説明

メモリシート

【課題】記憶情報が不正に読み取られ、改竄されることが極めて困難なメモリカードを提案すること。
【解決手段】メモリカード10では、ICメモリ17と光学メモリ13とを備え、外部からアクセスがあると、多数の光導波路12からなる光学メモリ13に担持されている内部認証情報を用いてICメモリ17に対するアクセスの可否が判断される。光学メモリ13の担持情報の読み出しは、内蔵の発光部15および受光部16によりメモリカード内部で行われ、当該担持情報を外部に読み出すことは不可能である。よって、光学メモリ13に担持されている内部認証情報に対して、予め対応付けされた外部認証情報を所有していない限り、外部からICメモリ17にアクセスできない。よって、ICメモリ17に担持されている情報が不正に読み取られ、あるいは改竄されることを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光導波路により情報を担持可能なメモリシートに関し、特に、偽造、改ざんが困難な安全性の高いメモリシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来においては、磁気カードの信頼性を高めるために、磁気カードに光ファイバを内蔵したメモリカードが提案されている(特許文献1、2)。この構成のメモリカードでは、カードに多数本の光ファイバが埋め込まれており、これらの幾つかを切断あるいは押し潰しておくことにより、光の透過および遮断の組み合わせからなる光学式記憶領域が形成されている。また、断面形状が円形または角型の複数本の光ファイバを平面上に整列させて接着剤で一体化することによりコア材を形成し、このコア材の両面にプラスチック製の保護シートを接着した構造となっている。
【0003】
一方、メモリカードとしては記憶容量の大きなICメモリチップが埋め込まれた構成のICカードが普及している。特に、送受信機能を備えた非接触型のICカードは、センサに近づけるだけで担持情報を読み取り可能であり、その利便性のために広く普及し始めている。
【特許文献1】特許第2682542号公報
【特許文献2】特許第2737841号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の光ファイバを備えたメモリカードにおいては次のような問題点がある。まず、30〜200本程度の多数本の光ファイバを、一枚のカード内においてその平面方向に等ピッチで精度良く整列させた状態で接着固定することが困難である。よって、メモリカードの生産効率が悪く、より多数本の光ファイバを用いて記憶容量を増やすことが困難である。また、光ファイバ同士の接合強度は接着剤強度に依存するので、光ファイバの接合強度が実用上不十分になる可能性が高い。特に、メモリカードが曲げ変形するような力が作用した場合に、光ファイバが平面方向に接着固定された構造のコア材が壊れ易い。さらに、光ファイバは一般に高価であり、これを多数本用いて光学式記憶領域が形成されているメモリカードも高価になり、実用的でない。
【0005】
これらの問題点に加えて、光の透過、非透過によって情報を担持しているので、光ファイバに光を通すことにより、簡単に担持情報が読み取られてしまうという問題点がある。
【0006】
一方、ICカードは記憶容量が大きいものの、外部から電気的あるいは磁気的に記憶情報が改竄されるなどのおそれがある。
【0007】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、記憶情報が不正行為によって読み取られ、あるいは改竄されることが従来に比べて困難なメモリシートを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明のメモリシートは、
シート本体と、
当該シート本体内部に形成されている少なくとも一本の光導波路からなる光学メモリと、
前記光導波路に光を入射するために、前記シート本体に内蔵されている発光部と、
前記光導波路から射出する光を受光するために、前記シート本体に内蔵されている受光部と、
前記シート本体に内蔵されているICメモリと、
外部から前記ICメモリへの書き込み動作、当該ICメモリに記憶されている情報の外部への出力動作、および、当該ICメモリの記憶情報の書き換え動作のうち、少なくとも一つの処理動作の可否を判別するために、前記カード本体に内蔵されている制御部とを有し、
