モジュラコネクタおよびその使用方法
第1モジュールと、第2モジュールと、これらの両モジュールを連結する1つ以上のコネクタとを有する地下地層に使用するモジュラツール。より詳しくは、第1モジュールは、ツールの外部の少なくとも一部を形成する第1カラーと、該カラーの第1端部の第1係合機構と、カラーの第2端部の第2係合機構とを有している。第1モジュールはまた、掘削流体を通す流体通路を有している。第2モジュールは、同様な構造を有する。1つ以上のコネクタは、ツールの外部に流体的に連結された少なくとも1つのフローラインと、モジュール間で電力及び/又はデータを伝送する電気的通路の連結を促進する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下地層評価(subterranean formation evaluation)に使用するダウンホールツールに関し、より詳しくは、掘削同時並行(while-drilling)環境内で使用するダウンホールツールのコンポーネントのモジュラリティに関する。
【背景技術】
【0002】
炭化水素の探鉱および生産のために、坑井(ドリルホールとしても知られている)が掘削される。掘削作業中において、実際の掘削が一時的に停止したときのような一定期間中に、坑井により貫入された地層の種々の評価を行うことがしばしば望まれる。或る場合には、周囲の地層を試験しおよび/またはサンプリングするため、ドリルストリングに1つ以上の掘削ツールが設けられる。他の場合には、「トリップ(trip)」と呼ばれるシーケンスで、取付けられた坑井からドリルストリングが除去され、かつ坑井内にワイヤラインツールが配置されて地層の試験および/またはサンプリングが行われる。このようなダウンホールツールにより行われるサンプリングすなわち試験は、例えば、有望な炭化水素生産地層の確認および該地層からの炭化水素生産の管理に使用できる。
【0003】
このような掘削ツールおよびワイヤラインツール並びにコイル状チューブ、ドリルパイプ、ケーシングまたは他のコンベアで搬送される他の坑井ツールは、本願では簡単に「ダウンホールツール(downhole tools)」と呼ぶことにする。このようなダウンホールツール自体には、各々が別々の機能を遂行する複数の一体形モジュールが含まれ、ダウンホールツールは、単独で用いるか、ダウンホールツールストリング内で他のダウンホールツールと組合せて使用することもできる。
【0004】
より詳しくは、地層評価は、しばしば、現場での試験および/またはサンプリングを行うため、地層からの流体がダウンホールツール(またはそのモジュール)内に吸引されることを必要とする。坑井の領域を分離すべくプローブおよび/またはパッカー等の種々の装置がダウンホールツールから伸長され、これにより坑井を包囲する地層との流体の連通を確立する。流体は、次に、プローブおよび/またはパッカーを用いてダウンホールツール内に吸引される。
【0005】
掘削中のこのような地層流体サンプルの収集は、電源、油圧動力源、流体サンプリング(例えばプローブまたは二重パッカー)、流体分析およびサンプル収集(例えばタンク)等の種々の機能を遂行する幾つかのモジュールを収容する一体化されたサンプリング−圧力ツールを用いて行うのが理想的である。このようなモジュールは、例えば下記特許文献1および2に開示されている。したがって、地層流体のようなダウンホール流体は、一般に、試験および/またはサンプリングを行うべくダウンホールツール内に吸引される。以下、この種類および他の種類のダウンホール流体(ドリルストリングを通してポンピングされる掘削泥以外の流体)は「補助流体」と呼ぶことにする。この補助流体として、地下地層内に注入するための、サンプリングされた地層流体または特別流体(例えば改修(workover)流体)がある。一般に、補助流体は、単にドリルビットの潤滑および/またはビット切削屑の地表への搬出以外に、ダウンホール作業に有用である。この補助流体は、サンプリングツール等の一体形ツールのモジュール間、および/またはツールストリング内で相互連結されたツール間で搬送される。また、電力および/または電子信号(例えばデータ通信用信号)もこのようなツールのモジュール間で伝送される。したがって、1つの挑戦は、ツールのモジュール間で必要な流体搬送および電気的伝送を行なうと同時に、作業可能なツール長(例えば30フィート)を維持することである。
【0006】
更に留意すべきは、幾つかの他の用途は、ワイヤライン作業および掘削同時並行(while drilling)作業の両方において、ダウンホールツールストリングの連続的に配置されたモジュールまたはツール間で、流体の連通および電気信号の通信を必要とすることである。「掘削同時並行」作業は、一般に、掘削同時並行測定(measurement-while-drilling:MWD)作業および/または掘削同時並行検層(logging-while-drilling:LWD)作業の一部として特徴付けられており、これらの作業では、連結されたツールまたは一体形ツールモジュールを横切る電気(電力および信号の両方)の通信が必要である。例えば下記特許文献3−9に開示された装置のように、このような掘削同時並行作業を行う種々の装置が開発されている。これらの特許文献には、地下地層からデータおよび或る場合には流体サンプルを収集する種々のダウンホールツールおよび方法が開示されている。
【0007】
ダウンホールツールのサンプリングおよび試験能力は優れているが、既存のシステム特に「掘削同時並行」システムは、しばしば、ツールまたはツールモジュールを横切って電気信号を伝送する解決法に限定されている。数ある中で、特別な解決法として、例えば下記特許文献10に開示された「ワイヤ形ドリルパイプ(wired drill pipe:WDP)」のように、連結された管状部材のジョイントでの種々のリング形コネクタがある。このようなWDPコネクタが、連結された管状部材間で電気信号の伝送を行うことは知られていない。
【0008】
また、ダウンホールワイヤラインツールに流体を通すコネクタも提供されている。このようなコネクタの例として、下記特許文献11および12に開示されたものがある。しかしながら、連結された坑井チューブラの両端部または両端部近くを通って延びかつ両端部に終端する補助フローラインを連結する既知のコネクタ、または連結されたコンポーネント間の連結を行なう既知のコネクタは全く開示されていない。また、既知のコネクタまたはコネクタシステムは、ドリルカラー、掘削泥、スペースリミテーションおよび頑固な掘削排出物を含む掘削ツールの他の挑戦を行っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,860,581号明細書
【特許文献2】米国特許第4,936,139号明細書
【特許文献3】Cobernの米国特許第5,242,020号明細書
【特許文献4】Berger等の米国特許第5,803,186号明細書
【特許文献5】Smith等の米国特許第6,026,915号明細書
【特許文献6】Berger等の米国特許第6,047,239号明細書
【特許文献7】Berger等の米国特許第6,157,893号明細書
【特許文献8】Nasr等の米国特許第6,179,066号明細書
【特許文献9】Ciglenec等の米国特許第6,230,557号明細書
【特許文献10】Schlumbergerに譲渡されたBoyle等の米国特許第6,641,434号明細書
【特許文献11】Halliburtonに譲渡された米国特許第5,577,925号明細書
【特許文献12】米国特許出願第10/721,026号明細書
【特許文献13】Denisonの米国特許第4,126,848号明細書
【特許文献14】Hall等の国際特許公開WO 02/06716号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、ツールモジュール間および/またはダウンホールツールストリング内のツール間で補助流体の連通および/または電気信号の通信が可能なコネクタが要望されている。このようなコネクタは、連結すべきモジュールとツールとの間の分離距離の変化を補償すべく長さ調節できる機能を有することが望まれている。また、このようなコネクタは、連結されたモジュールとツールとを分離したときにこれらから補助流体が流出しないように自動的に遮断する機能を有することも望まれている。更に、コネクタに連結されるコンポーネントはモジュラであり、かつ変化する環境および条件での使用に適合できることが望まれている。
【0011】
定義
或る用語は、本明細書の全体を通して、これらが最初に使用されたように定義されるが、本明細書に使用される他の或る用語は下記のように定義される。
【0012】
「補助流体(auxiliary fluid)」とは、一般に、試験および/またはサンプリングのためにダウンホールツール内に吸引される地層流体または地下地層内に注入される特別流体(例えば改修流体)のような、ダウンホール流体(ドリルストリングを通してポンピングされる掘削泥以外の流体)を意味する。また、補助流体には、例えば油圧モータ、ピストンまたは変位ユニット等のツールコンポーネントを作動させるのに有効な油圧流体も含まれる。補助流体には、冷却流体のように、ボトムホールアセンブリ内の熱管理に使用される流体も含まれる。一般に、補助流体は、単にドリルビットの潤滑および/またはビット掘削屑を地表に搬出するだけでなく、ダウンホール作業においても有用である。
【0013】
「コンポーネント」は、1つ以上のダウンホールツールまたは1つ以上のダウンホールツールモジュール(単一または複数)を意味し、特に、これらのツールまたはモジュールがダウンホールツールストリング内で使用される場合についていう。
【0014】
「電気」および「電気的に」とは、電子信号を伝送する接続部(単一または複数)および/またはライン(単一または複数)をいう。
【0015】
「電子信号」とは、電力および/またはデータ(例えば2進データ)を伝送できる信号を意味する。
【0016】
「モジュール」とはダウンホールツールの1セクション、より詳しくは、別個のすなわち個々の機能を遂行するための2つ以上の相互連結されたモジュールを備えた多機能ツールまたは一体形ダウンホールツールの1セクションを意味する。
【0017】
「モジュラ」とは、モジュールおよび/またはツールを(相互)連結できることを意味し、使用時のフレキシビリティおよび多様性が得られるように、できる限り標準型ユニットまたは寸法で構成されたものをいう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一態様によれば、第1モジュールと、第2モジュールと、第1および第2モジュールを連結する1つ以上のコネクタとを有する、地下地層に使用するモジュラツールが開示される。第1モジュールは、ツールの外部の少なくとも一部を形成する第1カラーを備え、該カラーが、カラーの第1端部の第1係合機構と、カラーの第2端部の第2係合機構と、掘削流体を通す流体通路とを有している。第2モジュールは、ツールの外部の少なくとも一部を形成する第2カラーを備え、該カラーが、第1カラーの第2端部と係合するための、カラーの第1端部の第1係合機構と、カラーの第2端部の第2係合機構と、モジュールの一定長さに亘って延びている、掘削流体を通すための流体通路とを有している。1つ以上のコネクタは、補助ライン連結部と、モジュール間に電力および/またはデータを伝送するワイヤ接続部とを有している。
【0019】
本発明の他の態様によれば、坑井掘削システムが開示される。この坑井掘削システムは、地表からの掘削流体の流れを供給するドリルストリングと、該ドリルストリングに作用するように連結された第1端部を備えた地層試験ツールと、ツールの第2端部に作用するように連結されたドリルビットとを有し、ドリルビットは、ドリルストリングからの掘削流体を地層試験ツールを通して受入れる。地層試験ツールは複数のモジュールを有し、各モジュールが少なくとも1つのフローラインおよび掘削流体通路を備えている。複数のモジュールのうちの第1のモジュールは、複数のモジュールのうちの第2モジュールの第1端部または第2端部に作用するように連結でき、これにより、第1モジュールと第2モジュールとの間のフローラインおよび掘削流体通路内の流体を伝送できる。
【0020】
本発明の他の態様によれば、掘削現場でダウンホールツールを組立てる方法が開示される。この方法は、第1モジュールおよび第2モジュールを用意する段階を有している。各モジュールは、ツールの外部の少なくとも一部を形成し、かつ第1モジュールのフローラインを第2モジュールのフローラインに連結し、フローラインはツールの外部に流体的に連結される。第1モジュールのカラーは、該カラーの第1端部の第1ねじ部分と、カラーの第2端部の第2ねじ部分と、モジュールの一定長さに亘って延びている、掘削流体を通す流体通路とを有している。第2モジュールのカラーは、該カラーの第1端部の第1ねじ部分と、カラーの第2端部の第2ねじ部分と、モジュールの一定長さに亘って延びている、掘削流体を通す流体通路とを有している。
【0021】
本発明の更に別の態様によれば、掘削同時並行ツールの複数のモジュールを再編して複数のツールを得る方法が開示される。この方法は、複数のモジュールを用意する段階を有し、各モジュールは少なくとも1つのフローラインおよび掘削流体通路を有している。この方法は更に、複数のモジュールを第1形態に連結して、第1ダウンホールツールを得る段階と、複数のモジュールを第2形態に連結して、第2ダウンホールツールを得る段階とを有している。
【0022】
本発明の上記特徴および長所が詳細に理解されるように、添付図面に示す本発明の実施形態を参照して、本発明をより詳細に説明する。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示すに過ぎず、したがって本発明の範囲を限定するものではなく、本発明は他の等しく有効な実施形態をも含むものであることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】リグから坑井内へと延びている従来のドリルストリングの一部を断面で示す概略図であり、地層テスターアセンブリを備えたドリルストリングは、コネクタ(単一または複数)により連結された複数のモジュールを有している。
【図2A】図1のドリルストリングの一部を示す概略断面図であり、地層テスターアセンブリおよびその相互連結されたモジュールの幾つかをより詳細に示すものである。
【図2B】図2Aに例示したプローブモジュールの一部を断面にしたより詳細な概略図である。
【図2C】ドリルストリングに使用する例示のポンプ排出を断面にした部分概略図である。
【図2D】ドリルストリングに使用する例示のダウンホール流体分析モジュールの一部を断面にした概略図である。
【図3A】図2A−図2Dに示した2つ以上のモジュールを用いた第1形態を有するドリルストリングの概略図である。
【図3B】図2A−図2Dに示した2つ以上のモジュールを用いた第2形態を有するドリルストリングの概略図である。
【図3C】図2A−図2Dに示した2つ以上のモジュールを用いた第3形態を有するドリルストリングの概略図である。
【図3D】モジュラツールの作動を示すフローチャートである。
【図4A】一般的なモジュラコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図4B】軸線方向に配向された中央流体導管および半径方向に配向された中央導電性通路を備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図5】軸線方向に配向された環状流体導管および半径方向に配向された中央導電性通路を備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図6】図5のコネクタと同様のコネクタにより連結された2つのダウンホールコンポーネントの概略断面図であり、コネクタと連結されたコンポーネントとの間のインターフェースをより詳細に示すものである。
【図7】コネクタの長さを調節するアセンブリを備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図8】コネクタの長さを調節する他のアセンブリが設けられたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図9】半径方向に対称的な内側流体導管および半径方向に配向された中央導電性通路を備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図10】軸線方向に配向された中央流体導管および軸線方向に配向された非中央導電性通路を備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図11A】図10の軸線方向に配向された導電性コネクタ通路を備えたワイヤ状(有線)ドリルパイプシステムの一部を示す概略断面図である。
【図11B】図10の軸線方向に配向された導電性コネクタ通路を備えたワイヤ状(有線)ドリルパイプシステムの一部を示す概略断面図である。
【図12】半径方向に対称的な外側流体導管および半径方向に配向された中央導電性通路を備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図13】軸線方向に配向された非中央流体導管および軸線方向に配向された導電性通路を備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図14A】コネクタのボディアセンブリの第1管状部材と第2管状部材とを分離したときに、相互連結されたコンポーネントのフローラインを自動的に遮断するバルブを備えたコネクタを示す概略断面図である。
【図14B】コネクタのボディアセンブリの第1管状部材と第2管状部材とを分離したときに、相互連結されたコンポーネントのフローラインを自動的に遮断するバルブを備えたコネクタを示す概略断面図である。
【図15】同心状に配置されたリングを備えた複数の電気的接続部および流体連結部を備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、標準の掘削作業を維持すると同時に、近くのツール間またはモジュール間に流体並びに電気信号を伝送できるコネクタおよびモジュラシステムを提供する。かくして、例えば本発明を用いることにより、2つのLWD(logging-while-drilling:掘削同時並行検層)またはワイヤラインツールまたはモジュールを連結して、これらの間に流体(油圧)連通および電気通信を行うことができる。コネクタは、このような連通および通信を必要とするダウンホールツールストリングのどこにでも配置できる。
【0025】
図1には、本発明を有利に使用できる従来のドリリングリグ(掘削リグ)およびドリルストリングが示されている。地上据付形のプラットホーム・デリックアセンブリ110が、地下地層Fを貫入する坑井W上に配置されている。図示の実施形態では、坑井Wは、良く知られた方法で回転掘削により形成されている。しかしながら、本発明の利益を理解できる当業者ならば、本発明は、斜め掘り並びに回転掘削、LWDおよびMWD(measurement-while-drilling:掘削同時並行測定)等に用途を見出すこともでき、地上据付形リグに限定されないことが理解されよう。
【0026】
ドリルストリング112は、坑井W内に懸架されておりかつその下端部にドリルビット115を有している。ドリルストリング112は、図示しない手段により付勢されるロータリテーブル116により回転され、該ロータリテーブル116はドリルストリング112の上端部でケリー117と係合している。ドリルストリング112は、トラベリングブロック(図示せず)に取付けられたフック118から、ケリー117と、フック118に対してドリルストリング112の回転を可能にするロータリスイベル119とを介して懸架されている。
【0027】
掘削流体または掘削泥126は、坑井現場に形成されたピット127内に貯蔵される。ポンプ129は、掘削流体(掘削泥としても知られている)126を、スイベル119内のポートを介してドリルストリング112の内部に供給し、掘削流体を、方向矢印109で示すようにドリルストリング112を通して下方に押し流す。掘削流体126は、ドリルビット115のポートを通ってドリルストリング112から出て、次に、ドリルストリング112の外部と坑井の壁との間の環状部を通り、方向矢印132で示すように上方に循環する。このようにして、掘削流体はドリルビット115を潤滑しかつ地層掘削屑を地表まで搬送して、再循環のためにピット127に戻す。
【0028】
ドリルストリング112はまた、ドリルビット115の近く(換言すれば、ドリルビットからドリルカラー長の数倍以内の位置)のボトムホールアセンブリ(その全体を参照番号100で示す)を有している。ボトムホールアセンブリ(bottom hole assembly:BHA)100は、情報の測定、処理および記憶並びに地表との通信を行う能力を有している。BHA100はまた、例えば他の種々の測定機能を遂行するためのドリルカラー搬送形ツール、スタビライザ等、およびテレメトリ機能を遂行するための地表−ローカル通信サブアセンブリを有している。
【0029】
図1の実施形態のドリルストリング112には更に、電力または油圧動力、流れ制御、流体サンプリング、流体分析および流体サンプル貯蔵等の種々のそれぞれの機能を遂行するための種々の連結形モジュール130a、130b、130cを備えた地層試験ツールを収容するドリルカラー130が設けられている。図2A−図3Cを参照して、BHA100の他のモジュールおよび構成をより詳細に説明する。モジュール130bは、当業者に広く知られているように、坑井Wの壁と係合しかつ地層Fから流体の代表的サンプルを抽出するためのプローブ232を備えたプローブモジュールである。他のモジュール(例えばモジュール130c)には、プローブモジュール130bを介して通信される代表的流体サンプルまたは「クリーン」流体サンプルを貯蔵しておくPVT―クオリティチャンバ(タンクまたはシリンダとしても知られている)が設けられている。
【0030】
図2Aには、図1の地層テスターアセンブリ130、より詳しくはプローブモジュール130bおよびサンプル貯蔵モジュール130cがより詳細に示されている。プローブモジュール130bには、坑井Wの壁と係合して流体を地層Fからプローブライン234を介して中央フローライン236内に吸引するプローブアセンブリ232が設けられている。(数あるバルブのうち)バルブ238、240、242が操作されて、プローブ232が流れ制御モジュール(図示せず)に流体的に連結され、これにより、地層流体がフローライン236内に吸引されかつサンプリングされた流体が地層テスター130内の適当なモジュールにポンピングされ、分析、坑井環状部への排出または貯蔵等が行われる。プローブモジュール130cには、後で地表で分析すべくPVT−クオリティ流体サンプルを受入れかつ貯蔵するための1つ以上のサンプル貯蔵チャンバ244が設けられている。
【0031】
サンプリングされた流体を隣接モジュール(これらのモジュールは、図2に示すように実際には当接しておらず、より詳細に後述する)間に導きかつ電気ライン250を介して電気信号を導くためのコネクタ210が用いられている。電気ライン250はまた、地層テスター130の種々のモジュール(130a、130b、130c)間で電力(可能ならばデータも)を伝送すべく、モジュールを通って延びている。しかしながら、後述のように、BHAに使用されるモジュールに基づいて、コネクタ210(および本明細書で説明する他の全てのコネクタ)は、1つ以上の油圧ラインおよび/または1つ以上の流体ラインに連通させることができる。また、流体サンプリングおよび圧力測定並びに圧力勾配測定および他のリザーバ試験作業を行うため、1つ以上の圧力ゲージ246を1つ以上のサンプリングプローブ(1つのみのプローブ232が示されている)と協働するように使用できる。また、圧力ゲージ246のようなセンサを適当に使用することにより、コネクタ210の完全性を確認できる。したがって、本発明の利益を有する当業者には理解されようが、本発明のコネクタは多くの構成および用途に適合でき、地層試験ツールに限定されるものではない。
【0032】
図2Bには、図2Aのプローブモジュールがより詳細に示されている。例えば、上記種々の部品またはアセンブリに加え、プローブモジュール130bには、電子アセンブリ151と、坑井W内にBHA100を固定するためのセッティングピストンすなわちバックアップピストン150とを設けることができる。電子アセンブリ151は電気ライン250に伝送可能に接続されており、これらの間にデータおよび/または電力を伝送できる。また、電子アセンブリ151は、対応情報を収集しかつ通信すべくモジュール130b内またはモジュール130bの周囲に配置された1つ以上のセンサ(例えば圧力ゲージ246)に通信可能に接続できる。しかしながら、他の圧力センサおよび/または他のセンサ(図示せず)を、プローブ232、フローライン236、セッティングピストン150等に配置することができる。電子アセンブリはまた、図2Bに示す例のバルブ238、240等のバルブに作動可能に接続できる。
【0033】
セッティングピストン150は、BHA100の固定に際しプローブ232と協働する。セッティングピストン150は、油圧ライン152を介して油圧ライン154に流体的に連結されている。油圧ライン154は、セッティングピストン150およびプローブ232を伸長させる充分な動力を発生するポンプ156に連結されている。より詳しくは、ポンプ156は、油圧ライン154を介して油圧ライン158にも流体的に連結されており、プローブ232を坑井壁に対して押付けることができる。或いは、セッティングピストン150は、例えば電気機械手段のような油圧手段以外の何らかの手段を用いて伸長すなわち作動させることができる。
