説明

モジュール

【課題】電子機器に搭載する場合に搭載面積を抑えることができ、搭載されている部品素子が外部から電磁波の影響を抑えることができるモジュールを提供する。
【解決手段】一方の主面に凹部空間が設けられ他方の主面に部品素子搭載パッドが設けられているカバーと、前記凹部空間の底面及び側面に一体的に設けられている金属からなるシールド膜と、前記部品素子搭載パッドに搭載されている部品素子と、から構成されていることを特徴とするモジュールと 配線基板と、前記配線基板に搭載されている配線基板用部品素子と、から主に構成されており、前記配線基板に搭載されている前記配線基板用部品素子が前記凹部空間内に収納され、前記シールド膜が所定の一つの配線基板接続端子と電気的に接続されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器等に用いられ、複数の部品素子が搭載されているモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の部品素子が搭載されているモジュールは、一例として、携帯用通信機器や電子計算機等の電子機器を構成する通信モジュールがある。
一般に、このような通信モジュールは、複数の部品素子が配線基板の一方の主面に搭載された構造となっている。
【0003】
ここで、このような通信モジュールは、例えば、部品素子が2つ備えており、一方の部品素子が発振回路の機能を有する発振回路部と他方の部品素子が振動子の機能を有する振動子部とである。
このような通信モジュールは、例えば、配線基板と、配線基板に搭載されている発振回路部と、発振回路部に電気的に接続されている振動子部と、から主に構成されている。
【0004】
配線基板は、例えば、絶縁性材料が用いられ、矩形形状の平板状に設けられている。
また、配線基板は、例えば、配線基板の一方の主面に、後述する発振回路部を搭載するための発振回路部搭載パッドと後述する振動子部を搭載するための振動子部搭載パッドとが設けられている。また、配線基板は、配線基板の他方の主面に通信モジュールの外部接続端子の役割を果たす配線基板接続端子が設けられている。
また、配線基板は、配線基板接続端子や発振回路部搭載パッドや振動子部搭載パッドを電気的に接続している複数の配線が設けられている。
【0005】
発振回路部は、例えば、トランジスタや抵抗といった複数の電子部品から構成されて、発振回路の機能を果たす。
なお、ここで、発振回路部が複数の電子部品から構成されている場合について説明しているが、発振回路の機能を果たすことができれば、集積回路素子を用いてもよい。
【0006】
ここで、振動子部は、例えば、圧電振動素子と、この圧電振動素子を搭載する素子搭載部材と、圧電振動素子を気密封止する蓋部材とから主に構成されている圧電振動子である。
圧電振動素子は、例えば、圧電片と励振電極と引き回し電極とから主に構成されている。
圧電片は、例えば、圧電材料が用いられ、矩形形状の平板状に設けられている。
励振電極は、例えば、2つ一対となっている。一方の励振電極は、圧電片の一方の主面に設けられている。他方の励振電極は、一方の励振電極と対向する位置であって圧電片の他方の主面に設けられている。
引き回し電極は、例えば、2つ一対となっている。一方の引き回し電極は、一方の端部が一方の励振電極と接続されており他方の端部が圧電片の他方の主面の一方の短辺側に位置している。他方の引き回し電極は、一方の端部が他方の励振電極と接続されており他方の端部が圧電片の一方の主面の一方の短辺側に位置している。
【0007】
素子搭載部材は、例えば、絶縁材料であるセラミックスが用いられている。
また、素子搭載部材は、一方の主面に圧電振動素子用凹部空間が設けられており、この圧電振動素子用凹部空間の底面に複数の圧電振動素子搭載パッドが設けられている。また、素子搭載部材は、他方の主面に発振回路部用凹部空間と複数の素子搭載部材接続端子とが設けられている。
圧電振動素子用凹部空間は、その内部に圧電振動素子を収納することができる大きさとなっている。
圧電振動素子搭載パッドは、例えば、2つ一対となっており、圧電振動素子用凹部空間の底面の一方の短辺側に沿って2つ並んで設けられている。また、圧電振動素子搭載パッドは、圧電振動素子に設けられている引き回し電極と対向する位置に設けられ、電気的に接続された状態となっている。
発振回路部用凹部空間は、その内部に発振回路部を収納することができる大きさとなっている。
