のメディア隠蔽装置は、複数のモーフィング率を入力し或は予め与えて、モーフィングメディア生成部は原メディアおよび目的メディア双方の変形対応箇所毎に当該複数のモーフィング率を割り当ててモーフィングメディアを生成することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のメディア隠蔽装置は、原メディア入力部は2次元あるいは3次元の原画像を入力し、目的メディアは鍵となる2次元あるいは3次元の目的画像として鍵入力部から入力あるいは記憶し、モーフィングメディア生成部は2次元あるいは3次元のモーフィング画像を生成することを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明のメディア隠蔽装置は、原メディア入力部は原音を入力し、目的メディアは鍵となる目的音として鍵入力部から入力あるいは記憶し、モーフィングメディア生成部はモーフィング音を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上記した構成によって、入力された原メディアを目的メディアとモーフィング率などでメディア変形を行い、メディア変形によって伝送・記録メディアの一部の情報を隠蔽しつつもメディア全体は隠蔽しない。変動鍵伝送部は、原メディア復元に必要な情報のうち少なくとも1つを暗号化して伝送あるいは記録する、あるいは、個別に伝送することで原メディアの復元ができないようにすることができる。
【0018】
本発明によれば、変動鍵入力部と、モーフィングメディア生成部と、メディア伝送部と、変動鍵伝送部を設けることにより、モーフィング技術を使ってメディアを変形し、メディア中の部分的な情報を隠蔽しつつ、当該メディア中の他の情報を提示することができる。
【実施例】
【0019】
以下本発明の実施例のメディア隠蔽装置について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施例1)
図1は本発明の第1の実施例におけるメディア隠蔽装置の構成図である。図1において、2は変動鍵入力部で、目的メディア、目的メディアに近づける割合を示すモーフィング率、原メディアの変更対応箇所、目的メディアの変更対応箇所などを入力する。3は固定鍵記憶部で、目的メディア、目的メディアに近づける割合を示すモーフィング率、目的メディアの変更対応箇所などのうち、予め与えられるものをここに記憶する。固定鍵はなくてもよいので、この部分が省略できる。4はモーフィング率(固定鍵または変動鍵として使用される)の割合で原メディア入力部1から入力された原メディアを目的メディアに近づけたモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部である。5は変動鍵入力部2から入力された変動鍵を伝送あるいは記憶する伝送部である。6はモーフィングメディア生成部4が生成したモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部である。7は固定鍵記憶部3に記憶されている固定鍵を伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部である。8は前記メディア伝送部と前記固定鍵伝送部と前記変動鍵伝送部が伝送あるいは記憶する情報を受信あるいは再生する受信部である。9は記受信部8で得られた情報に基づいて原メディアを復元する原メディア復元部である。
【0021】
図1のメディア隠蔽装置において、モーフィングメディア生成部4が、5つの情報を基にモーフィングメディアを生成する。その5つの情報とは、原メディア、目的メディア、目的メディアに近づける割合を示すモーフィング率、原メディアの変更対応箇所、目的メディアの変更対応箇所である。そのうち、目的メディア、目的メディアに近づける割合を示すモーフィング率、原メディアの変更対応箇所、目的メディアの変更対応箇所は鍵である。この中で、原メディアの変更対応箇所以外は、予め与えて固定してもかまわないし、原メディアに対応して新たに入力されてもよい。予め与えられた鍵は固定鍵であり、それを固定鍵記憶部3に記憶し、その一部を暗号化して或は個別に受信部に送ることができる。この場合、変動鍵は暗号化しなくてもかまわない。すべての鍵を変動鍵にする場合、それらを変動鍵入力部2から入力し、第3者が原メディアを復元できないように、鍵の一部を暗号化あるいは個別に受信側に送る必要がある。
【0022】
以上のように構成されたメディア隠蔽装置について、以下画像メディアを例に取り、その動作を説明する。
【0023】
最初に、本発明の一実施例で用いられている非特許文献2などにより公知の技術である画像のモーフィング技術について図2から図5を用いて簡単に説明する。モーフィングとは原画像を目的画像に近づけるよう画像変形させる技術であり、コンピュータグラフィクスを用いた映画では多用されている。
【非特許文献2】デビッド K. メーソン、「モーフィングガイドブック」、翔泳社テクニカルコア(訳) 翔泳社 (1994/10)
【0024】
図2のモーフィング用原画像と目的画像を用意し、図3のように両画像の変形対応箇所を指定する。変形対応箇所の指定にメッシュの格子点を用いるメッシュワーピング法や変形対応線分を用いるフィールドモーフィングなどがある。図3は変形対応線分を用いた例である。原画像と目的画像の各変形対応箇所の座標をm:1−m(ただし0≦m≦1)の割合で原画像から目的画像側(あるいは目的画像から原画像側)に移動させたモーフィング画像の変形対応箇所座標を求める(図4)。この変形割合mをモーフィング率と呼ぶ。次に、原画像を目的画像側に変形させたモーフィング画像(変形原画像と呼ぶ)と、目的画像を原画像側に変形させたモーフィング画像(変形目的画像と呼ぶ)を求める。変形原画像(あるいは変形目的画像)における座標は、変形目的画像(あるいは変形原画像)の座標を関数f()で変換する。この関数f()は、原画像(あるいは目的画像)の変形対応箇所とモーフィング画像の変形対応箇所によって生成される。こうして求めた変形原画像(あるいは変形目的画像)の座標の画素に、原画像(あるいは目的画像)の座標の画素値を割り当てる。この方法をリバースマッピングという。最終的なモーフィング画像は、
モーフィング画像 =(1−m)×変形原画像 + m×変形目的画像
で求めることができる。図5にこのモーフィング率mを0.1刻みで変化させて原画像に近いモーフィング画像から目的画像に近いモーフィング画像までを連続的に示す。
【0025】
