説明

メモリカード用コネクタ

【課題】複数の異なる大きさのメモリカードに対応したコネクタを提供する。
【解決手段】第1のメモリカードと第1のメモリカードよりも幅の狭い第2のメモリカードとを接続するためのメモリカード用コネクタにおいて、下段部に設けられた第1のメモリカードの電極端子と接続する接続端子と、上段部に設けられた第2のメモリカードの電極端子と接続する接続端子と、長手方向の両端に屈曲部を有する板状の回転ガイド50と、回転ガイドを下段部側から支持する受け部と、回転ガイドを支持する回転ガイド支持部を有し、第2のメモリカードが挿入された場合には、メモリカード用コネクタの上段部に挿入され、第1のメモリカードが挿入された場合には、回転ガイドが長手方向を軸として回転し、前記メモリカード用コネクタの下段部に挿入されることを特徴とするメモリカード用コネクタを提供することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカード用コネクタに関するものであり、特に、複数の種類のメモリカードに適合したメモリカード用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ、携帯オーディオ機器、携帯電話機、電子複写機等の電子機器にはメモリカード用コネクタが組み込まれており、これらの電子機器においては、半導体記憶装置が内蔵されているメモリカードはメモリカード用コネクタに装着した状態で使用される。
【0003】
現在、メモリカードは複数の種類のものが存在しており、これらは、長さ、幅、厚さの外形寸法が各々相違している。よって、電子機器において複数のメモリカードに対応するためには、各々のメモリカードに対応したコネクタを設ける必要がある。即ち、電子機器において第1のメモリカード専用の第1のメモリカード用コネクタと、第2のメモリカード専用の第2のメモリカード用コネクタを並べて組み込んだ構成とする必要がある。しかしながら、小型化や低コストが望まれる電子機器においては、メモリカード用コネクタを2つ以上組み込むことは望ましくない。
【0004】
この問題を解決するためにメモリカード用コネクタとして、第1のメモリカード及び第2のメモリカードの双方に対応し装着可能な構成のメモリカード用コネクタが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−196302号公報
【特許文献2】特開2005−209550号公報
【特許文献3】特開2002−24771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、簡単な構成で2種類以上のメモリカードを選択的に各々のメモリカードの接続部分に挿入可能なメモリカード用コネクタを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1のメモリカードと前記第1のメモリカードよりも幅の狭い第2のメモリカードとを接続するためのメモリカード用コネクタにおいて、前記メモリカード用コネクタの下段部に設けられた第1のメモリカードの電極端子と接続される接続端子と、前記メモリカード用コネクタの上段部に設けられた第2のメモリカードの電極端子と接続される接続端子と、長手方向の両端に屈曲部を有する板状の回転ガイドと、前記回転ガイドを前記回転ガイドの長手方向において、前記下段部側から支持する受け部と、前記回転ガイドを両側の前記屈曲部において支持する回転ガイド支持部と、を有し、前記第2のメモリカードが挿入された場合には、前記メモリカード用コネクタの上段に挿入され、前記第1のメモリカードが挿入された場合には、前記屈曲部が前記第1のメモリカードと接触することにより、前記回転ガイドが長手方向を軸として回転し、前記メモリカード用コネクタの下段に挿入されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記回転ガイド支持部は弾性を有する材料により形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記第1のメモリカードが挿入された場合には、前記回転ガイド支持部の先端部の間隔が広がるものであることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記回転ガイドの屈曲部と回転ガイド支持部との接触部分より先端領域に、前記回転ガイド支持部の双方の側に向く傾斜部が設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記回転ガイドに設けられた屈曲部の間隔は、前記第1のメモリカードの幅よりも狭く、前記第2のメモリカードの幅よりも広いものであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記回