モジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム及びその形成方法並びに独立機能モジュール
本発明は、モジュール式反応器筐体及び機能モジュールを含む改善されたCVD反応器サブシステムを提供する。モジュール式反応器筐体は、市販の低温壁CVD反応チャンバを収容することができ、機能モジュールは、反応器筐体上に配置して、反応チャンバを用いてCVD処理を実施するのに必要な機能を提供することができる。好ましい機能モジュールは、CVD反応チャンバに熱を供給するモジュールと、CVD反応チャンバ内部の状態を測定するモジュールとを含んでいる。本発明は、また、このようなCVD反応器サブシステムの形成方法、特に、特定のCVD処理を最適に実施するためのサブシステムの形成方法、及びこのような構成を実施するためのキットも提供する。有利なことに、本発明は、単一のCVD反応器サブシステムを、それがいくつかの別々のCVD処理を最適に実施できるように、構成換え及び配置換えできるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム及びその形成方法並びに独立機能モジュールに関する。また、本発明は、材料処理システムの分野に関し、より詳細には、化学気相成長(CVD)システムに関し、チャンバ内部の状態の外部監視を可能にすることを含む、個々のCVD処理の特定の必要に適合するようにモジュール式で容易に構成可能なモジュール式CVD反応器筐体及び付属機能モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
化学気相成長(CVD)処理は、例えば、半導体材料のウェハを成長させ処理するために、半導体技術分野で一般に使用される。CVD処理は、通常に発生する高温及び腐食性雰囲気に耐えるように設計されたCVD反応チャンバ内で行われる。
【0003】
半導体処理用のCVD反応チャンバは、通常、処理ガスが上部に入り、成長するウェハに向かって垂直に下方へ流れるように(例えば、特許文献1参照)、又は処理ガスがチャンバの横面に入り、成長するウェハを越えて水平に流れるように(例えば、特許文献2参照)構成される。垂直流チャンバは概して円形であることが多いのに対し、水平流チャンバは概して長方形であることが多く、処理ガスはチャンバの長い方(縦)の軸に沿って水平に流れる。後者のタイプの反応器、及びそれに対する諸改善が広範囲に記載されている(例えば、特許文献2、3、4、5、6、1、7、及び8参照)。
【0004】
半導体処理に使用されるCVD反応チャンバは、また、ほとんどの場合加熱される。当技術分野で「高温壁(hot wall)」として知られる特定のチャンバは、チャンバ壁を直接熱することによって加熱され、内側の構成要素は、高温壁から移動する熱によって間接的に加熱される。当技術分野で「低温壁(cold wall)」として知られる別のチャンバは透明な石英で構築され、内側の構成要素が、外側の加熱ランプからチャンバ壁を透過する赤外線(IR)放射によって直接加熱される。
【0005】
低温壁チャンバは、通常、その上面、下面、又は両面を覆い、かつ/又は取り囲むように配置された加熱ランプ(直線状又は円形)を有する。例えば、特許文献3及び7では、処理ガスが水平に流れる低温壁反応チャンバを記載しており、この処理ガスは反応器筐体(reactor enclosure)内に保持され、反応チャンバ(reactor chamber)の上及び下の筐体内に支えられた加熱ランプ群によって加熱される。反応チャンバの上の群は、チャンバの長軸に沿って処理ガスの縦の流れに対し平行に向けられた加熱ランプを有し、反応チャンバの下の群は、チャンバの短軸に沿って縦のガス流に対し垂直に向けられた加熱ランプを有する。
【0006】
ほとんどの従来のチャンバのように、両ランプ群は、それらのそれぞれの大きさで反応チャンバの全長に及ぶ。すなわち、上群のランプは、長い方の縦寸法に沿った向きにされ、上壁のほとんど又はすべてに及び又はそれを覆い、下群のランプは、短い方の横方向寸法に沿った向きにされ、下壁のほとんど又はすべてに及び又はそれを覆う。ランプの上群と下群の間の90度オフセットにより、放射の均一性が軸方向で改善される。
【0007】
追加の加熱ランプを設けて、加熱ランプの上群及び下群を補足することができる。例えば、特許文献3及び1では、加熱ランプの上群及び下群に加えて、反応チャンバ下の放射集束筐体に入れられた追加加熱ランプを有する低温壁反応器を記載している。これらの電球は普通、サセプタ軸まわりの中心に配置され、そうしないと直線状の加熱ランプを配置するのが困難であるために加熱できない領域である、サセプタ及び他の領域を加熱する役割を果たす。
【0008】
CVD反応チャンバ内で成長させ処理する製品の品質は、チャンバ内の状態、例えば、ウェハの温度プロファイル、ウェハの厚さ、ウェハの表面特性、ウェハ付近の処理ガスの組成及び温度などを監視し制御することによって利益を得る。可能ではあるが、このような監視を反応チャンバ内に置かれた計器によって実施することは、このような計器が、ほとんどの半導体処理中に反応チャンバ内で生じる高温及び過酷な雰囲気に耐える必要があるので望ましくない。
【0009】
そうではなく、計器が反応チャンバの外部に配置され、透明なチャンバ壁を通り抜ける放射に反応することによって内側の状態を監視することが好ましい。このような計測が知られている。例えば、内部温度をパイロメータによって外部で測定することができ、チャンバ内部の半導体ウェハの特性は、ウェハから反射される光により外部で測定することができ、チャンバ内部、例えば、半導体ウェハ付近のガスの特性は、チャンバを透過しウェハ近くを通る光のスペクトルを観測することによって外部で測定することができる。
【0010】
しかし、外部測定計器は、通常利用可能な加熱ランプの構造、例えば、上述した構造を使用して加熱される低温壁CVD反応チャンバと接続して使用することが、不可能ではないにしても困難である。簡単に言うと、これらの構造は、チャンバの縦方向及び横方向の大きさのほとんど又はすべてに広がり、それによってチャンバの各面のほとんど又はすべてを占有し埋める。通常に配置された加熱ランプでは、チャンバの内側を観測するための外部計器用の余地が残らない。
【0011】
本発明者らは、在来の加熱ランプの配置を用いる在来の低温壁CVD反応チャンバと結び付けて外部測定計器をどのようにして使用できるかを説明する従来技術の教示を知らない。しかし、外部測定計器を使用することは、チャンバの内側で起きる過程の定期的及び確固とした監視のために望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第6,167,834号明細書
【特許文献2】米国特許第4,828,224号明細書
【特許文献3】米国特許第4,836,138号明細書
【特許文献4】米国特許第5,221,556号明細書
【特許文献5】米国特許第6,093,252号明細書
【特許文献6】米国特許第6,143,079号明細書
【特許文献7】米国特許第6,465,761号明細書
【特許文献8】米国特許第7,173,216号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、モジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム及びその形成方法並びに独立機能モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一般に、本発明は、CVD反応チャンバ用の、特に、処理ガスが入口から水平に、成長するエピ層を越えて排気口まで通るように向けられたCVD反応チャンバ用の改善された筐体、及び例えば、加熱機能モジュール、計測機能モジュールなど、改善された付属機能モジュールを提供する。本発明のモジュール反応器筐体は、CVD反応器及び本発明の適切な付属機能モジュール(「反応器サブシステム」)と一緒に、個々のCVD処理に個別に適合されるように組み合わせて構成することができ、このような反応器サブシステムは、既知のサポートサブシステム(例えば、ガス搬送サブシステム)と組み合わせて、機能CVDシステムを形作ることができる。好ましいCVD反応チャンバは、広範囲の電磁(EM)放射を透過させる石英で少なくとも部分的に作られ、当技術分野で「低温壁」として知られる仕方で動作させ、好ましい構造には、少なくとも部分的に石英からなる壁を有する反応チャンバの内部の状態を外部で検知するための計測機能モジュールが含まれる。
【0015】
簡潔に言えば、本発明のモジュール式反応器筐体は、CVD反応チャンバと、付属の1つ又は複数のタイプの1つ又は複数の機能モジュールとを支持し保持できる(少なくとも)1つの機械的フレーム枠を形成するように寸法設定され構成される。筐体の機械的フレーム枠は、モジュールとチャンバの両方(一括して「支持されたモジュール」)を容易に置換え、配置換えすることができるようにCVD反応チャンバの外部の機能モジュールを支持する。筐体はまた、CVD反応チャンバ内で処理を確実に実施できるように、支持されたモジュールを、容易に置換え、配置換えすることが可能ではあるが十分に固定できるように保持する。好ましくは、本発明の反応器筐体は、本発明のある範囲の付属の機能モジュールをある範囲の市販のCVD反応チャンバと一緒に収容することができる。重要なことには、好ましい機能モジュール、例えば好ましい計測機能モジュールは、これらを構成するのに用いる石英反応器(比較的脆いことが多い)の機械加工又は変更を必要としない。
【0016】
本発明は、また、反応チャンバ外部の本発明の反応器筐体によってCVD反応チャンバと一緒に支持され保持される付属機能モジュールも含んでいる。機能モジュールは、一般的に、1つ又は複数のタイプの1つ又は複数のセンサを支持し保持する機械的フレーム枠を含んでいる。各機能モジュールの機械的フレーム枠は、機能モジュールを容易に設置し(例えば、筐体内に)、置き換え、保持し、解放できるようにするために、反応器筐体と協働するように寸法設定され構成され、したがって、反応器筐体のフレーム枠から構造的に独立しており、それと一体ではない。異なるタイプの別々の機能モジュールの各機械的フレーム枠は、単一の反応器筐体が、異なる機能タイプの機能モジュールの別々の構造を支持し保持できるように、共通して寸法設定され(例えば標準寸法に)、構成されることが好ましい。好ましいセンサは、反応器内側から反応器壁の透明部分を通り抜ける放射を測定することによって、反応チャンバ内部の状態に応答する。任意選択のセンサはまた、外部状態に応答することもできる。
【0017】
機能モジュールは、単一機能を提供することに限定されない。むしろ、本発明の機能モジュールは、いくつかの異なる機能、又はいくつかのタイプの単一機能をCVD反応チャンバ及び内部の近接部分に提供する多機能モジュールとすることができる。例えば、単機能モジュールは、また、加熱機能及び計測機能の両方をCVD反応チャンバ及び内側の近接部分に提供することもできる。
【0018】
より具体的には、本発明の好ましい実施形態では、典型的な水平流、低温壁のCVDチャンバと共に使用するように構成できる、改善されて融通性のある計測機能を可能にする。既知の低温壁反応チャンバは、少なくとも部分的に石英材料(又は他の透明材料)で構築されることが多く、したがって、石英壁を通り抜けて反応器に入る加熱ランプからの放射によって加熱することができる。有利なことに、チャンバの透明部分はまた、反応器から壁を通り抜けて外側に至るEM(電磁)放射に応答するセンサを使用して、チャンバ内部の状態を監視することも可能にできる。非常に有利ではあるが、このような外部監視は、以下の理由でこれまで可能ではなかった。すなわち、低温壁反応器は、従来、チャンバの水平壁に隣接する加熱ランプの固定群を支持する反応器筐体内に装着されており、このような加熱ランプの固定群は従来、チャンバ壁を遮断し阻止するように構築されており、それによって、外部センサでチャンバ内側を観測することが妨げられていた。
【0019】
この状況で、本発明の好ましい実施形態によって実現される改善は、一部には、在来の上部加熱ランプを除去し、その代わりに、上部チャンバ面の部分を反応チャンバの上にセンサでアクセスできるように配置することができる加熱機能モジュールの形で加熱ランプを設けるものとして見ることができる。例えば、本発明の一実施形態では、上部加熱要素は、反応器の動作及びその中で行われる処理を改善するように適切な場所に置くこと、取り外すこと、交換することなどができる複数の独立機能モジュールに分割し、配置することができる。好ましくは、反応器の上部面へのアクセスを簡単にするために、そのような加熱機能モジュール内の加熱要素(例えば、ランプ)は、従来技術で通常の固定上部要素のものと比較して90°(すなわち、ガス流に対し直角の方向に)回転させることができる。一般に、下部加熱要素は、上部加熱要素の配置換えによって失われるいかなる加熱能力も十二分に補償することができる。
【0020】
次にセンサが、上部加熱ランプによってもはや遮断されない領域に配置されて、好ましくは、エピ層を取り巻く領域を探査すること、又はエピ層自体を探査すること、又は他の領域を探査することができる。このようなセンサで可能になる計測の例には、それだけには限らないが、温度制御、ガス組成分析、エピ層厚さ、エピ層表面粗度などが含まれる。この計測データを使用して、チャンバを用いて行われる処理をより正確に制御し、最終的には改善された製品をもたらすことができる。
【0021】
任意選択で、下部加熱要素もまた加熱機能モジュールに入れることができ、その場合これは、処理ガス流に対し平行又は垂直に向けることができる。下部加熱要素のモジュール化ではさらに、センサでチャンバ下部面にアクセスすること(下部面の測定では一般に、重要度が小さいデータが得られるが)、入口及び出口の固定具付近に加熱要素を配置すること、例えばチャンバ又はチャンバ入口内部のプラズマを生成することによって、前駆体を追加又は改変することが可能になる。
【0022】
本発明では、また、本発明のモジュール式反応器筐体及び独立機能モジュールによって可能になる反応器サブシステムを構成する方法も提供する。一般に、構成には、反応器サブシステムと共に使用されるべき新しい機能モジュールを選択すること、及び選択された機能モジュールが支持されるべき場所を反応チャンバに沿って選択することが伴う。一般に、特定の場所に支持された1つの機能モジュールは、反応チャンバ及びその内側の近接部分に機能を提供し、いくつかの場所に支持された機能モジュールは、機能の空間的分布又はプロファイルを提供する。次に、選択された場所に現在支持されている、意図された新しい機能モジュールとは異なる機能モジュールがあれば取り外され、選択された機能モジュールが反応器筐体上の選択された位置に装着され支持される。このような構成は、反応器筐体又はCVD反応チャンバに対するどんな構造的改変もなしで実施することができる。一般的には、これは、定期的な保守を実施するよりも時間消費が多い、又は困難であることはない。
【0023】
反応器サブシステムが選択された処理用に構成されている場合、そのモジュール及び場所は、その選択された処理に適したチャンバ内で機能のプロファイル及び分布を実現するように選択されることが好ましい。例えば、選択された処理は、熱が特定の空間的分布又はプロファイルで反応チャンバに供給される場合に、最適に実施することができる。このような処理では、加熱機能モジュールが選択されなければならず、そのモジュールの位置は、特定の加熱プロファイルを実現するように選択されなければならない。同様に、チャンバ内のいくつかの場所でチャンバ内側のいくつかの特性を監視できる場合、また計測機能モジュール及び位置を、特定の測定分布又はプロファイルを実現するように選択することができる場合、選択された処理は最適に実施される。
【0024】
本発明は、また、互換性のある反応器筐体を構成するのに使用できる機能モジュールのキットも提供する。機能モジュール及び反応器筐体は、反応器サブシステムの容易な構成換え及び配置換えを可能にするために、本明細書に記載のように相互に構成し寸法設定することができる。例えば、新しい要件に対して遅れることなく反応器サブシステムを構成できるように、1つの設備にそのようなキットを蓄えることができる。
【0025】
より具体的には、一実施形態において、本発明は、モジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステムを提供し、これは、モジュール式反応器筐体と、反応器筐体によって支持されるCVD反応チャンバと、CVDチャンバの外側壁に隣接する反応器筐体によって支持されるが、そうでない場合には反応器筐体から構造的に独立している複数の独立機能モジュールとを含んでいる。各機能モジュールは、CVDチャンバ内で実行される処理に有用である1つ又は複数の機能をCVD反応チャンバ及びその内側の近接部分に提供する。反応器筐体及び機能モジュールは、反応器筐体によって少なくとも1つの機能モジュールを反応チャンバの外側壁に隣接する複数の別々の位置で支持できるように、相互に構成され寸法設定されることが好ましい。
【0026】
機能モジュールは、チャンバ内の処理ガス流に対し垂直の方向に向いた長寸法と、処理ガス流に対し平行な方向の短寸法とを有し、又はその逆に有することができる。機能モジュールは、反応器筐体から構造的に独立していて取外し可能である少なくとも1つのハウジングと、ハウジングによって支持されており、かつモジュールによって実施される機能を実現する、1つ又は複数の機能要素とを含むことが好ましい。モジュールハウジングによって支持された機能要素は、CVD反応チャンバ及びその内側の近接部分に熱を供給するための加熱要素を含むことができる。1つ又は複数の加熱要素は、反応チャンバの壁を少なくとも部分的に透過する放射を放出する輻射加熱要素とすることができる。複数の加熱機能モジュールは、CVDチャンバ内側に選択された加熱プロファイルを与えるように、対応する位置で反応器筐体によって支持することができる。
【0027】
モジュールハウジングによって支持された機能要素は、また、CVD反応チャンバ及び内側の近接部分の状態を測定するための1つ又は複数のセンサを含むこともできる。計測機能モジュールは、CVD反応チャンバ内部のガスの組成を、ガスを通して伝達される光のスペクトル特性を測定することによって決定するセンサ、CVD反応チャンバ内部の温度を反応チャンバ内から放出される放射を測定することによって決定するセンサ、反応チャンバ内の面の厚さを、面から反射される放射を測定することによって決定するセンサ、反応チャンバ内の面の粗度を、面から反射される放射を測定することによって決定するセンサ、又は当技術分野で知られている他のセンサなど、多種多様なセンサを含むことができる。複数の計測機能モジュールは、CVDチャンバ内側の複数の別々の位置の選択された状態を測定するように、対応する位置で反応器筐体によって支持することができる。
【0028】
他の実施形態では、本発明は、本発明のモジュール式CVD反応器サブシステム(前の実施形態のモジュール式CVD反応器サブシステムなど)の構成方法を提供する。提供された方法によれば、まず1つ又は複数の独立機能モジュールが選択され、選択された機能モジュールごとに、CVDチャンバ及び内側の対応する部分が選択され、次に、CVDチャンバ及び内側の選択された部分に近接した反応器筐体によって支持される任意の機能モジュールが取り外され、最後に、選択された各機能モジュールが、その機能モジュール用に選択されたCVD反応チャンバ及びその内側の対応する部分に近接した、CVDチャンバの外側壁に隣接する反応器筐体上に支持される。特定の位置に近接する反応器筐体によってすでに支持されている機能モジュールは、それが、その特定の位置に近接して装着されるべく選択されたモジュールによって提供される機能と類似の機能を提供する場合には、取り外す必要がない。
