説明

メモ用具

【課題】快適にメモを書き留めることを可能とするとともに、書き留めたメモの内容を他人に容易に見られることを防止できるメモ用具を提供する。
【解決手段】メモ用具1は、筆記動作において筆記を被るシートである被筆記部11と、被筆記部11を収納する中空部Sおよび中空部Sに収納された被筆記部11を外部へ引き出し可能とする開口部Oを有するケースである収納部12と、収納部をユーザの手首に装着するバンドまたは粘着体である装着部13と、一端が被筆記部11に連結されているフック14とを備える。ユーザの手首に装着されたメモ用具1の収納部12の中から被筆記部11がユーザの手の甲の方向に引き出されている状態において、ユーザはフック14を指の間で挟むことにおり被筆記部11を手の甲の上において安定させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば一般事務等の現場において用いられるメモ用具に関する。
【背景技術】
【0002】
メモ用具、すなわち一般事務等の現場においてメモを書き留めるための用具として、古くからメモ用紙が用いられ、近年では付箋紙も広く利用されている。付箋紙は、書き留めたメモの内容を一時的に壁など目に付くところに貼っておく際に便利である。
【0003】
特許文献1には、常時、付箋紙に書き留めたメモの内容を掲示可能とするメモ用具として、付箋紙を収容するビニールケースの取り付けられたリストバンドが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−206996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの人が、ふとかかってきた電話の内容をメモとして書き留めたいがメモ用紙が見つからずに困ったという経験をしている。
【0006】
また、病院で病床を巡回しながら様々な業務を行う必要がある看護師等の医療従事者や、ツアー客に伴い旅行をしつつ様々な業務を行う必要があるツアーコンダクターなどは、片手がふさがった状態でメモを書き留めたい、時間を短縮したい、といった理由のために、メモ用紙をポケット等に出し入れすることに煩わしさと感じている。
【0007】
現状では、上述したような状況において、自分の手にメモを書き留める人も多い。
【0008】
手にメモを書き留める場合、筆記具によっては書きにくい、手が汚れる、といった問題が生じる。さらに、特に医療情報など秘匿すべき情報を扱う可能性の高い医療従事者などが手にメモを書き留めることは、書き留めたメモの内容が容易に他人に見られてしまう可能性があるため、情報セキュリティの観点からも望ましくない。そのため、従業員に対し手にメモを書き留めることを禁じている医療機関等もある。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑み、快適にメモを書き留めることを可能とするとともに、書き留めたメモの内容を他人に容易に見られることを防止できるメモ用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明は、
筆記動作において筆記を被るシートである被筆記部と、
前記被筆記部を収納する中空部と、前記中空部に収納された前記被筆記部を外部へ引き出し可能とする開口部とを有するケースである収納部と、
前記収納部をユーザの手首に装着するバンドまたは粘着体である装着部とを備える
メモ用具を提供する(第1の実施態様)。
【0011】
また、上記の第1の実施態様において、
前記収納部が前記装着部によりユーザの手首に装着されている状態において、前記被筆記部は当該ユーザの手の甲もしくは手の平の方向に引き出される
構成を採用してもよい(第2の実施態様)。
【0012】
また、上記の第2の実施態様において、
前記被筆記部に連結されたフックであって、前記収納部が前記装着部によりユーザの手首に装着され前記被筆記部が当該ユーザの手の甲もしくは手の平の方向に引き出されている状態において当該ユーザの指の間に挟まれることにより、もしくは当該ユーザの指に装着されている指輪に引っ掛けられることにより、前記被筆記部を当該ユーザの手の甲もしくは手の平の上において安定させるフックを備える
構成を採用してもよい(第3の実施態様)。
【0013】
また、上記の第1の実施態様において、
前記収納部が前記装着部によりユーザの手首に装着されている状態において、前記被筆記部は当該ユーザの手首の円周方向に沿って引き出される
構成を採用してもよい(第4の実施態様)。
【0014】
また、上記の第4の実施態様において、
前記被筆記部に連結された第1の係合部と、前記収納部の前記開口部が配置されている側部に対向する側部に連結された第2の係合部とを備え、
前記収納部が前記装着部によりユーザの手首に装着され前記被筆記部が当該ユーザの手首の円周方向に沿って引き出されている状態において前記第1の係合部と前記第2の係合部が互いに係合されることにより、前記被筆記部が当該ユーザの手首上において安定する
構成を採用してもよい(第5の実施態様)。
【0015】
また、上記の第1乃至5のいずれかの実施態様において、
前記収納部の内部に、前記被筆記部を巻き取るための巻き取り機構を備える
構成を採用してもよい(第6の実施態様)。
