モジュール式無限コンベア・ベルト
【課題】曲線案内および安定化を簡素な方式で達成できるモジュール式ベルト・コンベアを提供する。
【解決手段】モジュール式無限コンベア・ベルトは、ベルト2の上側走行部6を支持する案内部を備えた構造体と、湾曲した区画におけるベルトのための曲線案内手段と、ベルトのための垂直方向に関する安定化手段と、を備える。曲線案内手段は、構造体上に規則的に分布されたローラであってベルトの内側表面16上に配置された係留具15と協働するローラから構成される。係留具15は、ベルトを安定化するための肩を備える。案内部は、ローラ17の下方に配置されたレール21であって、各係留具15上の鉤爪24と協働することで、搬送される荷重の関数としてベルト2が晒される垂直運動に対抗するレール21の形態を有する。
【解決手段】モジュール式無限コンベア・ベルトは、ベルト2の上側走行部6を支持する案内部を備えた構造体と、湾曲した区画におけるベルトのための曲線案内手段と、ベルトのための垂直方向に関する安定化手段と、を備える。曲線案内手段は、構造体上に規則的に分布されたローラであってベルトの内側表面16上に配置された係留具15と協働するローラから構成される。係留具15は、ベルトを安定化するための肩を備える。案内部は、ローラ17の下方に配置されたレール21であって、各係留具15上の鉤爪24と協働することで、搬送される荷重の関数としてベルト2が晒される垂直運動に対抗するレール21の形態を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湾曲経路部分においてベルトを案内する手段を備えたモジュール式無限ベルト・コンベア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記述されたように、熱可塑性プラスチックから成るこの形式のベルトは、特にコンベアの湾曲部分においてベルトの案内性を向上させることができる固有手段を備えることができる。実際問題として重要な点は、ベルトとその支持構造体との間の摩擦を低減すると共に、ベルトの上側帯体に沿い上側帯体により搬送される荷重の大きさ次第で相当程度まで変化することもある摩擦の影響を可能な限り克服することである。
【0003】
斯かる摩擦の影響は多数ある。まず第1に、移動部分同士の間の、すなわち、ベルトと、ベルトのための支持構造体の種々の要素により形成される固定部分との間の発熱があり、同様に、熱可塑性プラスチックから成るベルトの摩耗も在り、かつ、別の相当な影響はベルトの不安定性である。特に、荷重および張力の影響下でベルトは、湾曲部を通り抜けるときにベルトの外周縁にて上昇する傾向がある。
【0004】
ベルトとコンベアの構造体との間の摩擦を低減する解決策が在る。特許文献1に記述されたように、ベルトはベルトの内側面から突出すべく取付けられたローラを含んでもよく、これらのローラは、コンベアの湾曲部分毎に載置された湾曲案内部と協働すべく適切な手段により締結されてベルトの全長に亙り配置される。
【0005】
ベルトの曲線案内に伴う特定機能に加え、ローラは、コンベアの湾曲部分において上側帯体が上昇するリスクに対してベルトを安定化させることもできる。
【0006】
このベルト安定化機能を実施するために、特許文献1に開示されたローラは固定された湾曲案内部から成る機構と協働し、該機構は案内部の有効走行面に関し突出すべく配置された連続的縁部の形態を取り、該縁部はローラとベルトの内側面との間に伸びている。
【0007】
別実施例において、コンベアの湾曲部分においてベルトの上側帯体を安定化させるこの機能は湾曲部分の外周縁に配置された湾曲案内部により提供され、この案内部は角度付きブラケットもしくはフックの形態の隆起部と協働し、隆起部は、ベルトの周縁部の内側面から突出すべく配置される。
【0008】
また特許文献2に記述された様に、モジュール式でない他の形式のコンベア・ベルトも存在し、これは、湾曲部分における案内部と協働するローラを有する。特許文献2においては、摩擦を低減して案内性を高めるために、湾曲フレーム上にも直接的にローラが配置される。
【0009】
特許文献3においてコンベア・ベルトは、ローラを有するのではなく、ベルトの内側面から突出すべく配置された隆起部を有し、これらの隆起部は、コンベアの湾曲部分においてフレームとして作用する部分上にのみ配置されたローラと協働する。これらのローラによれば摩擦を低減することが可能であり、かつ、ローラは、ベルトを安定化して平坦に維持すべく各隆起部の下部に配置された一種の突起部と協働する溝を付加的に有する。
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,573,105号
【特許文献2】米国特許第3,094,206号
【特許文献3】米国特許第6,129,202号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、コンベアの湾曲部分におけるモジュール式ベルトの曲線案内および安定化に関するこれらの問題を比較的に簡素な方式で解決することができる機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るコンベア・デバイスは、湾曲経路部分においてベルトの上側帯体および下側帯体を支持かつ案内する構造体(もしくはフレーム)と、特に、上側帯体のための曲線案内手段と、上側帯体の安定化手段と、を備え、該手段は、一方では、上側帯体の支持構造体に固定されたローラから構成され、他方では、ベルトの内側面上に配置された係留具であってローラ上を走行すべく配置された係留具から構成され、係留具はそれらの端部にて、上側帯体を安定化する手段と協働する鉤爪を備え、安定化手段は、ローラによるベルトの上側帯体の曲線案内、および、レールによる連続的方式での上側帯体の安定化の両方を係留具と共に達成する方式で各係留具の鉤爪と協働すべくローラの直下に配置されたレールから構成される。
【0013】
この独創的な構造形態により、簡素で安価なボール形式のベアリングの形態のローラを使用することができる。
【0014】
本発明に依れば、ベルトの上側帯体の支持構造体は、熱可塑性プラスチックのシートから円形リング部分の形態で作製されたベースプレートから構成され、ベースプレートは、その外側縁部の近傍においてその厚み方向における湾曲部として配置された凹溝を有し、凹溝は、係留具の通過のための溝と、ローラとベルトの上側帯体を安定化させるレールとを収容する凹所とから形成される。
【0015】
本発明の別の形態に依れば、ベルトを安定化させるレールは、ベースプレートと同様に円弧として構成された薄い金属細長片の形態を取り、レールはベースプレートの凹所内に配置かつ締結され、レールの外側縁部は、これらの係留具が進行する溝内へと突出する。
【0016】
本発明の第1実施例に依れば、安定化レールは、種々のローラが自身上に圧力嵌めされるピンを備え、レール自体は、ベルトの上側帯体を支持するベースプレートの凹所内へとネジその他の手段により締結される。
【0017】
本発明の変更実施例に依れば、ベルトを支持するベースプレートの凹所は各ローラのピンを収容して固定する孔を有し、ピンは、一方では、ベースプレートの厚み方向における圧力嵌めによりこのベースプレートに関してピンが固定されることを許容するピンの下端部の膨張部、および、他方では、ローラの下方に載置された肩を備え、肩は安定化レールを凹所の底部に固定し、レールは孔と対向して長楕円形孔を有し、長楕円形孔の寸法は特に、レールとベースプレートとの間に存在する異なる膨張係数を許容する。
【0018】
本発明に依れば、各係留具は、ベルトの内側表面上に一体方式で型成形された突出部の形態を取り、突出部は、一方では、ローラと接触するのに適した材料から構成されたランナの形態の追加部材を収容するハウジングと、他方では、ベルトが搬送する荷重によりベルトが受ける垂直応力に対抗するために、ハウジングを越えて、安定化レールと協働する一種の鉤爪を自身の終端分岐部が形成する角度付きブラケットの形態の機構とを備える。
【0019】
故に本発明によれば、コンベアの湾曲部分においてベルトの案内および安定化に伴う問題の解決を可能とする全ての手段を単一の適切な箇所に集中することができる。
【0020】
本発明の別の形態に依れば、隣り合う2個のローラ間の中心間距離は、ベルトの連続的な2個の係留具間に存在する間隔の0.5倍から1.5倍の間であり、この中心間距離はベルトが受ける応力に従い選択され、それはまた、湾曲部において種々の連結部間の摩擦により剛直化される比較的に堅固な構造体を形成する一定形式のモジュール式ベルトの特定性質により比較的大きくすることができる。
