説明

メモリ装置及びその制御方法

【課題】効率の良いアクセスが可能なメモリ装置及びその制御方法を提供すること。
【解決手段】実施形態のメモリ装置103は、第1インターフェース110、無線通信部140、第1メモリ130、及び第2メモリ141を備える。無線通信部140は、無線通信可能である。第1メモリ130は、不揮発にデータを格納可能である。第2メモリ141は、無線通信部140で受信したデータを一時的に保持可能である。無線通信部140は、第2メモリ141の残余容量が第1容量よりも少なくなった際には、第1フレームBlockAckを送信することにより、無線通信部140へのデータ送信が行われない期間を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、メモリ装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルテレビ、デジタルビデオ、デジタルカメラ、携帯電話、及びノートパソコン等の電子機器のほとんどには、メモリカードスロットが備えられている。そして、メモリカードを介して他の電子機器とデータをやり取りすることが可能になってきている。
【0003】
また、無線通信機能を搭載したメモリカードが登場してきている。このようなメモリカードを用いることにより、USB(Universal Serial Bus)インターフェースやメモリカードインターフェースを介して、電子機器に無線通信機能を付加することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−216011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
効率の良いアクセスが可能なメモリ装置及びその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態のメモリ装置は、第1インターフェース、無線通信部、第1メモリ、及び第2メモリを備える。無線通信部は、無線通信可能である。第1メモリは、不揮発にデータを格納可能である。第2メモリは、無線通信部で受信したデータを一時的に保持可能である。無線通信部は、第2メモリの残余容量が第1容量よりも少なくなった際には、第1フレームを送信することにより、無線通信部へのデータ送信が行われない期間を設定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】第1実施形態に係る無線通信システムのブロック図。
【図2】第1実施形態に係るメモリカードのブロック図。
【図3】第1実施形態に係るMACフレームの模式図。
【図4】第1実施形態に係るBlockAckフレームの模式図。
【図5】第1実施形態に係るメモリカードの動作を示すフローチャート。
【図6】第1実施形態に係る携帯電話の動作を示すフローチャート。
【図7】第1実施形態に係るフレームシーケンスを示すタイミングチャート。
【図8】第2実施形態に係るメモリカードの動作を示すフローチャート。
【図9】第2実施形態に係る携帯電話の動作を示すフローチャート。
【図10】第2実施形態に係るフレームシーケンスを示すタイミングチャート。
【図11】第3実施形態に係るメモリカードの動作を示すフローチャート。
【図12】第3実施形態に係る携帯電話の動作を示すフローチャート。
【図13】第3実施形態に係るフレームシーケンスを示すタイミングチャート。
【図14】第4実施形態に係るBlockAckフレームの模式図。
【図15】第4実施形態に係るメモリカードの動作を示すフローチャート。
【図16】第4実施形態に係る携帯電話の動作を示すフローチャート。
【図17】第4実施形態に係るフレームシーケンスを示すタイミングチャート。
【図18】第5実施形態に係るメモリカードの動作を示すフローチャート。
【図19】第6実施形態に係るメモリカードのブロック図。
【図20】第7実施形態に係るメモリカードのブロック図。
【図21】第7実施形態に係るメモリカードの動作を示すフローチャート。
【図22】第7実施形態に係るフレームシーケンスを示すタイミングチャート。
【図23】第8実施形態に係るメモリカードのブロック図。
【図24】第8実施形態に係るメモリカードの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態につき図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
【0009】
[第1実施形態]
第1実施形態に係るメモリ装置及びその制御方法について、以下説明する。
【0010】
1.構成について
1.1 無線通信システムについて
まず、本実施形態に係る無線通信システムの例について、図1を用いて説明する。図1は無線通信システムのブロック図である。
【0011】
図示するように、無線通信システム100は、携帯電話101、テレビ102、及びメモリカード103を備えている。携帯電話101は、無線LAN通信機能を有する。テレビ102はカードスロットを備えており、このカードスロットにメモリカード103が挿入される。メモリカード103は、テレビ102から電力を供給されることによって動作し、データの記憶機能に加えて、無線LAN通信機能を有する。すなわち、メモリカード103が挿入されることによって、テレビ102に無線LAN通信機能が新たに付加される。
【0012】
以上の構成において、携帯電話101とメモリカード103とが無線LAN通信を実行する。
【0013】
1.2 メモリカード103の構成について
次に、上記メモリカード103の構成について図2を用いて説明する。図2はメモリカードのブロック図である。
【0014】
図示するようにメモリカード103は、インターフェース部(IF部)110、カードコントローラ120、不揮発性メモリ130、無線通信部140、及びアンテナ150を備えている。
【0015】
不揮発性メモリ130は、不揮発にデータを記憶する。すなわち、不揮発性メモリに記憶されたデータは、不揮発性メモリ130に対する電力供給が停止されても消去されない。不揮発性メモリ130は、例えばNAND型フラッシュメモリ等の半導体メモリである。NAND型フラッシュメモリにおいて、データの書き込み及び読み出しは、複数のメモリセルの集合毎に行われる。このメモリセルの集合を1ページと呼ぶ。つまり、NAND型フラッシュメモリへの書き込み及び読み出しは、ページ単位で行われる。ここで、1ページの容量は、例えば2Kバイト(=16Kビット)である。
【0016】
IF部110は、当該メモリカード103が挿入される電子機器(本例ではテレビ102)との接続を司る。そして有線接続によって、テレビ102へデータを送信し、またはテレビ102からデータを受信する。メモリカード103がSDTMカードである場合、IF部110はSDインターフェースである。また、IF部110はレジスタ111を備えている。レジスタ111は、例えばメモリカード103のステータス情報を保持可能である。そしてテレビ102は、レジスタ111内の情報を読み出すことで、メモリカード103の現在の状態を把握することが出来る。
【0017】
無線通信部140は、IEEE 802.11(IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、及びIEEE 802.11nも含む)規格に対応するよう構成される。無線通信部140は、アンテナ150を介して、携帯電話101に内蔵される無線LAN装置からの無線信号を受信し、また携帯電話101に内蔵される無線LAN装置へ無線信号の送信を行う。図2に示すように無線通信部140は、大まかにはバッファメモリ141、送受信部142、監視部142、及び通信制御部143を備えている。
【0018】
バッファメモリ141は、携帯電話101からの受信データを一時的に保持し、またカードコントローラ120によって与えられた送信データを一時的に保持する。一般的に、バッファメモリ141の書き込み及び読み出しに要する時間は、不揮発性メモリ130のそれよりも速い。またメモリカード103では、不揮発性メモリ130の容量は、その物理的なサイズやコスト等を考慮しながら、出来るだけ大きくされる。他方、バッファメモリ141は、その容量がなるべく小さくなるように構成されることが多い。従って、例えば不揮発性メモリ130にデータを書き込む場合には、バッファメモリ141が一杯(full)になっていることが想定される。
【0019】
送受信部142は、データの送受信処理を行う。すなわち、データの送信時には、バッファメモリ141内の送信データにつき、変調処理やD/A変換等を行い、アンテナ150から送信する。またデータの受信時には、アンテナ150で受信したフレームにつきA/D変換や復調処理を行い、受信データをバッファメモリ141に格納する。送受信部142はその他に、通信制御部144の命令によって種々の管理フレームや制御フレームを送信し、また受信した管理フレームや制御フレームを通信制御部144に出力する。
【0020】
監視部143は、バッファメモリ141の空き状況を監視する。そしてこの空き状況を、通信制御部144に通知する。
【0021】
通信制御部144は、無線通信部140全体の動作を制御する。すなわち、カードコントローラ120からデータの送信命令を受信した際には、送受信部142に対してデータを送信させる。また通信制御部144は、種々の管理フレームや制御フレームを組み立て、これを送信するよう送受信部142に命令する。
【0022】
カードコントローラ120は、メモリカード103全体の動作を制御する。例えば、IF部110を介してテレビ102からデータの書き込み命令を受信した際には、受信したデータを不揮発性メモリ130へ書き込む。またテレビ102から読み出し命令を受信した際には、不揮発性メモリ130からデータを読み出し、IF部110を介してテレビ102へ出力する。
【0023】
更にカードコントローラ120は、IF部110を介してテレビ102からデータの送信命令を受信した際には、送信データを無線通信部140へ転送すると共に、携帯電話101へのデータ送信命令を無線通信部140へ発行する。また無線通信部140が携帯電話101からデータを受信した際には、カードコントローラ120は受信データをバッファメモリ141から読み出して、不揮発性メモリ130へ書き込み、及び/またはIF部110を介してテレビ102へ出力する。
【0024】
1.3 MACフレームの構成について
次に、無線通信部140で送受信されるMACフレームの構成について説明する。一般的なMACフレームのフォーマットは、MACヘッダ部、フレームボディ部、及びFCS(Frame Check Sequence)部を含む。
【0025】
MACヘッダ部には、MAC層における受信処理に必要な情報が設定される。フレームボディには、フレームの種類に応じた情報(上位レイヤからのデータ等)が設定される。FCS部には、MACヘッダ部とフレームボディ部とが正常に受信できたか否かを判定するために用いるCRC(Cyclic Redundancy Code)が設定される。