【0016】
また、上記の第1乃至6のいずれかの実施態様において、
前記被筆記部は、前記巻き取り機構により前記収納部の内部に巻き取られる方向に付勢されている
構成を採用してもよい(第7の実施態様)。
【0017】
また、上記の第7の実施態様において、
前記付勢を抑制する抑制機構を備えている
構成を採用してもよい(第8の実施態様)。
【0018】
また、上記の第1乃至8のいずれかの実施態様において、
前記被筆記部は、前記筆記動作において筆記具が触れる紙と、前記紙の筆記具が触れる面と反対側の面に接し前記筆記動作において前記紙を支持するベースシートとを有する
構成を採用してもよい(第9の実施態様)。
【0019】
また、上記の第1乃至8のいずれかの実施態様において、
前記被筆記部は、ロール紙を有する
構成を採用してもよい(第10の実施態様)。
【0020】
また、上記の第1乃至8のいずれかの実施態様において、
前記被筆記部は、ホワイトボードシートを有する
構成を採用してもよい(第11の実施態様)。
【0021】
また、上記の第1乃至8のいずれかの実施態様において、
前記被筆記部は、前記筆記動作における筆跡を認識し、認識した筆跡を示す筆跡データを生成するセンサである筆跡データ生成部を有し、
前記筆跡データ生成部により生成された筆跡データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている筆跡データが示す筆跡を表示する表示部とを備える
構成を採用してもよい(第12の実施態様)。
【0022】
また、上記の第12の実施態様において、
ユーザの生体から当該ユーザ固有の生体情報を取得し、取得した生体情報を示す生体特徴データを生成するセンサである生体特徴データ生成部を備え、
前記記憶部は正当なユーザの生体から得られた当該正当なユーザ固有の生体情報を示す参照用の生体特徴データを記憶し、
前記生体特徴データ生成部により生成された生体特徴データと前記記憶部に記憶されている前記参照用の生体特徴データとを照合することにより現在のユーザが前記正当なユーザであるか否かを判定する本人認証部を備え、
前記表示部は、前記本人認証部により現在のユーザが前記正当なユーザであると判定された場合に限り、前記記憶部に記憶されている筆跡データが示す筆跡を表示する
構成を採用してもよい(第13の実施態様)。
【0023】
また、上記の第1乃至13のいずれかの実施態様において、
前記筆記動作に用いられる筆記具を着脱可能に備える
構成を採用してもよい(第14の実施態様)。
【0024】
また、上記の第1乃至14のいずれかの実施態様において、
時計、電卓、およびタイマーのうち1以上を備える
構成を採用してもよい(第15の実施態様)。
【0025】
また、上記の第1乃至14のいずれかの実施態様において、
前記収納部は、時計、電卓、およびタイマーのうち1以上の機能を備える電子デバイスを着脱可能に保持する保持機構を有する
構成を採用してもよい(第16の実施態様)。
【発明の効果】
【0026】
本発明の第1の実施態様にかかるメモ用具によれば、例えばメモ用具を装着している手が塞がっているような場合や、ポケットからメモ用紙を取り出すことが煩わしいような状況においても、筆記具さえあれば、すぐさまメモを書き留めることができる。その後、メモの内容が書き留められた被筆記部が収納部に収納されるため、収納部が透明ケース等でない限り、メモの内容が容易に他人から見られることがなく、情報セキュリティ上の問題を生じない。
【0027】
また、本発明の第2の実施態様にかかるメモ用具によれば、ユーザは被筆記部を手の甲もしくは手の平の方向に引き出すことで、メモ用具を容易に使用可能な状態にすることができる。
【0028】
また、本発明の第3の実施態様にかかるメモ用具によれば、引き出した被筆記部をユーザの手の甲もしくは手の平の上において安定させることができるので、筆記の際に被筆記部がずれて文字等を書きにくいという問題が低減される。
【0029】
また、本発明の第4の実施態様にかかるメモ用具によれば、ユーザは被筆記部を手首の円周方向に沿って引き出すことで、メモ用具を容易に使用可能な状態にすることができる。
【0030】
また、本発明の第5の実施態様にかかるメモ用具によれば、引き出した被筆記部をユーザの手首の上において安定させることができるので、筆記の際に被筆記部がずれて文字等を書きにくいという問題が低減される。
【0031】
また、本発明の第6の実施態様にかかるメモ用具によれば、巻き取り機構を備えない場合と比較し引き出される被筆記部の長手方向の長さを長くすることができ、文字等を書く領域を広く確保することができる。
【0032】
また、本発明の第7の実施態様にかかるメモ用具によれば、巻き取り機構による被筆記部の巻き取りを自動で行わせることが可能となり便利である。
【0033】
また、本発明の第8の実施態様にかかるメモ用具によれば、被筆記部を引き出したところで巻き取り機構による巻き取りの付勢を抑制することにより、ユーザは希望する位置で被筆記部を定着させることができる。
【0034】
また、本発明の第9の実施態様にかかるメモ用具によれば、引き出し等に必要な強度がない紙であってもベースシートに取り付けることで、メモの記録媒体として利用することができる。