前記制御部は、外部指令を受け取ると、前記発光部を発光させ、前記光導波路に担持されている内部認証情報を前記受光部を介して読み取り、当該内部認証情報と、前記外部指令に含まれている外部認証情報とを照合し、照合がとれた場合にのみ前記処理動作を可能にすることを特徴としている。
【0009】
本発明のメモリシートでは、ICメモリと光学メモリとを組み合わせ、外部からアクセスがあると、光学メモリに担持されている内部認証情報を用いてICメモリに対するアクセスの可否が判断される。光学メモリの担持情報の読み出しはメモリシート内部で行われ、当該担持情報を外部に読み出すことは不可能である。したがって、光学メモリに担持されている内部認証情報に対して、予め対応付けされた外部認証情報を所有していない限り、外部からICメモリにアクセスできない。よって、ICメモリに担持されている情報が不正に読み取られ、あるいは改竄されることを防止できる。
【0010】
ここで、前記シート本体は所定厚さのプラスチックシートを備え、前記光導波路は、前記プラスチックシートを光学的に仕切ることにより形成されていることが望ましい。この構成を採用すれば、光ファイバを平面方向に並列配置する場合に比べて、廉価に、しかも簡単に光学メモリを構成できる。
【0011】
また、前記光導波路には、偏波光に対する透過特性、および/または、所定波長の光に対する透過特性が異なる第1および第2の光導波路が含まれていることが望ましい。従来の光学メモリでは光ファイバに光が通るか否かの形態で情報が記憶されている。これでは、各光ファイバに光を通すと、簡単に担持情報が分かってしまう。所定の偏波光あるいは所定波長の光に対する透過特性を変えておけば、担持情報が簡単には分からないという利点がある。
【0012】
例えば、前記発光部からの射出光を偏波光とし、前記第1および第2の光導波路の前記偏波光に対する透過率を相互に異なったものとすればよい。
【0013】
この場合、前記プラスチックシートを感熱性樹脂から形成すれば、前記光導波路の少なくとも一つに熱圧力を加えることにより、当該光導波路の前記偏波光の透過特性を変更することができる。
【0014】
次に、前記発光部および前記受光部を前記光導波路を介して対向配置することができる。この代わりに、前記受光部は、前記光導波路を通過した後に反射されて再び当該光導波路を通過して戻る戻り光を受光するようにしてもよい。
【0015】
また、前記ICメモリとしては、取り扱いが容易な非接触型のものを用いることが望ましい。
【0016】
一方、前記シート本体は、前記プラスチックシートと、当該プラスチックシートの表面に接着剤層を介して積層された表面保護シートと、前記プラスチックシートの裏面に接着剤層を介して積層された裏面保護シートとを備えた構成とすることができる。また、この場合には、前記プラスチックシートに、その表面側から所定深さの溝を一定間隔で形成し、各溝に前記接着剤層を形成している接着剤を充填することにより、各溝によって仕切られている前記プラスチックシートの区画部分を前記光導波路として機能させることができる。
【0017】
この場合、前記プラスチックシートとして、その厚さ方向の中央部分が所定厚さの透明なコア層とされ、当該コア層の表面側部分および裏面側部分が当該コア層とは屈折率の異なる表面側クラッド層および裏面側クラッド層とされた構成のものを用いることができ、この場合には、前記溝によって仕切られている前記コア層の区画部分がそれぞれ光導波路として機能する。
【0018】
次に、本発明のメモリシートは、
所定厚さのプラスチックシートと、
当該プラスチックシートを光学的に仕切ることにより形成されている少なくとも一本の光導波路からなる光学メモリとを有し、
前記光導波路は、偏波光に対する透過率、および/または、光の波長に対する透過率を変更可能となっていることを特徴としている。
【0019】
この構成のメモリシートでは、単に光を通すだけでは、光学メモリに担持されている情報を読み取ることができない。よって、従来の光ファイバからなるメモリカードに比べて、セキュリティの高いメモリシートを実現できる。
【0020】
ここで、前記プラスチックシートを感熱性樹脂から形成し、前記光導波路に熱圧力を加えることにより、当該光導波路の偏波光に対する透過特性を変更し、および/または、変更可能とすればよい。
【0021】
また、前記プラスチックシートの表面に接着剤層を介して積層された表面保護シートと、前記プラスチックシートの裏面に接着剤層を介して積層された裏面保護シートとを有し、前記プラスチックシートには、その表面側から所定深さの溝が一定間隔で形成され、各溝には前記接着剤層を形成している接着剤が充填され、各溝によって仕切られている前記プラスチックシートの区画部分が前記光導波路として機能するように構成することができる。
