モダフィニル多形相
【課題】モダフィニル多相形、その製造法、医薬組成物及びモダフィニル多相形を含む治療方法を提供する。
【解決手段】物理化学的条件(例えば、結晶化溶媒、温度、濃度、ろ過法等)を変化させながら、結晶化によって出発医薬物質の製造及び処理を改善することで、CRL40476形III、CRL40476形IV、CRL40476形V、CRL40476形VI及びCRL40476形VIIと呼ばれる、モダフィニルラセミ化合物の5種の新規な多相形、並びにモダフィニル溶媒和物。
【解決手段】物理化学的条件(例えば、結晶化溶媒、温度、濃度、ろ過法等)を変化させながら、結晶化によって出発医薬物質の製造及び処理を改善することで、CRL40476形III、CRL40476形IV、CRL40476形V、CRL40476形VI及びCRL40476形VIIと呼ばれる、モダフィニルラセミ化合物の5種の新規な多相形、並びにモダフィニル溶媒和物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モダフィニル(modafinil)多形相、その製造方法、医薬組成物及びモダフィニル多形相を含む治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
式(I)のモダフィニル(C15H15NO2S)、2−(ベンズヒドリルスルフィニル)アセトアミド又は2−[(ジフェニルメチル)スルフィニル]アセトアミドは、覚醒促進活性を有する合成アセトアミド誘導体であり、その構造は、米国特許第4,177,290号(「290特許」)に記載されており、そのラセミ化合物は、米国食品医薬品局によってナルコレプシーの治療に使用できることが判明している。
【0003】
【化1】
【0004】
ラセミ混合物の製造方法は、上記290特許に記載されている。左旋性異性体の製造方法は、更に米国特許第4,927,855号に記載されている(いずれもここに参考として示した)。
【0005】
モダフィニルは、マウスに興味深い神経精神薬理活性を有する化合物として記載されている(米国特許第4,177,290号)。モダフィニルはまた、サルの夜間活動(night activiy)の増大を著しく誘起する(Y.Duteil et al.,Eur.J.Pharmacol.,1990;180:49)。モダフィニルは、特発性の睡眠過剰及びナルコレプシーの治療のために、ヒトで首尾よく試験されてきた(Bastuji et al.,Prog.Neuropsych.Biol.Psych.,1988;12:695)。
【0006】
モダフィニルは、中枢神経系の活性の薬剤として、パーキンソン病の治療(米国特許第5,180,745号)、虚血からの脳組織の保護(米国特許第5,391,576号)、尿失禁及び便失禁の治療(米国特許第5,401,776号)及び睡眠時無呼吸及び中枢起源の障害の治療(米国特許第5,612,379号)に有用な薬剤として記載されている。
【0007】
米国特許再出願第37,516号は、かなりの割合で大きな粒子を含有する調製物よりも、より効果的で安全である約200ミクロンよりも小さい規定粒径のモダフィニルの調製物について記載している。
【0008】
加えて、ラセミ化合物としてのモダフィニルに関する特許、米国第4,927,855号は、憂鬱及びアルツハイマー病に苦しむ患者に存在する障害を治療するために、左旋性異性体の使用を開示している。
【0009】
モダフィニルラセミ化合物に関する他の治療処方は、ごく最近の特許出願に開示されている。例えば、国際出願の国際公開第00/54648号パンフレットは、スタイナー病の不眠症障害の治療に関し、国際出願の国際公開第99/25329号パンフレットは、モルヒネ鎮痛薬を投与されている癌患者の睡眠過剰の治療に関する。他の周知な治療処方は、注意不足過敏(注意欠陥過活動性障害)の治療、倦怠及び/又は疲労、特に多硬化症に関連する倦怠及び/又は疲労の治療(国際出願の国際公開第01/12170号パンフレット)、並びにモダフィニルが食欲増進薬として活性がある食事行動障害の治療(国際出願の国際公開第01/13906号パンフレット)を含む。国際出願の国際公開第01/13906号パンフレットもまた、高用量での改善は見られず、認識機能を刺激するために、低用量のモダフィニル(1〜75mg/日)の使用を示唆している。
【発明の概要】
【0010】
国際出願の国際公開第02/10125号パンフレットは、多相モダフィニル及びその製造方法を開示している。
【0011】