【0035】
また、本発明の第10の実施態様にかかるメモ用具によれば、ロール紙のうち古いメモが書き留められている部分を切り取って、それに続く部分を引き出して使うことにより、被筆記部の取り替えの手間を軽減することができる。
【0036】
また、本発明の第11の実施態様にかかるメモ用具によれば、ホワイトボード上に書き留めた文字等を容易に消して再度、新たなメモを書き留めることができるため、被筆記部の取り替えの手間を要さず便利である。
【0037】
また、本発明の第12の実施態様にかかるメモ用具によれば、電子的な方法により筆跡を認識しデータとして記憶および表示することが可能なので、被筆記部の取り替えを要しない、筆記された文字等が擦れて不鮮明になるといった問題が生じない、等の利便性がもたらされる。
【0038】
また、本発明の第13の実施態様にかかるメモ用具によれば、本人認証機能により正当なユーザのみがメモの内容を閲覧できるので、情報セキュリティの観点から望ましい。
【0039】
また、本発明の第14の実施態様にかかるメモ用具によれば、筆記具が着脱可能に備えられているので、メモを取りたい時に筆記具を探す必要がなく便利である。
【0040】
また、本発明の第15の実施態様にかかるメモ用具によれば、メモを書き留めることに加え、時間の確認、各種計算および所定時間の経過の確認の少なくとも一つが可能であり便利である。
【0041】
また、本発明の第16の実施態様にかかるメモ用具によれば、ユーザは必要に応じて選択した機能を有する電子デバイスをメモ用具に取り付けることができるため、メモ用具が様々な機能を有する電子デバイスを予め備える場合と比較し、コストの低減や軽量化がもたらされるとともに、例えば異なるデザインの電子デバイスを好みに応じて付け替えることもでき、便利である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態にかかるメモ用具の概略図である。
【図2】図2は、図1のメモ用具のAA´線矢視断面図である。
【図3】図3は、図1のメモ用具のBB´線矢視断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態の一変形例にかかるメモ用具におけるロール紙および紙切り具を示した図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態の一変形例にかかるメモ用具が備える筆記具を示した図である。
【図6】図6は、本発明の第2実施形態にかかるメモ用具の概略図である。
【図7】図7は、本発明の第2実施形態にかかるメモ用具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
[1.第1実施形態]
以下、本発明の一具体例である実施形態を図面を用いて説明する。図1は本実施形態にかかるメモ用具1の概略図である。また、図2は本実施形態にかかるメモ用具1のAA´線矢視断面図である。
【0044】
メモ用具1は、筆記動作において筆記を被るシートである被筆記部11と、被筆記部11を収納する中空部Sおよび中空部Sに収納された被筆記部11を外部へ引き出し可能とする開口部Oを有するケースである収納部12と、収納部12をユーザの手首に装着するバンドである装着部13と、被筆記部11に連結されたフック14と、被筆記部11を巻き取るための巻き取り機構15と、巻き取り機構15による付勢を抑制する抑制機構16と、筆記具17と、時計18とを備えている。
【0045】
被筆記部11は、図3に示されるように、筆記動作において筆記具(例えば、ボールペンの先端のボール)が触れる紙111と、紙111において筆記具が触れる面とは反対側の面に接して上述の筆記動作において紙111を支持するベースシート112とを有する。
【0046】
紙111は、例えば、長手方向の長さが6センチメートルで、当該長手方向と垂直な方向の長さが2.5センチメートルの矩形状の厚さが例えば0.1〜0.3ミリメートル程度の薄いシートである。
【0047】
ベースシート112は、例えば、合成樹脂製の柔軟性の高いシートであり、その厚さは例えば0.1〜0.3ミリメートル程度である。
【0048】
図3は、本実施形態にかかるメモ用具1のBB´線矢視断面図である。ベースシート112は、紙111をしっかりと支持することが可能なように、例えば、図3に示されるような(長手方向に垂直な)断面を有している。また、ベースシート112の長手方向の長さは、紙111の6センチメートルよりも若干長い。すなわち、ベースシート112は、例えば、紙111における一方の面を完全に覆いつつ支持し、紙111における当該一の面とは反対側の他方の面を上述の長手方向の側面から約2ミリメートル覆いつつ支持する。
【0049】
ベースシート112は、上述のように柔軟性が高いので、ベースシート112に対する紙111の着脱は、ユーザの指による作業によって容易に行うことができる。
【0050】
ユーザは、紙111のベースシート112に覆われていない領域に対し、適宜メモを書き込むことが可能である。
【0051】
なお、後述するように、被筆記部11は、例えば、手の甲の上に引き出されるか、手の平の上に引き出されて使用されることも想定されるが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、被筆記部11は、文字等が筆記される際に、手の甲および手の平以外の部分の上に引き出されてもよい。