【0034】
他の実施形態では、プローブ232および/またはセッティングピストン150を作動させるのに必要な動力は、BHAのどこかに配置されるポンプまたは押し退け容積形ユニット(置き換えユニット)により得ることができる。例えば、動力は、図3Aおよび図3Bに示すように、油圧モジュール130hにより得ることができる。油圧モジュール130hには、必要な油圧動力を付与するポンプ(図示せず)を設けることができる。かくして、モジュール130bを通して1つ以上の油圧ライン160を配置して、地層テスターアセンブリ130のモジュール130b内のアセンブリまたは他のアセンブリを駆動することもできる。例えば、油圧ライン162は、ライン160を、ライン154を介してプローブ232およびセッティングピストン150に流体的に連結する。本明細書の簡潔性および明瞭性の観点から、本発明の開示および図面の全体を通して、2本以上であっても油圧ラインを単一ラインで示すことは有意義である。例えば、ポンプ156とプローブ232との間に延びているライン156、158は実際には2本の油圧ラインであり、例えば一方の油圧ラインは動力または圧力を供給し、他方の油圧ラインは戻りラインである。
【0035】
図2Aに関連して説明した部品またはアセンブリに加え、プローブモジュール130bは、プローブ232に流体的に連結されるプリテストピストン163を有し、この実施形態では、プリテストピストン163はフローライン236、234を介してプローブ232に流体的に連結されている。プリテストピストン163は、ローラスクリュウおよびモータまたは他の既知の手段により作動される。プローブモジュール130bを作動させる動力は、モジュール130b内の動力源により発生させることができるが、例えば1つ以上のコネクタを介して他のモジュール130により得ることができる。当業者ならば理解されようが、プリテストピストン163は、例えば地層圧力のような地層パラメータを得るのに使用できる。また、プローブモジュール130bには、プローブ232に流体的に連結される第2フローライン164を設けることができる。図示されていないが、第2フローライン164は、選択的にフローライン236と同じ部品またはアセンブリに流体的に連結できる。或いは、第2フローライン164は、フローライン236に流体的に連結された部品またはアセンブリと同じまたは同様な機能を達成するように、第2フローライン164自体の部品またはアセンブリに流体的に連結することができる。このように、プローブモジュール130b、コネクタおよびツールは、全体として、少なくとも2つのサンプルフローライン、したがって二重入口またはガードされたサンプリングを支持する基盤(infrastructure)を含む。例えば、二重入口は、第1フローライン236を通る汚染流体のサンプリングおよび第2フローライン164を通るきれいなすなわちバージン地層流体のサンプリングが行えるように位置決めされかつ適合される。しかしながら、フローライン164、236は、他の特徴および長所が得られるように組合せて使用できる。より詳しくは、フローライン164、236は両方とも、汚染流体を通すのに使用でき、或いは例えば掘削流体を搬送するように操作できる。
【0036】
図2Cには、1つ以上の他のモジュール130a−130iに使用できるポンプ排出(pump-out)モジュール130dが示されている。ポンプ排出モジュール130dは、押し退けユニット(displacement unit)168およびアクチュエータ170を備えた、例えばリニアモータまたは油圧ポンプのようなポンプ166を有している。ポンプ166はプローブ232に流体的に連結されており、かつ地層流体をサンプリングしかつツールの種々のモジュールの全体に亘って種々の流体を搬送するのに必要な圧力および流量を発生する。ポンプ166は更に、押し退けユニット168とフローライン236との間に配置されたバルブシステム172を有し、該バルブシステム172は、押し退けユニット168に流入および流出する流体の流れを調整する。(数あるバルブのうち)バルブ174、176、178は、流体の流れを制御しかつサンプリングされた流体を地層テスター130内の適当なモジュールにポンピングして分析し、坑井環状体に排出しまたは貯蔵等を行うべく、ポンプ166をプローブ232および種々の他のモジュールに流体的に連結するように操作される。例えば、バルブ178は、フローライン236と、該フローライン236内の流体を坑井W内に排出する出口180との間に配置される。
【0037】
図2Bおよび図2Cに示すように、ここでは、本明細書で論じるツールの1つ以上のコンポーネントが、内側環状体または坑井179のようなツールの内部と流体的に連結すなわち流体的に連通されることを考えることもできる。内側環状体または坑井179は、流体の掘削泥126がドリルストリング112からドリルビット115へと流れるときに、掘削泥126用の導管を形成する。例えば図2Bに示すように、プローブモジュール130bには、フローライン236から1つ以上のバルブを介して環状体179まで延びているフローライン181を設けることができる。この構成では、フローライン181は、流体を、フローライン236から下方に流れる掘削流体126内に落し、除去しまたは排出するのに使用できる。同様に図2Cに示すように、ポンプ排出モジュール130dには、バルブ178から環状体179内に延びているフローライン183を設けることができる。環状体内への1つ以上のフローラインは、モジュール130b、130dまたは他のいずれかのモジュール130に設けられるか否かにかかわらず、これらの機能および位置が前述のような機能および位置に限定されるものではなく、種々の他のコンポーネントおよびフローラインを環状体または坑井179内に連結できる。例えば、限定的ではなくかつ図示もしないが、図2Aの1つ以上のサンプル貯蔵チャンバ244および図2Bのプリテストピストン163の各々は、内側環状体または坑井179に流体的に(luifly)連結できる。
【0038】
電子アセンブリ182は、データおよび/または電力を伝送すべく電気ライン250に伝送可能に接続されている。また、電子アセンブリ182は、データを収集しかつ通信すべくモジュール130d内およびこの回りに配置された1つ以上のセンサ(図示せず)に通信可能に接続できる。例えばポンピングパラメータを決定するため、位置センサ、流量センサおよび/または圧力センサをポンプ166に隣接して配置できる。更に、電子アセンブリ182は、バルブ174、176および/または178に作動可能に接続できる。電子アセンブリは、サンプリング作動を制御すべくポンプ166(例えばモータ170)に作動可能に接続するのが好ましい。任意であるが、電子アセンブリはポンプ166の閉ループ制御を行うように構成できる。
【0039】
また、ポンプ排出モジュール130dには第2フローライン164を設け、該フローラインを、フローライン236と同じ部品またはアセンブリに選択的に接続することができる。或いは、第2フローライン164をそれ自体の部品またはアセンブリに流体的に連結して、フローライン236に流体的に連結された部品またはアセンブリと同じまたは同様な機能を行わせることができる。また、単にポンプ排出モジュール130dを通して供給されおよび/または例えばポンプ166の駆動に使用できる油圧ライン160を、ポンプ排出モジュール130dに設けることができる。
【0040】
図2Dには、他のモジュール130a−130iに使用できるダウンホール流体分析(Downhole Fluid Analysis:DFA)モジュール130eが示されている。DFAモジュール130eは、種々の流体パラメータを測定するための1つ以上の流体センサ184を有している。DFAモジュール130eとして、例えば圧力センサ184a、光学センサ184b、粘度センサ184c、密度センサ184d、抵抗センサ184eおよびH2Oセンサ184fがあるが、これらに限定されるものではない。センサ184はフローライン236に流体的に連結され、かつ対応情報を収集しかつ通信すべく電子アセンブリ186に通信可能に接続できる。電子アセンブリ186もまた、試験ツールアセンブリ130の他のモジュール間でデータおよび/または電力を伝送すべく、電気ライン250に伝送可能に接続される。また、DFAモジュール130eには第2フローライン164を設けることができ、該第2フローライン164は、フローライン236と同じ部品またはアセンブリに選択的に流体的に連結できる。或いは、第2フローライン164はそれ自体の部品またはアセンブリに流体的に連結して、フローライン236に流体的に連結された部品またはアセンブリと同じまたは同様な機能を達成することもできる。DFAモジュール130eには更に、単にDFAモジュール130eを介して供給される油圧ライン160を設けることができる。
【0041】
図3A−図3Cには、1つ以上のモジュール130a−130iの組合せにより達成できる多くの可能な構成が示されている。また、図3A−図3Cには、例えば制御モジュール130i、電力モジュール130fおよび油圧モジュール130h等の付加モジュール130が示されている。より詳しくは、制御モジュール130iには、情報およびデータを記憶する1つ以上のメモリおよび試験ツールの他のモジュールを制御し、データを分析しかつ地表のオペレータ(図示せず)と通信することができる1つ以上のコントローラを設けることができる。電力モジュール130fは、例えばタービンおよび/または充電可能なバッテリ(図示せず)を介して試験ツールのための電力を発生することができる。電力発生機構は、電子ライン250を介して他のモジュールに電力を伝送できるが、電力を供給する全体として別のラインを設けることができる。必須という訳ではないが、制御モジュール130iおよび/または電力モジュール130fには、モジュール130同士の間に流体(例えば油圧流体)を通すための1つ以上の流体連結部を設けることができる。これにより、流体連結部を必要とするモジュール間に制御モジュール130iおよび/または電力モジュール130fが配置されるので付加モジュール性が得られる。
【0042】
油圧モジュール130hは、1つ以上のモジュールおよびこれらのそれぞれの部品およびアセンブリに油圧動力を供給し、したがって少なくとも1つの流体ラインを必要とする。例えば、油圧モジュール130hが動力をポンプ166、プローブ232および/またはセッティングピストン150に供給するように、ツールを連結及び構成することができる。より詳しくは、油圧モジュール130hは、油圧補償システム、油圧動力を供給するポンプ、制御電子部品、電源、センサ、バルブ(図示せず)、および油圧発生システムに見られる他の一般的部品を有している。
【0043】
より詳しくは、図3Aには、遠位端にドリルビット115を備えたBHA100’が示されている。ビット115から上に向かって順に、プローブモジュール130b、DFAモジュール130e、ポンプ排出モジュール130d、油圧モジュール130h、サンプルキャリヤモジュール130c、動力発生モジュール130fおよび制御モジュール130iが設けられ、これらは、油圧および電気的エクステンダ又はコネクタ210または後述の任意のコネクタを用いて連結される。コネクタ210は、1つのモジュール130から他のモジュールへの地層流体/坑井流体の搬送、および/またはシステムコンポーネントを作動させる油圧流体の搬送を行うことができる。電気的エクステンダ210は、モジュール130間で信号および電力を伝送して、モジュール間でデータを共有しまたは1つのマスターモジュールからの作動を制御する。図示されてはいないが、BHA100’には、図1に示すように、地表にデータを送りおよび/またはオペレータからダウンリンクコマンドを受けるためのテレメトリツールを設けることができる。
【0044】
より詳しくは、前述のサンプルラインおよびガードラインのような1つ以上のフローライン(図2A−図2Dの164、236)を、プローブ232(ビット115に隣接または近接して配置されたプローブ)から、流体分析のためのDFAモジュール130eを通ってポンプ排出モジュール130dまで延ばすことができ、ポンプ排出モジュール130dでは、ポンプ166(図2C)が圧力をラインに付与する。同様に、1つ以上の油圧ライン(図2B−図2Dの160)が油圧モジュール130hからポンプ排出モジュール130d内に延びており、ポンプ166(図2C)を作動させる。また、1つ以上の油圧ライン160が、DFAモジュール130eを通ってプローブモジュール130b内に延びており、プローブ232またはセッティングピストン150を作動させる。1つ以上のデータおよび/または動力ライン250が、動力発生モジュール130fおよび制御モジュール130iからBHA100’の残りのモジュール130まで延びており、種々のアセンブリを運転させかつモジュール130間でデータを通信するのに必要な動力(電力)を供給する。
【0045】
モジュール130a−130iおよびコネクタ210の種々の部品およびアセンブリをパッケージングするのに1つ以上のシャーシハウジングが使用され、地表からドリルビット115まで流体通路を掘削できるように構成されている。この構成では、坑井が掘削されるとき、トリッピングの間またはワイパーのトリップ時に、種々の地層試験を行うことができかつ例えば坑井のステアリング、制御、泥システムの適合およびリザーバの特徴付けに使用できるリアルタイム情報を得る。上記および他の試験を行うことに加え、このモジュラシステムは、小さいサイズのツールを得るべく組合せることができるツール間に共通の特徴を与え、かつ例えば圧力試験、流体サンプリング、流体分析および組合せ等の仕事ニーズにしたがって構成される試験ツールを与える。
【0046】
また、長さの制限があるため、単一ツールの複雑さが非常に制限される。モジュラツールでは、各モジュールは依然としてリーズナブルな長さに留まることができ、リグ上でモジュールを搬送しかつ取扱うことができる。かくして、モジュール130の長さはモジュールが標準リグ装置により容易に取扱うことができる長さ、例えば約35−40フィートより短い長さにすべきである。また、モジュラツールは、顧客の利益のため、より多くの特徴および複雑さをBHAに組込むことができる。或る場合には、DFAモジュール103eは、例えばオイルベース泥システム(図3A)におけるようにポンプ排出モジュール130dの前に配置するのが好ましい。他の場合には、DFAモジュール103eは、例えば水ベース泥システム(図3C)におけるように、ポンプ排出モジュール130dの後に配置するのが好ましい。
【0047】
図3Bおよび図3Cには、BHA100''、100'''を形成するモジュール130の異なる構成が示されている。より詳しくは、図3BのBHA100''は、ビット115に隣接して配置された第1プローブモジュール130bと、ビット115から離れた位置に配置された第2プローブモジュール130bとを有している。この構成では、BHA100''はサンプリングおよび圧力試験を同時に行うのに適しており、或いは同時に2つのプローブを用いてサンプリングまたは圧力試験を行うのに適している。同様に、BHA100''は、2つのプローブモジュール130bにより得られる構造を必要とする、当業者に知られた干渉試験を行うのに適している。2つのプローブモジュールに油圧動力を付与するコンポーネントは、単一モジュール130h内に再編成されかつ2つのプローブモジュール間で共有される。
【0048】
図3CのBHA100'''は、ビット115に隣接して配置されたプローブモジュール130bと、ポンプ排出モジュール130dの両側に配置された第1および第2DFAモジュール130eとを有している。この構成では、BHA100'''は、ポンピングの後および前の流体の分析、および分離(セグレゲーション)の検出および/またはポンプモジュールで生じることがあるエマルションの破壊を行うことができる。
【0049】
作動に際し、BHAは、リグ床上または不動産が制限されるリグに隣接して組立てられる。例えば、図3Dに示すように、BHAの底はスリップ内にロックされる。次に、運転すべき特定の仕事または試験に基づいてモジュール130が選択され、次にBHAにねじ込まれるか、さもなければ取付けられる。次に、他のモジュール130がBHAに付加される箇所まで、ドリルストリングが下降される。種々のモジュール130を付加しまたは連結する場合に、1つ以上の油圧ライン、1つ以上のデータラインおよび/または1つ以上の流体ラインが、本明細書に開示するコネクタの1つを用いて連結される。また、種々のモジュール130を連結する間に、掘削流体の通路がBHAを通して完成される。
【0050】
図4Aには、一般的なモジュラコネクタ310が示されており、これは、地下地層Fに貫入する坑井W内に配置されるダウンホールツールストリング(連結されたドリルカラー306、308により表されている)の2つのそれぞれのコンポーネント360、380の対向端部361、381を通って延びかつこれらの端部またはこの近くに終端する補助フローライン362、382と電気的ライン364a、364b、384a、384bとを連結するのに使用される。コンポーネント360、380は別個のダウンホールツールであり、図2で上述したような一体形ツールの別個のモジュールである必要はない。
【0051】
コネクタ310は、補助フローライン362、382を流体的に連結しかつ2つのそれぞれのコンポーネント360、380の電気的ライン364a、364b、384a、384bを電気的に接続するボディアセンブリ312を有している。ボディアセンブリは実質的に一体に形成するか、後述の種々の実施形態で説明するように2つ以上の補完部分で構成できる。ボディアセンブリ312は、2つのコンポーネントの補助フローライン362、382を流体的に連結する少なくとも1つの流体導管322を形成している。後述の実施形態では、他の種々の流体導管解決方法が提供される。ボディアセンブリには、一般に、連結されたコンポーネント360、380の端部361、381を横切る流体連結部をシールするОリングシール324a、324b、326a、326bが設けられている。Оリングは、当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要するあらゆる場所で同様に使用できることは理解されよう。更に、本願の開示を通して、Оリングは種々の流体連結部にわたってシールを行うものと理解されようが、他の既知のシーリング機構(例えばパッキングリング)も有利に使用できる。また、少なくとも幾つかの実施形態では、コネクタボディアセンブリは、例えば、相互連結されたコンポーネントの1つの溢流が他の相互連結されたコンポーネントに伝播することを防止する圧力隔壁の機能を遂行する。
【0052】
ボディアセンブリには更に、2つのコンポーネント360、380の電気的ライン364a、364b、384a、384bを電気的に接続するための少なくとも1つの導電性通路(図4Aには示されていない)が設けられている。このような電気的通路は、ボディアセンブリを通して電気信号を伝送するのに有効であり、後述の種々の実施形態に例示する多くの方法で形成できる。
【0053】
コネクタボディアセンブリは実質的に金属で作られ、連結ピン、接点等をシールするのにガラスが使用されている。或いは、コネクタボディアセンブリは、絶縁性熱可塑性プラスチック(例えばPEEK(登録商標)熱可塑性プラスチック)、または金属と、絶縁性熱可塑性材料と、ガラスとの適当な組合せで作ることができる。
【0054】
連結すべきツールストリングコンポーネント360、380の端部361、381間の異なる距離dに適合させるため、ボディアセンブリ312の長さを調節する長さ調節アセンブリ314(スリーブ部材(図示せず)を組み込み可能)が更に設けられている。後述するように、ボディアセンブリ312には、ねじにより相互連結(例えば互いに連結または共通スリーブまたはサブを介して連結)される第1および第2部材を設けることができる。この場合、長さ調節アセンブリ314は、第1および第2ボディアセンブリ部材の一方または両方の回転を可能にしまたは補助するように作動し、ボディアセンブリの全長を調節する。この場合における長さ調節アセンブリの操作は、2つのコンポーネント360、380の対向端部361、381間にボディアセンブリ312の大部分を配置することにより簡単化されることは理解されようが、これは本質的なことではない。
【0055】
図4B−図14には、ダウンホールツールストリングの近接モジュールおよび/またはツールのようなコンポーネントの連結に使用できるコネクタの種々の例が示されている。各コネクタは、一般的に連結可能な第1および第2管状部材からなるボディアセンブリを有している。第1および第2管状部材は、それぞれ管状のピン部分およびボックス部分で構成でき、或る実施形態では、後述のようにドリルストリング内の隣接ドリルカラーで構成できる。
【0056】
図4Bは、それぞれのドリルカラー406、408内に支持された2つのコンポーネント460、480の中央で軸線方向に配向された補助フローライン462、482に有用性を有するコネクタ410を示す断面図である。コネクタ410のボディアセンブリ412は、連結可能な第1および第2管状部材412a、412bを有している。第1管状部材412aは上方コンポーネント460(該上方コンポーネントは上方ドリルカラー406と一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ412のピン部分を形成している。第2管状部材412bは下方コンポーネント480(該下方コンポーネントは下方ドリルカラー408と一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ412のボックス部分を形成している。ドリルカラー406、408はこれらが相対回転できるように構成されているため、ボディアセンブリ412のボックス部分およびピン部分も回転でき、かつ2つのコンポーネント460、480の補助フローライン462、482を流体的に連結する軸線方向に配向された流体導管422を形成すべく連結係合するように駆動される。一般に、Оリング415a、415bが第1管状部材412aのスリーブ部分413の回りに支持されており、かつОリング419a、419bが第2管状部材412bのスリーブ部分417の回りに支持され、連結されたコンポーネント460、480の端部461、481を横切る流体連結部をシールしている。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0057】
第1および第2管状部材412a、412bはまた、協働して少なくとも1つの導電性通路474を形成し、2つのコンポーネント460、480の電気的ライン464a、464b、484a、484bを電気的に接続する。電気的ラインはピン485によりボディアセンブリ412の導電性通路474に取付けられているが、他の既知の数ある取付け手段のうち半田付けまたはクリンプにより所定位置に取付けることができる。導電性通路474は、第1および第2管状部材412a、412bのそれぞれのピン部分およびボックス部分により支持された補完関係をなす半径方向(環状)電気的接点490a(内側)および490b(外側)により、第1および第2管状部材412a、412bを横切って半径方向に配向されている(すなわち、半径方向に配向されたセグメントを有している)。
【0058】
ボディアセンブリ412の長さを調節するアセンブリは、簡単化のため図4Bには示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリは多くの用途において少なくとも望ましいものであることは理解されよう。このようなアセンブリの特定例を図7および図8を参照して以下に説明する。
【0059】
図5は、それぞれのドリルカラー506、508内に支持された2つのコンポーネント560、580の軸線方向に配向された環状補助フローライン562、582に有用性を有する特定コネクタの実施形態510を示す断面図である。コネクタ510のボディアセンブリ512は、連結可能な第1および第2管状部材512a、512bを有している。第1管状部材512aは上方コンポーネント560(該上方コンポーネントは上方ドリルカラー506に固定されており、該上方ドリルカラーと一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ512のピン部分を形成している。第2管状部材512bは下方コンポーネント580(該下方コンポーネントは下方ドリルカラー508に固定されており、該下方ドリルカラーと一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ512のボックス部分を形成している。したがって、ドリルカラー506、508はこれらが相対回転できるように構成されているため、ボディアセンブリ512のボックス部分およびピン部分も回転でき、かつ2つのコンポーネント560、580の補助フローラインを流体的に連結する軸線方向に配向された環状流体導管522を形成すべく連結係合するように駆動される。一般に、Оリング515a、515bがボディアセンブリ512のピン部分の回りに支持され、第1および第2管状部材512a、512bを横切る流体連結部をシールする。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0060】
