説明

モジュール式コンベヤベルトの局所的な状態を検出するための装置及び方法

モジュール式コンベヤベルトの局所的状態を検出して、ベルトから離れたベルト監視システムにこれらの状態を表す信号を無線送信するための装置及び方法。隣接するモジュール式コンベヤベルト列間のヒンジジョイントに形成されるクレビスに設けられたロードセルピン(46)が、クレビスピンとして機能して列を相互に結合し、クレビスを通して伝わるベルト張力を検出するセンサとして機能する。荷重検出ベルトモジュール(28)はクレビスを形成し、センサの測定値を取得する電子回路(92)を保持し、メモリ素子に測定値を記録し、監視システムに測定値を無線送信する。測定値を閉ループ制御システムの部分として使用して、コンベヤシステムのスピード又は他の動作特性を制御し得る。標準的なコンベヤベルトモジュールと同様なセンサモジュールに収容された様々なセンサを、標準的モジュール式の差し込み交換品としてベルトに組み込むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、動力駆動のコンベヤに関し、特に、モジュール式コンベヤベルトの局所的な状態をベルトの中から測定し、ベルトの動作又はベルトを使用するプロセスを監視且つ制御するためにそれらの測定値を送信するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許番号4,587,852の「Conveyor Belt Tension Sensing」は、無線送信器及び直線走行の平らなベルト部の端部のジョイント部品に取り付けるよう構成された支持リンクの周縁に取り付けられた、歪みゲージを含む張力センサを記載している。歪みゲージは、ベルト張力を感知し送信器によって受信器及びモニタに送信される対応する信号を取得する。支持リンクを取り付けたり又は取り外す度に、ベルトを緩めて交換する必要がある。支持リンクを取り付けるとベルトがより長くなるため、張力を調整する必要がある。
【0003】
多くの場合、らせん状コンベヤのモジュール式プラスチックコンベヤベルトの外側の張力を検出するのが望ましい。切迫した不具合の検出又は最適作動のための張力の調整の際に、側部曲げスパイラル又は旋回ベルトのターンの外側における張力を知ることは有用である。これは、外側ベルトモジュールに沿って一時的に取り付けられるデータロギング張力検出装置によって、ベルトがスパイラルコンベヤの駆動タワーに沿ってそのらせん状経路をたどる際に、スパイラルベルトコンベヤシステムで従来から行われている。しかしながら、検出装置がベルトの戻り経路に達して落ちる前に、検出装置を取り外さなければならない。装置を取り外すときに、装置が収集したベルト張力のデータが分析のためにコンピュータにダンプ(dump)される。
【0004】
このため、壊さずに且つベルトから取り外す必要無しに、コンベヤベルトのターンの外側におけるベルト張力といった状態を検出し得る装置が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
このような必要性及び他の必要性が、荷重検出ベルトモジュールを含む本発明の態様を実施するモジュール式コンベヤベルトによって満たされる。モジュール式コンベヤベルトは、ヒンジロッドによってヒンジジョイントで連結された一連の1又はそれ以上のベルトモジュールから成る。ベルトモジュールの隣接する列の相互配置されるヒンジ部材に形成された横方向の通路が、ヒンジロッドを受容する。荷重検出ベルトモジュールは、荷重検出ベルトモジュールの少なくとも一部のベルト張力の測定値を作成する荷重センサを有する。
【0006】
本発明の別の態様では、モジュール式プラスチックコンベヤベルトが、複数の標準的モジュール及び局所的な名状体の測定値を作成するセンサを有する少なくとも1のセンサモジュール、測定値を記憶するためのメモリ素子、及び測定値を表す信号を無線送信するための送信器を有する。
【0007】