【0029】
選択された機能モジュールは、CVD反応チャンバ及び内側に熱を供給するための1つもしくは複数の加熱機能モジュール、又はCVD反応チャンバの内側の選択された状態を測定するための1つもしくは複数の計測機能モジュール、又は他のタイプの機能モジュールを含むことができる。CVD反応チャンバ及び内側の対応する部分は、選ばれた対応部分に加熱機能モジュールが近接して装着される場合、好ましい加熱プロファイルに従って熱がCVD反応チャンバ及び内側に供給されるように、選択された加熱機能モジュールに対して選ぶことができる。同様に、CVD反応チャンバ及び内側の対応する部分は、選択された対応部分に近接して計測機能モジュールが装着される場合、好ましい測定プロファイルに従ってCVDチャンバの内側の測定が行われるように、選択された計測モジュールに対して選ぶことができる。好ましくは、加熱プロファイル及び計測プロファイルは、実施されるべき特定のCVD処理に応じて決定される。
【0030】
本発明は、また、本発明の構成方法(前の実施形態の構成方法など)により構成される本発明のモジュール式CVD反応器サブシステムも提供する。
【0031】
他の一実施形態では、本発明は、本発明のモジュール式CVD反応器サブシステムを構成し、構成換えするために使用することができる1つ又は複数の独立機能モジュール、及び独立機能モジュールのキットを提供する。独立機能モジュールは、反応器筐体から構造的に独立していてそれから取外し可能である少なくとも1つのハウジングと、機能モジュールハウジングによって支持される1つ又は複数の機能要素とを含むことが好ましい。独立機能モジュール及びモジュール式反応器筐体は、機能モジュールを反応チャンバの外側壁に隣接する反応器筐体によって複数の別々の位置で支持できるように、相互に構成され寸法設定されることが好ましい。また、独立機能モジュールは、反応チャンバの外側壁に隣接する特定の位置で支持される場合、CVDチャンバ内で実行される処理に有用である1つ又は複数の機能をCVD反応チャンバ及び内側の近接部分に提供する。
【0032】
機能要素は、CVD反応チャンバ及び内側の近接部分に熱を供給する加熱要素と、CVD反応チャンバ及び内側の近接部分の状態を測定するセンサ要素とを含むことができる。計測機能モジュールは、ガス組成センサ、表面特性センサ、温度センサ、及び当技術分野で知られている他のセンサなど、多種多様なセンサを含むことができる。
【0033】
単機能モジュール(single function)は、また、加熱機能及び計測機能(heating and metrology function)の両方を提供する機能モジュールのように、いくつかの異なる機能を提供することもできる。
【0034】
本明細書では、小見出しは単に明確にするために、何も限定を意図せずに使用される。本明細書ではいくつかの参考文献が引用され、その全開示が、あらゆる目的のための参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。さらに、引用された参考文献のどれも、上記でどのように特徴付けられたかにかかわらず、本明細書で主張される主題の本発明に先行すると認められない。本発明の要素のさらなる態様、詳細及び代替の組合せは、以下の詳細な説明から明らかになるであろうし、また本発明者の発明の範囲内にある。
【0035】
本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明、本発明の特定の実施形態についての説明的な例、及び添付の図を参照することによって、本発明はより完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】固定加熱要素を用いる例示的な従来技術による反応器筐体を示す図である。
【図2A】種々の加熱機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図である。
【図2B】種々の加熱機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図である。
【図2C】種々の加熱機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図である。
【図3A】種々の加熱機能モジュール及び種々の計測機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図である。
【図3B】種々の加熱機能モジュール及び種々の計測機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図である。
【図4A】本発明の機能モジュールの細部を概略的に示す図である。
【図4B】本発明の機能モジュールの細部を概略的に示す図である。
【図4C】本発明の機能モジュールの細部を概略的に示す図である。
【図5A】本発明の機能モジュールの細部を概略的に示す図である。
【図5B】本発明の機能モジュールの細部を概略的に示す図である。
【図6】本発明の機能モジュール、及び在来の反応チャンバを用いる本発明の反応器筐体の横断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
次に、本発明のモジュール式構成換え可能反応器筐体の好ましい諸実施形態を説明する。しかし、そうする前に在来の、従来技術による反応器筐体についての簡単な説明をする。
【0038】
図1は、固定加熱要素を用いる例示的な従来技術による反応器筐体を示す図で、説明を目的として提示された在来の、従来技術による反応器筐体の関連する態様の概略平面図であり、いかなる特定の従来技術による反応器筐体も、いかなる特定の従来技術による反応チャンバも、必ずしも技術的に正確に表すものではない。反応器筐体又はハウジング101は、CVD反応チャンバ103を支持かつ保持し、このCVD反応チャンバは、通常は透明な石英からなり、半導体ウェハ(エピ層)を支えるサセプタ105、及びサセプタの温度安定性を改善するサセプタ制御板107などの通常の構成要素を内部に含む。処理ガスが、所望のパターンのガス流を生成するように構築された単数又は複数の入口109を通って反応チャンバ103に入る。次に、ガスは、サセプタ105上の1つ又は複数のエピ層を越えて流れ、そこで反応して材料を堆積し、又はエピ層を処理し、その後、排気口111を通ってチャンバを出る。
【0039】
図1は、また、サセプタ及びエピ層を処理温度(例えば1000℃以上)まで加熱する輻射加熱要素113及び115も示している。例えば、加熱ランプなどの輻射加熱要素からの赤外線輻射は、吸収をほとんど伴わずに反応チャンバ壁を透過して、チャンバ内部の構成要素で吸収され、それによって構成要素を加熱する。石英チャンバ壁は、直接加熱された内部構成要素によって間接的に加熱されるのがせいぜいであるので、比較的低温のままである(したがって、このような構造は「低温壁」として知られる)。輻射加熱要素には、抵抗フィラメント、光放出固体構造物(例えば、特許文献8参照)、又は他の放射デバイスを用いる在来のランプを含めることができる。放射加熱要素はまた、複合導電加熱要素とすることもできる。
【0040】
加熱要素は、ここで図示されているように、反応器筐体101の壁に恒久的に取り付けられる固定具、ソケット、又は同様なもの(図示せず)の間に延びることが多い。加熱要素固定具は、反応器の内部構成要素、例えばサセプタ105の上面を加熱するために、いくつかの加熱要素である要素113が反応器筐体101内で反応チャンバ103の上に置かれるように(上の群)構成され配置されることが多い。さらなる加熱要素固定具が、内部構成要素の下面を加熱するために、追加の加熱要素である要素115が反応器筐体内で反応チャンバの下に置かれるように(下の群)構成され配置されることが多い。加熱要素の上の群と下の群は、互いに垂直に向けられることが多く、上の群は通常、(従来技術では)長い方の縦軸(この軸に沿って処理ガスが入口から排気口まで流れる)に沿った向きにされて、より均一な加熱を行う。以下では、意図的な限定なしで、放射加熱要素は「加熱ランプ」とも呼ばれるが、加熱ランプは、放射加熱要素のうちの単なる一種類として知られている。
【0041】
本発明に移ると、上述したものなどの既知の、従来技術による反応器筐体と比較してモジュール性が改善され、能力が改善され、融通性が改善された新規の反応器筐体が提供されている。本発明の好ましい諸実施形態では、加熱要素は、反応器筐体それ自体によっては支持されていないが、代わりに、本明細書で「加熱機能モジュール」と呼ばれる1つ又は複数の個別モジュール内に支持され、これらモジュールは、反応器筐体によって支持され保持される。好ましい諸実施形態では、本発明はまた、加熱以外の機能を有する個別モジュール、例えば計測機能を提供する個別モジュールも含んでいる。機能モジュールは、単一機能を提供することに限定されずに、多機能モジュールとすることができ、これは、いくつかの異なる機能、又はいくつかのタイプの単一機能をCVD反応チャンバの近接部分及び内側に提供する。
【0042】
その場合、反応器筐体は、1つ又は複数の計測機能モジュール、ならびに1つ又は複数の加熱機能モジュールを用いて構成することができる。それぞれ異なる機能タイプの機能モジュールの独立性及びモジュール性の故に、単一の反応器筐体はまた、それぞれ異なるタイプの、個数が異なる機能モジュールを異なる時間に異なる配置で支持し保持することもできる。これらの能力は、反応器筐体及び独立機能モジュールが、例えば標準サイズであること、及び標準的で逆にできる取付け手段を有することによって物理的に互換性があるように設計されるので、実現可能になる。
【0043】
本発明の上記その他の特徴についての説明は、以下で、反応器筐体によって支持され保持される現在の個数の、現在のタイプの機能モジュールを指す「構造(configuration)」という用語を使用することによって、また反応器筐体内の機能モジュールの現在の物理的レイアウトを指す「配置(arrangement)」という用語を使用することによって簡単になる。それゆえに、単一の反応器筐体は、異なる時間に別々の構造(例えば、それぞれ異なる個数及びタイプ)の機能モジュールを有することができ、単一の構造を用いる単一の反応器筐体は、異なる時間に別々の配置(例えば、それぞれ異なる設置又はレイアウト)の機能モジュールを有することができる。
【0044】
さらに、「支持する(support)」という用語は、要素を重力などに対抗して支持することを指すのに使用され、「保持する(retain)」という用語は、CVD処理を実施できるように要素を十分に固定された位置に保つことを指すのに使用される。機能モジュールは、(説明する)支持手段(保持手段としても働くことができる)を一実施形態で設けることによって支持される。いくつかの実施形態では、機能モジュールは、支持することによって簡単に保持することができるが、他の実施形態では、(説明する)保持手段(支持手段としても働くことができる)が設けられる。さらに、「全長」という用語は、構造物の長寸法を指すのに一般に使用され、「幅」という用語は、構造物の短寸法を指すのに一般に使用される。「縦」方向は一般に、チャンバ内のガス流の方向に沿った(又は平行の)方向であり、「横」方向は一般に、チャンバ内のガス流の方向に直角の方向である。構造物の全長は、縦又は横の長さとすることができ、その場合の幅は、それぞれ横又は縦の長さになる。
【0045】
本発明の好ましい諸実施形態の上記その他の態様を次に、図2A乃至図6を参照してより詳細に説明する。一般に、これらの図は、在来の石英CVD反応チャンバ203、303及び609それぞれを、すべてサセプタ、制御板、入口及び排気口などの在来の内部構成要素と共に支持し保持する本発明の反応器筐体201、301、及び603を示す。しかし、すべての図に関して、示された機能モジュール、示されたCVD反応チャンバ、示された装備及び構成要素などは限定的でないことを理解されたい。示されていない他の実施形態は、他の機能モジュール、他の反応チャンバ、他の装備及び構成要素などを含むことができる。反応チャンバの細部は本発明の重要な部分ではなく、図1に関連してすでに説明した以上にはさらに説明しない。また、各図は、例えば、配線、プラグ及びソケット、機械的付属品など、当業者であれば直ちに用意し構成できるであろう常用の構成要素を示していない。
【0046】
本発明の好ましい諸実施形態は、加熱機能モジュールを含み、特に、単一の反応器筐体が、それぞれ異なる加熱機能モジュールからなるいくつかの異なる構造をいくつかの異なる配置で収容できるように構成された加熱機能モジュールを含んでいる。それゆえに、図2A乃至図2Cは、異なる個数のそれぞれ異なる例示的加熱機能モジュールからなる3つの例示的構造による単一の反応器筐体を示している。
【0047】
全体的に、図2A乃至図2Cは、加熱要素が、反応器筐体内で簡単に配置及び配置換えができる個別モジュールである加熱機能モジュールの中に支持され保持されることを示している。これらの図は、また、加熱機能モジュールが、異なる個数、例えば、2、3、4、5又は6個の加熱要素を有しうることも示す。加熱要素は、ここでは似ている直線状の加熱ランプとして示されているが、加熱機能モジュールは、他のタイプの加熱要素を備えることができる。すなわち、単一の加熱機能モジュールは、異なるタイプの、又はタイプの組合せの加熱要素を備えることができ、単一の反応器は、異なるタイプの加熱要素を有する加熱機能モジュールで構成することができる。特定の反応器筐体と一緒に使用される加熱機能モジュールのタイプ、個数及び配置は、密閉されるCVD反応チャンバ内で行われるべき処理に適したチャンバ加熱のプロファイルが得られるように選択されることが好ましい。単一の反応器筐体は、チャンバ内で行われうる様々な処理に適するように選択された様々な加熱プロファイルを実現する様々な構造及び配置の加熱機能モジュールを有することができる。
【0048】
より詳細には、図2A及び2Bは、上部(CVD反応チャンバの上)加熱機能モジュールが、好ましくはチャンバの長軸に対して(すなわち、処理ガス流の方向に対して)横向きにされ、チャンバの幅と匹敵する長さを有し、チャンバの全長の一部しかない幅を有することを示す。加熱要素は、加熱機能モジュール内で個々の加熱要素の特徴に対応するように配置することができる。すなわち、加熱ランプは、横向きにされた加熱機能モジュール内で横向きにも縦向きにもすることができるが、横向きが好ましい。
【0049】
図2Aは、種々の加熱機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図で、4つの加熱機能モジュールであるモジュール221a、221b、221c及び221dを用いて構成された反応器筐体を概略的に示し、加熱機能モジュールはすべて、4つの加熱要素を有し、筐体201の上部分の反応チャンバ203の上に配置される。加熱要素は、例えば、フィラメントを有する加熱ランプ、LEDアレイなど既知の加熱要素から選択することができる。各モジュール及びそれらの加熱要素は、すべて横向きにされる(ガス流に対してもチャンバ203の長軸に対しても)。任意選択の機器、例えば縦方向加熱要素が反応チャンバ203の下に存在することができるが、この図ではそのような機器は示されていない。示された各加熱機能モジュールは、ここでは点線で輪郭が表されているハウジングと、加熱要素を保持するためにハウジング上に装着された、例えばプラグ、ソケットなどの固定具(図示せず)と、クロスハッチングで示された、例えば加熱ランプ215である4つの加熱要素とを備える。電気ケーブルなどの必要な装備は常用であり、したがって示されていない。
【0050】
図2Bは、種々の加熱機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図で、4つの加熱機能モジュールのうちの2つ、モジュール223a及び223bが、例えば加熱ランプ215である3つの加熱要素を有する一方で、他の2つの加熱機能モジュール、モジュール223C及び223dが4つの加熱機能要素を有すること以外は、図2Aと同様である。この構成は、反応チャンバの中央領域に対しては加熱が増大されるが、反応チャンバの上流及び下流の領域に対しては加熱が少ない加熱プロファイルを実現するのに有利である。4つの加熱機能モジュールすべての縦方向の幅がほぼ等しいので、反応器筐体は、これら3つ又は4つの要素モジュールの組合せを用い、縦方向のガス流に沿って任意の配置で構成することができる。
【0051】
図2Cは、種々の加熱機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図で、加熱機能モジュールはまた、チャンバの長軸(すなわち処理ガス流の方向)に対し平行な縦向きにすることもでき、チャンバの全長と匹敵する長さを有し、チャンバの幅の一部しかない幅を有することを示している。下部(CVD反応チャンバの下)の加熱機能モジュールは、長軸に沿った向きにされることが好ましい。特定の実施形態では、下部の加熱要素は、加熱機能モジュール内に保持できないが、反応チャンバに固定することはできる。しかし、下部(及び上部)の加熱要素のモジュール化は、例えば、加熱機能モジュールを入口及び排気口の固定具周りで適切な場所に置くこと、上部加熱機能モジュールによって行われる加熱を補足するように加熱機能モジュールを適切な場所に置くこと、サセプタを付加的に加熱するように加熱機能モジュールを適切な場所に置くこと、反応チャンバ下の加熱機能モジュールと一緒に付加機能付きモジュールを適切な場所に置くことなど、融通を利かせて適切な場所に置くことを可能にするのに有利である。
【0052】
より詳細には、図2Cは、反応チャンバ203の下に置かれた縦向きの加熱機能モジュール225a及び225bによる構成を示している。このような機器には、前駆体入口又はサセプタを伴うことが多い。両方のモジュールが、これらのモジュールの縦方向端部の各固定具(固定具、配線などは図示せず)の間に延びる3つの縦向き加熱要素、例えば、加熱ランプ227を有する。例えば、横方向加熱要素である任意選択の機器は、反応チャンバ203の上に存在することができるが、ここではそのような機器は示されていない。モジュール225a及び225bは、他の機器、例えば、サセプタ、反応チャンバの下面に入るガスなどを伴った機器用にあいている、中央の縦向きの領域217を残すように適切な場所に置かれる。
【0053】
本発明の好ましい諸実施形態はまた、多様なタイプの機能モジュールも含み、これには例えば、高周波エネルギーを与えてプラズマを生成することなどによって例えばエネルギーを印加して前駆体を活性化することで、反応チャンバに流れ込む前駆体を処理するモジュール、又はある構成においてプレースホルダとして働く機能がないモジュールが含まれる。加熱機能モジュールのように、特定の反応器筐体と一緒に使用されるそのような他のモジュールのタイプ、個数、機能及び配置は、密閉されたCVD反応チャンバ内で行われるべき処理を考慮して選択されることが好ましい。
【0054】
反応器サブシステム構造には、進行しているCVD処理の間に内部のチャンバ状態及びエピ層状態を特徴付けするための外部センサを有する、1つ又は複数の計測機能モジュールが含まれることが好ましい。計測機能モジュールは、CVD反応チャンバ内の単一の場所、又はいくつかの近接する場所において、単一のパラメータ又はいくつかのパラメータに応答することができる。いくつかの計測機能モジュールは、反応チャンバ内のより広く間隔をあけた場所のパラメータに対し本来の位置に感応するように、外部のそれぞれ異なる場所で構成することができる。計測機能モジュールが、チャンバの石英透明壁を通して反応チャンバの内部の状態を観測するチャンバ外部のセンサを含むことに特に注目されたい。それによって、反応チャンバは、計測機能モジュールを収容するために何らか改変する必要がない。チャンバの石英透明壁は、EM放射プローブの散乱を防止するために十分に平坦化されることが好ましい。計測機能モジュールは、チャンバの改変に伴っても直ちに配置換え、構成換え、又は取替えをすることができる。