【0026】
一例として、IEEE802.11規格に従った無線LANシステムにおけるMACフレームの構成例を図3に示す。図示するように、MACヘッダ部には、Frame Controlフィールド、Duration/IDフィールド、Addressフィールド(複数含まれる:図3のAddress1〜Address4)、Sequence Controlフィールド、QoS Controlフィールド、及びHT Controlフィールドが含まれる。
【0027】
Frame Controlフィールドには、フレームの種類に応じた値が設定される。Duration/IDフィールドには、送信待機する期間(NAV:Network Allocation Vector)が設定される。Addressフィールドには、当該MACフレームの直接の宛先や最終宛先、及び/または送信元のMACアドレスが設定される。Sequence Controlフィールドには、送信するデータのシーケンス番号や、データをフラグメント化した場合のフラグメント番号が設定される。QoS controlフィールド及びHT Controlフィールドについては後述する。
【0028】
Frame Controlフィールドには、Protocol Versionフィールド、Typeフィールド、Subtypeフィールド、“To Ds”フィールド、“From DS”フィールド、モアフラグメント(more fragment)フィールド、Retryフィールド、PwrMgtフィールド、“More Data”フィールド、プロテクトフレーム(Protected Frame)フィールド、及びオーダー(order)フィールド等が含まれる。
【0029】
Protocol Versionフィールドは、MACプロトコルのバージョンを示す。
【0030】
Typeフィールドは、当該MACフレームの種類を示す。すなわち、Typeフィールドに設定されるビット列によって、制御フレーム、管理フレーム、及びデータフレームのうちどのフレームタイプに属するフレームであるかを判定することができる。
【0031】
更に、Subtypeフィールドのビット列によって、各フレームタイプ内のMACフレームの種類が示される。
【0032】
また“To DS”フィールドには、受信局が無線基地局であるか無線端末であるかの情報が設定され、“From DS”フィールドには、送信局が無線基地局であるか、無線端末であるかの情報が設定される。例えば、無線基地局から無線端末へ送信されるフレームであれば、“To DS”フィールドには0が設定され、“From DS”フィールドには1が設定される。なお、“To DS”フィールド及び“From DS”フィールドの両方に1が設定される場合には、無線LAN基地局間でやりとりされるフレームであることを意味し、MACヘッダにはAddress4フィールドが付加されるが、それ以外の設定ではAddress4フィールドは付加されない。
【0033】
More Fragmentフィールドは、データがフラグメント化された場合に、後続するフラグメントフレームが存在するか否かを示す情報を保持する。
【0034】
Retryフィールドは、当該MACフレームが再送されていることを示す。
【0035】
PwrMgt(power management)フィールドは、このビットが1に設定されたフレームが送信された後に、メモリカード側がパワーセーブ(power save)モードに移行することを示す。
【0036】
“More Data”フィールドは、パワーセーブモードに移行することを示した無線端末(本例では携帯電話101)に対して、バッファリングされたデータがまだ存在していることを示す。
【0037】
プロテクトフレームフィールドには、当該フレームがプロテクトされているか否かの情報が設定される。
【0038】
オーダーフィールドには、フレームを中継する際に、フレームの順序を入れ替えてはいけないことを示す情報、もしくはHT Controlフィールドが付加されるか否かを示す情報が設定される。
【0039】
例えば、正常に受信されたフレームのTypeフィールドによって、当該フレームがデータフレームであることが判明した場合に、さらにSubtypeフィールドに設定されるビット列を確認することにより、QoSデータであるか、またはnon-QoSデータであるかを判別することが可能である。
【0040】
QoSデータフレームでは、MACヘッダ部にQoS Controlフィールドが付加される(逆にnon-QoSデータの場合にはQoS Controlフィールドは付加されない)。従って、判定の結果QoSデータであると判別した場合には、QoS Controlフィールドを確認する。このQoS Controlフィールドには、データのトラフィックに応じた識別子が設定されるTIDフィールド(0〜15までの16種類存在)や、送達確認方式が設定されるAck policyフィールド等が含まれる。TIDフィールドを確認することでデータのトラフィック種別を認識することができ、Ack policyフィールドを確認することで、そのQoSデータがNormal Ack policyか、Block Ack policyか、それともNo Ack policyで送信されたのかを判別することができる。なお、Ack policyフィールドにNormal Ack policyを意味するビット列が設定されている場合には、QoSデータフレームの受信に対して即時応答フレームの送信を要求していることを意味する。一方、non-QoSデータ(Subtypeが“Data”を示す)フレームの受信に対しては、常に即時応答フレームの送信を要求している。また、non-QoSデータである場合のオーダーフィールドは、フレームの順序を入れ替えてはいけないことを意味する情報を示すことになっている。
【0041】
HT Controlフィールドは、IEEE 802.11n規格に対応する無線通信装置同士の通信で用いることができる。HT Controlフィールドは、802.11nのみで規定された物理層フレームフォーマットで送信されたMACフレームが、QoSデータもしくは管理フレームである場合で、且つオーダーフィールドに1が設定されたときのみ、付加される(受信した物理層フレームが802.11n規格のみで規定された物理層フレームフォーマットであるか否かは、送受信部142内の物理層処理部(図示せず)からの伝送フレーム情報によって判定可能である)。このHT Controlフィールドには、802.11n規格で規定されるLink Adaptation機能などを支援するための情報が含まれる。
【0042】
図3において、MACヘッダの各フィールドの上に記した数字は、各フィールドの長さ(サイズ)を示しており、オクテット単位で示している。なお1オクテットは8ビットである。またFrame Controlフィールド内の各フィールドの上に記した数字も、各フィールドの長さ(サイズ)であり、こちらはビット単位で示している。図3の通り、MACヘッダの最大長は、例えば36オクテット(36バイト)である。しかしながら、MACヘッダの長さは、フレームの種類によって異なる。
【0043】
図4は、送達確認フレームの模式図であり、一例としてBlockAckフレームを示している。データを送信する際には、複数のデータフレームが連接されて送信されても良い。このようなフレームはA−MPDU(aggregated MAC Protocol Data Unit)等と呼ばれる。この複数のデータフレームを含むA−MPDUに対して、単一のフレームで送達確認を行うのがBlockAckフレームである。送達確認フレームは制御フレームの一つである。
【0044】
図示するようにBlockAckフレームは、Frame Controlフィールド、Duration/IDフィールド、及びAddressフィールドをMACヘッダ部に含む。またフレームボディには、BA Controlフィールド、Block Ack Bitmapフィールド、及びBlock Ack Starting Sequence Controlフィールドを含む
BA Controlフィールドには、データフレームのQoS Controlフィールドに含まれるトラフィックに応じた識別子であるTIDフィールド等が含まれる。Block Ack Bitmapフィールドには、データフレームを正常受信したことを示す送達確認情報が設定される。より具体的には、連接された複数のデータフレームのうち、どれが正常に受信され、どれが正常に受信されなかったを示す情報が設定される。Block Ack Starting Sequence Controlフィールドには、データフレームのシーケンス番号が含まれる。これは、Block Ack Bitmapフィールドに示される送達確認情報の開始シーケンス番号である。その他のフィールドは、図3で説明した通りである。
【0045】
2.動作について
以下、本実施形態に係る無線通信システム100において、携帯電話101が送信端末となり、メモリカード103が受信端末となって、データを携帯電話101からメモリカード103へ送信する場合を例に挙げて、携帯電話101及びメモリカード103の動作を説明する。
【0046】
2.1 メモリカード103の動作について
まず、メモリカード103の動作について図5を用いて説明する。図5はメモリカード103の動作の流れを示すフローチャートである。
【0047】
図示するようにメモリカード103は、送受信部142でデータを受信すると(ステップS10)、このデータをバッファメモリ141に格納する(ステップS11)。データがバッファメモリ141に格納されて、そのサイズが不揮発性メモリ130への書き込み単位(例えば2Kバイト)に達すると、カードコントローラ120はバッファメモリ141からデータを読み出して、不揮発性メモリ130へ書き込む。
【0048】
監視部143は、バッファメモリ141の空き容量が、ある一定値未満に減少したか否かを監視しており、その監視結果を通信制御部144へ供給している。この一定値は、例えば1つのデータフレームのサイズや、512バイト等の固定値であってもよく、適宜選択出来る。
【0049】
バッファメモリ141の空き容量が一定値未満になると(ステップS12、YES)、その情報を受信した通信制御部144は、PwrMgtフィールドのビットを“1”として、BlockAckフレームを送信する(ステップS13)。より具体的には、通信制御部144は、PwrMgtフィールドのビットを“1”としてBlockAckフレームを組み立てる。そして送受信部142に対してこのBlockAckフレームを供給すると共に、これを携帯電話101へ送信するよう命令する。この命令に従って送受信部142は、アンテナ150を介してBlockAckフレームを携帯電話101へ送信する。これによってメモリカード103は、携帯電話101に対して当該メモリカード103へのデータ送信を禁止する。