本発明の別の態様では、モジュール式プラスチックコンベヤベルトが、対辺にヒンジ部材構造を有する一連の1又はそれ以上の標準的ベルトモジュール列を具える。ベルトモジュールは、隣接するベルトモジュール列の相互配置されるヒンジ部材に形成される横方向の通路に受容されるヒンジロッドによってヒンジジョイントで連結されている。また、ベルトは、局所的な状態の測定値を作成するセンサ及び測定値を表す信号を送信するための送信器を有するセンサモジュールを具える。センサモジュールのヒンジ部材構造は、モジュール式プラスチックコンベヤベルトの長さを変えずに、センサモジュールが標準モジュールと交換され得るように、少なくとも1の標準ベルトモジュールのヒンジ部材構造と同様である。
【0008】
本発明のさらに別の態様では、モジュール式コンベヤベルトの張力を測定するための方法が、ヒンジジョイントの横方向の通路の中にピン部を有するロードセルを組み込み、隣接する列を連結するヒンジピンとして機能させてベルト張力の測定値を作成するステップを具える。
【0009】
本発明のさらに別の態様が、対辺にヒンジ部材構造を有する一連の1又はそれ以上の標準ベルトモジュール列から成るモジュール式コンベヤベルトの局所的な状態を測定するための方法を提供する。ベルトモジュールは、ベルトモジュールの隣接する列の相互配置されるヒンジ部材に形成された横方向の通路に受容されるヒンジロッドによってヒンジジョイントで連結されている。この方法は、標準ベルトモジュールをモジュール式コンベヤベルト列から除去又は削除するステップと;標準ベルトモジュールの列を除去又は削除されたモジュールのヒンジ部材構造と同じヒンジ部材構造を有し、さらに局所的な状態を検出して局所的な状態を表す測定値を作成するセンサを有する第1のセンサモジュールに交換するステップとを具える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明のこれらの特徴及び態様が、その利点とともに、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付図面を参照することによって、一層良く理解される。
【0011】
【図1】図1は、本発明の態様を実施する荷重検出エッジモジュールを含むモジュール式コンベヤベルトの一部の平面図である。
【図2】図2は、図1のモジュール式コンベヤベルトの一部のエッジモジュールを示す拡大図である。
【図3】図3は、モジュールの上側から視た図1のエッジモジュールの分解等角図である。
【図4】図4は、モジュールの下側から視た図1のエッジモジュールの分解等角図である。
【図5】図5は、図3のエッジモジュールで使用される2軸ベアリングの等角図である。
【図6】図6は、図1のエッジモジュールで使用される電子回路のブロック図である。
【図7】図7は、レセプタクルセンサモジュールを含む本発明の態様を実施するモジュール式コンベヤベルトの一部の等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
曲線経路をたどるモジュール式コンベヤベルトを図1及び2に示す。本実施例で図示されるコンベヤベルト10は、Intralox,L.L.C of Harahan,Louisiana,U.S.A.で製造されて市販されるSPIRALOXTM1.1旋回モジュール式プラスチックコンベヤベルトである。このベルトは、1又はそれ以上のベルトモジュール14の列12の並びから成る。整列した開口18を有するヒンジ部材16が、各列の前端及び後端に沿って横方向に間隔を開けて設けられる。隣接するベルト列の交互に配置されたヒンジ部材を介して整列した開口によって形成される横方向の通路に受容されるヒンジロッド20が、ヒンジジョイント21で列を結合し、ベルトがアイドルスプロケット及びリターンローラの周りで連接し得る。
【0013】
本実施例で図示するコンベヤベルトは、コーナーを曲がり得る又はスパイラルコンベヤのドラム又はキャプスタンの周りにらせん状に巻き付くことができる、旋回又はサイドフレキシングベルトである。図1に示すように、ベルトの内側エッジ22自身が、スパイラルコンベヤの駆動キャプスタンの湾曲した外側面24にそって乗り上げるとつぶれる。一方、ベルトの外側エッジ23は、それがキャプスタンの周りのより長い経路をたどるため、外側に向けて広がっている。前方及び後方ヒンジ部材の一方又は双方の開口18は、ベルト移動方向26に延びており、内側エッジコーナーで潰れることができる。