第1および第2管状部材512a、512bはまた、協働して少なくとも1つの導電性通路574を形成し、2つのコンポーネント560、580の電気的ライン564、584を電気的に接続する。電気的ライン564、584はピン−ソケット設計(ウェットスタブと同様)の、補完関係をなす半径方向(環状)電気的接点583a(内側)および583b(外側)およびピン585によりボディアセンブリ512の導電性通路574に取付けられているが、他の既知の数ある取付け手段のうち半田付けまたはクリンプにより所定位置に取付けることができる。導電性通路574は、第1および第2管状部材512a、512bのピン部分およびボックス部分により支持された半径方向(環状)電気接点590a(内側)、590b(外側)により第1および第2管状部材512a、512bを横切って半径方向に配向されている(すなわち、半径方向に配向されたセグメントを有している)。
【0061】
ボディアセンブリ512の長さを調節するアセンブリは、簡単化のため図5には示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリは多くの用途において少なくとも望ましいものであることは理解されよう。このようなアセンブリの特定例を図7および図8を参照して以下に説明する。
【0062】
図6は、それぞれのドリルカラー606、608内に支持された2つのコンポーネント660、680の軸線方向に配向された環状補助フローライン662、682に有用性を有する他のコネクタ610を示す断面図である。コネクタ610のボディアセンブリ612は、連結可能な第1および第2管状部材612a、612bを有している。第1管状部材612aは上方コンポーネント660(該上方コンポーネントは上方ドリルカラー606に固定されており、該上方ドリルカラーと一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ612のピン部分を形成している。第2管状部材612bは下方コンポーネント680(該下方コンポーネントは下方ドリルカラー608に固定されており、該下方ドリルカラーと一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ612のボックス部分を形成している。したがって、ドリルカラー606、608はこれらが相対回転できるように構成されているため、ボディアセンブリ612のボックス部分およびピン部分も回転でき、かつ2つのコンポーネント660、680の補助フローライン662、682を流体的に連結する軸線方向に配向された環状流体導管622を形成すべく連結係合するように駆動される。一般に、Оリング615a、615bがボディアセンブリ612のピン部分の回りに支持され、第1および第2管状部材612a、612bを横切る流体連結部をシールする。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0063】
第1および第2管状部材612a、612bはまた、協働して少なくとも1つの導電性通路674を形成し、2つのコンポーネント660、680の電気的ライン664、684を電気的に接続する。電気的ライン664、684はピン−ソケット設計のピン685、687によりボディアセンブリ612の導電性通路674に軸線方向に取付けられているが、他の既知の数ある取付け手段のうち半田付けまたはクリンプにより所定位置に取付けることができる。導電性通路674は、第1および第2管状部材612a、612bのピン部分およびボックス部分により支持された補完関係をなす半径方向(環状)電気接点690a(内側)、690b(外側)の上方対および下方対により第1および第2管状部材612a、612bを横切って半径方向に配向されている(すなわち、半径方向に配向されたセグメントを有している)。
【0064】
ボディアセンブリ612の長さを調節するアセンブリは、簡単化のため図6には示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリは多くの用途において少なくとも望ましいものであることは理解されよう。このようなアセンブリの特定例を図7および図8を参照して以下に説明する。
【0065】
図7は、それぞれのドリルカラー706、708内に支持された2つのコンポーネント760、780の軸線方向に配向された補助フローライン(図示せず)に有用性を有する特定の実施形態のコネクタ710を示す断面図である。コネクタ710のボディアセンブリ712は、連結可能な第1および第2管状部材712a、712bを有している。第1管状部材712aは上方コンポーネント760(該上方コンポーネントは上方ドリルカラー706と一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ712のボックス部分を形成している。第2管状部材712bは下方コンポーネント780(該下方コンポーネントは下方ドリルカラー708と一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ712のピン部分を形成している。したがって、ドリルカラー706、708はこれらが相対回転できるように構成されているため、ボディアセンブリ712のボックス部分およびピン部分も回転でき、かつ2つのコンポーネント760、780の補助フローライン(図示せず)を流体的に連結する、リニア部分722aおよび環状部分722bを備えた軸線方向に配向された環状流体導管を形成すべく連結係合するように駆動される。一般に、Оリング715a、715bがボディアセンブリ712のピン部分の回りに支持され、第1および第2管状部材712a、712bを横切る流体連結部をシールする。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0066】
第1および第2管状部材712a、712bはまた、協働して少なくとも1つの導電性通路774を形成し、2つのコンポーネント760、780の電気的ライン764、784を電気的に接続する。電気的ライン764、784はピン−ソケット設計785a、785b(ウェットスタブと同様)により、ボディアセンブリ712の導電性通路774に軸線方向に取付けられているが、他の既知の数ある取付け手段のうち半田付けまたはクリンプにより所定位置に取付けることができる。導電性通路774は、第1および第2管状部材712a、712bのボックス部分およびピン部分により支持された補完関係をなす電気的ソケット785a(内側)および電気的ピン785b(外側)により第1および第2管状部材712a、712bを横切って半径方向に配向されている(すなわち、半径方向に配向されたセグメントを有している)。
【0067】
図7には、コネクタの長さを調節するアセンブリ714が幾分詳細に示されている。長さを調節するプロセスは、本質的に、2つのコンポーネント760、780の対向端部間の距離を測定する段階と、測定した距離にしたがって、補助フローライン間の流体連結部および2つのコンポーネントの電気的ライン間の電気的接続部を短縮または延長させる段階とを有している。長さ調節アセンブリ714は、複数のロッキングスクリュウ732により下方コンポーネント780の回りに着脱可能に固定されるスリーブ730を有している。下方コンポーネント780は上方の小径部分780aを有し、該小径部分780aは、コネクタボディアセンブリ712の第2管状部材712bの下方部分(別の参照番号で示されてはいない)内に嵌合されている。下方コンポーネント部分780aおよび第2管状部材712bには、ねじ係合する補完ねじ面(参照番号734で示す)が設けられている。第2管状部材712bは、スリーブ730と協働して第2管状部材712bの回転を防止するキー738を受入れるねじ面の領域内にキースロット736を有している。かくして、スリーブ730およびキー738が取外されると、トルクを加えることにより第2管状部材712bが自由に回転される。
【0068】
コネクタ710の長さ調節は、第1および第2管状部材712a、712b、コンポーネント760、780および長さ調節アセンブリ714がドリルカラー706、708内に配置される前に行われるのが好ましい。本質的に、下方コンポーネント780は、第2管状部材712bにトルクが加えられる間に回転しないように保持され、これにより、下方コンポーネント780に対して第2管状部材712bが回転される。このような相対回転は、第2管状部材712bおよび第1管状部材712aの両管状部材がそれぞれのドリルカラー706、708内に取付けられかつこれらのドリルカラー間の相対回転により達成されるときに、両管状部材間に適正係合が要求されるため、第2管状部材712bを下方コンポーネント部分780aに沿って軸線方向(上方または下方)に移動させる効果を有する。したがって、長さ調節は、下方コンポーネント780に沿って第2管状部材712bの位置を操作することにより行われる。電気的ソケット785aは電気的ピン785bとの係合を行うため下方にばね付勢されているが、第1管状部材712aは一般に、上方コンポーネント760に沿う一位置に保持される。流体の流れ一体性を得るため、種々の位置(参照番号では示されていない)にОリングまたは他のシーリング手段を使用できる。
【0069】
図8は、それぞれのドリルカラー806、808内に支持された2つのコンポーネント860、880の軸線方向に配向された環状補助フローライン862、882に有用性を有する他のコネクタ810を示す断面図である。コネクタ810のボディアセンブリ812は、連結可能な第1、第2および第3管状部材812a、812b、812cを有している。第1および第2管状部材812a、812bは、上方ドリルカラー806に固定されかつ該ドリルカラーと一緒に移動する上方コンポーネント860と一緒に移動できるように支持されている。第1管状部材812aは、ボディアセンブリ812の外側ボックス部分812a1および内側ピン部分812a2を形成する同心状管状部分を有している。第2管状部材812bはОリング815cを用いて第3管状部材812cにスライド可能に連結されており(すなわち、両者の間の相対回転を可能にする)、ボディアセンブリ812の外側ピン部分812b1および内側ボックス部分812b2を形成する同心状管状部分を有している。第3管状部材812cは、下方ドリルカラー808に固定されかつ該ドリルカラーと一緒に移動する下方コンポーネント880と一緒に移動できるように支持されている。したがって、上方ドリルカラー806および下方ドリルカラー808はこれらの間に相対回転が可能であるので、ボディアセンブリ812(第2および第3管状部材812b、812cにより形成される)のボックス部分およびピン部分も回転されかつ連結係合するように駆動されて、2つのコンポーネント860、880の補助フローライン862、882を流体的に連結する、軸線方向に配向された環状流体導管822を形成する。Оリングセット815a、815bは、一般に、第1および第2管状部材812a、812bを横切って流体連結部をシールするため、ボディアセンブリ812のそれぞれのピン部分の回りで支持される。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できる。
【0070】
また、第1および第2管状部材812a、812bは協働して、2つのコンポーネント860、880の電気的ライン864、884を電気的に接続する少なくとも1つの導電性通路874を形成する。電気的ライン864、884はそれぞれの上方および下方のウェットスタブ885a、885bによりボディアセンブリ812の導電性通路874に軸線方向に取付けられるが、数ある他の既知の取付け手段のうちから半田付けまたはクリンプにより取付けることもできる。導電性通路874は、第1および第2管状部材812a、812bにより形成された中央導管891内の導電性ワイヤ(単一または複数)890(コイル状領域890cに留意されたい)の延長部分により一部が形成されている。
【0071】
図8には更に、コネクタ810の長さを調節する他のアセンブリ814が幾分詳細に示されている。長さを調節するプロセスは、本質的に、2つのコンポーネント860、880の対向端部間の距離を決定する段階と、補助フローラインと決定した距離にしたがってそれぞれの2つのコンポーネントの電気的ライン間の電気的接続部との間の流体連結部を短縮または延長する段階とを有している。長さ調節アセンブリ814は、カラー830の回転により外側ボックス部分812a1の下方ショルダとロッキング係合するように駆動できるロックワッシャ831およびウェッジリング832により下方コンポーネント880の回りでロックできるカラーまたはキャップ830を有している。スプリット雄ねじリング827が、外側ピン部分812b1の小径部分の回りで支持されている。外側ピン部分812b1およびリング827は、リング827のねじを補完する雌ねじが設けられた外側ボックス部分812a1内に嵌合している。かくして、ウェッジリング832が外側ボックス部分812a1とのロッキング係合から解放されると、加えられるトルクにより第1管状部材812aが自由に回転される。
【0072】
コネクタ810の長さ調節は、第1、第2および第3管状部材812a、812b、812c、コンポーネント860、880および長さ調節アセンブリ814がドリルカラー806、808内に配置される前に行なうのが好ましい。第1管状部材812aへのトルクの付与により、ねじリング827に対して第1管状部材812aが回転される。この相対回転により、第1管状コンポーネント812aに沿って第2管状部材812bが軸線方向(上昇または下降)に移動される。このためには、第2管状部材812bおよび第3管状部材812cがそれぞれのドリルカラー806、808内に取付けられかつこれらのドリルカラー間の相対回転が生じるときに、両管状部材812b、812cに適正係合が要求される。したがって、長さ調節は、第1管状部材812aに沿って第2管状部材812bの位置を操作することにより行われる。
【0073】
図7および図8に示す実施形態は、第1管状部材と第2管状部材とを相対回転させてボディアセンブリ712、812の長さを調節する構成の長さ調節アセンブリ714、814を用いている。しかしながら、当業者ならば、他の長さ調節アセンブリを有利に採用できることも理解されよう。そのような例として、第1管状部材と第2管状部材との間で相対スライディング、入れ子運動または他の直線運動を行ってコネクタボディアセンブリの長さを調節するアセンブリがある。
【0074】
図9は、それぞれのドリルカラー906、908内に支持された2つのコンポーネント960、980の軸線方向に配向された環状補助フローライン962、982に有用性を有する他のコネクタ910を示す断面図である。コネクタ910のボディアセンブリ912は、連結可能な第1および第2管状部材912a、912bを有している。第1管状部材912aは上方コンポーネント960(該上方コンポーネントは上方ドリルカラー906に固定されており、該上方ドリルカラーと一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ912のピン部分を形成している。第2管状部材912bは下方コンポーネント980(該下方コンポーネントは下方ドリルカラー908に固定されており、該下方ドリルカラーと一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ912のボックス部分を形成している。したがって、ドリルカラー906、908はこれらが相対回転できるように構成されているため、ボディアセンブリ912のボックス部分およびピン部分も回転でき、かつ2つのコンポーネント960、980の補助フローライン962、982を流体的に連結する第1および第2管状部材912a、912bを横切る環状スペース922c(すなわち、連結された部材のインターフェース)を備えた、軸線方向に配向された流体導管922a、922bを形成すべく連結係合するように駆動される。一般に、Оリング915がボディアセンブリ912のピン部分の回りに支持され、かつ一般に1つ以上の面シール917が、環状スペース922cを形成する第1および第2管状部材912a、912bの端部の回りに配置され、第1および第2管状部材912a、912bを横切る流体連結部をシールする。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0075】
第1および第2管状部材912a、912bはまた、協働して少なくとも1つの導電性通路974を形成し、2つのコンポーネント960、980の電気的ライン964、984を電気的に接続する。電気的ライン964、984は、補完関係をなす上方の半径方向(環状)電気接点991a(内側)、991b(外側)、補完関係をなす下方の半径方向(環状)電気接点993a(内側)、993b(外側)、ピン985およびピン−ソケット設計(ウェットスタブと同様)によりボディアセンブリ912の導電性通路974に軸線方向に取付けられているが、他の既知の数ある取付け手段のうち半田付けまたはクリンプにより所定位置に取付けることができる。より詳しくは、導電性通路974は、第1および第2管状部材912a、912bのピン部分およびボックス部分により支持された補完関係をなす半径方向(環状)電気接点990a(内側)、990b(外側)の上方対および下方対により第1および第2管状部材912a、912bを横切って半径方向に配向されている(すなわち、半径方向に配向されたセグメントを有している)。
【0076】
ボディアセンブリ912の長さを調節するアセンブリは、簡単化のため図9には示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリは多くの用途において少なくとも望ましいものであることは理解されよう。このようなアセンブリの特定例は、図7および図8を参照して上述した。
【0077】
図10は、それぞれのドリルカラー1006、1008内に支持された2つのコンポーネント1060、1080の軸線方向に配向された補助フローライン1062、1082に有用性を有する他のコネクタ1010を示す断面図である。コネクタ1010のボディアセンブリ1012は、Оリング1015が設けられた単一の油圧スタバ(hydraulic stabber)1013を有している。油圧スタバ1013には、コンポーネント1060、1080(それぞれのドリルカラー1006、1008と一緒に移動する)の両方と流体的に係合する2つ以上のОリング1015が設けられている。したがって、ドリルカラー1006、1008はこれらが相対回転できるように構成されているため、コンポーネント1060、1080も、油圧スタバ1013および該油圧スタバのそれぞれの端部の中央ボア1061、1081を介して、流体的に係合するように駆動され、これにより、2つのコンポーネント1060、1080の補助フローライン1062、1082を流体的に連結する軸線方向に配向された流体導管1022を形成する。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0078】
コネクタ1010のボディアセンブリ1012は更に、2つのそれぞれのコンポーネント1060、1080に関連するドリルカラー1006、1008の電気的ライン1064、1084を電気的に接続する導電性通路1120を有している。
【0079】
図11Aおよび図11Bは、図10の軸線方向に配向された導電性通路1120を示す詳細断面図である。ワイヤ状ドリルパイプ(wired drill pipe:WDP)継手1110は、ドリルカラー1006、1008内に導電性通路1120を設けるのに適した形状を呈している。継手1110は本件出願人に譲渡された上記特許文献10に開示された形式と同様であり、WDP継手を横切って信号を伝送する通信カプラ(より詳しくは、誘導カプラ)を用いている。特許文献10によるWDP継手の誘導カプラは、「スーパーマロイ(Supermalloy)」(例外的に高い初期透磁率をもつように処理された、低レベル変圧器用途に適したニッケル合金)のような高透磁率、低損失材料で作られたトロイダルコアを有する変圧器を有している。トロイダルコアの回りには、絶縁ワイヤを多数巻回した巻線がコイルを形成しており、トロイダル変圧器を形成している。一形態では、トロイダル変圧器は、ゴムまたは他の絶縁材料内に収容され、組立てられた変圧器はドリルパイプ連結部に設けられた溝内に配置されている。
【0080】
より詳しくは、WDP継手1110は、ボックス端部1122の端部1141およびピン端部1132の端部1134およびこれらの端部の近くに通信カプラ1121、1131(より詳しくは誘導カプラ要素)を備えているところが示されている。第1ケーブル1114は、通信カプラ1121、1131を後述の方法で連結すべく、導管1113を通って延びている。
【0081】
WDP継手1110には細長い管状ボディ1111が設けられており、該管状ボディ1111は、軸線方向ボア1112、ボックス端部1122、ピン端部1132、ボックス端部1122からピン端部1132まで延びている第1ケーブル1114を備えている。ボックス端部1122およびピン端部1132には、それぞれ、第1電流ループ誘導カプラ要素1121(例えばトロイダル変圧器)および同様な第2電流ループ誘導カプラ要素1131が配置されている。第1電流ループ誘導カプラ要素1121、第2電流ループ誘導カプラ要素1131および第1ケーブル1114は、集合的に、各WDP継手の長さを横切る通信導管を形成する。2つのWDP継手間の連結されたインターフェースでの誘導カプラ(または通信接続部)1120は、WDP継手1110からの第1誘導カプラ要素1121および次の管状部材(これは、他のWDP継手でもよい)からの第2電流ループ誘導カプラ1131'により構成されているところが示されている。当業者ならば、本願の幾つかの実施形態において、誘導カプラ要素は、例えば上記特許文献13に開示されている種類の直接電気的接触接続部のように、同様な通信機能を有する他の通信カプラと置換できることは理解されよう。
【0082】
図11Bには、図11Aの誘導カプラまたは通信接続部1120がより詳細に示されている。ボックス端部1122は、雌ねじ1123と、第1スロット1125(この中に第1トロイダル変圧器1126が配置される)を備えた環状内側接触ショルダ1124とを有している。同様に、隣接するワイヤ状管状部材(例えば、他のWDP継手)のピン端部1132'は、雄ねじ1133'と、第2スロット1135'(この中に第2トロイダル変圧器1136'が配置される)を備えた環状内側接触パイプ端部1134'とを有している。第2トロイダル変圧器1136'は、隣接する管状部材9aの第2ケーブル1114'に接続される。スロット1125、1135'は、誘導カップリングの効率を高めるため、高導電性低透磁率材料(例えば銅)で被覆される。WDP継手が、隣接する管状部材(例えば他のWDP継手)のピン端部1132'に組付けられるとき、通信接続部が形成される。かくして図11Bには、得られるインターフェースの一部の断面が示されている。このインターフェースでは、対面する対をなす誘導カプラ要素(すなわち、トロイダル変圧器1126、1136')が一体にロックされ、作動通信リンク内に通信接続部を形成する。この断面図はまた、閉じられたトロイダル通路1140、1140'がそれぞれトロイダル変圧器1126、1136'を包囲していること、および導管1113、1113'が、各WDP継手の両端部に配置された2つの誘導カプラ要素を連結する内部電気的ケーブル1114、1114'(図10のコンタクタ1064、1084として使用される)の通路を形成することも示している。
【0083】
上記誘導カプラには、二重トロイドが形成された電気カプラが組込まれている。二重トロイダルカプラは、電気的接点として、ピンおよびボックスの端部の内側ショルダを用いている。内側ショルダは、ピンおよびボックスの端部間に電気的連続性を確保すべく、ピンおよびボックスの端部が形成されるときに、極めて大きい力が加えられて係合される。スロット内に置かれたトロイダル変圧器により、接続部の金属には電流が誘起される。所与の周波数(例えば100kHz)で、これらの電流は、表皮厚さ効果(skin depth effects)によりスロットの表面に閉じ込められる。ピンおよびボックスの端部はそれぞれの2次回路を構成し、2つの2次回路は対応する内側ショルダを介して背中合せに接続される。
【0084】
図11Aおよび図11Bは或る通信カプラ形式を示すものであるが、当業者ならば、相互連結される管状部材を横切って信号を通信するのに種々のカプラを使用できることは理解されよう。このようなシステムとして、例えば上記特許文献14に開示されているような磁気カプラがある。他のシステムおよび/またはカプラを考えることもできる。
【0085】
また、簡単化のため図10、または図11Aおよび図11Bにはボディアセンブリ1012の長さを調節するアセンブリが示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリが多くの用途に少なくとも望ましいものであることが理解されよう。このようなアセンブリの特定例は、図7および図8に関連して前述した通りである。
【0086】
図12は、それぞれのドリルカラー1206、1208内に支持された2つのコンポーネント1260、1280の軸線方向に配向された、環状補助フローライン1262、1282に有用性を有する他のコネクタ1210を示す断面図である。コネクタ1210のボディアセンブリ1212は、接続可能な第1サブアセンブリ1212aおよび第2サブアセンブリ1212bを有している。
【0087】
