説明

メントールと同様の感覚をもたらす組成物

【課題】メントールを加えることに起因する望ましくない刺激や風味の特性を有しない製品に長時間持続する清涼感をもたらす清涼組成物を提供すること。
【解決手段】メントールを殆ど含まないが、メントールを含む組成物とほぼ同様の生理的感覚をもたらす組成物と、揮発保留剤とを含有する清涼組成物を調製することにより解決する。かかる組成物は、約10〜25質量%の量のメントンと、約10〜25質量%の量のイソメントンと、約2.5〜15質量%の量のイソプレゴールと、約15〜25質量%の量のコハク酸モノメンチルと、約5〜30質量%の量の乳酸メンチルと、1.0〜10質量%の量の揮発保留剤とを含むことが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)本出願は、米国仮出願第60/753,524号(2005年12月23日出願)の利益を主張し、当該内容は参照により本願明細書に取り込まれる。
【0002】
本発明は、チューインガム及び菓子等の口腔内又は皮膚への送達のための組成物及び製品に関する。当該組成物及び製品は、組み合わせることによりメントール単独によりもたらされるのとほぼ同様の生理的感覚をもたらす物質を含んでいる。
【背景技術】
【0003】
多くの物質が、使用時に清涼感をもたらすことが知られており、「清涼剤」と呼ばれている。清涼剤の例としては、メントール、イソプレゴール、3−(1−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(1−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−2,3−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メタノール、コハク酸モノメンチル及びそのアルカリ土類金属塩、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、和種ハッカ油、ペパーミント油、メントン、メントングリセロールケタール、乳酸メンチル、3−(1−メントキシ)エタン−1−オール、3−(1−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(1−メントキシ)ブタン−1−オール、1−メンチル酢酸N−エチルアミド、4−ヒドロキシペンタン酸1−メンチル、3−ヒドロキシ酪酸1−メンチル、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、n−エチル−t−2−c−6−ノナジエンアミド、N,N−ジメチルメンチルコハク酸アミド、及びピロリドンカルボン酸メンチルが挙げられる。
【0004】
メントールは、皮膚及び口腔粘膜に対する生理的な清涼効果を有することが知られており、食品、飲料、歯磨き剤、うがい薬等に含まれるペパーミント油の主成分である着香料として、また、多くの化粧品、局所投与用の塗布薬及びローションの成分として広く用いられている。また、メントールは、喫煙時に口腔内に「清涼」感をもたらすための周知のタバコの添加物でもある。また、カルボメントールが、例えば、仏国特許第1,572,332号に記載のように、N,N−ジメチル−2−エチルブタンアミド、及びN,N−ジエチル−2−エチルブタンアミドと同様の生理的な清涼効果を有することも報告されている。
【0005】
メントールの「清涼」効果は、温感又は冷感の検知に関与する人体の神経終末にメントールが直接作用することによる生理的効果であることが十分に確立されている。メントールは、冷感受容体を直接刺激する。メントールと同様の生理的効果をもたらすいくつかの非メントール化合物は、参照によって本願明細書に取り込まれる米国特許第4,296,255号に記載されている。
【0006】
特に、味蕾が非メントール清涼剤を受容可能となるように作用するため、メントールは他の清涼剤と共に用いられている。メントールは、軽く、爽快なミント感をもたらし、ある面において、味蕾が清涼感を受容可能にする。事実、WS−3及びWS−23等のいくつかの清涼剤が、メントールを加えずに供給された場合、最初に温熱感を送達することが報告されている。
【0007】
ペパーミント油は、練り歯磨き、うがい薬、チューインガム、キャンディー及び他の食品製品等の口腔用製品において「清涼感」を作り出すために近年用いられている。ペパーミント油は、通常、約45〜55%のメントール、約20〜25%のメントン、約5%の酢酸メンチル、約5%のユーカリプトール、及び多数の他の成分を含んでいる。ペパーミント油は、スペアミント又はウィンターグリーン香のする製品等の非ペパーミント製品においても、このような望ましい清涼効果をもたらすために用いられる。しかし、この場合、非ペパーミント風味の製品においても、ペパーミントの風味が感じされる。
【0008】
ペパーミント油の主成分であるため、メントールは、食品、飲料、歯磨き剤、うがい薬、化粧品、ローション等において広く用いられている。さらに、呼気の爽快感を促進する菓子製品の殆どは、中程度から高いレベルのメントールを含むミント風味の製品である。しかし、メントールを用いることの欠点は、強いミント臭と、それが見出される組成物にメントールがもたらす刺激的な味である。したがって、メントールを加えることに起因する望ましくない刺激や風味の特性を有しない製品に長時間持続する清涼感をもたらす清涼組成物に対する需要が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】仏国特許第1,572,332号明細書
【特許文献2】米国特許第4,296,255号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
いくつかの消費者製品、特にチューインガムにおいて、ゆっくりと穏やかに香味が放出されるよりも、強烈な香味が一気に放出される方が望ましい。望ましい香味のインパクトをもたらすために、いくつかのチューインガムの製造業者は、コーティングされたチューインガムのコーティングに香味料を添加している。これらの香味料としては、スペアミント香味料、ペパーミント香味料、ウィンターグリーン香味料、及びフルーツ香味料が挙げられる。さらに、香味の瞬間的な放出をもたらすために、メントール等の非常に強力な香味料が用いられることも多い。しかし、香味の瞬間的な放出をもたらすために効果的な濃度において、メントール又はミント香味料は、しばしば「えぐ味」と表現される、苦く鋭い、焼けつくような味をもたらす。
【0011】
チューインガムの香味を改善するために、香味料組成物を改善し、それらの放出を制御するために、チューインガム組成物における生理的清涼剤の使用法を完全にすることに対して努力がなされてきた。米国特許第5,326,574号は、生理的清涼剤である3−1−メントキシ−プロパン−1,2−ジオールを、食品に許容される水溶性の担体と共に乾燥し、得られる生成物をチューインガムに混合する方法が開示されている。
【0012】
したがって、メントールを加えることに起因する望ましくない刺激や風味の特性を有しない製品に清涼感をもたらす清涼組成物に対する需要が存在する。また、優れた清涼効果を有し、すっきりした高品質な香味を有するチューインガムを提供することも望ましい。爽快な風味を付与するために必要なメントールの量を低減するために、このような組成物が、米国特許出願公開第2005/0019445号等において提案されている。例えば、メントールの香味を有するチューインガムのために、メントールの全濃度を低減させるために生理的清涼剤との組み合わせが提案されている。しかし、これらの組成物において、メントールを完全に除去することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願明細書に記載の化合物及び組成物は、メントールに特徴的な4種類の生理的感覚のうち1種類又は複数種類を提供する。個々の化合物によってもたらされる特定の生理的感覚自体の発見により、メントールによってもたらされるのとほぼ同様の生理的感覚をもたらす組成物が実現される。しかし、このような組成物はメントールを全く含んでいなくてもよく、同様の生理的感覚をもたらすのに必要とされるよりも大幅に少ない量を含んでいてもよい。さらに、本願明細書に記載の具体的な化合物は、メントールに特徴的な特定の生理的感覚の強さを変化させるために、このような組成物中に種々の量で存在していてもよい。メントールに特徴的な生理的感覚としては、「芳香」、「鼻への作用」、「清涼感」、及び「ミントの風味」が挙げられる。
【0014】
ある実施形態において、メントールを含む組成物とほぼ同様の生理的感覚をもたらす清涼組成物が提供される。しかし、組成物はメントールを殆ど含んでおらず、或いは同様の生理的感覚をもたらすのに必要とされるよりも大幅に少ない量のメントールを提供する。
【0015】
他のいくつかの実施形態において、少なくとも1種類の清涼剤を含み、メントールを含む組成物とほぼ同様の生理的清涼感をもたらす清涼組成物を含むチューインガムが提供される。
【0016】
ある実施形態において、少なくとも1種類の清涼剤を含み、メントールを含む組成物とほぼ同様の生理的清涼感をもたらす清涼組成物を含む菓子が提供される。
【0017】
ある実施形態において、メントールを含む組成物とほぼ同様の生理的感覚をもたらす清涼組成物が提供され、該清涼組成物は、約10〜25質量%の量のメントンと、約10〜25質量%の量のイソメントンと、約2.5〜15質量%の量のイソプレゴールと、約15〜25質量%の量のコハク酸モノメンチルと、約5〜30質量%の量の乳酸メンチルとを含んでいる。
【0018】
ある実施形態において、メントールを含む組成物とほぼ同様の生理的感覚をもたらす清涼組成物が提供され、該清涼組成物は、約10〜25質量%の量のメントンと、約10〜25質量%の量のイソメントンと、約2.5〜15質量%の量のイソプレゴールと、約15〜25質量%の量のコハク酸モノメンチルと、約5〜30質量%の量の乳酸メンチルと、約1.0〜2.0質量%の量のユーカリプトールと、約1.0〜2.0質量%の量のカンファーとを含んでいる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(用語の定義)
本願明細書において用いられる場合、「有する(comprising)」(「有する(comprises)」等も同様)という移行句は、「含む(including)」、「含む(containing)」、又は「〜を特徴とする(characterized by)」と同義で、包括的又は非制限的であり、請求項の前提部又は本体のいずれで用いられているかにかかわらず、他の列挙されていない要素又は方法における工程を排除しない。
【0020】
本願明細書において用いられる場合、「清涼剤」とは、それを皮膚、口腔又は粘膜上で経験する者により、清涼感として表される感覚を生じ、又は生じさせることができる本願明細書に記載の、又は公知の任意の物質である。
【0021】
本願明細書において用いられる場合、「鼻への作用」とは、鼻腔において知覚される清涼感又は爽快な生理的感覚である。
【0022】
本願明細書において用いられる場合、「芳香」とは、嗅覚として知覚されるミント様の又は爽快な生理的感覚である。
【0023】
本願明細書において用いられる場合、「清涼効果」とは、それを皮膚、口腔又は粘膜上で経験する者による、清涼感として表される感覚である。
【0024】
本願明細書において用いられる場合、「ミント様の風味」とは、ミントと遭遇した場合に知覚されるのと同様の、口腔内において知覚される生理的感覚である。
【0025】
本願明細書において用いられる場合、「メントールとほぼ同様の生理的感覚」とは、鼻への作用、芳香、清涼効果又はミント様の風味のうち1つ以上が、メントールと遭遇した際に認識される前述の1つ以上の感覚と同様であると認識される感覚である。このような用語は、例えば、清涼剤又は清涼組成物によって経験する生理的な清涼感の相対的な強さを、メントール単独、又はメントールを含む組成物によって経験する場合と比べて比較するよう求められた被験者によって定量化されてもよい。一般に、回答者のパネルによって評価された場合に、化合物又は組成物が「メントールとほぼ同様の生理的感覚」を有すると言われる。例えば、回答者に、メントールとの同一性又はメントールによってもたらされる同様の生理的感覚に対する生理的感覚の同一性について、1が「メントールと似ていない」、10が「メントールとほぼ同一」である1〜10のスコア、又は1が「メントールと似ていない」、100が「メントールとほぼ同一」である1〜100のスコアに基づいて評価するよう依頼してもよい。平均して、回答者が1〜10のスケールで5以上又は1〜100のスケールで50以上、好ましくはそれぞれ6及び60以上、さらにより好ましくはそれぞれ7及び70以上の同一性であると評価した場合、知覚された生理的感覚は、「メントールとほぼ同様」であると言われる。最も好ましい例において、スコアはそれぞれ9及び90以上であってよい。
【0026】
所望の清涼感をもたらすが、メントールに特徴的な望ましくない刺激及び香味をもたらさない清涼香味組成物が提供される。清涼香味組成物は、現在清涼感を生み出すために用いられているペパーミント油及びメントールの一部又は全部に代替する。清涼香味組成物は、ペパーミント油とは対照的にメントールと同様の生理的感覚をもたらす化合物を用いているので、清涼香味組成物は、望ましくないペパーミントの風味を付与しない。
【0027】
組成物は、例えば、ペパーミント油等の中に天然に存在するメントールによってもたらされる、特徴的な「鼻への作用」、「芳香」、「清涼感」、及び「ミント様の風味」の利点を有している。もたらされる生理的効果が、天然に存在するメントールとほぼ同様である限りにおいて、これらの結果を達成するために、種々の化合物を、種々の量で組み合わせて用いてよい。ある実施形態において、「鼻への作用」は、メントン、イソメントン、カンファー及びユーカリプトールのうち1つ以上によってもたらされる。ある実施形態において、「芳香」は、ユーカリプトール、カンファー、メントン及びイソメントンのうち1つ以上によってもたらされる。ある実施形態において、「清涼効果」は、イソプレゴール、コハク酸モノメンチル及び乳酸メンチルのうち1つ以上によってもたらされる。ある実施形態において、「ミント様の風味」は、メントン、イソメントン、ユーカリ、ユーカリプトール、安息香酸エチル、ネオメントール、d−フェンコン、酪酸フルフリリデン、ブチュ画分、セージ油、コーンミント油、ローズマリー、コハク酸モノメンチル、サリチル酸アミル、オイゲノール、フェランドレン、フランカルボン酸プロピル、3−ヒドロキシ酪酸エチル、吉草酸ヘキシル、プロピオン酸アニシル、酪酸アニシル、ジヒドロカルベオール、及びクラリセージのうち1つ以上によってもたらされる。
【0028】
個々の化合物は、種々の質量%の量だけ存在していてよい。ある実施形態において、メントン及びイソメントンが、それぞれ約5〜約75質量%、好ましくは約10〜約50質量%、より好ましくは約15〜約25質量%の量だけ存在している。ある実施形態において、コハク酸モノメンチル及び乳酸メンチルが、それぞれ約5〜約75質量%、好ましくは約10〜約50質量%、より好ましくは約15〜約30質量%の量だけ存在している。ある実施形態において、ビリジフロロール又は他の好適な揮発保留剤が、約1〜約10質量%、好ましくは約3〜約6質量%の量だけ存在している。他の実施形態において、イソプレゴールが、約1〜約10質量%、好ましくは約3〜約6質量%の量だけ存在している。
【0029】
組成物は、ほぼメントールと同様の感覚をもたらすために選択されたもの以外に、1つ以上の清涼剤を含んでいてよい。清涼剤は、清涼剤として既知である任意の化合物又は組成物であってよい。用いることができる清涼剤の典型例としては、
(1)式(I)で表される化合物:
【化1】

