説明

メール受信応答電話処理装置

【課題】メールがきた時、ハンズフリーセットで直ちに対応することができ、また、ハンズフリーセットがない時でも、電話ができる場所を直ちに探し出し、案内することができる「メール受信応答電話処理装置」とする。
【解決手段】メール受信手段でメールを受信した時、メールの相手先電話番号を検出し、ハンズフリーセットを接続しているか否かを判別し、ハンズフリーセットを接続していると判別した時には、直ちにハンズフリーセットにより、前記電話番号に電話をかける。また、ハンズフリーセットを接続していない時には、近くの駐車場を検出し、案内を行う。また、誘導経路に沿って走行している時には、誘導経路上の近くの駐車場を検出する。また、着信メールの読み上げ手段を備えると共に、緊急性の検出を行う。また、ハンズフリーセットは、ナビゲーション装置に備えているものでも良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両運転中にメールが来た際に、そのメールが緊急性がある時、その相手先に電話することができるようにした、メール受信応答電話処理装置に関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話の普及により、多くに人が常に携帯電話を所持しているが、車両の運転者は前方を注視していなければならず、車両運転中に電話がかかってくると、でることができない。そのため、電話をかける方も相手が現在運転中であるとわかっている場合には、メールにより連絡を取ることが行われている。即ち、メールによると文章を見るだけで良いので、運転者でも前方に注意しながら見ることができる。
【0003】
また、近年は車両運転中でも電話ができるように、ハンズフリーセットを用い、携帯電話を自由に車内で利用できるようになっている。このようなハンズフリーセットによると、電話を自由にかけられ、またかかってきた電話にでることができる。このハンズフリーセットをナビゲーション装置等に接続し、音声を車両のスピーカから聴くこともできるようになっている。この時、携帯電話をナビゲーション装置に接続し、ナビゲーション装置がもっているハンズフリーセットの機能により、運転者近くのマイクから音声を取り込み、車両のスピーカから音声を出力することもできるようになっている。
【0004】
一方、携帯電話をナビゲーション装置等に接続し、ナビゲーション装置がもっている電話接続機能により、メールが着信した時にメールを表示することができるようにもなっている。この機能によると携帯電話をナビゲション装置に接続していると、メールが来た時には、現在ナビゲーション装置の画面を表示している時でも、そのナビゲーションの画面を小画面にして、メールを残りの画面に表示し、携帯電話を見ることなく大型のモニタ画面で見ることができる。
【0005】
近年はこのようなメールをモニタ画面に表示し、このメールを読み上げるソフトにより、着信したメールを読み上げることが行われている。この機能によると、メールを読み上げる時、メールのテキスト文を理解し、音声により違和感のない通常の態様で読み上げることができる。
【0006】
なお、無線通信にて携帯電話から送信された電話帳データを記憶しておき、携帯電話が電子メールを受信したとき、記憶された電話帳データに基づいて電子メールの受信通知を制限する技術は特許文献1に開示されている。
【0007】
また、ラジオ局からの災害情報を受信すると、車載装置は災害情報から緊急に避難する必要があるかを判定し、緊急に避難する必要があると判定した場合、現在位置と、検索した避難場所とを含む地図データを携帯電話に送信する。続いて、現在位置から検索した駐車場所まで車両の経路案内を行い、駐車場所と検索した避難場所とをつなぐ徒歩経路を携帯電話に送信する技術は特許文献2に開示されている。
【0008】
また、同乗者の緊急状態を入力する緊急状態入力手段の入力に応じて前記地図データ記憶手段から現在位置周辺の病院施設を探索し、探索された病院施設を表示すると共に病院施設までの経路を案内する技術は特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−027403
【特許文献1】特開2009−175033
【特許文献1】特開2010−145324
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記のように各種の機能を備えたナビゲーション装置に於いて、メールがかかってきた時にそのメールが緊急性の高いメールであった場合、電話をする必要がある。しかしながら、通常の車両では、車両の運転中に電話をすることができず、車両を一時停止することができる場所まで移動して、そこで停止し、電話をかけるしかないため、車両を一時停止る場所を探さなければならず、これをナビゲーション装置で探すには、不便であった。
【0011】
したがって、本発明は、メールがかかってきた時、ハンズフリーセットで直ちに対応することができ、また、ハンズフリーセットがない時でも、電話ができる場所を直ちに探し出し、そこに停車して電話ができるようにしたメール受信応答電話処理装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るメール受信応答電話処理装置は、前記課題を解決するため、メール受信手段でメールを受信した時、メールの相手先電話番号を検出する電話番号検出手段と、ハンズフリーセットを接続しているか否かを判別するハンズフリーセット接続判別手段とを備え、前記ハンズフリーセット接続判別手段で、ハンズフリーセットを接続していると判別した時には、ハンズフリーセットにより、前記電話番号検出手段で検出した電話番号に電話をかけることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