説明

モジュール式LNGプロセス

【課題】選択量の軽質炭化水素ガスを液化するための軽質炭化水素ガス液化プロセスを効率的且つ経済的に設計する方法、構築する方法又は運転する方法を提供する。
【解決手段】本方法は、初期量の軽質炭化水素ガス59を液化するための軽質炭化水素ガス液化開始列15及びプロセスに対する軽質炭化水素ガスの最大量まで選択された追加量の軽質炭化水素ガス159,259を液化するための該軽質炭化水素ガス液化開始列に対する1段以上の任意の後続モジュール式拡張段115,215を含む。開始列は、軽質炭化水素供給ガス前処理設備、冷媒圧縮設備、極低温熱交換設備、アクセス設備、他の液化設備、液化製品貯蔵及び搬送設備などの設備を含む。これらの設備の少なくとも一部は、共用設備として用いられ、このような共用設備の使用は、後続の拡張段又はモジュールをプラント全体の容量を増加させるように構築させ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、初期軽質炭化水素ガス液化開始列(launch train)に対する1以上の任意の拡張段に関連するプラント機器を追加することにより拡張され得る共通の共用設備を有する初期軽質炭化水素ガス液化開始列を含むプラント設備を用いて、軽質炭化水素ガスの可変選択量を液化して、液化軽質炭化水素ガスを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの軽質炭化水素ガス埋蔵は、世界中で、軽質炭化水素ガスの市場とは遠く離れた地域で見られる。このような軽質炭化水素ガスは天然ガスと呼ばれる。天然ガスは、軽質ガソリン沸点範囲物質並びにC3〜C5気体状炭化水素類及びメタンであるコンデンセートを含み得る。
【0003】
頻繁に、このような天然ガスは、液化軽質炭化水素ガスを製造するための液化に望ましくない多量の水、硫黄化合物などの酸性ガス化合物、二酸化炭素などをさらに含む。液化軽質炭化水素ガスは、典型的には主としてメタンを含み、しばしば液化天然ガス(LNG)と呼ばれる
このようなガスが液化される場合、液化プラントの容量は、利用可能なガス市場、市場への搬送可能性などにより決定される。したがって、多くの例において、利用可能な市場とのバランスを残したまま市場が拡張するにつれ、段階的なステージの増加により液化プロセスの容量を増加させることが望ましい。したがって、本明細書において天然ガス液化プロセス又はLNGプロセスと呼ばれる軽質炭化水素ガス液化プロセスは、典型的には複列(trains)の状態で組み立てられる。本明細書において用いる用語「列(train)」とは、天然ガスを前処理でき液化できる一連の容器をいう。ガスは、液化ゾーンに装入される前に、非常に低いレベルまで酸性ガス及び水を取り除くように処理されることが望ましい。列は、さらに、冷凍容器などに要求される冷媒を圧縮するための圧縮設備を含む。列は、選択された量の液化天然ガスを製造するための一体型プロセスである。これまで、産業界は、利用可能な市場の需要などを満たすことが要求されると、1以上の追加の列(各々は自身のガス前処理機器、液化機器、並びに液化製品搬送及び貯蔵設備を含む)を追加することにより、プラント容量を拡張してきた。このような列は、これまで、更なる列の拡張を設計時に考慮することなく、ある量の液化製品を製造するように設計されてきた。
【0004】
図1において、軽質炭化水素ガス液化システム及びプロセス(列)の実施形態が概略示されている。図示するように、このシステム及びプロセスは、冷凍極低温熱交換器(refrigeration cryogenic heat exchanger)15を含む。図示するように、圧縮冷媒は、冷媒圧縮機32、34、36及び38にそれぞれシャフト連結されているタービン31、33、35及び37により極低温熱交換器15に供給される。高圧冷媒は、高圧冷媒ライン61及び62によって圧縮機32及び34に供給される。これらのラインは、典型的には、高圧冷媒が冷媒としての目的を果たして実質的に気体状態にまで暖められた後、高圧冷媒を極低温熱交換器15から戻す。圧縮高圧冷媒は、ライン63及び64を通して極低温熱交換器15に供給される。低圧冷媒は、低圧冷媒ライン65及び66によって圧縮機36及び38に供給される。これらのラインは、典型的には、低圧冷媒が冷媒としての目的を果たして実質的に気体状態にまで暖められた後、極低温熱交換器15から低圧冷媒を戻す。圧縮低圧冷媒は、ライン67及び68を通して極低温熱交換器15に供給される。このことは、冷媒を所望により異なる圧力にて圧縮機32、34、36及び38から製造することができ、所望により冷凍プロセス中の異なるポイントにて極低温熱交換器15に通過させることができる点を除いて、何の意味も持たない。当業者には公知のように、同一又は異なる冷媒を高圧冷媒ループ及び低圧冷媒ループにおいて用いることができる。
【0005】
さらに、入口軽質炭化水素ガスは、ライン59を通して極低温熱交換器15に装入される。入口軽質炭化水素ガスは、酸性ガス及び水を取り除くように処理されていることが望ましい。液化軽質炭化水素ガス生成物は、ライン69を通して製造される。典型的には、天然ガス又は他の軽質炭化水素ガス流がライン40を通して酸性ガス除去容器10に導入される。酸性ガス再生器11は、酸性ガス除去容器10とライン41及び42を通して流体連通状態に示されている。処理されたガスは、典型的には容器10からライン43を通して回収される。回収されたガスは、ライン44、45及び46を通して指定の脱水素容器20、21及び22まで通過する。典型的には、容器10は、当業者に公知のように作用する水性アミンスクラバーである。水性アミンは、ジグリコールアミン(DGA)、ジエチルアミン(DEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、メチルエチラノールアミン(MEA)、SULFINOL(Shell Oil Companyの商標)、活性メチルジエタノールアミン(aMDEA)及びこれらの組み合わせなどから選択され得る。酸性ガス除去容器10等の容器を通して硫黄は典型的には約4ppm未満のレベルまで除去され、二酸化炭素は、典型的には、約60ppm未満のレベルまで除去される。