以上のモーフィング技術を用いた図1の本発明の一実施例では、原メディア入力部1から原画像を入力し、変動鍵入力部2は原画像の変更対応箇所と、目的画像とモーフィング率と目的画像変形対応箇所の3種類の情報の一部あるいは全部を入力し、目的画像とモーフィング率と目的画像変形対応箇所の3種類の情報の一部あるいは全部が予め与えられる場合、固定鍵記憶部はそれらを記憶する。モーフィングメディア生成部4が以上の入力されたあるいは記憶された情報を基にして図2〜図5を用いて説明したモーフィング画像を生成する。モーフィング画像は変形されているため、原画像に含まれる情報の一部を失っている。しかし、原画像に保存したい情報がある場合、それを分離して、個別に変換を施すことによってモーフィング画像に残すことができる。例えば、本発明が解決しようとする課題で例示した高脂肪血症の場合の目の周りの黄色いシミ(保存したい情報)の場合、目的画像に虎の顔を使えば、虎に似た人のモーフィング画像の顔に黄色いシミ情報を残しつつ、虎っぽい顔への変形のために個人を特定することが困難になる。
【0026】
メディア伝送部6は、モーフィングメディア生成部4で生成したモーフィング画像を受信側に伝送する。通常、モーフィング画像が第3者に開示してもかまわないので、その伝送は暗号化しなくてもよい。固定鍵伝送部7は、固定鍵がある場合のみ必要とされる。また、固定鍵がある場合、その一部を暗号化あるいは個別に受信側に伝送する必要がある。変動鍵伝送部5は、変動鍵を受信側に伝送する。固定鍵がない場合に限って、変動鍵の一部を暗号化あるいは個別に受信側に伝送する必要がある。
【0027】
原メディア復元部9は受信部8が受信あるいは再生する3種類の伝送部からの情報を入力する。当該情報の中に暗号化されているものがある場合はこれらを暗号化鍵で復号し、伝送部から当該情報が個別に送られてくる場合は順次蓄積することでこれら暗号化されていない5情報をすべて揃え、モーフィング画像と合わせて原画像を復元する。
【0028】
以上のように本実施例によれば、変動鍵入力部と、固定鍵記憶部と、モーフィングメディア生成部と、メディア伝送部と、変動鍵伝送部と、固定鍵伝送部を設けることにより、原画像を変形させることで画像情報の一部情報を隠蔽し、目的画像、モーフィング率、原画像および目的画像双方の変形対応箇所の、少なくとも1つを暗号化して伝送・記録するか個別に伝送・記録することで、第3者に原画像を復元される心配をせずに原画像の一部画像情報を隠蔽したモーフィング画像を第3者に開示することができ、かつ、受信者は原画像を復号できる。
【0029】
(実施例2)
第1の実施例では1枚の画像(あるいは1個の立体画像)を変形させる説明を行ったが、複数の画像を扱う場合は、画像毎にモーフィング率を変えてさらに複雑にすることができる。
【0030】
n枚の画像を扱う場合を例に、この様子を図6に示す。図3では原画像および目的画像の対応箇所を複数用意し図4のように、各対応箇所に1つのモーフィング率を適用して画像変形した。図6は、原画像1と目的画像の各対応箇所にはすべてモーフィング率m1を適用し、原画像2と目的画像の各対応箇所にはすべてモーフィング率m2を適用し、原画像nと目的画像の各対応箇所にはすべてモーフィング率mnを適用することを示している。図6中の黒点は原画像毎に異なるモーフィング率を表している。モーフィング率入力部3からはこれら複数のモーフィング率、すなわち、1つのモーフィング率ベクトルを入力し、以下同様に変動鍵伝送部5、固定鍵伝送部7、受信部8、原メディア復元部9もこのモーフィング率ベクトルを扱うことになる。
【0031】
以上のように本実施例によれば、複数の原画像を入力する原メディア記憶部と、入力原画像毎にモーフィング率を変えた複数のモーフィング率を入力するモーフィング率入力部を設けることにより、第3者が原画像を復元することをより困難にして原画像の一部画像情報を隠蔽したモーフィング画像を第3者に開示することができ、かつ、伝送者は原画像を復号できる。なお、この実施例は、実施例1において、モーフィング率を変動鍵として利用される場合に相当する。
【0032】
(実施例3)
第1の実施例と第2の実施例では、1枚の画像を扱う場合でも複数の画像を扱う場合でも、1枚の原画像と目的画像とのモーフィングの対応箇所にはすべて同じモーフィング率を適用している。これに対して対応箇所毎にモーフィング率を変えることでさらに複雑な変形を行うことができる。
【0033】
図7はこの様子を示したもので、図中の黒点は原画像と目的画像との複数の対応箇所毎に異なるモーフィング率を表している。複数のモーフィング率、すなわち、1つのモーフィング率ベクトルを予め固定鍵記憶部に記憶するか変動鍵入力部から入力してモーフィングメディア生成部4でモーフィング画像を生成し、以下同様に変動鍵伝送部5、固定鍵伝送部7、受信部8、原メディア復元部9もこのモーフィング率ベクトルを扱う。
【0034】
以上のように本実施例によれば、複数のモーフィング率を入力するモーフィング率入力部を設けることにより、原画像を目的画像との対応箇所毎に異なる割合で変形させて画像情報の一部情報を隠蔽し、第3者が原画像を復元することをより困難にして原画像の一部画像情報を隠蔽したモーフィング画像を第3者に開示することができ、かつ、伝送者は原画像を復号できる。
【0035】
(実施例4)
第3の実施例では1枚の画像を変形させる説明を行ったが、第2の実施例と第3の実施例を組み合わせて複数の画像を扱う場合は、画像毎および対応箇所毎に異なる複数のモーフィング率を変えることで更に複雑な隠蔽を行うことができる。
【0036】
n枚の画像を扱う場合を例に、この様子を図8に示す。図6ではn枚の原画像と1枚の目的画像の対応箇所にn個のモーフィング率を用意し、原画像毎に異なる1つのモーフィング率を適用して画像変形した。図8は、原画像毎だけでなく図7のようにさらに原画像と目的画像の対応箇所毎にも異なるモーフィング率を適用するものであり、原画像iと目的画像とのk番目の対応箇所にはモーフィング率mi(ただし0≦i≦n)を適用することを示している。すべてのモーフィング率をまとめてモーフィングマトリックスの形で変動鍵として入力あるいは固定鍵として予め記憶することができる。同様に、図9に示すように目的画像を複数にしてもよい。これは実施例3からの自然な拡張である。
【0037】
以上のように本実施例によれば、複数のモーフィング率を予め記憶するか変動鍵として入力することにより、原画像を目的画像との対応箇所毎に異なる割合で変形させて画像情報の一部情報を隠蔽し、第3者が原画像を復元することをより困難にして原画像の一部画像情報を隠蔽したモーフィング画像を第3者に開示することができ、かつ、受信者は原画像を復号できる。