本発明は、CRL40476形III(CRL40476-[f III])、CRL40476形IV(CRL40476-[f IV])、CRL40476形V(CRL40476-[f V])、CRL40476形VI(CRL40476-[f VI])及びCRL40476形VII(CRL40476-[f VII])(形III、IV、V、VI及びVIIとも略される)と呼ばれる、モダフィニルラセミ化合物の5種の新規な多相形、並びにモダフィニル溶媒和物を提供する。形I(CRL40476-[f I])の主な物理的、薬学的、生理的及び生物学的な相違を示した。
【0012】
従って、本発明はまた、当該形及び新規なモダフィニル溶媒和物、すなわちアセトニトリル溶媒和物の製造方法を提供する。更に、本発明はまた、他の新規なモダフィニル種のモダフィニル溶媒和物固溶体を記載する。
【0013】
本発明はまた、当該形を含む医薬組成物を提供する。特に、形IVを含む組成物及び形Vを含む組成物を提供する。
【0014】
本発明はまた、モダフィニルが有用な疾患及び症状の治療方法を提供する。特に、当該新規な方法は、上記の特定の特許及び出願に記載の治療処方と同様な治療処方であり、参考としてここに示した。
【0015】
本発明はまた、新規な形及び組成物の製造のための方法を提供する。
【0016】
モダフィニル形IVを含む組成物は、形Iを用いて等価な治療効果を得るために一般的に使用される濃度よりも低い用量濃度で、モダフィニルを含むことができる。よって、モダフィニル形IVは、(例えばナルコレプシー患者又は他の治療上の兆候に見られる睡眠過剰の症状に対する)モダフィニルの初期治療効果を遅延又は変更することなく、有利にモダフィニル形Iに代わって、モダフィニル形Iの経口バイオアベイラビルティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、CRL40476形Iの粉末X線回折パターンを表す。
【図2】図2は、CRL40476形IIIの粉末X線回折パターンを表す。
【図3】図3は、CRL40476形IVの粉末X線回折パターンを表す。
【図4】図4は、CRL40476形Vの粉末X線回折パターンを表す。
【図5】図5は、CRL40476形VIの粉末X線回折パターンを表す。
【図6】図6は、モダフィニルのアセトニトリル溶媒和物の粉末X線回折パターンを表す。
【図7】図7は、モダフィニルのクロロホルム溶媒和物固溶体の粉末X線回折パターンを表す。
【図8】図8は、モダフィニルのテトラヒドロフラン溶媒和物固溶体の粉末X線回折パターンを表す。
【図9】図9は、モダフィニルのジオキサン溶媒和物固溶体の粉末X線回折パターンを表す。
【図10】図10は、モダフィニルのクロロホルム−テトラヒドロフラン溶媒和物固溶体の粉末X線回折パターンを表す。
【図11】図11は、モダフィニルのクロロホルム−ジオキサン溶媒和物固溶体の粉末X線回折パターンを表す。
【図12】図12は、形VI(CRL40476−[f VI])の60℃における完全な吸収及び脱吸収等温線(タイプVI)を表す。
【図13】図13は、CRL40476形VIIの粉末X線回折パターンを表す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
物理化学的条件(例えば、結晶化溶媒、温度、濃度、ろ過法等)を変化させながら、結晶化によって出発医薬物質の製造及び処理を改善するべく実験的研究を探求してきたところ、本発明者は、現在、CRL40476形III(CRL40476-[f III])、CRL40476形IV(CRL40476-[f IV])、CRL40476形V(CRL40476-[f V])、CRL40476形VI(CRL40476-[f VI])及びCRL40476形VII(CRL40476-[f VII])(形III、IV、V、VI及びVIIとも略される)と呼ばれる、モダフィニルラセミ化合物の5種の新規な多相形を発見した。
【0019】
本発明者は、更に、「290特許」に記載された方法によって調製されるモダフィニルが、ここでは、「CRL40476形I」(又はCRL40476−[f I])言われる多相の形で製造されることを、発見した。CRL40476形Iは、dが平面間隔を、I/I0が相対強度を表す、以下の粉末X線回折パターン(図1)を有する。
【0020】
【表1】
【0021】
モダフィニル形IIと呼ばれる不安定な多相も特定した。
本発明者は、更に、当該多相が、形Iとは著しく異なった物理的、薬学的、生理学的又は生物学的性質を示すことを意外にも示した。
【0022】
モダフィニルの新規な結晶形類は、当該結晶形に独特であって、アモルホスのモダフィニルやモダフィニルの他の全ての結晶形とは区別できるフィンガープリントを形成する粉末X線回折パターンにそれぞれ特徴がある。