【0006】
このような酸性ガス除去容器の一般的な作用は、図示するように、当業者には周知である。各列は、市場の要求に応じて、典型的には別個に構築されているから、酸性ガス除去容器及び関連する酸性ガス再生器を各列に設けることが一般的である。このことは、このような列及び関連する基幹施設の他の構成要素の場合にも当てはまる。
【0007】
水性アミンプロセスは、水中に比較的飽和しているガスを製造し、水はメタン(液化されるべき天然ガスの主成分を構成する)よりももっと高い温度で凍結するから、少なくとも水の大部分がガス流から除去されることが必要である。処理された水飽和ガスは、ライン43を通して酸性ガス除去容器10から回収され、ライン44、45及び46を通してそれぞれ脱水素容器20、21及び22に通過する。水は、脱水素容器20、21及び22を通して選択的に取り除かれ、ライン54、55及び56内で脱水ガスが発生する。容器20、21及び22からの脱水素ガスは、次いで、集められて、ライン59を通して極低温熱交換器15に通過する。典型的には、これらの脱水素容器は、モレキュラーシーブ、活性アルミナ等の吸着物質を含む。このような物質は、入口気体状流から極めて低いレベルまで水を取り除くために効果的であり、よって、気体状流を極低温熱交換器15内での液化に適切なものとする。典型的には、3個の容器を各列内に置いて、入ってくるガスを脱水素する要求を満たす。プロセスは、さらに、水銀等の他の汚染物質の除去用の吸着物質を用いることもできる。
【0008】
脱水素容器20、21及び22の使用時には、一般に、2個の容器が関連する供給ガス流44、45又は46から水を除去する作用をし、一方、1個の容器は熱い再生ガスにより再生中である。このような構成は図1に示されており、脱水素容器20及び21は入口ガス流44及び45から水を除去することにより、比較的水を含まないガス流54及び55を生じさせるように作用する。図示された構成において、脱水素容器22は、熱い再生ガスによって再生中であり、再生ガスはライン70を通して容器に入り、ライン71を通して容器から出る。図1において容器22及びプロセス流70及び71で示すように、すべての脱水素容器20、21及び22は、脱水素モード又は再生モード(簡略のために図示してはいないけれども)のいずれかで作用する能力を有する。典型的には、3個の容器を各列に置いて、入ってくるガスを脱水素する要求を満たす。
【0009】
酸性ガス除去容器は、当業者には周知であるように種々の技術によって容易に再生される。通常用いられる技術の一つは、再生のために容器11上の再沸器を用いることである。
【0010】
種々の冷凍プロセスが本発明の範囲内で意図される。用いる冷凍プロセス又は容器の特定のタイプに関して新規性を請求しない。本発明のプロセスは、入口流として軽質炭化水素ガスを必要とするあらゆるタイプの液化プロセスで有用であると考えられる。
【0011】
明らかに、上述のような冷凍プロセスの別個の列の構成は、脱水素容器、酸性ガス除去容器、冷媒圧縮及び極低温液化機器等の各列において共通の設備を重複させるかなりの額の出費をもたらす。したがって、継続研究は、これらの重複する容器の不必要な経費を削減するシステム及び方法の開発に向けられている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、軽質炭化水素ガス液化初期開始列及び軽質炭化水素ガス液化プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量まで選択された追加量の軽質炭化水素ガスを液化するための該軽質炭化水素ガス液化初期開始列に対する1以上の任意の後続の拡張段において、選択された量の軽質炭化水素ガスを液化するための効率的で経済的な軽質炭化水素ガス液化プロセスを設計する方法により、これらの容器に必要とされる経費を削減することができることが知見された。本方法は、
(a)酸性ガス及び水を除去するための軽質炭化水素ガス前処理設備と、冷媒圧縮設備と、極低温熱交換設備と、アクセス設備と、軽質炭化水素ガス液化設備と、液化軽質炭化水素ガス生成物貯蔵及び搬送設備とを含む、選択された初期量の軽質炭化水素ガスを液化するための軽質炭化水素ガス液化開始列を設計する工程と、
(b)該開始列内の設備の少なくとも一部を開始列とこの開始列に対する任意の後続モジュール式拡張段による共用するように設計する工程と、
(c)要求に応じて、該開始列に対する1以上の後続の任意拡張段の追加により該プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量を液化するために要求される最大容量まで、該モジュール式拡張段による共用開始列設備の少なくとも一部を設計する工程と、を含み、該開始列の共用設備は、構築されたままの開始列において、もしくは開始列において構築され且つ1以上の拡張段において所要容量まで拡張された、プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量を液化するために十分な寸法で設計されている。
【0013】
さらに、軽質炭化水素ガス液化初期開始列及び軽質炭化水素ガス液化プロセスの選択された最大量まで選択された追加量の軽質炭化水素ガスを液化するための該軽質炭化水素液化列に対する1以上の任意の後続拡張段において、選択された量の軽質炭化水素ガスを液化するための軽質炭化水素ガス液化プロセスを効率的且つ経済的に構築する方法により改良が達成されることが知見された。本方法は、