【0050】
BlockAckフレームを送信した後、通信制御部144は、監視部143を介してバッファメモリ141の空き容量をチェックする。そして、バッファメモリ141の空き容量がある一定容量以上になった際(ステップS14、YES)、通信制御部144は、QoS-Nullフレームを携帯電話101へ送信する(ステップS15)。図示を省略するが、QoS-NullフレームもPwrMgtフィールドを有しており、本ステップS15において通信制御部144は、QoS-NullフレームのPwrMgtフィールドを“0”とする。これによってメモリカード103は、携帯電話101に対する当該メモリカード103へのデータ送信の禁止を解除する。
【0051】
ステップS12において、バッファメモリ141の空き容量が一定値以上であれば(ステップS12、NO)、通信制御部144は、PwrMgtフィールドのビットを“0”として、BlockAckフレームを送信する(ステップS16)。
【0052】
なお、ステップS10において、データを正常に受信出来たと通信制御部144が判断した場合、この判断に基づいてカードコントローラ120は、IF部110のレジスタ111に、ビジー(busy)状態または無線通信中である旨を示す情報を格納する。テレビ102は、このレジスタ111内の情報を参照することにより、メモリカード103が動作中(無線通信中)であることを認識出来る。なお、ビジー状態または無線通信中である旨を示す情報を、レジスタ111に格納するのみならず、IF部110がテレビ102へ通知しても良い。
【0053】
2.2 携帯電話101の動作について
次に、携帯電話101の動作について図6を用いて説明する。図6は携帯電話101の動作の流れを示すフローチャートである。
【0054】
図示するように、携帯電話101はメモリカード103へデータを送信し(ステップS20)、引き続きこのデータについてのBlockAckフレームを受信する(ステップS21)。そして、受信したBlockAckフレーム内のPwrMgtフィールドの値を確認し、PwrMgtフィールドのビットが“1”であれば(ステップS22、YES)、携帯電話101は送信待機する(ステップS23)。この送信待機は、PwrMgtフィールドのビットが“0”とされたQoS-Nullフレームを受信するまで継続する(ステップS24、NO)。
【0055】
QoS-Nullフレームを受信すると(ステップS24、YES)、携帯電話101は送信待機を解除し(ステップS25)、QoS-Nullフレームに対する応答フレーム(ACKフレーム)をメモリカード103へ送信する(ステップS26)。その後はまたデータの送信を再開する。
【0056】
2.3 動作の具体例について
以上の携帯電話101及びメモリカード103の動作の具体例について、図7を用いて説明する。図7は、携帯電話に内蔵される無線LAN装置から、2つのデータフレームが3回のバースト送信によって送信され、メモリカード103に内蔵される無線通信部140がこれを受信する際のフレームシーケンスを示している。
【0057】
連続して送信されるデータフレームの間隔は、通信効率を上げるため、無線機能が対応する無線通信規格で規定されるなるべく短い間隔を指定する。例えば、802.11規格であれば、SIFS(16μsec)あるいはRIFS(2μsec)を選択する。また、データフレームとBlockAckフレームのフレーム間隔は、無線通信規格で規定される最小の間隔を指定する。例えば、802.11規格であれば、SIFS(16μsec)を選択する。
【0058】
図7に示されるデータフレームはそれぞれ1つのフレームを意味するが、これらをアグリゲートすることにより、802.11n規格で規定されるアグリゲーションフレームを用いても良い。
【0059】
図示するように、時刻t0で2つのデータフレームを受信した際、メモリカード103側ではバッファメモリ141の空き容量が一定値未満にまで減少したとする。するとメモリカード103は、PwrMgtフィールドを“1”としてBlockAckフレームを時刻t1で携帯電話101へ送信する。これによって、携帯電話101は、メモリカード103への送信を禁止される。
【0060】
その後、バッファメモリ141内のデータが不揮発性メモリ130に転送されることにより、バッファメモリ141の空き容量が一定値以上になると、メモリカード103は時刻t2でQoS-Nullフレームを携帯電話101へ送信する。すると携帯電話101は、時刻t3で、QoS-Nullフレームに対するACKフレームをメモリカード103へ送信する。これにより、メモリカード103のデータ送信禁止が解除され、再び2つのデータフレームをメモリカード103へ送信する。
【0061】
時刻t4で2つのデータフレームを受信したメモリカード103は、この時点ではバッファメモリ141内の空き容量が一定値以上であったとする。するとメモリカード103は、PwrMgtフィールドを“0”としたBlockAckフレームを、時刻t5で携帯電話101へ送信する。PwrMgtフィールドが“0”であるので、携帯電話101は送信待機することなく、引き続きデータフレームをメモリカード103へ送信する。
【0062】
3.本実施形態に係る効果
以上のように、本実施形態に係る構成であると、効率の良いアクセスが可能となる。本効果につき、以下説明する。
【0063】
SDメモリカードインターフェース規格のように、不揮発性メモリを用いたメモリカードで使用されることを前提とした規格では、不揮発性メモリにデータを書き込む際の処理時間を考慮したプロトコルが規定される。
【0064】
一方、無線LANのような無線通信規格では、無線チャネルを介して転送されたデータを不揮発性メモリへ書き込む処理時間を考慮したプロトコルは規定されていない。
【0065】
ここで、SDメモリカード内に不揮発性メモリ、メモリコントローラ、及び無線LAN機能が搭載される場合を考える。例えば、メモリコントローラが不揮発性メモリにデータを書き込む速度が、無線LANによるデータの通信速度より速い場合には、無線LAN経由で受信したデータが滞ることはない。しかし、無線LANによるデータの通信速度の方が速い場合には、無線LNA経由で受信したデータが不揮発性メモリに書き込むことができずに廃棄されてしまう可能性がある。
【0066】
この回避方法としては、TCP/IPのようなフロー制御を行う上位プロトコルを用いる方法があるが、TCP/IP処理を行うプロセッサの動作電力の増加となるため好ましくない。
【0067】
この点、本実施形態に係る構成であると、無線通信によって受信されたデータを一時的に保持するバッファメモリ141の空き容量を監視している。そして、バッファメモリ141の空き容量が少なくなった場合には、メモリカード103の送信する応答フレーム(BlockAckフレーム)によって、送信待機の旨を、データフレームの送信元である携帯電話101に通知して、携帯電話101からのデータフレーム送信を一時的に停止させる。その後、バッファメモリ141の空き容量が増加すると、その旨を通知するフレーム(QoS-Nullフレーム)を携帯電話101に送信し、このフレームと、それに対する応答フレームとの交換によって、データフレーム送信の一時的な停止を解除する。
【0068】
一方、バッファメモリ141の空き容量が十分にある場合には、メモリカード103の送信する応答フレームによって送信継続の旨を携帯電話101に通知する。これにより、携帯電話101はメモリカード103へのデータフレームの送信を継続出来る。
【0069】
以上により、メモリカード103は、メモリカード103のバッファメモリ141の使用状況によって、適宜、携帯電話101からのデータフレーム送信を制御出来る。そのため、バッファメモリ141に空きが無いにも関わらずデータフレームを受信し、受信したデータフレームを破棄せざるを得ないような状況を回避出来る。このため、効率の良いデータ通信が可能となる。
【0070】
更に本実施形態に係る構成であると、無線通信によるデータ通信が開始された際には、電力を供給しているホスト機器(本実施形態ではテレビ102)に対して、無線通信中であることを通知している。これにより、無線通信中に給電が停止されることを防止出来る。このことによっても、データの無駄な再送の必要性が生じることを抑制し、効率的なデータ通信に寄与する。
【0071】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るメモリ装置及びその制御方法について説明する。本実施形態に係るメモリ装置は、上記第1実施形態において、メモリカード103の送信するBlockAckフレームのDurationフィールドに、携帯電話101の送信待機期間と、この情報をDurationフィールドに示している旨の情報とを格納するものである。以下では、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0072】
1.構成について
メモリカード103の構成は、第1実施形態で説明した図2の通りである。第1実施形態と異なる点は以下の点のみである。すなわち、
・通信制御部144は、バッファメモリ141の空き容量が一定値未満であった場合、その空き容量に応じて、携帯電話101の送信待機期間の長さを算出する。
・携帯電話101によるデータフレーム送信を禁止するBlockAckフレームのDurationフィールドに、算出した送信待機期間と、それを格納した旨の情報を設定する。
【0073】
2.動作
次に、本実施形態に係るメモリカード103及び携帯電話101の動作について、第1実施形態と同様に携帯電話101が送信端末となり、メモリカード103が受信端末となる場合を例に、以下説明する。
【0074】
2.1 メモリカード103の動作について
まず、メモリカード103の動作について図8を用いて説明する。図8はメモリカード103の動作の流れを示すフローチャートである。
【0075】
図示するように、第1実施形態において図5を用いて説明したフローチャートにおいて、バッファメモリ141の空き容量が一定値未満であった場合(ステップS12、YES)、通信制御部144は、携帯電話101に設定すべき送信待機期間の長さを決定し、これをBlockAckフレームのDurationフィールドに設定する(ステップS30)。例えば、フィールドの単位を32μsecとすれば、Duratinonフィールドに“10(十進数)”が設定された場合には、送信待機期間の長さは320μsecとなる。
【0076】
引き続き通信制御部144は、PwrMgtフィールドを“1”として、BlockAckフレームを携帯電話101へ送信する(ステップS31)。
【0077】
2.2 携帯電話101の動作について
次に、携帯電話101の動作について図9を用いて説明する。図9は携帯電話101の動作の流れを示すフローチャートである。
