説明

メール配信システム及びテキストデータ配信システム

【課題】小売業者等がメールを作成する際の労力を軽減して、販売促進効果の高いメール及びテキストデータを作成することを可能とするシステムを提供すること。
【解決手段】店舗端末のメール作成手段で作成され送信許可の求められたメールを承認メールと非承認メールとに仕分ける管理者端末と、メール本文を保存する第1メモリと、抽出条件に従い抽出データを作成する抽出手段と、該承認メールを該第1メモリに格納する承認メール蓄積手段とを備えるサーバと、を備え、該承認メールは該管理者端末から該店舗端末及び該サーバへ送られて、顧客端末へ送信され、かつ、該第1メモリへ格納され、該非承認メールは該管理者端末から該店舗端末へ送られて、該非承認メールが顧客端末へ送信されることを止め、該メール修正手段により修正された非承認メールは送信許可の求められたメールとして該管理者端末へ送られる、メール配信システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は顧客に対して電子メールを配信するシステム及びテキストデータを配信するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売業者等は販売促進のために、顧客に対してダイレクトメールや電子メールを送付して、商品価格や品揃え等の商品情報や店舗の場所等の店舗情報を伝えていた。さらに、ダイレクトメールや電子メールにクーポンを添付したりして一層の販売促進を図っている。例えば、特許文献1には個人情報の流出を防止しつつダイレクトメールを効率的に発送する方法が開示されている。
本件発明に関連する従来技術を開示する特許文献2及び特許文献3も参照されたい。
【0003】
【特許文献1】特開2007−172521号公報
【特許文献2】特開2003−076914号公報
【特許文献3】特開2004−126704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のダイレクトメールによる手法では通常、紙媒体を利用しており、その作成や発送に手間がかかっていた。近年、インターネットの普及に伴い、ダイレクトメールに替わって顧客に電子メールを送ることが行われている。電子メールは紙媒体を必要とせず、多数の顧客に一斉に送ることが容易である。例えば、店舗のウェブページのURLをリンクの形式で記載したり、商品割引クーポンを添付したりすることができ、販売促進効果の向上が期待できる。しかし、その効果は電子メールの内容の違い(例えば、メール本文の文面やクーポンの有無など)と、ターゲットとする顧客の違い(例えば、地域、年齢、性別、職業、趣味など)によって大きくことなる。そのため、メール作成者は様々な要素を勘案した上でメールを作成する必要があり、効果的なメールを作成するには多大な労力が要される。Q&Aの形式で効果的なメールを作成するための情報を提供する方法があるが、配信したメールの具体的な効果等の情報の反映・蓄積がされなかったり、提供される情報が少なかったりと実用性の低いものであった。
一方、電子メールは容易に送ることができる反面、メールの作成ミスや送信ミスが生じやすい。例えば、商品価格に誤記があったり、メール本文に不適切な表現が含まれていたり、顧客のメールアドレスが他の顧客にも通知されるなどの個人情報の漏洩が起こり得る。これらのようなミスは、当該小売業者及び店舗の信用を著しく低下させるものであるため、ミスが生じないように対策を講じる必要がある。複数の店舗を有する小売業者においては、販売促進のため各店舗が独自に顧客にメールを送る場合がある。複数の店舗を統括する本部よりも、各店舗はより消費者に近いところにいるため、地域性や即時性を備えるメールを配信することができるが、統一されたブランドイメージやブランド価値を維持することは難しかった。
そこで、本発明は小売業者等がメールを作成する際の労力を軽減して、販売促進効果の高いメールを作成することを可能とするシステムを提供することを目的の一つとする。また、小売業者等が販売促進のためのメールを作成する際のミスを防止することを目的の一つとする。また、複数の店舗間で統一されたブランドイメージやブランド価値の維持に寄与するシステムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の目的を達成するため、本発明の第1の局面では次の構成からなる。即ち、
電子メールを配信するメール配信システムであって、
第1アドレスに電子メールを送信するメール送信手段と、
前記電子メールに記載されたURLへのアクセス情報を受信する受信手段と、
前記電子メールを受信した顧客が店舗に来店した際に、当該店舗に設置された店舗端末から送信される顧客来店情報を入力する入力手段と、
