説明

メラノコルチン−4受容体調節物質としての置換ピペリジンおよびピペラジン誘導体

本発明は、メラノコルチン-4受容体(MC-4R)調節物質としての新規置換ピペリジンおよびピペラジン誘導体に関する。本発明のMC-4Rアゴニストは肥満、糖尿病および性機能不全などの障害および疾患の治療に用いることができる一方で、MC-4Rアンタゴニストは癌カヘキシー、筋萎縮、食欲不振、不安およびうつなどの障害および疾患の治療のために有用である。MC-4Rの調節が関与するすべての疾患および障害は、本発明の化合物で治療することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、メラノコルチン-4受容体調節物質としての新規置換ピペリジンおよびピペラジン誘導体に関する。構造および立体化学に応じて、本発明の化合物はヒトメラノコルチン-4受容体(MC-4R)の選択的アゴニストまたは選択的アンタゴニストのいずれかである。アゴニストは肥満、糖尿病および性機能不全などの障害および疾患の治療に用いることができる一方で、アンタゴニストは癌カヘキシー、筋萎縮、食欲不振、不安およびうつなどの障害および疾患の治療のために有用である。一般に、MC-4Rの調節が関与するすべての疾患および障害は、本発明の化合物で治療することができる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
メラノコルチン(MC)は、プロオピオメラノコルチン(POMC)からタンパク質分解切断を介して生じる。これらのペプチド、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、α-メラニン細胞刺激ホルモン(α-MSH)、β-MSHおよびγ-MSHは、サイズが12から39アミノ酸の範囲である。中枢MC-4R活性化のための最も重要な内因性アゴニストは、トリデカペプチドα-MSHであると思われる。MCの中でも、α-MSHは脳内の神経伝達物質または神経調節物質として作用することが報告された。MCペプチド、特にα-MSHは、摂食行動、色素産生、および外分泌機能を含む生体機能に対して広範な作用を有する。α-MSHの生体作用は、メラノコルチン受容体(MC-R)と呼ばれる7回膜貫通G-タンパク質結合受容体のサブファミリーによって媒介される。これらのMC-Rいずれを活性化しても、cAMP生成の刺激を引き起こす。
【0003】
今日までに、5つの異なる型のMC受容体サブタイプ(MC-1RからMC-5R)が同定されており、これらは異なる組織で発現される。
【0004】
MC-1Rはメラニン細胞で最初に見いだされた。動物におけるMC-1Rの天然不活性変異体は、チロシナーゼの制御を通してフェオメラニンのユーメラニンへの変換を制御することにより、色素産生の変化と、続いて薄い毛色を生じることが明らかにされた。これら、および他の試験から、MC-1Rはメラニン産生ならびに動物の毛色およびヒトの肌色の重要な調節物質であることが明らかである。
【0005】
MC-2Rは副腎で発現され、ACTH受容体である。MC-2Rはα-MSHの受容体ではないが、副腎皮質刺激ホルモン1(ACTH1)の受容体である。
【0006】
MC-3Rは脳(主に視床下部に局在)ならびに腸管および胎盤などの末梢組織で発現され、ノックアウト試験により、MC-3Rは摂食行動、体重および熱発生における変化の原因であることが判明した。
【0007】
MC-4Rは主に脳内で発現される。非常に多くのデータにより、MC-4Rのエネルギーホメオスタシスにおける役割が裏付けられている。動物におけるMC-4Rの遺伝子ノックアウトおよび薬理学的操作により、MC-4Rのアゴニスト作用は体重減少の原因となり、MC-4Rのアンタゴニスト作用は体重増加を引き起こすことが示されている。(A. Kask, et al., "Selective antagonist for the melanocortin-4 receptor (HS014) increases food intake in free-feeding rats," Biochem. Biophys. Res. Commun., 245: 90-93 (1998))。
【0008】
MC-5Rは、白色脂肪、胎盤を含む多くの末梢組織で広範に発現され、脳内でも低レベルの発現が認められる。しかし、その発現は外分泌腺で最大である。マウスにおけるこの受容体の遺伝子ノックアウトは、外分泌腺機能の調節に変化をもたらし、水に対する反発および体温調節における変化を引き起こす。MC-5Rノックアウトマウスでは、皮脂腺脂質産生の低下も認められる(Chen et al., Cell, 91: 789-798 (1997))。
【0009】
MC-3RおよびMC-4R調節物質ならびに肥満および食欲低下などの体重障害の治療におけるそれらの使用の研究に注意が集中してきた。しかし、MCペプチドは色素産生、摂食行動および外分泌機能の調節における役割の他に強力な生理作用を有するとの証拠が示されている。特に、α-MSHは最近、炎症性腸疾患、腎虚血/再灌流傷害およびエンドトキシン誘導性肝炎を含む炎症の急性および慢性両方のモデルにおいて強力な抗炎症効果を誘導することが明らかにされている。α-MSHのこれらのモデルへの投与により、炎症性組織損傷の実質的減少、白血球浸潤の顕著な減少、ならびにサイトカインおよび他の媒介物質の高いレベルのほぼ基準値への劇的低下が起こる。最近の研究により、α-MSHの抗炎症作用はMC-1Rによって媒介されることが示された。MC-1Rのアゴニスト作用が抗炎症反応を引き起こすメカニズムは、炎症誘発性転写活性化物質NF-κBの阻害によると考えられる。NF-κBは炎症誘発カスケードの重要な成分で、その活性化は多くの炎症性疾患開始における中心事象である。加えて、α-MSHの抗炎症作用は部分的にはMC-3Rおよび/またはMC-5Rのアゴニスト作用によって媒介されていると考えられる。
【0010】
肥満の制御のための標的となりうる特定の1つのMC-Rはまだ同定されていないが、摂食行動の媒介においてMC-4Rシグナリングが重要であるという証拠が示されている(S.Q. Giraudo et al., "Feeding effects of hypothalamic injection of melanocortin-4 receptor ligands", Brain Research, 80: 302-306 (1998))。肥満におけるMC-Rの関与についてのさらなる証拠には下記が含まれる:a)MC-1R、MC-3RおよびMC-4Rのアンタゴニストを異所性に発現するアグーチ(Avy)マウスは肥満で、これら3つのMC-Rの作用を阻止すると、過食症および代謝障害を引き起こしうることを示している;2)MC-4Rノックアウトマウス(D. Huszar et al., Cell, 88: 131-141 (1997))はアグーチマウスの表現型を反復し、これらのマウスは肥満である;3)齧歯類で脳室内(ICV)注射した環状ヘプタペプチドメラノタニンII(MT-II)(非選択的MC-1R、-3R、-4Rおよび-5Rアゴニスト)は、いくつかの動物摂食モデル(NPY、ob/ob、アグーチ、絶食)で食物摂取を低下させるが、ICV注射したSHU-9119(MC-3Rおよび-4Rアンタゴニスト;MC-1Rおよび-5Rアゴニスト)はこの効果を逆転させ、過食症を引き起こしうる;4)Zucker肥満ラットのα-NDP-MSH誘導体(HP-228)による長期腹腔内治療は、12週間にわたってMC1-R、-3R、-4Rおよび-5Rを活性化し、食物摂取および体重増加を減少させることが報告されている(I. Corcos et al., "HP-228 is a potent agonist of melanocortin receptor-4 and significantly attenuates obesity and diabetes in Zucker fatty rats", Society for Neuroscience Abstracts, 23: 673 (1997))。
【0011】
MC-4Rは他の生理機能においても役割を果たす、すなわち毛づくろい行動、勃起および血圧を制御すると考えられる。勃起機能不全はうまく交尾するのに十分な陰茎勃起が不可能な医学的状態を意味する。「インポテンス」なる用語が、このよく見られる状態を述べるためにしばしば用いられる。合成メラノコルチン受容体アゴニストは、心因性勃起機能不全の男性において勃起を引き起こすことが判明している(H. Wessells et al., "Synthetic Melanotropic Peptide Initiates Erections in Men With Psychogenic Erectile Dysfunction: Double-Blind, Placebo Controlled Crossover Study", J. Urol., 160: 389-393, 1998)。脳のメラノコルチン受容体の活性化は、性的覚醒の正常な刺激をもたらすと考えられる。男性および/または女性の性機能不全においてMC-Rが関与することの証拠はWO/0074679に詳述されている。
【0012】
糖尿病は、哺乳動物の筋肉および肝細胞中に貯蔵するためにグルコースをグリコゲンに変換する能力が低下しているため、その血中のグルコースレベルを調節する能力が障害されている疾患である。I型糖尿病において、このグルコースを貯蔵する能力の低下は、インスリン産生低下によって引き起こされる。「II型糖尿病」または「非インスリン依存性糖尿病」(NIDDM)は、主なインスリン感受性組織、筋肉、肝臓および脂肪組織におけるグルコースおよび脂質代謝へのインスリン刺激または調節効果に対する深刻な抵抗性が原因の、糖尿病の型である。このインスリン反応性への抵抗により、グルコース取り込み、酸化および筋肉内貯蔵のインスリン活性化が不十分となり、また脂肪組織における脂肪分解や肝臓におけるグルコース産生および分泌のインスリン抑制が不十分となる。これらの細胞がインスリンに対して脱感作した場合、体は異常に高レベルのインスリン産生によって代償しようとし、高インスリン血症(hyperinsulemia)が起こる。高インスリン血症は高血圧および体重増加に関係している。インスリンは、インスリン感受性細胞によるグルコース、アミノ酸、およびトリグリセリドの血液からの細胞取り込み促進に関与しているため、インスリン非感受性は心血管疾患の危険因子であるトリグリセリドおよびLDLのレベル上昇を引き起こしうる。高インスリン血症と高血圧の組み合わせ、体重増加、トリグリセリド上昇、およびLDL上昇を含む症状の型はX症候群として知られている。MC-4RアゴニストはNIDDMおよびX症候群の治療において有用であると考えられる。
【0013】
MC受容体サブタイプの中で、MC4受容体は下記の知見に基づき、ストレスおよび感情行動の調節に関しても興味深い。ストレスは、内分泌、生化学および行動事象を含む反応の複雑なカスケードを引き起こす。これらの反応の多くは、コルチコトロピン放出因子(CRF)の放出によって起こる(Owen MJ and Nemeroff CB (1991). Physiology and pharmacology of corticotrophin releasing factor. Pharmacol Rev 43: 425-473)。脳CRF系の活性化に加えて、プロオピオメラノコルチンから酵素処理によって生じるメラノコルチン(MC)が、ストレスに対する重要な行動および生化学反応と、したがって不安およびうつのようなストレス性障害を媒介するという、いくつかの一連の証拠がある(Anxiolytic-Like and Antidepressant-Like Activities of MCL0129 (1-[(S)-2-(4-Fluorophenyl)-2-(4-isopropylpiperadin-1-yl)ethyl]-4- [4-(2-methoxynaphthalen-1-yl)butyl]piperazine), a Novel and Potent Nonpeptide Antagonist of the Melanocortin-4 Receptor; Shigeyuki Chaki et al, J. Pharm. Exp. Ther. (2003)304(2), 818-26)。
【0014】
悪性腫瘍または感染症などの慢性疾患は、食欲低下および除脂肪体重減少の組み合わせによるカヘキシーを伴うことが多い。除脂肪体重の大幅な減少は炎症プロセスによって誘発されることが多く、通常はサイトカイン(例えば、TNF-α)の血漿レベル上昇を伴い、これは脳内のα-MSH産生を高める。α-MSHによる視床下部のMC4受容体活性化は、食欲を低下させ、エネルギー消費を高める。腫瘍を有するマウスでの実験による証拠から、カヘキシーは遺伝子MC4受容体ノックアウトまたはMC4受容体遮断により防止または逆転可能であることが示唆される。処理マウスにおける体重増加は、主に骨格筋で構成される大量の除脂肪体重によるものである(Marks D.L. et al. Role of the central melanocortin system in cachexia. Cancer Res. (2001) 61: 1432-1438)。
【0015】
WO03009847AおよびWO03009850Aは肥満治療のためのフェニルピペラジニル-フェニルアラニン誘導体を記載している。両特許の化合物のほとんどはそれぞれN-(2-ピペリジン-4-イル-フェニル)-アルキル、ベンジルまたはアリールスルホンアミド基およびN-(2-ピペラジン-4-イル-フェニル)-アルキル、ベンジルまたはアリールスルホンアミド基を含む。これらの化合物は共通してアミノ酸、カルボン酸および塩化スルホニルでアシル化された置換フェニルアラニン部分を有している。いくつかの場合に、フェニルアラニン部分はアルキル化もされているか、またはuraesおよびウレタンが導入されている。生物学的データ(例えば、結合IC50または機能活性)は示されていない。
【0016】
WO02070511Aは、メラノコルチン受容体1および4の調節物質として、フェニルピペラジニル-フェニルアラニンアミド、フェニルピペリジニル-フェニルアラニンアミドおよびシクロヘキシル-フェニルアラニンアミドを記載している。フェニルアラニンアミノ基はほとんどの場合に第二のアミノ酸でアシル化されている。塩基性側鎖を有するアミノ酸の場合、アミノ基をアシル化することができる。化合物の生物学的データは示されていない。
【0017】
WO02059108Aはメラノコルチン受容体アゴニストを記載している。アゴニストはまずフェニルアラニン、次いでアミノ酸でアシル化された置換フェニルピペラジンからなる。生物学的データは示されていない。
【0018】
WO0074679Aはメラノコルチン-4受容体アゴニストとしての置換ピペリジンを記載している。ピペリジンは異なる置換フェニルアラニン、例えば、D-p-クロロフェニルアラニンでアシル化されており、置換フェニルアラニンは続いて他のアミノ酸、特に1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-3-カルボン酸でアシル化されている。この特許出願の実施例2はヒトMC4-受容体にIC50=0.92nMで結合する。この化合物はEC50=2.1nM(96%活性化)でアゴニストとして作用する。
【0019】
WO9964002Aはメラノコルチン受容体アゴニストとしてのスピロインダン誘導体を記載している。このスピロインダンはフェニルアラニン、特にp-クロロフェニルアラニンでアシル化されており、フェニルアラニンは次いで、それぞれ無置換および置換ピペラジン-2-カルボン酸、モルホリン-3-カルボン酸およびチオモルホリン-3-カルボン酸でアシル化されている。生物学的データは示されていない。
【0020】
WO0170337Aはメラノコルチン受容体アゴニストとしてのスピロインダン誘導体を記載している。このスピロインダンはフェニルアラニン、特にp-クロロフェニルアラニンでアシル化されており、フェニルアラニンは次いで無置換および置換1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-3-カルボン酸でアシル化されている。生物学的データは示されていない。
【0021】
WO0191752Aはメラノコルチン受容体アゴニストを記載している。まずBoc-D-4-クロロフェニルアラニンでアシル化し、続いてそれぞれ1-アミノ-1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレン-2-カルボン酸および1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-3-カルボン酸を用いて第二のアシル化を行った、3a-ベンジル-2-メチル-2,3a,4,5,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-オンからなる3つの実施例が記載されている。生物学的データは示されていない。
【0022】
前述の様々な疾患および障害の治療における未解決の欠陥を考慮して、本発明の目的は、癌カヘキシー、筋萎縮、食欲不振、不安、うつ、肥満、糖尿病、性機能不全、および他のMC-4Rが関与する疾患を治療するためのメラノコルチン-4受容体調節物質として有用な、脳血液関門を通過する能力が改善された新規置換ピペリジンおよびピペラジン誘導体を提供することである。
【発明の開示】
【0023】
発明の概要
本発明は、下記の構造式(I)の新規置換ピペリジンおよびピペラジン誘導体に関する:

(式中、変量A、R1、Ar、mおよびnは以下の定義の意味を有する)。
【0024】
本発明は、下記の構造式(II)の新規置換ピペリジンおよびピペラジン誘導体にも関する:

(式中、変量A、R1、Ar、mおよびnは構造式(I)のものとは異なる意味を有し、以下に定義する)。
【0025】
構造式(I)および(II)のピペリジンおよびピペラジン誘導体は、メラノコルチン受容体調節物質として有効で、特に選択的メラノコルチン-4受容体(MC-4R)調節物質として有効である。したがって、これらはMC-4Rの活性化または不活化が関与する障害の治療のために有用である。アゴニストは肥満、糖尿病、および性機能不全などの障害および疾患の治療のために用いることができる一方で、アンタゴニストは癌カヘキシー、筋萎縮、食欲不振、不安およびうつなどの障害および疾患の治療のために有用である。
【0026】
本発明は、本発明の化合物と薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物にも関する。
【0027】
発明の詳細な説明
本発明は、メラノコルチン受容体調節物質、特に選択的MC-4RアゴニストおよびMC-4Rアンタゴニストとして有用な新規置換ピペリジンおよびピペラジン誘導体に関する。
【0028】
本発明の化合物は構造式(I)またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物である:

(式中、
Arは:
いずれも置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり;
R1は下記であり:

Aは下記であり:

R2は独立に:
水素、
ハロ、
アルキル、
ハロアルキル、
ヒドロキシ、
アルコキシ、
S-アルキル、
SO2-アルキル、
O-アルケニル、
S-アルケニル、
NR14C(O)R14
NR14SO2R14
N(R14)2
(D)-シクロアルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロアリール、
(D)-ヘテロシクリル(ヘテロシクリルは1個の窒素を含むヘテロシクリルを除く)であり、
ただしアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルまたはシクロアルキルは置換されているか、または無置換で、かつ2個の隣接するR2は4から7員環を形成してもよく;
R4およびR5はそれぞれ独立に:
水素、
アルキル、
(D)-シクロアルキルであるか、または
R4およびR5はそれらが結合している窒素と一緒になって5から8員環を形成し、
ただしアルキルおよびシクロアルキルは無置換または置換されており;
R8は独立に:
水素、
アルキル、
(D)-アリールまたは
(D)-シクロアルキルであり;
R9は独立に:
水素、
アルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロアリールまたは
(D)-シクロアルキルであり;
R10は独立に:
R9
(D)-ヘテロシクリル、
(D)-N(Y)2
(D)-NH-ヘテロアリールまたは
(D)-NH-ヘテロシクリルであり、
ただしアリールおよびヘテロアリール、アルキル、D、シクロアルキルならびにヘテロシクリルは置換されているか、もしくは無置換であるか、または
2個のR10基はそれらが結合している原子と一緒になって単環または二環式の5から8員環構造を形成し;
R11は:
水素、
ハロ、
アルキル、
アルコキシ、
C≡N、
CF3または
OCF3であり;
R12は独立に:
水素、
ヒドロキシ、
シアノ、
ニトロ、
ハロ、
アルキル、
アルコキシ、
ハロアルキル、
(D)-C(O)R14
(D)-C(O)OR14
(D)-C(O)SR14
(D)-C(O)-ヘテロアリール、
(D)-C(O)-ヘテロシクリル、
(D)-C(O)N(R14)2
(D)-N(R14)2
(D)-NR14COR14
(D)-NR14CON(R14)2
(D)-NR14C(O)OR14
(D)-NR14C(R14)=N(R14)、
(D)-NR14C(=NR14)N(R14)2
(D)-NR14SO2R14
(D)-NR14SO2N(R14)2
(D)-NR14(D)-ヘテロシクリル、
(D)-NR14(D)-ヘテロアリール、
(D)-OR14
OSO2R14
(D)[O]q(シクロアルキル)、
(D)[O]q(D)アリール、
(D)[O]q(D)-ヘテロアリール、
(D)[O]q(D)-ヘテロシクリル(q=1のとき、ヘテロシクリルは1個の窒素を含むヘテロシクリルを除く)、
(D)-SR14
(D)-SOR14
(D)-SO2R14または
(D)-SO2N(R14)2であり、
ただし、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは置換されているか、または無置換であり;
R14は独立に:
水素、
アルキル、
ハロアルキル、
(D)-シクロアルキル、
(D)-フェニル、
(D)-ナフチル、
(D)-ヘテロアリール、
(D)-ヘテロシクリル(ヘテロシクリルは1個の窒素を含むヘテロシクリルを除く)であり、
ただしフェニル、ナフチル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルまたはシクロアルキルは置換されているか、または無置換であり;
Xは:
アルキル、
(D)-シクロアルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロアリール、
(D)-ヘテロシクリル、
(D)-C≡N、
(D)-CON(R9R9)、
(D)-CO2R9
(D)-COR9
(D)-NR9C(O)R9
(D)-NR9CO2R9
(D)-NR9C(O)N(R9)2
(D)-NR9SO2R9
(D)-S(O)pR9
(D)-SO2N(R9)(R9)、
(D)-OR9
(D)-OC(O)R9
(D)-OC(O)OR9
(D)-OC(O)N(R9)2
(D)-N(R9)(R9)または
(D)-NR9SO2N(R9)(R9)であり、
ただしアリール、ヘテロアリール、アルキル、D、シクロアルキルおよびヘテロシクリルは無置換または置換されており;
Yは:
水素、
アルキル、
(D)-シクロアルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロシクリルまたは
(D)-ヘテロアリールであり、
ただしアリール、ヘテロアリール、アルキル、Dおよびシクロアルキルは無置換または置換されており;
Cyはベンゼン、ピリジンまたはシクロヘキサンであり;
Dは結合またはアルキレンであり;
EはCHCO2Y、CHC(O)N(Y)2、NSO2R10、CHN(Y)COR10、CHN(Y)SO2R10、CHCH2OYまたはCHCH2ヘテロアリールであり;
GはD、CH-アルキル、O、C=OまたはSO2で、ただしGがOである場合、環原子Eは炭素であり;
JはNまたはCHであり;
TはOまたはNR4であり;
nは0〜2であり;
mは0〜2であり;
oは0〜3であり;
pは0〜2であり;
qは0または1であり;
rは1または2である)。
【0029】
式(I)の好ましい態様において、式(I)の変異形は下記の意味を有する:
Arは前述の定義のとおりであり、好ましくはアリール、より好ましくはフェニルまたはナフチルである。アリールまたはヘテロアリールが置換されている場合、、好ましくは1から3個、より好ましくは1または2個、最も好ましくは1個の置換基で置換されている。置換基は好ましくは、シアノ、ニトロ、過フルオロアルコキシ、ハロ、アルキル、(D)-シクロアルキル、アルコキシおよびハロアルキル、より好ましくは過フルオロアルコキシ、ハロ、アルキル、アルコキシまたはハロアルキル、さらにより好ましくはハロ、アルキル、アルコキシおよび/またはハロアルキル、特にハロからなる群より独立に選択される。
【0030】
最も好ましくは、Arはフェニルまたはナフチルであり、これらはいずれも、好ましくはフェニルは、1から3個、特に1個のハロ、例えばClで置換されていてもよい。置換は任意の位置で行うことができ、好ましくは4位である。
【0031】
R1は前述の定義のとおりであり、好ましくは下記である:

【0032】
Aは下記である:

【0033】
R2は前述の定義のとおりである。アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルまたはシクロアルキルが置換されている場合、それらは好ましくはオキソ、ハロ、アルキル、N(R6)2、OR6、SR6および/またはCO2R6からなる群より選択される1から3個、より好ましくは1個の置換基で独立に置換されている。
【0034】
好ましくは、R2は水素、ヒドロキシ、ハロ、アルキル、アルコキシ、S-アルキル、SO2-アルキル、O-アルケニル、S-アルケニル、ハロアルキルまたは(D)-シクロアルキル、より好ましくは水素、ヒドロキシ、アルコキシ、S-アルキル、SO2-アルキル、O-アルケニル、S-アルケニル、ハロまたはアルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピルである。一つの態様において、R2は水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、(D)-シクロアルキル、(D)-アリール、(D) ヘテロアリール、(D)-ヘテロシクリル(ヘテロシクリルは1個の窒素を含むヘテロシクリルを除く)であり、ただしアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルおよびシクロアルキルは置換されているか、または無置換であり;好ましくは水素、ヒドロキシ、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキルまたは(D)-シクロアルキル、より好ましくは水素、アルコキシ、ハロまたはアルキルである。
【0035】
R4およびR5はそれぞれ独立に前述の定義のとおりである。R4およびR5が環を形成する場合、その環は、好ましくはO、SおよびNR6から選択される追加のヘテロ原子を環内に含んでいてもよい。さらにアルキルおよびシクロアルキルが置換されている場合、R7およびオキソから独立に選択される、好ましくは1から3個、より好ましくは1または2個の基で置換されている。
【0036】
R4およびR5はそれぞれ独立に好ましくは水素、アルキルまたはシクロアルキルからなる群より選択され;またはR4およびR5はそれらが結合している窒素と一緒になって5から7員環を形成する。より好ましくは、R4およびR5はそれぞれ独立に水素またはアルキルからなる群より選択され;またはR4およびR5はそれらが結合している窒素と一緒になって、追加の酸素原子を含んでいてもよい5から6員環を形成する。
【0037】
R6は独立に水素、アルキル、C(O)アルキル、(D)-アリールまたは(D)-シクロアルキル、好ましくは水素、アルキル、C(O)アルキル、(D)-アリールまたは(D)-シクロアルキル、最も好ましくは水素である。
【0038】
R7はアルキル、(D)-アリール、(D)-シクロアルキル、(D)-ヘテロアリール、ハロ、OR8、NHSO2R8、N(R8)2、C≡N、CO2R4、C(R8)(R8)N(R8)2、ニトロ、SO2N(R8)2、S(O)pR8、CF3またはOCF3、好ましくは水素、アルキル、(D)-アリールまたは(D)-シクロアルキル、より好ましくは水素である。
【0039】
R8は前述の定義のとおりであり、好ましくは水素、アルキルまたは(D)-アリール、より好ましくはアルキルまたは(D)-アリールである。
【0040】
R9は前述の定義のとおりであり、好ましくは水素、アルキルおよび(D)-シクロアルキル、より好ましくはアルキル、最も好ましくはメチル、エチルまたはtert-ブチルである。
【0041】
R10は前述の定義のとおりである。アリールおよびヘテロアリールが置換されている場合、それらは好ましくはR7から選択される1から3個の基で独立に置換されている。さらに、アルキル、D、シクロアルキルおよびヘテロシクリルが置換されている場合、それらは好ましくはR7およびオキソから独立に選択される1から4個の基で置換されている。2個のR10基がそれらが結合している原子と一緒になって単環または二環式の5から8員環構造を形成する場合、その環は、好ましくはO、S、NR8、NBocおよびNZから選択される追加のヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0042】
好ましくは、R10はR9である。
【0043】
R11は前述の定義のとおりであり、好ましくは水素、ハロ、アルキル、アルコキシまたはC≡N、より好ましくは水素、ハロまたはC1〜C4-アルキル、最も好ましくは水素である。
【0044】
R12は前述の定義のとおりである。さらに、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールが置換されている場合、それらは好ましくはR13から独立に選択される1から5個、より好ましくは1から3個、最も好ましくは1または2個の置換基で置換されている。
【0045】
好ましくは、R12は水素、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、(D)-C(O)-ヘテロシクリル、(D)-C(O)N(R14)2、(D)-N(R14)2、(D)-NR14COR14、(D)-NR14CON(R14)2、(D)-NR14C(O)OR14、(D)-NR14C(R14)=N(R14)、(D)-NR14C(=NR14)N(R14)2、(D)-NR14SO2R14または(D)-NR14SO2N(R14)2であり、ただしアルキルまたはアルコキシはR13から選択される1から5個、好ましくは1から3個の置換基で置換されているか、または無置換である。より好ましくは、R12はシアノ、ニトロ、ハロ、アルキル、(D)-C(O)-ヘテロシクリル、(D)-N(R14)2、(D)-NR14COR14、(D)-NR14CON(R14)2、(D)-NR14C(O)OR14または(D)-NR14SO2R14である。より好ましくは、R12は(D)-C(O)-ヘテロシクリル、(D)-C(O)N(R14)2である。ハロは好ましくはF、ClまたはBrである。R12は環の任意の位置、好ましくは1位にあってもよい。一つの態様において、R12は水素、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、(D)-N(R14)2、(D)-NR14COR14、(D)-NR14CON(R14)2、(D)-NR14C(O)OR14、(D)-NR14C(R14)=N(R14)、(D)-NR14C(=NR14)N(R14)2、(D)-NR14SO2R14または(D)-NR14SO2N(R14)2であり、ただしアルキルまたはアルコキシはR13から選択される1から5個、好ましくは1から3個の置換基で置換されているか、または無置換である。より好ましくは、R12はシアノ、ニトロ、ハロ、アルキル、(D)-N(R14)2、(D)-NR14COR14、(D)-NR14CON(R14)2、(D)-NR14C(O)OR14または(D)-NR14SO2R14である。
【0046】
R13は独立に水素、ハロ、オキソ、N(R15)2、アルキル、(D)-シクロアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヒドロキシまたはヘテロシクリル(ヘテロシクリルは1個の窒素を含むヘテロシクリルを除く)、フェニル、(D)-COR14、(D)-C(O)OR14、(D)-OR14、(D)-OCOR14、(D)-OCO2R14、(D)-SR14、(D)-SOR14または(D)-SO2R14であり、ただしアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルまたはシクロアルキルは置換されているか、または無置換である。アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルまたはシクロアルキルが置換されている場合、それらは好ましくはオキソ、アルキル、N(R15)2、OR15、SR15および/またはCO2R15からなる群より選択される1から3個、好ましくは1または2個の置換基で置換されている。
【0047】
好ましくは、R13は水素、ハロ、アルキル、(D)-シクロアルキル、アルコキシまたはフェニルであり、より好ましくはR13は水素、ハロ、アルキル、アルコキシまたはフェニルである。
【0048】
R14は前述の定義のとおりである。アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルまたはシクロアルキルが置換されている場合、それらは好ましくはオキソ、ハロ、アルキル、N(R15)2、OR15、SR15および/またはCO2R15からなる群より選択される1から3個、より好ましくは1または2個の置換基で置換されている。
【0049】
好ましくは、R14は水素、ハロアルキル、アルキル、(D)-シクロアルキルまたはフェニルであり、より好ましくはR14は水素、ハロアルキル、アルキルまたはフェニルである。
【0050】
R15は独立に水素、アルキル、C(O)アルキル、アリールまたはシクロアルキル、好ましくは水素、アルキルまたはシクロアルキル、特に水素である。
【0051】
Xは前述の定義のとおりである。アリールおよびヘテロアリールが置換されている場合、それらは好ましくはR7から選択される1から3個、より好ましくは1または2個の基で置換されている。さらに、アルキル、D、シクロアルキルおよびヘテロシクリルが置換されている場合、それらは好ましくはR7およびオキソから独立に選択される1から4個の基で置換されている。
【0052】
好ましくは、Xはアルキル、(D)-シクロアルキル、(D)-アリール、(D)-ヘテロアリール、(D)-ヘテロシクリル、(D)-NHC(O)R9、(D)-CO2R9または(D)-CON(R9R9)、より好ましくはアルキル、(D)-シクロアルキル、(D)-ヘテロシクリル、(D)-NHC(O)R9または(D)-CON(R9R9)、最も好ましくはC1〜C4-アルキル、C5〜C7-シクロアルキル、(D)-CON(R9R9)およびN含有ヘテロシクリル、特にトリアゾリルおよびテトラゾリルである。
【0053】
Yは前述の定義のとおりである。アリールおよびヘテロアリールが置換されている場合、それらは好ましくはR7から選択される1から3個、より好ましくは1または2個の基で置換されている。さらに、アルキル、Dおよびシクロアルキルが置換されている場合、それらは好ましくはR7およびオキソから選択される1から3個の基で置換されている。
【0054】
好ましくは、Yは水素、アルキル、(D)-シクロアルキル、(D)-アリール、(D)-ヘテロアリールまたは(D)-ヘテロシクリル、より好ましくは水素、アルキル、(D)-シクロアルキルまたは(D)-ヘテロシクリル、最も好ましくは水素、C1〜C4-アルキルまたはC5〜C7-シクロアルキル、特にシクロヘキシルである。
【0055】
Cyは前述の定義のとおりであり、好ましくはベンゼンまたはピリジン、より好ましくはベンゼンである。
【0056】
Dは前述の定義のとおりであり、好ましくは結合またはC1〜C4-アルキレン、より好ましくは結合またはCH2である。
【0057】
Eは前述の定義のとおりであり、好ましくはNSO2R10、CHN(Y)COR10またはCHN(Y)SO2R10、より好ましくはNSO2R10である。
【0058】
Gは前述の定義のとおりであり、好ましくはDまたはCH-アルキル、より好ましくはD、特にCH2である。
【0059】
JはNまたはCHであり;
TはOまたはNR4、好ましくはOであり;一つの態様において、TはNR4であり;
nは0、1または2、好ましくは0または1、より好ましくは0であり;
mは0、1または2、好ましくは0または1、より好ましくは0であり;
oは0、1、2または3、好ましくは0、1または2、より好ましくは0または1であり;
pは0、1または2であり;
qは0または1であり;
rは1または2、好ましくは1である。
【0060】
本発明の化合物は構造式(II)またはその薬学的に許容される塩または溶媒和物でもある:

(式中、
Arは:
いずれも置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり;
R1は下記であり:

Aは下記であり:

R2は独立に:
水素、
ハロ、
アルキル、
ハロアルキル、
アルコキシ、
(D)-シクロアルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロアリール、
(D)-ヘテロシクリル(ヘテロシクリルは1個の窒素を含むヘテロシクリルを除く)であり、
ただしアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルまたはシクロアルキルは置換されているか、または無置換であり;
R3は独立に:
水素、
アルキル、
SO2アルキル、
SO2アリール、
C(O)アルキル、
(D)-アリールまたは
シクロアルキルであり;
R4は独立に:
水素、
アルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロアリール、
(D)-N(R6)2
(D)-NR6C(O)アルキル、
(D)-NR6SO2アルキル、
(D)-SO2N(R6)2
(D)-(O)vアルキル、
(D)-(O)v(D)NR6COR6
(D)-(O)v(D)NR7SO2R7
(D)-(O)v-ヘテロシクリルまたは
(D)-(O)v(アルキル)-ヘテロシクリルであり;
R5は独立に:
水素、
アルキル、
(D)-フェニル、
C(O)アルキル、
C(O)フェニル、
SO2-アルキルまたは
SO2-フェニルであり;
R6およびR7はそれぞれ独立に:
水素、
アルキル、
シクロアルキルであるか、または
R6およびR7はそれらが結合している窒素と一緒になって5から8員環を形成し、
ただしアルキルおよびシクロアルキルは無置換または置換されており;
R9は独立に:
水素、
アルキル、
(D)-アリールまたは
シクロアルキルであり;
R10は水素またはアルキルであり;
R11は独立に:
水素、
アルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロアリールまたは
(D)-シクロアルキルであり;
R12は独立に:
R11
(D)-ヘテロシクリル、
(D)-N(Y)2
(D)-NH-ヘテロアリールまたは
(D)-NH-ヘテロシクリルであり、
ただしアリール、ヘテロアリール、アルキル、D、シクロアルキルおよびヘテロシクリルは無置換もしくは置換されているか、または
2個のR12基はそれらが結合している原子と一緒になって単環または二環式の5から8員環構造を形成し;
R13は:
水素、
ハロ、
アルキル、
アルコキシ、
C≡N、
CF3または
OCF3であり;
R14は独立に:
水素、
ヒドロキシ、
シアノ、
ニトロ、
ハロ、
アルキル、
アルコキシ、
ハロアルキル、
(D)-C(O)R16
(D)-C(O)OR16
(D)-C(O)SR16
(D)-C(O)-ヘテロアリール、
(D)-C(O)-ヘテロシクリル、
(D)-C(O)N(R16)2
(D)-N(R16)2
(D)-NR16COR16
(D)-NR16CON(R16)2
(D)-NR16C(O)OR16
(D)-NR16C(R16)=N(R16)、
(D)-NR16C(=NR16)N(R16)2
(D)-NR16SO2R16
(D)-NR16SO2N(R16)2
(D)-NR16(D)-ヘテロシクリル、
(D)-NR16(D)-ヘテロアリール、
(D)-OR16
OSO2R16
(D)-[O]q(シクロアルキル)、
(D)-[O]q(D)アリール、
(D)-[O]q(D)-ヘテロアリール、
(D)-[O]q(D)-ヘテロシクリル(q=1のとき、ヘテロシクリルは1個の窒素を含むヘテロシクリルを除く)、
(D)-SR16
(D)-SOR16
(D)-SO2R16または
(D)-SO2N(R16)2であり、
ただし、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは置換されているか、または無置換であり;
R16は独立に:
水素、
アルキル、
ハロアルキル、
(D)-シクロアルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロアリール、
(D)-ヘテロシクリル(ヘテロシクリルは1個の窒素を含むヘテロシクリルを除く)であり、
ただしアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルまたはシクロアルキルは置換されているか、または無置換であり;
Cyは:
アリール、
ヘテロアリール、
ヘテロシクリルまたは
カルボシクリルであり;
Xは:
アルキル、
(D)-シクロアルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロアリール、
(D)-ヘテロシクリル、
(D)-C≡N、
(D)-CON(R11R11)、
(D)-CO2R11
(D)-COR11
(D)-NR11C(O)R11
(D)-NR11CO2R11
(D)-NR11C(O)N(R11)2
(D)-NR11SO2R11
(D)-S(O)pR11
(D)-SO2N(R11)(R11)、
(D)-OR11
(D)-OC(O)R11
(D)-OC(O)OR11
(D)-OC(O)N(R11)2
(D)-N(R11)(R11)または
(D)-NR11SO2N(R11)(R11)であり、
ただしアリール、ヘテロアリール、アルキル、D、シクロアルキルおよびヘテロシクリルは無置換または置換されており;
Yは:
水素、
アルキル、
(D)-シクロアルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロシクリルまたは
(D)-ヘテロアリールであり、
ただしアリール、ヘテロアリール、アルキル、Dおよびシクロアルキルは無置換または置換されており;
Cy'はベンゼン、ピリジンまたはシクロヘキサンであり;
Dは結合またはアルキレンであり;
EはCHCO2Y、CHC(O)N(Y)2、NSO2R10、CHN(Y)COR12、CHN(Y)SO2R12、CHCH2OYまたはCHCH2ヘテロアリールであり;
GはD、CH-アルキル、O、C=OまたはSO2で、ただしGがOである場合、環原子Eは炭素であり;
JはNまたはCHであり;
LはO、SまたはNR5であり;
Mは結合、O、S(O)u、NR5またはCH2であり;
nは0〜2であるが、mが0である場合、nは1または2であり;
mは0〜2であるが、nが0である場合、mは1または2であり;
oは0〜3であり;
pは0〜2であり;
qは0または1であり;
rは1または2であり;
sは0〜5であり;
uは0〜2であり;
vは0または1である)。
【0061】
式IIの好ましい態様において、変異形は下記の意味を有する:
Arは前述の定義のとおりであり、好ましくはアリール、より好ましくはフェニルまたはナフチルである。アリールまたはヘテロアリールが置換されている場合、、好ましくは1から3個、より好ましくは1または2個、最も好ましくは1個の置換基で置換されている。置換基は好ましくは:シアノ、ニトロ、過フルオロアルコキシ、ハロ、アルキル、(D)-シクロアルキル、アルコキシおよびハロアルキル、より好ましくはシアノ、過フルオロアルコキシ、ハロ、アルキル、(D)-シクロアルキル、アルコキシまたはハロアルキル、さらにより好ましくはハロ、アルキル、アルコキシおよび/またはハロアルキル、特にハロからなる群より独立に選択される。
【0062】
最も好ましくは、Arはフェニルまたはナフチルであり、これらはいずれも、好ましくはフェニルは、1から3個、特に1個のハロ、例えばClで置換されていてもよい。置換は任意の位置で行うことができ、好ましくは4位である。
【0063】
R1は前述の定義のとおりであり、好ましくは下記である:

【0064】
より好ましくは、R1は下記である:

【0065】
Aは前述の定義のとおりである。
【0066】
R2は前述の定義のとおりである。アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルまたはシクロアルキルが置換されている場合、それらは好ましくはオキソ、アルキル、N(R3)2、OR3、SR3および/またはCO2R3からなる群より選択される1から3個、より好ましくは1個の置換基で置換されている。
【0067】
好ましくは、R2は水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたは(D)-シクロアルキル、より好ましくは水素、ハロまたはアルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、最も好ましくは水素である。
【0068】
R3は前述の定義のとおりであり、好ましくは水素またはアルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、より好ましくは水素である。
【0069】
R4は前述の定義のとおりであり、好ましくは水素、(D)-アリール、(D)-ヘテロアリール、(D)-N(R6)2、(D)-NR6C(O)アルキル、(D)-NR6SO2アルキルまたはアルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、より好ましくは水素である。
【0070】
R5は前述の定義のとおりであり、好ましくは水素またはアルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、より好ましくは水素である。
【0071】
R6およびR7はそれぞれ独立に前述の定義のとおりである。R6およびR7が環を形成する場合、その環は、好ましくはO、SおよびNR3から選択される追加のヘテロ原子を環内に含んでいてもよい。さらにアルキルおよびシクロアルキルが置換されている場合、それらは好ましくはR8および/またはオキソから独立に選択される1から3個、より好ましくは1または2個の基で置換されている。R6およびR7はそれぞれ独立に好ましくは水素、アルキルもしくはシクロアルキルからなる群より選択されるか、またはR6およびR7はそれらが結合している窒素と一緒になって5から7員環を形成する。より好ましくは、R6およびR7はそれぞれ独立に水素もしくはアルキルからなる群より選択されるか、またはR6およびR7はそれらが結合している窒素と一緒になって、追加の酸素原子を含んでいてもよい5から6員環を形成する。
【0072】
R8はアルキル、(D)-アリール、(D)-シクロアルキル、(D)-ヘテロアリール、ハロ、OR9、NHSO2R9、N(R9)2、C≡N、CO2R6、C(R9)(R9)N(R9)2、ニトロ、SO2N(R9)2、S(O)uR9、CF3またはOCF3である。好ましくは、R8はアルキル、OR9、(D)-アリール、(D)-シクロアルキル、(D)-ヘテロアリールまたはハロである。
【0073】
R9は前述の定義のとおりであり、好ましくは水素、(D)-アリールまたはアルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、より好ましくは水素または(D)-アリールである。
【0074】
R10は前述の定義のとおりであり、好ましくは水素または下記の定義のC1〜C4アルキル、より好ましくは水素、メチルまたはエチル、最も好ましくは水素またはメチルである。
【0075】
R11は前述の定義のとおりであり、好ましくは水素またはアルキル、より好ましくは水素または下記の定義のC1〜C6アルキル、特にC1〜C5アルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチルおよびn-ペンチル、最も好ましくは水素またはtert-ブチルである。
【0076】
R12は前述の定義のとおりである。アリールおよびヘテロアリールが置換されている場合、それらは好ましくはR7から選択される1から3個、より好ましくは1または2個の基で置換されている。さらに、アルキル、D、シクロアルキルおよびヘテロシクリルが置換されている場合、それらは好ましくはR8および/またはオキソから独立に選択される1から4個、より好ましくは1または2個の基で置換されている。さらに、2個のR12基がそれらが結合している原子と一緒になって単環または二環式の5から8員環構造を形成する場合、その環は、好ましくはO、S、NR9、NBocおよびNZから選択される追加のヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0077】
好ましくは、R12はR11である。
【0078】
R13は前述の定義のとおりであり、好ましくは水素、ハロ、アルキル、アルコキシおよびC≡N、より好ましくは水素、メチルまたはエチル、最も好ましくは水素またはメチルである。
【0079】
R14は前述の定義のとおりである。さらに、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールが置換されている場合、それらは好ましくはR15から独立に選択される1から5個、より好ましくは1から3個、最も好ましくは1または2個の置換基で置換されている。
【0080】
好ましくは、R14は水素、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、(D)-C(O)-ヘテロシクリル、(D)-C(O)N(R16)2、(D)-N(R16)2、(D)-NR16COR14、(D)-NR14CON(R14)2、(D)-NR14C(O)OR16、(D)-NR16C(R16)=N(R16)、(D)-NR16C(=NR16)N(R16)2、(D)-NR16SO2R16または(D)-NR16SO2N(R16)2であり、ただしアルキルまたはアルコキシはR15から選択される1から5個、好ましくは1から3個の置換基で置換されているか、または無置換である。より好ましくは、R14はシアノ、ニトロ、ハロ、アルキル、(D)-C(O)-ヘテロシクリル、(D)-C(O)N(R16)2、(D)-N(R16)2、(D)-NR16COR16、(D)-NR16CON(R16)2、(D)-NR16C(O)OR16または(D)-NR16SO2R16である。最も好ましくは、R16は(D)-C(O)-ヘテロシクリル、(D)-C(O)N(R16)2またはNR16COR16である。ハロは好ましくはF、ClまたはBrである。R14は環の任意の位置、好ましくは1位にあってもよい。一つの態様において、R14は水素、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、(D)-N(R16)2、(D)-NR16COR14、(D)-NR14CON(R14)2、(D)-NR14C(O)OR16、(D)-NR16C(R16)=N(R16)、(D)-NR16C(=NR16)N(R16)2、(D)-NR16SO2R16または(D)-NR16SO2N(R16)2であり、ただしアルキルまたはアルコキシはR15から選択される1から5個、好ましくは1から3個の置換基で置換されているか、または無置換である。より好ましくは、R14はシアノ、ニトロ、ハロ、アルキル、(D)-N(R16)2、(D)-NR16COR16、(D)-NR16CON(R16)2、(D)-NR16C(O)OR16または(D)-NR16SO2R16である。
【0081】
R15は独立に水素、ハロ、オキソ、N(R3)2、アルキル、(D)-シクロアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、ヒドロキシ、ヘテロシクリル(ヘテロシクリルは1個の窒素を含むヘテロシクリルを除く)、フェニル、(D)-COR16、(D)-C(O)OR16、(D)-OR16、(D)-OCOR16、(D)-OCO2R16、(D)-SR16、(D)-SOR16または(D)-SO2R16であり、ただしアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルまたはシクロアルキルは置換されているか、または無置換である。アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルまたはシクロアルキルが置換されている場合、それらは好ましくはオキソ、アルキル、N(R16)2、OR16、SR16および/またはCO2R16からなる群より選択される1から3個、より好ましくは1または2個の置換基で置換されている。
【0082】
好ましくは、R15は水素、ハロ、アルキル、(D)-シクロアルキル、アルコキシまたはフェニルであり、より好ましくはR15は水素、ハロ、アルキル、アルコキシまたはフェニルである。
【0083】
R16は前述の定義のとおりである。アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルまたはシクロアルキルが置換されている場合、それらは好ましくはオキソ、ハロ、アルキル、N(R3)2、OR3、SR3および/またはCO2R3からなる群より選択される1から3個、より好ましくは1または2個の置換基で置換されている。
【0084】
好ましくは、R16は水素、ハロ、アルキル、(D)-シクロアルキル、アルコキシまたはフェニルであり、より好ましくはR16は水素、ハロ、アルキル、アルコキシまたはフェニルである。
【0085】
Cyは前述の定義のとおりであり、ただしヘテロアリールおよびヘテロシクリルは好ましくは5または6員環で、カルボシクリルは好ましくは5または7員環である。好ましくは、Cyはアリール、より好ましくはベンゼンである。
【0086】
Xは前述の定義のとおりである。アリールおよびヘテロアリールが置換されている場合、それらは好ましくはR8から選択される1から3個、より好ましくは1または2個の基で置換されている。さらに、アルキル、D、シクロアルキルおよびヘテロシクリルが置換されている場合、それらは好ましくはR8および/またはオキソから独立に選択される1から4個の基で置換されている。
【0087】
好ましくは、Xはアルキル、(D)-シクロアルキル、(D)-アリール、(D)-ヘテロアリール、(D)-ヘテロシクリル、(D)-NHC(O)R11、(D)-CO2R11または(D)-CON(R11R11)、より好ましくはアルキル、(D)-シクロアルキル、(D)-ヘテロシクリル、(D)-NHC(O)R11または(D)-CON(R11R11)、最も好ましくはC1〜C4-アルキル、C5〜C7-シクロアルキル、(D)-CON(R11R11)およびN含有ヘテロシクリル、特にトリアゾリルおよびテトラゾリルである。
【0088】
Yは前述の定義のとおりである。アリールおよびヘテロアリールが置換されている場合、それらは好ましくはR8から選択される1から3個、より好ましくは1または2個の基で置換されている。さらに、アルキル、Dおよびシクロアルキルが置換されている場合、それらは好ましくはR8および/またはオキソから選択される1から3個の基で置換されている。
【0089】
好ましくは、Yは水素、アルキル、(D)-シクロアルキル、(D)-アリール、(D)-ヘテロアリールまたは(D)-ヘテロシクリル、より好ましくはアルキル、(D)-シクロアルキルまたは(D)-ヘテロシクリル、最も好ましくは水素、C1〜C4-アルキルおよびC5〜C7-シクロアルキル、特にシクロヘキシルである。
【0090】
Cy'は前述の定義のとおりであり、好ましくはベンゼンまたはピリジン、より好ましくはベンゼンである。
【0091】
Dは前述の定義のとおりであり、好ましくは結合またはC1〜C4アルキレン、より好ましくは結合またはCH2である。
【0092】
Eは前述の定義のとおりであり、好ましくはNSO2R10、CHN(Y)COR12またはCHN(Y)SO2R12、より好ましくはNSO2R10である。
【0093】
Gは前述の定義のとおりであり、好ましくはDまたはCHアルキル、より好ましくはD、特にCH2である。
【0094】
Jは前述の定義のとおりであり;
Lは前述の定義のとおりであり、好ましくはNR5であり;
Mは前述の定義のとおりであり、好ましくは結合またはCH2であり;
nは0、1または2、好ましくは0または1であるが、mが0である場合、nは1であり;
mは0、1または2、好ましくは0または1であるが、nが0である場合、mは1、より好ましくはn+m=1であり;
oは0、1、2または3、好ましくは0、1または2、より好ましくは1であり;
pは0または1、好ましくは0であり;
qは0または1、好ましくは0であり;
rは1または2、好ましくは1であり;
sは0、1、2、3、4または5、好ましくは0、1、2または3、より好ましくは0または1、最も好ましくは0であり;
uは0、1または2であり;
vは0または1である。
【0095】
前記および下記において、用いる用語は下記に記載の意味を有する:
【0096】
アリールは6から20炭素原子の芳香族単環式または多環式部分で、好ましくはフェニル、ビフェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、フルオレニル、インデニルまたはフェナントレニル、より好ましくはフェニルまたはナフチルから選択される。
【0097】
ヘテロアリールは、少なくとも一つの複素環を有する、6から20炭素原子の芳香族部分で、好ましくはチエニル、ベンゾチエニル、ナフトチエニル、フラニル、ベンゾフラニル、クロメニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、キノキサリニル、シンノリニルまたはキナゾリニル、より好ましくはチエニル、フラニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニルまたはインドリルから選択される。
【0098】
ヘテロシクリルは、O、Nおよび/またはSから選択される少なくとも一つのヘテロ原子と、1から6個の炭素原子を含む、飽和、不飽和または芳香環で、好ましくはアゼチジン-2-オン-1-イル、ピロリジン-2-オン-1-イル、ピペリド-2-オン-1-イル、アセパン-2-オン-1-イル、チエニル、フリル、ピペリジニル、ピラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イソチアゾリルまたはイソキサジル、より好ましくはピリジル、ピペリジニル、イミダゾリルまたはピラジニルから選択される。
【0099】
カルボシクリルは、3から20炭素原子の単環式または多環式の環構造で、飽和、不飽和または芳香族であってもよい。
【0100】
アルキルは、好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシルまたはヘプチルなどの1から8個の炭素原子、より好ましくは1から4個の炭素原子を有する、直鎖または分枝アルキルである。
【0101】
シクロアルキルは、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルなどの3から8個の炭素原子、より好ましくは3から6個の炭素原子を有する、アルキル環である。
【0102】
アルケニルは、好ましくはビニル、アリル、メタリル、ブテン-2-イル、ブテン-3-イル、ペンテン-2-イル、ペンテン-3-イル、ペンテン-4-イル、3-メチル-ブタ-3-エニル、2-メチル-ブタ-3-エニル、1-メチル-ブタ-3-エニル、ヘキセニルまたはヘプテニルなどの2から8個の炭素原子、より好ましくは2から4個の原子を有する、直鎖または分子アルケニルである。
【0103】
アルコキシは、アルキルが前述の定義のとおりであるO-アルキルで、好ましくは1から4個の炭素原子、より好ましくは1または3個の炭素原子を有する。
【0104】
ハロまたはハロゲンは、好ましくはF、Cl、BrおよびI、より好ましくはF、ClおよびBrから選択されるハロゲン原子である。
【0105】
ハロアルキルは、好ましくは1から4個の炭素原子、より好ましくは1または2個の炭素原子を有する、前述の定義のとおりのアルキル部分で、少なくとも一つ、好ましくは1から3個の水素原子がハロゲン原子で置換されている。好ましい例は-CF3、-CH2CF3および-CF2CF3である。
【0106】
その中で、アルキレン部分は直鎖または分枝鎖の基であってもよい。このアルキレン部分は好ましくは1から6個の炭素原子を有する。その例には、メチレン、エチレン、n-プロピレン、n-ブチレン、n-ペンチレン、n-ヘキシレン、イソプロピレン、sec-ブチレン、tert-ブチレン、1,1-ジメチルプロピレン、1,2-ジメチルプロピレン、2,2-ジメチルプロピレン、1,1-ジメチルブチレン、1,2-ジメチルブチレン、1,3-ジメチルブチレン、2,2-ジメチルブチレン、2,3-ジメチルブチレン、3,3-ジメチルブチレン、1-エチルブチレン、2-エチルブチレン、3-エチルブチレン、1-n-プロピルプロピレン、2-n-プロピルプロピレン、1-イソ-プロピルプロピレン、2-イソ-プロピルプロピレン、1-メチルペンチレン、2-メチルペンチレン、3-メチルペンチレンおよび4-メチルペンチレンが含まれる。より好ましくは、このアルキレン部分はメチレン、エチレン、n-プロピレンおよびイソプロピレンなどの1から3個の炭素原子を有する。最も好ましいものはメチレンである。
【0107】
構造式(I)および(II)の化合物は、メラノコルチン受容体調節物質として有効で、特にMC-4Rの選択的調節物質として有効である。したがって、これらは癌カヘキシー、筋萎縮、食欲不振、不安、うつ、肥満、糖尿病、性機能不全、およびMC-4Rが関与する他の疾患などの、MC-4Rの活性化および不活化に反応性の障害の治療および/または予防のために有用である。
【0108】
光学異性体−ジアステレオマー−幾何異性体−互変異性体
構造式(I)および(II)の化合物は、一つまたは複数の不斉中心を含み、ラセミ体およびラセミ混合物、単一の鏡像異性体、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして出現しうる。本発明は、構造式(I)および(II)の化合物のそのような異性体すべてを含むことが意図される。
【0109】
本明細書に記載の化合物のいくつかは、ケト-エノール互変異性体などの互変異性体として存在してもよい。個々の互変異性体、ならびにその混合物は、構造式(I)および(II)の化合物の範囲内に含まれる。
【0110】
構造式(I)および(II)の化合物は、例えば、適当な溶媒、例えば、メタノールもしくは酢酸エチルまたはその混合物からの分別結晶により、あるいは光学活性固定相を用いたキラルクロマトグラフィを介して、個々のジアステレオ異性体に分離してもよい。絶対立体配置は、結晶生成物または必要があれば既知の絶対配置の不斉中心を含む試薬で誘導体化した結晶中間体のX線結晶学によって調べることができる。
【0111】
または、一般式(I)および(II)の化合物の任意の立体異性体を、光学的に純粋な出発物質または既知の絶対配置の試薬を用いた立体特異的合成によって得ることができる。
【0112】