【0021】
本発明に依れば、ランナは台形状の走行壁部を有し、走行壁部の高さは少なくともローラの高さに対応し、且つ、走行壁部の長さは、ベルトの2個の連続的な係留具間に存在する間隔の略3/4である。
【0022】
本発明の別の形態に依れば、ランナは、走行壁部の背後に、係留具内に配置された適切なハウジングに嵌合された短突部の形態の突出部を備え、短突部は、係留具に関して短突部が固定されることを可能とする手段であって、たとえば、係留具のひとつの仕切りに形成された孔と協働する截頭円柱部分の形態の突起部のような手段を備える。
【0023】
本発明に依れば、ランナの短突部の固定を許容する係留具の仕切りは、係留具の2つの側面部材であってベルトに対し且つベルトの移動方向に対して直交する2つの側面部材間の間に伸び、仕切りは、ランナの台形壁部を越えて、ベルトの安定化鉤爪により終端される角度付きブラケットの形態で延長される。
【0024】
本発明はまた、工業製品として、ベルト上側帯体の支持構造体であってローラおよび安定化レールを備えても備えなくても良い支持構造体にも関する。
【0025】
本発明は、例示のために与えられる以下の説明および添付図面を用いて更に詳細に記述される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1に平面図として示されたコンベア(1)は、一方がモータ駆動であるドラム(3)および(4)の間で張設された無限(循環式)ベルト(2)を備える。この無限ベルトはモジュール形式であり、図3から理解されることができるようにベルトは、相互に組み付けられた複数個の熱可塑性要素(5)から構成され、これらの要素は、ベルト(2)を湾曲させるために相互に角度的に動くことができる。
【0027】
このコンベアは、直線状部分と、これらの2つの部分の間の湾曲部分とに沿い進行するベルト(2)を有する。この形式のベルトはまた、同一方向に方向付けられた多数の湾曲経路部分を備えた相当な長さのコンベアにも使用されることができる。
【0028】
ベルトを直線状経路部分において案内することは、特定の問題を何ら呈さない。湾曲部分においては、規則的な曲率半径を得るためにベルトを案内すること、および、ベルトが積荷されたときに生ずることもある垂直力の影響下でベルトが上昇する一切の可能性を阻止するためにベルトを安定化させることが必要である。
【0029】
図2のベルト(2)の上側帯体(6)は、コンベアの全体的な構造体すなわちフレームの一部分を形成するベースプレート(7)の形態である支持構造体上に着座する。このベースプレート(7)は熱可塑性プラスチックから作製され、ベースプレートは湾曲部に配置されると共に、ベースプレートは、ベルトの上側帯体(6)の内側面(下側表面)の支持部の役割も果たす湾曲した案内部(8)を含むことができる。
【0030】
ベルト(2)の下側帯体(9)または戻り帯体は、同様にその一部分にて、ベースプレート(7)と同一形式の下側ベースプレート(10)により支持かつ案内され、下側ベースプレートは支持部の役割を果たす案内部(11)を同一方式で備える。
【0031】
ベースプレート(7)の曲率半径はベルトの変形能力に対して適合調整され、かつ、このベースプレート(7)は、第1実施例の場合には図1から図4に、かつ、第2実施例の場合には図11から図13に見られる適切な案内手段を備える。
【0032】
2つのベースプレート(7)および(10)は側面部材(12)により一体に組立てられ、このアセンブリはコンベアの上記構造体またはフレームを形成し、これらの側面部材(12)はたとえば、上記フレームを支持する役割を果たす支柱(13)も締結される板金から構成される。
【0033】
ベルト(2)の曲線案内は、図4にも視認できる上記ベルトの内側表面(16)上に配置された係留具(15)により、かつ、上側帯体(6)の場合にはベースプレート(7)上に配置された湾曲案内部(8')であって他の案内部(8)と同一の能力で支持案内部としても作用する湾曲案内部(8')により達成される。この支持案内部(8')はベースプレート(7)の周縁部の近傍に載置され、この案内部(8')はたとえば、上記コンベアの外側から開始する第2の支持案内部に対応し、故に係留具(15)は、上記コンベアの外周縁上に載置された2つの案内部(8および8')の間に伸びる空間内を進行する。
【0034】
上記ベルトの下側帯体(9)を案内するためにベースプレート(7)の下方には別の第2案内部(8")が配置され、この第2案内部(8")は、下側ベースプレート(10)上を進行するベルト(2)の上記戻り帯体の係留具(15)と協働する。
【0035】
上記ベルトの上側帯体(6)のための摩擦なしの曲線案内を実現するために、係留具(15)は実際、特にローラ(17)を備える特定の案内部材上を進行する。図4において視認できるこれらのローラ(17)は好適には単純なボール・ベアリングであり、それらは、係留具(15)により支持されたランナ(18)と接触する。これらのランナ(18)は図5から図10に関して以下で詳述される様に係留具(15)に固定され、ランナはベルト(2)およびその係留具(15)と同様に熱可塑性プラスチックから形成されるが、ローラ(17)との接触中の圧力に対して更に良好に耐えるために更に弾性的な熱可塑性プラスチックで形成される。
【0036】
各ローラ(17)は、図4の案内部(8')の外側上部に形成された凹所(19)内に配置され、ローラの各々は垂直なピン(20)であってベルト(2)の内側表面(16)に直交するピン(20)上に取付けられ、かつ、これらのピンはこの第1実施例においては、たとえば凹所(19)の底部(23)に対してネジ(22)により締結されたレール(21)に固定される。
【0037】
レール(21)、ローラ(17)およびピン(20)から構成される上記曲線案内部材は、この形式のコンベアに容易に適合されることができる別体部分を形成する。上記の凹所取付けによれば、高い精度を以てローラ(17)およびレール(21)を位置決めできることから、均一なベルト案内性を実現できる。
【0038】
レール(21)はたとえば、円弧として作製された薄い金属細長片から構成され、この薄い細長片の幅はローラ(17)の直径よりも相当に大きい。上記ローラのピン(20)は、この細長片に直交して溶接される。ローラ(17)はピン(20)上で単に滑動されると共に、たとえば破損した場合に容易に交換されることができる様に僅かだけ締結される。
【0039】
レール(21)を構成する上記細長片の幅は凹所(19)の底部(23)の幅よりも大きいことから、ベルトの垂直方向の安定化を引き起こすためにこのレール(21)の突出部分を使用することが可能となり、すなわち、上記ベルトの上側帯体(6)により担持される荷重に関わらずにベルトを平坦に維持することが可能となる。
【0040】
この安定化は係留具(15)の端部の形態により実現され、この端部は角度付きブラケットの形態であり且つその水平端部の分岐部は一種の鉤爪(24)を形成する。この鉤爪(24)は、レール(21)の下側面と協働し、特に、案内部(8')の肩(23)の外側に伸びるレールの突出部分と協働する。
【0041】
上記ベルトを案内して安定化するための全ての手段は、ランナ(18)と鉤爪(24)とを担持する係留具(15)と協働するローラ(17)を担持するレール(21)上に集約される。結果として、係留具(15)に対するランナ(18)の特定の取付け方式によっても、このアセンブリに対する保守操作は非常に促進される。
【0042】
係留具(15)は図2に示されたのと同一方式で案内部(8")と協働し、この案内部(8")によれば、上記ベルトの下側帯体(9)に対する案内を行うことが可能とされる。
【0043】
ランナ(18)は図5において斜視で示される。このランナは台形状の壁部(25)から構成され、この壁部(25)は種々のローラ(17)上を走行し、その台形状によれば、上記ローラ(17)に対する円滑な衝当およびローラからの円滑な離脱が許容される。
【0044】
壁部(25)の背部は、係留具(15)内に形成されたハウジング(27)と協働する短突部(26)を一体方式で備える。このハウジング(27)は、ベルト(2)の内側表面(16)と、相互に平行な側面部材(28)であって上記表面(16)に対し且つベルト(2)の順方向進行の方向に対して直交して伸びる側面部材(28)と、上記側面部材同士を接続する仕切り(29)であって上記内側表面(16)に平行な仕切り(29)とにより形成される。この仕切り(29)は孔(30)を有し、孔は、ランナ(18)の台形壁部(25)の短辺を伸ばした表面の下方にて、短突部(26)上に配置された突起部(31)を収容する。