る他のメール受信応答電話処理装置は、前記メール受信応答電話処理装置において、前記ハンズフリーセットを接続していない時には、近くの駐車場を検出し、案内を行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る他のメール受信応答電話処理装置は、前記メール受信応答電話処理装置において、前記近くの駐車場は、誘導経路に沿って走行している時には、誘導経路上の近くの駐車場を検出し、案内を行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る他のメール受信応答電話処理装置は、前記メール受信応答電話処理装置において、着信メールの読み上げ手段を備え、前記読み上げ手段では緊急性の検出を行い、緊急のメールに対して電話をかけることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る他のメール受信応答電話処理装置は、前記メール受信応答電話処理装置において、前記ハンズフリーセットは、ナビゲーション装置に備えているものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上記のように構成したので、メールがかかってきた時、ハンズフリーセットで直ちに対応することができ、また、ハンズフリーセットがない時でも、電話ができる場所を直ちに探し出し、そこに案内をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例の機能ブロック図である。
【図2】同実施例の作動フロー図である。
【図3】同実施例の作動状態を示す図である。
【図4】同実施例の他の作動状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0019】
本発明の実施例を図面に沿って説明する。図1は本発明におけるメール受信応答電話処理の実施例の機能ブロック図であり、本発明を各種の態様で実施することができるようにした機能ブロック図を示している。なお、同図において、各機能を行う機能部は、それぞれ各機能を行う手段ということができる。
【0020】
図1に示す例においては、携帯電話1をナビゲーション装置2に携帯電話接続部10で接続した例を示しているが、これはナビゲーション装置のみでなく、ヘッドユニット等でも良い。また、この携帯電話接続部10にはメール受信部3を接続しており、携帯電話にかかってきたメールを表示することができる。また、このナビゲーション装置にはメール読み上げソフト4を備え、メール受信部3で受信したメールを読み上げることができる。
【0021】
また、この読み上げソフトには緊急性判別部5を備え、読み上げたメールに、「至急」「緊急」「急ぎ」等の文字が入っているか否かを判別し、入っている時には折り返し電話をする必要があると、判別する。
【0022】
図1に示す例においては電話番号検出部6を備え、メール相手先の電話番号を、電話帳機能部等の、メール・電話番号対応表等の既登録7から検出する。また、場合によりメールの中に電話番号が記入している時には、メール内8から相手先の電話番号を検出することができ、そのほか別途メモ帳等のその他9から検出することができる。
【0023】
誘導経路設定部11では、メールを受信した時ハンズフリーセット等を接続していない時等において、近くに電話をするような場所がないかを近接通話場所検出部12で検出する。このような近接通話場所としては、近くのコンビニ等の駐車場を設定することができる。また、現在誘導経路に沿って走行している時には、誘導経路上検出部13で誘導経路に沿った、近接した場所を探す。また、高速道路を走行している時には近くのサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等に設定する。
【0024】
誘導経路案内部14は、上記のように設定された近くの電話をする場所に案内する。その際には新たな経由地、或いは目的地として設定し、そこに誘導する。ハンズフリーセット15は、このナビゲーション装置に接続する場合と、このナビゲーション装置の一機能として内蔵している場合が存在する。いずれにしても、このハンズフリーセットが存在する時には、運転しながら電話をすることができる。
【0025】
上記のような機能ブロックからなる本発明においては、図2に示すような作動フローにより、種々の形態で実施することができる。即ち。図2に示すメール受信応答処理の例においては、最初メールの受信から開始している(ステップS1)。
【0026】
即ち、本発明の実施例においては、ナビゲーション装置にメール受信部4を備えた例を示している。但し、本発明においては必ずしもナビゲーション装置等にメール受信部を備えなくても良く、単にメールを受信するのみでよい。
【0027】
その後、メール読み上げソフトはあるか否かを判別している(ステップS2)。ここでメール読み上げソフトはあると判別した時にはメール読み上げソフトを起動し(ステップS3)、読み上げを開始する。また、読み上げソフトがない時にはステップS3でメール読み上げソフトで読み上げた時と共にステップS4に進み、緊急性はあるか否かを判別する。
【0028】
ここでは前記読み上げソフトにより読み上げた時には、読み上げソフトの一機能として緊急性があるか否かを検出し、「至急」「緊急」「急ぎ」等の文字が入っている時には、緊急性があると判別する。それに対して、このような文字がない時には緊急性はないと判別し、以降はこのメールに応答しないこととする(ステップS11)。この判別は図1の読み上げソフト5における緊急性判別部6で行っている。
【0029】
一方、ステップS2でメール読み上げソフトが無いと判別し、このステップS4に進んだ時には、利用者がメールの内容を理解し、緊急性があるか否かを判断する。その結果緊急性がないと判断した時には、そのメールに応答しないと判別することは、先のメール読み上げソフトで、応答しないと判別する時と同じである。