前記電子メールのメール本文を格納する第1メモリと、前記第1アドレスを格納する第2メモリと、前記受信手段が受信したアクセス情報を格納する第3メモリと、前記入力手段から入力された顧客来店情報を格納する第4メモリと、を有するメモリ手段と、
を備えるメール配信システムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明のメール配信システムでは、顧客に配信された電子メール(以下、単に「メール」ともいう)について、メール本文とメール送信先(アドレス)の他に、メールに記載されたURL(通常、店舗のウェブページ)へのアクセス情報、及び店舗への来店情報をメモリ手段に格納している。メール作成者は、メモリ手段に格納されたメールを参照して、店舗ウェブページへのアクセス数の増加や来店効果の高いメール内容を参考にしてメールを作成することができる。これにより、少ない労力で販売促進効果の高いメールを配信することができる。
【0007】
本発明のメール配信システムにおいて、メモリ手段はメール本文を格納する第1メモリと、第1アドレスを格納する第2メモリと、受信手段が受信したアクセス情報を格納する第3メモリと、入力手段から入力された顧客来店情報を格納する第4メモリとを有する。第1メモリはメール本文のテキストデータに加え、メールに添付されるクーポン等のデータを含んでいてもよい。第2メモリに格納される第1アドレスは配信されたメールの宛先となるメールアドレスである。第2メモリは第1アドレスの他に、年齢、性別、地域などを含んでいてもよい。第2メモリに格納されたメールアドレスを抽出して、顧客のメールアドレスデータベースを構築することができる。また、別途作成された顧客のメールアドレスデータベースを使用して、これに関連づけられたタグを第2メモリが格納することとしてもよい。
第3メモリに格納されるアクセス情報は、例えば、ウェブページ閲覧回数、ウェブページ閲覧時刻、IPアドレスなどを含むウェブページの閲覧記録(第4の局面)である。ウェブ上で商品の販売あるいは受注を行う場合は、その情報を第3メモリに格納することができる。
第4メモリに格納される顧客来店情報は、配信されたメールを受信した顧客が当該メールを受信した顧客端末または、当該メールのプリントアウトを持参して、これらの情報が店舗端末から入力されてなるものである。顧客来店情報は、メールに記載又は添付されたクーポンの利用情報を含んでいることが好ましい(第5の局面)。顧客が来店したことに加え、メールによる販売促進の効果を確認できるからである。
【0008】
本発明の第2の局面では、第1の局面のメール配信システムが前記メモリ手段に格納されたデータから特定の条件に適合するデータを抽出する抽出手段を備える。メール作成者は、抽出手段の条件を任意に設定することにより、条件に適合するデータを取り出すことが容易となる。抽出手段における条件の設定方法は特に限定されず、前記メモリ手段の内、メール本文が格納される第1メモリ、アドレスが格納される第2メモリ、ウェブへのアクセス情報が格納される第3メモリ、及び来店情報が格納される第4メモリの任意の領域を抽出の対象とすることができる。
【0009】
本発明の第3の局面では、第2の局面に加え、メモリ手段が、抽出手段が抽出した抽出データを格納する第5メモリを備える。メール作成者は第5メモリに格納されたデータを参照することにより、メール作成時にその都度抽出を行う必要がないため、メールの作成が容易となる。なお、メモリ手段はさらに第6メモリを備えていてもよい。例えば、メール作成者又は管理者が任意のキーワードや任意のタグを第6メモリに格納する手段を備えていてもよい。
【0010】
本発明の第6の局面は以下の通りである。即ち、
電子メールを配信するメール配信システムであって、
店舗端末において電子メールを作成するメール作成手段と、
前記作成された電子メールをサーバに転送して該メールの送信許可を申請する送信許可申請手段と、
前記サーバに転送された前記メールの内、特定の条件を満たすメールをフィルタリングするフィルタ手段と、
前記フィルタリングされたメールの返送時刻を調整する返送時刻調整手段と、
前記返送時刻調整手段により規定された返送時刻に前記フィルタリングされたメールを承認メールとして前記店舗端末に返送する第1承認メール返送手段と、
前記フィルタ手段によりフィルタリングされなかった前記メールを管理者端末に転送する管理者端末転送手段と、
を備える、メール配信システムである。
【0011】