【0045】
突起部(31)により、摩耗もしくは破損の場合にランナ(18)を交換するために取外し可能に、ランナを係留具(15)のハウジング(27)内に固定することが可能となる。図5および図7に示されたように、この突起部(31)は截頭円柱部分の形態を取る。
【0046】
ランナ(18)の台形壁部(25)は係留具(15)の側面部材(28)の前面上に担持され、その長辺はベルト(2)の内側表面(16)の下方に載置される。
【0047】
図6および図7のように、この壁部(25)の下方に、特にその短辺の下方には、鉤爪(24)に至る角度付きブラケットの形態の延長部が見出される。係留具(15)の端部に配置されたこの鉤爪(24)はランナ(18)を越えて突出し、鉤爪は仕切り(29)に関してオフセットされると共に、鉤爪は上記仕切りに対し、上記壁部の固定を助力する方式で壁部(25)の上記短辺の下方に伸びる分岐部(32)により接続される。
【0048】
分岐部(32)は仕切り(29)に関して直角に配置されると共に、分岐部は、ローラ(17)上を走行するランナ(18)の領域に対して実質的に垂直に整列して載置された周縁縁部を有するレール(21)との接触を防止すべく、ランナ(18)の壁部(25)の走行面から僅かに後退される。
【0049】
レール(21)は、一種の付属具もしくは取外し可能部材を構成する。それはまた、1/4湾曲コンベアに対する一体片部材の形態で提供されることができるか、または、所定数の区画へと分割されることができ、これらの区画は必要に応じ、該区画を収容すべく特に配置された凹所(19)内で組立てられる。
【0050】
図11は、ベルト(2)の上側帯体(6)のための支持構造体として作用するベースプレート(7)の独創的実施例を示している。
【0051】
このベースプレート(7)は円形リングの一部(1/4)の形態を取り、それは、薄い熱可塑性プラスチック・シートから単純な加工により作製され、その上側表面(36)はベルト(2)の上側帯体(6)に対する摺動表面として作用する。それは、その厚み方向において表面(36)に形成された円弧の形態の凹溝(37)を備える。
【0052】
図2および図4にも例示されたこの凹溝(37)は、ベースプレート(7)の外側面部(38)から所定距離であって、たとえばベースプレート(7)を構成するシートの厚みに対応する所定距離にて、上記外側面部に接近して載置される。それは一種の溝(39)および凹所(19)の両方を形成し、溝(39)は外周縁上側表面(36)と凹所(19)との間に配置される。
【0053】
以下において詳述されるように、溝(39)は特にベルト(2)の係留具(15)の通過を許容し、上記で詳述された実施例に対しては、凹所(19)が、ベルト(2)の上側帯体(6)を案内して安定化する手段の設置を許容する。
【0054】
凹所(19)は、ローラ(17)のピンを収容するために均一に分布された孔(40)を有する。
【0055】
図13に関して以下において詳述されるようにベースプレート(7)は、上記コンベアのフレームを構成する要素に該ベースプレートが締結されることを許容する孔(41)を有する。これらの孔(41)は、径方向において対として配置される。
【0056】
ベースプレート(7)はその端部の各々にて、上記コンベアを構成する種々の要素間の接続部にてベルト(2)の摺動を促進するために面取り部(42)を有する。
【0057】
図12は、ベースプレート(7)を径方向断面で示す更に詳細な図である。此処でも、一方では溝(39)から且つ他方では凹所(19)から構成される凹溝(37)が視認でき、凹所(19)はローラ(17)のピンを収容する孔(40)を有している。これらの孔(40)は、ベースプレート(7)の摺動表面(36)に対して直交する。此処でも、コンベアのフレームにベースプレート(7)を締結するための孔(41)を視認することができる。
【0058】
ベースプレート(7)の外側面部(38)および内側面部(43)は夫々、凹所(44および45)を備え、これらの凹所は、コンベアのフレームの一部を形成する側面部材(12)と協働する。凹所(44および45)の深度は、これらの側面部材(12)の厚みに対応する。
【0059】
図13は、ベースプレート(7)を備えるコンベアの実施例を断面で示している。このコンベアは側面部材(12)を備えるフレームから構成され、上記側面部材は交差部材(46)により相互接続されると共に、ボルト(47)によりこれらの交差部材に締結される。
【0060】
交差部材(46)はまた、ベースプレート(7)から構成された支持構造体のための支持部の役割も果たす。このベースプレート(7)は、該ベースプレート(7)における種々の孔(41)内に配置されたボルト(48)により種々の交差部材に締結される。
【0061】
図13において、ベルト(2)は象徴的に表される。その上側帯体(6)はベースプレート(7)の上側表面(36)上を摺動し、この上側表面(36)は、図11および図12に示されるように上記ベースプレート(7)の厚み方向に形成された凹溝(37)の両側に伸びている。
【0062】
この凹溝(37)の溝(39)は、上側帯体(6)の下側表面の下方に突出する係留具(15)のための通過領域の役割を果たす。上記ベルトの上側帯体(6)の上記案内手段の存在を考慮して、該上側帯体(6)が取付け及び取り外しされることを許容するために、溝(39)の深度は係留具(15)の高さより大きく且つ該溝の幅は上記係留具の径方向寸法より相当に大きい。
【0063】
この上側帯体(6)を案内して垂直方向に安定化させる上記手段は、凹溝(37)の凹所(19)内に収容される。この凹所(19)は上側帯体(6)に対する案内表面(36)のレベルの下方にて溝(39)の内側部上に伸び、上記凹所の深度は溝(39)の深度の略半分であり且つその幅は同一サイズである。
【0064】
上記案内手段は、単純なボール形式のベアリングの形態のローラ(17)から構成される。これらのローラ(17)は、ベースプレート(7)における種々の孔(40)内に差込まれたピン(50)上に取付けられる。これらのピン(50)は、ローラ(17)の垂直位置決めを確実にする肩(51)を有し、各ローラはそのピン(50)上に緊密に取付けられる。
【0065】
ピン(50)は肩(51)の下方に伸び、且つ、該ピンはその下端部にて、ベースプレート(7)に圧力嵌めされた後に楔止めにより該ピンがその孔(40)内に固定されるのを許容する膨張部(52)を有する。この膨張部(52)は、ピン(50)の略半径に対応する長さに亙り円錐の形態で伸びる大径部分から成る。
【0066】
上側帯体(6)を垂直方向に安定化させる手段であってレール(21)から構成される上記手段は、凹所(19)の底部(23)とピン(50)の肩(51)との間に介設される。図4に示された例におけるのと同様に、レール(21)は、孔(40)と対向して配置された孔(53)を有する屈曲金属細長片から形成される。これらの孔(53)は長楕円形状を有し、その寸法によれば、ピン(50)の直径と、上記レールの膨張係数及びベースプレート(7)の膨張係数の間に存在する差とが許容される。各孔(53)は径方向に8.2mmであると共に長さ方向に9.2mmであるが、上記膨張部の直径は8mmであり且つレール(21)の領域におけるピン(50)の直径は7.3mmであり、肩(51)は、孔(53)を覆うために略10mmの直径を有する。
【0067】
ランナ(18)は種々のローラ(17)上を走行すると共に、これらの種々の係留具(15)に関係付けられた鉤爪(24)は、上側帯体(6)を保持すべく、かつ、ベルト(2)上の過剰な荷重の場合に該上側帯体の傾斜を防止すべく、レール(21)と協働する。
【0068】
ベースプレート(7)は、上記ベルトを案内して垂直方向に安定化させる上記手段と協働して、コンベアのフレームもしくは構造体へと容易に一体化されることができる一種のサブアセンブリを形成する。
【0069】
ベルト(2)の下側帯体(9)は、上側帯体(6)を案内して安定化させる上記手段と等しい構造体を構成するレール(54)により同様に案内される。
【0070】
このレール(54)は、肩(51)の厚み分およびレール(21)の厚み分だけ増加されたローラ(17)の厚みに対応する厚みを有する。該レールは、ボルト(48)により交差部材(46)に締結された型材(55)により支持される。
【0071】
型材(55)は、水平に配置された不等長の両翼を有する“U”の形態であり、その下側翼はスペーサ(56)およびボルト(57)を介してレール(54)を支持する。
【0072】
