説明

メラノコルチン−4受容体アンタゴニストとしての置換イミダゾピリジン誘導体

本発明は、メラノコルチン−4受容体(MC−4R)モジュレーターとしての、特にメラノコルチン−4受容体アンタゴニストとしての置換イミダゾピリジン誘導体に関する。アンタゴニストは、癌悪液質、筋肉疲労、食欲不振症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、不安及びうつなどの障害及び疾患の治療のために有用である。
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【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、メラノコルチン−4受容体モジュレーターとしての置換イミダゾピリジン誘導体に関する。構造及び立体化学に応じて、メラノコルチン−4受容体モジュレーターは、アゴニスト又はアンタゴニストである。本発明の化合物は、ヒトメラノコルチン−4受容体(MC−4R)の選択的アンタゴニストである。このアンタゴニストは、癌悪液質、筋肉疲労、食欲不振症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、不安及びうつなどの障害及び疾患の治療に有用である。
【0002】
[発明の背景]
メラノコルチン(MC)は、タンパク質分解的切断を介してプロオピオメラノコルチン(POMC)から生じる。これらのペプチド、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、α−メラニン細胞刺激ホルモン(α−MSH)、β−MSH及びγ−MSHの大きさは、12〜39個のアミノ酸の範囲である。中枢でのMC−4R活性化についての最も重要な内因性アゴニストは、トリデカペプチドα−MSHと思われる。MCの中で、α−MSHは脳において神経伝達物質又は神経調節物質として作用することが報告された。MCペプチド、特にα−MSHは、摂食行動、色素沈着及び外分泌機能を含めた生物学的機能に対して広範囲の作用を有する。α−MSHの生物学的作用は、メラノコルチン受容体(MC−R)と称される7回膜貫通Gタンパク質共役受容体のサブファミリーによって媒介される。これらのMC−Rのいずれかの活性化は、cAMP形成の刺激をもたらす。
【0003】
現在まで、MCに対する5種の別個のタイプの受容体サブタイプ(MC−1RからMC−5R)が同定されており、これらは異なる組織で発現している。
【0004】
MC−1Rは、メラニン形成細胞において最初に見出された。動物におけるMC−1Rの天然不活性変異体は、チロシナーゼの制御を介してフェオメラニンのユーメラニンへの変換を制御することによって色素沈着の変化及びそれに続くより薄い毛色を生じさせることが示された。これらの研究及び他の研究から、MC−1Rは、動物におけるメラニン生成及び毛色並びにヒトにおける皮膚色の重要な制御因子であることが明らかである。MC−2Rは、ACTH受容体を代表する副腎において発現する。MC−2Rは、α−MSHの受容体ではないが、副腎皮質刺激ホルモンI(ACTH I)の受容体である。
【0005】
MC−3Rは、脳(主に、視床下部にある)並びに腸及び胎盤などの末梢組織において発現し、ノックアウト研究は、MC−3Rが、摂食行動、体重及び熱産生の変化に関与する場合があることを明らかにした。
【0006】
MC−4Rは、脳内で主として発現する。圧倒的なデータは、エネルギー恒常性におけるMC−4Rの役割を支持している。動物におけるMC−4Rの遺伝子ノックアウト及び薬理的操作は、MC−4Rをアゴナイズすることは体重減少をもたらし、MC−4Rをアンタゴナイズすることは体重増加をもたらすことを示した(A.Kaskら、「Selective antagonist for the melanocortin−4 receptor(HS014)increases food intake in free−feeding rats」、Biochem.Biophys.Res.Commun.、245:90〜93(1998))。
【0007】
MC−5Rは、白色脂肪、胎盤を含めた多くの末梢組織において遍在性に発現し、低レベルの発現は脳においても観察される。しかし、その発現は、外分泌腺において最も多い。マウスにおけるこの受容体の遺伝子ノックアウトは、外分泌腺機能の調節の変化をもたらし、水の反発及び体温調節の変化をもたらす。MC−5Rノックアウトマウスはまた、皮脂腺脂質産生が減少することが明らかとなった(Chenら、Cell、91:789〜798(1997))。
【0008】
MC−3R及びMC−4Rのモジュレーター並びに肥満症及び食欲不振症などの体重障害の治療におけるそれらの使用の研究について注目が集まってきた。しかし、MCペプチドは、色素沈着、摂食行動及び外分泌機能の調節におけるそれらの役割に加えて、強力な生理学的効果を有するという証拠が示されてきた。特に、α−MSHは、炎症性腸疾患、腎虚血/再潅流傷害及び内毒素誘発肝炎を含めた炎症の急性及び慢性モデルの両方において強力な抗炎症効果を誘発することが最近示された。これらのモデルにおけるα−MSHの投与は、炎症が媒介する組織の損傷の実質的な減少、白血球浸潤の有意な減少、並びにサイトカイン及び他の媒介物質の上昇したレベルのベースライン値近くへの劇的な減少をもたらす。最近の研究は、α−MSHの抗炎症作用はMC−1Rによって媒介されることを示した。MC−1Rのアゴニズムが抗炎症反応をもたらす機構は、炎症誘発性転写活性化因子であるNF−κBの阻害を介していると思われる。NF−κBは、炎症誘発性カスケードの中心的な構成要素であり、その活性化は、多くの炎症性疾患の開始における中心事象である。さらに、α−MSHの抗炎症作用は、部分的に、MC−3R及び/又はMC−5Rのアゴニズムによって媒介されることがある。
【0009】
MC−4Rシグナル伝達が摂食行動の媒介において重要であるという証拠が示されてきたが、肥満症の管理のために標的とすることができる特定の単一のMC−Rはまだ同定されていない(S.Q.Giraudoら、「Feeding effects of hypothalamic injection of melanocortin−4 receptor ligands」、Brain Research、80:302〜306(1998))。肥満症におけるMC−Rの関与についてのさらなる証拠には、下記が含まれる。1)MC−1R、MC−3R及びMC−4Rのアンタゴニストを異所的に発現しているアグーチ(Avy)マウスは肥満であり、このことは、これらの3種のMC−Rの作用を遮断することは過食症及び代謝障害をもたらす場合があることを示している。2)MC−4Rノックアウトマウス(D.Huszarら、Cell、88:131〜141(1997))は、アグーチマウスの表現型を再現し、これらのマウスは肥満である。3)げっ歯類において側脳室内(ICV)に注射した環状ヘプタペプチドメラノタニンII(MT−II)(非選択的MC−1R、−3R、−4R、及び−5Rアゴニスト)は、いくつかの動物摂食モデル(NPY、ob/ob、アグーチ、絶食)において食物摂取量を減少させ、一方ICV注射したSHU−9119(MC−3R及び4Rアンタゴニスト;MC−1R及び−5Rアゴニスト)は、この作用を逆転させ、過食症を誘発することができる。4)ズッカー糖尿病肥満ラットのα−NDP−MSH誘導体(HP−228)による慢性腹腔内処置は、MC−1R、−3R、−4R、及び−5Rを活性化し、12週間の期間に亘り食物摂取量及び体重増加を減少させることが報告されてきた(I.Corcosら、「HP−228 is a potent agonist of melanocortin receptor−4 and significantly attenuates obesity and diabetes in Zucker fatty rats」、Society for Neuroscience Abstracts、23:673(1997))。
【0010】
MC−4Rは、他の生理機能、すなわちグルーミング行動の制御、勃起及び血圧の制御においてもまた役割を果たしているように思われる。勃起不全は、性交を成功させるのに十分なペニス勃起を達成することができない病状を意味する。「インポテンス」という用語は、この蔓延している状態を説明するために用いられることが多い。合成メラノコルチン受容体アゴニストは、心因性の勃起不全を有する男性において勃起を起こすことが見出された(H.Wessellsら、「Synthetic Melanotropic Peptide Initiates Erections in Men With Psychogenic Erectile Dysfunction:Double−Blind, Placebo Controlled Crossover Study」、J.Urol.、160:389〜393、1998)。脳のメラノコルチン受容体の活性化は、性的刺激の通常の刺激をもたらすように思われる。男性及び/又は女性の性的機能不全におけるMC−Rの関与についての証拠は、国際公開第00/74679号パンフレットにおいて詳述されている。
【0011】
糖尿病は、哺乳動物においてグルコースを筋肉及び肝細胞に貯蔵するためグリコーゲンに変換する能力が衰えるため、血液におけるグルコースレベルを制御する哺乳動物の能力が損なわれる疾患である。I型糖尿病において、グルコースを貯蔵するこの能力の減少は、インスリン産生の減少に起因する。「II型糖尿病」又は「インスリン非依存性真性糖尿病」(NIDDM)は、主要なインスリン感受性組織である筋肉、肝臓及び脂肪組織においてグルコース及び脂質代謝に対するインスリン刺激又は調節作用に対する深刻な抵抗に起因する糖尿病の形態である。このインスリン応答性に対する抵抗は、グルコース取込み、酸化及び筋肉における貯蔵の不十分なインスリン活性化、並びに脂肪組織における脂肪分解並びに肝臓におけるグルコース産生及び分泌の不適切なインスリン抑制をもたらす。これらの細胞がインスリンに対して脱感作される場合、体は異常に高いレベルのインスリンを産生することによって代償しようとし、高インスリン血症が起こる。高インスリン血症は、高血圧症及び体重の増加を伴う。インスリンは、インスリン感受性細胞による血液からのグルコース、アミノ酸及びトリグリセリドの細胞取込みの促進に関与するため、インスリン非感受性は、心血管疾患における危険因子であるトリグリセリド及びLDLのレベルの上昇をもたらす場合がある。高血圧症、体重増加、トリグリセリド増加及びLDL増加と併せた高インスリン血症を含む症状の一群は、症候群Xとして知られている。MC−4Rアゴニストは、NIDDM及び症候群Xの治療において有用である場合がある。
【0012】
下記の知見に基づくように、MC受容体サブタイプの中で、ストレスとの関係及び情動行動の調節に関してMC4受容体はまた重要である。ストレスは、内分泌、生化学及び行動事象を含めた複雑な反応のカスケードを開始させる。これらの反応の多くは、コルチコトロピン放出因子(CRF)の放出によって開始される(Owen MJ及びNemeroff CB(1991)Physiology and pharmacology of corticotrophin releasing factor、Pharmacol Rev 43:425〜473)。脳CRF系の活性化に加えて、酵素処理によってプロオピオメラノコルチンから生じるメラノコルチン(MC)は、ストレスに対する重要な行動反応及び生化学的反応、結果的に、不安及びうつなどのストレス誘発性の障害を媒介するといういくつかの証拠がある(Anxiolytic−Like and Antidepressant− Like Activities of MCL0129(1−[(S)−2−(4−Fluorophenyl)−2−(4−isopropylpiperadin−1−yl)ethyl]−4−[4−(2−methoxynaphthalen−1−yl)butyl]piperazine),a Novel and Potent Nonpeptide Antagonist of the Melanocortin−4 Receptor;Shigeyuki Chakiら、J.Pharm.Exp.Ther.(2003)304(2)、818〜26)。
【0013】
悪性腫癌又は感染などの慢性疾患は、食欲の減少及び除脂肪体重の減少の組合せからもたらされる悪液質と関連する場合が多い。除脂肪体重の大幅な減少は、炎症過程によって引き起こされる場合が多く、脳におけるα−MSHの産生を増加させるサイトカイン(例えば、TNF−α)の血漿レベルの増加と通常関連する。α−MSHによる視床下部におけるMC4受容体の活性化は、食欲を減少させ、エネルギーの消費を増加させる。腫瘍マウスにおける実験上の証拠は、遺伝子MC4受容体ノックアウト又はMC4受容体遮断によって、悪液質は予防又は逆転されることができることを示す。処理したマウスにおける体重の増加は、より多量の除脂肪体重(主として骨格筋からなる)に起因する(Marks D.L.ら、Role of the central melanocortin system in cachexia、Cancer Res.(2001)61:1432〜1438)。
【0014】
臨床所見は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行が体重と逆相関することがあることを示している(例えば、Ludolph AC、Neuromuscul Disord.(2006)16(8):530〜8)。したがって、MC−4R阻害剤は、ALS患者の治療に使用することができる。
【0015】
メラノコルチン−4−受容体モジュレーターは、従前文献において記載されてきた。例えば、置換フェニルピペリジン誘導体が合成され、MC−4Rアゴニスト並びにアンタゴニストとして調査されてきた。
【0016】
上記のような様々な疾患及び障害の治療における未解決の欠陥を考慮して、本発明の目的は、癌悪液質、筋肉疲労、食欲不振症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、不安、うつ及びMC−4R関与を伴う他の疾患を治療するためのメラノコルチン−4受容体アンタゴニストとして有用な、血液脳関門を通過する改善された能力を有する新規な化合物を提供することにある。
【0017】
驚いたことに、下記に示す式(I)による新規なイミダゾピリジンは、本発明の目的を解決することが見出された。
【0018】
[発明の概要]
本発明は、構造式(I)の置換イミダゾピリジン誘導体に関し、
【化1】


式中、R、R、R、A及びXは、下記で説明するように定義される。
【0019】
構造式(I)のイミダゾピリジン誘導体は、メラノコルチン受容体モジュレーターとして有効であり、選択的メラノコルチン−4受容体(MC−4R)アンタゴニストとして特に有効である。したがって、それらは、MC−4Rの不活性化が関与する障害の治療に有用である。アンタゴニストは、癌悪液質、筋肉疲労、食欲不振症、筋萎縮性側索硬化症、不安及びうつなどの障害及び疾患の治療に有用である。
【0020】
したがって、本発明は、癌悪液質、筋肉疲労、食欲不振症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、不安及びうつの治療及び/又は予防のための式(I)の化合物に関する。
【0021】
さらなる態様において、本発明は、癌悪液質、筋肉疲労、食欲不振症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、不安及びうつの治療及び/又は予防のための医薬の調製のための式(I)の化合物の使用に関する。
【0022】
本発明はまた、本発明の化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。
【0023】
[発明の詳細な説明]
本発明は、メラノコルチン受容体モジュレーター、特に、選択的MC−4Rアンタゴニストとして有用な置換イミダゾピリジン誘導体に関する。
【0024】
置換N−ベンジル−N−メチル−2−フェニル−5−ジエチルアミド−3−メチルアミノ−イミダゾ[1,2−a]ピリジンは、性腺刺激ホルモン放出ホルモンのアンタゴニストについて記載しているWO−A−02/066478から公知である。本発明は、MC−4Rのアンタゴニストとして使用される新規なイミダゾピリジンに関する。
【0025】
本発明の化合物は、構造式(I)
【化2】