【0014】
スパイラルベルトの寿命及びその性能を判断する際の重要な要因は、ベルト張力である。ベルト経路の主要部分がキャプスタンを上下するスパイラル経路である、スパイラルコンベヤでは、ベルト張力の大部分はターンの外側のヒンジ部材によって支えられる。つぶれた内側エッジ及びベルトの内側部分は、コーナーにおいて張力をほとんど担持しない。荷重検出ベルトモジュール28が、標準なベルトモジュール又はベルトモジュールのエッジ部の代わりに、ベルト列の外側エッジに配置されている。荷重検出モジュールは、ベルトの外側エッジから内側に、バルトが曲がる際に全ての又は少なくともの既知の割合のベルト張力を捕らえるのに十分長く延びている。隣接する列の補完ベルトモジュール30が荷重検出モジュールと共働して、ベルトの引張特性を変えずに、測定位置32にベルト張力を集める。荷重検出モジュール及び補完モジュールは、標準的なベルト列のヒンジ部材16と交互に配置されてヒンジロッドを受容するよう設計された一端に沿ってヒンジ部材34、35を有する。荷重検出ベルトモジュールのヒンジ部材を通って延びるヒンジロッドは、交互に配置されるヒンジ部材を通ってロッド通路を塞ぐプラグ33によって、モジュールの外側に逃げないよう防止される。補完モジュールの内側のバイアスカットエッジ36が、外側エッジの内側にベルトがつぶれるための空間を与える。
【0015】
荷重検出モジュール28及びその補完モジュール30のさらなる詳細を、図3及び4に示す。荷重検出モジュールは、一端に沿って横方向に間隔を開けて標準的なベルトモジュールのヒンジ部材に適合するヒンジ部材34を有する。モジュールの外側エッジの穴37は、ヒンジ部材を通る通路に交差しており、ロッド保持プラグ33を受容する。荷重検出モジュールの他端は、シャックル、又はクレビス40を形成する2つの細長いヒンジ部材38、39のみを有する。パック42状の2つの軸ベアリングが、クレビスの開口に位置している。図5に示すように、穴43がパックの外側の環状壁に形成されている。穴43は、荷重検出モジュールのクレビス側端部を通る通路44と同心に揃っている。ロードセル46といった荷重センサが、モジュールの側端から通路の中に挿入される。ロードセルは、肩部51のヘッド49から延びるピン部48を有する。ピン部は、ピンを中心として回転させ得るパックの穴の中心に位置する。ピンの中心部50はパックの中に位置しており;ピンの近位端及び遠位端52、53が、パックの側面に位置する荷重検出モジュールの2つのヒンジ部材38、39に位置する。典型的なロードセルのさらなる詳細が、「Strain Detecting Load Cell」と題されるKutsayによる米国特許3,695,096に記載されており、参照することにより盛り込まれている。
【0016】
パックは、補完ベルトモジュール30の一端から外側に延びる突起部54に受容される。突起部54は、ぴったり形成された凹部56を有するが、パックの半分を回転するよう保持する。T形のリテーナ58の一端が、補完ベルトモジュール整合レセプタクル60に入っており、パックの残りの半分を保持する。リテーナをネジ、接着剤、又は超音波溶接といったものによる熱接着といった従来の方法で突起部に締結し得る。同時に、突起部及びリテーナが、パック及びロードセルのピン部を介して荷重検出モジュールに結合される特大のヒンジ部材を形成する。パックの環状の外壁により、補完モジュールが、ピンの軸の半径方向及び荷重検出モジュールの面に直交する方向である第2の軸62を中心として回転することができ、ベルトがコーナーの外側で広がるため、ロードセルに適切に荷重をかける。
【0017】
上述のように荷重検出モジュールが補完モジュールに結合されると、ロードセルのピン部48が、クレビスピンとして機能する。ベルトが引っ張られている場合に、ピンの中心部48が、パックの補完モジュールの特大ヒンジ部材の動作によって一方に引かれ、近位部及び遠位部52、53が、ピンの荷重検出モジュールの2つのヒンジ部材38、39の動作によって反対方向に引かれる。これにより、せん断応力がピンの中心部と近位及び遠位部との間の細くなった領域64、65に発生する。ロードセルの細くなった領域の中空のピン部の中に直交するよう配置された歪みゲージセットは、ベルト張力に対して直交するせん断応力に対して感度がよい。ベルト張力に対するロードセルの応答の感度を高くするために、ロードセルは、カバー98の平坦な前側エッジ70と共働するそのヘッド49に形成された平坦部66を有する。カバーの前側エッジは、通路の中に開いている空洞95からの通路44の中に突き出し、最大感度の方向に周縁に歪みゲージを具えたピンを向ける。
