説明

メモリカード、ホスト装置、証明書発行装置、メモリコントローラ、メモリチップ、メモリカードの製造方法、およびデータ読み書き方法

【課題】品質の劣るメモリカードが市場に出回るおそれを低減可能なメモリカードを得る。
【解決手段】メモリカード10は、記憶容量値を含むメモリ品質データがそれぞれ格納された1以上のメモリチップ40(1)〜40(N)と、1以上のメモリチップの合計記憶容量値を含む記憶容量証明書を記憶する証明書記憶手段(証明書記憶部24)とを備える。記憶容量証明書は、各メモリチップに格納されたメモリ品質データに基づいて、証明書発行装置により発行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを記憶するメモリカード、およびそのようなメモリカードに係るホスト装置、証明書発行装置、メモリコントローラ、メモリチップ、メモリカードの製造方法、ならびにデータ読み書き方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、携帯型音楽プレーヤー、デジタルカメラをはじめとした携帯型電子機器などの記憶媒体として、メモリカードがしばしば用いられる。メモリカードは、電子機器から取り外しができるため、メモリカードを取り換えることにより多くのデータを扱うことができ、また、メモリカードを用いて機器間のデータのやり取りも行うことができるなど、使い勝手がよいことから、電子機器になくてはならないものになってきている。
【0003】
このように、メモリカードの需要が大きいため、多くの製造業者が、多くのメモリカードを供給している。これにより、品質の劣るメモリカードが市場に出回るおそれがある。この品質の低下に対する対策に関して、いくつかの提案がなされている。例えば、特許文献1には、データの書き込みまたは読み出しをする際、装着されたメモリカードが正規品であるか、または非正規品であるかを判別する情報処理装置が提案されている。この情報処理装置では、メモリカードが非正規品であると判断した場合には、例えば、警告を表示し、あるいは使用を禁止するなどの処理ができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−48585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
メモリカード業界では、メモリカードのライセンス団体がしばしば設立され、そのライセンス団体が、メーカに対して、メモリカードや、そのメモリカードに使用されるメモリチップおよびメモリコントローラの製造などの許諾を行うようになっている。このライセンス団体は、そのメモリカードの普及などの目的から、メモリカードの品質を十分なレベルに保つことを望んでいる。しかしながら、従来は、メーカが製造からメモリカードの評価までを行っているため、このようなライセンス団体の意思に反して、品質の劣るメモリカードが製造され、市場に出回るおそれがあった。特許文献1に記載された情報処理装置では、品質の劣るメモリカードが市場に出回るおそれを低減する具体的方法については、一切記載がない。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、品質の劣るメモリカードが市場に出回るおそれを低減可能なメモリカード、ホスト装置、証明書発行装置、メモリコントローラ、メモリチップ、メモリカードの製造方法、およびデータ読み書き方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のメモリカードは、1以上のメモリチップと、証明書記憶手段とを備えている。1以上のメモリチップは、記憶容量値を含むメモリ品質データがそれぞれ格納されたものである。証明書記憶手段は、1以上のメモリチップの合計記憶容量値を含む記憶容量証明書を記憶するものである。
【0008】
本発明のホスト装置は、通信部と、読み書き部と、証明書検証部とを備えている。通信部は、1以上のメモリチップと、1以上のメモリチップの合計記憶容量値を含む記憶容量証明書を記憶する証明書記憶手段とを有するメモリカードとの間で情報のやり取りを行うものである。読み書き部は、通信部を介してメモリカードに対するデータの読み書きを行うものである。証明書検証部は、記憶容量証明書を検証するものである。上記証明書検証部は、メモリカードにアクセスすることによりカード記憶容量値を取得し、そのカード記憶容量値が合計記憶容量値と一致した場合において、読み書き部によるデータの読み書きを許可するものである。
【0009】
本発明の証明書発行装置は、通信部と、証明書生成部とを備えている。通信部は、記憶容量値を含むメモリ品質データがそれぞれ格納された1以上のメモリチップと、1以上のメモリチップの合計記憶容量値を含む記憶容量証明書を記憶する証明書記憶手段とを有するメモリカードとの間で情報のやり取りを行うものである。証明書生成部は、メモリ品質データに基づいて合計記憶容量値を求めて記憶容量証明書を生成するものである。
【0010】
本発明のメモリコントローラは、メモリ通信部と、制御部とを備えている。メモリ通信部は、記憶容量値を含むメモリ品質データがそれぞれ格納された1以上のメモリチップとの間で情報のやり取りを行うものである。制御部は、メモリ通信部を介して1以上のメモリチップに対する情報の読み書きを制御するとともに、1以上のメモリチップの合計記憶容量値を含む記憶容量証明書を記憶する証明書記憶手段に対して情報の読み書きを制御するものである。上記制御部は、1以上のメモリチップからメモリ品質データを読み出し、1以上のメモリチップに対してデータの読み書きを行い、証明書記憶手段に対して記憶容量証明書の読み書きを行うように制御するものである。
【0011】
本発明のメモリチップは、データ記憶領域と、品質データ記憶領域とを備えている。データ記憶領域は、データを記憶するものである。品質データ記憶領域は、データ記憶領域の記憶容量値を含むメモリ品質データが記憶されたものである。