第1サブアセンブリ1212aは、上方コンポーネント1260と一緒に移動できるように支持されており、かつドリルカラー1206および例えばねじ係合によりドリルカラー1206内に固定された上方マンドレル1213aを有している。上方マンドレル1213aは、ドリルカラー1206内のフローライン1223aの環状領域1223arと係合すべく外方に突出する前に、上方の連結コンポーネント1260からマンドレルを通って軸線方向に延びるフローライン1221aを有している。第1ボディサブアセンブリ1212aが上方ドリルカラー1206内で上方マンドレル1213aとの係合により(例えばこれらの間のねじ回転により)組付けられるので、フローライン1221aの半径方向突出端部は、上方フローリンクを確立すべくフローライン1223aの環状領域1223arと垂直係合するように置かれる。
【0088】
第2サブアセンブリ1212bは、下方コンポーネント1280と一緒に移動するように支持され、かつドリルカラー1208およびドリルカラー1208内に例えばねじ係合により固定された下方マンドレル1213bを有している。下方マンドレル1213bは、ドリルカラー1208内のフローライン1223bの環状領域1223brと係合すべく外方に突出する前に、下方の連結コンポーネント1280からマンドレルを通って軸線方向に延びるフローライン1221bを有している。第2ボディサブアセンブリ1212bが下方ドリルカラー1208内で下方マンドレル1213bとの係合により(例えばこれらの間のねじ回転により)組付けられるので、フローライン1221bの半径方向突出端部は、下方フローリンクを確立すべくフローライン1223bの環状領域1223brと垂直係合するように置かれる。
【0089】
ドリルカラー1206、1208がこれらの間の相対回転により組付けられるとき、掘削泥109は、矢印により示すように、ドリルカラー1206、1208を通って延びている通路1207を通る。ボディアセンブリ1212の第1および第2サブアセンブリ1212a、1212bも回転されかつ連結係合するように駆動される。これにより、それぞれの第1および第2ボディサブアセンブリの上方および下方フローリンクを流体的に連結するための外側の半径方向に配向された(より詳しくは、半径方向に対称的な)流体導管1222が形成される。このプロセスにより、2つのコンポーネント1260、1280が流体的に相互連結される。Оリング1215は、第1および第2ボディサブアセンブリ1212a、1212bを横切って流体連結部をシールするため、一般に、上方および下方マンドレル1213a、1213bの回りに支持されている。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できる。
【0090】
また、第1および第2ボディサブアセンブリ1212a、1212bは協働して、2つのコンポーネント1260、1280の電気的ライン1264、1284を電気的に接続するための少なくとも1つの導電性通路1274を形成する。電気的ライン1264、1284は、補完関係をなす上方半径方向(環状)電気的接点1291a(内側)、1291b(外側)、補完関係をなす下方半径方向(環状)電気的接点1293a(内側)、1293b(外側)、ピン−ソケット設計1285(ウェブスタブと同様)、および補完関係をなす半径方向(環状)電気的接点1290a(内側)、1290b(外側)により、ボディアセンブリ1212の導電性通路1274に軸線方向に取付けられる。他の既知の電気的取付け手段を使用できることは理解されよう。導電性通路1274は、設計1285のそれぞれのピンおよびソケットコンポーネントにより支持された、上方対および下方対の補完関係をなす半径方向(環状)電気的接点1290a(内側)、1290b(外側)により第1および第2ボディサブアセンブリ1212a、1212bを横切って半径方向に配向される(すなわち、導電性通路は半径方向に配向されたセグメントを有している)。
【0091】
簡単化のため図12にはボディアセンブリ1212の長さを調節するアセンブリが示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリが多くの用途に少なくとも望ましいものであることが理解されよう。このようなアセンブリの特定例は、図7および図8に関連して前述した通りである。
【0092】
図13は、それぞれのドリルカラー1306、1308内に支持された2つのコンポーネント1360、1380の軸線方向に配向された環状補助フローライン1362、1382に有用性を有する他のコネクタ1310を示す断面図である。コネクタ1310のボディアセンブリ1312は、Оリング1315が設けられた単一の油圧スタバ1313を有している。油圧スタバ1313には、コンポーネント1360、1380(それぞれのドリルカラー1306、1308に固定されかつこれらと一緒に移動する)の両方と流体的に係合する2つ以上のОリング1315が設けられている。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0093】
ドリルカラー1306、1308間には、これらを相互連結するための連結サブ1307が配置される。サブ1307はピンおよびボックス端部のねじセットを有し、これらのねじセットは、ドリルカラー1306、1308の対向端部のそれぞれのねじセットと係合できかつサブが回転されたときに両ドリルカラーをサブ1307に向かって引寄せ、ねじ係合させる。かくして、サブ1307のねじがそれぞれのドリルカラーのねじと最初に係合した後にサブ1307を回転させると(ドリルカラーは、例えば慣用方法では、ドリリングリング床に回転しないように保持されている)、ドリルカラー自体が回転されることなく(単に直線移動するだけで)ドリルカラー1306、1308が形成される。これは、フローライン1362、1382が半径方向に対称的でないため必要である(すなわち、フローラインの係合は、適正な半径方向整合に依存している)。
【0094】
したがって、ドリルカラー1306、1308が連結サブ1307の回転により形成されるとき、コンポーネント1360、1380は引寄せられて、これらのそれぞれの端部の油圧スタバ1313および中央ボア1361、1381を介して流体係合され、これにより、2つのコンポーネント1360、1380の補助フローライン1362、1382を流体的に連結する、軸線方向に配向された流体導管1322が形成される。
【0095】
ボディアセンブリ1312は更に、2つのコンポーネント1360、1380の電気的ライン1364、1384を電気的に接続する少なくとも1つの導電性通路1374を形成すべく協働する多数の補完関係をなすピン−ソケット電気接点1390a(上方ピン)、1390b(下方ソケット)を有している。電気的ライン1364、1384は、ピン−ソケット設計のピン1385によりボディアセンブリ1312の導電性通路1374に軸線方向に取付けられるが、他の数ある既知の取付け手段のうち、半田付けまたはクリンプにより所定位置に取付けることもできる。導電性通路1374は、補完関係をなす上方対および下方対のピン−ソケット電気的接点1390a(上方ピン)、1390b(下方ソケット)を横切って半径方向に配向されている(すなわち、導電性通路は、半径方向に配向されたセグメントを有している)。
【0096】
簡単化のため図13にはボディアセンブリ1312の長さを調節するアセンブリが示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリが多くの用途に少なくとも望ましいものであることが理解されよう。このようなアセンブリの特定例は、図7および図8に関連して前述した通りである。
【0097】
図14Aおよび図14Bは、ボディアセンブリ1412の第1および第2管状部材を分離したときに、連結されたコンポーネントのフローラインを自動的に遮断する手段を備えたコネクタ1410の特定実施形態を示す連続的な断面図である。このコネクタ1410は、それぞれのドリルカラー1406、1408内に支持された2つのコンポーネント(図示せず)の軸線方向に配向された補助フローライン(図示せず)に有用性を有する。コネクタ1410のボディアセンブリは、連結可能な第1および第2管状部材1412a、1412bを有している。第1管状部材1412aは、上方ドリルカラー1406に固定されかつこれと一緒に移動できる上方コンポーネント(図示せず)と一緒に移動できるように支持されており、かつボディアセンブリの外側ボックス部分1412a1および内側ボックス部分1412a2を形成する同心状管状部材を有している。
【0098】
第2管状部材1412bは、下方ドリルカラー1408と一緒に移動する下方コンポーネント(図示せず)と一緒に移動するように支持されており、かつボディアセンブリ1412の外側ピン部分1412b1および内側ピン部分1412b2を形成する同心状管状部分を有している。したがって、上方および下方のドリルカラー1406、1408がこれらの相対回転により組付けられるとき、ボディアセンブリ1412のボックス部分およびピン部分も回転されかつ連結係合するように駆動され、これにより、2つのコンポーネント(図示せず)の補助フローラインを流体的に連結する、軸線方向に配向された環状流体導管が形成される。
【0099】
環状流体導管は、第1管状部材1412a内方に形成された第1導管部分1422aと、第2管状部材1412b内に形成された第2導管部分1422bと、ボディアセンブリ1412の第1および第2管状部材1412a、1412bの係合時に形成される中間の第3導管部分1422cとを有している。第1および第2管状部材1412a、1412bの各々は、第1および第2管状部材1412a、1412bを連結したときに補助フローラインの第3導管部分1422cを自動的に開き、かつ第1および第2管状部材1412a、1412bを分離したときに第3導管部分1422cを自動的に閉じるため、この実施形態では、環状体1425a、1425b(図14A)により形成されたチャンバを通って移動できるそれぞれの環状ピストン1423a、1423bにより形成されたバルブを有している。
【0100】
かくして、外側ピン部分1412b1との係合により閉位置から開位置へと移動(図14Aから図14Bへのシーケンスを参照)されるピストン1423aは、第1および第2管状部材1412a、1412bが分離されるときに、第1導管部分1422aおよび第4導管部分1422d内に流体圧力を付与することにより(またはコイルスプリングのような他の力付与手段により)、自動的に閉位置に戻り移動する。同様に、内側ボックス部分1412a2との係合により閉位置から開位置へと移動(図14Aから図14Bへのシーケンスを参照)されるピストン1423bは、第1および第2管状部材1412a、1412bが分離されるときに、第2導管部分1422bおよび第5導管部分1422e内に流体圧力を付与することにより(またはコイルスプリングのような他の力付与手段により)、自動的に閉位置に戻り移動する。Оリング(参照番号は付されていない)は、第1および第2管状部材1412a、1412bを横切って流体連結部をシールすべく、一般に、ボディアセンブリ1412のそれぞれのピン部分の回りで支持される。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0101】
第1および第2管状部材1412a、1412bは協働して、2つのコンポーネント(参照番号は付されていない)の電気的ライン1464、1484(図14A参照)を電気的に接続する少なくとも1つの導電性通路1474を形成する。電気的ライン1464、1484は、それぞれの上方(ボックス)および下方(ピン)のウェットスタブ部材1485a、1485bによりボディアセンブリ1412の導電性通路に軸線方向に取付けられるが、数ある既知の取付け手段の中で半田付けまたはクリンプにより所定位置に取付けることもできる。
【0102】
簡単化のため図14にはボディアセンブリ1412の長さを調節するアセンブリが示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリが多くの用途に少なくとも望ましいものであることが理解されよう。このようなアセンブリの特定例は、図7および図8に関連して前述した通りである。
【0103】
図15は、ダウンホールツールストリング(連結されたドリルカラー1560、1580により示されている)の2つのそれぞれのコンポーネント1560、1580の対向端部または該端部の近くを通って延びかつ終端している電気的ライン1564a、1564b;1584a、1584bの接続に使用する他のコネクタ1510を示す断面図である。コンポーネント1560、1580は別個のダウンホールツールであり、一体形ツールの別個のモジュールにする必要はない。
【0104】
コネクタ1510は、フローライン1562を流体的に連結するための内側ボディアセンブリ1512と、それぞれ2つのコンポーネント1560、1580の電気的ライン1564a、1564b;1584a、1584bを電気的に接続する第1および第2外側ボディアセンブリ1513a、1513bとを有している。内側および外側ボディアセンブリ1512、1513および2つのコンポーネント1560、1580の種々の部分は、種々の形態で一体的に構成されている。例えば、内側ボディアセンブリ1512は、外側ボディアセンブリ1513aおよびコンポーネント1560と一体化できる。しかしながら、図15に示すように、内側ボディアセンブリ1512、外側ボディアセンブリ1513a、1513bおよび2つのコンポーネント1560、1580は、各々が全体として別のコンポーネントとして構成できる。
【0105】
内側ボディアセンブリ1512は、2つのコンポーネントのフローライン1562、1582を流体的に連結する少なくとも1つの流体導管1522を形成する。内側ボディアセンブリは、一般に、連結されたコンポーネント1560、1580の端部1561、1581を横切る流体連結部をシールするОリングシール1524、1526が設けられている。Оリングは、当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所で同様に使用されることは理解されよう。より詳しくは、内側ボディアセンブリ1512は、端部1561の近くでコンポーネント1560の凹部と係合する。内側ボディアセンブリ1512の反対側端部は、端部1581の近くでコンポーネント1580の凹部と係合する。内側ボディアセンブリ1512は、図示のように、コンポーネント1560、1580および外側ボディアセンブリ1513bに対して移動し、これによりコネクタ1510にフレキシビリティが得られる。
【0106】
外側ボディアセンブリ1513には、電気的ライン1564a、1564b;1584a、1584bを電気的に接続する少なくとも2つの導電性通路が設けられている。このような電気的通路は、ボディアセンブリ1513を通る電気信号を導くのに有効である。電気的信号は、コンポーネント1560、1580の間でおよび/またはこれらを通って伝送される電力を含み、および/またはデジタルおよび/またはアナログであるデータ通信を含み、または上記のいずれかの組合せを含むものである。
【0107】
より詳しくは、外側ボディアセンブリ1513a、1513bは、ライン1584、1564間に良好な電気的接触を確保する係合面を有している。より詳しくは、アセンブリ1513aは接触リング1515、1517の一部1515a、1517aを有し、アセンブリ1513bは係合部分1515b、1517bを有している。係合面は段差を有し、安定性を得るため複数のストップ等を有し、かつ図示のように複数のОリングを有している。作動に際し、2つのコンポーネント1560、1580が、図示のねじ部分等により連結される。この際、内側ボディアセンブリ1512はコンポーネント1560、1580の端部1561、1581と係合し、これにより流体導管アクロス(fluid conduit across)1562、1522、1526を構成する。また、部分1515a、1515bおよび部分1517a、1517bが集合して電気的コネクタ1515、1517を形成し、これにより電気的ライン1564a、1564b;1584a、1584bの間に電気的通路が形成される。
【0108】
上記説明から、本発明の真の精神から逸脱することなく、本発明の好ましい実施形態および他の実施形態に種々の変更を行うことができる。
【0109】
本明細書の説明は例示のみを目的とし、意味を制限するものと解釈すべきではない。本発明の範囲は特許請求の範囲の記載によってのみ決定すべきである。特許請求の範囲の記載における用語「有する」とは、「少なくとも含む」を意味し、したがって特許請求の範囲の記載における要素の列挙は1つの群を意味する。同様に、用語「包含する」、「備えた」および「含む」は、全て、一群の要素を意味するものである。「1つ」は、特にことわらない限り、その複数の形態を含むものである。
【符号の説明】
【0110】
100 ボトムホールアセンブリ(BHA)
112 ドリルストリング
115 ドリルビット
130 ドリルカラー(地層テスターアセンブリ)
150 セッティングピストン(バックアップピストン)
210 コネクタ
232 プローブ
244 サンプル貯蔵チャンバ
F 地下地層
W 坑井
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下地層評価(subterranean formation evaluation)に使用するダウンホールツールに関し、より詳しくは、掘削同時並行(while-drilling)環境内で使用するダウンホールツールのコンポーネントのモジュラリティに関する。
【背景技術】
【0002】
炭化水素の探鉱および生産のために、坑井(ドリルホールとしても知られている)が掘削される。掘削作業中において、実際の掘削が一時的に停止したときのような一定期間中に、坑井により貫入された地層の種々の評価を行うことがしばしば望まれる。或る場合には、周囲の地層を試験しおよび/またはサンプリングするため、ドリルストリングに1つ以上の掘削ツールが設けられる。他の場合には、「トリップ(trip)」と呼ばれるシーケンスで、取付けられた坑井からドリルストリングが除去され、かつ坑井内にワイヤラインツールが配置されて地層の試験および/またはサンプリングが行われる。このようなダウンホールツールにより行われるサンプリングすなわち試験は、例えば、有望な炭化水素生産地層の確認および該地層からの炭化水素生産の管理に使用できる。
【0003】
このような掘削ツールおよびワイヤラインツール並びにコイル状チューブ、ドリルパイプ、ケーシングまたは他のコンベアで搬送される他の坑井ツールは、本願では簡単に「ダウンホールツール(downhole tools)」と呼ぶことにする。このようなダウンホールツール自体には、各々が別々の機能を遂行する複数の一体形モジュールが含まれ、ダウンホールツールは、単独で用いるか、ダウンホールツールストリング内で他のダウンホールツールと組合せて使用することもできる。
【0004】
より詳しくは、地層評価は、しばしば、現場での試験および/またはサンプリングを行うため、地層からの流体がダウンホールツール(またはそのモジュール)内に吸引されることを必要とする。坑井の領域を分離すべくプローブおよび/またはパッカー等の種々の装置がダウンホールツールから伸長され、これにより坑井を包囲する地層との流体の連通を確立する。流体は、次に、プローブおよび/またはパッカーを用いてダウンホールツール内に吸引される。
【0005】
掘削中のこのような地層流体サンプルの収集は、電源、油圧動力源、流体サンプリング(例えばプローブまたは二重パッカー)、流体分析およびサンプル収集(例えばタンク)等の種々の機能を遂行する幾つかのモジュールを収容する一体化されたサンプリング−圧力ツールを用いて行うのが理想的である。このようなモジュールは、例えば下記特許文献1および2に開示されている。したがって、地層流体のようなダウンホール流体は、一般に、試験および/またはサンプリングを行うべくダウンホールツール内に吸引される。以下、この種類および他の種類のダウンホール流体(ドリルストリングを通してポンピングされる掘削泥以外の流体)は「補助流体」と呼ぶことにする。この補助流体として、地下地層内に注入するための、サンプリングされた地層流体または特別流体(例えば改修(workover)流体)がある。一般に、補助流体は、単にドリルビットの潤滑および/またはビット切削屑の地表への搬出以外に、ダウンホール作業に有用である。この補助流体は、サンプリングツール等の一体形ツールのモジュール間、および/またはツールストリング内で相互連結されたツール間で搬送される。また、電力および/または電子信号(例えばデータ通信用信号)もこのようなツールのモジュール間で伝送される。したがって、1つの挑戦は、ツールのモジュール間で必要な流体搬送および電気的伝送を行なうと同時に、作業可能なツール長(例えば30フィート)を維持することである。
【0006】
更に留意すべきは、幾つかの他の用途は、ワイヤライン作業および掘削同時並行(while drilling)作業の両方において、ダウンホールツールストリングの連続的に配置されたモジュールまたはツール間で、流体の連通および電気信号の通信を必要とすることである。「掘削同時並行」作業は、一般に、掘削同時並行測定(measurement-while-drilling:MWD)作業および/または掘削同時並行検層(logging-while-drilling:LWD)作業の一部として特徴付けられており、これらの作業では、連結されたツールまたは一体形ツールモジュールを横切る電気(電力および信号の両方)の通信が必要である。例えば下記特許文献3−9に開示された装置のように、このような掘削同時並行作業を行う種々の装置が開発されている。これらの特許文献には、地下地層からデータおよび或る場合には流体サンプルを収集する種々のダウンホールツールおよび方法が開示されている。
【0007】
ダウンホールツールのサンプリングおよび試験能力は優れているが、既存のシステム特に「掘削同時並行」システムは、しばしば、ツールまたはツールモジュールを横切って電気信号を伝送する解決法に限定されている。数ある中で、特別な解決法として、例えば下記特許文献10に開示された「ワイヤ形ドリルパイプ(wired drill pipe:WDP)」のように、連結された管状部材のジョイントでの種々のリング形コネクタがある。このようなWDPコネクタが、連結された管状部材間で電気信号の伝送を行うことは知られていない。
【0008】
また、ダウンホールワイヤラインツールに流体を通すコネクタも提供されている。このようなコネクタの例として、下記特許文献11および12に開示されたものがある。しかしながら、連結された坑井チューブラの両端部または両端部近くを通って延びかつ両端部に終端する補助フローラインを連結する既知のコネクタ、または連結されたコンポーネント間の連結を行なう既知のコネクタは全く開示されていない。また、既知のコネクタまたはコネクタシステムは、ドリルカラー、掘削泥、スペースリミテーションおよび頑固な掘削排出物を含む掘削ツールの他の挑戦を行っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,860,581号明細書
【特許文献2】米国特許第4,936,139号明細書
【特許文献3】Cobernの米国特許第5,242,020号明細書
【特許文献4】Berger等の米国特許第5,803,186号明細書
【特許文献5】Smith等の米国特許第6,026,915号明細書
【特許文献6】Berger等の米国特許第6,047,239号明細書
【特許文献7】Berger等の米国特許第6,157,893号明細書
【特許文献8】Nasr等の米国特許第6,179,066号明細書
【特許文献9】Ciglenec等の米国特許第6,230,557号明細書
【特許文献10】Schlumbergerに譲渡されたBoyle等の米国特許第6,641,434号明細書
【特許文献11】Halliburtonに譲渡された米国特許第5,577,925号明細書
【特許文献12】米国特許出願第10/721,026号明細書
【特許文献13】Denisonの米国特許第4,126,848号明細書
【特許文献14】Hall等の国際特許公開WO 02/06716号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、ツールモジュール間および/またはダウンホールツールストリング内のツール間で補助流体の連通および/または電気信号の通信が可能なコネクタが要望されている。このようなコネクタは、連結すべきモジュールとツールとの間の分離距離の変化を補償すべく長さ調節できる機能を有することが望まれている。また、このようなコネクタは、連結されたモジュールとツールとを分離したときにこれらから補助流体が流出しないように自動的に遮断する機能を有することも望まれている。更に、コネクタに連結されるコンポーネントはモジュラであり、かつ変化する環境および条件での使用に適合できることが望まれている。
【0011】
定義
或る用語は、本明細書の全体を通して、これらが最初に使用されたように定義されるが、本明細書に使用される他の或る用語は下記のように定義される。
【0012】
「補助流体(auxiliary fluid)」とは、一般に、試験および/またはサンプリングのためにダウンホールツール内に吸引される地層流体または地下地層内に注入される特別流体(例えば改修流体)のような、ダウンホール流体(ドリルストリングを通してポンピングされる掘削泥以外の流体)を意味する。また、補助流体には、例えば油圧モータ、ピストンまたは変位ユニット等のツールコンポーネントを作動させるのに有効な油圧流体も含まれる。補助流体には、冷却流体のように、ボトムホールアセンブリ内の熱管理に使用される流体も含まれる。一般に、補助流体は、単にドリルビットの潤滑および/またはビット掘削屑を地表に搬出するだけでなく、ダウンホール作業においても有用である。