【0055】
図3A及び図3Bは、計測機能モジュールと加熱機能モジュールの両方を含む例示的な構造を用いた反応器筐体を示している。ここでは単機能モジュールが示されているが、機能モジュールは単機能を提供することに限定されず、いくつかの異なる機能を提供することができ、例えば1つの単機能モジュールが、CVD反応チャンバの近接部分及び内側に加熱機能と計測機能の両方を提供することができる。
【0056】
図3Aは、種々の加熱機能モジュール及び種々の計測機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図で、主に温度に応答する単一の計測機能モジュール(例えば、モジュール311)と、主にエピ層計測パラメータに応答する2つの計測機能モジュール(例えば、モジュール309a及び309b)とを示している。
【0057】
図3Bは、種々の加熱機能モジュール及び種々の計測機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図で、単一のパラメータに応答する計測機能モジュール(例えば、モジュール317d)、2つのパラメータに応答する計測機能モジュール(例えば、モジュール317a)、及び3つのパラメータに応答する計測機能モジュール(例えば、モジュール317b)を示している。また、モジュール317aは、反応チャンバの幅の全体にわたって単一のパラメータの分布に応答するセンサ319も有する。計測機能モジュールは、エピ層のところ、及びその上のパラメータが普通もっとも有用であるので、普通には反応チャンバの上に構成される。あるいは、これらを反応チャンバの下で構成することもできる。
【0058】
より詳細には、図3Aは、2つの横向き加熱機能モジュール307a及び307bと、3つの縦向き計測機能モジュール309a、311及び309bとを用いて構成された本発明の反応器筐体を示す。2つの加熱機能モジュールは、図2A及び図2Bに関連して説明した加熱機能モジュールと類似でありうる。3つの計測機能モジュールは、サセプタ上に支持されたエピ層のところ、又はその近くの状態に応答するように、サセプタの上(すなわち反応チャンバの中央領域)に装着される。具象的にするために、この図は、主に温度に応答する中央寄りのモジュール311を、主に他の計測機能、例えばエピ層の厚さ及び粗度に応答する隣接の2つの周辺寄りのモジュール309a及び309bと共に示す。計測機能モジュールは、(他の機能モジュールと同様に)ここでは破線で示されたハウジングを備える(加熱機能モジュールのハウジングは、再度点線で示されている)。
【0059】
図3Bは、他の実現可能なモジュールの構造を示している。図3Aと比較すると、2つの周辺寄りの計測機能モジュールが、サセプタの上流及び下流に配置換えされている。すなわち、計測モジュール317aは、成長するエピ層での反応の前に状態を検知するために反応チャンバへの入口近くに配置され、計測機能モジュール317dは、エピ層での反応後の状態を検知するために出口近くに配置されている。計測機能モジュール317bは、成長するエピ層及びサセプタでの状態を検知するために、サセプタの上に存続する。サセプタと比較して縦方向の範囲が限られているが、中央のモジュール317bは、サセプタが動作中に回転するので実際にはサセプタ(及びエピ層)表面全体にわたって状態を測定することができる。さらに図3Aと比較すると、反応チャンバの上部面の上のこの代替計測モジュール構成用の空間は、その前の構成で使用された2つの5要素加熱機能モジュールを、本構成で使用されている1つの2要素加熱機能モジュール及び2つの4要素加熱機能モジュールで置き換えることによって、利用可能になっている。
【0060】
モジュール317Cは、機能がない、又は少なくとも現在の構成では使用される機能がない空モジュールである。これは、単に空間詰め物として機能する。というのは、この配置では、反応器のサセプタ下流の部分が小さな強度で加熱されることが望ましいからである。このような空間詰め物モジュールはまた、他の機能モジュールをそれらの予定された位置に保持することの支援ができるプレースホルダとしての役割を果たすこともできる。
【0061】
本発明の好ましい実施形態では、独立機能モジュール及び反応器筐体は、反応器筐体が複数の機能モジュールの様々な構造及び配置を収容できるように、かつ1つの機能モジュールを様々な構造及び配置で、かつ任意選択で様々な反応器筐体と共に、使用できるように構築され寸法設定されて一緒に協働する。このように、互いに機能モジュールを交換できること、また1つの機能モジュールを様々な反応器筐体と共に使用できることは、融通性及び経済性をもたらす。本発明の単一の反応器サブシステム(例えば、CVD反応チャンバ及び機能モジュールを伴う反応器筐体)は、チャンバ内で行われる様々なCVD処理の必要に融通を利かせて適応させることができ、それによって、新しい反応器サブシステムを購入する代わりに、既存の反応器サブシステムを再使用し構成換えすることが可能になる。
【0062】
次に、好ましい加熱機能モジュールについてより詳細に説明し、その後さらに、好ましい計測機能モジュール及びセンサについて説明する。最後に、好ましい反応器筐体についてより詳細に説明する。
【0063】
まず好ましい機能モジュールの特徴に移ると、機能モジュールの容易な構成換え又は配置換えは、機能モジュールを特定の標準的サイズで、取外し及び取替えができ再使用可能な装着手段と共に設計することによって促進される。例示的な一実施形態では、機能モジュールのサイズは、反応チャンバ又は反応器筐体の関連するサイズのおよそ単分数になるように選択することができる。「単分数」という用語は、2分の1、3分の1、4分の1、6分の1などの分数を、それらの小さな整数の倍数、例えば3分の2、4分の3などと一緒に含む。反応器筐体の全長のそのような単分数として選択された縦方向幅である横向きの機能モジュールは、反応器筐体の全長に沿って容易に配置することができる。例えば、2分の1幅の1つのモジュールは、4分の1幅の2つのモジュールと一緒に容易に配置することなどができる。同様に、反応器筐体の幅のそのような単分数として選択された横方向幅である縦向きの機能モジュールは、反応器筐体の幅の全体にわたって容易に配置することができる。
【0064】
例えば、図2Aは、密閉されたCVD反応チャンバ203の全長のおよそ4分の1の幅をそれぞれが有する、4つの横向きの加熱機能モジュールであるモジュール221a〜dを示している。これらのモジュールのいずれか又はすべてを容易に配置換えができること、又はチャンバ全長のやはりおよそ4分の1の幅を有する他の機能モジュールで容易に置換えができることは明らかである。さらに、これら4分の1幅の機能モジュールの1つは、チャンバ又は筐体の全長のおよそ8分の1の幅を有する2つの機能モジュールで置き換えることができ、又は2つのそのような4分の1幅の機能モジュールは、チャンバ又は筐体の全長のおよそ2分の1の幅を有する単一のモジュールで置き換えることができる。
【0065】
同様に、図2Cは、密閉されたCVD反応チャンバ203の幅のおよそ3分の1の幅をそれぞれが有する、2つの縦向きの加熱機能モジュールであるモジュール225a〜bを示す。これら2つのモジュールは、やはり反応チャンバの幅のおよそ3分の1である占有されていない縦向き領域217を残している。これらのモジュール及び占有されていない領域のいずれか又はすべてを容易に置き換えることができ、又は、やはりチャンバの幅(又は関連する幅)のおよそ3分の1である他の機能モジュール(加熱又は他の機能がある)又は占領されていない領域でやはり容易に置換えができることは明らかである。
【0066】
機能モジュールは、また、モジュールが反応器筐体内に容易に入れられ保持されること、筐体内で配置換えされること、筐体から取り外されることなどを可能にする装着手段を用いて構成されることも好ましい。このような装着手段には、当技術分野でよく知られているねじ、クリップなどが含まれうる。このような装着手段にはまた、やはり当技術分野でよく知られている突起、隆起、ガイドなどが含まれることもあり、これらは場合により、機能モジュールを支持するように反応器筐体内に形作られた対応する構造物と結合する。1つ又は複数の機能モジュールを筐体内に、例えばスポット溶接、ボルトなどによって半恒久的、又は恒久的にしっかり留めることができることは、それほど好ましくない。このように装着すると、機能モジュールを反応器筐体内で容易に構成換え又は配置換えする能力が低減する。
【0067】
図3A及び図3Bは、また、機能モジュールを、反応器筐体内の分離サポート部材305上にそれらを置くことによって、装着できることを示す。機能モジュールは、単にそれらの重量などによってそのようなサポート部材上の適切な位置に保持することができ、あるいは、サポート部材は、いくつかのあらかじめ選択された位置の1つに機能モジュールを案内する表面の装備を含むこともできる。サポート部材は、機能モジュールもまた反応チャンバの下、反応チャンバの上、又は両方に位置づけできるように構築し寸法設定することができる。サポート部材は、反応器筐体に使用されるもの、又は反応チャンバに使用されるものと同じ材料、又は他の材料を含むことができる。図示のサポート部材305はU字形を有するが、代替サポート部材は長方形を有することができ、又は反応器筐体の縁部に沿って伸びる平行の分離したサポートバーを備えることができる。
【0068】
次に、機能モジュールの付加的及びより具体的な特徴を図4A乃至図4C(例示的な加熱機能モジュールを示す)、及び図5A及び図5B(例示的な計測機能モジュールを示す)を参照して示している。一般に、これらの図は、機能モジュールが例えば加熱要素、センサなどの機能構成要素と、機能構成要素を支持し保持するための手段を伴うハウジングとを備えることができることを示す。機能モジュールハウジングは、説明したように1つ又は複数の筐体と協働するように構築され寸法設定されるが、モジュールハウジングは、構造的に反応器筐体から独立しており、それと一体ではない。例えば、これらは、反応器筐体の改変なしで別々かつ個々に取り外し、置き換えることができる。ハウジングは、ここでは黒い実線で概略的に示され、図2A乃至図2Cでは短い破線で、図3A及び図3Bでは、短い破線及び長い破線でやはり概略的に示されている。機能構成要素を支持し保持する手段は普通、個々の機能構成要素の細目によって決まる。
【0069】
図4Aは、例示的な加熱機能モジュール401の平面図を示し、図4B及び図4Cは、それぞれこのモジュールの横断面図及び縦断面図を示している。モジュール401は、太い暗線で示したハウジングと、加熱要素を支持かつ保持し、加熱要素に対する電気的接続を行うための、当技術分野で知られた例えばプラグやソケットなどの加熱要素固定具405とを備える。このような各加熱機能モジュールは、1つ又は複数の加熱要素403を用いて構成することができる。ここでは、モジュール401は、N個の加熱要素である要素El 1、El 2、...El N−1、及びEl Nで完全に埋められて示されている。放射加熱要素は、在来の抵抗フィラメント(ここで提案されるような)を含むことができ、また固体要素(例えば、特許文献8参照)又は他の能動構成要素を含むこともできる。
【0070】
図5Aは、本発明の機能モジュールの細部を概略的に示す図で、例示的な横向き計測機能モジュールの平面図及び横断面図をより詳細に示している。一般に、計測機能モジュールは、ハウジング、1つ又は複数のセンサ用保持手段、及び1つ又は複数のセンサを備える。計測機能モジュールは、固定構造を有して、あらかじめ選択された固定数のセンサを固定配置で支持し保持することができ、又はモジュール式の融通の利く構成を有して、可変数の異なるセンサを可変配置で支持し保持することができる。センサ保持手段は、あらかじめ選択されたタイプの固定センサを実現することができ、又は様々なタイプのセンサが取り外され置き換えられることを(例えば、定期的な保守時に)可能にできる。センサは、単一のセンサハウジング又はパッケージ内に構成することができ(単一構成要素センサ)、又は2つの分離したセンサハウジング又はパッケージ内に構成することができ(二構成要素センサ)、又は他のタイプとすることができる。一般的には、単一構成要素センサは温度センサ、反射率センサなどを含み、二構成要素センサはガス組成センサ、反応チャンバ壁堆積物センサなどを含む。
【0071】
図示の計測機能モジュールは、ハウジング501(太い暗線で概略的に示す)、単一構成要素センサを保持する複数の保持手段503、及び二構成要素センサを保持する単一の保持手段505a及び505bを有する。ここで図示した保持手段の個数及びタイプは説明的なものである。このモジュールは、いずれのセンサによってもまだ埋められていない。図5Bは、実際のセンサによって完全に埋められていること以外は図5Aのモジュールと類似である計測機能モジュール511を断面図で示す。ここで単一構成要素センサ用の複数の保持手段は、どんな配置においても同じタイプ又は異なるタイプとすることができる単一構成要素センサ509をしっかり留めて保持する。ここで2つの分離された部片(図5Aで505a及び505b)を備える単一の保持手段は、構成要素507a及び507bを有する単一の二構成要素センサをしっかり留めて保持する。
【0072】
計測機能モジュールの付加的な細部は、計測モジュール317a、317b及び317dについて図3A〜Bに示してある。ここで符号319、321及び323は、単一構成要素センサを装着する手段を表し、符号325は、二構成要素センサを装着する手段を表す。計測機能モジュール317aは、1つの二構成要素ガス組成センサ、及びいくつかの単一構成要素温度センサ319でハウジングを埋めることによって、入ってくる前駆体ガスの特性を測定するように適合されている。計測機能モジュール317dは、1つの二構成要素ガス組成センサだけで同じ又は別のハウジングを埋めることによって、排気ガスの特性を測定するように適合されている。計測機能モジュール317bは、1つの二構成要素ガス組成センサ、いくつかの単一構成要素温度センサ321、及びいくつかの単一構成要素反射率センサ323でさらなるハウジングを埋めることによって、サセプタにおける特性を測定するように適合されている。
【0073】
計測機能モジュールは、温度に応答する1つ又は複数のセンサ、チャンバ内部で反射される放射に応答する複数のセンサ、チャンバ内のガス組成に応答する複数のセンサを備えることが好ましい。これらの好ましいセンサは半導体処理で重要であるが、本発明はこれらのセンサタイプに限定されない。当業者は、他の有用なセンサについて知っているであろうし、本明細書の説明を考慮して、本発明の計測機能モジュールにそのような他のセンサを使用することができよう。次に、図6を特に参照して、好ましいセンサの動作及び利用について説明する。
【0074】
図6は、本発明の機能モジュール、及び在来の反応チャンバを用いる本発明の反応器筐体の横断面を示す図である。まず温度センサを考察すると、これらのセンサは一般に、より高品質の製品を製造できるようにCVD処理時の温度を制御するのに有用であり有益である。しかし、多くの現在の温度センサ、特に反応チャンバ内でウェハ領域の下及び領域中に位置する熱電対(TC)に依拠するものは、例えば、遅く伝導される熱にしか応答しないことにより遅い応答時間、チャンバの内部にあり過酷な内側の状態にさらされることにより限定された信頼性を含む、既知の欠点を有する。
【0075】
本発明の温度センサはそうではなく、CVDチャンバの外部にあり、チャンバの壁を透過する熱放射に応答する。それによって本発明の温度センサは、高い信頼性及び迅速な応答時間を有する。より具体的には、好ましい温度センサ、例えばセンサ627(図6)は、パイロメータを備える単一構成要素センサであり、このパイロメータは、反応チャンバ内側の例えばエピ層表面の温度を、その表面から放出される熱放射629に応答することによって測定する(反応チャンバ壁の石英は、関連する熱放射に対し十分に透過性である)。計測機能モジュール上に装着される本発明の温度センサは、反応チャンバ内のいろいろな場所の温度を測定するように容易に配置することができる。
【0076】
次に、反射センサを考察すると、成長するエピ層から反射される放射は、例えばエピ層の厚さ及び表面粗度に関する情報を搬送する。それによって、成長するエピ層からCVDチャンバの外側へと反射される放射に応答する反射センサは、厚さ及び粗度の情報をもたらすことができる。厚さ情報により、エピ層の成長速度を表示することができ、粗度情報により、成長プロセスの特性を表示することができる。例として、特定の材料、例えばGaNは、反射率が低い不規則な表面が生じる三次元成長モード、又は反射率が高い十分に平滑な表面が生じる二次元ステップフロー成長モードのどちらかで成長する可能性がある。それゆえに反射率情報は、より高品質の製品が得られるようにGaNプロセス及び類似のプロセスを制御するのに使用することができる。このようなセンサはまた、新規又は改変プロセスの開発に使用することもできる。
【0077】
本発明の反射率センサ、例えば、単一構成要素センサ623は、反応チャンバ内で各表面から反射された放射、例えば放射625の光学的特性を測定するように選択され、入射する放射は、センサと関連付けられた放射源から少なくとも一部は発生することが好ましい。このようなセンサは、可視放射に応答でき、ある表面に集束される光源、及び光ファイバ束を伴うプローブを含むことができる。他のセンサと同様に、反射率センサは、チャンバ内で過酷な状態にさらされないように計測機能モジュール上に装着され、CVD反応チャンバに対して融通を利かせて配置することができる。
【0078】
最後に、ガス組成センサを考察すると、反応チャンバ内のガス組成についての知識は、いくつかの目的に対して有用であり有益である。例えば、CVD処理の過程中にエピ層表面で反応するガスの組成についての知識は、前駆体ガス流量の制御の改善に使用することができる。また、チャンバ洗浄中にチャンバを出て行くガスの組成についての知識は、チャンバ内側からの望ましくない残留物の気相洗浄を自動的に監視するのに使用することもできる。しかし、ガス組成は、正確に測定するのが困難であった。反応チャンバ内部のセンサを使用してガス組成を直接かつ確実に測定することが困難であるので、ガス組成は、以前は普通チャンバ温度及び前駆体ガス流から推定されていた。このような推定は正確ではなく、さらに、チャンバ内の様々な場所でのガス組成の変化を測定することもできない。
【0079】
本発明のセンサは、このような欠点を克服することができる。というのは、これらのセンサは反応チャンバの外部にあり、チャンバ内の1つ又は複数の分かれた場所のガス組成を直接測定することができ、好ましくは計測機能モジュール上に装着されるので容易に配置換えすることができるからである。これらのセンサは、チャンバを透過後の光の吸収及びスペクトル特性からガス組成を当技術分野で既知の方法を使用して決定することで動作することが好ましい。簡潔に言えば、光吸収は、ベール−ランベルトの法則によって記述されるように、様々な吸収体(例えば、ガス組成物)の吸収係数及び濃度に関連し、吸収係数は、各吸収体の特性により光の周波数と共に変わる。ガス組成の定量は、特定のガス組成センサ及び反応チャンバで既知の組成のガスを測定することによって較正することができる。
【0080】
ガス組成センサの好ましい諸実施形態は普通、チャンバの外部に2つの構成要素、すなわち、既知のスペクトル特性を有する可視及び/又は紫外(紫外可視)光ビームを送出して反応チャンバに通す第1の構成要素と、送出された光ビームを受け取り、そのスペクトル特性を測定する第2の構成要素とを含む。いくつかのガス組成センサを設けて、反応チャンバ内のいくつかの位置における組成を測定することができる。例えば、1つのそのようなセンサを適切な場所に置き、配置して、成長するエピ層付近のガス組成を測定することができ、別のセンサを前駆体ガス入口及び使用済みガス排気口の近くで適切な場所に置き、配置して、反応器内の環境を完全に評価することができる。