【0023】
X線回折データは、粉末X線回折メーターとして、λが1.540Åのニッケルをフルター処理した銅照射機能(40KVの加速装置の速度、40mAのチューブ電流)と、測定中の試料のスピン回転(角度:3〜40°(2θ);0.04°の速度(2θ).s-1、0.04°のステップサイズ;優越方位での試料調製)機能を備えた、D5005システムを使用して測定した(Siemens,AG,Karlsruhe,Germany,data method Eva5.0)。強度は、試料の調製、設置方法及び装置のバリエーションによって変化することが理解できよう。2θの測定は、装置のバリエーションによって影響され、その結果、ピークの帰属は、プラスナイナスで0.04°変化する。そのため、当業者であれば、d間隔が回折パターンの本質を構成していることを理解できよう。d間隔は、ブラッグの関係式[2dsinθ=nλ、ここで、dはd間隔(Å)、λは銅照射波長、θは結晶の回転角度(°)を示す] を満たす場合に、当該関係式を使って計算される。
【0024】
異なったモダフィニル多相形の特定の表面積は、窒素吸収等温線を記録し、Brunauer,Emett and Teller(B.E.T)計算法を使って測定した(Coulter TM SA 3100 TM Analyser)。
【0025】
<新規モダフィニル多相形>
モダフィニル形III(CRL40476−[f III])
本発明はまた、CRL40476形IIIを提供する(図2)。
CRL40476形IIIは、dが平面間隔を、I/I0が相対強度を表す、粉末X線回折パターンを与える。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
9.87、6.25、5.09.4.93、4.36及び4.21(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。これらの内で、9.87、6.25、5.09.4.93及び4.36(Å)の平面d間隔は最も特徴的である。モダフィニル形IIIは、159℃の融解分解温度を有する。
【0029】
モダフィニル形IV(CRL40476−[f IV])
本発明はまた、CRL40476形IVを提供する(図3)。
CRL40476形IVは、dが平面間隔を、I/I0が相対強度を表す、以下の粉末X線回折パターンを与える。
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
13.1、6.57及び3.95(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。これらの内で、13.1及び3.95(Å)の平面d間隔は最も特徴的である。モダフィニル形IVは、当該多相に特徴的な161℃の融解分解温度を有する。
【0033】
モダフィニル形IV(CRL40476−[f V])
本発明はまた、CRL40476形Vを提供する(図4)。
CRL40476形Vは、dが平面間隔を、I/I0が相対強度を表す、以下の粉末X線回折パターンを与える。
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】
8.44、5.68、5.29、4.64、4.56、3.87及び3.80(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。これらの内で、8.44、5.29、4.64、3.87及び3.80(Å)の平面d間隔は最も特徴的である。モダフィニル形Vは、159℃の融解分解温度を有する。
【0037】
モダフィニル形IV(CRL40476−[f VI])
本発明はまた、CRL40476形Vを提供する(図5)。
CRL40476形VIは、dが平面間隔を、I/I0が相対強度を表す、以下の粉末X線回折パターンを与える。
【0038】
【表8】
【0039】
12.1、8.47、4.98、4.23及び4.03(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。これらの内で、12.1、8.47、4.98及び4.03(Å)の平面d間隔は最も特徴的である。モダフィニル形VIは、159℃の融解分解温度を有する。
【0040】
モダフィニル形IV(CRL40476−[f VII])
本発明はまた、CRL40476形Vを提供する(図13)。
CRL40476形VIIは、dが平面間隔を、I/I0が相対強度を表す、以下の粉末X線回折パターンを与える。
【0041】
【表9】
【0042】