【0078】
図示するように、第1実施形態において図6を用いて説明したフローチャートにおいて、受信したBlockAckフレームのPwrMgtフィールドが“1”であった場合(ステップS22、YES)、携帯電話101はDurationフィールドを確認して(ステップS33)、Durationフィールドに設定された期間が経過するまでデータフレームの送信を待機する(ステップS23、ステップS34でNO)。期間が満了すれば(ステップS34、YES)、送信待機を解除する(ステップS25)。
【0079】
2.3 動作の具体例について
以上の携帯電話101及びメモリカード103の動作の具体例について、図10を用いて説明する。図10は、第1実施形態の図7と同様に、携帯電話に内蔵される無線LAN装置から、2つのデータフレームが3回のバースト送信によって送信され、メモリカード103に内蔵される無線通信部140がこれを受信する際のフレームシーケンスを示している。
【0080】
図示するように、時刻t0で2つのデータフレームを受信した際、メモリカード103側ではバッファメモリ141の空き容量が一定値未満にまで減少したとする。するとメモリカード103の通信制御部144は、どのくらいの期間、送信を待機させればバッファメモリ141の空き容量が一定値以上になるかを計算する。そして、Durationフィールドに、得られた期間Δt1を設定し、またPwrMgtフィールドを“1”として、BlockAckフレームを時刻t1で携帯電話101へ送信する。これによって、携帯電話101は、メモリカード103への送信を禁止される。
【0081】
携帯電話101は、BlockAckフレームを受信した時点から、Durationフィールドに格納されている期間Δt1が満了するまで、データフレームのメモリカード103への送信を停止する。この間にメモリカード103では、バッファメモリ141から不揮発性メモリ130へのデータ転送が行われる。
【0082】
携帯電話101は、期間Δt1が満了すると、QoS-Nullフレームの受信及びこれに対するACKフレームの送信を行うことなく、データフレームのメモリカード103への送信を再開する。
【0083】
時刻t4で2つのデータフレームを受信したメモリカード103は、この時点ではバッファメモリ141内の空き容量が一定値以上であったとする。するとメモリカード103は、PwrMgtフィールドを“0”とし、またDurationフィールドに送信待機期間を設定することなく、BlockAckフレームを時刻t5で携帯電話101へ送信する。PwrMgtフィールドが“0”であるので、携帯電話101は送信待機することなく、引き続きデータフレームをメモリカード103へ送信する。
【0084】
3.本実施形態に係る効果
以上のように、本実施形態に係る構成であると、第1実施形態よりも更に効率の良いアクセスが可能となる。本効果につき、以下説明する。
【0085】
本実施形態に係る構成であると、データフレームの送信元を送信待機させるためのフレーム(本例ではBlockAckフレーム)のDurationフィールドに、送信待機期間の長さを設定している。従って、データフレームの送信元は、このフレームを受信した時点において、いつ、データフレームの送信を再開出来るのか、を知ることが出来る。従って、第1実施形態におけるQoS-NullフレームとACKフレームとのやりとりが不要となる。その結果、より効率の良いアクセスが可能となる。
【0086】
なお、送信待機を解除するまでの時間を予測することは、バッファメモリ141の容量が空くまでにどれだけ時間を要するか、を予測することに等しい。従って、例えばある書き込み単位のサイズのデータを不揮発性メモリ130に書き込むのに要する時間を、通信制御部144に設定しておいても良い。もちろん、この計算処理は、通信制御部144ではなくカードコントローラ120が行い、上記時間もカードコントローラ120が保持しても良い。
【0087】
また本実施形態では、PwrMgtフィールドの使用を省略しても良い。つまり、Durationフィールドに送信待機期間が設定された送達確認フレーム(本実施形態ではBlockAckフレーム)を受信した場合には、当該送達確認フレームの宛先である通信端末が送信を待機する、という取り決めを予めしておけば、PwrMgtフィールドが無くても良い。この場合、送信待機させる際にはDurationフィールドにその期間を格納し、送信待機させない際にはDurationフィールドにゼロを格納すればよい。
【0088】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るメモリ装置及びその制御方法について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせたものである。以下では、第1、第2実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0089】
1.構成について
メモリカード103の構成は、第1実施形態で説明した図2の通りである。第1実施形態と異なる点は以下の点のみである。すなわち、
・通信制御部144は、バッファメモリ141の空き容量が一定値未満であった場合、Durationフィールドに送信待機期間の長さを設定するか否かを判断する。
・通信制御部144は、Durationフィールドに送信待機期間の長さを設定する場合には第2実施形態の処理を行い、設定しない場合(または設定不可能な場合(例えば送信待機期間を算出出来なかった場合等))には第1実施形態の処理を行う。
【0090】
2.動作
次に、本実施形態に係るメモリカード103及び携帯電話101の動作について、第1実施形態と同様に携帯電話101が送信端末となり、メモリカード103が受信端末となる場合を例に、以下説明する。
【0091】
2.1 メモリカード103の動作について
まず、メモリカード103の動作について図11を用いて説明する。図11はメモリカード103の動作の流れを示すフローチャートである。
【0092】
図示するように、ステップS10、S11の後、バッファメモリ141の空き容量が一定値未満であった場合(ステップS12、YES)、通信制御部144は、Durationフィールドに送信待機期間を設定するか否か、つまり携帯電話101に対して送信待機期間を通知するか否かを判断する。設定しない場合(ステップS40、NO)には、第1実施形態で説明したステップS13〜S15の処理を実行する。他方、設定する場合(ステップS40、YES)には、第2実施形態で説明したステップS30、S31の処理を実行する。
【0093】
2.2 携帯電話101の動作について
次に、携帯電話101の動作について図11を用いて説明する。図11は携帯電話101の動作の流れを示すフローチャートである。
【0094】
図示するように、ステップS20、S21の後、受信したBlockAckフレームのPwrMgtフィールドが“1”であった場合(ステップS22、YES)、携帯電話101はDurationフィールドが設定されているか否かを確認する。設定されていない場合(ステップS51、NO)には、第1実施形態で説明したステップS23〜S26の処理を実行する。他方、設定されている場合(ステップS51、YES)には、第2実施形態で説明したステップS33以降の処理を実行する。
【0095】
2.3 動作の具体例について
以上の携帯電話101及びメモリカード103の動作の具体例について、図13を用いて説明する。図13は、第1実施形態の図7と同様に、携帯電話に内蔵される無線LAN装置から、2つのデータフレームが3回のバースト送信によって送信され、メモリカード103に内蔵される無線通信部140がこれを受信する際のフレームシーケンスを示している。
【0096】
図示するように、時刻t0で2つのデータフレームを受信した際、メモリカード103側ではバッファメモリ141の空き容量が一定値未満にまで減少したとする。この際、何らかの事情により、設定すべき送信待機期間の長さを予測出来なかったとする。この場合、通信制御部144は、Durationフィールドに送信待機期間を設定することなく、PwrMgtフィールドを“1”として、BlockAckフレームを送信する。そしてバッファメモリ141の空き容量が十分となった時点でQoS-Nullフレームを送信する。
【0097】
他方、時刻t4でデータフレームを受信した際には、バッファメモリ141の空き容量が一定値未満にまで減少し、且つ設定すべき送信待機期間の長さを予測可能であったとする。この場合、通信制御部144は、Durationフィールドに送信待機期間を設定すると共に、PwrMgtフィールドを“1”として、BlockAckフレームを送信する。この場合には、QoS-Nullフレームの送信は不要である。
【0098】
3.本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であると、そのときの状況に応じて、データフレームの送信元端末に対する送信待機の手法を適宜選択出来る。従って、様々な使用の端末と通信する場合に広く対応出来、またシステムの設計の自由度を向上出来る。
【0099】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係るメモリ装置及びその制御方法について説明する。本実施形態に係るメモリ装置は、上記第1実施形態において、メモリカード103の送信するBlockAckフレームを拡張して、メモリカード103の受信可能なデータフレーム数を携帯電話101に通知するものである。以下では、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0100】
1.構成について
メモリカード103の構成は、第1実施形態で説明した図2の通りである。第1実施形態と異なる点は以下の点のみである。すなわち、
・通信制御部144は、バッファメモリ141の空き容量が一定値以上であった場合、その空き容量に応じて、BlockAckフレーム送信後に受信可能なデータフレーム数を算出する。
・通信制御部144は、バッファメモリ141の空き容量が一定値未満であった場合、その空き容量に応じて、携帯電話101の送信待機期間の後に受信可能なデータフレーム数を算出する。
・携帯電話101に対して送達確認を行うBlockAckフレームに、Remaining Bufferフィールドを付加して、Remaining Bufferフィールドに、算出したデータフレーム数を設定する。
【0101】
図14は、Remaining Bufferフィールドを付加したBlockAckフレームの模式図である。以下、このフレームを拡張BlockAckフレームと呼ぶ。図示するように、フレームボディにはRemaining Bufferフィールドが設けられている。そしてRemaining Bufferフィールドには、バッファメモリ141の残余容量情報が格納される。本実施形態では、Remaining Bufferフィールドの単位をデータフレームの個数として説明するが、Kバイト単位等、受信可能なデータサイズであっても良い。