式中、R及びRはそれぞれ水素原子又はヒドロキシル基を表し、
【化2】

は単結合又は二重結合を表し、同様の定義が以後も適用される。
(2)式(II)で表される化合物:
【化3】

式中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Rは、水素原子、低級アルキル基又は2−アルコキシエチル基を表す。
(3)式(III)で表される化合物:
【化4】

式中、nは1〜10の整数である。
(4)式(IV)で表される化合物:
【化5】

式中、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐鎖アルキル基又はアルケニル基、或いは直鎖若しくは分岐鎖ヒドロキシアルキル基を表す。
(5)式(V)で表される化合物:
【化6】

式中、R10及びR11は、ひとまとめにされる場合には、炭素数6以下のアルキレン基を表し、これらの基の反対側はアミド窒素に結合して窒素ヘテロ環を形成しており、これらの炭素原子鎖中には、酸素原子が場合によっては挿入されていてもよく、Rは、水素又はC1〜C5アルキルであり、R及びRは、それぞれC1〜C5アルキルであり、ただし、(i)R、R及びRは、全体で少なくとも5つの炭素原子、好ましくは5〜10個の炭素原子を有しており、(ii)Rが水素である場合、RはC2〜C5アルキルであり、RはC3〜C5アルキルであり、R及びRのうち少なくとも1つは、好ましくは式中の炭素原子に対しα又はβ位に分岐を有する。
【0030】
化合物が不斉炭素原子を有する場合、いずれの光学異性体も純粋な形態で用いることができるが、通常、光学異性体の混合物が用いられる。皮膚上で化合物がもたらす清涼感の程度が光学異性体間で異なる場合があるが、このような場合には、光学異性体のうち一方又は他方が好ましい場合もある。
【0031】
好ましい式Vのアミドは、R、R及びRがそれぞれC1〜C5アルキルである第三級化合物であり、特に、Rがメチル、エチル又はn−プロピルであり、R及びRの少なくとも一方が、炭素原子に対しα位又はβ位に分岐を有する分岐鎖基である化合物である。また、R10がHである一置換アミド、又はR10及びR11がメチル若しくはエチルである二置換アミドも好ましい。さらに好ましい化合物群は、Rが水素であり、R及びRの少なくとも一方が、炭素原子に対しα位に分岐を有する分岐鎖基である、上記の式のアミドからなる。R及びRは、それぞれC1〜C5アルキルである。
(6)1−メンチル酢酸N−エチルアミド、及び(6)N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)ブタンアミド。
【0032】
好適に用いられる清涼剤の具体例としては、メントール、イソプレゴール、3−(1−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(1−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−2,3−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メタノール、コハク酸モノメンチル及びそのアルカリ土類金属塩、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、和種ハッカ油、ペパーミント油、メントン、メントングリセロールケタール、乳酸メンチル、3−(1−メントキシ)エタン−1−オール、3−(1−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(1−メントキシ)ブタン−1−オール、1−メンチル酢酸N−エチルアミド、4−ヒドロキシペンタン酸1−メンチル、3−ヒドロキシ酪酸1−メンチル、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、WS−3、WS−12、WS−14、WS−23及びスペアミント油が挙げられる。
【0033】
好ましい清涼剤としては、例えば、3−(1−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(1−メントキシ)−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、3−(1−メントキシ)エタン−1−オール、3−(1−メントキシ)プロパン−1−オール、及び3−(1−メントキシ)ブタン−1−オールが挙げられる。さらに好ましいのは、3−(1−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール及び3−(1−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、WS−3、WS−12、WS−14及びWS−23である。
【0034】
ある実施形態において、メントールを含む組成物に特徴的な生理的感覚のうち1つ以上とほぼ同様の生理的感覚をもたらす清涼組成物が提供される。しかし、当該組成物はメントールを殆ど含んでいなくてもよく、同様の生理的感覚をもたらすのに必要とされるよりも大幅に少ない量のメントールを提供してもよい。さらに、当該組成物は、例えば、ペパーミント油等の中に天然に存在するメントールによってもたらされる、特徴的な「鼻への作用」、「芳香」、「清涼感」、及び「ミント様の風味」をもたらす少なくとも1種類の化合物を含んでいる。もたらされる生理的効果が、前述の天然に存在するメントールに特徴的な1つ以上の特性である限りにおいて、これらの結果を達成するために、種々の化合物を、種々の量で組み合わせて用いてよい。
【0035】
ある実施形態において、「鼻への作用」は、メントン、イソメントン、カンファー及びユーカリプトールのうち1つ以上によってもたらされる。ある実施形態において、「芳香」は、ユーカリプトール、カンファー、ボルネオール、フェンコン、メントン及びイソメントンのうち1つ以上によってもたらされる。ある実施形態において、「清涼効果」は、イソプレゴール、コハク酸モノメンチル及び乳酸メンチルのうち1つ以上によってもたらされる。ある実施形態において、「ミント様の風味」は、ボルネオール、フェンコン、メントン、イソメントン、ユーカリ、ユーカリプトール、安息香酸エチル、ネオメントール、d−フェンコン、酪酸フルフリリデン、ブチュ画分、セージ油、コーンミント油、ローズマリー、コハク酸モノメンチル、サリチル酸アミル、オイゲノール、フェランドレン、フランカルボン酸プロピル、3−ヒドロキシ酪酸エチル、吉草酸ヘキシル、プロピオン酸アニシル、酪酸アニシル、ジヒドロカルベオール、及びクラリセージのうち1つ以上によってもたらされる。 メントールに特徴的なそれぞれの特性をもたらす化合物は、それらによってもたらされる特性の所望の強度にしたがい、より多量又はより少量だけ存在していてよい。
【0036】
個々の化合物は、種々の質量%の量だけ存在していてよい。ある実施形態において、メントン及びイソメントンが、それぞれ約5〜約75質量%、好ましくは約10〜約50質量%、より好ましくは約15〜約25質量%の量だけ存在している。ある実施形態において、コハク酸モノメンチル及び乳酸メンチルが、それぞれ約5〜約75質量%、好ましくは約10〜約50質量%、より好ましくは約15〜約30質量%の量だけ存在している。ある実施形態において、ビリジフロロール又は他の好適な揮発保留剤が、約1〜約10質量%、好ましくは約3〜約6質量%の量だけ存在している。他の好適な揮発保留剤としては、ピペリトン、ビスアゾレン、セランメントン、ラクトン及びガスモンが挙げられるがこれらに限定されない。他の実施形態において、イソプレゴールが、約1〜約10質量%、好ましくは約3〜約6質量%の量だけ存在している。
【0037】
ある好ましい実施形態において、チューインガム又は菓子組成物中に含まれていてもよい清涼組成物は、約10〜25質量%の量のメントンと、約10〜25質量%の量のイソメントンと、約2.5〜15質量%の量のイソプレゴールと、約15〜25質量%の量のコハク酸モノメンチルと、約5〜30質量%の量の乳酸メンチルとを含んでいる。
【0038】
ある好ましい実施形態において、清涼組成物は、ユーカリプトールを、約1.0〜約2.0質量%の量だけさらに含んでいてもよい。ある好ましい実施形態において、清涼組成物は、カンファーを約1.0〜約2.0質量%の量だけさらに含んでいてもよい。
【0039】
ある好ましい実施形態において、清涼組成物は、ビリジフロロールを約2.0〜約10質量%の量だけさらに含んでいてもよい。さらに、ある好ましい実施形態において、清涼組成物は、WS−14を約5〜約25質量%の量だけさらに含んでいてもよい。
【0040】
ある好ましい実施形態において、チューインガム又は菓子組成物中に含まれていてもよい清涼組成物は、約10〜25質量%の量のメントンと、約10〜25質量%の量のイソメントンと、約2.5〜15質量%の量のイソプレゴールと、約15〜25質量%の量のコハク酸モノメンチルと、約5〜30質量%の量の乳酸メンチルと、約1.0〜2.0質量%の量のユーカリプトールと、約1.0〜2.0質量%の量のカンファーとを含んでいる。
【0041】
ある好ましい実施形態において、清涼組成物は、ビリジフロロールを約2.0〜約10質量%の量だけさらに含んでいてもよい。
【0042】
メントールの「鼻への作用」の特性の生理的感覚を増大させることが望ましい場合、メントン、イソメントン、カンファー及びユーカリプトールのうち1つ以上がより多量に存在する。メントールの「芳香」の特性の生理的感覚を増大させることが望ましい場合、ユーカリプトール、カンファー、ボルネオール、フェンコン、メントン及びイソメントンのうち1つ以上がより多量に存在する。メントールの「清涼効果」の特性の生理的感覚を増大させることが望ましい場合、イソプレゴール、コハク酸モノメンチル及び乳酸メンチルのうち1つ以上がより多量に存在する。メントールの「ミント様の風味」の特性の生理的感覚を増大させることが望ましい場合、メントン、イソメントン、ボルネオール、フェンコン、ユーカリ、ユーカリプトール、安息香酸エチル、ネオメントール、d−フェンコン、酪酸フルフリリデン、ブチュ画分、セージ油、コーンミント油、ローズマリー、コハク酸モノメンチル、サリチル酸アミル、オイゲノール、フェランドレン、フランカルボン酸プロピル、3−ヒドロキシ酪酸エチル、吉草酸ヘキシル、プロピオン酸アニシル、酪酸アニシル、ジヒドロカルベオール、及びクラリセージのうち1つ以上がより多量に存在する。
【0043】
メントールを、1つ以上の他の生理的清涼剤と共に用いることにより、望ましくない風味の特性を有しない最適な清涼感がもたらされる。生理的清涼剤を加えることにより、刺激的な風味が減少し又は消失した、予期しない高い香味のインパクトがもたらされる。さらに、メントールに特徴的な生理的感覚のうち1つをもたらす生理的清涼剤の量を変化させることにより、特徴的な生理的感覚の量を制御することが可能になる。
【0044】
ある実施形態において、清涼剤を含み、メントールを含む組成物とほぼ同様の生理的清涼感をもたらす清涼組成物を含むチューインガム又は菓子が提供される。しかし、チューインガム及び菓子はメントールを殆ど含んでおらず、或いは同様の生理的感覚をもたらすのに必要とされるよりも大幅に少ない量のメントールを提供する。
【0045】
チューインガム又は菓子は、例えば、ペパーミント油等の中に天然に存在するメントールによってもたらされる、特徴的な「鼻への作用」、「芳香」、「清涼感」、及び「ミント様の風味」の利点を有している。もたらされる生理的効果が、天然に存在するメントールとほぼ同様である限りにおいて、これらの結果を達成するために、種々の化合物を、種々の量で組み合わせて用いてよい。あるチューインガム又は菓子の実施形態において、「鼻への作用」は、メントン、イソメントン、カンファー及びユーカリプトールのうち1つ以上によってもたらされる。あるチューインガム又は菓子の実施形態において、「芳香」は、ユーカリプトール、カンファー、メントン及びイソメントンのうち1つ以上によってもたらされる。あるチューインガム又は菓子の実施形態において、「清涼効果」は、イソプレゴール、コハク酸モノメンチル及び乳酸メンチルのうち1つ以上によってもたらされる。あるチューインガム又は菓子の実施形態において、「ミント様の風味」は、メントン及びイソメントンのうち1つ以上によってもたらされる。メントールに特徴的なそれぞれの特性をもたらす化合物は、それらによってもたらされる特性の所望の強度にしたがい、より多量又はより少量だけ存在していてよい。
【0046】
チューインガム又は菓子の清涼組成物において、個々の化合物は、種々の質量%の量だけ存在していてよい。ある実施形態において、メントン及びイソメントンが、それぞれ約5〜約75質量%、好ましくは約10〜約50質量%、より好ましくは約15〜約25質量%の量だけ存在している。ある実施形態において、コハク酸モノメンチル及び乳酸メンチルが、それぞれ約5〜約75質量%、好ましくは約10〜約50質量%、より好ましくは約15〜約30質量%の量だけ存在している。ある実施形態において、ビリジフロロール又は他の好適な揮発保留剤が、約1〜約10質量%、好ましくは約3〜約6質量%の量だけ存在している。他の好適な揮発保留剤としては、ピペリトン、ビスアゾレン、セランメントン、ラクトン及びガスモンが挙げられるがこれらに限定されない。他の実施形態において、イソプレゴールが、約1〜約10質量%、好ましくは約3〜約6質量%の量だけ存在している。