転ガイドには、前記受け部と接触する部分において、長手方向に沿った筒状部が形成されており、前記第1のメモリカードが挿入された際には、前記回転ガイドは前記筒状部を軸として回転するものであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、第1のメモリカードと前記第1のメモリカードよりも幅の狭い第2のメモリカードとを接続するためのメモリカード用コネクタにおいて、前記メモリカード用コネクタの下段部に設けられた第1のメモリカードの電極端子と接続する接続端子と、前記メモリカード用コネクタの上段部に設けられた第2のメモリカードの電極端子と接続する接続端子と、前記下段部における側面内側及び前記上段部における側面内側に連続して形成された傾斜部と、長手方向の両端にスライド部及び接触部を有し、内側に挿入斜面部を有する板状のスライドガイドと、を有し、前記スライドガイドは、前記下段部側に配置されており、前記スライド部が前記傾斜部に沿って移動可能なものであって、前記両端に形成された接触部の間隔は、前記第2のメモリカードの幅よりも狭く形成されており、前記第2のメモリカードが挿入された場合には、前記スライドガイドの挿入斜面部に沿って挿入されることにより、前記上段部に挿入され、前記第1のメモリカードが挿入された場合には、前記第1のメモリカードにより前記接触部が押されることにより、前記スライド部が前記傾斜部に沿って移動し、前記スライドガイドが前記上段部に移動することにより、前記第1のメモリカードは前記下段部に挿入されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記スライドガイドは、メモリカード用コネクタに設けられたバネ部により、下段部側に押されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記傾斜部における傾斜の方向と前記挿入斜面部における傾斜の方向とは略同じ方向であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な構成で2種類以上のメモリカードを選択的に各々のメモリカードの接続部分に挿入可能なメモリカード用コネクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】各種メモリカードの斜視図(1)
【図2】第1の実施の形態のメモリカード用コネクタの斜視図
【図3】第1の実施の形態のメモリカード用コネクタの本体部の斜視図
【図4】第1の実施の形態のメモリカード用コネクタのカバーの斜視図
【図5】第1の実施の形態のメモリカード用コネクタの回転ガイドの斜視図
【図6】回転ガイドとカバーの接合した状態の斜視図
【図7】図6における矢印Aから見た拡大斜視図
【図8】第1の実施の形態のメモリカード用コネクタにおいて第2のメモリカードが挿入された状態の断面図
【図9】第1の実施の形態のメモリカード用コネクタにおいて第1のメモリカードが挿入された状態の断面図
【図10】第2の実施の形態のメモリカード用コネクタの斜視図
【図11】第2の実施の形態のメモリカード用コネクタの本体下段部の斜視図
【図12】第2の実施の形態のメモリカード用コネクタの本体上段部の斜視図
【図13】図12における矢印Dから見た斜視図
【図14】第2の実施の形態のメモリカード用コネクタのカバーの斜視図
【図15】第2の実施の形態のメモリカード用コネクタのスライドガイドの斜視図
【図16】図10における矢印Eから見た斜視図
【図17】第2の実施の形態のメモリカード用コネクタのカバーの要部斜視図
【図18】第2の実施の形態のメモリカード用コネクタにおける第2のメモリカードの挿入方法の説明図(1)
【図19】第2の実施の形態のメモリカード用コネクタにおける第2のメモリカードの挿入方法の説明図(2)
【図20】第2の実施の形態のメモリカード用コネクタにおける第2のメモリカードの挿入方法の説明図(3)
【図21】第2の実施の形態のメモリカード用コネクタにおける第1のメモリカードの挿入方法の説明図(1)
【図22】第2の実施の形態のメモリカード用コネクタにおける第1のメモリカードの挿入方法の説明図(2)
【図23】第2の実施の形態のメモリカード用コネクタにおける第1のメモリカードの挿入方法の説明図(3)
【図24】第2の実施の形態のメモリカード用コネクタにおける第1のメモリカードの挿入方法の説明図(4)
【図25】各種メモリカードの斜視図(2)
【図26】第3の実施の形態のメモリカード用コネクタの斜視図
【図27】第3の実施の形態のメモリカード用コネクタの内部構造の斜視図(1)
【図28】第3の実施の形態のメモリカード用コネクタの内部構造の斜視図(2)
【図29】第3の実施の形態のメモリカード用コネクタの内部構造の斜視図(3)
