説明

メークアップ化粧料

【課題】 隠蔽力と肌の肌理が美しく見える効果とを有する化粧料を提供する。
【解決手段】 1)断面形状が井形である、異形断面を有する繊維と2)二酸化チタン複合粉体とを化粧料に含有させる。前記異形断面を有する繊維の長さは、100〜1000μmであることが好ましく、中空構造を有することが好ましく、赤に着色されているものであることが好ましく、ナイロン繊維であることが好ましい。前記二酸化チタン複合粉体は、二酸化チタンと、酸化亜鉛、無水珪酸、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムから選択される1種乃至は2種以上との複合体が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関する。更に詳細にはメークアップ化粧料に好適な化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メークアップ化粧料は、シミなどの皮膚の好ましくない部分を隠蔽し、見た印象が均一で美しく見えるように装う化粧料であった。この観点からは隠蔽性の高い粉体の開発が望まれ、微粒子二酸化チタンなどの素材が開発されてきた。その一方、かかる高隠蔽効果による、素肌感の喪失が次の開発すべき課題としてあげられ、半透明球状粉体によるソフトフォーカス技術が開発された。そして現在において、最大の課題となっていることには、生き生きとした表情感、若々しさの付与であり、この目的から、この様な効果を有する素材として長さ200〜500μmのナイロン繊維を含有する化粧料が開発されている。(例えば、特許文献1を参照)この様な技術により、確かに前記生き生きとした表情感、若々しさの付与が可能になったが、この技術においては、繊維を秩序立てて塗布する必要があり、その為のテクニックが必要であるという、欠点が存した。これは、かかる光学効果に方向性が存するため、かかる効果を奏するためにはその適切な方向に化粧料中の繊維をならべることが必要であるためである。即ち、塗布時に繊維の方向性を考慮せずに前記生き生きとした表情感、若々しさの付与が可能な化粧料の開発が望まれていた。更に、かかる繊維を含有する化粧料に於いては、前記繊維によってカバー力を発現できない為、二酸化チタンや酸化亜鉛などの隠蔽性粉体の含有を必須とするようになるが、この様な隠蔽性粉体の存在下では、繊維そのものの光学効果も隠蔽されやすく、繊維の含有効果が減じる場合が存した。即ち、隠蔽力と肌の肌理が美しく見える効果とを有する化粧料の開発が望まれていた。
【0003】
一方、繊維の形状において、その断面を任意の形に加工する技術は既に知られており、(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6を参照)既に市販のものが存する。しかしながら、かかる繊維において、断面形状が井形であって、長さが100〜1000μmものは存しないし、化粧料配合のためのものも存しない。又、化粧料に於いて、この様な形状の繊維を配合することにより、いかなる効果が得られるのかは皆目見当がついていなかったし、かかる繊維を化粧料に配合すべき根拠も存しなかった。更に、1)断面形状が井形であって、異形断面を有する繊維と2)二酸化チタン複合粉体とを含有する化粧料も知られていない。
【0004】
【特許文献1】特開2002−47120号公報
【特許文献2】特開平11−217725号公報
【特許文献3】特開平05−295615号公報
【特許文献4】特開平10−110324号公報
【特許文献5】特開2000−199122号公報
【特許文献6】特開平11−43820号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、隠蔽力と肌の肌理が美しく見える効果とを有する化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、この様な状況に鑑みて、隠蔽力と肌の肌理が美しく見える効果とを有する化粧料を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、1)断面形状が井形であって、異形断面を有する繊維と2)二酸化チタン複合粉体とを含有する化粧料がその様な特性を有していることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
(1)1)断面形状が井形である、異形断面を有する繊維と2)二酸化チタン複合粉体とを含有することを特徴とする、化粧料。
(2)前記異形断面を有する繊維の長さが、100〜1000μmであることを特徴とする、(1)に記載の化粧料。
(3)前記異形断面を有する繊維が、中空構造を有することを特徴とする、(1)又は(2)に記載の化粧料。
(4)前記異形断面を有する繊維が、赤に着色されているものであることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の化粧料。