【0047】
メントールの「鼻への作用」の特性の生理的感覚を増大させることが望ましい場合、メントン、イソメントン、カンファー及びユーカリプトールのうち1つ以上が、チューインガム又は菓子中により多量に存在する。メントールの「芳香」の特性の生理的感覚を増大させることが望ましい場合、ユーカリプトール、カンファー、ボルネオール、フェンコン、メントン及びイソメントンのうち1つ以上が、チューインガム又は菓子中により多量に存在する。メントールの「清涼効果」の特性の生理的感覚を増大させることが望ましい場合、イソプレゴール、コハク酸モノメンチル及び乳酸メンチルのうち1つ以上が、チューインガム又は菓子中により多量に存在する。メントールの「ミント様の風味」の特性の生理的感覚を増大させることが望ましい場合、チューインガム又は菓子において、メントン、イソメントン、ボルネオール、フェンコン、ユーカリ、ユーカリプトール、安息香酸エチル、ネオメントール、d−フェンコン、酪酸フルフリリデン、ブチュ画分、セージ油、コーンミント油、ローズマリー、コハク酸モノメンチル、サリチル酸アミル、オイゲノール、フェランドレン、フランカルボン酸プロピル、3−ヒドロキシ酪酸エチル、吉草酸ヘキシル、プロピオン酸アニシル、酪酸アニシル、ジヒドロカルベオール、及びクラリセージのうち1つ以上が、チューインガム又は菓子中により多量に存在する。
【0048】
本発明はさらに、メントールによってもたらされるのとほぼ同様の生理的感覚を、口腔及び喉等の皮膚又は粘膜に送達する方法が提供される。該方法は、メントールを含む組成物とほぼ同様の生理的感覚をもたらすが殆どメントールを含まない清涼組成物を投与する工程を含んでいる。投与量は、所望の生理的感覚の強さに応じ、かつ組成物を含む製品の性質に応じて変化させてよい。ある実施形態において、投与される清涼組成物は、チューインガム又は菓子中に存在している。
【0049】
上述のように、本発明は、メントールを含む組成物とほぼ同様の生理的感覚をもたらす清涼組成物を提供する。しかし、組成物はメントールを殆ど含んでおらず、或いは同様の生理的感覚をもたらすのに必要とされるよりも大幅に少ない量のメントールを提供する。
【0050】
また、本発明はまた、メントールを含み、又はメントールに特徴的な1つ以上の生理的感覚をもたらす新規な清涼香味組成物を提供する。ペパーミント油中に天然に存在するメントールは、「清涼感」をもたらす化合物であるが、メントールは、単独では味覚を変化させる傾向がある。本願明細書に記載の組成物は、メントールの量を減少させ、又はメントールを完全に消去させる。さらに、メントールに特徴的な特定の1つ以上の生理的感覚を付与するために、組み合わせでメントールとほぼ同様の生理的感覚をもたらす量の化合物を、種々の量で加えてもよい。
【0051】
メントールに特徴的な「鼻への作用」は、メントールが組成物中に3百万分率(ppm)以上、好ましくは5ppm以上、又はさらには10ppm以上存在している場合に達成されることが見出された。メントールに特徴的な「鼻への作用」を達成するためには、メントールに特徴的な「鼻への作用」をもたらすために十分な他の化合物の相当量は、約0.5ppm、好ましくは約1ppm、さらには2又は3ppmのメントン、約0.5ppm、好ましくは約1ppm、さらには2又は3ppmのイソメントン、約0.1ppm、好ましくは約0.2ppm、さらには0.3又は0.5ppmのユーカリプトール、及び約10ppm、好ましくは約20ppm、さらには30又は50ppmのカンファー(樟脳)である。これらの相対変換を用いて、当業者は、メントールの相対的な「鼻への作用」を達成するために、1つ以上の化合物を容易に置換することができる。
【0052】
メントールに特徴的な「清涼効果」は、メントールが組成物中に25百万分率(ppm)以上、好ましくは50ppm以上、又はさらには100ppm以上存在している場合に達成されることが見出された。メントールに特徴的な「清涼効果」を達成するためには、メントールに特徴的な「清涼効果」をもたらすために十分な他の化合物の相当量は、約50ppm、好ましくは約100ppm、さらには200又は300ppmの乳酸メンチル、約20ppm、好ましくは約40ppm、さらには50又は75ppmのコハク酸モノメンチル、約0.01ppm、及び好ましくは約0.1ppm、さらには0.3又は0.5ppmのイソプレゴールである。これらの相対変換を用いて、当業者は、メントールの相対的な「清涼効果」を達成するために、1つ以上の化合物を容易に置換することができる。
【0053】
特にメントールによってもたらされるのとほぼ同様の生理的感覚をもたらすある組成物は、約10〜約22質量%の量のメントン、約10〜約22質量%の量のイソメントン、約6〜約14質量%の量のイソプレゴール、約18〜約22質量%の量のコハク酸モノメンチル、約9〜約25質量%の量の乳酸メンチル、約9〜約19質量%の量のWS−14、及び約2〜約6質量%の量のビリジフロロールを含んでいる。場合によっては、WS−3が約10〜約22質量%の量だけ存在してもよく、グルタル酸メンチルが約12〜約14質量%の量だけ存在してもよく、ユーカリプトールが約1〜約2質量%の量だけ存在してもよく、カンファーが約1〜約2質量%の量だけ存在してもよく、メントールが約4〜約5質量%の量だけ存在してもよい。
【0054】
本発明は、好ましくは、着香料、食品、菓子、飲料、チューインガム、歯磨き剤、うがい薬、化粧品、局所投与用の塗布薬及びローション、並びに紙巻きタバコ等の、別途メントールを含んでいてもよい製品にも及び、このような製品は、メントールによってもたらされるのとほぼ同様の清涼感をもたらす組成物を含んでいる。メントールによってもたらされるのとほぼ同様の生理的感覚をもたらす組成物は、さらに他の香味料と共に用いてもよい。
【0055】
(清涼剤)生理的清涼剤は、任意の数の生理的清涼剤を包含する。しかし、本願明細書の文脈において、「生理的清涼剤」という用語には、メントールやメントン等の従来の香味料誘導体は含まれない。好ましい生理的清涼剤は、それ自体の感知可能な香味を有しておらず、単に清涼感をもたらす。
【0056】
清涼組成物に場合によっては追加される成分は、生理的清涼剤である。清涼剤の好適なレベルは、組成物の約0.001〜約70質量%、好ましくは約0.01〜約50質量%、より好ましくは0.05〜約15重要%であり、さらにより好ましくは、組成物の約0.10〜約5質量%である。
【0057】
一般に、組成物は、組成物が接触する皮膚又は粘膜の冷感受容体を刺激することにより、望ましい冷感を促進するために十分な量の活性な清涼剤を含んでいる。清涼感の程度及び長さは化合物毎に異なるので、それぞれの組成物に含まれる刺激剤の量は大幅に異なる。目安として、より活性の高い化合物を用い、1.0質量%の活性成分のエタノール溶液0.05mlを粘膜又は皮膚に投与すると、場合によっては数時間持続する顕著な清涼感が達成される。より活性の低い化合物については、例えば、活性成分が5.0質量%以上の、より高濃度の溶液を用いるだけで、顕著な清涼効果が達成される。このような皮膚試験はある程度主観的なものであり、同様の試験を受けた他の者よりもより強い、又はより弱い清涼感を感じる者もいる。
【0058】
清涼剤は周知であり、例えば、米国特許第4,032,661号、第4,070,449号、第4,033,994号、第4,296,093号、第4,296,255号、第4,230,688号、第4,034,109号、第4,020,153号、第4,136,163号、第5,266,592号、米国特許出願公開第2004/0067970号及び2005/0019455号、並びにJohn C.Leffingwellの著作で、http://www.leffingwell.comより入手可能である、「Cool without Menthol & Cooler than Menthol and Cooling Compounds as Insect Repellents」という表題の書籍に記載されており、これらの開示は参照により本願明細書に取り込まれる。生理的清涼剤の試験については、1976年10月13日に公開された英国特許出願公開第1,452,291号に記載されているが、便宜上、一部を以下に再掲する。好ましい生理的清涼剤は、それ自体の感知可能な香味を有しておらず、単に清涼感をもたらす。生理的清涼剤は、それ自体の感知可能な香味を有していないため、それらは、呼気の爽快感等の新たな独自の利点をもたらすために、他の種類の香味料と共に用いることができる。本組成物において用いることができる生理的清涼剤である具体的な化合物及び化合物の種類は、いくつかの米国特許公報及び外国特許公報に開示されている。これらのうちいくつかは、チューインガムにおける生理的清涼剤の使用を開示している。これらには、例えば、米国特許第5,451,404号(他の清涼剤(メントール又はカルボキサミド)と組み合わされたケタール、米国特許第5,372,824号(生理的清涼剤及び使用量を減少させたメントール)、米国特許第5,348,750号(メントンケタール)、米国特許第5,326,574号(スプレードライされた3−(1−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール)、米国特許第5,266,592号(メントングリセロールケタール)、米国特許第5,165,943号(生理的清涼剤とのシクロデキストリン錯体)、米国特許第5,009,893号(苦みを低減させるためにメントールを減少させたp−メンタンカルボキサミド)、米国特許第4,459,425号(3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール)、米国特許第4,296,093号(置換シクロヘキサンアミド)、米国特許第4,248,859号及び第4,318,900号(アルキル置換非環状カルボン酸、エステル又はアミド)、米国特許第4,157,384号及び第4,029,759号(種々の3−置換p−メンタン)、米国特許第4,081,480号(α−オキシ(オキソ)メルカプタンアルカン)、米国特許第4,070,449号(スルホキシド及びスルホン)、米国特許第4,060,091号、第4,190,643号及び第4,136,163号(置換p−メンタン−3−カルボキサミド)、米国特許第4,153,679号、第4,296,255号及び第4,230,688号(非環状カルボキサミド)、米国特許第4,034,109号(非環状スルホンアミド及びスルフィンアミド)、米国特許第4,033,994号(p−メンタン−3−カルボン酸塩)、米国特許第3,793,446号及び第3,644,613号(メントールのケトエステル)、米国特許第3,720,762号(メントール又はペパーミント油と共に用いられるスピラントール)、カナダ特許第2,101,790号(遊離の極性基を有するカルボン酸)、独国特許第2,608,226号(乳酸メンチル)、独国特許第2,433,165号(N−アセチルグリシンメチルエステル)、仏国特許第2,577,922号(3−ヒドロキシ酪酸L−メンチル)、特開平6−065023号公報(2−イソプロペニル−5−メチルシクロヘキサノール)、英国特許第1,502,680号(ビシクロ酸、エステル、アミド、及び置換メンタノール)、英国特許第1,476,351号(環状及び非環状アミド、尿素及びスルホンアミド)、英国特許第1,442,998号(トリアルキル置換シクロヘキサンカルボキサミド)、英国特許第1,421,744号及び第1,421,743号(新規アミド)、英国特許第1,411,786号(シクロヘキサンアミド)、英国特許第1,404,596号(非環状第二及び第三アルカノール)、国際公開第97/07771号(コハク酸モノメンチル及びカルボキサミド)、国際公開第96/28133号(化粧品用清涼組成物)、国際公開第96/17524号(N−置換p−メンタンカルボキサミド及びメントールを含む清涼組成物)、国際公開第94/010117号(シクロヘキサノール誘導体)、及び米国特許第3,639,569号(生理的清涼剤)が挙げられる。これらの開示が参照により本願明細書に取り込まれる米国特許第4,032,661号、第4,070,449号、第4,033,994号、第4,296,093号、第4,296,255号、第4,230,688号、第4,034,109号、第4,020,153号、第5,266,592号、米国特許出願公開第2004/0067970号及び2005/0019455号、並びにJohn C.Leffingwellの著作で、http://www.leffingwell.comより入手可能である、「Cool without Menthol & Cooler than Menthol and Cooling Compounds as Insect Repellents」という表題の書籍は、さらに他の例を示す。生理的清涼剤の試験については、1976年10月13日に公開された英国特許出願公開第1,452,291号に記載されているが、便宜上、一部を以下に再掲する。