【0013】
「コンポーネント」は、1つ以上のダウンホールツールまたは1つ以上のダウンホールツールモジュール(単一または複数)を意味し、特に、これらのツールまたはモジュールがダウンホールツールストリング内で使用される場合についていう。
【0014】
「電気」および「電気的に」とは、電子信号を伝送する接続部(単一または複数)および/またはライン(単一または複数)をいう。
【0015】
「電子信号」とは、電力および/またはデータ(例えば2進データ)を伝送できる信号を意味する。
【0016】
「モジュール」とはダウンホールツールの1セクション、より詳しくは、別個のすなわち個々の機能を遂行するための2つ以上の相互連結されたモジュールを備えた多機能ツールまたは一体形ダウンホールツールの1セクションを意味する。
【0017】
「モジュラ」とは、モジュールおよび/またはツールを(相互)連結できることを意味し、使用時のフレキシビリティおよび多様性が得られるように、できる限り標準型ユニットまたは寸法で構成されたものをいう。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一態様によれば、第1モジュールと、第2モジュールと、第1および第2モジュールを連結する1つ以上のコネクタとを有する、地下地層に使用するモジュラツールが開示される。第1モジュールは、ツールの外部の少なくとも一部を形成する第1カラーを備え、該カラーが、カラーの第1端部の第1係合機構と、カラーの第2端部の第2係合機構と、掘削流体を通す流体通路とを有している。第2モジュールは、ツールの外部の少なくとも一部を形成する第2カラーを備え、該カラーが、第1カラーの第2端部と係合するための、カラーの第1端部の第1係合機構と、カラーの第2端部の第2係合機構と、モジュールの一定長さに亘って延びている、掘削流体を通すための流体通路とを有している。1つ以上のコネクタは、補助ライン連結部と、モジュール間に電力および/またはデータを伝送するワイヤ接続部とを有している。
【0019】
本発明の他の態様によれば、坑井掘削システムが開示される。この坑井掘削システムは、地表からの掘削流体の流れを供給するドリルストリングと、該ドリルストリングに作用するように連結された第1端部を備えた地層試験ツールと、ツールの第2端部に作用するように連結されたドリルビットとを有し、ドリルビットは、ドリルストリングからの掘削流体を地層試験ツールを通して受入れる。地層試験ツールは複数のモジュールを有し、各モジュールが少なくとも1つのフローラインおよび掘削流体通路を備えている。複数のモジュールのうちの第1のモジュールは、複数のモジュールのうちの第2モジュールの第1端部または第2端部に作用するように連結でき、これにより、第1モジュールと第2モジュールとの間のフローラインおよび掘削流体通路内の流体を伝送できる。
【0020】
本発明の他の態様によれば、掘削現場でダウンホールツールを組立てる方法が開示される。この方法は、第1モジュールおよび第2モジュールを用意する段階を有している。各モジュールは、ツールの外部の少なくとも一部を形成し、かつ第1モジュールのフローラインを第2モジュールのフローラインに連結し、フローラインはツールの外部に流体的に連結される。第1モジュールのカラーは、該カラーの第1端部の第1ねじ部分と、カラーの第2端部の第2ねじ部分と、モジュールの一定長さに亘って延びている、掘削流体を通す流体通路とを有している。第2モジュールのカラーは、該カラーの第1端部の第1ねじ部分と、カラーの第2端部の第2ねじ部分と、モジュールの一定長さに亘って延びている、掘削流体を通す流体通路とを有している。
【0021】
本発明の更に別の態様によれば、掘削同時並行ツールの複数のモジュールを再編して複数のツールを得る方法が開示される。この方法は、複数のモジュールを用意する段階を有し、各モジュールは少なくとも1つのフローラインおよび掘削流体通路を有している。この方法は更に、複数のモジュールを第1形態に連結して、第1ダウンホールツールを得る段階と、複数のモジュールを第2形態に連結して、第2ダウンホールツールを得る段階とを有している。
【0022】
本発明の上記特徴および長所が詳細に理解されるように、添付図面に示す本発明の実施形態を参照して、本発明をより詳細に説明する。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態を示すに過ぎず、したがって本発明の範囲を限定するものではなく、本発明は他の等しく有効な実施形態をも含むものであることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】リグから坑井内へと延びている従来のドリルストリングの一部を断面で示す概略図であり、地層テスターアセンブリを備えたドリルストリングは、コネクタ(単一または複数)により連結された複数のモジュールを有している。
【図2A】図1のドリルストリングの一部を示す概略断面図であり、地層テスターアセンブリおよびその相互連結されたモジュールの幾つかをより詳細に示すものである。
【図2B】図2Aに例示したプローブモジュールの一部を断面にしたより詳細な概略図である。
【図2C】ドリルストリングに使用する例示のポンプ排出を断面にした部分概略図である。
【図2D】ドリルストリングに使用する例示のダウンホール流体分析モジュールの一部を断面にした概略図である。
【図3A】図2A−図2Dに示した2つ以上のモジュールを用いた第1形態を有するドリルストリングの概略図である。
【図3B】図2A−図2Dに示した2つ以上のモジュールを用いた第2形態を有するドリルストリングの概略図である。
【図3C】図2A−図2Dに示した2つ以上のモジュールを用いた第3形態を有するドリルストリングの概略図である。
【図3D】モジュラツールの作動を示すフローチャートである。
【図4A】一般的なモジュラコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図4B】軸線方向に配向された中央流体導管および半径方向に配向された中央導電性通路を備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図5】軸線方向に配向された環状流体導管および半径方向に配向された中央導電性通路を備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図6】図5のコネクタと同様のコネクタにより連結された2つのダウンホールコンポーネントの概略断面図であり、コネクタと連結されたコンポーネントとの間のインターフェースをより詳細に示すものである。
【図7】コネクタの長さを調節するアセンブリを備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図8】コネクタの長さを調節する他のアセンブリが設けられたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図9】半径方向に対称的な内側流体導管および半径方向に配向された中央導電性通路を備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図10】軸線方向に配向された中央流体導管および軸線方向に配向された非中央導電性通路を備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図11A】図10の軸線方向に配向された導電性コネクタ通路を備えたワイヤ状(有線)ドリルパイプシステムの一部を示す概略断面図である。
【図11B】図10の軸線方向に配向された導電性コネクタ通路を備えたワイヤ状(有線)ドリルパイプシステムの一部を示す概略断面図である。
【図12】半径方向に対称的な外側流体導管および半径方向に配向された中央導電性通路を備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図13】軸線方向に配向された非中央流体導管および軸線方向に配向された導電性通路を備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【図14A】コネクタのボディアセンブリの第1管状部材と第2管状部材とを分離したときに、相互連結されたコンポーネントのフローラインを自動的に遮断するバルブを備えたコネクタを示す概略断面図である。
【図14B】コネクタのボディアセンブリの第1管状部材と第2管状部材とを分離したときに、相互連結されたコンポーネントのフローラインを自動的に遮断するバルブを備えたコネクタを示す概略断面図である。
【図15】同心状に配置されたリングを備えた複数の電気的接続部および流体連結部を備えたコネクタにより連結されたダウンホールツールストリングの2つのコンポーネントを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、標準の掘削作業を維持すると同時に、近くのツール間またはモジュール間に流体並びに電気信号を伝送できるコネクタおよびモジュラシステムを提供する。かくして、例えば本発明を用いることにより、2つのLWD(logging-while-drilling:掘削同時並行検層)またはワイヤラインツールまたはモジュールを連結して、これらの間に流体(油圧)連通および電気通信を行うことができる。コネクタは、このような連通および通信を必要とするダウンホールツールストリングのどこにでも配置できる。
【0025】
図1には、本発明を有利に使用できる従来のドリリングリグ(掘削リグ)およびドリルストリングが示されている。地上据付形のプラットホーム・デリックアセンブリ110が、地下地層Fを貫入する坑井W上に配置されている。図示の実施形態では、坑井Wは、良く知られた方法で回転掘削により形成されている。しかしながら、本発明の利益を理解できる当業者ならば、本発明は、斜め掘り並びに回転掘削、LWDおよびMWD(measurement-while-drilling:掘削同時並行測定)等に用途を見出すこともでき、地上据付形リグに限定されないことが理解されよう。
【0026】
ドリルストリング112は、坑井W内に懸架されておりかつその下端部にドリルビット115を有している。ドリルストリング112は、図示しない手段により付勢されるロータリテーブル116により回転され、該ロータリテーブル116はドリルストリング112の上端部でケリー117と係合している。ドリルストリング112は、トラベリングブロック(図示せず)に取付けられたフック118から、ケリー117と、フック118に対してドリルストリング112の回転を可能にするロータリスイベル119とを介して懸架されている。
【0027】
掘削流体または掘削泥126は、坑井現場に形成されたピット127内に貯蔵される。ポンプ129は、掘削流体(掘削泥としても知られている)126を、スイベル119内のポートを介してドリルストリング112の内部に供給し、掘削流体を、方向矢印109で示すようにドリルストリング112を通して下方に押し流す。掘削流体126は、ドリルビット115のポートを通ってドリルストリング112から出て、次に、ドリルストリング112の外部と坑井の壁との間の環状部を通り、方向矢印132で示すように上方に循環する。このようにして、掘削流体はドリルビット115を潤滑しかつ地層掘削屑を地表まで搬送して、再循環のためにピット127に戻す。
【0028】
ドリルストリング112はまた、ドリルビット115の近く(換言すれば、ドリルビットからドリルカラー長の数倍以内の位置)のボトムホールアセンブリ(その全体を参照番号100で示す)を有している。ボトムホールアセンブリ(bottom hole assembly:BHA)100は、情報の測定、処理および記憶並びに地表との通信を行う能力を有している。BHA100はまた、例えば他の種々の測定機能を遂行するためのドリルカラー搬送形ツール、スタビライザ等、およびテレメトリ機能を遂行するための地表−ローカル通信サブアセンブリを有している。
【0029】
図1の実施形態のドリルストリング112には更に、電力または油圧動力、流れ制御、流体サンプリング、流体分析および流体サンプル貯蔵等の種々のそれぞれの機能を遂行するための種々の連結形モジュール130a、130b、130cを備えた地層試験ツールを収容するドリルカラー130が設けられている。図2A−図3Cを参照して、BHA100の他のモジュールおよび構成をより詳細に説明する。モジュール130bは、当業者に広く知られているように、坑井Wの壁と係合しかつ地層Fから流体の代表的サンプルを抽出するためのプローブ232を備えたプローブモジュールである。他のモジュール(例えばモジュール130c)には、プローブモジュール130bを介して通信される代表的流体サンプルまたは「クリーン」流体サンプルを貯蔵しておくPVT―クオリティチャンバ(タンクまたはシリンダとしても知られている)が設けられている。
【0030】
図2Aには、図1の地層テスターアセンブリ130、より詳しくはプローブモジュール130bおよびサンプル貯蔵モジュール130cがより詳細に示されている。プローブモジュール130bには、坑井Wの壁と係合して流体を地層Fからプローブライン234を介して中央フローライン236内に吸引するプローブアセンブリ232が設けられている。(数あるバルブのうち)バルブ238、240、242が操作されて、プローブ232が流れ制御モジュール(図示せず)に流体的に連結され、これにより、地層流体がフローライン236内に吸引されかつサンプリングされた流体が地層テスター130内の適当なモジュールにポンピングされ、分析、坑井環状部への排出または貯蔵等が行われる。プローブモジュール130cには、後で地表で分析すべくPVT−クオリティ流体サンプルを受入れかつ貯蔵するための1つ以上のサンプル貯蔵チャンバ244が設けられている。
【0031】
サンプリングされた流体を隣接モジュール(これらのモジュールは、図2に示すように実際には当接しておらず、より詳細に後述する)間に導きかつ電気ライン250を介して電気信号を導くためのコネクタ210が用いられている。電気ライン250はまた、地層テスター130の種々のモジュール(130a、130b、130c)間で電力(可能ならばデータも)を伝送すべく、モジュールを通って延びている。しかしながら、後述のように、BHAに使用されるモジュールに基づいて、コネクタ210(および本明細書で説明する他の全てのコネクタ)は、1つ以上の油圧ラインおよび/または1つ以上の流体ラインに連通させることができる。また、流体サンプリングおよび圧力測定並びに圧力勾配測定および他のリザーバ試験作業を行うため、1つ以上の圧力ゲージ246を1つ以上のサンプリングプローブ(1つのみのプローブ232が示されている)と協働するように使用できる。また、圧力ゲージ246のようなセンサを適当に使用することにより、コネクタ210の完全性を確認できる。したがって、本発明の利益を有する当業者には理解されようが、本発明のコネクタは多くの構成および用途に適合でき、地層試験ツールに限定されるものではない。
【0032】
図2Bには、図2Aのプローブモジュールがより詳細に示されている。例えば、上記種々の部品またはアセンブリに加え、プローブモジュール130bには、電子アセンブリ151と、坑井W内にBHA100を固定するためのセッティングピストンすなわちバックアップピストン150とを設けることができる。電子アセンブリ151は電気ライン250に伝送可能に接続されており、これらの間にデータおよび/または電力を伝送できる。また、電子アセンブリ151は、対応情報を収集しかつ通信すべくモジュール130b内またはモジュール130bの周囲に配置された1つ以上のセンサ(例えば圧力ゲージ246)に通信可能に接続できる。しかしながら、他の圧力センサおよび/または他のセンサ(図示せず)を、プローブ232、フローライン236、セッティングピストン150等に配置することができる。電子アセンブリはまた、図2Bに示す例のバルブ238、240等のバルブに作動可能に接続できる。
【0033】
セッティングピストン150は、BHA100の固定に際しプローブ232と協働する。セッティングピストン150は、油圧ライン152を介して油圧ライン154に流体的に連結されている。油圧ライン154は、セッティングピストン150およびプローブ232を伸長させる充分な動力を発生するポンプ156に連結されている。より詳しくは、ポンプ156は、油圧ライン154を介して油圧ライン158にも流体的に連結されており、プローブ232を坑井壁に対して押付けることができる。或いは、セッティングピストン150は、例えば電気機械手段のような油圧手段以外の何らかの手段を用いて伸長すなわち作動させることができる。
【0034】
他の実施形態では、プローブ232および/またはセッティングピストン150を作動させるのに必要な動力は、BHAのどこかに配置されるポンプまたは押し退け容積形ユニット(置き換えユニット)により得ることができる。例えば、動力は、図3Aおよび図3Bに示すように、油圧モジュール130hにより得ることができる。油圧モジュール130hには、必要な油圧動力を付与するポンプ(図示せず)を設けることができる。かくして、モジュール130bを通して1つ以上の油圧ライン160を配置して、地層テスターアセンブリ130のモジュール130b内のアセンブリまたは他のアセンブリを駆動することもできる。例えば、油圧ライン162は、ライン160を、ライン154を介してプローブ232およびセッティングピストン150に流体的に連結する。本明細書の簡潔性および明瞭性の観点から、本発明の開示および図面の全体を通して、2本以上であっても油圧ラインを単一ラインで示すことは有意義である。例えば、ポンプ156とプローブ232との間に延びているライン156、158は実際には2本の油圧ラインであり、例えば一方の油圧ラインは動力または圧力を供給し、他方の油圧ラインは戻りラインである。
【0035】
図2Aに関連して説明した部品またはアセンブリに加え、プローブモジュール130bは、プローブ232に流体的に連結されるプリテストピストン163を有し、この実施形態では、プリテストピストン163はフローライン236、234を介してプローブ232に流体的に連結されている。プリテストピストン163は、ローラスクリュウおよびモータまたは他の既知の手段により作動される。プローブモジュール130bを作動させる動力は、モジュール130b内の動力源により発生させることができるが、例えば1つ以上のコネクタを介して他のモジュール130により得ることができる。当業者ならば理解されようが、プリテストピストン163は、例えば地層圧力のような地層パラメータを得るのに使用できる。また、プローブモジュール130bには、プローブ232に流体的に連結される第2フローライン164を設けることができる。図示されていないが、第2フローライン164は、選択的にフローライン236と同じ部品またはアセンブリに流体的に連結できる。或いは、第2フローライン164は、フローライン236に流体的に連結された部品またはアセンブリと同じまたは同様な機能を達成するように、第2フローライン164自体の部品またはアセンブリに流体的に連結することができる。このように、プローブモジュール130b、コネクタおよびツールは、全体として、少なくとも2つのサンプルフローライン、したがって二重入口またはガードされたサンプリングを支持する基盤(infrastructure)を含む。例えば、二重入口は、第1フローライン236を通る汚染流体のサンプリングおよび第2フローライン164を通るきれいなすなわちバージン地層流体のサンプリングが行えるように位置決めされかつ適合される。しかしながら、フローライン164、236は、他の特徴および長所が得られるように組合せて使用できる。より詳しくは、フローライン164、236は両方とも、汚染流体を通すのに使用でき、或いは例えば掘削流体を搬送するように操作できる。
【0036】
図2Cには、1つ以上の他のモジュール130a−130iに使用できるポンプ排出(pump-out)モジュール130dが示されている。ポンプ排出モジュール130dは、押し退けユニット(displacement unit)168およびアクチュエータ170を備えた、例えばリニアモータまたは油圧ポンプのようなポンプ166を有している。ポンプ166はプローブ232に流体的に連結されており、かつ地層流体をサンプリングしかつツールの種々のモジュールの全体に亘って種々の流体を搬送するのに必要な圧力および流量を発生する。ポンプ166は更に、押し退けユニット168とフローライン236との間に配置されたバルブシステム172を有し、該バルブシステム172は、押し退けユニット168に流入および流出する流体の流れを調整する。(数あるバルブのうち)バルブ174、176、178は、流体の流れを制御しかつサンプリングされた流体を地層テスター130内の適当なモジュールにポンピングして分析し、坑井環状体に排出しまたは貯蔵等を行うべく、ポンプ166をプローブ232および種々の他のモジュールに流体的に連結するように操作される。例えば、バルブ178は、フローライン236と、該フローライン236内の流体を坑井W内に排出する出口180との間に配置される。
【0037】
図2Bおよび図2Cに示すように、ここでは、本明細書で論じるツールの1つ以上のコンポーネントが、内側環状体または坑井179のようなツールの内部と流体的に連結すなわち流体的に連通されることを考えることもできる。内側環状体または坑井179は、流体の掘削泥126がドリルストリング112からドリルビット115へと流れるときに、掘削泥126用の導管を形成する。例えば図2Bに示すように、プローブモジュール130bには、フローライン236から1つ以上のバルブを介して環状体179まで延びているフローライン181を設けることができる。この構成では、フローライン181は、流体を、フローライン236から下方に流れる掘削流体126内に落し、除去しまたは排出するのに使用できる。同様に図2Cに示すように、ポンプ排出モジュール130dには、バルブ178から環状体179内に延びているフローライン183を設けることができる。環状体内への1つ以上のフローラインは、モジュール130b、130dまたは他のいずれかのモジュール130に設けられるか否かにかかわらず、これらの機能および位置が前述のような機能および位置に限定されるものではなく、種々の他のコンポーネントおよびフローラインを環状体または坑井179内に連結できる。例えば、限定的ではなくかつ図示もしないが、図2Aの1つ以上のサンプル貯蔵チャンバ244および図2Bのプリテストピストン163の各々は、内側環状体または坑井179に流体的に(luifly)連結できる。
【0038】
電子アセンブリ182は、データおよび/または電力を伝送すべく電気ライン250に伝送可能に接続されている。また、電子アセンブリ182は、データを収集しかつ通信すべくモジュール130d内およびこの回りに配置された1つ以上のセンサ(図示せず)に通信可能に接続できる。例えばポンピングパラメータを決定するため、位置センサ、流量センサおよび/または圧力センサをポンプ166に隣接して配置できる。更に、電子アセンブリ182は、バルブ174、176および/または178に作動可能に接続できる。電子アセンブリは、サンプリング作動を制御すべくポンプ166(例えばモータ170)に作動可能に接続するのが好ましい。任意であるが、電子アセンブリはポンプ166の閉ループ制御を行うように構成できる。
【0039】
また、ポンプ排出モジュール130dには第2フローライン164を設け、該フローラインを、フローライン236と同じ部品またはアセンブリに選択的に接続することができる。或いは、第2フローライン164をそれ自体の部品またはアセンブリに流体的に連結して、フローライン236に流体的に連結された部品またはアセンブリと同じまたは同様な機能を行わせることができる。また、単にポンプ排出モジュール130dを通して供給されおよび/または例えばポンプ166の駆動に使用できる油圧ライン160を、ポンプ排出モジュール130dに設けることができる。
【0040】
図2Dには、他のモジュール130a−130iに使用できるダウンホール流体分析(Downhole Fluid Analysis:DFA)モジュール130eが示されている。DFAモジュール130eは、種々の流体パラメータを測定するための1つ以上の流体センサ184を有している。DFAモジュール130eとして、例えば圧力センサ184a、光学センサ184b、粘度センサ184c、密度センサ184d、抵抗センサ184eおよびH2Oセンサ184fがあるが、これらに限定されるものではない。センサ184はフローライン236に流体的に連結され、かつ対応情報を収集しかつ通信すべく電子アセンブリ186に通信可能に接続できる。電子アセンブリ186もまた、試験ツールアセンブリ130の他のモジュール間でデータおよび/または電力を伝送すべく、電気ライン250に伝送可能に接続される。また、DFAモジュール130eには第2フローライン164を設けることができ、該第2フローライン164は、フローライン236と同じ部品またはアセンブリに選択的に流体的に連結できる。或いは、第2フローライン164はそれ自体の部品またはアセンブリに流体的に連結して、フローライン236に流体的に連結された部品またはアセンブリと同じまたは同様な機能を達成することもできる。DFAモジュール130eには更に、単にDFAモジュール130eを介して供給される油圧ライン160を設けることができる。
【0041】
