説明

モダフィニルのナノ粒子製剤

本発明は、ナノ粒子のモダフィニル組成物、又は塩(類)、又は鏡像異性体(類)、又はプロドラッグ(類)、又は多形(類)、或いはこれらの誘導体を含んでなる、改良されたバイオアベイラビリティーを有する組成物に向けられる。組成物のナノ粒子のモダフィニル組成物の製剤粒子は、約2000nmより小さい有効平均粒子サイズを有し、そして制約されるものではないが、過眠症、慢性疲労、摂食障害、強迫行動、ADHD、中毒、物質乱用、眠気、神経系疾病、症状、症候群、及び徴候、並びに関連する疾病、症状、及び徴候を含む睡眠不全の治療において有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般的に中枢神経系(CNS)の疾病状態、徴候、症候群、及び症状の治療において有用である化合物並びに組成物に関する。更に具体的には、本発明は、本明細書中で以下モダフィニル組成物と呼ばれる、ナノ粒子のモダフィニル、アルモダフィニル(モダフィニルの単一のr−異性体)のようなその鏡像異性体、多形、及びアドラフィニル医薬組成物に関する。ナノ粒子のモダフィニル組成物は、約2000nmより小さい有効平均粒子サイズを有する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
以下の本発明の背景の考察は、単に読者が本発明を理解することを援助するために提供され、そして従来の技術が、本発明を説明又は構成することを認めるものではない。
【0003】
A.ナノ粒子組成物に関する背景
米国特許第5,145,684号(“‘684特許”)に最初に記載されたナノ粒子組成物は、非架橋表面安定剤の表面に吸着された不良に可溶性の治療又は診断剤からなる粒子であり、そしてこれは、本明細書中に参考文献として援用される。‘684特許は、モダフィニル、その鏡像異性体、又は多形のナノ粒子組成物は記載していない。
【0004】
ナノ粒子を製造する方法は、例えば、両方とも“Method of Grinding Pharmaceutical Substances”に関する米国特許第5,518,187号及び5,862,999号;“Continuous Method of Grinding Pharmaceutical Substances”に関する米国特許第5,718,388号;並びに“Process of Preparing Therapeutic Compositions Containing Nanoparticles”に関する米国特許第5,510,118中に記載されている。全ての上記の特許は、全ての先に上述した特許のように、本明細書中に参考文献として援用される。
【0005】
ナノ粒子組成物は、更に例えば、“Use of Ionic Cloud Point Modifiers to Prevent Particle Aggregation During Sterilization”に関する米国特許第5,298,262号;“Method to Reduce Particle Size Growth During Lyophilization”に関する5,302,401号; “X−Ray Contrast Compositions Useful in Medical Imaging”に関する5,318,767号;“Novel Formulation For Nanoparticulate X−Ray Blood Pool Contrast Agents Using High Molecular Weight Non−ionic Surfactants”に関する5,326,552号;“Method of X−Ray Imaging Using Iodinated Aromatic Propanedioates”に関する5,328,404号;“Use of Charged Phospholipids to Reduce Nanoparticle Aggregation”に関する5,336,507号;“Formulations Comprising Olin 10−G to Prevent Particle Aggregation and Increase Stability”に関する5,340,564号;“Use of Non−Ionic Cloud Point Modifiers to Minimize Nanoparticulate Aggregation During Sterilization”に関する5,346,702号;“Preparation and Magnetic Properties of Very Small Magnetic−Dextran Particles”に関する5,349,957号;“Use of Purified Surface Modifiers to Prevent Particle Aggregation During Sterilization”に関する5,352,459号;両方とも“Surface Modified Anticancer Nanoparticles”に関する5,399,363及び5,494,683号;“Water Insoluble Non−Magnetic Manganese Particles as Magnetic Resonance Enhancement Agents”に関する5,401,492号;“Use of Tyloxapol as a Nanoparticulate Stabilizer”に関する5,429,824号;“Method for Making Nanoparticulate X−Ray Blood Pool Contrast Agents Using High Molecular Weight Non−ionic Surfactants”に関する5,447,710号;“X−Ray Contrast Compositions Useful in Medical Imaging”に関する5,451,393号;“Formulations of Oral Gastrointestinal Diagnostic X−Ray Contrast Agents in Combination with Pharmaceutically Acceptable Clays”に関する5,466,440号;“Method of Preparing Nanoparticle Compositions Containing Charged Phospholipids to Reduce Aggregation”に関する5,470,583号;“Nanoparticulate Diagnostic Mixed Carbamic Anhydrides as X−Ray Contrast Agents for Blood Pool and Lymphatic System Imaging”に関する5,472,683号;“Nanoparticulate Diagnostic Dimers as X−Ray Contrast Agents for Blood Pool and Lymphatic System Imaging”に関する5,500,204号;“Nanoparticulate NSAID Formulations”に関する5,518,738号;“Nanoparticulate Iododipamide Derivatives for Use as X−Ray Contrast Agents”に関する5,521,218号;“Nanoparticulate Diagnostic Diatrizoxy Ester X−Ray Contrast Agents for Blood Pool and Lymphatic System Imaging”に関する5,525,328号;“Process of Preparing X−Ray Contrast Compositions Containing Nanoparticles”に関する5,543,133号;“Surface Modified NSAID Nanoparticles”に関する5,552,160号;“Formulations of Compounds as Nanoparticulate Dispersions in Digestible Oils or Fatty Acids”に関する5,560,931号;“Polyalkylene Block Copolymers as Surface Modifiers for Nanoparticles”に関する5,565,188号;“Sulfated Non−ionic Block Copolymer Surfactant as Stabilizer Coatings for Nanoparticle Compositions”に関する5,569,448号;“Formulations of Compounds as Nanoparticulate Dispersions in Digestible Oils or Fatty Acids”に関する5,571,536号;“Nanoparticulate Diagnostic Mixed Carboxylic Anydrides as X−Ray Contrast Agents for Blood Pool and Lymphatic System Imaging”に関する5,573,749号;“Diagnostic Imaging X−Ray Contrast Agents”に関する5,573,750号;“Redispersible Nanoparticulate Film Matrices With Protective Overcoats”に関する5,573,783号;“Site−specific Adhesion Within the GI Tract Using Nanoparticles Stabilized by High Molecular Weight,Linear Poly(ethylene Oxide)Polymers”に関する5,580,579号;“Formulations of Oral Gastrointestinal Therapeutic Agents in Combination with Pharmaceutically Acceptable Clays”に関する5,585,108号;“Butylene Oxide−Ethylene Oxide Block Copolymers Surfactants as Stabilizer Coatings for Nanoparticulate Compositions”に関する5,587,143号;“Milled Naproxen with Hydroxypropyl Cellulose as Dispersion Stabilizer”に関する5,591,456号;“Novel Barium Salt Formulations Stabilized by Non−ionic and Anionic Stabilizers”に関する5,593,657号;“Sugar Based Surfactant for Nanocrystals”に関する5,622,938号;“Improved Formulations of Oral Gastrointestinal Diagnostic X−Ray Contrast Agents and Oral Gastrointestinal Therapeutic Agents”に関する5,628,981号;“Nanoparticulate Diagnostic Mixed Carbonic Anhydrides as X−Ray Contrast Agents for Blood Pool and Lymphatic System Imaging”に関する5,643,552号;“Continuous Method of Grinding Pharmaceutical Substances”に関する5,718,388号;“Nanoparticles Containing the R(−)Enantiomer of Ibuprofen”に関する5,718,919号;“Aerosols Containing Beclomethasone Nanoparticle Dispersions”に関する5,747,001号;“Reduction of Intravenously Administered Nanoparticulate Formulation Induced Adverse Physiological Reactions”に関する5,834,025号;“Nanocrystalline Formulations of Human Immunodeficiency Virus(HIV)Protease Inhibitors Using Cellulosic Surface Stabilizers”に関する6,045,829号;“Methods of Making Nanocrystalline Formulations of Human Immunodeficiency Virus(HIV)Protease Inhibitors Using Cellulosic Surface Stabilizers”に関する6,068,858号;“Injectable Formulations of Nanoparticulate Naproxen”に関する6,153,225号;“New Solid Dose Form of Nanoparticulate Naproxen”に関する6,165,506号;“Methods of Treating Mammals Using Nanocrystalline Formulations of Human Immunodeficiency Virus(HIV)Protease Inhibitors”に関する6,221,400号;“Nebulized Aerosols Containing Nanoparticle Dispersions”に関する6,264,922号;“Methods for Preventing Crystal Growth and Particle Aggregation in Nanoparticle Compositions”に関する6,267,989号;“Use of PEG−Derivatized Lipids as Surface Stabilizers for
Nanoparticulate Compositions”に関する6,270,806号;“Rapidly Disintegrating Solid Oral Dosage Form”に関する6,316,029号、“Solid Dose Nanoparticulate Compositions Comprising a Synergistic Combination of a Polymeric Surface Stabilizer and Dioctyl Sodium Sulfosuccinate”に関する6,375,986号;“Bioadhesive Nanoparticulate Compositions Having Cationic Surface Stabilizers”に関する6,428,814号;“Small Scale Mill”に関する6,431,478号;及び“Methods for Targeting Drug Delivery to the Upper and/or Lower Gastrointestinal Tract”に関する6,432,381号中にも記載され、これらのすべては、参考文献として特に援用される。更に2002年1月31日に公開された“Controlled Release Nanoparticulate Compositions”に関する米国特許出願第20020012675 A1は、ナノ粒子組成物を記載し、そしてこれは、全ての先に上述した特許のように、参考文献として特に援用される。
【0006】
非晶質の小粒子の組成物は、例えば、“Particulate Composition and Use Thereof as Antimicrobial Agent”に関する米国特許第4,783,484号;“Method for Making Uniformly Sized Particles from Water−Insoluble Organic Compounds”に関する4,826,689号;“Method for Making Uniformly−Sized Particles From Insoluble Compounds”に関する4,997,454号;“Ultrasmall,Non−aggregated Porous Particles of Uniform Size for Entrapping Gas Bubbles Within and Methods”に関する5,741,522号;及び“Ultrasmall Porous Particles for Enhancing Ultrasound Back Scatter”に関する5,776,496号中に記載され、これらも更に参考文献として本明細書中に援用される。
【0007】
B.モダフィニル組成物に関する背景
モダフィニルは、世界中の28カ国で多くの適応症に対して市販されている。モダフィニルは、覚醒促進剤である。モダフィニルは、ラセミ化合物であり、中枢神経系(CNS)を活性化し、そして選択的なオレキシン受容体アゴニストである。モダフィニルに対する化学名は、2−[(ジフェニルメチル)スルフィニル]アセトアミド又はベンズヒドリルスルフィニルアセトアミドである。分子式は、C1515NOSであり、そして分子量は273.36である。
【0008】
モダフィニルは、以下に示す化学構造:
【0009】
【化1】

【0010】
を有する。
モダフィニルは、白色ないしオフホワイト色の結晶質の粉末であり、これは、水及びシクロヘキサン中に実質的に不溶性である。これは、メタノール及びアセトン中に難溶性ないし僅かに可溶性である。
【0011】
モダフィニルは、PROVIGIL(登録商標)(モダフィニル)錠剤[C−IV]の商品名で米国で商業的に入手可能であり、そして過眠症に伴う過剰な眠気、閉塞型睡眠時無呼吸/低呼吸症候群(OSAHS)、及び交代勤務睡眠障害(SWSD)を持つ成人の患者の治療のために認可されている。これは、Cephalon,Inc.,によって製造及び卸売りされ、そして国際的に各種の供給者から、Alertec、Vigicer、Modalertの名称で入手可能である。PROVIGIL(登録商標)錠剤は、100mg又は200mgのモダフィニル並びに次の不活性成分:ラクトース、微結晶セルロース、アルファ化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含有している。例えば、PROVIGIL(登録商標)(モダフィニル)組成物は、本明細書中に参考文献として援用される米国特許第4,927,855号;5,618,845号;及びRE 37,516号中に記載されている。
【0012】
更に、Cephalon,Inc.は、ADHDを持つ小児及び青年の治療のためのSPARLON(登録商標)の商品名で、モダフィニルの市販の許可を求めている。提示された処方は、現時点で市販されている製品、PROVIGILと比較してより高い薬物/賦形剤比を有し、従ってより小さい錠剤サイズを可能にする。これらの錠剤は、85、170、255、340、又は425mgのモダフィニル、並びに次の不活性成分:ラクトース、クロスカルメロースナトリウム、ポビドン、及びステアリン酸マグネシウムを含有している。全ての錠剤の強度のためのフィルム被覆は:ヒプロメロース、二酸化チタン、ラクトース、ポリエチレングリコール、及びトリアセチンを含有している。更に、170及び340mgの錠剤は、酸化鉄黄を含有し、そして255及び425mg錠剤は、FD&C青#2を含有している。モダフィニルは、記憶を改良し、そして気分を明るくする覚醒剤である。モダフィニルは、アンフェタミン及びメチルフェニデートを含む交換神経作動剤のような覚醒促進作用を有し、薬理学的特性は、交換神経刺激アミンのそれと同一ではないが、しかし視床下部において、アルファ1アドレナリン受容体又はオレキシンアゴニストとして機能することが知られている。モダフィニルは、神経過敏、不安症、又は過剰の自発運動活性を起こすか−又は過眠症の‘リバウンド効果’に導く−可能性が、伝統的な刺激物質より少ない。ヒトにおけるモダフィニルの正常な排出半減期は、約12ないし約15時間の間である。これは、長時間作用性であり、そして末梢交換神経の刺激を起こす傾向はない。モダフィニルは、視床下部前部におけるその作用によって覚醒状態の一部を誘発する。
【0013】
薬理学的に関連する濃度において、モダフィニルは、ノルエピネフリン、セロトニン、GABA、アデノシン、ヒスタミン−3、メラトニン、又はベンゾジアゼピンに対するものを含む、睡眠/覚醒の制御のための殆んどの潜在的に関連する受容体と結合しない。モダフィニルは、更にMAO−B又はホスホジエステラーゼII−Vの活性を阻害しない。
【0014】
過眠症は、覚醒促進及び睡眠抑制ペプチドであるオレキシンのファミリーの機能障害によって起こされる。モダフィニルは、オレキシン神経細胞を活性化する。オレキシン作動性神経細胞は、視床下部外側野において排他的に見出される。これらの活性化は、亢進された快楽探索及び意欲、並びに覚醒に伴う。オレキシン作動性線維は、中枢神経系の全体に突出する。遺伝子的に改変されたオレキシン−ノックアウト動物は、ヒトの過眠症のモデルを提供する。過眠症は、正常な睡眠のパターンの深刻な妨害及び各種の程度の鬱病に苦しむ。このような徴候は、モダフィニルにより逆転することができる。将来の選択的オレキシン受容体アゴニストは、過眠症患者及び全体的集団に対して有用であることを証明することができる。
【0015】
モダフィニルは、中枢アルファ1−アドレナリン作動性アゴニスト効果を有し、即ち、これは、受容体を直接刺激する。モダフィニルは、視床腹外側視索前核(VLPO)の睡眠促進神経細胞のノルアドレナリ作動性末端によって、ノルアドレナリンの再取込みを阻害する。更に有意なことは、恐らく、興奮性グルタミン酸作動性伝達を増加するその能力である。これは、局所的GABA作動性伝達を減少し、これによって中脳縁辺系のドーパミン末端におけるGABA(A)受容体のシグナル伝達を減少する。
【0016】
モダフィニルの光学鏡像異性体は、ヒトにおける増加した時間及び効力と同様な薬力学的作用を動物において有する。モダフィニルの二つの主要な代謝産物は、モダフィニル酸及びモダフィニルスルホンであり、モダフィニルのCNS−活性化特性に寄与するようには見受けられない。
【0017】
モダフィニルは、ラセミ化合物であり、その鏡像異性体は、異なった薬物動力学及び薬物動態を有する。(例えば、l−異性体の半減期は、ヒトにおいてd−異性体のそれの概略3倍である)。鏡像異性体は、相互転換しない。モダフィニルの鏡像異性体及び多形、並びにその調製の方法は、米国特許第6,992,219号;6,919,378号;6,849,120号;7,057,069号;7,057,068号;7,038,085号;6,998,490号;6,962,717号;6,919,378号;6,919,367号;6,875,893号;6,849,120号 6,833,478号;6,458,384号;及び6,489,363号中に記載され、これらは、本明細書中に参考文献として援用される。定常状態において、l−異性体への全暴露は、d−異性体のそれに対して概略3倍である。毎日の一回の投与後の循環中のモダフィニルのトラフ濃度(Cminss)は、90%のl−異性体及び10%のd−異性体からなる。多数回投与後のモダフィニルの有効排出半減期は、約15時間である。モダフィニルの鏡像異性体は、健康な志願者における一日一回の200−600mg/日の多数回投与において、線形の動態を示す。全モダフィニル及びl−(−)−モダフィニルの見掛けの定常状態は、投与の2−4日後に達する。ナノ粒子製剤は、この定常状態の投与量プラトーへの必要な時間を短縮することができる。
【0018】
モダフィニル錠剤の吸収は、成人において200−600mgの投与量範囲にわたって約2−4時間に起こるピーク血漿濃度(tmax)をもたらす。本明細書中に参考文献として援用される、Cephalon,NDA submission,NDA 20−717を参照されたい。モダフィニル錠剤のバイオアベイラビリティーは、水性懸濁液のそれと概略等しい。絶対経口バイオアベイラビリティーは、モダフィニルの水に対する不溶性(<1mg/L)のために測定されていなく、これは静脈投与を妨げている。食物は、全体のモダフィニルのバイオアベイラビリティーに影響を有さない;然しながら、吸収及び(tmax)は、食物と共に摂取された場合、概略1時間遅延することができる。ナノ粒子制剤は、ピーク血漿濃度に達するために必要な時間を短縮し、バイオアベイラビリティーを増加し、そして食物摂取による吸収(tmax)の遅延を減少することができる。
【0019】
モダフィニル及びモダフィニルスルホンが、薬物代謝性酵素CYP2C19の可逆的阻害剤であるために、この経路により殆んど排出されるモダフィニルの、ジアゼパム、フェニトイン、及びプロプラノロールのような薬物との同時投与は、これらの化合物の循環レベルを増加することができる。更に、酵素CYP2D6の個人的欠損(即ち、コーカサス人種の集団の7−10%において;他の集団では同様か又は低い)において、CYP2C19を経由する排出の補助的経路を有する三環式抗鬱剤及び選択的セロトニン再取込み阻害剤のようなCYP2D6基質のレベルは、モダフィニルの同時投与によって増加することができる。このような及び同様な薬物療法で治療されている患者のために、投与量の調節が必要でありえる。400mgのモダフィニルの慢性的投与は、経口投与後の二つのCYP3A4基質、エチニルエストラジオール、及びトリアゾラムへの全身的暴露を減少することが見出され、CYP3A4が誘発されたことを示唆している。モダフィニルの慢性的投与は、CYP3A4の基質の排出を増加することができる。これらの及び同様な薬物療法で治療されている患者のために、投与量の調節が必要でありえる。モダフィニルのナノ粒子組成物は、これらの薬物及び酵素の相互作用の有意性を減少し、そしてより少ない他の薬物療法の投与量調節をもたらすことができる。
【0020】
モダフィニルの経口クリアランス(CL/F)の、対応するより若い患者より僅かな減少(約20%)が、63歳の平均年齢の12人の患者における200mgの一回投与の研究において観察された。殆んどの患者が治療されている複数の併用医薬からの潜在的影響のために、モダフィニルの薬物動力学の明白な差は、加齢の影響に単独で帰することはできない。然しながら、この結果は、モダフィニルのクリアランスが、高齢者において減少し得ることを示唆している。モダフィニルのナノ粒子組成物は、より低い必要な投与量のために、高齢者における薬物療法のクリアランスを改良することができる。
【0021】
過剰の眠気を減少することにおけるモダフィニルの有効性は、次の睡眠障害:過眠症、閉塞型睡眠時無呼吸/低呼吸症候群(OSAHS)、及び交代勤務睡眠障害(SWSD)において確立されている。モダフィニルは、更に、制約されるものではないが、睡眠異常、睡眠障害、重度の疼痛を解放するためのオピエート鎮痛剤を投与された、特発性過眠症及び慢性疼痛及び癌患者における過眠症を含む過眠症、アルツハイマー病、パーキンソン病、虚血、覚醒状態障害、シュタイネルト病、一般的鬱病、長期戦闘疲労症候群、注意欠陥障害(ADHD)、睡眠時無呼吸、筋強直性ジストロフィー、多発性硬化症誘発性疲労、疾病状態に伴う疲労、コカイン中毒、ヘロイン中毒、麻酔後グロッギー、弱日光関連鬱気分(日暮れ時兆候)、季節性感情障害、摂食行為障害、化学療法誘発性睡眠、統合失調症における認知障害、脳性麻痺に伴う痙縮、加齢関連記憶力低下、特発性過眠症、時差、SSRIに眠気及び疲労を感じるものの鬱病、心的外傷性ストレス障害、緊急対応性疲労症候群を含む疾病若しくは疾患の徴候又は症候群或いは疾病状態を、軽減する又は排除するための治療において使用することができる。モダフィニルを組込んだ更なる使用及び治療の方法は、米国特許第6,488,164号;6,456,519号;6,455,588号;6,977,070号;6,348,500号;6,346,548号;5,612,279号;5,401,776号;5,612,379号;5,281,607号、5,719,168号;6,180,678号;6,323,236号;6,566,404号;6,503,950号;及び6,488,164号中に記載され、これらの全ては本明細書中に参考文献として援用される。
【0022】
Provigil(登録商標)は、一般的に成人の患者に対して200mg/日の投与量で処方され、そして400mg/日までの範囲の投与量は、許容することができる。ナノ粒子のモダフィニル組成物の経口投与量の範囲は、Provigil(登録商標)によって見られた現在の200−300mgの範囲に対して、好ましくは40mgないし225mgの範囲に減少することができる。モダフィニル製剤の全体の範囲は、85mgないし425mgである。ナノ粒子のモダフィニル組成物は、約40mgないし約400mgの範囲であることができる。ナノ粒子のモダフィニル組成物は、約1.5より下のTmaxで、約2時間より少ない減少した治療的有効性の開始を証明する。ナノ粒子組成物は、迅速な覚醒効果が必要な場合、既存の製剤に対して、非常に利益のあるものであるものである。ナノ粒子組成物は、更に小児科の指示においてより小さい錠剤を可能にし、嚥下の容易さ及び投与の容易さを増加することを可能にすることができる。
【0023】
次いで、本発明は、モダフィニル、アルモダフィニル、又はアドラフィニルを含んでなる、神経学的疾病、症状、症候群、及び徴候の治療のための、ナノ粒子モダフィニル組成物に関する。
【0024】
B.アルモダフィニルに関する背景
アルモダフィニルは、経口投与のための覚醒促進剤である。アルモダフィニルは、モダフィニルのr−鏡像異性体である。アルモダフィニルは、ラセミ化合物ではないが、しかし選択的オレキシン受容体アゴニストであり、そして中枢神経系(CNS)を活性化する。アルモダフィニルの化学名は、(r)−2−((ジフェニルメチル)スルフィニル)−アセトアミドである。分子式は、C1515NOSであり、そして分子量は273.36である。
【0025】
アルモダフィニルは、NUVIGIL(登録商標)の名称でCephalon,Inc.によって製造されている精神的な覚醒状態を産生する薬物であり、そしてFDAの認可を得ている。アルモダフィニルがモダフィニルのr−鏡像異性体であるために、実質的に同様な様式で作用することが予想され、同様な薬理学的効果をもたらす。アルモダフィニルは、上記の部分で援用された特許の多くにおいて例示されている。
【0026】
C.アドラフィニルに関する背景
アドラフィニルは、経口投与のための覚醒促進剤である。アドラフィニルは、選択的オレキシン受容体アゴニストである。更にCRL 40028の名称によって知られるアドラフィニルは、その化学名として、2−(ジフェニルメチル)スルフィニルアセトヒドロキサミン酸を有する。分子式は、C1515NOSであり、そして分子量は289.35である。
【0027】
アドラフィニルは、以下に示す化学構造:
【0028】
【化2】