【0018】
好適なバージョンでは、4つの歪みゲージ71−2つがピンのそれぞれ細くなった領域64、65にある−が、図6に示すように、従来のブリッジ回路72の個々の脚部に電気的に配置されている。ブリッジは、ブリッジの1つのコーナーの安定化電圧74によって通電される。電圧調整器76は、ブリッジの一定電圧を保持する。例えば、1組の1.5ボルトの乾電池又は1組の3.6ボルトのリチウムイオン電池といったものから成るバッテリ78といった電源が、電圧調整器及び荷重検出モジュールの他の電気的部品に電力を供給する。ブリッジ回路の出力を差動アンプ80によって調整し、歪みゲージ信号を周期的にサンプリングしてデジタル化し、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラといったコントローラ84にデジタル測定値を出力するアナログデジタル変換器82に送る。コントローラは、記憶素子86にデジタルの測定値を記録し、その時点で又は後で測定値に対してフィルタリング又はスケーリングといったさらなるアルゴリズム的処理を行う。そして、記録された測定値を、受信器93も含んでいる送信器88で無線信号に変換し、ベルトからアンテナ90を通して、送信器及び受信器を含むベルトから離れたベルト監視及び制御システム91に無線送信する。メモリにより、アンテナがベルト監視システムに接近する場合に、多くの測定値を記憶且つ1つの送信における1つのグループとしてワイヤレスでアップロードし得る。これにより、送信のデュティサイクル及び送信器が送信しなければならない距離を最小限にすることによって、バッテリの寿命を延ばすことができる。しかしながら、各サンプリング時間に1つの測定値を送信するといったことにより、測定値を表す信号をより頻繁に送信することも可能である。このようなケースでは、一連の測定値を記憶素子に記録する必要がないが、送信する前に1つの測定値を記憶し得る。また、回路は、ベルト監視システムからの命令及び制御信号を受信するための受信器を使用し得る。
【0019】
また、測定値を使用して、コンベヤの動作又は閉ループ制御システムの関連する処理を調整し得る。例えば、ベルトの張力を表す信号又は信号レベル106と監視及び制御システム91のオペレータインタフェースを介して設定される張力セットポイント108との間の差に比例するエラー信号104を、ベルトを駆動するモータ112のスピードを制御するモータ制御信号111を発生するモータ制御器110への入力として使用する。図6の実施例に示すモータ制御器、又はベルト監視及び制御システム91に制御ロジックを含めて、比例・積分・微分(PID)ループ又は他の従来の制御ループを規定する制御アルゴリズムを実行し得る。スパイラルコンベヤシステムのモータを使用して、駆動ドラム114のスピードを調整し、結果として、ドラムの周りのらせん経路のスパイラルベルト10を駆動させる際に使用されるオーバードライブ量を調整し得る。同じような方法で、コンベヤベルトの温度センサといった代替的なセンサ又は補助的センサ99が温度測定を行って、ベルトから監視及び制御システム91に送信し、別の制御信号113を介して処理温度を上下させ得る。これにより、ベルトに内蔵されるセンサを使用して、周囲温度、又は張力のようなベルト状況といった局所的なコンベヤシステムの状態を測定し、これらの状態を制御し得る。
【0020】