図3A−図3Cには、1つ以上のモジュール130a−130iの組合せにより達成できる多くの可能な構成が示されている。また、図3A−図3Cには、例えば制御モジュール130i、電力モジュール130fおよび油圧モジュール130h等の付加モジュール130が示されている。より詳しくは、制御モジュール130iには、情報およびデータを記憶する1つ以上のメモリおよび試験ツールの他のモジュールを制御し、データを分析しかつ地表のオペレータ(図示せず)と通信することができる1つ以上のコントローラを設けることができる。電力モジュール130fは、例えばタービンおよび/または充電可能なバッテリ(図示せず)を介して試験ツールのための電力を発生することができる。電力発生機構は、電子ライン250を介して他のモジュールに電力を伝送できるが、電力を供給する全体として別のラインを設けることができる。必須という訳ではないが、制御モジュール130iおよび/または電力モジュール130fには、モジュール130同士の間に流体(例えば油圧流体)を通すための1つ以上の流体連結部を設けることができる。これにより、流体連結部を必要とするモジュール間に制御モジュール130iおよび/または電力モジュール130fが配置されるので付加モジュール性が得られる。
【0042】
油圧モジュール130hは、1つ以上のモジュールおよびこれらのそれぞれの部品およびアセンブリに油圧動力を供給し、したがって少なくとも1つの流体ラインを必要とする。例えば、油圧モジュール130hが動力をポンプ166、プローブ232および/またはセッティングピストン150に供給するように、ツールを連結及び構成することができる。より詳しくは、油圧モジュール130hは、油圧補償システム、油圧動力を供給するポンプ、制御電子部品、電源、センサ、バルブ(図示せず)、および油圧発生システムに見られる他の一般的部品を有している。
【0043】
より詳しくは、図3Aには、遠位端にドリルビット115を備えたBHA100’が示されている。ビット115から上に向かって順に、プローブモジュール130b、DFAモジュール130e、ポンプ排出モジュール130d、油圧モジュール130h、サンプルキャリヤモジュール130c、動力発生モジュール130fおよび制御モジュール130iが設けられ、これらは、油圧および電気的エクステンダ又はコネクタ210または後述の任意のコネクタを用いて連結される。コネクタ210は、1つのモジュール130から他のモジュールへの地層流体/坑井流体の搬送、および/またはシステムコンポーネントを作動させる油圧流体の搬送を行うことができる。電気的エクステンダ210は、モジュール130間で信号および電力を伝送して、モジュール間でデータを共有しまたは1つのマスターモジュールからの作動を制御する。図示されてはいないが、BHA100’には、図1に示すように、地表にデータを送りおよび/またはオペレータからダウンリンクコマンドを受けるためのテレメトリツールを設けることができる。
【0044】
より詳しくは、前述のサンプルラインおよびガードラインのような1つ以上のフローライン(図2A−図2Dの164、236)を、プローブ232(ビット115に隣接または近接して配置されたプローブ)から、流体分析のためのDFAモジュール130eを通ってポンプ排出モジュール130dまで延ばすことができ、ポンプ排出モジュール130dでは、ポンプ166(図2C)が圧力をラインに付与する。同様に、1つ以上の油圧ライン(図2B−図2Dの160)が油圧モジュール130hからポンプ排出モジュール130d内に延びており、ポンプ166(図2C)を作動させる。また、1つ以上の油圧ライン160が、DFAモジュール130eを通ってプローブモジュール130b内に延びており、プローブ232またはセッティングピストン150を作動させる。1つ以上のデータおよび/または動力ライン250が、動力発生モジュール130fおよび制御モジュール130iからBHA100’の残りのモジュール130まで延びており、種々のアセンブリを運転させかつモジュール130間でデータを通信するのに必要な動力(電力)を供給する。
【0045】
モジュール130a−130iおよびコネクタ210の種々の部品およびアセンブリをパッケージングするのに1つ以上のシャーシハウジングが使用され、地表からドリルビット115まで流体通路を掘削できるように構成されている。この構成では、坑井が掘削されるとき、トリッピングの間またはワイパーのトリップ時に、種々の地層試験を行うことができかつ例えば坑井のステアリング、制御、泥システムの適合およびリザーバの特徴付けに使用できるリアルタイム情報を得る。上記および他の試験を行うことに加え、このモジュラシステムは、小さいサイズのツールを得るべく組合せることができるツール間に共通の特徴を与え、かつ例えば圧力試験、流体サンプリング、流体分析および組合せ等の仕事ニーズにしたがって構成される試験ツールを与える。
【0046】
また、長さの制限があるため、単一ツールの複雑さが非常に制限される。モジュラツールでは、各モジュールは依然としてリーズナブルな長さに留まることができ、リグ上でモジュールを搬送しかつ取扱うことができる。かくして、モジュール130の長さはモジュールが標準リグ装置により容易に取扱うことができる長さ、例えば約35−40フィートより短い長さにすべきである。また、モジュラツールは、顧客の利益のため、より多くの特徴および複雑さをBHAに組込むことができる。或る場合には、DFAモジュール103eは、例えばオイルベース泥システム(図3A)におけるようにポンプ排出モジュール130dの前に配置するのが好ましい。他の場合には、DFAモジュール103eは、例えば水ベース泥システム(図3C)におけるように、ポンプ排出モジュール130dの後に配置するのが好ましい。
【0047】
図3Bおよび図3Cには、BHA100''、100'''を形成するモジュール130の異なる構成が示されている。より詳しくは、図3BのBHA100''は、ビット115に隣接して配置された第1プローブモジュール130bと、ビット115から離れた位置に配置された第2プローブモジュール130bとを有している。この構成では、BHA100''はサンプリングおよび圧力試験を同時に行うのに適しており、或いは同時に2つのプローブを用いてサンプリングまたは圧力試験を行うのに適している。同様に、BHA100''は、2つのプローブモジュール130bにより得られる構造を必要とする、当業者に知られた干渉試験を行うのに適している。2つのプローブモジュールに油圧動力を付与するコンポーネントは、単一モジュール130h内に再編成されかつ2つのプローブモジュール間で共有される。
【0048】
図3CのBHA100'''は、ビット115に隣接して配置されたプローブモジュール130bと、ポンプ排出モジュール130dの両側に配置された第1および第2DFAモジュール130eとを有している。この構成では、BHA100'''は、ポンピングの後および前の流体の分析、および分離(セグレゲーション)の検出および/またはポンプモジュールで生じることがあるエマルションの破壊を行うことができる。
【0049】
作動に際し、BHAは、リグ床上または不動産が制限されるリグに隣接して組立てられる。例えば、図3Dに示すように、BHAの底はスリップ内にロックされる。次に、運転すべき特定の仕事または試験に基づいてモジュール130が選択され、次にBHAにねじ込まれるか、さもなければ取付けられる。次に、他のモジュール130がBHAに付加される箇所まで、ドリルストリングが下降される。種々のモジュール130を付加しまたは連結する場合に、1つ以上の油圧ライン、1つ以上のデータラインおよび/または1つ以上の流体ラインが、本明細書に開示するコネクタの1つを用いて連結される。また、種々のモジュール130を連結する間に、掘削流体の通路がBHAを通して完成される。
【0050】
図4Aには、一般的なモジュラコネクタ310が示されており、これは、地下地層Fに貫入する坑井W内に配置されるダウンホールツールストリング(連結されたドリルカラー306、308により表されている)の2つのそれぞれのコンポーネント360、380の対向端部361、381を通って延びかつこれらの端部またはこの近くに終端する補助フローライン362、382と電気的ライン364a、364b、384a、384bとを連結するのに使用される。コンポーネント360、380は別個のダウンホールツールであり、図2で上述したような一体形ツールの別個のモジュールである必要はない。
【0051】
コネクタ310は、補助フローライン362、382を流体的に連結しかつ2つのそれぞれのコンポーネント360、380の電気的ライン364a、364b、384a、384bを電気的に接続するボディアセンブリ312を有している。ボディアセンブリは実質的に一体に形成するか、後述の種々の実施形態で説明するように2つ以上の補完部分で構成できる。ボディアセンブリ312は、2つのコンポーネントの補助フローライン362、382を流体的に連結する少なくとも1つの流体導管322を形成している。後述の実施形態では、他の種々の流体導管解決方法が提供される。ボディアセンブリには、一般に、連結されたコンポーネント360、380の端部361、381を横切る流体連結部をシールするОリングシール324a、324b、326a、326bが設けられている。Оリングは、当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要するあらゆる場所で同様に使用できることは理解されよう。更に、本願の開示を通して、Оリングは種々の流体連結部にわたってシールを行うものと理解されようが、他の既知のシーリング機構(例えばパッキングリング)も有利に使用できる。また、少なくとも幾つかの実施形態では、コネクタボディアセンブリは、例えば、相互連結されたコンポーネントの1つの溢流が他の相互連結されたコンポーネントに伝播することを防止する圧力隔壁の機能を遂行する。
【0052】
ボディアセンブリには更に、2つのコンポーネント360、380の電気的ライン364a、364b、384a、384bを電気的に接続するための少なくとも1つの導電性通路(図4Aには示されていない)が設けられている。このような電気的通路は、ボディアセンブリを通して電気信号を伝送するのに有効であり、後述の種々の実施形態に例示する多くの方法で形成できる。
【0053】
コネクタボディアセンブリは実質的に金属で作られ、連結ピン、接点等をシールするのにガラスが使用されている。或いは、コネクタボディアセンブリは、絶縁性熱可塑性プラスチック(例えばPEEK(登録商標)熱可塑性プラスチック)、または金属と、絶縁性熱可塑性材料と、ガラスとの適当な組合せで作ることができる。
【0054】
連結すべきツールストリングコンポーネント360、380の端部361、381間の異なる距離dに適合させるため、ボディアセンブリ312の長さを調節する長さ調節アセンブリ314(スリーブ部材(図示せず)を組み込み可能)が更に設けられている。後述するように、ボディアセンブリ312には、ねじにより相互連結(例えば互いに連結または共通スリーブまたはサブを介して連結)される第1および第2部材を設けることができる。この場合、長さ調節アセンブリ314は、第1および第2ボディアセンブリ部材の一方または両方の回転を可能にしまたは補助するように作動し、ボディアセンブリの全長を調節する。この場合における長さ調節アセンブリの操作は、2つのコンポーネント360、380の対向端部361、381間にボディアセンブリ312の大部分を配置することにより簡単化されることは理解されようが、これは本質的なことではない。
【0055】
図4B−図14には、ダウンホールツールストリングの近接モジュールおよび/またはツールのようなコンポーネントの連結に使用できるコネクタの種々の例が示されている。各コネクタは、一般的に連結可能な第1および第2管状部材からなるボディアセンブリを有している。第1および第2管状部材は、それぞれ管状のピン部分およびボックス部分で構成でき、或る実施形態では、後述のようにドリルストリング内の隣接ドリルカラーで構成できる。
【0056】
図4Bは、それぞれのドリルカラー406、408内に支持された2つのコンポーネント460、480の中央で軸線方向に配向された補助フローライン462、482に有用性を有するコネクタ410を示す断面図である。コネクタ410のボディアセンブリ412は、連結可能な第1および第2管状部材412a、412bを有している。第1管状部材412aは上方コンポーネント460(該上方コンポーネントは上方ドリルカラー406と一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ412のピン部分を形成している。第2管状部材412bは下方コンポーネント480(該下方コンポーネントは下方ドリルカラー408と一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ412のボックス部分を形成している。ドリルカラー406、408はこれらが相対回転できるように構成されているため、ボディアセンブリ412のボックス部分およびピン部分も回転でき、かつ2つのコンポーネント460、480の補助フローライン462、482を流体的に連結する軸線方向に配向された流体導管422を形成すべく連結係合するように駆動される。一般に、Оリング415a、415bが第1管状部材412aのスリーブ部分413の回りに支持されており、かつОリング419a、419bが第2管状部材412bのスリーブ部分417の回りに支持され、連結されたコンポーネント460、480の端部461、481を横切る流体連結部をシールしている。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0057】
第1および第2管状部材412a、412bはまた、協働して少なくとも1つの導電性通路474を形成し、2つのコンポーネント460、480の電気的ライン464a、464b、484a、484bを電気的に接続する。電気的ラインはピン485によりボディアセンブリ412の導電性通路474に取付けられているが、他の既知の数ある取付け手段のうち半田付けまたはクリンプにより所定位置に取付けることができる。導電性通路474は、第1および第2管状部材412a、412bのそれぞれのピン部分およびボックス部分により支持された補完関係をなす半径方向(環状)電気的接点490a(内側)および490b(外側)により、第1および第2管状部材412a、412bを横切って半径方向に配向されている(すなわち、半径方向に配向されたセグメントを有している)。
【0058】
ボディアセンブリ412の長さを調節するアセンブリは、簡単化のため図4Bには示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリは多くの用途において少なくとも望ましいものであることは理解されよう。このようなアセンブリの特定例を図7および図8を参照して以下に説明する。
【0059】
図5は、それぞれのドリルカラー506、508内に支持された2つのコンポーネント560、580の軸線方向に配向された環状補助フローライン562、582に有用性を有する特定コネクタの実施形態510を示す断面図である。コネクタ510のボディアセンブリ512は、連結可能な第1および第2管状部材512a、512bを有している。第1管状部材512aは上方コンポーネント560(該上方コンポーネントは上方ドリルカラー506に固定されており、該上方ドリルカラーと一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ512のピン部分を形成している。第2管状部材512bは下方コンポーネント580(該下方コンポーネントは下方ドリルカラー508に固定されており、該下方ドリルカラーと一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ512のボックス部分を形成している。したがって、ドリルカラー506、508はこれらが相対回転できるように構成されているため、ボディアセンブリ512のボックス部分およびピン部分も回転でき、かつ2つのコンポーネント560、580の補助フローラインを流体的に連結する軸線方向に配向された環状流体導管522を形成すべく連結係合するように駆動される。一般に、Оリング515a、515bがボディアセンブリ512のピン部分の回りに支持され、第1および第2管状部材512a、512bを横切る流体連結部をシールする。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0060】
第1および第2管状部材512a、512bはまた、協働して少なくとも1つの導電性通路574を形成し、2つのコンポーネント560、580の電気的ライン564、584を電気的に接続する。電気的ライン564、584はピン−ソケット設計(ウェットスタブと同様)の、補完関係をなす半径方向(環状)電気的接点583a(内側)および583b(外側)およびピン585によりボディアセンブリ512の導電性通路574に取付けられているが、他の既知の数ある取付け手段のうち半田付けまたはクリンプにより所定位置に取付けることができる。導電性通路574は、第1および第2管状部材512a、512bのピン部分およびボックス部分により支持された半径方向(環状)電気接点590a(内側)、590b(外側)により第1および第2管状部材512a、512bを横切って半径方向に配向されている(すなわち、半径方向に配向されたセグメントを有している)。
【0061】
ボディアセンブリ512の長さを調節するアセンブリは、簡単化のため図5には示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリは多くの用途において少なくとも望ましいものであることは理解されよう。このようなアセンブリの特定例を図7および図8を参照して以下に説明する。
【0062】
図6は、それぞれのドリルカラー606、608内に支持された2つのコンポーネント660、680の軸線方向に配向された環状補助フローライン662、682に有用性を有する他のコネクタ610を示す断面図である。コネクタ610のボディアセンブリ612は、連結可能な第1および第2管状部材612a、612bを有している。第1管状部材612aは上方コンポーネント660(該上方コンポーネントは上方ドリルカラー606に固定されており、該上方ドリルカラーと一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ612のピン部分を形成している。第2管状部材612bは下方コンポーネント680(該下方コンポーネントは下方ドリルカラー608に固定されており、該下方ドリルカラーと一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ612のボックス部分を形成している。したがって、ドリルカラー606、608はこれらが相対回転できるように構成されているため、ボディアセンブリ612のボックス部分およびピン部分も回転でき、かつ2つのコンポーネント660、680の補助フローライン662、682を流体的に連結する軸線方向に配向された環状流体導管622を形成すべく連結係合するように駆動される。一般に、Оリング615a、615bがボディアセンブリ612のピン部分の回りに支持され、第1および第2管状部材612a、612bを横切る流体連結部をシールする。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0063】
第1および第2管状部材612a、612bはまた、協働して少なくとも1つの導電性通路674を形成し、2つのコンポーネント660、680の電気的ライン664、684を電気的に接続する。電気的ライン664、684はピン−ソケット設計のピン685、687によりボディアセンブリ612の導電性通路674に軸線方向に取付けられているが、他の既知の数ある取付け手段のうち半田付けまたはクリンプにより所定位置に取付けることができる。導電性通路674は、第1および第2管状部材612a、612bのピン部分およびボックス部分により支持された補完関係をなす半径方向(環状)電気接点690a(内側)、690b(外側)の上方対および下方対により第1および第2管状部材612a、612bを横切って半径方向に配向されている(すなわち、半径方向に配向されたセグメントを有している)。
【0064】
ボディアセンブリ612の長さを調節するアセンブリは、簡単化のため図6には示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリは多くの用途において少なくとも望ましいものであることは理解されよう。このようなアセンブリの特定例を図7および図8を参照して以下に説明する。
【0065】
図7は、それぞれのドリルカラー706、708内に支持された2つのコンポーネント760、780の軸線方向に配向された補助フローライン(図示せず)に有用性を有する特定の実施形態のコネクタ710を示す断面図である。コネクタ710のボディアセンブリ712は、連結可能な第1および第2管状部材712a、712bを有している。第1管状部材712aは上方コンポーネント760(該上方コンポーネントは上方ドリルカラー706と一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ712のボックス部分を形成している。第2管状部材712bは下方コンポーネント780(該下方コンポーネントは下方ドリルカラー708と一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ712のピン部分を形成している。したがって、ドリルカラー706、708はこれらが相対回転できるように構成されているため、ボディアセンブリ712のボックス部分およびピン部分も回転でき、かつ2つのコンポーネント760、780の補助フローライン(図示せず)を流体的に連結する、リニア部分722aおよび環状部分722bを備えた軸線方向に配向された環状流体導管を形成すべく連結係合するように駆動される。一般に、Оリング715a、715bがボディアセンブリ712のピン部分の回りに支持され、第1および第2管状部材712a、712bを横切る流体連結部をシールする。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0066】
第1および第2管状部材712a、712bはまた、協働して少なくとも1つの導電性通路774を形成し、2つのコンポーネント760、780の電気的ライン764、784を電気的に接続する。電気的ライン764、784はピン−ソケット設計785a、785b(ウェットスタブと同様)により、ボディアセンブリ712の導電性通路774に軸線方向に取付けられているが、他の既知の数ある取付け手段のうち半田付けまたはクリンプにより所定位置に取付けることができる。導電性通路774は、第1および第2管状部材712a、712bのボックス部分およびピン部分により支持された補完関係をなす電気的ソケット785a(内側)および電気的ピン785b(外側)により第1および第2管状部材712a、712bを横切って半径方向に配向されている(すなわち、半径方向に配向されたセグメントを有している)。
【0067】
図7には、コネクタの長さを調節するアセンブリ714が幾分詳細に示されている。長さを調節するプロセスは、本質的に、2つのコンポーネント760、780の対向端部間の距離を測定する段階と、測定した距離にしたがって、補助フローライン間の流体連結部および2つのコンポーネントの電気的ライン間の電気的接続部を短縮または延長させる段階とを有している。長さ調節アセンブリ714は、複数のロッキングスクリュウ732により下方コンポーネント780の回りに着脱可能に固定されるスリーブ730を有している。下方コンポーネント780は上方の小径部分780aを有し、該小径部分780aは、コネクタボディアセンブリ712の第2管状部材712bの下方部分(別の参照番号で示されてはいない)内に嵌合されている。下方コンポーネント部分780aおよび第2管状部材712bには、ねじ係合する補完ねじ面(参照番号734で示す)が設けられている。第2管状部材712bは、スリーブ730と協働して第2管状部材712bの回転を防止するキー738を受入れるねじ面の領域内にキースロット736を有している。かくして、スリーブ730およびキー738が取外されると、トルクを加えることにより第2管状部材712bが自由に回転される。
【0068】
コネクタ710の長さ調節は、第1および第2管状部材712a、712b、コンポーネント760、780および長さ調節アセンブリ714がドリルカラー706、708内に配置される前に行われるのが好ましい。本質的に、下方コンポーネント780は、第2管状部材712bにトルクが加えられる間に回転しないように保持され、これにより、下方コンポーネント780に対して第2管状部材712bが回転される。このような相対回転は、第2管状部材712bおよび第1管状部材712aの両管状部材がそれぞれのドリルカラー706、708内に取付けられかつこれらのドリルカラー間の相対回転により達成されるときに、両管状部材間に適正係合が要求されるため、第2管状部材712bを下方コンポーネント部分780aに沿って軸線方向(上方または下方)に移動させる効果を有する。したがって、長さ調節は、下方コンポーネント780に沿って第2管状部材712bの位置を操作することにより行われる。電気的ソケット785aは電気的ピン785bとの係合を行うため下方にばね付勢されているが、第1管状部材712aは一般に、上方コンポーネント760に沿う一位置に保持される。流体の流れ一体性を得るため、種々の位置(参照番号では示されていない)にОリングまたは他のシーリング手段を使用できる。