【0038】
以上の実施例1〜4では2次元の画像メディアを例に説明したが、人工現実感で用いる3次元の画像(立体像)を扱う場合も、対応変形対応箇所の座標が2次元から3次元座標に変わるだけで基本的に同じである。
【0039】
(実施例5)
実施例1〜4では2次元あるいは3次元の画像を扱うメディア隠蔽装置の実施例を示した。しかし、本発明は画像メディアに限定されるものではない。音メディアを隠蔽する実施例を示す。
【0040】
音メディアは時間、周波数、振幅の3物理特性でその物理的特性を規定できる。図10はこの周波数特性の時間変化を示した図である。音声であれば、ピッチ(周波数)、強度(振幅)、テンポ(時間)の3物理特性で韻律が規定され、個人性や声の表情が規定される。
【0041】
したがって、原音メディアと目的音メディアの変形対応箇所を図10に示す3物理特性に取れば音のモーフィングが実現でき、音メディア情報の一部を隠蔽することができる。図10に示すこれら3物理特性の3次元空間を考え、変形対応箇所の座標(時間、周波数、振幅)を扱う場合は、実施例1〜4で説明した画像メディアが3次元の場合に相当する。また、3物理特性のうちの2つを選んでその平面上に変形対応箇所を取る場合は、実施例1〜4で説明した画像メディアが2次元の場合に相当する。もちろん、3物理特性うちの1つを選んでも同様にモーフィングができることは言うまでもない。すなわち、音メディアの部分情報の隠蔽も画像メディアの部分情報の隠蔽も、本発明では技術的にまったく同じものとして扱うことができる。
【0042】
以上のように本実施例によれば、音メディアを扱うメディア隠蔽装置であっても、実施例1〜4で画像メディアを用いて説明したように、固定鍵記憶部と、変動鍵入力部と、モーフィングメディア生成部と、メディア伝送部と、固定鍵伝送部と、へ移動鍵伝送部を設けることにより、原音を対応箇所毎に異なる割合で変形させることで音情報の一部情報を隠蔽し、目的音とモーフィング率と原音および目的音双方の対応点の少なくとも1つをそのまま伝送・記録せずに暗号化するか個別に伝送・記録することで第3者に原音を復元される心配なく原音の一部音情報を隠蔽したまま第3者に音を開示することができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、個人情報など一部開示したくない画像や音情報を隠蔽しつつ他の画像や音情報を開示することで、患者や犯罪者など個人情報の保持が求められる画像や音メディアの利用・流通・公開や、インターネットを介した個人性を含む画像や音メディアの公開・画像や音メディア通信等の分野で安全な画像や音メディア公開を提供するものである。また、画像や音楽の販売においては、サンプル画像やサンプル音楽のモーフィングメディアを提供することで、量子化レベルを落としたりノイズを混入させたりすることのない高品質のサンプルメディアを提供し、購入者には暗号鍵を送る、あるいは、個別に復元情報を送ることで原画像や原音楽を復元させるビジネスモデルも可能になるなど、産業上の利用効果には大なるものがある。
(付記)
【0044】
本発明記載の請求項1における変動鍵入力部は4種類の情報を入力あるいは記憶するが、本明細書の実施例では更に詳しく、情報を入力する変動鍵入力部と、情報を記憶する固定鍵入力部に分けて実施例を述べた。4つの情報を2つの変動鍵入力部からの入力と固定鍵入力部の記憶に分けると、16通りの入力あるいは記憶の方法がある。これらを付記として記載する。
(付記1)
【0045】
原メディアを入力する原メディア入力部と、目的メディアと目的メディア変形対応箇所と原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率と前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記変動鍵入力部から入力された目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された情報のうち少なくとも1種類の情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記2)
【0046】
原メディアを入力する原メディア入力部と、予め用意した目的メディアを記憶する固定鍵記憶部と、目的メディア変形対応箇所と原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率と前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報と前記固定鍵記憶部にある情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記固定鍵記憶部にある目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記固定鍵記憶部にある情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された情報を伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記3)
【0047】
原メディアを入力する原メディア入力部と、予め定められた目的メディア変形対応箇所を記憶する固定鍵記憶部と、目的メディアと原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率と前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報と前記固定鍵記憶部にある情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記変動鍵入力部から入力した目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記固定鍵記憶部にある情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された情報を伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記4)
【0048】