【0081】
図示されていないが、機能モジュールは、単一の機能を提供することに限定されていない。むしろ、本発明の機能モジュールは、いくつかの異なる機能、又はいくつかのタイプの単一機能をCVD反応チャンバの近接部分及び内側に提供する多機能モジュールとすることができる。例えば、単一の加熱機能モジュールが様々なタイプの加熱要素、例えば1つ又は複数の抵抗要素、1つ又は複数の輻射加熱ランプ、及び1つ又は複数の輻射半導体要素を含むことができる。単一の計測機能モジュールが様々なタイプのセンサ要素、例えば、ガス組成センサ、表面特性センサ、及び温度センサを含むことができる。さらに、単一の独立機能モジュールが様々なタイプの機能要素、例えば加熱機能要素、及びセンサ機能要素を含むことができる。このような多機能モジュールは、輻射加熱ランプ及びガス組成センサを含むことができる。
【0082】
図6は、左側部分の構成要素606a、及び右側部分の構成要素606bを備える本発明のそのようなスペクトルガス組成センサの好ましい一実施形態を示している。両構成要素は、チャンバの少なくとも一部を通る遮断されていない経路によって分離されるように、反応チャンバ609の両側で計測機能モジュールハウジング613によって支持され保持される。両構成要素は支持部材631を備え、これらは、例えば、互いにほぼ類似(互いの鏡像でありうる)とすることができる。左側の構成要素606は、また、光ビーム637を放出する集束紫外可視光源633aと、チャンバを透過するビーム639へとビーム637を反射する傾斜反射鏡635とを備える。右側の構成要素606bもまた、ビーム639がチャンバを透過した後にそれをセンサ633b及びスペクトル検知センサ633bに向けられたビーム641へと反射する別の傾斜反射鏡を備える。センサ633bは、図示のように1つの部片とすることができ、あるいは、ビーム641を受け取り、それを遠隔の光センサまで例えば光ファイバを介して伝達するプローブとすることもできる。
【0083】
次に反応器筐体に移り、ここで図6を参照して好ましい特徴を説明する。一般に、本発明の反応器筐体は、好ましくは1つ又は複数のタイプの反応チャンバを、好ましくはチャンバの取外し及び取替えが可能な仕方で支え保持するように、また、図4A乃至図4C及び図5A及び図5Bに示された機能モジュールなどの機能モジュールを容易に構成及び配置できるように、構築され寸法設定される。本発明の反応器筐体の例示的な一実施形態では、反応器筐体の内側へのアクセス、例えば反応器チャンバ、機能モジュール及び他の機器へのアクセスを(例えば、定期的な保守時に)行えるように容易に分離できる上部分と下部分を備えることができる。例えば、上部分と下部分は、互いに取外しが可能になるようにヒンジで結合することができる。上部分は、モジュールの容易な構成換え及び配置換えが可能なように機能モジュールを支持し保持することが好ましい。下部分もまた、構成換え可能かつ配置換え可能な機能モジュール(又は他の機器)を支持及び保持することが好ましく、固定して取り付けられた機能モジュールだけを有することは好ましいとはいえない。
【0084】
より詳細には、例示的な反応器筐体601がサセプタのレベルの横断面で示されている。この断面は、反応器筐体601の上部分605及び下部分603を示し、また横向きの上部計測機能モジュール613の断面、反応チャンバ609の断面(内部構成要素と共に)、ならびに2つの縦向き下部加熱機能モジュール611a及び611bの断面も含む。反応器筐体601の上部分と下部分は、手段607a及び607bによって一緒に可逆的にしっかり留められているが、好ましくは容易に分離して、反応器筐体内側、CVD反応チャンバ、及びその中に支持された機能モジュールにアクセスすることができる。例えば、手段607aはヒンジとして機能することができ、手段607bはラッチとして機能することができる(又はその逆)。反応チャンバ609は石英壁を有することが好ましく、サセプタ制御リング615、サセプタ617、ウェハホルダ619及びサセプタシャフト621などの標準的内部構成要素を含む。サセプタシャフトは普通、縦向き加熱機能モジュール611aと611bの間の隙間645にありうる機器(図示せず)によって制御可能に回転される。
【0085】
図2Cのモジュール225a及び225bに類似である2つの縦向き加熱機能モジュールは、ハウジング及び3つの縦向き加熱要素を備える。加熱機能モジュールは、反応チャンバ609の一部又は全部の下に延びることができ、それらの縦方向各端部でハウジングの下部603によって支持かつ保持され(図示せず)、又は突起上もしくは挿入物上(図3A及び図3Bに示す)などで支持することができる。加熱機能モジュールは、モジュールハウジング上の固定具の間に延びる加熱要素を用いて、図4A及び図4Bのように構築することができる。加熱機能の横幅は、前述のように、反応チャンバ幅の単分数であることが好ましい。ここでは、加熱機能モジュールは、反応チャンバ幅のおよそ3分の1で横方向に延びて、やはりその幅のおよそ3分の1である中央設置の隙間645が残る。
【0086】
横向きの計測機能モジュール613は、ハウジング、センサ保持手段、単一構成要素センサ623及び627、ならびに二構成要素センサ606a及び606bを用いて図5A乃至図5Cのように構築することができ、例えば、反応器筐体の上部分605の横側面から延びる突起様部材643で支持することができる。計測機能モジュールの横方向長さは、およそ反応チャンバの幅以上であることが好ましく、縦方向幅は、前述のように反応チャンバ全長の単分数であることが好ましい。2つの構成要素606a及び606bは、ガス組成センサを表す。センサ623は反射率センサを表し、センサ605は温度センサを表わしている。
【0087】
本発明の上述の好ましい諸実施形態は、これらの実施形態が本発明のいくつかの好ましい態様を説明するものであるので、本発明の範囲を限定しない。いかなる同等の実施形態も本発明の範囲内にあるものである。実際のところ、説明した要素の代わりの有用な組合せなど、本明細書で図示し説明したものに加えて、本発明の種々の改変が後続の説明から当業者には明らかになろう。このような改変はまた、添付の特許請求の範囲に入るものである。以下では(また本出願全体として)、小見出し及び凡例は、単に明確かつ便利にするために使用される。
【0088】
本発明の特定の特徴は一部の図面に示され、他のものには示されていないが、これは、各特徴が本発明による他の特徴のいずれか又はすべてと組み合わせることができるので、単に便宜のためである。本明細書では「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、及び「伴う(with)」という用語は、広く包括的に解釈されるべきであり、いかなる物理的相互接続にも限定されない。「1つ(a)」、「1つ(an)」などというものもまた、単数及び複数の両方を指すものとして広く包括的に解釈されるべきである。その上、本題の出願で開示されるいかなる実施形態も、それだけが実現可能な実施形態として受け取られるべきではない。他の実施形態が当業者には想起されるであろうし、それらは添付の特許請求の範囲内にある。
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム及びその形成方法並びに独立機能モジュールに関する。また、本発明は、材料処理システムの分野に関し、より詳細には、化学気相成長(CVD)システムに関し、チャンバ内部の状態の外部監視を可能にすることを含む、個々のCVD処理の特定の必要に適合するようにモジュール式で容易に構成可能なモジュール式CVD反応器筐体及び付属機能モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
化学気相成長(CVD)処理は、例えば、半導体材料のウェハを成長させ処理するために、半導体技術分野で一般に使用される。CVD処理は、通常に発生する高温及び腐食性雰囲気に耐えるように設計されたCVD反応チャンバ内で行われる。
【0003】
半導体処理用のCVD反応チャンバは、通常、処理ガスが上部に入り、成長するウェハに向かって垂直に下方へ流れるように(例えば、特許文献1参照)、又は処理ガスがチャンバの横面に入り、成長するウェハを越えて水平に流れるように(例えば、特許文献2参照)構成される。垂直流チャンバは概して円形であることが多いのに対し、水平流チャンバは概して長方形であることが多く、処理ガスはチャンバの長い方(縦)の軸に沿って水平に流れる。後者のタイプの反応器、及びそれに対する諸改善が広範囲に記載されている(例えば、特許文献2、3、4、5、6、1、7、及び8参照)。
【0004】
半導体処理に使用されるCVD反応チャンバは、また、ほとんどの場合加熱される。当技術分野で「高温壁(hot wall)」として知られる特定のチャンバは、チャンバ壁を直接熱することによって加熱され、内側の構成要素は、高温壁から移動する熱によって間接的に加熱される。当技術分野で「低温壁(cold wall)」として知られる別のチャンバは透明な石英で構築され、内側の構成要素が、外側の加熱ランプからチャンバ壁を透過する赤外線(IR)放射によって直接加熱される。
【0005】
低温壁チャンバは、通常、その上面、下面、又は両面を覆い、かつ/又は取り囲むように配置された加熱ランプ(直線状又は円形)を有する。例えば、特許文献3及び7では、処理ガスが水平に流れる低温壁反応チャンバを記載しており、この処理ガスは反応器筐体(reactor enclosure)内に保持され、反応チャンバ(reactor chamber)の上及び下の筐体内に支えられた加熱ランプ群によって加熱される。反応チャンバの上の群は、チャンバの長軸に沿って処理ガスの縦の流れに対し平行に向けられた加熱ランプを有し、反応チャンバの下の群は、チャンバの短軸に沿って縦のガス流に対し垂直に向けられた加熱ランプを有する。
【0006】
ほとんどの従来のチャンバのように、両ランプ群は、それらのそれぞれの大きさで反応チャンバの全長に及ぶ。すなわち、上群のランプは、長い方の縦寸法に沿った向きにされ、上壁のほとんど又はすべてに及び又はそれを覆い、下群のランプは、短い方の横方向寸法に沿った向きにされ、下壁のほとんど又はすべてに及び又はそれを覆う。ランプの上群と下群の間の90度オフセットにより、放射の均一性が軸方向で改善される。
【0007】
追加の加熱ランプを設けて、加熱ランプの上群及び下群を補足することができる。例えば、特許文献3及び1では、加熱ランプの上群及び下群に加えて、反応チャンバ下の放射集束筐体に入れられた追加加熱ランプを有する低温壁反応器を記載している。これらの電球は普通、サセプタ軸まわりの中心に配置され、そうしないと直線状の加熱ランプを配置するのが困難であるために加熱できない領域である、サセプタ及び他の領域を加熱する役割を果たす。
【0008】
CVD反応チャンバ内で成長させ処理する製品の品質は、チャンバ内の状態、例えば、ウェハの温度プロファイル、ウェハの厚さ、ウェハの表面特性、ウェハ付近の処理ガスの組成及び温度などを監視し制御することによって利益を得る。可能ではあるが、このような監視を反応チャンバ内に置かれた計器によって実施することは、このような計器が、ほとんどの半導体処理中に反応チャンバ内で生じる高温及び過酷な雰囲気に耐える必要があるので望ましくない。
【0009】
そうではなく、計器が反応チャンバの外部に配置され、透明なチャンバ壁を通り抜ける放射に反応することによって内側の状態を監視することが好ましい。このような計測が知られている。例えば、内部温度をパイロメータによって外部で測定することができ、チャンバ内部の半導体ウェハの特性は、ウェハから反射される光により外部で測定することができ、チャンバ内部、例えば、半導体ウェハ付近のガスの特性は、チャンバを透過しウェハ近くを通る光のスペクトルを観測することによって外部で測定することができる。
【0010】
しかし、外部測定計器は、通常利用可能な加熱ランプの構造、例えば、上述した構造を使用して加熱される低温壁CVD反応チャンバと接続して使用することが、不可能ではないにしても困難である。簡単に言うと、これらの構造は、チャンバの縦方向及び横方向の大きさのほとんど又はすべてに広がり、それによってチャンバの各面のほとんど又はすべてを占有し埋める。通常に配置された加熱ランプでは、チャンバの内側を観測するための外部計器用の余地が残らない。
【0011】
本発明者らは、在来の加熱ランプの配置を用いる在来の低温壁CVD反応チャンバと結び付けて外部測定計器をどのようにして使用できるかを説明する従来技術の教示を知らない。しかし、外部測定計器を使用することは、チャンバの内側で起きる過程の定期的及び確固とした監視のために望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第6,167,834号明細書
【特許文献2】米国特許第4,828,224号明細書
【特許文献3】米国特許第4,836,138号明細書
【特許文献4】米国特許第5,221,556号明細書
【特許文献5】米国特許第6,093,252号明細書
【特許文献6】米国特許第6,143,079号明細書
【特許文献7】米国特許第6,465,761号明細書
【特許文献8】米国特許第7,173,216号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、モジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム及びその形成方法並びに独立機能モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一般に、本発明は、CVD反応チャンバ用の、特に、処理ガスが入口から水平に、成長するエピ層を越えて排気口まで通るように向けられたCVD反応チャンバ用の改善された筐体、及び例えば、加熱機能モジュール、計測機能モジュールなど、改善された付属機能モジュールを提供する。本発明のモジュール反応器筐体は、CVD反応器及び本発明の適切な付属機能モジュール(「反応器サブシステム」)と一緒に、個々のCVD処理に個別に適合されるように組み合わせて構成することができ、このような反応器サブシステムは、既知のサポートサブシステム(例えば、ガス搬送サブシステム)と組み合わせて、機能CVDシステムを形作ることができる。好ましいCVD反応チャンバは、広範囲の電磁(EM)放射を透過させる石英で少なくとも部分的に作られ、当技術分野で「低温壁」として知られる仕方で動作させ、好ましい構造には、少なくとも部分的に石英からなる壁を有する反応チャンバの内部の状態を外部で検知するための計測機能モジュールが含まれる。
【0015】
簡潔に言えば、本発明のモジュール式反応器筐体は、CVD反応チャンバと、付属の1つ又は複数のタイプの1つ又は複数の機能モジュールとを支持し保持できる(少なくとも)1つの機械的フレーム枠を形成するように寸法設定され構成される。筐体の機械的フレーム枠は、モジュールとチャンバの両方(一括して「支持されたモジュール」)を容易に置換え、配置換えすることができるようにCVD反応チャンバの外部の機能モジュールを支持する。筐体はまた、CVD反応チャンバ内で処理を確実に実施できるように、支持されたモジュールを、容易に置換え、配置換えすることが可能ではあるが十分に固定できるように保持する。好ましくは、本発明の反応器筐体は、本発明のある範囲の付属の機能モジュールをある範囲の市販のCVD反応チャンバと一緒に収容することができる。重要なことには、好ましい機能モジュール、例えば好ましい計測機能モジュールは、これらを構成するのに用いる石英反応器(比較的脆いことが多い)の機械加工又は変更を必要としない。
【0016】
本発明は、また、反応チャンバ外部の本発明の反応器筐体によってCVD反応チャンバと一緒に支持され保持される付属機能モジュールも含んでいる。機能モジュールは、一般的に、1つ又は複数のタイプの1つ又は複数のセンサを支持し保持する機械的フレーム枠を含んでいる。各機能モジュールの機械的フレーム枠は、機能モジュールを容易に設置し(例えば、筐体内に)、置き換え、保持し、解放できるようにするために、反応器筐体と協働するように寸法設定され構成され、したがって、反応器筐体のフレーム枠から構造的に独立しており、それと一体ではない。異なるタイプの別々の機能モジュールの各機械的フレーム枠は、単一の反応器筐体が、異なる機能タイプの機能モジュールの別々の構造を支持し保持できるように、共通して寸法設定され(例えば標準寸法に)、構成されることが好ましい。好ましいセンサは、反応器内側から反応器壁の透明部分を通り抜ける放射を測定することによって、反応チャンバ内部の状態に応答する。任意選択のセンサはまた、外部状態に応答することもできる。
【0017】
機能モジュールは、単一機能を提供することに限定されない。むしろ、本発明の機能モジュールは、いくつかの異なる機能、又はいくつかのタイプの単一機能をCVD反応チャンバ及び内部の近接部分に提供する多機能モジュールとすることができる。例えば、単機能モジュールは、また、加熱機能及び計測機能の両方をCVD反応チャンバ及び内側の近接部分に提供することもできる。
【0018】
より具体的には、本発明の好ましい実施形態では、典型的な水平流、低温壁のCVDチャンバと共に使用するように構成できる、改善されて融通性のある計測機能を可能にする。既知の低温壁反応チャンバは、少なくとも部分的に石英材料(又は他の透明材料)で構築されることが多く、したがって、石英壁を通り抜けて反応器に入る加熱ランプからの放射によって加熱することができる。有利なことに、チャンバの透明部分はまた、反応器から壁を通り抜けて外側に至るEM(電磁)放射に応答するセンサを使用して、チャンバ内部の状態を監視することも可能にできる。非常に有利ではあるが、このような外部監視は、以下の理由でこれまで可能ではなかった。すなわち、低温壁反応器は、従来、チャンバの水平壁に隣接する加熱ランプの固定群を支持する反応器筐体内に装着されており、このような加熱ランプの固定群は従来、チャンバ壁を遮断し阻止するように構築されており、それによって、外部センサでチャンバ内側を観測することが妨げられていた。
【0019】
この状況で、本発明の好ましい実施形態によって実現される改善は、一部には、在来の上部加熱ランプを除去し、その代わりに、上部チャンバ面の部分を反応チャンバの上にセンサでアクセスできるように配置することができる加熱機能モジュールの形で加熱ランプを設けるものとして見ることができる。例えば、本発明の一実施形態では、上部加熱要素は、反応器の動作及びその中で行われる処理を改善するように適切な場所に置くこと、取り外すこと、交換することなどができる複数の独立機能モジュールに分割し、配置することができる。好ましくは、反応器の上部面へのアクセスを簡単にするために、そのような加熱機能モジュール内の加熱要素(例えば、ランプ)は、従来技術で通常の固定上部要素のものと比較して90°(すなわち、ガス流に対し直角の方向に)回転させることができる。一般に、下部加熱要素は、上部加熱要素の配置換えによって失われるいかなる加熱能力も十二分に補償することができる。
【0020】
次にセンサが、上部加熱ランプによってもはや遮断されない領域に配置されて、好ましくは、エピ層を取り巻く領域を探査すること、又はエピ層自体を探査すること、又は他の領域を探査することができる。このようなセンサで可能になる計測の例には、それだけには限らないが、温度制御、ガス組成分析、エピ層厚さ、エピ層表面粗度などが含まれる。この計測データを使用して、チャンバを用いて行われる処理をより正確に制御し、最終的には改善された製品をもたらすことができる。