並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物及び薬学的に許容される塩によって表され、
式中、
Aは、−NH−、−CH−、−CH−CH−又は単結合であり、
Xは、H、フェニル、飽和複素環式5員又は6員環と縮合しているフェニル(複素環は、O及びNから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含有していてもよく、複素環は、オキソ基で任意選択でさらに置換されていてもよい)、N、O及びSから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する4〜8員飽和若しくは不飽和ヘテロシクリル、N、O及びSから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5〜6員ヘテロアリール、又は−C(O)−Rであり、各フェニル、ヘテロシクリル及びヘテロアリールは、1〜3個のR14及び/又は1個のR4b及び/又は1個のRで任意選択で置換されており、
及びRは、互いに独立に、H、C1〜6アルキル、C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキル、C1〜3アルキレン−ヘテロシクリル及びC1〜6アルキレン−C3〜7シクロアルキルから選択され、各アルキル、アルキレン、ヘテロシクリル及びシクロアルキルは、OHで任意選択で置換されており、或いは
及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって5〜6員環(環中に1個の酸素原子をさらに含有していてもよく、OH、C1〜6アルキル、O−C1〜6アルキル、C0〜3アルキレン−C3〜5シクロアルキル、C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキル又は(CH0〜3−フェニルから選択される1個又は複数の置換基で任意選択で置換されている)を形成し、
4aは、ハロゲン、CN、1個若しくは複数のハロゲン原子で任意選択で置換されているC1〜6アルキル、1個若しくは複数のハロゲン原子で任意選択で置換されているO−C1〜6アルキル、又はOHであり、
4bは、C(O)NH、C(O)OH、C(O)NH−C1〜6アルキル、C(O)N−(C1〜6アルキル)、SO−C1〜6アルキル、C(O)NH−SO−C1〜6アルキル、オキソ(それによって、環は、少なくとも部分的に飽和している)、NH、NH−C1〜6アルキル、N−(C1〜6アルキル)、NH−SO−CH、又はNH−SO−CFであり、
は、N、O及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5〜6員飽和若しくは不飽和ヘテロシクリル、又はN、O及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5〜6員ヘテロアリールであり、ヘテロシクリル及びヘテロアリールは、1個又は2個のR14で任意選択で置換されており、
は、H、1個若しくは複数のハロゲン原子で任意選択で置換されているC1〜6アルキル、フェニル、又はN、O及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する4〜8員飽和若しくは不飽和ヘテロシクリルであり、各フェニル又はヘテロシクリルは、1〜3個のR14及び/又は1個のRで任意選択で置換されており、
は、−(CR−Tであり、
及びRは、互いに独立に、H、OH、ハロゲン、C1〜6アルキル、及びO−C1〜6アルキルから選択され、
nは、1、2、3、4、5又は6であり、
Tは、
【化3】


又はNR1213であり、
10は、H、NH、OH、C1〜6アルキル(ハロゲン、OH及びO−C1〜6アルキルから選択される1個又は複数の置換基で任意選択で置換されている)、O−C1〜6アルキル(アルキルは、ハロゲン、OH及びO−C1〜6アルキルから選択される1個又は複数の置換基で任意選択で置換されている)、ハロゲン、NH(C1〜6アルキル)、N(C1〜6アルキル)、フェニル又はヘテロアリールであり、フェニル及びヘテロアリールは、1〜3個のR4aで任意選択で置換されており、
qは、1又は2であり、
Yは、CH、NR11又はOであり、
11は、H、C1〜6アルキル、又は(CH0〜6−C3〜7シクロアルキルであり、
12及びR13は、互いに独立に、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、(CH0〜2−C3〜7シクロアルキル及びC1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキルから選択され、C1〜6アルキル、C1〜6アルキレン及びC3〜7シクロアルキルは、1〜3個のR14で任意選択で置換されており、
14は、ハロゲン、CN、C1〜6アルキル(ハロゲン、OH、O−C1〜6アルキル、O−C3〜7シクロアルキル、O−C(O)C1〜6アルキル、O−C(O)C3〜7シクロアルキルから選択される1個又は複数の置換基で任意選択で置換されている)、O−C1〜6アルキル(ハロゲン、OH、O−C1〜6アルキル、O−C3〜7シクロアルキル、O−C(O)C1〜6アルキル、O−C(O)C3〜7シクロアルキルから選択される1個又は複数の置換基で任意選択で置換されている)、又はOHである。
【0026】
好ましい実施形態では、変数Aは、−NH−又は単結合を表す。さらに好ましくは、Aは、結合を表す。
【0027】
及びRは、互いに独立に、C3〜6アルキルを表し、或いはR及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって5〜6員環(環中に1個の酸素原子をさらに含有していてもよく、OH、C1〜6アルキル、C0〜3アルキレン−C3〜5シクロアルキル、O−C1〜6アルキル、C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキル又は(CH0〜3−フェニルから選択される1個又は複数の置換基で任意選択で置換されている)を形成することがさらに好ましい。さらに好ましくは、R及びRは、互いに独立に、C3〜6アルキルを表す。
【0028】
好ましい実施形態では、変数TはNR1213である。その中で、変数R12及びR13は、好ましくは、互いに独立に、H、C1〜3アルキル又は(CH0〜2−C3〜6シクロアルキル(アルキル及びシクロアルキルは、1〜3個のR14で任意選択で置換されている)から選択される。
【0029】
別の好ましい実施形態では、変数Tは、
【化4】


から選択される。
【0030】
変数YはCH又はNR11であることが好ましい。好ましくは、R11は、水素である。
【0031】
10は、H、NH、C1〜6アルキル、NH(C1〜6アルキル)又はN(C1〜6アルキル)から選択されることがさらに好ましい。さらに好ましくは、R10は、H、NH又はC1〜6アルキルである。
【0032】
変数Xに関して、前記変数は、H、飽和複素環式6員環と縮合しているフェニルを好ましくは表し、複素環は、O及びNから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含有していてもよく、複素環は、オキソ基で任意選択でさらに置換されている場合があり、又はXは、N、O及びSから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する4〜8員飽和若しくは不飽和ヘテロシクリルを表し、各フェニル及びヘテロシクリルは、1〜3個のR14及び/又は1個のR4b及び/又は1個のRで任意選択で置換されている。
【0033】
同様に好ましい実施形態では、変数Xは、フェニル、又はN、O及びSから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5〜6員ヘテロアリールを表し、各フェニル及びヘテロアリールは、1〜3個のR14及び/又は1個のR4b及び/又はRで任意選択で置換されている。さらに好ましくは、Xは、フェニル又はピリジルである、最も好ましくは、Xは、フェニルである。
【0034】
上記の基のいくつか若しくは全てが好ましい又はより好ましい意味を有する式(I)の化合物もまた、本発明の1つの目的である。
【0035】
上記及び下記において、用いられる用語は、下記で説明するような意味を有する。
【0036】
アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、又はヘキシルなどの、1個、2個、3個、4個、5個又は6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐状アルキルである。
【0037】
アルケニルは、2個、3個、4個、5個又は6個の炭素原子及び1〜3個の二重結合、好ましくは1個又は2個の二重結合、最も好ましくは1個の二重結合を有する、直鎖又は分岐状アルキルである。C2〜6アルケニル基の好ましい例は、エテニル、プロプ−1−エニル、プロプ−2−エニル、イソプロプ−1−エニル、n−ブト−1−エニル、n−ブト−2−エニル、n−ブト−3−エニル、イソブト−1−エニル、イソブト−2−エニル、n−ペント−1−エニル、n−ペント−2−エニル、n−ペント−3−エニル、n−ペント−4−エニル、n−ペント−1,3−エニル、イソペント−1−エニル、イソペント−2−エニル、ネオペント−1−エニル、n−ペント−1−エニル、n−ヘキス−2−エニル、n−ヘキス−3−エニル、n−ヘキス−4−エニル、n−ヘキス−5−エニル、n−ヘキス−1,3−エニル、n−ヘキス−2,4−エニル、n−ヘキス−3,5−エニル、及びn−ヘキス−1,3,5−エニルである。C2〜6アルケニル基のより好ましい例は、エテニル及びプロプ−1−エニルである。
【0038】
アルキニルは、2個、3個、4個、5個又は6個の炭素原子及び1〜3個の三重結合、好ましくは1個又は2個の三重結合、最も好ましくは1個の三重結合を有する、直鎖又は分岐状アルキルである。C2〜6アルキニル基の好ましい例は、エチニル、プロプ−1−イニル、プロプ−2−イニル、n−ブト−1−イニル、n−ブト−2−イニル、n−ブト−3−イニル、n−ペント−1−イニル、n−ペント−2−イニル、n−ペント−3−イニル、n−ペント−4−イニル、n−ペント−1,3−イニル、イソペント−1−イニル、ネオペント−1−イニル、n−ヘキス−1−イニル、n−ヘキス−2−イニル、n−ヘキス−3−イニル、n−ヘキス−4−イニル、n−ヘキス−5−イニル、n−ヘキス−1,3−イニル、n−ヘキス−2,4−イニル、n−ヘキス−3,5−イニル及びn−ヘキス−1,3,5−イニルである。C2〜6アルキニル基のより好ましい例は、エチニル及びプロプ−1−イニルである。
【0039】
シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルなどの、好ましくはせいぜい3個、4個、5個、6個又は7個の炭素原子、さらに好ましくは3個、4個、5個又は6個の炭素原子を有するアルキル環である。
【0040】
ヘテロアリールは、1個、2個、3個、4個又は5個の炭素原子、並びにO、N及び/又はSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有する芳香族部分であり、好ましくはチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イソチアゾリル、イソキサジル、フラニル、及びインダゾリルから、さらに好ましくはチエニル、フラニル、イミダゾリル、ピリジル、及びピリミジニルから選択される。
【0041】
ヘテロシクリルは、O、N及び/又はSから選択される少なくとも1個のヘテロ原子、並びに1個、2個、3個、4個、5個、6個又は7個の炭素原子を含有する飽和若しくは不飽和環である。好ましくは、ヘテロシクリルは、4〜8員環であり、好ましくはテトラヒドロフラニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラニル、モルホリニル、チオモルホリニルから、さらに好ましくはピペリジニル及びピロリジニルから選択される。
【0042】
ハロゲンは、F、Cl、Br及びIから、好ましくはF、Cl及びBrから選択されるハロゲン原子である。
【0043】
構造式(I)の化合物は、メラノコルチン受容体モジュレーターとして有効であり、MC−4Rの選択的モジュレーターとして特に有効である。それらは、癌悪液質、筋肉疲労、食欲不振症、筋萎縮性側索硬化症、不安、うつ及びMC−4R関与を伴う他の疾患などのMC−4Rの不活性化に対して応答性の障害の治療及び/又は予防のために有用である。
【0044】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
構造式(I)の化合物は、1つ又は複数の不斉中心を含有し、ラセミ化合物及びラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして生じる場合がある。本発明は、構造式(I)の化合物の全てのこのような異性体形態を包含することを意味する。
【0045】
構造式(I)の化合物は、例えば、適切な溶媒、例えば、メタノール又は酢酸エチル又はこれらの混合物からの分別結晶によって、或いは光学活性な固定相を使用したキラルクロマトグラフィーを介して、これらの個々のジアステレオマーに分離することができる。絶対立体化学は、公知の絶対配置の不斉中心を含有する試薬で必要に応じて誘導体化した結晶性生成物又は結晶性中間体のX線結晶構造解析によって決定することができる。
【0046】
代わりに、一般式(I)の化合物の任意の立体異性体は、光学的に純粋な出発物質又は公知の絶対配置の試薬を使用して立体特異的合成によって得ることができる。
【0047】