【0059】
生理的清涼剤の具体例としては、例えば、置換p−メンタン置換p−メンタンカルボキサミド(N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド(FEMA3455))、非環状カルボキサミド、置換シクロヘキサンアミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、置換尿素及びスルホンアミド、並びに置換メントール(全てWilkinson Sword社製)、p−メンタンのヒドロキシメチル及びヒドロキシエチル誘導体(Lever Bros社製)、コハク酸モノメンチル及びそのアルカリ土類金属塩、2−メルカプトシクロデカノン(International Flavors and Fragrances社製)、2−イソプロパニル−5−メチルシクロヘキサノール(久光製薬製、以下「イソプレゴール」)、炭素数2〜6のヒドロキシカルボン酸、メントングリセロールケタール(FEMA3807、商品名FRESCOLAT(登録商標)タイプMGA)、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール(高砂香料製、FEMA3784、(以下「TCA」))、及び乳酸メチル(Haarmann&Reimer社製、FEMA3748、商品名FRESCOLAT(登録商標)タイプML)が挙げられる。
【0060】
さらに有用な生理的清涼剤としては、キシリトール、エリスリトール、デキストロース、ソルビトール、メンタン、メントン、ケタール、メントンケタール、グルタル酸モノメンチル、シクロヘキサンアミド、酢酸メンチル、サリチル酸メンチル、N,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)、N−エチルp−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)、イソプレゴール、3−(1−メントキシ)プロパン−1,2−ジオール、3−(1−メントキシ)−2−メトキシプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−2,3−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、6−イソプロピル−9−メチル−1,4−ジオキサスピロ[4,5]デカン−2−メタノール、トリメチルシクロヘキサノール、N−エチル−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサンカルボキサミド、和種ハッカ油、ペパーミント油、3−(1−メントキシ)エタン−1−オール、3−(1−メントキシ)プロパン−1−オール、3−(1−メントキシ)ブタン−1−オール、1−メンチル酢酸N−エチルアミド、4−ヒドロキシペンタン酸1−メンチル、3−ヒドロキシ酪酸1−メンチル、N,2,3−トリメチル−2−(1−メチルエチル)−ブタンアミド、n−エチル−t−2−c−6−ノナジエンアミド、N,N−ジメチルメンチルコハク酸アミド、置換p−メンタン、メントングリセロールケタール(FEMA3807、商品名FRESCOLAT(登録商標)タイプMGA)、WS−30、WS−14、ユーカリエキス(p−メンタ−3,8−ジオール)、メントール(その天然又は合成誘導体)、メントールPG炭酸エステル、メントールEG炭酸エステル、メントールグリセリルエーテル、N−tert−ブチルp−メンタン−3−カルボキサミド、p−メンタン−3−カルボン酸グリセロールエステル、メチル−2−イソプロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキサミド、及びメントールメチルエーテル、及び特にピロリドンカルボン酸メンチルが挙げられる。本願明細書に記載の清涼剤及び他の好適な清涼剤は、全てが参照により本願明細書に取り込まれる以下の米国特許にさらに記載されている:米国特許第4,230,688号、第4,032,661号、第4,459,425号、第4,136,163号、第5,266,592号、第6,627,233号。
【0061】
上に開示された任意の生理的清涼剤をチューインガムにおいて用いることができるが、いくつかの好ましい生理的清涼剤は、いずれもWilkinson Sword社に付与された米国特許第4,060,091号、第4,190,643号、及び第4,136,163号に開示されたもの等の置換p−メンタンカルボキサミド(PMC)、特にN−エチルp−メンタン−3−カルボキサミド(WS−3)、いずれもWilkinson Sword社に付与された米国特許第4,296,255号、第4,230,688号、及び第4,153,679号に開示されたもの等の非環状カルボキサミド(AC)、特に、N−2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド(WS−23)、メントングリセロールケタール(MGK)、乳酸メンチル(ML)、コハク酸モノメンチル(MS)、及び3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール(TCA)である。
【0062】
他の好ましい生理的清涼剤は、国際公開第97/006695号に開示されている。いくつかの例としては、メントール、ペパーミント油、N−置換p−メンタン−3−カルボキサミド、非環状第三及び第二カルボキサミド、3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、並びにこれらの混合物が挙げられる。最も有用であるいくつかのカルボキサミドは、1979年1月23日にWatsonらに付与された米国特許第4,136,163号、及び1980年10月28日にRowsellらに付与された米国特許第4,230,688号に記載されているものである米国特許第4,136,163号に記載のカルボキサミドは、N−置換p−メンタン−3−カルボキサミドである。Wilkinson Sword社より、WS−3として市販されているN−エチルp−メンタン−3−カルボキサミドが、本発明において好ましい。米国特許第4,230,688号のカルボキサミドは、特定の非環状第三及び第二カルボキサミドであり、そのうち、Wilkinson Sword社よりWS−23として市販されているトリメチルイソプロピルブタンアミドは、本発明において用いるために好適な清涼剤である。他のものとしては、WS−3、WS−14、WS−23等が挙げられる。
【0063】
以下の試験手順を、生理的清涼活性を有する化合物を同定するための手段として用いることができる。この試験は、純粋に生理的清涼剤活性を有する化合物を同定するための手段として意図されており、本発明の組成物、及び所定の方法により身体の所定の部位に適用した場合における、それら相互間の、又はメントールと比較した場合における化合物の異なる相対活性の表示を与えるために有用である。結果は、他の要因が関与する他の組成物及び身体の他の部位におけるこれらの化合物の活性の尺度である必要はない。例えば、清涼効果の開始その強さ及び持続時間における制御因子は、表皮又は粘膜への化合物の浸透度であり、これは人体の部位によって変化する。後述する試験手順は、化合物の経口投与を含んでいるため、本願明細書において説明する試験結果は、特に経口投与のための製品の調合において指標として有用であるが、このため、実際の製品の調合は、大部分が経験に基づいて行われる。勿論、例えば前腕の表面等の身体の他の部位における化合物の相対活性を評価するための同様の試験を考案することもでき、これは、局所用外用剤に用いるための化合物の選択において有用な指標となる。記載された試験手順は、統計的に行われることにも注目すべきである。これらの化合物に対する感受性は、化合物毎、及び身体の部位毎に異なるのみならず個人差もあるため、これが必要である。このような種類の試験は、有機及び無機化合物の味及び匂い等の官能特性の試験において広く用いられており、例えば、Kirk−Othmer:Encyclopedia of Chemical Technology、第2版、(1967年)14巻、336−344ページを参照されたい。
【0064】
以下の試験手順は、平均的な感受性を有する個人において検知可能な清涼感を生じるために必要な供試化合物の最小量を決定することを目的としており、この最小量は、特定の化合物に対するしきい値と呼ばれる。この試験は、1−メントールに対する平均的な感受性を有する6名の選択されたパネルに対して行われる。
【0065】
平均的な感受性を有するパネルを選択するために、以下の手順が用いられる。石油エーテル(沸点40〜60℃)溶液中の既知の量の1−メントールを5mm角のろ紙上に滴下し、その後溶媒を蒸発させる。観測者のパネルを登録し、含浸させた紙片を一定時間舌の上に載せ、清涼感の有無について報告するように依頼する。個々の含浸させた紙片上のl−メントールの量を、一片あたり0.25マイクログラムを上回る量から一片あたり0.25マイクログラム未満の量まで徐々に減少させるが、正確な範囲は重要ではない。2.0マイクログラムを含む紙片から始めて、2枚目の試験片は1.0マイクログラム、3枚目は0.5マイクログラムを含む等というように、直前の試験片の半分の含有量にするのが簡便である。個々の含有量について少なくとも10回舌の上で試験を行う。このようにして、1−メントールによって刺激された冷感受容体のしきい値がパネル毎に決定され、個々のパネルについてのしきい値は、10回以上の一連の試験において、試験回数の50%以上において清涼感が報告された1−メントールの量である。1−メントールに対するしきい値が0.1マイクログラム〜10マイクログラムの範囲内であり、しきい値の平均が0.25マイクログラムである6名のパネルのメンバーが選抜され、選抜されたパネルは、平均的な感受性を有する試験パネルであるとみなされる。
【0066】
清涼剤の活性を試験するために、1−メントールに対する平均的な感受性を有する6名のパネルのみを用いて上述の試験手順を繰り返し行う。個々の供試化合物に対する6名の選択されたパネルの個々のしきい値を決定し、平均を取る。選択されたパネルにおけるしきい値の平均が100マイクログラム以下、好ましくは50マイクログラム以下である化合物は、清涼活性を有するとみなされる。
【0067】
清涼組成物の残りの成分は、以下において詳述するように、水又はバルク甘味料等の好適な担体より構成される。
【0068】
清涼組成物を、口腔、皮膚、又は粘膜への送達を目的とする任意の製品において、清涼感をもたらすための成分として、及び本質的に清涼感である生理的効果をもたらすための成分として用いることができる。組成物が有用である製品としては、キャンディー、ドロップ、チューインガム、タブレット、チョコレート、ケーキ、クッキー、スナック菓子、パン、茶、コーヒー、ジュース、フルーツ飲料、果実酒、酪農飲料、炭酸飲料、アルコール飲料及び調味料等の食品及び飲料、並びにうがい薬、練り歯磨き、ネブライザー、飲料、薬用ドロップ、うがい薬、及びチュワブル錠等の口腔ケア製品が挙げられるがこれらに限定されない。
【0069】
清涼組成物を含むことができる製品のより包括的な範囲について以下に説明する。これらとしては、例えば、アルコール及び非アルコール飲料、菓子、チューインガム、口中香錠、アイスクリーム、ゼリー等の食用及び飲用組成物が挙げられる。さらに、これらとしては、アフターシェーブローション、ひげそり用石鹸、クリーム及びフォーム、化粧水、消臭剤及び制汗剤、「固形コロン」、化粧用石鹸、浴用オイル及び塩、シャンプー、ヘアオイル、天花粉、フェイスクリーム、ハンドクリーム、日焼けローション、メイク落としティッシュ、歯磨き剤、楊枝、うがい薬、ヘアトニック、点眼薬等の化粧品が挙げられる。さらに、製品の範囲は、防腐軟膏、パイル軟膏、塗布薬、ローション、充血除去剤、反射刺激剤、鎮咳剤、トローチ剤、制酸剤及び消化剤、経口鎮痛剤等の医薬にも及ぶ。また、葉巻、紙巻きタバコ、パイプタバコ、噛みタバコ、嗅ぎタバコ、タバコ用フィルター、特に紙巻きタバコ用のフィルターチップ等のタバコ組成物も含まれる。さらには、封筒、切手用の水溶性粘着剤組成物、粘着ラベル等の他の組成物も含まれる。
【0070】
食用及び飲用組成物は、食用の担体及び通常、香味料又は着色料と共に清涼組成物を含んでいる。通常、清涼組成物は、全組成物の0.1〜5質量%の量だけ存在している。飲料の調合においても同様の配慮がなされる。通常、清涼組成物の量は、全製品組成物の0.1〜2.5質量%の範囲内である。皮膚に清涼感を付与するため、化粧品に添加される清涼組成物の量は、通常、全製品組成物の0.1〜10質量%の範囲内である。医薬品は、通常、全組成物の0.01〜2.0質量%の清涼組成物を含んでいる。タバコ組成物は、わずか0.1mg程度の組成物を含んでいてよい。
【0071】