【0021】
任意選択で、下部加熱要素もまた加熱機能モジュールに入れることができ、その場合これは、処理ガス流に対し平行又は垂直に向けることができる。下部加熱要素のモジュール化ではさらに、センサでチャンバ下部面にアクセスすること(下部面の測定では一般に、重要度が小さいデータが得られるが)、入口及び出口の固定具付近に加熱要素を配置すること、例えばチャンバ又はチャンバ入口内部のプラズマを生成することによって、前駆体を追加又は改変することが可能になる。
【0022】
本発明では、また、本発明のモジュール式反応器筐体及び独立機能モジュールによって可能になる反応器サブシステムを構成する方法も提供する。一般に、構成には、反応器サブシステムと共に使用されるべき新しい機能モジュールを選択すること、及び選択された機能モジュールが支持されるべき場所を反応チャンバに沿って選択することが伴う。一般に、特定の場所に支持された1つの機能モジュールは、反応チャンバ及びその内側の近接部分に機能を提供し、いくつかの場所に支持された機能モジュールは、機能の空間的分布又はプロファイルを提供する。次に、選択された場所に現在支持されている、意図された新しい機能モジュールとは異なる機能モジュールがあれば取り外され、選択された機能モジュールが反応器筐体上の選択された位置に装着され支持される。このような構成は、反応器筐体又はCVD反応チャンバに対するどんな構造的改変もなしで実施することができる。一般的には、これは、定期的な保守を実施するよりも時間消費が多い、又は困難であることはない。
【0023】
反応器サブシステムが選択された処理用に構成されている場合、そのモジュール及び場所は、その選択された処理に適したチャンバ内で機能のプロファイル及び分布を実現するように選択されることが好ましい。例えば、選択された処理は、熱が特定の空間的分布又はプロファイルで反応チャンバに供給される場合に、最適に実施することができる。このような処理では、加熱機能モジュールが選択されなければならず、そのモジュールの位置は、特定の加熱プロファイルを実現するように選択されなければならない。同様に、チャンバ内のいくつかの場所でチャンバ内側のいくつかの特性を監視できる場合、また計測機能モジュール及び位置を、特定の測定分布又はプロファイルを実現するように選択することができる場合、選択された処理は最適に実施される。
【0024】
本発明は、また、互換性のある反応器筐体を構成するのに使用できる機能モジュールのキットも提供する。機能モジュール及び反応器筐体は、反応器サブシステムの容易な構成換え及び配置換えを可能にするために、本明細書に記載のように相互に構成し寸法設定することができる。例えば、新しい要件に対して遅れることなく反応器サブシステムを構成できるように、1つの設備にそのようなキットを蓄えることができる。
【0025】
より具体的には、一実施形態において、本発明は、モジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステムを提供し、これは、モジュール式反応器筐体と、反応器筐体によって支持されるCVD反応チャンバと、CVDチャンバの外側壁に隣接する反応器筐体によって支持されるが、そうでない場合には反応器筐体から構造的に独立している複数の独立機能モジュールとを含んでいる。各機能モジュールは、CVDチャンバ内で実行される処理に有用である1つ又は複数の機能をCVD反応チャンバ及びその内側の近接部分に提供する。反応器筐体及び機能モジュールは、反応器筐体によって少なくとも1つの機能モジュールを反応チャンバの外側壁に隣接する複数の別々の位置で支持できるように、相互に構成され寸法設定されることが好ましい。
【0026】
機能モジュールは、チャンバ内の処理ガス流に対し垂直の方向に向いた長寸法と、処理ガス流に対し平行な方向の短寸法とを有し、又はその逆に有することができる。機能モジュールは、反応器筐体から構造的に独立していて取外し可能である少なくとも1つのハウジングと、ハウジングによって支持されており、かつモジュールによって実施される機能を実現する、1つ又は複数の機能要素とを含むことが好ましい。モジュールハウジングによって支持された機能要素は、CVD反応チャンバ及びその内側の近接部分に熱を供給するための加熱要素を含むことができる。1つ又は複数の加熱要素は、反応チャンバの壁を少なくとも部分的に透過する放射を放出する輻射加熱要素とすることができる。複数の加熱機能モジュールは、CVDチャンバ内側に選択された加熱プロファイルを与えるように、対応する位置で反応器筐体によって支持することができる。
【0027】
モジュールハウジングによって支持された機能要素は、また、CVD反応チャンバ及び内側の近接部分の状態を測定するための1つ又は複数のセンサを含むこともできる。計測機能モジュールは、CVD反応チャンバ内部のガスの組成を、ガスを通して伝達される光のスペクトル特性を測定することによって決定するセンサ、CVD反応チャンバ内部の温度を反応チャンバ内から放出される放射を測定することによって決定するセンサ、反応チャンバ内の面の厚さを、面から反射される放射を測定することによって決定するセンサ、反応チャンバ内の面の粗度を、面から反射される放射を測定することによって決定するセンサ、又は当技術分野で知られている他のセンサなど、多種多様なセンサを含むことができる。複数の計測機能モジュールは、CVDチャンバ内側の複数の別々の位置の選択された状態を測定するように、対応する位置で反応器筐体によって支持することができる。
【0028】
他の実施形態では、本発明は、本発明のモジュール式CVD反応器サブシステム(前の実施形態のモジュール式CVD反応器サブシステムなど)の構成方法を提供する。提供された方法によれば、まず1つ又は複数の独立機能モジュールが選択され、選択された機能モジュールごとに、CVDチャンバ及び内側の対応する部分が選択され、次に、CVDチャンバ及び内側の選択された部分に近接した反応器筐体によって支持される任意の機能モジュールが取り外され、最後に、選択された各機能モジュールが、その機能モジュール用に選択されたCVD反応チャンバ及びその内側の対応する部分に近接した、CVDチャンバの外側壁に隣接する反応器筐体上に支持される。特定の位置に近接する反応器筐体によってすでに支持されている機能モジュールは、それが、その特定の位置に近接して装着されるべく選択されたモジュールによって提供される機能と類似の機能を提供する場合には、取り外す必要がない。
【0029】
選択された機能モジュールは、CVD反応チャンバ及び内側に熱を供給するための1つもしくは複数の加熱機能モジュール、又はCVD反応チャンバの内側の選択された状態を測定するための1つもしくは複数の計測機能モジュール、又は他のタイプの機能モジュールを含むことができる。CVD反応チャンバ及び内側の対応する部分は、選ばれた対応部分に加熱機能モジュールが近接して装着される場合、好ましい加熱プロファイルに従って熱がCVD反応チャンバ及び内側に供給されるように、選択された加熱機能モジュールに対して選ぶことができる。同様に、CVD反応チャンバ及び内側の対応する部分は、選択された対応部分に近接して計測機能モジュールが装着される場合、好ましい測定プロファイルに従ってCVDチャンバの内側の測定が行われるように、選択された計測モジュールに対して選ぶことができる。好ましくは、加熱プロファイル及び計測プロファイルは、実施されるべき特定のCVD処理に応じて決定される。
【0030】
本発明は、また、本発明の構成方法(前の実施形態の構成方法など)により構成される本発明のモジュール式CVD反応器サブシステムも提供する。
【0031】
他の一実施形態では、本発明は、本発明のモジュール式CVD反応器サブシステムを構成し、構成換えするために使用することができる1つ又は複数の独立機能モジュール、及び独立機能モジュールのキットを提供する。独立機能モジュールは、反応器筐体から構造的に独立していてそれから取外し可能である少なくとも1つのハウジングと、機能モジュールハウジングによって支持される1つ又は複数の機能要素とを含むことが好ましい。独立機能モジュール及びモジュール式反応器筐体は、機能モジュールを反応チャンバの外側壁に隣接する反応器筐体によって複数の別々の位置で支持できるように、相互に構成され寸法設定されることが好ましい。また、独立機能モジュールは、反応チャンバの外側壁に隣接する特定の位置で支持される場合、CVDチャンバ内で実行される処理に有用である1つ又は複数の機能をCVD反応チャンバ及び内側の近接部分に提供する。
【0032】
機能要素は、CVD反応チャンバ及び内側の近接部分に熱を供給する加熱要素と、CVD反応チャンバ及び内側の近接部分の状態を測定するセンサ要素とを含むことができる。計測機能モジュールは、ガス組成センサ、表面特性センサ、温度センサ、及び当技術分野で知られている他のセンサなど、多種多様なセンサを含むことができる。
【0033】
単機能モジュール(single function)は、また、加熱機能及び計測機能(heating and metrology function)の両方を提供する機能モジュールのように、いくつかの異なる機能を提供することもできる。
【0034】
本明細書では、小見出しは単に明確にするために、何も限定を意図せずに使用される。本明細書ではいくつかの参考文献が引用され、その全開示が、あらゆる目的のための参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。さらに、引用された参考文献のどれも、上記でどのように特徴付けられたかにかかわらず、本明細書で主張される主題の本発明に先行すると認められない。本発明の要素のさらなる態様、詳細及び代替の組合せは、以下の詳細な説明から明らかになるであろうし、また本発明者の発明の範囲内にある。
【0035】
本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明、本発明の特定の実施形態についての説明的な例、及び添付の図を参照することによって、本発明はより完全に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】固定加熱要素を用いる例示的な従来技術による反応器筐体を示す図である。
【図2A】種々の加熱機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図である。
【図2B】種々の加熱機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図である。
【図2C】種々の加熱機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図である。
【図3A】種々の加熱機能モジュール及び種々の計測機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図である。
【図3B】種々の加熱機能モジュール及び種々の計測機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図である。
【図4A】本発明の機能モジュールの細部を概略的に示す図である。
【図4B】本発明の機能モジュールの細部を概略的に示す図である。
【図4C】本発明の機能モジュールの細部を概略的に示す図である。
【図5A】本発明の機能モジュールの細部を概略的に示す図である。
【図5B】本発明の機能モジュールの細部を概略的に示す図である。
【図6】本発明の機能モジュール、及び在来の反応チャンバを用いる本発明の反応器筐体の横断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
次に、本発明のモジュール式構成換え可能反応器筐体の好ましい諸実施形態を説明する。しかし、そうする前に在来の、従来技術による反応器筐体についての簡単な説明をする。
【0038】
図1は、固定加熱要素を用いる例示的な従来技術による反応器筐体を示す図で、説明を目的として提示された在来の、従来技術による反応器筐体の関連する態様の概略平面図であり、いかなる特定の従来技術による反応器筐体も、いかなる特定の従来技術による反応チャンバも、必ずしも技術的に正確に表すものではない。反応器筐体又はハウジング101は、CVD反応チャンバ103を支持かつ保持し、このCVD反応チャンバは、通常は透明な石英からなり、半導体ウェハ(エピ層)を支えるサセプタ105、及びサセプタの温度安定性を改善するサセプタ制御板107などの通常の構成要素を内部に含む。処理ガスが、所望のパターンのガス流を生成するように構築された単数又は複数の入口109を通って反応チャンバ103に入る。次に、ガスは、サセプタ105上の1つ又は複数のエピ層を越えて流れ、そこで反応して材料を堆積し、又はエピ層を処理し、その後、排気口111を通ってチャンバを出る。
【0039】
図1は、また、サセプタ及びエピ層を処理温度(例えば1000℃以上)まで加熱する輻射加熱要素113及び115も示している。例えば、加熱ランプなどの輻射加熱要素からの赤外線輻射は、吸収をほとんど伴わずに反応チャンバ壁を透過して、チャンバ内部の構成要素で吸収され、それによって構成要素を加熱する。石英チャンバ壁は、直接加熱された内部構成要素によって間接的に加熱されるのがせいぜいであるので、比較的低温のままである(したがって、このような構造は「低温壁」として知られる)。輻射加熱要素には、抵抗フィラメント、光放出固体構造物(例えば、特許文献8参照)、又は他の放射デバイスを用いる在来のランプを含めることができる。放射加熱要素はまた、複合導電加熱要素とすることもできる。
【0040】
加熱要素は、ここで図示されているように、反応器筐体101の壁に恒久的に取り付けられる固定具、ソケット、又は同様なもの(図示せず)の間に延びることが多い。加熱要素固定具は、反応器の内部構成要素、例えばサセプタ105の上面を加熱するために、いくつかの加熱要素である要素113が反応器筐体101内で反応チャンバ103の上に置かれるように(上の群)構成され配置されることが多い。さらなる加熱要素固定具が、内部構成要素の下面を加熱するために、追加の加熱要素である要素115が反応器筐体内で反応チャンバの下に置かれるように(下の群)構成され配置されることが多い。加熱要素の上の群と下の群は、互いに垂直に向けられることが多く、上の群は通常、(従来技術では)長い方の縦軸(この軸に沿って処理ガスが入口から排気口まで流れる)に沿った向きにされて、より均一な加熱を行う。以下では、意図的な限定なしで、放射加熱要素は「加熱ランプ」とも呼ばれるが、加熱ランプは、放射加熱要素のうちの単なる一種類として知られている。
【0041】
本発明に移ると、上述したものなどの既知の、従来技術による反応器筐体と比較してモジュール性が改善され、能力が改善され、融通性が改善された新規の反応器筐体が提供されている。本発明の好ましい諸実施形態では、加熱要素は、反応器筐体それ自体によっては支持されていないが、代わりに、本明細書で「加熱機能モジュール」と呼ばれる1つ又は複数の個別モジュール内に支持され、これらモジュールは、反応器筐体によって支持され保持される。好ましい諸実施形態では、本発明はまた、加熱以外の機能を有する個別モジュール、例えば計測機能を提供する個別モジュールも含んでいる。機能モジュールは、単一機能を提供することに限定されずに、多機能モジュールとすることができ、これは、いくつかの異なる機能、又はいくつかのタイプの単一機能をCVD反応チャンバの近接部分及び内側に提供する。
【0042】
その場合、反応器筐体は、1つ又は複数の計測機能モジュール、ならびに1つ又は複数の加熱機能モジュールを用いて構成することができる。それぞれ異なる機能タイプの機能モジュールの独立性及びモジュール性の故に、単一の反応器筐体はまた、それぞれ異なるタイプの、個数が異なる機能モジュールを異なる時間に異なる配置で支持し保持することもできる。これらの能力は、反応器筐体及び独立機能モジュールが、例えば標準サイズであること、及び標準的で逆にできる取付け手段を有することによって物理的に互換性があるように設計されるので、実現可能になる。
【0043】
本発明の上記その他の特徴についての説明は、以下で、反応器筐体によって支持され保持される現在の個数の、現在のタイプの機能モジュールを指す「構造(configuration)」という用語を使用することによって、また反応器筐体内の機能モジュールの現在の物理的レイアウトを指す「配置(arrangement)」という用語を使用することによって簡単になる。それゆえに、単一の反応器筐体は、異なる時間に別々の構造(例えば、それぞれ異なる個数及びタイプ)の機能モジュールを有することができ、単一の構造を用いる単一の反応器筐体は、異なる時間に別々の配置(例えば、それぞれ異なる設置又はレイアウト)の機能モジュールを有することができる。
【0044】
さらに、「支持する(support)」という用語は、要素を重力などに対抗して支持することを指すのに使用され、「保持する(retain)」という用語は、CVD処理を実施できるように要素を十分に固定された位置に保つことを指すのに使用される。機能モジュールは、(説明する)支持手段(保持手段としても働くことができる)を一実施形態で設けることによって支持される。いくつかの実施形態では、機能モジュールは、支持することによって簡単に保持することができるが、他の実施形態では、(説明する)保持手段(支持手段としても働くことができる)が設けられる。さらに、「全長」という用語は、構造物の長寸法を指すのに一般に使用され、「幅」という用語は、構造物の短寸法を指すのに一般に使用される。「縦」方向は一般に、チャンバ内のガス流の方向に沿った(又は平行の)方向であり、「横」方向は一般に、チャンバ内のガス流の方向に直角の方向である。構造物の全長は、縦又は横の長さとすることができ、その場合の幅は、それぞれ横又は縦の長さになる。
【0045】
本発明の好ましい諸実施形態の上記その他の態様を次に、図2A乃至図6を参照してより詳細に説明する。一般に、これらの図は、在来の石英CVD反応チャンバ203、303及び609それぞれを、すべてサセプタ、制御板、入口及び排気口などの在来の内部構成要素と共に支持し保持する本発明の反応器筐体201、301、及び603を示す。しかし、すべての図に関して、示された機能モジュール、示されたCVD反応チャンバ、示された装備及び構成要素などは限定的でないことを理解されたい。示されていない他の実施形態は、他の機能モジュール、他の反応チャンバ、他の装備及び構成要素などを含むことができる。反応チャンバの細部は本発明の重要な部分ではなく、図1に関連してすでに説明した以上にはさらに説明しない。また、各図は、例えば、配線、プラグ及びソケット、機械的付属品など、当業者であれば直ちに用意し構成できるであろう常用の構成要素を示していない。
【0046】
本発明の好ましい諸実施形態は、加熱機能モジュールを含み、特に、単一の反応器筐体が、それぞれ異なる加熱機能モジュールからなるいくつかの異なる構造をいくつかの異なる配置で収容できるように構成された加熱機能モジュールを含んでいる。それゆえに、図2A乃至図2Cは、異なる個数のそれぞれ異なる例示的加熱機能モジュールからなる3つの例示的構造による単一の反応器筐体を示している。
【0047】
全体的に、図2A乃至図2Cは、加熱要素が、反応器筐体内で簡単に配置及び配置換えができる個別モジュールである加熱機能モジュールの中に支持され保持されることを示している。これらの図は、また、加熱機能モジュールが、異なる個数、例えば、2、3、4、5又は6個の加熱要素を有しうることも示す。加熱要素は、ここでは似ている直線状の加熱ランプとして示されているが、加熱機能モジュールは、他のタイプの加熱要素を備えることができる。すなわち、単一の加熱機能モジュールは、異なるタイプの、又はタイプの組合せの加熱要素を備えることができ、単一の反応器は、異なるタイプの加熱要素を有する加熱機能モジュールで構成することができる。特定の反応器筐体と一緒に使用される加熱機能モジュールのタイプ、個数及び配置は、密閉されるCVD反応チャンバ内で行われるべき処理に適したチャンバ加熱のプロファイルが得られるように選択されることが好ましい。単一の反応器筐体は、チャンバ内で行われうる様々な処理に適するように選択された様々な加熱プロファイルを実現する様々な構造及び配置の加熱機能モジュールを有することができる。