【図30】図29における裏面からの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。
【0019】
〔第1の実施の形態〕
(メモリカード)
第1の実施の形態について説明する。最初に、図1に基づき本実施の形態におけるメモリカード用コネクタに装着される第1及び第2のメモリカードについて説明する。
【0020】
図1(a)に示す第1のメモリカード10は、SDカード(商標)であり、幅W1が24mm、長さL1が32mm、厚さT1が2.1mmの形状のものである。また第1のメモリカード10の差込方向の先端側には電極端子11が配列されている。
【0021】
図1(b)に示す第2のメモリカード20は、メモリースティックDuo(商標)であり、幅W2が20mm、長さL2が31mm、厚さT2が1.6mmの形状のものである。また第2のメモリカード20の差込方向の先端側には電極端子21が配列されている。
【0022】
図1(c)は、第1のメモリカード10及び第2のメモリカード20の幅、長さ、厚さを示す図である。幅、長さ、厚さの全てにおいて、第1のメモリカード10よりも第2のメモリカード20の方の値が小さく、第1のメモリカード10と第2のメモリカード20とは異なる形状のメモリカードである。
【0023】
(メモリカード用コネクタ)
次に、図2に基づき本実施の形態におけるメモリカード用コネクタについて説明する。本実施の形態におけるメモリカード用コネクタは、本体部30、カバー40及び回転ガイド50により構成されている。
【0024】
本体部30は、図3に示すように、第1のメモリカード10が挿入される本体下段部と、第2のメモリカード20が挿入される本体上段部との2段で構成されている。本体下段部には、第1のメモリカード10の電極端子11と接続される接続端子31が設けられており、本体上段部には、第2のメモリカード20の電極端子21と接続される接続端子32が設けられている。また、本体部30の側面にはカバー40を固定するためのロック部33を有し、上面には後述するカバー40の回転ガイド支持部が挿入される開口部34を有している。また。第1のメモリカード10及び第2のメモリカード20が挿入される側の挿入口は1つの広い共通の挿入口となっており、さらに、本体下段部側には、回転ガイド50を下側から支える回転ガイド受け部35が設けられている。
【0025】
図4に示すように、カバー40は、略コの字状に形成されており、また、カバー40には開口部41が設けられており、本体部30におけるロック部33が挿入されることにより、本体部30とカバー40とが接合され固定される。また、カバー40の第1のメモリカード10及び第2のメモリカード20が挿入される側には、回転ガイド50を側部より支持するための回転ガイド支持部42が両側に設けられており、回転ガイド支持部42の先端部近傍には、各々回転ガイド50と接触する接触部43が設けられている。更に、回転ガイド支持部42において、先端部となる接触部43よりも更に先端には傾斜部44が設けられている。この傾斜部44は、互いに回転ガイド支持部42の内側を向いており、この部分が傾斜した構造となっている。
【0026】
また、本体部30とカバー40とは、本体部30の上方よりカバー40が嵌め合わされるが、この際、カバー40の開口部41に本体部30のロック部33が挿入され、また、カバー40の回転ガイド支持部42は、本体部30の開口部34より挿入される。
【0027】
図5に示すように、回転ガイド50は、略平板状に形成されており、また、長手方向に沿った長手方向に沿った一方の側部には筒状部51に形成されており、この筒状部51を軸に回転ガイド50が回転することができるよう形成されている。また、長手方向に沿った他方の側部には、第1のメモリカード10及び第2のメモリカード20が挿入しやすいように曲部52が設けられている。なお、本体部30の本体上段部には、第1のメモリカード10よりも幅の狭い第2のメモリカード20が挿入されるため、曲部52の長さは、回転ガイド50の長手方向の長さよりも短く形成されている。
【0028】
また、回転ガイド50の長手方向の両端には、両側に屈曲部53が設けられている。この屈曲部53は、回転ガイド50の一部を曲げることにより形成されている。2つの屈曲部53の間隔Kは、第1のメモリカード10の幅W1よりも狭く、かつ、第2のメモリカード20の幅W2よりも広く形成されている。よって、メモリカードを挿入する際に、第2のメモリカード20は、2つの屈曲部53に接触することなく通過することができるが、第2のメモリカード20よりも幅の広い第1のメモリカード10は、回転ガイド50の2つの屈曲部53に接触する。
【0029】
次に、図2、図6及び図7に基づき、回転ガイド50と本体部30及びカバー40との接触部分について説明する。図6は、回転ガイド50とカバー40との接続状態を示す斜視図であり、図7は、図6における矢印Aに示す方向より見た拡大斜視図である。
