説明

メータ表示装置

【課題】広い表示スペースを必要とすることなく、対象となるアイコンを表示させ、しかもその視認性を向上させることができるメータ表示装置を提供する。
【解決手段】表示パネル11に表示される速度計30の文字盤31の中心部には、設定画面領域35が設けられる。この設定画面領域35には、サイクリックに表示される複数のアイコン40のうち、前画面としてミッションモードを設定可能なアイコン41、現在画面としてオートクルーズを設定可能なアイコン42、および後画面として車間設定が可能なアイコン43が並んで表示される。現在選択中であるアイコン42は、中央に配置され、前画面のアイコン41、後画面のアイコン43と比べて強調表示される。操作スイッチ19aが長押し操作されると、現在選択中のアイコンに対応する設定画面が表示され、各種の設定動作が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルにメータを表示するメータ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の速度計など、TFT液晶によりグラフィック表示を行うメータが知られている。図10は従来のメータ表示装置としての車両速度メータの外観を示す図である。この車両速度メータ111は、前面に表硝子111cが配置されたTFT液晶(TFT−LCD)111aを有する。
【0003】
TFT液晶111aの画面には、円形状の文字盤131に指針136を重ねた速度計130が表示される。この速度計130では、車両の速度を指示する指針136が文字盤131の中心を軸として旋回自在に表示される。また、速度計130の下部には、走行距離を表すODO/TRIPメータ138が表示される。
【0004】
また、従来のメータ表示装置として、運転手からの操作を受け付け可能なアイコンを表示する際、そのアイコンの絵柄を強調して、メータ内ディスプレイに表示することが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−243834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のメータ表示装置では、つぎのような課題があった。アイコンが表示された画面の一部を強調しても画面全体が煩雑となり、視認性が不十分であった。また、各種の設定を行うために、多くのアイコンを表示させるので、画面上に広い表示スペースを必要とした。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、広い表示スペースを必要とすることなく、対象となるアイコンを表示させることができ、しかも、その視認性を向上させることができるメータ表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係るメータ表示装置は、下記(1)〜(7)を特徴としている。
(1) 表示パネルにメータを表示するメータ表示装置であって、
前記メータの文字盤に画面領域を設定する領域設定手段と、
前記画面領域にアイコンを表示するアイコン表示手段と、
前記画面領域に表示されたアイコンの選択を受け付ける選択受付手段と、
を備えること。
(2) 上記(1)の構成のメータ表示装置であって、
前記文字盤には、その中心の周りを旋回自在な指針、および前記指針によって指示され、目盛りが刻まれたスケールが配置され、
前記領域設定手段は、前記文字盤の中心部に前記画面領域を設定すること。
(3) 上記(1)の構成のメータ表示装置であって、
前記アイコン表示手段は、前記画面領域に複数のアイコンを表示するとともに、前記複数のアイコンのうち、選択中のアイコンを他のアイコンに対して強調表示すること。
(4) 上記(3)の構成のメータ表示装置であって、
前記画面領域に表示された複数のアイコンのいずれかに前記選択中のアイコンを切り替えるアイコン切替手段を備えること。
(5) 上記(4)の構成のメータ表示装置であって、
前記アイコン表示手段は、前記選択中のアイコンを中央に配置し、前記他のアイコンを前記選択中のアイコンの両側に配置すること。
(6) 上記(5)の構成のメータ表示装置であって、
前記アイコン表示手段は、前記他のアイコンと比べ、前記選択中のアイコンを拡大表示するとともに、前記選択中のアイコンを表す線を濃く表示すること。
(7) 上記(1)の構成のメータ表示装置であって、
前記選択受付手段によって選択されたアイコンに対応する設定画面を前記表示パネルに表示する設定画面表示手段を備え、
前記設定画面表示手段によって前記表示パネルに表示された設定画面で動作が設定され、前記設定された動作を行うメータを表示すること。
