説明

メラノコルチン4受容体拮抗薬としての置換イミダゾピリジン誘導体

本発明は、メラノコルチン4受容体(MC-4R)モジュレーター、特にメラノコルチン4受容体拮抗薬としての置換イミダゾピリジン誘導体に関する。この拮抗薬は、例えば、癌、慢性腎臓疾患(CKD)または慢性心不全(CHF)によって誘発される悪液質、筋消耗、化学療法または放射線療法などによって誘発される食欲不振、神経性食欲不振、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、疼痛、神経障害性疼痛、不安および鬱病のような障害および疾患の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メラノコルチン4受容体モジュレーターとしての置換イミダゾピリジン誘導体に関する。メラノコルチン4受容体モジュレーターは、構造および立体化学によっては作動薬または拮抗薬となる。本発明の化合物は、ヒトメラノコルチン4受容体(MC-4R)の選択的拮抗薬である。この拮抗薬は、例えば、癌、慢性腎臓疾患(CKD)または慢性心不全(CHF)によって誘発される悪液質、筋消耗、化学療法または放射線療法などによって誘発される食欲不振、神経性食欲不振、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、疼痛、神経障害性疼痛、不安および鬱病のような障害および疾患の治療に有用である。
【背景技術】
【0002】
メラノコルチン(MC)は、プロ-オピオメラノコルチン(POMC)からタンパク質分解性開裂により生じる。これらのペプチドである副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、α-メラノサイト刺激ホルモン(α-MSH)、β-MSHおよびγ-MSHは、大きさが12 - 39アミノ酸の範囲にわたる。中枢MC-4R活性化に最も重要な内因性作動薬は、トリデカペプチドα-MSHであると思われる。MCの中では、α-MSHは脳において神経伝達物質または神経調節物質として作用する。MC ペプチド、特にα-MSHは、食行動、色素形成および外分泌官能基などの生物学的官能基に広汎な影響を及ぼす。α-MSHの生物学的効果は、メラノコルチン受容体(MC-R)と呼ばれる7-膜貫通Gタンパク質共役受容体のサブファミリーによって伝達される。これらのMC-Rのいずれかが活性化されることによって、cAMP形成が刺激される。
【0003】
現在までに、MCについて5種類の異なる受容体サブタイプ(MC-1R - MC-5R)が確認されており、これらは異なる組織で発現する。
【0004】
MC-1Rは、最初にメラノサイトで見出された。動物のMC-1Rの天然に存在する不活性変異体は、チロシナーゼを制御してフェオメラニンからユーメラニンへの転換を制御することによって色素形成に変化を生じかつ続いて一層明るい被膜色を生じることが示された。これらおよび他の研究から、MC-1Rはメラニン産生、および動物の被膜色およびヒトの皮膚の色の重要な調節因子であることは明らかである。
【0005】
MC-2Rは、ACTH受容体を表す副腎で発現する。MC-2Rはα-MSHの受容体ではないが、副腎皮質刺激ホルモンI (ACTH I)の受容体である。
【0006】
MC-3Rは脳(主として視床下部にある)および消化管および胎盤のような周辺組織で発現し、徹底的な研究により、MC-3Rが食行動、体重および熱発生の変化に関与している可能性があることが明らかにされている。
【0007】
MC-4Rは、主として脳で発現する。圧倒的なデーターは、エネルギーホメオスタシスにおけるMC-4Rの役割を支持している。動物のMC-4Rの遺伝子ノックアウトおよび薬理学的操作は、MC-4Rを作動させると体重減少を引き起こし、MC-4Rを中和すると体重増加を生じることを示している(A. Kask, et al.,「メラノコルチン4受容体の選択的拮抗薬(HS014)は自由給餌ラットの摂食を増加する」, Biochem.
Biophys. Res. Commun., 245: 90-93 (1998)).
【0008】
MC-5Rは白色脂肪、胎盤などの多くの周辺組織で至るところで発現し、低レベルの発現は脳でも観察される。しかしながら、その発現は外分泌腺で最大である。マウスにおけるこの受容体の遺伝子ノックアウトにより、外分泌腺官能基調節が変更され、撥水性(water repulsion)および体温調節が変化する。MC-5Rノックアウトマウスは、皮脂腺の脂質産生の減少も示す(Chen et al., Cell, 91: 789-798 (1997))。
【0009】
MC-3RおよびMC-4Rモジュレーターおよび肥満および食欲不振のような体重異常の治療におけるそれらの使用の研究に注目が集まっている。しかしながら、MCペプチドは、色素形成、食行動および外分泌官能基の調節におけるそれらの役割の他に強力な生理学的効果を有することが明らかになっている。特に、α-MSHは、最近、炎症性腸疾患、腎虚血/再灌流障害および内毒素によって誘発される肝炎などの炎症の急性および慢性モデルに強力な抗炎症効果を誘発することが示されている。これらのモデルにα-MSHを投与することによって、炎症が介在する組織損傷が実質的に減少し、白血球浸潤が有意に減少し、高濃度のサイトカインおよび他のメディエーターがベースラインレベル近くまで劇的に減少する。最近の研究は、α-MSHの抗炎症作用がMC-1Rによって伝達されることを示している。MC-1Rの受容体活性化作用が抗炎症反応を生じる機構は、炎症促進性転写アクチベーターであるNF-κBの阻害によるものと思われる。NF-κBは炎症促進性カスケードの中枢成分であり、その活性化は多くの炎症性疾患の開始における中心的事象である。更に、α-MSHの抗炎症作用は、部分的にはMC-3Rおよび/またはMC-5Rの受容体活性化作用によって伝達されることがある。
【0010】
MC-4Rシグナル伝達が食行動の伝達に重要であるということは明らかにされているが、肥満抑制の標的とされることがある特異的な単一のMC-Rは未だ確認されていない(S.Q. Giraudo et al.,「メラノコルチン-4受容体リガンド視床下部投与の摂食効果」, Brain Research, 80: 302-306 (1998))。肥満におけるMC-Rの関与の更なる証拠としては、1) MC-1R、MC-3RおよびMC-4Rの拮抗薬を異所性発現を行うアグーチ(Avy)マウスは肥満しており、これら3種類のMC-Rの作用をブロックすると過食症および代謝異常を生じる可能性があることを示していること、2) MC-4Rノックアウトマウス(D. Huszar et al.,
Cell, 88: 131-141 (1997))アグーチマウスの表現型を反復しかつこれらのマウスは肥満であること、3) 齧歯類の脳室内(ICV)に投与した環状ヘプタペプチドメラノタニンII (MT-II) (非選択的MC-1R、-3R、-4Rおよび-5R作動薬) は幾つかの動物摂食モデル(NPY, ob/ob,アグーチ, 絶食)における摂食を減少させるが、ICVに投与したSHU-9119 (MC-3Rおよび4R拮抗薬; MC-1Rおよび-5R作動薬)はこの効果を逆転させ、過食症を誘発させる可能性があること、4) ズッカーファッティーラットへのa-NDP-MSH誘導体(HP-228)の長期腹腔内投与により、MC-1R、-3R、-4Rおよび-5Rを活性化し12週間にわたって摂食および体重増加を減少させることが報告されていること(I. Corcos et al.,「HP-228はメラノコルチン受容体-4の強力な作動薬であり、ズッカーファッティーラットの肥満および糖尿病を有意に減少させる」, Society for Neuroscience Abstracts, 23: 673 (1997))が挙げられる。
【0011】
MC-4Rは、他の生理学的官能基、すなわち身づくろい行動(grooming behavior)、勃起および血圧の制御にもある役割を演じていると思われる。勃起官能基不全は、性交を行うのに十分な陰茎勃起を達成することができない医学的状態を表す。「不能」という用語が、この一般的な状態を表すのに用いられることが多い。合成メラノコルチン受容体作動薬が、心因性の勃起官能基不全の男性に勃起を起こすことが見出されている (H. Wessells et al.,「合成メラノトロピックペプチドは、心因性の勃起官能基不全の男性に勃起を起こす:ダブルブラインド、プラシーボ制御クロスオーバー研究」, J. Urol., 160: 389-393, 1998)。脳のメラノコルチン受容体の活性化は、性的覚醒の通常の刺激を引き起こすと思われる。男性および/または女性の性的官能基不全におけるMC-Rの関与の証拠は、WO 00/74679号明細書に詳記されている。
【0012】
糖尿病は、哺乳類の筋肉および肝細胞に貯蔵の目的でグルコースをグリコーゲンに転換する能力が低下していることによる哺乳類の血中のグルコース濃度を調節する能力が損なわれている疾患である。I型糖尿病では、このグルコースを貯蔵する能力の減少は、インスリン産生の減少によって引き起こされる。「II型糖尿病」または「非インスリン性真性糖尿病」(NIDDM) は、主要なインスリン感受性組織である筋肉、肝臓および脂肪組織におけるグルコースおよび脂質代謝のインスリン刺激または調節作用に対して強い抵抗性を有することによる糖尿病の形態である。このインスリン応答性に対する抵抗性により、筋肉におけるグルコース摂取、酸化および貯蔵の不十分なインスリン活性化、および脂肪組織におけるリポリーシスおよび肝臓におけるグルコース産生および分泌の不適切なインスリン抑制を生じる。これらの細胞がインスリンに対して脱感作されると、身体は異常に高濃度のインスリンを産生することによって代償しようとし、高インスリン血症を生じる。高インスリン血症は、高血圧および体重増加と関連している。インスリンはインスリン感受性細胞による血液からグルコース、アミノ酸およびトリグリセリドの細胞摂取の促進に関与しているので、インスリン無感受性は、循環器疾患の危険因子である高濃度のトリグリセリドおよびLDLを生じる可能性がある。高血圧、体重増加、トリグリセリド増加およびLDL増加と結びついた高インスリン血症を包含する一連の症状は、X症候群として知られている。MC-4R作動薬は、NIDDMおよび症候群Xの治療に有用である可能性がある。
【0013】
MC受容体サブタイプの中で、MC4受容体は、下記の知見に基づいているようにストレスとの関係および感情的行動の調節に関しても興味あるものである。ストレスは、内分泌、生化学および行動事象を含む複雑な反応のカスケードを開始する。これらの反応の多くは、コルチコトロピン放出因子(CRF)の放出によって開始される(Owen MJ and
Nemeroff CB (1991) 「コルチコトロピン放出因子の生理学および薬理学」. Pharmacol Rev 43: 425-473)。脳のCRF系の活性化に加えて、酵素処理によってプロオピオメラノコルチンから生じるメラノコルチン(MC)は、ストレスに対する重要な行動および生化学反応、従って不安および鬱病のようなストレスによって誘発される疾患を伝達するという幾つかのラインの証拠がある(「メラノコルチン-4受容体の新規かつ強力な非ペプチド拮抗薬であるMCL0129 (1-[(S)-2-(4-フルオロフェニル)-2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)エチル]-4-[4-(2-メトキシナフタレン-1-イル)ブチル]ピペラジン)の抗不安様および抗鬱病様活性」; Shigeyuki Chaki et al, J. Pharm. Exp. Ther. (2003)
304(2), 818-26)。
【0014】
悪性腫瘍または感染症のような慢性疾患は、食欲減少および除脂肪体重減少の組合せから生じる悪液質と関連していることが多い。除脂肪体重の大幅な減少は炎症過程によって誘発されることが多く、通常は血漿サイトカイン(例えば、TNF-a)濃度の増加と関連しており、これが脳におけるα-MSHの産生を増加させる。α-MSHによる視床下部のMC4受容体の活性化は、食欲を減少させかつエネルギー消費を増加させる。
【0015】
担腫瘍マウスでの実験による証拠は、悪液質は遺伝子MC4受容体ノックアウトまたはMC4受容体遮断によって防止または逆転させることができることを示唆している。処理マウスでの体重増加は、主として骨格筋からなる多量の除脂肪体重によるものである(Marks D.L. et al.「悪液質における中枢メラノコルチン系の役割」, Cancer Res. (2001) 61: 1432-1438)。
【0016】
サイトカイン(例えば、レプチン)の濃度増加は、慢性腎疾患(CKD)の患者における尿毒症関連悪液質の原因であると思われる。内因性メラノコルチン-4受容体逆作動薬であるアグーチ関連ペプチド(AgRP)を投与することにより、CKDのマウスの尿毒症性悪液質が改善されることが示された。総体重および除脂肪体重の増加が、摂食増加および基礎代謝速度の低下と共に観察された。更に、遺伝子MC4-Rノックアウトマウスの尿毒症性悪液質は改善された(Cheung W. et al.「尿毒症関連悪液質におけるレプチンおよびメラノコルチンシグナル伝達の役割」, J. Clin. Invest. (2005) 115: 1659-1665)。小分子のMC4-R拮抗薬であるNBI-12iを尿毒症性マウスに腹腔内投与したところ、同様の知見を得た(Cheung W. et al. 「メラノコルチン-4受容体拮抗薬NBI-12iの末梢投与は、マウスの尿毒症関連悪液質を改善する」, J. Am. Soc. Nephrol. (2007) 18: 2517-2524)。
【0017】
慢性心不全(CHF)のラットは、体脂肪量および除脂肪体重を蓄積して保持する能力を損なっていることを示している。ラットの大動脈狭窄によって誘発されるCHFをAgRPで治療すると、体重、除脂肪体重、脂肪蓄積、腎重量および肝臓重量が有意に増加した(Batra A.K. et al.「中枢メラノコルチンを遮断すると、慢性心不全のラットモデルにおける心臓の悪液質が改善する」、American Federation for Medical Research, 2008 Wエステルn Regional Meeting, abstract 379)。
【0018】
癌患者における放射線療法は、食欲不振および悪心と関連している(Van Cutsem E.、Arends J.「癌関連栄養不良の原因と結果」, Eur. J. Oncol. Nurs. (2005) 9 (Suppl 2): 51-63)。マウスにおける放射線によって誘発される食欲不振のモデルでは、AgRP投与マウスは、全身放射線(RAD)を受けた動物およびビヒクルを投与した動物より有意に多量の食物を食べた。それらは、ビヒクルを投与したRADマウスと比較して体重減少は有意に少なくなることを示した(Joppa M.A. et al.「メラノコルチン受容体拮抗薬であるアグーチ関連ペプチド(AgRP(83-132))を脳室内投与は、マウスにおける放射線および結腸-26腫瘍によって誘発される悪液質関連症状を防止する」, Peptides (2007) 28: 636-642)。
【0019】
臨床観察は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行は体重と逆相関していることがあることを示している(例えば、Ludolph A.C., Neuromuscul Disord. (2006) 16 (8): 530-8)。従って、MC-4R阻害薬を用いてALS患者を治療することができる。
【0020】
ラットでの実験による証拠は、長期モルフィン投与後の耐性および依存性の発生の機構に中枢MC4-Rが関与していることを示唆している。長期モルフィン投与の際にメラノコルチン-4受容体拮抗薬HS014を同時投与は、耐性の発生を遅らせ、禁断症状の痛覚過敏を防止した(Annasaheb S.K. et al.「選択的メラノコルチン4受容体拮抗薬HS014の中枢投与は、モルフィン耐性および禁断症状の痛覚過敏を防止する」 Brain Research (2007) 1181: 10-20)。
【0021】
メラノコルチン-4受容体モジュレーターは、以前に文献に記載されている。例えば、置換フェニルピペリジン誘導体が合成され、MC-4R作動薬並びに拮抗薬として調査されている。
【0022】
ベンズイミダゾールおよびイミダゾ[4,5-b]ピリジンが、メラノコルチン受容体のある種のサブタイプ、特にMC4受容体と良好な親和性を有するものとしてWO 2004/075823号明細書およびWO
2005/056533号明細書に記載されている。しかしながら、特許請求されている親和性は、薬学試験から得られる任意のデーターによって実証されていない。
【0023】
イミダゾピリジンは、更にWO 2006/135667号明細書に11-βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型の阻害薬として作用することが報告されている。WO 2006/094235号明細書によれば、このような融合複素環式化合物もサーチュインモジュレーターとして用いることもできる。WO 2003/006471号明細書では、イミダゾピリジンなどのヘテロアリール置換した融合二環式ヘテロアリール化合物のGABAA受容体リガンドとしての使用が提案されている。
【0024】
上記のような様々な疾患および異常の治療における未解決の欠陥を考慮して、本発明の目的は、血液脳関門を通過する改良された能力を有する新規化合物であって、例えば、癌、慢性腎疾患(CKD)または慢性心不全(CHF)、筋萎縮(muscle wasting)、化学療法または放射線療法などによって誘発される食欲不振、神経性食欲不振、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、疼痛、神経障害性疼痛、不安および鬱病およびMC-4Rが関与する他の疾患によって誘発される悪液質を治療するためのメラノコルチン-4受容体拮抗薬として有用なものを提供することである。
【0025】
意外なことには、以下に示される式(I)による新規イミダゾピリジンは、本発明の目的を解決することを見出した。
【発明の概要】
【0026】
本発明は、構造式(I):
【化1】