「薬学的に許容される塩」なる用語は、無機または有機塩基および無機または有機酸を含む、薬学的に許容される非毒性の塩基または酸から調製される塩を意味する。無機塩基由来の塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)塩、マンガン(II)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが含まれる。特に好ましいものは、アンモニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩である。薬学的に許容される有機非毒性塩基由来の塩には、一級、二級および三級アミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、ならびにアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩基性イオン交換樹脂の塩が含まれる。
【0113】
本発明の化合物が塩基性である場合、無機および有機酸を含む薬学的に許容される非毒性酸から塩を調製することができる。そのような酸には、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、マロン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、pトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などが含まれる。特に好ましいものは、クエン酸、フマル酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸である。
【0114】
本明細書において用いられる場合、式(I)および(II)の化合物への言及は、薬学的に許容される塩も含むことを意味することが理解されると思われる。
【0115】
用途
式(I)および(II)の化合物はメラノコルチン受容体調節物質であり、したがって、MC-1 R、MC-2R、MC-3R、MC-4RまたはMC-5Rを含むが、それに限定されるわけではない、一つまたは複数のメラノコルチン受容体の活性化または不活化に反応性の疾患、障害または状態の治療、管理または予防において有用である。そのような疾患、障害または状態には、癌カヘキシー、筋萎縮、食欲不振、不安、うつ、肥満(食欲を低下させる、代謝速度を高める、脂肪摂取を減少させる、または、炭水化物欲求を低下させることにより)、糖尿病(糖耐性を高める、インスリン抵抗性を低下させることにより)、高血圧、高脂血症、骨関節症、癌、胆嚢疾患、睡眠無呼吸、うつ、不安、強迫行為、性機能不全、神経鞘、不眠/睡眠障害、物質乱用、疼痛、男性および女性性機能障害(インポテンス、性無欲症および勃起機能不全を含む)発熱、炎症、免疫調節、慢性関節リウマチ、皮膚黒化、ざ瘡および他の皮膚障害、神経保護ならびにアルツハイマー病の治療を含む認知および記憶強化が含まれるが、それに限定されるわけではない。
【0116】
式(I)および(II)に含まれるいくつかの化合物は、MC-1R、MC-2R、MC-3RおよびMC-5Rに比べてメラノコルチン-4受容体に高選択的親和性を示し、これにより化合物は癌カヘキシー、筋萎縮、食欲不振、不安、うつ、肥満、ならびに勃起機能不全を含む男性および/または女性性機能不全の予防および治療において特に有用となる。「男性性機能不全」には、インポテンス、性無欲症および勃起機能不全が含まれる。「女性性機能不全」は、欲求、性的覚醒、性受容性およびオルガスムにおける機能不全を含む、複数の要素が原因と見ることができる。
【0117】
投与および用量範囲
任意の適当な投与経路を、哺乳動物、特にヒトに本発明の化合物の有効な用量を提供するために用いることができる。例えば、経口、直腸、局所、非経口、眼、肺、鼻などを用いてもよい。剤形には、錠剤、トローチ、分散剤、懸濁剤、液剤、カプセル剤、クリーム、軟膏、エアロゾルなどが含まれる。好ましくは、式(I)および(II)の化合物は経口または局所投与する。
【0118】
用いる活性成分の有効用量は、用いる特定の化合物、投与様式、治療中の状態、および治療中の状態の重症度に応じて変動しうる。そのような用量は、当業者であれば容易に確認することができる。
【0119】
癌カヘキシー、筋萎縮または食欲不振を治療する場合、一般には本発明の化合物を体重1キログラムあたり約0.001ミリグラムから約100ミリグラムの1日用量で、好ましくは1回用量もしくは1日に2から6回の分割用量で、または徐放剤形で投与すると、満足のいく結果が得られる。70kgの成人の場合、合計1日用量は一般には約0.07ミリグラムから約3500ミリグラムとなる。この投与法は最適な治療反応を提供するために調節してもよい。
【0120】
肥満を、糖尿病および/もしくは高血糖症と共に、または単独で治療する場合、一般には本発明の化合物を体重1キログラムあたり約0.001ミリグラムから約100ミリグラムの1日用量で、好ましくは1回用量もしくは1日に2から6回の分割用量で、または徐放剤形で投与すると、満足のいく結果が得られる。70kgの成人の場合、合計1日用量は一般には約0.07ミリグラムから約3500ミリグラムとなる。この投与法は最適な治療反応を提供するために調節してもよい。
【0121】
糖尿病および/または高血糖症ならびに式(I)および(II)の化合物が有用である他の疾患または障害を治療する場合、一般には本発明の化合物を動物体重1キログラムあたり約0.001ミリグラムから約100ミリグラムの1日用量で、好ましくは1回用量もしくは1日に2から6回の分割用量で、または徐放剤形で投与すると、満足のいく結果が得られる。70kgの成人の場合、合計1日用量は一般には約0.07ミリグラムから約3500ミリグラムとなる。この投与法は最適な治療反応を提供するために調節してもよい。
【0122】
性機能不全の治療のために、本発明の化合物を体重1キログラムあたり0.001ミリグラムから約100ミリグラムの用量範囲、好ましくは1回の経口用量、または鼻噴霧として投与する。
【0123】
製剤
式(I)および(II)の化合物は、好ましくは投与前に剤形に製剤化する。したがって、本発明は、式(I)および(II)の化合物および適当な薬学的担体を含む薬学的組成物も含む。
【0124】
本発明の薬学的組成物は、周知の容易に入手可能な成分を用いて、公知の方法により調製する。本発明の製剤の製造において、活性成分(式(I)および(II)の化合物)を通常は、カプセル、サシェ、紙または他の容器であってもよい担体と混合するか、または担体により希釈するか、または担体内に封入する。担体が希釈剤として役立つ場合、担体は活性成分のための媒体、賦形剤または媒質としてはたらく固体、半固体、または液体材料であってもよい。したがって、組成物は錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ、エアロゾル(固体として、または液体媒質中)、ゼラチン軟および硬カプセル剤、坐剤、無菌注射用液剤、および無菌包装散剤の形でありうる。
【0125】
適当な担体、賦形剤および希釈剤のいくつかの例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水シロップ(water syrup)、メチルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチルおよびプロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウムならびに鉱油が含まれる。製剤はさらに滑沢剤、湿潤剤、乳化および懸濁化剤、保存剤、甘味料または着香料も含むことができる。本発明の組成物は、患者への投与後に、活性成分の急速、持続または遅延放出を提供するように製剤化してもよい。
【0126】
本発明の化合物の調製
式(I)および(II)の化合物の調製について記載する際、「A部分」、「B部分」、および「C部分」なる用語を以下で用いる。この部分の概念を以下に例示する:

【0127】
本発明の化合物の調製は、逐次または集中的合成経路を介して実施することができる。当業者は、一般に、式(I)および(II)の化合物の3つの部分はアミド結合を介して連結されていることを理解すると思われる。したがって、当業者は標準的ペプチド結合反応条件を介して3つの部分を連結するための多くの経路および方法を容易に構想することができる。
【0128】
「標準的ペプチド結合反応条件」なる句は、カルボン酸をアミンと、DCMなどの不活性溶媒中、HOBtなどの触媒存在下、EDC、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよびベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリス(ジメチルアミノ)-ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートなどの酸活性化試薬を用いて結合させることを意味する。所望の反応を促進し、望ましくない反応を最小限に抑えるための、アミンおよびカルボン酸の保護基の使用は、詳しく記録されている。保護基が存在する場合のその除去に必要な条件は、Greene et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, Inc., New York, NY 1991に見いだすことができる。
【0129】
合成中、Z、BocおよびFmocのような保護基が大量に用いられ、それらの除去条件は当業者には周知である。例えば、Z基の除去は、エタノールなどのプロトン性溶媒中、活性炭担持パラジウムなどの貴金属またはその酸化物存在下、水素による接触水素添加により達成することができる。他の反応の可能性がある官能基の存在により接触水素添加が禁忌である場合、Zの除去は酢酸中、臭化水素溶液での処理、またはTFAおよび硫化ジメチルの混合物での処理により達成することもできる。Boc保護基の除去は、塩化メチレン、メタノールまたは酢酸エチルなどの溶媒中、TFAまたはHClまたは塩化水素ガスなどの強酸で実施する。
【0130】
式(I)および(II)の化合物がジアステレオマー混合物として存在する場合、これをメタノール、酢酸エチル、またはその混合物などの適当な溶媒からの分別結晶により、ジアステレオマーの鏡像異性体対に分離することができる。このようにして得た鏡像異性体対は、分割剤として光学活性な酸を用いた通常の手段により個々の立体異性体に分離することができる。または、式(I)および(II)の化合物の任意の鏡像異性体を、光学的に純粋な出発物質または既知の絶対配置の試薬を用いた立体特異的合成によって得ることができる。
【0131】
本発明の式(I)および(II)の化合物は、適当な材料を用いて、下記のスキームおよび実施例の方法に従って調製することができ、下記の具体的実施例によってさらに例示する。さらに、本明細書に記載の方法を、当技術分野の通常の技術と共に用いて、ここで請求する本発明のその他の化合物を容易に調製することができる。しかし、実施例に例示する化合物は、本発明と考えられる種類だけを形成すると解釈されるべきではない。実施例は、本発明の化合物の調製についての詳細をさらに例示する。当業者であれば、下記の調製法の条件および工程の公知の変形を用いてこれらの化合物を調製しうることを容易に理解すると思われる。本発明の化合物は一般に、前述のものなどのそれらの薬学的に許容される塩の形で単離する。単離した塩に対応する遊離アミン塩基は、水性炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなどの適当な塩基による中和、および遊離したアミン遊離塩基の有機溶媒中への抽出と、その後の蒸発によって生成することができる。この様式で単離したアミン遊離塩基は、有機溶媒に溶解した後、適当な酸を加えて蒸発、沈殿または結晶化させることにより、別の薬学的に許容される塩にさらに変換することもできる。温度はすべて摂氏度である。質量スペクトル(MS)は電子スプレーイオン質量分析法により測定した。
【0132】
下記のスキーム、調製および実施例において、様々な試薬記号および略語は以下の意味を有する:
【0133】
Boc tert-ブトキシカルボニル
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
EDC 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
Fmoc 9-フルオレニルメチル-カーバメート
HOAc 酢酸
HOAt 1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
h 時間
NMM N-メチルモルホリン
Phe フェニルアラニン
TFA トリフルオロ酢酸
TEA トリエチルアミン
THF テトラヒドロフラン
Tic 1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸
TMOF オルトギ酸トリメチル
Z ベンジルオキシカルボニル
【0134】
反応スキーム1: カップリング技術
技術1