ロードセルにあるブリッジ以外の電子回路が、図3及び4に示すような回路基板92にある。バッテリが、ロードセルに隣接する空洞部95にある。電子機器を内蔵する回路基板は、荷重検出ベルトモジュールの反対側の別の空洞部94にある。カバー98の前側エッジ70のマウス穴97を通過するワイヤ96が、ロードセルのブリッジを電子機器及び電源に接続する。カバーは空洞部を覆い、ベルトモジュールのバッテリ及び電子部品を保持する。コンベヤの前側エッジの長穴102が、平坦部66と肩部51との間のロードセルのヘッドの周辺部103を受容して、通路の中で軸方向にロードセルを位置合わせする。カバーは、モジュールの外側エッジに形成される整合レセプタクル101に受容されるカバーの側面エッジのタブ100によって与えられるスナップ嵌合といったものによってベルトモジュールに従来通りに締結され、その下面を形成する。他のベルトモジュールと同じように、荷重検出ベルトモジュールはプラスチック材料でできているが、代替的に金属で作製し得る。しかしながら、カバーは、好適にはプラスチックといった非金属で作製することができ、送信器の移動にあまり影響を及ぼさず、金属よりも摩擦が少ない状態でコンベヤベルトの支持レールに耐える。別のバリエーションとして、上面の一部を形成するカバーを具えたモジュールの上部に空洞を開けることができる。カバーの代替例として、埋め込み用樹脂を使用して、空洞の中に電子機器部品及びバッテリを保持且つ保護し得る。
【0021】
モジュール式コンベヤベルト115の別のバージョンでは、直線走行ベルトとして図7に示すように、標準ベルトモジュール118の代わりにセンサモジュール116を使用する。センサモジュールは、標準ベルトモジュールの物理的構造と同様な物理的構造を有する。本実施例では、例えば、間隔、大きさ、横方向の位置、及びヒンジ部材の数といったヒンジ部材120の構成のように、前端及び後端に沿った2つのモジュールの幅及びピッチが同じである。横方向のヒンジアイ通路124からベルト列の各端部の交互に配置されるヒンジ部材を通してヒンジロッド122を引き出すことによって、標準モジュール又は検出モジュールをベルトから外して、モジュールを自由にする。モジュールの本体又は取り付けられた付属品の中に様々な種類のセンサを含む検出モジュール116A−Cのストック126を、通路にヒンジロッドを再び入れてベルト列の所定の位置に交換モジュールを保持することによって、取り外した標準モジュール又は検出モジュールの代わりに、差し込み交換部品として保持及び選択的に組み込むことができる。これにより、様々な局所的状態を測定する様々なセンサを収容するセンサモジュールが、その長さ又はその動作特性を顕著に変えることなく、容易に交換可能なベルトの一体パーツとして構成される。
【0022】
好適なバージョンを参照して本発明を詳細に説明したが、他のバージョンも可能である。例えば、スパイラルコンベヤの適用例及び直線走行ベルトの例でベルトエッジモジュールとして説明したセンサ一式のモジュールを、直線走行ベルトの張力を測定する又は温度を検出するためのセンサで測定するといった、他の適用例としてベルトの内部の位置に配置し得る。このため、これらの数種類の実施例が示唆するように、特許請求の範囲の範囲は、詳細に説明した好適なバージョンに限定することを意図するものではない。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式プラスチックコンベヤベルトであって、
隣接するベルトモジュール列の交互に配置されたヒンジ部材に形成された横方向の通路に受容されるヒンジロッドによってヒンジジョイントで結合された一連の1又はそれ以上の標準ベルトモジュール列と;
局所的状態の測定値を作成するセンサと、前記測定値を記憶するための記憶素子と、前記測定値を表す信号を無線送信するための送信器とを有する少なくとも1つのセンサモジュールと;
を具えることを特徴とするモジュール式プラスチックコンベヤべルト。
【請求項2】
前記少なくとも1のベルトモジュールが、前記記憶素子及び前記送信器が内蔵される空洞を有することを特徴とする請求項1に記載のモジュール式プラスチックコンベヤベルト。
【請求項3】
前記センサが、前記モジュール式コンベヤベルトの張力を測定するためのロードセルであることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式プラスチックコンベヤベルト。
【請求項4】
対辺にヒンジ部材構造を有する1又はそれ以上の一連の標準ベルトモジュール列から成り、前記ベルトモジュールが、隣接するベルトモジュール列の交互に配置されたヒンジ部材に形成された横方向の通路に受容されるヒンジロッドによってヒンジジョイントで結合されたモジュール式コンベヤベルトの局所的状態を測定するための方法であって、前記方法が:
前記モジュール式コンベヤベルト列から標準ベルトモジュールを除去又は削除するステップと;
前記標準ベルトモジュールを、除去又は削除したモジュールと同じヒンジ部材構造を有しさらに局所的状態を検出して前記局所的状態を示す測定値を作成するセンサを有する第1のセンサモジュールを具える列に交換するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項5】
さらに、各々が様々な局所的状態に対するセンサ感度を有し各々が前記除去又は削除したモジュールと同じ部材構造を有するセンサモジュールのストックを保持するステップと;
標準ベルトモジュール又は前記第1のセンサモジュールを、前記センサモジュールのストックから選択される別のセンサモジュールに交換するステップと;
を具えることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
さらに、前記モジュール式コンベヤベルトからコントローラに前記測定値を送信するステップと;
前記コントローラを用いて前記センサによって検出される前記局所的状態を調整するステップと;
を具えることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
隣接するベルトモジュール列間にヒンジジョイントを形成する横方向の通路のヒンジロッドによってヒンジ連結された一連の1又はそれ以上のベルトモジュール列から成るモジュール式コンベヤベルトの張力を測定するための方法であって、前記方法が:
ヒンジジョイントの横方向の通路の一部に、隣接する列を連結するヒンジピンとして機能し、前記モジュール式コンベヤベルトの張力の測定値を作成するためのピン部を有するロードセルを設置するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項8】
さらに、前記モジュール式コンベヤベルトの前記モジュールの1つから前記測定値を示す信号を無線送信するステップを具えることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
さらに、前記モジュール式コンベヤベルトのモジュールの1つに設けられた記憶素子に前記測定値を記録するステップを具えることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
さらに、前記記憶素子に記録された一連の測定値を示す信号を無線送信するステップを具えることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
さらに、前記モジュール式コンベヤベルトの縁部に前記ロードセルを設置するステップを具えることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項12】
隣接するベルトモジュール列の交互に配置されたヒンジ部材に形成された横方向の通路に受容されるヒンジロッドによってヒンジジョイントで連結された一連の1又はそれ以上のベルトモジュール列を具えるモジュール式コンベヤベルトであって、
前記ベルトモジュールの少なくとも1つが、荷重検出ベルトモジュールの少なくとも一部にベルト張力の測定値を作成する荷重検出器を有する荷重検出ベルトモジュールを具えることを特徴とするモジュール式コンベヤベルト。
【請求項13】
さらに、前記荷重検出ベルトモジュールが、前記荷重センサによって作成された前記ベルト張力の測定値を示す信号を無線送信する送信器を有することを特徴とする請求項12に記載のモジュール式コンベヤベルト。
【請求項14】
さらに、前記荷重検出ベルトモジュールが、前記荷重センサによって作成されたベルト張力の一連の測定値を記憶するための記憶素子を有することを特徴とする請求項12に記載のモジュール式コンベヤベルト。
【請求項15】
さらに、前記荷重検出ベルトモジュールが、前記荷重センサに電力を供給するための1又はそれ以上の電池を有することを特徴とする請求項12に記載のモジュール式コンベヤベルト。
【請求項16】