(a)酸性ガス及び水を除去する軽質炭化水素ガス前処理設備と、冷媒圧縮設備と、極低温熱交換設備と、アクセス設備と、軽質炭化水素ガス液化設備と、液化軽質炭化水素ガス生成物貯蔵及び搬送設備とを含む、軽質炭化水素ガスの第1の選択量の液化のための軽質炭化水素ガス液化開始列を構築する工程;
(b)該開始列内の設備の少なくとも一部を該開始列及び任意の後続の拡張段で共用するように位置づける工程;及び
(c)要求に応じて、軽質炭化水素ガスの最大量を液化するために必要とされる最大容量まで後続の拡張段の追加により構築するか、又は構築されたままの開始列において、もしくは開始列において構築され且つ1以上の任意の拡張段において所要容量まで拡張された、プロセスに対する液化軽質炭化水素ガスの最大量を液化するために十分な寸法に、モジュール式拡張段による共用される開始列設備の少なくとも一部を最初に構築する工程、
を含む。
【0014】
軽質炭化水素ガスの選択された量を液化するための軽質炭化水素ガス液化プロセスを効率的且つ経済的に運転する方法によって、改良が達成されることが知見された。このプロセスは、軽質炭化水素ガスの初期量を液化するための軽質炭化水素ガス液化開始列と、該プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量まで選択された追加量の軽質炭化水素ガスを液化するための該軽質炭化水素ガス液化列に対する1以上の後続の拡張段と、を含む。本方法は、
(a)酸性ガス及び水を除去する軽質炭化水素ガス前処理設備と、冷媒圧縮設備と、極低温熱交換設備と、アクセス設備と、軽質炭化水素ガス液化設備と、液化軽質炭化水素ガス生成物貯蔵及び搬送設備とを含む、軽質炭化水素ガスの選択された初期量を液化するための軽質炭化水素ガス液化開始列を構築する工程;
(b)該開始列内の該設備の少なくとも一部を該開始列及び該開始列に対する後続の任意のモジュール式拡張段で共用するように位置づける工程;
(c)要求に応じて、該開始列に対する1以上の後続の任意拡張段の追加により、該プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量を液化するために要求される最大容量まで、該モジュール式拡張段により共用される開始列設備の少なくとも一部を構築する工程であって、該開始列の共用設備は、構築されたままの開始列において、もしくは開始列において構築され且つ1以上の拡張段において所要容量まで拡張された、プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量を液化するために十分な寸法で設計される構築工程;及び
(d)該開始列内で軽質炭化水素ガスを処理して、液化軽質炭化水素ガスを製造する工程
を含む。
【0015】
複数の実施形態において、本発明は、さらに、選択された量の軽質炭化水素ガス液化用の軽質炭化水素ガス液化プロセスを効率的且つ経済的に運転する方法に関する。このプロセスは、軽質炭化水素ガスの初期量を液化するための軽質炭化水素ガス液化開始列と、該プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量まで追加量の軽質炭化水素を液化するための該軽質炭化水素ガス液化列に対する1以上の後続拡張段と、を含む。本方法は、
(a)酸性ガス及び水を除去するための軽質炭化水素ガス前処理設備と、冷媒圧縮設備と、極低温熱交換設備と、アクセス設備と、軽質炭化水素ガス液化設備と、液化軽質炭化水素ガス製品貯蔵及び搬出設備と、を含む軽質炭化水素ガスの選択初期量の液化のための軽質炭化水素ガス液化開始列を構築する工程;
(b)該開始列内の設備の少なくとも一部を該開始列及び該開始列に対する後続モジュール式拡張段で共用するように位置づける工程;
(c)要求に応じて、該開始列に対する1以上の後続の拡張段の追加により、該プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量を液化するために要求される最大容量まで該モジュール式拡張段により共用される開始列設備の少なくとも一部を構築する工程であって、該開始列の共用設備は、構築されたままの開始列において、もしくは開始列において構築され且つ1以上の拡張段において所要容量まで拡張された、プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量を液化するために十分な寸法で設計される構築工程;
(d)該開始列内で軽質炭化水素ガスを処理して液化軽質炭化水素ガスを製造する工程;
(e)該プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量まで選択された追加量の軽質炭化水素ガスを液化するために、要求に応じて、該開始列の容量を増加させるために、該開始列に対する1以上の拡張段を構築する工程であって、該開始列において構築されたままの開始列内共用設備、もしくは該開始列において構築され且つ1以上の拡張段において所要容量まで拡張された開始列内共用設備を用いることによって液化軽質炭化水素ガスを製造することができる拡張段を構築する工程;及び
(f)該共用設備を用いる該開始列及び1以上の拡張段を用いて、軽質炭化水素ガスを液化軽質炭化水素ガスに処理する工程
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、1個の液化列を用いる軽質炭化水素ガスを液化するプロセスの概略図である。
【図2】図2は、開始列が実線で描かれている機器及び関連する配管を具備し、この開始列に対する後続の拡張段(モジュール)が点線で描かれている機器及び関連する配管を具備する、共用設備として酸性ガス除去設備を用いる本発明の一実施形態の概略図である。
【図3】図3は、開始列が実線で描かれている機器及び関連する配管を具備し、後続の拡張段(モジュール)が点線で描かれている機器及び関連する配管を具備する、共用設備として脱水素設備を用いる本発明の一実施形態の概略図である。