【0009】
上記(1)〜(7)の構成のメータ表示装置によれば、メータの文字盤に画面領域を設定し、この画面領域にアイコンを表示し、この画面領域に表示されたアイコンの選択を受け付ける。これにより、広い表示スペースを必要とすることなく、対象となるアイコンを表示させることができ、しかも、その視認性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のメータ表示装置によれば、メータの文字盤に画面領域を設定し、この画面領域にアイコンを表示し、この画面領域に表示されたアイコンの選択を受け付ける。これにより、広い表示スペースを必要とすることなく、対象となるアイコンを表示させることができ、しかも、その視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施形態におけるメータ表示装置であるデジタルスピードメータ1の構成を示す図である。
【図2】図2は、表示パネル11の動作設定時の初期画面を示す図である。
【図3】図3は、設定画面領域35に表示される複数のアイコン40を示す図である。
【図4】図4は、ミッションモード設定画面71を示す図である。
【図5】図5は、オートクルーズ設定画面72を示す図である。
【図6】図6は、車間表示設定画面73を示す図である。
【図7】図7は、メータの動作設定手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、メータの動作設定手順に従って遷移する表示パネル11の画面を示す図である。
【図9】図9は、オートクルーズ設定手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、従来のメータ表示装置としての車両速度メータの外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態におけるメータ表示装置について図面を用いて説明する。本実施形態のメータ表示装置は、車両に搭載され、グラフィック表示を行うデジタルスピードメータに適用される。尚、本発明におけるメータとは、メータ表示装置により表示出力される、計器として視認可能な画像情報を指すものとする。
【0013】
図1は実施形態におけるメータ表示装置であるデジタルスピードメータ1の構成を示す図である。デジタルスピードメータ1は、車両に搭載されたメータパネルの一部である表示パネル11、グラフィックコントローラ13、CPU15、およびこのCPU15に接続される各種のI/Oインタフェース17、18、19を有する。
【0014】
表示パネル11は、グラフィック表示を行うTFT液晶(TFT−LCD)11a、および、見返し11bを挟んでTFT液晶11aの前面に配置された表硝子11cを有する(図2参照)。この表示パネル11は、水平同期信号に応じた電圧を印加するXドライバ21、および垂直同期信号に応じた電圧を印加するYドライバ23によって駆動される。
【0015】
グラフィックコントローラ13は、後述する速度計など各種の画像データが格納されるフレームメモリ13aを有し、このフレームメモリ13aに格納された画像データを表示パネル11に伝送する。また、グラフィックコントローラ13は、Xドライバ21に水平同期信号を出力し、Yドライバ23に垂直同期信号を出力する。また、グラフィックコントローラ13は、CPU15からの指示に従って、表示パネル11に、速度計30の画像を表示させる。
【0016】
CPU15には、EEPROM25が外付けされている。CPU15は、EEPROM25に格納された、後述するメータ表示動作プログラムを実行し、表示パネル11に表示される速度計等の画像データを生成し、グラフィックコントローラ13に伝送する。
【0017】
I/Oインタフェース17には、バッテリ51のプラス(+)端子に接続されたイグニッションスイッチ(IGN)52が接続され、イグニッションスイッチ52のON/OFFが入力される。I/Oインタフェース18には、車両の速度を検出する車速センサ53、前方車両との距離を測定する車間距離センサ54など各種センサが接続され、車両データとして、車両速度、エンジン回転数、車間距離等のデータが入力される。I/Oインタフェース19には、後述するメータ内の画像を切り替える2つの操作スイッチ19a、19bの他、複数のスイッチからなる操作スイッチ群19cが接続されている。
【0018】
また、CPU15には、バッテリ51に接続されたCPU電源27から電力が供給される。同様に、表示パネル11には、バッテリ51に接続されたLCD電源28から電力が供給される。LCD電源28は、TFT液晶11aの各電極に電圧を印加する。
【0019】