前記荷重センサが、ヒンジジョイントで前記横方向の通路の1つの一部分に受容され、ベルト張力に起因するせん断応力を受けるピン部を有することを特徴とする請求項12に記載のモジュール式コンベヤベルト。
【請求項17】
前記荷重検出ベルトモジュール及び隣接するベルトモジュールが、前記ヒンジジョイントにクレビスを形成し、
前記荷重センサの前記ピン部が、前記隣接するベルトモジュールに前記荷重検出ベルトモジュールを結合する前記クレビスのためのクレビスピンとして機能することを特徴とする請求項16に記載のモジュール式コンベヤベルト。
【請求項18】
さらに、前記荷重検出ベルトモジュールが、前記ベルト張力の測定値を記憶し且つ前記測定値を表す信号を送信するための電子部品と;
前記電子部品を収容する空洞と;
前記空洞を覆って前記電子部品を保持するカバーと;
を有することを特徴とする請求項12に記載のモジュール式コンベヤベルト。
【請求項19】
前記荷重検出ベルトモジュールが、一端にクレビスを有し、
前記荷重センサが、前記クレビスのクレビスピンとして機能するピン部を有し、
前記荷重検出ベルトモジュールに隣接するコンベヤベルトモジュールが、前記ピン部を中心として回転可能な突起部を有することを特徴とする請求項12に記載のモジュール式コンベヤベルト。
【請求項20】
さらに、前記クレビスの中で前記ピン部の軸を中心として回転可能であり、隣接するベルトモジュールの突起部によって回転可能に受容されて、前記隣接するベルトモジュールが前記ピン部の軸の半径方向の軸を中心として前記ベアリングの周りを回動し得るベアリングを具えることを特徴とする請求項19に記載のモジュール式コンベヤベルト。
【請求項21】
前記荷重検出ベルトモジュールが、前記モジュール式コンベヤベルトの外側エッジに配置されていることを特徴とする請求項12に記載のモジュール式コンベヤベルト。
【請求項22】
前記荷重検出モジュールが、一方の側に沿って横方向に間隔を開けた複数のヒンジ部材と、他方の側に沿って横方向に間隔を開けたそれよりも少ないヒンジ部材とを有することを特徴とする請求項12に記載のモジュール式コンベヤベルト。
【請求項23】
前記荷重検出ベルトモジュールが、前記ベルトの所定の位置の別のベルトモジュールのヒンジ部材構造と同様なヒンジ部材構造を有しており、前記荷重検出モジュールによる前記所定の位置で前記ベルトモジュールの差し込み交換が可能であることを特徴とする請求項12に記載のモジュール式コンベヤベルト。
【請求項24】
さらに、前記センサの測定値からモータ制御信号を発生して前記ベルトの動作を制御するコントローラを具えることを特徴とする請求項12に記載のモジュール式コンベヤベルト。
【請求項25】
モジュール式コンベヤベルトであって、
対辺にヒンジ部材構造を有する1又はそれ以上の一連の標準ベルトモジュール列であって、前記ベルトモジュールが、隣接するベルトモジュール列の交互に配置されたヒンジ部材に形成された横方向の通路に受容されるヒンジロッドによってヒンジジョイントで連結されるベルトモジュール列と;
局所的状態の測定値を作成するセンサと、前記測定値を表す信号を送信するための送信器と、前記モジュール式コンベヤベルトの長さを変えること無しに前記センサモジュールが前記標準モジュールのうちの1つと代わり得るように、少なくとも1の前記標準的ベルトモジュールのヒンジ部材構造と同様なヒンジ部材構造と、を有するセンサモジュールと;
を具えることを特徴とするモジュール式コンベヤベルト。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−510889(P2011−510889A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545917(P2010−545917)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/030906
【国際公開番号】WO2009/099724
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(508181663)レイトラム,エル.エル.シー. (43)
【Fターム(参考)】