【0069】
図8は、それぞれのドリルカラー806、808内に支持された2つのコンポーネント860、880の軸線方向に配向された環状補助フローライン862、882に有用性を有する他のコネクタ810を示す断面図である。コネクタ810のボディアセンブリ812は、連結可能な第1、第2および第3管状部材812a、812b、812cを有している。第1および第2管状部材812a、812bは、上方ドリルカラー806に固定されかつ該ドリルカラーと一緒に移動する上方コンポーネント860と一緒に移動できるように支持されている。第1管状部材812aは、ボディアセンブリ812の外側ボックス部分812a1および内側ピン部分812a2を形成する同心状管状部分を有している。第2管状部材812bはОリング815cを用いて第3管状部材812cにスライド可能に連結されており(すなわち、両者の間の相対回転を可能にする)、ボディアセンブリ812の外側ピン部分812b1および内側ボックス部分812b2を形成する同心状管状部分を有している。第3管状部材812cは、下方ドリルカラー808に固定されかつ該ドリルカラーと一緒に移動する下方コンポーネント880と一緒に移動できるように支持されている。したがって、上方ドリルカラー806および下方ドリルカラー808はこれらの間に相対回転が可能であるので、ボディアセンブリ812(第2および第3管状部材812b、812cにより形成される)のボックス部分およびピン部分も回転されかつ連結係合するように駆動されて、2つのコンポーネント860、880の補助フローライン862、882を流体的に連結する、軸線方向に配向された環状流体導管822を形成する。Оリングセット815a、815bは、一般に、第1および第2管状部材812a、812bを横切って流体連結部をシールするため、ボディアセンブリ812のそれぞれのピン部分の回りで支持される。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できる。
【0070】
また、第1および第2管状部材812a、812bは協働して、2つのコンポーネント860、880の電気的ライン864、884を電気的に接続する少なくとも1つの導電性通路874を形成する。電気的ライン864、884はそれぞれの上方および下方のウェットスタブ885a、885bによりボディアセンブリ812の導電性通路874に軸線方向に取付けられるが、数ある他の既知の取付け手段のうちから半田付けまたはクリンプにより取付けることもできる。導電性通路874は、第1および第2管状部材812a、812bにより形成された中央導管891内の導電性ワイヤ(単一または複数)890(コイル状領域890cに留意されたい)の延長部分により一部が形成されている。
【0071】
図8には更に、コネクタ810の長さを調節する他のアセンブリ814が幾分詳細に示されている。長さを調節するプロセスは、本質的に、2つのコンポーネント860、880の対向端部間の距離を決定する段階と、補助フローラインと決定した距離にしたがってそれぞれの2つのコンポーネントの電気的ライン間の電気的接続部との間の流体連結部を短縮または延長する段階とを有している。長さ調節アセンブリ814は、カラー830の回転により外側ボックス部分812a1の下方ショルダとロッキング係合するように駆動できるロックワッシャ831およびウェッジリング832により下方コンポーネント880の回りでロックできるカラーまたはキャップ830を有している。スプリット雄ねじリング827が、外側ピン部分812b1の小径部分の回りで支持されている。外側ピン部分812b1およびリング827は、リング827のねじを補完する雌ねじが設けられた外側ボックス部分812a1内に嵌合している。かくして、ウェッジリング832が外側ボックス部分812a1とのロッキング係合から解放されると、加えられるトルクにより第1管状部材812aが自由に回転される。
【0072】
コネクタ810の長さ調節は、第1、第2および第3管状部材812a、812b、812c、コンポーネント860、880および長さ調節アセンブリ814がドリルカラー806、808内に配置される前に行なうのが好ましい。第1管状部材812aへのトルクの付与により、ねじリング827に対して第1管状部材812aが回転される。この相対回転により、第1管状コンポーネント812aに沿って第2管状部材812bが軸線方向(上昇または下降)に移動される。このためには、第2管状部材812bおよび第3管状部材812cがそれぞれのドリルカラー806、808内に取付けられかつこれらのドリルカラー間の相対回転が生じるときに、両管状部材812b、812cに適正係合が要求される。したがって、長さ調節は、第1管状部材812aに沿って第2管状部材812bの位置を操作することにより行われる。
【0073】
図7および図8に示す実施形態は、第1管状部材と第2管状部材とを相対回転させてボディアセンブリ712、812の長さを調節する構成の長さ調節アセンブリ714、814を用いている。しかしながら、当業者ならば、他の長さ調節アセンブリを有利に採用できることも理解されよう。そのような例として、第1管状部材と第2管状部材との間で相対スライディング、入れ子運動または他の直線運動を行ってコネクタボディアセンブリの長さを調節するアセンブリがある。
【0074】
図9は、それぞれのドリルカラー906、908内に支持された2つのコンポーネント960、980の軸線方向に配向された環状補助フローライン962、982に有用性を有する他のコネクタ910を示す断面図である。コネクタ910のボディアセンブリ912は、連結可能な第1および第2管状部材912a、912bを有している。第1管状部材912aは上方コンポーネント960(該上方コンポーネントは上方ドリルカラー906に固定されており、該上方ドリルカラーと一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ912のピン部分を形成している。第2管状部材912bは下方コンポーネント980(該下方コンポーネントは下方ドリルカラー908に固定されており、該下方ドリルカラーと一緒に移動する)と一緒に移動するように支持されており、ボディアセンブリ912のボックス部分を形成している。したがって、ドリルカラー906、908はこれらが相対回転できるように構成されているため、ボディアセンブリ912のボックス部分およびピン部分も回転でき、かつ2つのコンポーネント960、980の補助フローライン962、982を流体的に連結する第1および第2管状部材912a、912bを横切る環状スペース922c(すなわち、連結された部材のインターフェース)を備えた、軸線方向に配向された流体導管922a、922bを形成すべく連結係合するように駆動される。一般に、Оリング915がボディアセンブリ912のピン部分の回りに支持され、かつ一般に1つ以上の面シール917が、環状スペース922cを形成する第1および第2管状部材912a、912bの端部の回りに配置され、第1および第2管状部材912a、912bを横切る流体連結部をシールする。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0075】
第1および第2管状部材912a、912bはまた、協働して少なくとも1つの導電性通路974を形成し、2つのコンポーネント960、980の電気的ライン964、984を電気的に接続する。電気的ライン964、984は、補完関係をなす上方の半径方向(環状)電気接点991a(内側)、991b(外側)、補完関係をなす下方の半径方向(環状)電気接点993a(内側)、993b(外側)、ピン985およびピン−ソケット設計(ウェットスタブと同様)によりボディアセンブリ912の導電性通路974に軸線方向に取付けられているが、他の既知の数ある取付け手段のうち半田付けまたはクリンプにより所定位置に取付けることができる。より詳しくは、導電性通路974は、第1および第2管状部材912a、912bのピン部分およびボックス部分により支持された補完関係をなす半径方向(環状)電気接点990a(内側)、990b(外側)の上方対および下方対により第1および第2管状部材912a、912bを横切って半径方向に配向されている(すなわち、半径方向に配向されたセグメントを有している)。
【0076】
ボディアセンブリ912の長さを調節するアセンブリは、簡単化のため図9には示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリは多くの用途において少なくとも望ましいものであることは理解されよう。このようなアセンブリの特定例は、図7および図8を参照して上述した。
【0077】
図10は、それぞれのドリルカラー1006、1008内に支持された2つのコンポーネント1060、1080の軸線方向に配向された補助フローライン1062、1082に有用性を有する他のコネクタ1010を示す断面図である。コネクタ1010のボディアセンブリ1012は、Оリング1015が設けられた単一の油圧スタバ(hydraulic stabber)1013を有している。油圧スタバ1013には、コンポーネント1060、1080(それぞれのドリルカラー1006、1008と一緒に移動する)の両方と流体的に係合する2つ以上のОリング1015が設けられている。したがって、ドリルカラー1006、1008はこれらが相対回転できるように構成されているため、コンポーネント1060、1080も、油圧スタバ1013および該油圧スタバのそれぞれの端部の中央ボア1061、1081を介して、流体的に係合するように駆動され、これにより、2つのコンポーネント1060、1080の補助フローライン1062、1082を流体的に連結する軸線方向に配向された流体導管1022を形成する。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0078】
コネクタ1010のボディアセンブリ1012は更に、2つのそれぞれのコンポーネント1060、1080に関連するドリルカラー1006、1008の電気的ライン1064、1084を電気的に接続する導電性通路1120を有している。
【0079】
図11Aおよび図11Bは、図10の軸線方向に配向された導電性通路1120を示す詳細断面図である。ワイヤ状ドリルパイプ(wired drill pipe:WDP)継手1110は、ドリルカラー1006、1008内に導電性通路1120を設けるのに適した形状を呈している。継手1110は本件出願人に譲渡された上記特許文献10に開示された形式と同様であり、WDP継手を横切って信号を伝送する通信カプラ(より詳しくは、誘導カプラ)を用いている。特許文献10によるWDP継手の誘導カプラは、「スーパーマロイ(Supermalloy)」(例外的に高い初期透磁率をもつように処理された、低レベル変圧器用途に適したニッケル合金)のような高透磁率、低損失材料で作られたトロイダルコアを有する変圧器を有している。トロイダルコアの回りには、絶縁ワイヤを多数巻回した巻線がコイルを形成しており、トロイダル変圧器を形成している。一形態では、トロイダル変圧器は、ゴムまたは他の絶縁材料内に収容され、組立てられた変圧器はドリルパイプ連結部に設けられた溝内に配置されている。
【0080】
より詳しくは、WDP継手1110は、ボックス端部1122の端部1141およびピン端部1132の端部1134およびこれらの端部の近くに通信カプラ1121、1131(より詳しくは誘導カプラ要素)を備えているところが示されている。第1ケーブル1114は、通信カプラ1121、1131を後述の方法で連結すべく、導管1113を通って延びている。
【0081】
WDP継手1110には細長い管状ボディ1111が設けられており、該管状ボディ1111は、軸線方向ボア1112、ボックス端部1122、ピン端部1132、ボックス端部1122からピン端部1132まで延びている第1ケーブル1114を備えている。ボックス端部1122およびピン端部1132には、それぞれ、第1電流ループ誘導カプラ要素1121(例えばトロイダル変圧器)および同様な第2電流ループ誘導カプラ要素1131が配置されている。第1電流ループ誘導カプラ要素1121、第2電流ループ誘導カプラ要素1131および第1ケーブル1114は、集合的に、各WDP継手の長さを横切る通信導管を形成する。2つのWDP継手間の連結されたインターフェースでの誘導カプラ(または通信接続部)1120は、WDP継手1110からの第1誘導カプラ要素1121および次の管状部材(これは、他のWDP継手でもよい)からの第2電流ループ誘導カプラ1131'により構成されているところが示されている。当業者ならば、本願の幾つかの実施形態において、誘導カプラ要素は、例えば上記特許文献13に開示されている種類の直接電気的接触接続部のように、同様な通信機能を有する他の通信カプラと置換できることは理解されよう。
【0082】
図11Bには、図11Aの誘導カプラまたは通信接続部1120がより詳細に示されている。ボックス端部1122は、雌ねじ1123と、第1スロット1125(この中に第1トロイダル変圧器1126が配置される)を備えた環状内側接触ショルダ1124とを有している。同様に、隣接するワイヤ状管状部材(例えば、他のWDP継手)のピン端部1132'は、雄ねじ1133'と、第2スロット1135'(この中に第2トロイダル変圧器1136'が配置される)を備えた環状内側接触パイプ端部1134'とを有している。第2トロイダル変圧器1136'は、隣接する管状部材9aの第2ケーブル1114'に接続される。スロット1125、1135'は、誘導カップリングの効率を高めるため、高導電性低透磁率材料(例えば銅)で被覆される。WDP継手が、隣接する管状部材(例えば他のWDP継手)のピン端部1132'に組付けられるとき、通信接続部が形成される。かくして図11Bには、得られるインターフェースの一部の断面が示されている。このインターフェースでは、対面する対をなす誘導カプラ要素(すなわち、トロイダル変圧器1126、1136')が一体にロックされ、作動通信リンク内に通信接続部を形成する。この断面図はまた、閉じられたトロイダル通路1140、1140'がそれぞれトロイダル変圧器1126、1136'を包囲していること、および導管1113、1113'が、各WDP継手の両端部に配置された2つの誘導カプラ要素を連結する内部電気的ケーブル1114、1114'(図10のコンタクタ1064、1084として使用される)の通路を形成することも示している。
【0083】
上記誘導カプラには、二重トロイドが形成された電気カプラが組込まれている。二重トロイダルカプラは、電気的接点として、ピンおよびボックスの端部の内側ショルダを用いている。内側ショルダは、ピンおよびボックスの端部間に電気的連続性を確保すべく、ピンおよびボックスの端部が形成されるときに、極めて大きい力が加えられて係合される。スロット内に置かれたトロイダル変圧器により、接続部の金属には電流が誘起される。所与の周波数(例えば100kHz)で、これらの電流は、表皮厚さ効果(skin depth effects)によりスロットの表面に閉じ込められる。ピンおよびボックスの端部はそれぞれの2次回路を構成し、2つの2次回路は対応する内側ショルダを介して背中合せに接続される。
【0084】
図11Aおよび図11Bは或る通信カプラ形式を示すものであるが、当業者ならば、相互連結される管状部材を横切って信号を通信するのに種々のカプラを使用できることは理解されよう。このようなシステムとして、例えば上記特許文献14に開示されているような磁気カプラがある。他のシステムおよび/またはカプラを考えることもできる。
【0085】
また、簡単化のため図10、または図11Aおよび図11Bにはボディアセンブリ1012の長さを調節するアセンブリが示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリが多くの用途に少なくとも望ましいものであることが理解されよう。このようなアセンブリの特定例は、図7および図8に関連して前述した通りである。
【0086】
図12は、それぞれのドリルカラー1206、1208内に支持された2つのコンポーネント1260、1280の軸線方向に配向された、環状補助フローライン1262、1282に有用性を有する他のコネクタ1210を示す断面図である。コネクタ1210のボディアセンブリ1212は、接続可能な第1サブアセンブリ1212aおよび第2サブアセンブリ1212bを有している。
【0087】
第1サブアセンブリ1212aは、上方コンポーネント1260と一緒に移動できるように支持されており、かつドリルカラー1206および例えばねじ係合によりドリルカラー1206内に固定された上方マンドレル1213aを有している。上方マンドレル1213aは、ドリルカラー1206内のフローライン1223aの環状領域1223arと係合すべく外方に突出する前に、上方の連結コンポーネント1260からマンドレルを通って軸線方向に延びるフローライン1221aを有している。第1ボディサブアセンブリ1212aが上方ドリルカラー1206内で上方マンドレル1213aとの係合により(例えばこれらの間のねじ回転により)組付けられるので、フローライン1221aの半径方向突出端部は、上方フローリンクを確立すべくフローライン1223aの環状領域1223arと垂直係合するように置かれる。
【0088】
第2サブアセンブリ1212bは、下方コンポーネント1280と一緒に移動するように支持され、かつドリルカラー1208およびドリルカラー1208内に例えばねじ係合により固定された下方マンドレル1213bを有している。下方マンドレル1213bは、ドリルカラー1208内のフローライン1223bの環状領域1223brと係合すべく外方に突出する前に、下方の連結コンポーネント1280からマンドレルを通って軸線方向に延びるフローライン1221bを有している。第2ボディサブアセンブリ1212bが下方ドリルカラー1208内で下方マンドレル1213bとの係合により(例えばこれらの間のねじ回転により)組付けられるので、フローライン1221bの半径方向突出端部は、下方フローリンクを確立すべくフローライン1223bの環状領域1223brと垂直係合するように置かれる。
【0089】
ドリルカラー1206、1208がこれらの間の相対回転により組付けられるとき、掘削泥109は、矢印により示すように、ドリルカラー1206、1208を通って延びている通路1207を通る。ボディアセンブリ1212の第1および第2サブアセンブリ1212a、1212bも回転されかつ連結係合するように駆動される。これにより、それぞれの第1および第2ボディサブアセンブリの上方および下方フローリンクを流体的に連結するための外側の半径方向に配向された(より詳しくは、半径方向に対称的な)流体導管1222が形成される。このプロセスにより、2つのコンポーネント1260、1280が流体的に相互連結される。Оリング1215は、第1および第2ボディサブアセンブリ1212a、1212bを横切って流体連結部をシールするため、一般に、上方および下方マンドレル1213a、1213bの回りに支持されている。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できる。
【0090】
また、第1および第2ボディサブアセンブリ1212a、1212bは協働して、2つのコンポーネント1260、1280の電気的ライン1264、1284を電気的に接続するための少なくとも1つの導電性通路1274を形成する。電気的ライン1264、1284は、補完関係をなす上方半径方向(環状)電気的接点1291a(内側)、1291b(外側)、補完関係をなす下方半径方向(環状)電気的接点1293a(内側)、1293b(外側)、ピン−ソケット設計1285(ウェブスタブと同様)、および補完関係をなす半径方向(環状)電気的接点1290a(内側)、1290b(外側)により、ボディアセンブリ1212の導電性通路1274に軸線方向に取付けられる。他の既知の電気的取付け手段を使用できることは理解されよう。導電性通路1274は、設計1285のそれぞれのピンおよびソケットコンポーネントにより支持された、上方対および下方対の補完関係をなす半径方向(環状)電気的接点1290a(内側)、1290b(外側)により第1および第2ボディサブアセンブリ1212a、1212bを横切って半径方向に配向される(すなわち、導電性通路は半径方向に配向されたセグメントを有している)。
【0091】
簡単化のため図12にはボディアセンブリ1212の長さを調節するアセンブリが示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリが多くの用途に少なくとも望ましいものであることが理解されよう。このようなアセンブリの特定例は、図7および図8に関連して前述した通りである。
【0092】
図13は、それぞれのドリルカラー1306、1308内に支持された2つのコンポーネント1360、1380の軸線方向に配向された環状補助フローライン1362、1382に有用性を有する他のコネクタ1310を示す断面図である。コネクタ1310のボディアセンブリ1312は、Оリング1315が設けられた単一の油圧スタバ1313を有している。油圧スタバ1313には、コンポーネント1360、1380(それぞれのドリルカラー1306、1308に固定されかつこれらと一緒に移動する)の両方と流体的に係合する2つ以上のОリング1315が設けられている。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0093】
ドリルカラー1306、1308間には、これらを相互連結するための連結サブ1307が配置される。サブ1307はピンおよびボックス端部のねじセットを有し、これらのねじセットは、ドリルカラー1306、1308の対向端部のそれぞれのねじセットと係合できかつサブが回転されたときに両ドリルカラーをサブ1307に向かって引寄せ、ねじ係合させる。かくして、サブ1307のねじがそれぞれのドリルカラーのねじと最初に係合した後にサブ1307を回転させると(ドリルカラーは、例えば慣用方法では、ドリリングリング床に回転しないように保持されている)、ドリルカラー自体が回転されることなく(単に直線移動するだけで)ドリルカラー1306、1308が形成される。これは、フローライン1362、1382が半径方向に対称的でないため必要である(すなわち、フローラインの係合は、適正な半径方向整合に依存している)。
【0094】
したがって、ドリルカラー1306、1308が連結サブ1307の回転により形成されるとき、コンポーネント1360、1380は引寄せられて、これらのそれぞれの端部の油圧スタバ1313および中央ボア1361、1381を介して流体係合され、これにより、2つのコンポーネント1360、1380の補助フローライン1362、1382を流体的に連結する、軸線方向に配向された流体導管1322が形成される。
【0095】
ボディアセンブリ1312は更に、2つのコンポーネント1360、1380の電気的ライン1364、1384を電気的に接続する少なくとも1つの導電性通路1374を形成すべく協働する多数の補完関係をなすピン−ソケット電気接点1390a(上方ピン)、1390b(下方ソケット)を有している。電気的ライン1364、1384は、ピン−ソケット設計のピン1385によりボディアセンブリ1312の導電性通路1374に軸線方向に取付けられるが、他の数ある既知の取付け手段のうち、半田付けまたはクリンプにより所定位置に取付けることもできる。導電性通路1374は、補完関係をなす上方対および下方対のピン−ソケット電気的接点1390a(上方ピン)、1390b(下方ソケット)を横切って半径方向に配向されている(すなわち、導電性通路は、半径方向に配向されたセグメントを有している)。
【0096】
簡単化のため図13にはボディアセンブリ1312の長さを調節するアセンブリが示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリが多くの用途に少なくとも望ましいものであることが理解されよう。このようなアセンブリの特定例は、図7および図8に関連して前述した通りである。
【0097】
図14Aおよび図14Bは、ボディアセンブリ1412の第1および第2管状部材を分離したときに、連結されたコンポーネントのフローラインを自動的に遮断する手段を備えたコネクタ1410の特定実施形態を示す連続的な断面図である。このコネクタ1410は、それぞれのドリルカラー1406、1408内に支持された2つのコンポーネント(図示せず)の軸線方向に配向された補助フローライン(図示せず)に有用性を有する。コネクタ1410のボディアセンブリは、連結可能な第1および第2管状部材1412a、1412bを有している。第1管状部材1412aは、上方ドリルカラー1406に固定されかつこれと一緒に移動できる上方コンポーネント(図示せず)と一緒に移動できるように支持されており、かつボディアセンブリの外側ボックス部分1412a1および内側ボックス部分1412a2を形成する同心状管状部材を有している。
【0098】
第2管状部材1412bは、下方ドリルカラー1408と一緒に移動する下方コンポーネント(図示せず)と一緒に移動するように支持されており、かつボディアセンブリ1412の外側ピン部分1412b1および内側ピン部分1412b2を形成する同心状管状部分を有している。したがって、上方および下方のドリルカラー1406、1408がこれらの相対回転により組付けられるとき、ボディアセンブリ1412のボックス部分およびピン部分も回転されかつ連結係合するように駆動され、これにより、2つのコンポーネント(図示せず)の補助フローラインを流体的に連結する、軸線方向に配向された環状流体導管が形成される。