本願明細書に記載の清涼組成物以外に、これらの製品組成物は、用途に応じて他の添加物を含んでいてよい。例えば、食品衛生法によって認可されている添加物を、必要に応じて食品及び飲料に添加することができる。有用な添加物としては、糖、甘味料、無機塩、乳化剤、酸味料、香味料、色素、酸化防止剤、膨張剤、増粘剤、植物油、牛乳及び他の酪農製品が挙げられる。より詳細には、ベーカリー製品は、小麦粉(基材)、バター、ベーキングパウダー等の膨張剤、スクロース脂肪酸エステル等の乳化剤、砂糖等の糖、無機塩及び香味料を含んでいてもよい。チョコレートは、カカオマス(基材)、ココアバター、砂糖等の糖、牛乳及び乳化剤を含んでいてもよい。乳化ドレッシングは、サラダ油、水、酢、砂糖、増粘多糖類、及び甘味料を含んでいてもよい。チューインガムは、ガムベース、砂糖、グルコース及びスターチシロップ等の糖、並びに香味料を含んでいてもよい。キャンディーは、糖、クエン酸等の酸味料、甘味料、香味料及び色素を含んでいてもよい。オレンジ味のフルーツ飲料は、オレンジジュース、転化糖等の甘味料、クエン酸等の酸味料、ビタミンC等の酸化防止剤を含んでいてもよい。フルーツミルク飲料は、フルーツジュース、牛乳及び粉末スキムミルク等の酪農製品、砂糖等の糖、カルボキシメチルセルロース等の安定剤、クエン酸等の酸味料、及びパイナップル香料等の香味料を含んでいてもよい。
【0072】
具体的な実施形態において、チューインガムにおいて清涼組成物を用いることができる。いくつかのチューインガム組成物は、例えば、参照により本願明細書に取り込まれる米国特許第6,627,233号、第6,685,916号、及び第6,696,044号に記載されている。
【0073】
製品組成物において用いることができる添加剤としては、無機塩、無機酸化物、有機塩、増粘剤、湿潤剤、乳化剤、界面活性剤、保湿剤、色素添加物、香味料、及び必要ならば 、生薬、止血剤、循環刺激剤、抗炎症剤、収斂剤、抗菌剤及び/又は抗真菌剤、及び殺菌剤等の薬用成分が挙げられる。
【0074】
具体的な実施形態において、練り歯磨きは、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、及びピロリン酸カルシウム等の研磨剤、グリセリン、ソルビトール、及びプロピレングリコール等の湿潤剤、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、及びヒドロキシエチルセルロース等の粘着付与剤、ラウリル硫酸ナトリウム、N−アシルグルタミン酸及びスクロース脂肪酸エステル等の界面活性剤、サッカリンナトリウム、ステビオシド、及びキシリトール等の甘味料、並びにビタミンE、アズレン、クロロヒドロキシアラントイン酸アルミニウム、デキストラナーゼ、ヒノキチオール、塩化リゾチーム及びクロルヘキシジン等の薬用成分を含んでいてもよい。
【0075】
(チューインガム組成物)具体的な実施形態において、チューインガム及び菓子において清涼組成物が用いられる。チューインガム及び菓子の組成物は周知であり、例えば、参照により本願明細書に取り込まれる米国特許第6,685,916号、第6,627,233号、第6,685,916号、及び第6,696,044号に詳細に記載されており、そのうちのいくつかは本願明細書にまとめられている。
【0076】
本願明細書において用いられる場合、「チューインガム」は任意のガム組成物を包含することが意図されている。チューインガム組成物は、通常、1種類又は複数種類のガムベース、香味料及びバルク甘味料を含んでいる。チューインガム組成物はコーティングされていてもいなくてもよく、板状、スティック状、ペレット、ボール状等の形態を取ることができる。チューインガム組成物の種々の形態の調合は、成分の比率については変化してもよいが同一である。例えば、コーティングされたガム組成物は、軟化剤をより低い割合で含んでいてもよい。ペレット及びボール状のものは、小さなチューインガムのコアを有し、硬いシェルを形成するために砂糖の溶液又はシュガーレスの溶液のいずれかでコーティングされる。板状及びスティック状のものは、通常、チューインガムのコアよりも質感がより柔軟になるように調合される。有害な軟化効果を克服するために、ガムベース上に界面活性剤を有していてもよく、(通常用いられるよりも少量の軟化剤を用いた)より硬い質感を有する板状又はスティック状のガムに調製することが好ましい。
【0077】
清涼組成物は、チューインガム又は風船ガムのいずれに用いてもよい。センターフィルドガムは、清涼組成物を用いることができる他の標準的なガムの形態である。ガム部分は上述のものと同様の組成及び製造方法を有している。しかし、センターフィルは、通常、水溶液又はゲルであり、加工時にガムの中心に注入される。清涼組成物は、単独で、又は温感若しくは温熱組成物と共に、フィルの製造時にセンターフィル中にのみ、又はガム中に場合によっては加えることができる。好適な温感又は温熱組成物は、例えば、同時に継続している同一出願人による米国特許出願第11/201,370号(2005年8月10日出願)に記載されており、その内容は参照により本願明細書に取り込まれる。センターフィルドガムは、場合によってはコーティングされていてもよく、棒付きキャンディー等の種々の形態に調製することができる。
【0078】
本願明細書に記載の清涼組成物をコア及びコーティングの少なくとも一方に含む、コーティングされたガムを用いることが好ましい。
【0079】
チューインガム組成物は、ガムベース及び甘味料、軟化剤、香味料等の通常用いられる他のチューインガム組成物の成分の殆どを含んでいる。チューインガム組成物は、より少量のレシチン又はグリセリン等の柔軟剤を含んでいてもよく、軟化剤を省略してもよい。さらに、チューインガム組成物は、送達を促進するために、従来のチューインガム組成物よりも多量又は少量の糖アルコールを含んでいてもよい。
【0080】
チューインガム組成物の1つの態様によると、清涼組成物は、チューインガム組成物の製造時に、甘味料、香味料等と共に加えられる。
【0081】
他の態様において、ガムベースは、通常、エラストマー、弾性可塑剤、ロウ、脂質、油、乳化剤、充填剤、改質剤、エラストマー溶媒、可塑剤を含んでおり、清涼組成物を含んでいてもよい。ガムベースは、望ましい場合には、温感又は温熱組成物をさらに含んでいてもよい。エラストマーの含有量は、ベースの約5質量%〜95質量%、好ましくは10質量%〜70質量%、最も好ましくは15質量%〜45質量%である。エラストマーは、任意の公知の水に不溶なポリマーであってよく、チューインガム及び風船ガムに用いられるガムポリマーが挙げられる。ガムベースにおける好適なポリマーの具体例としては、天然及び合成エラストマーの両者が挙げられる。エラストマーの例としては、ポリイソブチレン、ポリブチレン、イソブチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル等の合成エラストマーが挙げられる。エラストマーには、天然ゴム等の天然エラストマーと共に、ジェルトン、レシカスピ、ペリロ、マッサランドババラタ、チクル、クラウンガム、ニスペロ、ロジディンハ、ニガーグッタ、ツヌー、グッタペルカソルバ、グッタケイ、グッタハンカン又はこれらの混合物等の天然ガムも含まれる。他のエラストマーは当業者に公知である。
【0082】
エラストマー可塑剤は、ガムベース中に用いた場合、完成したチューインガムの硬さを変化させる。エラストマー可塑剤は、通常、ガムベースの約75質量%以下、好ましくは5質量%〜45質量%、より好ましくは10質量%〜30質量%の量だけ存在する。エラストマー可塑剤の例としては、部分水素化ロジンのグリセロールエステル、トールオイルロジンのグリセロールエステル、部分水素化ロジンのペンタエリスリトールエステル、ロジン及び部分水素化ロジンのメチルエステル等の天然ロジンエステルが挙げられる。テルペン樹脂等の合成エラストマー可塑剤を、ガムベース組成物に用いてもよい。
【0083】
ロウとしては、ポリエチレン、蜜ロウ、カルナウバロウ等の合成又は天然に存在するロウが挙げられる。パラフィン等の石油ロウを用いてもよい。ガムベース中に存在する場合、用いられるロウは60℃未満、好ましくは約45℃〜約55℃の融点を有する。ロウは、ガムベースの30質量%以下の量だけ存在していてよい。しかし、ロウは、ガムベース中に、ガムベースの約6質量%〜約10質量%、好ましくは約7質量%〜約9.5質量%の量だけ存在していてよい。ロウは、完成したチューインガムの硬化を助け、香味の放出を促進し、製品の保管寿命を延長させる。
【0084】
ガム基材は、混和性のない成分を分散させて、単一の安定な系とするのを助けるために、乳化剤を含んでいてもよい。本発明に有用な乳化剤としては、モノステアリン酸グリセリル、レシチン、脂肪酸モノグリセリド、ジグリセリド、モノステアリン酸プロピレングリコールエステル等、及びこれらの混合物が挙げられる。乳化剤は、ガム基材の重量の約2質量%〜約15質量%、好ましくは、約7質量%〜約11質量%の量だけ用いてもよい。
【0085】
充填剤は、ガムベースの質感を変化させ、加工を容易にする。このような充填剤の例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム及びマグネシウム、粘土、アルミナ、タルク、酸化チタン、セルロース重合体、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。充填剤は、通常、1〜60質量%の量だけ存在する。好ましくは、用いられている場合、充填剤は、ガム基材の約15質量%〜約40質量%、望ましくは約20質量%〜約30質量%の量だけ存在する。
【0086】
ガム基材は、種々の望ましい質感及び粘稠性をもたらすために、可塑剤又は軟化剤を含んでいてもよい。ガムベースにおいて用いられる軟化剤の例としては、水素化及び部分水素化植物油、ココアバター、モノステアリン酸グリセロール、三酢酸グリセロール、ジグリセリド及びトリグリセリド、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸が挙げられる。可塑剤及び軟化剤は、通常、ガムベースにおいて、ガムベースの約20質量%以下の量だけ用いられる。ガム組成物中の軟化剤は、チューインガム組成物の全重量に対して約0.5質量%〜10質量%の量だけ存在している。
【0087】
ガムベースの含有量は、チューインガム組成物の約5質量%〜95質量%、好ましくは10質量%〜50質量%、最も好ましくは25質量%〜35質量%である。ガムベースの含有量が高い方が好ましい。
【0088】
有効量の着色料、酸化防止剤、保存料、香味料等の、通常用いられている種々の添加剤を、場合によってはガム基材中に含んでいてもよい。例えば、二酸化チタン、及びF.D.&C色素として知られている、食品、医薬品、及び化粧品用途に好適な他の色素を用いてもよい。ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、及びこれらの混合物等の酸化防止剤を含んでいてもよい。チューインガムの分野で当業者に公知の、通常用いられている他のチューインガム用添加剤を、ガム基材に用いてもよい。
【0089】
チューインガム組成物は、甘味料、可塑剤、軟化剤、乳化剤、ロウ、充填剤、増量剤(担体、膨張剤、バルク甘味料)、無機補助剤、香味料及び着色料、酸化防止剤、酸味料、増粘剤、薬用成分、その全文が参照により本願明細書に取り込まれる、本出願人による同時に継続中の米国特許出願第10/901,511号(2004年7月29日出願、発明の名称「Tooth Whitening Compositions and Delivery Systems Therefor」)に記載の再石灰化剤、抗菌剤及び歯のホワイトニング剤等の口腔ケア活性成分、並びにこれらの混合物からなる群より選択される通常の添加剤の所定量を含んでいてよい。これらの添加剤のうちいくつかは、2つ以上の目的に有用であってもよい。例えば、シュガーレスのガム組成物において、マルチトール又は他の糖アルコール等の甘味料は、増量剤としても作用してもよい。
【0090】
チューインガム組成物において用いるために好適な甘味料としては、天然及び人工甘味料の両者、並びに糖及びシュガーレスバルク甘味料の両者が挙げられる。バルク甘味料は、ガム組成物の約5〜約99質量%の量だけ存在していてよい。甘味料は、通常、チューインガム組成物の約20質量%〜80質量%、好ましくは約30質量%〜60質量%の量だけ存在する。シュガーレス甘味料としては、ソルビトール、キシリトール、水素化デンプン加水分解物、マルチトール等の糖アルコールが挙げられるがこれらに限定されず、存在していてもよい。スクラロース、アスパルテーム、ネオテーム、アセスルフェームの塩等の高甘味度甘味料は、通常最大約1.0質量%だけ存在する。
【0091】
好適な糖甘味料としては、スクロース(砂糖)、デキストロース、マルトース、デキストリン、キシロース、リボース、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース(レブロース)、転化糖、フルクトオリゴ糖シロップ、部分水素化デンプン、及び固形コーンシロップ、並びにこれらの混合物等の、単糖類、二糖類、及び多糖類が挙げられる。
【0092】