(上記式中、R1、R2、R3、AおよびXは、下記で定義される通りである)
の置換イミダゾピリジン誘導体に関する。
【0027】
構造式(I)のイミダゾピリジン誘導体は、メラノコルチン受容体モジュレーターとして有効であり、特に選択的メラノコルチン-4受容体(MC-4R)拮抗薬として有効である。従って、それらは、MC-4Rの不活性化が関与する疾患の治療に有用である。これらの拮抗薬は、悪液質のような障害および疾患の治療に有用であり、該悪液質は、例えば、癌、慢性腎疾患(CKD)または慢性心不全(CHF)、筋萎縮(muscle wasting)、化学療法または放射線療法などによって誘発される食欲不振、神経性食欲不振、筋萎縮性側索硬化症 (ALS)、疼痛、神経障害性疼痛、不安および鬱病によって誘発される。
【0028】
本発明は、本発明の化合物と薬学上許容可能なキャリヤーを含んでなる医薬組成物にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、メラノコルチン受容体モジュレーター、特に、選択的MC-4R拮抗薬として有用な置換イミダゾピリジン誘導体に関する。
【0030】
置換N-ベンジル-N-メチル-2-フェニル-5-ジエチルアミド-3-メチルアミノ-イミダゾ[1,2-a] ピリジンは、ゴナドトロピン放出ホルモン拮抗薬が記載されているWO-A-02/066478号明細書により知られている。本発明は、MC-4Rの拮抗薬として用いられる新規イミダゾピリジンに関する。
【0031】
本発明の化合物は、構造式(I)で表わされる化合物:
【化2】

および鏡像異性体、ジアステレオ異性体、互変異性体、溶媒和物および薬学上許容可能なそれらの塩であり、
上記式中、
R1およびR2は、互いに独立して
H、
C1-6アルキル、
C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、
C1-3アルキレン-ヘテロシクリル、および
C1-6アルキレン-C3-7シクロアルキル
から選択されるか、または
R1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5乃至6員環を形成し、該環は更に1個の酸素原子を環に含むことがありかつ未置換であるかまたはOH、C1-6アルキル、O-C1-6アルキル、C0-3アルキレン-C3-5シクロアルキル、C1-6アルキル-O-C1-6アルキルおよび(CH2)0-3-フェニルから選択される1個以上の置換基によって置換されており、
Aは、
-NH-、
-C1-6アルキレン、
-C2-6アルケニレン、
-C2-6アルキニレン、または
結合
であり、
ここで、アルキレン、アルケニレンおよびアルキニレンは未置換であるかまたは1個以上のR7で置換されており、
R7は、独立して
C1-6アルキル、
OR14
NR15aR15b
ハロゲン、
フェニル、および
ヘテロアリール
から選択され、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
Xは
CN、
未置換であるかまたは1個以上のハロゲン原子で置換されたC3-8シクロアルキル、
N、OおよびSから独立して選択される3または4個のヘテロ原子を含む4-乃至8-員の飽和または不飽和ヘテロシクリル、
N、OおよびSから独立して選択される3または4個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員のヘテロアリール、
N、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員のヘテロアリールであって、ヘテロアリール環はN、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む4-乃至8-員の飽和または不飽和ヘテロシクリルと融合しているか、またはN、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員のヘテロアリールと融合しており、
-C(O)-R6
-OR14
ハロゲン、または
NR15aR15b
であって、それぞれのヘテロシクリルまたはヘテロアリールは未置換であるか、または1 - 3個のR4aおよび/または1個のR4bおよび/または1個のR5によって置換されており、
R4a
ハロゲン、
CN、
未置換であるかまたはハロゲン原子、C1-6アルキル、O-C1-6アルキルおよびOHから選択される1個以上の置換基で置換されたC1-6アルキル、
O-C1-6アルキルであって、アルキルが未置換であるかまたはハロゲン原子およびOHから選択される1個以上の置換基で置換されているもの、
未置換であるかまたはハロゲン原子およびOHから選択される1個以上の置換基で置換されているC3-8シクロアルキル、または
OH
であり、
R4b
C(O)NH2
C(O)NH-C1-6アルキル、
C(O)N-(C1-6アルキル)2
SO2-C1-6アルキル、
C(O)NH-SO2-C1-6アルキル、
オキソ(よって環が少なくとも部分的に飽和しているもの)、
NH2
NH-C1-6アルキル、
N-(C1-6アルキル)2
NH-SO2-CH3、または
NH-SO2-CF3
であり、
R5
N、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員の飽和または不飽和ヘテロシクリルであって、
それぞれのヘテロシクリルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1または2個のR4aによって置換されており、
R6
OH、
O-C1-6アルキルであって、アルキルが未置換であるかまたは1個以上のR16によって置換されているもの、
N、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む4-乃至8-員のヘテロシクリル、または
NR16aR16b
であり、
ここで、ヘテロシクリルは未置換であるかまたは1または2個のR4aによって置換されており、
R3
-(CR8R9)n-T
であり、
R8およびR9は、互いに独立して
H、
OH、
ハロゲン、
C1-6アルキル、および
O-C1-6アルキル
から選択され、
nは 1 - 6であり、
T は
【化3】

【化4】

またはNR12R13であり、
R10
H、
OH、
NH2
C1-6アルキル、
ハロゲン、
NH(C1-6アルキル)、
N(C1-6アルキル)2
フェニル、または
ヘテロアリール
であって、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
qは1または2であり、
Yは
CH2
NR11または
O
であり、
R11
H、
C1-6アルキル、または
(CH2)0-6-C3-7シクロアルキル
であり、
R12およびR13は、互いに独立して
H、
C1-6アルキル、
(CH2)0-2-C3-7シクロアルキル、および
C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル
から選択され、
ここで、アルキル、アルキレンおよびシクロアルキルは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
R14
H、
未置換であるかまたはハロゲンから選択される1個以上の置換基で置換されているC1-6アルキル、
フェニル、または
ヘテロアリール
であり、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
R15aおよびR15bは、互いに独立して
H、
未置換であるかまたはハロゲン、OH、O(C1-6アルキル)、NH2、NH(C1-6アルキル)およびN(C1-6アルキル)2から選択される1個以上の置換基で置換されているC1-6アルキル、
C(O)C1-6アルキル、
C(O)OC1-6アルキル、
フェニル、
ヘテロアリール、および
N、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む5- - 6-員の飽和または不飽和ヘテロシクリルと融合したまたはN、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む5- - 6-員のヘテロアリールと融合したフェニルであって、ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されているものから選択され、
R16、R16aおよびR16bは、互いに独立して
H、
未置換であるかまたはハロゲン、OH、O(C1-6アルキル)、NH2、NH(C1-6アルキル)およびN(C1-6アルキル)2から選択される1個以上の置換基で置換され
ているC1-6アルキル、
C0-3アルキレン-C3-5シクロアルキル、
フェニル、および
ヘテロアリール
から選択され、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aによって置換されている。
【0032】
好ましい態様では、式(I)の化合物の変異体は、下記の意味を有する:
R1およびR2は、互いに独立して
H、
C1-6アルキル、
C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル
C1-3アルキレン-ヘテロシクリル、および
C1-6アルキレン-C3-7シクロアルキル
から選択されるか、または
R1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒に更に1個の酸素原子を環に含むことがありかつ未置換であるかまたはOH、C1-6アルキル、O-C1-6アルキル、C0-3アルキレン-C3-5シクロアルキル、C1-6アルキル-O-C1-6アルキルおよび(CH2)0-3-フェニルから選択される1個以上の置換基で置換されている5-乃至6-員環を形成し、
Aは
-NH-、
-C1-6アルキレン、
-C2-6アルケニレン、
-C2-6アルキニレン、または
結合
であって、
ここで、アルキレン、アルケニレンおよびアルキニレンは未置換であるかまたは1個以上のR7で置換されており、
R7は、独立して
C1-6アルキル、
OR14
NR15aR15b
ハロゲン、
フェニル、および
ヘテロアリール
から選択され、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
Xは
CN、
未置換であるかまたは1個以上のハロゲン原子で置換されたC3-8シクロアルキル、
N、OおよびSから独立して選択される3 - 4個のヘテロ原子を含む4-乃至8-員の飽和または不飽和ヘテロシクリル、
N、OおよびSから独立して選択される3または4個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員のヘテロアリール、
-C(O)-R6
-OR14
ハロゲン、または
NR15aR15bであり、
ここで、それぞれのヘテロシクリルまたはヘテロアリールは未置換であるかまたは置換 by 1 - 3個のR4aおよび/または1個のR4bおよび/または1個のR5によって置換されており、
R4a
ハロゲン、
CN、
未置換であるかまたは1個以上のハロゲン原子によって置換されたC1-6アルキル、
O-C1-6アルキルであって、アルキルが未置換であるかまたは1個以上のハロゲン原子によって置換されたもの、または
OHであり、
R4b
C(O)NH2
C(O)NH-C1-6アルキル、
C(O)N-(C1-6アルキル)2
SO2-C1-6アルキル、
C(O)NH-SO2-C1-6アルキル、
オキソ(よって環が少なくとも部分的に飽和しているもの)、
NH2
NH-C1-6アルキル、
N-(C1-6アルキル)2
NH-SO2-CH3、または
NH-SO2-CF3であり、
R5
N、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員の飽和または不飽和ヘテロシクリルであって、
ヘテロシクリルは未置換であるかまたは1または2個のR4aによって置換されており、
R6
OH、
O-C1-6アルキルであって、アルキルは未置換であるかまたは1個以上のR16によって置換されており、または
NR16aR16bであり、
R3は -(CR8R9)n-Tであり、
R8およびR9は、互いに独立して
H、
OH、
ハロゲン、
C1-6アルキル、および
O-C1-6アルキル
から選択され、
nは1 - 6であり、
Tは
【化5】

またはNR12R13であり、
R10
H、
NH2,
OH、
C1-6アルキル、
ハロゲン、
NH(C1-6アルキル)、
N(C1-6アルキル)2,
フェニル、または
ヘテロアリールであり、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
qは1または2であり、
Yは
CH2
NR11、または
Oであり、
R11
H、
C1-6アルキル、または
(CH2)0-6-C3-7シクロアルキルであり、
R12およびR13は、互いに独立して
H、
C1-6アルキル、
(CH2)0-2-C3-7シクロアルキル、および
C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル
から選択され、
ここで、アルキル、アルキレンおよびシクロアルキルは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
R14
H、
未置換であるかまたはハロゲンから選択される1個以上の置換基で置換されているC1-6アルキル、
フェニル、または
ヘテロアリールであって、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
R15aおよびR15bは、互いに独立して
H、
未置換であるかまたはハロゲン、OH、O(C1-6アルキル)、NH2、NH(C1-6アルキル)およびN(C1-6アルキル)2から選択される1個以上の置換基で置換されているC1-6アルキル、
フェニル、および
ヘテロアリール
から選択され、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aによって置換されており、および
C(O)C1-6アルキル
から選択され、
R16、R16aおよびR16bは、互いに独立して
H、
未置換であるかまたはハロゲン、OH、O(C1-6アルキル)、NH2、NH(C1-6アルキル)およびN(C1-6アルキル)2から選択される1個以上の置換基で置換され
ているC1-6アルキル、
C0-3アルキレン-C3-5シクロアルキル、
フェニル、および
ヘテロアリール
から選択され、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aによって置換されている。
【0033】
更に、好ましい態様では、変異体Aは-NH-または結合を表す。更に好ましくは、Aは結合を表す。
【0034】
同様に好ましい態様では、変異体Aは-C1-6アルキレン、-C2-6アルキレンまたは-C2-6アルキニレンを表し、ここで、アルキレン、アルケニレンおよびアルキニレンは未置換であるかまたは1個以上のR7、例えば1、2または3個のR7で置換されている。好ましくは、Aはメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルのようなC1-3アルキレン、エテニレンまたはプロプ-1-エニレンのようなC2-3アルケニレン、またはエチニレンまたはプロプ-2-イニレンのようなC2-3アルキニレンを表す。最も好ましくは、AはC1-3アルキレンを表す。アルキレン、アルケニレンおよびアルキニレンは未置換であるかまたは1個のR7によって置換されているのが更に好ましい。更に好ましくは、アルキレン、アルケニレンおよびアルキニレンは、未置換である。
【0035】
R7は、上記で定義した通りである。好ましくは、R7は、C1-6アルキル、OR14、NR15aR15bまたはハロゲンを表し、R14、R15aおよびR15bは、上記で定義した通りである。更に好ましくは、R7は、C1-6アルキル、OH、NH2またはフッ素を表す。
【0036】
R1およびR2は、互いに独立してC3-6アルキルを表すか、またはR1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒に、更に1個の酸素原子を環に含むことがありかつ未置換であるかまたはOH、C1-6アルキル、C0-3アルキレン-C3-5シクロアルキル、O-C1-6アルキル、C1-6アルキレン-O-C1-6アルキルおよび(CH2)0-3-フェニルから独立して選択される1個以上の置換基、好ましくは1、2または3個の置換基によって置換されている5または6-員環を形成するのが更に好ましい。
【0037】
更に好ましくは、R1およびR2は、互いに独立してC3-6アルキルを表す。
【0038】
好ましい態様では、変異体TはNR12R13である。そこで、変異体R12およびR13は好ましくは、互いに独立してH、C1-3アルキルおよび(CH2)0-2-C3-6シクロアルキルであって、アルキルおよびシクロアルキルは場合によっては1、2または3個の置換基 R4aのような1 - 3個のR4aによって置換されている。
【0039】
もう一つの好ましい態様では、変異体Tは
【化6】