【0029】
を有する。
アドラフィニルは、白色ないしオフホワイト色の結晶質の粉末であり、これは、水及びシクロヘキサン中に実質的に不溶性である。これは、メタノール及びアセトン中に難溶であるか、又は僅かに可溶性である。
【0030】
アドラフィニルは、米国では入手不可能である。これは、欧州連合中でOLMIFON(登録商標)の名称で店頭で販売され、そしてCephalon,Inc.によって製造及び販売されている。OLMIFON(登録商標)錠剤は、300mgである。製造は、本明細書中に参考文献として援用される、米国特許第4,066,686号;5,618,845号;及び4,177,290号中に記載されている。
【0031】
アドラフィニルは、プロドラッグである;これは、主としてin vivoでモダフィニル(PROVIGIL(登録商標))に代謝され、殆んど同一の薬理学的効果をもたらす。然しながら、モダフィニルとは異なり、これは、活性なレベルまで血流中に蓄積するまで代謝するための時間を要する。効果は、空腹時に経口的に摂取した場合、通常45−60分で現れる。
【発明の概要】
【0032】
発明の概要
本発明は、モダフィニル、若しくは塩、又は鏡像異性体、又はプロドラッグ、又は多形、或いはこれらの誘導体を含んでなるナノ粒子の医薬組成物に関する。ナノ粒子組成物は、モダフィニル、若しくは塩、又は鏡像異性体、又はプロドラッグ、又は多形、或いはこれらの誘導体、及びナノ粒子の粒子の表面に吸着された少なくとも一つの表面安定剤を含んでなる。ナノ粒子組成物の粒子は、約2000nmより小さい有効平均粒子サイズを有する。
【0033】
一つの態様において、本発明は、モダフィニル、鏡像異性体、多形、水和物、溶媒和物、非晶質の形態又はこれらの混合物の粒子を含んでなる組成物に関し、ここにおいて、粒子は、第1の粒子の集団及び第2の粒子の集団からなり、ここにおいて、第1の粒子の集団と第2の粒子の集団の比は、重量で約3:7であり、ここにおいて:
(a)第1の粒子の集団は、約240ミクロンより大きい直径を有する粗大粒子を含んでなり;そして
(b)第2の粒子の集団は、約240ミクロンより小さい直径を有する粗大粒子を含んでなり、ここにおいて、第2の粒子の集団は、約2000nmより小さい直径を有するナノ粒子を含んでなる。
【0034】
もう一つの態様において、本発明は、モダフィニル、鏡像異性体、多形、水和物、溶媒和物、非晶質の形態又はこれらの混合物の粒子を含んでなる組成物に関し、ここにおいて、粒子は、第1の粒子の集団及び第2の粒子の集団からなり、ここにおいて、第1の粒子の集団と第2の粒子の集団の比は、重量で約3:7であり、ここにおいて:
(a)第1の粒子の集団は、約220ミクロンより大きい直径を有する粗大粒子を含んでなり;そして
(b)第2の粒子の集団は、約220ミクロンより小さい直径を有する粗大粒子を含んでなり、ここにおいて、第2の粒子の集団は、約2000nmより小さい直径を有するナノ粒子を含んでなる。
【0035】
本発明のある態様において、モダフィニル、鏡像異性体、多形、水和物、溶媒和物、非晶質の形態又はこれらの混合物の粒子は、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%又は80重量%のナノ粒子を含んでなる。
【0036】
一つの態様において、本発明の組成物は、錠剤又はカプセルの形態である。一つの態様において、本発明の組成物は、経口制御放出投与である。本発明の好ましい剤形は、いずれもの医薬的に受容可能な剤形を使用することができるが、固体の経口剤形である。
【0037】
ある態様において、組成物は、更にシクロデキストリンを含んでなるが、但し、シクロデキストリンが、ヒドロキシプロピルベータシクロデキストリン、ベータシクロデキストリンスルホブチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択されないことを条件とする。
【0038】
本発明のもう一つの側面は、ナノ粒子のモダフィニル、若しくは塩、又は鏡像異性体、又はプロドラッグ、又は多形、或いはこれらの誘導体、及び少なくとも一つの表面安定剤、医薬的に受容可能な担体、並びにいずれもの所望の賦形剤を含んでなる医薬組成物に向けられる。
【0039】
本発明の一つの態様は、ナノ粒子のモダフィニル組成物を包含し、ここにおいて、ナノ粒子のモダフィニルの薬物動力学特性は、組成物を摂取する患者の給餌又は絶食状態によって最小に影響される。
【0040】
なおもう一つの態様において、本発明は、ナノ粒子のモダフィニル組成物を包含し、ここにおいて、絶食状態の患者への組成物の投与が、給餌状態の患者への組成物の投与に対して生物学的同等性である。
【0041】
本発明のもう一つの態様は、神経学的疾病若しくは疾患又は症候群或いは徴候の治療において有用な、一つ又はそれより多い更なる化合物と組合されたナノ粒子のモダフィニル組成物に向けられる。
【0042】
本発明の更なる態様は、睡眠剤又は鎮痛剤のような一つ若しくはそれより多い更なる化合物と組合されたナノ粒子のモダフィニル組成物に向けられる。
本発明は、更に本発明のナノ粒子のモダフィニル組成物を製造する方法を開示する。このような方法は、ナノ粒子のモダフィニル、若しくは塩、又は鏡像異性体、又はプロドラッグ、又は多形、或いはこれらの誘導体を、少なくとも一つの表面安定剤と、安定化されたナノ粒子のモダフィニル組成物を得るために十分な時間及び条件下で、接触させることを含んでなる。
【0043】
本発明は、更に、制約されるものではないが、本明細書中で開示される新規なナノ粒子のモダフィニル組成物を使用することから得られる、神経学的疾病若しくは症状又は徴候或いは症候群の治療を含む治療の方法に向けられる。このような神経学的疾病若しくは症状又は徴候或いは症候群は、制約されるものではないが、過眠症、閉塞型睡眠時無呼吸/低呼吸症候群、交代勤務睡眠障害、過眠症に伴う過剰な日中の眠気を持つ患者の覚醒の改良、及び特発性過眠症を含む。
【0044】
このような方法は、治療的に有効な量のナノ粒子のモダフィニル、若しくは塩、又は鏡像異性体、又はプロドラッグ、又は多形、或いはこれらの誘導体を、患者に投与することを含んでなる。治療的に有効な量は、徴候又は症状の認知される軽減をもたらす量である。本発明のナノ粒子の組成物を使用する他の治療の方法は、当業者にとって既知である。
【0045】
本発明は、更に第1の活性成分を含有する粒子の集団を含んでなる第1の構成成分、及び活性成分を含有する粒子の後続集団を含んでなる少なくとも一つの後続の構成成分を有する改変放出組成物にも関し、ここにおいて、それぞれの構成成分は、異なった放出の速度及び/又は時間を有し、そしてここにおいて、少なくとも一つの構成成分は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなる。少なくとも一つの後続の構成成分の粒子は、例えば、改変放出被覆で被覆された粒子のような改変放出(MR)形態で、或いは改変放出基質物質を含んでなるか又はそれに組込まれて提供される。患者への経口投与において、組成物は、活性成分(類)を二峰性又は多峰性様式で放出する。構成成分は、所望により、CNSの疾病状態、徴候、症候群、及び症状の予防及び治療において有用な一つ又はそれより多い更なる活性成分、及び/又は一つ若しくはそれより多い医薬的に受容可能な賦形剤を含んでなることができる。本発明の一つの態様において、少なくとも粒子のあるものは、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなるナノ粒子を含んでなる。本発明のもう一つの態様において、少なくとも粒子のあるものは、それ自体モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなるナノ粒子である。
【0046】
改変放出組成物の第1の構成成分は、第1の構成成分中に含有される活性成分の実質的に全てが、剤形の投与において迅速に放出されるか、迅速にしかし時間遅延後に放出される(遅延放出)か、又は時間をかけてゆっくりと放出されるかの特性を含む、各種の放出特性を示すことができる。一つの態様において、剤形の第1の構成成分中に含有される活性成分は、患者への投与において迅速に放出される。本明細書中で使用される場合、“迅速に放出される”は、剤形の構成成分の活性成分の少なくとも80%が、投与後約1時間以内に放出される放出特性を含み、用語“遅延放出”は、剤形の成分の活性成分が、時間遅延後に放出される(迅速に又はゆっくりと)放出特性を含み、そして用語“制御放出”及び“持続放出”は、剤形の構成成分中に含有される活性成分の少なくとも約80%が、ゆっくりと放出される放出特性を含む。
【0047】
改変放出組成物の後続の構成成分は、更に即時放出特性、遅延放出特性又は制御放出特性を含む各種の放出特性を示すこともできる。一つの態様において、後続の構成成分は、構成成分中の活性成分が、時間遅延後に放出される、遅延放出特性を示す。もう一つの態様において、後続の構成成分は、構成成分中の活性成分が、投与後約12ないし約24時間の期間をかけて放出される、制御放出特性を示す。
【0048】
構成成分が異なった放出特性を示す二構成成分の態様において、組成物からの活性成分の放出特性は二峰性である。第1の構成成分が即時放出特性を示し、そして後続の構成成分が遅延放出特性を示す態様において、第1の構成成分からの活性成分の放出及び後続の構成成分からの活性成分の放出間には遅延期間がある。遅延期間の期間は、改変放出被覆の量及び/又は組成を変化することによって、或いは所望の放出特性を達成するために使用される、改変放出基質物質の量及び/又は組成を変化することによって変更することができる。従って、遅延期間の期間は、所望の血漿特性を模倣するために設計することができる。
【0049】
第1の構成成分が即時放出特性を示し、そして後続の構成成分が制御放出特性を示す態様において、第1及び後続の構成成分中の活性成分は、異なった時間にわたって放出される。このような態様において、即時放出成分は、投与から治療的に有効な血漿濃度のレベルまでの時間を最小化することによって作用の開始を促進するために貢献し、そして一つ又はそれより多い後続の構成成分は、血漿濃度レベルの変化を最小化する、及び/又は投与の合間を通して治療的に有効な血漿濃度を維持するために貢献する。一つのこのような態様において、第1の構成成分中の活性成分は迅速に放出され、そして後続の構成成分中の活性成分は、投与後、約12時間の期間内に放出される。もう一つのこのような態様において、第1の構成成分中の活性成分は迅速に放出され、そして後続の構成成分中の活性成分は、投与後、約24時間の期間内に放出される。なおもう一つのこのような態様において、第1の構成成分中の活性成分は迅速に放出され、そして後続の構成成分中の活性成分は、投与後、約12時間の期間をかけて放出される。なおもう一つのこのような態様において、第1の構成成分中の活性成分は迅速に放出され、そして後続の構成成分中の活性成分は、投与後、約24時間の期間をかけて放出される。なおもう一つのこのような態様において、第1の構成成分中の活性成分は迅速に放出され、そして後続の構成成分中の活性成分は、投与後、少なくとも約12時間の期間をかけて放出される。なおもう一つのこのような態様において、第1の構成成分中の活性成分は迅速に放出され、そして後続の構成成分中の活性成分は、投与後、少なくとも約24時間の期間をかけて放出される。
【0050】
即時放出構成成分及び少なくとも一つの改変放出構成成分を含んでなる本発明の剤形の投与によって産生された血漿特性は、連続して与えられた二つ又はそれより多いIR剤形の投与によって産生された血漿特性と、或いは別個のIR及びMR剤形の投与によって産生された血漿特性と、実質的に同様であることができる。本発明の改変放出組成物は、通常毎日二回投与されるモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を投与するために特に有用である。本発明の一つの態様において、組成物は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を二峰性様式で放出する。投与において、このような組成物は、典型的な治療管理によるモダフィニルの二つのIR投与量の連続投与によって得られるものを実質的に模倣した血漿特性を産生する。
【0051】
本発明のもう一つの側面によれば、組成物は、連続的に与えられる二つ又はそれより多いIR剤形の投与に伴う血漿濃度レベルの変化を最小化又は排除する血漿特性を産生するために設計することができる。このような態様において、組成物は、投与から治療的に有効な血漿濃度レベルまでの時間を最小化することによって作用の開始を促進するための即時放出構成成分を提供し、そして少なくとも一つの改変放出構成成分は、投与の合間を通して治療的に有効な血漿濃度レベルを維持することができる。モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を、更に少なくとも一つの表面安定剤を含んでなるナノ粒子の粒子中に含有することができる。
【0052】
本明細書中に開示されたものと同様な改変放出組成物は、Devane et al.への米国特許第6,228,398号及び6,730,325号中に開示され、そして特許請求されている。
【0053】
本発明は、更に本発明の組成物から製造された剤形にも関する。一つの態様において、剤形は、本発明の改変放出組成物を含んでなる固体の経口剤形である。経口剤形は、例えば浸食性製剤、拡散制御製剤及び浸透圧制御製剤を使用することができる。このような態様において、剤形中に含有された全投与量は、でパルス状又は連続様式で放出することができる。一つのこのような態様において、全投与量の一部は、即時に放出されて、効果の迅速な開始を可能にし、そして全投与量の残部は、遅延時間後又は約24時間までの期間をかけて放出される。
【0054】
前述の一般的説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示的であり、そして説明的であり、そして特許請求されたような本発明の更なる説明を提供することを意図している。他の目的、利益、及び新規な特徴は、以下の本発明の詳細な説明から当業者にとって容易に明白となるものである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】図1は、5重量/重量%のモダフィニル;1.25重量/重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース;0.05重量/重量%のドクセートナトリウム;及び93.7重量/重量%の脱イオン水を含んでなるナノ粒子のモダフィニル製剤(表1、製剤1)の顕微鏡写真を示す。顕微鏡:100×/1.4油相対物レンズ。1μmのサイズの基準は、右下の角に示してある。
【図2】図2は、ナノ粒子モダフィニルの製剤1の顕微鏡写真を示す。顕微鏡:100×/1.4油相対物レンズ。1μmのサイズの基準は、右下の角に示してある。
【図3】図3は、10重量/重量%のモダフィニル;2.5重量/重量%のプラスドンS−630(ポビドン);0.1重量/重量%のドクセートナトリウム;及び87.4重量/重量%の脱イオン水を含んでなるナノ粒子のモダフィニル製剤(表1、製剤2)の顕微鏡写真を示す。顕微鏡:100×/1.4油相対物レンズ。1μmのサイズの基準は、右下の角に示してある。
【図4】図4は、10重量/重量%のモダフィニル;2.5重量/重量%のヒドロキシプロピルセルロース−超低粘度(HPC−SL);0.1重量/重量%のドクセートナトリウム;及び87.4重量/重量%の脱イオン水を含んでなるナノ粒子のモダフィニル製剤(表1、製剤3)の顕微鏡写真を示す。顕微鏡:100×/1.4油相対物レンズ。1μmのサイズの基準は、右下の角に示してある。
【図5】図5は、ナノ粒子のモダフィニル製剤3の顕微鏡写真を示す。顕微鏡:100×/1.4油相対物レンズ。1μmのサイズの基準は、右下の角に示してある。
【図6】図6は、10重量/重量%のモダフィニル;2.5重量/重量%のプラスドンK29−32(ポビドン);0.1重量/重量%のラウリル硫酸ナトリウム;及び87.4重量/重量%の脱イオン水を含んでなるナノ粒子のモダフィニル製剤(表1、製剤4)の顕微鏡写真を示す。顕微鏡:100×/1.4油相対物レンズ。1μmのサイズの基準は、右下の角に示してある。
【図7】図7は、ナノ粒子のモダフィニル製剤4の顕微鏡写真を示す。顕微鏡:100×/1.4油相対物レンズ。1μmのサイズの基準は、右下の角に示してある。
【図8】図8は、時間に対する平均モダフィニル血漿濃度特性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
発明の詳細な説明
本発明は、以下に、そして本出願中で規定されるようないくつかの定義を使用して本明細書中で説明される。
【0057】
本明細書中で使用する場合、“約”は、当業者によって理解されるものであり、そしてこれが使用される文脈においてある程度変化するものである。これが使用された文脈が与えられ、当業者にとって明白ではない用語の使用が存在した場合、“約”は、特定の用語の10%までの範囲を意味するものである。
【0058】
本明細書中で使用される場合、“治療的に有効な量のモダフィニル”は、関連する治療の必要な有意な数の患者にモダフィニルが投与され、特異的な薬理学的反応を与える投与量を意味する。特定の患者に、特定の場合に投与される治療的に有効な量のモダフィニルは、このような投与量が当業者によって治療的に有効な量であると見做されるが、本明細書中に記載された症状の治療において常に有効であることはないものであることが強調される。
【0059】
本明細書中で使用される場合、“粒子”は、そのサイズ、形状又は形態に関わらず、別々の粒子、ペレット、ビーズ又は顆粒の存在によって特徴づけられる物質の状態を指す。
本明細書中で使用される場合、“多粒子”は、そのサイズ、形状、又は形態に関わらず、複数の別々の、又は塊状の粒子、ペレット、ビーズ、顆粒或いはこれらの混合物を意味する。多粒子を含んでなる組成物は、本明細書中で“多粒子組成物”と記載される。
【0060】
本明細書中で使用される場合、“ナノ粒子”は、その中の粒子の有効平均粒子サイズが直径で約2000nm(2ミクロン)より小さい多粒子を指す。ナノ粒子を含んでなる組成物は、本明細書中で“ナノ粒子組成物”と記載される。
【0061】
本明細書中で使用される場合、多粒子(例えばナノ粒子)を記載するための“有効平均粒子サイズ”は、その粒子の少なくとも50%が、規定されたサイズであることを意味する。従って、“直径で約2000nmより小さい有効平均粒子サイズ”は、その中の粒子の少なくとも50%が約2000nmの直径より小さいことを意味する。
【0062】
本明細書中で使用する場合、“D50”は、多粒子中の粒子の50%がそれより小さい粒子サイズを指す。同様に、“D90”は、多粒子中の粒子の90%がそれより小さい粒子サイズを指す。
【0063】
安定な粒子に関して本明細書中で使用される場合、“安定”は、制約されるものではないが、次のパラメーター:(1)粒子が、粒子間の引力により感知できるほど凝結するか又は塊りにならず、或いはさもなければ粒子サイズが時間をかけて有意に増加しないか;(2)粒子の物理的構造が、非晶質相から結晶相への転換によるような時間をかけた変化をしないか;(3)粒子が、化学的に安定であるか;及び/又は(4)活性成分が、本発明のナノ粒子の調製において、粒子の融点で、又はそれより上で加熱工程にかけられていない場合、の一つ又はそれより多くを指す。
【0064】
本明細書中で使用される場合、“不良に水溶性の薬物”は、約30mg/mlより小さい、約20mg/mlより小さい、約10mg/mlより小さい、又は約1mg/mlより小さい水中の溶解度を有する薬物を指す。
【0065】
本明細書中で使用される場合、“改変放出”は、即時ではない放出を含み、そして制御放出、延長放出、持続放出及び遅延放出を含む。
本明細書中で使用される場合、“時間遅延”は、本発明の組成物を含んでなる剤形の投与及びその粒子の構成成分からの活性成分の放出間の期間を指す。
【0066】
本明細書中で使用される場合、“遅延時間”は、組成物の一つの構成成分からの活性成分の放出及び組成物のもう一つの構成成分からの活性成分の放出間の期間を指す。
本明細書中で使用される場合、“浸食性”は、身体内の物質の作用によって、磨耗、縮小、又は変質させることができる製剤を指す。
【0067】
本明細書中で使用される場合、“拡散制御”は、その自然発生的な、例えばより高い領域からより低い濃後のそれへの動きの結果として、拡散することができる製剤を指す。
本明細書中で使用される場合、“浸透圧制御”は、膜の二つの側の製剤の濃度を均等化しようとする、半透膜を通すより高い濃度の溶液へのその動きの結果として拡散することができる製剤を指す。
【0068】
本明細書中で使用される場合、“モダフィニル”は、モダフィニルの単一の実質的に光学的に純粋な鏡像異性体、或いはモダフィニルの鏡像異性体のラセミ体又は他の混合物のいずれかを指す。
【0069】
I.モダフィニルを含んでなるナノ粒子組成物
本発明は:(A)モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形;及び(B)少なくとも一つの表面安定剤を含んでなる粒子を含んでなるナノ粒子の組成物を提供する。ナノ粒子の組成物は、最初米国特許第5,145,684号中に記載された。ナノ粒子の活性剤の組成物は、更に、例えば米国特許第5,298,262号;5,302,401号;5,318,767号;5,326,552号;5,328,404号;5,336,507号;5,340,564号;5,346,702号;5,349,957号;5,352,459号;5,399,363号;5,494,683号;5,401,492号;5,429,824号;5,447,710号;5,451,393号;5,466,440号;5,470,583号;5,472,683号;5,500,204号;5,518,738号;5,521,218号;5,525,328号;5,543,133号;5,552,160号;5,565,188号;5,569,448号;5,571,536号;5,573,749号;5,573,750号;5,573,783号;5,580,579号;5,585,108号;5,587,143号;5,591,456号;5,593,657号;5,622,938号;5,628,981号;5,643,552号;5,718,388号;5,718,919号;5,747,001号;5,834,025号;6,045,829号;6,068,858号;6,153,225号;6,165,506号;6,221,400号;6,264,922号;6,267,989号;6,270,806号;6,316,029号;6,375,986号;6,428,814号;6,431,478号;6,432,381号;6,582,285号;6,592,903号;6,656,504号;6,742,734号;6,745,962号;6,811,767号;6,908,626号;6,969,529号;6,976,647号;及び6,991,191号;並びに米国特許出願公開20020012675;20050276974;20050238725;20050233001;20050147664;20050063913;20050042177;20050031691;20050019412;20050004049;20040258758;20040258757;20040229038;20040208833;20040195413;20040156895;20040156872;20040141925;20040115134;20040105889;20040105778;20040101566;20040057905;20040033267;20040033202;20040018242;20040015134;20030232796;20030215502;20030185869;20030181411;20030137067;20030108616;20030095928;20030087308;20030023203;20020179758;20020012675;及び20010053664中にも記載されている。非晶質の小粒子組成物は、例えば米国特許第4,783,484号;4,826,689号;4,997,454号;5,741,522号;5,776,496号中に記載されている。
【0070】
上述したように、本発明のナノ粒子組成物中の粒子の有効平均粒子サイズは、直径で約2000nm(即ち、2ミクロン)より小さい。本発明の態様において、有効平均粒子サイズは、光散乱法、顕微鏡、又は他の適当な方法によって測定した場合、例えば、直径で約1900nmより小さい、約1800nmより小さい、約1700nmより小さい、約1600nmより小さい、約1500nmより小さい、約1400nmより小さい、約1300nmより小さい、約1200nmより小さい、約1100nmより小さい、約1000nmより小さい、約900nmより小さい、約800nmより小さい、約700nmより小さい、約600nmより小さい、約500nmより小さい、約400nmより小さい、約300nmより小さい、約250nmより小さい、約200nmより小さい、約150nmより小さい、約100nmより小さい、約75nmより小さい、又は約50nmより小さいことができる。