好適なシュガーレスバルク甘味料としては、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、ガラクチトール、マルチトール、水素化イソマルツロース(イソマルト)、ラクチトール、エリスリトール、水素化デンプン加水分解物、ステビア及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない糖アルコール(又はポリオール)が挙げられる。
【0093】
好適な水素化デンプン加水分解物としては、米国特許4,279,931号に開示されたもの、及びソルビトール、マルチトール、水素化二糖類、水素化高分子量多糖類、又はこれらの混合物を含む、種々の水素化グルコースシロップ及び/又は粉末が挙げられる。水素化デンプン加水分解物は、主に、コーンシロップの制御された触媒水素化によって調製される。得られる水素化デンプン加水分解物は、単糖類、二糖類、及び多糖類の混合物である。これらの種々の糖質の比により、種々の水素化デンプン加水分解物に種々の性質が付与される。フランスのRoquette Freres社製の市販の製品であるLYCASIN(登録商標)、米国デラウェア州ニューキャッスルのSPI Polyols社製の市販の製品であるHYSTAR(登録商標)等の、水素化デンプン加水分解物の混合物も有用である。
【0094】
ある実施形態において、高甘味度甘味料を用いてもよい。特定の甘味料に限定されない代表的なカテゴリー及び代表例としては、以下のものが挙げられる:
(a)ジヒドロカルコン、モネリン、ステビオシド、グリシルリジン、ジヒドロフラベノール、及びソルビトール、マニトール、マルチトール等の糖アルコール、及び米国特許第4,619,834号(開示は、参照により本願明細書に組み入れられる)に開示されたもの等のL−アミノジカルボン酸アミノアルケン酸エステルアミド、並びにこれらの混合物等の水溶性甘味料;
(b)可溶性サッカリン塩(サッカリンナトリウム塩又はカルシウム塩)、チクロ、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのナトリウム塩、アンモニウム塩、又はカルシウム塩、3,4−ジヒドロ−6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4−オン−2,2−ジオキシドのカリウム塩(アセスルフェームK)、遊離酸型のサッカリン、及びこれらの混合物等の水溶性人工甘味料;
(c)L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル(アスパルテーム)、及び米国特許第3,492,131号に記載の物質、L−α−アスパルチル−N−(2,2,4,4−テトラメチル−3−チエタニル)−D−アラニンアミド水和物(アリテーム)、N−[N−(3,3−ジメチルブチル)−L−α−アスパルチル]−L−フェニルアラニン 1−メチルエステル(ネオテーム)、L−アスパルチル−L−フェニルグリセリンのメチルエステル及びL−アスパルチル−L−2,5−ジヒドロフェニルグリシン、L−アスパルチル−2,5−ジヒドロ−L−フェニルアラニン、L−アスパルチル−L−(1−シクロヘキセン)−アラニン等のL−アスパラギン酸誘導体甘味料、及びこれらの混合物等の、ジペプチド系甘味料;
(d)例えば、スクラロースの商品名で知られているクロロデオキシスクロース又はクロロデオキシガラクトスクロースの誘導体等のクロロデオキシ糖誘導体等の、通常の砂糖(スクロース)の塩素化誘導体等の天然の水溶性甘味料から誘導される水溶性甘味料;クロロデオキシスクロース及びクロロデオキシガラクトスクロース誘導体の例としては、1−クロロ−1’−デオキシスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−α−D−フルクトフラノシド、又は4−クロロ−4−デオキシガラクトスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1−クロロ−1−デオキシ−β−D−フルクト−フラノシド、又は4,1’−ジクロロ−4,1’−ジデオキシガラクトスクロース、1’,6’−ジクロロ−1’,6’−ジデオキシスクロース、4−クロロ−4−デオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、又は4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース、4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクトピラノシル−6−クロロ−6−デオキシ−β−D−フルクトフラノシド、又は4,6,6’−トリクロロ−4,6,6’−トリデオキシガラクトスクロース、6,1’,6’−トリクロロ−6,1’,6’−トリデオキシスクロース、4,6−ジクロロ−4,6−ジデオキシ−α−D−ガラクト−ピラノシル−1,6−ジクロロ−1,6−ジデオキシ−β−D−フルクトフラノシド、又は4,6,1’,6’−テトラクロロ−4,6,1’,6’−テトラデオキシガラクト−スクロース、及び4,6,1’,6’−テトラデオキシ−スクロース、並びにこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されない;
(e)タウマッコスダニエリ(タウマチンI及びII)及びタリン等のタンパク質系甘味料;
(f)甘味料モナチン(2−ヒドロキシ−2−(インドール−3−イルメチル)−4−アミノグルタル酸)及びその誘導体;並びに
(g)甘味料羅漢果(Lo han guo)(「Lo han kuo」と呼ばれる場合もある)。
【0095】
高甘味度甘味料を、多くの周知の個別の物理的形状で用い、甘味の初期バースト及び/又は長期間にわたる甘味感を付与してよい。本願明細書に限定されないこのような物理的形状としては、スプレードライ体、粉体等の遊離体、ビーズ体、封入体、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0096】
香味料は、広範囲にわたって変化させることができるが、約0.1質量%〜10.0質量%、好ましくは約0.5質量%〜5.0質量%の量より選択することができる。チューインガム組成物において用いられる香味料は周知であり、柑橘油、ペパーミント油、スペアミント油、冬緑油、メントール、シナモン、ショウガ等が挙げられる。
【0097】
チューインガム組成物中に存在することができる他の物質としては、酸化防止剤(ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、β−カロテン、トコフェロール等)、着色料、香味料等が挙げられる。
【0098】
チューインガム製品は、当業者に公知の標準的な手法及び装置を用いて調製してよい。本願明細書に記載の実施形態において有用な装置は、チューインガムの製造分野において周知の混合及び加熱装置が挙げられ、したがって、特定の装置の選択は当業者にとって明白である。一般的なチューインガムの調製工程については、それぞれ、その全文が参照により本願明細書に取り込まれるHopkinsらに対して付与された米国特許第4,271,197号、Cherukuriらに対して付与された米国特許第4,352,822号、Cherukuriらに対して付与された米国特許第4,497,832号を参照されたい。
【0099】
パンコーティング及びスプレーコーティング等の、チューインガム組成物にコーティングを施すためのコーティング手法は周知である。好ましいのは、ハードキャンディー層を形成するために用いられる溶液によるコーティングである。砂糖及び糖アルコールのいずれも、この目的のために、高甘味度甘味料、着色料、香味料、結着剤及び他の通常の添加物と共に用いることができる。チューインガム組成物のコーティングをステイン除去剤と組み合わせる場合、ステイン除去剤の溶液を、或いは香味料と共に加える。
【0100】
甘味料は、コーティングシロップの約30質量%〜80質量%の量だけ存在していてよい。粘着性を向上させ又は促進するために、ステアリン酸マグネシウム等の結着剤を、コーティングシロップの約1質量%〜15質量%の量だけ加えてよい。場合によっては、少量の通常の添加剤が存在していてもよい。コーティングシロップにおいて用いるために好適な甘味料は、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、及びこれらの混合物並びにマルチトール、イソマルチトール、水素化デンプン加水分解物、及び水素化グルコースシロップ等の多価アルコールのようなシュガーレス甘味料を含んでいる。単糖類、二糖類、及び多糖類を含んでいてもよい。例えば、スクロース、フルクトース、グルコース、ガラクトース、及びマルトース等の糖質を甘味料として用いてもよい。コーティングシロップにおいて用いるために好適な他の甘味料としては、遊離のサッカリン酸、サッカリンの水溶性塩、チクロ塩、パラチニットジヒドロカルコン、グリチルリジン、L−アスパルチル−L−フェニルアラニンメチルエステル、アミノ酸系甘味料、タリン、ステビオシド、ジヒドロカルコン化合物、アセスルフェーム塩及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0101】
他の成分をコーティングシロップに少量添加してもよく、吸湿化合物、抗粘着性化合物、分散剤及びフィルム形成剤が挙げられる。コーティングシロップにおいて用いるのに好適な吸湿化合物としては、マンニトール又はリン酸二カルシウムが挙げられる。充填剤としても作用する有用な抗粘着性化合物の例としては、タルク、トリケイ酸マグネシウム、及び炭酸カルシウムが挙げられる。これらの成分は、シロップの約0.5質量%〜5質量%の量だけ存在していてよい。コーティングシロップにおいて用いることができる分散剤の例としては、酸化チタン、タルク又は上述の他の抗粘着性化合物が挙げられる。
【0102】
通常、コーティングシロップを加熱し、その一部をコア上に堆積させる。通常、所望の量又は厚さのコーティングを形成するためには、1回のコーティングシロップの堆積では不十分であり、コーティング毎に乾燥することが可能な層状のコーティングの重さ及び厚さを所望のレベルまで増大させるために、2回目、3回目又はそれ以上の回数のコーティングシロップによるコーティングの塗布が必要である。
【0103】
チューインガム組成物のいくつかの実施形態において、メントールとほぼ同様の生理的感覚をもたらす清涼組成物をコーティングに加える。これらは、好ましくはシロップのコーティング後に加えられる。チューインガム組成物の調製の詳細については、Skuse’s Complete Confectioner(第13版)(1957年)の41−71ページ、133−144ページ、及び255−262ページ等、並びにSugar Confectionery Manufacture(第2版)(1995年)、E.B.Jackson編、258−286ページに記載されており、その内容は参照により本願明細書に取り込まれる。
【0104】
(菓子組成物)
本願明細書の説明は、全体として、メントール単独の生理的効果とほぼ同様の生理的効果をもたらす個々の物質の清涼組成物を含む菓子製品にも及ぶ。本願明細書において用いられる場合、「菓子」という用語には、ヌガー、キャンディー、焼き菓子、ゼリー菓子、フォンダン、チュワブルキャンディー、グミキャンディー、薬用キャンディー、ハードキャンディー、ミント、トローチ、芳香錠、マイクロカプセル、及び凍結乾燥体を含む速溶性固形物(ケーキ、ウェハース、薄いフィルム及びタブレット)及び圧縮タブレットを含む速溶性固形物が挙げられるがこれらに限定されない。本願明細書において用いられる場合、「速溶性固形物」とは、口腔内において60秒以内、好ましくは15秒以内、さらに好ましくは5秒以内に溶解する固体剤形を意味する。薬用キャンディーには、香味を有する基材中に治療剤を含む円板状の固形物が含まれる。基材は、ハードシュガーキャンディー、グリセリンを含むゼラチン、及び成形するために適当な粘液質と組み合わせた砂糖であってよい。圧縮錠剤は、通常、1種類又は複数種類の充填剤(圧縮糖)、香味料及び潤滑剤を含んでいる。本願明細書において用いられる場合、「菓子」という用語は、チョコレート、ミルクチョコレート、ブラックチョコレート、ホワイトチョコレート及びこれらの組み合わせ等の脂質を基材とする菓子を含んでいてもよい。
【0105】
菓子組成物は、菓子の基材及び上述の清涼組成物のうち任意のものを含んでいてもよい。また、菓子組成物は、以下に詳述する種々の任意の添加剤を含んでいてもよい。消費時に、清涼組成物が菓子から放出され、メントールの生理的効果とほぼ同様の生理的効果をもたらす。
【0106】
菓子の基材は、糖及びシュガーレスバルク甘味料等、又はこれらの混合物等のバルク甘味料を含んでいてよい。バルク甘味料は、通常、組成物の約0.05〜約99質量%の量だけ存在している。
【0107】