から選択される。
【0040】
変異体Yは、CH2またはNR11である。好ましくは、R11は水素である。
【0041】
R10はH、NH2、C1-6アルキル、NH(C1-6アルキル)およびN(C1-6アルキル)2から選択されるのが更に好ましい。更に好ましくは、R10はH、NH2またはC1-6アルキルである。
【0042】
変異体Xに関しては、上記変異体は、好ましくはN、OおよびSから独立して選択される3または4個のヘテロ原子を含む4乃至8員の飽和または不飽和ヘテロシクリルまたはN、OおよびSから独立して選択される3または4個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員のヘテロアリールを表し、それぞれのヘテロシクリルまたはヘテロアリールは未置換であるかまたは1、2または3個のR4aのような1 - 3個のR4aおよび/または1個のR4bおよび/または1個のR5によって置換されている。
【0043】
更に好ましくは、Xは
【化7】

を表す。
【0044】
あるいは、変異体Xは、CN、未置換であるかまたは1個以上のハロゲン原子で置換されたC3-8シクロアルキル、-C(O)-R6、OR14、ハロゲン、またはNR15aR15bであるのが好ましい。
【0045】
同様に好ましい態様では、変異体Xは、-C(O)-R6、OR14またはNR15aR15bを表す。更に好ましくは、Xは-C(O)-R6またはNR15aR15bであり、最も好ましくは、Xは-C(O)-R6である。
【0046】
R6は、好ましくはO-C1-6アルキルであって、ここで、アルキルは未置換であるかまたは1個以上のR16によって置換されている。
【0047】
同様に好ましい態様では、変異体R6はNR16aR16bであり、更に好ましくはNH-C1-6 アルキルである。
【0048】
更に好ましい態様では、変異体R6は、N、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む4-乃至8-員のヘテロシクリルである。
【0049】
nは1 - 6の整数、例えば整数1、2、3、4、5または6を表す。好ましくは、nは1、2、3または4を表す。
【0050】
式(I)の化合物であって、上記の基の幾つかまたは総てが好ましいまたは更に好ましい意味を有するものも、本発明の対象となる。
【0051】
上記および下記において、用いられる用語は、下記の意味を有する。
【0052】
アルキルは、1、2、3、4、5または6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルであり、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、第三ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、またはヘキシルである。
【0053】
アルケニルは、1、2、3、4、5または6個の炭素原子と1 - 3個の二重結合、好ましくは1または2個の二重結合、最も好ましくは1個の二重結合を有する直鎖または分岐アルキルである。C2-6アルケニル基の好ましい例は、エテニル、プロプ-1-エニル、プロプ-2-エニル、イソプロプ-1-エニル、n-ブト-1-エニル、n-ブト-2-エニル、n-ブト-3-エニル、イソブト-1-エニル、イソブト-2-エニル、n-ペント-1-エニル、n-ペント-2-エニル、n-ペント-3-エニル、n-ペント-4-エニル、n-ペント-1,3-エニル、イソペント-1-エニル、イソペント-2-エニル、ネオペント-1-エニル、n-ヘキス-1-エニル、n-ヘキス-2-エニル、n-ヘキス-3-エニル、n-ヘキス-4-エニル、n-ヘキス-5-エニル、n-ヘキス-1,3-エニル、n-ヘキス-2,4-エニル、n-ヘキス-3,5-エニル、およびn-ヘキス-1,3,5-エニルである。C2-6アルケニル基の更に好ましい例は、エテニルおよびプロプ-1-エニルである。
【0054】
アルキニルは、1、2、3、4、5または6個の炭素原子と1 - 3個の三重結合、好ましくは1または2個の三重結合、最も好ましくは1個の三重結合を有する直鎖または分岐アルキルである。C2-6アルキニル基の好ましい例は、エチニル、プロプ-1-イニル、プロプ-2-イニル、n-ブト-1-イニル、n-ブト-2-イニル、n-ブト-3-イニル、n-ペント-1-イニル、n-ペント-2-イニル、n-ペント-3-イニル、n-ペント-4-イニル、n-ペント-1,3-イニル、イソペント-1-イニル、ネオペント-1-イニル、n-ヘキス-1-イニル、n-ヘキス-2-イニル、n-ヘキス-3-イニル、n-ヘキス-4-イニル、n-ヘキス-5-イニル、n-ヘキス-1,3-イニル、n-ヘキス-2,4-イニル、n-ヘキス-3,5-イニルおよびn-ヘキス-1,3,5-イニルである。C2-6アルキニル基の更に好ましい例は、エチニルおよびプロプ-1-イニルである。
【0055】
シクロアルキルは、好ましくは多くて3、4、5、6、7または8個の炭素原子、更に好ましくは3、4、5または6個の炭素原子を有するアルキル環であり、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルである。
【0056】
ヘテロアリールは、1、2、3、4または5個の炭素原子とO、Nおよび/またはSから独立して選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有する芳香族残基である。ヘテロアリールは、好ましくはチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イソチアゾリル、イソキサジル、フラニル、およびイミダゾリル、更に好ましくはチエニル、フラニル、イミダゾリル、ピリジル、およびピリミジニルから選択される。
【0057】
ヘテロシクリルは、O、Nおよび/またはSから独立して選択される少なくとも1個のヘテロ原子と1、2、3、4、5、6または7個の炭素原子を含む飽和または不飽和環である。好ましくは、ヘテロシクリルは4、5、6、7または8-員環であり、好ましくはテトラヒドロフラニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピラニル、モルホリニル、チオモルホリニルから、更に好ましくはピペリジニルおよびピロリジニルから選択される。
【0058】
ハロゲンは、F、Cl、BrおよびI、好ましくはF、ClおよびBrから選択されるハロゲン原子である。
【0059】
構造式(I)の化合物は、メラノコルチン受容体モジュレーターとして有効であり、MC-4Rの選択的モジュレーターとして特に有効である。それらは、例えば、癌、慢性腎疾患(CKD)または慢性心不全(CHF)、筋萎縮(muscle wasting)、化学療法または放射線療法などによって誘発される食欲不振、神経性食欲不振、筋萎縮性側索硬化症 (ALS)、疼痛、神経障害性疼痛、不安および鬱病およびMC-4Rが関与する他の疾患によって誘発される悪液質のようなMC-4Rの不活性化に応答する疾患の治療および/または予防に有用である。
【0060】
光学異性体-ジアステレオ異性体-幾何異性体-互変異性体
構造式(I)の化合物は、1個以上の不整中心を有し、ラセメートおよびラセミ混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオ異性体混合物、および個々のジアステレオ異性体として存在することができる。本発明は、構造式(I)の化合物の総ての上記異性体形態を包含する。
【0061】
構造式(I)の化合物は、適当な溶媒、例えばメタノールまたは酢酸エチルからの分別結晶によって、または光学活性な固定相を用いるキラルクロマトグラフィーによって個々のジアステレオ異性体に分離することができる。絶対立体化学は、必要ならば、既知の絶対配置の不整中心を含む試薬で誘導される結晶生成物または結晶中間体のX線結晶学によって決定することができる。
【0062】
あるいは、一般式(I)の化合物の任意の立体異性体は、光学的に純粋な出発材料または既知の絶対配置の試薬を用いる立体特異的合成によって得ることができる。
【0063】

「薬学上許容可能な塩」という用語は、無機または有機塩基および無機または有機酸などの薬学上許容可能な非毒性塩基または酸から調製される塩を表す。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などが挙げられる。特に好ましいものは、アンモニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩である。薬学上許容可能な有機非毒性塩基から誘導される塩としては、第一、第二および第三アミン、天然に存在する置換アミンを包含する置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノ-エタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコースアミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどが挙げられる。
【0064】
本発明の化合物が塩基性であるときには、塩は、無機および有機酸などの薬学上許容可能な非毒性酸から調製することができる。このような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、マロン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、バントテン酸、リン酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などが挙げられる。特に好ましいものは、クエン酸、フマル酸、臭化水素酸、塩化水素酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸である。
【0065】
本明細書において、式(I)の化合物への言及は、その薬学上許容可能な塩も包含するものと理解される。
【0066】
有用性
式(I)の化合物は、メラノコルチン受容体拮抗薬であり、それ自体MC-1R、MC-2R、MC-3R、MC-4RまたはMC-5Rなどこれらに限定されないメラノコルチン受容体の1個以上の不活性化に応答する疾患、異常または症状の治療、抑制または予防に有用である。このような疾患、異常または症状としては、例えば、癌、慢性腎疾患 (CKD) または慢性心不全 (CHF)、筋萎縮(muscle wasting)、化学療法または放射線療法などによって誘発される食欲不振、神経性食欲不振、筋萎縮性側索硬化症 (ALS)、疼痛、神経障害性疼痛、不安および鬱病によって誘発される悪液質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
式(I)の化合物は、MC-1R、MC-2R、MC-3R、MC-4RまたはMC-5Rなどこれらに限定されないメラノコルチン受容体の1個以上の不活性化に応答する疾患、異常または症状の治療、抑制または予防にも用いることができる。このような疾患、異常または症状としては、高血圧、高脂血症、変形性関節症、癌、胆嚢疾患、睡眠時無呼吸、強迫、ノイローゼ、不眠症/睡眠障害、物質濫用、疼痛、熱、炎症、免疫変調、関節リウマチ、皮膚の日焼け、アクネおよび他の皮膚異常、アルツハイマー病の治療などの神経保護および認識および記憶増強が挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
投与および用量範囲
任意の適当な投与経路を用いて、哺乳類、特にヒトに、本発明の化合物の有効投与量を投与することができる。例えば、経口、直腸、局所、非経口、眼、肺、鼻などを用いることができる。投薬形態としては、錠剤、トローチ、分散液、懸濁液、溶液、カプセル、クリーム、軟膏、エアゾールなどが挙げられる。好ましくは、式(I)の化合物は、経口または局所投与される。
【0069】
用いる活性成分の有効投与量は、用いる特定の化合物、投与方式、治療を行う病気および治療を行う病気の重篤度によって変化することがある。このような投与量は、当業者であれば容易に確認することができる。
【0070】
例えば、癌、慢性腎疾患 (CKD)または慢性心不全 (CHF)、筋萎縮(muscle wasting)、化学療法または放射線療法などによって誘発される食欲不振、神経性食欲不振、筋萎縮性側索硬化症 (ALS)、疼痛、神経障害性疼痛、不安および鬱病によって誘発される悪液質を治療するときには、本発明の化合物を約0.001 mg - 約100 mg/kg体重の1日用量で、好ましくは単回用量でまたは1日2 - 6回の分割用量でまたは徐放形態で投与するときに概して満足な結果が得られる。70 kg成人の場合には、総1日用量は、一般に約0.07 mg - 約3500 mgである。 この投与量計画を調整して、最適治療応答を提供することができる。
【0071】
処方
式(I)の化合物は、好ましくはある投与量形態に処方した後に投与される。従って、本発明は、式(I)の化合物と適当な薬学キャリヤーを含んでなる医薬組成物も包含する。
【0072】
本発明の医薬組成物は、周知および容易に入手できる成分を用いて既知の手続きによって調製される。本発明の処方の作成では、活性成分(式(I)の化合物)を通常はキャリヤーと混合しまたはキャリヤーで希釈し、またはカプセル、サシェ、紙または他の容器の形態であってもよいキャリヤー内に封入する。キャリヤーが希釈剤として働くときには、これは固形、半固形または液状材料であってよく、活性成分のビヒクル、賦形剤または媒質として作用する。従って、組成物は、錠剤、丸薬、散剤、ロゼンジ、サシェ、カシェ剤、エリキシル、懸濁液、分散液、溶液、シロップ、エアゾール(固形物としてまたは液状媒質中)、軟質および硬質ゼラチンカプセル、座薬、滅菌した注射溶液および滅菌して包装した散剤の形態であることができる。
【0073】
適当なキャリヤー、賦形剤および希釈剤の幾つかの例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカントゴム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水シロップ、メチルセルロース、メチルおよびプロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱油が挙げられる。処方は更に滑沢剤、湿潤剤、乳化および分散剤、防腐剤、甘味料または香味料を含むことができる。本発明の組成物は、患者に投与した後に活性成分を迅速、持続または遅延放出するように処方することができる。
【0074】
本発明の化合物の調製
式(I)の化合物は、ジアステレオ異性体混合物として存在するときには、メタノール、酢酸エチルまたはそれらの混合物のような適当な溶媒から分別結晶によって鏡像異性体のジアステレオ異性体対に分離することができる。このようにして得られた鏡像異性体の対は、光学活性酸を分割剤として用いることによる通常の手段によって個々の立体異性体に分離することができる。あるいは、式(I)の化合物の任意の鏡像異性体は、光学的に純粋な出発材料または既知の立体配置の試薬を用いる立体特異的合成によって得ることができる。
【0075】
式(I)の本発明の化合物は、下記の工程図および実施例に準じて適当な材料を用いて調製することができ、下記の具体例によって更に例示される。更に、本明細書に記載の手法を当該技術分野の通常の技術と共に利用することによって、本明細書に記載の他の本発明の化合物を容易に調製することができる。しかしながら、実施例に示される化合物は、本発明として考えられる唯一の属を形成するものと解釈すべきではない。実施例では、本発明の化合物の調製についての詳細を更に説明する。当業者であれば、下記の調製手法の条件および工程の既知の変化を用いてこれらの化合物を調製することができることを容易に理解されるであろう。本発明の化合物は、一般に上記したようなそれらの薬学上許容可能な塩の形態で単離される。単離した塩に対応する遊離のアミン塩基は、通常は炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムのような適当な塩基で中和し、遊離したアミン遊離塩基を有機溶媒中に抽出した後、蒸発させることによって生成することができる。この方法で単離したアミン遊離塩基は、有機溶媒に溶解させた後適当な酸を加え、続いて蒸発、沈澱または結晶させることによって別の薬学上許容可能な塩に更に転換することができる。総ての温度は、摂氏温度である。
【0076】
下記の工程図、調製および実施例において、様々な試薬の記号および略号は、下記の意味を有する。
AcOH 酢酸
Ac2O 無水酢酸
Boc 第三ブトキシカルボニル
CDI 1,1’-カルボニルジイミダゾール
DCE 1,2-ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DIBAL-H 水素化ジイソブチルアルミニウム
DIEA エチル-ジイソプロピルアミン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EDC 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
EtOAc 酢酸エチル
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
h 時
iBu イソブチル
MeCN アセトニトリル
MeLi メチルリチウム
MeOH メタノール
Ms メシル
NIS N-ヨードスクシンイミド
NMM N-メチルモルホリン
MW 分子量
NBS N-ブロモスクシンイミド
NIS N-ヨードスクシンイミド
PdCl2(PPh3)2 ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)二塩化物
Pd2dba3 トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Pd(dppf)2Cl2 1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)二塩化物ジクロロメタン付加物
Pd(PPh3)4 テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)
RT 室温
TEA トリエチルアミン
TFAA 無水トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
tR (分) HPLC保持時間
Ts トシル
Xantphos 9,9-ジメチル-4,5-ビス(ジ-第三ブチルホスフィノ)キサンテン
【0077】
反応工程図1:
2-スルホニルアミノ-ピリジン-5-カルボン酸アミドの合成
【化8】