【0071】
ナノ粒子の粒子は、結晶相、非晶質相、半結晶相、半非晶質相、又はこれらの混合物で存在することができる。
固体の剤形のより小さいサイズを可能にすることに加えて、本発明のナノ粒子の組成物は、増加したバイオアベイラビリティーを示し、そしてモダフィニルを含んでなる従来の慣用的な非ナノ粒子組成物と比較して、より小さい投与量のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を必要とする。本発明の一つの態様において、本発明のナノ粒子の組成物は、慣用的な剤形で投与された場合のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形より、約50%大きいバイオアベイラビリティーを有する。他の態様において、本発明のナノ粒子の組成物は、慣用的な剤形で投与された場合のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形より、約40%大きい、約30%大きい、約20%大きい、又は約10%大きいバイオアベイラビリティーを有する。
【0072】
ナノ粒子の組成物は、更に哺乳動物の患者へのその最初の投与後に測定されるような所望の薬物動力学的特性を有することもできる。組成物の所望の核物動力学的特性は、制約されるものではないが:(1)投与後の哺乳動物の患者の血清中で分析された場合のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対する、好ましくは、非ナノ粒子組成物によって同一投与量で放出された場合の同一のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対するCmaxより大きいCmax;及び/又は(2)投与後の哺乳動物の患者の血清中で分析された場合のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対する、好ましくは、非ナノ粒子組成物によって同一投与量で放出された場合の同一のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対するAUCより大きいAUC;及び/又は(3)投与後の哺乳動物の患者の血清中で分析された場合のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対する、好ましくは、非ナノ粒子組成物によって同一投与量で放出された場合の同一のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対するTmaxより小さいTmaxを含む。
【0073】
本発明の一つの態様において、本発明のナノ粒子の組成物は、例えば、その中に含有されたモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対する、非ナノ粒子組成物によって同一投与量で放出された場合の同一のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対するTmaxの約90%より大きくないTmaxを示す。本発明の他の態様において、本発明のナノ粒子の組成物は、例えば、その中に含有されるモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対する、非ナノ粒子組成物によって同一投与量で放出された場合の同一のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対するTmaxの約80%より大きくない、約70%より大きくない、約60%より大きくない、約50%より大きくない、約30%より大きくない、約25%より大きくない、約20%より大きくない、約15%より大きくない、約10%より大きくない、又は約5%より大きくないTmaxを示すことができる。本発明の一つの態様において、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形のTmaxは、哺乳動物の患者の血漿中で分析した場合、投与後、約6ないし約8時間より少ない。本発明の他の態様において、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形のTmaxは、投与後、約6時間より少ないか、約5時間より少ないか、約4時間より少ないか、約3時間より少ないか、約2時間より少ないか、約1時間より少ないか、又は約30分より少ない。
【0074】
本発明の一つの態様において、本発明のナノ粒子の組成物は、例えば、その中に含有されるモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対する、非ナノ粒子組成物によって同一投与量で放出された場合の同一のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対するCmaxの少なくとも約50%のCmaxを示す。本発明の他の態様において、本発明のナノ粒子の組成物は、例えば、その中に含有されるモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対する、非ナノ粒子組成物によって同一投与量で放出された場合の同一のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対するCmaxの少なくとも約100%、少なくとも約200%、少なくとも約300%、少なくとも約400%、少なくとも約500%、少なくとも約600%、少なくとも約700%、少なくとも約800%、少なくとも約900%、少なくとも約1000%、少なくとも約1100%、少なくとも約1200%、少なくとも約1300%、少なくとも約1400%、少なくとも約1500%、少なくとも約1600%、少なくとも約1700%、少なくとも約1800%、又は少なくとも約1900%大きいCmaxを示すことができる。
【0075】
本発明の一つの態様において、本発明のナノ粒子の組成物は、例えば、その中に含有されたモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対する、非ナノ粒子組成物によって同一投与量で放出された場合の同一のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対するAUCより少なくとも約25%大きいAUCを示す。本発明の他の態様において、本発明のナノ粒子の組成物は、例えば、その中に含有されるモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対する、非ナノ粒子組成物によって同一投与量で放出された場合の同一のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に対するAUCより、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約175%、少なくとも約200%、少なくとも約225%、少なくとも約250%、少なくとも約275%、少なくとも約300%、少なくとも約350%、少なくとも約400%、少なくとも約450%、少なくとも約500%、少なくとも約550%、少なくとも約600%、少なくとも約750%、少なくとも約700%、少なくとも約750%、少なくとも約800%、少なくとも約850%、少なくとも約900%、少なくとも約950%、少なくとも約1000%、少なくとも約1050%、少なくとも約1100%、少なくとも約1150%、又は少なくとも約1200%大きいAUCを示すことができる。
【0076】
本発明は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の投与後の薬物動力学的特性が、組成物を摂取する患者の給餌又は絶食状態によって実質的に影響されないナノ粒子の組成物を包含する。これは、ナノ粒子の組成物が給餌状態において投与される場合、吸収されるモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の量又は吸収の速度が絶食状態に対して実質的な差がないことを意味する。慣用的なモダフィニル製剤、即ち、NIVADIL(登録商標)において、モダフィニルの吸収は、食物と共に投与された場合に増加する。慣用的なモダフィニル製剤で観察される吸収のこの差は、好ましくない。本発明の組成物は、この問題を克服する。
【0077】
食物の影響を実質的に排除した剤形の利益は、患者が、彼等が食物に伴われ又は伴われずにのいずれかで投与を摂取することを確認する必要がないために、これによって患者の服薬遵守が増加する患者の便利さの増加を含む。これは、不良な患者の服薬遵守の場合、モダフィニルが処方されている医学的症状の増加を観察することができるために、重要である。
【0078】
本発明は、更に絶食状態の患者への組成物の投与が、給餌状態の患者への組成物の投与と生物学的同等性である、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなるナノ粒子の組成物を包含する。
【0079】
本発明の組成物の吸収の差は、絶食状態に対する給餌状態中の投与の場合、好ましくは約100%より少ないか、約95%より少ないか、約90%より少ないか、約85%より少ないか、約80%より少ないか、約75%より少ないか、約70%より少ないか、約65%より少ないか、約60%より少ないか、約55%より少ないか、約50%より少ないか、約45%より少ないか、約40%より少ないか、約35%より少ないか、約30%より少ないか、約25%より少ないか、約20%より少ないか、約15%より少ないか、約10%より少ないか、約5%より少ないか、又は約3%より少ない。
【0080】
本発明の一つの態様において、本発明は、更にモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなる組成物を包含し、ここにおいて、絶食状態の患者への組成物の投与は、給餌状態の患者への組成物の投与と、特に米国食品医薬品局及び対応する欧州の監督省庁(EMEA)によって与えられているCmax及びAUCのガイドラインによって定義されているように生物学的同等性である。米国FDAのガイドライン下で、二つの製品又は方法は、AUC及びCmaxに対する90%信頼区間(CI)が、0.80及び約1.25間である場合、生物学的同等性である(Tmax測定値は、規制目的に対して生物学的同等性と関連しない)。欧州のEMEA指針に準じた二つの化合物又は投与条件間の生物学的同等性を示すために、AUCに対する90%CIは、約0.80ないし約1.25間でなければならず、そしてCmaxに対する90%CIは、約0.70ないし約1.43間でなければならない。
【0081】
本発明のナノ粒子の組成物が、予想外に劇的な溶解特性を有することが提示されている。モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の迅速な溶解が、より早い溶解が、一般的により早い作用の開始及びより大きいバイオアベイラビリティーに導くために好ましい。モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の溶解特性及びバイオアベイラビリティーを改良するために、100%に近いレベルを達成することができるように、薬物の溶解を増加することが有用であるものである。
【0082】
本発明の組成物は、好ましくは、約5分以内に、少なくとも約20%のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形が溶解する溶解特性を有する。本発明の他の態様において、少なくとも約30%、若しくは少なくとも約40%のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形が、約5分以内に溶解する。本発明のなお他の態様において、好ましくは、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、若しくは少なくとも約80%のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形が、約10分以内に溶解する。最後に、本発明のもう一つの態様において、好ましくは、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、若しくは少なくとも約100%のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形が、約20分以内に溶解する。
【0083】
溶解は、好ましくは識別性である媒体中で測定される。このような溶解媒体は、胃液中で非常に異なった溶解特性を有する二つの製品に対して、二つの非常に異なった溶解曲線を生じるものである;即ち、溶解媒体は、組成物のin vivoの溶解を予測する。例示的な溶解媒体は、界面活性剤ラウリル硫酸ナトリウムを0.025Mで含有する水性媒体である。溶解する量の測定は、分光分析法によって行うことができる。回転ブレード法(欧州局法)を溶解を測定するために使用することができる。
【0084】
本発明のナノ粒子の組成物の更なる特徴は、その粒子が、粒子が直径で約2000nmより小さい有効平均粒子サイズを有するように再分散することである。これは、これらが、直径で約2000nmより小さい有効平均粒子サイズを有するように粒子が再分散されなかった場合、組成物は、その中のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形をナノ粒子の形態中に処方することによって得られる利益を喪失し得るために、重要である。これは、ナノ粒子の組成物が、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなる小さいサイズの粒子から利益を得るためである。粒子が、投与において小さい粒子サイズに再分散されない場合、ナノ粒子系の極めて高い表面の自由エネルギー及び自由エネルギーの全体的な減少を達成するための熱力学的推進力のために、“凝集塊”又は凝集された粒子が形成される。このような凝集された粒子の形成により、剤形のバイオアベイラビリティーは、ナノ粒子の組成物の液体分散物の形態で観察されるものよりはるか下に落ちることができる。
【0085】
本発明の他の態様において、本発明の再分散された粒子(水、生体関連媒体、又はいずれかの適した液体媒体中に再分散)は、光分散法、顕微鏡、又は他の適当な方法で測定された場合、直径で約1900nmより小さい、約1800nmより小さい、約1700nmより小さい、約1600nmより小さい、約1500nmより小さい、約1400nmより小さい、約1300nmより小さい、約1200nmより小さい、約1100nmより小さい、約1000nmより小さい、約900nmより小さい、約800nmより小さい、約700nmより小さい、約600nmより小さい、約500nmより小さい、約400nmより小さい、約300nmより小さい、約250nmより小さい、約200nmより小さい、約150nmより小さい、約100nmより小さい、約75nmより小さい、又は約50nmより小さい有効平均粒子サイズを有する。有効平均粒子サイズを測定するために適したこのような方法は、当業者にとって既知である。
【0086】
再分散性は、当技術において既知のいずれもの適した手段を使用して試験することができる。例えば、“Solid Dose Nanoparticulate Compositions Comprising a Synergistic Combination of a Polymeric Surface Stabilizer and Dioctyl Sodium Sulfosuccinate”に対する米国特許第6,375,986号の実施例の部を参照されたい。
【0087】
本発明のナノ粒子の組成物は、生体関連水性媒体中の再構成/再分散によって証明されるように、再分散された粒子の有効平均粒子サイズが約2000nmより小さくなるような、ヒト又は動物のような哺乳動物への投与における粒子の劇的な再分散を示す。このような生体関連水性媒体は、媒体の生体関連性の基礎を形成する、所望のイオン強度及びpHを示すいずれもの水性媒体であることができる。所望のpH及びイオン強度は、ヒトの身体内で見出される生理学的条件の代表であるものである。このような生体関連水性媒体は、例えば、所望のpH及びイオン強度を示す電解質水溶液或いはいずれもの塩、酸、若しくは塩基、又はこれらの組合せの水溶液であることができる。
【0088】
生体関連のpHは、当技術において公知である。例えば、胃において、pHは、2より僅かに低く(しかし典型的には1より大きい)4又は5までの範囲である。小腸において、pHは、4ないし6の範囲であることができ、そして大腸において、これは6ないし8の範囲であることができる。生体関連のイオン強度も、更に当技術において公知である。絶食状態の胃液は、約0.1Mのイオン強度を有し、一方絶食状態の腸液は、約0.14のイオン強度を有する。例えば、Lindahl et al.,“Characterization of Fluids from the Stomach and Proximal Jejunum in Men and Women,”Pharm.Res.,14(4):497−502(1997)を参照されたい。試験溶液のpH及びイオン強度が、具体的な化学物質の含有率よりも重要であると信じられる。従って、適当なpH及びイオン強度値は、強酸、強塩基、塩、単一又は複数の共役酸−塩基対(即ち、弱酸及び対応するその酸の塩)、一塩基及び多塩基電解質、等の多くの組合せを通して得ることができる。
【0089】
代表的な電解質溶液は、制約されるものではないが、約0.001ないし約0.1Nの濃度の範囲のHCl溶液、及び約0.001ないし約0.1Mの濃度の範囲のNaCl溶液、並びにこれらの混合物であることができる。例えば、電解質溶液は、制約されるものではないが、約0.1N又はそれより小さいHCl、約0.01N又はそれより小さいHCl、約0.001N又はそれより小さいHCl、約0.1M又はそれより小さいNaCl、約0.01M又はそれより小さいNaCl、約0.001M又はそれより小さいNaCl、及びこれらの混合物であることができる。これらの電解質溶液の中で、0.01MのHCl及び/又は0.1MのNaClが、近位の胃腸管のpH及びイオン強度条件のために、絶食したヒトの生理学的条件の最良の代表である。
【0090】
0.001NのHCl、0.01NのHCl、及び0.1NのHClの電解質濃度は、それぞれpH3、pH2、及びpH1に対応する。従って、0.01NのHCl溶液は、異において見出される典型的な酸性の条件を模擬している。0.1MのNaClの溶液は、0.1Mより高い濃度を、ヒトのGI管内の給餌時の条件を模擬するために使用することができるが、胃腸液を含む身体中で見出されるイオン強度条件の妥当な近似を与える。
【0091】
所望のpH及びイオン強度を示す塩、酸、塩基又はこれらの組合せの例示的な溶液は、制約されるものではないが、リン酸/リン酸塩+塩化物のナトリウム、カリウム及びカルシウム塩、酢酸/酢酸塩+塩化物のナトリウム、カリウム及びカルシウム塩、炭酸/重炭酸塩+塩化物のナトリウム、カリウム及びカルシウム塩、並びにクエン酸/クエン酸塩+塩化物のナトリウム、カリウム及びカルシウム塩を含む。
【0092】
先に記述したように、組成物は、更に少なくとも一つの表面安定剤も含んでなる。表面安定剤は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含有する粒子の表面上に吸着されるか、又はそれに伴われることができる。好ましくは、表面安定剤は、粒子の表面に付着、又はそれに伴われるが、しかし粒子と、或いは他の表面安定剤分子と化学的に反応しない。表面安定剤の個々に吸着された分子は、本質的に分子間の架橋を含まない。
【0093】
本発明の組成物中に存在するモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形と表面安定剤の相対的な量は、広く変化することができる。個々の構成成分の所望による量は、特に、選択された特定の薬物、親水性−親油性の均衡(HLB)、融点、及び安定剤の水溶液の表面張力に依存することができる。モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の濃度は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形、及び表面安定剤(類)の、他の賦形剤を含まない全混合重量に基づいて、約99.5%ないし約0.001%、約95%ないし約0.1%、又は約90%ないし約0.5重量%で変化することができる。表面安定剤(類)の濃度は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形、及び表面安定剤の、他の賦形剤を含まない全混合重量の約0.5%ないし約99.999%、約5.0%ないし約99.9%、又は約10%ないし約99.5重量%で変化することができる。
【0094】
モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形のための表面安定剤(類)の選択は、自明ではなく、そして所望の処方を実現するために広範囲な実験を必要とする。従って、本発明は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなるナノ粒子の組成物を製造することができる、驚くべき発見に向けられる。
【0095】
一つより多い表面安定剤の組合せを、本発明において使用することができる。本発明において使用することができる有用な表面安定剤は、制約されるものではないが、既知の有機及び無機の医薬的賦形剤を含む。このような賦形剤は、各種のポリマー、低分子量オリゴマー、天然の産物、及び界面活性剤を含む。表面安定剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、イオン性、及び双性イオン性界面活性剤を含む。
【0096】
表面安定剤の代表的な例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(いまやヒプロメロースとして知られる)、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチル、ゼラチン、カゼイン、レシチン(リン脂質)、デキストリン、アラビアゴム、コレステロール、トラガカントゴム、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセロール、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化性ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、セトマクロゴール1000のようなマクロゴールエーテル)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば商業的に入手可能な、例えばTween20(登録商標)及びTween80(登録商標)のようなTween(登録商標)(ICI Speciality Chemicals));ポリエチレングリコール(例えば、Carbowaxs 3550(登録商標)及び934(登録商標)(Union Carbide))、ステアリン酸ポリオキシエチレン、コロイド状二酸化ケイ素、リン酸塩、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、フタル酸ヒプロメロース、非結晶質セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンオキシド及びホルムアルデヒドとの4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー(更に、チロキサポール、スーペリオン(superione)、及びトリトンとしても知られる)、ポロキサマー(例えば、Pluronics F68(登録商標)及びF108(登録商標)、これは、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーである);ポロキサミン(例えば、Tetronic 908(登録商標)、更にPoloxamine 908(登録商標)としても知られ、これは、エチレンジアミンへのプロピレンオキシド及びエチレンオキシドの連続付加から誘導される四官能性ブロックコポリマーである(BASF Wyandotte Corporation,Parsippany,N.J.));Tetronic 1508(登録商標)(T−1508)(BASF Wyandotte Corporation)、Tritons X−200(登録商標)、これはスルホン酸アルキルアリールポリエーテルである(Rohm and Haas);Crodestas F−110(登録商標)、これは、ステアリン酸スクロース及びジステアリン酸スクロースの混合物である(Croda Inc.);更にOlin−1OG(登録商標)又はSurfactant 10−Gとしても知られるp−イソノニルフェノキシポリ−(グリシドール)(Olin Chemicals,Stamford,CT);Crodestas SL−40(登録商標)(Croda,Inc.);及びSA9OHCO、これは、C18H37CH2(CON(CH3)−CH2(CHOH)4(CH2OH)2(Eastman Kodak Co.)である;デカノイル−N−メチルグルカミド;n−デシルβ−D−グルコピラノシド;n−デシルβ−D−マルトピラノシド;n−ドデシルβ−D−グルコピラノシド;n−ドデシルβ−D−マルトシド;ヘプタノイル−N−メチルグルカミド;n−ヘプチル−β−D−グルコピラノシド;n−ヘプチルβ−D−チオグルコシド;n−ヘキシルβ−D−グルコピラノシド;ノナノイル−N−メチルグルカミド;n−ノニル(noyl)β−D−グルコピラノシド;オクタノイル−N−メチルグルカミド;n−オクチル−β−D−グルコピラノシド;オクチルβ−D−チオグルコピラノシド;PEG−リン脂質、PED−コレステロール、PED−コレステロール誘導体、PEG−ビタミンA、PEG−ビタミンE、リゾチーム、ビニルピロリドン及び酢酸ビニルのランダムコポリマー、等を含む。