「薬学的に許容される塩」という用語は、無機塩基又は有機塩基及び無機酸又は有機酸を含めた、薬学的に許容される無毒性塩基又は酸から調製される塩を意味する。無機塩基に由来する塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン塩、マンガン(II)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが挙げられる。特に好ましい塩は、アンモニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩である。薬学的に許容される無毒有機の塩基に由来する塩には、第一級、第二級及び第三級アミン、天然置換アミンを含めた置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂の塩(アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノ−エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなど)が挙げられる。
【0048】
本発明の化合物が塩基性である場合、塩は、無機酸及び有機酸を含めた薬学的に許容される無毒性酸から調製することができる。このような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、マロン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。特に好ましい酸は、クエン酸、フマル酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸である。
【0049】
本明細書で使用する場合、式(I)の化合物への参照は、薬学的に許容される塩もまた含むことを意味することが理解されるであろう。
【0050】
有用性
式(I)の化合物は、メラノコルチン受容体アンタゴニストであり、したがって、それだけに限らないが、MC−1R、MC−2R、MC−3R、MC−4R又はMC−5Rが挙げられるメラノコルチン受容体の1つ又は複数の不活性化に対して応答性の疾患、障害又は状態の治療、管理又は予防において有用である。このような疾患、障害又は状態には、それだけに限らないが、癌悪液質、筋肉疲労、食欲不振症、筋萎縮性側索硬化症、不安及びうつが挙げられる。
【0051】
式(I)の化合物は、それだけに限らないが、MC−1R、MC−2R、MC−3R、MC−4R又はMC−5Rが挙げられる1種又は複数のメラノコルチン受容体の不活性化に対して応答性の疾患、障害又は状態の治療、管理又は予防においてさらに使用することができる。このような疾患、障害又は状態には、それだけに限らないが、高血圧症、高脂血症、骨関節炎、癌、胆嚢疾患、睡眠時無呼吸、強迫行為、ノイローゼ、不眠/睡眠障害、物質乱用、疼痛、発熱、炎症、免疫修飾、関節リウマチ、皮膚日焼け、ざ瘡及び他の皮膚障害;アルツハイマー病の治療を含めた神経保護及び認識及び記憶増強が挙げられる。
【0052】
投与及び用量範囲
哺乳動物、特にヒトに、有効量の本発明の化合物を提供するために、任意の適切な投与経路を用いることができる。例えば、経口、直腸、局所、非経口、眼球、肺、経鼻などを用いることができる。剤形には、錠剤、トローチ剤、分散剤、懸濁剤、溶液剤、カプセル剤、クリーム剤、軟膏、エアゾール剤などが挙げられる。好ましくは、式(I)の化合物は、経口又は局所で投与する。
【0053】
用いられる活性成分の有効量は、用いられる特定化合物、投与方法、治療される状態及び治療される状態の重症度によって変化することがある。このような投与量は、当業者によって容易に確認することができる。
【0054】
癌悪液質、筋肉疲労又は食欲不振症を治療する場合、本発明の化合物を、約0.001ミリグラム〜約100ミリグラム/体重キログラムの1日投与量で投与すると(好ましくは単回用量又は1日2〜6回の分割用量又は持続放出形態で与えられる)、一般に満足のいく結果が得られる。70kgの成人したヒトの場合、総1日用量は一般に、約0.07ミリグラム〜約3500ミリグラムであろう。この投与計画は、最適な治療反応を得るために調節することができる。
【0055】
製剤
式(I)の化合物は、好ましくは投与の前に剤形に製剤される。したがって、本発明はまた、式(I)の化合物及び適切な医薬担体を含む医薬組成物を含む。
【0056】
本発明の医薬組成物は、周知の容易に利用できる成分を使用して、公知の手順によって調製される。本発明の製剤の作製において、活性成分(式(I)の化合物)を通常、担体と混合し、又は担体によって希釈し、又は担体中に封入し、これは、カプセル剤、サシェ剤、紙又は他の容器の形態であってもよい。担体が希釈剤としての機能を果たす場合、それは、活性成分のためのビヒクル、賦形剤又は媒体として作用する固体、半固体又は液体物質であってもよい。したがって、組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、溶液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(固体として又は液体媒体中)、軟質及び硬質ゼラチンカプセル剤、坐薬、無菌注射剤及び包装された無菌散剤の形態とすることができる。
【0057】
適切な担体、賦形剤及び希釈剤のいつくかの例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メチル及びプロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウム及び鉱油が挙げられる。製剤は、滑沢剤、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、保存料、甘味剤又は香味剤をさらに含むことができる。本発明の組成物は、患者に投与した後、活性成分の即時放出、持続放出又は遅延放出を提供するように製剤される場合がある。
【0058】
本発明の化合物の調製
式(I)の化合物は、ジアステレオマー混合物として存在する場合、メタノール、酢酸エチル又はこれらの混合物などの適切な溶媒からの分別結晶によって、エナンチオマーのジアステレオマー対に分離することができる。このようにして得られたエナンチオマー対は、光学活性な酸を分割剤として使用することにより従来の手段によって個々の立体異性体に分離することができる。代わりに、式(I)の化合物の任意のエナンチオマーは、光学的に純粋な出発物質又は公知の立体配置の試薬を使用して立体特異的合成によって得ることができる。
【0059】
本発明の式(I)の化合物は、適切な材料を使用して下記のスキーム及び実施例の手順によって調製することができ、下記の具体例によってさらに例示される。さらに、当技術分野で通常の技術と併せて本明細書に記載する手順を用いることによって、ここで特許請求している本発明のさらなる化合物を、容易に調製することができる。しかし、実施例において例示した化合物は、本発明として考えられる唯一の種類を形成するものとして解釈されない。実施例は、本発明の化合物の調製についての詳細をさらに例示する。下記の調製手順の条件及び方法の公知の変形形態を、これらの化合物を調製するために使用することができることは当業者であれば容易に理解するであろう。本化合物は一般に、従前に記載したものなどの薬学的に許容されるそれらの塩の形態で単離される。単離した塩に相当する遊離アミン塩基は、水性炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどの適切な塩基による中和、並びに及び遊離したアミン遊離塩基の有機溶媒への抽出、それに続く蒸発によって生成することができる。この方法で単離されたアミン遊離塩基は、有機溶媒への溶解、続いて適切な酸の添加、それに続く蒸発、沈殿又は結晶化によって他の薬学的に許容される塩にさらに変換することができる。全ての温度は、摂氏温度である。
【0060】
スキームにおいて、下記の調製及び実施例、様々な試薬の記号及び略語は、下記の意味を有する。
【0061】
AcOH 酢酸
AcO 無水酢酸
Boc tert−ブトキシカルボニル
bp 沸点
CDI 1,1’−カルボニルジイミダゾール
DCE 1,2−ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DIEA エチル−ジイソプロピルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
EtO ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
HATU O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HOAt 1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
h 時間(複数可)
MeCN アセトニトリル
MeLi エチルリチウム
MeOH エタノール
Ms メシル
NMM N−メチルモルホリン
MW 分子量
PG 保護基
RT 室温
TEA トリエチルアミン
TFAA トリフルオロ酢酸無水物
THF テトラヒドロフラン
TMSI ヨウ化トリメチルシリル
(分) HPLC保持時間
Ts トシル
Z ベンジルオキシカルボニル
【0062】
反応スキーム1:
2−スルホニルアミノ−ピリジン−5−カルボン酸アミドの合成
【化5】

【0063】
反応スキーム1において示されるように、アミドカップリング反応において、EDCなどのカップリング試薬の存在下で、DMF又はDCMなどの有機溶媒中で、任意選択で置換されたアミン及び2−アミノ−ピリジン−5−カルボン酸を適切な温度で反応させる。次いで、このように得られたアミドを、ピリジンなどの溶媒又は任意の他の適切な溶媒及びトリエチルアミンなどの有機塩基中でスルホニルクロリドと反応させて、対応するスルホニルアミノ−アミドを得ることができる。
【0064】
反応スキーム2:
2−スルホニルアミノ−ピリジン−5−カルボン酸メチルエステルの合成
【化6】

【0065】
代わりに、2−アミノ−ピリジン−5−カルボン酸メチルエステルを、反応スキーム2に示したように、下記の条件下で反応させて、対応するスルホニルアミノ−エステルを得ることができる。
【0066】
反応スキーム3:
イミダゾ[1,2−a]ピリジンの合成
【化7】

【0067】
反応スキーム3において示されるように、任意選択で置換されたω−アルコキシカルボニル−α−ブロモケトンは、対応するケトンを、例えば、酢酸エチル及びクロロホルムの混合物などの溶媒中で、臭化銅(II)と適切な温度で所与の時間反応させることによって、対応するケトンから得ることができる。次いで、このように得られたα−ブロモケトンを、MeCNなどの溶媒中、適切な塩基、例えば、DIEAの存在下で、スルホニルアミノ−アミドと反応させて、N−アルキル化スルホニルアミノ−アミドを得ることができる。次いで、これらの中間体は、DCM又は1,2−ジクロロエタンなどの適切な溶媒中、それらをTFAAによって適切な温度で所与の時間処理することによって、対応するイミダゾ[1,2−a]ピリジンへとさらに環化することができる。任意選択で置換されたイミダゾ[1,2−a]ピリジンのエステル官能基は、水、THF及びMeOHの混合物などの適切な溶媒中、水酸化リチウム一水和物などの試薬を使用して、塩基条件下にて加水分解することができる。
【0068】
このように得られた酸は、N−メチルモルホリンなどの適切な塩基の存在下で、THFなどの適切な溶媒中、クロロギ酸イソブチル又はCDIなどの試薬で活性化され、続いて水酸化ホウ素ナトリウムなどの還元剤によって、THF及び水の混合物などの適切な溶媒中、対応するアルコールに還元することができる。アルコール官能基は、DCM及びTHFの混合物などの適切な溶媒中、TEAなどの適切な塩基の存在下で、塩化メシル又は塩化トシルなどの試薬によって、脱離基に変換することができる。この反応の生成物を、MeCNなどの適切な溶媒中アミンT−Hで処理して、標的分子を得ることができる。
【0069】
反応スキーム4:
イミダゾ[1,2−a]ピリジンの合成
【化8】

【0070】
反応スキーム4において示されるように、任意選択で置換されたイミダゾ[1,2−a]ピリジンのメチルエステル官能基は、メタノールなどの適切な溶媒中、水酸化ホウ素ナトリウムなどの試薬によって、対応するアルコールに還元することができる。アルコールは、反応スキーム3において示したように、標的分子とさらに反応させることができる。
【0071】
反応スキーム5:
イミダゾ[1,2−a]ピリジンの合成
【化9】

【0072】
反応スキーム5において示されるように、ω−位でアセタール官能基を担持する任意選択で置換されたα−ブロモケトンは、対応するケトンから得ることができ、上記のように対応する任意選択で置換されたイミダゾ[1,2−a]ピリジンに変換することができる。アセタールを、水中の6NのHClなどの試薬を使用することによって、切断して対応するアルデヒドを形成することができる。任意選択で置換されたアルデヒドは、トリアセトキシホウ水素化ナトリウムなどの還元剤の存在下で、DCEなどの適切な溶媒中、アミンT−Hによって還元的アミノ化を受けることができる。
【0073】
反応スキーム6:
イミダゾ[1,2−a]ピリジンの合成
【化10】

【0074】
反応スキーム6において示されるように、任意選択で置換されたN−保護されたω−アミノ−α−ブロモケトンを、MeCNなどの溶媒中、適切な塩基、例えばDIEAの存在下で、スルホニルアミノ−アミドと反応させて、N−アルキル化スルホニルアミノ−アミドを得ることができる。次いで、これらの中間体は、DCM又は1,2−ジクロロエタンなどの適切な溶媒中で、それらをTFAAによって適切な温度で所与の時間処理することによって、対応するイミダゾ[1,2−a]ピリジンにさらに環化することができる。側鎖アミン官能基は、Z−保護基である場合、MeCNなどの適切な溶媒中、TMSIなどの試薬を使用して脱保護することができる。フタルイミドは、酢酸エチルなどの適切な溶媒中、ヒドラジン水和物で切断することができる。側鎖中に第一級アミノ基を担持する任意選択で置換されたイミダゾ[1,2−a]ピリジンは、生物学的アッセイにおいて直接試験することができ、又はさらなる誘導体化を受ける。例えば、1,2−ジクロロエタンなどの適切な溶媒中、DIEAなどの適切な塩基の存在下で、1,5−ジブロモペンタンと反応させることによって、対応するピペリジン誘導体がもたらされる。
【0075】
反応スキーム7:
イミダゾ[1,2−a]ピリジンの合成
【化11】

【0076】
反応スキーム7において示されるように、任意選択で置換されたラクトンは、水素化ナトリウムなどの適切な塩基の存在下で、トルエンなどの適切な溶媒中、アルキルエステルアルキルOC(O)A−Xによって高温でアシル化することができる。前記アシル化ラクトンは、ラクトンを濃塩酸中で加熱することによって、ω−クロロケトンに変換することができる。任意選択で置換されたω−クロロケトンを、例えば、酢酸エチル及びクロロホルムの混合物などの溶媒中、臭化銅(II)と適切な温度で所与の時間反応させることによって、対応するω−クロロ−α−ブロモケトンがもたらされる。次いで、ω−クロロ−α−ブロモケトンは、MeCNなどの溶媒中、適切な塩基、例えば、DIEAの存在下で、スルホニルアミノ−アミドと反応して、N−アルキル化スルホニルアミノ−アミドを得ることができる。次いで、これらの中間体は、DCM又は1,2−ジクロロエタンなどの適切な溶媒中、それらをTFAAによって適切な温度で所与の時間処理することによって、対応するイミダゾ[1,2−a]ピリジンにさらに環化することができる。MeCNなどの適切な溶媒中、クロロアルキル置換イミダゾ[1,2−a]ピリジンをキャッピング基T−Hと反応させることによって、キャッピング基Tを挿入することができる。T−Hが塩酸塩の形態で使用される場合、遊離アミンT−Hを遊離する以外に、DIEAなどの適切な塩基が使用される。
【0077】
反応スキーム8:
イミダゾ[1,2−a]ピリジンの合成
【化12】


【0078】
反応スキーム8において示されるように、任意選択で置換されたω−クロロ−α−ブロモケトンをまた、MeCNなどの溶媒中、適切な塩基、例えば、DIEAの存在下で、スルホニルアミノ−エステルと反応させて、N−アルキル化スルホニルアミノ−エステルを得ることができる。次いで、これらの中間体は、DCM又は1,2−ジクロロエタンなどの適切な溶媒中、それらをTFAAによって適切な温度で所与の時間処理することによって、対応するイミダゾ[1,2−a]ピリジンにさらに環化することができる。MeCNなどの適切な溶媒中、クロロアルキル置換イミダゾ[1,2−a]ピリジンをキャッピング基T−Hと反応させることによって、キャッピング基Tを挿入することができる。T−Hが塩酸塩の形態で使用される場合、遊離アミンT−Hを遊離する以外に、DIEAなどの適切な塩基が使用される。任意選択で置換されたイミダゾ[1,2−a]ピリジンのエステル官能基は、水酸化リチウム一水和物などの試薬を使用して、水、THF及びMeOHの混合物などの適切な溶媒中、塩基条件下にて加水分解することができる。けん化生成物は、リチウム塩として又は対応する酸として単離することができる。代わりに、エステル官能基はまた、例えば、塩酸水溶液などの試薬を使用して、酸性条件下にて切断することができる。エステル切断の生成物は、酸又はリチウム塩として次のステップに導入することができる。標準的ペプチドカップリング手順を使用してアミド形成を行うことができる。酸は、EDC/HOBt、EDC/HOAt、HATU、ジイソプロピルエチルアミンなどの塩基、及びジクロロメタンなどの溶媒の存在下で、アミンHNRとカップリングすることができる。DCM、DMF、THF又は上記の溶媒の混合物などの適切な溶媒は、カップリング手順に使用することができる。適切な塩基には、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、N−メチルモルホリン(NMM)、コリジン又は2,6−ルチジンが挙げられる。EDC/HOBtを使用する場合、塩基は必要ないことがある。
【0079】
反応スキーム9:
クロロピリジン加水分解
【化13】