上記ベルトの下側帯体(9)は同様に、コンベア・フレームの側面部材(12)により支持された(不図示の)案内ベースプレート上に着座する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】案内システムを示すべく部分的に破断されたモジュール形式の無限ベルトを備えた湾曲コンベアの概略図である。
【図2】図1における2−2線に沿う概略的断面図である。
【図3】モジュール式ベルトの一部、および、ローラを備えたレールを更に詳細な方式で示す図である。
【図4】本発明の第1実施例に従いベルトを案内して安定化させる手段の形態を概略的に更に詳細な方式で示す図3の4−4線に沿う断面図である。
【図5】本発明に係るランナを特に下方から見た斜視図である。
【図6】係留具を備えたベルトおよび該係留具上に設置されたランナをローラの側方から見た前面図である。
【図7】ベルトの内側面の下方の係留具と該係留具内に取入れられたランナとを示す図6の7−7線に沿う断面図である。
【図8】ランナを省略した図7に対応する図である。
【図9】係留具のみの背面図である。
【図10】係留具のみの前面図である。
【図11】ベルトの上側帯体を支持するベースプレートの実施例を、ベルトを案内かつ安定化する手段なしで単独で示す図である。
【図12】図11に示された支持用ベースプレートの12−12線に沿う断面図である。
【図13】ベルトを案内する手段の別実施例を図11および図12に示されたベースプレートと共に詳細に示す断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 コンベア
2 無限ベルト
3、4 ドラム
5 熱可塑性要素
6 上側帯体
7 ベースプレート
8 案内部
8' 湾曲案内部
8" 第2案内部
9 下側帯体
10 下側ベースプレート
11 案内部
12 側面部材
13 支柱
15 係留具
16 内側表面
17 ローラ
18 ランナ
19 凹所
20 ピン
21 湾曲レール/安定化レール
22 ネジ
23 底部
24 鉤爪
25 走行壁部
26 短突部
27 ハウジング
28 側面部材
29 仕切り
30 孔
31 突起部
32 分岐部
36 上側表面
37 湾曲凹溝
38 外側面部
39 溝
40 孔
41 孔
42 面取り部
43 内側面部
44 凹所
45 凹所
46 交差部材
47 ボルト
48 ボルト
50 ピン
51 肩
52 膨張部
53 孔
54 レール
55 型材
56 スペーサ
57 ボルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、湾曲経路部分においてベルトを案内する手段を備えたモジュール式無限ベルト・コンベア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記述されたように、熱可塑性プラスチックから成るこの形式のベルトは、特にコンベアの湾曲部分においてベルトの案内性を向上させることができる固有手段を備えることができる。実際問題として重要な点は、ベルトとその支持構造体との間の摩擦を低減すると共に、ベルトの上側帯体に沿い上側帯体により搬送される荷重の大きさ次第で相当程度まで変化することもある摩擦の影響を可能な限り克服することである。
【0003】
斯かる摩擦の影響は多数ある。まず第1に、移動部分同士の間の、すなわち、ベルトと、ベルトのための支持構造体の種々の要素により形成される固定部分との間の発熱があり、同様に、熱可塑性プラスチックから成るベルトの摩耗も在り、かつ、別の相当な影響はベルトの不安定性である。特に、荷重および張力の影響下でベルトは、湾曲部を通り抜けるときにベルトの外周縁にて上昇する傾向がある。
【0004】
ベルトとコンベアの構造体との間の摩擦を低減する解決策が在る。特許文献1に記述されたように、ベルトはベルトの内側面から突出すべく取付けられたローラを含んでもよく、これらのローラは、コンベアの湾曲部分毎に載置された湾曲案内部と協働すべく適切な手段により締結されてベルトの全長に亙り配置される。
【0005】
ベルトの曲線案内に伴う特定機能に加え、ローラは、コンベアの湾曲部分において上側帯体が上昇するリスクに対してベルトを安定化させることもできる。
【0006】
このベルト安定化機能を実施するために、特許文献1に開示されたローラは固定された湾曲案内部から成る機構と協働し、該機構は案内部の有効走行面に関し突出すべく配置された連続的縁部の形態を取り、該縁部はローラとベルトの内側面との間に伸びている。
【0007】
別実施例において、コンベアの湾曲部分においてベルトの上側帯体を安定化させるこの機能は湾曲部分の外周縁に配置された湾曲案内部により提供され、この案内部は角度付きブラケットもしくはフックの形態の隆起部と協働し、隆起部は、ベルトの周縁部の内側面から突出すべく配置される。
【0008】
また特許文献2に記述された様に、モジュール式でない他の形式のコンベア・ベルトも存在し、これは、湾曲部分における案内部と協働するローラを有する。特許文献2においては、摩擦を低減して案内性を高めるために、湾曲フレーム上にも直接的にローラが配置される。
【0009】
特許文献3においてコンベア・ベルトは、ローラを有するのではなく、ベルトの内側面から突出すべく配置された隆起部を有し、これらの隆起部は、コンベアの湾曲部分においてフレームとして作用する部分上にのみ配置されたローラと協働する。これらのローラによれば摩擦を低減することが可能であり、かつ、ローラは、ベルトを安定化して平坦に維持すべく各隆起部の下部に配置された一種の突起部と協働する溝を付加的に有する。
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,573,105号
【特許文献2】米国特許第3,094,206号
【特許文献3】米国特許第6,129,202号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、コンベアの湾曲部分におけるモジュール式ベルトの曲線案内および安定化に関するこれらの問題を比較的に簡素な方式で解決することができる機構を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るコンベア・デバイスは、湾曲経路部分においてベルトの上側帯体および下側帯体を支持かつ案内する構造体(もしくはフレーム)と、特に、上側帯体のための曲線案内手段と、上側帯体の安定化手段と、を備え、該手段は、一方では、上側帯体の支持構造体に固定されたローラから構成され、他方では、ベルトの内側面上に配置された係留具であってローラ上を走行すべく配置された係留具から構成され、係留具はそれらの端部にて、上側帯体を安定化する手段と協働する鉤爪を備え、安定化手段は、ローラによるベルトの上側帯体の曲線案内、および、レールによる連続的方式での上側帯体の安定化の両方を係留具と共に達成する方式で各係留具の鉤爪と協働すべくローラの直下に配置されたレールから構成される。
【0013】
この独創的な構造形態により、簡素で安価なボール形式のベアリングの形態のローラを使用することができる。
【0014】
本発明に依れば、ベルトの上側帯体の支持構造体は、熱可塑性プラスチックのシートから円形リング部分の形態で作製されたベースプレートから構成され、ベースプレートは、その外側縁部の近傍においてその厚み方向における湾曲部として配置された凹溝を有し、凹溝は、係留具の通過のための溝と、ローラとベルトの上側帯体を安定化させるレールとを収容する凹所とから形成される。
【0015】
本発明の別の形態に依れば、ベルトを安定化させるレールは、ベースプレートと同様に円弧として構成された薄い金属細長片の形態を取り、レールはベースプレートの凹所内に配置かつ締結され、レールの外側縁部は、これらの係留具が進行する溝内へと突出する。
【0016】
本発明の第1実施例に依れば、安定化レールは、種々のローラが自身上に圧力嵌めされるピンを備え、レール自体は、ベルトの上側帯体を支持するベースプレートの凹所内へとネジその他の手段により締結される。
【0017】
本発明の変更実施例に依れば、ベルトを支持するベースプレートの凹所は各ローラのピンを収容して固定する孔を有し、ピンは、一方では、ベースプレートの厚み方向における圧力嵌めによりこのベースプレートに関してピンが固定されることを許容するピンの下端部の膨張部、および、他方では、ローラの下方に載置された肩を備え、肩は安定化レールを凹所の底部に固定し、レールは孔と対向して長楕円形孔を有し、長楕円形孔の寸法は特に、レールとベースプレートとの間に存在する異なる膨張係数を許容する。
【0018】