【0012】
本発明のメモリカードの製造方法は、品質データ書き込みステップと、製造ステップと、証明書発行ステップと、証明書書き込みステップとを含んでいる。品質データ書き込みステップは、1以上のメモリチップに、記憶容量値を含むメモリ品質データをそれぞれ書き込むものである。製造ステップは、1以上のメモリチップを組み立てることによりメモリカードを製造するものである。証明書発行ステップは、メモリ品質データに基づいて1以上のメモリチップの合計記憶容量値を求めて、その合計記憶容量値を含む記憶容量証明書を発行するものである。証明書書き込みステップは、記憶容量証明書をメモリカードに書き込むものである。
【0013】
本発明のデータ読み書き方法は、合計記憶容量値取得ステップと、カード記憶容量値取得ステップと、比較ステップと、読み書きステップとを含んでいる。合計記憶容量値取得ステップは、1以上のメモリチップと、1以上のメモリチップの合計記憶容量値を含む記憶容量証明書を記憶する証明書記憶手段とを有するメモリカードから、記憶容量証明書を読み出し、合計記憶容量値を取得するものである。カード記憶容量値取得ステップは、メモリカードにアクセスすることによりカード記憶容量値を取得するものである。比較ステップは、合計記憶容量値とカード記憶容量値とを比較するものである。読み書きステップは、合計記憶容量値とカード記憶容量値とが一致した場合において、メモリカードに対してデータの読み書きを行うものである。
【0014】
本発明のメモリカード、ホスト装置、証明書発行装置、メモリコントローラ、メモリチップ、メモリカードの製造方法、およびデータ読み書き方法では、各メモリチップに書き込まれたメモリ品質データに基づいて、証明書発行装置により、メモリカードに対して記憶容量証明書が発行され、その記憶容量証明書がメモリカードの証明書記憶手段に記憶される。そして、メモリカードに対してデータの読み書きを行う際には、ホスト装置では、ホスト装置がメモリカードにアクセスすることにより取得したカード記憶容量値と、その記憶容量証明書の合計記憶容量値とが比較され、それらが一致した場合において、メモリカードに対するデータの読み書きが行われる。
【0015】
本発明のメモリカードは、例えば、データを記憶するデータ記憶領域と、メモリ品質データを記憶する品質データ記憶領域とを有し、記憶容量値は、データ記憶領域の容量値であるのが望ましい。この品質データ記憶領域は、例えば、1回のみ書き込みが可能な領域であることが望ましい。証明書記憶手段は、例えば、1回のみ書き込みが可能な記憶部により構成されるのが望ましい。記憶容量証明書には、例えば、認証団体が合計記憶容量値を証明したことを示すデジタル署名が付加されていてもよい。メモリ品質データは、例えば、各メモリチップ固有の識別番号を含んでいてもよい。また、メモリカードは、1以上のメモリチップに対する情報の読み書きを制御するメモリコントローラを有し、証明書記憶手段は、メモリコントローラに設けられていてもよい。また、証明書記憶手段は、例えば、1以上のメモリチップのうちの少なくとも1つに設けられていてもよい。
【0016】
本発明のホスト装置では、例えば、記憶容量証明書には、秘密鍵を用いて生成された、認証団体が合計記憶容量値を証明したことを示すデジタル署名が付加されており、証明書検証部は、秘密鍵に対応する公開鍵を用いて、合計記憶容量値が認証団体により証明されたものであることを検証するようにしてもよい。
【0017】
本発明の証明書発行装置では、例えば、証明書生成部は、秘密鍵を用いて、認証団体が合計記憶容量値を証明したことを示すデジタル署名を生成し、そのデジタル署名を記憶容量証明書に付加するようにしてもよい。また、メモリ品質データは、各メモリチップに固有の識別番号を含み、識別番号が蓄積された識別番号データベースをさらに備え、証明書生成部は、1以上のメモリチップの識別番号が、識別番号データベースに蓄積された識別番号と一致しない場合においてのみ、記憶容量証明書を発行するようにしてもよい。
【0018】
本発明のメモリカードの製造方法では、例えば、証明書発行ステップは、秘密鍵を用いて、認証団体が合計記憶容量値を証明したことを示すデジタル署名を生成し、記憶容量証明書に付加するようにしてもよい。また、例えば、メモリ品質データは、各メモリチップに固有の識別番号を含み、証明書発行ステップは、1以上のメモリチップの識別番号が、過去に製造されたメモリカードに使用されたメモリチップの識別番号と一致しない場合においてのみ、記憶容量証明書を発行するようにしてもよい。
【0019】
本発明のデータ読み書き方法では、例えば、記憶容量証明書は、秘密鍵を用いて生成された、認証団体が合計記憶容量値を証明したことを示すデジタル署名が付加されたものであり、合計記憶容量値取得ステップは、秘密鍵に対応する公開鍵を用いて、合計記憶容量値が認証団体により証明されたものであることを検証するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明のメモリカード、ホスト装置、証明書発行装置、メモリコントローラ、メモリチップ、メモリカードの製造方法、およびデータ読み書き方法によれば、各メモリチップにメモリ品質データを書き込み、そのメモリ品質データに基づいてメモリカードに対して記憶容量証明書を発行し、データの読み書きを行う際において、その記憶容量証明書に基づいてデータの読み書きを行うようにしたので、品質の劣るメモリカードが市場に出回るおそれを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係るメモリカードシステムを表すブロック図である。
【図2】図1に示したメモリカードの製造工程を表す流れ図である。
【図3】図2に示した記憶容量証明書の発行工程を表す流れ図である。
【図4】図1に示したメモリカードに対してデータの読み書きを行う場合の流れ図である。