【0078】
反応工程図1に示されるように、場合によっては置換されたアミンと6-アミノ-ニコチン酸を、DMFまたはDCMのような有機溶媒中EDCのようなカップリング試薬の存在下にて適当な温度でアミドカップリング反応で反応させる。生成する6-アミノ-ニコチン酸アミドを、次にピリジンまたは任意の他の適当な溶媒のような溶媒とトリエチルアミンのような有機塩基中で塩化スルホニルと反応させて、対応するスルホニルアミノ-ニコチンアミドを生成することができる。
【0079】
反応工程図2:
2-スルホニルアミノ-ピリジン-5-カルボン酸メチルエステルの合成
【化9】

【0080】
あるいは、2-アミノ-ピリジン-5-カルボン酸メチルエステルを上記の条件下で反応させて、反応工程図2に示すように対応するスルホニルアミノ-エステルを生成することができる。
【0081】
反応工程図3:
イミダゾ[1,2-a]ピリジンの合成
【化10】

【0082】
反応工程図3に示すように、場合によっては置換されたa-ブロモケトンは、対応するケトンを例えば臭化銅(II)とクロロホルムと酢酸エチルの混合物のような溶媒中で適当な温度で所定時間反応させることによって得ることができる。生成するa-ブロモケトンを、次に適当な塩基、例えばDIEAの存在下にてMeCNのような溶媒中でスルホニルアミノ-ニコチンアミドと反応させ、N-アルキル化スルホニルアミノ-ニコチンアミドを得ることができる。これらの中間体を、次にDCMまたは1,2-ジクロロエタンのような適当な溶媒中でTFAAで適当な温度で所定時間処理することによって更に環化してイミダゾ[1,2-a]ピリジンとすることができる。クロロアルキル置換したイミダゾ[1,2-a]ピリジンをキャッピング基T-Hとアセトニトリルのような溶媒中で高温で反応させ、標記化合物を生成することができる。幾つかの場合には、塩基を加えてT-Hの遊離塩基を遊離させることができる。
【0083】
反応工程図4:
イミダゾ[1,2-a]ピリジンの合成
【化9】

【0084】
反応工程図4に示されるように、場合によっては置換されたω-アルコキシカルボニル-α-ブロモケトンは、対応するケトンを例えば臭化銅(II)と酢酸エチルおよびクロロホルムの混合物のような溶媒中で適当な温度で所定時間反応させることによって得ることができる。生成するα-ブロモケトンを、次にスルホニルアミノ-アミドとMeCNのような溶媒中で適当な塩基、例えばDIEAの存在下にて反応させ、N-アルキル化スルホニルアミノ-アミドを生成させることができる。次いで、これらの中間体を、更にDCMまたは1,2-ジクロロエタンのような適当な溶媒中でTFAAで適当な温度で所定時間処理することによって対応するイミダゾ[1,2-a]ピリジンに環化することができる。場合によっては置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジンのエステル官能基は、塩基性条件下で水、THFおよびMeOHの混合物のような適当な溶媒中で水酸化リチウム一水和物のような試薬を用いて加水分解することができる。生成する酸は、THFのような適当な溶媒中でN-メチルモルホリンのような適当な塩基の存在下にてイソブチルクロロホルメートまたはCDIのような試薬で活性化した後、THFと水の混合物のような適当な溶媒中で水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤を用いて対応するアルコールに還元することができる。アルコール官能基は、TEAのような適当な塩基の存在下にてDCMとTHFの混合物のような適当な溶媒中で塩化メシルまたは塩化トシルのような試薬を用いて脱離基に転換することができる。この反応の生成物をMeCNのような適当な溶媒中でアミンT-Hで処理して、標的分子を生成させることができる。
【0085】
反応工程図5:
イミダゾ[1,2-a]ピリジンの合成
【化12】

【0086】
反応工程図5に示されるように、場合によっては置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジンのメチルエステル官能基を、メタノールのような適当な溶媒中で水素化ホウ素ナトリウムのような試薬を用いて対応するアルコールに還元することができる。アルコールを更に反応させて、反応工程図4に示されるような標的分子とすることができる。
【0087】
反応工程図6:
イミダゾ[1,2-a]ピリジンの反応
【化13】

【0088】
反応工程図6に示されるように、場合によっては置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボン酸エチルエステルは、水とテトラヒドロフランの混合物のような適当な溶媒中で水酸化リチウムのような塩基を用いてケン化することができる。対応する酸は、テトラヒドロフランのような適当な溶媒中でN-メチルモルホリンのような適当な塩基の存在下にて適当な温度でイソブチルクロロホルメートのような試薬で活性化することができる。活性化種を、水のような溶媒中で水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤と反応させて、対応する第一アルコールを生成させることができる。あるいは、場合によっては置換された混合無水物を、テトラヒドロフランまたはTHFと水の混合物のような適当な溶媒中でアミンと反応させて対応するアミドを生成させることもできる。
【0089】
通常は反応が完結した後、溶媒を蒸発させて、反応混合物をEtOAcまたはDCMのような適当な有機溶媒で希釈した後、水、HCl、NaHSO4、重炭酸塩、NaH2PO4、リン酸緩衝液 (pH 7)、塩水、Na2CO3またはそれらの任意の組合せのような水溶液で洗浄することができる。反応混合物を濃縮した後、適当な有機溶媒と水溶液の間に分配させることができる。あるいは、反応混合物を濃縮して、水性処理なしにクロマトグラフィーに付すこともできる。
【0090】
反応工程図7:
エステル形成
【化14】

2位にアルコキシカルボニル基を有するイミダゾ[1,2-a]ピリジンは、反応工程図7に示した方法で得ることができる。場合によっては置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボン酸またはそれらのリチウム塩を、アルコールHO-R6中でDMFのような触媒の存在下にて塩化チオニルまたは塩化オキサリルのような試薬と反応させて、対応するエステルを形成することができる。
【0091】
反応工程図8:
イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルバルデヒドの調製
【化15】

【0092】
反応工程図8に示されるように、場合によっては置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボン酸エチルエステルを、THFのような適当な溶媒中で適当な温度でDIBAL-Hのような試薬を用いて対応するアルデヒド還元することができる。あるいは、場合によっては置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボン酸-3-カルバルデヒドは、対応する酸または上記酸のリチウム塩から出発して得ることもできる。N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩およびEDCのようなカップリング試薬、およびHOBtのような試薬およびNMNのような塩基の存在下にてDCMのような適当な溶媒中での反応により、対応するワインレブアミドが得られ、これを次に水素化アルミニウムリチウムのような還元剤でジエチルエーテルのような不活性溶媒中で適当な温度で所望なアルデヒドに還元することができる。
【0093】
反応工程図9:
還元的アミノ化
【化16】

【0094】
場合によっては置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボン酸-3-カルバルデヒドは、反応工程図9に示されるように還元的にアミノ化することができる。アミンHNR15aR15bを水素化ホウ素トリアセトキシナトリウムのような試薬の存在下にて1,2-ジクロロエタンのような溶媒中で反応させると、標的化合物を生成する。
【0095】
反応工程図10:
ニトリル形成
【化15】

【0096】
2位にニトリル基を有するイミダゾ[1,2-a]ピリジンは、反応工程図10に示される方法で得ることができる。場合によっては置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボン酸アミドをTHFのような適当な溶媒中で無水トリフルオロ酢酸のような試薬とピリジンのような塩基の存在下にて適当な温度で反応させて、標的化合物を得ることができる。
【0097】
反応工程図11:
イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボン酸エチルエステルの反応
【化18】

【0098】
場合によっては置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボン酸エチルエステルを、反応工程図11に示された方法で5-イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル-2,4-ジヒドロ-[1,2,4]トリアゾール-3-オンに変換することができる。エタノールのような溶媒中でエステルをヒドラジン一水和物と高温で反応させると、酸ヒドラジドが得られ、これを場合によっては置換されたイソシアネートO=C=N-R4aとTHFのような適当な溶媒中で更に反応させることができる。環化は、この反応の生成物をマイクロ波反応装置中で水酸化ナトリウム水溶液で高温で処理することによって行うことができる。
【0099】
反応工程図12:
[1,2,4]オキサジアゾールの形成
【化19】

【0100】
反応工程図12に示されるように、上記の通りに活性化した場合によっては置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-カルボン酸を、N-ヒドロキシアミジンとTHFのような適当な溶媒中で適当な温度で反応させることができる。[1,2,4]オキサジアゾールへの環化は、次にO-アシルアミドキシム中間体をピリジンのような溶媒中で加熱することによって行うことができる。
【0101】
反応工程図13:
イミダゾ[1,2-a]ピリジンの合成
【化20】

【0102】
反応工程図13に示されるように、場合によっては置換されたω-クロロ-α-ブロモケトンをスルホニルアミノ-エステルとMeCNのような溶媒中で適当な塩基、例えばDIEAの存在下にて反応させ、N-アルキル化スルホニルアミノ-エステルを得ることもできる。次に、これらの中間体を、TFAAとDCMまたは1,2-ジクロロエタンのような適当な溶媒中で適当な温度で所定時間処理することによって対応するイミダゾ[1,2-a]ピリジンに更に環化することができる。キャッピング基Tは、クロロアルキル置換イミダゾ[1,2-a]ピリジンをキャッピング基T-HとMeCNのような適当な溶媒中で反応させることによって挿入することができる。T-Hを塩酸塩の形態で用いるときには、DIEAのような適当な塩基を更に加えて、遊離アミンT-Hを遊離させる。場合によっては置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジンのエステル官能基は、水酸化リチウム一水和物のような試薬を用いて水、THFおよびMeOHの混合物のような適当な溶媒中で塩基性条件下で加水分解することができる。ケン化の生成物は、リチウム塩としてまたは対応する酸として単離することができる。あるいは、エステル官能基は、酸性条件下で、例えば塩酸水溶液のような試薬を用いて開裂させることもできる。エステル開裂の生成物は、酸またはリチウム塩として次の段階に導入することができる。アミドは、標準的ペプチドカップリング手続きを用いて形成させることができる。酸は、EDC/HOBt、EDC/HOAt、HATU、ジイソプロピルエチルアミンのような塩基、およびジクロロメタンのような溶媒の存在下にてアミンHNR1R2とカップリングさせることができる。DCM、DMF、THFまたは上記溶媒の混合物のような適当な溶媒を、カップリング手続きに用いることができる。適当な塩基としては、トリエチルアミン(TEA)、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、N-メチルモルホリン(NMM)、コリジンまたは2,6-ルチジンが挙げられる。EDC/HOBtを用いるときには、塩基は用いなくともよい。
【0103】
反応工程図14:
α-ブロモケトンの合成
【化21】

【0104】
反応工程図14に示されるように、場合によっては置換されたブロモケトンは、カルボン酸から出発する三段階反応順路で得ることができる。上記カルボン酸は、N,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩をEDCのようなカップリング試薬と共に用いてNMMのような適当な塩基の存在下にてDCMのような適当な溶媒中で対応するワインレブアミドに転換することができる。ワインレブアミドは、メチルリチウムのような試薬を用いてTHFのような不活性溶媒中で適当な温度で対応するメチルケトンに転換することができる。臭素化は、臭素と臭化水素の混合物を用いて酢酸中で行うことができる。
【0105】
反応工程図15:
イミダゾ[1,2-a]ピリジンの合成
【化22】

【0106】
反応工程図15に示されるように、反応工程図1に示した方法で得ることができる場合によっては置換されたアミノピリジン-アミドは、MeCNのような溶媒中でα-ブロモケトンと反応させることによってイミダゾ[1,2-a]ピリジン6-カルボン酸アミドに転換させることができる。この反応は、フラスコ中で還流溶媒中でまたは任意の他の適当な温度で、またはマイクロ波反応装置中で行うことができる。反応生成物は標準的手続きによって精製することができ、または冷却により溶液から直接沈澱することがあり、従って、次の反応に更に精製することなく用いることができる。
【0107】
反応工程図16:
α,β−不飽和アルデヒドを用いるマイケル付加
【化23】

【0108】
反応工程図16に示されるように、場合によっては置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジン6-カルボン酸アミドは、α,β−不飽和アルデヒドを用いるマイケル付加反応で酢酸と無水酢酸の混合物のような溶媒中で高温で反応させることができる。反応は、マイクロ波反応装置で行うこともできる。この反応の生成物は、水とメタノールの混合物のような適当な溶媒中で重炭酸ナトリウムのような塩基で処理して対応するアルデヒドを得ることができ、これをアミンT-Hを用いる還元的アミノ化に水素化ホウ素トリアセトキシナトリウムのような還元剤の存在下にてDCEのような適当な溶媒中で付すことができる。
【0109】
あるいは、場合によっては置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジン 6-カルボン酸エステルを出発材料として用いることができる。この場合には、エステル官能基は、反応工程図13に記載の方法を用いて側鎖-CH2CHR8CH2Tの導入後にアミドに転換することができる。
【0110】
反応工程図17:
α,β−不飽和ケトンを用いるマイケル付加
【化24】

【0111】
反応工程図17に示されるように、場合によっては置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジン 6-カルボン酸アミドのミカエル付加は、反応工程図16に記載の反応条件を用いてα,β−不飽和ケトンを用いて行うこともできる。この場合には、マイケル付加反応の生成物を直接還元的アミノ化反応に付すことができる。
【0112】
反応工程図18:
側鎖アルキル化
【化25】

【0113】
反応工程図4からの生成物である側鎖にカルボキシレート官能基を有する場合によっては置換されたイミダゾ[1,2-a]ピリジンは、DCMのような適当な溶媒中でCDIのような試薬で活性化した後、DIEAのような適当な塩基の存在下にてN,O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩と反応させることができる。この生成物をメチルリチウムのような試薬とTHFまたはジエチルエーテルのような適当な溶媒中で反応させると、対応するケトンを生じ、これは水素化ホウ素トリアセトキシナトリウムのような還元剤の存在下にてDCEのような適当な溶媒中でアミンT-Hと還元的にアミノ化することができる。
【0114】
反応工程図19:
プロパルギルアミンの調製
【化26】

【0115】
プロパルギルアミンは、反応工程図19に示される方法で調製することができる。臭化プロパルギルを、場合によっては置換されたアミンT-Hとジエチルエーテルのような溶媒中で高温で反応させ、所望な生成物を得る。
【0116】
反応工程図20:
3位がプロパルギルアミン残基で置換された2-ブロモ-イミダゾ[1,2-a]ピリジンの合成
【化27】