【0030】
図2に示すように、回転ガイド50は、本体部30の両側に設けられた回転ガイド受け部35において筒状部51が支持されている。また、回転ガイド50の曲部52は本体部30の本体上段部に第1のメモリカード10が挿入されるように本体上段部の下側面と接している。また、回転ガイド受け部35では、筒状部51を軸として回転可能な状態で支持されており、筒状部51を軸に回転することにより、回転ガイド50が回転し、本体部30の本体下段部が開くように構成されている。
【0031】
また、図6及び図7に示すように、回転ガイド50は屈曲部53において、カバー40の両側に設けられた回転ガイド支持部42の接触部43により、回転ガイド50を挟み込むように支持されている。カバー40は金属等の弾性を有する材料により形成されており、回転ガイド支持部42は板バネとしての機能を有している。回転ガイド50に力が加わり回転ガイド50が筒状部51を軸に回転した場合、回転ガイド50の屈曲部53との接点が、接触部43より傾斜部44に移動する。傾斜部44は、回転ガイド支持部42の先端に向かうに従い相互の間隔が狭まるような傾斜が形成されているため、回転ガイド50の屈曲部53との接点が移動することにより、回転ガイド支持部42の先端部分が相互に広がる。
【0032】
一方、第1のメモリカード10が抜かれて、回転ガイド50に加わる力がなくなると、回転ガイド支持部42のバネ性により、回転ガイド50の屈曲部53との接点は、傾斜部44より接触部43に移動するように力が働き、これにより回転ガイド50がもとの位置に戻る。
【0033】
次に、本実施の形態におけるメモリカード用コネクタの挿入方法について説明する。
【0034】
図8に基づき本実施の形態におけるメモリカード用コネクタに第2のメモリカード20を挿入する場合を示す。第2のメモリカード20の幅W2は、回転ガイド50に設けられた双方の屈曲部53の間隔Kよりも狭いため、回転ガイド50の双方の屈曲部53に接触することがない。このため、回転ガイド50が回転することなく、第2のメモリカード20は、矢印Bに示す方向より、メモリカード用コネクタの本体部30の本体上段部に挿入され、接続端子32と第2のメモリカード20の電極端子21とが接触し、メモリカード用コネクタに第2のメモリカード20が接続される。
【0035】
次に、図9に基づき本実施の形態におけるメモリカード用コネクタに第1のメモリカード10を挿入する場合を示す。第1のメモリカード10の幅W1は、回転ガイド50に設けられた双方の屈曲部53の間隔Kよりも広いため、挿入する際に回転ガイド50の双方の屈曲部53と接触する。よって、第1のメモリカード10により回転ガイド50の双方の屈曲部53が押されて、筒状部51を軸に回転ガイド50が回転する。これにより、メモリカード用コネクタの本体部30の本体下段部への入口が開き、第1のメモリカード10は、矢印Cに示す方向より、メモリカード用コネクタの本体部30の本体下段部に挿入され、接続端子31と第1のメモリカード10の電極端子11とが接触し、メモリカード用コネクタに第1のメモリカード10が接続される。
【0036】
このように、回転ガイド50は、本体部50の本体下段部における扉の役割をしている。即ち、回転ガイド50に設けられた双方の屈曲部53の間隔Kよりも短いメモリカードが挿入された場合には、回転ガイド50は開くことなく、メモリカードは本体部の本体上段部に挿入される。一方、回転ガイド50に設けられた双方の屈曲部53の間隔Kよりも長いメモリカードが挿入された場合には、回転ガイド50が開き、本体部の本体下段部にメモリカードが挿入される。
【0037】
尚、本実施の形態におけるメモリカード用コネクタは、MMCカード(商標)についても適用可能である。MMCカードの幅は24mmであり、第1のメモリカード10として記載したSDカードの幅と同じであることから、第1のメモリカード10が挿入される本体部30の本体下段部に同様に挿入することが可能である。これにより、本実施の形態におけるメモリカード用コネクタは3種類のメモリカードに対応することも可能である。
【0038】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態と同様に、第1のメモリカード及び第2のメモリカードの2種類のメモリカードに対応したメモリカード用コネクタである。
【0039】
図10に基づき本実施の形態におけるメモリカード用コネクタについて説明する。本実施の形態におけるメモリカード用コネクタは、本体部120、カバー140及びスライドガイド150により構成されている。
【0040】
本体部120は、図11に示す本体下段部121と、図12に示す本体上段部122により形成されており、本体下段部121の上に本体上段部122を接合することにより一体化され本体部120が形成される。尚、図13は、図12における矢印Dに示す方向より見た斜視図である。