【0022】
さらに、前記プラスチックシートは、その厚さ方向の中央部分が所定厚さの透明なコア層とされ、当該コア層の表面側部分および裏面側部分が当該コア層とは屈折率の異なる表面側クラッド層および裏面側クラッド層とされ、前記溝によって仕切られている前記コア層の区画部分がそれぞれ光導波路として機能するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明のメモリシートは、ICメモリと光学メモリとの組み合わせからなり、内蔵の発光部および受光部を用いて読み出される光学メモリの内部認証情報と、外部から入力される外部認証情報とを照合し、これらが予め定められた対応関係のものであることが確認されない限り、外部からICメモリにはアクセスできないようになっている。内蔵の光学メモリに担持されている内部認証情報を外部から読み取ることは不可能であるので、ICメモリに担持されている情報の不正読み出しや改ざんが困難な極めて安全性の高いメモリシートを実現できる。
【0024】
また、本発明のメモリシートでは、所定の偏波光、あるいは所定波長の光に対する光透過特性が異なる光導波路を用いて光学メモリを構成している。したがって、従来のように、単に光の透過および不透過のみにより情報を担持していた場合に比べて、担持情報の不正読み出し、その改ざんが極めて困難な安全性の高いメモリシートを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したメモリシートの実施の形態を説明する。
【0026】
図1は本発明を適用したメモリカードを用いたカードシステムを示す概略構成図である。本例のカードシステム1は、非接触型のメモリカード10と、ICカードリーダライタ20から構成されている。メモリカード10は一定厚さの長方形のカード本体11を有し、このカード本体11には、多数本の光導波路12からなる光学メモリ13が形成されていると共に、非接触型のICメモリチップ14が埋め込まれている。また、LED15aなどの発光素子を配列した構成の発光部15と、ホトダイオード16aなどの受光素子を配列した構成の受光部16が埋め込まれている。本例では、発光部15の各LED15aから所定の偏波光が射出されるようになっている。
【0027】
各光導波路12はメモリカード1の短辺方向に平行に延びており、メモリカード10の長辺方向に沿って一定の間隔で配列され、全体として長方形の光学メモリ13が形成されている。発光部15では各光導波路12の一方の端面に各LED15aが対峙しており、受光部16では各光導波路12の他方の端面に各ホトダイオード16aが対峙している。非接触型のICメモリチップ14は、ICメモリ17と、外部との間で無線通信を行うための送受信部18と、ICメモリ17に対する情報の書き込み、読み出し、および書き換え動作を行うための制御部19とを備えている。
【0028】
メモリカード10に対する書き込み、読み出し、あるいは書き換え時には、ICカードリーダライタ20から、その旨の指令信号と、外部認証情報とを送信する。書き込み、書き換え時には、これらの情報に加えて書き込み情報および書き換え情報を送信する。メモリカード10の制御部19は、送受信部18を介して、かかる構成の外部指令を受け取ると、まず、発光部15の各LED15aを発光させることにより、光学メモリ13に担持されている内部認証情報を、受光部16の各ホトダイオード16aを介して読み取る。そして、当該内部認証情報と、外部指令に含まれている外部認証情報とを照合し、これらを照合して、予め定められている一定の関係があることが確認された場合に限り、外部からICメモリ8に対するアクセスを許可する。アクセスが許可された後は、一般的なICカードシステムの場合と同様に、ICカードリーダライタ20によって、ICメモリ17に対する書き込み、読み出し、あるいは書き換え動作が行われる。
【0029】
図2(a)はメモリカード10の光学メモリ部分を示す平面図であり、図2(b)はメモリカード10の側面図であり、図2(c)はその部分拡大断面図である。本例のメモリカード10は、一定厚さの長方形のプラスチックシート31と、プラスチックシート31の表面に接着剤層32を介して積層された表面保護シート33と、プラスチックシート31の裏面に接着剤層34を介して積層された裏面保護シート35とを備えている。さらに、裏面保護シート35の表面には、磁性塗料からなる塗膜36および二層の保護膜37、38が積層されている。