原メディアを入力する原メディア入力部と、予め定められた原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率を記憶する固定鍵記憶部と、目的メディアと目的メディア変形対応箇所と前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報と前記固定鍵記憶部にある情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記変動鍵入力部から入力した目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記固定鍵記憶部にある情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された情報を伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記5)
【0049】
原メディアを入力する原メディア入力部と、予め定められた前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を記憶する固定鍵記憶部と、目的メディアと目的メディア変形対応箇所と原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率を入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報と前記固定鍵記憶部にある情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記変動鍵入力部から入力した目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記固定鍵記憶部にある情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された情報を伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記6)
【0050】
原メディアを入力する原メディア入力部と、予め用意した目的メディアと予め定められた目的メディア変形対応箇所を記憶する固定鍵記憶部と、原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率と前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報と前記固定鍵記憶部にある情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記固定鍵記憶部にある目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記固定鍵記憶部にある情報のうち少なくとも1種類の情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された情報を伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記7)
【0051】
原メディアを入力する原メディア入力部と、予め用意した目的メディアと予め定められた原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率を記憶する固定鍵記憶部と、目的メディア変形対応箇所と前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報と前記固定鍵記憶部にある情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記固定鍵記憶部にある目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記固定鍵記憶部にある情報のうち少なくとも1種類の情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された情報を伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記8)
【0052】
原メディアを入力する原メディア入力部と、予め用意した目的メディアと予め定められた前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を記憶する固定鍵記憶部と、目的メディア変形対応箇所と原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率を入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報と前記固定鍵記憶部にある情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記固定鍵記憶部にある目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記固定鍵記憶部にある情報のうち少なくとも1種類の情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された情報を伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記9)
【0053】
原メディアを入力する原メディア入力部と、予め用意した目的メディアと予め定められた目的メディア変形対応箇所と予め定められた原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率と予め定められた前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を記憶する固定鍵記憶部と、前記固定鍵入力部にある情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記固定鍵入力部にある目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記固定鍵入力部にある情報のうち少なくとも1種類の情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記10)
【0054】