【0041】
具体的には、本体上段部122の後部には2ヶ所の凸部123及び124が設けられており、本体下段部121の後部に設けられた開口部125及び126と嵌合するように構成されている。また、本体上段部122の前面の両側には、2ヶ所の突起部127及び128が設けられており、本体下段部121の前面の両側に設けられた対応する2ヶ所の接続部129及び130と接続されるように構成されている。従って、本体上段部122に設けられた2ヶ所の凸部123及び124と、本体下段部121に設けられた開口部125及び126とを嵌合し、本体上段部122に設けられた2ヶ所の突起部127及び128と、本体下段部121に設けられた2ヶ所の接続部129及び130とを接続することにより、一体化した本体部120となる。
【0042】
また、本体下段部121は、第1のメモリカードの電極端子11と接続される第1の接続端子131と、第2のメモリカードの電極端子12と接続される第2の接続端子132とを有している。本体下段部121の側面にはカバー140と接続するための開口部133aを有する接続部133が設けられており、本体上段部122の側面には開口部134aを有する接続部134が設けられている。尚、本体下段部121と本体上段部122とが接合された状態では、本体下段部121における開口部133aと本体上段部122における開口部134aとは連通するよう構成されている。また、接続部133は本体下段部121の一方の側面に2ヶ所設けられており、両側面で計4ヶ所設けられている。また、接続部134は本体下段部121の一方の側面に2ヶ所設けられており、両側面で計4ヶ所設けられている。
【0043】
更に、本体下段部121には傾斜部135が設けられており、本体上段部122には傾斜部136が設けられている。この傾斜部135及び傾斜部136は、後述するスライドガイド150を移動させるためのものであり、スライドガイド150は、傾斜部135及び傾斜部136に沿って斜め方向に移動させることが可能である。尚、本体下段部121と本体上段部122とが接合された状態では、本体下段部121における傾斜部135と本体上段部122における傾斜部136とは1つの傾斜を形成する。
【0044】
また、本体上段部122には、側面近傍において、後述するカバー140におけるバネ部を通すための2ヶ所の開口部137が設けられている。更に、本体下段部121の側面には、カバー140と接続するためのロック部138が、一方の側面に3ヶ所ずつ、両側面で計6ヶ所設けられている。
【0045】
カバー140は、図14に示すように、略コの字状に形成されている。カバー140の側面には開口部141が設けられており、開口部141に本体下段部121におけるロック部138が挿入されることにより、本体部130とカバー140とが接合され固定される。この際、カバー140の側面に設けられた平板状の板状部142が、本体上段部122に設けられた接続部134の開口部134aと本体下段部121に設けられた接続部133の開口部133aとに挿入される。尚、本実施の形態においては、カバー140には、開口部141は一方の側面に3ヶ所ずつ設けられており、両側面で計6カ所設けられている。また、板状部142は一方の側面に2ヶ所ずつ設けられており、両側面で計4ヶ所設けられている。また、カバー140には、2つのバネ部143が設けられており、本体上段部122に設けられた開口部137内を通し、後述するスライドガイド150を押さえつけるように、力が加わるよう構成されている。
【0046】
スライドガイド150は、図15に示すように、スライド部151と、挿入斜面部152と、接触部153を有している。
【0047】
スライド部151は、第1のメモリカード10が挿入された際に、本体下段部121に形成された傾斜部135及び本体上段部122に形成された傾斜部136に沿って、スライドガイド150を本体上段部122側に移動させることができる。
【0048】
挿入斜面部152は、第2のメモリカード20が挿入された際に、スライドガイド150の挿入斜面部152に沿って第2のメモリカード20を本体上段部122側に移動させるためのものである。
【0049】
接触部153は、第1のメモリカード10が挿入された際には、第1のメモリカード10の先端と接触する部分であり、第1のメモリカード10が挿入されることにより接触部153が押されて、スライドガイド150が移動する。尚、第2のメモリカード20が挿入された場合には、第2のメモリカード20は、第1のメモリカード10に比べて幅が狭いため、第2のメモリカード20と接触部153とは接触することなく、スライドガイド150が傾斜部135及び136に沿って移動することはない。従って、第2のメモリカード20を挿入した場合、第2のメモリカード20は、スライドガイド150の挿入斜面部152に沿って挿入される。