図2は表示パネル11の動作設定時の初期画面を示す図である。表示パネル11には、速度計30が表示される。この速度計30は文字盤31を有する。文字盤31には、円弧状のスケール32、このスケール32の内側に刻まれた目盛り33、各目盛り33の値を表す数値34、現在速度を指示する指針36、および積算走行距離や走行距離を表すODO/TRIPメータ38が配置される。
【0020】
また、文字盤31の中心部には、各種動作の設定を行う際に選択される複数のアイコン40が表示される設定画面領域35が設定されている。この設定画面領域35は、フレームメモリ13aに登録された画像を、CPU15からの指示に従って、グラフィックコントローラ13が表示させることにより設定される(領域設定手段)。この設定画面領域35に表示される画像の詳細については後述する。
【0021】
指針36は、文字盤31の中心の周りを旋回自在であり、車両の速度を指示する。目盛り33は、0km/h〜180km/hまでの範囲で20km/hごとに速度を区切っている。ODO/TRIPメータ38には、ODO(積算走行距離)およびTRIP(走行距離)が2段に表示される。
【0022】
図3は設定画面領域35に表示される複数のアイコン40を示す図である。本実施形態では、設定画面領域35には、複数のアイコン(3つのアイコン)が表示される。なお、3つに限らず、任意の数のアイコンを表示するようにしてもよい。
【0023】
図3(A)では、前画面としてミッションモードを設定可能なアイコン41、現在選択中の画面(現在画面)としてオートクルーズを設定可能なアイコン42、および後画面として車間設定が可能なアイコン43が並んで表示されている。
【0024】
このとき、現在選択中であるアイコン42は、中央に配置され、その両側に配置された前画面のアイコン41、後画面のアイコン43と比べて強調表示される。この強調表示では、アイコンが拡大表示され、アイコンの枠を含む線が実線で濃く表示される。
【0025】
例えば、操作スイッチ19aの短押しにより画面の移動が操作された場合、図3(B)に示すように、現在画面として、図中矢印a方向に、後画面であった車間設定が可能なアイコン43が画面の中央に移動する。そして、後画面としてファン設定画面44が新たに表示される。
【0026】
図4はミッションモード設定画面71を示す図である。このミッションモード設定画面71は、設定画面領域35に現在画面としてアイコン41が表示されている時、操作スイッチ19aが長押し操作されることにより、図4(A)に示すように、設定画面領域35内に表示される。
【0027】
本実施形態のデジタルスピードメータ1が搭載された車両では、トランスミッションのモードを、オートマチック(AT)モードあるいはマニュアル(MT)モードに切り替え可能である。
【0028】
ミッションモード設定画面71には、トランスミッションのモード設定であることを表すグラフィック画像71a、ATモードを表すインジケータ71b、およびMTモードを表すインジケータ71cが表示される。
【0029】
運転者が操作スイッチ群19cに含まれる切替スイッチを操作することにより、トランスミッションのモードは切り替わる。図4(A)に示すミッションモード設定画面71では、現在、ATモードを表すインジケータ71bが強調表示され、ATモードが選択された状態にある。一方、MTモードを表すインジケータ71cは破線表示となっている。
【0030】
トランスミッションのモードが選択され、ミッションモード設定画面71が終了すると、図4(B)に示すように、表示パネル11の文字盤31の所定の領域31aにトランスミッションのモード(ここでは、「AT」)が表示される。なお、トランスミッションのモードは、表示パネル11の文字盤31でなく、他のメータパネルの箇所に表示されてもよい。
【0031】
図5はオートクルーズ設定画面72を示す図である。オートクルーズ設定画面72は、設定画面領域35に現在画面としてアイコン42が表示されている時、操作スイッチ19aが長押し操作されることにより、図5(A)に示すように表示される。オートクルーズの設定は、図5(A)、(B)に示すように、設定画面領域35に留まらず、速度計30が表示された文字盤31全体を用いて行われる。また、オートクルーズ設定画面72でオートクルーズが設定されると、図5(C)に示すように、速度計30のスケール32にオートクルーズマーク63が表示される。
【0032】
オートクルーズ設定画面72では、図5(A)に示すように、速度位置マーク62がスケール32に沿って文字盤31の内側に表示される。運転者は、この速度位置マーク62をスケール32に沿って移動させる。速度位置マーク62の内側には、速度を表す数値64が表示される。ここでは、「52」、つまり52Km/hであることが表示される。