技術2

技術3

【0135】
カップリング技術1において、適当な「A部分」(例えば、4-シクロヘキシル-4-[1,2,4]トリアゾル-1-イル-メチル-ピペリジン)を「B部分」(例えば、L-Boc-p-Cl-Phe-OH)に、EDC/HOBt存在下で結合し、続いてBoc脱保護する。次いで、結合したAB化合物を適当な「C部分」に結合し、続いてBoc基の脱保護および塩形成を行う。または、「C部分」がBoc基で保護されていない場合、最終化合物を脱保護段階なしで得ることができる。
【0136】
カップリング技術2において、適当な「AB部分」を適当な「C部分」に、EDC/HOBt存在下で結合し、続いてBoc基の脱保護および塩形成を行う。または、「C部分」がBoc基で保護されていない場合、最終化合物を脱保護段階なしで得ることができる。
【0137】
カップリング技術3において、適当な「BC部分」を適当な「A部分」に、EDC/HOBt存在下で結合し、続いてBoc基の脱保護および塩形成を行う。または、「C部分」がBoc基で保護されていない場合、最終化合物を脱保護段階なしで得ることができる。
【0138】
AとBoc-B-OHとの結合のために、EDC/HOAt、EDC/HOBtまたはDCC/HOBtを用いることができる。
【0139】
一般に、Boc保護ピペラジンまたはピペリジンの出発原料(A部分)を、カップリング法に供する前に、TFA/CH2Cl2、HCl/EtOAc、HCl/ジオキサンまたはMeOH/Et2O中のHCl存在下、硫化ジメチル(DMS)などのカチオンスカベンジャーと共に、またはなしで、脱保護することができる。これはカップリング法に供する前に遊離塩基としてもよく、またはいくつかの場合には塩として用いてもよい。
【0140】
CH2Cl2、DMF、THFまたは前述の溶媒の混合物などの適当な溶媒を、カップリング法のために用いることができる。適当な塩基には、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N-メチルモルホリン(NMM)、コリジンまたは2,6-ルチジンが含まれる。
【0141】
EDC/HOBtを用いる場合、塩基は必要ないこともある。
【0142】
一般に、反応完了後、反応混合物を、EtOAc、CH2Cl2またはEt2Oなどの適当な有機溶媒で希釈することができ、次いでこれを、水、HCl、NaHSO4、炭酸水素塩、NaH2PO4、リン酸緩衝液(pH7)、食塩水またはその任意の組み合わせなどの水溶液で洗浄する。反応混合物を濃縮し、次いで適当な有機溶媒と水溶液との間で分配することができる。反応混合物を濃縮し、水溶液による後処理なしでクロマトグラフィに供することもできる。
【0143】
Boc、Z、FmocおよびCF3COなどの保護基を、H2/Pd-C、TFA/DCM、HCl/EtOAc、HCl/ジオキサン、MeOH/Et2O中のHCl、NH3/MeOHまたはTBAF存在下、チオアニソール、エタンチオールおよび硫化ジメチル(DMS)などのカチオンスカベンジャーと共に、またはなしで、脱保護することができる。脱保護アミンは得られた塩として用いることもでき、またはDCMに溶解し、炭酸水素塩水溶液もしくはNaOH水溶液で洗浄することによって、遊離塩基とする。脱保護アミンはイオン交換クロマトグラフィによって遊離塩基とすることもできる。
【0144】
「A部分」は対応する文献に記載のとおりに調製することができる:4-シクロヘキシル-4-[1,2,4]トリアゾル-1-イルメチル-ピペリジン(WO0074679)、4-シクロヘキシル-ピペリジン-4カルボン酸tert-ブチルアミド(WO0170708)、1,2-ジヒドロ-1-メタンスルホニルスピロ-[3H-インドール-3,4'-ピペリジン](US005536716)、3a-ベンジル-2-メチル-2,3a,4,5,6,7-ヘキサヒドロ-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-オン(WO9858949)およびN-(2-ピペラジン-1-イル-ベンジル)-メタン-スルホンアミド、1-(2-[1,2,4]トリアゾル-1-イルメチル-フェニル)-ピペラジン、N-(2-ピペラジン-1-イル-フェニル)-イソブチルアミド、N-(2-ピペラジン-1-イル-フェニル)-メタンスルホンアミド、(2-ピペラジン-1-イル-フェニル)-ピペリジン-1-イル-メタノン、N,N-ジエチル-2-ピペラジン-1-イル-ベンズアミド(WO02059108)。
【0145】
下記の「A部分」を同様の方法で調製した:
N-(2-ピペラジン-1-イル-フェニル)-ベンズアミド、(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-(2-ピペラジン-1-イル-フェニル)-メタノン、モルホリン-4-イル-(2-ピペラジン-1-イル-フェニル)-メタノン、(2-ピペラジン-1-イル-フェニル)-ピロリジン-1-イル-メタノン、N-(2-メトキシ-エチル)-2-ピペラジン-1-イル-ベンズアミド、N-(2-ジメチルアミノ-エチル)-2-ピペラジン-1-イル-ベンズアミド、2-ピペラジン-1-イル-N-(2,2,2-トリフルオロ-エチル)-ベンズアミド、N-シクロプロピル-2-ピペラジン-1-イル-ベンズアミド、4-メチル-N-(2-ピペラジン-1-イル-フェニル)-ベンゼン-スルホンアミド、4-ブロモ-2-ピペラジン-1-イル-ベンゾニトリル(WO02059108)および4-シクロヘキシル-ピペリジン-4-カルボン酸メチルエステル(WO0170708)。
【0146】
「C部分」の調製のための反応スキーム
反応スキーム2: クロメンカルボン酸

【0147】
反応スキーム2に示すとおり、3-ブロモ-4-オキソクロメン-2-カルボン酸エチル1(J. Chem. Soc. Perkin Trans. I 1986、1643-1649)を、MeCNなどの適当な溶媒中、K2CO3などの塩基と共に、またはなしで、アミンと反応させて2を生成することができ、これを続いてHBr/HOAcなどの試薬で処理してカルボン酸3を生成する。R8が水素である場合、遊離アミンを適当な溶媒中、TEAおよびDMAP存在下、Boc2Oなどの試薬で保護することができる。
【0148】
反応スキーム3: 4-オキソ-1,4-ジヒドロ-キノリン-2-カルボン酸

【0149】
反応スキーム3に示すとおり、4-オキソ-1,4-ジヒドロ-キノリン-2-カルボン酸エチル5(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2000, 10, 1487-1490)を、HBr/HOAcなどの適当な反応物により対応する酸6に変換することができる。
【0150】
反応スキーム4: クロモン-2-カルボン酸(方法1)

【0151】
反応スキーム4に示すとおり、置換フェノール7をジエチルエーテル中、トリエチルアミンと、続いてアセチレンジカルボン酸ジメチルと反応させて、化合物8を得ることができる(Aust. J. Chem. 1995, 48, 677-686)。この化合物の水酸化ナトリウム水溶液でのけん化により酸9を得、これを続いて塩化アセチル中、濃硫酸を用いて環化し、クロモン-2-カルボン酸10とする。
【0152】
反応スキーム5: クロモン-2-カルボン酸(方法2)

【0153】
反応スキーム5に示すとおり、2'-ヒドロキシアセトフェノン11をメタノールまたはベンゼンなどの適当な溶媒中、ナトリウムメトキシドなどの塩基存在下、シュウ酸ジエチル12と反応させ、続いて塩酸などの酸で処理することにより、クロモン-2-カルボン酸エステル13を得ることができる(J. Indian Chem. Soc. 1986, 63, 600-602)。エステルを、炭酸水素ナトリウム水溶液などの塩基性条件またはポリリン酸などの酸性条件を適当な温度で用いて切断し、対応する酸10とすることができる。
【0154】
反応スキーム6: メトキシクロモン-2-カルボン酸の脱メチル

【0155】
反応スキーム6に示すとおり、メトキシ-置換クロモン-2-カルボン酸を氷酢酸などの適当な溶媒中、ヨウ化水素酸などの試薬で脱メチルして、対応するヒドロキシ-置換クロモン-2-カルボン酸を得ることができる。
【0156】
5,7-ジヒドロキシクロモン-2-カルボン酸は、文献に記載のとおりに調製することができる(OPPI Briefs 1991, 23, 390-392)。
【0157】
以下に本発明の詳細な実施例を記載する。
【0158】

【0159】
以下の実施例は本発明を例示するために提供するものであり、いかなる様式でも本発明の範囲を限定するものではない。
【0160】
実施例1:

DCM(2ml)中のクロモン-2-カルボン酸(17mg)に、中間体1b)(39mg)、N-メチルモルホリン(14μl)、HOBt(14mg)を加え、20min撹拌した。EDC(23mg)を加え、撹拌を1h続けた。N-メチルモルホリン(8μl)を追加して終夜撹拌した。反応混合物を水(5ml)に注ぎ、有機相を分離した。水相をDCMで2回抽出した。合わせた有機相を0.5N HClと、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して生成物を得、これをカラムクロマトグラフィで精製した。
無色固体
Rf=0.52(EtOAc);Mp.137〜147℃。
【0161】
必要な中間体を下記の方法で合成することができる:
【0162】
中間体1a):

DCM(5ml)中のBoc-D-4-クロロフェニルアラニン(82mg)に、アミン塩酸塩(US005536716において調製)(62mg)、N-メチルモルホリン(42μl)、HOBt(48mg)を加え、20min撹拌した。EDC(72mg)を加え、撹拌を1h続けた。N-メチルモルホリン(20μl)を追加して終夜撹拌した。反応混合物を水(5ml)に注ぎ、有機相を分離した。水相をDCMで2回抽出した。合わせた有機相を0.5N HClと、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィで精製して、標題化合物を得た。
【0163】
中間体1b):

DCM(5ml)中の1a)からのBoc保護アミン(86mg)にTFA(1ml)を加え、室温で90min撹拌した。TFA(1ml)を追加し、10min撹拌した。反応混合物をDCM(10ml)で希釈し、10%炭酸ナトリウム水溶液(20ml)に注ぐことにより、注意深く塩基性化した。有機層を分離し、水層をDCMで3回さらに抽出した。合わせた有機層を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して、白色固体を得た。
【0164】
長期保存のために、遊離塩基を対応する塩酸塩に変換した。遊離塩基をDCM(5ml)に溶解し、エーテル中約1M HCl(10ml)を加えた。沈殿をろ過し、残渣をエーテルで3回洗浄し、減圧下で乾燥して、所望の化合物を得た。
【0165】
下記の実施例を同様の方法で調製することができる:
【0166】
実施例2:

無色固体
Rf=0.52(EtOAc);Mp.139〜160℃。
【0167】
実施例3:

白色固体
Rf=0.56(EtOAc);Mp.203〜204℃。
【0168】
実施例4:

白色固体
Rf=0.75(EtOAc/エタノール3:1);Mp.166〜168℃。
【0169】
実施例5:

白色固体
Rf=0.61(EtOAc);Mp.94℃。
【0170】
実施例6:

白色固体
Rf=0.71(EtOAc);Mp.147〜156℃。
【0171】
実施例7:

淡黄色固体
Rf=0.61(EtOAc);Mp.119〜126℃。
【0172】
実施例8:

白色固体
Rf=0.62(EtOAc);Mp.136〜140℃。
【0173】
実施例9:

白色固体
Rf=0.77(EtOAc);Mp.157〜161℃。
【0174】
実施例10:

白色固体
Rf=0.77(EtOAc);Mp.160〜167℃。
【0175】
実施例11:

白色固体
Rf=0.74(EtOAc);Mp.140〜149℃。
【0176】
実施例12:

白色固体
Rf=0.74(EtOAc);Mp.128〜135℃。
【0177】
実施例13:

白色固体
Rf=0.74(EtOAc);Mp.107〜118℃。
【0178】
実施例14:

無色ガラス状固体
Rf=0.67(EtOAc/エタノール3:1);Mp.126〜135℃。
【0179】
実施例15:

白色固体
Rf=0.67(EtOAc/エタノール3:1);Mp.117〜126℃。
【0180】
実施例16:

白色固体
Rf=0.77(EtOAc/エタノール3:1);Mp.147〜157℃。
【0181】
実施例17:

白色固体
Rf=0.65(EtOAc/エタノール3:1);Mp.136〜141℃。
【0182】
実施例18:

白色固体
Rf=0.70(EtOAc/エタノール3:1);Mp.124〜132℃。
【0183】
実施例19:

白色固体
Rf=0.75(EtOAc/エタノール3:1);Mp.147〜150℃。
【0184】
実施例20:

オフホワイト固体
Rf=0.58(EtOAc/エタノール3:1);Mp.120〜125℃。
【0185】
実施例21:

白色固体
Rf=0.56(EtOAc/エタノール3:1);Mp.139〜144℃。
【0186】
実施例22:

白色固体
Rf=0.54(EtOAc/エタノール3:1);Mp.132〜140℃。
【0187】
実施例23:

オフホワイト固体
Rf=0.56(EtOAc/エタノール3:1);Mp.154〜162℃。
【0188】
実施例24:

オフホワイト固体
Rf=0.69(EtOAc/エタノール3:1);Mp.117〜130℃。
【0189】
実施例25:

白色固体
Rf=0.64(EtOAc/エタノール3:1);Mp.137〜142℃。
【0190】
実施例26:

白色固体
Rf=0.53(EtOAc/エタノール3:1);Mp.144〜157℃。
【0191】
実施例27:

ベージュ固体
Rf=0.66(EtOAc/エタノール3:1);Mp.166〜173℃。
【0192】
実施例28:

白色固体
Rf=0.60(EtOAc/エタノール3:1);Mp.142〜146℃。
【0193】
実施例29:

白色固体
Rf=0.65(EtOAc/エタノール3:1);Mp.130〜141℃。
【0194】
実施例30:

白色固体
Rf=0.76(EtOAc/エタノール3:1);Mp.116〜124℃。
【0195】
実施例31:

白色固体
Rf=0.69(EtOAc/エタノール3:1);Mp.119〜126℃。
【0196】
実施例32:

【0197】
実施例33:

【0198】
実施例34:

【0199】
実施例35:

【0200】
実施例36:

白色固体
Rf=0.83(EtOAc/エタノール3:1);Mp.122〜130℃。
【0201】
実施例37:

オフホワイト固体
Rf=0.77(EtOAc/エタノール3:1);Mp.123〜134℃。
【0202】
実施例38:

白色固体
Rf=0.78(EtOAc/エタノール3:1);Mp.123〜132℃。
【0203】
実施例39:

【0204】
実施例40:

【0205】
実施例41:

【0206】
実施例42:

【0207】
実施例43:

【0208】
実施例44:

【0209】
実施例45:

【0210】
実施例46:

【0211】
実施例47:

【0212】
実施例48:

【0213】
実施例49:

【0214】
実施例50:

【0215】
実施例51:

【0216】
実施例52:

【0217】
実施例53:

【0218】
実施例54:

【0219】
実施例55:

【0220】
実施例56:

【0221】
実施例57:

【0222】
実施例58:

白色固体
Rf=0.62(EtOAc/エタノール3:1);Mp.154〜162℃。
【0223】
実施例59:

白色固体
Rf=0.66(EtOAc/エタノール3:1);Mp.143〜150℃。
【0224】
実施例60:

白色固体
Rf=0.68(EtOAc/エタノール3:1);Mp.118〜124℃。
【0225】
実施例61:

白色固体
Rf=0.66(EtOAc/エタノール3:1);Mp.132〜142℃。
【0226】
実施例62:

白色固体
Rf=0.66(EtOAc/エタノール3:1);Mp.132〜142℃。
【0227】
実施例63:

白色固体
Rf=0.54(EtOAc);Mp.140〜163℃。
【0228】
実施例64:

白色固体
Rf=0.54(EtOAc);Mp.149〜158℃。
【0229】
実施例65:

白色固体
Rf=0.58(EtOAc);Mp.136〜148℃。
【0230】
実施例66:

白色固体
Rf=0.58(EtOAc);Mp.139〜151℃。
【0231】
実施例67:

白色固体
Rf=0.83(EtOAc);Mp.139〜146℃。
【0232】
実施例68:

白色固体
Rf=0.71(EtOAc);Mp.170〜177℃。
【0233】
実施例69:

白色固体
Rf=0.82(EtOAc);Mp.157〜166℃。
【0234】
実施例70:

白色固体
Rf=0.74(EtOAc);Mp.127〜131℃。
【0235】
実施例71:

白色固体
Rf=0.72(EtOAc);Mp.141〜148℃。
【0236】
実施例72:

白色固体
Rf=0.63(EtOAc);Mp.137〜140℃。
【0237】
実施例73:

【0238】
実施例74:

【0239】
実施例75:

【0240】
実施例76:

【0241】
実施例77:

【0242】
実施例78:

【0243】
実施例79:

【0244】
実施例80:

【0245】
実施例81:

【0246】
実施例82:

【0247】
実施例83:

【0248】
実施例84:

【0249】
実施例85:

【0250】
実施例86:

【0251】
実施例87:

【0252】
実施例88:

【0253】
実施例89:

【0254】
実施例90:

【0255】
実施例91:

【0256】
実施例92:

【0257】
実施例93:

【0258】
実施例94:

【0259】
実施例95:

【0260】
実施例96:

【0261】
実施例97:

【0262】
実施例98:

【0263】
実施例99:

【0264】
実施例100:

【0265】
実施例101:

【0266】
実施例102:

【0267】
実施例103:

【0268】
実施例104:

【0269】
実施例105:

【0270】
実施例106:

【0271】
実施例107:

【0272】
実施例108:

【0273】
実施例109:

黄色固体
Rf=0.79(EtOAc)。
【0274】
実施例110:

白色固体
Rf=0.63(EtOAc);Mp.160〜174℃。
【0275】
実施例111:

白色固体
Rf=0.72(EtOAc/エタノール3:1);Mp.113〜131℃。
【0276】
実施例112:

白色固体
Rf=0.85(EtOAc);Mp.131〜139℃。
【0277】
実施例113:

白色固体
Rf=0.77(EtOAc/エタノール3:1);Mp.135〜141℃。
【0278】
実施例114:

白色固体
Rf=0.32(EtOAc);Mp.141〜147℃。
【0279】
実施例115:

白色固体
Rf=0.30(EtOAc);Mp.129〜145℃。
【0280】
実施例116:

白色固体
Rf=0.39(EtOAc);Mp.210〜215℃。
【0281】
実施例117:

白色固体
Rf=0.44(EtOAc/エタノール3:1);Mp.148〜154℃。
【0282】
実施例118:

【0283】
実施例119:

【0284】
実施例120:

白色固体
Rf=0.31(EtOAc);Mp.141〜145℃。
【0285】
実施例121:

白色固体
Rf=0.22(EtOAc);Mp.150〜153℃。
【0286】
実施例122:

白色固体
Rf=0.36(EtOAc);Mp.134〜152℃。
【0287】
実施例123:

白色固体
Rf=0.11(EtOAc);Mp.140〜152℃。
【0288】
実施例124:

ベージュ固体
Rf=0.30(EtOAc);Mp.163〜171℃。
【0289】
実施例125:

【0290】
実施例126:

白色固体
Rf=0.44(EtOAc);Mp.139〜144℃。
【0291】
実施例127:

【0292】
実施例128:

【0293】
実施例129:

【0294】
実施例130:

【0295】
実施例131:

【0296】
実施例132:

白色固体
Rf=0.47(EtOAc);Mp.130〜135℃。
【0297】
実施例133:

白色固体
Rf=0.18(EtOAc);Mp.143〜150℃。
【0298】
実施例134:

【0299】
実施例135:

【0300】
実施例136:

【0301】
実施例137:

【0302】
実施例138:

【0303】
実施例139:

【0304】
実施例140:

【0305】
実施例141:

【0306】
実施例142:

【0307】
実施例143:

【0308】
実施例144:

【0309】
実施例145:

【0310】
実施例146:

【0311】
実施例147:

【0312】
実施例148:

【0313】
実施例149:

【0314】
実施例150:

【0315】
実施例151:

【0316】
実施例152:

【0317】
実施例153:

【0318】
実施例154:

【0319】
実施例155:

【0320】
実施例156:

白色固体
Rf=0.51(EtOAc);Mp.125〜136℃。
【0321】
実施例157:

白色固体
Rf=0.45(EtOAc);Mp.170〜188℃。
【0322】
実施例158:

白色固体
Rf=0.06(EtOAc/エタノール3:1);Mp.160〜165℃。
【0323】
実施例159:

【0324】
実施例160:

【0325】
実施例161:

【0326】
実施例162:

【0327】
実施例163:

【0328】
実施例164:

【0329】
実施例165:

【0330】
実施例166:

【0331】
実施例167:

【0332】
実施例168:

【0333】
実施例169:

【0334】
実施例170:

【0335】
実施例171:

【0336】
実施例172:

【0337】
実施例173:

【0338】
実施例174:

【0339】
実施例175:

【0340】
実施例176:

【0341】
実施例177:

【0342】
実施例178:

【0343】
実施例179:

【0344】
実施例180:

【0345】
実施例181:

【0346】
実施例182:

【0347】
実施例183:

【0348】
実施例184:

【0349】
実施例185:

【0350】
実施例186:

【0351】
実施例187:

【0352】
実施例188:

【0353】
実施例189:

【0354】
実施例190:

【0355】
実施例191:

【0356】
実施例192:

【0357】
実施例193:

【0358】
実施例194:

【0359】
実施例195:

【0360】
実施例196:

【0361】
実施例197:

【0362】
実施例198:

【0363】
実施例199:

【0364】
実施例200:

【0365】
実施例201:

白色固体
Rf=0.45(EtOAc);Mp.196〜206℃。
【0366】
実施例202:

無色ガラス状固体
Rf=0.69(EtOAc/エタノール3:1);Mp.100〜103℃。
【0367】
実施例203:

無色ガラス状固体
Rf=0.06(EtOAc/エタノール3:1);Mp.96〜99℃。
【0368】
実施例204:

白色固体
Rf=0.66(EtOAc/エタノール3:1);Mp.138〜147℃。
【0369】
実施例205:

白色固体
Rf=0.86(EtOAc/エタノール3:1);Mp.119〜124℃。
【0370】
実施例206:

白色固体
Rf=0.28(EtOAc/ヘキサン1:1);Mp.152〜155℃。
【0371】
実施例207:

白色固体
Rf=0.68(EtOAc/エタノール3:1);Mp.144〜152℃。
【0372】
実施例208:

白色固体
Rf=0.45(EtOAc);Mp.134〜146℃。
【0373】
実施例209:

白色固体
Rf=0.45(EtOAc);Mp.137〜143℃。
【0374】
実施例210:

淡黄色固体
Rf=0.70(EtOAc/エタノール3:1);Mp.144〜153℃。
【0375】
実施例211:

【0376】
Boc保護中間体211c)(32mg)に1,4-ジオキサン中の4.0M塩化水素溶液(10ml)を加え、溶液を室温で90min撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残渣をDCMに溶解し、ジエチルエーテルで処理した。沈殿をろ過し、標題化合物を固体で得た。
白色固体
Mp.160〜175℃。
【0377】
必要な中間体を下記の方法で合成することができる:
中間体211a):

DCM(6ml)中のBoc-(S)-3-アミノ-(4-クロロ-フェニル)-酪酸(170mg)に1,2-ジヒドロ-1-メタンスルホニルスピロ-[3H-インドール-3,4'-ピペリジン]塩酸塩(179mg)、N-メチルモルホリン(83μl)、HOBt(140mg)を加え、25min撹拌した。EDC(144mg)を加え、撹拌を1h続けた。N-メチルモルホリン(30μl)を追加し、終夜撹拌した。反応混合物を水(5ml)に注ぎ、有機相を分離した。水相をDCMで2回抽出した。合わせた有機相を0.5N HClおよび飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をエタノール/酢酸エチル中でスラリー化し、ろ過して、所望の化合物を得た。
白色固体
Rf=0.47(EtOAc)。
【0378】
中間体211b):

DCM(5ml)中の中間体211a)(210mg)にTFA(1ml)を加え、室温で2.5h撹拌した。TFA(1ml)を追加し、1h撹拌した。反応混合物をDCM(5ml)で希釈し、10%炭酸ナトリウム水溶液(10ml)に注ぐことにより、注意深く塩基性化した。有機層を分離し、水層をDCMで2回さらに抽出した。合わせた有機層を水および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮して、無色ガラス状固体を得た。
【0379】
粗生成物をDCM(5ml)に溶解し、エーテル中約1M HCl(10ml)を加えた。沈殿をろ過し、残渣をエーテルで3回洗浄し、減圧下で乾燥して、標題化合物を得た。
白色固体
Mp.160〜175℃。
【0380】
中間体211c):

中間体211b)(23mg)およびDCM(1ml)に(R)-Boc-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸(16mg)、HOBt(9mg)およびEDC(15mg)を加え、終夜撹拌した。反応混合物を水(5ml)に注ぎ、有機層を分離した。水層をDCMで2回抽出した。合わせた有機層を0.5N HCl(5ml)および飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィで精製した。
無色固体
Rf=0.76(EtOAc/エタノール3:1)。
【0381】
下記の実施例を同様の方法で調製することができる:
【0382】
実施例212:

白色固体
Mp.162〜177℃。
【0383】
実施例213:

白色固体
Mp.192〜200℃。
【0384】
実施例214:

白色固体
Mp.189〜201℃。
【0385】
実施例215:

白色固体
Mp.161〜170℃。
【0386】
実施例216:

白色固体
Mp.180〜185℃。
【0387】
実施例217:

白色固体
Mp.190〜199℃。
【0388】
実施例218:

白色固体
Mp.198〜206℃。
【0389】
実施例219:

白色固体
Mp.207〜238℃。
【0390】
実施例220:

白色固体
Mp.225〜253℃。
【0391】
実施例221:

白色固体
Mp.176〜187℃。
【0392】
実施例222:

白色固体
Mp.148℃。
【0393】
実施例223:

白色固体
Mp.150〜155℃。
【0394】
実施例224:

白色固体
Mp.150〜156℃。
【0395】
実施例225:

白色固体
Mp.125〜131℃。
【0396】
実施例226:

白色固体
Mp.154〜161℃。
【0397】
実施例227:

白色固体
Mp.179〜184℃。
【0398】
実施例228:

白色固体
Mp.178〜186℃。
【0399】
実施例229:

無色ガラス状固体
Mp.82〜87℃。
【0400】
実施例230:

無色ガラス状固体
Mp.80〜82℃。
【0401】
実施例231:

白色固体
Mp.117〜125℃。
【0402】
実施例234:

白色固体
Mp.118〜127℃。
【0403】
カルボン酸の調製:
カルボン酸1の合成スキーム
カルボン酸1:

中間体CA1c)(0.1g)を臭化水素酸(2ml)および酢酸(1.5ml)と共に3h加熱することにより加水分解し、溶媒の蒸発後に所望の化合物を得た。
【0404】
中間体CA1a):

メタノール(10ml)中の2'-アミノアセトフェノン(709mg)の溶液にプロピオンアルデヒド(580μl)およびTMOF(482μl)を加え、終夜撹拌した。揮発物質を減圧下で除去し、残渣をメタノール(10ml)に再度溶解した。酢酸(115μl)およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(126mg)を加え、反応混合物を終夜撹拌した。1M NaOHで塩基性化した後、揮発物質を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルに溶解し、水および食塩水で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、溶媒を減圧下で除去して、標題化合物を得た。
【0405】
中間体CA1b):

無水THF(10ml)中の中間体CA1a)(681mg)の溶液にTEA(670μl)を加え、混合物を0℃まで冷却した。この温度で、塩化エチルオキサリル(470μl)を滴加した。反応混合物を室温で4h撹拌した。揮発物質を減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルに溶解した。溶液を水および飽和NaHCO3および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥して、所望の化合物を得た。
【0406】
中間体CA1c):

中間体CA1b)(555mg)をエタノール(10ml)に溶解した。K2CO3(276mg)を加え、反応混合物を終夜撹拌した。反応混合物をろ過し、溶媒を除去して、標題化合物を得た。
【0407】

【0408】
カルボン酸2:

中間体CA2b)(5.85g)をAcCl(110ml)に懸濁し、室温で撹拌しながら濃硫酸(4.40ml)を加えた。次いで、わずかに黄色を帯びた反応混合物を激しく撹拌しながら加熱還流し、30min還流を続けた。反応混合物を約25mlまで減圧下で蒸発させ、次いで十分に撹拌中のH2O(300ml)にゆっくり注意深く加え、撹拌を1h続けた。短時間超音波処理した後、生じた沈殿をろ過し、冷H2O(3×30ml)で洗浄し、最後に40℃で終夜減圧乾燥した。粗生成物を最少量の沸騰H2O(270ml)に溶解し、室温までゆっくり放冷した。結晶化を室温、6hで完了し、次いで結晶生成物をろ過し、冷H2O(3×10ml)で洗浄した。最後に生成物を40℃で終夜減圧乾燥し、標題化合物を得た。
【0409】
中間体CA2a):

4-トリフルオロメトキシフェノール(6.67g)をEt2O(55ml)に溶解し、室温で撹拌しながらTEA(6.36ml)を加えた。次いで、アセチレンジカルボン酸ジメチル(5.12ml)を激しく撹拌しながら加え、反応混合物を室温、暗所で終夜撹拌した。反応混合物をEt2O(30ml)で希釈し、1M HCl(3×65ml)、H2O(30ml)および食塩水(25ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、次いで減圧下で蒸発させた。最後に高減圧下で2h乾燥し、所望の生成物を得た。
【0410】
中間体CA2b):

中間体CA2a)(9.57g)に、室温で撹拌しながら水(45ml)中のNaOH(4.80g)の溶液を加えた。次いで、反応混合物を激しく撹拌しながら加熱還流し、3h還流を続けた。反応混合物をEt2O(100ml)で抽出し、次いで氷水中で冷却しながら、濃HClでpH1未満になるまで酸性化した。白色沈殿が生じ、これをろ過し、H2O(3×30ml)で洗浄し、最後に40℃で終夜減圧乾燥して、所望の化合物を得た。
【0411】
下記のクロモン-2-カルボン酸を方法1を用いて調製した:
6-エチルクロモン-2-カルボン酸、6-イソプロピルクロモン-2-カルボン酸、6-メトキシクロモン-2-カルボン酸、6-トリフルオロメチルクロモン-2-カルボン酸、6-tert-ブチルクロモン-2-カルボン酸、6-クロロクロモン-2-カルボン酸、6-トリフルオロメトキシクロモン-2-カルボン酸、8-メトキシクロモン-2-カルボン酸、6-トリフルオロメチルスルファニルクロモン-2-カルボン酸、8-クロロクロモン-2-カルボン酸、8-フルオロクロモン-2-カルボン酸、7-クロロクロモン-2-カルボン酸、6-エトキシクロモン-2-カルボン酸、6-メタンスルホニルクロモン-2-カルボン酸、8-オキソ-8H-[1,3]ジオキソロ[4,5-g]クロメン-6-カルボン酸、6-アリロキシ-4-ヒドロキシ-4H-クロメン-2-カルボン酸、6-ブトキシ-4-ヒドロキシ-4H-クロメン-2-カルボン酸、6-プロポキシ-4-ヒドロキシ-4H-クロメン-2-カルボン酸、6-シクロペンチル-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボン酸、6-ペンタフルオロエトキシ-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボン酸、4-オキソ-6-[1,2,4]トリアゾル-1-イル-4H-クロメン-2-カルボン酸、6-イミダゾル-1-イル-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボン酸、6-アセチルアミノ-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボン酸、6-(アセチル-メチル-アミノ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボン酸、6-メタンスルホニルアミノ-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボン酸、6-(メタンスルホニル-メチル-アミノ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボン酸および6-ジメチルアミノ-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボン酸。
【0412】