【0048】
より詳細には、図2A及び2Bは、上部(CVD反応チャンバの上)加熱機能モジュールが、好ましくはチャンバの長軸に対して(すなわち、処理ガス流の方向に対して)横向きにされ、チャンバの幅と匹敵する長さを有し、チャンバの全長の一部しかない幅を有することを示す。加熱要素は、加熱機能モジュール内で個々の加熱要素の特徴に対応するように配置することができる。すなわち、加熱ランプは、横向きにされた加熱機能モジュール内で横向きにも縦向きにもすることができるが、横向きが好ましい。
【0049】
図2Aは、種々の加熱機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図で、4つの加熱機能モジュールであるモジュール221a、221b、221c及び221dを用いて構成された反応器筐体を概略的に示し、加熱機能モジュールはすべて、4つの加熱要素を有し、筐体201の上部分の反応チャンバ203の上に配置される。加熱要素は、例えば、フィラメントを有する加熱ランプ、LEDアレイなど既知の加熱要素から選択することができる。各モジュール及びそれらの加熱要素は、すべて横向きにされる(ガス流に対してもチャンバ203の長軸に対しても)。任意選択の機器、例えば縦方向加熱要素が反応チャンバ203の下に存在することができるが、この図ではそのような機器は示されていない。示された各加熱機能モジュールは、ここでは点線で輪郭が表されているハウジングと、加熱要素を保持するためにハウジング上に装着された、例えばプラグ、ソケットなどの固定具(図示せず)と、クロスハッチングで示された、例えば加熱ランプ215である4つの加熱要素とを備える。電気ケーブルなどの必要な装備は常用であり、したがって示されていない。
【0050】
図2Bは、種々の加熱機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図で、4つの加熱機能モジュールのうちの2つ、モジュール223a及び223bが、例えば加熱ランプ215である3つの加熱要素を有する一方で、他の2つの加熱機能モジュール、モジュール223C及び223dが4つの加熱機能要素を有すること以外は、図2Aと同様である。この構成は、反応チャンバの中央領域に対しては加熱が増大されるが、反応チャンバの上流及び下流の領域に対しては加熱が少ない加熱プロファイルを実現するのに有利である。4つの加熱機能モジュールすべての縦方向の幅がほぼ等しいので、反応器筐体は、これら3つ又は4つの要素モジュールの組合せを用い、縦方向のガス流に沿って任意の配置で構成することができる。
【0051】
図2Cは、種々の加熱機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図で、加熱機能モジュールはまた、チャンバの長軸(すなわち処理ガス流の方向)に対し平行な縦向きにすることもでき、チャンバの全長と匹敵する長さを有し、チャンバの幅の一部しかない幅を有することを示している。下部(CVD反応チャンバの下)の加熱機能モジュールは、長軸に沿った向きにされることが好ましい。特定の実施形態では、下部の加熱要素は、加熱機能モジュール内に保持できないが、反応チャンバに固定することはできる。しかし、下部(及び上部)の加熱要素のモジュール化は、例えば、加熱機能モジュールを入口及び排気口の固定具周りで適切な場所に置くこと、上部加熱機能モジュールによって行われる加熱を補足するように加熱機能モジュールを適切な場所に置くこと、サセプタを付加的に加熱するように加熱機能モジュールを適切な場所に置くこと、反応チャンバ下の加熱機能モジュールと一緒に付加機能付きモジュールを適切な場所に置くことなど、融通を利かせて適切な場所に置くことを可能にするのに有利である。
【0052】
より詳細には、図2Cは、反応チャンバ203の下に置かれた縦向きの加熱機能モジュール225a及び225bによる構成を示している。このような機器には、前駆体入口又はサセプタを伴うことが多い。両方のモジュールが、これらのモジュールの縦方向端部の各固定具(固定具、配線などは図示せず)の間に延びる3つの縦向き加熱要素、例えば、加熱ランプ227を有する。例えば、横方向加熱要素である任意選択の機器は、反応チャンバ203の上に存在することができるが、ここではそのような機器は示されていない。モジュール225a及び225bは、他の機器、例えば、サセプタ、反応チャンバの下面に入るガスなどを伴った機器用にあいている、中央の縦向きの領域217を残すように適切な場所に置かれる。
【0053】
本発明の好ましい諸実施形態はまた、多様なタイプの機能モジュールも含み、これには例えば、高周波エネルギーを与えてプラズマを生成することなどによって例えばエネルギーを印加して前駆体を活性化することで、反応チャンバに流れ込む前駆体を処理するモジュール、又はある構成においてプレースホルダとして働く機能がないモジュールが含まれる。加熱機能モジュールのように、特定の反応器筐体と一緒に使用されるそのような他のモジュールのタイプ、個数、機能及び配置は、密閉されたCVD反応チャンバ内で行われるべき処理を考慮して選択されることが好ましい。
【0054】
反応器サブシステム構造には、進行しているCVD処理の間に内部のチャンバ状態及びエピ層状態を特徴付けするための外部センサを有する、1つ又は複数の計測機能モジュールが含まれることが好ましい。計測機能モジュールは、CVD反応チャンバ内の単一の場所、又はいくつかの近接する場所において、単一のパラメータ又はいくつかのパラメータに応答することができる。いくつかの計測機能モジュールは、反応チャンバ内のより広く間隔をあけた場所のパラメータに対し本来の位置に感応するように、外部のそれぞれ異なる場所で構成することができる。計測機能モジュールが、チャンバの石英透明壁を通して反応チャンバの内部の状態を観測するチャンバ外部のセンサを含むことに特に注目されたい。それによって、反応チャンバは、計測機能モジュールを収容するために何らか改変する必要がない。チャンバの石英透明壁は、EM放射プローブの散乱を防止するために十分に平坦化されることが好ましい。計測機能モジュールは、チャンバの改変に伴っても直ちに配置換え、構成換え、又は取替えをすることができる。
【0055】
図3A及び図3Bは、計測機能モジュールと加熱機能モジュールの両方を含む例示的な構造を用いた反応器筐体を示している。ここでは単機能モジュールが示されているが、機能モジュールは単機能を提供することに限定されず、いくつかの異なる機能を提供することができ、例えば1つの単機能モジュールが、CVD反応チャンバの近接部分及び内側に加熱機能と計測機能の両方を提供することができる。
【0056】
図3Aは、種々の加熱機能モジュール及び種々の計測機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図で、主に温度に応答する単一の計測機能モジュール(例えば、モジュール311)と、主にエピ層計測パラメータに応答する2つの計測機能モジュール(例えば、モジュール309a及び309b)とを示している。
【0057】
図3Bは、種々の加熱機能モジュール及び種々の計測機能モジュールを用いる本発明の実施形態を示す図で、単一のパラメータに応答する計測機能モジュール(例えば、モジュール317d)、2つのパラメータに応答する計測機能モジュール(例えば、モジュール317a)、及び3つのパラメータに応答する計測機能モジュール(例えば、モジュール317b)を示している。また、モジュール317aは、反応チャンバの幅の全体にわたって単一のパラメータの分布に応答するセンサ319も有する。計測機能モジュールは、エピ層のところ、及びその上のパラメータが普通もっとも有用であるので、普通には反応チャンバの上に構成される。あるいは、これらを反応チャンバの下で構成することもできる。
【0058】
より詳細には、図3Aは、2つの横向き加熱機能モジュール307a及び307bと、3つの縦向き計測機能モジュール309a、311及び309bとを用いて構成された本発明の反応器筐体を示す。2つの加熱機能モジュールは、図2A及び図2Bに関連して説明した加熱機能モジュールと類似でありうる。3つの計測機能モジュールは、サセプタ上に支持されたエピ層のところ、又はその近くの状態に応答するように、サセプタの上(すなわち反応チャンバの中央領域)に装着される。具象的にするために、この図は、主に温度に応答する中央寄りのモジュール311を、主に他の計測機能、例えばエピ層の厚さ及び粗度に応答する隣接の2つの周辺寄りのモジュール309a及び309bと共に示す。計測機能モジュールは、(他の機能モジュールと同様に)ここでは破線で示されたハウジングを備える(加熱機能モジュールのハウジングは、再度点線で示されている)。
【0059】
図3Bは、他の実現可能なモジュールの構造を示している。図3Aと比較すると、2つの周辺寄りの計測機能モジュールが、サセプタの上流及び下流に配置換えされている。すなわち、計測モジュール317aは、成長するエピ層での反応の前に状態を検知するために反応チャンバへの入口近くに配置され、計測機能モジュール317dは、エピ層での反応後の状態を検知するために出口近くに配置されている。計測機能モジュール317bは、成長するエピ層及びサセプタでの状態を検知するために、サセプタの上に存続する。サセプタと比較して縦方向の範囲が限られているが、中央のモジュール317bは、サセプタが動作中に回転するので実際にはサセプタ(及びエピ層)表面全体にわたって状態を測定することができる。さらに図3Aと比較すると、反応チャンバの上部面の上のこの代替計測モジュール構成用の空間は、その前の構成で使用された2つの5要素加熱機能モジュールを、本構成で使用されている1つの2要素加熱機能モジュール及び2つの4要素加熱機能モジュールで置き換えることによって、利用可能になっている。
【0060】
モジュール317Cは、機能がない、又は少なくとも現在の構成では使用される機能がない空モジュールである。これは、単に空間詰め物として機能する。というのは、この配置では、反応器のサセプタ下流の部分が小さな強度で加熱されることが望ましいからである。このような空間詰め物モジュールはまた、他の機能モジュールをそれらの予定された位置に保持することの支援ができるプレースホルダとしての役割を果たすこともできる。
【0061】
本発明の好ましい実施形態では、独立機能モジュール及び反応器筐体は、反応器筐体が複数の機能モジュールの様々な構造及び配置を収容できるように、かつ1つの機能モジュールを様々な構造及び配置で、かつ任意選択で様々な反応器筐体と共に、使用できるように構築され寸法設定されて一緒に協働する。このように、互いに機能モジュールを交換できること、また1つの機能モジュールを様々な反応器筐体と共に使用できることは、融通性及び経済性をもたらす。本発明の単一の反応器サブシステム(例えば、CVD反応チャンバ及び機能モジュールを伴う反応器筐体)は、チャンバ内で行われる様々なCVD処理の必要に融通を利かせて適応させることができ、それによって、新しい反応器サブシステムを購入する代わりに、既存の反応器サブシステムを再使用し構成換えすることが可能になる。
【0062】
次に、好ましい加熱機能モジュールについてより詳細に説明し、その後さらに、好ましい計測機能モジュール及びセンサについて説明する。最後に、好ましい反応器筐体についてより詳細に説明する。
【0063】
まず好ましい機能モジュールの特徴に移ると、機能モジュールの容易な構成換え又は配置換えは、機能モジュールを特定の標準的サイズで、取外し及び取替えができ再使用可能な装着手段と共に設計することによって促進される。例示的な一実施形態では、機能モジュールのサイズは、反応チャンバ又は反応器筐体の関連するサイズのおよそ単分数になるように選択することができる。「単分数」という用語は、2分の1、3分の1、4分の1、6分の1などの分数を、それらの小さな整数の倍数、例えば3分の2、4分の3などと一緒に含む。反応器筐体の全長のそのような単分数として選択された縦方向幅である横向きの機能モジュールは、反応器筐体の全長に沿って容易に配置することができる。例えば、2分の1幅の1つのモジュールは、4分の1幅の2つのモジュールと一緒に容易に配置することなどができる。同様に、反応器筐体の幅のそのような単分数として選択された横方向幅である縦向きの機能モジュールは、反応器筐体の幅の全体にわたって容易に配置することができる。
【0064】
例えば、図2Aは、密閉されたCVD反応チャンバ203の全長のおよそ4分の1の幅をそれぞれが有する、4つの横向きの加熱機能モジュールであるモジュール221a〜dを示している。これらのモジュールのいずれか又はすべてを容易に配置換えができること、又はチャンバ全長のやはりおよそ4分の1の幅を有する他の機能モジュールで容易に置換えができることは明らかである。さらに、これら4分の1幅の機能モジュールの1つは、チャンバ又は筐体の全長のおよそ8分の1の幅を有する2つの機能モジュールで置き換えることができ、又は2つのそのような4分の1幅の機能モジュールは、チャンバ又は筐体の全長のおよそ2分の1の幅を有する単一のモジュールで置き換えることができる。
【0065】
同様に、図2Cは、密閉されたCVD反応チャンバ203の幅のおよそ3分の1の幅をそれぞれが有する、2つの縦向きの加熱機能モジュールであるモジュール225a〜bを示す。これら2つのモジュールは、やはり反応チャンバの幅のおよそ3分の1である占有されていない縦向き領域217を残している。これらのモジュール及び占有されていない領域のいずれか又はすべてを容易に置き換えることができ、又は、やはりチャンバの幅(又は関連する幅)のおよそ3分の1である他の機能モジュール(加熱又は他の機能がある)又は占領されていない領域でやはり容易に置換えができることは明らかである。
【0066】
機能モジュールは、また、モジュールが反応器筐体内に容易に入れられ保持されること、筐体内で配置換えされること、筐体から取り外されることなどを可能にする装着手段を用いて構成されることも好ましい。このような装着手段には、当技術分野でよく知られているねじ、クリップなどが含まれうる。このような装着手段にはまた、やはり当技術分野でよく知られている突起、隆起、ガイドなどが含まれることもあり、これらは場合により、機能モジュールを支持するように反応器筐体内に形作られた対応する構造物と結合する。1つ又は複数の機能モジュールを筐体内に、例えばスポット溶接、ボルトなどによって半恒久的、又は恒久的にしっかり留めることができることは、それほど好ましくない。このように装着すると、機能モジュールを反応器筐体内で容易に構成換え又は配置換えする能力が低減する。
【0067】
図3A及び図3Bは、また、機能モジュールを、反応器筐体内の分離サポート部材305上にそれらを置くことによって、装着できることを示す。機能モジュールは、単にそれらの重量などによってそのようなサポート部材上の適切な位置に保持することができ、あるいは、サポート部材は、いくつかのあらかじめ選択された位置の1つに機能モジュールを案内する表面の装備を含むこともできる。サポート部材は、機能モジュールもまた反応チャンバの下、反応チャンバの上、又は両方に位置づけできるように構築し寸法設定することができる。サポート部材は、反応器筐体に使用されるもの、又は反応チャンバに使用されるものと同じ材料、又は他の材料を含むことができる。図示のサポート部材305はU字形を有するが、代替サポート部材は長方形を有することができ、又は反応器筐体の縁部に沿って伸びる平行の分離したサポートバーを備えることができる。
【0068】
次に、機能モジュールの付加的及びより具体的な特徴を図4A乃至図4C(例示的な加熱機能モジュールを示す)、及び図5A及び図5B(例示的な計測機能モジュールを示す)を参照して示している。一般に、これらの図は、機能モジュールが例えば加熱要素、センサなどの機能構成要素と、機能構成要素を支持し保持するための手段を伴うハウジングとを備えることができることを示す。機能モジュールハウジングは、説明したように1つ又は複数の筐体と協働するように構築され寸法設定されるが、モジュールハウジングは、構造的に反応器筐体から独立しており、それと一体ではない。例えば、これらは、反応器筐体の改変なしで別々かつ個々に取り外し、置き換えることができる。ハウジングは、ここでは黒い実線で概略的に示され、図2A乃至図2Cでは短い破線で、図3A及び図3Bでは、短い破線及び長い破線でやはり概略的に示されている。機能構成要素を支持し保持する手段は普通、個々の機能構成要素の細目によって決まる。
【0069】
図4Aは、例示的な加熱機能モジュール401の平面図を示し、図4B及び図4Cは、それぞれこのモジュールの横断面図及び縦断面図を示している。モジュール401は、太い暗線で示したハウジングと、加熱要素を支持かつ保持し、加熱要素に対する電気的接続を行うための、当技術分野で知られた例えばプラグやソケットなどの加熱要素固定具405とを備える。このような各加熱機能モジュールは、1つ又は複数の加熱要素403を用いて構成することができる。ここでは、モジュール401は、N個の加熱要素である要素El 1、El 2、...El N−1、及びEl Nで完全に埋められて示されている。放射加熱要素は、在来の抵抗フィラメント(ここで提案されるような)を含むことができ、また固体要素(例えば、特許文献8参照)又は他の能動構成要素を含むこともできる。
【0070】
図5Aは、本発明の機能モジュールの細部を概略的に示す図で、例示的な横向き計測機能モジュールの平面図及び横断面図をより詳細に示している。一般に、計測機能モジュールは、ハウジング、1つ又は複数のセンサ用保持手段、及び1つ又は複数のセンサを備える。計測機能モジュールは、固定構造を有して、あらかじめ選択された固定数のセンサを固定配置で支持し保持することができ、又はモジュール式の融通の利く構成を有して、可変数の異なるセンサを可変配置で支持し保持することができる。センサ保持手段は、あらかじめ選択されたタイプの固定センサを実現することができ、又は様々なタイプのセンサが取り外され置き換えられることを(例えば、定期的な保守時に)可能にできる。センサは、単一のセンサハウジング又はパッケージ内に構成することができ(単一構成要素センサ)、又は2つの分離したセンサハウジング又はパッケージ内に構成することができ(二構成要素センサ)、又は他のタイプとすることができる。一般的には、単一構成要素センサは温度センサ、反射率センサなどを含み、二構成要素センサはガス組成センサ、反応チャンバ壁堆積物センサなどを含む。
【0071】
図示の計測機能モジュールは、ハウジング501(太い暗線で概略的に示す)、単一構成要素センサを保持する複数の保持手段503、及び二構成要素センサを保持する単一の保持手段505a及び505bを有する。ここで図示した保持手段の個数及びタイプは説明的なものである。このモジュールは、いずれのセンサによってもまだ埋められていない。図5Bは、実際のセンサによって完全に埋められていること以外は図5Aのモジュールと類似である計測機能モジュール511を断面図で示す。ここで単一構成要素センサ用の複数の保持手段は、どんな配置においても同じタイプ又は異なるタイプとすることができる単一構成要素センサ509をしっかり留めて保持する。ここで2つの分離された部片(図5Aで505a及び505b)を備える単一の保持手段は、構成要素507a及び507bを有する単一の二構成要素センサをしっかり留めて保持する。
【0072】