【0097】
有用なカチオン性表面安定剤の例は、制約されるものではないが、ポリマー、バイオポリマー、多糖類、セルロース誘導体、アルギン酸塩、リン脂質、及び双イオン性安定剤のような非重合性化合物、ポリ−n−メチルピリジニウム、塩化アントリル(anthryul)ピリジニウム、カチオン性リン脂質、キトサン、ポリリシン、ポリビニルイミダゾール、ポリブレン、ポリメチルメタクリレートトリメチルアンモニウムブロミドブロミド(PMMTMABr)、ヘキシルデシルトリメチルアンモニウムブロミド(HDMAB)、及びポリビニルピロリドン−2−ジメチルアミノエチルメタクリレートジメチルスルフェートを含む。
【0098】
他の有用なカチオン性安定剤は、制約されるものではないが、カチオン性脂質、スルホニウム、ホスホニウム、及び塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベンジル−ジ(2−クロロエチル)エチルアンモニウム、塩化又は臭化ココナツトリメチルアンモニウム、塩化又は臭化ココナツメチルジヒドロキシエチルアンモニウム、塩化デシルトリメチルアンモニウム、塩化又は臭化デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化又は臭化C12−15ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化又は臭化ココナツジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、メチル硫酸ミリスチルトリメチルアンモニウム、塩化又は臭化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化又は臭化ラウリルジメチル(エトキシ)アンモニウム、塩化N−アルキル(C12−18)ジメチルベンジルアンモニウム、塩化N−アルキル(C14−18)ジメチル−ベンジルアンモニウム、塩化N−テトラデシルジメチル(tetradecylidmethyl)ベンジルアンモニウム一水和物、塩化ジメチルジデシルアンモニウム、塩化N−アルキル及び(C12−14)ジメチル1−ナフチルメチルアンモニウム、ハロゲン化トリメチルアンモニウム、アルキル−トリメチルアンモニウム塩及びジアルキル−ジメチルアンモニウム塩、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、エトキシル化アルキルアミドアルキルジアルキルアンモニウム塩、及び/又はエトキシル化トリアルキルアンモニウム塩、塩化ジアルキルベンゼンジアルキルアンモニウム、塩化N−ジデシルジメチルアンモニウム、塩化N−テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム一水和物、塩化N−アルキル(C12−14)ジメチル1−ナフチルメチルアンモニウム、及び塩化ドデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジアルキルベンゼンアルキルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルベンジルメチルアンモニウム、臭化アルキルベンジルジメチルアンモニウム、臭化C12,C15,C17トリメチルアンモニウム、塩化ドデシルベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ポリ−ジアリルジメチルアンモニウム(DADMAC)、塩化ジメチルアンモニウム、ハロゲン化アルキルジメチルアンモニウム、塩化トリセチルメチルアンモニウム、臭化デシルトリメチルアンモニウム、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム、塩化メチルトリオクチルアンモニウム(ALIQUAT 336TM)、POLYQUAT 10TM、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチルアンモニウムのような第四アンモニウム化合物、コリンエステル(脂肪酸のコリンエステルのような)、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアラルコニウム化合物(塩化ステアリルトリモニウム及び塩化ジ−ステアリルジモニウムのような)、臭化又は塩化セチルピリジニウム、第四化合物化ポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン化物塩、MIRAPOLTM及びALKAQUATTM(Alkaril Chemical Company)、アルキルピリジニウム塩;アルキルアミン、ジアルキルアミン、アルカノールアミン、ポリエチレンポリアミン、アクリル酸N,N−ジアルキルアミノアルキル、及びビニルピリジンのようなアミン、ラウリルアミン酢酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、アルキルピリジニウム塩、及びアルキルイミダゾリウム塩のようなアミン塩、並びにアミンオキシド;イミドアゾリニウム塩;プロトン化第四アクリルアミド;ポリ[塩化ジアリルジメチルアンモニウム]及びポリ−[塩化N−メチルビニルピリジニウム]のようなメチル化第四ポリマー;並びにカチオン性グアールを含む。
【0099】
このような例示的なカチオン性表面安定剤及び他の有用な表面安定剤は、J.Cross and E.Singer,Cationic Surfactants:Analytical and Biological Evaluation(Marcel Dekker,1994);P.and D.Rubingh(Editor),Cationic Surfactants:Physical Chemistry(Marcel Dekker,1991);及びJ.Richmond,Cationic Surfactants:Organic Chemistry,(Marcel Dekker,1990)中に記載されている。
【0100】
非重合性表面安定剤は、塩化ベンザルコニウム、カルボニウム化合物、ホスホニウム化合物、オキソニウム化合物、ハロニウム化合物、カチオン性有機金属化合物、第四リン化合物、ピリジニウム化合物、アニリニウム化合物、アンモニウム化合物、ヒドロキシルアンモニウム化合物、第一アンモニウム化合物、第二アンモニウム化合物、第三アンモニウム化合物、及び式NR(+)の第四アンモニウム化合物のようないずれもの非重合性化合物である。式NR(+)の化合物において:
(i)R−RのいずれもCHではない;
(ii)R−Rの一つはCHである;
(iii)R−Rの三つはCHである;
(iv)R−Rの全てはCHである;
(v)R−Rの二つはCHであり、R−Rの一つはCCHであり、そしてR−Rの一つは、7個又はそれより少ない炭素原子のアルキル鎖である;
(vi)R−Rの二つはCHであり、R−Rの一つはCCHであり、そしてR−Rの一つは、19個又はそれより多い炭素原子のアルキル鎖である;
(vii)R−Rの二つはCHであり、そしてR−Rの一つはC(CHであり、ここで、n>1である;
(viii)R−Rの二つはCHであり、R−Rの一つはCCHであり、そしてR−Rの一つは、少なくとも一つの異種原子を含んでなる;
(ix)R−Rの二つはCHであり、R−Rの一つはCCHであり、そしてR−Rの一つは、少なくとも一つのハロゲンを含んでなる;
(x)R−Rの二つはCHであり、R−Rの一つはCCHであり、そしてR−Rの一つは、少なくとも一つの環式の断片を含んでなる;
(xi)R−Rの二つはCHであり、そしてR−Rの一つはフェニル環である;又は
(xii)R−Rの二つはCHであり、そしてR−Rの二つは、純粋に脂肪族の断片である。
【0101】
このような化合物は、制約されるものではないが、塩化ベヘナルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベヘントリモニウム、塩化ラウラルコニウム、塩化セタルコニウム、臭化セトリモニウム、塩化セトリモニウム、フッ化水素化セチルアミン、塩化クロルアリルメテンアミン(クオタニウム−15)、塩化ジステアリルジモニウム(クオタニウム−5)、塩化ドデシルジメチルエチルベンジルアンモニウム(クオタニウム−14)、クオタニウム−22、クオタニウム−26、クオタニウム−18ヘクトライト、ジメチルアミノエチル−クロリド塩酸塩、システイン塩酸塩、リン酸ジエタノールアンモニウムPOE(10)オレイル(oletyl)エーテル、リン酸ジエタノールアンモニウムPOE(3)オレイルエーテル、塩化タロウアルコニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウムベントナイト、塩化ステアラルコニウム、臭化ドミフェン、安息香酸デナトニウム、塩化ミリスタルコニウム、塩化ラウルトリモニウム、エチレンジアミン二塩酸塩、グアニジン塩酸塩、ピリヂキシンHCl、塩酸イオフェタミン、メグルミン塩酸塩、塩化メチルベンゼトニウム、臭化ミルトリモニウム、塩化オレイルトリモニウム、ポリクオタニウム−1、ポリカイン塩酸塩、ココベタイン、ステアラルコニウムベントナイト、ステアラルコニウムヘクトナイト、ステアリルトリヒドロキシエチルプロピレンジアミン二塩酸塩、塩化タロウトリモニウム、及び臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムを含む。
【0102】
表面安定剤は、商業的に入手可能であるか、及び/又は当技術において既知の技術によって調製することができる。これらの表面安定剤の殆んどは、既知の医薬的賦形剤であり、そしてAmerican Pharmaceutical Association及びThe Pharmaceutical Society of Great Britain(The Pharmaceutical Press,2000)によって合同で刊行したHandbook of Pharmaceutical Excipients中に詳細に記載されている。
【0103】
本発明の組成物は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に加えて、CNSの疾病状態、徴候、症候群、又は症状の治療を処置することにおいて有用な一つ又はそれより多い化合物を含んでなることができる。
【0104】
組成物は、更にこのような化合物と共に投与することもできる。これらの他の活性化合物は、好ましくは、一般的にCNSの症状と共に起こる頭痛、発熱、痛み、及び他の同様な症状のような身体的症状の治療のために有用なものを含む。このような活性化合物は、これらが、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の治療効果を妨げないように、当業者によって決定されるような様式で存在しなければならない。
【0105】
本発明の組成物は、更に一つ又はそれより多い結合剤、充填剤、希釈剤、潤滑剤、乳化及び懸濁剤、甘味剤、風味剤、保存剤、緩衝剤、湿潤剤、崩壊剤、発泡剤、芳香剤、及び他の賦形剤を含んでなることができる。このような賦形剤は、当技術において既知である。更に、微生物の増殖の防止は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、等のような各種の抗細菌剤及び抗真菌剤の添加によって確保することができる。注射用製剤における使用において、組成物は、更に糖、塩化ナトリウム、等のような等張剤、並びにモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンのような注射用薬剤の形態の吸収の遅延において使用するための薬剤を含んでなることができる。
【0106】
充填剤の例は、ラクトース一水和物、ラクトース無水物、及び各種のデンプンである;結合剤の例は、各種のセルロース及び架橋ポリビニルピロリドン、Avicel(登録商標)PH101及びAvicel(登録商標)PH102のような微結晶セルロース、微結晶セルロース、及びケイ化微結晶セルロース(ProSolv SMCCTM)である。
【0107】
圧縮される粉末の流動性に作用する薬剤を含む適した潤滑剤は、Aerosil(登録商標)200のようなコロイド状二酸化ケイ素、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、及びシリカゲルである。
【0108】
甘味剤の例は、スクロース、キシリトール、サッカリンナトリウム、シクラメート、アスパルテーム、及びアセスルファム(acsulfame)のようないずれもの天然の又は人工の甘味剤である。風味剤の例は、Magnasweet(登録商標)(MAFCOの商標)、風船ガム風味、及び果実風味、等である。
【0109】
保存剤の例は、ソルベート酸カリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸及びその塩、ブチルパラベンのようなパラヒドロキシ安息香酸の他のエステル、エチル又はベンジルアルコールのようなアルコール、フェノールのようなフェノール系化合物、或いは塩化ベンザルコニウムのような第四化合物である。
【0110】
適した希釈剤は、微結晶セルロース、ラクトース、二塩基性リン酸カルシウム、糖類、及び/又は前記のいずれもの混合物のような医薬的に受容可能な不活性の充填剤を含む。希釈剤の例は、Avicel(登録商標)PH101及びAvicel(登録商標)PH102のような微結晶セルロース;ラクトース一水和物、ラクトース無水物、及びPharmatose(登録商標)DCL21のようなラクトース;Emcompress(登録商標)のような二塩基性リン酸カルシウム;マンニトール;デンプン;ソルビトール;スクロース;並びにグルコースを含む。
【0111】
適した崩壊剤は、軽度に架橋したポリビニルピロリドン、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、及び加工デンプン、クロスカルメロースナトリウム、クロス−ポビドン、グリコール酸デンプンナトリウム、及びこれらの混合物を含む。
【0112】
発泡剤の例は、有機酸と炭酸塩又は重炭酸塩のような発泡剤の対である。適した有機酸は、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、コハク酸、及びアルギン酸、並びに酸無水物及び酸塩を含む。適した炭酸塩及び重炭酸塩は、例えば、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸グリシンナトリウム、炭酸L−リシン、及び炭酸アルギニンを含む。別の方法として、発泡剤の対の重炭酸ナトリウム成分のみが存在することができる。
【0113】
本発明の組成物は、更に担体、アジュバント、又はベヒクル(本明細書中で以下集合的に“担体”)を含んでなることもできる。
一つの方法において、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなる粒子は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形がその中で不良に可溶性である液体分散媒体中に分散される。次いで機械的手段が粉砕媒体の存在中で使用されて、粒子サイズを所望の有効平均粒子サイズまで減少する。分散媒体は、例えば、水、ベニバナ油、エタノール、t−ブタノール、グリセリン、ポリエチレングリコール(PEG)、ヘキサン、又はグリコールであることができる。好ましい分散媒体は水である。粒子は、少なくとも一つの表面安定剤の存在中でサイズを減少することができる。モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなる粒子は、摩砕後、一つ又はそれより多い表面安定剤と接触することができる。希釈剤のような他の化合物は、サイズ減少過程中に組成物に加えることができる。分散物は、連続的に又はバッチ様式で製造することができる。微粉砕後、全ての粒子が所望のサイズまで減少されることができない事例もあり得ることを当業者は理解するものである。このような場合、所望のサイズの粒子を分離し、そして本発明の実施に使用することができる。
【0114】
所望のナノ粒子の組成物を形成するもう一つの方法は、微小沈澱法による。これは、不良に可溶性のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の安定した分散物を、表面安定剤(類)、及び一つ又はそれより多いいずれもの痕跡の毒性溶媒又は安定化重金属不純物を含まないコロイド安定性向上表面活性剤の存在中で調製する方法である。このような方法は、例えば:(1)モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を適した溶媒中に溶解し;(2)工程(1)からの製剤を少なくとも一つの表面安定剤を含んでなる溶液中に加え;そして(3)工程(2)からの製剤を適当な非溶媒を使用して沈澱させることを含んでなる。この方法は、いずれもの形成された塩が存在する場合、透析又はダイアフィルトレーションによる除去及び慣用的な手段による分散物の濃縮によって引継ぐことができる。
【0115】
ナノ粒子の組成物は、更に均質化によって形成することもできる。例示的な均質化の方法は、“Process of Preparing Therapeutic Compositions Containing Nanoparticles”に対する米国特許第5,510,118号 中に記載されている。このような方法は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなる粒子を、液体分散媒体中に分散し、続いて分散物を均質化にかけて、粒子のサイズを所望する有効平均粒子サイズに減少することを含んでなる。粒子は、少なくとも一つの表面安定剤の存在中でサイズを減少することができる。粒子を、摩砕の前又は後のいずれかに、一つ又はそれより多い表面安定剤と接触させることができる。希釈剤のような他の化合物は、サイズ減少過程の前、最中、又は後に、組成物に加えることができる。分散物は、連続的に又はバッチ様式で製造することができる。
【0116】
所望のナノ粒子の組成物を形成するもう一つの方法は、液体中への噴霧冷凍(SFL)による。この技術は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形及び表面安定剤(類)の有機又は有機水性溶液を、液体窒素のような極低温液体中に注入することを含んでなる。薬物を含有する溶液の液滴は、結晶化及び粒子の成長を最小にするために十分な速度で冷凍され、従ってナノ構造の粒子が形成される。溶媒系及び加工条件の選択によるが、粒子は各種の粒子の形態を有することができる。単離工程において、窒素及び溶媒は、粒子の凝集及び熟成を避けた条件下で除去される。
【0117】
SFLの相補的技術として、大幅に向上した表面積を持つ同等のナノ構造の粒子を製造するために、超急速冷凍(URF)も更に使用することができる。
URFは、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形、及び表面安定剤(類)の水混和性、無水、有機、又は有機水性の溶液を得て、そしてこれを極低温基質に適用することを含んでなる。次いで溶媒を凍結乾燥又は常圧冷凍乾燥のような手段によって除去し、残存するナノ構造の粒子を得る。
【0118】
所望のナノ粒子の組成物を形成するもう一つの方法は、テンプレートエマルジョンによる。テンプレートエマルジョンは、制御された粒子サイズ分布及び急速溶解特性を持つナノ構造の粒子を製造する。この方法は、水中油乳液を調製し、そして次いでこれを、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形、及び表面安定剤(類)を含んでなる非水性溶液で膨潤させることを含んでなる。粒子のサイズ分布は、乳液を薬物で付加する前の乳液の液滴のサイズの直接の結果である。粒子サイズは、この方法において制御し、そして最適化することができる。更に、溶媒及び安定剤の選択された使用により、乳液の安定性は、オストワルド熟成がないか、又は抑制されたそれを伴って達成される。その後、溶媒及び水を除去し、そして安定化されたナノ構造の粒子が回収される。各種の粒子の形態を、加工条件の適当な制御によって達成することができる。
【0119】
本発明は、更に有効な量のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなるナノ粒子の組成物の投与を含んでなる方法を提供する。
本発明の組成物は、非経口的(例えば、静脈内、筋肉内、又は皮下)、経口的(例えば、固体、液体、又はエアゾールの形態、膣的)、鼻腔的、直腸的、眼球的、局在的(例えば、粉末、軟膏、又は液滴の形態)、頬側的、大槽内的、腹膜内的、又は局所的、等の投与のために処方することができる。
【0120】
ナノ粒子の組成物は、液体分散物、ゲル、エアロゾル、軟膏、デポー、クリーム、制御放出製剤、急速溶融製剤、凍結乾燥製剤、錠剤、カプセル、遅延放出製剤、延長放出製剤、パルス放出製剤、混合即時放出及び制御放出製剤、等のような固体又は液体投与の製剤で使用することができる。
【0121】
非経口投与のために適した組成物は、生理学的に受容可能な滅菌水性又は非水性溶液、分散物、懸濁液又は乳液、及び滅菌注射用溶液又は分散物への再構成のための滅菌粉末を含んでなることができる。適した水性及び非水性担体、希釈剤、溶媒、又はベヒクルの例は、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレン−グリコール、グリセロール、等)、これらの適した混合物、植物油(オリーブ油のような)及びオレイン酸エチルのような注射用有機エステルを含む。適当な流動性は、例えば、レシチンのような被覆の使用、分散物の場合、必要な粒子サイズの維持、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。
【0122】
経口投与のための固体の剤形は、制約されるものではないが、錠剤、カプセル、サシェ、ロゼンジ、粉末、丸薬、又は顆粒を含み、そして固体の剤形は、例えば、急速溶融剤形、制御放出剤形、凍結乾燥剤形、遅延放出剤形、延長放出剤形、パルス放出剤形、混合即時放出及び制御放出剤形、又はこれらの組合せであることができる。固体投与の錠剤の製剤が好ましい。このような固体の剤形において、活性成分は、少なくとも一つの次のもの:(a)一つ又はそれより多い、クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウムのような不活性の賦形剤(又は担体);(b)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びサリチル酸のような充填剤又は増量剤;(c)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアラビアゴムのような結合剤;(d)グリセロールのような保湿剤;(e)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸複合体、及び炭酸ナトリウムのような崩壊剤;(f)パラフィンのような溶液リターダー;(g)第四アンモニウム化合物のような吸収促進剤;(h)セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロールのような湿潤剤;(i)カオリン及びベントナイトのような吸着剤;並びに(j)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、或いはこれらの混合物のような潤滑剤と混合される。カプセル、錠剤、及び丸薬において、剤形は、更に緩衝剤を含んでなることもできる。
【0123】