【図4】図4は、開始列が実線で描かれている冷媒圧縮機器及び極低温熱交換機器と関連する配管とを具備し、後続の拡張段(モジュール)が点線で描かれている冷媒圧縮機器及び極低温熱交換機器と関連する配管とを具備する、液化設備の一実施形態の概略図である。
【実施形態】
【0017】
図の記載中、示したフローを達成するために必要な多くのポンプ、バルブなどは当業者に公知であるから、簡略化のために図示していない。
【0018】
本発明は、初期開始列及び後続の拡張段の両者に共通するある設備を含むようにプロセスを設計する工程を含む方法により、軽質炭化水素ガス液化初期開始列を用いて選択された量の軽質炭化水素ガスを液化し、及び1以上の後続のモジュール式拡張段を用いて液化軽質炭化水素ガスの選択された最大量まで軽質炭化水素ガスを液化する、軽質炭化水素ガスの液化用の軽質炭化水素ガス液化プロセスを運転する際の改良された効率と経済性を提供する。用語「軽質炭化水素ガス液化列」又は「列」とは、液化設備へのガス供給物の前処理及び後処理に用いられるこれらのユニット及び設備並びに図1に示すような冷媒を圧縮するための設備などをいう。このような酸性ガス設備は、酸性ガス除去機器、脱水素機器、水銀又は他の汚染物質除去機器、冷媒圧縮及び極低温熱交換器機器、及び関連する配管を含み得る。
【0019】
酸性ガス除去容器及び脱水素容器は、典型的には、吸着容器と、それぞれ酸性ガス除去容器又は脱水素容器内で用いられる媒体を再生するための再生容器との両者を含む。例えば、酸性ガス除去区域において、吸着容器及び再生容器が必要である。これらの設備を(従来技術において実施されていたように)各列において重複して用いる場合には、各列は吸着容器及び再生容器を含むであろう。明らかに、初期開始列の設計及び構築時に、追加の拡張段が望ましい場合に必要とされる追加の吸着容器を収容するに十分な寸法の酸性ガス吸着容器内で用いられる水性アミン用再生器を含むように列を設計し構築したならば、経済性が認められたであろう。望ましくは、この機器は、均等にアクセス可能であるか少なくとも必要な機器すべてにアクセス可能である領域に配置され、開始列及び追加の拡張段に作用して、再生ガス吸着に使用されるアミン水溶液の再生及びリサイクル用の再生容器と流体連通状態に保つように、追加の酸性ガス除去容器を位置づけることができる。例えば、これらの容器は共通のサイトに置かれ、酸性ガスが除去されているガスは次いで適切な液化設備に通過する。この結果、ただ一個の水性アミン再生容器の構築で済み、各後続の液化拡張段用の追加の酸性ガス吸着容器1個だけを構築すればよい。
【0020】
同様に、脱水素容器を用いる場合、各列に3個が典型的に構築される。2個の容器は典型的には、水の吸着のために用いられ、第3の容器は水から発生する熱いガスにより再生される。製造されるべきガスの概算最大量が既知である場合、複数の脱水素容器を共通のサイトに一緒に置いて、酸性ガスの除去により製造された酸性ガス含量が減少したガスを脱水して、酸性ガス含量が減少した脱水軽質液化炭化水素ガス流を製造する。このような容器の再生時間は、脱水素用ラインで必要とされる時間よりも実質的に短いことは周知である。従来の実施では、各列に3個の脱水素容器を設けて、2個の容器が作動中に他の容器を再生していた。容器を共通のサイトに位置づけると、拡張中にただ一個の余分の容器を追加することが必要となるだけである。任意の所与時間において作動する2個の容器は第3の容器を再生するための時間を提供するに十分長い時間運転するであろうから、1個の容器で十分である。第3の容器が再生されるときに、消費されてしまっているかもしれない他の容器の一方からのガスフローは、再生容器に再度経路付けられ、次いで消費されてしまっている容器が再生される。この態様で容器を使用することにより、各脱水素容器再生用の第2の容器を作る必要なく、複数の容器を用いることができる。これらの容器は、グループとして用いることができ、1グループ内で使用可能な容器の数は、各容器の稼働時間を再生時間で割って得た数の任意の小数部分を無視して1をプラスした整数である数に等しい数に等しい。この数は、1個の追加の再生容器と一緒に用いることができる容器の数を規定する。再生時間が稼働時間の1/3に等しい場合には、従来技術に従って通常構築されていた6個の容器よりもむしろ4個の容器を用いて3列を提供することができる。同様に、ドッキング設備、液体天然ガス貯蔵及び搬送設備、C3+炭化水素除去設備などの構築にも改良が認められる。
【0021】
本発明によれば、これらの設備は、モジュール式増分だけ第1の開始列から拡張することができる第1の開始列形態で製造されるか、又は液化プロセスを通して処理されるであろう軽質炭化水素ガスの最大量を取り扱うために必要な寸法の第1の開始列で製造される。
【0022】
典型的には、このようなプロセスは、列を追加することにより、及び前述のように各列において各列のために必要とされる設備のすべてを重複させることにより、拡張されている。本発明によれば、共用設備は、第1の液化開始列及び後続のモジュール式拡張段により用いられる。モジュール式拡張段が加えられて容量を増加させるので、初期開始列と増分拡張段との組み合わせにより予想される最大容量を取り扱うことができる寸法の共用設備の大きさとなるように初期開始液化列は設計される。例えば、最初に、圧縮冷媒の全量未満を後続のモジュール式拡張段に装入することができる。これは、設備を通して製造され得る液化天然ガスの全量に対する市場が存在する前に、拡張段の追加を可能とする。さらに、市場が拡張して、別の後続モジュール式拡張段への圧縮冷媒仕込量の全量を含む場合に、このシステムを容易に拡張可能とする。
【0023】