【0030】
それに対して、メール読み上げソフトによって、「至急」「緊急」「急ぎ」等の文字が入っている時には、緊急性があると判別し、また、メール読み上げソフトがない時にそのメールを読んで緊急性があると判断した時には、メールの相手先の電話番号がわかるか否かを判別する。この処理は図1の電話番号検出部7において行っている。
【0031】
ここで電話帳機能により既登録であるか、メール内に記載しているか、他の手法により電話番号がわかった時には、ハンズフリーセットを接続しているか否かを判別する(ステップS6)。この作動は図1のハンズフリーセットを外部機器として接続しているか、ナビゲーションの内の一機能として備えている時には、ここでハンズフリーセットを接続していると判別する。
【0032】
ここでハンズフリーセットを接続していると判別した時には、直ちにメールの相手先に電話をする(ステップS12)。従ってメールを受信した時には、メール読み上げソフトがあっても無くても、利用者が緊急性があると判断した時には、メールの相手先電話願号がわかる時には、ハンズフリーセットが接続している限り、直ちにメール相手先に電話をする。
【0033】
それに対して、ステップS6でハンズフリーセットを接続していないと判別した時、及びステップS5でメールの相手先の電話番号がわからない時には、共にステップS7に進み、誘導経路に沿って走行しているか否かを判別し、誘導経路に沿って走行している時には近くのコンビニ等の誘導経路上の近接駐車場を検出する(ステップS8)。また。誘導経路に沿って走行していないと判別した時には、車両前方のコンビニ等の近接駐車場を検出する(ステップS10)。その際に高速道路を走行している時には、サービスエレアやパーキングエリアを探すこととなる。
【0034】
その後、前記のようにナビゲーション装置で走行している時には誘導経路上の近接駐車場を、また誘導経路に沿って走行していない時には前方に存在する近接駐車場に向けて案内を行う(ステップS9)。このように、メールが来て緊急性が高い時には、ハンズフリーセットがない場合、電話番号がわかっても、わからない場合でも近くの駐車場に案内して、ゆっくり対応することができるようになる。
【0035】
上記作動は図3及び図4のように行うことができる。即ち、図3にはナビゲーション装置にメールを受信した状態を示し、ナビゲーション画面を3分の一に縮小して表示し、中央の3分の1画面には受信メールを表示し、他の3分の1にはその機能選択画面としている。
【0036】
同図に於いて読み上げソフトによりメールを読み上げ、その際に同図(b)に示すような緊急性の高い単語テーブルの存在する単語が含まれているか否かを判別し、緊急性が高い単語が含まれていたと判別し時、返信電話発信機能を選択して、接続しているハンズフリーセットにより「××××××に発信しますか」の画面に於いて、「する」を選択してハンズフリーにより電話をすることにより、図4(a)に示すような、「××××××に発信中」「通話時間○分××秒」の表示がでている例を示している。
【0037】
また、図3(b)にはメールを受信した後、近くの駐車場案内を行う例を示しており、「付近の駐車場に案内しますか」に対して「する」を選択する例を示している。それにより、図4(c)に示すように、誘導経路に沿って近くの「○○○○○○コンビニ」をみつけ、そこに誘導する例を示している。このような処理を行うことにより、特別な操作を行うことなく、近くの駐車場に車を誘導することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 携帯電話
2 ナビゲーション装置
3 メール受信部
4 読み上げソフト
5 緊急性判別部
6 電話番号検出部
7 既登録
8 メール内
9 その他
10 携帯電話接続部
11 誘導経路設定部
12 近接通話場所検出部
13 誘導経路上検出部
14 誘導経路案内部
15 ハンズフリーセット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メール受信手段でメールを受信した時、メールの相手先電話番号を検出する電話番号検出手段と、
ハンズフリーセットを接続しているか否かを判別するハンズフリーセット接続判別手段とを備え、
前記ハンズフリーセット接続判別手段で、ハンズフリーセットを接続していると判別した時には、ハンズフリーセットにより、前記電話番号検出手段で検出した電話番号に電話をかけることを特徴とするメール受信応答電話処理装置。
【請求項2】
ハンズフリーセットを接続していない時には、近くの駐車場を検出し、案内を行うことを特徴とする請求項1記載のメール受信応答電話処理装置。
【請求項3】
前記近くの駐車場は、誘導経路に沿って走行している時には、誘導経路上の近くの駐車場を検出し、案内を行うことを特徴とする請求項1記載のメール受信応答電話処理装置。
【請求項4】
着信メールの読み上げ手段を備え、
前記読み上げ手段では緊急性の検出を行い、
緊急のメールに対して電話をかけることを特徴とする請求項1記載のメール受信応答電話処理装置。
【請求項5】
前記ハンズフリーセットは、ナビゲーション装置に備えているものであることを特徴とする請求項1記載のメール受信応答電話処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−115789(P2013−115789A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263141(P2011−263141)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】