経口投与のための液体剤形は、医薬的に受容可能な乳液、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシルを含む。モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形に加えて、液体剤形は、水又は他の溶媒、可溶化剤、及び乳化剤のような当技術において普通に使用される不活性希釈剤を含んでなることができる。例示的な乳化剤は、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ひまし油、及びゴマ油のような油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル、又はこれらの物質の混合物、等である。
【0124】
モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の治療的に有効な量を、経験的に決定することができることを当業者は認識するものである。本発明のナノ粒子の組成物中のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の実際の投与量レベルは、特定の組成物及び投与の方法に対する所望の治療的反応を得るために有効である薬物の量を得るために変化することができる。従って選択される投与量のレベルは、所望の治療効果、投与の経路、投与されるモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の効力、所望の治療の期間、及び他の因子に依存する。
【0125】
投与単位組成物は、日量を構成するために使用することができるような量の、又はその約数のようなモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含有することができる。然しながら、いずれもの特定の患者のための具体的な投与レベルが、各種の因子:達成されるべき細胞的又は生理学的反応の種類及び程度;使用される具体的な薬物又は組成物の活性;使用される具体的な薬剤又は組成物;患者の年齢、体重、一般的健康状態、性別、及び食餌制限;投与の期間、投与経路、及びモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の排出速度;治療の期間;モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形との組合せで又は同時に使用される活性化合物;並びに医学技術において公知の同様な因子に依存することは理解されるものである。
【0126】
II.モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなる制御放出組成物
疾病状態の予防及び治療における医薬組成物の有効性は、剤形から患者への化合物の放出の速度及び期間を含む各種の因子に依存する。与えられた剤形によって患者中で示される放出速度及び期間の組合せは、そのin vivoの放出特性として記載され、そして投与される医薬化合物による、血漿特性と呼ばれる血液血漿中の医薬化合物の濃度及び期間に関連するものである。医薬化合物は、バイオアベイラビリティー、並びに吸収及び排出のようなその薬物動態学的特性において変化するために、放出特性及び得られる血漿特性は、有効な療法の設計を考慮するために重要な要素となる。
【0127】
剤形の放出特性は、異なった放出の速度及び期間を示し、そして連続的又はパルス状であることができる。連続放出特性は、一つ又はそれより多い医薬化合物の量が、投与合間の間中、一定の又は変化する速度のいずれかで連続的に放出される放出特性を含む。パルス状放出特性は、一つ又はそれより多い医薬化合物の少なくとも二つの別個の量が、異なった速度で、及び/又は異なった時間枠にわたって放出される放出特性を含む。いずれもの与えられた化合物又はこのような化合物の組合せにおいて、与えられた剤形に対する放出特性は、患者における関連した血漿特性を与える。剤形の二つ又はそれより多い構成成分が異なった放出特性を有する場合、全体としての剤形の放出特性は、個々の放出特性の組合せであり、そして一般的に“多峰性”と記載することができる。それぞれの構成成分が異なった放出特性を有する二構成成分の剤形の放出特性は、“二峰性”と記載することができ、そしてそれぞれの構成成分が異なった放出特性を有する三構成成分の剤形の放出特性は、“三峰性”と記載することができる。
【0128】
放出特性に対して適用可能な変量と同様に、患者の関連する血漿特性は、作用の期間にわたって医薬化合物の一定の又は変化する血液血漿濃度レベルを示すことができ、そして連続的又はパルス状であることができる。連続的血漿特性は、単一の最大の血漿濃度を示す、全ての速度及び期間の血漿特性を含む。パルス状血漿特性は、医薬化合物の少なくとも二つのより高い血液血漿濃度レベルが、より低い血液血漿濃度レベルによって分離された血漿特性を含み、そして一般的に“多峰性”と記載することができる。二つのピークを示すパルス状血漿特性は、“二峰性”と記載することができ、そして三つのピークを示すパルス状血漿特性は、“三峰性”と記載することができる。少なくとも部分的に、剤形中に含まれる医薬化合物の薬物動態学、並びに剤形中の個々の構成成分の放出特性にもよるが、患者への投与において、多峰性放出特性は、連続的又はパルス状血漿特性のいずれかをもたらすことができる。
【0129】
一つの態様において、本発明は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形、或いは同一物を含有するナノ粒子を、パルス状で放出する多粒子の改変放出組成物を提供する。ナノ粒子は、先に記載した種類のものであり、そして少なくとも一つの表面安定剤を含んでなる。
【0130】
もう一つの態様において、本発明は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形、或いは同一物を含有するナノ粒子を、連続的様式で放出する多粒子の改変放出組成物を提供する。ナノ粒子は、先に記載した種類のものであり、そして少なくとも一つの表面安定剤を含んでなる。
【0131】
なおもう一つの態様において、本発明は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形、或いは同一物を含有するナノ粒子の第1の部分が、投与において即時に放出され、そしてモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形、或いは同一物を含有する一つ又はそれより多いナノ粒子の後続部分が、初期の時間遅延後に放出される多粒子の改変放出組成物を提供する。
【0132】
なおもう一つの態様において、本発明は、本発明の多粒子の改変放出組成物を含んでなる、一日一回又は一日二回投与のための固体の経口剤形を提供する。
なおもう一つの態様において、本発明は、本発明の組成物の投与を含んでなる、CNSの疾病状態、徴候、症候群、及び症状の予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0133】
一つの態様において、本発明は、多粒子を形成する粒子が、先に記載した種類のナノ粒子の粒子である多粒子の改変放出組成物を提供する。ナノ粒子の粒子は、所望する場合、改変放出被覆及び/又は改変放出基質物質を含有することができる。
【0134】
本発明の一つの側面によれば、活性成分を含有する粒子を含んでなる第1の構成成分、及び活性成分を含有する粒子を含んでなる少なくとも一つの後続の構成成分を有し、それぞれの後続の構成成分は、第1の構成成分とは異なった放出の速度及び/又は期間を有し、ここにおいて、構成成分の少なくとも一つが、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含有する粒子を含んでなる医薬組成物が提供される。本発明の一つの態様において、多粒子を形成する粒子は、それ自体、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を、そして更に少なくとも一つの表面安定剤を含んでなる先に記載した種類のナノ粒子の粒子を含有することができる。本発明のもう一つの態様において、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を、そして更に少なくとも一つの表面安定剤を含んでなる先に記載した種類のナノ粒子の粒子は、それ自体、多粒子の薬物を含有する粒子である。薬物を含有する粒子は、改変放出被覆で被覆することができる。別の方法として又は更に、薬物を含有する粒子は、改変放出基質物質を含んでなることができる。経口放出後、組成物は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を、或いは同一物を含有するナノ粒子を、パルス様式で放出する。一つの態様において、第1の構成成分は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を、或いは同一物を含有するナノ粒子の即時放出を提供し、そして一つ又はそれより多い後続の構成成分は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を、或いは同一物を含有するナノ粒子の改変放出を提供する。このような態様において、即時放出構成成分は、投与から治療的に有効な血漿濃度レベルまでの時間を最小化することによって、作用の開始を促進するために貢献し、そして一つ又はそれより多い後続の構成成分は、血漿濃度レベルの変化を最小化し、及び/又は投与の間合いを通して治療的に有効な血漿濃度を維持するために貢献する。
【0135】
改変放出被覆及び/又は改変放出基質物質は、活性成分を含有する粒子の第1の集団からの活性成分の放出と、活性成分を含有する粒子の後続の集団からの活性成分の放出間の遅延時間をもたらす。活性成分を含有する粒子の一つより多い集団が改変された放出を与える場合、改変放出被覆及び/又は改変放出基質物質は、活性成分を含有する粒子の異なった集団からの活性成分の放出間の遅延時間をもたらす。これらの遅延時間の期間は、改変放出被覆の組成及び/又は量を変更するか、及び/又は使用する改変放出基質物質の組成及び/又は量を変更することによって変化することができる。従って、遅延時間の期間は、所望の血漿特性を模倣するために設計することができる。
【0136】
投与において改変放出組成物によって産生される血漿特性が、連続的に与えられた一つ又はそれより多いIR剤形の投与によって産生された血漿特性と実質的に同様であるために、本発明の改変放出組成物は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を投与するために特に有用である。
【0137】
本発明のもう一つの側面によれば、組成物は、連続的に与えられる二つ又はそれより多いIR剤形の投与に伴う血漿濃度レベルの変化を最小化又は排除する血漿特性を産生するために設計することができる。このような態様において、組成物は、投与から治療的に有効な血漿濃度レベルまでの時間を最小化することによって作用の開始を促進する即時放出構成成分、及び投与の合間を通して治療的に有効な血漿濃度レベルを維持するための少なくとも一つの改変放出構成成分により提供することができる。
【0138】
それぞれの構成成分中の活性成分は、同一又は異なっていることができる。例えば、組成物は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を、或いは同一物を含有するナノ粒子のみを、活性成分として含んでなる構成成分を含んでなることができる。
【0139】
別の方法として、組成物は、モダフィニル、若しくは塩、誘導体、プロドラッグ、又はこれらの多形、或いは同一物を含有するナノ粒子を含んでなる第1の構成成分、及びモダフィニル、若しくは塩、誘導体、プロドラッグ、又はこれらの多形、或いは同一物を含有するナノ粒子以外の活性成分を含んでなる、モダフィニル、若しくは塩、誘導体、プロドラッグ、又はこれらの多形との同時投与のために適した少なくとも一つの後続の構成成分を、或いはモダフィニル、若しくは塩、誘導体、プロドラッグ、又はこれらの多形、或いは同一物を含有するナノ粒子以外の活性成分を含有する第1の構成成分、及びモダフィニル、若しくは塩、誘導体、プロドラッグ、又はこれらの多形、或いは同一物を含有するナノ粒子を含んでなる少なくとも一つの後続の構成成分を含んでなることができる。実際に、活性成分が、互いに混和性である場合、二つ又はそれより多い活性成分を、同一構成成分中に組込むことができる。組成物の一つの構成成分中に存在する一つの活性成分は、そのバイオアベイラビリティー又は治療効果を改変するために、例えば組成物中のもう一つの構成成分中のエンハンサー化合物又は感作物質化合物に伴われることができる。
【0140】
本明細書中で使用される場合、用語“エンハンサー”は、ヒトのような動物のGITを通る正味運搬を向上することによって、活性成分の吸収及び/又はバイオアベイラビリティーを亢進することが可能な化合物を指す。エンハンサーは、制約されるものではないが、中鎖脂肪酸;塩、エステル、エーテル並びにグリセリド及びトリグリセリドを含むこれらの誘導体;エチレンオキシドを脂肪酸、脂肪族アルコール、アルキルフェノール又はソルビタンと反応させることによって調製することができるもののような非イオン性界面活性剤、或いはグリセロール脂肪酸エステル;チトクロムP450阻害剤、P−糖タンパク質阻害剤等;並びにこれらの薬剤の二つ又はそれより多くの混合物を含む。
【0141】
一つより多い薬物を含有する構成成分が存在する態様において、それぞれの構成成分中に含有されるモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の比率は、所望の投与管理によって同一であるか又は異なっていることができる。第1の構成成分及び後続の構成成分中に存在するモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形は、治療的に有効な血漿濃度レベルを産生するために十分な、いずれもの量であることができる。モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形は、一つの実質的に光学的に純粋な立体異性体、或いは二つ又はそれより多い立体異性体の、ラセミ又は他の混合物の形態のいずれかで存在することができる。一つの態様において、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形は、約0.1ないし約500mgの量で組成物中に存在する。もう一つの態様において、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形は、約1ないし約100mgの量で組成物中に存在する。なおもう一つの態様において、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形は、約0.5ないし約60mgの量で第1の構成成分中に存在する。なおもう一つの態様において、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形は、約2.5ないし約30mgの量で第1の構成成分中に存在する。後続の構成成分中の場合、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形は、第1の構成成分のために記載したものと同様な範囲の量で存在する。
【0142】
それぞれの構成成分からのモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の放出のための時間放出特性は、存在することができる賦形剤及び/又は被覆のいずれかを改変することを含む、それぞれの構成成分の組成を改変することによって変化することができる。特にモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の放出は、粒子の改変放出被覆の組成及び/又は量を、このような被覆が存在する場合、変化することによって制御することができる。一つより多い改変放出構成成分が存在する場合、これらの構成成分のそれぞれのための改変放出被覆は、同一であるか又は異なっていることができる。同様に、改変放出が、改変放出基質物質の包含によって促進されている場合、活性成分の放出は、使用される改変放出基質物質の選択及び量によって制御することができる。改変放出被覆は、それぞれの構成成分中に、それぞれの特定の構成成分のための所望の遅延時間を得るために十分ないずれもの量で存在することができる。改変放出被覆は、それぞれの構成成分中に、構成成分間の所望の時間遅延を得るために十分ないずれもの量で存在することができる。
【0143】
それぞれの構成成分からのモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の放出のための遅延時間及び/又は時間遅延は、存在することができるいずれもの賦形剤及び被覆を改変することを含む構成成分のそれぞれの組成を改変することによって更に変化することもできる。例えば、第1の構成成分は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形が投与において即時に放出される即時放出構成成分であることができる。別の方法として、第1の構成成分は、例えばモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形が、時間遅延後、その実質的にすべてが即時に放出される時間遅延即時放出構成成分であることができる。後続の成分は、例えば直前に記載したような時間遅延即時放出構成成分であるか、又は別の方法として、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形が時間の延長された時間にわたって制御された様式で放出される、時間遅延継続放出又は延長放出構成成分であることができる。
【0144】
当業者によって理解されるものであるように、血漿濃度曲線の正確な性質は、先に記載した因子の全ての組合せによって影響されるものである。特に、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含有するそれぞれの構成成分中のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の放出(そして従って更に作用の開始も)間の遅延時間は、それぞれの構成成分の組成及び被覆(存在する場合)を変化することによって制御することができる。従って、それぞれの構成成分の組成(活性成分(類)の量及び特質を含む)の変化によって、そして遅延時間の変化によって、多くの放出及び血漿特性を得ることができる。それぞれの構成成分からのモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の放出間の遅延時間の期間、及びそれぞれの構成成分からのモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の放出の特質(即ち即時放出、継続放出等)によって、血漿特性は、連続的(即ち、単一の最大値を有する)又は血漿特性のピークが十分に分離され、そして明確に規定される(例えば、遅延時間が長い場合)か、又はある程度重なる(例えば、遅延時間が短い場合)パルス状であることができる。
【0145】
本発明の組成物を含んでなる単一の投与量単位の投与から産生される血漿特性は、二つ又はそれより多い投与量単位の投与を必要とせずに、活性成分の二つ又はそれより多いパルスを放出することが望ましい場合、好都合である。
【0146】
所望する様式のモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の放出を改変するいずれもの被覆物質を使用することができる。特に、本発明の実施において使用するために適した被覆物質は、制約されるものではないが、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリト酸(trimaletate)セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、オイドラギット(登録商標)RS及びRLの商標下で販売されているもののようなアンモニオメタクリレートコポリマー、ポリアクリル酸及びポリアクリレート、並びにオイドラギット(登録商標)S及びLの商標下で販売されているもののようなメタクリレートコポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シェラック;カルボキシビニルポリマーのようなヒドロゲル及びゲル形成物質、アルギン酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、カルメロースカリウム、カルボキシメチルデンプンナトリウム、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ゼラチン、デンプン、及び架橋の程度が水の吸着及びポリマー基剤の膨張を容易にするように低いセルロース基剤架橋ポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、架橋デンプン、微結晶セルロース、キチン、アミノアクリル−メタクリレートコポリマー(オイドラギット(登録商標)RS−PM、Rohm & Haas)、プルラン、コラーゲン、カゼイン、寒天、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、(膨潤性親水性ポリマー) ポリ(ヒドロキシアルキルメタクリレート)(分子量、約5k−5,000k)、ポリビニルピロリドン(分子量、約10k−360k)、アニオン性及びカチオン性ヒドロゲル、低酢酸残基を有するポリビニルアルコール、寒天及びカルボキシメチルセルロースの膨潤性混合物、無水マレイン酸及びスチレン、エチレン、プロピレン又はイソブチレンのコポリマー、ペクチン(分子量、約30k−300k)、寒天、アラビアゴム、カラヤゴム、トラガカントゴム、アルギン及びグアールのような多糖、ポリアクリルアミド、Polyox(登録商標)ポリエチレンオキシド(分子量約100k−5,000k)、AquaKeep(登録商標)アクリレートポリマー、ポリグルカンのジエステル、架橋ポリビニルアルコール及びポリN−ビニル−2−ピロリドン、デンプングリコール酸(glocolate)ナトリウム(例えば、エキスプロタブ(登録商標);Edward Mandell C.Ltd);多糖のような親水性ポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム又はカルシウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースエーテル、ポリエチレンオキシド(例えばPolyox(登録商標)、Union Carbide)、メチルエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ゼラチン、コラーゲン、デンプン、マルトデキストリン、プルラン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、グリセロール脂肪酸エステル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、メタクリル酸のコポリマー又はメタクリル酸(例えばオイドラギット(登録商標)、Rohm and Haas)、他のアクリル酸誘導体、ソルビタンエステル、天然のゴム、レシチン、ペクチン、アルギン酸塩、アルギン酸アンモニア、アルギン酸ナトリウム、カルシウム、カリウム、アルギン酸ポリエチレングリコール、寒天、並びにアラビア、カラヤ、イナゴマメ、トラガカント、カラギーン、グアール、キサンタン、スクレログルカンのようなゴムのようなポリマー、並びにこれらの混合物及びブレンドの被覆物質を含む。
【0147】
当業者によって認識されるように、可塑剤、潤滑剤、溶媒等のような賦形剤を、被覆に加えることができる。適した可塑剤は、例えばアセチル化モノグリセリド;グリコール酸ブチルフタリルブチル;酒石酸ジブチル;フタル酸ジエチル;フタル酸ジメチル;グリコール酸エチルフタリルエチル;グリセリン;プロピレングリコール;トリアセチン;クエン酸塩;トリプロピオイン(tripropioin);ジアセチン;フタル酸ジブチル;アセチルモノグリセリド;ポリエチレングリコール;ひまし油;クエン酸トリエチル;多価アルコール、グリセロール、酢酸エステル、三酢酸グリセリン(gylcerol)、クエン酸アセチルトリエチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ブチルオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ブチルオクチル、アゼライン酸ジオクチル、エポキシ化タレート、トリメリト酸トリイソオクチル、フタル酸ジエチルヘキシル、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−i−オクチル、フタル酸ジ−i−デシル、フタル酸ジ−n−ウンデシル、フタル酸ジ−n−トリデシル、トリメリト酸トリ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチルを含む。