【0030】
プラスチックシート31には、その表面側から所定深さのV溝39が一定間隔で形成されており、各V溝39には接着剤層32を形成している接着剤が充填されている。各V溝39によって仕切られているプラスチックシート31の各区画部分が光導波路12として機能する。すなわち、プラスチックシート31と表裏の接着剤層32、34とは屈折率が異なり、これらの接着剤層32、34およびV溝39に充填されている接着剤とによって取り囲まれている各区画部分は光学的に仕切られた状態にあり、光導波路12として機能する。
【0031】
本例では、プラスチックシート31が感熱性樹脂から形成されている。したがって、光導波路12に熱圧力を加えると当該光導波路12の偏波光に対する透過特性が変化する。各光導波路12は選択的に熱圧力が加えられ、熱圧力が加えられた光導波路はLED15aから射出する偏波光に対する透過率が著しく低くなる。よって、熱圧力が加えられてない透過率の高い光導波路12Aと、熱圧力が加えられて透過率が著しく低い光導波路12Bとの組み合わせによって、所定の内部認証情報が光学メモリ13に担持されている。図示の例では、交互に光導波路12Aと光導波路12B(斜線で示す部分)が形成されている。
【0032】
なお、本例では、偏波光に対する透過率の相違によって、光学メモリ13に内部認証情報を担持させている。この代わり、あるいは、これと共に、所定波長の光に対する透過率を変更するようにしてもよい。
【0033】
また、プラスチックシート31として、その厚さ方向の中央部分が所定厚さの透明なコア層とされ、当該コア層の表面側部分および裏面側部分が当該コア層とは屈折率の異なる表面側クラッド層および裏面側クラッド層とされた構成のものを用いることもできる。
【0034】
さらに、光学メモリ13以外のプラスチックシート31の部分には、例えば、図2(a)に示すように、迷光などを阻止するための溝40を、光導波路12とは異なる方向に延びる状態に形成しておくことが望ましい。
【0035】
次に、本例では、発光部15および受光部16が光導波路12を介して対向配置されている。この代わりに、発光部15および受光部16を光導波路12に対して同一側に配置し、光導波路12の反対側の端には反射面を形成しておき、受光部16の各ホトダイオード16aにおいて、光導波路12を通過した後に反射されて再び当該光導波路12を通過して戻る戻り光を受光するようにしてもよい。
【0036】
一方、上記の例は本発明のメモリシートをメモリカードとして具体化した例であるが、メモリシートを、カード以外の形状として用いることも可能である。例えば、預金通帳、パスポート、年金手帳などの裏表紙や、健康保険証として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明を適用したカードシステムの一例を示す概略構成図である。
【図2】図1のメモリカードの光学メモリ部分を示す平面図、メモリカードの側面図、および拡大部分断面図である。
【符号の説明】
【0038】
1 カードシステム
10 メモリカード
11 カード本体
12 光導波路
13 光学メモリ
14 ICメモリチップ
15 発光部
15a LED
16 受光部
16a ホトダイオード
17 ICメモリ
18 送受信部
19 制御部
20 ICカードリーダライタ
31 プラスチックシート
32、34 接着剤層
33 表面保護シート
35 裏面保護シート
39 V溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート本体と、
当該シート本体内部に形成されている少なくとも一本の光導波路からなる光学メモリと、
前記光導波路に光を入射するために、前記シート本体に内蔵されている発光部と、
前記光導波路から射出する光を受光するために、前記シート本体に内蔵されている受光部と、
前記シート本体に内蔵されているICメモリと、
外部から前記ICメモリへの書き込み動作、当該ICメモリに記憶されている情報の外部への出力動作、および、当該ICメモリの記憶情報の書き換え動作のうち、少なくとも一つの処理動作の可否を判別するために、前記カード本体に内蔵されている制御部とを有し、
前記制御部は、外部指令を受け取ると、前記発光部を発光させ、前記光導波路に担持されている内部認証情報を前記受光部を介して読み取り、当該内部認証情報と、前記外部指令に含まれている外部認証情報とを照合し、照合がとれた場合にのみ前記処理動作を可能にすることを特徴とするメモリシート。