本発明に依れば、各係留具は、ベルトの内側表面上に一体方式で型成形された突出部の形態を取り、突出部は、一方では、ローラと接触するのに適した材料から構成されたランナの形態の追加部材を収容するハウジングと、他方では、ベルトが搬送する荷重によりベルトが受ける垂直応力に対抗するために、ハウジングを越えて、安定化レールと協働する一種の鉤爪を自身の終端分岐部が形成する角度付きブラケットの形態の機構とを備える。
【0019】
故に本発明によれば、コンベアの湾曲部分においてベルトの案内および安定化に伴う問題の解決を可能とする全ての手段を単一の適切な箇所に集中することができる。
【0020】
本発明の別の形態に依れば、隣り合う2個のローラ間の中心間距離は、ベルトの連続的な2個の係留具間に存在する間隔の0.5倍から1.5倍の間であり、この中心間距離はベルトが受ける応力に従い選択され、それはまた、湾曲部において種々の連結部間の摩擦により剛直化される比較的に堅固な構造体を形成する一定形式のモジュール式ベルトの特定性質により比較的大きくすることができる。
【0021】
本発明に依れば、ランナは台形状の走行壁部を有し、走行壁部の高さは少なくともローラの高さに対応し、且つ、走行壁部の長さは、ベルトの2個の連続的な係留具間に存在する間隔の略3/4である。
【0022】
本発明の別の形態に依れば、ランナは、走行壁部の背後に、係留具内に配置された適切なハウジングに嵌合された短突部の形態の突出部を備え、短突部は、係留具に関して短突部が固定されることを可能とする手段であって、たとえば、係留具のひとつの仕切りに形成された孔と協働する截頭円柱部分の形態の突起部のような手段を備える。
【0023】
本発明に依れば、ランナの短突部の固定を許容する係留具の仕切りは、係留具の2つの側面部材であってベルトに対し且つベルトの移動方向に対して直交する2つの側面部材間の間に伸び、仕切りは、ランナの台形壁部を越えて、ベルトの安定化鉤爪により終端される角度付きブラケットの形態で延長される。
【0024】
本発明はまた、工業製品として、ベルト上側帯体の支持構造体であってローラおよび安定化レールを備えても備えなくても良い支持構造体にも関する。
【0025】
本発明は、例示のために与えられる以下の説明および添付図面を用いて更に詳細に記述される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1に平面図として示されたコンベア(1)は、一方がモータ駆動であるドラム(3)および(4)の間で張設された無限(循環式)ベルト(2)を備える。この無限ベルトはモジュール形式であり、図3から理解されることができるようにベルトは、相互に組み付けられた複数個の熱可塑性要素(5)から構成され、これらの要素は、ベルト(2)を湾曲させるために相互に角度的に動くことができる。
【0027】
このコンベアは、直線状部分と、これらの2つの部分の間の湾曲部分とに沿い進行するベルト(2)を有する。この形式のベルトはまた、同一方向に方向付けられた多数の湾曲経路部分を備えた相当な長さのコンベアにも使用されることができる。
【0028】
ベルトを直線状経路部分において案内することは、特定の問題を何ら呈さない。湾曲部分においては、規則的な曲率半径を得るためにベルトを案内すること、および、ベルトが積荷されたときに生ずることもある垂直力の影響下でベルトが上昇する一切の可能性を阻止するためにベルトを安定化させることが必要である。
【0029】
図2のベルト(2)の上側帯体(6)は、コンベアの全体的な構造体すなわちフレームの一部分を形成するベースプレート(7)の形態である支持構造体上に着座する。このベースプレート(7)は熱可塑性プラスチックから作製され、ベースプレートは湾曲部に配置されると共に、ベースプレートは、ベルトの上側帯体(6)の内側面(下側表面)の支持部の役割も果たす湾曲した案内部(8)を含むことができる。
【0030】
ベルト(2)の下側帯体(9)または戻り帯体は、同様にその一部分にて、ベースプレート(7)と同一形式の下側ベースプレート(10)により支持かつ案内され、下側ベースプレートは支持部の役割を果たす案内部(11)を同一方式で備える。
【0031】
ベースプレート(7)の曲率半径はベルトの変形能力に対して適合調整され、かつ、このベースプレート(7)は、第1実施例の場合には図1から図4に、かつ、第2実施例の場合には図11から図13に見られる適切な案内手段を備える。
【0032】
2つのベースプレート(7)および(10)は側面部材(12)により一体に組立てられ、このアセンブリはコンベアの上記構造体またはフレームを形成し、これらの側面部材(12)はたとえば、上記フレームを支持する役割を果たす支柱(13)も締結される板金から構成される。
【0033】
ベルト(2)の曲線案内は、図4にも視認できる上記ベルトの内側表面(16)上に配置された係留具(15)により、かつ、上側帯体(6)の場合にはベースプレート(7)上に配置された湾曲案内部(8')であって他の案内部(8)と同一の能力で支持案内部としても作用する湾曲案内部(8')により達成される。この支持案内部(8')はベースプレート(7)の周縁部の近傍に載置され、この案内部(8')はたとえば、上記コンベアの外側から開始する第2の支持案内部に対応し、故に係留具(15)は、上記コンベアの外周縁上に載置された2つの案内部(8および8')の間に伸びる空間内を進行する。
【0034】
上記ベルトの下側帯体(9)を案内するためにベースプレート(7)の下方には別の第2案内部(8")が配置され、この第2案内部(8")は、下側ベースプレート(10)上を進行するベルト(2)の上記戻り帯体の係留具(15)と協働する。
【0035】
上記ベルトの上側帯体(6)のための摩擦なしの曲線案内を実現するために、係留具(15)は実際、特にローラ(17)を備える特定の案内部材上を進行する。図4において視認できるこれらのローラ(17)は好適には単純なボール・ベアリングであり、それらは、係留具(15)により支持されたランナ(18)と接触する。これらのランナ(18)は図5から図10に関して以下で詳述される様に係留具(15)に固定され、ランナはベルト(2)およびその係留具(15)と同様に熱可塑性プラスチックから形成されるが、ローラ(17)との接触中の圧力に対して更に良好に耐えるために更に弾性的な熱可塑性プラスチックで形成される。
【0036】
各ローラ(17)は、図4の案内部(8')の外側上部に形成された凹所(19)内に配置され、ローラの各々は垂直なピン(20)であってベルト(2)の内側表面(16)に直交するピン(20)上に取付けられ、かつ、これらのピンはこの第1実施例においては、たとえば凹所(19)の底部(23)に対してネジ(22)により締結されたレール(21)に固定される。
【0037】
レール(21)、ローラ(17)およびピン(20)から構成される上記曲線案内部材は、この形式のコンベアに容易に適合されることができる別体部分を形成する。上記の凹所取付けによれば、高い精度を以てローラ(17)およびレール(21)を位置決めできることから、均一なベルト案内性を実現できる。
【0038】
レール(21)はたとえば、円弧として作製された薄い金属細長片から構成され、この薄い細長片の幅はローラ(17)の直径よりも相当に大きい。上記ローラのピン(20)は、この細長片に直交して溶接される。ローラ(17)はピン(20)上で単に滑動されると共に、たとえば破損した場合に容易に交換されることができる様に僅かだけ締結される。
【0039】
レール(21)を構成する上記細長片の幅は凹所(19)の底部(23)の幅よりも大きいことから、ベルトの垂直方向の安定化を引き起こすためにこのレール(21)の突出部分を使用することが可能となり、すなわち、上記ベルトの上側帯体(6)により担持される荷重に関わらずにベルトを平坦に維持することが可能となる。
【0040】
この安定化は係留具(15)の端部の形態により実現され、この端部は角度付きブラケットの形態であり且つその水平端部の分岐部は一種の鉤爪(24)を形成する。この鉤爪(24)は、レール(21)の下側面と協働し、特に、案内部(8')の肩(23)の外側に伸びるレールの突出部分と協働する。
【0041】
上記ベルトを案内して安定化するための全ての手段は、ランナ(18)と鉤爪(24)とを担持する係留具(15)と協働するローラ(17)を担持するレール(21)上に集約される。結果として、係留具(15)に対するランナ(18)の特定の取付け方式によっても、このアセンブリに対する保守操作は非常に促進される。
【0042】
係留具(15)は図2に示されたのと同一方式で案内部(8")と協働し、この案内部(8")によれば、上記ベルトの下側帯体(9)に対する案内を行うことが可能とされる。