計測機能モジュールの付加的な細部は、計測モジュール317a、317b及び317dについて図3A〜Bに示してある。ここで符号319、321及び323は、単一構成要素センサを装着する手段を表し、符号325は、二構成要素センサを装着する手段を表す。計測機能モジュール317aは、1つの二構成要素ガス組成センサ、及びいくつかの単一構成要素温度センサ319でハウジングを埋めることによって、入ってくる前駆体ガスの特性を測定するように適合されている。計測機能モジュール317dは、1つの二構成要素ガス組成センサだけで同じ又は別のハウジングを埋めることによって、排気ガスの特性を測定するように適合されている。計測機能モジュール317bは、1つの二構成要素ガス組成センサ、いくつかの単一構成要素温度センサ321、及びいくつかの単一構成要素反射率センサ323でさらなるハウジングを埋めることによって、サセプタにおける特性を測定するように適合されている。
【0073】
計測機能モジュールは、温度に応答する1つ又は複数のセンサ、チャンバ内部で反射される放射に応答する複数のセンサ、チャンバ内のガス組成に応答する複数のセンサを備えることが好ましい。これらの好ましいセンサは半導体処理で重要であるが、本発明はこれらのセンサタイプに限定されない。当業者は、他の有用なセンサについて知っているであろうし、本明細書の説明を考慮して、本発明の計測機能モジュールにそのような他のセンサを使用することができよう。次に、図6を特に参照して、好ましいセンサの動作及び利用について説明する。
【0074】
図6は、本発明の機能モジュール、及び在来の反応チャンバを用いる本発明の反応器筐体の横断面を示す図である。まず温度センサを考察すると、これらのセンサは一般に、より高品質の製品を製造できるようにCVD処理時の温度を制御するのに有用であり有益である。しかし、多くの現在の温度センサ、特に反応チャンバ内でウェハ領域の下及び領域中に位置する熱電対(TC)に依拠するものは、例えば、遅く伝導される熱にしか応答しないことにより遅い応答時間、チャンバの内部にあり過酷な内側の状態にさらされることにより限定された信頼性を含む、既知の欠点を有する。
【0075】
本発明の温度センサはそうではなく、CVDチャンバの外部にあり、チャンバの壁を透過する熱放射に応答する。それによって本発明の温度センサは、高い信頼性及び迅速な応答時間を有する。より具体的には、好ましい温度センサ、例えばセンサ627(図6)は、パイロメータを備える単一構成要素センサであり、このパイロメータは、反応チャンバ内側の例えばエピ層表面の温度を、その表面から放出される熱放射629に応答することによって測定する(反応チャンバ壁の石英は、関連する熱放射に対し十分に透過性である)。計測機能モジュール上に装着される本発明の温度センサは、反応チャンバ内のいろいろな場所の温度を測定するように容易に配置することができる。
【0076】
次に、反射センサを考察すると、成長するエピ層から反射される放射は、例えばエピ層の厚さ及び表面粗度に関する情報を搬送する。それによって、成長するエピ層からCVDチャンバの外側へと反射される放射に応答する反射センサは、厚さ及び粗度の情報をもたらすことができる。厚さ情報により、エピ層の成長速度を表示することができ、粗度情報により、成長プロセスの特性を表示することができる。例として、特定の材料、例えばGaNは、反射率が低い不規則な表面が生じる三次元成長モード、又は反射率が高い十分に平滑な表面が生じる二次元ステップフロー成長モードのどちらかで成長する可能性がある。それゆえに反射率情報は、より高品質の製品が得られるようにGaNプロセス及び類似のプロセスを制御するのに使用することができる。このようなセンサはまた、新規又は改変プロセスの開発に使用することもできる。
【0077】
本発明の反射率センサ、例えば、単一構成要素センサ623は、反応チャンバ内で各表面から反射された放射、例えば放射625の光学的特性を測定するように選択され、入射する放射は、センサと関連付けられた放射源から少なくとも一部は発生することが好ましい。このようなセンサは、可視放射に応答でき、ある表面に集束される光源、及び光ファイバ束を伴うプローブを含むことができる。他のセンサと同様に、反射率センサは、チャンバ内で過酷な状態にさらされないように計測機能モジュール上に装着され、CVD反応チャンバに対して融通を利かせて配置することができる。
【0078】
最後に、ガス組成センサを考察すると、反応チャンバ内のガス組成についての知識は、いくつかの目的に対して有用であり有益である。例えば、CVD処理の過程中にエピ層表面で反応するガスの組成についての知識は、前駆体ガス流量の制御の改善に使用することができる。また、チャンバ洗浄中にチャンバを出て行くガスの組成についての知識は、チャンバ内側からの望ましくない残留物の気相洗浄を自動的に監視するのに使用することもできる。しかし、ガス組成は、正確に測定するのが困難であった。反応チャンバ内部のセンサを使用してガス組成を直接かつ確実に測定することが困難であるので、ガス組成は、以前は普通チャンバ温度及び前駆体ガス流から推定されていた。このような推定は正確ではなく、さらに、チャンバ内の様々な場所でのガス組成の変化を測定することもできない。
【0079】
本発明のセンサは、このような欠点を克服することができる。というのは、これらのセンサは反応チャンバの外部にあり、チャンバ内の1つ又は複数の分かれた場所のガス組成を直接測定することができ、好ましくは計測機能モジュール上に装着されるので容易に配置換えすることができるからである。これらのセンサは、チャンバを透過後の光の吸収及びスペクトル特性からガス組成を当技術分野で既知の方法を使用して決定することで動作することが好ましい。簡潔に言えば、光吸収は、ベール−ランベルトの法則によって記述されるように、様々な吸収体(例えば、ガス組成物)の吸収係数及び濃度に関連し、吸収係数は、各吸収体の特性により光の周波数と共に変わる。ガス組成の定量は、特定のガス組成センサ及び反応チャンバで既知の組成のガスを測定することによって較正することができる。
【0080】
ガス組成センサの好ましい諸実施形態は普通、チャンバの外部に2つの構成要素、すなわち、既知のスペクトル特性を有する可視及び/又は紫外(紫外可視)光ビームを送出して反応チャンバに通す第1の構成要素と、送出された光ビームを受け取り、そのスペクトル特性を測定する第2の構成要素とを含む。いくつかのガス組成センサを設けて、反応チャンバ内のいくつかの位置における組成を測定することができる。例えば、1つのそのようなセンサを適切な場所に置き、配置して、成長するエピ層付近のガス組成を測定することができ、別のセンサを前駆体ガス入口及び使用済みガス排気口の近くで適切な場所に置き、配置して、反応器内の環境を完全に評価することができる。
【0081】
図示されていないが、機能モジュールは、単一の機能を提供することに限定されていない。むしろ、本発明の機能モジュールは、いくつかの異なる機能、又はいくつかのタイプの単一機能をCVD反応チャンバの近接部分及び内側に提供する多機能モジュールとすることができる。例えば、単一の加熱機能モジュールが様々なタイプの加熱要素、例えば1つ又は複数の抵抗要素、1つ又は複数の輻射加熱ランプ、及び1つ又は複数の輻射半導体要素を含むことができる。単一の計測機能モジュールが様々なタイプのセンサ要素、例えば、ガス組成センサ、表面特性センサ、及び温度センサを含むことができる。さらに、単一の独立機能モジュールが様々なタイプの機能要素、例えば加熱機能要素、及びセンサ機能要素を含むことができる。このような多機能モジュールは、輻射加熱ランプ及びガス組成センサを含むことができる。
【0082】
図6は、左側部分の構成要素606a、及び右側部分の構成要素606bを備える本発明のそのようなスペクトルガス組成センサの好ましい一実施形態を示している。両構成要素は、チャンバの少なくとも一部を通る遮断されていない経路によって分離されるように、反応チャンバ609の両側で計測機能モジュールハウジング613によって支持され保持される。両構成要素は支持部材631を備え、これらは、例えば、互いにほぼ類似(互いの鏡像でありうる)とすることができる。左側の構成要素606は、また、光ビーム637を放出する集束紫外可視光源633aと、チャンバを透過するビーム639へとビーム637を反射する傾斜反射鏡635とを備える。右側の構成要素606bもまた、ビーム639がチャンバを透過した後にそれをセンサ633b及びスペクトル検知センサ633bに向けられたビーム641へと反射する別の傾斜反射鏡を備える。センサ633bは、図示のように1つの部片とすることができ、あるいは、ビーム641を受け取り、それを遠隔の光センサまで例えば光ファイバを介して伝達するプローブとすることもできる。
【0083】
次に反応器筐体に移り、ここで図6を参照して好ましい特徴を説明する。一般に、本発明の反応器筐体は、好ましくは1つ又は複数のタイプの反応チャンバを、好ましくはチャンバの取外し及び取替えが可能な仕方で支え保持するように、また、図4A乃至図4C及び図5A及び図5Bに示された機能モジュールなどの機能モジュールを容易に構成及び配置できるように、構築され寸法設定される。本発明の反応器筐体の例示的な一実施形態では、反応器筐体の内側へのアクセス、例えば反応器チャンバ、機能モジュール及び他の機器へのアクセスを(例えば、定期的な保守時に)行えるように容易に分離できる上部分と下部分を備えることができる。例えば、上部分と下部分は、互いに取外しが可能になるようにヒンジで結合することができる。上部分は、モジュールの容易な構成換え及び配置換えが可能なように機能モジュールを支持し保持することが好ましい。下部分もまた、構成換え可能かつ配置換え可能な機能モジュール(又は他の機器)を支持及び保持することが好ましく、固定して取り付けられた機能モジュールだけを有することは好ましいとはいえない。
【0084】
より詳細には、例示的な反応器筐体601がサセプタのレベルの横断面で示されている。この断面は、反応器筐体601の上部分605及び下部分603を示し、また横向きの上部計測機能モジュール613の断面、反応チャンバ609の断面(内部構成要素と共に)、ならびに2つの縦向き下部加熱機能モジュール611a及び611bの断面も含む。反応器筐体601の上部分と下部分は、手段607a及び607bによって一緒に可逆的にしっかり留められているが、好ましくは容易に分離して、反応器筐体内側、CVD反応チャンバ、及びその中に支持された機能モジュールにアクセスすることができる。例えば、手段607aはヒンジとして機能することができ、手段607bはラッチとして機能することができる(又はその逆)。反応チャンバ609は石英壁を有することが好ましく、サセプタ制御リング615、サセプタ617、ウェハホルダ619及びサセプタシャフト621などの標準的内部構成要素を含む。サセプタシャフトは普通、縦向き加熱機能モジュール611aと611bの間の隙間645にありうる機器(図示せず)によって制御可能に回転される。
【0085】
図2Cのモジュール225a及び225bに類似である2つの縦向き加熱機能モジュールは、ハウジング及び3つの縦向き加熱要素を備える。加熱機能モジュールは、反応チャンバ609の一部又は全部の下に延びることができ、それらの縦方向各端部でハウジングの下部603によって支持かつ保持され(図示せず)、又は突起上もしくは挿入物上(図3A及び図3Bに示す)などで支持することができる。加熱機能モジュールは、モジュールハウジング上の固定具の間に延びる加熱要素を用いて、図4A及び図4Bのように構築することができる。加熱機能の横幅は、前述のように、反応チャンバ幅の単分数であることが好ましい。ここでは、加熱機能モジュールは、反応チャンバ幅のおよそ3分の1で横方向に延びて、やはりその幅のおよそ3分の1である中央設置の隙間645が残る。
【0086】
横向きの計測機能モジュール613は、ハウジング、センサ保持手段、単一構成要素センサ623及び627、ならびに二構成要素センサ606a及び606bを用いて図5A乃至図5Cのように構築することができ、例えば、反応器筐体の上部分605の横側面から延びる突起様部材643で支持することができる。計測機能モジュールの横方向長さは、およそ反応チャンバの幅以上であることが好ましく、縦方向幅は、前述のように反応チャンバ全長の単分数であることが好ましい。2つの構成要素606a及び606bは、ガス組成センサを表す。センサ623は反射率センサを表し、センサ605は温度センサを表わしている。
【0087】
本発明の上述の好ましい諸実施形態は、これらの実施形態が本発明のいくつかの好ましい態様を説明するものであるので、本発明の範囲を限定しない。いかなる同等の実施形態も本発明の範囲内にあるものである。実際のところ、説明した要素の代わりの有用な組合せなど、本明細書で図示し説明したものに加えて、本発明の種々の改変が後続の説明から当業者には明らかになろう。このような改変はまた、添付の特許請求の範囲に入るものである。以下では(また本出願全体として)、小見出し及び凡例は、単に明確かつ便利にするために使用される。
【0088】
本発明の特定の特徴は一部の図面に示され、他のものには示されていないが、これは、各特徴が本発明による他の特徴のいずれか又はすべてと組み合わせることができるので、単に便宜のためである。本明細書では「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、及び「伴う(with)」という用語は、広く包括的に解釈されるべきであり、いかなる物理的相互接続にも限定されない。「1つ(a)」、「1つ(an)」などというものもまた、単数及び複数の両方を指すものとして広く包括的に解釈されるべきである。その上、本題の出願で開示されるいかなる実施形態も、それだけが実現可能な実施形態として受け取られるべきではない。他の実施形態が当業者には想起されるであろうし、それらは添付の特許請求の範囲内にある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式反応器筐体と、
該モジュール式反応器筐体によって支持される化学気相成長(CVD)反応チャンバと、
該化学気相成長(CVD)反応チャンバの外側壁に隣接する前記モジュール式反応器筐体によって支持されているが、支持されていない場合には前記モジュール式反応器筐体から構造的に独立している複数の独立機能モジュールとを備え、
前記各独立機能モジュールが、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内で実行される処理に有用である1つ又は複数の機能を前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分に提供することを特徴とするモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項2】
前記モジュール式反応器筐体及び前記独立機能モジュールは、前記モジュール式反応器筐体によって少なくとも1つの独立機能モジュールを前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの外側壁に隣接する複数の別々の位置で支持できるように、相互に構成され寸法設定されることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項3】
少なくとも1つの前記独立機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内の処理ガス流に対して垂直の方向の向きの長い寸法と、処理ガス流に対して平行な方向の短い寸法とを備えることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項4】
各独立機能モジュールは、
前記モジュール式反応器筐体から構造的に独立していて、取外し可能である少なくとも1つのモジュールハウジングと、
前記独立機能モジュールによって実施される機能を実現するための前記モジュールハウジングによって支持された1つ又は複数の機能要素と
をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項5】
1つ又は複数の前記独立機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分に熱を供給するための、前記モジュールハウジングによって支持された加熱機能モジュールをさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項6】
前記加熱機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの壁を少なくとも部分的に透過する放射を放出する1つ又は複数の輻射加熱要素をさらに備えていることを特徴とする請求項5に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項7】
前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内側に加熱プロファイルを与えるように、前記モジュール式反応器筐体によって支持される複数の加熱機能をさらに備えていることを特徴とする請求項5に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項8】
1つ又は複数の前記独立機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分の状態を測定するための、前記モジュールハウジングによって支持された1つ又は複数のセンサをさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項9】
前記センサは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内部のガスの組成を、ガスを通して伝達される光のスペクトル特性を測定することによって決定する1つ又は複数のセンサと、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内部の温度を、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内から放出される放射を測定することによって決定するセンサと、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内の面の厚さを、前記面から反射される放射を測定することによって決定するセンサと、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内の面の粗度を、前記面から反射される放射を測定することによって決定するセンサと
をさらに備えていることを特徴とする請求項8に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項10】
前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内側の複数の別々の位置の状態を測定するように前記モジュール式反応器筐体によって支持される、複数の計測機能モジュールをさらに備えていることを特徴とする請求項8に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項11】
モジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステムの形成方法であって、
前記モジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステムは、化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び複数の独立機能モジュールを支持するモジュール式反応器筐体を備え、前記独立機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの外側壁に隣接する前記モジュール式反応器筐体によって支持されているが、支持されていない場合には前記モジュール式反応器筐体から構造的に独立しており、各独立機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内で実行される処理に有用な1つ又は複数の機能を前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の隣接部分に提供し、