(5)前記異形断面繊維が、ナイロン繊維であることを特徴とする、(1)〜(4)何れか1項に記載の化粧料。
(6)前記二酸化チタン複合粉体が、二酸化チタンと、酸化亜鉛、無水珪酸、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムから選択される1種乃至は2種以上との複合体であることを特徴とする、(1)〜(5)何れか1項に記載の化粧料。
(7)前記二酸化チタン複合粉体が、二酸化チタンを酸化亜鉛、無水珪酸、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムから選択される1種乃至は2種以上で被覆した粉体、乃至は、二酸化チタンと、酸化亜鉛、無水珪酸、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムから選択される1種乃至は2種以上とを焼結したものであることを特徴とする、(6)に記載の化粧料。
(8)前記二酸化チタン複合粉体が表面を処理されたものであることを特徴とする、(1)〜(7)何れか1項に記載の化粧料。
(9)前記異形断面繊維の含有量が、0.1〜10質量%であることを特徴とする、(1)〜(8)何れか1項に記載の化粧料。
(10)前記二酸化チタン複合粉体の含有量が1〜30質量%であることを特徴とする、(1)〜(9)何れか1項に記載の化粧料。
(11)メークアップ化粧料であることを特徴とする、(1)〜(10)何れか1項に記載の化粧料。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、隠蔽力と肌の肌理が美しく見える効果とを有する化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
<1>本発明の化粧料の必須成分である異形断面を有する繊維
本発明の化粧料は断面形状が井形である、異形断面を有する繊維を含有することを特徴とする。ここで、異形断面とは、通常の製法に従って、紡糸し繊維を製造した場合に於いては、その断面は円乃至は楕円になるが、かかる断面形状を意識的にこれ以外の形状に、再現性良くコントロール技術が存しており、かかる成果として、その断面が円乃至は楕円ではない、意識的な形状の繊維が存し、本発明ではそれらを総称して異形断面繊維と称する。この様な繊維の製造は常法に従って行えば良く、例えば、異形形状のノズルより、溶融状態で引き出し防止する方法、或いは異形ノズルより固化液中へ射出し防止する方法などが存する。本発明の必須成分である、異形断面を有する繊維は、これらの既知の方法に従って製造することが出来る。又、かかる繊維の異形断面に外接する形状としては、例えば、三角断面、四角断面、円形断面、楕円形断面などが好ましく例示できる。好ましい外接断面形状としては、円形断面乃至四角形断面が例示できる。更に、井形の中央の四角部分は、他の樹脂を充填して、中実構造とすることも出来るが、空間とし、中空構造とすることの方が好ましい。又、かかる異形断面を有する繊維の長さとしては100〜1000μmが好ましく、より好ましくは、300〜500μmであり、断面の面積は100〜1000μmが好ましく、200〜600μmがより好ましい。かかる繊維の素材としては、通常の繊維の分野で使用されているものであれば特段の限定無く使用することが出来、例えば、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等が好適に例示できる。特に好ましいものはナイロンである。ナイロンとしては6−ナイロンや6,6−ナイロンなどが好ましく例示できる。かかる異形断面繊維はその多くが既に市販されており、その色についても各種取りそろえられている。色としては、特段の限定はないが、赤色のものが特に好ましい。これは、赤色の場合に光学効果が特に著しいためである。かかる既に市販されている、異形断面繊維の好ましい例を挙げるならば、四角形外接断面の井形断面を有する中空ナイロン糸である、「マイクロアート」(ユニチカ株式会社製)等が例示でいる。本発明の化粧料では、かかる市販品を購入し、適切な長さに細切し、使用することが出来、この様なものを使用することが好ましい。特に好ましい繊維は、「マイクロアート」を100〜1000μmが好ましく、より好ましくは、300〜500μmに細切したものである。本発明の化粧料に於いては、かかる繊維を唯一種含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも出来る。又、この様な繊維は予めその表面をハイドロジェンメチルポリシロキサンやシランカップリング剤で処理しておくことも出来る。かかる処理は、繊維に対して1〜10質量%行うことが好ましい。本発明の化粧料に於ける、かかる繊維の好ましい含有量は、総量で、化粧料全量に対して、0.1〜10質量%であり、より好ましくは、1〜5質量%である。これは、少なすぎると生き生きとした表情感、若々しさの付与することが出来ない場合が存し、多すぎると、繊維の異物感が目立ってしまう場合が存するためである。