【0080】
クロロピリジン又はブロモピリジンを残基−A−Xとして有している任意選択で置換されたイミダゾ[1,2−a]ピリジンは、反応スキーム9に示すように、塩酸水溶液などの試薬を使用して、適切な温度で対応するピリドンに変換することができる。同時に、エステル官能基も加水分解される。上記のように、酸はアミンHNRとカップリングすることができる。
【0081】
反応スキーム10:
α−ブロモケトンの合成
【化14】

【0082】
反応スキーム10において示されるように、任意選択で置換されたブロモケトンは、カルボン酸から出発して3ステップの反応順序において得ることができる。前記カルボン酸は、NMMなどの適切な塩基の存在下で、DCMなどの適切な溶媒中、EDCなどのカップリング試薬と共にN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩を使用して、対応するワインレブアミドに変換することができる。ワインレブアミドは、メチルリチウムなどの試薬を使用して、THFなどの不活性溶媒中、対応するメチルケトンに適切な温度で変換することができる。酢酸中の臭素及び臭化水素の混合物を使用して、ブロム化を行うことができる。
【0083】
反応スキーム11:
イミダゾ[1,2−a]ピリジンの合成
【化15】

【0084】
反応スキーム11において示されるように、反応スキーム1において示したように得ることができる任意選択で置換されたアミノピリジン−アミドは、MeCNなどの溶媒中α−ブロモケトンと反応させることによって、イミダゾ[1,2−a]ピリジン6−カルボン酸アミドに変換することができる。この反応は、還流溶媒若しくは任意の他の適切な温度でのフラスコ中、又はマイクロ波反応システム中で行うことができる。反応生成物は、標準的手順によって精製することができ、又は冷却によって溶液から直接沈殿する場合があり、それによってさらに精製せずに続く反応において使用することができる。
【0085】
反応スキーム12:
マンニッヒ反応
【化16】

【0086】
反応スキーム12において示されるように、反応スキーム11からの生成物である任意選択で置換されたイミダゾ[1,2−a]ピリジン酸アミドを、マンニッヒ反応において使用して、イミダゾ[1,2−a]ピリジン6−カルボン酸アミドを適切なアミン及びホルムアルデヒド水溶液と酢酸などの溶媒中反応させることによって、3−アミノメチル−イミダゾ[1,2−a]ピリジン6−カルボン酸アミドを得ることができる。化合物を、例えば、ジオキサン中のHCl又はDCM中のTFAなどの酸で処理することによって、1個の窒素−保護基を含有するジアミンを、さらに脱保護することができる。次いで、このような化合物は、フラッシュクロマトグラフィー又は分取HPLCなどの標準的精製手順によって精製することができる。
【0087】
反応スキーム13:
α,β−不飽和アルデヒドによるマイケル付加
【化17】

【0088】
反応スキーム13において示したように、任意選択で置換されたイミダゾ[1,2−a]ピリジン6−カルボン酸アミドを、マイケル付加反応において、酢酸及び無水酢酸の混合物などの溶媒中、α,β−不飽和アルデヒドと高温で反応させることができる。マイクロ波反応器中でもまた反応を行うことができる。この反応の生成物を、水及びメタノールの混合物などの適切な溶媒中、炭酸水素ナトリウムなどの塩基と処理して、対応するアルデヒドを得ることができ、これはトリアセトキシホウ水素化ナトリウムなどの還元剤の存在下で、DCEなどの適切な溶媒中、アミンT−Hによって還元的アミノ化を受けることができる。代わりに、任意選択で置換されたイミダゾ[1,2−a]ピリジン6−カルボン酸エステルは、出発物質として使用することができる。この場合、エステル官能基は、反応スキーム8において記載した方法を使用して、側鎖−CHCHRCHTの導入後アミドに変換することができる。
【0089】
反応スキーム14:
α,β−不飽和ケトンによるマイケル付加
【化18】

【0090】
反応スキーム14において示されるように、任意選択で置換されたイミダゾ[1,2−a]ピリジン6−カルボン酸アミドのマイケル付加はまた、反応スキーム13において記載される反応条件を使用して、α,β−不飽和ケトンによって行うことができる。この場合、マイケル付加反応の生成物は、還元的アミノ化反応を直接受けることができる。
【0091】
反応スキーム15:
側鎖アルキル化
【化19】

【0092】
反応スキーム3からの生成物である、側鎖においてカルボキシレート官能基を担持する任意選択で置換されたイミダゾ[1,2−a]ピリジンを、DCMなどの適切な溶媒中CDIなどの試薬で活性化し、続いてDIEAなどの適切な塩基の存在下でN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩と反応させることができる。THF又はジエチルエーテルなどの適切な溶媒中の、生成物のメチルリチウムなどの試薬との反応は、対応するケトンをもたらし、それは、トリアセトキシホウ水素化ナトリウムなどの還元剤の存在下で、DCEなどの適切な溶媒中、アミンT−Hによって還元的アミノ化することができる。
【0093】
反応スキーム16:
アミンとのクロロピリジン反応
【化20】

【0094】
反応スキーム16において示されるように、2−クロロピリジン置換基を担持する任意選択で置換されたイミダゾ[1,2−a]ピリジンを、アミンと反応させることができる。クロロピリジンを、ニートのアミンHR4bと高温で反応させて、対応する2−アミノピリジンを得ることができる。反応はまた、マイクロ波反応器中で行ってもよい。ベンジル保護基は、N−ベンジル化2−アミノピリジンを、トリフルオロメタンスルホン酸などの試薬で、DCMなどの不活性溶媒中適切な温度で処理することによって除去することができる。
【0095】
反応スキーム17:
アルコールとのクロロピリジン反応
【化21】

【0096】
反応スキーム17において示されるように、2−クロロピリジン置換基を有する任意選択で置換されたイミダゾ[1,2−a]ピリジンを、アルコラートと反応させて、対応するアルコキシピリジンを形成することができる。アルコラートは、水素化ナトリウムなどの適切な塩基を使用して、DMFなどの適切な溶媒中、対応するアルコールHR14から調製することができる。アルコラートのクロロピリジンとの反応は、高温で行うことができる。
【0097】
反応スキーム18:
ピリドンアルキル化
【化22】

【0098】
ピリドン部分を担持する任意選択で置換されたイミダゾ[1,2−a]ピリジンは、反応スキーム18において示されるようにN−アルキル化することができる。ピリドン窒素は、炭酸セシウム又は炭酸カリウムなどの塩基の存在下で、アセトンなどの適切な溶媒中、アルキル臭化物Br−R14によって適切な温度でアルキル化することができる。残基R14上のアルコール置換基は、例えば、エステルとして保護することができる。アルキル化反応後、水及びTHFの混合物などの適切な溶媒中、エステルを水酸化リチウム一水和物などの試薬で加水分解することによって、遊離アルコールを得ることができる。
【0099】
分析用LC−MS
式(I)による本発明の化合物を、分析的LC−MSによって分析した。条件を下記に要約する。
【0100】
分析条件の要約:
SPD−M10Avp(島津製作所)UV/Visダイオードアレイ検出器及びQP2010MS検出器(島津製作所)(214、254及び275nmでのUV検出を伴うESI+様式)を有するLC10Advp−Pump(島津製作所)、
カラム:Waters XTerra MS C18、3.5μm、2.1100mm、水中のアセトニトリル(0.15%HCOOH)の直線勾配、例外:方法D及びE
(曲線勾配)
0.4ml/分の流量;
移動相A:水(0.15%HCOOH)
移動相B:アセトニトリル(0.15%HCOOH)
【0101】
方法は、
A:
水中の5%〜95%アセトニトリル(0.1%HCOOH)の直線勾配
0.00分 5%B
5.00分 95%B
5.10分 99%B
6.40分 99%B
6.50分 5%B
8.00分 ポンプ停止
B:
水中の10%〜90%アセトニトリル(0.1%HCOOH)の直線勾配
0.00分 10%B
5.00分 90%B
5.10分 99%B
6.40分 99%B
6.50分 5%B
8.00分 ポンプ停止
C:
水中の5%〜95%アセトニトリル(0.1%HCOOH)の直線勾配
0.00分 5%B
10.00分 95%B
10.10分 99%B
11.40分 99%B
11.50分 5%B
13.00分 ポンプ停止
D:
開始濃度1%アセトニトリル
9.00 B濃度30
10.00 B曲線3
12.00 B濃度99
15.00 B濃度99
15.20 B濃度1
18.00 ポンプ停止
E:
開始濃度10%アセトニトリル
10.00 B濃度60
11.00 B曲線2
12.00 B濃度99
15.00 B濃度99
15.20 B濃度10
18.00 ポンプ停止
F:
開始濃度15%アセトニトリル
12.00 B濃度99
15.00 B濃度99
15.20 B濃度15
18.00 停止0
である。
【0102】
下記は、反応スキーム1〜18によって調製することができる本発明の詳細な実施例を説明する。
【0103】
【表1−1】

【0104】
【表1−2】

【0105】
【表1−3】

【0106】
【表1−4】

【0107】
【表1−5】

【0108】
【表1−6】

【0109】
【表1−7】

【0110】
【表1−8】

【0111】
【表1−9】

【0112】
【表1−10】

【0113】
【表1−11】

【0114】
【表1−12】

【0115】
【表1−13】

【0116】
【表1−14】

【0117】
【表2−1】

【0118】
【表2−2】

【0119】
【表2−3】

【0120】
【表3−1】

【0121】
【表3−2】

【0122】
【表3−3】

【0123】
【表3−4】

【0124】
【表4−1】

【0125】
【表4−2】

【0126】
【表5−1】

【0127】
【表5−2】

【0128】
【表6】

【0129】
【表7−1】

【0130】
【表7−2】

【0131】
下記の実施例は、本発明を例示するために提供し、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定しない。
【0132】
実施例9の合成:
中間体9a):
【化23】

【0133】
CuBr(1071mg)のEtOAc(10ml)懸濁液を加熱還流し、5−(3−メトキシ−フェニル)−5−オキソ−ペンタン酸メチルエステル(913mg)のCHCl溶液を加えた。反応混合物を一晩還流させた。さらなる量のCuBr(300mg)を一度に加え、混合物をさらに4h還流させた。反応混合物をセライト上で濾過して銅塩を除去し、真空中で乾燥するまで溶媒を除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン)で精製し、表題化合物を得た。
【0134】
中間体9b):
【化24】

【0135】
6−アミノ−ニコチン酸(3g)のDMF/DCM(80/20)溶液に、ジイソアミルアミン(4.1g)、EDC(5g)、HOBt(3.52g)及びDIEA(4.54ml)を加えた。反応混合物を50℃で一晩撹拌した。溶液を真空中で乾燥するまで蒸発させた。残渣を少量のDMFに再溶解し、次いで緩衝液(pH7)を加えた。このように得られた沈殿物を集め、水で洗浄し、乾燥させて、表題化合物を得た。
【0136】
中間体9c):
【化25】

【0137】
中間体9b)(1g)のピリジン(25ml)溶液に、p−トルエンスルホニルクロリド(756mg)を一度に加えた。反応混合物を85℃で16h加熱した。溶液を真空中で乾燥するまで蒸発させ、HOを残渣に加えた。このように得られたスラリーを30分撹拌し、次いで濾過し、トルエンで洗浄した。残りの固体を集め、乾燥させ、表題化合物を黄色の固体として得た。
【0138】
中間体9d):
【化26】

【0139】
温かい中間体9c)(1781mg)及びDIEA(1.198ml)のMeCN(50ml)溶液に、中間体9a)(1084mg)を加えた。反応混合物を100℃で4h加熱した。溶液を真空中で乾燥するまで蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン)で精製し、表題化合物を得た。
【0140】
中間体9e):
【化27】

【0141】
中間体9d)(1.372g)をDCM(50ml)に溶解し、反応物をアルゴンでパージした。この溶液に、TFAA(2ml)を加え、反応物を16h撹拌した。溶液を真空中で乾燥するまで蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)で精製し、表題化合物を無色の泡として得た。
【0142】
中間体9f):
【化28】

【0143】
中間体9e)(568mg)をTHF(40ml)に溶解し、メタノール(4ml)を加えた。溶液を加熱還流し、次いで水酸化ホウ素ナトリウム(87mg)を加えた。さらなる水酸化ホウ素ナトリウムを、数回で加え、還流を続けた。反応をアセトンで停止させ、溶媒を真空中で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH98:2)で精製し、表題化合物を得た。
【0144】
中間体9g):
【化29】

【0145】
中間体9f)の乾燥DCM(10ml)溶液をアルゴンでパージし、0℃に冷却した。TEA(170μl)及びメシルクロリド(95μl)をこの溶液に加え、反応混合物を温めた。撹拌を3h続けた。反応混合物をHO及び飽和NaHCO溶液で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、真空中で乾燥するまで蒸発させ、表題化合物を得て、それを次のステップでさらに精製せずに使用した。
【0146】
実施例9:
【化30】

【0147】
ピロリジン(168mg)の乾燥MeCN(5ml)溶液に、中間体9g)(86mg)の乾燥MeCN溶液を加えた。反応物を75℃に14h加熱した。溶液を真空中で乾燥するまで蒸発させ、残渣を分取HPLCで精製し、表題化合物を無色の固体として得た。
【0148】
実施例17の合成:
中間体17a):
【化31】

【0149】
中間体9e)について記載するように合成を行った。
【0150】
中間体17b):
【化32】

【0151】
中間体17a)(370mg)のTHF(15ml)溶液に、水酸化リチウムの水(0.74ml)溶液(2M)を0℃で加えた。次いで、氷浴を除去し、反応物を周囲温度で2日間撹拌した。混合物を酢酸エチル及びブラインで希釈し、3%クエン酸の溶液でpHをpH6に調節した。層の分離後、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下除去し、表題化合物を得て、それを次のステップにおいてさらなる精製をせずに使用した。
【0152】
中間体17c):
【化33】

【0153】
中間体17b)(315mg)をTHF(20ml)に溶解し、カルボニルジイミダゾール(162mg)を加えた。混合物を、0℃に冷却する前に、周囲温度で1h撹拌した。水中の水酸化ホウ素ナトリウム(38mg)を加え、さらに10分間撹拌を続けた。反応物をアセトンでクエンチし、溶媒を真空中で除去した。残渣を酢酸エチル及び水に溶解した。層の分離後、有機層を5%クエン酸の溶液、飽和炭酸水素ナトリウム溶液及びブラインで洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、溶媒を真空中で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)によって精製し、表題化合物を得た。
【0154】
中間体17d):
【化34】