素子搭載部材接続端子は、圧電振動子の外部接続端子の役割を果たす。また、素子搭載部材接続端子は、配線基板に設けられている素子搭載部材搭載パッドと対向する位置に設けられ電気的に接続されている。
ここで、素子搭載部材接続端子は、例えば、4つ設けられており、素子搭載部材の他方の主面に一つずつ設けられている。所定の2つの素子搭載部材接続端子は、圧電振動素子搭載パッドと電気的に接続されている。
つまり、素子搭載部材は、圧電振動素子搭載パッドと圧電振動素子に設けられている引き回し電極とが電気的に接続されて、圧電振動素子を圧電振動素子用凹部空間内に設け素子搭載部材に搭載させている。従って、素子搭載部材は、所定の圧電振動素子搭載パッドと所定の2つの素子搭載部材接続端子とが電気的に接続となっているので、励振電極と所定の2つの素子搭載部材接続端子とが電気的に接続された状態となっている。
また、素子搭載部材は、発振回路部用凹部空間の開口部が配線基板側を向いた状態で配線基板に設けられるので、発振回路部用凹部空間内に発振回路部が収納されている。
【0008】
蓋部材は、例えば、金属が用いられ、矩形形状の平板状に設けられている。
また、蓋部材は、圧電振動素子用凹部空間が設けられている素子搭載部材の一方の主面と接合されて、素子搭載部材に搭載されている圧電振動素子を気密封止している。
【0009】
このような通信モジュールは、圧電振動子の素子搭載部材の両主面に凹部空間を設けることで、発振回路部と振動部とを配線基板に立体的に搭載している(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
また、配線基板と発振回路部と振動子部とから主に構成されている通信モジュールは、例えば、振動子部が圧電振動子となっておらず、配線基板に直接、圧電振動素子が搭載されてこの圧電振動素子が蓋部材によって気密封止されている場合がある。
このような通信モジュールは、配線基板の一方の主面に発振回路部が搭載されている。
ここで、発振回路部は、例えば、発振回路の機能を備えた集積回路素子である。
また、通信モジュールは、配線基板に設けられた振動子部搭載パッドと圧電振動素子に設けられた引き回し電極とが電気的に接続されて、配線基板の一方の主面に圧電振動素子が搭載される。
また、このような通信モジュールは、一方の主面に圧電振動素子用凹部空間が設けられている蓋部材が導電材料である金属からなり、この圧電振動素子用凹部空間の開口部を配線基板側に向けた状態で配線基板と接合され、圧電振動素子用凹部空間内に圧電振動素子が気密封止されている。
【0011】
また、このような通信モジュールは、配線基板に発振回路部及び振動子部を設けた後に絶縁性樹脂で被覆しその表面に導電性樹脂を形成する場合がある。
このような通信モジュールは、この導電性樹脂をグラウンドと同電位とすることで、通信モジュールの外部からの電磁波が発振回路部へ到達する量を抑えることができ、電磁波による発振回路部の誤作動を防ぐ構造となっている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004−56733号公報
【特許文献2】特開2007−124591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、従来のモジュールは、複数の部品素子が矩形形状の平板状に設けられている配線基板の一方の主面に搭載されている。つまり、従来のモジュールは、複数の部品素子が配線基板の一方の主面に平面的に設けられている。
このため、電子機器に搭載する場合、従来のモジュールは、搭載するそれぞれの部品素子の搭載面積以上の大きさが必要となるため、電子機器の小型化に対応することができない恐れがある。
【0014】
また、従来のモジュールは、配線基板の一方の主面に搭載されている複数の部品素子が絶縁性樹脂で被覆され、その表面に導電性樹脂が設けられており、この導電性樹脂をグラウンドと同電位にすることで配線基板の一方の主面側から電磁波が部品素子に到達する量を抑えている。
しかし、電子機器に搭載する場合、従来のモジュールは、他方の主面を電子機器の搭載部に向けた状態で電子機器に搭載されるので、絶縁性樹脂及び導電性樹脂に被覆されていない配線基板の他方の主面、言い換えると、電子機器の搭載部側からの電磁波が配線部材を透過して部品素子に到達する恐れがある。
このため、電子機器に搭載する場合、従来のモジュールは、電子機器の搭載部側からの電磁波の影響を受けやすくなり、電子機器からの電磁波の影響を受けて誤作動する恐れがある。