【0102】
2.動作について
次に、本実施形態に係るメモリカード103及び携帯電話101の動作について、第1実施形態と同様に携帯電話101が送信端末となり、メモリカード103が受信端末となる場合を例に、以下説明する。
【0103】
2.1 メモリカード103の動作について
まず、メモリカード103の動作について図15を用いて説明する。図15はメモリカード103の動作の流れを示すフローチャートである。
【0104】
図示するように、第1実施形態において図5を用いて説明したフローチャートにおいて、バッファメモリ141の空き容量が一定値未満であった場合(ステップS12、YES)、通信制御部144は、携帯電話101を送信待機させた後に受信可能なデータフレーム数を決定し、これをRemaining Bufferフィールドに設定する(ステップS50)。
【0105】
引き続き通信制御部144は、PwrMgtフィールドを“1”として、拡張BlockAckフレームを携帯電話101へ送信する(ステップS51)。その後は、第1実施形態と同様にステップS14、S15の処理を実行する。
【0106】
他方、バッファメモリ141の空き容量が一定値以上であった場合(ステップS12、NO)、通信制御部144は、拡張BlockAckフレームを送信した後に受信可能なデータフレーム数を決定し、これをRemaining Bufferフィールドに設定する(ステップS52)。
【0107】
引き続き通信制御部144は、PwrMgtフィールドを“0”として、拡張BlockAckフレームを携帯電話101へ送信する(ステップS53)。
【0108】
なお、Remaining Bufferフィールドを“0”に設定した際には、データフレーム数についての判断を携帯電話101に委ねることとしてもよい。
【0109】
2.2 携帯電話101の動作について
次に、携帯電話101の動作について図16を用いて説明する。図16は携帯電話101の動作の流れを示すフローチャートである。
【0110】
図示するように、携帯電話101は拡張BlockAckフレームを受信すると(ステップS54)、Remaining Bufferフィールドを確認する(ステップS55)ことにより、次に送信可能なデータフレーム数を把握する(ステップS56)。
【0111】
その後は、第1実施形態と同様にステップS22〜S26の処理を実行する。携帯電話は、次の送信機会においては、直近で受信した拡張BlockAckフレーム内のRemaining Bufferフィールドで指定された数を最大限として、データフレームを送信する。Remaining Bufferフィールドが“0”であった際には、送信するデータフレーム数は携帯電話101が判断するようにしても良い。
【0112】
2.3 動作の具体例について
以上の携帯電話101及びメモリカード103の動作の具体例について、図17を用いて説明する。図17は、第1実施形態の図7と同様に、携帯電話に内蔵される無線LAN装置からメモリカード103に内蔵される無線通信部140にデータフレームが送信される際のフレームシーケンスを示している。
【0113】
図示するように、時刻t0で2つのデータフレームを受信した際、メモリカード103側ではバッファメモリ141の空き容量が一定値未満にまで減少したとする。するとメモリカード103の通信制御部144は、携帯電話101に対して送信待機させる期間と、不揮発性メモリ130へのデータの書き込み速度との関係等に基づき、送信待機期間後にバッファメモリ141で受信可能なデータフレーム数を算出する。この結果、例えば受信可能なデータフレーム数は2個であったとする。すると通信制御部144は、Remaining Bufferフィールドに“2”を設定し、またPwrMgtフィールドを“1”として、拡張BlockAckフレームを時刻t1で携帯電話101へ送信する。これによって、携帯電話101は、メモリカード103への送信を禁止される。
【0114】
その後、QoS-NullフレームとACKフレームとにより送信待機が解除されると、携帯電話は、時刻t1で受信した拡張BlockAckフレームのRemaining Bufferフィールドに設定されていた2個を上限として、データフレームを送信する(図17では2個のデータフレームが送信されている)。
【0115】
時刻t4で2つのデータフレームを受信した際、メモリカード103側ではバッファメモリ141の空き容量が一定値以上であったとする。すると通信制御部144は、バッファメモリ141の空き状況に基づき、拡張BlockAckフレーム送信後にバッファメモリ141で受信可能なデータフレーム数を算出する。この結果、例えば受信可能なデータフレーム数は3個であったとする。すると通信制御部144は、Remaining Bufferフィールドに“3”を設定し、またPwrMgtフィールドを“0”として、拡張BlockAckフレームを時刻t5で携帯電話101へ送信する。
【0116】
すると携帯電話は、時刻t5で受信した拡張BlockAckフレームのRemaining Bufferフィールドに設定されていた3個を上限として、データフレームを送信する(図17では3個のデータフレームが送信されている)。
【0117】
3.本実施形態に係る効果
以上のように、本実施形態に係る構成であると、第1実施形態よりも更に効率の良いアクセスが可能となる。本効果につき、以下説明する。
【0118】
本実施形態に係る構成であると、従来のBlockAckフレームを拡張することにより、受信可能なデータフレーム数を示すRemaining BufferフィールドをBlockAckフレームに付加している。そして、この拡張BlockAckフレームを用いることにより、データの送信端末に対して、送信可能な最大データフレーム数を通知出来る。
【0119】
その結果、データの受信端末においては、バッファメモリの空き容量が、ある一定値未満にまで減少することがほとんど無くなる。従って、送信端末に送信待機期間が設定される機会が減少し、QoS-NullフレームとACKフレームによるフレーム交換の必要性も減少する。よって、効率の良いデータ通信が可能となる。
【0120】
4.本実施形態の変形例
以下、本実施形態の変形例のいくつかについて説明する。
【0121】
4.1 第1の例
上記第4実施形態では、拡張BlockAckフレームにPwrMgtフィールドを設ける場合を例に説明したが、PwrMgtフィールドを省略しても良い。この場合、Remaining Bufferフィールドの値は、バッファメモリ141の残余容量を示す。そしてRemaining Bufferフィールドがゼロの場合、携帯電話101は送信を待機する。QoS-NullフレームとACKフレームにより送信待機を解除された後に送信するデータフレーム数は、例えば携帯電話101が判断する。
【0122】
4.2 第2の例
上記第4実施形態及び上記第1の例において、QoS-NullフレームとACKフレームのやりとりを省略してもよい。これは、先に述べた通り、Remaining Bufferフィールドを用いることで、バッファメモリ141の残余容量が一定値未満にまで減少するケースはかなり減少すると考えられるからである。この場合、どれだけの期間、送信待機するかは、例えば携帯電話101が判断する。
【0123】
4.3 第3の例
上記第4実施形態及び上記第1、第2の例において、拡張BlockAckフレームのDurationフィールドに、送信待機期間の長さを設定してもよい。これは第2、第3実施形態で説明した通りである。
【0124】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係るメモリ装置及びその制御方法について説明する。本実施形態は、上記第1乃至第4実施形態において、メモリカード103がテレビ102からアクセスされた際には、送信待機を携帯電話101に命令するものである。以下では、第1乃至第4実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0125】
1.メモリカード103の動作について
図18は、本実施形態に係るメモリカード103の動作を示すフローチャートである。
【0126】
図示するように、メモリカード103がIF部110を介してテレビ102からアクセスされた場合(すなわち、テレビ102がメモリカード103に対してデータの書き込みまたは読み出しを実施してきた場合)、IF部110はこれを受け付ける(ステップS60)。IF部110でアクセスを受け付けたことに応答して、カードコントローラ120は、無線通信部140が携帯電話101と無線通信中であるか否かを確認する(ステップS61)。
【0127】
無線通信中であった場合(ステップS62、YES)、カードコントローラ120は、無線通信部140に対して、不揮発性メモリ130はビジー状態であることを通知すると共に、携帯電話101に送信待機させるよう、無線通信部140に命令する。すなわち、無線通信部140は、PwrMgtフィールドを“1”としてQoS-Nullフレームを生成し、これを携帯電話101へ送信する(ステップS63)。これによって携帯電話101は、メモリカード103に対するデータ送信を禁止される。
【0128】
その後、テレビ102による不揮発性メモリ130へのアクセスが終了すると(ステップS64、YES)、カードコントローラ120は、携帯電話101の送信待機を解除するよう、無線通信部140に命令する。すなわち、無線通信部140は、PwrMgtフィールドを“0”としてQoS-Nullフレームを生成し、これを携帯電話101へ送信する(ステップS65)。これによって携帯電話101は、メモリカード103に対するデータ送信を再開する。
【0129】
2.本実施形態に係る効果
本実施形態に係るメモリカード103は、外部と接続するインターフェースを複数有する。すなわち、一方は有線接続のIF部110であり、他方は無線接続の無線通信部140である。つまり、複数のホスト機器によって、メモリカード103はアクセスされる。
【0130】
そして、場合によっては複数のホスト機器から同時にアクセスされるケースがあり得る。例えば、テレビ102がメモリカード103にアクセス中に、携帯電話101からメモリカード103にデータが送信されたとする。すると、メモリカード103は既にビジー状態にあるので、携帯電話101から送信されたデータは不揮発性メモリ130に書き込まれず、破棄されてしまうおそれがある。
【0131】
しかしながら本実施形態に係る構成であると、テレビ102からのアクセスを受け付けた際、メモリカード103は無線通信を一旦停止する。つまり、あるホスト機器からのアクセスを受け付けている期間は、その他のホスト機器からのアクセスを受け付けない。このように、先にアクセスされたホスト機器の処理を優先することで、データの無駄な再送を防止し、効率の良い通信が可能となる。