【0117】
反応工程図20は、場合によっては置換した2-アミノ-ピリジン-5-カルボン酸アミドをニートのブロモ酢酸エチルと反応させる方法を示している。この反応の生成物を、臭化ホスホリルのような試薬を用いてアセトニトリルのような適当な溶媒中で適当な温度で環化させることができる。あるいは、環化をニートの塩化ホスホリル中で120℃で行い、2-クロロ置換した複素環を得ることもできる。2-ブロモ-イミダゾ[1,2-a]ピリジンの3位を、NISのような試薬を用いてアセトニトリルのような適当な溶媒中でヨウ素化することができる。ビス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)二塩化物のような触媒、ヨウ化銅(I)のような銅塩およびTEAのような適当な塩基の存在下にてDMFのような適当な溶媒中で所定温度でプロパルギルアミンと反応させると、3-アルキニル化生成物を生じる。
【0118】
反応工程図21:
スズキカップリング
【化28】

【0119】
反応工程図21に示されるように、場合によっては置換した2-ブロモ-イミダゾ[1,2-a]ピリジンを、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)のような触媒を用い、炭酸ナトリウム水溶液のような塩基の存在下にてDMFのような適当な溶媒中で適当な温度で、ボロン酸(HO)2B-A-Xまたは類似のボロン酸エステルを用いてスズキカップリング反応に付し、標的化合物を提供することができる。
【0120】
反応工程図22:
ブッフバルトカップリング
【化29】

【0121】
場合によっては置換された2-ブロモ-イミダゾ[1,2-a]ピリジンを、反応工程図22に示されるようにブッフバルト条件下でアミンと反応させることもできる。出発材料は、場合によっては置換されたアミン、H2N-X、HNR15aR15bまたはH-ヘテロシクリル(例えば、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンなど)と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)のようなパラジウム供給源および4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテンのような配位子の存在下にてジオキサンのような適当な溶媒中で炭酸セシウムのような適当な塩基の存在下にて所定温度で反応させることができる。
【0122】
反応工程図23:
ソノガシラカップリング
【化30】

【0123】
反応工程図23に示されるように、場合によっては置換した2-ブロモ-イミダゾ[1,2-a]ピリジンを、ソノガシラカップリングにおいて場合によっては置換されたアルキンとビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)二塩化物のような触媒、ヨウ化銅(I)のような試薬およびTEAのような塩基の存在下にて、DMFのような適当な溶媒中で適当な温度で反応させ、標的化合物を得ることができる。
【0124】
反応工程図24:
ヘックカップリング
【化31】

【0125】
反応工程図20からの中間体である場合によっては置換されたた2-ブロモ-イミダゾ[1,2-a]ピリジンは、ヘックカップリングに付すこともできる。[Pd(OAc)2(P(2-tolyl)3)2]のような触媒(Herrmann, W.A. et al.、Angew. Chem. 1995,
107, 1989-1992)および炭酸カリウムのような塩基の存在下にてDMFのような適当な溶媒中で適当な温度で、場合によっては置換されたアルケンと反応させると、標的化合物が得られる。
【0126】
反応工程図25:
Zn(CN)2との反応
【化32】

【0127】
反応工程図25に示されるように、場合によっては置換した2-ブロモ-イミダゾ[1,2-a]ピリジンを、シアン化亜鉛のような試薬とテトラキス-(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)のような触媒の存在下にてDMFのような適当な溶媒中で適当な温度で反応させて、対応するニトリルを得ることもできる。
【0128】
反応工程図26:
スティルカップリング
【化33】

【0129】
反応工程図26に示されるように、場合によっては置換された2-ブロモ-イミダゾ[1,2-a]ピリジンを、ヘキサアルキル二スズのような試薬と、テトラキス-(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) のような触媒の存在下にて1,4-ジオキサンのような適当な溶媒中で適当な温度で反応させて、対応する2-トリアルキルスタニル-イミダゾ[1,2-a]ピリジンを得ることができる。これらの生成物を、場合によっては置換されたたハロゲン化アリールまたはハロゲン化ヘテロアリールと、テトラキス-(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)のような触媒の存在下にてDMFのような溶媒中で所定温度で反応させて、標的化合物を生じる。
【0130】
反応工程図27:
水素化
【化34】

【0131】
反応工程図27に示されるように、場合によっては置換された3-アルキニル-イミダゾ[1,2-a]ピリジンをパラジウム/炭のような触媒の存在下にてエタノールのような適当な溶媒中で水素化し、標的化合物を得ることができる。
【0132】
分析用LC-MS
式(I)による本発明の化合物を、分析用LC-MSによって分析した。条件を、下記にまとめる。
【0133】
分析条件の概要:
SPD-M10Avp (Shimadzu) UV/Visダイオードアレイ検出器と214、254および275 nmでUV検出を行うESI+方式のQP2010 MS-検出器 (Shimadzu)を有するLC10Advp-Pump (Shimadzu)、
カラム: Waters XTerra MS C18, 3.5 μm, 2.1 * 100 mm、
アセトニトリル/水(0.15% HCOOH)による線形グラディエント
流速0.4 ml/分、
移動相A: 水(0.15% HCOOH)
移動相B: アセトニトリル(0.15% HCOOH)
方法:
A :
出発濃度 10%アセトニトリル (0.15% HCOOH)
10.00 B.Conc 60
11.00 B.Curve 2
12.00 B.Conc 99
15.00 B.Conc 99
15.20 B.Conc 10
18.00 Pump STOP
グラディエントB:
出発濃度 1%アセトニトリル (0.15% HCOOH)
9.00 B.Conc 30
10.00 B.Curve 3
12.00 B.Conc 99
15.00 B.Conc 99
15.20 B.Conc 1
18.00 Pump STOP
【0134】
下記に、反応工程図1 - 27によって調製することができる本発明の詳細な実施例を記載する。
【0135】
表1:
【化35】

【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【0136】
下記の実施例は、本発明を例示する目的で提供され、如何なる意味においても発明の範囲を制限するものではない。
【0137】
実施例1の合成:
中間体1a):
【化36】

【0138】
アルゴン雰囲気下にて、臭化銅(II) (6.03 g)を酢酸エチル(125 ml)に攪拌懸濁したものに、エチル-6-クロロ-2-オキソヘキサノエート(5.20 g)をクロロホルム(125 ml)に溶解したものを加えた。生成混合物を、還流温度で一晩攪拌した。臭化銅(II)(6.03 g)を加え、還流温度での攪拌を一晩継続した。銅塩をセライト上で濾過し、液層を蒸発乾固した。
【0139】
中間体1b):
【化37】

【0140】
6-アミノニコチン酸(20.0 g)をDMF (300 ml)およびDCM (75 ml)に溶解し、ジイソペンチルアミン(36.0 ml)、EDC (34.0 g)、HOBt (26.0 g)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(30.0 ml)を用いてこの順序で処理し、50℃一晩攪拌し、完全に蒸発した。残渣を酢酸エチルに再溶解し、塩水、飽和重炭酸ナトリウム溶液および塩水で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して、蒸発した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0141】
中間体1c):
【化38】

【0142】
中間体1b)(9.27 g)をAr下にて乾燥ピリジン(150 ml)に溶解し、p-トルエンスルホニルクロリド(7.72 g)を加えた。反応混合物85℃で一晩加熱した。溶媒を減圧留去し、残渣を水に溶解し、5時間攪拌した。形成したベージュ色沈澱を濾別し、水で2回洗浄し、高真空下にて乾燥した。
【0143】
中間体1d):
【化39】

【0144】
50℃で中間体1a)(3.94 g)をMeCN (150 ml)中で攪拌懸濁したものに、DIEA (5308μl)を加えた。得られた溶液15分間攪拌した後、中間体1c)(6.56 g)をMeCN (150 ml)に溶解したものを加えた。得られた溶液を、50℃で2日間攪拌した。溶媒を減圧留去し、生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0145】
中間体1e):
【化40】

【0146】
中間体1d) (4.25 g)をDCE (85 ml)に攪拌溶解したものに、無水トリフルオロ酢酸(15 ml)を加え、反応混合物を還流温度で3時間攪拌した。揮発性物質を除去し、残渣をDCM (300 ml)および飽和Na2CO3水溶液(150 ml, pH約11)に溶解した。相分離の後、有機層を飽和Na2CO3水溶液(150 ml)で再抽出した。合わせた水性層を、DCM (それぞれ100 ml)で2回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過して、揮発性物質を減圧留去した。
【0147】
実施例1
【化41】

【0148】
中間体1e) (2.84 g)をMeCN (75 ml)中で攪拌溶解したものに、ピロリジン (5268μl)を加え、反応混合物を50℃で2日間攪拌した。揮発性物質を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0149】
生物学的試験の材料を、次に調製用HPLC-MSで精製した。
【0150】
実施例2
【化42】

【0151】
中間体1e) (118 mg)をアセトニトリル (10 ml)に溶解した。ピロリジン(188μl)を加え、反応混合物を75℃で4時間攪拌した。溶媒を減圧留去した。生成物を、調製用HPLC-MSで精製した。
【0152】
実施例4の合成:
中間体4a):
【化43】

【0153】
実施例1 (531 mg, 遊離塩基)をTHF (12.5 ml)に溶解し、0℃に冷却した。水酸化リチウム一水和物 (126 mg)を水 (2.5 ml)に溶解したものを、この温度で加えた。反応混合物を、0℃で30分間およびRTで一晩攪拌した。第二の水酸化リチウム一水和物 (63 mg)を水 (2.5 ml)に溶解した第二の試料を加え、反応混合物をRTで一晩攪拌した。揮発性物質を除去し、得られた塩を、真空デシケーター中で3日間乾燥した。
【0154】
中間体4b):
【化44】

【0155】
中間体4a) (655 mg)およびN-メチルモルホリン (550μl)をTHF (49 ml)に溶解し、-40℃の内部温度まで冷却した。次いで、イソブチルクロロホルメート (649μl)を加え、反応混合物を-40℃で2時間攪拌した。反応混合物 (コロイド状懸濁液)を、そのまま次の段階に用いた。
【0156】
実施例4
【化45】

【0157】
70%エチルアミン/水 (159 μl)を中間体4b)の溶液 (10 ml) に滴加した後、反応混合物-40℃乃至-45℃で2時間、次いで-20℃で1時間攪拌した。70%エチルアミン/水 (80 μl)の第二の試料を加え、反応混合物を0℃で一晩攪拌した。揮発性物質を除去し、残渣をメタノールに溶解し、濾過した。溶媒を除去し、粗生成物を調製用HPLCを用いて精製した。
【0158】
実施例5の合成
実施例5
【化46】

【0159】
水素化ホウ素ナトリウム (45.4 mg)を水 (1.5 ml)に溶解したものを中間体4b)の溶液 (10 ml)に滴加し、反応混合物を-40℃乃至-45℃で2時間攪拌した。次に、反応混合物を、0℃で1時間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム(45.4 mg)を加え、反応混合物を0℃で一晩攪拌した。揮発性物質を除去し、残渣をメタノールに溶解し、濾過した。溶媒を除去し、粗生成物を調製用HPLCを用いて精製した。
【0160】
実施例6の合成
中間体6a):
【化47】

【0161】
アルゴン雰囲気下にて、臭化銅(II) (2.42 g)を酢酸エチル (20 ml)に攪拌懸濁したものに、5-シクロプロピル5-オキソ吉草酸エチル (1.00 g) をクロロホルム (20 ml)に溶解したものを加えた。生成混合物を、還流温度で一晩攪拌した。反応混合物をセライトで濾過し、揮発性物質を除去した。残渣をDCMに溶解し、水で2回洗浄した。水性層をDCMで逆抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して、溶媒を注意深く除去した。
【0162】
中間体6b):
【化48】

【0163】
50℃で中間体6a) (1.10 g) をMeCN (35 ml)に攪拌懸濁したものに、DIEA (1529μl)を加えた。得られた溶液15分間攪拌した後、中間体1c) (1.89 g)をMeCN (35 ml)に溶解したものを加えた。得られた溶液を、50℃で2日間攪拌した。溶媒を減圧留去し、生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0164】
中間体6c):
【化49】

【0165】
中間体6b) (860 mg)をDCE (45 ml)に攪拌溶解したものに無水トリフルオロ酢酸(5 ml)を加え、反応混合物を還流温度で3時間攪拌した。揮発性物質を除去し、残渣をDCM (50 ml)および飽和Na2CO3水溶液 (100 ml, pH約11)に溶解した。相分離の後、水性層をDCM (それぞれ5 ml)で2回抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過して、揮発性物質を減圧留去した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0166】
中間体6d):
【化50】

【0167】
中間体6c)をTHF (25 ml)に溶解して、0℃に冷却した。LiOH一水和物(126 mg)を水 (5 ml)に溶解したものをこの温度で加え、氷槽を30分後に除き、反応混合物をRTで一晩攪拌した。揮発性物質を留去し、水をトルエンと共沸させた。生成物を、真空デシケーター中で24時間乾燥した。
【0168】
中間体6e):
【化51】

【0169】
中間体6d)およびN-メチルモルホリン (121μl)をTHF (20 ml)に溶解し、-20℃の内部温度まで冷却した。イソブチルクロロホルメート (195μl) をこの温度で加え、反応混合物を-20℃で90分間攪拌した。水素化ホウ素ナトリウム (91 mg)を水 (2 ml)に溶解したものを滴加し、反応混合物をRTまで温度上昇させ、一晩攪拌した。反応混合物を真空濃縮した。残渣をDCMで希釈し、抽出漏斗に移し、飽和Na2CO3水溶液と塩水で洗浄した。総ての水性層をDCMで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、揮発性物質を除去した。
【0170】
中間体6f):
【化52】

【0171】
中間体6e) (451 mg)を乾燥THF (15 ml)および乾燥DCM (15 ml)に溶解し、トリエチルアミン (211μl)に続いてメタンスルホニルクロリド (116μl)を加えた。反応混合物を、RTで3時間攪拌した。揮発性物質を除去し、残渣をDCM (50 ml)に溶解し、1M NaHCO3水溶液で2回(それぞれ25 ml)抽出した。水性層をDCM (25 ml)で逆抽出し、合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過して、溶媒を減圧留去した。
【0172】
実施例6
【化53】

【0173】
ピロリジン (417μl)を中間体6f) (300 mg)をMeCN (10 ml)に溶解したものに加え、反応混合物を50℃一晩攪拌した。揮発性物質を除去し、残渣をDCMに溶解し、飽和Na2CO3水溶液および塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過して、揮発性物質を除去した。粗生成物を、調製用HPLC-MSで精製した。
【0174】
実施例8の合成
中間体8a):
【化54】