【0052】
収納部12は、例えば、縦および横の長さが3センチメートルで、高さが1センチメートルの直方体状の形状を有する部材である。また、収納部12の素材は、例えば合成樹脂である。
【0053】
収納部12は、被筆記部11を収納可能な中空部Sおよび被筆記部11を外部へ引き出し可能とする開口部Oを有し、被筆記部11を中空部Sに収納した状態と被筆記部11を開口部Oから外部へ引き出した状態との両方を実現することができる。
【0054】
収納部12は、ユーザの手首に装着される場合において、手首の円周上のいかなる位置に配置されてもよい。ただし、以下の説明において、収納部12はユーザの手首においてユーザの手の甲の側に装着されるものとする。
【0055】
中空部Sは、収納部12のケース壁面によりその内部に形成される直方体状の空間であり、上述のように被筆記部11を配置可能であるとともに、後述する巻き取り機構15を配置することも可能である。
【0056】
開口部Oは、上述のように、収納部12の中から被筆記部11を外部に引き出すことを目的として設けられるスリット状の開口部分である。より具体的には、開口部Oは、例えば収納部12がユーザの手首に装着されている状態において、収納部12におけるユーザの手の甲の側に位置する側面内に設けられている横方向の長さが2.8センチメートルで高さ方向の長さが4ミリメートルの矩形状の孔である。
【0057】
装着部13は、例えば、一部の腕時計のバンドに用いられるような合成樹脂製のバンドであり、収納部12がユーザの手首に装着されている状態において、ユーザの手首の円周方向に巻き付く構成を有している。
【0058】
装着部13は、より具体的には、長手方向に細長い2本の略矩形板状の部材から構成され、これら2本の部材の一方の端部のそれぞれが、収納部12におけるユーザの手首の円周方向の側に位置する側面の各々に取り付けられている。そして、装着部13の一方の部材の収納部12に取り付けられていない側の端部に取り付けられている止め金具が、装着部13の他方の部材に設けられた複数の孔のいずれかと係合されることにより、収納部12がユーザの手首にしっかりと装着される。
【0059】
フック14は、一方の端部が被筆記部11に連結されており、他方の端部が例えばユーザの指の間に挟むことが可能なように先端が膨らんだような形状を有している。また、フック14は、例えば合成樹脂製である。
【0060】
フック14は、ユーザが被筆記部11を引き出す際に摘む部分として利用されるとともに、筆記の際に被筆記部11を手の甲の上で安定させるためにユーザが指の間(例えば、中指と薬指の間)に挟み込む部分として利用される。その際、フック14の先端が膨らんだような形状を有している部分は、指の間を手の甲から手の平側に通った後、指の腹(手の平側の部分)に接した状態でホールドされる。
【0061】
巻き取り機構15は、例えば、被筆記部11に対し、収納部12の中に引き込む方向に付勢するゼンマイである。
【0062】
巻き取り機構15は、上述のように、中空部Sの中に配置されている。より具体的には、収納部12がユーザの手首に装着されている状態において、中空部Sにおけるユーザの手の甲とは反対側の側部付近に、手首の円周方向に沿った方向の直線を軸として被筆記部11を巻き取り可能に配置されている。
【0063】
そして、上述のゼンマイの一方の端部が被筆記部11の一方の端部と連結されていることにより、巻き取り機構15は、上述のように被筆記部11を収納部12の中へ引き込むように付勢し、その結果、被筆記部11が中空部Sの中に配置されることになる。
【0064】
なお、ベースシート112は、上述のように高い柔軟性を備えているので、紙111とともに巻き取り機構15によって巻き取られる。
【0065】
抑制機構16は、巻き取り機構15による巻き取りの付勢を抑制するための機構である。より具体的には、抑制機構16は、自動巻き取り式の巻き尺に用いられているような、ゼンマイによる巻き取りの付勢を抑制するロック機構と、そのロックを解除するためのボタンとを有している。
【0066】
抑制機構16によって、ユーザが被筆記部11を収納部12から希望する長さだけ引き出すと被筆記部11がその状態で固定される。そして、ユーザが抑制を解除するためのボタンを押下すると、引き出されていた被筆記部11が収納部12の中へ引き込まれ、巻き取り機構15により巻き取られる。
【0067】
上述の巻き取り機構15によって、ユーザは被筆記部11を収納部12の中から引き出して広いスペースにメモを書き留めることができるとともに、メモを書き留め終わった後にはボタンを押下するだけで被筆記部11を収納部12内に収納することができる。
【0068】
筆記具17は、例えば、比較的小さいボールペンである。例えば、収納部12におけるユーザの手の甲とは反対側の側面には、中空状の円筒が設けられており、上述のボールペンは不使用時にその円筒に差された状態で保持されている。そして、ユーザは筆記の際、ボールペンを円筒から抜いて使用する。
【0069】