【図5】変形例に係るメモリカードシステムを表すブロック図である。
【図6】他の変形例に係るメモリカードシステムを表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
[構成例]
(全体構成例)
図1は、本発明の実施の形態に係るメモリカードシステムの一構成例を表すものである。メモリカードシステム1は、フラッシュメモリにより構成されたメモリカードを用いたシステムである。なお、本発明の実施の形態に係るホスト装置、証明書発行装置、メモリコントローラ、メモリチップ、メモリカードの製造方法、データ読み書き方法は、本実施の形態により具現化されるので、併せて説明する。メモリカードシステム1は、メモリカード10と、証明書発行装置80と、ホスト装置90とを備えている。
【0024】
(メモリカード10)
メモリカード10は、データを記憶する記憶媒体であり、メモリコントローラ20と、N個のメモリチップ40(1)〜40(N)を有している。なお、以下において、メモリチップ40(1)〜40(N)の総称として、メモリチップ40を適宜用いることとする。
【0025】
メモリコントローラ20は、メモリチップ40(1)〜40(N)に対するデータの読み書きを制御するものである。また、メモリコントローラ20は、後述するように、メモリチップ40(1)〜40(N)の品質データ記憶部44(後述)からのメモリ品質データQの読み出しを制御するとともに、証明書記憶部24(後述)に対して記憶容量証明書Pの読み書きを行う機能も有している。メモリコントローラ20は、通信部21と、メモリ通信部23と、証明書記憶部24と、制御部22とを有している。
【0026】
通信部21は、証明書発行装置80およびホスト装置90に対するインターフェースである。メモリ通信部23は、メモリチップ40(1)〜40(N)に対するインターフェースである。
【0027】
証明書記憶部24は、記憶容量証明書Pを記憶するものであり、例えば、プログラマブルROM(Read Only Memory)などを用いて構成される。
【0028】
記憶容量証明書Pは、後述するメモリチップ40(1)〜40(N)の各ストレージ43の記憶容量値Sの総和(合計記憶容量値TS)を証明するものである。記憶容量証明書Pは、後述するように、証明書発行装置80が生成するものである。記憶容量証明書Pには、メモリカードのライセンス団体のデジタル署名が付加されており、これにより、記憶容量証明書Pに示された合計記憶容量値TSは正しいものであることをライセンス団体が証明したことを示すようになっている。
【0029】
証明書記憶部24は、この記憶容量証明書Pを書き込んだ後には、書換えができなくなるものであることが望ましい。この場合、プログラマブルROMは、一回しか書き込めないメモリ(OTP(One Time Programmable)メモリ)が望ましいが、これに限定されるものではなく、これに代えて例えばフラッシュメモリなどのメモリを用い、必要な時以外にはそのメモリにアクセスできないように構成してもよい。
【0030】
制御部22は、証明書発行装置80およびホスト装置90からの指示にしたがって、証明書発行装置80およびホスト装置90と、メモリチップ40(1)〜40(N)との間の情報(データおよびメモリ品質データQ)のやりとりを制御するとともに、証明書記憶部24に対する記憶容量証明書Pの読み書きを制御する機能を有している。
【0031】
メモリチップ40(1)〜40(N)は、データを記憶するものである。また、メモリチップ40(1)〜40(N)は、メモリ品質データQをも記憶することができるようになっている。メモリチップ40(1)〜40(N)は、通信部41と、ストレージ43と、品質データ記憶部44と、制御部42とを有している。
【0032】
通信部41は、メモリコントローラ20に対するインターフェースである。ストレージ43は、データを記憶するものであり、この例では、書換え可能であり不揮発性のメモリであるフラッシュメモリにより構成されている。
【0033】
品質データ記憶部44は、メモリ品質データQを記憶するものであり、例えば、プログラマブルROMなどを用いて構成される。
【0034】
メモリ品質データQは、そのメモリチップ40(1)〜40(N)の品質を示すデータであり、各メモリチップのストレージ43の記憶容量値Sおよびメモリチップ識別番号IDを含むものである。メモリチップ識別番号IDは、メモリ間で互いに異なるユニークな識別番号である。このメモリ品質データQは、製造業者がメモリチップ40(1)〜40(N)を製造し評価をした際に生成し、品質データ記憶部44に書き込むものである。すなわち、メモリ品質データQに示された記憶容量値Sおよびメモリチップ識別番号IDは、メモリチップの製造業者により証明されているものである。この例では、メモリチップの製造業者は、不良品のメモリチップに対しては、メモリ品質データQを品質データ記憶部44に書き込まないようになっている。なお、これに限定されるものではなく、例えば、そのメモリが不良品であることを示すメモリ品質データQを品質データ記憶部44に書き込むようにしてもよい。
【0035】
品質データ記憶部44は、上述した証明書記憶部24と同様に、メモリ品質データQを書き込んだ後には書換えができなくなるものであることが望ましい。この場合、プログラマブルROMはOTPメモリが望ましいが、これに限定されるものではなく、これに代えて例えばフラッシュメモリなどのメモリを用い、必要な時以外にはそのメモリにアクセスできないように構成してもよい。
【0036】
制御部42は、メモリコントローラ20からの指示に従って、メモリコントローラ20とストレージ43との間のデータのやりとりを制御するとともに、品質データ記憶部44からのメモリ品質データQの読み出しを制御する機能を有している。
【0037】
(証明書発行装置80)