【0148】
改変放出構成成分が、改変放出基質物質を含んでなる場合、いずれもの適した改変放出基質物質又は改変放出基質物質の適した組合せを使用することができる。このような物質は、当業者にとって既知である。用語“改変放出基質物質”は、本明細書中で使用する場合、その中に分散されたモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形のin vitro及びin vivoの放出を改変することが可能な親水性ポリマー、疎水性ポリマー及びこれらの混合物を含む。本発明の実施のために適した改変放出基質物質は、制約されるものではないが、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースのようなヒドロキシアルキルセルロース、ポリエチレンオキシド、メチルセルロース及びエチルセルロースのようなアルキルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリト酸セルロース、ポリ酢酸フタル酸ビニル、ポリアルキルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル及びこれらの混合物を含む。
【0149】
本発明による改変放出組成物は、パルス状の様式の活性成分の放出を容易にするいずれもの適した剤形中に組込むことができる。一つの態様において、剤形は、即時放出及び改変放出構成成分を構成する、活性成分を含有する粒子の異なった集団のブレンドを含んでなり、このブレンドは、硬質又は軟質ゼラチンカプセルのような適したカプセル中に充填される。別の方法として、活性成分を含有する粒子の異なった個々の集団は、ミニ錠剤に圧縮する(所望により更なる賦形剤と共に)ことができ、これは、その後、カプセル中に適当な比率で充填することができる。もう一つの適した剤形は、多層錠剤のものである。この場合、改変放出組成物の第1の構成成分は、一つの層に圧縮され、後続の構成成分は、多層錠剤の後続の層としてその後加えることができる。本発明の組成物を構成する粒子の集団は、更に発泡剤形又は急速溶融剤形のような、急速溶解剤形中に含まれることができる。
【0150】
一つの態様において、組成物は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含有する少なくとも二つの構成成分:第1の構成成分及び一つ又はそれより多い後続の構成成分を含んでなる。このような態様において、組成物の第1の構成成分は、第1の構成成分中に含有される実質的に全てのモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形が、剤形の投与において迅速に放出されるか、迅速に、しかし時間遅延後に放出(遅延放出)されるか、又は時間をかけてゆっくりと放出される特性を含む、各種の放出特性を示すことができる。一つのこのような態様において、第1の構成成分中に含有されるモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形は、患者への投与において迅速に放出される。本明細書中で使用する場合、“迅速に放出される”は、構成成分の活性成分の少なくとも約80%が、投与後、約1時間以内に放出される放出特性を含み、用語“遅延放出”は、構成成分の活性成分が、時間遅延後に放出(迅速に又はゆっくりと)される放出特性を含み、そして用語“制御放出”及び“延長放出”は、構成成分中に含有される活性成分の少なくとも約80%が、ゆっくりと放出される放出特性を含む。
【0151】
このような態様の後続の構成成分は、更に即時放出特性、遅延放出特性又は制御放出特性を含む各種の放出特性を示すことができる。一つのこのような態様において、後続の構成成分は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形が、時間遅延後に放出される遅延放出特性を示す。
【0152】
モダフィニル、若しくは塩、誘導体、プロドラッグ、又はこれらの多形、或いは同一物を含有するナノ粒子を含んでなる即時放出構成成分、及びモダフィニル、若しくは塩、誘導体、プロドラッグ、又はこれらの多形、或いは同一物を含有するナノ粒子を含んでなる少なくとも一つの改変放出構成成分を含んでなる本発明の剤形の投与によって産生される血漿特性は、連続的に投与される二つ又はそれより多いIR剤形の投与によって産生される血漿特性と、或いは別個のIR及び改変放出剤形の投与によって産生される血漿特性と実質的に同様であることができる。従って、本発明の剤形は、薬物動態学的パラメーターの維持が好ましいことであるが、しかし問題があり得るモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の投与のために、特に有用であることができる。
【0153】
一つの態様において、組成物及び組成物を含有する固形の経口剤形は、少なくとも一つの後続の構成成分からのモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の放出の前に、第1の構成成分中に含有される実質的の全てのモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形が放出されるように、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を放出する。例えば、第1の構成成分がIR構成成分を含んでなる場合、少なくとも一つの後続の構成成分からのモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の放出が、IR構成成分中の実質的に全てのモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形が放出されるまで、遅延されることが好ましい。少なくとも一つの後続の構成成分からのモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の放出は、先に詳述したように改変放出被覆及び/又は改変放出基質物質の使用によって遅延することができる。
【0154】
モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の第1の投与の、患者の系からの除去を促進する投与管理を与えることによって、患者の許容度を最小にすることが好ましい場合、後続の構成成分からのモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の放出は、第1の構成成分中に含有される実質的に全てのモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形が放出されるまで遅延することができ、そして更に、第1の構成成分から放出されるモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の少なくとも一部が、患者の系から除去されるまで遅延される。一つの態様において、組成物の後続の構成成分からのモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の放出は、組成物の投与後、少なくとも約2時間の間、完全に遅延されない場合、実質的に遅延される。もう一つの態様において、組成物の後続の構成成分からのモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の放出は、組成物の投与後、少なくとも約4時間の間、完全に遅延されない場合、実質的に遅延される。
【0155】
本明細書中で以下に記載されるように、本発明は、更に、各種の種類の改変放出系を含み、これによってモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形は、パルス状又は連続的様式のいずれかによって放出することができる。これらの系は、制約されるものではないが:ポリマー基質中のモダフィニル、若しくは塩、誘導体、プロドラッグ、又はこれらの多形、或いは同一物を含有するナノ粒子を伴うフィルム(一体化デバイス);モダフィニル、若しくは塩、誘導体、プロドラッグ、又はこれらの多形、或いは同一物を含有するナノ粒子が、ポリマーによってその中に含まれている系(リザーバーデバイス);リザーバー及び基質デバイスの形態中の高分子のコロイド状粒子又はマイクロカプセル化物(微小粒子、微小球又はナノ粒子);多孔質デバイス、或いはモダフィニル、若しくは塩、誘導体、プロドラッグ、又はこれらの多形、或いは同一物を含有するナノ粒子の放出を浸透圧的に制御することができるデバイスを得るために、モダフィニル、若しくは塩、誘導体、プロドラッグ、又はこれらの多形、或いは同一物を含有するナノ粒子が、親水性及び/又は浸出性添加剤、例えば第2のポリマー、界面活性剤又は可塑剤等を含むポリマーによって含まれた系(リザーバー及び基質デバイスの両方);腸溶性被覆(イオン化可能、そして適したpHで溶解);(共役的に)接続したモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形のペンダント分子を伴う(可溶性)ポリマー、及び放出速度が、動的に制御されるデバイス:例えば浸透圧ポンプを含む。
【0156】
本発明の放出機構は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の放出の速度を制御することができる。いくつかの機構は、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を一定の速度で放出するものであるが、他は、濃度勾配の変化又は多孔性に導く添加物の浸出のような因子に依存する時間の関数として変化するものである。
【0157】
継続放出被覆として使用されるポリマーは、必然的に生体適合性であり、そして理想的には生分解性である。Aquacoat(登録商標)(FMC Corporation,Food and Pharmaceutical Products Division,Philadelphia,USA)(ミクロン以下のサイズに機械的に球体化されたエチルセルロース、水基剤、偽ラテックス分散物)のような天然に存在するポリマー、そして更にポリ(アクリレート、メタクリレート)コポリマーの範囲のオイドラギット(登録商標)(Rohm Pharma,Weiterstadt.)のような合成ポリマーの両方の例が、当技術において知られている。
【0158】
リザーバーデバイス
改変放出に対する典型的なアプローチは、ポリマーのフィルム又は被覆内に、薬物を全体的に(例えば核として)カプセル化或いは含めること(即ち、マイクロカプセル又は噴霧/パン被覆した核)である。
【0159】
拡散過程に影響することができる各種の因子(例えば、添加剤、ポリマー官能性(そして従ってシンク溶液のpH)多孔性、フィルム製造条件、等の影響)は、リザーバーデバイスに容易に適用することができ、そして従って、ポリマーの選択は、リザーバーデバイスの開発における重要な考慮事項でなければならない。従ってモダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形の運搬が、溶液拡散機構によるリザーバーデバイスの放出特性をモデル化することは、典型的にはFickの第2法則(非定常状態;濃度依存性流動)に関連する境界条件に対するの解に関係する。デバイスが溶解された活性剤を含有する場合、放出の速度は、デバイス内の薬剤(即ち、放出の推進力)の濃度(活性)が減少するに伴い、時間と共に指数関数的に減少する。然しながら、活性剤が飽和の懸濁液である場合、放出の推進力はデバイスが、もはや飽和でなくなるまで一定に保たれる。別の方法として、放出速度の動態は、脱着制御であり、そして時間の平方根であることができる。
【0160】
被覆された錠剤の運搬特性は、錠剤の核(浸透圧性物質)の包括された特質によって、遊離ポリマーフィルムと比較して向上されることができ、これは、浸透圧の内部蓄積を可能にすることができ、次いでこれは、錠剤からの浸透圧性物質を押し出すために作用するものである。
【0161】
ポリ(エチレングリコール)(PEG)を含有するシリコーンエラストマーで被覆された塩を含有する錠剤に対する脱イオン水の影響、そして更に遊離フィルムに対する水の影響を研究した。錠剤からの塩の放出は、被覆の水和によって形成された水で満たされた細孔を通る拡散、及び浸透圧ポンピングの混合であることが見出された。丁度10%のPEGを含有するフィルムを通るKClの運搬は、同様な遊離フィルムにおいて観察される大規模な膨潤にも関わらず無視可能であり、これが細孔貫通拡散によって次いで起こるKClの放出のために、多孔性が必要であることを示した。円盤のように成形された被覆された塩の錠剤は、脱イオン水中で膨潤し、内部静水圧の蓄積の結果として形状を偏円の球状に変化することが見出された:形状の変化は、発生された力を測定するための手段を与えた。予想することができるように、PEG含有率の増加するレベルに伴い、浸透圧性の力は減少した。より低いPEGレベルは、水が、水和されたポリマーを通して吸収されることを可能にし、一方より高いPEG含有率のレベル(20ないし40%)において溶解された被覆から得られる多孔性は、KClの流れによって圧力が放出されることを可能にする。
【0162】
方法及び等式が開発され、これは、二つの異なった塩(例えば、KCl及びNaCl)の放出をモニター(独立に)することによって、錠剤からの塩の放出に寄与する浸透圧ポンピング及び細孔貫通拡散の両方の相対規模の計算を可能にした。低いPEGレベルにおいて、浸透圧性の流れは、低い細孔数の密度のみの発生のために、細孔貫通拡散より大きい範囲まで増加した:20%の付加において、両方の機構は放出に対して概略同等に寄与した。然しながら、静水圧の蓄積は、浸透圧性の流入及び浸透圧ポンピングを減少した。PEGのより高い付加において、水和されたフィルムは、より多孔性となり、そして塩の流出に対する抵抗性はより少なくなった。従って、浸透圧ポンピングは増加した(より低い付加と比較して)が、細孔貫通拡散が、主たる放出機構であった。浸透圧性放出機構は、更に水溶性核を含有するマイクロカプセルに対して報告されている。
【0163】
一体化デバイス(基質デバイス)
一体化(基質)デバイスは、薬物の放出を制御するために使用することができる。これは、恐らくはこれらが、リザーバーデバイスと比較して、製造が比較的容易であり、そしてリザーバーデバイスの膜の破裂から起こることができる事故的な高投与量の危険性が存在しないためである。このようなデバイスにおいて、活性剤は、ポリマー基質内の分散物として存在し、そしてこれらは、典型的にはポリマー/薬物混合物の圧縮、或いは溶解又は溶融によって形成される。一体化デバイスの投与放出特性は、薬物がポリマー中に分散されているか、又はポリマー中に溶解されているかのいずれかにもよるが、ポリマー基質中の薬物の溶解度に、或いは多孔質基質の場合、粒子の細孔ネットワーク内のシンク溶液中の溶解度に、そして更にネットワークの蛇行に依存(フィルムの浸透性より大きい範囲で)することができる。薬物の低い付加(0ないし5重量/容量%)において、薬物は、溶液拡散機構によって放出される(細孔の非存在において)ものである。より高い付加(5ないし10重量/容量%)において、放出機構は、薬物が喪失するに伴って、デバイスの表面の近辺に形成される空洞の存在によって複雑になるものである:このような空洞は、周囲からの流体で満たされ、薬物の放出の速度を増加する。
【0164】
可塑剤(例えば、ポリ(エチレングリコール))、界面活性剤、又はアジュバント(即ち、有効性を増加する成分)を、基質デバイス(及びリザーバーデバイス)に、浸透性を向上する手段として加えることが普通である(対照的に、可塑剤は、変化しやすいものであることができ、そして単純にフィルムの形成を援助するために貢献し、そして従って浸透性を減少するが、−特性は、通常ポリマー塗装被覆において、より好ましい)。PEGの浸出が、(エチルセルロース)フィルムの浸透性を、多孔性を増加することによってPEG付加の関数として直線的に増加したが、然しながら、フィルムは、その障害特性を保持し、電解質の運搬を許可しないことは注目された。その浸透性の向上が、PEGの浸出によって起こされた有効な厚みの減少の結果であることが推定された。これは、時間及び50重量/重量%のPEG付加におけるフィルムの厚みの逆数の関数としての単位面積当りの累積的な浸透圧性物質の流束のプロットから証明された:プロットは、均質な膜における(Fickian)の溶液−拡散型運搬機構に対して予想したように、浸透速度及びフィルム厚みの逆数間の線形の関係を示した。時間軸に対するグラフの直線領域の外挿は、時間軸上の正の切片を与えた:その規模は、フィルム厚みの減少に伴ってゼロに向かって減少した。これらの変化する遅延時間は、実験の初期段階の二つの拡散流れの発生(薬物の流れ、そして更にPEGに流れ)に、そして更にフィルム中の浸透圧性物質の濃度が蓄積する間に、更に通常の遅延時間に寄与した。カフェインは、浸透圧性物質として使用された場合、負の遅延時間を示した。これの説明は、直ぐには手に入りそうもないが、しかしカフェインが系中で低い分配係数を示し、そしてこれが、更に、同様な負の時間遅延を示すポリプロピレンフィルムを通るアニリンの透過性の特徴でもあることは注目された。
【0165】
(疎水性)基質デバイスに添加した界面活性剤の効果を研究した。界面活性剤が、薬物の放出速度を、三つの可能性のある機構:(i)増加した可溶化、(ii)溶解媒体に対する改良された‘湿潤性’、及び(iii)界面活性剤の浸出の結果としての細孔形成、によって増加することができることが考えられた。研究された系(薬物としてのソルビトール、フルルビプロフェン、及び各種の界面活性剤によって可塑化されたオイドラギット(登録商標)RL100及びRS100)において、錠剤の改良された湿潤性が、効果がオイドラギット(登録商標)RLよりオイドラギット(登録商標)RSに対して大きく、一方放出の最大の効果が、基質内への溶解媒体の接近を可能にする基質中の破壊の形成のために更に可溶性となった界面活性剤によるものであったが、薬物放出の部分的な改良のみに導くことが結論づけられた(放出が溶解ではなく拡散制御であることを意味する)。これは、それによりポリマーラテックスを、界面活性剤を含まないものと対照的に、界面活性剤を伴って調製することができる容易さのために、医薬的被覆のために適したものであり得るラテックスフィルムの研究に対して明白に関連性のあるものである。二つのポリマー間に差が見出され、オイドラギット(登録商標)RSのみが、アニオン性/カチオン性界面活性剤と薬物間で相互作用を示した。これは、ポリマー上の第四アンモニウムイオンの異なったレベルに基づく。
【0166】
薬物を含まないポリマー中に被覆されたポリマー/薬物基質を含有する複合デバイスも、更に存在する。このようなデバイスは、水性オイドラギット(登録商標)ラテックス(lattices)から構築され、そして核からの殻を通る薬物の拡散によって、連続的放出を与えることが見出された。同様に、薬物を含有するポリマーの核が製造され、そして胃液によって浸食される殻で被覆される。薬物の放出の速度は、比較的直線的(殻を通る律速拡散過程の関数)であり、そして殻の厚さに逆比例し、一方核単独からの放出は、時間と共に減少することが見出された。
【0167】
微小球
中空の微小球の調製のための方法が記載されている。中空の微小球は、薬物及びポリマーを含有するエタノール/ジクロロメタンの溶液を調製することによって形成される。水中に注ぐことにより、分散されたポリマー/薬物/溶媒の粒子を含有する乳液が、コアセルベーション型過程によって形成され、これから、エタノールを迅速に拡散して、液滴の表面にポリマーを沈積して、ジクロロメタン中に溶解された薬物を包含する硬質の殻の粒子を与える。次いでジクロロメタンのガス相を粒子内に発生させ、これは、殻を通って拡散した後、水相の表面への泡として観察された。次いで中空の球は、減圧下で水で満たされ、これは、乾燥の期間によって除去することができた。薬物は、水中に見出されなかった。高度に多孔質の基質型微小球も更に記載されている。基質型微小球は、薬物及びポリマーを、エタノール中に溶解することによって調製された。水への添加によって、エタノールは乳液の液滴から拡散して、高度に多孔質の粒子が得られた。微小球の示唆される使用は、胃において使用するための浮遊型薬物放出デバイスであった。
【0168】
ペンデントデバイス
鎮痛剤及び抗鬱剤、等のような各種の薬物を、水性乳液重合反応によって調製されたポリ(アクリレート)エステルラテックス粒子にエステル連結による接続の手段が開発されている。これらのラテックス(lattices)は、ポリマー末端の基を、その強酸の形態に転換するようにイオン交換樹脂を通過させた場合、薬物の放出を、エステル連結の加水分解によって自己触媒することができた。
【0169】
薬物はポリマーに接続され、そして更にモノマーが接続された張出した薬物と共に合成されている。薬物が、生体混和性のポリマーに、不安定な化学結合によって結合した剤形が調製され、例えば置換された酸無水物(それ自体、酸塩化物を薬物と反応させることによって調製した:塩化メタクリロイル及びメトキシ安息香酸のナトリウム塩)から調製されたポリ酸無水物を、第2のポリマー(オイドラギット(登録商標)RL)と共に基質を形成するために使用し、これは、胃液中の加水分解により薬物を放出した。医薬的アミンの担体として使用するために適した高分子シッフ塩基の使用も更に記載されている。
【0170】
腸溶性フィルム
腸溶性被覆は、pH感受性ポリマーからなる。典型的には、ポリマーは、カルボキシル化され、そして低いpHで非常にわずか水と相互作用し、一方高いpHでは、ポリマーはイオン化し、ポリマーの膨潤又は溶解を起こす。従って被覆は、胃の酸性雰囲気中でインタクトのままであり、薬物をこの雰囲気から、又は胃を薬物からのいずれかから保護し、しかし腸の更にアルカリ性の雰囲気において溶解するように設計される。
【0171】
浸透圧的に制御されるデバイス
浸透圧ポンプは、リザーバーデバイスと同様であるが、しかし浸透圧性薬剤(例えば、塩の形態の活性剤)を含有し、これは、周囲の媒体から半透膜を経由して水を吸収するために作用する。基本浸透圧ポンプと呼ばれるこのようなデバイスが記載されている。圧力は、デバイス内で発生され、これは、溶質の拡散を最小にするように設計されたサイズのオリフィスを経由して活性成分をデバイスから押出し、一方浸透圧を減少し、そしてデバイスの寸法を変化する効果を有することができる静水圧頭の蓄積を防止する。デバイスの内部容積は一定のままであり、そしてデバイス中に過剰の固体又は飽和溶液が存在するが、放出速度は一定のままであり、溶媒の取込みの体積と等しい体積が放出される。
【0172】
電気刺激放出デバイス
多価電解質ゲルを使用して、例えば、pHに変化を起こす外部の電気的刺激が適用された場合に膨潤する一体化デバイスを調製した。放出は、適用する電流の変化によって調節して、一定又はパルス状放出特性を生じることができる。
【0173】
ヒドロゲル
薬物基質におけるその使用に加えて、ヒドロゲルは、多くの生物医学的適用における、例えば、ソフトコンタクトレンズ、及び各種の軟質インプラント、等のような使用を見出す。
【0174】
モダフィニルを含んでなる改変放出組成物を使用する方法
本発明のもう一つの側面によれば、治療的に有効な量の本発明の固体の経口剤形の組成物を投与する工程を含んでなる、CNSの疾病状態、徴候、症候群、及び症状に悩む患者を治療するための方法が提供される。本発明の方法の利益は、パルス状血漿特性から放出される利益を維持しながらの慣用的な多数のIR投与管理によって必要とされる投与頻度の減少、或いは血漿濃度レベルの変化を排除又は最小化することを含む。この減少した投与頻度は、患者の服薬遵守に関して好都合であり、そして本発明の方法によって可能にされた投与頻度の減少は、モダフィニルの投与に対する医療従事者によって浪費される時間の量を減少することによって医療費の制御に寄与するものである。
【0175】
以下の実施例において、全てのパーセントは、他に記述しない限り重量/重量である。実施例を通して使用されるような用語“精製水”は、これを水濾過装置を通過させることによって精製された水を指す。実施例は例示の目的のみであり、そして以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の思想及び幅を制約すると解釈されるべきではないことは理解されることである。
【0176】
いくつかの例示的なナノ粒子のモダフィニル錠剤の処方を、以下に与える。これらの例は、特許請求の範囲をいずれもの観点で制約することを意図するものではなく、しかし本発明の方法において使用することができるナノ粒子のモダフィニルの例示的な錠剤の処方を提供するものである。このような例示的な錠剤は、更に被覆剤を含んでなることもできる。
処方#1
【0177】
【表1】