【0050】
また、スライドガイド150は、カバー140に設けられたバネ部143により、本体下段部121側に位置するよう力が加えられている。このため、通常スライドガイド150は、本体下段部121側に位置している。具体的には、図16に示すように、スライドガイド150の上部とバネ部143とが接触している。バネ部143は、バネ性を有しており、図17に示すように、図面上、バネ部143の先端は上下方向に変位可能であり、スライドガイド150に対し下向きの力が加わるよう構成されている。尚、図16は、図10において矢印Eに示す方向から見た拡大斜視図である。また、本実施の形態では、本体下段部121及び本体上段部122に設けられた傾斜部135及び136における傾斜と、挿入斜面部152における傾斜は、略同じ角度で形成されている。即ち、傾斜の方向が略同じ方向となるように形成されている。同様に、スライド部151の傾斜の方向と挿入斜面部152における傾斜についても、略同じ方向となるように形成されている。
【0051】
(メモリカード挿入方法)
次に、本実施の形態におけるメモリカード用コネクタの挿入方法について説明する。
【0052】
図18から図20に基づき本実施の形態におけるメモリカード用コネクタに第2のメモリカード20を挿入方法について説明する。図18から図20は、本実施の形態におけるメモリカード用コネクタに第2のメモリカード20を挿入する場合の断面の状態を示すものである。
【0053】
最初に、図18に示すように、本実施の形態におけるメモリカード用コネクタに第2のメモリカード20を矢印Fに示す方向に挿入する。第2のメモリカード20は第1のメモリカード10に比べ幅が狭いため、スライドガイド150における接触部153に接触することなく、挿入斜面部152に第2のメモリカード20の先端部分が接触する。
【0054】
この後、図19に示すように、さらに矢印Fに示す方向に挿入することにより、第2のメモリカード20の先端部分は、スライドガイド150の挿入斜面部152に沿って挿入され、本体上段部122側に移動する。
【0055】
この後、図20に示すように、さらに矢印Fに示す方向に挿入することにより、本体上段部122の内部に挿入され、第2のメモリカードの20の電極端子21は、本実施の形態におけるメモリカード用コネクタの第2の接続端子132と接触し電気的に接続される。尚、電極端子21はバネ性を有しており、さらに矢印Fに示す方向に挿入することにより、電極端子21により第2の接続端子132が押さえつけるように接続されるため、第2のメモリカードの20の電極端子21とメモリカード用コネクタの第2の接続端子132との接続をより確実なものとすることができる。
【0056】
次に、図21から図24に基づき本実施の形態におけるメモリカード用コネクタに第1のメモリカード10の挿入方法について説明する。図21から図24は、本実施の形態におけるメモリカード用コネクタに第1のメモリカード10を挿入する場合の断面の状態を示すものである。
【0057】
最初に、図21に示すように、本実施の形態におけるメモリカード用コネクタに第1のメモリカード10を矢印Gに示す方向に挿入する。第1のメモリカード10は第2のメモリカード20に比べ幅が広く、第1のメモリカード10の先端部分が、スライドガイド150における接触部153に接触する。尚、2つの接触部153の間隔は、第2のメモリカード20の幅W2よりも広く、また、第1のメモリカード10の間隔W1よりも狭く形成されており、第1のメモリカード10の先端部分が、2つの接触部153の両側に接触するように形成されている。
【0058】
この後、図22及び図23に示すように、さらに矢印Gに示す方向に挿入することにより、第1のメモリカード10の先端部分より、スライドガイド150の接触部153が押され、スライド部151は、本体下段部121の傾斜部135及び、本体上段部122の傾斜部136に沿って、本体上段部122側に移動する。これにより、スライドガイド150は、本体下段部121より本体上段部122側に移動する。
【0059】
この後、図24に示すように、さらに矢印Gに示す方向に挿入することにより、スライドガイド150は、さらに本体上段部122側に移動し、第1のメモリカード10の先端部分とスライドガイド150の接触部153とが離れ、第1のメモリカード10が、本体下段部121の内部に挿入される。これにより、第1のメモリカードの10の電極端子11は、本実施の形態におけるメモリカード用コネクタの第1の接続端子131と接触し電気的に接続される。尚、電極端子11はバネ性を有しており、さらに矢印Gに示す方向に挿入することにより、電極端子11により第1の接続端子131が押さえつけるように接続されるため、第1のメモリカードの10の電極端子11とメモリカード用コネクタの第1の接続端子131との接続をより確実なものとすることができる。