【0155】
中間体17c)(100mg)をジクロロメタン(10ml)に溶解し、0℃でメシルクロリド(0.026ml)及びトリエチルアミン(0.046ml)を加えた。氷浴を除去し、さらなるメシルクロリド(0.007ml)及びトリエチルアミン(0.012ml)を加える前に混合物を周囲温度で撹拌し、撹拌をさらに1時間続けた。混合物をジクロロメタンで希釈し、水/飽和炭酸水素ナトリウム及び水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去し、表題化合物を得て、それを次のステップでさらに精製せずに使用した。
【0156】
実施例17:
【化35】

【0157】
ピロリジン(78mg)の乾燥MeCN(1.5ml)溶液に、中間体17d)(55mg)の乾燥アセトニトリル溶液を加えた。反応物を50℃に一晩加熱した。混合物を真空中で乾燥するまで蒸発させ、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)で精製し、表題化合物を得た。遊離塩基を対応するHCl塩に変換した。
【0158】
実施例21の合成:
中間体21a):
【化36】

【0159】
中間体9e)(300mg)のTHF(12ml)溶液に、水酸化リチウムの水(0.61ml)溶液(2M)を0℃で加えた。続いて氷浴を除去し、反応物を周囲温度で一晩撹拌した。混合物を酢酸エチル及びブラインで希釈し、3%クエン酸の溶液でpHをpH6に調節した。層の分離後、有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下除去し、表題化合物を得て、それを次のステップでさらに精製せずに使用した。
【0160】
中間体21b):
【化37】

【0161】
中間体21a)(275mg)をジクロロメタンに溶解し、カルボニルジイミダゾール(102mg)を加えた。N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(62mg)及びジイソプロピルエチルアミン(0.110ml)を続いて加える前に、混合物を周囲温度で30分間撹拌した。撹拌を一晩続けた。混合物をジクロロメタンで希釈し、有機相を5%クエン酸の溶液、炭酸水素ナトリウム溶液及びブラインで洗浄し、その後硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)による精製によって、表題化合物を得た。
【0162】
中間体21c):
【化38】

【0163】
中間体21b)(100mg)の乾燥テトラヒドロフラン溶液に、メチルリチウムの溶液(ジエチルエーテル中1.5M、0.12ml)を−78℃で加えた。飽和塩化アンモニウム溶液で加水分解する前に、混合物を30分間撹拌した。ジエチルエーテルによる希釈後、層を分離し、水層をジエチルエーテルで2度抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製によって、表題化合物を得た。
【0164】
実施例21:
【化39】

【0165】
中間体21c)(65mg)及びピロリジン(0.013ml)をジクロロエタン(2ml)に溶解し、続いて氷酢酸(0.008ml)及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(42mg)を加えた。混合物を周囲温度で3日間撹拌した。溶媒を減圧下除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)で精製し、表題化合物を得た。遊離塩基はHCl塩に変換された。
【0166】
実施例25の合成:
実施例25:
【化40】

【0167】
実施例17(407mg)のtert−ブチルアルコール(8ml)溶液に、水酸化カリウム(240mg)の微粉を加え、混合物を70℃に4時間加熱した。次いで、混合物をブライン及び酢酸エチルに分配した。水相を酢酸エチルで3度抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下除去し、表題化合物を得て、それを分取HPLCによって精製した。
【0168】
実施例27の合成:
中間体27a):
【化41】

【0169】
臭化銅(547mg)を酢酸エチル(13ml)中で懸濁させ、加熱還流した。次いで、クロロホルム(13ml)中の4’−シアノ−3−(1、3−ジオキサン−2−イル)プロピオフェノン(500mg)を加えた。反応混合物を2h還流させた。さらなる340mgの臭化銅を2回に分けて加え、続いて2時間還流した。混合物を一晩室温で撹拌し、続いてセライトを通して濾過した。溶媒を減圧下蒸発させ、生成物をクロマトグラフィーによって精製した。
【0170】
中間体27b):
【化42】

【0171】
アセトニトリル(20ml)中のトシレート中間体9c)(700mg)及びジイソプロピルエチルアミン(0.52ml)の混合物を50℃に加熱した。次いで、アセトニトリル中の中間体27a)(480mg)を加え、反応混合物を、50℃で30分間、及び室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下除去した。混合物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得た。
【0172】
中間体27c):
【化43】

【0173】
中間体27b)(620mg)を乾燥ジクロロメタン(16ml)に溶解した。混合物を氷浴で0℃に冷却した。次いで、無水トリフルオロ酢酸(1.62ml)を加えた。混合物を0℃で30分間、次いで室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下除去した。生成物中間体27c)を、次のステップで精製せずに使用した。
【0174】
中間体27d):
【化44】

【0175】
中間体27c)(460mg)をテトラヒドロフラン(16ml)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。6MのHCl(0.46ml)を加え、次いで、反応混合物を60℃で一晩撹拌した。さらなる3当量のHCl(6N)を加え、混合物を60℃で撹拌し続けた。混合物を炭酸ナトリウムで中和し、生成物を酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下除去し、混合物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得た。
【0176】
実施例27:
【化45】

【0177】
中間体27d)(19mg)をジクロロエタン(0.3ml)に溶解し、1−メチルピペラジン(5μl)を加え、反応混合物を30分間撹拌した。トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(12mg)を加えた後、混合物を室温で一晩撹拌した。水を加え、水相をジクロロメタンで2度抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下除去した。表題化合物を分取HPLCによって精製した。
【0178】
実施例47の合成:
中間体47a):
【化46】

【0179】
アルゴン下、撹拌した臭化銅(II)(9.523g)の酢酸エチル(100ml)懸濁液に、クロロホルム(100ml)中の2−(5−クロロバレリル)オキサゾール(4.000g)を加えた。このように得られた混合物を還流温度で一晩撹拌した。反応混合物をセライトを通して濾過し、濾液を乾燥するまで蒸発させた。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0180】
中間体47b):
【化47】

【0181】
50℃で、撹拌した中間体47a)(2665mg)のアセトニトリル(75ml)溶液に、DIEA(3658μl)を加えた。得られた溶液を15分間撹拌し、次いで、アセトニトリル(75ml)中の中間体9c)(4532mg)を加えた。得られた溶液を50℃で3h撹拌した。揮発性物質を除去し、生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0182】
中間体47c):
【化48】

【0183】
0℃で、撹拌した中間体47b)(4.65g)の乾燥DCM(45ml)溶液に、TFAA(5ml)を加えた。次いで、反応混合物をRTに温め、3h撹拌した。反応混合物を飽和NaHCOで中和し、次いで相を分離した。有機層を飽和NaHCOで2度抽出した。合わせた水層をDCMで再び抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaCO上で乾燥させ、濾過し、揮発性物質を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0184】
実施例47:
【化49】

【0185】
中間体47c)(1068mg)をアセトニトリル(100ml)に溶解した。ピロリジン(2003μl)を加え、反応混合物を70℃で8h撹拌した。揮発性物質を除去し、粗生成物を分取LC−MSで精製した。精製した化合物を酢酸エチルで溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。水相を酢酸エチルで3度抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を除去した。得られた油を酢酸エチル(10ml)に溶解し、ジエチルエーテル(2ml)中の1MのHClを加えた。揮発性物質を除去し、生成物をオフホワイトの粉末の形態で得た。
【0186】
実施例50の合成:
実施例50:
【化50】

【0187】
実施例25(422mg)を濃塩酸に溶解し、2時間還流させた。溶媒を減圧下除去し、表題化合物を得て、それを分取HPLCによって精製した。
【0188】
実施例54の合成:
中間体54a):
【化51】

【0189】
2−(3−メトキシ−フェニル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸メチルエステル(1000mg)、メタクロレイン(990mg)、無水酢酸(5.5ml)及び氷酢酸(14.5ml)の混合物を、マイクロ波中にて180℃で75分間加熱した。次いで、揮発性物質を減圧下除去した。メタノール及び1Nの炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、混合物を2h撹拌した。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル及び水に溶解した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下除去し、表題化合物を得て、それをさらに精製せずに次のステップに使用した。
【0190】
中間体54b):
【化52】

【0191】
中間体54a)(450mg)をジクロロメタン(27ml)に溶解し、ピロリジン(0.11ml)を加え、混合物を30分間周囲温度で撹拌した。次いで、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(360mg)を加え、反応物を一晩撹拌した。水を加え、水相をジクロロメタンで2度抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下除去した。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0192】
中間体54c):
【化53】

【0193】
中間体54b)(78mg)をテトラヒドロフラン(3.5ml)に溶解し、0℃に冷却した。次いで、水酸化リチウム(0.19ml、水中2N)を加え、混合物を室温に達しさせ、2日間撹拌した。酢酸エチル及びブラインを加えた。クエン酸(5%)を数滴加えることによって、白色の沈殿物を溶解した。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下除去し、中間体54c)を得た。
【0194】
実施例54:
【化54】

【0195】
中間体54c)(38mg)をDMF(5ml)に溶解した。次いで、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、44mg)、ジイソプロピルエチルアミン(20μl)及びジイソアミルアミン(24μl)を加え、混合物を一晩周囲温度で撹拌した。溶媒を蒸発させた。次いで、生成物を酢酸エチルに溶解した。有機層をブライン、次いで飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、ブラインで再び洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。生成物を分取HPLCで精製し、実施例54を得た。
【0196】
実施例58の合成:
中間体58a):
【化55】

【0197】
0℃で、EDC(1608mg)を、DCM(25ml)中の5−メチル−ピリジン−2−カルボン酸(1000mg)に加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いでN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(818mg)、続いてNMM(922μl)を加えた。反応物をRTにまで温め、一晩撹拌した。反応混合物をDCM(25ml)で希釈し、次いで飽和NaHCO(2×25ml)で抽出し、水層をDCM(25ml)で再び抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0198】
中間体58b):
【化56】

【0199】
−78℃で、アルゴン雰囲気下にて、撹拌した中間体58a)(1270mg)の乾燥THF(10ml)溶液に、メチルリチウム(EtO中1.6M、13.2ml)を注意深く加えた。反応混合物を−78℃で90分間撹拌し、次いで飽和NHCl(10ml)で加水分解した。反応混合物をジエチルエーテル(50ml)で希釈した。水層をジエチルエーテル(2×10ml)で再び抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を注意深く除去した。生成物をクーゲルロール蒸留(10ミリバール、130℃)によって精製した。
【0200】
中間体58c):
【化57】

【0201】
RTで、撹拌した中間体58b)(541mg)のAcOH(10ml)溶液に、AcOH(2ml)中の33%HBr、次いで臭素(53μl)を加えた。30分後、さらなる臭素(50μl)を加え、反応混合物を90分間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、次いで飽和水性NaHCO溶液中に注いだ。それを、酢酸エチルで3度抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を注意深く除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0202】
中間体58d):
【化58】

【0203】
中間体58c)(350mg)及び中間体9b)(522mg)をMeCN(10ml)に溶解し、次いで、マイクロ波照射を使用して180℃に30分間加熱した。揮発性物質を除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0204】
中間体58e):
【化59】

【0205】
アクロレイン(233μl)、続いて無水酢酸(2ml)を中間体58d)(381mg)の氷酢酸(6ml)溶液に加え、混合物をマイクロ波反応器中にて180℃で30分間加熱した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100ml)及び飽和水性炭酸ナトリウム溶液(50ml)の混合物に注ぎ、塩基性pHに達しさせ、次いで酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を除去した。炭酸水素ナトリウムの水(10ml)溶液(1M)を、メタノール(50ml)中の粗生成物に加えた。反応混合物をRTで一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、次いで飽和水性NaHCO溶液及びDCMに分配した。水層をDCMで2度抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を除去した。
【0206】
実施例58:
【化60】

【0207】
中間体58e)(83mg)及びTHF(463μl)中のジメチルアミン(2M)を1,2−ジクロロエタン(5ml)に溶解した。RTで撹拌して1h後、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(782mg)を加えた。混合物を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を1MのNaHCO(2×2ml)で抽出した。水層をDCE(2ml)で再び抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、乾燥するまで真空中で蒸発させた。粗生成物を分取LC−MSで精製した。
【0208】
実施例59の合成:
中間体59a):
【化61】

【0209】
アルゴン下、撹拌した臭化銅(II)(19.36g)の酢酸エチル(200ml)懸濁液に、クロロホルム(200ml)中の6−クロロ−3−(5−クロロバレリル)−ピリジン(10.06g)を加えた。このように得られた混合物を還流させながら20h撹拌した。反応混合物をセライト上で濾過し、真空中で濃縮した。
濾過の残渣をアセトニトリルで洗浄し、濾液を真空中で濃縮した。残渣を酢酸エチル(500ml)で溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(500ml)で洗浄した。水層を酢酸エチルで2度抽出した。有機層を最初に単離したバッチと合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及びブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下除去した。
【0210】
中間体59b):
【化62】

【0211】
6−アミノニコチン酸メチルエステル(20.09g)の乾燥ピリジン(400ml)溶液に、アルゴン雰囲気下にて塩化トシル(28.94g)を加えた。反応混合物を85℃で16h撹拌した。溶媒を減圧下除去し、残渣を水で溶解し、2h撹拌した。茶色の沈殿物が形成した。それを濾過し、水で2度洗浄し、Sicapent上で乾燥させた。
【0212】
中間体59c):
【化63】

【0213】
アセトニトリル(300ml)中の中間体59b)(9.74g)及び中間体59a)(10.24g)の混合物をエチルジイソプロピルアミン(6654μl)で処理し、50℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧下除去した。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0214】
中間体59d):
【化64】

【0215】
中間体59c)(15.07g)を乾燥DCM(180ml)に溶解し、0℃に冷却した。トリフルオロ酢酸無水物(20ml)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物をDCM(200ml)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で注意深く抽出した。水層をDCMで2度抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下除去した。
【0216】
中間体59e):
【化65】