時計18は、ユーザに対し時刻の表示等の機能を提供する電子デバイスである。時計18は、収納部12における手首と接触しない側、すなわち通常の姿勢をとっているユーザから目視可能な側の面に固着されている。
【0070】
以上のような構成を有するメモ用具1の使用方法の一例を以下に説明する。
【0071】
例えば看護師であるユーザが、装着部13を用いてメモ用具1を左の手首に装着する。この場合、収納部12は手首における手の甲の側に配置されるものとする。
【0072】
ユーザが、例えば患者の血圧を一時的にメモしたいとする。この場合、ユーザはフック14の膨らんだ先端を右手の指で摘んで、膨らんだ先端が左手の中指と薬指の間を通過した後にそれらの指の腹側に接する位置に達するまで引き出した後、それらの指でフック24を挟み込む。その結果、ユーザの左手の甲の上に被筆記部11が配置されることになる。
【0073】
その際、被筆記部11のユーザから目視可能な側面上には紙111が配置されているので、ユーザはメモ用具1の本体から取り外した筆記具17を用いて、紙111に対し患者の血圧等をメモすることができる。
【0074】
その後、ユーザが抑制機構16のボタンを押下すると、巻き取り機構15により被筆記部11が巻き取られて収納部12内に収納される。
【0075】
この状態では紙111にメモされた内容は他人に見られることがないので、情報セキュリティの観点からも望ましい。
【0076】
ユーザが紙111に書き留めたメモの内容を見たい場合、ユーザは再び被筆記部11を引き出せばよい。また、紙111に書き留めたメモが不要となれば使用済みの紙111をベースシート112から取り外して新しい紙111をベースシート112に取り付けることにより、メモ用具1を繰り返し使用することができる。
【0077】
以下、本実施形態の変形例について、図面を用いて説明する。なお、以下の説明においては上述した実施形態との差異を中心に記述する。
【0078】
(変形例1)
本変形例のメモ用具1は、上述した実施形態のメモ用具1が備えるゼンマイを有する巻き取り機構15の代わりに、手動にて被筆記部11を巻き取る巻き取り機構を備えている。また、本変形例のメモ用具1においては、被筆記部11として、紙111およびベースシート112の代わりにロール紙113が用いられる。
【0079】
図4(a)はメモ用具1から取り外された状態のロール紙113を、また図4(b)はメモ用具1に取り付けられた状態のロール紙113を示している。
【0080】
図4に示されるように、ロール紙113は、トイレットペーパーのように、紙が引き出し可能に巻かれた状態のものである。
【0081】
ロール紙113は、例えば収納部12がユーザの手首に装着されている状態において、手首の円周方向に巻き取りの軸が沿うように中空部Sの中に配置される。そして、ユーザはロール紙113の先端付近の部分を中空部Sから開口部Oを通過して外部に向かう方向に引き出し手の甲の上に配置させることで、筆記可能な状態にすることができる。
【0082】
この際、図4(c)に示されるように、ロール紙113の先端にフック14が連結された紙切り具19が取り付けられていれば便利である。すなわち、ロール紙113の一部に書き留めたメモが不要となった場合、ユーザはロール紙113を適当な長さだけ引き出し、不要な部分を紙切り具19により切り取ることにより、新たなメモを書き留めることが可能となる。
【0083】
紙切り具19は、開いた状態から閉じられる際にロール紙113をカットするとともに、閉じられた状態でロール紙113の端部をホールドする。そのため、ユーザがフック14を引くと、それにともない紙切り具19にホールドされたロール紙113が引き出されることになる。
【0084】
また、ユーザはメモを書き留めた後、引き出されているロール紙113を収納部12に収納したい場合、例えば手動の巻き取り機構が備えるハンドルを回転させる。巻き取り機構のハンドルにはロール紙113の芯部が連結されており、ユーザによるハンドルの回転に応じて芯部が回転することにより、ロール紙113の巻き取りが行われる。
【0085】
(変形例2)
本変形例においては、被筆記部11としてホワイトボードシート114が用いられる。
【0086】
筆記具17のペン先は、ホワイトボードシート114に文字等を書くことができるような、例えばフェルトが素材として用いられる。
【0087】
図5に示されるように、筆記具17の後端部には例えば合成樹脂製のスポンジ状素材やフェルト等の素材のイレーサが取り付けられており、ユーザはホワイトボードシート114の表面にそのイレーサを擦りつけることにより容易に不要なメモを消すことができる。
【0088】
[2.第2実施形態]
以下、上述の第1実施形態とは異なる本発明の他の具体例を第2実施形態として、図面を用いて説明する。図6は第2実施形態にかかるメモ用具2の概略図である。また、図7はメモ用具2の断面図である。
【0089】
メモ用具2は、筆記動作において筆記を被るシートである被筆記部21と、被筆記部21を収納する中空部Sおよび中空部Sに収納された被筆記部21を外部へ引き出し可能とする開口部Oを有するケースである収納部22と、収納部22をユーザの手首に装着するバンドである装着部23と、被筆記部21に連結されたフック24と、被筆記部21を巻き取るための巻き取り機構25と、巻き取り機構25による付勢を抑制する抑制機構26と、筆記具27と、後述する記憶部28と、後述する表示部29と、後述する生体特徴データ生成部30と、後述する本人認証部31とを備えている。