原メディアを入力する原メディア入力部と、予め定められた目的メディア変形対応箇所と予め定められた原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率と予め定められた前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を記憶する固定鍵記憶部と、目的メディアを入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報と前記固定鍵記憶部にある情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記変動鍵入力部から入力した目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記固定鍵記憶部にある情報のうち少なくとも1種類の情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された情報を伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記11)
【0055】
原メディアを入力する原メディア入力部と、予め用意した目的メディアと予め定められた原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率と予め定められた前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を記憶する固定鍵記憶部と、目的メディア変形対応箇所を入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報と前記固定鍵記憶部にある情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記固定鍵記憶部にある目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記固定鍵記憶部にある情報のうち少なくとも1種類の情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された情報を伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記12)
【0056】
原メディアを入力する原メディア入力部と、予め用意した目的メディアと予め定められた目的メディア変形対応箇所と予め定められた前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を記憶する固定鍵記憶部と、原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率を入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報と前記固定鍵記憶部にある情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記固定鍵記憶部にある目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記固定鍵記憶部にある情報のうち少なくとも1種類の情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された情報を伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記13)
【0057】
原メディアを入力する原メディア入力部と、予め用意した目的メディアと予め定められた目的メディア変形対応箇所と予め定められた原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率を記憶する固定鍵記憶部と、前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報と前記固定鍵記憶部にある情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記固定鍵記憶部にある目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記固定鍵記憶部にある情報のうち少なくとも1種類の情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された情報を伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記14)
【0058】
原メディアを入力する原メディア入力部と、予め定められた原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率と予め定められた前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を記憶する固定鍵記憶部と、目的メディアと目的メディア変形対応箇所を入力する変動鍵入力部と、 前記変動鍵入力部から入力された情報と前記固定鍵記憶部にある情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記変動鍵入力部から入力した目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記固定鍵記憶部にある情報のうち少なくとも1種類の情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された情報を伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記15)
【0059】
原メディアを入力する原メディア入力部と、予め定められた目的メディア変形対応箇所と予め定められた前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を記憶する固定鍵記憶部と、目的メディアと原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率を入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報と前記固定鍵記憶部にある情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記変動鍵入力部から入力した目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記固定鍵記憶部にある情報のうち少なくとも1種類の情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された情報を伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記16)
【0060】