【0033】
操作スイッチ群19cに含まれる決定スイッチが押下された際、速度位置マーク62が指示する速度と同一の速度を示す位置にオートクルーズマーク63が表示される(図5(B)参照)。オートクルーズマーク63は、スケール32に対し、速度位置マーク62が表示されていた位置よりも外側に表示される。またこのとき、速度位置マーク62は、停止したことを示す破線で表示される。
【0034】
さらに、操作スイッチ19a、19bが同時押下され、オートクルーズの設定が完了すると、速度位置マーク62は消去され、オートクルーズマーク63だけが表示された状態となる(図5(C)参照)。
【0035】
図6は車間表示設定画面73を示す図である。車間表示設定画面73は、設定画面領域35に現在画面としてアイコン43が表示されている時、操作スイッチ19aが長押し操作されることにより、図6(A)に示すように、設定画面領域35内に表示される。
【0036】
図6(A)に示す車間表示設定画面73には、前後の車両のグラフィック画像73aとともに、車間表示が設定されていることを示すインジケータ73b、車間表示が設定されていないことを示すインジケータ73cが表示される。車間表示の設定は、操作スイッチ群19cに含まれる切替スイッチの操作によりON/OFFに切り替え可能である。さらには、喚起の対象となる車間距離は、操作スイッチ群19cに含まれる数値キーにより、車両速度に応じて設定可能である。
【0037】
車間設定が行われると、図6(B)に示すように、車間距離センサ54によって検出された前方車両との車間距離が、車両の速度に応じて設定された車間距離内に達した場合、設定画面領域35には、前方車両との接近を表す画像73dが表示される。また、設定画面領域35には、前方車両と自車両の画像73dの他、車間距離(例えば、10m)73eが表示される。
【0038】
上記構成を有するデジタルスピードメータ1の表示動作を示す。図7はメータの動作設定手順を示すフローチャートである。この動作プログラムは、前述したように、EEPROM25に格納され、CPU15によって周期的に実行される。図8はメータの動作設定手順に従って遷移する表示パネル11の画面を示す図である。この動作の開始前では、表示パネル11には、図8(A)に示すように、従来と同様の表示(図10参照)が行われている。
【0039】
まず、CPU15は、操作スイッチ19aが長押し操作され、I/Oインタフェース19を介して操作スイッチ19aの長いオン信号が入力されたか否かを判別する(ステップS1)。操作スイッチ19aの長いオン信号が入力されていない場合、CPU15は本動作を終了する。
【0040】
一方、操作スイッチ19aの長いオン信号が入力された場合、CPU15は、EEPROM25に登録されている初期画面表示データを取得し、グラフィックコントローラ13に伝送して表示パネル11に表示させる(ステップS2)。この初期画面では、図8(B)に示すように、文字盤31の中心部に設けられた設定画面領域35に、例えば図3(A)に示すアイコン41、42、43が表示される。このステップS2の処理はアイコン表示手段に相当する。
【0041】
CPU15は、操作スイッチ19aまたは19bが短押し操作され、I/Oインタフェース19を介して操作スイッチ19aまたは19bの短いオン信号が入力されたか否かを判別する(ステップS3)。操作スイッチ19aまたは19bの短いオン信号が入力されていない場合、CPU15はステップS5の処理に進む。
【0042】
一方、操作スイッチ19aまたは19bの短いオン信号が入力された場合、CPU15は、EEPROM25に登録されている移動画面表示データを取得し、グラフィックコントローラ13に伝送して表示パネル11に表示させる(ステップS4)。この移動画面では、図8(C)に示すように、文字盤31の中心部に設けられた設定画面領域35に、例えば図3(B)の矢印a方向に回転した画面が表示される。このステップS3でYESかつステップS4の処理はアイコン切替手段に相当する。
【0043】
ここでは、操作スイッチ19aが短押しされた場合、矢印a方向に画面が切り替わり、操作スイッチ19bが短押しされた場合、矢印b方向に画面が切り替わる。そして、後画面または前画面であったアイコンが現在画面として中央に配置され、強調表示される。
【0044】
CPU15は、操作スイッチ19aが長押し操作され、I/Oインタフェース19を介して操作スイッチ19aの長いオン信号が入力されたか否かを判別する(ステップS5)。このステップS5の処理は選択受付手段に相当する。操作スイッチ19aの長いオン信号が入力されていない場合、CPU15はステップS7の処理に進む。