第6の局面のメール配信システムでは、メール作成手段により店舗端末で作成されたメールは、送信許可申請手段によりサーバに転送して当該メールの送信許可を申請する。申請されたメールはまず、サーバのフィルタ手段によりフィルタリングされる。これにより、特定の条件を満たすメールを、後述の管理者端末に転送することなく承認メールとすることができる。これにより管理者の指示を要しないメールをフィルタリングすることにより、かかるメールを効率的に承認メールとすることができ、作業の効率化が図られる。フィルタリングされたメールは返送時刻調整手段により規定された返送時刻に第1承認メール返送手段に返送され承認メールとして店舗端末に返送される。これにより、店舗端末側では、かかるメールがフィルタ手段により管理者末端に送られることなく承認メールとなったことは認識されない。即ち、店舗端末側のメール作成者は管理者による承認を経たメールと認識し、安心して顧客に送信することができる。また、フィルタ手段におけるフィルタリング条件の予想が困難となる。
一方、フィルタ手段によりフィルタリングされなかったメール、即ちフィルタ手段をスルーしたメールは、管理者端末転送手段により管理者端末に転送される。管理者(例えば、本部、地域統括部あるいは有知見者など)は転送されたメールを所定の基準で判断して、送信許可または修正指示を出す。管理者が修正指示を出した場合、修正指示の信号を受信した非承認メール返送手段により店舗端末に返送され、店舗端末側の修正手段で修正される。修正メールは再度、送信許可申請手段によりサーバに転送され、送信許可の申請がなされる。このように、メール作成者は、承認メールのみしか顧客端末に送信できないため、誤記や、不適切な表現の記載や、個人情報の漏洩等の発生が防止されるとともに、ブランドイメージやブランド価値を損なう様なメールを送信することがないため、ブランドイメージやブランド価値が維持される。
【0012】
本発明の第7の局面のメール配信システムは、第6の局面に加え、第1承認メール返送手段が承認メールのコピーを作成し、当該承認メールのコピーを店舗端末からアクセス可能な状態で、サーバが備えるメモリ手段に格納する、承認メール蓄積手段をさらに備える。このように承認メールを蓄積して店舗端末においてメール作成者がアクセス可能とすることにより、メール作成者は係る蓄積データを参照してメールを作成することができる。これにより、少ない労力で販売促進効果の高いメールを配信することができる。
以下、この発明の実施の形態につき図例を参照しながら説明をする。
【実施例】
【0013】
本発明の実施例であるメール配信システム1の概略図を図1に示し、図2に構成を示すブロック図を示す。図3にメール配信システム1によるメール配信のフロー図を示す。
図1に示すように各店舗A、B、Cはサーバ3を介して本部5とネットワークを形成しており、各店舗はそれぞれ、顧客6に販売促進用のメールを配信するための店舗端末を有している。図2に示すように店舗端末2はメール作成手段11、送信許可申請手段12、修正メール転送手段13、修正手段14、メール送信手段15、店舗入力手段16、表示手段17を備える。サーバ3はメモリ手段30、抽出手段36、演算手段37、フィルタ手段40、返送時刻調整手段41、第1承認メール返送手段42、管理者端末転送手段43、入力手段44、受信手段45を備える。メモリ手段30は、第1メモリ31、第2メモリ32、第3メモリ33、第4メモリ34及び第5メモリ35を備える。本部5は、管理者端末51、第2承認メール返送手段52、非承認メール返送手段53を備える。
【0014】
図3に示すフロー図に従って、これらの各手段を説明する。店舗端末2はインターネットに接続されており、サーバにインストールされたメール配信アプリケーションソフト(以下「メール配信ソフト」ともいう)をASPにより、ウェブブラウザ上で使用することができる。図4に店舗端末2におけるメール配信ソフトの初期画面を示し、図5にメール作成画面を示す。メール配信ソフトの初期画面にはメールグループ作成ボタン10a、メール作成ボタン11a、作成メール確認ボタン12a、送信メール確認ボタン13a、メンバー設定14a、システム設定ボタン15aが配置される。メールを作成するにはメール作成ボタン11aをクリックしてメール作成手段11を起動させて、図5に示すメール作成画面を表示させる。図5に示すように、送信者11a、宛先11aは各プルダウンメニューから選択する。なお、宛先11aは、初期画面のメールグループ作成ボタン10aをクリックして、メールグループ作成画面(図示せず)を表示させて予め作成したメールグループを選択することができる。件名11aは任意のものを記入する。テンプレート11aのプルダウンメニューからメール本文のテンプレートを選択する。テンプレートの選択は、以下のようにすることができる。まず、メール作成手段11から後述の抽出手段36に特定の抽出条件を入力することにより、後述のメモリ手段30に格納されたメールデータから抽出データを作成する。抽出データは後述の第5メモリ35に格納され、抽出データに基づいて演算手段37がメール作成手段11から入力された演算条件で演算して、演算結果が表示手段17により店舗端末2側に表示される。表示手段17に演算結果が表示された状態であっても、抽出手段36に抽出条件を入力し、演算手段37で演算することにより、リアルタイムで抽出データを更新して演算結果を表示することができる。これらを参照してテンプレートを選択する。選択したテンプレートをプレビュー11aでメール本文等を確認・編集してメールを作成する(図3のS1)。送信予定日欄11aに送信予定日時を記入することで、送信予定日をあらかじめ設定することができる。