【0090】
なお、収納部22、装着部23、フック24、巻き取り機構25および抑制機構26は、上述した第1実施形態のメモ用具1が備える収納部12、装着部13、フック14、巻き取り機構15および抑制機構16と同様の構成を有している。
【0091】
被筆記部21は、筆記動作における筆跡を認識し、認識した筆跡を示す筆跡データを生成するセンサである筆跡データ生成部211を有する。なお、筆跡データ生成部211は抵抗膜方式、電磁誘導方式、静電容量方式など、閾値以上の圧力が加えられている二次元上の位置を感知するセンサであり、巻き取りに要する柔軟性を持たせることが可能ないずれの方式のセンサであってもよい。
【0092】
筆記具27は、被筆記部21に対する閾値以上の加圧を容易とするように、その先端が丸みを帯びたペン先の形状をしている。そして、ユーザが筆記具27を用いて被筆記部21に対し筆記動作を行うと、筆記具27の先端により筆跡データ生成部211に閾値以上の圧力が加えられながらその位置が順次移動するため、筆跡データ生成部211が筆記具27の先端の経路上の二次元上の位置を順次感知する。そのように筆跡データ生成部211により感知された位置を示す座標データの列が筆跡を示す筆跡データとして筆跡データ生成部211により生成される。なお、例えば筆跡データ生成部211に電磁誘導方式が採用される場合には筆記具27としては電子ペンのように、筆跡データ生成部211に採用されるセンサの方式に応じて、筆記具27の構成が決定される。
【0093】
記憶部28は、筆跡データ生成部211によって生成された筆跡データを記憶する。また、記憶部28は、本人認証を目的として、正当なユーザの生体固有の生体情報(例えば、指紋)を示す参照用の生体特徴データを記憶する。
【0094】
表示部29は、筆跡データ生成部211による筆跡データの生成とほぼ同時に筆跡データに従い筆跡を表示するとともに、ユーザの所定の操作による表示要求に応じて記憶部28に記憶されている筆跡データが示す筆跡を表示する構成部であり、例えば液晶パネルである。より具体的には、例えば薄い矩形板状を有する表示部29が、収納部22における手首と接触しない側、すなわち通常の姿勢をとっているユーザが目視可能な側の面に固着される。
【0095】
生体特徴データ生成部30は、ユーザの生体からユーザ固有の生体情報(例えば、指紋)を取得し、取得した生体情報を示す生体特徴データを生成するセンサである。
【0096】
本人認証部31は、生体特徴データ生成部30により生成された生体特徴データと、記憶部28に記憶されている参照用の生体特徴データとを照合し、その照合結果に従い、現在のユーザが正当なユーザであるか否かを判定する。
【0097】
まお、本人認証部31の配置位置は任意であるが、例えば生体特徴データとして指紋データが採用される場合には表示部29の隅に配置されることが望ましい。そのような位置に配置されれば、指紋による本人認証の際、ユーザが容易に指先を本人認証部31に触れさせることが可能となるためである。
【0098】
表示部29は、本人認証部31により現在のユーザが正当なユーザであると判定された場合に限り、ユーザによる所定の操作に応じて、記憶部28に記憶されている上述の筆跡データが示す筆跡を表示する。
【0099】
以上のような構成を有することにより、メモ用具2は、被筆記部21に書き留められたメモの内容を正当なユーザのみが表示部29上で閲覧可能となり、情報セキュリティの観点から望ましい。
【0100】
以下、本実施形態の変形例について説明する。なお、当該説明においては、本実施形態との差異を中心に記述する。
【0101】
(変形例1)
本変形例においては、被筆記部21が筆跡データ生成部211に加え、筆跡データ生成部211と層状に配置された、もしくは筆跡データ生成部211と一体に配置された、表示パネルを有している。なお、被筆記部21が備える表示パネルの方式は有機ELパネル等、巻き取りに要する柔軟性を持たせることが可能ないずれの方式が採用されてもよい。
【0102】
被筆記部21はユーザによる筆記動作に伴い、筆跡データ生成部211による筆跡データの生成とほぼ同時に、生成された筆跡データに従って筆跡を表示パネルに表示させる。その結果、ユーザは紙に鉛筆等の筆記具を用いて筆記を行う場合と同様に、自分の筆記動作に伴い生成される筆跡を即時に確認しながら筆記動作を継続することができる。
【0103】
[3.変形例]
上述した第1実施形態および第2実施形態は、上述した各々の変形例の他にも、本発明の技術的思想の範囲内で様々に変形可能である。
【0104】
例えば、上述したメモ用具1の各要素の長さ、距離、および形状はあくまでも一例であり、本発明を限定するものではない。したがって、例えば収納部12の形状を直方体状ではなく卵状の形状とするなど、様々な変更が可能である。
【0105】