【0043】
ランナ(18)は図5において斜視で示される。このランナは台形状の壁部(25)から構成され、この壁部(25)は種々のローラ(17)上を走行し、その台形状によれば、上記ローラ(17)に対する円滑な衝当およびローラからの円滑な離脱が許容される。
【0044】
壁部(25)の背部は、係留具(15)内に形成されたハウジング(27)と協働する短突部(26)を一体方式で備える。このハウジング(27)は、ベルト(2)の内側表面(16)と、相互に平行な側面部材(28)であって上記表面(16)に対し且つベルト(2)の順方向進行の方向に対して直交して伸びる側面部材(28)と、上記側面部材同士を接続する仕切り(29)であって上記内側表面(16)に平行な仕切り(29)とにより形成される。この仕切り(29)は孔(30)を有し、孔は、ランナ(18)の台形壁部(25)の短辺を伸ばした表面の下方にて、短突部(26)上に配置された突起部(31)を収容する。
【0045】
突起部(31)により、摩耗もしくは破損の場合にランナ(18)を交換するために取外し可能に、ランナを係留具(15)のハウジング(27)内に固定することが可能となる。図5および図7に示されたように、この突起部(31)は截頭円柱部分の形態を取る。
【0046】
ランナ(18)の台形壁部(25)は係留具(15)の側面部材(28)の前面上に担持され、その長辺はベルト(2)の内側表面(16)の下方に載置される。
【0047】
図6および図7のように、この壁部(25)の下方に、特にその短辺の下方には、鉤爪(24)に至る角度付きブラケットの形態の延長部が見出される。係留具(15)の端部に配置されたこの鉤爪(24)はランナ(18)を越えて突出し、鉤爪は仕切り(29)に関してオフセットされると共に、鉤爪は上記仕切りに対し、上記壁部の固定を助力する方式で壁部(25)の上記短辺の下方に伸びる分岐部(32)により接続される。
【0048】
分岐部(32)は仕切り(29)に関して直角に配置されると共に、分岐部は、ローラ(17)上を走行するランナ(18)の領域に対して実質的に垂直に整列して載置された周縁縁部を有するレール(21)との接触を防止すべく、ランナ(18)の壁部(25)の走行面から僅かに後退される。
【0049】
レール(21)は、一種の付属具もしくは取外し可能部材を構成する。それはまた、1/4湾曲コンベアに対する一体片部材の形態で提供されることができるか、または、所定数の区画へと分割されることができ、これらの区画は必要に応じ、該区画を収容すべく特に配置された凹所(19)内で組立てられる。
【0050】
図11は、ベルト(2)の上側帯体(6)のための支持構造体として作用するベースプレート(7)の独創的実施例を示している。
【0051】
このベースプレート(7)は円形リングの一部(1/4)の形態を取り、それは、薄い熱可塑性プラスチック・シートから単純な加工により作製され、その上側表面(36)はベルト(2)の上側帯体(6)に対する摺動表面として作用する。それは、その厚み方向において表面(36)に形成された円弧の形態の凹溝(37)を備える。
【0052】
図2および図4にも例示されたこの凹溝(37)は、ベースプレート(7)の外側面部(38)から所定距離であって、たとえばベースプレート(7)を構成するシートの厚みに対応する所定距離にて、上記外側面部に接近して載置される。それは一種の溝(39)および凹所(19)の両方を形成し、溝(39)は外周縁上側表面(36)と凹所(19)との間に配置される。
【0053】
以下において詳述されるように、溝(39)は特にベルト(2)の係留具(15)の通過を許容し、上記で詳述された実施例に対しては、凹所(19)が、ベルト(2)の上側帯体(6)を案内して安定化する手段の設置を許容する。
【0054】
凹所(19)は、ローラ(17)のピンを収容するために均一に分布された孔(40)を有する。
【0055】
図13に関して以下において詳述されるようにベースプレート(7)は、上記コンベアのフレームを構成する要素に該ベースプレートが締結されることを許容する孔(41)を有する。これらの孔(41)は、径方向において対として配置される。
【0056】
ベースプレート(7)はその端部の各々にて、上記コンベアを構成する種々の要素間の接続部にてベルト(2)の摺動を促進するために面取り部(42)を有する。
【0057】
図12は、ベースプレート(7)を径方向断面で示す更に詳細な図である。此処でも、一方では溝(39)から且つ他方では凹所(19)から構成される凹溝(37)が視認でき、凹所(19)はローラ(17)のピンを収容する孔(40)を有している。これらの孔(40)は、ベースプレート(7)の摺動表面(36)に対して直交する。此処でも、コンベアのフレームにベースプレート(7)を締結するための孔(41)を視認することができる。
【0058】
ベースプレート(7)の外側面部(38)および内側面部(43)は夫々、凹所(44および45)を備え、これらの凹所は、コンベアのフレームの一部を形成する側面部材(12)と協働する。凹所(44および45)の深度は、これらの側面部材(12)の厚みに対応する。
【0059】
図13は、ベースプレート(7)を備えるコンベアの実施例を断面で示している。このコンベアは側面部材(12)を備えるフレームから構成され、上記側面部材は交差部材(46)により相互接続されると共に、ボルト(47)によりこれらの交差部材に締結される。
【0060】
交差部材(46)はまた、ベースプレート(7)から構成された支持構造体のための支持部の役割も果たす。このベースプレート(7)は、該ベースプレート(7)における種々の孔(41)内に配置されたボルト(48)により種々の交差部材に締結される。
【0061】
図13において、ベルト(2)は象徴的に表される。その上側帯体(6)はベースプレート(7)の上側表面(36)上を摺動し、この上側表面(36)は、図11および図12に示されるように上記ベースプレート(7)の厚み方向に形成された凹溝(37)の両側に伸びている。
【0062】
この凹溝(37)の溝(39)は、上側帯体(6)の下側表面の下方に突出する係留具(15)のための通過領域の役割を果たす。上記ベルトの上側帯体(6)の上記案内手段の存在を考慮して、該上側帯体(6)が取付け及び取り外しされることを許容するために、溝(39)の深度は係留具(15)の高さより大きく且つ該溝の幅は上記係留具の径方向寸法より相当に大きい。
【0063】
この上側帯体(6)を案内して垂直方向に安定化させる上記手段は、凹溝(37)の凹所(19)内に収容される。この凹所(19)は上側帯体(6)に対する案内表面(36)のレベルの下方にて溝(39)の内側部上に伸び、上記凹所の深度は溝(39)の深度の略半分であり且つその幅は同一サイズである。
【0064】
上記案内手段は、単純なボール形式のベアリングの形態のローラ(17)から構成される。これらのローラ(17)は、ベースプレート(7)における種々の孔(40)内に差込まれたピン(50)上に取付けられる。これらのピン(50)は、ローラ(17)の垂直位置決めを確実にする肩(51)を有し、各ローラはそのピン(50)上に緊密に取付けられる。
【0065】
ピン(50)は肩(51)の下方に伸び、且つ、該ピンはその下端部にて、ベースプレート(7)に圧力嵌めされた後に楔止めにより該ピンがその孔(40)内に固定されるのを許容する膨張部(52)を有する。この膨張部(52)は、ピン(50)の略半径に対応する長さに亙り円錐の形態で伸びる大径部分から成る。
【0066】
上側帯体(6)を垂直方向に安定化させる手段であってレール(21)から構成される上記手段は、凹所(19)の底部(23)とピン(50)の肩(51)との間に介設される。図4に示された例におけるのと同様に、レール(21)は、孔(40)と対向して配置された孔(53)を有する屈曲金属細長片から形成される。これらの孔(53)は長楕円形状を有し、その寸法によれば、ピン(50)の直径と、上記レールの膨張係数及びベースプレート(7)の膨張係数の間に存在する差とが許容される。各孔(53)は径方向に8.2mmであると共に長さ方向に9.2mmであるが、上記膨張部の直径は8mmであり且つレール(21)の領域におけるピン(50)の直径は7.3mmであり、肩(51)は、孔(53)を覆うために略10mmの直径を有する。
【0067】
ランナ(18)は種々のローラ(17)上を走行すると共に、これらの種々の係留具(15)に関係付けられた鉤爪(24)は、上側帯体(6)を保持すべく、かつ、ベルト(2)上の過剰な荷重の場合に該上側帯体の傾斜を防止すべく、レール(21)と協働する。
【0068】