1つ又は複数の前記独立機能モジュールを選択するステップと、
選択された前記独立機能モジュールごとに、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の対応する部分を選択するステップと、
前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の前記選択された部分に近接した前記モジュール式反応器筐体によって支持される任意の独立機能モジュールを取り外すステップと、
選択された各独立機能モジュールを、該独立機能モジュール用に選択された前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の前記対応する部分に近接した、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの外側壁に隣接する前記モジュール式反応器筐体上に支持するステップと
を有することを特徴とする形成方法。
【請求項12】
前記選択された独立機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側に熱を供給するための1つ又は複数の加熱機能モジュールをさらに備え、選択された部分に近接する前記モジュール式反応器筐体によってすでに支持されている独立機能モジュールは、該独立機能モジュールが、選択された部分に装着されるべき選択された前記独立機能モジュールによって提供される機能と類似の機能を提供する場合には、取り外されないことを特徴とする請求項11に記載の形成方法。
【請求項13】
前記選択された加熱機能モジュールが前記対応する部分に近接して支持される場合、前記加熱機能モジュールによって熱が前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側に、実施されるべき特定のCVD処理に応じて決定される好ましい加熱プロファイルに従って供給されるように、選択された加熱機能モジュールごとに、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の対応する部分が選択されることを特徴とする請求項12に記載の形成方法。
【請求項14】
前記選択された機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分の状態を測定するための1つもしくは複数のセンサ、又は前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の選択された状態を測定するための1つもしくは複数の計測機能モジュールをさらに備えていることを特徴とする請求項11に記載の形成方法。
【請求項15】
前記選択された計測機能モジュールが前記対応する部分に近接して支持される場合、実施されるべき特定のCVD処理に応じて決定される好ましい測定プロファイルに従って前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の測定が行われるように、選択された前記計測機能モジュールごとに、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の対応する部分が選択されることを特徴とする請求項14に記載の形成方法。
【請求項16】
請求項11に記載の形成方法により構成されることを特徴とする化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項17】
化学気相成長(CVD)反応チャンバを支持するモジュール式反応器筐体を含むモジュール式CVD反応器サブシステムと共に使用するための独立機能モジュールであって、
前記モジュール式反応器筐体から構造的に独立していて、該モジュール式反応器筐体から取外し可能である少なくとも1つのモジュールハウジングと、
該モジュールハウジングによって支持される1つ又は複数の機能要素とを備え、
前記独立機能モジュール及び前記モジュール式反応器筐体は、前記独立機能モジュールを前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの外側壁に隣接する前記モジュール式反応器筐体によって複数の別々の位置で支持できるように、相互に構成され寸法設定され、
前記独立機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの外側壁に隣接する特定の位置で支持される場合、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内で実行される処理に有用である1つ又は複数の機能を前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分に提供することを特徴とする独立機能モジュール。
【請求項18】
前記機能要素は、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分に熱を供給する加熱要素を備えていることを特徴とする請求項17に記載の独立機能モジュール。
【請求項19】
前記機能要素は、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分の状態を測定する1つ又は複数のセンサ要素をさらに備えていることを特徴とする請求項18に記載の独立機能モジュール。
【請求項20】
前記センサ要素は、1つ又は複数のガス組成センサ、表面特性センサ及び温度センサを備えていることを特徴とする請求項19に記載の独立機能モジュール。
【請求項21】
前記化学気相成長(CVD)CVD反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分に2つ以上の機能をさらに提供することを特徴とする請求項18に記載の独立機能モジュール。
【請求項1】
モジュール式反応器筐体と、
該モジュール式反応器筐体によって支持される化学気相成長(CVD)反応チャンバと、
該化学気相成長(CVD)反応チャンバの外側壁に隣接する前記モジュール式反応器筐体によって支持されているが、支持されていない場合には前記モジュール式反応器筐体から構造的に独立している複数の独立機能モジュールとを備え、
前記各独立機能モジュールが、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内で実行される処理に有用である1つ又は複数の機能を前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分に提供することを特徴とするモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項2】
前記モジュール式反応器筐体及び前記独立機能モジュールは、前記モジュール式反応器筐体によって少なくとも1つの独立機能モジュールを前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの外側壁に隣接する複数の別々の位置で支持できるように、相互に構成され寸法設定されることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項3】
少なくとも1つの前記独立機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内の処理ガス流に対して垂直の方向の向きの長い寸法と、処理ガス流に対して平行な方向の短い寸法とを備えることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項4】
各独立機能モジュールは、
前記モジュール式反応器筐体から構造的に独立していて、取外し可能である少なくとも1つのモジュールハウジングと、
前記独立機能モジュールによって実施される機能を実現するための前記モジュールハウジングによって支持された1つ又は複数の機能要素と
をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項5】
1つ又は複数の前記独立機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分に熱を供給するための、前記モジュールハウジングによって支持された加熱機能モジュールをさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項6】
前記加熱機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの壁を少なくとも部分的に透過する放射を放出する1つ又は複数の輻射加熱要素をさらに備えていることを特徴とする請求項5に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項7】
前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内側に加熱プロファイルを与えるように、前記モジュール式反応器筐体によって支持される複数の加熱機能をさらに備えていることを特徴とする請求項5に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項8】
1つ又は複数の前記独立機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分の状態を測定するための、前記モジュールハウジングによって支持された1つ又は複数のセンサをさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項9】
前記センサは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内部のガスの組成を、ガスを通して伝達される光のスペクトル特性を測定することによって決定する1つ又は複数のセンサと、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内部の温度を、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内から放出される放射を測定することによって決定するセンサと、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内の面の厚さを、前記面から反射される放射を測定することによって決定するセンサと、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内の面の粗度を、前記面から反射される放射を測定することによって決定するセンサと
をさらに備えていることを特徴とする請求項8に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項10】
前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内側の複数の別々の位置の状態を測定するように前記モジュール式反応器筐体によって支持される、複数の計測機能モジュールをさらに備えていることを特徴とする請求項8に記載のモジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項11】
モジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステムの形成方法であって、
前記モジュール式化学気相成長(CVD)反応器サブシステムは、化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び複数の独立機能モジュールを支持するモジュール式反応器筐体を備え、前記独立機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの外側壁に隣接する前記モジュール式反応器筐体によって支持されているが、支持されていない場合には前記モジュール式反応器筐体から構造的に独立しており、各独立機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内で実行される処理に有用な1つ又は複数の機能を前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の隣接部分に提供し、
1つ又は複数の前記独立機能モジュールを選択するステップと、
選択された前記独立機能モジュールごとに、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の対応する部分を選択するステップと、
前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の前記選択された部分に近接した前記モジュール式反応器筐体によって支持される任意の独立機能モジュールを取り外すステップと、
選択された各独立機能モジュールを、該独立機能モジュール用に選択された前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の前記対応する部分に近接した、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの外側壁に隣接する前記モジュール式反応器筐体上に支持するステップと
を有することを特徴とする形成方法。
【請求項12】
前記選択された独立機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側に熱を供給するための1つ又は複数の加熱機能モジュールをさらに備え、選択された部分に近接する前記モジュール式反応器筐体によってすでに支持されている独立機能モジュールは、該独立機能モジュールが、選択された部分に装着されるべき選択された前記独立機能モジュールによって提供される機能と類似の機能を提供する場合には、取り外されないことを特徴とする請求項11に記載の形成方法。
【請求項13】
前記選択された加熱機能モジュールが前記対応する部分に近接して支持される場合、前記加熱機能モジュールによって熱が前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側に、実施されるべき特定のCVD処理に応じて決定される好ましい加熱プロファイルに従って供給されるように、選択された加熱機能モジュールごとに、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の対応する部分が選択されることを特徴とする請求項12に記載の形成方法。
【請求項14】
前記選択された機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分の状態を測定するための1つもしくは複数のセンサ、又は前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の選択された状態を測定するための1つもしくは複数の計測機能モジュールをさらに備えていることを特徴とする請求項11に記載の形成方法。
【請求項15】
前記選択された計測機能モジュールが前記対応する部分に近接して支持される場合、実施されるべき特定のCVD処理に応じて決定される好ましい測定プロファイルに従って前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の測定が行われるように、選択された前記計測機能モジュールごとに、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の対応する部分が選択されることを特徴とする請求項14に記載の形成方法。
【請求項16】
請求項11に記載の形成方法により構成されることを特徴とする化学気相成長(CVD)反応器サブシステム。
【請求項17】
化学気相成長(CVD)反応チャンバを支持するモジュール式反応器筐体を含むモジュール式CVD反応器サブシステムと共に使用するための独立機能モジュールであって、
前記モジュール式反応器筐体から構造的に独立していて、該モジュール式反応器筐体から取外し可能である少なくとも1つのモジュールハウジングと、
該モジュールハウジングによって支持される1つ又は複数の機能要素とを備え、
前記独立機能モジュール及び前記モジュール式反応器筐体は、前記独立機能モジュールを前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの外側壁に隣接する前記モジュール式反応器筐体によって複数の別々の位置で支持できるように、相互に構成され寸法設定され、
前記独立機能モジュールは、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバの外側壁に隣接する特定の位置で支持される場合、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ内で実行される処理に有用である1つ又は複数の機能を前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分に提供することを特徴とする独立機能モジュール。
【請求項18】
前記機能要素は、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分に熱を供給する加熱要素を備えていることを特徴とする請求項17に記載の独立機能モジュール。
【請求項19】
前記機能要素は、前記化学気相成長(CVD)反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分の状態を測定する1つ又は複数のセンサ要素をさらに備えていることを特徴とする請求項18に記載の独立機能モジュール。
【請求項20】
前記センサ要素は、1つ又は複数のガス組成センサ、表面特性センサ及び温度センサを備えていることを特徴とする請求項19に記載の独立機能モジュール。
【請求項21】
前記化学気相成長(CVD)CVD反応チャンバ及び該化学気相成長(CVD)反応チャンバの内側の近接部分に2つ以上の機能をさらに提供することを特徴とする請求項18に記載の独立機能モジュール。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【公表番号】特表2011−524648(P2011−524648A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514649(P2011−514649)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/042281
【国際公開番号】WO2010/005620
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(507088071)エス.オー.アイ.テック シリコン オン インシュレータ テクノロジーズ (93)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/042281
【国際公開番号】WO2010/005620
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(507088071)エス.オー.アイ.テック シリコン オン インシュレータ テクノロジーズ (93)
【Fターム(参考)】
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