【0132】
なお、テレビ102からのアクセス時間が予測できる場合には、第2実施形態のように、送信待機期間の長さを携帯電話101に通知してもよいし、または第4実施形態のようにRemaining Bufferフィールドを使用してもよい。
【0133】
なお、本実施形態では、IF部110からのアクセスを優先する場合を例に説明したが、無線通信部140を優先しても良い。すなわち、無線通信部140によって携帯電話101と無線通信中に、IF部110を介してテレビ102からアクセスを受け付けた際には、カードコントローラ120は、ビジー状態である旨を、IF部110を介してテレビ102に通知してもよい。これによって、無線通信中にテレビ102からデータが転送されることを抑制出来る。
【0134】
また、本実施形態は上記第1乃至第4実施形態の構成を前提として説明したが、本実施形態単独で実施してもよい。
【0135】
[第6実施形態]
次に、第6実施形態に係るメモリ装置及びその制御方法について説明する。本実施形態は、上記第1乃至第5実施形態において、IF部110を無線化したものである。以下では、第1乃至第5実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0136】
1.メモリカード103の構成について
図19は、本実施形態に係るメモリカード103のブロック図である。図示するように、本実施形態に係るメモリカード103は、第1実施形態で説明した図2の構成において、無線通信部140をIF部110内に搭載したものである。言い換えれば、図2において無線通信部140を廃して、且つIF部110を無線化した、と言うことも出来るし、または図2においてIF部110を廃して、IF部110の機能を無線通信部140に持たせた、と言うことも出来る。
【0137】
2.メモリカード103の構成について
図19において、無線通信部140は、携帯電話101だけでなく、テレビ102とも通信を行う。そしてテレビ102との通信の際も、PwrMgtフィールド、Durationフィールド、及びReaminingフィールドの少なくともいずれかによって、テレビ102に対してデータフレームの送信を待機させる。
【0138】
3.本実施形態に係る効果
以上のように、メモリカード103のインターフェースを全て無線化してもよい。また、本実施形態も、第1乃至第5実施形態を前提とすることなく、本実施形態単独で実施してもよい。
【0139】
[第7実施形態]
次に、第7実施形態に係るメモリ装置及びその制御方法について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態において、携帯電話101に対して送信待機させるか否かを判断する別の方法に関するものである。以下では、第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0140】
1.メモリカード103の構成について
図20は、本実施形態に係るメモリカード103のブロック図である。図示するように、本実施形態に係るメモリカード103は、第1実施形態で説明した図2において、カードコントローラ120が、バッファメモリ121を備えたものである。
【0141】
無線通信によって無線通信部140で受信されたデータは、まずバッファメモリ141に格納され、その後バッファメモリ121に転送される。そしてカードコントローラ120は、バッファメモリ121内のデータを不揮発性メモリ130に記憶させる。
【0142】
通信制御部144は、バッファメモリ141の空き容量がある一定値未満になったか否かだけではなく、バッファメモリ121にデータが転送されることによってバッファメモリ141の空き容量が増加することと、携帯電話101が次にデータフレームを送信するまでに要する時間とに応じて、携帯電話101を送信待機させるか否かを判断する。この通信制御部144の動作については、以下詳細に説明する。
【0143】
2.メモリカード103の動作について
図21は、メモリカード103の動作を示すフローチャートである。
【0144】
図示するように、バッファメモリ141の空き容量が一定値未満であった場合(ステップS12、YES)、通信制御部144は、遅延時間とバッファ解放時間とを比較する(ステップS70)。遅延時間とは、メモリカード103がBlockAckフレームを送信開始してから、携帯電話101がデータフレームを送信するまでに要する時間のことである。この遅延時間は、通信制御部144によって統計的に算出出来る。他方、バッファ解放時間とは、バッファメモリ141内のデータを、カードコントローラ120のバッファメモリ121またはIF部110を介してテレビ102に転送するのに要する時間である。言い換えれば、バッファ解放時間は、現時点から、バッファメモリ141の空き容量がある一定値以上に増加するまでに要する時間のことである。
【0145】
そして通信制御部144は、遅延時間がバッファ解放時間以下であれば(ステップS71、NO)、ステップS13に進み、携帯電話101を送信待機させる。他方、遅延時間がバッファ解放時間より長ければ(ステップS71、YES)、現時点ではバッファメモリ141の空き容量は十分では無いが、実際にデータフレームが送信されてくる時点においては十分な空き容量が確保出来る、と判断する。従って、ステップS16に進み、携帯電話101を送信待機させず、携帯電話101との無線通信を継続する。
【0146】
図22は、第1実施形態の図7と同様に、携帯電話に内蔵される無線LAN装置から、メモリカード103に内蔵される無線通信部140にデータが送信される際のフレームシーケンスである。
【0147】
図示するように、時刻t0で2つのデータフレームを受信した際、メモリカード103側ではバッファメモリ141の空き容量が一定値未満にまで減少したとする。すると通信制御部144は、遅延時間Δtdとバッファ解放時間Δtfとを予測し、両者を比較する。その結果、遅延時間Δtd>バッファ解放時間Δtfであったとする。すると、通信制御部144は、PwrMgtフィールドを“0”として、BlockAckフレームを時刻t2で携帯電話101へ送信する。これによって、携帯電話101は、引き続き継続してメモリカード103へデータフレームを送信出来る。
【0148】
3.本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であると、第1実施形態に較べてより効率の良い通信が可能となる。本効果につき以下説明する。
【0149】
アンテナ150で受信されたデータは、まず初めにバッファメモリ141に蓄えられる。しかしこのデータは、バッファメモリ141内にいつまでも残っているわけではない。例えば不揮発性メモリ130に書き込まれるためにバッファメモリ121に転送されたり、またはテレビ102へ転送されたりする。
【0150】
すると、バッファメモリ141の空き容量が少なくなったとしても、バッファメモリ141内のデータがすぐにバッファメモリ121やテレビ102に転送されるのであれば、バッファメモリ141の空き容量不足は、すぐに解消される。
【0151】
そこで本実施形態では、次にデータフレームが転送される時点でバッファメモリ141の空き容量不足が解消されると予測されるなら、たとえ現時点でバッファメモリ141の空き容量が一定値未満であっても、携帯電話101を送信待機させない。より具体的には、遅延時間Δtd>バッファ解放時間Δtfであれば、空き容量不足はすぐに解消されると判断出来る。
【0152】
これにより、携帯電話101を必要以上に送信待機させる必要がなく、より一層、効率のよい通信が可能となる。
【0153】
なお、本実施形態は第1実施形態に適用した場合を例に説明したが、第2乃至第5実施形態にも同様に適用出来る。例えば第2実施形態に適用する際には、図8のステップS12でYESの分岐の後に、ステップS70、S71の処理を実行し、遅延時間Δtd>バッファ解放時間Δtfであれば、ステップS16に進み、そうでなければステップS30に進む。例えば第4実施形態に適用する際には、図15のステップS12でYESの分岐の後に、ステップS70、S71の処理を実行し、遅延時間Δtd>バッファ解放時間Δtfであれば、ステップS52に進み、そうでなければステップS50に進む。
【0154】
[第8実施形態]
次に、第8実施形態に係るメモリ装置及びその制御方法について説明する。本実施形態は、上記第7実施形態のより詳細な具体例に対応するものである。
【0155】
1.メモリカードの構成について
1.1 メモリカードの全体構成について
図23は、本実施形態に係るメモリカード200のブロック図である。図示するようにメモリ装置200は、ホスト装置300と有線接続され、またホスト装置300から電力供給を受ける。ホスト装置300との間のインターフェース規格は、例えばSD規格(SDメモリインターフェース規格や、SDIOインターフェース規格を含む)やUSB等に対応する規格である。
【0156】
更にメモリ装置200は、無線通信装置400と無線接続可能とされている。この無線通信方式は、IEEE 802.11(IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、IEEE 802.11nも含む)規格に対応するように構成されてもよいし、別の無線規格であってもよい。
【0157】
メモリカード200は、制御部210、不揮発性メモリ220、無線通信部230、及びアンテナ240を備えている。
【0158】
無線通信部230は、無線通信装置400と無線通信を行い、またホスト装置300と有線通信を行う機能を有する。
【0159】
制御部210は、不揮発性メモリ220及び無線通信部230と接続される。そして制御部210は、無線通信部230から与えられるデータを不揮発性メモリ220へ書き込み、また不揮発性メモリ220から読み出したデータを無線通信部230へ転送する。
【0160】
不揮発性メモリ220は、メモリカード200への電源供給が停止されてもデータを保持し続けるメモリであり、例えばNAND型フラッシュメモリである。
【0161】
1.2 無線通信部230の構成について
次に、上記無線通信部230の構成について、引き続き図23を参照して説明する。図示するように無線通信部230は、CPU231、SDインターフェース部(SDIF部)232、メモリ233、無線処理部234、マスター(Master)インターフェース部(マスターIF部)235、及びバス236を備えている。
【0162】
無線処理部234は、アンテナ240を介して、IEEE 802.11(IEEE 802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g、IEEE 802.11nも含む)規格に対応した送信および受信処理を行う。そして、メモリ233から読み出したデータを無線通信装置400に送信したり、無線通信装置400から受信したデータをメモリ233に書き込んだりする。