ベースプレート(7)は、上記ベルトを案内して垂直方向に安定化させる上記手段と協働して、コンベアのフレームもしくは構造体へと容易に一体化されることができる一種のサブアセンブリを形成する。
【0069】
ベルト(2)の下側帯体(9)は、上側帯体(6)を案内して安定化させる上記手段と等しい構造体を構成するレール(54)により同様に案内される。
【0070】
このレール(54)は、肩(51)の厚み分およびレール(21)の厚み分だけ増加されたローラ(17)の厚みに対応する厚みを有する。該レールは、ボルト(48)により交差部材(46)に締結された型材(55)により支持される。
【0071】
型材(55)は、水平に配置された不等長の両翼を有する“U”の形態であり、その下側翼はスペーサ(56)およびボルト(57)を介してレール(54)を支持する。
【0072】
上記ベルトの下側帯体(9)は同様に、コンベア・フレームの側面部材(12)により支持された(不図示の)案内ベースプレート上に着座する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】案内システムを示すべく部分的に破断されたモジュール形式の無限ベルトを備えた湾曲コンベアの概略図である。
【図2】図1における2−2線に沿う概略的断面図である。
【図3】モジュール式ベルトの一部、および、ローラを備えたレールを更に詳細な方式で示す図である。
【図4】本発明の第1実施例に従いベルトを案内して安定化させる手段の形態を概略的に更に詳細な方式で示す図3の4−4線に沿う断面図である。
【図5】本発明に係るランナを特に下方から見た斜視図である。
【図6】係留具を備えたベルトおよび該係留具上に設置されたランナをローラの側方から見た前面図である。
【図7】ベルトの内側面の下方の係留具と該係留具内に取入れられたランナとを示す図6の7−7線に沿う断面図である。
【図8】ランナを省略した図7に対応する図である。
【図9】係留具のみの背面図である。
【図10】係留具のみの前面図である。
【図11】ベルトの上側帯体を支持するベースプレートの実施例を、ベルトを案内かつ安定化する手段なしで単独で示す図である。
【図12】図11に示された支持用ベースプレートの12−12線に沿う断面図である。
【図13】ベルトを案内する手段の別実施例を図11および図12に示されたベースプレートと共に詳細に示す断面図である。
【符号の説明】
【0074】
1 コンベア
2 無限ベルト
3、4 ドラム
5 熱可塑性要素
6 上側帯体
7 ベースプレート
8 案内部
8' 湾曲案内部
8" 第2案内部
9 下側帯体
10 下側ベースプレート
11 案内部
12 側面部材
13 支柱
15 係留具
16 内側表面
17 ローラ
18 ランナ
19 凹所
20 ピン
21 湾曲レール/安定化レール
22 ネジ
23 底部
24 鉤爪
25 走行壁部
26 短突部
27 ハウジング
28 側面部材
29 仕切り
30 孔
31 突起部
32 分岐部
36 上側表面
37 湾曲凹溝
38 外側面部
39 溝
40 孔
41 孔
42 面取り部
43 内側面部
44 凹所
45 凹所
46 交差部材
47 ボルト
48 ボルト
50 ピン
51 肩
52 膨張部
53 孔
54 レール
55 型材
56 スペーサ
57 ボルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲経路部分においてベルトの上側帯体および下側帯体を支持かつ案内する構造体(もしくはフレーム)と、前記上側帯体のための曲線案内手段と、前記上側帯体のための安定化手段と、を備えるモジュール式無限ベルト・コンベアであって、
前記曲線案内手段が、前記支持構造体上に均一に分布されて前記ベルトの内側表面(16)上に配置された係留具(15)と協働するローラ(17)から構成され、前記係留具(15)が前記ベルトの前記上側帯体を安定化させる前記安定化手段と協働する鉤爪(24)を有する、モジュール式無限ベルト・コンベアにおいて、
前記各係留具(15)の前記鉤爪(24)と協働すべく前記ローラ(17)の直下に配置された湾曲レール(21)から構成される前記安定化手段を備えることを特徴とする、モジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項2】
前記ベルトの前記上側帯体(6)を支持する構造体を備え、
この構造体は、熱可塑性プラスチックのシートから円形リング部分の形態で作製されたベースプレート(7)から構成され、
前記ベースプレート(7)は、その外側縁部の近傍においてその厚み方向における湾曲部として配置された凹溝を有し、
前記凹溝は、前記係留具(15)の通過のための溝(39)と、前記ベルトの前記上側帯体(6)を案内して安定化させる前記手段を収容する凹所(19)とから形成されることを特徴とする、請求項1記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項3】
前記ローラ(17)の下方に配置された前記レール(21)は、前記ベースプレート(7)と同様に円弧として形成された薄い金属細長片の形態を取り、
前記レール(21)は前記ベースプレート(7)の前記凹所(19)内に配置かつ締結され、
前記レールの外側縁部は、前記係留具(15)が進行する前記溝(39)内へと突出することを特徴とする、請求項2記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項4】
前記各係留具(15)は、前記ベルト(2)の前記内側表面(16)上に一体方式で型成形された突出部の形態を取り、
該突出部は、一方では、前記ローラ(17)上を走行すべく配置されたランナ(18)の形態の追加部材を収容するハウジング(27)と、他方では、前記ハウジング(27)を越えて、前記安定化レールと協働する一種の鉤爪(24)を自身の終端分岐部が形成する角度付きブラケットの形態の機構とを備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項5】
隣り合う2個の前記ローラ(17)間の中心間距離は、前記ベルト(2)の連続的な2個の前記係留具(15)間に存在する間隔の0.5倍から1.5倍の間であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項6】
前記ランナ(18)は台形状の走行壁部(25)を有し、該走行壁部の高さは少なくとも前記ローラ(17)の高さに対応し、前記走行壁部の長さは、前記ベルト(2)の2個の前記係留具(15)間に存在する間隔の略3/4であることを特徴とする、請求項4または5に記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項7】
前記ランナ(18)は、前記走行壁部(25)の背後に、前記係留具(15)内に形成されたハウジング(27)に嵌合された短突部(26)の形態の一体突出部を備え、
前記短突部は、前記係留具(15)に対して該短突部が固定されることを可能とする手段を備えることを特徴とする、請求項4から6のいずれか一項に記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項8】
前記ランナ(18)の前記短突部(26)を前記係留具(15)に固定する前記手段は、前記係留具(15)の仕切り(29)に形成された孔(30)と協働する截頭円柱部分の形態の突起部 (31)から構成されることを特徴とする、請求項7記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項9】
前記ランナ(18)の前記短突部(26)の固定を許容する前記係留具(15)の前記仕切り(29)は、一方において、前記本体の2つの側面部材(28)であって前記ベルト(2)の前記内側表面(16)に対し且つ該ベルト(2)の移動方向に対して直交する2つの側面部材の間に伸び、且つ、他方において前記仕切りは、前記ランナの前記台形壁部(25)を越えて、前記鉤爪(24)により終端される角度付きブラケットの形態で延長されることを特徴とする、請求項8記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項10】
前記湾曲支持構造体は、厚み方向に湾曲凹溝(37)を有すべく加工された熱可塑性プラスチックのシートから構成され、
前記凹溝(37)は、前記係留具(15)の通過のための溝(39)と、前記ベルトの前記上側帯体(6)を案内する前記ローラ(17)と前記ローラの下方に配置されて前記ベルトの前記上側帯体(6)を安定化する前記レール(21)とを収容するための凹所とを備えることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のコンベアのための湾曲支持構造体。