証明書発行装置80は、メモリカード10の合計記憶容量値TSを証明するための記憶容量証明書Pを発行するものである。証明書発行装置80は、例えば、メモリカードのライセンス団体がメモリカードの製造業者に対して供給するものである。証明書発行装置80は、通信部83と、識別番号データベース84と、証明書生成部81とを備えている。
【0038】
通信部83は、メモリカード10に対するインターフェースである。
【0039】
識別番号データベース84は、過去に製造したメモリカード10に係るメモリチップ40のメモリチップ識別番号IDが記憶されているものである。
【0040】
証明書生成部81は、記憶容量証明書Pを生成するものである。具体的には、証明書生成部81は、後述するように、まず、メモリカード10から、メモリチップ40(1)〜40(N)のそれぞれのメモリ品質データQを取得し、そのメモリ品質データQに示されたメモリチップ識別番号IDが、過去に製造したメモリカード10に係るメモリチップ40のメモリチップ識別番号IDと重複していないことを、識別番号データベース84を検索することにより確認する。そして、証明書生成部81は、メモリ品質データQに示された記憶容量値Sに基づいて合計記憶容量値TSを求め、その合計記憶容量値TSを含む記憶容量証明書Pを生成する。その際、証明書生成部81は、秘密鍵82を用いてデジタル署名を生成し、記憶容量証明書Pに付加する。この秘密鍵82は、メモリカードのライセンス団体が供給するものであり、このデジタル署名により、記憶容量証明書Pの生成元(ライセンス団体)を証明するようになっている。そして、証明書生成部81は、そのデジタル署名が付加された記憶容量証明書Pを、通信部83を介してメモリカード10に送信する。そして、メモリカード10では、そのデジタル署名が付加された記憶容量証明書Pが、証明書記憶部24に書き込まれるようになっている。
【0041】
このようにして、証明書発光装置80は、メモリカード10に対して記憶容量証明書Pを発行し、メモリカード10は、その記憶容量証明書Pを記憶する。そして、この記憶容量証明書Pが書き込まれたメモリカード10は、市場に出回り、ユーザに使用されるようになる。
【0042】
(ホスト装置90)
ホスト装置90は、メモリカード10に対してデータを読み書きする、いわゆるメモリカードリーダライタである。ホスト装置90は、通信部94と、読み書き部91と、証明書検証部92とを備えている。
【0043】
通信部94は、メモリカード10に対するインターフェースである。読み書き部91は、メモリカード10に対して、通信部94を介してデータの読み書きを行うものである。
【0044】
証明書検証部91は、記憶容量証明書Pを検証するものである。具体的には、証明書検証部91は、後述するように、メモリカード10から、記憶容量証明書Pを取得し、上述した秘密鍵82に対応する公開鍵93を用いて、その記憶容量証明書Pに付加されたデジタル署名を検証することにより、その記憶容量証明書Pがライセンス団体により証明されたものであることを確認する。そして、証明書検証部92は、メモリカード10にアクセスすることによりメモリカード10のカード記憶容量値を取得し、そのカード記憶容量値が、記憶容量証明書Pに示された合計記憶容量値TSと一致することを確認する。読み書き部91は、証明書検証部92がこの一致を確認した場合において、メモリカード10に対するデータの読み書きを行うことができるようになっている。
【0045】
ここで、証明書記憶部24は、本発明における「証明書記憶手段」の一具体例に対応する。ストレージ43は、本発明における「データ記憶領域」の一具体例に対応する。品質データ記憶部44は、本発明における「品質データ記憶領域」の一具体例に対応する。メモリチップ識別番号IDは、本発明における「識別番号」の一具体例に対応する。
【0046】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態のメモリカードシステム1の動作および作用について説明する。
【0047】
(全体動作概要)
まず、図1を参照して、メモリカードシステム1の全体動作概要を説明する。メモリカードシステム1では、まず、証明書発行装置80がメモリカード10に対して記憶容量証明書Pを発行する。そして、その記憶容量証明書Pが書き込まれたメモリカード10に対して、ユーザは、ホスト装置90を用いてデータの読み書きを行う。
【0048】
記憶容量証明書Pを発行する際には、まず、証明書発行装置80は、メモリカード10のメモリチップ40(1)〜40(N)の各品質データ記憶部44に記憶されているメモリ品質データQを取得する。そして、証明書生成部81は、このメモリ品質データQに基づいて、メモリチップ40(1)〜40(N)のメモリチップ識別番号IDが、過去に製造したメモリカード10に係るメモリチップ40のメモリチップ識別番号IDと重複していないことを、識別番号データベース84を検索することにより確認する。そして、証明書生成部81は、これらのメモリ品質データQに基づいて合計記憶容量値TSを求めて記憶容量証明書Pを生成し、この記憶容量証明書Pに秘密鍵82により生成されたデジタル署名を付加して、通信部83を介してメモリカード10に送信する。メモリカード10では、制御部22が、通信部21を介してこの記憶容量証明書Pを取得し、証明書記憶部24に書き込む。そして、この記憶容量証明書Pが書き込まれたメモリカード10が市場に出回る。
【0049】
データの読み書きを行う際には、まず、ホスト装置90は、メモリカード10の証明書記憶部24に記憶されている記憶容量証明書Pを取得する。そして、証明書検証部92は、公開鍵93を用いてこの記憶容量証明書Pを検証したのち、メモリカード10のカード記憶容量値を取得し、そのカード記憶容量値が記憶容量証明書Pに示された合計記憶容量値TSと一致することを確認する。そして、読み書き部91は、証明書検証部92がこの一致を確認した場合において、メモリカード10に対するデータの読み書きを行う。