【請求項2】
請求項1において、
前記シート本体は所定厚さのプラスチックシートを備えており、
前記光導波路は、前記プラスチックシートを光学的に仕切ることにより形成されていることを特徴とするメモリシート。
【請求項3】
請求項2において、
前記光導波路には、偏波光に対する透過特性、および/または、所定波長の光に対する透過特性が異なる第1および第2の光導波路が含まれていることを特徴とするメモリシート。
【請求項4】
請求項3において、
前記発光部からの射出光は偏波光であり、
前記第1および第2の光導波路は前記偏波光に対する透過率が相互に異なっていることを特徴とするメモリシート。
【請求項5】
請求項4において、
前記プラスチックシートは感熱性樹脂から形成されており、
前記光導波路の少なくとも一つは、熱圧力を加えることにより、前記偏波光の透過特性が変更されていることを特徴とするメモリシート。
【請求項6】
請求項1において、
前記発光部および前記受光部は、前記光導波路を介して対向配置されていることを特徴とするメモリシート。
【請求項7】
請求項1において、
前記受光部は、前記光導波路を通過した後に反射されて再び当該光導波路を通過して戻る戻り光を受光することを特徴とするメモリシート。
【請求項8】
請求項1において、
前記ICメモリは送受信部を備えた非接触型のものであることを特徴とするメモリシート。
【請求項9】
請求項2において、
前記シート本体は、
前記プラスチックシートと、
当該プラスチックシートの表面に接着剤層を介して積層された表面保護シートと、
前記プラスチックシートの裏面に接着剤層を介して積層された裏面保護シートとを備えており、
前記プラスチックシートには、その表面側から所定深さの溝が一定間隔で形成されており、各溝には前記接着剤層を形成している接着剤が充填されており、
各溝によって仕切られている前記プラスチックシートの区画部分が前記光導波路として機能することを特徴とするメモリシート。
【請求項10】
請求項9において、
前記プラスチックシートは、その厚さ方向の中央部分が所定厚さの透明なコア層とされ、当該コア層の表面側部分および裏面側部分が当該コア層とは屈折率の異なる表面側クラッド層および裏面側クラッド層とされており、
前記溝によって仕切られている前記コア層の区画部分がそれぞれ光導波路として機能することを特徴とするメモリシート。
【請求項11】
所定厚さのプラスチックシートと、
当該プラスチックシートを光学的に仕切ることにより形成されている少なくとも一本の光導波路からなる光学メモリとを有し、
前記光導波路は、偏波光に対する透過率、および/または、光の波長に対する透過率を変更可能となっていることを特徴とするメモリシート。
【請求項12】
請求項11において、
前記プラスチックシートは感熱性樹脂から形成されており、
前記光導波路に熱圧力を加えることにより、当該光導波路の偏波光に対する透過特性が変更され、および/または、変更可能となっていることを特徴とするメモリシート。
【請求項13】
請求項12において、
前記プラスチックシートの表面に接着剤層を介して積層された表面保護シートと、
前記プラスチックシートの裏面に接着剤層を介して積層された裏面保護シートとを有しており、
前記プラスチックシートには、その表面側から所定深さの溝が一定間隔で形成されており、各溝には前記接着剤層を形成している接着剤が充填されており、
各溝によって仕切られている前記プラスチックシートの区画部分が前記光導波路として機能することを特徴とするメモリシート。
【請求項14】
請求項13において、
前記プラスチックシートは、その厚さ方向の中央部分が所定厚さの透明なコア層とされ、当該コア層の表面側部分および裏面側部分が当該コア層とは屈折率の異なる表面側クラッド層および裏面側クラッド層とされており、
前記溝によって仕切られている前記コア層の区画部分がそれぞれ光導波路として機能することを特徴とするメモリシート。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−201826(P2006−201826A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−9797(P2005−9797)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(591236172)株式会社ハタ研削 (20)
【Fターム(参考)】