【0099】
環状流体導管は、第1管状部材1412a内方に形成された第1導管部分1422aと、第2管状部材1412b内に形成された第2導管部分1422bと、ボディアセンブリ1412の第1および第2管状部材1412a、1412bの係合時に形成される中間の第3導管部分1422cとを有している。第1および第2管状部材1412a、1412bの各々は、第1および第2管状部材1412a、1412bを連結したときに補助フローラインの第3導管部分1422cを自動的に開き、かつ第1および第2管状部材1412a、1412bを分離したときに第3導管部分1422cを自動的に閉じるため、この実施形態では、環状体1425a、1425b(図14A)により形成されたチャンバを通って移動できるそれぞれの環状ピストン1423a、1423bにより形成されたバルブを有している。
【0100】
かくして、外側ピン部分1412b1との係合により閉位置から開位置へと移動(図14Aから図14Bへのシーケンスを参照)されるピストン1423aは、第1および第2管状部材1412a、1412bが分離されるときに、第1導管部分1422aおよび第4導管部分1422d内に流体圧力を付与することにより(またはコイルスプリングのような他の力付与手段により)、自動的に閉位置に戻り移動する。同様に、内側ボックス部分1412a2との係合により閉位置から開位置へと移動(図14Aから図14Bへのシーケンスを参照)されるピストン1423bは、第1および第2管状部材1412a、1412bが分離されるときに、第2導管部分1422bおよび第5導管部分1422e内に流体圧力を付与することにより(またはコイルスプリングのような他の力付与手段により)、自動的に閉位置に戻り移動する。Оリング(参照番号は付されていない)は、第1および第2管状部材1412a、1412bを横切って流体連結部をシールすべく、一般に、ボディアセンブリ1412のそれぞれのピン部分の回りで支持される。当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所には、Оリングまたは他のシーリング手段を同様に使用できることは理解されよう。
【0101】
第1および第2管状部材1412a、1412bは協働して、2つのコンポーネント(参照番号は付されていない)の電気的ライン1464、1484(図14A参照)を電気的に接続する少なくとも1つの導電性通路1474を形成する。電気的ライン1464、1484は、それぞれの上方(ボックス)および下方(ピン)のウェットスタブ部材1485a、1485bによりボディアセンブリ1412の導電性通路に軸線方向に取付けられるが、数ある既知の取付け手段の中で半田付けまたはクリンプにより所定位置に取付けることもできる。
【0102】
簡単化のため図14にはボディアセンブリ1412の長さを調節するアセンブリが示されていないが、当業者ならば、このような付加アセンブリが多くの用途に少なくとも望ましいものであることが理解されよう。このようなアセンブリの特定例は、図7および図8に関連して前述した通りである。
【0103】
図15は、ダウンホールツールストリング(連結されたドリルカラー1560、1580により示されている)の2つのそれぞれのコンポーネント1560、1580の対向端部または該端部の近くを通って延びかつ終端している電気的ライン1564a、1564b;1584a、1584bの接続に使用する他のコネクタ1510を示す断面図である。コンポーネント1560、1580は別個のダウンホールツールであり、一体形ツールの別個のモジュールにする必要はない。
【0104】
コネクタ1510は、フローライン1562を流体的に連結するための内側ボディアセンブリ1512と、それぞれ2つのコンポーネント1560、1580の電気的ライン1564a、1564b;1584a、1584bを電気的に接続する第1および第2外側ボディアセンブリ1513a、1513bとを有している。内側および外側ボディアセンブリ1512、1513および2つのコンポーネント1560、1580の種々の部分は、種々の形態で一体的に構成されている。例えば、内側ボディアセンブリ1512は、外側ボディアセンブリ1513aおよびコンポーネント1560と一体化できる。しかしながら、図15に示すように、内側ボディアセンブリ1512、外側ボディアセンブリ1513a、1513bおよび2つのコンポーネント1560、1580は、各々が全体として別のコンポーネントとして構成できる。
【0105】
内側ボディアセンブリ1512は、2つのコンポーネントのフローライン1562、1582を流体的に連結する少なくとも1つの流体導管1522を形成する。内側ボディアセンブリは、一般に、連結されたコンポーネント1560、1580の端部1561、1581を横切る流体連結部をシールするОリングシール1524、1526が設けられている。Оリングは、当業界で知られているように、流体の流れ一体性を要する箇所で同様に使用されることは理解されよう。より詳しくは、内側ボディアセンブリ1512は、端部1561の近くでコンポーネント1560の凹部と係合する。内側ボディアセンブリ1512の反対側端部は、端部1581の近くでコンポーネント1580の凹部と係合する。内側ボディアセンブリ1512は、図示のように、コンポーネント1560、1580および外側ボディアセンブリ1513bに対して移動し、これによりコネクタ1510にフレキシビリティが得られる。
【0106】
外側ボディアセンブリ1513には、電気的ライン1564a、1564b;1584a、1584bを電気的に接続する少なくとも2つの導電性通路が設けられている。このような電気的通路は、ボディアセンブリ1513を通る電気信号を導くのに有効である。電気的信号は、コンポーネント1560、1580の間でおよび/またはこれらを通って伝送される電力を含み、および/またはデジタルおよび/またはアナログであるデータ通信を含み、または上記のいずれかの組合せを含むものである。
【0107】
より詳しくは、外側ボディアセンブリ1513a、1513bは、ライン1584、1564間に良好な電気的接触を確保する係合面を有している。より詳しくは、アセンブリ1513aは接触リング1515、1517の一部1515a、1517aを有し、アセンブリ1513bは係合部分1515b、1517bを有している。係合面は段差を有し、安定性を得るため複数のストップ等を有し、かつ図示のように複数のОリングを有している。作動に際し、2つのコンポーネント1560、1580が、図示のねじ部分等により連結される。この際、内側ボディアセンブリ1512はコンポーネント1560、1580の端部1561、1581と係合し、これにより流体導管アクロス(fluid conduit across)1562、1522、1526を構成する。また、部分1515a、1515bおよび部分1517a、1517bが集合して電気的コネクタ1515、1517を形成し、これにより電気的ライン1564a、1564b;1584a、1584bの間に電気的通路が形成される。
【0108】
上記説明から、本発明の真の精神から逸脱することなく、本発明の好ましい実施形態および他の実施形態に種々の変更を行うことができる。
【0109】
本明細書の説明は例示のみを目的とし、意味を制限するものと解釈すべきではない。本発明の範囲は特許請求の範囲の記載によってのみ決定すべきである。特許請求の範囲の記載における用語「有する」とは、「少なくとも含む」を意味し、したがって特許請求の範囲の記載における要素の列挙は1つの群を意味する。同様に、用語「包含する」、「備えた」および「含む」は、全て、一群の要素を意味するものである。「1つ」は、特にことわらない限り、その複数の形態を含むものである。
【符号の説明】
【0110】
100 ボトムホールアセンブリ(BHA)
112 ドリルストリング
115 ドリルビット
130 ドリルカラー(地層テスターアセンブリ)
150 セッティングピストン(バックアップピストン)
210 コネクタ
232 プローブ
244 サンプル貯蔵チャンバ
F 地下地層
W 坑井
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下地層に使用するモジュラツールにおいて、
第1モジュールを有し、該第1モジュールが、前記ツールの外部の少なくとも一部を形成する第1カラーを備え、該カラーが、カラーの第1端部の第1係合機構と、カラーの第2端部の第2係合機構と、掘削流体を通す流体通路とを有し、
第2モジュールを有し、該第2モジュールが、前記ツールの外部の少なくとも一部を形成する第2カラーを備え、該カラーが、第1カラーの第2端部と係合するための、カラーの第1端部の第1係合機構と、カラーの第2端部の第2係合機構と、モジュールの一定長さに亘って延びている、掘削流体を通すための流体通路とを有し、
第1および第2モジュールを連結する1つ以上のコネクタを更に有し、該1つ以上のコネクタは、第1モジュールと第2モジュールとの間で補助流体を流すために、第1モジュールからの少なくとも1つのフローラインと第2モジュールからの1つのフローラインとを連結し、前記1つ以上のコネクタはまた、モジュール間で電力および/またはデータを伝送するために、第1モジュールからの少なくとも1つのワイヤと第2モジュールからの1つのワイヤとを接続し、
前記1つ以上のコネクタは、第1および第2モジュールの間で掘削流体を通すように構成されていることを特徴とするモジュラツール。
【請求項2】
前記第1および第2モジュールの係合機構は、カラーの第1端部の雄ねじ部分と、カラーの第2端部の雌ねじ部分とを備えていることを特徴とする請求項1記載のモジュラツール。
【請求項3】
前記流体通路は、両モジュールの第1端部から第2端部まで延びていることを特徴とする請求項1記載のモジュラツール。
【請求項4】
前記第1および第2モジュールの係合機構は、対向するねじ部分であることを特徴とする請求項1記載のモジュラツール。
【請求項5】
前記第1モジュールは、坑井壁の一部を分離するアセンブリを備えたプローブモジュールであることを特徴とする請求項4記載のモジュラツール。
【請求項6】
前記プローブモジュールは、ドリルビットに隣接して配置されることを特徴とする請求項5記載のモジュラツール。
【請求項7】
前記アセンブリは、前記ツールの外部に流体的に連結される入口を有し、前記少なくとも1つのフローラインが、前記入口に流体的に連結されることを特徴とする請求項5記載のモジュラツール。
【請求項8】
前記第2モジュールは、プローブモジュールに連結されたポンプ排出モジュールであり、該ポンプ排出モジュールは、前記入口に流体的に連結されたポンプを備えていることを特徴とする請求項7記載のモジュラツール。
【請求項9】
前記プローブモジュールは、バージン流体を受入れる第1入口と、汚染流体を受入れる第2入口とを有し、少なくとも一方の入口はポンプ排出モジュールに流体的に連結されていることを特徴とする請求項8記載のモジュラツール。
【請求項10】
前記第2モジュールは、油圧モジュールおよびDFAモジュールのうちの一方であることを特徴とする請求項5記載のモジュラツール。
【請求項11】
地表からの掘削流体の流れを供給するドリルストリングと、
該ドリルストリングに作用するように連結された第1端部を備えた地層試験ツールと、を有し、該ツールが、
複数のモジュールを有し、各モジュールが少なくとも1つのフローラインおよび掘削流体通路を備え、複数のモジュールのうちの第1モジュールが、複数のモジュールのうちの第2モジュールの第1端部または第2端部に作用するように連結可能であり、これにより、フローラインおよび掘削流体通路内の流体を第1モジュールと第2モジュールとの間で伝送でき、
前記試験ツールの第2端部に作用するように連結されたドリルビットを更に有し、該ドリルビットが、ドリルストリングからの掘削流体を第1モジュールおよび第2モジュールを通して受入れることを特徴とする坑井掘削システム。
【請求項12】
前記複数のモジュールのうちの第1モジュールは、複数のモジュールのうちの第2モジュールにねじ連結されるプローブモジュールであることを特徴とする請求項11記載の坑井掘削システム。
【請求項13】
前記複数のモジュールのうちの第2モジュールは、ポンプ排出モジュール、DFAモジュールおよび油圧モジュールのうちの1つであることを特徴とする請求項12記載の坑井掘削システム。
【請求項14】
前記フローラインは、前記ツールの外部に流体的に連結されることを特徴とする請求項11記載の坑井掘削システム。
【請求項15】
第2フローラインを更に有し、第1フローラインはバージン地層流体を受入れるように構成され、第2フローラインは前記ツールの外部に流体的に連結されかつ汚染地層流体を受入れるように構成されていることを特徴とする請求項14記載の坑井掘削システム。
【請求項16】
前記第1モジュールと第2モジュールとの間に少なくとも1つの電気的接続部を更に有することを特徴とする請求項11記載の坑井掘削システム。
【請求項17】
掘削現場でダウンホールツールを組立てる方法において、
前記ツールの外部の少なくとも一部を形成するカラーを備えた第1モジュールを用意する段階を有し、カラーが、該カラーの第1端部の第1ねじ部分と、カラーの第2端部の第2ねじ部分と、前記モジュールの一定長さに亘って延びている、掘削流体を通す流体通路とを有し、
前記ツールの外部の少なくとも一部を形成するカラーを備えた第2モジュールを用意する段階を有し、カラーが、該カラーの第1端部の第1ねじ部分と、カラーの第2端部の第2ねじ部分と、前記モジュールの一定長さに亘って延びている、掘削流体を通す流体通路とを有し、
第1モジュールのフローラインを第2モジュールのフローラインに連結する段階を更に有することを特徴とする掘削現場でダウンホールツールを組立てる方法。
【請求項18】
前記第1モジュールのフローラインが、前記ツールの外部および内部のいずれか一方に流体的に連結されることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記第1モジュールの電気的通路を第2モジュールの電気的通路に接続する段階を更に有し、前記電気的通路が、電力およびデータのうちの少なくとも1つを伝送するように構成されていることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記第1モジュールの第2フローラインを前記ツールの外部に連結する段階を更に有することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項21】
掘削同時並行ツールの複数のモジュールを再編して複数のツールを得る方法において、
複数のモジュールを用意する段階を有し、各モジュールが少なくとも1つのフローラインおよび掘削流体通路を備え、
複数のモジュールを第1形態に連結して、第1ダウンホールツールを得る段階と、
複数のモジュールを第2形態に連結して、第2ダウンホールツールを得る段階と、を更に有することを特徴とする方法。
【請求項22】
前記複数のモジュールを用意する段階が、ポンプ排出モジュール、プローブモジュール、油圧モジュール、DFAモジュールおよびサンプルボトルモジュールからなる群から少なくとも2つのモジュールを用意する段階を有することを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記複数のモジュールを連結する段階が、少なくともポンプ排出モジュールとサンプルボトルモジュールとを連結してサンプリングツールを得る段階を有することを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記複数のモジュールを連結する段階が、少なくともポンプ排出モジュールとプローブモジュールとを連結して圧力ツールを得る段階を有することを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記サンプルボトルモジュールを連結してサンプリングツールを得る段階を更に有することを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項1】
地下地層に使用するモジュラツールにおいて、
第1モジュールを有し、該第1モジュールが、前記ツールの外部の少なくとも一部を形成する第1カラーを備え、該カラーが、カラーの第1端部の第1係合機構と、カラーの第2端部の第2係合機構と、掘削流体を通す流体通路とを有し、
第2モジュールを有し、該第2モジュールが、前記ツールの外部の少なくとも一部を形成する第2カラーを備え、該カラーが、第1カラーの第2端部と係合するための、カラーの第1端部の第1係合機構と、カラーの第2端部の第2係合機構と、モジュールの一定長さに亘って延びている、掘削流体を通すための流体通路とを有し、
第1および第2モジュールを連結する1つ以上のコネクタを更に有し、該1つ以上のコネクタは、第1モジュールと第2モジュールとの間で補助流体を流すために、第1モジュールからの少なくとも1つのフローラインと第2モジュールからの1つのフローラインとを連結し、前記1つ以上のコネクタはまた、モジュール間で電力および/またはデータを伝送するために、第1モジュールからの少なくとも1つのワイヤと第2モジュールからの1つのワイヤとを接続し、
前記1つ以上のコネクタは、第1および第2モジュールの間で掘削流体を通すように構成されていることを特徴とするモジュラツール。
【請求項2】
前記第1および第2モジュールの係合機構は、カラーの第1端部の雄ねじ部分と、カラーの第2端部の雌ねじ部分とを備えていることを特徴とする請求項1記載のモジュラツール。
【請求項3】
前記流体通路は、両モジュールの第1端部から第2端部まで延びていることを特徴とする請求項1記載のモジュラツール。
【請求項4】
前記第1および第2モジュールの係合機構は、対向するねじ部分であることを特徴とする請求項1記載のモジュラツール。
【請求項5】
前記第1モジュールは、坑井壁の一部を分離するアセンブリを備えたプローブモジュールであることを特徴とする請求項4記載のモジュラツール。
【請求項6】
前記プローブモジュールは、ドリルビットに隣接して配置されることを特徴とする請求項5記載のモジュラツール。
【請求項7】
前記アセンブリは、前記ツールの外部に流体的に連結される入口を有し、前記少なくとも1つのフローラインが、前記入口に流体的に連結されることを特徴とする請求項5記載のモジュラツール。
【請求項8】
前記第2モジュールは、プローブモジュールに連結されたポンプ排出モジュールであり、該ポンプ排出モジュールは、前記入口に流体的に連結されたポンプを備えていることを特徴とする請求項7記載のモジュラツール。
【請求項9】
前記プローブモジュールは、バージン流体を受入れる第1入口と、汚染流体を受入れる第2入口とを有し、少なくとも一方の入口はポンプ排出モジュールに流体的に連結されていることを特徴とする請求項8記載のモジュラツール。
【請求項10】
前記第2モジュールは、油圧モジュールおよびDFAモジュールのうちの一方であることを特徴とする請求項5記載のモジュラツール。
【請求項11】
地表からの掘削流体の流れを供給するドリルストリングと、
該ドリルストリングに作用するように連結された第1端部を備えた地層試験ツールと、を有し、該ツールが、
複数のモジュールを有し、各モジュールが少なくとも1つのフローラインおよび掘削流体通路を備え、複数のモジュールのうちの第1モジュールが、複数のモジュールのうちの第2モジュールの第1端部または第2端部に作用するように連結可能であり、これにより、フローラインおよび掘削流体通路内の流体を第1モジュールと第2モジュールとの間で伝送でき、
前記試験ツールの第2端部に作用するように連結されたドリルビットを更に有し、該ドリルビットが、ドリルストリングからの掘削流体を第1モジュールおよび第2モジュールを通して受入れることを特徴とする坑井掘削システム。
【請求項12】
前記複数のモジュールのうちの第1モジュールは、複数のモジュールのうちの第2モジュールにねじ連結されるプローブモジュールであることを特徴とする請求項11記載の坑井掘削システム。
【請求項13】
前記複数のモジュールのうちの第2モジュールは、ポンプ排出モジュール、DFAモジュールおよび油圧モジュールのうちの1つであることを特徴とする請求項12記載の坑井掘削システム。
【請求項14】
前記フローラインは、前記ツールの外部に流体的に連結されることを特徴とする請求項11記載の坑井掘削システム。
【請求項15】
第2フローラインを更に有し、第1フローラインはバージン地層流体を受入れるように構成され、第2フローラインは前記ツールの外部に流体的に連結されかつ汚染地層流体を受入れるように構成されていることを特徴とする請求項14記載の坑井掘削システム。
【請求項16】
前記第1モジュールと第2モジュールとの間に少なくとも1つの電気的接続部を更に有することを特徴とする請求項11記載の坑井掘削システム。
【請求項17】
掘削現場でダウンホールツールを組立てる方法において、
前記ツールの外部の少なくとも一部を形成するカラーを備えた第1モジュールを用意する段階を有し、カラーが、該カラーの第1端部の第1ねじ部分と、カラーの第2端部の第2ねじ部分と、前記モジュールの一定長さに亘って延びている、掘削流体を通す流体通路とを有し、
前記ツールの外部の少なくとも一部を形成するカラーを備えた第2モジュールを用意する段階を有し、カラーが、該カラーの第1端部の第1ねじ部分と、カラーの第2端部の第2ねじ部分と、前記モジュールの一定長さに亘って延びている、掘削流体を通す流体通路とを有し、
第1モジュールのフローラインを第2モジュールのフローラインに連結する段階を更に有することを特徴とする掘削現場でダウンホールツールを組立てる方法。
【請求項18】
前記第1モジュールのフローラインが、前記ツールの外部および内部のいずれか一方に流体的に連結されることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記第1モジュールの電気的通路を第2モジュールの電気的通路に接続する段階を更に有し、前記電気的通路が、電力およびデータのうちの少なくとも1つを伝送するように構成されていることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記第1モジュールの第2フローラインを前記ツールの外部に連結する段階を更に有することを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項21】
掘削同時並行ツールの複数のモジュールを再編して複数のツールを得る方法において、
複数のモジュールを用意する段階を有し、各モジュールが少なくとも1つのフローラインおよび掘削流体通路を備え、
複数のモジュールを第1形態に連結して、第1ダウンホールツールを得る段階と、
複数のモジュールを第2形態に連結して、第2ダウンホールツールを得る段階と、を更に有することを特徴とする方法。
【請求項22】
前記複数のモジュールを用意する段階が、ポンプ排出モジュール、プローブモジュール、油圧モジュール、DFAモジュールおよびサンプルボトルモジュールからなる群から少なくとも2つのモジュールを用意する段階を有することを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記複数のモジュールを連結する段階が、少なくともポンプ排出モジュールとサンプルボトルモジュールとを連結してサンプリングツールを得る段階を有することを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記複数のモジュールを連結する段階が、少なくともポンプ排出モジュールとプローブモジュールとを連結して圧力ツールを得る段階を有することを特徴とする請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記サンプルボトルモジュールを連結してサンプリングツールを得る段階を更に有することを特徴とする請求項24記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【公表番号】特表2011−500993(P2011−500993A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528943(P2010−528943)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/078312
【国際公開番号】WO2009/048768
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(500177204)シュルンベルジェ ホールディングス リミテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】Schlnmberger Holdings Limited
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/078312
【国際公開番号】WO2009/048768
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(500177204)シュルンベルジェ ホールディングス リミテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】Schlnmberger Holdings Limited
【Fターム(参考)】
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