【0045】
一方、操作スイッチ19aの長いオン信号が入力された場合、CPU15は、EEPROM25に登録されている次画面表示データを取得し、グラフィックコントローラ13に伝送して表示パネル11に表示させる(ステップS6)。この次画面として、図8(D)に示すように、選択されたアイコンに対応する設定画面が表示される。すなわち、前述した、図4(A)、図5(A)あるいは図6(A)に示す画像が表示される。このステップS6の処理は設定画面表示手段に相当する。
【0046】
この設定画面が表示されると、CPU15は、別ルーチンにより、具体的な内容の設定を行う。ここでは、その一例として、オートクルーズ設定を行う場合を示す。
【0047】
図9はオートクルーズ設定手順を示すフローチャートである。まず、CPU15は、EEPROM25を参照して、目標速度となる速度位置マーク62を表示する位置(初期表示位置)に関する情報を取得する(ステップS31)。
【0048】
CPU15は、図5(A)に示すように、ステップS31で取得した表示パネル11の初期表示位置に速度位置マーク62を出力する(ステップS32)。これと同時に、CPU15は、速度位置マーク62の内部に数値64を出力する。
【0049】
CPU15は、操作スイッチ群19cに含まれるプラススイッチおよびマイナススイッチの押下の状態を判別する(ステップS33)。判別の結果、プラススイッチ及びマイナススイッチのいずれもが押下されていない場合、即ち、スケール32上で速度位置マーク62を移動させることを要求する移動入力を受け付けていない場合、CPU15は、ステップS33に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0050】
一方、ステップS33でプラススイッチが押下されている場合、CPU15は、速度位置マーク62が指し示すべき速度を所定量だけ加算し、速度位置マーク62をこの量だけ移動した位置に出力する(ステップS34)。また、CPU15は、数値64が表示する速度をこの量だけ加算し、移動した位置に出力された速度位置マーク62内にその数値64を出力させる。
【0051】
一方、ステップS33でマイナススイッチが押下されている場合、CPU15は、ステップS34で速度位置マーク62が指し示すべき速度を所定量だけ減算し、速度位置マーク62をこの量だけ移動した位置に出力する。また、CPU15は、数値64が表示する速度をこの量だけ減算し、移動した位置に出力された速度位置マーク62内に数値64を出力させる。
【0052】
CPU15は、操作スイッチ群19cに含まれる決定スイッチの押下の状態を判別する(ステップS35)。判別の結果、決定スイッチが押下されていない場合、ステップS33に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0053】
一方、ステップS35で、決定スイッチが押下された場合、図5(B)に示すように、CPU15は、速度位置マーク62及び数値64の出力を停止する。そして、CPU15は、決定スイッチが押下された際に速度位置マーク62が指し示していた速度と同一の速度を指し示す位置にオートクルーズマーク63を出力する(ステップS36)。オートクルーズマーク63は、スケール32に対し、速度位置マーク62が出力されていた位置よりも外側に出力される。さらに、ステップS36では、CPU15は、速度位置マーク62を出力していた位置を、初期表示位置としてEEPROM25に記憶させる。
【0054】
そして、ステップS6の処理が行われた後、CPU15は、運転者によって操作スイッチ19a、19bが同時に押されたか否かを判別する(ステップS7)。所定時間が経過しても、操作スイッチ19a、19bの同時押下がない場合、CPU15はステップS5の処理に戻る。
【0055】
一方、操作スイッチ19a、19bが同時押下された場合、CPU15は、図8(D)に示す設定画面の表示を終了し(ステップS8)、本動作を終了する。この設定動作が終わると、表示パネル11は、図8(E)に示すような速度計30を表示する。すなわち、図4(B)、図5(C)もしくは図6(B)の表示が行われる。
【0056】
このように、本実施形態のメータ表示装置によれば、広い表示スペースを必要とすることなく、設定対象となる動作のアイコンを表示させることができ、しかも、その視認性を向上させることができる。従って、各種の動作の設定が容易になる。
【0057】
また、文字盤の中心部に設定画面領域を設定することで、視認し易い位置にありながら、今まで利用されていなかった箇所を有効に活用することができる。