また、被筆記部11は、収納部12に収納された状態からいかなる方向に引き出されて使用されてもよい。例えば、収納部12がユーザの手首に装着された状態において、被筆記部11がユーザの手首の円周方向に引き出されてもよい。そのような場合、被筆記部11の端部に設けられた第1の係合部が、収納部12における開口部Oが配置されている側部に対向する側部に設けられた第2の係合部と係合することによって、被筆記部11がユーザの手首の上において安定する構成が採用されることが望ましい。なお、第1の係合部および第2の係合部としては、例えば、スナップボタンや面ファスナー等が考えられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0106】
また、装着部13は、腕時計のバンドに用いられるような合成樹脂製のバンドであるとしたが、収納部12をユーザの手首に装着する機能を有するものであれば、いかなる素材や構成が採用されてもよい。例えば、ユーザの皮膚に対し十分な粘着性を有し無害であれば、収納部12の裏面に貼られた両面テープのような単なる粘着体であってもよい。
【0107】
また、フック14は、一方の端部が被筆記部11に連結されており、他方の端部がユーザの指の間に挟むことが可能なように先端が膨らんだような形状を有しているとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、先端が膨らんだような形状である代わりに「T」字形状が採用されてもよい。また、フック14の先端を鉤爪のような形状とすることで、ユーザの指に装着されている指輪等に係止可能としてもよい。
【0108】
また、フック14を環状の紐とし、ユーザのいずれかの指に直接、係止可能としてもよい。また、フック14をストラップとその先に取り付けられた小型のマスコットや装飾玉のように構成し、ユーザが好みに応じてフック14を取り替え可能としてもよい。さらに、特に問題がなければ、フック14は設けられなくてもよい。
【0109】
また、フック14の先端の部分を残して他の部分が被筆記部11とともに巻き取り機構15により収納部12内に巻き取られる構成が採用されてもよい。その場合、被筆記部11の不使用時にフック14がさほど邪魔とならず便利である。
【0110】
また、フック14は合成樹脂製であるとしたが、その他の素材によって作られていてもよい。
【0111】
また、巻き取り機構15は、特に問題がなければ設けられなくてもよい。ただし、巻き取り機構15が設けられなければ、被筆記部11の長手方向の長さは収納部12のサイズによって制約を受けることとなる。
【0112】
また、抑制機構16は、巻き取り機構15による巻き取りの付勢を抑制するための機構であれば、いかなる機構が採用されてもよい。また、特に問題がなければ、抑制機構16は設けられなくてもよい。抑制機構16が設けられない場合、ユーザは筆記時にはフック14を指の間に挟むことで巻き取りの付勢に抗い、筆記が完了すると単にフック14を指の間から解放することによりロック解除のボタンの押下を要することなく、被筆記部11を収納部12内に収納させることができる。
【0113】
また、筆記具17は収納部12の外側面に設けられた中空状の円筒によりメモ用具1に保持されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、中空上の円筒を収納部12の内部に配置させ、不使用時の筆記具17を収納部12の内部に収納可能としてもよい。また、特に問題がなければ、筆記具17は設けられなくてもよい。
【0114】
また、メモ用具1が時計18に代えて、もしくは加えて、電卓もしくはタイマーを備えるようにしてもよい。さらに、メモ用具1がそれら以外の機能を有するデバイス(電子デバイスに限られない)を備えるようにしてもよい。
【0115】
また、収納部12は、時計、電卓、およびタイマーに代表される各種デバイス(電子デバイスに限られない)を着脱可能に保持する保持機構を有していてもよい。その場合、ユーザはモジュールとして提供される各種デバイスのうち自分の好みやニーズにあったものを選択して収納部12に取り付けることにより、より快適にメモ用具1を使用することができる。
【0116】
また、上述した第1実施形態の説明において記載したメモ用具1の使用方法はあくまでも一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0117】
また、上述した第2実施形態において、筆記具27の先端が筆跡データ生成部211の表面を擦ることにより筆跡データ生成部211が筆記具27の筆記動作から筆跡を認識するものとしたが、例えば筆跡データ生成部211として静電容量方式のセンサが採用される場合などは筆記具27の先端が筆跡データ生成部211の表面から一定距離以内に近づけば、必ずしもそれらが触れ合わなくとも筆跡の認識が可能である。そのような構成のメモ用具もまた、本発明の範囲内である。
【0118】
また、メモ用具2における生体特徴データ生成部30および本人認証部31は、特に問題がなければ設けられなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明にかかるメモ用具は、看護師、ツアーコンダクター等の一部の業種の従業員に限られず、一般の人にとっても手軽にメモをとることを可能とする便利なツールである。従って、数多く生産販売され、いわゆる製造業に貢献することが期待される。
【符号の説明】
【0120】