【0163】
SDIF部232は、ホスト装置300との間で、SD規格(SDメモリインターフェース規格やSDIOインターフェース規格を含む)に対応した転送処理を行う。そして、メモリ233から読み出したデータをホスト装置300に送信したり、ホスト装置300から受信したデータをメモリ233に書き込んだりする。
【0164】
メモリ233は、SDIF部232及び無線処理部234がやりとりするデータを一時的に格納する。メモリ233は例えば半導体メモリであり、DRAMやSRAMである。ここで、本実施形態に係るメモリ233における、フレームを格納する容量を、例えばDATAフレーム2つ分とする。
【0165】
マスターIF部235は、制御部210とデータをやりとりするためのインターフェース機能を有する。そしてマスターIF部235は、例えばCPU231からの指示により、メモリ233に格納されるデータを制御部210へ転送したり、不揮発性メモリ220に保存されるデータを、制御部210を介して読み出す処理を行ったりする。
【0166】
CPU231は、無線通信部230全体の動作を制御する。すなわちCPU231は、無線通信部230内の各ブロックの制御を行い、またメモリ233に格納されるデータがマスターIF部235を経由して制御部210へ転送されるまでの時間を計算したり、更には無線接続が開始された場合にSDIF部232に「無線通信中」であることを示す状態を設定したりする。
【0167】
バス236は、上記の各機能ブロックを互いに通信可能に接続する。
【0168】
1.3 制御部210の構成について
次に、制御部210の構成について、引き続き図23を参照して説明する。図示するように制御部210は、CPU211、メモリ制御部212、スレーブ(Slave)インターフェース部(スレーブIF部)213、及びバス214を備えている。
【0169】
メモリ制御部212は、不揮発性メモリ220に対してデータの書き込み、読み出し、及び消去を行う機能を有する。そしてメモリ制御部212は、無線通信部230から転送されたデータを不揮発性メモリ220に書き込んだり、不揮発性メモリ220から読み出したデータを無線通信部230へ転送したりする。このためメモリ制御部212は、例えば少なくとも1ページ分(本実施形態では、DATAフレーム4つ分)の内部バッファを有する(図示せず)。
【0170】
スレーブIF部213は、無線通信部230とデータをやりとりするためのインターフェース機能を有する。そしてスレーブIF部213は、例えばマスターIF部235からの要求により、受信したデータをメモリ制御部212へ転送したり、メモリ制御部212から転送されたデータをマスターIF部235に送信したりする。
【0171】
CPU211は、制御部210全体の動作を制御する。
【0172】
バス214は、上記の各機能ブロックを互いに通信可能に接続する。
【0173】
1.4 第1乃至第7実施形態との対応関係について
上記説明した第1乃至第7実施形態と本実施形態は、例えば次のような関係にある。すなわち、先に説明したメモリカード103、テレビ102、及び携帯電話101は、それぞれ図23のメモリカード200、ホスト装置300、及び無線通信装置400に対応する。
【0174】
またIF部110、カードコントローラ120、不揮発性メモリ130、及び無線通信部140はそれぞれ、SDIF部232、制御部210、不揮発性メモリ220、及びSDIF部232を除く無線通信部230に対応する。
【0175】
更に、バッファメモリ141、送受信部142、並びに監視部143及び通信制御部144は、それぞれメモリ233、無線処理部234、及びCPU231に対応する。
【0176】
またバッファメモリ121は、スレーブIF部213に対応する。
【0177】
2.メモリカード200の動作について
2.1 データ通信の全体の流れについて
次に、本実施形態に係るメモリカード200の動作について、図24を用いて説明する。図24は、メモリカード200の各ブロック、ホスト装置300、及び無線通信装置400の間での信号やデータの授受を示すシーケンス図である。
【0178】
図示するように、
まず、無線通信装置400は、メモリカード200にデータを書き込むために書き込み要求(Write Request)を発行して、これをメモリカード200に送信する。このWrite Requestは、IEEE 802.11規格で規定されるフレームの1つ(例えば、データフレーム)を用いて送信される。図24におけるWrite Requestは、データフレームDATA1〜DATA4の4つのデータフレームの送信要求であると仮定する。
【0179】
無線処理部234は、このWrite Requestを受信すると、現在のステータスがビジー状態であることをSDIF部232に設定する。この場合、SDIF部232は、ビジー状態であることをホスト装置300に対して明示的に通知してもよいし、ホスト装置300から状態の問い合わせを受けたときに、ビジー状態を返答することでもよい。これにより、ホスト装置300がメモリカード200に対する電気の供給を不用意に停止してしまうことを回避する。
【0180】
引き続きメモリカード200は、無線通信装置400からDATA1及びDATA2を受信する。そして無線処理部234は、DATA2を受信してからSIFS(Short Inter Frame Space)期間の後に、DATA1及びDATA2に対するBlockAckフレームを無線通信装置400に送信する。
【0181】
また無線処理部234は、受信したDATA1及びDATA2をメモリ233に転送する。転送後、無線処理部234は、DATA1及びDATA2を受信完了したことを、CPU231に通知する。
【0182】
引き続き、CPU231の制御に従って、マスターIF部235はメモリ233からDATA1及びDATA2を読み出し、これをスレーブIF部213に転送する。
【0183】
マスターIF部235は、DATA1およびDATA2の転送が完了すると、メモリ233に転送成功を通知する。この後、メモリ233は、DATA1およびDATA2が格納されていたメモリ領域を解放し、データを書き込みができることを意味するレディ(Ready)状態であることを無線処理部234に通知する。
【0184】
ここで、ホスト装置300がメモリカード200の現在の状態を問い合わせてきた場合、SDIF部232は、ビジー状態(あるいは、無線通信中)であることを返答する。
【0185】
次に無線処理部234は、無線通信装置400からDATA3及びDATA4を受信する。このとき、DATA3及びDATA4が無線処理部234からメモリ制御部212に転送されるまでの手順は、先述した動作と同様である。
【0186】
メモリ制御部212は、内部バッファに転送されたデータが一定量溜まった場合、あるいはWrite Requestで要求されたサイズのデータ転送が終了した場合に、不揮発性メモリ220にデータを書き込む(図24の例では、内部バッファにDATA1〜DATA4が溜まった場合)。
【0187】
無線処理部234は、DATA3及びDATA4の転送が完了してメモリ233からのレディ通知を受けた後、ビジー状態を解除する設定をSDIF部232に行う。
【0188】
2.2 無線通信装置400を送信待機させるか否かの判断について
次に、無線通信装置400を送信待機させるか否かの判断について、引き続き図23及び図24を用いて説明する。以下では簡単化のために、メモリ233は、DATA1及びDATA2を格納すると、空き容量が一定値未満になる場合を仮定する。
【0189】
ここで、無線処理部234がBlockAckフレームを送信開始する時点から、DATA3フレームを受信し始めるまでの時間を統計的に観測した平均値をT1(第7実施形態におけるΔtdに相当する)する。また無線処理部234がBlockAckフレームを送信開始する時点から、メモリ233がレディ状態になる(メモリ233からDATA1およびDATA2が読みだされて、そのメモリ領域が解放される)までの時間をT2(第7実施形態におけるΔtfに相当する)とする。
【0190】
無線処理部234は、T1>T2であれば、BlockAckフレームのPwrMgtビットを“0”に設定して送信する(無線処理部234は、DATA3を受信するまでにはメモリ233の領域が解放されていると予測する)。
【0191】
他方、T1≦T2であれば、無線処理部234は、BlockAckフレームのPwrMgtビットを“1”に設定して送信する(無線処理部234は、DATA3を受信するまでにはメモリ233の領域が解放されていないと予測する)。
【0192】
3.本実施形態に係る効果
本実施形態により、第7実施形態と同様の効果が得られる。
【0193】
[変形例等]
上記のように、第1乃至第8実施形態に係るメモリ装置103は、第1インターフェース110、無線通信部140、第1メモリ130、及び第2メモリ141を備える。無線通信部140は、無線通信可能である。第1メモリ130は、不揮発にデータを格納可能である。第2メモリ141は、無線通信部140で受信したデータを一時的に保持可能である。無線通信部140は、第2メモリ141の残余容量が第1容量よりも少なくなった際には、第1フレームBlockAckを送信することにより、無線通信部140へのデータ送信が行われない期間を設定する。
【0194】
これにより、メモリ装置103が、無線チャネルを介して受信したデータを不揮発性メモリ130に書き込む際には、送信元装置101の送信を待機させることができる。そのため、メモリ装置103側で受信データが廃棄されることなく、効率よく不揮発性メモリ130へのデータ書き込みを実現できる。
【0195】
なお、上記実施形態は一例に過ぎず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、バッファメモリ141が無線通信部140に含まれる場合を例に説明したが、バッファメモリ141がカードコントローラ120内にある場合であってもよいし、無線通信部140及びカードコントローラ120の両方にあってもよい。バッファメモリ141は、無線通信によって受信したデータの一次メモリとして機能するものであって、二次メモリとして機能するメモリ(例えば不揮発性メモリ130や図20のバッファメモリ121)に較べて、読み出し及び書き込み動作を開始するまでの時間(レイテンシ)の短いメモリである。
【0196】
また、上記実施形態では、データフレームがアグリゲートされて送信され、これに対してBlockAckフレームを送信する場合を例に説明した。しかしながら、データフレームがアグリゲートされている必要はなく、この場合、通常の送達確認フレーム(無線方式が802.11規格であれば、ACKフレーム)を用いて上記実施形態を実施してもよい。