メール作成後、申請ボタン11aをクリックすると送信許可申請手段12が起動して、作成された電子メールがサーバ3に転送され、送信許可の申請がされる(図3のS2)。
申請されたメールはサーバ3のフィルタ手段に転送されて特定の条件を満たすメールがフィルタリングされる(図3のS3)。ここでの特定の条件は任意に設定することができるが、本実施例では、管理者の承認を要しないメールをフィルタリングする条件を設定する。
フィルタリングされたメールは返送時刻調整手段41によって返送時刻の調整を受ける(図3のS4)。返送時刻の設定は任意に行うことができる。本実施例では、所定時間の範囲内(3時間〜12時間)でランダムに返送時刻が選択される設定とする。
返送時刻に達すると第1承認メール返送手段が、フィルタリングされたメールを承認メールとして店舗端末2に返送する(図3のS5)。
【0015】
一方、フィルタ手段によりフィルタリングされなかったメール、即ちスルーされたメールは管理者端末転送手段43により、本部5内の管理者端末51に転送される(図3のS6)。本部5内では管理者又は有知見者が転送されたメールに対して送信許可又は修正指示の判断を下し、管理者端末51に送信許可の信号又は修正指示の信号を入力する。なお、修正指示の判断を下した場合は、併せて修正指示の内容も管理者端末51に入力する。
第2承認メール返送手段は管理者端末51から送信許可の信号を受信すると、当該メールを承認メールとして店舗端末2に返送する(図3のS7)。
非承認メール返送手段は管理者端末51から修正指示の信号を受信すると、当該メールを非承認メールとして、修正指示の内容とともに店舗端末2の修正手段に返送する(S8)。修正手段14は非承認メールが修正されて修正メールが作成される(S9)。修正手段14も店舗端末2においてウェブブラウザ上で使用される。
修正メールが作成されると修正メール転送手段13は修正メールを送信許可申請手段12に転送する(S10)。これにより再度送信許可の申請が行われる。
店舗端末2に転送された承認メールは、メール送信手段15によりあらかじめ設定した送信予定日時に顧客端末60へ送信される。
第1承認メール返送手段及び第2承認メール手段は、承認メールのコピーをサーバ3のメモリ手段30に格納する。メモリ手段30の第1メモリ31には承認メールの本文が格納され、第2メモリ32には承認メールの宛先アドレスが格納される(図3のS12)。
【0016】
メールを受信した顧客が顧客端末から、メールに記載された店舗ウェブページにアクセスすると、サーバ3の受信手段45によりそのアクセス情報が受信される(図6AのS13)。受信されたアクセス情報はメモリ手段30の第3メモリ33に格納される(図6AのS14)。また、メールを受信した顧客が店舗に来店した場合には、店舗端末2に顧客来店情報が入力される。入力された顧客来店情報は店舗入力手段16によりサーバ3の入力手段44に転送される(図6BのS15)。入力手段44は顧客来店情報をメモリ手段30の第4メモリ34に格納する(図6BのS16)。顧客来店情報には、顧客が来店した日時の他、メールにクーポンを添付した場合にはそのクーポンの利用情報が含まれる。
【0017】
サーバ3に備えられる抽出手段36は、店舗端末2のメール作成手段11から入力される抽出条件に基づいて抽出データを作成する。当該抽出条件は、メモリ手段30に格納された各データに対して設定することができる。例えば、特定のキーワードや、送信メール数(第1アドレスの数に等しい)に対するアクセス数の比率(以降、「アクセス比率」という)、送信メール数に対するクーポンの利用数の比率(以降、「クーポン利用比率」という)などを抽出条件とすることができる。なお、アクセス比率は抽出手段36が第2メモリの第1アドレスと第3メモリのアクセス情報を比較して算出する。同様にクーポン利用比率は抽出手段36が第2メモリの第1アドレスと第3メモリの顧客来店情報を比較して算出する。また、第2メモリが第1アドレスの他に年齢、性別、地域等のデータを含む場合には、これらのいずれか一つ又は全てを抽出条件として、抽出データを作成することもできる。抽出手段36は作成した抽出データを第5メモリ35に格納する。
【0018】