【0217】
中間体59d)(5.0g)、アセトニトリル(120ml)及びピロリジン(10.9ml)を70℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧下除去した。生成物をアセトンで粉砕し、濾過し、真空オーブン中で一晩乾燥させた。
【0218】
中間体59f):
【化66】

【0219】
中間体59e)(4.6g)を水(150ml)中のHCl(3M)に溶解し、反応混合物を120℃で36h撹拌した。溶媒を減圧下除去し、残渣をトルエンで2度共蒸発させ、生成物を高真空で2日間乾燥させた。生成物を、さらに精製せずに次のステップでそれ自体として使用した。
【0220】
実施例59:
【化67】

【0221】
中間体59f)(1000mg)をDMF(10ml)に溶解し、次いでEDC(525mg)、HOAt(373mg)及びDIEA(1431μl)を加えた。反応混合物を1h撹拌した。ジイソアミルアミン(562μl)を加え、反応混合物を一晩撹拌した。揮発性物質を除去し、次いで、残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解した。有機層を飽和NaHCO(2×100ml)で洗浄し、次いで合わせた水層を酢酸エチル(100ml)で再び抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下除去した。粗生成物を分取LC−MSで精製した。
【0222】
実施例64の合成:
実施例64:
【化68】

【0223】
ジメチルホルムアミド(4ml)中の実施例50(200mg)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、185mg)及びジイソプロピルエチルアミン(1.95ml)を周囲温度で15分間撹拌し、その後メチルアミン(2N)のテトラヒドロフラン(0.28ml)溶液を加えた。撹拌を一晩続けた。酢酸エチルを加えた。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下除去し、表題化合物を得て、それを分取HPLCによって精製した。
【0224】
実施例79の合成:
中間体79a):
【化69】

【0225】
50℃で、撹拌した中間体59a)(679mg)のアセトニトリル(15ml)懸濁液に、DIEA(806μl)を加えた。得られた溶液を10分間撹拌し、次いでアセトニトリル(15ml)中の中間体9c)(993mg)を加えた。得られた溶液を50℃で2h撹拌した。溶媒を除去し、得られた油をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0226】
中間体79b):
【化70】

【0227】
0℃で、撹拌した中間体79a)(1.35g)の乾燥DCM(18ml)溶液に、TFAA(2ml)を加えた。次いで、反応混合物をRTに温め、一晩撹拌した。揮発性物質を除去し、得られた油をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0228】
中間体79c):
【化71】

【0229】
中間体79b)(100mg)、アセトニトリル(5ml)及びピロリジン(167μl)を70℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧下除去した。生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0230】
実施例79:
【化72】

【0231】
水素化ナトリウム(31mg)のDMF(5ml)懸濁液に、エチレングリコール(22μl)をアルゴン雰囲気下にて加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、次いでDMF(5ml)中の中間体79c)(70mg)を加えた。混合物を140℃で一晩撹拌した。混合物を冷却し、水で加水分解した。溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチルに溶解した。有機層を水及びブラインで抽出し、溶媒を減圧下除去した。粗生成物を分取LC−MSを使用して精製した。
【0232】
実施例90の合成:
中間体90a):
【化73】

【0233】
2−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−3−(3−ピロリジン−1−イル−プロピル)−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸ビス−(3−メチル−ブチル)−アミド(100mg)及びベンジルアミン(0.5ml)を、マイクロ波中にて150℃で2h加熱した。混合物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得た。
【0234】
実施例90:
【化74】

【0235】
トリフルオロメタンスルホン酸(300mg)を、乾燥ジクロロメタン(1.5ml)中の中間体90a)(78mg)に0℃で滴下した。次いで、混合物を40℃に3時間加熱した。再び混合物を0℃に冷却し、さらなる300mgのトリフルオロメタンスルホン酸を加え、続いて2h加熱還流した。溶媒を減圧下蒸発させた。分取HPLCによる精製後、表題化合物を得た。
【0236】
実施例91及び92の合成:
実施例91及び92:
【化75】

【0237】
実施例59)(100mg)をアセトン(5ml)に溶解し、次いで炭酸カリウム(41mg)及び3−ブロモ−1−プロパノール(20μl)を加えた。反応混合物を60℃で一晩撹拌し、濾過し、溶媒を減圧下除去した。生成物を分取LC−MSで分離させた。
【0238】
実施例98の合成
中間体98a):
【化76】

【0239】
使用する前に、減圧(bp106℃/22ミリバール)下でδ−バレロラクトンを蒸留した。撹拌した水素化ナトリウム(油中60%、2.66g)の乾燥トルエン(100ml)懸濁液に、還流させながら乾燥トルエン(50ml)中のメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキシレート(8.87ml)及びδ−バレロラクトン(6.34g)の混合物を滴下した。添加の後、反応混合物を還流温度で一晩撹拌した。室温に冷却した後に、反応混合物を氷水(300ml)に注いだ。フラスコ内の固体を水(150ml)及びトルエン(50ml)で回収した。相分離後、AcOH(5ml)を使用して水層を酸性化し、酢酸エチル(3×150ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、揮発性物質を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0240】
中間体98b):
【化77】

【0241】
中間体98a)(1.86g)を濃塩酸(10ml)中で80℃にて1h撹拌した。反応混合物を飽和NaCO(300ml)に注ぎ、DCM(3×100ml)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、揮発性物質を除去した。
【0242】
中間体98c):
【化78】

【0243】
アルゴン下、撹拌した臭化銅(II)(1965mg)の酢酸エチル(25ml)懸濁液に、クロロホルム(25ml)中の中間体98b)(934mg)を加えた。このように得られた混合物を還流させながら一晩撹拌した。反応混合物をセライトを通して濾過し、セライトパッドを酢酸エチルで完全に洗浄した。有機層を飽和NaHCOで2度抽出した。水層を酢酸エチルで再び抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、揮発性物質を除去した。
【0244】
中間体98d):
【化79】

【0245】
50℃で、撹拌した9c)(1994mg)のアセトニトリル(50ml)懸濁液に、DIEA(1610μl)を加えた。得られた溶液を50℃で15分間撹拌し、次いでアセトニトリル(50ml)中の中間体98c)(1.25g)を加えた。得られた反応混合物を50℃で一晩撹拌した。揮発性物質を除去し、粗製物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0246】
中間体98e):
【化80】

【0247】
アルゴン雰囲気下にて、中間体98d)(525mg)のDCE(9ml)溶液に、TFAA(1ml)を加え、反応混合物をRTで4日間撹拌した。さらなるTFAA(1ml)及びDCE(9ml)を加え、反応混合物を一晩加熱還流した。揮発性物質を除去し、残渣を酢酸エチル(50ml)に溶解した。有機層を飽和NaCO(25ml)で2度抽出した。合わせた水層を酢酸エチル(25ml)で再び抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、揮発性物質を除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0248】
実施例98:
【化81】

【0249】
撹拌した中間体98e)(85mg)のMeCN(10ml)溶液に、ピロリジン(172μl)を加え、反応混合物を密封した管中で50℃にて2日間撹拌した。揮発性物質を除去し、粗生成物を分取LC−MSによって精製した。
【0250】
実施例109の合成:
中間体109a):
【化82】

【0251】
シクロプロピル酢酸(2002mg)のDCM(100ml)溶液に0℃で、EDC(3834mg)及びHOBt(3063mg)を加えた。反応混合物を0℃で30分間撹拌した。シクロプロピルエチルアミン(1703mg)及びDIEA(10.45ml)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を1.0NのHCl(100ml)、飽和NaHCO(100ml)、水(100ml)及びブライン(100ml)で抽出した。有機層をNaSO上で乾燥させ、真空中で乾燥するまで蒸発させた。
【0252】
中間体109b):
【化83】

【0253】
中間体109a)(2448mg)の無水THF(40ml)溶液を、アルゴン雰囲気下にて水素化アルミニウムリチウム(1389mg)の無水THF(60ml)懸濁液に室温で滴下した。反応混合物を還流温度まで加熱し、さらに2日間撹拌した。10%水性KOH(100ml)を0℃で加えることによって、反応混合物を加水分解した。20分間室温で撹拌した後、反応混合物を濾過し、固体をジエチルエーテル(100ml)で洗浄した。二相性濾液を分離漏斗に移し、有機層を水及びブラインで洗浄した。合わせた水層をジエチルエーテル(2×100ml)で2度洗浄した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下除去した。
【0254】
中間体109c):
【化84】

【0255】
中間体59d)(2.0g)、アセトニトリル(30ml)及び2−メチル−ピロリジン(1.27ml)を70℃で一晩撹拌した。DIEA(500μl)を加え、混合物を70℃で20h撹拌した。溶媒を減圧下除去し、残渣を酢酸エチルで溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液、水及びブラインで2度洗浄した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0256】
中間体109d):
【化85】

【0257】
中間体109c)(1.7g)を水(100ml)中のHCl(3M)に溶解し、反応混合物を120℃で24h撹拌した。溶媒を減圧下除去し、残渣をトルエンで2度共蒸発させ、生成物を高真空で3h、続いてオーブン中にて40℃で減圧下3日間乾燥させた。生成物をそれ自体として次のステップでさらに精製せずに使用した。
【0258】
実施例109:
【化86】

【0259】
中間体109d)(600mg)をDMF(5ml)に溶解し、次いでEDC(299mg)、HOAt(212mg)及びDIEA(815μl)を加えた。反応混合物を1h撹拌した。中間体109b)(239mg)を加え、反応混合物を一晩撹拌した。揮発性物質を除去し、次いで残渣を酢酸エチル(100ml)に溶解した。有機層を飽和NaHCO(2×50ml)で洗浄し、次いで合わせた水層を酢酸エチル(50ml)で再び抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下除去した。粗生成物を分取LC−MSによって精製した。
【0260】
実施例110の合成:
実施例110:
【化87】

【0261】
実施例109(230mg)をアセトン(7ml)に溶解し、次いで炭酸セシウム(222mg)及び2−ブロモエチルアセテート(55μl)を加えた。反応混合物を60℃で一晩撹拌し、濾過し、溶媒を減圧下除去した。N−及びO−アルキル化生成物を分取LC−MSによって分離した。
【0262】
実施例111及び112の合成:
実施例111及び112:
【化88】

【0263】
実施例110及びO−アルキル化副生物(精製前の粗生成物)(116mg)の混合物を、THF(10ml)に溶解し、0℃に冷却した。水(2ml)中の水酸化リチウム一水和物(30mg)を加え、反応混合物を0℃で30分間及び室温で2.5h撹拌した。反応混合物を濃縮し、次いで酢酸エチル及び水に分配した。水層を酢酸エチルで3度抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を減圧下除去した。生成物を分取LC−MSによって分離した。
【0264】
実施例114の合成:
中間体114a):
【化89】

【0265】
6−アミノ−N,N−ビス−(3−メチル−ブチル)−ニコチンアミド(100mg)のMeCN(2ml)溶液に、MeCN(2ml)中の2−ブロモ−3’−メトキシアセトフェノンを加え、混合物をマイクロ波照射下170℃で40分間加熱した。溶媒を除去し、粗混合物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/シクロヘキサン)で精製し、表題化合物を得た。
【0266】
実施例114:
【化90】

【0267】
4−ジメチルアミノ−ピペリジン(14.1mg)のHOAc溶液及びホルムアルデヒド(37%水溶液、8.2μl)を、HOAc中の中間体114a)(30mg)に加え、混合物を60℃で16h加熱した。溶媒の蒸発後、粗反応混合物を分取HPLCで精製し、表題化合物を得た。
【0268】
実施例119の合成:
中間体119a):
【化91】

【0269】
6−アミノ−N,N−ビス−(3−メチル−ブチル)−ニコチンアミド(1000mg)のMeCN(10ml)溶液に、MeCN(10ml)中の2−ブロモ−4’−クロロアセトフェノンを加え、混合物をマイクロ波照射下160℃で15分間加熱した。冷却すると、沈殿物が形成され、それを集め、乾燥させ、表題化合物を得た。
【0270】
実施例119:
【化92】

【0271】
[1,4]ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(22.3mg)のHOAc溶液及びホルムアルデヒド(37%水溶液、13.5μl)を、HOAc中の中間体119a)(30mg)に加え、混合物を60℃で16h加熱した。溶媒の蒸発後、粗反応混合物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)によって精製した。次いで、このように得られたBoc−保護された中間体を4MのHCl/ジオキサンで1h処理し、表題化合物を得た。
【0272】
実施例143の合成:
中間体143a):
【化93】

【0273】
2−シクロプロピル−エチルアミン塩酸塩(700mg)を、ジクロロメタン(14ml)に懸濁させた。溶液を0℃に冷却し、続いてイソバレリルクロリド(0.84ml)及びトリエチルアミン(1.60ml)を加えた。反応物を室温に温め、反応混合物を4h撹拌した。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(50ml)及び飽和NaHCO(40ml)に分配した。水層を酢酸エチル(50ml)で2度抽出し、合わせた有機相をブライン(40ml)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下除去した。粗生成物を分取LC−MSによって精製した。
【0274】
中間体143b):
【化94】

【0275】
中間体143a)(838mg)をボラン−テトラヒドロフラン錯体(THF中1M溶液、14.9ml)で処理し、反応混合物を還流させながら6h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、メタノール(7ml)を注意深く加えた。反応混合物を5h還流させ、0℃に冷却した。DCM(7ml)に溶解したジ−tert−ブチルジカルボネートを加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。揮発性物質を除去し、残渣を酢酸エチル(100ml)に溶解した。有機層を水(60ml)及びブライン(60ml)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下除去した。粗生成物をさらに精製せず使用した。
【0276】
中間体143c):
【化95】

【0277】
中間体143b)(1.26g)をDCM(30ml)に溶解し、ジオキサン(1.48ml)中の4MのHClを加えた。反応混合物を室温で14h撹拌した。溶媒を除去し、このように得られた白色固体をエーテルで粉砕し、生成物を濾過によって集め、エーテルで洗浄し、高真空で乾燥させた。固体をさらに精製せずに使用した。
【0278】
中間体143d):
【化96】