図2は、酸性ガス除去ユニット(AGRU)の段階的拡張を説明する。ここで、実線は開始(新規又は既存)列を示し、点線は任意の別の拡張設備及び1又は2段拡張に必要とされる関連する配管を示す。先に図1に示したように、各列は、典型的には、酸性ガス除去容器10及び酸性ガス再生器11を含む。本発明によれば、初期開始列及び後続の拡張段に対する酸性ガス除去に必要とされる設備は、設備投資を削減してプラントレイアウト全体を改良しようとして、共通の領域に配置されるか、あるいは少なくとも合理的な流体連通状態で配置されることが望ましい。例えば、プラント処理量を増加させることが望ましい場合には、関連する配管と一緒に酸性ガス除去容器110及び酸性ガス再生器111を組み込むことができ、よって元のAGRUの処理量を増加させる。関連する配管と一緒に酸性ガス除去容器210及び酸性ガス再生器211を追加することで、さらなる列拡張段を得ることもできる。プラントの運転条件及びパラメータに依存して、複数の酸性ガス再生器の必要性は1個の酸性ガス再生器を用いることにより排斥され、従来知られている完全な列拡張により必要とされる設備投資及びスペース(不動産)をさらに削減するであろう。図2には示していないが、軽質炭化水素供給ガス中の酸性ガスの量に依存して、場合によっては、酸性ガス再生器11が更なる拡張に対する再生要求の全量を取り扱うことができるような寸法とすることもでき、こうして酸性ガス再生器111及び211に対する必要性を排斥する。
【0024】
図2に示す2段の拡張段の実装後、ライン40’を介して仕込まれる入口ガス流から酸性ガスを除去するために3個の酸性ガス除去容器10、110及び210を利用することができる。入口ガスは、ライン40、140及び240を通して、酸性ガス除去容器10、110及び210のいずれか又はすべてに通過してもよい。示した酸性ガス除去容器は、当該分野で一般に知られているように、アミン水溶液を用いてもよく、図1に関して議論したように運転することができる。酸性ガス含量が減少した気体状流は、ライン43、143及び243を通して回収され、一緒になって流43’を作る。流43’は、プロセスの残部を流れ続ける。
【0025】
図2に示した酸性ガス除去設備が、複数段の列拡張段に作用することが望ましい。図示したように、酸性ガス除去設備は、3個の再生容器11、111及び211又は前述のような1個の適切な大きさの再生容器内で生じる再生を伴う開始列及び追加の拡張段に対する酸性ガス除去の必要性に応えることができる。新鮮なアミンは、ライン42、142及び242を介して製造され、それぞれ容器10、110及び210の上部に流入する。使用済みアミンは、ライン41、141及び241を通して容器11、111及び211に通過し、ループを完成する。ただ1個の酸性ガス再生容器を設計し作用させることが望ましい場合には、再生容器の下部に存在する1本の主要ライン(簡略化のために図示していない)により運ばれる酸性ガス再生容器からの新鮮なアミンが、ライン42、142及び242を通して適切に分配される。同様に、使用済みアミンは、ライン41、141及び241を通して酸性ガス除去容器10、110及び210を出て、1個の酸性ガス再生容器の上部に入る1本の主要ライン(図示せず)に一緒になって流入する。いずれの実施形態においても、再生されたアミン水溶液は、継続的に各容器の上部に提供され、使用済みアミン溶液は容器の下部から回収されて再生器に戻される。
【0026】
1個の再生容器を用いなければならない場合には、容器は、運転中の酸性ガス除去容器10、110及び210に仕込まれた気体状流から酸性ガス化合物を除去するために、新鮮な再生アミン水溶液を十分な量で提供するような寸法でなければならない。全4個の容器に供給するために十分な再生アミンを提供するに十分な再生容量を具備するように1個の再生容器の寸法を決めることは、わずかな追加の出費を必要とする。よって、追加の拡張段は、1個の酸性ガス除去接触容器を単に追加することによりなされ得る。大量の再生容量が存在する限り、1個の酸性ガス除去容器と1個の再生容器の追加よりもむしろ1個の酸性ガス除去容器の追加だけが必要であることにより、有意に削減された設備投資費用にて、ガス処理量の利益を得ることができる。
【0027】
図3に示す好ましい実施形態において、軽質炭化水素ガス流を脱水素するために用いるに適する複数の容器の配置が示されている。ここで、実線は開始(新規又は既存)列を示し、点線は可能な拡張設備及び1段又は2段の拡張に必要とされる関連する配管を示す。入口ガス流は、ライン43’を通して受け入れられ、それぞれライン44、45、46、47及び48を介して再生モードではない脱水素容器20、21、22、120及び220に通過してもよい。事実上水を含まない生成物流は、それぞれプロセスライン54、55、56、57及び58を通して回収される。簡略化のために完全には図示していないが、各容器は、脱水素モード又は再生モードのいずれかで運転するように設計されていてもよい。例えば、実線で図3に示すように、容器20及び21は脱水素モードにあり、一方、容器22は再生モードにあって、ストリッピングガスがライン70を通して容器22に導入され、ライン71を通して容器22から出る。図3に示してはいないが、上述の例で説明したように、すべての脱水素容器が脱水素モード又は再生モードのいずれかで運転できるように、各容器は適切なバルブ及び配管を有するように設計される。
【0028】
図4に示す好ましい実施形態において、軽質炭化水素ガスの液化に適切な極低温熱交換器及び関連する圧縮機、タービン及び配管の配置が示されている。ここで、実線は開始(新規又は既存)列を示し、点線は1段又は2段のモジュール式拡張に必要とされる可能な拡張設備及び関連する配管を示す。AGRUで処理され脱水素されたガス流は、プロセスライン59’により受け入れられ、それぞれライン59、159及び259を通して極低温熱交換器15、115及び215に分配されてもよい。
【0029】