【0178】
処方#2
【0179】
【表2】

【0180】
処方3
【0181】
【表3】

【0182】
処方#4
【0183】
【表4】

【0184】
本発明は、モダフィニル、又は塩、又は鏡像異性体、又はプロドラッグ、又は多形、或いはこれらの誘導体の、患者におけるバイオアベイラビリティーを増加する方法を提供する。このような方法は、有効な量のナノ粒子のモダフィニルを含んでなる組成物を、患者に経口的に投与するか、又は静脈内的に注射することを含んでなる。標準的な薬物動態学の習慣によれば、ナノ粒子のモダフィニルの組成物は、典型的には、慣用的な剤形より約50%大きい、約40%大きい、約30%大きい、約20%大きい、又は約10%大きいバイオアベイラビリティーを有するものである。
【0185】
本発明の組成物は、神経系の症状、又は疾病、又は症候群、或いはこれらの徴候の治療において有用である。本発明は、ナノ粒子のモダフィニル、アルモダフィニル(モダフィニルの単一のr−異性体)のようなその鏡像異性体、多形、及び本明細書中で以下モダフィニル組成物と呼ばれる、アドラフィニル医薬組成物に関する。
【0186】
各種の改変及び変更を、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、本発明の方法及び組成物に行うことができることは、当業者にとって明白となるものである。従って、本発明が、これらが付属する特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に入ることを条件として、本発明の改変及び変更を包含することは意図されている。
【0187】
以下の実施例は、本発明を例示するために与えられる。然しながら、本発明が、これらの実施例中に記載される具体的な条件又は詳細に制約されるものではないことは理解されるべきである。本明細書を通して、米港特許を含む公的に入手可能な文献に対するいずれもの、そして全ての言及は、参考文献として特定的に援用される。
【0188】
実施例1
この実施例は、ナノ粒子のモダフィニル組成物、又は塩、又は鏡像異性体、又はプロドラッグ、又は多形、或いはこれらの誘導体を含んでなる組成物の調製を実証する。
【0189】
多数の試料を伴う、表1の3列目に詳述した四つの異なった処方を合成し、そして評価した。モダフィニルを含んでなる第1の処方(1)を、NanoMill(登録商標)0.01(NanoMill Systems,King of Prussia,PA;例えば、米国特許第6,431,478号参照)の10mlのチャンバー中で、500ミクロンのPolyMoll(登録商標)摩砕媒体(Dow Chemical Co.)と共に、約89%の媒体付加で粉砕した。製剤番号1を、2500RPMの速度で60分間粉砕した。モダフィニルを含んでなる製剤2−4を、NanoMill(登録商標)0.01(NanoMill Systems,King of Prussia,PA;例えば、米国特許第6,431,478号参照)の“スムース撹拌器”を持つ50mlのチャンバー中で、500ミクロンのPolyMoll(登録商標)摩砕媒体(Dow Chemical Co.)と共に、約89%の媒体付加で粉砕した。製剤番号2−4を、1600RPMの速度で120分間粉砕した。
【0190】
粉砕後、モダフィニル粒子を、Lecia DM5000B顕微鏡及びLecia CTR5000光源(Laboratory Instruments & Suppiles(I)Ltd.Ashbourne CO Meath ROI)を使用して評価した。所見を表1の4列目に示す。顕微鏡の所見によって決定されたとおりの成功した製剤を、5列目に記載する。更に又は別に、粉砕されたモダフィニル粒子の粒子サイズを、脱イオンした蒸留水及びHorbia LA910粒子サイズ分析器のような粒子サイズ分析器を使用して測定することができる。粒子サイズの分析後、“成功した組成物”を、初期の平均及び/又はD50粉砕モダフィニル粒子サイズが、約2000nmより小さい税剤と定義することができる。粒子を、更に60秒の超音波処理の前及び後に分析することができる。
【0191】
表1
【0192】
【表5】

【0193】
付属する図において、本発明のナノ粒子は、視野中に分布する灰色又は黒色の点のように見受けられ、顕微鏡写真のいくつかにおいて見られる大きい明るい(白色)形は、部分的に粉砕されなかった薬物粒子であるように見受けられる。
【0194】
以下の混合物は、上記の製剤1と同一条件下(摩砕媒体、PolyMill
500、89%媒体付加):10重量/重量%のモダフィニル;2重量/重量%のPharmacoat 603(HPMC);ドクセートナトリウム;0.1重量/重量%;脱イオン水;87.9重量/重量%で粉砕された。得られた組成物の粒子サイズ分析を、Horbia LA910粒子サイズ分析器で行った。超音波処理の前後の粒子サイズのデータを表2Aに示す。
【0195】
表2A
【0196】
【表6】

【0197】
表2Bに詳述した四つの更なる製剤を合成し、そして評価した。を含んでなる第1の製剤(5)を、NanoMill(登録商標)0.01(NanoMill Systems,King of Prussia,PA;例えば、米国特許第6,431,478号参照)の10mlのチャンバー中で、500ミクロンのPolyMoll(登録商標)摩砕媒体(Dow Chemical Co.)と共に、約89%の媒体付加で粉砕した。製剤番号5を、2500RPMの速度で60分間粉砕した。製剤6−8を、NanoMill(登録商標)0.01(NanoMill Systems,King of Prussia,PA;例えば、米国特許第6,431,478号参照)の“スムース撹拌器”を持つ50mlのチャンバー中で、500ミクロンのPolyMoll(登録商標)摩砕媒体(Dow Chemical Co.)と共に、約89%の媒体付加で粉砕した。製剤番号6−8を、1600RPMの速度で120分間粉砕した。
【0198】
粉砕後、モダフィニル粒子を、Lecia DM5000B顕微鏡及びLecia CTR5000光源(Laboratory Instruments & Suppiles(I)Ltd.Ashbourne CO Meath ROI)を使用して評価した。更に又は別に、粉砕されたモダフィニル粒子の粒子サイズを、脱イオンした蒸留水及びHorbia LA910粒子サイズ分析器のような粒子サイズ分析器を使用して測定することができる。粒子サイズの分析後、“成功した組成物”を、初期の平均及び/又はD50粉砕モダフィニル粒子サイズが、約2000nmより小さい製剤と定義することができる。粒子を、更に60秒の超音波処理の前及び後に分析することができる。
【0199】
表2B
【0200】
【表7】

【0201】
実施例2
以下の処方によって100mg/mlのモダフィニル分散物を調製した。
表3
【0202】
【表8】

【0203】
使用した機器は、実施例1のとおりであり、加工条件は2400rpmの粉砕速度で、90分の全粉砕時間であった。
粒子サイズ分析−安定性
=分散物の調製後、#日後に測定された粒子サイズ、即ちT=1日後に得られたサイズの測定値である、等;T=製造日に測定された粒子サイズである。全ての粒子サイズの数字はnmである。超音波処理:試料が粒子分析前60秒の超音波処理されたものであるか:はい(Y)/いいえ(N)である。条件:S=5℃;S=25℃及び60%相対湿度;そしてS=40℃及び75%相対湿度である。
【0204】
表4
【0205】
【表9a】