【0279】
アルゴン下、撹拌した臭化銅(II)(3.62g)の酢酸エチル(60ml)懸濁液に、クロロホルム(60ml)中の5−クロロ−1−(4−シアノフェニル)−1−オキソペンタン(3.00g)を加えた。このように得られた混合物を還流させながら一晩撹拌した。さらなる臭化銅(II)(0.60g)を加え、反応物を3h還流させた。反応混合物をセライト上で濾過し、酢酸エチルで洗浄し、真空中で濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0280】
中間体143e):
【化97】

【0281】
中間体143d)(3.00g)をアセトニトリル(80ml)に溶解した。エチルジイソプロピルアミン(3.2ml)を加え、反応混合物を85℃で加熱した。アセトニトリル(20ml)に溶解した中間体59b)(2.80g)を加え、反応混合物を1h還流させた。溶媒を減圧下除去した。生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0282】
中間体143f):
【化98】

【0283】
中間体143e)(4.67g)を乾燥DCM(90ml)に溶解し、0℃に冷却した。トリフルオロ酢酸無水物(12ml)を加え、反応混合物を室温で6h撹拌した。溶媒を減圧下除去した。残渣を酢酸エチル(200ml)に溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液に注ぎ、得られた白色の沈殿物を濾過し、水で洗浄し、高真空下で乾燥させた。
【0284】
中間体143g):
【化99】

【0285】
中間体143f)(1.50g)、アセトニトリル(40ml)及びピロリジン(3.5ml)を70℃で6h撹拌した。溶媒の半分を減圧下除去し、残った溶液を氷浴上で2h冷却した。得られた固体を濾過し、冷却したアセトニトリルで洗浄した。生成物を高真空下にて乾燥させた。
【0286】
中間体143h):
【化100】

【0287】
中間体143g)(313mg)をTHF(10ml)に溶解し、水(0.92ml)中のLiOH(2M)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。さらなるTHF(1.5ml)及び水(0.1ml)中のLiOH(2M)を加え、反応混合物を室温で3h撹拌した。得られた固体を濾過し、冷却したTHFで洗浄し、高真空で乾燥させた。生成物をそれ自体として次のステップでさらに精製せずに使用した。
【0288】
実施例143:
【化101】

【0289】
中間体143h)(40mg)をDMF(3ml)に溶解し、次いで、HATU(49mg)、DIEA(22μl)及び中間体143c)(23mg)を加えた。反応混合物を1h撹拌した。反応は完了しておらず、したがってさらなる中間体143c)(10mg)及びDIEA(22μl)を加え、反応混合物を2h撹拌した。揮発性物質を除去し、次いで、残渣を酢酸エチル(50ml)に溶解した。有機層をブライン(40ml)、飽和NaHCO(40ml)及びブライン(40ml)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下除去した。粗生成物を分取LC−MSで精製した。
【0290】
生物学的アッセイ
A 結合アッセイ
ヒトメラノコルチン受容体を発現しているHEK293細胞膜調製物に結合している蛍光標識NDP−α−MSHの競争的阻害剤を同定するために、膜結合アッセイを使用する。
【0291】
試験化合物又は非標識NDP−α−MSHを、様々な濃度で384ウェルマイクロタイタープレートに分注する。蛍光標識NDP−α−MSHを、単一の濃度で分注し、続いて膜調製物を加える。プレートを室温で5hインキュベートする。
【0292】
蛍光偏光の程度を蛍光偏光マイクロプレートリーダーで決定する。
【0293】
B 機能アッセイ
ヒトメラノコルチン受容体のアゴニスト活性を、均質膜をベースとするアッセイにおいて決定する。cAMP特異抗体上の結合部位の限られた数についての、非標識cAMPと蛍光標識cAMPの定量との間の競合は、蛍光偏光によって明らかになる。
【0294】
試験化合物又は非標識NDP−α−MSHを、様々な濃度で384ウェルマイクロタイタープレートに分注する。ヒトメラノコルチン受容体を発現しているHEK293細胞からの膜調製物を加える。短いプレインキュベーション期間後、適切な量のATP、GTP及びcAMP抗体を加え、プレートをさらにインキュベートした後、蛍光標識cAMPコンジュゲートを分注する。プレートを4℃で2hインキュベートした後、蛍光偏光マイクロプレートリーダーで読み取る。試験化合物への反応として生成されたcAMPの量を、NDP−α−MSHによる刺激からもたらされるcAMPの生成と比較する。
【0295】
本発明の代表的な化合物を試験し、メラノコルチン−4受容体に結合することを見出した。これらの化合物は一般に、2μM未満のIC50値を有することが見出された。本発明の代表的な化合物をまた機能アッセイにおいて試験し、一般にメラノコルチン−4受容体を活性化しないことを見出した。
【0296】
【表8−1】

【0297】
【表8−2】

【0298】
【表8−3】

【0299】
【表8−4】

【0300】
【表8−5】

【0301】
【表8−6】

【0302】
C in vivo食物摂取モデル
1 自発的摂食パラダイム
試験化合物のi.p.又はp.o.投与後に、ラットにおける食物摂取量を測定する(例えば、Chen,A.S.ら、Transgenic Res2000、4月;9(2):145〜54を参照されたい)。
【0303】
2 LPS誘発食欲不振症及び腫瘍誘発悪液質のモデル
試験化合物のラットへのi.p.又はp.o.投与によって、リポ多糖(LPS)投与により誘発される食欲不振症又は腫瘍増殖によって誘発される悪液質の予防又は寛解を決定する(例えば、Marks,D.L.;Ling,N及びCone,R.D.Cancer Res2001、2月、15;61(4):1432〜8を参照されたい)。
【0304】
D in vitro ADMEアッセイ
1 ミクロソームの安定性
実験手順
プールしたヒト肝ミクロソーム(プールした雄性及び雌性)及びプールしたラット肝ミクロソーム(雄性Sprague−Dawleyラット)を調製する。使用前に、ミクロソームを−80℃で貯蔵する。
【0305】
NADPH(最終濃度=1mM)の添加の前に、ミクロソーム(最終濃度0.5mg/ml)、0.1Mのリン酸緩衝液(pH7.4)及び試験化合物(最終基質濃度=3μM;最終DMSO濃度=0.25%)を、37℃でプレインキュベートし、反応を開始する。最終インキュベーション容量は25μlである。試験した各化合物について対照インキュベーションが含まれ、そこではNADPHの代わりに0.1Mのリン酸緩衝液(pH7.4)を加える(NADPH非含有)。2種の対照化合物が、各々の種と共に含まれる。各試験化合物について全てのインキュベーションを単独で行う。
【0306】
各化合物を、0分、5分、15分、30分及び45分間インキュベートする。対照(NADPH非含有)は、45分間だけインキュベートする。内部標準を含有する50μlメタノールを適切な時点で添加することによって反応を停止させる。インキュベーションプレートを、2,500rpmで4℃にて20分間遠心分離し、タンパク質を沈殿させる。
【0307】
定量分析
タンパク質沈殿の後、試料上澄みを4種までの化合物のカセット中で合わせ、一般的なLC−MS/MS条件を使用して分析する。
【0308】
データ分析
時間に対してピーク面積比(化合物ピーク面積/内部標準ピーク面積)をプロットし、線の勾配を決定する。続いて、下記の式を使用して半減期及び固有クリアランスを計算する。
【数1】

【0309】
2種の対照化合物を、アッセイに含め、これらの化合物についての値が指定限界内でなければ、結果を拒否し、実験を繰り返す。
【0310】
2 肝細胞安定性
実験手順
凍結保存した肝細胞の懸濁液を、ヒト肝細胞安定性アッセイのために使用する(3つの個体からプールする)。全ての凍結保存した肝細胞は、In vitro Technologies、Xenotech又はTCSから購入する。
0.5×10生細胞/mlの細胞密度、3μMの試験又は対照化合物濃度で、インキュベーションを行う。インキュベーションにおける最終DMSO濃度は、0.25%である。対照インキュベーションをまた、細胞の非存在下で行い、あらゆる非酵素分解を明らかにする。
0分、5分、10分、20分、40分及び60分(対照試料は60分のみ)に、重複試料(50μl)をインキュベーション混合物から取り出し、内部標準(100μl)を含有するメタノールに加え、反応を停止させる。
トルブタミド、7−ヒドロキシクマリン、及びテストステロンを、対照化合物として使用する。
試料を遠心分離し(2500rpm、4℃、20分間)、一般の方法を使用したLC−MS/MSによるカセット分析のために上澄みを各時点でプールする。
【0311】
データ分析
時間に対してピーク面積比(化合物ピーク面積/内部標準ピーク面積)をプロットし、線の勾配を決定する。続いて、半減期及び固有クリアランスを、下記の式を使用して計算する。
【数2】

【0312】
3 Caco−2透過性(双方向的)
実験手順
継代数27でATCCから得たCaco−2細胞を使用する。細胞(継代数40〜60)を、Millipore Multiscreen Caco−2プレートに1×105細胞/cmで播種する。それらをDMEM中で20日間培養し、培地を2日毎又は3日毎に交換する。20日目に、透過性試験を行う。
25mMのHEPES及び10mMのグルコースを有するハンクス平衡塩類溶液(HBSS)(pH7.4)緩衝液を、透過性試験において培地として37℃で使用する。5%CO雰囲気中95%の相対湿度でインキュベーションを行う。
20日目に、基底面及び頂端部表面の両方を37℃にてHBSSで2度すすぐことによって単層を調製する。次いで、細胞を、頂端部及び基底面コンパートメントの両方においてHBSSと共に40分間インキュベートし、生理的パラメーターを安定化する。
次いで、HBSSを頂端部コンパートメントから除去し、試験化合物既知濃度溶液と交換する。溶液は、DMSO中の10mMの試験化合物をHBSSで希釈し、10μMの最終試験化合物濃度(最終DMSO濃度1%)とすることによって作製する。完全性の蛍光マーカーであるルシファーイエローもまた、既知濃度溶液中に含まれる。分析用標準物質を既知濃度溶液から作製する。試験化合物の透過性を2連で評価する。各プレート上で、公知の透過性特性の化合物を対照として処理する。
次いで、頂端部コンパートメントインサートを、新鮮なHBSSを含有する「コンパニオン」プレート中に入れる。基底面から頂端部(B−A)透過性決定のために、インサート中の緩衝液を交換し、次いで既知濃度溶液を含有するコンパニオンプレート中にインサートを入れることによって実験を開始する。120分で、コンパニオンプレートを除去し、頂端部及び基底面試料をLC−MS/MSによる分析のために希釈する。頂端部及び基底面コンパートメント濃度の両方から開始濃度(C)及び実験上の回収率を計算する。
蛍光定量的分析を使用してルシファーイエロー透過をモニターすることによって、実験を通じて単層の完全性を検査する。単層がダメージを受けていない場合、ルシファーイエロー透過は低い。試験化合物及び対照化合物を、適切な希釈度の試料を伴う5点較正を使用してLC−MS/MSカセット分析によって定量化する。一般的な分析条件を使用する。
ルシファーイエローPapp値が1つの個々の試験化合物ウェルにおいてQC限界を超える場合、n=1の結果が報告される。試験化合物について両方の複製ウェルにおいてルシファーイエローPapp値がQC限界を超える場合、化合物を再試験する。両方のウェルにおける特定化合物についての一貫して高いルシファーイエロー透過は、毒性を示す。この場合は、さらなる実験を行わない。
【0313】
データ分析
各化合物についての透過係数(Papp)を、下記の式から計算する。
【数3】


式中、dQ/dtは、細胞を通る薬物の透過速度であり、Cは、0時点におけるドナーコンパートメント濃度であり、Aは、細胞単層の領域である。Cは、インキュベーション期間の終わりにドナー及びレシーバーコンパートメントの分析から得る。120分間のインキュベーション後に測定した試験化合物の全ては、0分においてドナーコンパートメント中に最初に存在したことが推測される。非対称インデックス(AI)は、下記のように得られる。
【数4】