図示するように、圧縮冷媒は、それぞれタービン31、33、35、37、131、135、231及び235により、極低温熱交換器15、115及び215に供給される。タービン31、33、35、37、131、135、231及び235は、それぞれ冷媒圧縮機32、34、36、38、132、136、232及び236にシャフト連結されている。高圧冷媒は、高圧冷媒ライン61、62、162及び262により、圧縮機32、34、132及び232に供給される。これらのラインは、典型的には、高圧冷媒が冷媒としての目的を果たし、実質的に気体状態まで暖められた後、高圧冷媒を極低温熱交換器15、115及び215から戻す。圧縮高圧冷媒は、ライン63、64、163及び263を通して、極低温熱交換器15、115及び215に供給される。低圧冷媒は、低圧冷媒ライン65、66、166及び266により、圧縮機36、38、136及び236に供給される。これらのラインは、典型的には、低圧冷媒が冷媒としての目的を果たし、実質的に気体状態まで暖められた後、低圧冷媒を極低温熱交換器15、115及び215から戻す。圧縮低圧冷媒は、ライン67、68、167及び267を通して、極低温熱交換器15、115及び215に供給される。所望であれば、圧縮機32、34、36、38、132、136、232及び236から異なる圧力で冷媒を製造することができ、所望及び必要に応じて、極低温熱交換器15、115及び215に冷凍プロセスの異なるポイントにて冷媒を通過させることができる点を除いて、このことに大きな意味はない。同一もしくは異なる冷媒を高圧冷媒ループ及び低圧冷媒ループ内で用いることができる。
【0030】
図4には示していないが、軽質炭化水素液化プロセスには水銀または他の汚染物質除去設備が典型的に用いられる。水銀除去のために、非再生システム及び再生システムの仕事を達成する2種の方法がある。
【0031】
非再生システムにおいて、気相中の元素水銀は、硫黄などの水銀トラップ物質によってトラップされ、不揮発性の硫化水銀(HgS)の形態で揮発性水銀を固定する。最も一般的には、活性炭が化学的に処理されるか又は硫黄などの水銀固定化合物に含浸される。水銀は、非再生炭素上に化学吸着され、非再生炭素は定期的に交換されなければならない。
【0032】
再生システムにおいて、気相中の元素水銀は、銀などの水銀トラップ物質によってトラップされる。銀は、アルミナ又はゼオライト(モレキュラーシーブ)又は他の不活性担体に担持される。この物質はモレキュラーシーブユニット内に置かれ、再生サイクル中に水銀は脱着される。
【0033】
本発明によれば、開始列及び多数の段階的拡張段を含む酸性ガス除去及び脱水素処理された冷凍プロセス用の天然ガスを製造するための改良されたシステム及び方法が示されている。図2〜図4を考慮することにより、本発明によるモジュール式拡張段により空間(不動産)及び設備投資に関する節約が得られることは当業者には容易に理解されるであろう。
【0034】
本発明によれば、モジュール化によるか又は最初に液化プロセスにおいて軽質炭化水素ガスの所望の最大容量を処理するように設計された共用設備の使用による後続の拡張段により用いられ得る軽質炭化水素ガス液化プロセス共用設備を開始列内に含むことにより、改良された効率及び経済性が達成される。この結果、最大容量でのプロセスの運転全体における実質的な節約が得られ、プロセスを増分的に拡張することが非常に容易になる。例えば、軽質炭化水素ガス流の処理において、上述のように、すべての列を組み合わせて含むプロセスの最大容量を意図する酸性ガス除去容器のすべてに対する水性アミンを再生するに適切な寸法の再生区域を追加することにより、経済性を改良することができる。この容量は、長年にわたっては達成されないかもしれないが、節約に関して各列での第2の再生容器及び第2の酸性ガス除去容器の使用と比較すると、より大きな容器の追加費用は比較的少額である。同様に、上述のような複数の脱水素容器の使用は実質的な節約をもたらす。例えば、ただ2個の容器だけが最初に用いられる場合であってさえも、この態様で作用する第3の容器の追加が、通常必要とされる一対の脱水素容器よりもむしろただ1個の脱水素容器の追加を伴う第2の列の追加を可能とする。さらに、図2〜図4に示したように、所望の容量増加のために完全な液化設備よりも少ない設備が必要とされる場合であっても、より少量の圧縮冷媒量でより少量の軽質炭化水素ガスフローを伴う追加の液化設備を追加することができ、現行の需要に合致する適切な量で液化軽質炭化水素ガス流を製造する。同様に、ドッキング設備、アクセス道路、C3+炭化水素除去設備などもすべて、モジュール式拡張用もしくは最大プラント寸法に対応する寸法のいずれかで最初に設計することができ、プロセス拡張段が必要とされる場合に得られる効率及び設備の重複を減少させることにより達成される経済性を得ることができる。
【0035】
本発明を好ましい実施形態のいくつかを参照しながら記載してきたが、記載された実施形態は説明を目的とするものであって、本発明を限定するものではなく、多くの変形例や変更例が本発明の範囲内で可能であることを指摘しておく。このような多くの変形例や変更例は、好ましい実施形態の上述の記載を読むことにより、当業者には自明であり望ましいことであると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽質炭化水素ガスの初期量を液化するための軽質炭化水素ガス液化開始列と、プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択最大量まで追加の選択された量の軽質炭化水素ガスを液化するための該軽質炭化水素ガス液化列に対する1段以上の任意の後続拡張段と、を含む選択された量の軽質炭化水素ガスを液化するための軽質炭化水素ガス液化プロセスを効率的且つ経済的に運転する方法であって、下記工程:
(a)酸性ガス及び水を除去する軽質炭化水素ガス前処理設備と、冷媒圧縮設備と、極低温熱交換設備と、アクセス設備と、軽質炭化水素ガス液化設備と、液化軽質炭化水素ガス生成物貯蔵及び搬送設備とを含む、軽質炭化水素ガスの選択された初期量を液化するための軽質炭化水素ガス液化開始列を構築する工程;