着色料、酸化防止剤、保存料、甘味料等の、種々の従来の成分の有効量が、菓子に含まれていてもよい。所望の色を得るために、有効量の着色料を用いてよい。着色料は、組成物に対し約6質量%以内の顔料を含んでいてよい。例えば、二酸化チタンを、製品に対し約2質量%以内、好ましくは約1質量%以内の量だけ含んでいてよい。着色料としては、食品、医薬及び化粧品の用途に適した天然食品色素及び色素が挙げられる。これらの着色料は、F.D.&C色素及びレーキとして知られている。上述の用途に許容される物質は、好ましくは水溶性である。非限定的な典型例としては、F.D.&C.Blue No.2として知られている、5,5−インジゴチンジスルホン酸の二ナトリウム塩であるインジゴ系色素が挙げられる。同様に、F.D.&C.Green No.1として知られている色素は、トリフェニルメタン色素を含んでおり、4−[4−(N−エチル−p−スルホニウムベンジルアミノ)ジフェニルメチレン]−[1−(N−エチル−N−p−スルホニウムベンジル)−δ−2,5−シクロヘキサジエンイミン]のモノナトリウム塩である。全てのF.D.&C.着色料に関する詳細及び対応する化学構造については、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第5巻の857−884ページに記載されており、その記載は参照により本願明細書に組み入れられる。
【0108】
ある実施形態において、例えばハードキャンディーに係る実施形態等の食品の滑らかさを向上させるために、滑沢剤を添加してもよい。また、滑らかさは、消費時に口内が潤う感覚を増大させる特性でもある。好適な滑沢剤としては、油脂、油、アロエベラ、ペクチン及びこれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
【0109】
同様に、ある実施形態において、食品の縁は滑らかであってよい。このような実施形態において、食品は、矩形、円、又はダイアモンド形であってよいが、滑らかな食品を提供するために、縁は丸められている。食品に滑らかさを付与する他の方法は、製造工程において、食品組成物を鋳型に鋳込むことである。したがって、ある実施形態において、以下に詳述するように、食品は鋳型に鋳込まれる。
【0110】
ある実施形態において、菓子組成物は、羅漢果、ステビア、モナチン、及びこれらの組み合わせより選択される甘味料をさらに含んでいてもよい。
【0111】
当業者に公知の他の通常の添加剤を菓子組成物において用いてもよい。
【0112】
ある実施形態において、回分(バッチ)法により菓子組成物を製造してもよい。このような菓子組成物は、火炎調理器、調理用押出成形器、及び/又は真空調理器等の従来の装置を用いて調製してよい。ある実施形態において、(糖又はシュガーフリー)バルク甘味料と溶媒(水等)とを混合容器中でひとまとめにし、スラリーを形成させる。甘味料の結晶又は粒子を全て溶解させるために、スラリーを約70℃〜約120℃で加熱し、水溶液を形成させる。一旦溶解させた後、バッチを調理し、残留水分が約4%未満となるまで水を留去するため、加熱及び減圧される。バッチは、結晶相から非晶質又はガラス相に変化する。次いで、冷却した組成物に、香味料、食品用の酸組成物、及び場合によっては清涼剤を、着色料等の任意の他のあらゆる添加剤と共に、機械的な混合操作により、バッチ中で混合してよい。その後、半固体状又はプラスチック状の稠度にするため、バッチを約50℃〜10℃に冷却する。
【0113】
硬質の菓子の製造中において、成分を均一に混合するために必要な最適な混合は、材料を均一な分布を得るために必要な時間によって決定される。通常、4〜10分の混合時間が許容されることが見出されている。キャンディー塊が一旦適当に混練された後、加工可能な大きさに切り分け、又は正確な重量及び寸法を有する所望の形状に成形してよい。所望の最終製品の形状及びサイズに応じて、種々の成形手法を用いてよい。一旦所望の形状が形成されると、冷気を吹き付けて食品を均一に硬化させ、その後、ラッピング及び包装が行われる。
【0114】
或いは、薄膜蒸発機及び清涼組成物を含む成分を封入するための注入ポートを用いる種々の連続調理プロセスが公知であり、用いてもよい。
【0115】
ある実施形態において有用な装置は、菓子の製造の分野において周知の調理及び混合装置が挙げられ、したがって、特定の装置の選択は当業者にとって明白である。
【0116】
さらに、ある実施形態において、複数の領域を有する種々の菓子の形態を用いてもよい。これらの形態としては、液体のセンターフィル、粉末のセンターフィル、ハードコートされたもの、ソフトコートされたもの、積層状、層状、及びエンローブされたものが挙げられるがこれらに限定されない。ある実施形態において、清涼組成物は、製品の単一の領域に含まれていてもよく、複数の領域に含まれていてもよい。
【0117】
ミント等の圧縮タブレットの形態を取る菓子組成物は、一般に細かくふるった砂糖又は砂糖代替物、香味料(ペパーミント香料等)、アラビアガム等の膨張剤、及び場合によっては着色料を混合することにより製造することができる。香味料及び膨張剤を混合し、その後、砂糖又は砂糖代替物を、必要ならば着色料と共に徐々に加える。
【0118】
その後、所望のメッシュサイズ(例えば、12メッシュ)のふるいを通すことにより、製品を細粒化した後、通常55℃〜60℃で乾燥する。得られる粉末を大型のパンチを取り付けた打錠機に仕込み、得られるペレットを粉砕後圧縮する。
【0119】
高温加熱されるキャンディーは、通常、砂糖又は砂糖代替物、グルコース、水、香味料を含み、場合によっては着色料を含んでいる。砂糖を水に溶解し、次いでグルコースを加える。混合物を煮沸させる。得られる先に着色料を加えていてもよい液体を、油を塗った板の上に注ぎ、冷却する。その後、香味料を加え、混練すると、冷却された塊状物が得られる。最終的なハードキャンディーの形状を形成するために、得られる混合物を公知のドロップローラー装置に仕込む。
【0120】
ヌガー組成物は、通常、高温加熱されるキャンディー及びフラッペの2つの主成分を含んでいる。例えば、軽質のフォームを形成するために、卵アルブミン又はその代替品を水と混合し泡立てる。砂糖及びグルコースを水に加え、通常約130℃〜140℃で加熱し、得られる煮沸生成物を混合機中に注ぎ入れ、クリーム状になるまで撹拌する。撹拌したアルブミン及び香味料をクリーム状の生成物に加え、その後、混合物を激しく撹拌する。
【0121】
菓子組成物の調製の詳細については、Skuse’s Complete Confectioner(第13版)(1957年)の41−71ページ、133−144ページ、及び255−262ページ等、並びにSugar Confectionery Manufacture(第2版)(1995年)、E.B.Jackson編、129−168ページ、169−188ページ、189−216ページ、218−234ページ、及び236−258ページに記載されており、その内容は参照により本願明細書に取り込まれる。
【0122】
(軟質菓子組成物)
ある実施形態において、口腔に送達される製品は、種々の軟質菓子の形態を取ってよい。軟質菓子の形態としては、ヌガー、キャラメル、タフィー、グミ及びゼリーが挙げられるがこれらに限定されない。
【0123】
軟質菓子組成物は、菓子の基材及び上述の清涼組成物のうち任意のものを含んでいてもよく、少なくとも1種類の活性物質及び少なくとも1種類の清涼剤を含んでいてもよい。また、軟質菓子組成物は、菓子組成物について記載した上の項目において開示された任意のもの等の種々の任意の添加剤を含んでいてもよい。消費時に、活性成分及び清涼剤を含む組成物が軟質菓子から放出され、含まれる活性成分の知覚の増大をもたらす。
【0124】
例えば、ある実施形態において、活性物質は、糖甘味料、シュガーレスバルク甘味料、高甘味度甘味料、又はこれらの任意の組み合わせ等の少なくとも1種類の甘味料であってよい。通常、活性物質は、軟質菓子組成物の約0.0001質量%〜約75質量%の量だけ存在していてよい。高甘味度甘味料以外の活性成分を含む実施形態において、活性物質は、軟質菓子組成物の約25質量%〜約75質量%の量だけ存在していてよい。活性物質は、軟質菓子組成物の約0.01質量%〜約10質量%の量だけ存在していてよい。
【0125】
ある軟質菓子組成物はヌガー組成物を含んでおり、通常、高温加熱されるキャンディー及びフラッペの2つの主成分を含んでいる。例えば、軽質のフォームを形成するために、卵アルブミン又はその代替品を水と混合し泡立てる。砂糖及びグルコースを水に加え、通常約130℃〜140℃で加熱し、得られる煮沸生成物を混合機中に注ぎ入れ、クリーム状になるまで撹拌する。撹拌したアルブミン及び香味料をクリーム状の生成物に加え、その後、混合物を激しく混合する。
【0126】
ある実施形態において、キャラメル組成物は、糖(又は糖代替物)、コーンシロップ(又はポリオールシロップ)、部分水素化脂質、固形乳、水、バター、香味料、乳化剤、及び塩を含んでいてよい。キャラメルを製造するために、糖/糖代替物、コーンシロップ/ポリオールシロップ、及び水を混合し、加熱して溶解してよい。次いで、固形乳を塊状物に混合し、均一な混合物を形成させてよい。次いで、微量成分を低温で加熱しながら混合してよい。その後、加熱温度を上昇させ沸騰させてよい。十分な量の水が除去され、色/香味が付くと、塊状物を若干冷却し、最終製品を取り出し、加工/成形/包装の前に、温度に敏感な成分(いくつかの清涼剤等)を混合してもよい。
【0127】
ある実施形態において、タフィー組成物は、糖(又は糖代替物)、コーンシロップ(又はポリオールシロップ)、部分水素化脂質、水、香味料、乳化剤、及び塩を含んでいてよい。タフィーを調製するための方法は、キャラメルの製造方法と同様であり、場合によっては、所望の質感を得るために、最終的なタフィー塊を引っ張ってもよい。
【0128】
ある実施形態において、グミ(gummi、gummyとも綴られる)組成物は、コーンシロップ(又はポリオールシロップ)、ゼラチン(又は適当な水和コロイド)、香味料、色素を含んでいてよく、場合によっては酸を含んでいてよい。グミは、ゼラチン又は適当な水和コロイドを水和させ、糖/コーンシロップ(糖代替物/ポリオールシロップ)を加熱し、加熱しながら2つの成分を混合することにより調製してよい。ひとまとめにした混合物が最終温度又は適当な糖固形分のレベルに到達した後、香味料、色素等の成分を混合物中に加え、その後鋳型に鋳込んだ後、冷却、包装及び仕上げを行ってもよい。粘着性を減少させるために、ロウ又は油脂の塗布等の種々の表面仕上げを適用してもよい。
【0129】
第1の実施形態において、ゼリー組成物としては、デンプンを基材とするゼリー又はペクチンを基材とするゼリーが挙げられる。グミの場合と同様に、ゼリー製品は、水和コロイドを水和させ、水和させた混合物を調理したシロップ成分と混合させることによって製造してよい。その後、混合物を最終水分量となるまで加熱調理し、微量成分を加えてもよい。グミの場合と同様に、ゼリーキャンディーもデンプン鋳型等の鋳型に鋳込んでよい。グミの場合と同様に、油脂又はロウ等の表面仕上げを適用してよい。さらに、ゼリーキャンディーには、クリスタルシュガー、酸、ノンパレイユ等の乾式の表面仕上げを適用してもよい。
【0130】
さらに、ある実施形態において、複数の領域を有する種々の軟質菓子の形態を用いてもよい。これらの形態としては、液体のセンターフィル、粉末のセンターフィル、ハードコートされたもの、ソフトコートされたもの、積層状、層状、及びエンローブされたものが挙げられるがこれらに限定されない。ある実施形態において、清涼組成物は、製品の単一の領域に含まれていてもよく、複数の領域に含まれていてもよい。
【0131】
本発明の清涼剤及び方法について、比較例を考慮した実施例を参照しつつより詳細に説明するが、方法及び組成物は、それらに限定されないことが理解されなければならない。特記しない限り、パーセント値は全て質量パーセントである。
【0132】
(チョコレート菓子組成物)
ある実施形態において、口腔に送達される製品は、種々のチョコレート菓子の形態を取ってよい。チョコレート菓子としては、ミルクチョコレート、ブラックチョコレート、及び/又はホワイトチョコレートが挙げられる。ミルクチョコレートは、ココアリカー、カカオバター、及び/又は他の油脂、甘味料、乳化剤、香味料等の他のミルクチョコレートの成分と共に固形乳を含んでいてもよい。ある実施形態において、固形乳は、ミルクチョコレート組成物の5質量%から、ミルクチョコレート組成物の40質量%を超える量であってもよい。固形乳は、乾燥ミルクパウダー又は液体のミルクの形態であってよい。
【0133】
ブラックチョコレートは、ミルクチョコレートと同様の成分を含んでいてよいが、固形乳成分がわずかであるか、含んでいなくてもよい。ホワイトチョコレートは、油脂、甘味料、香味料、乳化剤等の成分を含んでいてよいが、ココアリカーを含んでいない。ホワイトチョコレートは、複合コーティングとも呼ばれる。
【0134】
チョコレートの成分を混合するために好適な方法は当業者に周知であり、例えば、食品用混合機、ミキサー等が挙げられる。
【実施例】
【0135】
(実施例1)メントールと同様の生理的効果をもたらす組成物メントールと同様の生理的効果をもたらす以下の組成物を調製した。個々の成分の相対量は、質量パーセントで表されている。
【0136】
表1A清涼組成物A
【表1】