【0314】
1を超える非対称インデックスは、Caco−2細胞からの流出を示し、これは、化合物が潜在的な吸収の問題をin vivoで有する場合があることを示す。
【0315】
試験化合物の見掛け透過性(Papp(A−B))値を、各々約50及び90%のヒト吸収を有する対照化合物であるアテノロール及びプロプラノロールのそれと比較する(Zhao,Y.H.ら、(2001)、Evaluation of Human Intestinal Absorption Data and Subsequent Derivation of a Quantitative Structure−Activity Relationship(QSAR)with the Abraham Descriptors.Journal of Pharmaceutical Sciences、90(6)、749〜784)。機能的P−gpがCaco−2細胞単層中に存在するかを評価するために、タリノロール(公知のP−gp基質(Deferme,S.、Mols,R.、Van Driessche,W.、Augustijns,P.(2002)、Apricot Extract Inhibits the P−gp−Mediated Efflux of Talinolol.Journal of Pharmaceutical Sciences.91(12)、2539〜48))がまた対照化合物として含まれる。
【0316】
4 シトクロムP450阻害(5種のアイソフォームのIC50決定))
実験手順
CYP1A阻害
6種の試験化合物濃度(DMSO中0.05、0.25、0.5、2.5、5、25μM;最終DMSO濃度=0.35%)を、プローブ基質エトキシレゾルフィン(0.5μM)の存在下でヒト肝ミクロソーム(0.25mg/ml)及びNADPH(1mM)と共に37℃で5分間インキュベートする。選択的CYP1A阻害剤であるα−ナフトフラボンを、試験化合物と一緒に正の対照としてスクリーニングする。
CYP2C9阻害
6種の試験化合物濃度(DMSO中0.05、0.25、0.5、2.5、5、25μM;最終DMSO濃度=0.25%)を、プローブ基質トルブタミド(120μM)の存在下でヒト肝ミクロソーム(1mg/ml)及びNADPH(1mM)と共に37℃で60分間インキュベートする。選択的CYP2C9阻害剤であるスルファフェナゾールを、試験化合物と一緒に正の対照としてスクリーニングする。
CYP2C19阻害
6種の試験化合物濃度(DMSO中0.05、0.25、0.5、2.5、5、25μM;最終DMSO濃度=0.25%)を、プローブ基質メフェニトイン(25μM)の存在下でヒト肝ミクロソーム(0.5mg/ml)及びNADPH(1mM)と共に37℃で60分間インキュベートする。選択的CYP2C19阻害剤であるトラニルシプロミンを、試験化合物と一緒に正の対照としてスクリーニングする。
CYP2D6阻害
6種の試験化合物濃度(DMSO中0.05、0.25、0.5、2.5、5、25μM;最終DMSO濃度=0.25%)を、プローブ基質デキストロメトルファン(5μM)の存在下でヒト肝ミクロソーム(0.5mg/ml)及びNADPH(1mM)と共に37℃で30分間インキュベートする。選択的CYP2D6阻害剤であるキニジンを、試験化合物と一緒に正の対照としてスクリーニングする。
CYP3A4阻害
6種の試験化合物濃度(DMSO中0.05、0.25、0.5、2.5、5、25μM;最終DMSO濃度0.26%)を、プローブ基質ミダゾラム(2.5μM)の存在下でヒト肝ミクロソーム(0.25mg/ml)及びNADPH(1mM)と共に37℃で5分間インキュベートする。選択的CYP3A4阻害剤であるケトコナゾールを、試験化合物と一緒に正の対照としてスクリーニングする。
【0317】
CYP1Aのインキュベーションについて、メタノールを加えることによって反応を停止させ、代謝物であるレゾルフィンの形成を、蛍光(励起波長=535nm、発光波長=595nm)によってモニターする。CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、及びCYP3A4のインキュベーションについて、内部標準を含有するメタノールを加えることによって反応を停止させる。次いで、試料を遠心分離し、4−ヒドロキシトルブタミド、4−ヒドロキシメフェニトイン、デキストロルファン、及び1−ヒドロキシミダゾラムプラス内部標準の、LC−MS/MSによる同時分析のために上澄みを合わせる。一般的LC−MS/MS条件を使用する。分析前に、脱イオン水中のギ酸(最終濃度=0.1%)を最終試料に加える。ビヒクル対照と比較した、代謝物の形成の減少を使用して、IC50値を計算する(50%阻害を生じさせる試験化合物濃度)。
【0318】
5 血漿タンパク質結合(10%)
実験手順
緩衝液(pH7.4)及び10%血漿(緩衝液中のv/v)中で、試験化合物の溶液(5μM、0.5%最終DMSO濃度)を調製する。半透膜で分離された2つのコンパートメントによる平衡透析を使用して実験を行う。膜の片側に緩衝液を加え、反対側に血漿溶液を加える。標準物質を血漿及び緩衝液中で調製し、37℃でインキュベートする。各化合物についての対応する溶液を、カセット中でLC−MS/MSによって分析する。
【0319】
定量分析
平衡後、試料を膜の両側から採取する。化合物の各々のバッチについての溶液を2群(血漿非含有及び血漿含有)に合わせ、次いで血漿非含有溶液(7ポイント)及び血漿含有溶液(6ポイント)についての2組の校正標準を使用して、カセットをLC−MS/MSによって分析する。一般的LC−MS/MS条件を使用する。同等のマトリックスにおいて調製した検量線を使用して試料を定量化する。化合物を2連で試験する。対照化合物を各実験に含める。
【0320】
データ分析
【数5】


fu=非結合画分
PC=タンパク質含有側における試料濃度
PF=タンパク質非含有側における試料濃度
10%血漿でのfuを、下記の式を使用して、fu100%血漿に変換する。
【数6】

【0321】
医薬組成物の例
本発明の化合物の経口組成物の特定の実施形態として、十分に微粉化したラクトースと共に33mgの実施例9を製剤し、0号硬質ゼラチンカプセルを満たす580〜590mgの総量を提供する。
【0322】
本発明の化合物の経口組成物の他の特定の実施形態として、十分に微粉化したラクトースと共に37mgの実施例17を製剤し、0号硬質ゼラチンカプセルを満たす580〜590mgの総量を提供する。
【0323】
その特定の好ましい実施形態に関して本発明を説明し例示してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更、修正及び置換をその中で行うことができることを当業者なら理解するであろう。例えば、有効量は、以上の説明から明らかなような好ましい用量以外に、観察される特定の薬理学的反応の結果として適用可能である場合があり、それは選択した特定の活性化合物、並びに製剤及び用いる投与方法のタイプによって変化する場合があり、結果におけるこのような予測される変動又は差異は、本発明の目的及び実施に従って意図されている。したがって、本発明は下記の特許請求の範囲によってのみ限定され、このような特許請求の範囲は妥当であればできるだけ広く解釈されることを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】


で表される化合物、並びにそのエナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、溶媒和物及び薬学的に許容される塩
[式中、
Aは、−NH−、−CH−、−CH−CH−又は単結合であり、
Xは、H、フェニル、飽和複素環式5員又は6員環と縮合しているフェニル(前記複素環は、O及びNから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含有していてもよく、前記複素環は、オキソ基で任意選択でさらに置換されていてもよい)、N、O及びSから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する4〜8員飽和若しくは不飽和ヘテロシクリル、N、O及びSから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5〜6員ヘテロアリール、又は−C(O)−Rであり、各フェニル、ヘテロシクリル及びヘテロアリールは、1〜3個のR14及び/又は1個のR4b及び/又は1個のRで任意選択で置換されており、
及びRは、互いに独立に、H、C1〜6アルキル、C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキル、C1〜3アルキレン−ヘテロシクリル及びC1〜6アルキレン−C3〜7シクロアルキルから選択され、各アルキル、アルキレン、ヘテロシクリル及びシクロアルキルは、OHで任意選択で置換されており、或いは
及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって5〜6員環(前記環中に1個の酸素原子をさらに含有していてもよく、環は、OH、C1〜6アルキル、O−C1〜6アルキル、C0〜3アルキレン−C3〜5シクロアルキル、C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキル又は(CH0〜3−フェニルから選択される1個又は複数の置換基で任意選択で置換されている)を形成し、
4aは、ハロゲン、CN、1個若しくは複数のハロゲン原子で任意選択で置換されているC1〜6アルキル、1個若しくは複数のハロゲン原子で任意選択で置換されているO−C1〜6アルキル、又はOHであり、
4bは、C(O)NH、C(O)OH、C(O)NH−C1〜6アルキル、C(O)N−(C1〜6アルキル)、SO−C1〜6アルキル、C(O)NH−SO−C1〜6アルキル、オキソ(それによって、環は、少なくとも部分的に飽和している)、NH、NH−C1〜6アルキル、N−(C1〜6アルキル)、NH−SO−CH、又はNH−SO−CFであり、
は、N、O及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5〜6員飽和若しくは不飽和ヘテロシクリル、又はN、O及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5〜6員ヘテロアリールであり、前記ヘテロシクリル及び前記ヘテロアリールは、1個又は2個のR14で任意選択で置換されており、
は、H、1個若しくは複数のハロゲン原子で任意選択で置換されているC1〜6アルキル、フェニル、又はN、O及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する4〜8員飽和若しくは不飽和ヘテロシクリルであり、各フェニル及びヘテロシクリルは、1〜3個のR14及び/又は1個のRで任意選択で置換されており、
は、−(CR−Tであり、
及びRは、互いに独立に、H、OH、ハロゲン、C1〜6アルキル、及びO−C1〜6アルキルから選択され、
nは、1、2、3、4、5又は6であり、
Tは、
【化2】


又はNR1213であり、
10は、H、NH、OH、C1〜6アルキル(ハロゲン、OH、及びO−C1〜6アルキルから選択される1個又は複数の置換基で任意選択で置換されている)、O−C1〜6アルキル(アルキルは、ハロゲン、OH、及びO−C1〜6アルキルから選択される1個又は複数の置換基で任意選択で置換されている)、ハロゲン、NH(C1〜6アルキル)、N(C1〜6アルキル)、フェニル又はヘテロアリールであり、フェニル及びヘテロアリールは、1〜3個のR4aで任意選択で置換されており、
qは、1又は2であり、
Yは、CH、NR11又はOであり、
11は、H、C1〜6アルキル又は(CH0〜6−C3〜7シクロアルキルであり、
12及びR13は、互いに独立に、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、(CH0〜2−C3〜7シクロアルキル及びC1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキルから選択され、C1〜6アルキル、C1〜6アルキレン及びC3〜7シクロアルキルは、1〜3個のR14で任意選択で置換されており、
14は、ハロゲン、CN、C1〜6アルキル(ハロゲン、OH、O−C1〜6アルキル、O−C3〜7シクロアルキル、O−C(O)C1〜6アルキル、O−C(O)C3〜7シクロアルキルから選択される1個又は複数の置換基で任意選択で置換されている)、O−C1〜6アルキル(ハロゲン、OH、O−C1〜6アルキル、O−C3〜7シクロアルキル、O−C(O)C1〜6アルキル、O−C(O)C3〜7シクロアルキルから選択される1個又は複数の置換基で任意選択で置換されている)、又はOHである]。
【請求項2】
Aが、−NH−、−CH−、−CH−CH−又は単結合であり、
Xが、H、フェニル、飽和複素環式6員環と縮合しているフェニル(前記複素環は、O及びNから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含有していてもよく、前記複素環は、オキソ基で任意選択でさらに置換されていてもよい)、N、O及びSから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する4〜8員飽和若しくは不飽和ヘテロシクリル、N、O及びSから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5〜6員ヘテロアリール、又は−C(O)−Rであり、各フェニル、ヘテロシクリル及びヘテロアリールは、1〜3個のR14及び/又は1個のR4b及び/又は1個のRで任意選択で置換されており、
及びRが、互いに独立に、H、C1〜6アルキル、C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキル、C1〜3アルキレン−ヘテロシクリル、及びC1〜6アルキレン−C3〜7シクロアルキルから選択され、或いは
及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって5〜6員環(前記環中に1個の酸素原子をさらに含有していてもよく、環は、OH、C1〜6アルキル、O−C1〜6アルキル、C0〜3アルキレン−C3〜5シクロアルキル、C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキル又は(CH0〜3−フェニルから選択される1個又は複数の置換基で任意選択で置換されている)を形成し、
4a及びR14が、互いに独立に、ハロゲン、CN、1個若しくは複数のハロゲン原子で任意選択で置換されているC1〜6アルキル、1個若しくは複数のハロゲン原子で任意選択で置換されているO−C1〜6アルキル、又はOHから選択され、
4bが、C(O)NH、C(O)NH−C1〜6アルキル、C(O)N−(C1〜6アルキル)、SO−C1〜6アルキル、C(O)NH−SO−C1〜6アルキル、NH、NH−C1〜6アルキル、N−(C1〜6アルキル)、NH−SO−CH、又はNH−SO−CFであり、
が、N、O及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5〜6員飽和若しくは不飽和ヘテロシクリル、又はN、O及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5〜6員ヘテロアリールであり、前記ヘテロシクリル及び前記ヘテロアリールは、1個又は2個のR14で任意選択で置換されており、
が、H、1個若しくは複数のハロゲン原子で任意選択で置換されているC1〜6アルキル、フェニル、又はN、O及びSから選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する4〜8員飽和若しくは不飽和ヘテロシクリルであり、各フェニル及びヘテロシクリルは、1〜3個のR14及び/又は1個のRで任意選択で置換されており、
は、−(CR−Tであり、
及びRは、互いに独立に、H、OH、ハロゲン、C1〜6アルキル、及びO−C1〜6アルキルから選択され、
nが、1、2、3、4、5又は6であり、
Tが、
【化3】


又はNR1213であり、
10が、H、NH、C1〜6アルキル、ハロゲン、NH(C1〜6アルキル)、N(C1〜6アルキル)、フェニル又はヘテロアリールであり、フェニル及びヘテロアリールは、1〜3個のR4aで任意選択で置換されており、
Yが、CH、NR11又はOであり、
11が、H、C1〜6アルキル又は(CH0〜6−C3〜7シクロアルキルであり、
12及びR13が、互いに独立に、H、C1〜6アルキル、(CH0〜2−C3〜7シクロアルキル及びC1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキルから選択され、C1〜6アルキル、C1〜6アルキレン及びC3〜7シクロアルキルは、1〜3個のR14で任意選択で置換されている、
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが、−NH−又は単結合である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
及びRが、互いに独立に、C3〜6アルキルであり、又は
及びRが、それらが結合している窒素原子と一緒になって5〜6員環(前記環中に1個の酸素原子をさらに含有していてもよく、環は、OH、C1〜6アルキル、C0〜3アルキレン−C3〜5シクロアルキル、O−C1〜6アルキル、C1〜6アルキレン−O−C1〜6アルキル又は(CH0〜3−フェニルから選択される1個又は複数の置換基で任意選択で置換されている)を形成する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
Tが、NR1213である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
12及びR13が、互いに独立に、H、C1〜3アルキル及び(CH0〜2−C3〜6シクロアルキル(アルキル及びシクロアルキルは、1〜3個のR14で任意選択で置換されている)から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Tが、
【化4】


から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
Yが、CH又はNR11であり、
10が、H、NH、C1〜6アルキル、NH(C1〜6アルキル)又はN(C1〜6アルキル)である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
Xが、H、飽和複素環式6員環と縮合しているフェニル(前記複素環は、O及びNから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含有していてもよく、前記複素環は、オキソ基で任意選択でさらに置換されていてもよい)、又はN、O及びSから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する4〜8員飽和若しくは不飽和ヘテロシクリル(各フェニル又はヘテロシクリルは、1〜3個のR14及び/又は1個のRで任意選択で置換されている)である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
Xが、フェニル又はN、O及びSから選択される1個若しくは2個のヘテロ原子を含有する5〜6員ヘテロアリール(各フェニル及びヘテロアリールは、1〜3個のR14及び/又は1個のR4b及び/又は1個のRで任意選択で置換されている)である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
Xが、フェニルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
Xが、ピリジルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
医薬としての、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
メラノコルチン−4受容体アンタゴニストとしての、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
哺乳動物におけるメラノコルチン−4受容体の不活性化に対する応答性の障害、疾患又は状態の治療又は予防のための、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
癌悪液質、筋肉疲労、食欲不振症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、不安及び/又はうつの治療又は予防のための、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2010−522224(P2010−522224A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−500143(P2010−500143)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【国際出願番号】PCT/EP2008/002498
【国際公開番号】WO2008/116665
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(505336024)サンセラ ファーマシューティカルズ (シュバイツ) アーゲー (21)
【Fターム(参考)】