(b)該開始列内の該設備の少なくとも一部を、該開始列及び該開始列に対する後続の任意のモジュール式拡張段で共用するように位置づける工程;
(c)要求に応じて、該開始列に対する1以上の後続の任意拡張段の追加により構築された該プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量を液化するために要求される最大容量まで、該モジュール式拡張段による共用される開始列設備の少なくとも一部を設計する工程であって、該開始列の共用設備は、構築されたままの開始列及び所要容量まで拡張された1以上の拡張段においてプロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量を液化するために十分な寸法で設計されている構築工程;及び
(d)該開始列内で軽質炭化水素ガスを処理して、液化軽質炭化水素ガスを製造する工程
を含む方法。
【請求項2】
さらに、
(e)該プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量まで、追加の選択された量の軽質炭化水素ガスを液化する要求に応じて該開始列の容量を増加させるために、該開始列に対する1以上の拡張段を構築する工程であって、構築されたままの開始列と必要な容量まで拡張された1以上の拡張段との共用設備を用いることによって液化軽質炭化水素ガスを製造することができる拡張段を構築する工程;及び
(f)該共用設備を用いる該開始列及び1以上の拡張段を用いて、軽質炭化水素ガスを液化軽質炭化水素ガスに処理する工程
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記共用設備は、酸性ガス除去設備を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記共用設備は、水銀除去設備を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記共用設備は、脱水素設備を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記共用設備は、冷媒圧縮設備及び極低温熱交換設備を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
選択量の軽質炭化水素ガスを液化するための軽質炭化水素ガス液化プロセスを効率的且つ経済的に運転する方法であって、該液化プロセスは初期量の軽質炭化水素ガスを液化するための軽質炭化水素ガス液化開始列と、プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択最大量以下の追加の選択量の軽質炭化水素ガスを液化するための該軽質炭化水素ガス液化列に対する1以上の後続拡張段と、を含み、該方法は、下記工程:
(a)酸性ガス及び水を除去するための軽質炭化水素ガス前処理設備と、冷媒圧縮設備と、極低温熱交換設備と、アクセス設備と、軽質炭化水素ガス液化設備と、液化軽質炭化水素ガス製品貯蔵及び搬送設備と、を含む軽質炭化水素ガスの選択初期量の液化のための軽質炭化水素ガス液化開始列を構築する工程;
(b)該開始列内の設備の少なくとも一部を該開始列及び該開始列に対する後続モジュール式拡張段で共用するように位置づける工程;
(c)要求に応じて、1以上の後続の拡張段を該開始列へ追加することにより該プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量を液化するために要求される最大容量まで、該モジュール式拡張段により共用される開始列設備の少なくとも一部を構築する工程であって、該開始列の共用設備は、構築されたままの開始列において、もしくは開始列において構築され且つ1以上の拡張段において所要容量まで拡張された、プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量を液化するために十分な寸法で設計される構築工程;
(d)該開始列内で軽質炭化水素ガスを処理して液化軽質炭化水素ガスを製造する工程;
(e)該プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量まで追加量の軽質炭化水素ガスを液化する要求に応じて、該開始列に対して1以上の拡張段を構築して容量を増加させる工程であって、構築されたままの開始列もしくは該開始列において構築され且つ1以上の拡張段において必要な容量まで拡張された開始列内共用設備を用いることによって液化軽質炭化水素ガスを製造することができる拡張段を構築する工程;及び
(f)該共用設備を用いる該開始列及び1以上の拡張段を用いて、軽質炭化水素ガスを液化軽質炭化水素ガスに処理する工程
を含む方法。
【請求項8】
前記共用設備は、酸性ガス除去設備を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記共用設備は、水銀除去設備を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記共用設備は、脱水素設備を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記共用設備は、冷媒圧縮設備及び極低温熱交換設備を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
初期開始軽質炭化水素ガス液化列及びプロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量までの選択された追加量の軽質炭化水素ガスを液化するための該軽質炭化水素液化列に対する1以上の任意の後続拡張段において、選択された量の軽質炭化水素ガスを液化するための効率的且つ経済的な軽質炭化水素ガス液化プロセスを設計する方法であって、下記工程:
(a)酸性ガス及び水を除去するための軽質炭化水素ガス前処理設備と、冷媒圧縮設備と、極低温熱交換設備と、アクセス設備と、軽質炭化水素ガス液化設備と、液化軽質炭化水素ガス生成物貯蔵及び搬送設備とを含む、選択された初期量の軽質炭化水素ガスを液化するための軽質炭化水素ガス液化開始列を設計する工程;
(b)該開始列内の設備の少なくとも一部を開始列とこの開始列に対する任意の後続モジュール式拡張段により共用するように設計する工程;及び
(c)要求に応じて、1以上の後続の任意拡張段を該開始列へ追加することにより該プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量を液化するために要求される最大容量まで、該モジュール式拡張段により共用される開始列設備の少なくとも一部を設計する工程を含み、該開始列の共用設備は、構築されたままの開始列において、又は開始列において構築され且つ1以上の拡張段において所要容量まで拡張された、プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量を液化するために十分な寸法で設計されている方法。
【請求項13】
さらに、
(d)プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量まで選択された追加量の軽質炭化水素ガスを液化する要求に応じて、容量を増加させるために、該開始列に対する1以上の拡張段を設計する工程であって、構築されたままの開始列もしくは該開始列において構築され且つ1以上の拡張段において必要な容量まで拡張された、該開始列の共用設備を用いることによって液化軽質炭化水素ガスを製造することができる拡張段を設計する工程
を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記共用設備は、酸性ガス除去設備を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記共用設備は、水銀除去設備を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記共用設備は、脱水素設備を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記共用設備は、冷媒圧縮設備及び極低温熱交換設備を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
初期開始軽質炭化水素ガス液化列及びプロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量まで選択された追加量の軽質炭化水素ガスを液化するための該軽質炭化水素液化列に対する1以上の任意の後続拡張段において、選択された量の軽質炭化水素ガスを液化するための軽質炭化水素ガス液化プロセスを効率的且つ経済的に構築する方法であって、下記工程:
(a)酸性ガス及び水を除去する軽質炭化水素ガス前処理設備と、冷媒圧縮設備と、極低温熱交換設備と、アクセス設備と、軽質炭化水素ガス液化設備と、液化軽質炭化水素ガス生成物貯蔵及び搬送設備とを含む、軽質炭化水素ガスの第1の選択された量の液化のための軽質炭化水素ガス液化開始列を構築する工程;
(b)該開始列内の設備の少なくとも一部を該開始列及び任意の後続の拡張段で共用するように位置づける工程;及び
(c)要求に応じて、軽質炭化水素ガスの最大量を液化するために必要とされる最大容量まで後続の拡張段の追加によりモジュール式拡張段用の共用開始列設備の少なくとも一部を構築するか、又は構築されたままの開始列においてもしくは開始列において構築され且つ1以上の任意の拡張段において必要とされる容量まで拡張された、プロセスに対する液化軽質炭化水素ガスの最大量を液化するために十分な寸法の共用開始列設備の部分を最初に構築する工程、
を含む方法。
【請求項19】
さらに、
(d)プロセスに対する軽質炭化水素ガスの選択された最大量まで選択された追加量の軽質炭化水素ガスを液化するために要求に応じて、容量を増加させるために該開始列に対する1以上の拡張段を構築する工程であって、構築されたままの開始列もしくは該開始列において構築され且つ1以上の拡張段において必要な容量まで拡張された、開始列内共用設備を用いることによって液化軽質炭化水素ガスを製造することができる拡張段を構築する工程
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記共用設備は、酸性ガス除去設備を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記共用設備は、水銀除去設備を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記共用設備は、脱水素設備を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記共用設備は、冷媒圧縮設備及び極低温熱交換設備を含む、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−94145(P2011−94145A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−261520(P2010−261520)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【分割の表示】特願2004−542054(P2004−542054)の分割
【原出願日】平成15年9月30日(2003.9.30)
【出願人】(503259381)ビーピー・コーポレーション・ノース・アメリカ・インコーポレーテッド (84)
【Fターム(参考)】