【0050】
(製造工程および詳細動作)
次に、フローチャートを用いて、メモリカード10の製造工程およびメモリカードシステム1の詳細動作を説明する。
【0051】
図2は、メモリカード10の製造工程のフローチャートを表すものである。この例では、製造業者がメモリチップ40およびメモリコントローラ20をそれぞれ別々に製造し、その後にこれらを用いてメモリカード10を組み立て、そのメモリカード10に対して記憶容量証明書Pを発行する。以下にその詳細を説明する。
【0052】
まず、メモリチップ40の製造業者は、メモリチップ40を製造し(ステップS11)、そのメモリチップ40が正常に動作するかどうかを評価する(ステップS12)。そして、メモリチップの製造業者は、この例では、正常動作を確認したメモリチップに対して、記憶容量値Sおよびメモリチップ識別番号IDを含むメモリ品質データQを、品質データ記憶部44に書き込む(ステップS13)。
【0053】
また、メモリコントローラ20の製造業者は、メモリコントローラ20を製造し(ステップS14)、そのメモリコントローラ20を評価する(ステップS15)。
【0054】
次に、メモリカード10の製造業者は、メモリ品質データQが書き込まれたメモリチップ40、およびメモリコントローラ20を用いて、メモリカード10を組み立てる(ステップS16)。
【0055】
次に、メモリカード10の製造業者は、そのメモリカード10に対して、以下に詳細に説明するように、記憶容量証明書Pを発行する(ステップS17)。
【0056】
以上でメモリカード10の製造が終了する。
【0057】
次に、図2のステップS17に示した、記憶容量証明書Pの発行工程について詳細に説明する。
【0058】
図3は、メモリカード10に対する記憶容量証明書Pの発行工程のフローチャートを表すものである。メモリカードシステム1では、証明書発行装置80は、メモリ品質データQに基づいて、メモリカード10全体の合計記憶容量値TSを求めることにより、記憶容量証明書Pを発行する。以下に、その詳細を説明する。
【0059】
まず、証明書発行装置80は、メモリカード10からメモリ品質データQを読み出す(ステップS21)。具体的には、まず、証明書発行装置80が、メモリカード10に対してメモリ品質データQを要求する。メモリカード10では、メモリコントローラ20の制御部22が、メモリ通信部23を介して、メモリチップ40(1)〜40(N)に対してメモリ品質データQを要求する。メモリチップ40(1)〜40(N)の制御部42は、それぞれ、品質データ記憶部44からメモリ品質データQを読み出し、通信部41を介して、メモリコントローラ20に対してそのメモリ品質データQを送信する。メモリコントローラ20の制御部22は、メモリチップ40(1)〜40(N)からメモリ通信部23を介して受信した複数のメモリ品質データQを、通信部21を介して証明書発行装置80に対して送信する。そして、証明書発行装置80は、これらのメモリ品質データQを取得する。
【0060】
次に、証明書生成部81は、ステップS21において取得したメモリ品質データQに含まれるメモリチップ識別番号IDの重複チェックを行う(ステップS22)。具体的には、証明書生成部81は、識別番号データベース84を検索することにより、そのメモリチップ識別番号IDが、過去に製造したメモリカード10に係るメモリチップ40のメモリチップ識別番号IDと重複しているかどうかを調査する。そして、重複していない場合にはステップS23に進み、重複している場合には、このフローを終了する。すなわち、重複している場合には、メモリカード10に対して記憶容量証明書Pを発行しないため、そのメモリカード10には記憶容量証明書Pが書き込まれない。これにより、後述するように、ホスト装置90は、そのメモリカード10に対してデータの読み書きを行うことはできないようになっている。
【0061】
次に、証明書生成部81は、メモリチップ識別番号IDをデータベースに登録する(ステップS23)。具体的には、証明書生成部81は、ステップS21において取得したメモリ品質データQのメモリチップ識別番号IDを、識別番号データベース84に登録することにより、このデータベースを更新する。
【0062】
次に、証明書生成部81は、メモリ品質データQに基づいて、記憶容量証明書Pを生成する(ステップS24)。具体的には、証明書生成部81は、メモリチップ40(1)〜40(N)のメモリ品質データQが示す各メモリチップの記憶容量値Sの総和を求めることにより、メモリカード10の合計記憶容量値TSを得る。そして、証明書生成部81は、この合計記憶容量値TSを用いて記憶容量証明書Pを生成する。
【0063】
次に、証明書生成部81は、デジタル署名を生成し、記憶容量証明書に付加する(ステップS25)。具体的には、証明書生成部81は、秘密鍵82を用いてデジタル署名を生成する。そして、証明書生成部81は、このデジタル署名を、ステップS24において生成した記憶容量証明書Pに付加する。
【0064】
次に、証明書発行装置80は、メモリカード10に記憶容量証明書Pを書き込む(ステップS26)。具体的には、証明書発行装置80は、メモリカード10に対して、ステップS25において生成したデジタル署名が付加された記憶容量証明書Pを送信する。メモリカード10では、制御部22は、通信部21を介して、このデジタル署名が付加された記憶容量証明書Pを取得し、証明書記憶部24に書き込む。
【0065】
以上で記憶容量証明書Pの発行が終了する。
【0066】
次に、ホスト装置90がメモリカード10に対してデータの読み書きをする際の詳細動作について説明する。
【0067】
図4は、データの読み書きを行う場合のフローチャートを表すものである。メモリカードシステム1では、ホスト装置90は、所定の手順を経てメモリカード10が正常であることが確認された場合においてデータの読み書きを行う。以下にその詳細を説明する。