12.7、8.42、6.45、4.23及び3.91(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。これらの内で、12.7、6.45及び3.91(Å)の平面d間隔は最も特徴的である。モダフィニル形VIIは、158℃の融解分解温度を有する。
【0043】
<新規なモダフィニル溶媒和物>
4種のモダフィニル多相形の発見に加えて、本発明はまた、モダフィニルのアセトニトリル溶媒和物を提供する。本発明はまた、一般式:
モダフィニル−[(テトラヒドロフラン)x−(クロロホルム)y−(ジオキサン)z]
[式中、x、y及びzは、
【数1】
で定義される。]
に相当するモダフィニル溶媒和物固溶体を提供する。
【0044】
熱力学的観点から、当該固溶体は、x、y及びzの値に関らず単一相を構成する。モダフィニルの固溶体は、モダフィニル溶媒和物固溶体と言われる。
【0045】
「溶媒物」とは、溶質分子及び溶媒分子の両方を含む独自の結晶格子を有する組織的構造を意味する。本発明の溶媒和物は、1モダフィニル分子につき約1溶媒分子の決まった割合を有する正確な溶媒和物である。本発明の溶媒和物は、特に次の反応の中間体として、異なったモダフィニル多相の調製のための中間体として、更に特に、直接結晶化によって、特に高収率では容易に得られない形、すなわち形V及びVIを得るために、特に有用である。
【0046】
下記表は、新規モダフィニル溶媒和物の粉末X線回折パターンを表す。アセトニトリルモダフィニル溶媒和物(図6)は、dが平面間隔をI/I0が相対強度を表す、次の粉末X線回折パターンを与える。
【0047】
【表10】
【0048】
【表11】
【0049】
13.3、8.62、4.42、4.37及び3.95(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。
【0050】
クロロホルムのモダフィニル溶媒和物固溶体(yは1)(図7)は、dが平面間隔をI/I0が相対強度を表す、次の粉末X線回折パターンを与える。
【0051】
【表12】
【0052】
6.27、4.92、4.44、4.29、4.18、3.96及び3.484(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。
【0053】
テトラヒドロフランのモダフィニル溶媒和物固溶体(xは1)(図8)は、dが平面間隔をI/I0が相対強度を表す、次の粉末X線回折パターンを与える。
【0054】
【表13】
【0055】
【表14】
【0056】
13.2、8.66、6.33、4.31及び3.95(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。
【0057】
ジオキサンのモダフィニル溶媒和物固溶体(zは1)(図9)は、dが平面間隔をI/I0が相対強度を表す、次の粉末X線回折パターンを与える。
【0058】
【表15】
【0059】
8.03、5.69、4.50、4.02及び3.54(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。
【0060】
x、y及びzの中間値を有するモダフィニル溶媒和物固溶体に関し、X線回折パターンの平面間隔及び相対強度はいずれも、上記の極限状況、すなわち、xが1、yが1又はzが1の間で変化してもよい。バリエーションの例を以下に示す。クロロホルム−テトラヒドロフランモダフィニル溶媒和物固溶体[xとyとの和が1で、かつ1/1(v/v)のクロロホルム−テトラヒドロフラン溶液から調製される](図10)は、dが平面間隔をI/I0が相対強度を表す、次の粉末X線回折パターンを与える。
【0061】
【表16】
【0062】
クロロホルム−ジオキサンモダフィニル溶媒和物固溶体[yとzとの和が1で、かつ1/1(v/v)のクロロホルム−ジオキサン溶液から調製される](図11)は、dが平面間隔をI/I0が相対強度を表す、次の粉末X線回折パターンを与える。
【0063】
【表17】
【0064】
【表18】
【0065】
<CRL40476形I、III、IV、V、VI及びVIIの調製方法>
本発明はまた、CRL40476形I、III、IV、V、VI及びVIIの効率的な調製方法を提供する。
【0066】
溶媒和物形成によるモダフィニル多相III、IV、V、VI及びVIIの調製方法
本発明の第一の方法では、モダフィニル多相形は、次のステップ:
i)モダフィニル溶媒和物固溶体でもあり得るモダフィニル溶媒和物を調製すること、及び
ii)当該モダフィニル溶媒和物を脱溶媒和して、特定の多相形を得ること
を含む一般的な方法に従って、高純度で調製できる。
【0067】