【0009】
本発明の化粧料の必須成分である、前記異形断面を有する繊維の効果は、後記実施例に示す如く、塗布部位に照射された光を、殆ど全方向に拡散・反射させ、光照射部位の明るさを確度依存性無く高める効果であり、かかる明るさの向上により、生き生きした表情感、若々しさの印象を高めることが出来る。
【0010】
<2>本発明の化粧料の必須成分である二酸化チタン複合粉体
本発明の化粧料は、必須成分として二酸化チタン複合粉体を含有することを特徴とする。本発明で言う二酸化チタン複合体とは、該複合体が複数の金属酸化物で構成されているものであって、且つ、該金属酸化物の少なくとも50質量%以上が二酸化チタンである様な複合体の総称であり、二酸化チタン以外の構成金属酸化物としては、化粧料で使用される金属酸化物であれば特段の限定無く用いることが出来るが、酸化亜鉛、無水珪酸、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムから選択される1種乃至は2種以上が特に好ましく例示できる。又、複合の仕方特段限定されないが、具体的には、中核に二酸化チタンを配し、その周囲に他の酸化物層を形成させる、被覆形態、二酸化チタンと他の金属酸化物を混合し焼結した形態である焼結形態、焼結形態の特殊形態である、二酸化チタンの結晶格子中に金属酸化物を挿入したドープ形態或いはこれらの複合形態などが例示できる。この様な二酸化チタン複合体には、既に市販されているものが存し、それを購入して利用することも出来る。この様な市販品としては、例えば、二酸化チタン70質量%と黄色酸化鉄30質量%とを焼結させた「イエローチタン」(三重顔料株式会社製)、二酸化チタン92質量%を無水珪酸4質量%とアルミナ4質量%で被覆した「酸化チタンJR800」(日本光研株式会社製)、酸化鉄、無水珪酸で修飾した「タイペークTTO−F1」、「タイペークTTO−F2」或いは「タイペークTTO−F6」(何れも石原産業株式会社製)などが好ましく例示できる。かかる二酸化チタン複合粉体は唯一種を含有させることも出来るし、二種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の化粧料に於けるかかる二酸化チタン複合粉体の好ましい含有量は、総量で、化粧料全量に対して、1〜30質量%であり、より好ましくは2〜25質量%である。これはこれらの成分が少なすぎると、隠蔽力を通常の二酸化チタン或いは酸化亜鉛に依存することになり、これらの隠蔽性粉体の含有量が多くなりすぎ、含有する異形断面繊維の光学効果を阻害する場合が存し、多すぎると、隠蔽力が頭打ちになり、含有する異形断面繊維の光学効果を阻害する場合が存するからである。
【0011】
<3>本発明の化粧料
本発明の化粧料は、前記異形断面を有する繊維と前記二酸化チタン複合粉体とを含有することを特徴とする。本発明の化粧料としては化粧料であれば、特段の限定無く適用することが出来るが、必須成分である異形断面を有する繊維の、塗布部位に照射された光を、殆ど全方向に拡散・反射させ、光照射部位の明るさを確度依存性無く高める効果、即ち、この様な効果による、かかる明るさの向上により、生き生きした表情感、若々しさの印象を高める効果を勘案すると、メークアップ化粧料に適用することが特に好ましい。メークアップ化粧料としては、顔全体に塗布する化粧料が好ましく、下地化粧料、ファンデーション又は白粉に適用することが特に好ましい。
【0012】
本発明の化粧料に於いては、前記必須成分である、異形断面を有する繊維、二酸化チタン複合粉体以外に、通常化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛等の二酸化チタン複合粉体に分類されない無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類などが好ましく例示できる。本発明の化粧料は、前記必須成分である異形断面を有する繊維と任意成分とを常法に従って処理することにより、製造することが出来る。
【0013】
以下に実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【0014】
<製造例1>
「マイクロアート」(赤)を400μmに細切し、本発明の化粧料用の繊維1を得た。
【0015】
以下に実施例をあげて、本発明についてさらに詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことはいうまでもない。
【実施例1】
【0016】
以下に示す処方に従って、本発明の化粧料であるファンデーション1を作成した。即ち、処方成分イをヘンシェルミキサーで混合した後、0.9mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、しかる後に、ロの成分を加えヘンシェルミキサーで混合し、更にヘンシェルミキサーで混合しながら、ハの成分を噴霧してコーティングを行い白粉を作成した。