1…メモ用具、11…被筆記部、111…紙、112…ベースシート、113…ロール紙、114…ホワイトボードシート、12…収納部、13…装着部、14…フック、15…巻き取り機構、16…抑制機構、17…筆記具、18…時計、19…紙切り具、2…メモ用具、21…被筆記部、211…筆跡データ生成部、22…収納部、23…装着部、24…フック、25…巻き取り機構、26…抑制機構、27…筆記具、28…記憶部、29…表示部、30…生体特徴データ生成部、31…本人認証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筆記動作において筆記を被るシートである被筆記部と、
前記被筆記部を収納する中空部と、前記中空部に収納された前記被筆記部を外部へ引き出し可能とする開口部とを有するケースである収納部と、
前記収納部をユーザの手首に装着するバンドまたは粘着体である装着部とを備える
メモ用具。
【請求項2】
前記収納部が前記装着部によりユーザの手首に装着されている状態において、前記被筆記部は当該ユーザの手の甲もしくは手の平の方向に引き出される
請求項1に記載のメモ用具。
【請求項3】
前記被筆記部に連結されたフックであって、前記収納部が前記装着部によりユーザの手首に装着され前記被筆記部が当該ユーザの手の甲もしくは手の平の方向に引き出されている状態において当該ユーザの指の間に挟まれることにより、もしくは当該ユーザの指に装着されている指輪に引っ掛けられることにより、前記被筆記部を当該ユーザの手の甲もしくは手の平の上において安定させるフックを備える
請求項2に記載のメモ用具。
【請求項4】
前記収納部が前記装着部によりユーザの手首に装着されている状態において、前記被筆記部は当該ユーザの手首の円周方向に沿って引き出される
請求項1に記載のメモ用具。
【請求項5】
前記被筆記部に連結された第1の係合部と、前記収納部の前記開口部が配置されている側部に対向する側部に連結された第2の係合部とを備え、
前記収納部が前記装着部によりユーザの手首に装着され前記被筆記部が当該ユーザの手首の円周方向に沿って引き出されている状態において前記第1の係合部と前記第2の係合部が互いに係合されることにより、前記被筆記部が当該ユーザの手首上において安定する
請求項4に記載のメモ用具。
【請求項6】
前記収納部の内部に、前記被筆記部を巻き取るための巻き取り機構を備える
請求項1乃至5のいずれかに記載のメモ用具。
【請求項7】
前記被筆記部は、前記巻き取り機構により前記収納部の内部に巻き取られる方向に付勢されている
請求項1乃至6のいずれかに記載のメモ用具。
【請求項8】
前記付勢を抑制する抑制機構を備えている
請求項7に記載のメモ用具。
【請求項9】
前記被筆記部は、前記筆記動作において筆記具が触れる紙と、前記紙の筆記具が触れる面と反対側の面に接し前記筆記動作において前記紙を支持するベースシートとを有する
請求項1乃至8のいずれかに記載のメモ用具。
【請求項10】
前記被筆記部は、ロール紙を有する
請求項1乃至8のいずれかに記載のメモ用具。
【請求項11】
前記被筆記部は、ホワイトボードシートを有する
請求項1乃至8のいずれかに記載のメモ用具。
【請求項12】
前記被筆記部は、前記筆記動作における筆跡を認識し、認識した筆跡を示す筆跡データを生成するセンサである筆跡データ生成部を有し、
前記筆跡データ生成部により生成された筆跡データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている筆跡データが示す筆跡を表示する表示部とを備える
請求項1乃至8のいずれかに記載のメモ用具。
【請求項13】
ユーザの生体から当該ユーザ固有の生体情報を取得し、取得した生体情報を示す生体特徴データを生成するセンサである生体特徴データ生成部を備え、
前記記憶部は正当なユーザの生体から得られた当該正当なユーザ固有の生体情報を示す参照用の生体特徴データを記憶し、
前記生体特徴データ生成部により生成された生体特徴データと前記記憶部に記憶されている前記参照用の生体特徴データとを照合することにより現在のユーザが前記正当なユーザであるか否かを判定する本人認証部を備え、
前記表示部は、前記本人認証部により現在のユーザが前記正当なユーザであると判定された場合に限り、前記記憶部に記憶されている筆跡データが示す筆跡を表示する
請求項12に記載のメモ用具。
【請求項14】
前記筆記動作に用いられる筆記具を着脱可能に備える
請求項1乃至13のいずれかに記載のメモ用具。
【請求項15】
時計、電卓、およびタイマーのうち1以上を備える
請求項1乃至14のいずれかに記載のメモ用具。
【請求項16】
前記収納部は、時計、電卓、およびタイマーのうち1以上の機能を備える電子デバイスを着脱可能に保持する保持機構を有する
請求項1乃至14のいずれかに記載のメモ用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−183660(P2011−183660A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51199(P2010−51199)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(508295834)