【0175】
中間体4a) (29 mg)をDMF (15 ml)とDCM (5 ml)の混合物に溶解した。25%アンモニア水(924μl)、EDC (230 mg)、HOBt (184 mg)およびDIEA (209μl)を加えた。反応を密封試験管中で50℃で3日間攪拌した。第二の25%アンモニア水(924μl)を加え、50℃で一晩攪拌した。揮発性物質を除去し、残渣をDCMに溶解し、飽和Na2CO3水溶液で2回洗浄した。合わせた水性層を、DCMで逆抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄した。揮発性物質を除去し、粗生成物を調製用HPLC-MSで精製した。
【0176】
実施例8
【化55】

【0177】
中間体8a) (29 mg)をTHF (2 ml)に攪拌溶解したものに、ピリジン (100μl)を加えた。反応混合物をRTで30分間攪拌し、無水トリフルオロ酢酸 (8.44μl)を0℃で加えた。反応混合物をRTで一晩攪拌した。追加の無水トリフルオロ酢酸 (8.44μl)を加え、反応混合物をRTで一晩攪拌した。第三の無水トリフルオロ酢酸試料 (8.44μl)を加え、反応混合物をRTで3日間攪拌した。揮発性物質を除去し、残渣を酢酸エチルに溶解した。有機層を飽和Na2CO3水溶液で2回抽出した。合わせた水性層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過して、揮発性物質を除去した。粗生成物を、調製用HPLC-MSで精製した。
【0178】
実施例13の合成
中間体13a):
【化56】

【0179】
実施例1 (485 mg, 遊離塩基)とヒドラジン一水和物 (121.5μl)をエタノール (10 ml)中で混合したものを、還流温度に2日間保持した。第二のヒドラジン一水和物試料 (121.5μl)を加え、反応混合物を還流温度で更に3日間加熱した。揮発性物質を減圧留去した。
【0180】
中間体13b):
【化57】

【0181】
RT、アルゴン雰囲気下にて、中間体13a) (240 mg)をTHF (15 ml)に攪拌溶解したものに、メチルイソシアネート(44.2μl)を滴加した。反応混合物をRTで一晩攪拌した。ジエチルエーテル (15 ml)を加えたところ、ベージュ色固形物状の生成物が沈澱し、これを濾別した。第二のバッチの生成物を、濾液を濃縮することによって得た。粗生成物を、精製せずに次の段階に用いた。
【0182】
実施例13
【化58】

【0183】
中間体13b) (251 mg)を1M水酸化ナトリウム水溶液 (595μl)に懸濁し、反応混合物をマイクロ波照射を用いて120℃まで60分間加熱した。1M水酸化ナトリウム水溶液 (100 ml)を加え、反応を120℃まで更に30分間加熱した。第三の1M水酸化ナトリウム水溶液試料 (100μl)を加え、反応を120℃まで更に30分間加熱した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で希釈し、DCMで抽出した。有機層を減圧留去した。粗生成物を、調製用HPLC-MSで精製した。
【0184】
実施例14の合成
中間体14a):
【化59】

【0185】
中間体1b) (10.0 g)をブロモ酢酸エチル (25 ml)に溶解したものを、22℃で16時間攪拌した。反応混合物を高真空下(0.1 mbar/50℃)で注意深く蒸発させ、トルエン (5 x 100 ml)と共沸させ、高真空下で乾燥し、褐色固形物として粗生成物を得て、これを何ら更に精製することなしに次の段階で用いた。
【0186】
中間体14b):
【化60】

【0187】
22℃において、オキシ臭化リン(V) (20.7 g)をアセトニトリル (40 ml)に溶解したものを、粗製中間体14a)(17.1 g)をアセトニトリル (110 ml)に溶解したものに20分の時間を掛けて滴加した。反応混合物を予め加熱した油槽 (80℃)に移し、この温度で18時間攪拌した。反応混合物を22℃まで冷却し、酢酸エチル (350 ml)で希釈し、氷と飽和重炭酸ナトリウム溶液 (300 ml)の混合物に徐々に注ぎ入れた。分離後、有機層を飽和重炭酸ナトリウム溶液 (3 x 200 ml)で洗浄した。合わせた水性層を酢酸エチル (4 x 150 ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水 (400 ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過して、蒸発させた。粗製材料を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0188】
中間体14c):
【化61】

【0189】
中間体14b) (4.47 g)をアセトニトリル (90 ml)に溶解したものをN-ヨードスクシンイミド (2.90 g)で処理し、光の非存在下にて22℃で1時間攪拌した。反応混合物をジエチルエーテル (150 ml)で希釈し、1Mチオ硫酸ナトリウム水溶液 (3 x 100 ml)で洗浄した。合わせた水性層をジエチルエーテル (2 x 80 ml)で洗浄した。合わせた有機抽出物を水 (100 ml)および塩水 (100 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して、蒸発させ、粗生成物を得て、これを何ら更に精製することなく次段階で用いた。
【0190】
中間体14d):
【化62】

【0191】
中間体d 14c) (300 mg)、Pd(PPh3)2Cl2 (21 mg)ヨウ化銅(I) (17 mg)およびトリエチルアミン (0.41 ml)をDMF (10 ml)中で脱気した混合物を1-ジメチルアミノ-2-プロピン (0.25 ml)で処理し、80℃で2.5時間攪拌した。反応混合物をジエチルエーテル (35 ml)で希釈し、水 (3 x 25 ml)で洗浄した。合わせた水性層を、ジエチルエーテル (2 x 20 ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水(50 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して、蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0192】
中間体14e):
【化63】

【0193】
中間体14d) (50 mg)、[Pd(OAc)2(P(2-tolyl)3)2] (Herrmann, W.A. et
al.、Angew. Chem. 1995, 107, 1989-1992)
(10 mg)および無水K2CO3 (60 mg)をDMF (2 ml)中で脱気した混合物をアクリル酸エチル(0.30 ml)で処理し、130℃で19時間攪拌した。反応混合物をジエチルエーテル (35 ml)で希釈し、水 (3 x 25 ml)で洗浄した。合わせた水性層をジエチルエーテル(2 x 20 ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水(50 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して、および蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0194】
実施例14
【化64】

【0195】
中間体14e) (17 mg)および10% Pd/C (6 mg)をEtOH (1 ml)中で脱気した混合物を、大気圧下で22℃で90分間水素化した。反応混合物をセライトのパッドを介して濾過し、MeOH (30 ml)で洗浄した。合わせた濾液と洗浄液を蒸発させ、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0196】
実施例15の合成
実施例15
【化65】

【0197】
中間体1e) (3.10 g)をMeCN (80 ml)中で攪拌溶解したものに、ジメチルアミンをTHF (34.4 ml)に溶解した2N溶液を加え、反応混合物を50℃で一晩攪拌した。揮発性物質を減圧留去し、残渣をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0198】
生物学的試験の材料を、次に調製用HPLC-MSによって精製した。
【0199】
実施例17の合成
中間体17a):
【化66】

【0200】
実施例15 (3.00 g)をTHF (60 ml)に溶解し、0℃に冷却した。水酸化リチウムを水 (9.8 ml)に溶解した2N溶液を、この温度で加えた。反応混合物を、0℃で30分間およびRTで一晩攪拌した。揮発性物質を除去し、得られた粉末を真空下で一晩乾燥した。
【0201】
中間体17b):
【化67】

【0202】
中間体17a) (400 mg) をTHF (45 ml)に溶解した。N-メチルモルホリン(503μl)を加え、混合物を-40°Cに冷却した後、イソブチルクロロホルメート(594μl)を加え、混合物を-40°Cで2時間攪拌した。N-ヒドロキシアセタミジン (270 mg)を加え、反応混合物を更に2時間-40°Cで攪拌した。溶媒を減圧留去し、粗製材料を精製することなく次段階で用いた。
【0203】
実施例17
【化68】

【0204】
中間体17b) (581 mg)をピリジン (16 ml)に溶解し、混合物を95℃に一晩加熱した。溶媒を減圧留去し、粗生成物を調製用HPLC-MSによって精製した。
【0205】
実施例19の合成
実施例19
【化69】

【0206】
RTにおいて、中間体4a) (259 mg)を2-メトキシエタノール (5 ml)に攪拌溶解したものに、塩化チオニル (182μl)に続いてDMF (20μl)を加えた。反応混合物をRTで一晩攪拌した後、密封試験管中で80℃で一晩加熱した。第二の塩化チオニル試料 (182μl)を加え、反応混合物を80℃で一晩攪拌した。揮発性物質を除去し、粗生成物を調製用HPLC-MSで精製した。
【0207】
実施例21の合成
中間体21a):
【化70】

【0208】
中間体14c) (6.01 g)、Pd(PPh3)2Cl2 (412 mg)、ヨウ化銅(I) (336 mg)およびトリエチルアミン (8.2 ml)をDMF (185 ml)中で脱気した混合物を、N-プロパルギルピロリジン(Biel and DiPierro, J. Am. Chem. Soc. 1958, 80,
4609-4614) (2.9 ml)で処理し、80℃で1時間攪拌した。反応混合物をジエチルエーテル (150 ml)で希釈し、水 (3 x 200 ml)で洗浄した。合わせた水性層をジエチルエーテル (4 x 150 ml)で抽出した。合わせた有機抽出物塩水 (250 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して、蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0209】
中間体21b):
【化71】

【0210】
22℃において、中間体21a) (50 mg)と2-(メチルアミノ)ピリジン (21μl)を1,4-ジオキサン (1 ml)中で混合したものを排気/Ar埋め戻し手続きを3サイクル行った後、Pd2dba3 (9.4 mg)および4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン (17.8 mg)で連続処理した。排気/Ar注入操作を3回繰り返し、炭酸セシウム (67 mg, 使用前に高真空下にて熱線銃で新たに乾燥)を一度に加えた。排気/Ar注入操作は、3回繰り返した。反応混合物を予め加熱した油槽 (110℃)に移し、密封した試験管中でこの温度で4.5時間攪拌した。混合物を酢酸エチル (20 ml)で希釈し、水 (1 x 25 ml)で洗浄した。水性層を酢酸エチル (1 x 15 ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水 (30 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して、蒸発させた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0211】
実施例21
【化72】

【0212】
中間体21b) (35 mg)と10% Pd/C (14.5 mg)をEtOH (3 ml)中で脱気した混合物を、大気圧下で22℃で5.5時間水素化した。反応混合物をセライトのパッドを介して濾過し、MeOH (20 ml)で洗浄した。合わせた濾液と洗浄液を蒸発させ、粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0213】
実施例22の合成
中間体22a):
【化73】

【0214】
-78℃およびAr雰囲気下で、実施例1 (遊離塩基) (350 mg)をTHF (5 ml)に溶解したものを、DIBAL-Hをヘキサン (1.3 ml)に溶解した1M溶液を滴加して処理した。反応混合物を-78℃で4時間攪拌し、DCM (20 ml)で希釈し、1M HCl (2 ml)水溶液で処理し、飽和NaHCO3水溶液 (15 ml)で洗浄した。水性層をDCM (10 ml)で洗浄した。合わせた有機抽出物を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して、蒸発した。粗生成物は、何ら更に精製することなしに次段階で用いた。
【0215】
実施例22
【化74】

【0216】
粗製中間体22a) (65 mg)と3,4-(メチレンジオキシ)アニリン (23 mg)を1,2-ジクロロエタン (1.5 ml)中で混合したものをNaBH(OAc)3で処理し、22℃で24時間攪拌した。反応混合物を酢酸エチル (25 ml)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液 (2 x 20 ml)で洗浄した。合わせた水性層を酢酸エチル (2 x 15 ml)で洗浄した。合わせた有機抽出物を水 (30 ml)および塩水 (30 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して、蒸発させた。所望の生成物を調製用HPLC-MSによって単離した。
【0217】
実施例25
中間体25a):
【化75】

【0218】
中間体21a) (200 mg)、4-メチル-7-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン (170 mg)、および2M炭酸ナトリウム水溶液 (0.8 ml)をDMF (1 ml)中で脱気した混合物を、Pd(PPh3)4 (47 mg)で処理した。反応混合物を予め加熱した油槽(110℃)に移し、この温度で3時間攪拌した。混合物をジエチルエーテル (50 ml)で希釈し、水 (1 x 20 ml)で洗浄した。水性層をジエチルエーテル (3 x 20 ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水 (50 ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して、蒸発させた。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0219】
実施例25
【化76】

【0220】
中間体25a) (100 mg)と10% Pd/C (38 mg)をエタノール (9 ml)中で混合したものを、1気圧水素に5時間暴露した。次いで、混合物をセライトで濾過し、溶媒を減圧留去した。粗生成物を調製用HPLC-MSによって精製した。
【0221】
生物学的分析
A.結合分析
膜結合分析を用いて、ヒトメラノコルチン受容体を発現するHEK293細胞膜製剤へ結合する蛍光標識NDP-α-MSHの競合的阻害薬を確認する。
【0222】
試験化合物または未標識NDP-α-MSHを、様々な濃度で384ウェルのマイクロタイタープレートに分配する。蛍光標識NDP-α-MSHを、単一濃度で投与した後、膜を添加する。プレートを室温で5時間インキュベーションする。
【0223】
蛍光偏光の程度を、蛍光偏光マイクロプレートリーダーで測定する。
【0224】
B.機能分析
ヒトメラノコルチン受容体の作動薬活性を、ホモジニアスメンブランベースアッセイで測定する。cAMP特異抗体上の限定された数の結合部位に対する未標識cAMPと一定量の蛍光標識cAMPとの間の競合を、蛍光偏光によって示す。
【0225】
試験化合物または未標識NDP-α-MSHを種々の濃度で384ウェルのマイクロタイタープレートに分配する。ヒトメラノコルチン受容体を発現するHEK293細胞由来の膜製剤を加える。短時間のプレインキュベーションの後、適当量のATP、GTPおよびcAMP抗体を加え、プレートを更にインキュベーションした後、蛍光標識cAMP接合体を投与する。プレートを4℃で2時間インキュベーションした後に、蛍光偏光マイクロプレートリーダーで読み取る。試験化合物に対する応答として産生されたcAMPの量を、NDP-α-MSHによる刺激から生じるcAMPの産生と比較する。
【0226】
本発明の化合物を試験し、メラノコルチン-4受容体に結合することを見出した。これらの化合物は、一般的にはIC50値が2 mMであった。本発明の化合物を機能分析法でも試験し、メラノコルチン-4受容体を活性化しないことを見出した。
【0227】
第2表
第2表: 本発明の実施例についての生物学的データー
表には、hMC-4R結合分析のIC50値と機能分析のEC50値を示す。IC50およびEC50値は3つのクラスに分類されている:
a 0.1 μM、b >0.1 μMおよび1.0 μM、c>1.0 μM
【表5】