【0206】
【表9b】

【0207】
実施例3
この実施例の目的は、200mgのNanoCrystalTM分散物として、及び200mgのProvigil(登録商標)として、絶食したオスのビーグル犬に、経口的に投与した場合のモダフィニルの薬物動態を決定することである。
【0208】
この研究は、6頭のビーグル犬において行われた一回投与の二方向交差研究であった。それぞれの処置期間の間に、少なくとも7日の休薬期間があった。試験製剤は、モダフィニルNanoCrystal(登録商標)(100mg/g)(10重量/重量%)NCD(Batch No:TESR−1148−009)であった。参照製剤は、モダフィニル錠剤(Provigil(登録商標))(Batch No:BN5E39)であった。
【0209】
血液試料を、投与前、並びに投与後、15分(±5分)、30分(±5分)、45分(±5分)、1時間(±5分)、1.25時間(±5分)、1.5時間(±5分)、1.75時間(±5分)、2時間(±5分)、3時間(±10分)、4時間(±10分)、6時間(±10分)及び12時間(±10分)に収集した。研究の0日目、一晩(14−18時間)の絶食後、それぞれのイヌに、2gのNanoCrystalTM分散物として、経口胃管投与によって投与される200mgのモダフィニルを投与した。研究の8日目、一晩(14−18時間)の絶食後、それぞれのイヌに、Provigil錠剤として経口投与によって投与される200mgのモダフィニルを投与した。
【0210】
モダフィニルをイヌの血漿試料中で、検証されたLC MS/MS法によって、BioClin Research Laboratoriesによる液体−液体抽出法を組込んで測定した。モダフィニルの血漿分析の定量の限界は、100ng/mLであった(分析範囲100−5000ng/mL)。
【0211】
薬物動態学的評価を、PK Pharma Innovation Limitedによって行った。薬物動態学的パラメーターは、WinNonlinTM、バージョン4.0.1(Pharsight Corporation,USA)を使用して計算した。
【0212】
以下の薬物動態学的パラメーターは、非コンパートメント方法論を使用して、モダフィニルに対する時間対血漿濃度のデータから誘導された:−
−AUCinf(AUC0−∞)− 投与の時間から無限大までAUC0−t+Clast/ラムダzとして外挿された曲線下面積、ここにおいて、AUC0−tは、投与の時間から最後の評価可能濃度までの曲線下面積であり、Clastは、最後の評価可能な血漿濃度であり、そしてラムダzは、曲線の末端部分に伴う排出速度定数である。
【0213】
−AUClast(AUC0−t)− AUC(t−t)=δt(c+c)/2である線形台形則を使用して計算した、投与の時間から最後の定量可能な濃度の時間までの曲線下面積。
【0214】
−最大血漿濃度(Cmax)及びその対応する時間(tmax)は、観察された血漿濃度−時間特性から記録した。
−試験処置(TrtA)と参照(TrtB)の相対的バイオアベイラビリティーは、AUC(試験/参照に基づき、そしてパーセントで表示される)。
【0215】
−半減期(t1/2)は、ln2/ラムダzとして計算した。
−ラムダz(Kel)− log濃度対時間の線形回帰により推定された曲線の末端(log−直線)部分に関連する一次速度定数。それぞれの回帰分析において、調節されたrは、次のように:調節されたr=1−((1−r(n−1))/(n−2)で計算され、ここで、rは、補正計数の自乗であり、そしてnは、回帰において使用された点の数である。log血漿濃度対時間の線形回帰分析を、最後の三つの定量可能な血漿濃度からCmaxを含み、そしてそこまで増加した試料の数を含む手計算の反復法を使用して行った。最大の調節されたrによる回帰を、ラムダzを、回帰線の推定傾斜の−1倍として推定するために選択した。
【0216】
それぞれの投与において、投与されたモダフィニルの量、又は血液の抜出しが得られる実際の試料採取時間からの有意な偏差がないために、薬物動態学的分析は、投与された名目上の量及び名目上の試料採取時間に基づいた。
【0217】
データは、記述統計学を使用して要約した。算数平均、標準偏差、及び変動係数は、収載した薬物動態学的パラメーターに対して計算した。それぞれのパラメーターに対して、中央値、最小及び最大値を得た。正式な統計分析は行わなかった。
【0218】
時間に対する平均、処置及び個々の患者の濃度特性も更に調製した。全てのグラフは、WinNonlinを使用して調製し、そしてその通常の大きさで与えている。
モダフィニルの血漿薬物動態学的パラメーターの完全なリスト及びグラフの表示は、付属する報告書の添付物中に与えられている。平均の血漿の薬物動態学的パラメーターは、以下の表5中に与えられ(平均±標準偏差及びCV%が与えられている)、平均薬物動態学的特性は、図8に例示されている。
【0219】
表5
【0220】
【表10a】

【0221】
【表10b】

【0222】
この研究において投与された処置は、次のとおりである:
Trt1−経口胃管投与によって投与された200mgのモダフィニルNanocrystal(登録商標)(100mg/g)(10重量/重量%)NCD†(2gのNCDとして投与)(試験)
Trt2−経口投与によって投与された200mgのProvigit(登録商標)錠剤(参照)。
【0223】
血漿試料を、投与前、並びに投与後、15分(±5分)、30分(±5分)、45分(±5分)、1時間(±5分)、1.25時間(±5分)、1.5時間(±5分)、1.75時間(±5分)、2時間(±5分)、3時間(±10分)、4時間(±10分)、6時間(±10分)及び12時間(±10分)に収集した。
【0224】
モダフィニルを、イヌの血漿試料中で、検証されたLC MS/MS法によって、BioClin Research Laboratoriesによる液体−液体抽出法を組込んで測定した。モダフィニルの血漿分析の定量の限界は、100ng/mLであった(分析範囲100−5000ng/mL)。
【0225】
試験のNCD分散物の、相対的バイオアベイラビリティー及び相対的Cmaxは、参照のProvigil錠剤と比較して、それぞれ129±47%及び140±74%であった。AUCによって決定されるとおりの吸収の程度は、NCD分散物及びProvigil錠剤の投与後、それぞれ、35.8±11.3ug/mL・時及び27.5±8.5ug/mL・時であった。決定された最大濃度は、NCD分散物及びProvigil錠剤の投与後それぞれ、8.7±2.2ug/mL及び7.4±3.5ug/mLであった。
【0226】
ピーク濃度に達する中央値時間は、試験及び参照製剤の両方の投与後、概略2時間であった。
結論として、200mgのモダフィニルNanocrystal(100mg/g)(10重量/重量%)NCDの経口胃管投与は、Provigil錠剤の形態の200mgのモダニフィルの経口投与と比較して、程度において平均29%の増加を、そしてモダフィニルの吸収の速度において平均40%の増加をもたらした。
【0227】
各種の改変及び変更が、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、本発明の方法及び組成物に行うことができることは当業者にとって明白となるものである。従って、本発明が、本発明の改変及び変更を包含することは、これらが、付属する特許請求の範囲及びその均等物の範囲に入ることを条件として意図されている。
【0228】
使用された用語及び表現は、説明のための用語として、そして制約的ではなく使用され、そしてこのような用語及び表現の使用において、示され、そして記載された特徴のいずれもの均等物又はその一部を除外する意図はないが、しかし各種の改変が本発明の範囲内で可能であることは認識するものである。従って、本発明が具体的な態様によって例示され、そして本明細書中に開示された概念の所望による特徴、改変及び/又は変更が、当業者によって再分類されることができ、そしてこのような改変及び変更が本発明の範囲内と考えられることは理解されるべきである。
【0229】
更に、本発明の特徴又は側面が、マーカッシュ群又は他の代わりの群の用語によって記載される場合、これによって当業者は、本発明が、更にマーカッシュ群或いは他の群のいずれもの個々のメンバー又はメンバーの下位群の用語で記載されることを認識するものである。
【0230】
更に、各種の数値が態様のために与えられている場合、更なる態様は、他に反対に示されない限り、範囲の終点としていずれか2個の異なった値を採用することによって記載される。このような範囲も更に本記載された発明の範囲内である。
【0231】
本明細書中で引用された全ての参考文献、特許及び/又は出願は、表及び図面を含めその全てが参考文献として、あたかもそれぞれの参考文献が、その全体が個々に参考文献として援用されると同じ程度に援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)モダフィニル(modfinil)、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなる粒子;及び(B)少なくとも一つの表面安定剤を含んでなり、前記粒子が、直径で少なくとも約2000nmの有効平均粒子サイズを有する、安定なナノ粒子組成物。
【請求項2】
前記粒子が、結晶質相、非晶質相、半結晶質相、半非晶質相、又はこれらの混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
更に一つ又はそれより多い医薬的に受容可能な賦形剤、担体、又はこれらの組合せを含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記表面安定剤が、非イオン性表面安定剤、アニオン性表面安定剤、カチオン性表面安定剤、双性イオン性表面安定剤、及びイオン性表面安定剤からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が:
(a)約40ないし約500g/kgのモダフィニル(modfinil);
(b)約10ないし約70g/kgのヒプロメロース;
(c)約1ないし約10g/kgのドクセートナトリウム;
(d)約100ないし約500g/kgのスクロース;
(e)約1ないし約40g/kgのラウリル硫酸ナトリウム;
(f)約50ないし約400g/kgのラクトース一水和物;
(g)約50ないし約300g/kgのケイ化微結晶セルロース;
(h)約20ないし約300g/kgのクロスポビドン;及び
(i)約0.5ないし約5g/kgのステアリン酸マグネシウム
を含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
更に被覆剤を含んでなる、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が:
(a)約100ないし約300g/kgのモダフィニル(modfinil);
(b)約30ないし約50g/kgのヒプロメロース;
(c)約0.5ないし約10g/kgのドクセートナトリウム;
(d)約100ないし約300g/kgのスクロース;
(e)約1ないし約30g/kgのラウリル硫酸ナトリウム;
(f)約100ないし約300g/kgのラクトース一水和物;
(g)約50ないし約200g/kgのケイ化微結晶セルロース;
(h)約50ないし約200g/kgのクロスポビドン;及び
(i)約0.5ないし約5g/kgのステアリン酸マグネシウム
を含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
更に被覆剤を含んでなる、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が:
(a)約200ないし約225g/kgのモダフィニル(modfinil);
(b)約42ないし約46g/kgのヒプロメロース;
(c)約2ないし約6g/kgのドクセートナトリウム;
(d)約200ないし約225g/kgのスクロース;
(e)約12ないし約18g/kgのラウリル硫酸ナトリウム;
(f)約200ないし約205g/kgのラクトース一水和物;
(g)約130ないし約135g/kgのケイ化微結晶セルロース;
(h)約112ないし約118g/kgのクロスポビドン;及び
(i)約0.5ないし約3g/kgのステアリン酸マグネシウム
を含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
更に被覆剤を含んでなる、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が:
(a)約119ないし約224g/kgのモダフィニル(modfinil);
(b)約42ないし約46g/kgのヒプロメロース;
(c)約2ないし約6g/kgのドクセートナトリウム;
(d)約119ないし約224g/kgのスクロース;
(e)約12ないし約18g/kgのラウリル硫酸ナトリウム;
(f)約119ないし約224g/kgのラクトース一水和物;
(g)約129ないし約134g/kgのケイ化微結晶セルロース;
(h)約112ないし約118g/kgのクロスポビドン;及び
(i)約0.5ないし約3g/kgのステアリン酸マグネシウム
を含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
更に被覆剤を含んでなる、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
更に中枢神経系(CNS)の疾病状態、徴候、症候群、及び症状の予防並びに治療のために有用である一つ又はそれより多い活性化合物を含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記粒子が、モダフィニル(modfinil)、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含有するリザーバーを含有し、前記リザーバーは、水が前記粒子に進入することを可能にする半透膜によって封入され、従って圧力を発生し、これが前記モダフィニル(modfinil)、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を前記粒子から押出す、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記リザーバーが、更に浸透圧剤を含んでなる、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記モダフィニル(modfinil)、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなる粒子を、少なくとも一つの表面安定剤と、前記モダフィニル(modfinil)、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなるナノ粒子の組成物を得るために十分な時間の間及び条件下で接触させることを含んでなる、直径で約2000nmより小さい有効平均粒子サイズを有する、請求項1に記載の組成物を調製する方法。
【請求項17】
請求項1に記載の組成物を投与することを含んでなる、中枢神経系(CNS)の疾病状態、徴候、症候群、及び症状を予防及び/又は治療する方法。
【請求項18】
活性成分を含有する粒子の第1の構成成分及び少なくとも一つの活性成分を含有する粒子の後続の構成成分を含んでなり、ここにおいて、前記構成成分の少なくとも一つは、モダフィニル(modfinil)、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形が活性成分である粒子を含んでなり、そして前記構成成分の少なくとも一つは、組成物が患者への経口投与後、活性成分を、連続的、二峰性又は多峰性様式で放出するように調節放出被覆、調節放出基質物質、又は両方を更に含んでなる医薬組成物。
【請求項19】
モダフィニル(modfinil)、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなる前記粒子が、モダフィニル(modfinil)、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなるナノ粒子を含んでなる、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなる前記粒子が、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含んでなるナノ粒子である、請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
それぞれの構成成分が、モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形が活性成分である粒子を含んでなる、請求項18に記載の組成物。
【請求項22】
第1の構成成分が、即時放出成分を含んでなり、そして少なくとも一つの後続の構成成分が、調節放出成分を含んでなる、請求項18に記載の組成物。
【請求項23】
前記活性成分を含有する粒子が、浸食性である、請求項18に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が、更に賦活剤を含んでなる、請求項18に記載の組成物。
【請求項25】
請求項14に記載の組成物を含んでなる剤形。
【請求項26】
硬質ゼラチン又は軟質ゼラチンカプセル内に収容された活性成分を含有する粒子のブレンドを含んでなる、請求項25に記載の剤形。
【請求項27】
前記活性成分を含有する粒子が、ミニ錠剤の形態であり、そして前記カプセルが前記ミニ錠剤の混合物を収容する、請求項25に記載の剤形。
【請求項28】
錠剤の形態である、請求項25に記載の剤形。
【請求項29】
モダフィニル、又は塩、誘導体、プロドラッグ、或いはこれらの多形を含有する粒子が、急速溶解性の剤形で提供される、請求項25に記載の剤形。
【請求項30】
前記錠剤が、急速溶融性錠剤である、請求項28に記載の剤形。
【請求項31】
治療的に有効な量の請求項18の組成物を投与する段階を含んでなる、中枢神経系(CNS)の疾病状態、徴候、症候群、及び症状を予防及び/又は治療するための方法。
【請求項32】
前記調節放出被覆が、前記患者への前記組成物の投与後約6時間ないし約12時間の遅延時間後に、前記患者に活性成分のパルスを放出するためのpH依存性ポリマー被覆を含んでなる、請求項18の組成物。
【請求項33】
前記モダフィニルが、モダフィニルのr−異性体である、請求項1ないし15、18ないし24、及び32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
前記モダフィニルが、モダフィニルのr−異性体である、請求項16、17、及び31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記モダフィニルが、モダフィニルのr−異性体である、請求項25ないし30のいずれか1項に記載の剤形。
【請求項36】
モダフィニル、鏡像異性体、多形、水和物、溶媒和物、非晶質の形態又はこれらの混合物の粒子を含んでなる医薬組成物であって、ここにおいて、前記粒子は、第1の粒子の集団及び第2の粒子の集団からなり、ここにおいて、前記第1の粒子の集団と前記第2の粒子の集団の比は、重量で約3:7であり、ここにおいて:
(a)前記第1の粒子の集団は、約240ミクロンより大きい直径を有する粗大粒子を含んでなり;そして
(b)前記第2の粒子の集団は、約240ミクロンより小さい直径を有する粗大粒子を含んでなり、ここにおいて、前記第2の粒子の集団は、約2000nmより小さい直径を有するナノ粒子を含んでなる、前記医薬組成物。
【請求項37】
前記モダフィニル、鏡像異性体、多形、水和物、溶媒和物、非晶質の形態又はこれらの混合物の粒子が、約10重量%のナノ粒子を含んでなる、請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記モダフィニル、鏡像異性体、多形、水和物、溶媒和物、非晶質の形態又はこれらの混合物の粒子が、約40%、50%、60%、70%、又は80重量%のナノ粒子を含んでなる、請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
前記組成物が、錠剤又はカプセルの形態である、請求項36に記載の組成物。
【請求項40】
更に一つ又はそれより多い医薬的に受容可能な賦形剤を含んでなる、請求項36に記載の組成物。
【請求項41】
前記一つ又はそれより多い医薬的に受容可能な賦形剤が、一つ又はそれより多い結合剤、希釈剤、崩壊剤、界面活性剤、潤滑剤、流動促進剤、及び着色剤含んでなる、請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
請求項36ないし38のいずれか1項に記載の組成物を含んでなる経口制御放出剤形。
【請求項43】
更にシクロデキストリンを含んでなる請求項36に記載の組成物であって、但し、前記デキストリンが、ヒドロキシプロピルベータシクロデキストリン、ベータシクロデキストリンスルホブチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択されないことを条件とする、前記組成物。
【請求項44】
請求項43の組成物を、それを必要とする患者に投与することを含んでなる、モダフィニルのバイオアベイラビリティーを改良又は維持する方法。
【請求項45】
過眠症、閉塞型睡眠時無呼吸/低呼吸症候群、交代勤務睡眠障害、過眠症に伴う過剰な日中の眠気を持つ患者の覚醒状態の改良、及び特発性過眠症からなる群から選択される神経学的疾患を治療する、請求項43の組成物を、前記疾患に悩む患者に投与することを含んでなる方法。
【請求項46】
モダフィニル、鏡像異性体、多形、水和物、溶媒和物、非晶質の形態又はこれらの混合物の粒子を含んでなる医薬組成物であって、ここにおいて、前記粒子は、第1の粒子の集団及び第2の粒子の集団からなり、ここにおいて、前記第1の粒子の集団と第2の粒子の集団の比は、重量で約3:7であり、ここにおいて:
(a)前記第1の粒子の集団は、約220ミクロンより大きい直径を有する粗大粒子を含んでなり;そして
(b)前記第2の粒子の集団は、約220ミクロンより小さい直径を有する粗大粒子を含んでなり、ここにおいて、前記第2の粒子の集団は、約2000nmより小さい直径を有するナノ粒子を含んでなる、前記医薬組成物。
【請求項47】
前記モダフィニル、鏡像異性体、多形、水和物、溶媒和物、非晶質の形態又はこれらの混合物の粒子が、約10重量%のナノ粒子を含んでなる、請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
前記モダフィニル、鏡像異性体、多形、水和物、溶媒和物、非晶質の形態又はこれらの混合物の粒子が、約40%、50%、60%、70%、又は80重量%のナノ粒子を含んでなる、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
前記組成物が、錠剤又はカプセルの形態である、請求項46に記載の組成物。
【請求項50】
更に一つ又はそれより多い医薬的に受容可能な賦形剤を含んでなる、請求項46に記載の組成物。
【請求項51】
前記一つ又はそれより多い医薬的に受容可能な賦形剤が、一つ又はそれより多い結合剤、希釈剤、崩壊剤、界面活性剤、潤滑剤、流動促進剤、及び着色剤含んでなる、請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
請求項46ないし48のいずれか1項に記載の組成物を含んでなる経口制御放出剤形。
【請求項53】
更にシクロデキストリンを含んでなる請求項46に記載の組成物であって、但し、前記デキストリンが、ヒドロキシプロピルベータシクロデキストリン、ベータシクロデキストリンスルホブチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択されないことを条件とする、前記組成物。
【請求項54】
請求項53の組成物を、それを必要とする患者に投与することを含んでなる、モダフィニルのバイオアベイラビリティーを改良又は維持する方法。
【請求項55】
過眠症、閉塞型睡眠時無呼吸/低呼吸症候群、交代勤務睡眠障害、過眠症に伴う過剰の日中の眠気を伴う患者の覚醒状態の改良、及び特発性過眠症からなる群から選択される神経学的疾患を治療する、請求項43の組成物を、前記疾患に悩む患者に投与することを含んでなる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−543803(P2009−543803A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519688(P2009−519688)
【出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/073336
【国際公開番号】WO2008/008879
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(507250508)エラン・ファルマ・インターナショナル・リミテッド (23)
【Fターム(参考)】