【0058】
また、現在選択中のアイコンを強調表示することで、複数のアイコンが表示されていても、視認性が高まる。すなわち、選択中のアイコンを中央に配置することで分かり易くなり、また、現在選択中のアイコンを他のアイコンに比べて拡大表示したり、線を濃くすることで見やすくなる。
【0059】
また、現在選択中のアイコンが切り替えられるので、操作性が向上する。また、各設定画面で設定された動作を行うメータが表示されるので、メータの操作性が向上する。
【0060】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0061】
例えば、上記実施形態では、表示パネルに表示される速度計は、円形状の文字盤を有していたが、任意の多角形など他の形状の文字盤を有してもよい。
【0062】
また、設定画面領域は、文字盤の中心部であって、視認し易い位置にありながら今まで利用されていなかった箇所に設定されたが、その他の箇所、例えば、ODO/TRIPメータが表示される箇所に、代わりに設定されてもよい。また、設定画面領域は、円形にかぎらず、四角形、楕円形など任意の形状で設定されてもよい。
【0063】
また、操作スイッチ(SW)は一例であり、画面に設けられたタッチパネルでタッチ操作などの他の操作によって画面を遷移させるようにしてもよい。
【0064】
また、現在選択中の画面の強調表示は、拡大、線幅、濃さの他、色や形状を変更することにより行われてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、文字盤の中央領域(中心部)には、3つの選択可能なアイコンが表示されたか、3つに限らず、任意の数でもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、速度計としてデジタルスピードメータに適用された場合を示したが、これに限らず、各種のメータに適用することが可能である。
【0067】
また、上記実施形態では、表示パネルにTFT液晶が用いられたが、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、LED等が用いられてもよい。
【0068】
本発明は、表示パネルにメータを表示する際、広い表示スペースを必要とすることなく、対象となるアイコンを表示させることができ、しかも、その視認性を向上させることができ、有用である。
【符号の説明】
【0069】
1 デジタルスピードメータ
11 表示パネル
13 グラフィックコントローラ
13a フレームメモリ
15 CPU
17、18、19 I/Oインタフェース
19a、19b、19c 操作スイッチ(SW)
21 Xドライバ
23 Yドライバ
25 EEPROM
27 CPU電源
28 LCD電源
30 速度計
31 文字盤
32 スケール
33 目盛り
35 設定画面領域
36 指針
38 ODO/TRIPメータ
40、41、42、43、44 アイコン
51 バッテリ
52 イグニッションキー(IG)
53 車速センサ
54 車間距離センサ
62 速度位置マーク
63 オートクルーズマーク
71 ミッションモード設定画面
71a、73a グラフィック画像
71b、71c、73b、73c インジケータ
72 オートクルーズ設定画面
73 車間表示設定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルにメータを表示するメータ表示装置であって、
前記メータの文字盤に画面領域を設定する領域設定手段と、
前記画面領域にアイコンを表示するアイコン表示手段と、
前記画面領域に表示されたアイコンの選択を受け付ける選択受付手段と、
を備えることを特徴とするメータ表示装置。
【請求項2】
前記文字盤には、その中心の周りを旋回自在な指針、および前記指針によって指示され、目盛りが刻まれたスケールが配置され、
前記領域設定手段は、前記文字盤の中心部に前記画面領域を設定することを特徴とする請求項1記載のメータ表示装置。
【請求項3】
前記アイコン表示手段は、前記画面領域に複数のアイコンを表示するとともに、前記複数のアイコンのうち、選択中のアイコンを他のアイコンに対して強調表示することを特徴とする請求項1記載のメータ表示装置。
【請求項4】
前記アイコン表示手段は、前記選択中のアイコンを中央に配置し、前記他のアイコンを前記選択中のアイコンの両側に配置することを特徴とする請求項3記載のメータ表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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