【0228】
C.イン・ビトロ摂食モデル
1. 自発摂食例
ラットでの摂餌を、試験化合物のs.c.、i.p.またはp.o.投与後に測定する(例えば、Chen, A.S. et al. Transgenic Res 2000 Apr; 9(2):145-54参照)。
【0229】
2. LPSによって誘発される食欲不振および腫瘍によって誘発される悪液質のモデル
リポ多糖類(LPS)投与によって誘発される食欲不振または腫瘍増殖によって誘発される悪液質の予防または改善を、試験化合物のラットへのs.c.、i.p.またはp.o.投与によって測定する(例えば、Marks, D.L.; Ling, N and Cone, R.D. Cancer Res 2001 Feb
15;61(4):1432-8参照)。
【0230】
D. 鬱病のイン・ビトロモデル
マウスの強制遊泳試験
【0231】
原理
水を満たした容器に入れた動物は、遊泳活性の増加期間と相対的静止期間を示す。臨床上活性な抗鬱薬は、最初の静止期の開始を遅らせかつ相対的静止の総時間を減少させることが見出されている。活性化合物のリストとしては、モクロベミド、ブロファロミンのようなモノアミノオキシダーゼ-A (MAO-A)阻害薬、イミプラミンおよびアミトリプチリンのようなノルアドレナリン(NA)摂取阻害薬、セレジリンおよびトラニルシプロミンのようなMAO-B阻害薬、フルオキセチンおよびパロキセチンのようなセロトニン摂取阻害薬 (SSRI)、およびベンラファキシンのようなNA/SSRI配合薬が挙げられる。ベンゾアゼピンおよび他の種類の精神活性化合物は、この試験では不活性であることが見出されている(例えば、Porsolt R.D., Bertin A., Jaffre M. 「ラットおよびマウスにおける絶望行動: 緊張差およびイミプラミンの効果」. Eur. J. Pharmacol. 1978, 51: 291-294; Borsini F. and
Meli A. 「強制遊泳試験は抗鬱活性を明らかにするための適当なモデルであるか」. Psychopharmacol. 1988, 94: 147-160参照)。
【0232】
実験手順
使用する被験動物は雄スイスマウス (4-5週齢)である。動物は、無作為に異なる群に振り分ける(10匹/群)。
【0233】
それぞれの動物を1匹ずつ水槽に入れ、6分間そのままにする。動物に2分間の順化期間を与える。次の4分間の観察期間中に、静止の時間を記録する。更に、静止状態の頻度も測定する。マウスは、水の上に動かずに浮いておりその頭を水面上に保つための小さな動きのみを行うときには、静止ししていると考えられる。
【0234】
3匹の動物を試験した後に、水をきれいな水に交換する。
【0235】
薬剤投与
様々な用量でのビヒクルまたは試験化合物としての試験の前に、治療を施す。化合物は、通常はp.o.、i.p.またはs.c.経路で投与する。
【0236】
データー分析
データーの分析は、ANOVAに続いてポスト・ホック検定としてのフィッシャーのPLSD検定を用いて行う。
【0237】
E. イン・ビトロADME分析
1. ミクロソーム安定性
【0238】
実験手順
プールしたヒト肝臓ミクロソーム (プールした雄および雌)およびプールしたラット肝臓ミクロソーム(雄スプラークドーレイラット)を調製する。ミクロソームを、使用まで-80℃で保管する。
【0239】
ミクロソーム(最終濃度 0.5 mg/ml)、0.1 Mリン酸緩衝液 pH7.4および試験化合物 (最終基質濃度 = 3μM; 最終DMSO濃度 = 0.25%) を37℃でプレインキュベーションした後、NADPH (最終濃度 = 1 mM) を添加して反応を開始する。最終インキュベーション容積は25μlである。コントロールインキュベーションが、それぞれの試験した化合物について含まれ、0.1 Mリン酸緩衝液 pH7.4がNADPHの代わりに加えられる(負のNADPH)。2個のコントロール化合物がそれぞれの種で含まれる。総てのインキュベーションは、それぞれの試験化合物について単独で行う。
【0240】
それぞれの化合物を、0、5、15、30および45分間インキュベーションする。コントロール(負のNADPH)は、45分間だけインキュベーションする。反応を、適当な時点で内部標準を含む50μlメタノールを添加して停止する。インキュベーションプレートを、2,500 rpm、4℃で20分間遠心分離して、タンパク質を沈澱させる。
【0241】
定量分析
タンパク質沈澱の後に、試料上清を4個までの化合物のカセットに合わせて、一般的なLC-MS/MS条件を用いて分析する。
【0242】
データー分析
ピーク面積比(化合物ピーク面積/内部標準ピーク面積)の時間に対するプロットから、線の勾配を決定する。次いで、半減期および固有クリアランスを下式を用いて計算する:
【数1】

【0243】
2個のコントロール化合物が分析に含まれ、これらの化合物についての値が指定制限内にないときには、結果は拒絶されて、実験が繰り返される。
【0244】
2. 肝細胞安定性
実験手順
【0245】
低温保存した肝細胞の懸濁液を、ヒト肝細胞安定性分析に用いる(3個体からプール)。総ての低温保存した肝細胞は、In Vitro Technologies、XenotechまたはTCSから購入している。
【0246】
インキュベーションは、3μMの試験またはコントロール化合物濃度で0.5x106生存可能細胞/mlLの細胞密度で行う。インキュベーションにおける最終DMSO濃度は0.25%である。コントロールインキュベーションを細胞の非存在下でも行い、あらゆる非酵素分解を明らかにする。
【0247】
2個の試料(50μl)をインキュベーション混合物から0、5、10、20、40および60分(コントロール試料は60分のみ)に採取し、内部標準を含むメタノール(100μl)に加えて、反応を停止する。
【0248】
トルブタミド、7-ヒドロキシクマリン、およびテストステロンを、コントロール化合物として用いる。
【0249】
試料を遠心分離し(2500 rpm、4℃、20分間)、それぞれの時点の上清を一般的方法を用いるLC-MS/MSによるカセット分析のためにプールする。
【0250】
データー分析
ピーク面積比(化合物ピーク面積/内部標準ピーク面積)の時間に対するプロットから、線の勾配を決定する。次いで、半減期および固有クリアランスを、下式を用いて計算する:
【数2】

【0251】
3. Caco-2透過性(二方向)
実験手順
【0252】
継代数27のATCCから得たカコ-2(Caco-2)細胞を用いる。細胞(継代数 40-60)を、Millipore Multiscreen カコ-2プレートに1 x 105細胞/cm2で播種する。それらをDMEM中で20日間培養し、培地を2または3日毎に交換する。20日目に、透過性研究を行う。
【0253】
25 mM HEPESおよび10 mMグルコースで37℃にて緩衝したハンクス平衡塩溶液(HBSS) pH7.4を、透過性研究の培地として用いる。インキュベーションは、5% CO2の雰囲気中で95%の相対湿度で行う。
【0254】
20日目に、単層を、基底外側および先端表面を37℃のHBSSで2回洗浄することによって調製する。次に、細胞を先端および基底外側コンパートメントでHBSSと40分間インキュベーションし、生理学的パラメーターを安定化させる。
【0255】
次に、HBSSを先端コンパートメントから除去し、試験化合物投薬溶液に取り換える。溶液は、10 mM試験化合物/DMSOをHBSSで希釈することによって作成し、10 μMの最終試験化合物濃度(最終DMSO濃度 1%)を得る。蛍光完全性マーカールシフェルイエローも、投薬溶液含まれる。分析標準は、投薬溶液から作成する。試験化合物透過性は、2回ずつ評価する。それぞれのプレートで、既知の透過特性の化合物をコントロールとして用いる。
【0256】
次に、先端コンパートメントインサートを、新鮮なHBSSを含む「コンパニオン」」プレート中に配置する。基底外側-先端 (B-A)透過性決定のために、実験をインサート中の緩衝液を取り換え、次いでそれらを投薬溶液を含むコンパニオンプレートに配置することによって開始する。120分後にコンパニオンプレートを除去し、先端および基底外側試料をLC-MS/MSによる分析のために希釈する。出発濃度(C0)および実験回収率は、先端および基底外側コンパートメント濃度から計算する。
【0257】
実験中の単層の完全性を、蛍光分析を用いるルシフェルイエロー透過を観測することによってチェックする。単層が損傷を受けていないときには、ルシフェルイエロー透過は低い。試験およびコントロール化合物は、試料の適当な希釈度を有する5点キャリブレーションを用いるLC-MS/MSカセット分析によって定量する。
【0258】
ルシフェルイエローPapp値が1個の単一の試験化合物ウェルでQC限界を上回るときには、n=1の結果が報告される。ルシフェルイエロー Papp値が試験化合物について両反復ウェルでQC限界を上回るときには、化合物を再試験する。両ウェルでの特定化合物についてのルシフェルイエロー透過が一貫して高いことは、毒性を示している。この件については、これ以上の実験は行わない。
【0259】
データー分析
それぞれの化合物についての透過性係数 (Papp)は、下式から計算する:
【数3】

【0260】
dQ/dtが細胞を通過する薬剤の等加速度であるときには、時間0におけるC0はドナーコンパートメント濃度であり、Aは細胞単層の面積である。C0は、インキュベーション時間の終了時にドナーおよびレシーバーコンパートメントの分析から得られる。120分間のインキュベーションの後に測定した総ての試験化合物は、最初は0分ではドナーコンパートメントに存在すると考えられている。非対称性指数(AI)は、次のようにして誘導される:
【数4】

【0261】
1を上回る非対称性指数は、カコ-2細胞からの流出を示しており、これは化合物がイン・ビボで潜在的な吸収の問題を有する可能性があることを示している。
【0262】
試験化合物の見かけの透過性(Papp (A-B))値を、コントロール化合物であるアテノロールおよびプロプラノロールの透過性値であって、それぞれヒトでの吸収が約50および90% (Zhao, Y.H., et al., (2001)であるものと比較する。「アブラハムデスクリプターによるヒト腸吸収データーおよび定量的構造-活性関係(QSAR)のその後の偏差の評価」. Journal of
Pharmaceutical Sciences. 90 (6), 749-784). タリノロール (既知のP-gp基質 (Deferme, S., Mols、R., Van Driessche,
W.、Augustijns, P. (2002). 「アプリコット抽出物はタリノロールのP-gp依存性流出を阻害する」. Journal of Pharmaceutical Sciences. 91(12),
2539-48)) も、機能的P-gpがカコ-2細胞単層に存在するかどうかを評価するためのコントロール化合物として含まれる。
【0263】
4. チトクロームP450阻害 (5アイソフォームIC50測定))
実験手順
【0264】
CYP1A阻害
6つの試験化合物濃度 (0.05、0.25、0.5、2.5、5、25 μM/DMSO; 最終DMSO濃度 = 0.35%)を、ヒト肝臓ミクロソーム (0.25 mg/ml)およびNADPH (1 mM)と共にプローブ基質エトキシレゾルフィン(0.5 μM)の存在下にて37℃で5分間インキュベーションする。選択的CYP1A阻害薬であるa-ナフトフラボンをポジティブコントロールとしての試験化合物と共にスクリーニングする。
【0265】
CYP2C9阻害
6つの試験化合物濃度(0.05、0.25、0.5、2.5、5、25 μM/DMSO; 最終DMSO濃度 = 0.25%)を、ヒト肝臓ミクロソーム (1 mg/ml)およびNADPH (1 mM)と共にプローブ基質トルブタミド(120 μM)の存在下にて37℃で60分間インキュベーションする。選択的CYP2C9阻害薬であるスルファフェナゾールをポジティブコントロールとしての試験化合物と共にスクリーニングする。
【0266】
CYP2C19阻害
6つの試験化合物濃度 (0.05、0.25、0.5、2.5、5、25 μM/DMSO; 最終DMSO濃度 = 0.25%)を、ヒト肝臓ミクロソーム (0.5 mg/ml)およびNADPH (1 mM)と共にプローブ基質メフェニトイン(25 μM)の存在下にて37℃で60分間インキュベーションする。選択的CYP2C19阻害薬であるトラニルシプロミンを、ポジティブコントロールとしての試験化合物と共にスクリーニングする。
【0267】
CYP2D6阻害
6つの試験化合物濃度 (0.05、0.25、0.5、2.5、5、25 μM/DMSO; 最終DMSO濃度 = 0.25%)を、ヒト肝臓ミクロソーム (0.5 mg/ml)およびNADPH (1 mM)と共にプローブ基質デキストロメトルファン(5 μM)の存在下にて37℃で30分間インキュベーションする。選択的CYP2D6阻害薬であるキニジンを、ポジティブコントロールとしての試験化合物と共にスクリーニングする。
【0268】
CYP3A4阻害
6つの試験化合物濃度 (0.05、0.25、0.5、2.5、5、25 μM/DMSO; 最終DMSO濃度 0.26%)を、ヒト肝臓ミクロソーム (0.25 mg/ml)およびNADPH (1 mM)と共にプローブ基質ミダゾラム(2.5 μM)の存在下にて37℃で5分間インキュベーションする。選択的CYP3A4阻害薬であるケトコナゾールを、ポジティブコントロールとしての試験化合物と共にスクリーニングする。
【0269】
CYP1Aインキュベーションについては、反応はメタノールを添加して終了させ、代謝物であるレゾルフィンの形成は蛍光によって観察する(励起波長 = 535 nm, 発光波長 = 595 nm)。CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6およびCYP3A4インキュベーションについては、反応は、内部標準を含むメタノールを添加して終了させる。試料を次に遠心分離し、上清を合わせて、4-ヒドロキシトルブタミド、4-ヒドロキシメフェニトイン、デキストロファンおよび1-ヒドロキシミダゾラムに内部標準を加えたものをLC-MS/MSによって同時分析する。一般的LC-MS/MS条件を用いる。ギ酸を脱イオン水で希釈したもの(最終濃度 = 0.1%)を最終試料に加えた後、分析を行う。ビヒクルコントロールと比較した代謝物形成の減少を用いて、IC50値(50%阻害を生じる試験化合物濃度)を計算する。
【0270】
5. 血漿タンパク質結合(10%)
実験手順
【0271】
試験化合物の溶液(5 μM, 0.5%最終DMSO濃度)を、緩衝液(pH 7.4)および10%血漿(v/v緩衝液)で調製する。実験は、半透膜によって隔てられた2つのコンパートメントによる平衡透析を用いて行う。緩衝液を膜の一方の側に加え、血漿溶液を他方の側に加える。標準を血漿および緩衝液で調製し、37℃でインキュベーションする。それぞれの化合物に対応する溶液を、LC-MS/MSによってカセット分析する。
【0272】
定量分析
平衡の後、試料を膜の両側から採取する。化合物のそれぞれのバッチについての溶液を2群(無血漿および血漿含有)に合わせた後、無血漿(7点)および血漿含有溶液(6点)についての2組のキャリブレーション標準を用いるLC-MS/MSによってカセット分析する。一般的LC-MS/MS条件を用いる。試料は、糖価マトリックスで調製した標準曲線を用いて定量する。化合物は、2回試験する。
【0273】
コントロール化合物は、それぞれの実験に包含される。
【0274】
データー分析
【数5】

fu = 未結合画分
PC =タンパク質を含む側の試料濃度
PF =タンパク質を含まない側の試料濃度
10%血漿でのfuを、下式を用いてfu 100%血漿に転換する:
【数6】