【0060】
また、本実施の形態におけるメモリカード用コネクタより、第1のメモリカード10を引く抜くことにより取り外すことができる。この際、第1のメモリカード10が挿入されている状態では、本体上段部122側に位置していたスライドガイド150は、第1のメモリカード10を引き抜くことにより、バネ部143により押されて、本体下段部121側に、傾斜部136及び135に沿って移動する。これにより、スライドガイド150は本体下段部121側に位置するものとなる。
【0061】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1及び第2の実施形態と異なる2種類のメモリカードに対応したメモリカード用コネクタである。
【0062】
最初に、図1(b)及び図25に基づき本実施の形態におけるメモリカード用コネクタに装着されるメモリカードについて説明する。本実施の形態におけるメモリカード用コネクタに装着されるメモリカードは、図1(b)に示す第2のメモリカードと、図25(a)に示す第3のメモリカードである。
【0063】
図1(b)に示す第2のメモリカード20は、メモリースティックDuo(商標)であり、幅W2が20mm、長さL2が31mm、厚さT2が1.6mmの形状のものである。また第2のメモリカード20の差込方向の先端側には電極端子21が配列されている。
【0064】
図25(a)に示す第3のメモリカード210は、microSDカード(商標)であり、幅W3が11mm、長さL3が15mm、厚さT3が1.0mmの形状のものである。また第3のメモリカード210の差込方向の先端側には不図示の電極端子が配列されている。
【0065】
図25(b)は、第2のメモリカード20及び第3のメモリカード210の幅、長さ、厚さを示す図である。幅、長さ、厚さの全てにおいて、第2のメモリカード20よりも第3のメモリカード210の方の値が小さく、第2のメモリカード20と第3のメモリカード210とは異なる形状のメモリカードである。
【0066】
図26から図30に基づき説明する。本実施の形態におけるメモリカード用コネクタは、第2のメモリカード20が挿入される第1のコネクタ230内に第2のコネクタ240を有している。第1のコネクタ230には第1本体部231に接続される第1カバー232が設けられており、第2のメモリカード20における電極端子21と接続するための接続端子233が設けられている。また、第2のコネクタ240には第2の本体部241に接続される第2カバー242が設けられており、第3のメモリカード210における不図示の電極端子と接続するための接続端子243が設けられている。
【0067】
尚、図26は、本実施の形態におけるメモリカード用コネクタの斜視図であり、図27は、第1カバー232を取り外した状態の斜視図であり、図28が、第2カバー242を取り外した状態の斜視図であり、図29は、第1本体部231と第2本体部241とを示す斜視図であり、図30は、図29の裏面からの斜視図である。
【0068】
本実施の形態におけるメモリカード用コネクタでは、第2カバー242が金属材料により形成されているため、本実施の形態におけるメモリカード用コネクタに、第2のメモリカード20と第3のメモリカード210とが同時に差込まれ接続されている場合であっても、第2カバー242により電磁的に遮蔽されるため、メモリカード用コネクタを介した通信の際の相互のクロストークを防ぐことができる。
【0069】
また、本実施の形態におけるメモリカード用コネクタでは、第2のメモリカード20と第3のメモリカード210とを同時に差込んだ状態において、差込まれた側と反対側におけるメモリカード用コネクタからの第2のメモリカード20の高さと、メモリカード用コネクタからの第3のメモリカード210の高さとが略同じ高さとなるように構成されている。即ち、メモリカード用コネクタからの第2のメモリカード20の高さと、メモリカード用コネクタからの第3のメモリカード210の高さとが略同じ高さとなるように、接続端子233及び接続端子243とが配置されている。
【0070】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0071】
10 第1のメモリカード
11 電極端子
20 第2のメモリカード
21 電極端子
30 本体部
31 接続端子
32 接続端子
33 ロック部
34 開口部
35 回転ガイド受け部
40 カバー
41 開口部
42 回転ガイド支持部
43 接触部
44 傾斜部
50 回転ガイド
51 筒状部
52 曲部
53 屈曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のメモリカードと前記第1のメモリカードよりも幅の狭い第2のメモリカードとを接続するためのメモリカード用コネクタにおいて、