シリコーン焼き付け処理「酸化チタンJR800」 20 質量部
シリコーン焼き付け黄酸化鉄 5 質量部
シリコーン焼き付けベンガラ 0.5質量部
シリコーン焼き付け群青 0.1質量部
セリサイト 30 質量部
マイカ 23.4質量部
シリカ 10 質量部

製造例1の繊維1 1 質量部

ジメチコン 5 質量部
オレイン酸オクチルドデシル 5 質量部
【0017】
<試験例1>
ファンデーション1、ファンデーション1のシリコーン焼き付け処理「酸化チタンJR800」をシリコーン焼き付け処理した通常の二酸化チタンに置換した比較例1、製造例1の繊維1を通常の円形断面のナイロン繊維を400μmに裁断したものに置換した比較例2を作成し、これらのそれぞれを、ドクターブレードを用いてプラスチック板上に10ミルの厚さで延展し、10倍の倍率の拡大鏡での視野での確認できた繊維の数を計数した。結果を表1に示す。これより、本発明の化粧料では、繊維が隠蔽性粉体で隠蔽されずその効果を発揮することが判る。
【0018】
【表1】

【0019】
<試験例2>
白色プラスチック板にB〜6Bの鉛筆で文字を書き、その上にドクターブレードで試験例1の3種の化粧料を10ミルの厚さで延展し、文字の読める最も硬い鉛筆の硬度を調べた。結果を表2に示す。これより本発明の化粧料は隠蔽力も維持していることが判る。
【0020】
【表2】

【実施例2】
【0021】
下記に示す処方に従って、ファンデーション2〜5を作成した。これを試験例1、試験例2と同様に評価した。結果を表3に示す。これより、何れの二酸化チタン複合粉体も使用可能であることが判る。

シリコーン焼き付け処理二酸化チタン複合粉体(詳細は表3) 20 質量部
シリコーン焼き付け黄酸化鉄 5 質量部
シリコーン焼き付けベンガラ 0.5質量部
シリコーン焼き付け群青 0.1質量部
セリサイト 30 質量部
マイカ 23.4質量部
シリカ 10 質量部

製造例1の繊維1 1 質量部

ジメチコン 5 質量部
オレイン酸オクチルドデシル 5 質量部
【0022】
【表3】

【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は仕上がりの美しい化粧料に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)断面形状が井形である、異形断面を有する繊維と2)二酸化チタン複合粉体とを含有することを特徴とする、化粧料。
【請求項2】
前記異形断面を有する繊維の長さが、100〜1000μmであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記異形断面を有する繊維が、中空構造を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
前記異形断面を有する繊維が、赤に着色されているものであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の化粧料。
【請求項5】
前記異形断面繊維が、ナイロン繊維であることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の化粧料。
【請求項6】
前記二酸化チタン複合粉体が、二酸化チタンと、酸化亜鉛、無水珪酸、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムから選択される1種乃至は2種以上との複合体であることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の化粧料。
【請求項7】
前記二酸化チタン複合粉体が、二酸化チタンを酸化亜鉛、無水珪酸、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムから選択される1種乃至は2種以上で被覆した粉体、乃至は、二酸化チタンと、酸化亜鉛、無水珪酸、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウムから選択される1種乃至は2種以上とを焼結したものであることを特徴とする、請求項6に記載の化粧料。
【請求項8】
前記二酸化チタン複合粉体が表面を処理されたものであることを特徴とする、請求項1〜7何れか1項に記載の化粧料。
【請求項9】
前記異形断面繊維の含有量が、0.1〜10質量%であることを特徴とする、請求項1〜8何れか1項に記載の化粧料。
【請求項10】
前記二酸化チタン複合粉体の含有量が1〜30質量%であることを特徴とする、請求項1〜9何れか1項に記載の化粧料。
【請求項11】
メークアップ化粧料であることを特徴とする、請求項1〜10何れか1項に記載の化粧料。

【公開番号】特開2006−52203(P2006−52203A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−93343(P2005−93343)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】