原メディアを入力する原メディア入力部と、予め定められた目的メディア変形対応箇所と予め定められた原メディアを目的メディアに近づける変形の割合であるモーフィング率を記憶する固定鍵記憶部と、目的メディアと前記原メディア入力部から入力された原メディアの変形対応箇所を入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報と前記固定鍵記憶部にある情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを前記変動鍵入力部から入力した目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記固定鍵記憶部にある情報のうち少なくとも1種類の情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する固定鍵伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された情報を伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記17)
【0061】
付記1〜16記載のメディア隠蔽装置において、モーフィングメディア生成部が原メディアにある特殊情報を分離し、それを保存しつつ、原メディアをモーフィングすることができることを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記18)
【0062】
付記1〜17記載のメディア隠蔽装置において、複数のモーフィング率を入力し或は予め与えて、モーフィングメディア生成部は原メディアおよび目的メディア双方の変形対応箇所毎に当該複数のモーフィング率を割り当ててモーフィングメディアを生成することを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記19)
【0063】
付記1〜18記載のメディア隠蔽装置において、原メディア入力部は2次元あるいは3次元の原画像を入力し、2次元あるいは3次元の目的画像を固定鍵として予め固定鍵記憶部に記憶するか変動鍵として変動鍵入力部から入力し、モーフィングメディア生成部は2次元あるいは3次元のモーフィング画像を生成することを特徴とするメディア隠蔽装置。
(付記20)
【0064】
付記1〜18記載のメディア隠蔽装置において、原メディア入力部は原音を入力し、目的メディアは参照音として予め固定鍵記憶部に記憶するか変動鍵入力部から入力し、モーフィングメディア生成部はモーフィング音を生成することを特徴とするメディア隠蔽装置。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施例におけるメディア隠蔽装置の構成図である。
【図2】画像のモーフィングの第1の説明図である。
【図3】画像のモーフィングの第2の説明図である。
【図4】画像のモーフィングの第3の説明図である。
【図5】画像のモーフィングの第4の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施例におけるモーフィングベクトルを用いた複数画像の隠蔽の説明図である。
【図7】本発明の第3の実施例における複数のモーフィング率を用いて対応箇所毎に異なるモーフィングを行う画像の隠蔽の説明図である。
【図8】本発明の第4の実施例におけるモーフィングマトリクスを用いた画像の隠蔽の説明図である。
【図9】同実施例における目的画像を複数用意した場合のモーフィングマトリクスを用いた複数画像を隠蔽する実施例の説明図である。
【図10】音メディアの物理的特徴を示す時間−周波数−振幅の図である。
【図11】従来のメディア隠蔽装置の構成図である。
【符号の説明】
【0066】
1 原メディア入力部
2 変動鍵入力部
3 固定鍵記憶部
4 モーフィングメディア生成部
5 変動鍵伝送部
6 メディア伝送部
7 固定鍵伝送部
8 受信部
9 原メディア復元部
20 暗号化鍵入力部
21 メディア暗号化部
22 伝送部
23 受信部
24 原メディア復元部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原メディアを入力する原メディア入力部と、目的メディアまたは目的メディア変形対応箇所またはモーフィング率または原メディア変形対応箇所の何れかの変動情報を入力する変動鍵入力部と、前記変動鍵入力部から入力された情報に基づいて前記原メディア入力部からの原メディアを目的メディアに近づけるように変形したモーフィングメディアを生成するモーフィングメディア生成部と、前記モーフィングメディア生成部で生成されたモーフィングメディアを伝送あるいは記憶するメディア伝送部と、前記変動鍵入力部から入力された変動情報のうち少なくとも1種類の情報を暗号化あるいは個別に伝送あるいは記憶する変動鍵伝送部とから構成されることを特徴とするメディア隠蔽装置。
【請求項2】
請求項1記載のメディア隠蔽装置において、モーフィングメディア生成部が原メディアにある特殊情報を分離し、それを保存しつつ、原メディアをモーフィングすることができることを特徴とするメディア隠蔽装置。
【請求項3】
請求項1〜2記載のメディア隠蔽装置において、複数のモーフィング率を入力し或は予め与えて、モーフィングメディア生成部は原メディアおよび目的メディア双方の変形対応箇所毎に当該複数のモーフィング率を割り当ててモーフィングメディアを生成することを特徴とするメディア隠蔽装置。
【請求項4】
請求項1〜3記載のメディア隠蔽装置において、原メディア入力部は2次元あるいは3次元の原画像を入力し、目的メディアは鍵となる2次元あるいは3次元の目的画像として鍵入力部から入力あるいは記憶し、モーフィングメディア生成部は2次元あるいは3次元のモーフィング画像を生成することを特徴とするメディア隠蔽装置。
【請求項5】
請求項1〜3記載のメディア隠蔽装置において、原メディア入力部は原音を入力し、目的メディアは鍵となる目的音として鍵入力部から入力あるいは記憶し、モーフィングメディア生成部はモーフィング音を生成することを特徴とするメディア隠蔽装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−219230(P2007−219230A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−40521(P2006−40521)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(504145342)国立大学法人九州大学 (960)
【出願人】(391041062)福島県 (42)
【Fターム(参考)】