前記メモリカード用コネクタの下段部に設けられた第1のメモリカードの電極端子と接続する接続端子と、
前記メモリカード用コネクタの上段部に設けられた第2のメモリカードの電極端子と接続する接続端子と、
長手方向の両端に屈曲部を有する板状の回転ガイドと、
前記回転ガイドを前記回転ガイドの長手方向において、前記下段部側から支持する受け部と、
前記回転ガイドを両側の前記屈曲部において支持する回転ガイド支持部と、を有し、
前記第2のメモリカードが挿入された場合には、前記メモリカード用コネクタの上段部に挿入され、前記第1のメモリカードが挿入された場合には、前記屈曲部が前記第1のメモリカードと接触することにより、前記回転ガイドが長手方向を軸として回転し、前記メモリカード用コネクタの下段部に挿入されることを特徴とするメモリカード用コネクタ。
【請求項2】
前記回転ガイド支持部は弾性を有する材料により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のメモリカード用コネクタ。
【請求項3】
前記第1のメモリカードが挿入された場合には、前記回転ガイド支持部の先端部の間隔が広がるものであることを特徴とする請求項2に記載のメモリカード用コネクタ。
【請求項4】
前記回転ガイドの屈曲部と回転ガイド支持部との接触部分より先端領域に、前記回転ガイド支持部の双方の側に向く傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のメモリカード用コネクタ。
【請求項5】
前記回転ガイドに設けられた屈曲部の間隔は、前記第1のメモリカードの幅よりも狭く、前記第2のメモリカードの幅よりも広いものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のメモリカード用コネクタ。
【請求項6】
前記回転ガイドには、前記受け部と接触する部分において、長手方向に沿った筒状部が形成されており、前記第1のメモリカードが挿入された際には、前記回転ガイドは前記筒状部を軸として回転するものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のメモリカード用コネクタ。
【請求項7】
第1のメモリカードと前記第1のメモリカードよりも幅の狭い第2のメモリカードとを接続するためのメモリカード用コネクタにおいて、
前記メモリカード用コネクタの下段部に設けられた第1のメモリカードの電極端子と接続する接続端子と、
前記メモリカード用コネクタの上段部に設けられた第2のメモリカードの電極端子と接続する接続端子と、
前記下段部における側面内側及び前記上段部における側面内側に連続して形成された傾斜部と、
長手方向の両端にスライド部及び接触部を有し、内側に挿入斜面部を有する板状のスライドガイドと、を有し、
前記スライドガイドは、前記下段部側に配置されており、前記スライド部が前記傾斜部に沿って移動可能なものであって、前記両端に形成された接触部の間隔は、前記第2のメモリカードの幅よりも狭く形成されており、
前記第2のメモリカードが挿入された場合には、前記スライドガイドの挿入斜面部に沿って挿入されることにより、前記上段部に挿入され、
前記第1のメモリカードが挿入された場合には、前記第1のメモリカードにより前記接触部が押されることにより、前記スライド部が前記傾斜部に沿って移動し、前記スライドガイドが前記上段部に移動することにより、前記第1のメモリカードは前記下段部に挿入されることを特徴とするメモリカード用コネクタ。
【請求項8】
前記スライドガイドは、メモリカード用コネクタに設けられたバネ部により、下段部側に押されていることを特徴とする請求項7に記載のメモリカード用コネクタ。
【請求項9】
前記傾斜部における傾斜の方向と前記挿入斜面部における傾斜の方向とは略同じ方向であることを特徴とする請求項7または8に記載のメモリカード用コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図30】
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【図10】
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【図11】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2010−267601(P2010−267601A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198857(P2009−198857)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】