【0015】
従来のモジュールは、両主面に凹部空間が設けられた素子搭載部材がセラミック等の絶縁材料を用いている。また、従来のモジュールは、それぞれの凹部空間内に部品素子が設けられている。
つまり、従来のモジュールは、絶縁材料からなる素子搭載部材に設けられている凹部空間内に設けられているので、凹部空間内に収納されている部品素子が外部からの電磁波に対して露出した状態となっているとみなすことができる。従って、従来のモジュールは、凹部空間内に設けられている電子部品が外部からの電磁波の影響を受けやすくなっており、外部からの電磁波の影響を受けて誤作動する恐れがある。
【0016】
そこで、本発明では、電子機器に搭載する場合に搭載面積を抑えることができ、搭載されている部品素子が外部から電磁波の影響を抑えることができるモジュールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題を解決するため、一方の主面に凹部空間が設けられ他方の主面に部品素子搭載パッドが設けられているカバーと、前記凹部空間の底面及び側面に一体的に設けられている金属からなるシールド膜と、前記部品素子搭載パッドに搭載されている部品素子と、から構成されていることを特徴とする。
【0018】
前記課題を解決するため、前記モジュールと、配線基板と、前記配線基板に搭載されている配線基板用部品素子と、から主に構成されており、前記配線基板に搭載されている前記配線基板用部品素子が前記凹部空間内に収納され、前記シールド膜が所定の一つの配線基板接続端子と電気的に接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
このようなモジュールは、一方の主面に凹部空間が設けられ他方の主面に部品素子搭載パッドが設けられているカバーとカバーの他方の主面に設けられている部品素子搭載パッドに搭載されている部品素子とを備えている。
従って、電子機器に搭載する場合、このようなモジュールは、カバーの一方の主面に設けられている凹部空間の開口部を電子機器の搭載部側に向けて搭載することで、この凹部空間内に電子機器の搭載部側に設けられている部品を収納することができる。
つまり、このようなモジュールは、部品素子を凹部空間が設けられていないカバーの主面に設けることで、部品素子を立体的に搭載することができるため、従来のモジュールと比較して搭載面積を抑えることができる。
【0020】
また、このようなモジュールは、カバーの一方の主面に設けられた凹部空間内に金属からなるシールド膜が設けられている。
つまり、電子機器に搭載する場合、このようなモジュールは、シールド膜をグラウンドと同電位とすることでシールド膜が設けられている凹部空間の開口部側、つまり、カバーの一方の主面側からの電磁波が到達する量を従来のモジュールと比較して抑えることができる。言い換えると、電子機器に搭載する場合、このようなモジュールは、電子機器からの電磁波が到達する量を従来のモジュールと比較して抑えることができ、電子機器からの電磁波の影響を抑えることができる。
【0021】
このようなモジュールは、前記カバーと前記シールド膜と前記部品素子を備えるだけでなく、配線基板と配線基板に搭載されている配線基板用部品素子も備えている。また、このようなモジュールは、凹部空間内に配線基板用部品素子が収納されている。
つまり、このようなモジュールは、カバーに設けられている凹部空間内にシールド膜が設けられており、この凹部空間内に配線基板に搭載されている配線基板用部品素子が収納された状態となっている。言い換えると、このようなモジュールは、配線基板に搭載されている配線基板部品素子がシールド膜で囲まれた状態となっているとみなすことができる。
従って、電子機器に搭載する場合、このようなモジュールは、シールド膜をグラウンドと同電位とすることで、配線基板に搭載されている配線基板用部品素子に到達する電磁波の量を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るモジュールの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の第二の実施形態に係るモジュールの一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施するための最良の形態について説明する。なお、各図面において、各構成要素の状態をわかりやすくするために誇張して図示している。