【0068】
まず、ホスト装置90は、メモリカード10から、記憶容量証明書Pを読み出す(ステップS31)。具体的には、まず、ホスト装置90が、メモリカード10に対して、記憶容量証明書Pを要求する。メモリカード10では、メモリコントローラ20の制御部22が、証明書記憶部24から記憶容量証明書Pを読み出し、通信部21を介してホスト装置90に対して送信する。そして、ホスト装置90は、この記憶容量証明書Pを取得する。そして、ホスト装置90は、この記憶容量証明書Pを取得したかどうかを確認し(ステップS32)、取得した場合にはステップS33に進み、取得できなかった場合にはこのフローを終了する。すなわち、この場合には、メモリカード10に対してデータの読み書きを行うことはできない。
【0069】
次に、ホスト装置90は、デジタル署名を検証する(ステップS33)。具体的には、ホスト装置90は、公開鍵93を用いて、記憶容量証明書Pに付加されたデジタル署名を検証する。そして、ホスト装置90は、その記憶容量証明書Pがライセンス団体により証明されたものであるかどうかを確認する(ステップS34)。記憶容量証明書Pがライセンス団体により証明されたものである場合には、ステップS35に進み、記憶容量証明書Pがライセンス団体により証明されたものであることが確認できなかった場合には、このフローを終了する。すなわち、この場合には、メモリカード10に対してデータの読み書きを行うことはできない。
【0070】
次に、ホスト装置90は、メモリカード10にアクセスしてカード記憶容量値を取得し(ステップS35)、そのカード記憶容量値が、ステップS31において取得した記憶容量証明書Pが示す合計記憶容量値TSと一致するかどうかを確認する(ステップS36)。このカード記憶容量値が合計記憶容量値TSと一致した場合にはステップS37に進み、一致しなかった場合にはこのフローを終了する。すなわち、この場合には、メモリカード10に対してデータの読み書きを行うことはできない。
【0071】
そして、ホスト装置90は、メモリカード10に対してデータの読み書きを実施する(ステップS37)。
【0072】
以上でこのフローは終了する。
【0073】
このように、メモリカードシステム1では、メモリチップ40(1)〜40(N)に品質データ記憶部44を設け、メモリ製造業者が、各メモリチップの記憶容量値Sおよびメモリチップ識別番号IDを含むメモリ品質データQをこの品質データ記憶部44に書き込むようにしている。すなわち、記憶容量値Sおよびメモリチップ識別番号IDは、メモリチップの製造業者により証明されたものである。また、メモリカードシステム1では、メモリカード10に証明書記憶部24を設けている。そして、メモリカード製造業者は、ライセンス団体が供給した証明書発行装置80を用いて、メモリ品質データQの記憶容量値Sに基づいて、メモリカード10の合計記憶容量値TSを求め、この合計記憶容量値TSを含む記憶容量証明書Pをこの証明書記憶部24に書き込むようにしている。すなわち、合計記憶容量値TSは、メモリチップの製造業者により証明された記憶容量値Sに基づいて、ライセンス団体が定めた方法を用いて求めたものであり、メモリチップの製造業者およびライセンス団体の両方により証明されたものとみなせるものである。これにより、例えば、メモリカード製造業者が誤って不良品のメモリを使用してメモリカードを製造した場合でも、記憶容量証明書Pが示す合計記憶容量値TSは、不良品のメモリが使用されていることを反映したものとなるため、記憶容量証明書Pを用いて、そのメモリカード10が不良品であるかどうかを容易に判別することができる。
【0074】
また、メモリカードシステム1では、そのメモリチップ識別番号IDが、過去に製造したメモリカード10に係るメモリチップ40のメモリ番号IDと重複しているかどうかを調査し、重複しない場合において記憶容量証明書Pを発行する。これにより、例えば、メモリカード製造業者が、故意に、過去にメモリカード10の製造に用いた良品のメモリを再利用することを防止できるため、品質の劣るメモリカードが市場に出回るおそれを低減することができる。
【0075】
さらに、メモリカードシステム1では、ホスト装置90は、自らが実際にメモリカード10に対してアクセスすることによりカード記憶容量値を取得し、そのカード記憶容量値が記憶容量証明書Pの合計記憶容量値TSと一致した場合にのみ、メモリカード10に対してデータの読み書きをできるようにしている。これにより、ユーザは良品のメモリカード10に対してのみデータの読み書きを行うことができる。また、ホスト装置90は、メモリカード10が不良品であることを容易に判別できる。
【0076】
また、このようにメモリカード10が不良品であるかどうかを容易に判別できることは、製造業者が品質の劣るメモリカードを製造することに対する抑止力にもなることから、品質の劣るメモリカードが市場に出回るおそれを低減することができる。
【0077】
[効果]
以上のように本実施の形態では、メモリチップに品質データ記憶部を設け、メモリチップの製造業者がメモリ品質データを書き込むようにしたので、メモリレベルで品質保証を明確に行うことができる。
【0078】
また、本実施の形態では、品質データ記憶部は、メモリ品質データを書き込んだ後には、書換えができなくなるようにしたので、記憶容量証明書の改ざんなどを防ぐことができる。
【0079】
また、本実施の形態では、ライセンス団体が供給した証明書発行装置を用いて、メモリチップ識別番号がメモリチップ識別番号データベースに記録されていない場合において記憶容量証明書を発行するようにしたので、品質の劣るメモリカードが市場に出回るおそれを低減することができる。
【0080】