【0413】
カルボン酸3:

中間体CA3a)(2.65g)を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(50ml)に懸濁し、80℃で2h加熱した。反応終了時、澄明溶液が得られた。室温まで冷却後、反応混合物をHClで酸性化した。白色沈殿をろ過し、水で洗浄し、40℃で終夜減圧乾燥して、標題化合物を得た。
【0414】
中間体CA3a):

無水メエタノール(50ml)にナトリウム(4.0g)を加えた。メトキシドへの変換が完了した後、溶液を冷却し、これにシュウ酸ジエチル(12ml)、メタノール(50ml)およびトルエン(50ml)中の2'-ヒドロキシ-4',5'-ジメトキシアセトフェノン(3.92g)の溶液を加えた。混合物を終夜還流した。冷却後、ジエチルエーテル(200ml)を加えた。ナトリウム塩をろ過し、無水エーテルで洗浄し、水に懸濁して、溶液を酸性化した。得られた沈殿をろ過し、乾燥して、黄色固体を得た。
【0415】
中間体をエタノール(100ml)に溶解し、100℃で15min加熱し、濃HCl(2ml)を加え、溶液を100℃で1.5h撹拌した。酸の添加直後に沈殿が生じた。室温まで冷却後、反応混合物を水(150ml)で希釈し、淡黄色沈殿をろ過し、水で洗浄した。生成物を減圧下で乾燥した。
【0416】
下記のクロモン-2-カルボン酸を方法2を用いて調製した:
6-メトキシクロモン-2-カルボン酸、7-メトキシクロモン-2-カルボン酸、6,7-ジメチルクロモン-2-カルボン酸、6,7-ジメトキシクロモン-2-カルボン酸、6-クロロクロモン-2-カルボン酸、6,8-ジフルオロクロモン-2-カルボン酸、6,8-ジクロロクロモン-2-カルボン酸および7-フルオロクロモン-2-カルボン酸。
【0417】

メトキシ置換クロモン-2-カルボン酸の脱メチル
【0418】
カルボン酸4:

8-メトキシクロモン-2-カルボン酸(220mg)をAcOH(2ml)に懸濁し、室温で撹拌しながら濃HI(2ml)を加えた。次いで、わずかに黄色を帯びた懸濁液を激しく撹拌しながら120℃に加熱し、この温度で60min維持した。温かい反応混合物を十分に撹拌中のH2O(75ml)にゆっくり注意深く加え、得られた黄色溶液を氷中で30min冷却した。結晶化を冷蔵庫でさらに2hかけて完了した。生成した結晶沈殿物をろ過し、冷H2O(3×3ml)で洗浄し、最後に40℃で終夜減圧乾燥した。
【0419】
下記のクロモン-2-カルボン酸を脱メチル法を用いて調製した:
6-ヒドロキシクロモン-2-カルボン酸、7-ヒドロキシクロモン-2-カルボン酸、8-ヒドロキシクロモン-2-カルボン酸、6,7-ジヒドロキシクロモン-2-カルボン酸および6-ヒドロキシ-7-メトキシクロモン-2-カルボン酸。
【0420】
生物学的アッセイ
A. 結合アッセイ
膜結合アッセイを用いて、ヒトメラノコルチン受容体を発現するHEK293細胞膜調製物に結合する、蛍光標識したNDP-アルファ-MSHの競合阻害物質を同定する。
【0421】
試験化合物または非標識NDP-アルファ-MSHを様々な濃度で384穴マイクロタイタープレートに分配する。蛍光標識NDP-アルファ-MSHを単一濃度で分配し、続いて膜調製物を加える。プレートを室温で5hインキュベートする。
【0422】
蛍光偏光の程度を蛍光偏光マイクロプレート読み取り器で調べる。
【0423】
B. 機能アッセイ
cAMP特異抗体上の限られた数の結合部位に対する非標識cAMPと固定量の蛍光標識cAMPとの間の競合に基づく機能細胞アッセイを用いて、蛍光偏光によりメラノコルチン受容体アゴニストをアンタゴニストと区別する。
【0424】
ヒトメラノコルチン受容体の一つを発現するHEK293細胞を384穴マイクロタイタープレートに移し、適当な量のcAMP抗体を加え、続いて異なる濃度の試験化合物を加えて、cAMPを産生させる。細胞を溶解し、蛍光標識cAMP複合体を分配する。プレートを蛍光偏光マイクロプレート読み取り器で読み取り、試験化合物に反応して産生されたcAMPの量を、NDP-アルファ-MSHでの刺激によるcAMP産生と比較する。
【0425】
試験化合物のアンタゴニスト活性を調べるために、化合物を異なる濃度で適当な量のNDP-α-MSHで刺激した細胞に加える。cAMP産生の阻害を、試験化合物のcAMP産生阻害と同じ濃度で試験した公知の阻害剤によるcAMP産生阻害とを比較することにより評価する。
【0426】
本発明の選択した実施例についての生物学的データ:

【0427】
C. インビボ食物摂取モデル
1. 自発的摂食パラダイム
ラットの食物摂取を試験化合物のi.p.またはp.o.投与後に測定する(例えば、Chen, A.S. et al. Transgenic Res 2000 Apr 9(2):145-54参照)。
【0428】
本発明の選択した実施例は雄Wistarラット(n=4〜6)を用いたラットモデルにおいて、それぞれ試験化合物3、10または30mg/kgのi.p.およびp.o.投与後に活性であった。
【0429】
実施例15の3mg/kg p.o.投与により、媒体のみを投与した対照雄Wistarラット(n=6)と比べて、累積食物摂取におけるそれぞれ290%(投与後4時間、p=0.048、n=4)、186%(投与後6時間、p=0.108、n=4)および355%(投与後7時間、p=0.008、n=4)の増加が認められた。
【0430】
実施例66の3mg/kg p.o.投与により、媒体のみを投与した対照雄Wistarラット(n=4)と比べて、累積食物摂取におけるそれぞれ410%(投与後2時間、p=0.057、n=4)、500%(投与後4時間、p=0.022、n=4)、186%(投与後6時間、p=0.11、n=4)および272%(投与後7時間、p=0.02、n=4)の増加が認められた。
【0431】
実施例113の30mg/kg p.o.投与により、媒体のみを投与した対照雄Wistarラット(n=8)と比べて、累積食物摂取におけるそれぞれ192%(投与後2時間、p=0.083、n=4)、159%(投与後4時間、p=0.097、n=4)、191%(投与後6時間、p=0.026、n=4)および200%(投与後7時間、p=0.013、n=4)の増加が認められた。
【0432】
実施例212の10mg/kg i.p.投与により、媒体のみを投与した対照雄Wistarラット(n=10)と比べて、累積食物摂取におけるそれぞれ708%(投与後2時間、p=0.011、n=6)、725%(投与後4時間、p=0.009、n=6)、224%(投与後6時間、p=0.046、n=6)および167%(投与後8時間、p=0.036、n=6)の増加が認められた。
【0433】
2. LPSおよび腫瘍誘導性カヘキシーのモデル
リポ多糖(LPS)投与または腫瘍増殖のいずれかによって誘導されたカヘキシーの予防または改善を、ラットに試験化合物をi.p.またはp.o.投与した後に評価する(例えば、Marks, D.L.; Ling, N, and Cone, R.D. Cancer Res 2001 Feb 15;61(4):1432-8参照)。
【0434】
a)ラットにおけるリポ多糖誘導性カヘキシー(急性モデル)
暗期開始の1〜2時間前に、個別に飼育した雄Wistarラット(200〜300g)に試験化合物または媒体(2ml/kg、1〜30mg/kg)をipまたはpo適用し、その前後いずれかにリポ多糖(LPS)または食塩水(2ml/kg、100μg/kg)のip注射を行う。食物摂取、飲水、および体重を1〜24時間間隔で測定し、実験群間の差を評価する。
【0435】
b)マウスにおける腫瘍誘導性カヘキシー(慢性モデル)
雄C57BL6マウスへのLewis肺癌細胞の皮下注入(100万細胞/100μl/マウス)により、非転移性腫瘍増殖と、次いで除脂肪体重の減少が起こる。試験化合物の長期ipまたはpo適用中(10ml/kg、1〜30mg/kgを7〜21日間)、1日1回食物摂取、飲水および体重の測定を行う。除脂肪体重を開始時、試験中、および試験終了時に、磁気共鳴リラクソメトリー(relaxometry)を用いて測定し、試験の最後に通常の化学抽出法(ソックスレー抽出)を用いて測定する。実験群間の差を評価する。
【0436】
本発明の選択した実施例は雄Wistarラット(n=5〜6)を用いたラットモデルにおいて試験化合物10mg/kg p.o.投与後に活性であった。
【0437】
実施例66の10mg/kg p.o.投与(LPSとの併用)により、LPSおよび媒体のみを投与した対照雄Wistarラット(n=6)と比べて、累積食物摂取における148%(投与後4時間、p=0.04、n=5)の増加が認められた。
【0438】
D. ラット交尾外(Ex Copula)アッセイ
性成熟した雄帝王切開由来Sprague Dawley(CD)ラット(60日齢よりも上)を、交尾外評価中の陰茎の陰茎鞘中への収縮を防ぐために提靭帯を外科的に切除して用いる。ラットに食物および水を適宜与え、通常の明暗周期で維持する。試験は明周期中に行う。
【0439】
1. 交尾外反射試験のための仰臥位拘束への条件づけ
この条件づけは約4日かかる。1日目、動物を暗くした固定器に固定し、15〜30分間放置する。2日目、動物を固定器に仰臥位で15〜30分間拘束する。3日目、動物の陰茎鞘を収縮させて仰臥位で15〜30分間拘束する。4日目、動物の陰茎反射が観察されるまで陰茎鞘を収縮させて仰臥位で拘束する。動物の中には、処置に完全に順応するまでにさらに何日か条件づけが必要なものもある。反応のない動物はそれ以上の評価から除去する。いかなる取り扱いまたは評価後も、動物に正の強化を確実にするため、褒美を与える。
【0440】
2. 交尾外反射試験
ラットを、通常の頭部および足の毛づくろいができる十分なサイズの円筒内にその胴体腹側部を入れて仰臥位で軽く拘束する。400〜500グラムのラットでは、円筒の直径は約8cmである。胴体下部および後脚を非粘着性材料(ベトラップ)で拘束する。陰茎亀頭を通す穴を設けたもう一片のベトラップを動物に固定し、包皮鞘を収縮した位置に維持する。一般に交尾外性器反射試験と呼ぶ、陰茎反応を観察する。典型的に、鞘収縮後数分以内に一連の陰茎勃起が自発的に起こる。通常の反射発生性勃起反応のタイプには、伸長、怒張、杯状(cup)および反転(flip)が含まれる。伸長は陰茎本体の延長と分類される。怒張は陰茎亀頭の拡張である。杯状とは、亀頭の端部の縁が瞬間的に拡がって杯を形成する、強度の勃起と定義される。反転は陰茎本体の背屈である。
【0441】
動物がどのように反応するか、および反応するかどうかを調べるために、基準時および/または媒体評価を行う。動物の中には初回反応までに長時間かかるものもあれば、全く反応しないものもある。この基準時評価中に、初回反応までの潜時、反応の回数およびタイプを記録する。試験時間枠は初回反応後15分間である。
【0442】
評価と評価の間に最低1日おいた後、これらの同じ動物に試験化合物20mg/kgを投与し、陰茎反射を評価する。すべての評価を録画し、後で点数をつける。データを収集し、対応のある両側t検定を用いて解析し、個々の動物について基準時および/または媒体評価を薬物処理評価と比較する。最小4匹の動物群を用いてばらつきを抑える。
【0443】
陽性基準対照を各試験に含め、試験の有効性を確保する。動物には、実施する試験の特性に応じて、いくつかの投与経路で投与することができる。投与経路には、除内(IV)、腹腔内(IP)、皮下(SC)および脳室内(ICV)が含まれる。
【0444】
E. 雌性機能不全のモデル
雌の性受容性に関連する齧歯類アッセイには、ロードーシスの行動モデルおよび交尾活動の直接観察が含まれる。雄および雌両方のラットにおけるオルガスムを測定するための、麻酔した脊髄離断ラットの尿道性器反射モデルもある。これらおよび他の雌性機能不全の確立された動物モデルはMcKenna KE et al, A Model For The Study of Sexual Function In Anesthetized Male And Female Rats, Am. J. Physiol. (Regulatory Integrative Comp. Physiol 30): R1276-R1285, 1991; McKenna KE et al, Modulation By Peripheral Serotonin of The Threshold For Sexual Reflexes In Female Rats, Pharm. Bioch. Behav., 40:151-156, 1991;およびTakahashi LK et al, Dual Estradiol Action In The Diencephalon And The Regulation of Sociosexual Behavior In Female Golden Hamsters, Brain Res., 359:194-207, 1985に記載されている。
【0445】
前述の結果から明らかであるとおり、本発明の代表的化合物はヒトメラノコルチン-4受容体に結合する。本発明の代表的化合物を機能アッセイでも試験し、メラノコルチン-4受容体を活性化しないか、または活性化し、高いEC50値および低い刺激を有することが判明した。
【0446】
例えば、スピロインダン「A部分」、D-p-クロロフェニルアラニンおよび「C部分」としてのクロモン-2-カルボン酸からなる化合物、本発明の実施例1は、メラノコルチン-4受容体に80nMのIC50値で結合し、機能アッセイでメラノコルチン-4受容体を活性化しないが、「C部分」としてD-Ticを有する化合物(WO9964002、実施例13)はメラノコルチン-4受容体にKi=10nMで結合し(Current Topics Med. Chem. 2003, 3, 855-883)、メラノコルチン-4受容体をEC50=190nMで活性化する(100%刺激)(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2003, 13, 3793-3796)と記載されている。発明者らのアッセイシステムを用いて、この化合物はメラノコルチン-4受容体にIC50=54nMで結合する。受容体はEC50=1.1μMで活性化される(110%活性化)。したがって、実施例1はアンタゴニストであるが、D-Ticを有する化合物はアゴニストである。
【0447】
o-置換アリールピペラジン「A部分」を「B部分」としてのD-p-クロロフェニルアラニンおよび「C部分」としてのD-Ticとの組み合わせで有する化合物は、メラノコルチン-4受容体と24nMから6.6μMの間のKi値で結合し(J. Med. Chem. 2004, 47, 744-755, 29 examples)、機能アッセイにおいてメラノコルチン-4受容体を14nMから1.3μMの間(J. Med. Chem. 2004, 47, 744-755, 29 examples)および4nMから4.4μMの間(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2003, 13, 3793-3796, 23 examples)のEC50値で活性化することが知られている。後者の場合、3つの追加の例が30μMで7から30倍の刺激を有する弱いアゴニストであると報告されている。メラノコルチン-4受容体を活性化しない化合物は記載されていない。前述の化合物のいくつかは特許出願WO03009850(実施例1)およびWO02059108(実施例2、11、15、21、24、25、26、35、37、38、40、43、44、46、52、54、56、61、74、75、79、81、153および154)で特許請求されている。
【0448】
文献に、10μMの濃度では「C部分」のTicの立体化学はメラノコルチン-4受容体親和性および活性化に大きな影響を持たないという証拠がある(J. Med. Chem. 2002, 45, 4589-4593, compounds 1 and 13)。いずれのジアステレオマーもメラノコルチン-4受容体を活性化するが、D-Tic由来化合物1では機能活性が改善されている。この考えをo-置換アリールピペラジン「A部分」を有する化合物に適用して、前掲の文献中に記載されている化合物のジアステレオマーはアゴニストとしても作用すると結論づけることができる。L-Tic誘導体のいくつかがWO03009850(実施例56、66、91、93、117、118および423)に記載されている。
【0449】
本発明の実施例8はメラノコルチン-4受容体にIC50=300nMで結合し、機能アッセイでメラノコルチン-4受容体を活性化しない。「C部分」としてD-Ticを有する対応する化合物(WO03009850、実施例1およびWO02059108、実施例154)はメラノコルチン-4受容体にKi=220nMで結合し、この受容体をEC50=16nMで活性化すると記載されている(J. Med. Chem. 2004, 47, 744-755、化合物39)。もう一つの情報源は、この化合物がメラノコルチン-4受容体をEC50=380nMで活性化する(100%刺激)と記載している(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2003, 13, 3793-3796、化合物3)。発明者らのアッセイにおいて、この化合物はメラノコルチン-4受容体結合IC50=500nMを有し、メラノコルチン-4受容体をEC50=3.7μMで活性化する(96%活性化)ことが判明した。したがって、実施例8はアンタゴニストであるが、D-Ticを有する化合物はアゴニストである。
【0450】
本発明の実施例110はメラノコルチン-4受容体にIC50=790nMで結合し、機能アッセイでメラノコルチン-4受容体を活性化しない。「C部分」としてD-Ticを有する対応する化合物(WO02059108、実施例56)はメラノコルチン-4受容体にKi=210nMで結合し、この受容体をEC50=48nMで活性化すると記載されている(J. Med. Chem. 2004, 47, 744-755、化合物43)。したがって、実施例110はアンタゴニストであるが、D-Ticを有する化合物はアゴニストである。
【0451】
4,4-二置換ピペリジン「A部分」を有する化合物は一般に、メラノコルチン-4受容体のより強力なリガンドであることが判明した。
【0452】
4-シクロヘキシル-4-[1,2,4]トリアゾル-1-イルメチル-ピペリジン「A部分」を有する実施例15は、メラノコルチン-4受容体にIC50=4.4nMで結合する。機能アッセイでは、化合物はEC50=700nMでこの受容体の部分アゴニストとして作用する(40%活性化)。「C部分」としてD-Ticを有する対応する化合物(WO0074679、実施例2)はメラノコルチン-4受容体に0.92から7nMの間のIC50で結合し、2.1から4nMの間のEC50でメラノコルチン-4受容体の完全アゴニストとして作用すると記載されている(WO0074679、実施例2;J. Med. Chem. 2002, 45, 4589-4593、化合物1;Bioorg. Med. Chem. Lett. 2003, 13, 4341-4344、化合物1およびBioorg. Med. Chem. Lett. 2003, 13, 3793-3796、化合物27)。発明者らのアッセイにおいて、この化合物はメラノコルチン-4受容体にIC50=10nMで結合し、機能アッセイで試験すると、受容体をEC50=50nMで活性化する(102%活性化)。したがって、実施例15は非常に弱いアゴニストであるが、D-Ticを有する化合物は完全アゴニストである。
【0453】
4-シクロヘキシル-ピペリジン-4-カルボン酸tert-ブチルアミド「A部分」を有する実施例66は実施例15と比べてメラノコルチン-4受容体に対する同様の親和性を有する。この化合物は受容体にIC50=6.8nMで結合するが、機能アッセイでこの受容体の活性化は認められない。したがって、実施例66はアンタゴニストである。
【0454】
生物学的結果により例示したとおり(上記参照)、本発明の代表的化合物はインビボで試験した場合にアンタゴニストとしても活性である。
【0455】
実施例15は3mg/kgの用量で経口投与した場合、自発的食物摂取パラダイムにおいて活性である。試験動物は食物摂取の有意な増加を示す。しかし、「C部分」としてD-Ticを有する対応する化合物はi.v.またはp.o.で投与した場合、反射発生性勃起の意識のあるラットモデルでインビボアゴニストとして作用することが報告されており(WO0074679、実施例2)、また、食物摂取に対する効果についても評価された(J. Med. Chem. 2002, 45, 4589-4593、化合物1)。
【0456】
実施例66は自発的食物摂取パラダイムならびにLPS誘導性カヘキシーのモデルにおいて活性である。自発的食物摂取パラダイムにおいて、試験動物は、3mg/kg p.o.の用量で食物摂取の有意な増加を示し、リポ多糖誘導性カヘキシーの急性モデルにおいて、試験動物は、10mg/kg p.o.の用量で累積食物摂取の有意な増加を示す。
【0457】
薬学的組成物の例
本発明の化合物の経口組成物の具体的態様として、実施例66の25mgを総量580から590mgとするのに十分な超微粒子ラクトースと共に製剤して、サイズ0のゼラチン硬カプセルに充填する。
【0458】
本発明の化合物の経口組成物のもう一つの具体的態様として、実施例113の35mgを総量580から590mgとするのに十分な超微粒子ラクトースと共に製剤して、サイズ0のゼラチン硬カプセルに充填する。
【0459】
本発明をその特定の好ましい態様に関して記載および例示してきたが、当業者であれば本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、改変および置換を行いうることを理解すると思われる。例えば、観察される具体的な薬理学的反応の結果、前述の好ましい用量以外の有効用量が適用可能となることもあり、また選択した特定の活性化合物、ならびに用いる製剤のタイプおよび投与様式に応じて変動してもよく、結果におけるそのような予想される変動または相違は本発明の目的および実施に従って企図される。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定され、そのような特許請求の範囲は妥当な限り広く解釈されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物:

(式中、
Arは:
いずれも置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり;
R1は下記であり:

Aは下記であり:

R2は独立に:
水素、
ハロ、
アルキル、
ハロアルキル、
ヒドロキシ、
アルコキシ、
S-アルキル、
SO2-アルキル、
O-アルケニル、
S-アルケニル、
NR14C(O)R14
NR14SO2R14
N(R14)2
(D)-シクロアルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロアリール、
(D)-ヘテロシクリル(ヘテロシクリルは1個の窒素を含むヘテロシクリルを除く)であり、
ただしアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルおよびシクロアルキルは置換されているか、または無置換で、かつ2個の隣接するR2は4から7員環を形成してもよく;
R4およびR5はそれぞれ独立に:
水素、
アルキルもしくは
(D)-シクロアルキルであるか、または
R4およびR5はそれらが結合している窒素と一緒になって5から8員環を形成し、
ただしアルキルおよびシクロアルキルは無置換または置換されており;
R8は独立に:
水素、
アルキル、
(D)-アリールまたは
(D)-シクロアルキルであり;
R9は独立に:
水素、
アルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロアリールまたは
(D)-シクロアルキルであり;
R10は独立に:
R9
(D)-ヘテロシクリル、
(D)-N(Y)2
(D)-NH-ヘテロアリールまたは
(D)-NH-ヘテロシクリルであり、
ただしアリール、ヘテロアリール、アルキル、D、シクロアルキルおよびヘテロシクリルは置換されているか、もしくは無置換であるか、または
2個のR10基はそれらが結合している原子と一緒になって単環または二環式の5から8員環構造を形成し;
R11は:
水素、
ハロ、
アルキル、
アルコキシ、
C≡N、
CF3または
OCF3であり;
R12は独立に:
水素、
ヒドロキシ、
シアノ、
ニトロ、
ハロ、
アルキル、
アルコキシ、
ハロアルキル、
(D)-C(O)R14
(D)-C(O)OR14
(D)-C(O)SR14
(D)-C(O)-ヘテロアリール、
(D)-C(O)-ヘテロシクリル、
(D)-C(O)N(R14)2
(D)-N(R14)2
(D)-NR14COR14
(D)-NR14CON(R14)2
(D)-NR14C(O)OR14
(D)-NR14C(R14)=N(R14)、
(D)-NR14C(=NR14)N(R14)2
(D)-NR14SO2R14
(D)-NR14SO2N(R14)2
(D)-NR14(D)-ヘテロシクリル、
(D)-NR14(D)-ヘテロアリール、
(D)-OR14
OSO2R14
(D)-[O]q(シクロアルキル)、
(D)-[O]q(D)アリール、
(D)-[O]q(D)-ヘテロアリール、
(D)-[O]q(D)-ヘテロシクリル(q=1のとき、ヘテロシクリルは1個の窒素を含むヘテロシクリルを除く)、
(D)-SR14
(D)-SOR14
(D)-SO2R14または
(D)-SO2N(R14)2であり、
ただし、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは置換されているか、または無置換であり;
R14は独立に:
水素、
アルキル、
ハロアルキル、
(D)-シクロアルキル、
(D)-フェニル、
(D)-ナフチル、
(D)-ヘテロアリール、
(D)-ヘテロシクリル(ヘテロシクリルは1個の窒素を含むヘテロシクリルを除く)であり、
ただしフェニル、ナフチル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、アルキルおよびシクロアルキルは置換されているか、または無置換であり;
Xは:
アルキル、
(D)-シクロアルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロアリール、
(D)-ヘテロシクリル、
(D)-C≡N、
(D)-CON(R9R9)、
(D)-CO2R9
(D)-COR9
(D)-NR9C(O)R9
(D)-NR9CO2R9
(D)-NR9C(O)N(R9)2
(D)-NR9SO2R9
(D)-S(O)pR9
(D)-SO2N(R9)(R9)、
(D)-OR9
(D)-OC(O)R9
(D)-OC(O)OR9
(D)-OC(O)N(R9)2
(D)-N(R9)(R9)または
(D)-NR9SO2N(R9)(R9)であり、
ただしアリール、ヘテロアリール、アルキル、D、シクロアルキルおよびヘテロシクリルは無置換または置換されており;
Yは:
水素、
アルキル、
(D)-シクロアルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロシクリルまたは
(D)-ヘテロアリールであり、
ただしアリール、ヘテロアリール、アルキル、Dおよびシクロアルキルは無置換または置換されており;
Cyはベンゼン、ピリジンまたはシクロヘキサンであり;
Dは結合またはアルキレンであり;
EはCHCO2Y、CHC(O)N(Y)2、NSO2R10、CHN(Y)COR10、CHN(Y)SO2R10、CHCH2OYまたはCHCH2ヘテロアリールであり;
GはD、CH-アルキル、O、C=OまたはSO2で、ただしGがOである場合、環原子Eは炭素であり;
JはNまたはCHであり;
TはOであり;
nは0〜2であり;
mは0〜2であり;
oは0〜3であり;
pは0〜2であり;
qは0または1であり;
rは1または2である)。
【請求項2】
Arは:
シアノ、ニトロ、過フルオロアルコキシ、ハロ、アルキル、(D)-シクロアルキル、アルコキシおよび/またはハロアルキルからなる群より独立に選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり;
R1は下記であり:

Aは下記であり:

R2は独立に:
水素、
ヒドロキシ、
ハロ、
アルキル、
アルコキシ、
S-アルキル、
SO2-アルキル、
O-アルケニル、
S-アルケニル、
ハロアルキルまたは
(D)-シクロアルキルであり;
R4およびR5はそれぞれ独立に:
水素、
アルキルもしくは
シクロアルキルであるか、または
R4およびR5はそれらが結合している窒素と一緒になって、O、SおよびNR6から選択される追加のヘテロ原子を含んでいてもよい5から7員環を形成し;
R6は独立に:
水素、
アルキル、
C(O)アルキル、
(D)-アリールまたは
(D)-シクロアルキルであり;
R8は独立に:
水素、
アルキルまたは
(D)-アリールであり;
R9は独立に:
水素、
アルキルまたは
(D)-シクロアルキルであり;
R10はR9であり;
R11は:
水素、
ハロ、
アルキル、
アルコキシまたは
C≡Nであり;
R12は独立に:
水素、
ヒドロキシ、
シアノ、
ニトロ、
ハロ、
アルキル、
アルコキシ、
ハロアルキル、
(D)-C(O)-ヘテロシクリル、
(D)-C(O)N(R14)2
(D)-N(R14)2
(D)-NR14COR14
(D)-NR14CON(R14)2
(D)-NR14C(O)OR14
(D)-NR14C(R14)=N(R14)、
(D)-NR14C(=NR14)N(R14)2
(D)-NR14SO2R14または
(D)-NR14SO2N(R14)2であり;
R14は独立に:
水素、
ハロ、
アルキル、
(D)-シクロアルキル、
アルコキシまたは
フェニルであり;
Xは:
アルキル、
(D)-シクロアルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロアリール、
(D)-ヘテロシクリル、
(D)-NHC(O)R9
(D)-CO2R9または
(D)-CON(R9R9)であり;
Yは:
水素、
アルキル、
(D)-シクロアルキル、
(D)-アリール、
(D)-ヘテロシクリルまたは
(D)-ヘテロアリールであり;
Cyはベンゼンまたはピリジンであり;
Dは結合またはC1〜C4-アルキレンであり;
EはNSO2R10、CHN(Y)COR10またはCHN(Y)SO2R10であり;
GはDまたはCH-アルキルであり;
JはNまたはCHであり;
nは0または1であり;
mは0または1であり;
oは0、1または2であり;
rは1である、
請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Arは:
ハロ、アルキル、アルコキシおよび/またはハロアルキルからなる群より独立に選択される1または2個の置換基で置換されていてもよいフェニルまたはナフチルであり;
R1は下記であり:

Aは下記であり:

R2は独立に:
水素、
ヒドロキシ、
アルコキシ、
S-アルキル、
SO2-アルキル、
O-アルケニル、
S-アルケニル、
ハロまたは
アルキルであり;
R4およびR5はそれぞれ独立に:
水素もしくは
アルキルであるか、または
R4およびR5はそれらが結合している窒素と一緒になって、追加の酸素原子を含んでいてもよい5から6員環を形成し;
R6は水素であり;
R8は独立に:
アルキルまたは
(D)-アリールであり;
R9はアルキルであり;
R10はR9であり;
R11は:
水素、
ハロおよび
C1〜C4-アルキルであり;
R12は独立に:
シアノ、
ニトロ、
ハロ、
アルキル、
(D)-C(O)-ヘテロシクリル、
(D)-N(R14)2
(D)-NR14COR14
(D)-NR14CON(R14)2
(D)-NR14C(O)OR14または
(D)-NR14SO2R14であり;
R14は独立に:
水素、
ハロ、
アルキル、
アルコキシまたは
フェニルであり;
Xは:
アルキル、
(D)-シクロアルキル、
(D)-ヘテロシクリル、
(D)-NHC(O)R9または
(D)-CON(R9R9)であり;
Yは:
水素、
アルキル、
(D)-シクロアルキルまたは
(D)-ヘテロシクリルであり;
Cyはベンゼンであり;
Dは結合またはCH2であり;
EはNSO2R10であり;
GはDであり;
JはNまたはCHであり;
nは0であり;
mは0であり;
oは0または1であり;
pは0、1または2であり;
qは0または1であり;
rは1である、
請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
医用薬剤として使用するための、請求項1から3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
哺乳動物におけるメラノコルチン-4受容体の調節(ただし調節とはMC4-Rアゴニストの場合には活性化、またはMC4-Rアンタゴニストの場合には不活化を意味する)に反応性の障害、疾患または状態の治療または予防用の医用薬剤を調製するための、請求項1から3のいずれか一項記載の化合物の使用。
【請求項6】
癌カヘキシーの治療または予防用の医用薬剤を調製するための、請求項5記載のMC4-Rアンタゴニストの使用。
【請求項7】
筋萎縮の治療または予防用の医用薬剤を調製するための、請求項5記載のMC4-Rアンタゴニストの使用。
【請求項8】
食欲不振の治療または予防用の医用薬剤を調製するための、請求項5記載のMC4-Rアンタゴニストの使用。
【請求項9】
不安および/またはうつの治療または予防用の医用薬剤を調製するための、請求項5記載のMC4-Rアンタゴニストの使用。
【請求項10】
肥満の治療または予防用の医用薬剤を調製するための、請求項5記載のMC4-Rアゴニストの使用。
【請求項11】
糖尿病の治療または予防用の医用薬剤を調製するための、請求項5記載のMC4-Rアゴニストの使用。
【請求項12】
男性または女性の性機能不全の治療または予防用の医用薬剤を調製するための、請求項5記載のMC4-Rアゴニストの使用。
【請求項13】
勃起機能不全の治療または予防用の医用薬剤を調製するための、請求項5記載のMC4-Rアゴニストの使用。
【請求項14】
請求項1から3のいずれか一項記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物。

【公表番号】特表2006−520362(P2006−520362A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504754(P2006−504754)
【出願日】平成16年3月19日(2004.3.19)
【国際出願番号】PCT/EP2004/002907
【国際公開番号】WO2004/083209
【国際公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(505336024)サンテラ ファーマシューティカルズ (シュバイツ) ゲーエムベーハー (21)
【Fターム(参考)】