【0024】
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態に係るモジュールについて説明する。
【0025】
本発明の実施形態に係るモジュールについて説明する。
ここで、モジュールは、例えば、携帯用通信機器や電子計算機等の電子機器を構成する通信モジュールである。
ここで、通信モジュールは、例えば、振動子の機能を備えている。
本発明の第一の実施形態に係るモジュール100は、図1に示すように、カバー130とシールド膜140と部品素子150とから主に構成されている。
【0026】
カバー130は、図1に示すように、カバー基板部130aとカバー枠部130bとから主に構成され、一方の主面に凹部空間133が形成されている。
カバー130は、図1に示すように、一方の主面にカバー接続端子131a.131bが設けられており、他方の主面に部品素子搭載パッド132が設けられている。
【0027】
カバー基板部130aは、例えば、矩形形状の平板状に設けられている。
カバー枠部130bは、例えば、矩形形状の枠形状に設けられている。また、カバー枠部130bは、カバー基板部130aの一方の主面に沿って設けられている。
つまり、カバー130は、カバー基板部130aの一方の主面に枠形状のカバー枠部130bが設けられて、凹部空間133が形成されている。
【0028】
ここで、カバー130の一方の主面は、凹部空間133が形成されている主面、つまり、カバー基板部130aとカバー枠部130bとが接している面と対向するカバー枠部130bの面である。
また、カバー130の他方の主面は、凹部空間133の底面と対向するカバー基板部130aの面、つまり、カバー基板部130aとカバー枠部130bとが接している面と対向するカバー基板部130aの面である。
【0029】
カバー接続端子131a,131bは、複数、設けられており、外部端子の機能を果たす。
ここで、カバー接続端子131a,131bは、例えば、4つ設けられており、カバー130の一方の主面の4隅に一つずつ設けられている。
所定の一つのカバー接続端子131aは、例えば、図1に示すように、後述するシールド膜140と接する様に設けられている。従って、所定の一つのカバー接続端子131aは、シールド膜140と同電位とすることができる。
【0030】
部品素子搭載パッド132は、図1に示すように、カバー130の他方の主面、つまり、凹部空間133の底面と対向する面に、複数、設けられている。言い換えると、部品素子搭載パッド132は、カバー基板部130aの他方の主面に設けられている。
また、部品素子搭載パッド132は、図1に示すように、後述する部品素子150に設けられている部品素子接続端子151と対向する位置に設けられ、例えば、導電材料Dにより電気的に接続されている。
ここで、部品素子搭載パッド132は、例えば、4つ設けられており、カバー130の他方の主面の4隅に一つずつ設けられている。
【0031】
カバー130は、部品素子搭載パッド132と部品素子に設けられている部品素子接続端子151が、例えば、半田等の導電材料によって電気的に接続されることで、部品素子150がカバー130の他方の主面に搭載されている。
ここで、このようなカバー130は、例えば、絶縁性樹脂と金属からなるリードとが主に用いられている。
このようなカバー130は、所定の形状であって所定の位置に設けられているリードが絶縁性樹脂により固定されて設けられている。
また、このようなカバー130は、リードの一方の端部の一部と他方の端部の一部が露出された状態となっており、露出されているリードの一方の端部の一部がカバー接続端子131a,131bとなり、露出されているリードの他方の端部の一部が第二の部品素子搭載パッド132となっている。
【0032】
シールド膜140は、金属が用いられている。
また、シールド膜140は、図1に示すように、凹部空間133内の底面及び側面に一体的に設けられている。つまり、シールド膜140は、カバー枠部130bの内壁部とカバー基板部130aの一方の主面とに設けられている。
また、シールド膜140は、例えば、図1に示すように、所定の一つのカバー接続端子131aと接触している。従って、所定の一つのカバー接続端子131aをグラウンドと同電位にすることで、シールド膜140はグラウンドと同電位にすることができる。