また、本実施の形態では、ライセンス団体が供給した証明書発行装置を用いて、メモリ品質データに基づいて、メモリカードの合計記憶容量値を求めるようにしたので、この合計記憶容量値はメモリチップの製造業者およびライセンス団体の両方により証明されたものとみなせるため、合計記憶容量値の出所を明確にすることができる。
【0081】
また、本実施の形態では、ライセンス団体が供給した証明書発行装置を用いて、記憶容量証明書にデジタル署名を付加するようにしたので、記憶容量証明書の改ざんなどを防ぐことができ、合計記憶容量値の出所をより確実なものにすることができる。
【0082】
また、本実施の形態では、メモリカードに証明書記憶部を設け、その証明書記憶部に合計記憶容量値を含む記憶容量証明書を書き込むようにしたので、そのメモリカード自体を用いて、メモリチップの製造業者およびライセンス団体の両方により証明されたものとみなせる合計記憶容量値を、簡単に取得することができる。
【0083】
また、本実施の形態では、証明書記憶部は、記憶容量証明書を書き込んだ後には、書換えができなくなるようにしたので、記憶容量証明書の改ざんなどを防ぐことができる。
【0084】
また、本実施の形態では、ホスト装置がメモリカードに対してデータの読み書きを行う際、デジタル署名が付加された記憶容量証明書を取得したときにのみデータの読み書きを行うようにしたので、良品のメモリカードにのみデータの読み書きを行うことができる。
【0085】
また、本実施の形態では、ホスト装置がメモリカードに対してデータの読み書きを行う際、メモリカードにアクセスしてカード記憶容量値を取得し、そのカード記憶容量値と記憶容量証明書の合計記憶容量値を比較するようにしたので、良品のメモリカードにのみデータの読み書きを行うことができる。
【0086】
[変形例]
上記実施の形態では、メモリコントローラ20が証明書記憶部24を有するようにしたが、これに限定されるものではない。以下に、いくつかの例について説明する。
【0087】
図5は、証明書記憶部をメモリコントローラと別体として設けた場合のメモリカードシステム1Bの一構成例を表すものである。メモリカードシステム1Bは、メモリカード10Bを有しており、メモリカード10Bは、メモリコントローラ20Bと、証明書記憶部30とを有している。このメモリコントローラ20Bは、証明書記憶部を有していない。すなわち、証明書記憶部30は、メモリコントローラ20Bとは別体として設けている。
【0088】
図6は、証明書記憶部をメモリチップ内に設けた場合のメモリカードシステム1Cの一構成例を表すものである。メモリカードシステム1Cは、メモリコントローラ20Bと、メモリカード10Cを有しており、メモリカード10Cは、N個のメモリチップ40B(1)〜40B(N)を有している。メモリチップ40B(1)〜40B(N)は、証明書記憶部45をそれぞれ有している。そして、メモリコントローラ20Bは、記憶容量証明書Pを証明書記憶部45に書き込む際、例えば、メモリチップ40B(1)〜40B(N)のうちの1つのメモリチップ40Bの証明書記憶部45に対して、記憶容量証明書Pを書き込むようにすることができる。
【0089】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0090】
例えば、上記の各実施の形態等では、ストレージ43はフラッシュメモリにより構成するものとしたが、これに限定されるものではなく、例えばHDD(Hard Disk Drive)など、データの書き込みが可能な記憶媒体であれば、どのようなものであってもよい。
【0091】
例えば、上記の各実施の形態等では、メモリカード10は、複数のメモリチップ40(1)〜40(N)を有するものとしたが、これに限定されるものではなく、1個のメモリチップ40のみを有していてもよい。
【符号の説明】
【0092】
1,1B,1C…メモリカードシステム、10,10B,10C…メモリカード、20,20B…メモリコントローラ、21…通信部、22…制御部、23…メモリ通信部、24,30,45…証明書記憶部、40,40(1)〜40(N),40B,40B(1)〜40B(N)…メモリチップ、41…通信部、42…制御部、43…ストレージ、44…品質データ記憶部、81…証明書生成部、80…証明書発行装置、82…秘密鍵、83…通信部、84…識別番号データベース、90…ホスト装置、91…読み書き制御部、92…証明書検証部、93…公開鍵、94…通信部、ID…メモリチップ識別番号、P…記憶容量証明書、Q…メモリ品質データ、S…記憶容量値、TS…合計記憶容量値。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶容量値を含むメモリ品質データがそれぞれ格納された1以上のメモリチップと、
前記1以上のメモリチップの合計記憶容量値を含む記憶容量証明書を記憶する証明書記憶手段と
を備えたメモリカード。
【請求項2】
前記メモリチップは、
データを記憶するデータ記憶領域と、
前記メモリ品質データを記憶する品質データ記憶領域と
を有し、
前記記憶容量値は、前記データ記憶領域の容量値である
請求項1に記載のメモリカード。
【請求項3】
前記品質データ記憶領域は、1回のみ書き込みが可能な領域である
請求項2に記載のメモリカード。
【請求項4】
前記証明書記憶手段は、1回のみ書き込みが可能な記憶部により構成されている
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のメモリカード。
【請求項5】
前記記憶容量証明書には、認証団体が前記合計記憶容量値を証明したことを示すデジタル署名が付加されている
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のメモリカード。
【請求項6】
前記メモリ品質データは、各メモリチップ固有の識別番号を含む
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のメモリカード。
【請求項7】