【0275】
医薬組成物の例
本発明の化合物の経口組成物の具体例として、実施例1 27 mgを十分に細かく粉砕したラクトースを用いて処方し、総量を580 - 590 mgとし、サイズ0の硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0276】
本発明の化合物の経口組成物のもう一つの具体例として、実施例22 33 mgを十分に細かく粉砕したラクトースを用いて処方し、総量を580 - 590 mgとし、サイズ0の硬質ゼラチンカプセルに充填する。
【0277】
本発明を若干数の好ましい態様に関して記載して説明してきたが、当業者であれば、様々な変化、修飾および置換は本発明の精神および範囲から離反することなく行うことができることを理解されるであろう。例えば、上記の好ましい用量以外の有効投薬量は観察される特定の薬理学的応答の結果として適用可能であり、選択される特定の活性化合物並びに用いられる処方の種類および投与の様式によって変化することができ、また結果におけるこのような期待される変化または差は本発明の目的および実施と一致していると考えられる。従って、本発明は、上記の特許請求の範囲によってのみ制限され、このような特許請求の範囲は合理的に広義に解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

の化合物、およびそれらの鏡像異性体、ジアステレオ異性体、互変異性体、溶媒和物および薬学上許容可能なそれらの塩:
(上記式中、
R1およびR2は、互いに独立して
H、
C1-6アルキル、
C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル、
C1-3アルキレン-ヘテロシクリル、および
C1-6アルキレン-C3-7シクロアルキル
から選択されるか、または
R1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって5 - 6員環を形成し、該環は更に1個の酸素原子を環に含むことができ、かつ未置換であるか、またはOH、C1-6アルキル、O-C1-6アルキル、C0-3アルキレン-C3-5シクロアルキル、C1-6アルキル-O-C1-6アルキルおよび(CH2)0-3-フェニルから選択される1個以上の置換基によって置換されていてもよく、
Aは、
-NH-、
-C1-6アルキレン、
-C2-6アルケニレン、
-C2-6アルキニレン、または
結合
であり、
ここで、アルキレン、アルケニレンおよびアルキニレンは未置換であるかまたは1個以上のR7で置換されており、
R7は、独立して
C1-6アルキル、
OR14
NR15aR15b
ハロゲン、
フェニル、および
ヘテロアリール
から選択され、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
Xは
CN、
未置換であるかまたは1個以上のハロゲン原子で置換されたC3-8シクロアルキル、
N、OおよびSから独立して選択される3または4個のヘテロ原子を含む4-乃至 8-員の飽和または不飽和ヘテロシクリル、
N、OおよびSから独立して選択される3または4個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員のヘテロアリール、
N、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員のヘテロアリールであって、ここでヘテロアリール環は、N、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む4-乃至8-員の飽和または不飽和ヘテロシクリルと融合しているか、またはN、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員のヘテロアリールと融合しており、
-C(O)-R6
-OR14
ハロゲン、または
NR15aR15b
であって、ここでそれぞれのヘテロシクリルまたはヘテロアリールは未置換であるか、または1 - 3個のR4aおよび/または1個のR4bおよび/または1個のR5によって置換されており、
R4a
ハロゲン、
CN、
未置換であるかまたはハロゲン原子、C1-6アルキル、O-C1-6アルキルおよびOHから選択される1個以上の置換基で置換されたC1-6アルキル、
O-C1-6アルキルであって、ここでアルキルが未置換であるかまたはハロゲン原子およびOHから選択される1個以上の置換基で置換されているもの、
未置換であるかまたはハロゲン原子およびOHから選択される1個以上の置換基で置換されているC3-8シクロアルキル、または
OH
であり、
R4b
C(O)NH2
C(O)NH-C1-6アルキル、
C(O)N-(C1-6アルキル)2
SO2-C1-6アルキル、
C(O)NH-SO2-C1-6アルキル、
オキソ(よって環が少なくとも部分的に飽和しているもの)、
NH2
NH-C1-6アルキル、
N-(C1-6アルキル)2
NH-SO2-CH3、または
NH-SO2-CF3
であり、
R5
N、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員の飽和または不飽和ヘテロシクリルであって、
それぞれのヘテロシクリルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1または2個のR4aによって置換されており、
R6
OH、
O-C1-6アルキルであって、ここでアルキルが未置換であるかまたは1個以上のR16によって置換されているもの、
N、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む4-乃至8-員のヘテロシクリル、または
NR16aR16b
であり、
ここで、ヘテロシクリルは未置換であるかまたは1または2個のR4aによって置換されており、
R3
-(CR8R9)n-T
であり、
R8およびR9は、互いに独立して
H、
OH、
ハロゲン、
C1-6アルキル、および
O-C1-6アルキル
から選択され、
nは 1 - 6であり、
T は
【化2】

またはNR12R13であり、
R10
H、
NH2
OH、
C1-6アルキル、
ハロゲン、
NH(C1-6アルキル)、
N(C1-6アルキル)2
フェニル、または
ヘテロアリール
であって、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
qは1または2であり、
Yは
CH2
NR11または
O
であり、
R11
H、
C1-6アルキル、または
(CH2)0-6-C3-7シクロアルキル
であり、
R12およびR13は、互いに独立して
H、
C1-6アルキル、
(CH2)0-2-C3-7シクロアルキル、および
C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル
から選択され、
ここで、アルキル、アルキレンおよびシクロアルキルは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
R14
H、
未置換であるかまたはハロゲンから選択される1個以上の置換基で置換されているC1-6アルキル、
フェニル、または
ヘテロアリール
であり、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
R15aおよびR15bは、互いに独立して
H、
未置換であるかまたはハロゲン、OH、O(C1-6アルキル)、NH2、NH(C1-6アルキル)およびN(C1-6アルキル)2から選択される1個以上の置換基で置換されているC1-6アルキル、
C(O)C1-6アルキル、
C(O)OC1-6アルキル、
フェニル、
ヘテロアリール、および
N、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員の飽和または不飽和ヘテロシクリルと融合した、またはN、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員のヘテロアリールと融合したフェニル
であって、ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されているものから選択され、
R16、R16aおよびR16bは、互いに独立して
H、
未置換であるかまたはハロゲン、OH、O(C1-6アルキル)、NH2、NH(C1-6
ルキル)およびN(C1-6アルキル)2から選択される1個以上の置換基で置換され
ているC1-6アルキル、
C0-3アルキレン-C3-5シクロアルキル、
フェニル、および
ヘテロアリール
から選択され、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aによって置換されている)。
【請求項2】
R1およびR2は、互いに独立して
H、
C1-6アルキル、
C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル
C1-3アルキレン-ヘテロシクリル、および
C1-6アルキレン-C3-7シクロアルキル
から選択されるか、または
R1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって5-乃至6-員環を形成し、外環は更に1個の酸素原子を環に含むことができかつ未置換であるかまたはOH、C1-6アルキル、O-C1-6アルキル、C0-3アルキレン-C3-5シクロアルキル、C1-6アルキル-O-C1-6アルキルおよび(CH2)0-3-フェニルから選択される1個以上の置換基で置換されている
Aは、
-NH-、
-C1-6アルキレン、
-C2-6アルケニレン、
-C2-6アルキニレン、または
結合
であって、
ここで、アルキレン、アルケニレンおよびアルキニレンは未置換であるかまたは1個以上のR7で置換されており、
R7は、独立して
C1-6アルキル、
OR14
NR15aR15b
ハロゲン、
フェニル、および
ヘテロアリール
から選択され、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
Xは
CN、
未置換であるかまたは1個以上のハロゲン原子で置換されたC3-8シクロアルキル、
N、OおよびSから独立して選択される3 - 4個のヘテロ原子を含む4-乃至8-員の飽和または不飽和ヘテロシクリル、
N、OおよびSから独立して選択される3または4個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員のヘテロアリール、
-C(O)-R6
-OR14
ハロゲン、または
NR15aR15b
であり、
ここで、それぞれのヘテロシクリルまたはヘテロアリール未置換であるかまたは1 - 3個のR4aおよび/または1個のR4bおよび/または1個のR5で置換されており、
R4aは、
ハロゲン、
CN、
未置換であるかまたは1個以上のハロゲン原子によって置換されたC1-6アルキル、
O-C1-6アルキルであって、アルキルが未置換であるかまたは1個以上のハロゲン原子によって置換されたもの、または
OH
であり、
R4bは、
C(O)NH2
C(O)NH-C1-6アルキル、
C(O)N-(C1-6アルキル)2
SO2-C1-6アルキル、
C(O)NH-SO2-C1-6アルキル、
オキソ(よって環が少なくとも部分的に飽和しているもの)、
NH2
NH-C1-6アルキル、
N-(C1-6アルキル)2
NH-SO2-CH3、または
NH-SO2-CF3
であり、
R5
N、OおよびSから独立して選択される1 - 3個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員の飽和または不飽和ヘテロシクリルであって、
ここで、ヘテロシクリルは、未置換であるかまたは1または2個のR4aで置換されており、
R6
OH、
O-C1-6アルキルであって、アルキルが未置換であるかまたは1個以上のR16で置換されているもの、または
NR16aR16b
であり、
R3は-(CR8R9)n-Tであり、
R8およびR9は、互いに独立して
H、
OH、
ハロゲン、
C1-6アルキル、および
O-C1-6アルキル
から選択され、
nは1 - 6であり、
Tは
【化3】

またはNR12R13であり、
R10
H、
NH2
OH、
C1-6アルキル、
ハロゲン、
NH(C1-6アルキル)、
N(C1-6アルキル)2,
フェニル、または
ヘテロアリール
であって、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
qは 1または2であり、
Yは
CH2
NR11または
O
であり、
R11
H、
C1-6アルキル、または
(CH2)0-6-C3-7シクロアルキル
であり、
R12およびR13は、互いに独立して
H、
C1-6アルキル、
(CH2)0-2-C3-7シクロアルキル、および
C1-6アルキレン-O-C1-6アルキル
から選択され、
ここで、アルキル、アルキレンおよびシクロアルキルは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
R14
H、
未置換であるかまたはハロゲンから選択される1個以上の置換基で置換されているC1-6アルキル、
フェニル、または
ヘテロアリール
であって、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、
R15aおよびR15bは、互いに独立して
H、
未置換であるかまたはハロゲン、OH、O(C1-6アルキル)、NH2、NH(C1-6アルキル)およびN(C1-6アルキル)2から選択される1個以上の置換基で置換されているC1-6アルキル、
フェニル、および
ヘテロアリールであって、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されており、および
C(O)C1-6アルキル
から選択され、
R16、R16aおよびR16bは、互いに独立して
H、
未置換であるかまたはハロゲン、OH、O(C1-6アルキル)、NH2、NH(C1-6アルキル)およびN(C1-6アルキル)2から選択される1個以上の置換基で置換されているC1-6アルキル、
C0-3アルキレン-C3-5シクロアルキル、
フェニルおよび
ヘテロアリールであって、
ここで、フェニルおよびヘテロアリールは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが-NH-または結合である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
R1およびR2は、互いに独立して C3-6アルキルであるか、またはR1およびR2 はそれらが結合している窒素原子と一緒になって、更に1個の酸素原子を環に含むことがありかつ未置換であるかまたはOH、C1-6アルキル、O-C1-6アルキル、C0-3アルキレン-C3-5シクロアルキル、C1-6アルキル-O-C1-6アルキルおよび(CH2)0-3-フェニルから選択される1個以上の置換基で置換されている5-乃至6-員環を形成する、請求項1-3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
TがNR12R13である、請求項1-4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
R12およびR13は、互いに独立して H、C1-3アルキルおよび(CH2)0-2-C3-6シクロアルキルから選択され、ここで、アルキルおよびシクロアルキルは未置換であるかまたは1 - 3個のR4aで置換されている、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Tが
【化4】

から選択される、請求項1-4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
YがCH2またはNR11であり、R10がH、NH2、C1-6アルキル、NH(C1-6アルキル)またはN(C1-6アルキル)2である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
XがN、OおよびSから独立して選択される3または4個のヘテロ原子を含む4-乃至8-員の飽和または不飽和ヘテロシクリル、または
N、OおよびSから独立して選択される3または4個のヘテロ原子を含む5-乃至6-員のヘテロアリールであって、
ここで、それぞれのヘテロシクリルまたはヘテロアリールが未置換であるかまたは1 - 3個のR4aおよび/または1個のR4bおよび/または1個のR5で置換されている、
請求項1-8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
Xが -C(O)-R6
-OR14、または
-NR15aR15bである、
請求項1-9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
R6が-O-C1-6アルキルであり、ここで、アルキルが未置換であるかまたは1個以上のR16で置換されている、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
R6がNR16aR16bである、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
R6がNH-C1-6アルキルであり、ここで、アルキルが未置換であるかまたは1個以上のR16で置換されている、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
薬剤としての、請求項1 - 13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
メラノコルチン-4受容体拮抗薬としての、請求項1 - 13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
哺乳類におけるメラノコルチン-4受容体の不活性化に応答する異常、疾患または症状の予防または治療のための、請求項1-13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
悪液質の予防または治療のための、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
悪液質が癌悪液質、慢性腎疾患(CKD)によって誘発される悪液質、または慢性心不全 (CHF)によって誘発される悪液質から選択される、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
筋消耗の予防または治療のための、請求項16に記載の化合物。
【請求項20】
食欲不振の予防または治療のための、請求項16に記載の化合物。
【請求項21】
食欲不振が、神経性食欲不振または放射線療法または化学療法によって誘発される食欲不振から選択される、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
不安および/または鬱病の予防または治療のための、請求項16に記載の化合物。
【請求項23】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の予防または治療のための、請求項16に記載の化合物。
【請求項24】
疼痛および神経障害性疼痛の予防または治療のための、請求項16に記載の化合物。
【請求項25】
哺乳類におけるメラノコルチン-4受容体の不活性化に応答する異常、疾患または症状の予防または治療のための薬剤の製造のための、請求項1 - 13のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項26】
悪液質の予防または治療のための薬剤の製造のための、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
悪液質が、癌、慢性腎疾患(CKD)または慢性心不全(CHF)によって誘発される、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
筋消耗の予防または治療のための薬剤の製造のための、請求項25に記載の使用。
【請求項29】
食欲不振の予防または治療のための薬剤の製造のための、請求項25に記載の使用。
【請求項30】
食欲不振が神経性食欲不振または放射線療法または化学療法によって誘発される食欲不振から選択される、請求項29に記載の使用。
【請求項31】
不安および/または鬱病の予防または治療のための薬剤の製造のための、請求項25に記載の使用。
【請求項32】
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の予防または治療のための薬剤の製造のための、請求項25に記載の使用。
【請求項33】
疼痛および神経障害性疼痛の予防または治療のための薬剤の製造のための、請求項25に記載の使用。
【請求項34】
請求項1 - 13のいずれか一項に記載の化合物および薬学上許容可能なキャリヤーを含んでなる、医薬組成物。

【公表番号】特表2011−506513(P2011−506513A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538466(P2010−538466)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010849
【国際公開番号】WO2009/080291
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(505336024)サンセラ ファーマシューティカルズ (シュバイツ) アーゲー (21)
【Fターム(参考)】