【請求項11】
前記ローラ(17)と前記安定化レール(21)とを収容する前記凹所内において、前記ローラ(17)のピン(50)を収容すべく配置された孔(40)を有し、
各ピン(50)は、そのローラ(17)と前記安定化レール(21)との間に介設された肩(51)を有し、
前記ピン(50)は、その下端部にて、前記ピンが前記孔(40)内に圧力嵌めにより固定されることを許容する膨張部(52)であって前記レール(21)の固定を許容する膨張部(52)を備えることを特徴とする、請求項10記載の湾曲支持構造体。
【請求項12】
そのレール(21)が固定される前記ベースプレート(7)に形成された前記孔(40)に対向して配置された長楕円形状の孔(53)を有する前記レール(21)を備え、
前記孔(53)は、前記レールの膨張係数と前記ベースプレート(7)の膨張係数との間に存在する差を許容する寸法を有することを特徴とする、請求項11記載の湾曲支持構造体。
【請求項1】
湾曲経路部分においてベルトの上側帯体および下側帯体を支持かつ案内する構造体(もしくはフレーム)と、前記上側帯体のための曲線案内手段と、前記上側帯体のための安定化手段と、を備えるモジュール式無限ベルト・コンベアであって、
前記曲線案内手段が、前記支持構造体上に均一に分布されて前記ベルトの内側表面(16)上に配置された係留具(15)と協働するローラ(17)から構成され、前記係留具(15)が前記ベルトの前記上側帯体を安定化させる前記安定化手段と協働する鉤爪(24)を有する、モジュール式無限ベルト・コンベアにおいて、
前記各係留具(15)の前記鉤爪(24)と協働すべく前記ローラ(17)の直下に配置された湾曲レール(21)から構成される前記安定化手段を備えることを特徴とする、モジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項2】
前記ベルトの前記上側帯体(6)を支持する構造体を備え、
この構造体は、熱可塑性プラスチックのシートから円形リング部分の形態で作製されたベースプレート(7)から構成され、
前記ベースプレート(7)は、その外側縁部の近傍においてその厚み方向における湾曲部として配置された凹溝を有し、
前記凹溝は、前記係留具(15)の通過のための溝(39)と、前記ベルトの前記上側帯体(6)を案内して安定化させる前記手段を収容する凹所(19)とから形成されることを特徴とする、請求項1記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項3】
前記ローラ(17)の下方に配置された前記レール(21)は、前記ベースプレート(7)と同様に円弧として形成された薄い金属細長片の形態を取り、
前記レール(21)は前記ベースプレート(7)の前記凹所(19)内に配置かつ締結され、
前記レールの外側縁部は、前記係留具(15)が進行する前記溝(39)内へと突出することを特徴とする、請求項2記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項4】
前記各係留具(15)は、前記ベルト(2)の前記内側表面(16)上に一体方式で型成形された突出部の形態を取り、
該突出部は、一方では、前記ローラ(17)上を走行すべく配置されたランナ(18)の形態の追加部材を収容するハウジング(27)と、他方では、前記ハウジング(27)を越えて、前記安定化レールと協働する一種の鉤爪(24)を自身の終端分岐部が形成する角度付きブラケットの形態の機構とを備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項5】
隣り合う2個の前記ローラ(17)間の中心間距離は、前記ベルト(2)の連続的な2個の前記係留具(15)間に存在する間隔の0.5倍から1.5倍の間であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項6】
前記ランナ(18)は台形状の走行壁部(25)を有し、該走行壁部の高さは少なくとも前記ローラ(17)の高さに対応し、前記走行壁部の長さは、前記ベルト(2)の2個の前記係留具(15)間に存在する間隔の略3/4であることを特徴とする、請求項4または5に記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項7】
前記ランナ(18)は、前記走行壁部(25)の背後に、前記係留具(15)内に形成されたハウジング(27)に嵌合された短突部(26)の形態の一体突出部を備え、
前記短突部は、前記係留具(15)に対して該短突部が固定されることを可能とする手段を備えることを特徴とする、請求項4から6のいずれか一項に記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項8】
前記ランナ(18)の前記短突部(26)を前記係留具(15)に固定する前記手段は、前記係留具(15)の仕切り(29)に形成された孔(30)と協働する截頭円柱部分の形態の突起部 (31)から構成されることを特徴とする、請求項7記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項9】
前記ランナ(18)の前記短突部(26)の固定を許容する前記係留具(15)の前記仕切り(29)は、一方において、前記本体の2つの側面部材(28)であって前記ベルト(2)の前記内側表面(16)に対し且つ該ベルト(2)の移動方向に対して直交する2つの側面部材の間に伸び、且つ、他方において前記仕切りは、前記ランナの前記台形壁部(25)を越えて、前記鉤爪(24)により終端される角度付きブラケットの形態で延長されることを特徴とする、請求項8記載のモジュール式無限ベルト・コンベア。
【請求項10】
前記湾曲支持構造体は、厚み方向に湾曲凹溝(37)を有すべく加工された熱可塑性プラスチックのシートから構成され、
前記凹溝(37)は、前記係留具(15)の通過のための溝(39)と、前記ベルトの前記上側帯体(6)を案内する前記ローラ(17)と前記ローラの下方に配置されて前記ベルトの前記上側帯体(6)を安定化する前記レール(21)とを収容するための凹所とを備えることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のコンベアのための湾曲支持構造体。
【請求項11】
前記ローラ(17)と前記安定化レール(21)とを収容する前記凹所内において、前記ローラ(17)のピン(50)を収容すべく配置された孔(40)を有し、
各ピン(50)は、そのローラ(17)と前記安定化レール(21)との間に介設された肩(51)を有し、
前記ピン(50)は、その下端部にて、前記ピンが前記孔(40)内に圧力嵌めにより固定されることを許容する膨張部(52)であって前記レール(21)の固定を許容する膨張部(52)を備えることを特徴とする、請求項10記載の湾曲支持構造体。
【請求項12】
そのレール(21)が固定される前記ベースプレート(7)に形成された前記孔(40)に対向して配置された長楕円形状の孔(53)を有する前記レール(21)を備え、
前記孔(53)は、前記レールの膨張係数と前記ベースプレート(7)の膨張係数との間に存在する差を許容する寸法を有することを特徴とする、請求項11記載の湾曲支持構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2008−540295(P2008−540295A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510615(P2008−510615)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001062
【国際公開番号】WO2006/120354
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(507374778)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001062
【国際公開番号】WO2006/120354
【国際公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(507374778)
【Fターム(参考)】
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