ここで、シールド膜140は、例えば、めっき法によってカバー130の所定の位置に設けられている。
【0033】
ここで、部品素子150は、例えば、素子搭載部材に搭載されている圧電振動素子が素子搭載部材と蓋部材とで気密封止されている圧電振動子である。
部品素子150は、例えば、図1に示すように、複数の部品素子接続端子151が一方の主面に設けられている。
部品素子接続端子151は、図1に示すように、カバー130に設けられている部品素子搭載パッド132と対向する位置に設けられており、例えば、半田等の導電材料Dによって、電気的に接続されている。
ここで、部品素子接続端子151は、例えば、4つ設けられており、部品素子150の一方の主面の4隅に一つずつ設けられている。また、所定の一つの部品素子接続端子151は、グラウンドに接続されるグラウンド端子の機能を果たす。
部品素子150は、部品素子接続端子151がカバー130の他方の主面に設けられている部品素子搭載パッド132と導電材料Dを介して電気的に接続されることで、カバー130に搭載されている。
【0034】
このようなモジュール100は、図1に示すように、一方の主面側に凹部空間133が形成されており、他方の主面側に部品素子150が搭載されている。
また、このようなモジュール100は、図1に示すように、一方の主面側に設けられている凹部空間133内に金属からなるシールド膜140が設けられており、このシールド膜140とグラウンドと同電位とすることができる。
また、このようなモジュール100は、外部端子の機能を果たすカバー接続端子131a,132bがカバー130の一方の主面に設けられている。つまり、電子機器に搭載する場合、このようなモジュール100は、凹部空間133の開口部を電子機器の搭載部側を向けた状態で搭載される。言い換えると、このようなモジュール100は、部品素子150と電子機器の搭載部との間に凹部空間133及びシールド膜が設けられている状態となっている。
【0035】
このような本発明の第一の実施形態に係るモジュール100は、一方の主面に凹部空間133が設けられ他方の主面に部品素子搭載パッド132が設けられているカバー130とカバー130の他方の主面に設けられている部品素子搭載パッド132に搭載されている部品素子150とを備えている。
従って、電子機器に搭載する場合、このような第一の実施形態に係るモジュール100は、カバー130の一方の主面に設けられている凹部空間133の開口部を電子機器の搭載部側に向けて搭載することで、この凹部空間133内に電子機器の搭載部側に設けられている部品素子を収納することができる。
つまり、このような本発明の第一の実施形態に係るモジュール100は、部品素子を凹部空間133が設けられていないカバー130の主面に設けることで、部品素子150を立体的に搭載することができるため、従来のモジュールと比較して搭載面積を抑えることができる。
【0036】
また、このような本発明の第一の実施形態に係るモジュール100は、カバー130の一方の主面に設けられた凹部空間133内に金属からなるシールド膜140が設けられている。
つまり、電子機器に搭載する場合、このような本発明の第一の実施形態に係るモジュール100は、シールド膜140をグラウンドと同電位とすることでシールド膜140が設けられている凹部空間133の開口部側、つまり、カバー130の一方の主面側からの電磁波が到達する量を従来のモジュールと比較して抑えることができる。言い換えると、電子機器に搭載する場合、このような本発明の第一の実施形態に係るモジュール100は、電子機器からの電磁波が到達する量を従来のモジュールと比較して抑えることができ、電子機器からの電磁波の影響を抑えることができる。
【0037】
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態に係るモジュール300について説明する。
本発明の第二の実施形態に係るモジュール300は、図2に示すように、配線基板210と配線基板用部品素子220とを備えている点で第一の実施形態と異なる。
【0038】
配線基板210は、例えば、絶縁性材料が用いられ、矩形形状の平板状に設けられている。
また、配線基板210は、図2に示すように、一方の主面に複数のカバー搭載パッド212aと複数の配線基板用部品素子搭載パッド212bとが設けられており、他方の主面に複数の配線基板接続端子211が設けられている。
また、配線基板210は、複数の配線(図示せず)が設けられている。