演算手段37はメール作成手段11から入力される演算条件で演算して、抽出データに基づいてメモリ手段30に格納されたデータの内、少なくとも第1メモリ31と第2メモリ32に格納されるデータをソートする。例えば、アクセス比率の高い順に、メール本文及び第1アドレスをソートすることができる。これにより、アクセス比率の高いメールのテンプレートを選択することができる。また、クーポン利用比率と、第2メモリに含まれる年齢データと性別データ(例えば、30歳代、男)を抽出条件として抽出データを作成し、演算手段37で演算して、メール本文をソートすれば、特定年齢層及び性別に対して販売促進効果の高いメールのテンプレートを選択することができる。演算手段37は複数の抽出条件で抽出した抽出データに対して、抽出条件に重み付けして演算することもできる。例えば、抽出手段36がアクセス比率とクーポン利用比率を抽出して、演算手段37がそれぞれに重み付けをして当該重みに従って演算して、メール本文と第1アドレスとをソートすることができる。重み付けして演算すれば、より信頼性の高い演算結果となる。演算手段37による演算結果は店舗端末2の表示手段17に表示され、メール作成者はこれに基づいて、テンプレートを選択することができる。
【0019】
以上のように、本発明のメール配信システム1では、メモリ手段30に蓄積されたメールをテンプレートにしてメールを作成する。ここで、メモリ手段30に蓄積されたメール等のデータは承認されたメールであるため、これをテンプレートにすることにより、少ない労力で効果的なメールを作成することができる。また、メール作成の経験の少ない者でも、効果的なメールを作成することができる。あらかじめ又はその都度、抽出手段36によって特定条件で抽出した抽出データを第5メモリ35に格納し、抽出データに基づいて演算手段37で演算して、特定のテンプレートを選択することにより、特定条件において効果的なメールを容易に作成することができる。複数のテンプレートを選択して、これらを組み合わせてメールを作成してもよい。例えば、第1の抽出条件を抽出手段36に入力して抽出し、演算手段37で演算した演算結果から第1のテンプレートを選択した後、第2の抽出条件を抽出手段36に入力して抽出し、演算手段37で演算した演算結果から第2のテンプレートを選択して、第1のテンプレートと第2のテンプレートとを組み合わせてメールを作成することができる。これにより、より効果的なメールを作成することができる。
【0020】
作成されたメールは承認を経たのち顧客に配信される。そのため、メール本文の誤記や、不適切な表現の記載や、個人情報の漏洩等の発生が防止されるとともに、ブランドイメージやブランド価値を損なう様なメールを送信することがないため、ブランドイメージやブランド価値が維持される。
【0021】
作成されたメールは一旦、フィルタ手段40に転送される。フィルタ手段40では承認を要しないメールがフィルタリングされる。フィルタ手段40であらかじめ管理者の承認を要するまでもなく承認されるべきメールをフィルタリングして管理者端末に転送せずに承認メールとすることのより、管理者側の作業効率の向上が図られる。フィルタリングされたメールは直ちに店舗端末2へは返送せずに、返送時間調整手段41により返送時刻が調整されて、所定時刻に承認メールとして返送される。これにより、実際には管理者が承認せずにフィルタ手段により自動的に承認されたメールについても、店舗端末2側からは管理者が承認したメールであるかのように認識される。メール作成者は作成したメールが自動的に承認されて即時に返信されると、承認が正しく行われたかどうか不安に感じたり、承認基準自体に不信感を覚えることがある。しかし、メール配信システム1では返送時間調整手段41により返送時刻が調整されるため、即時に返信されることがなく、メール作成者に不安感や不信感を与えない。また、メール作成者はフィルタ手段40におけるフィルタリング条件の予想が困難となる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、顧客へメールを配信するシステムとしてその利用が図られる。
【0023】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は本発明の実施例であるメール配信システム1の概略図である。
【図2】図2はメール配信システム1の構成を示すブロック図である。
【図3】図3はメール配信システム1によるメール配信のフロー図である。
【図4】図4は店舗端末2におけるメール配信ソフトの初期画面である。
【図5】図5は店舗端末2におけるメール配信ソフトのメール作成画面である。
【図6】図6A、Bはともにメール配信システム1によるメール配信のフロー図である。
【符号の説明】
【0025】