【0137】
表1B
【表2】

【0138】
(実施例2)(感覚評価)以下の5つの組成物を、重量パーセントで示された量にしたがって調製し、得られた組成物によりもたらされる、メントール単独に対する感覚に対する評価において試験を行った。データは、説明した4つの特性に対する熟練したパネルの評価を示すものであり、メントールをスコア100の基準として用いて測定されたものである。回答者に、メントールとの同一性又はメントールによってもたらされる同様の生理的感覚に対する生理的感覚の同一性について、1が「メントールと似ていない」、100が「メントールとほぼ同一」である1〜100のスコアに基づいて評価するよう依頼した。結果を表2に示す。
【0139】
【表3】

表2特性スコアは、メントールを100とする相対値である。
【0140】
これらの結果は、メントールとほぼ同様の生理的効果、すなわち、ミント様の風味、芳香、鼻への作用及び清涼効果をもたらす種々の組成物を調製することができることを示している。さらに、清涼剤を単独で加えた場合に見られることがある初期の温熱感を防ぐように、このような清涼組成物を調合してもよい。明らかに、評価されたそれぞれの特性においてメントールとの所望の同一性を達成するために、それぞれの成分を変化させてよい。
【0141】
(実施例3)メントールとほぼ同様の生理的効果をもたらす香味料組成物以下の成分を、示された重量パーセントの量で混合してよい。清涼組成物は、製品組成物と遭遇する者の舌及び喉に、メントール単独によってもたらされるのとほぼ同様の生理的感覚をもたらす能力を示しうる。
表3 ガム組成物
【0142】
【表4】

【0143】
(実施例4)メントールとほぼ同様の生理的効果をもたらすチューインガム及び菓子組成物チューインガム及び菓子は、以下に示す成分のうちいくつかが、アメリカ合衆国政府によって勧告された量の範囲内で、以下の表5にppm値で示すFEMAの勧告する量を超えない量を有するように調製される。チューインガム及び菓子組成物は、組成物と遭遇する者の舌及び喉に、メントール単独によってもたらされるのとほぼ同様の生理的感覚をもたらす能力を示す。
【0144】
表5
【表5】

【0145】
上述の記載より、当業者は、組成物及び方法における種々の改変及び変更を想到することができる。特許請求の範囲に属するこのような改変は、全てそれらに含まれることが意図される。
【0146】
本願明細書において引用された、特許公報及び特許出願公開公報を含むがこれらに限定されない全ての刊行物は、それぞれの刊行物が具体的かつ個別に全て開示されているかのように参照により本願明細書に取り込まれることが示されているのと同様に、参照により本願明細書に取り込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メントン、イソメントン、カンファー及びユーカリプトールのうち1つ以上によってもたらされるメントールに固有の「鼻への作用」を提供する少なくとも1種の化合物と、
ユーカリプトール、カンファー、ボルネオール、フェンコン、メントン及びイソメントンのうち1つ以上によってもたらされるメントールに固有の「芳香」を提供する少なくとも1種の化合物と、
イソプレゴール、コハク酸モノメンチル及び乳酸メンチルのうち1つ以上によってもたらされるメントールに固有の「清涼効果」を提供する少なくとも1種の化合物と、
メントン、イソメントン、ボルネオール、フェンコン、ユーカリ、ユーカリプトール、安息香酸エチル、ネオメントール、d−フェンコン、酪酸フルフリリデン、ブチュ画分、セージ油、コーンミント油、ローズマリー、コハク酸モノメンチル、サリチル酸アミル、オイゲノール、フェランドレン、フランカルボン酸プロピル、3−ヒドロキシ酪酸エチル、吉草酸ヘキシル、プロピオン酸アニシル、酪酸アニシル、ジヒドロカルベオール、及びクラリセージのうち1つ以上によってもたらされるメントールに固有の「ミント様の風味」を提供する少なくとも1種の化合物と、
1.0〜10質量%の量の揮発保留剤とを含み、実質的にメントールを含まない組成物。
【請求項2】
メントン及びイソメントンが、15〜25質量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
コハク酸モノメンチル及び乳酸メンチルを、15〜30質量%含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記揮発保留剤は、ビリジフロロール又は他の揮発保留剤であり、その含有量は3〜6質量%である、請求項1から3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
イソプレゴールを、3〜6質量%含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
(1)式(I)で表される化合物:
【化1】

(式中、R2及びR3はそれぞれ水素原子又はヒドロキシル基を表し、
【化2】

は単結合又は二重結合を表し、同様の定義が以後も適用される。)
(2)式(II)で表される化合物:
【化3】

(式中、R4は、水素原子又はメチル基を表し、R5は、水素原子、低級アルキル基又は2−アルコキシエチル基を表す。)
(3)式(III)で表される化合物:
【化4】

(式中、式中、nは1〜10の整数である。)
(4)式(IV)で表される化合物:
【化5】

(式中、R6は、水素原子、直鎖若しくは分岐鎖アルキル基又はアルケニル基、或いは直鎖若しくは分岐鎖ヒドロキシアルキル基を表す。)、及び
(5)式(V)で表される化合物:
【化6】

(式中、R10及びR11は、ひとまとめにされる場合には、炭素数6以下のアルキレン基を表し、これらの基の反対側はアミド窒素に結合して窒素ヘテロ環を形成しており、これらの炭素原子鎖中には、酸素原子が場合によっては挿入されていてもよく、R7は、水素又はC1〜C5アルキルであり、R8及びR9は、それぞれC1〜C5アルキルであり、ただし、(i)R7、R8及びR9は、全体で少なくとも5つの炭素原子、好ましくは5〜10個の炭素原子を有しており、(ii)R7が水素である場合、R8はC2〜C5アルキルであり、R9はC3〜C5アルキルであり、R8及びR9のうち少なくとも1つは分岐を有する。)からなる群から選ばれる清涼剤を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物を含むチューインガム。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物を含む菓子。
【請求項9】
10〜25質量%の量のメントンと、10〜25質量%の量のイソメントンと、
2.5〜15質量%の量のイソプレゴールと、
15〜25質量%の量のコハク酸モノメンチルと、
5〜30質量%の量の乳酸メンチルと、
1.0〜10質量%の量の揮発保留剤とを含む、メントールを含む組成物とほぼ同様の生理的感覚をもたらす、実質的にメントールを含まない組成物。
【請求項10】
1.0〜2.0質量%の量のユーカリプトールと、1.0〜2.0質量%の量のカンファーとをさらに含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
さらに、ビリジフロロールを2.0〜10質量%含む、請求項10に記載の組成物。

【公開番号】特開2012−117074(P2012−117074A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−7872(P2012−7872)
【出願日】平成24年1月18日(2012.1.18)
【分割の表示】特願2008−547615(P2008−547615)の分割
【原出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(508351303)クラフト・フーズ・グローバル・ブランズ・エルエルシー (28)
【Fターム(参考)】