【0039】
配線基板接続端子211は、図2に示すように、配線基板210の他方の主面に設けられている。また、配線基板接続端子211は、本発明の第二の実施形態に係るモジュール300の外部端子の機能を果たす。
ここで、配線基板接続端子211は、例えば、4つ設けられており、配線基板210の他方の主面の4隅に一つずつ設けられている。また、所定の一つの配線基板接続端子211は、グラウンドに接続されるグラウンド端子の役割を果たす。
【0040】
カバー搭載パッド212aは、配線基板210の一方の主面に複数、設けられている。
また、カバー搭載パッド212aは、図2に示すように、カバー130に設けられているカバー接続端子131a,131bと対向する位置に設けられている。
また、カバー搭載パッド212aは、図2に示すように、例えば、半田等の導電材料Dによってカバー接続端子131a,131bと電気的に接続されている。
ここで、カバー搭載パッド212aは、例えば、4つ設けられ、配線基板210の一方の主面の4隅に一つずつ設けられており、導電材料Dによってカバー接続端子131a,131bと電気的に接続されている。
【0041】
配線基板用部品素子搭載パッド212bは、配線基板210の一方の主面に複数、設けられている。
また、配線基板用部品素子搭載パッド212bは、図2に示すように、配線基板210の一方の主面であって、後述する配線基板用部品素子220の配線基板用接続端子221と対向する位置に設けられている。また、配線基板用部品素子搭載パッド212bは、例えば、図2に示すように、導電材料Dによって第一の部品素子接続端子121と電気的に接続されている。
ここで、配線基板用部品素子搭載パッド212bは、例えば、8つ設けられており、2行×4列の行列状に配線基板210の一方の主面に設けられている。
【0042】
配線は、配線基板210に複数設けられており、配線基板210に設けられている配線基板接続端子211やカバー搭載端子212aや配線基板用部品素子搭載パッド212bを電気的に接続させている。
【0043】
ここで、配線基板用部品素子220は、例えば、発振回路の機能を備えている集積回路素子である。
配線基板用部品素子220は、図2に示すように、一方の主面に配線基板用部品素子接続端子221が複数設けられている。
配線基板用部品素子接続端子221は、配線基板210に設けられている配線基板用部品素子搭載パッド212bと対向する位置に設けられ、例えば、導電材料Dにより配線基板用部品素子搭載パッド212bと電気的に接続されている。
ここで、配線基板用部品素子接続端子221は、例えば、8つ設けられており、配線基板210の一方の長辺側に沿って4つ、配線基板210の他方の長辺側に沿って4つ設けられている。つまり、配線基板用部品素子接続端子221は、2行×4列の行列状に設けられている。
配線基板用部品素子220は、図2に示すように、配線基板部品素子接続端子221が配線基板210に設けられている配線基板用部品素子搭載パッド212bと導電材料Dを介して電気的に接続されることで、配線基板210に搭載されている。
【0044】
このような本発明の第二の実施形態に係るモジュール300は、配線基板210に配線基板用部品素子220が搭載されている。
また、このような本発明の第二の実施形態に係るモジュール300は、図2に示すように、カバー搭載パッド212aとカバー130に設けられているカバー接続端子131a,132bとが導電材料Dにより電気的に接続されて、配線基板210に本発明の第一の実施形態に係るモジュール100が搭載された構造となっている。
また、このような本発明の第二の実施形態に係るモジュール300は、図2に示すように、配線基板210に搭載されている配線基板用部品素子220を凹部空間133内に収納している。
また、このような本発明の第二の実施形態に係るモジュール300は、配線基板210と配線基板用部品素子220とをモジュール200とみなすことができる。つまり、このような本発明の第二の実施形態に係るモジュール300は、配線基板210と配線基板用部品素子220とから主に構成されているモジュール200に本発明の第一の実施形態に係るモジュール100が搭載されている構造となっているとみなすことができる。
【0045】
本発明の第二の実施形態に係るモジュール300は、カバー130の一方の主面に設けられている凹部空間133内にシールド膜140が設けられ、カバー130の他方の主面に部品素子150が設けられている。つまり、本発明の第二の実施形態に係るモジュール300は、本発明の第一の実施形態に係るモジュール100と同様の効果を奏する。