1 メール配信システム
2 店舗端末
3 サーバ
5 本部
6 顧客
11 メール作成手段
12 送信許可申請手段
13 修正メール転送手段
14 修正手段
15 メール送信手段
16 店舗入力手段
17 表示手段
30 メモリ手段
31 第1メモリ
32 第2メモリ
33 第3メモリ
34 第4メモリ
35 第5メモリ
36 抽出手段
37 演算手段
40 フィルタ手段
41 返送時刻調整手段
42 第1承認メール返送手段
43 管理者端末転送手段
44 入力手段
45 受信手段
51 管理者端末
52 第2承認メール返送手段
53 非承認メール返送手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
メール作成手段、送信許可申請手段、メール修正手段、抽出条件入力手段及びメール送信手段を備える店舗端末と、
前記店舗端末のメール作成手段で作成されて前記送信許可申請手段を介して送信許可の求められたメールを送信許可信号の付された承認メールと、修正指示信号の付された非承認メールとに仕分ける管理者端末と、
メール本文を保存する第1メモリを備えたメモリ手段と、前記抽出条件入力手段より入力された抽出条件に従い抽出データを作成する抽出手段と、前記承認メールを前記第1メモリに格納する承認メール蓄積手段とを備えるサーバと、
を備え、
前記承認メールは前記管理者端末から前記店舗端末及び前記サーバへ送られて、前記店舗端末において前記メール送信手段より顧客端末へ送信され、前記サーバにおいて前記承認メール蓄積手段により前記第1メモリへ格納され、
前記非承認メールは前記管理者端末から前記店舗端末へ送られて、前記メール送信手段は該非承認メールが顧客端末へ送信されることを止め、前記メール修正手段により修正された非承認メールは前記送信許可申請手段を介して送信許可の求められたメールとして前記管理者端末へ送られる、
ことを特徴とするメール配信システム。
【請求項2】
前記店舗端末は表示手段を備え、
前記メモリ手段は、アドレス、年齢、性別及び地域などの顧客情報を保存する第2メモリと、アクセス情報を保存する第3メモリと、顧客来店情報を保存する第4メモリとを備え、
前記サーバにはさらに演算手段が備えられ、
前記演算手段は前記抽出条件入力手段から入力された入力条件に基づき、前記メモリ手段を参照して、抽出すべきメール本文を特定し、
前記演算手段の特定したメール本文は前記表示手段に表示される、
ことを特徴とする請求項1に記載のメール配信システム。
【請求項3】
テキストデータ作成手段、送信許可申請手段、テキストデータ修正手段、抽出条件入力手段、テキストデータ送信手段及び表示手段を備える第1の端末と、
前記第1の端末のテキストデータ作成手段で作成されて前記送信許可申請手段を介して送信許可の求められたテキストデータを送信許可信号の付された承認テキストデータと、修正指示信号の付された非承認テキストデータとに仕分ける第2の端末と、
テキストデータを保存する第1メモリを備えたメモリ手段と、前記抽出条件入力手段より入力された抽出条件に従い抽出データを作成する抽出手段と、前記抽出データに基づき前記メモリ手段を参照して抽出すべきテキストデータを特定する演算手段と、前記承認テキストデータを前記第1メモリに格納する承認テキストデータ蓄積手段とを備えるサーバと、
を備え、
前記承認テキストデータは前記第2の端末から前記第1の端末及び前記サーバへ送られて、前記第1の端末において前記テキストデータ送信手段より第3の端末へ送信され、前記サーバにおいて前記承認テキストデータ蓄積手段により前記第1メモリへ格納され、
前記非承認テキストデータは前記第2の端末から前記第1の端末へ送られて、前記テキストデータ送信手段は該非承認テキストデータが前記第3の端末へ送信されることを止め、前記テキストデータ修正手段により修正された非承認テキストデータは前記送信許可申請手段を介して送信許可の求められたテキストデータとして前記第2の端末へ送られ、
前記演算手段の特定したテキストデータは前記第1の端末の前記表示手段に表示される、
ことを特徴とするテキストデータ配信システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−123815(P2012−123815A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−5814(P2012−5814)
【出願日】平成24年1月16日(2012.1.16)
【分割の表示】特願2008−90710(P2008−90710)の分割
【原出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000151092)株式会社電通 (57)
【Fターム(参考)】