【0197】
更に、ホスト機器としてテレビ102及び携帯電話101の例を説明したが、ホスト機器はこれら以外の電子機器であってもよく、限定されない。例えば、デジタルビデオ、デジタルカメラ、ノートパソコン、またはPDA等であっても良い。
【0198】
またメモリ装置103もSDカードに限られず、その他のカードデバイスであってもよい。更に不揮発性メモリ130はNAND型フラッシュメモリに限らず、その他の半導体メモリであってよい。またメモリ装置103は、SDIOカードであってもよく、ストレージデバイスに限定されるものではない。つまり、無線機能と、無線によって受信したデータをバッファする構成を有していれば、限定されるものではない。更に、カードデバイスに限定されるものでもない。
【0199】
更に、上記実施形態は可能な限り組み合わせて実施することができ、また可能な限り単独で実施することも出来る。また上記実施形態においてフローチャートを用いて説明した動作も、可能な限りその順序を入れ替えることが出来る。
【0200】
なお、上記実施形態は、以下のものを含む。すなわち、
1.第1インターフェース(IF部110@図2)と、無線通信可能な無線通信部(無線通信部140@図2)と、データを格納可能な不揮発性の第1メモリ(不揮発性メモリ130@図2)と、前記無線通信部で受信したデータを一時的に保持可能な第2メモリ(ハ゛ッファメモリ141@図2)とを具備し、前記無線通信部は、前記第2メモリの残余容量が第1容量よりも少なくなった際には、第1フレーム(BlockAckのPwrMgtまたはDuration@図7,10)を送信することにより、該無線通信部へのデータ送信が行われない期間を設定するメモリ装置。
2.上記1において、前記無線通信部は、前記第2メモリの残余容量が前記第1容量以上になった際には、第2フレーム(QoS-Null with PwrMgt=0@図7)を送信することにより、前記期間を解除する。
3.上記1または2において、前記第1フレームは、前記期間の長さを示す情報(Duration field@図10)を含む。
4.上記1において、前記無線通信部は、前記期間の長さを示す情報(Duration field@図13)を前記第1フレームに格納可能であり、
前記情報を前記第1フレームに含める場合(Duration fieldに設定する場合@図13)には、前記無線通信部が前記期間を解除するためのフレームを送信することなく、前記期間の満了によって前記期間が解除され、
前記情報を前記第1フレームに含めない場合(Duration fieldに設定しない場合@図13)には、前記無線通信部は、前記第2メモリの残余容量が前記第1容量以上になった際には、第2フレーム(QoS-Null with PwrMgt=0@図7)を送信することにより前記期間を解除する。
5.上記1〜4において、前記第1フレームは、前記第2メモリの残余容量を示す第1情報(Remaining Buffer@図14)を含む。
6.上記5において、前記第1フレームは、前記無線通信部へのデータ送信を禁止する旨の第2情報(PwrMgt@図17)を更に格納可能であり、
前記第1フレームが前記第2情報を含み、且つ前記第2情報が前記データ送信を禁止する場合(PwrMgt=1@図17)、前記第1情報(RemainingBuffer@図17)は、前記データ送信の禁止の解除後に前記第2メモリが受信可能なデータフレーム数を示し、
前記第2情報が前記データ送信を禁止しない場合(PwrMgt=0@図17)、前記第1情報(RemainingBuffer@図17)は、前記第1フレーム送信後に前記第2メモリが受信可能なデータフレーム数を示す。
7.上記1〜6において、前記第1インターフェースは、前記無線通信部が通信を開始した際、無線通信中であることを外部に明示する。
8.上記1〜7において、前記無線通信部が無線通信を行っている際に前記第1インターフェースがアクセスを受け付けた際、前記無線通信部は前記第1フレームを送信して、該無線通信部へのデータ送信を禁止する。
9.上記1〜8において、前記第1インターフェースは無線通信可能である。
10.上記1〜9において、前記無線通信部は、前記第2メモリの残余容量が第1容量よりも少なくなった際、前記第1フレームを送信してからデータフレームを受信するまでの第1期間(Δtd@図22)と、前記第2メモリの残余容量が前記第1容量以上に増加するまでの第2期間(Δtf@図22)とを比較し、その比較結果に基づいて前記第1フレームを送信する。
11.第1インターフェース(IF部110@図2)と、無線通信部(無線通信部140@図2)と、不揮発性の第1メモリ(不揮発性メモリ130@図2)と、第2メモリ(ハ゛ッファメモリ141@図2)とを備えたメモリ装置の制御方法であって、
前記無線通信部が、無線通信によって第1データを受信するステップ(S10@図5)と、前記第1データを第2メモリに格納するステップ(S11@図5)と、前記第2メモリの残余容量が第1容量よりも少なくなった場合(S12,YES@図5)、前記無線通信部は、無線通信によって第1フレームを送信することにより、前記メモリ装置へのデータ送信を禁止するステップ(S13@図5)とを備えるメモリ装置の制御方法。
12.上記11において、前記第2メモリ内の前記第1データを前記第1メモリへ転送するステップと、前記第2メモリの残余容量が前記第1容量以上になった際に、前記無線通信部が第2フレーム(QoS-Null with PwrMgt=0@図7)を送信することにより、前記データ送信の禁止を解除するステップ(S15@図5)とを更に備える。
13.上記11または12において、前記第1フレームは、前記データ送信の禁止期間の長さを示す情報(Duration field@図10)を含む。
14.上記11において、前記無線通信部は、前記データ送信の禁止期間の長さを示す情報(Duration field@図13)を前記第1フレームに格納可能であり、
前記情報を前記第1フレームに含める場合(Duration fieldに設定する場合@図13)には、前記無線通信部が前記禁止期間を解除するためのフレームを送信することなく、前記禁止期間の満了によって前記禁止期間が解除され、
前記情報を前記第1フレームに含めない場合(Duration fieldに設定しない場合@図13)には、前記無線通信部は、前記第2メモリの残余容量が前記第1容量以上になった際には、第2フレーム(QoS-Null with PwrMgt=0@図7)を送信することにより前記禁止期間を解除する。
15.上記11〜14において、前記第1フレームは、前記第2メモリの残余容量を示す第1情報(Remaining Buffer@図14)を含む。
16.上記15において、前記第1フレームは、前記無線通信部へのデータ送信を禁止する旨の第2情報(PwrMgt@図17)を更に格納可能であり、
前記第1フレームが前記第2情報を含み、且つ前記第2情報が前記データ送信を禁止する場合(PwrMgt=1@図17)、前記第1情報(RemainingBuffer@図17)は、前記データ送信の禁止の解除後に前記第2メモリが受信可能なデータフレーム数を示し、
前記第2情報が前記データ送信を禁止しない場合(PwrMgt=0@図17)、前記第1情報(RemainingBuffer@図17)は、前記第1フレーム送信後に前記第2メモリが受信可能なデータフレーム数を示す。
17.上記11〜16において、前記無線通信部が通信を開始した際、無線通信中であることを前記第1インターフェースが外部に明示するステップを更に備える。
18.上記11〜17において、前記無線通信部が無線通信を行っている際に前記第1インターフェースがアクセスを受け付けた際、前記無線通信部は前記第1フレームを送信して、該無線通信部へのデータ送信を禁止するステップを更に備える。
19.上記11〜18において、前記第1インターフェースは無線通信可能である。
20.上記11〜19において、前記無線通信部は、前記第2メモリの残余容量が第1容量よりも少なくなった際、前記第1フレームを送信してからデータフレームを受信するまでの第1期間(Δtd@図22)と、前記第2メモリの残余容量が前記第1容量以上に増加するまでの第2期間(Δtf@図22)とを比較し、その比較結果に基づいて前記第1フレームを送信する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0201】
100…無線通信システム、101…携帯電話、102…テレビ、103…メモリカード、110…IF部、111…レジスタ、120…カードコントローラ、121、141…バッファメモリ、130…不揮発性メモリ、140…無線通信部、142…送受信部、143…監視部、144…通信制御部、150…アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1インターフェースと、
無線通信可能な無線通信部と、
データを格納可能な不揮発性の第1メモリと、
前記無線通信部で受信したデータを一時的に保持可能な第2メモリと
を具備し、前記無線通信部は、前記第2メモリの残余容量が第1容量よりも少なくなった際には、第1フレームを送信することにより、該無線通信部へのデータ送信が行われない期間を設定する
ことを特徴とするメモリ装置。
【請求項2】
前記無線通信部は、前記第2メモリの残余容量が前記第1容量以上になった際には、第2フレームを送信することにより、前記期間を解除する
ことを特徴とする請求項1記載のメモリ装置。
【請求項3】
前記第1フレームは、前記期間の長さを示す情報を含む
ことを特徴とする請求項1または2記載のメモリ装置。
【請求項4】
第1インターフェースと、無線通信部と、不揮発性の第1メモリと、第2メモリとを備えたメモリ装置の制御方法であって、
前記無線通信部が、無線通信によって第1データを受信するステップと、
前記第1データを第2メモリに格納するステップと、
前記第2メモリの残余容量が第1容量よりも少なくなった場合、前記無線通信部は、無線通信によって第1フレームを送信することにより、前記メモリ装置へのデータ送信を禁止するステップと
を備えるメモリ装置の制御方法。
【請求項5】
前記第2メモリ内の前記第1データを前記第1メモリへ転送するステップと、
前記第2メモリの残余容量が前記第1容量以上になった際に、前記無線通信部が第2フレームを送信することにより、前記データ送信の禁止を解除するステップと
を更に備えることを特徴とする請求項4記載のメモリ装置の制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2012−204880(P2012−204880A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64934(P2011−64934)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】