【0046】
また、本発明の第二の実施形態に係るモジュール300は、前記カバー130と前記シールド膜140と前記部品素子150を備えるだけでなく、配線基板210と配線基板210に搭載されている配線基板用部品素子220も備えている。また、このような本発明の第二の実施形態に係るモジュール300は、凹部空間133内に配線基板用部品素子220が収納されている。
つまり、このような本発明の第二の実施形態に係るモジュール300は、カバー130に設けられている凹部空間133内にシールド膜140が設けられており、この凹部空間133内に配線基板210に搭載されている配線基板用部品素子220が収納された状態となっている。言い換えると、このような本発明の第二の実施形態に係るモジュール300は、配線基板210に搭載されている配線基板部品素子220がシールド膜140で囲まれた状態となっているとみなすことができる。
従って、電子機器に搭載する場合、このような本発明の第二の実施形態に係るモジュール300は、シールド膜140をグラウンドと同電位とすることで、配線基板210に搭載されている配線基板用部品素子220に到達する電磁波の量を抑えることができる。
【0047】
なお、ここでは、カバーの一方の主面のみに凹部空間が設けられている場合について説明しているが、例えば、カバーの両主面に凹部空間が設けられていてもよい。このとき、カバーの他方の主面に設けられる凹部空間の底面に部品素子搭載パッドが設けられる。
【0048】
なお、ここでは、シールド膜がグラウンド端子の機能を果たす所定の一つのカバー接続端子と電気的に接続されている場合について説明しているが、シールド膜をグラウンドと同電位とすることができれば、例えば、所定の一つのカバー接続端子と接続させず配線基板にグラウンド端子を設けて電気的に接続させてもよい。
【0049】
なお、ここでは、配線基板用部品素子が集積回路素子の場合について説明しているが、例えば、複数の電子部品から構成されていてもよい。
【0050】
なお、ここでは、部品素子が振動子の場合について説明しているが、例えば、振動子でなく発振器や抵抗やコンデンサ等であってもよい。また、部品素子が複数の電子部品から構成されていてもよい。
【0051】
なお、ここでは、シールド膜がめっき法を用いて設けられているが、所定の位置に設けることができれば、例えば、スパッタや蒸着等を用いてもよい。
【符号の説明】
【0052】
100,200,300 モジュール
130 カバー
130a カバー基板部
130b カバー枠部
131a,131b カバー接続端子
132 部品素子搭載パッド
133 凹部空間
140 シールド膜
150 部品素子
151 部品素子接続端子
210 配線基板
211 配線基板接続端子
212a カバー搭載パッド
212b 配線基板用部品素子搭載パッド
220 配線基板用部品素子
221 配線基板用部品素子接続端子
D 導電材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の主面に凹部空間が設けられ他方の主面に部品素子搭載パッドが設けられているカバーと、
前記凹部空間の底面及び側面に一体的に設けられている金属からなるシールド膜と、
前記部品素子搭載パッドに搭載されている部品素子と、
から構成されていることを特徴とするモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のモジュールと、
配線基板と、
前記配線基板に搭載されている配線基板用部品素子と、
から主に構成されており、
前記配線基板に搭載されている前記配線基板用部品素子が
前記凹部空間内に収納され、
前記シールド膜が所定の一つの配線基板接続端子と電気的に接続されている
ことを特徴とするモジュール。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−182017(P2011−182017A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41579(P2010−41579)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000104722)京セラキンセキ株式会社 (870)
【Fターム(参考)】