前記1以上のメモリチップに対する情報の読み書きを制御するメモリコントローラを有し、
前記証明書記憶手段は、前記メモリコントローラに設けられている
請求項1に記載のメモリカード。
【請求項8】
前記証明書記憶手段は、前記1以上のメモリチップのうちの少なくとも1つに設けられている
請求項1に記載のメモリカード。
【請求項9】
1以上のメモリチップと、前記1以上のメモリチップの合計記憶容量値を含む記憶容量証明書を記憶する証明書記憶手段とを有するメモリカードとの間で情報のやり取りを行う通信部と、
前記通信部を介して前記メモリカードに対するデータの読み書きを行う読み書き部と、
前記記憶容量証明書を検証する証明書検証部と
を備え、
前記証明書検証部は、前記メモリカードにアクセスすることによりカード記憶容量値を取得し、そのカード記憶容量値が前記合計記憶容量値と一致した場合において、前記読み書き部によるデータの読み書きを許可する
ホスト装置。
【請求項10】
前記記憶容量証明書には、秘密鍵を用いて生成された、認証団体が前記合計記憶容量値を証明したことを示すデジタル署名が付加されており、
前記証明書検証部は、前記秘密鍵に対応する公開鍵を用いて、前記合計記憶容量値が前記認証団体により証明されたものであることを検証する
請求項9に記載のホスト装置。
【請求項11】
記憶容量値を含むメモリ品質データがそれぞれ格納された1以上のメモリチップと、前記1以上のメモリチップの合計記憶容量値を含む記憶容量証明書を記憶する証明書記憶手段とを有するメモリカードとの間で情報のやり取りを行う通信部と、
前記メモリ品質データに基づいて前記合計記憶容量値を求めて前記記憶容量証明書を生成する証明書生成部と
を備えた証明書発行装置。
【請求項12】
前記証明書生成部は、秘密鍵を用いて、認証団体が前記合計記憶容量値を証明したことを示すデジタル署名を生成し、そのデジタル署名を前記記憶容量証明書に付加する
請求項11に記載の証明書発行装置。
【請求項13】
前記メモリ品質データは、各メモリチップに固有の識別番号を含み、
前記識別番号が蓄積された識別番号データベースをさらに備え、
前記証明書生成部は、前記1以上のメモリチップの識別番号が、前記識別番号データベースに蓄積された識別番号と一致しない場合においてのみ、前記記憶容量証明書を発行する
請求項11または請求項12に記載の証明書発行装置。
【請求項14】
記憶容量値を含むメモリ品質データがそれぞれ格納された1以上のメモリチップとの間で情報のやり取りを行うメモリ通信部と、
前記メモリ通信部を介して前記1以上のメモリチップに対する情報の読み書きを制御するとともに、前記1以上のメモリチップの合計記憶容量値を含む記憶容量証明書を記憶する証明書記憶手段に対して情報の読み書きを制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記1以上のメモリチップから前記メモリ品質データを読み出し、前記1以上のメモリチップに対してデータの読み書きを行い、前記証明書記憶手段に対して前記記憶容量証明書の読み書きを行うように制御する
メモリコントローラ。
【請求項15】
データを記憶するデータ記憶領域と、
前記データ記憶領域の記憶容量値を含むメモリ品質データが記憶された品質データ記憶領域と
を備えたメモリチップ。
【請求項16】
1以上のメモリチップに、記憶容量値を含むメモリ品質データをそれぞれ書き込む品質データ書き込みステップと、
前記1以上のメモリチップを組み立てることによりメモリカードを製造する製造ステップと、
前記メモリ品質データに基づいて前記1以上のメモリチップの合計記憶容量値を求めて、その合計記憶容量値を含む記憶容量証明書を発行する証明書発行ステップと、
前記記憶容量証明書を前記メモリカードに書き込む証明書書き込みステップと
を含むメモリカードの製造方法。
【請求項17】
前記証明書発行ステップは、秘密鍵を用いて、認証団体が前記合計記憶容量値を証明したことを示すデジタル署名を生成し、前記記憶容量証明書に付加する
請求項16に記載のメモリカードの製造方法。
【請求項18】
前記メモリ品質データは、各メモリチップに固有の識別番号を含み、
前記証明書発行ステップは、前記1以上のメモリチップの識別番号が、過去に製造されたメモリカードに使用されたメモリチップの識別番号と一致しない場合においてのみ、前記記憶容量証明書を発行する
請求項16または請求項17に記載のメモリカードの製造方法。
【請求項19】
1以上のメモリチップと、前記1以上のメモリチップの合計記憶容量値を含む記憶容量証明書を記憶する証明書記憶手段とを有するメモリカードから、前記記憶容量証明書を読み出し、前記合計記憶容量値を取得する合計記憶容量値取得ステップと、
前記メモリカードにアクセスすることによりカード記憶容量値を取得するカード記憶容量値取得ステップと、
前記合計記憶容量値と前記カード記憶容量値とを比較する比較ステップと、
前記合計記憶容量値と前記カード記憶容量値とが一致した場合において、前記メモリカードに対してデータの読み書きを行う読み書きステップと
を含むデータ読み書き方法。
【請求項20】
前記記憶容量証明書は、秘密鍵を用いて生成された、認証団体が前記合計記憶容量値を証明したことを示すデジタル署名が付加されたものであり、
前記合計記憶容量値取得ステップは、前記秘密鍵に対応する公開鍵を用いて、前記合計記憶容量値が前記認証団体により証明されたものであることを検証する
請求項19に記載のデータ読み書き方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−137952(P2012−137952A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290126(P2010−290126)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】