「脱溶媒和する」及び「脱溶媒和」とは、溶媒和物を多相に変換するために、ほとんど又は全ての溶媒分子、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、最も好ましくは99%以上の溶媒分子溶媒和物をから除去することを意味する。
【0068】
モダフィニル溶媒和物の調製
モダフィニル溶媒和物は、
i)アセトニトリル、テトラヒドロフラン、クロロホルム及びジオキサン、又はこれらの混合物からなる群より好ましく選ばれる溶媒中に、いかなる物性種でもよいモダフィニルを溶解すること;及び
ii)当該溶液からモダフィニル溶媒和物を結晶化すること;
によって調製してもよい。
【0069】
当該溶液の温度は、選ばれる溶媒又は溶媒混合物の常圧下で、好ましくは室温から110℃、より好ましくは沸点温度である。好ましくは、調製物を溶解が完了するまで攪拌する。
【0070】
モダフィニル溶媒和物は、冷却又は表面冷凍(chilling)、結晶種及び溶液の一部の濃縮を含む慣用的方法によって当該溶液から結晶化してもよい。好ましい具体例としては、ゆっくり冷却して、常圧下、約20℃で溶液の一部を濃縮することが挙げられる。結晶は好ましくはろ過によって分離する。
【0071】
好ましいモダフィニル溶媒和物の調製の具体例としては、
i)溶媒又は溶媒混合物を沸点温度で加熱し、次いで、モダフィニルを飽和するまで少しずつ添加すること(完全に溶解させるために追加の溶媒を加えてもよい)、及び
ii)得られた溶液を好ましくはゆっくりと室温まで冷却し、モダフィニル溶媒和物、好ましくはモダフィニル溶媒和物結晶を(通常、常圧下、室温で放置することにより)得ること
が挙げられる。
【0072】
モダフィニル溶媒和物の脱溶媒和
上記方法の脱溶媒和の条件は、モダフィニル多相形の性質を決める重要なルールである。すなわち、例えば、クロロホルム溶媒和物は、脱溶媒和の条件よれば、異なった多相形、形III及び形Vにそれぞれなり得る。一般的に、脱溶媒和としては、常圧又は減圧下で過熱することにより当該モダフィニル溶媒和物を乾燥すること、あるいは最初に減圧濾過し、次いで常圧又は減圧下で過熱することを含む。加熱温度は、圧力、所望の脱溶媒和速度及び所望の多相形により変えてもよい。脱溶媒和の条件は、ここで、各多相形III、IV、V及びVIについて更に詳述する。
【0073】
直接結晶化によるモダフィニル多相形I、III、IV及びVIIの調製方法
本発明の第二の方法は、モダフィニル多相形は、次のステップ:
i)いかなる物性種でもよいモダフィニルを溶媒、好ましいくはクロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びメタノールに溶解すること;
ii)当該溶媒からモダフィニル多相形を結晶化すること;及び
iii)当該溶媒からモダフィニル多相形を分離すること;
を含む一般的方法に従って調製できる。
【0074】
上記方法では、選ばれた溶媒の性質及び選ばれた結晶化の条件は、いかなる多相形の調製にも使用できる。結晶化溶媒及び条件は、各多相形、すなわち当該方法に従って得られる多相形III、IV、V及びVI各々について、ここで開示する。
【0075】
好ましい具体例は、溶媒を沸騰下に過熱することによりモダフィニルを溶解し、次いでモダフィニルを飽和するまで少しずつ添加することを含む。追加の溶媒は、溶解を完全にするため加えてもよい。
【0076】
モダフィニル多相形は、冷却又は表面冷凍(chilling)、結晶種及び溶液の一部の濃縮を含む慣用的方法によって、あるいは沈殿、好ましくは水の添加によって、当該溶液から結晶化してもよい。好ましい具体例としては、標準的冷却法による当該溶液を急速に冷却することが挙げられる。別の好ましい具体例としては、水、好ましくは冷水を加えることによって結晶を沈殿させることが挙げられる。モダフィニル多相形は、ろ過及び遠心を含む慣用的方法によって単離してもよい。
【0077】
モダフィニル形Iは、熱力学的に安定な形(室温で)で確認される。形Iは、結晶化により、好ましくは常圧下、室温で得られる。モダフィニルの濃度は、溶媒和物の調製又は結晶化によるモダフィニルの直接調製に基準となる要因ではない。しかしながら、モダフィニルの濃度を各溶媒の飽和値に近づけて使用すると、特に便利である。
【0078】
多相は、特定の表面積又は特定の粒径で調製することができる。特定の表面積は、直接結晶化を経る方法における結晶化条件及び乾燥条件(特に、モダフィニル濃度、種及び冷却)、並びに溶媒和物形成を経る方法における脱溶媒和条件により変えてもよい。
【0079】
モダフィニル形I(CRL40476−[f I])の調製方法
系Iは、室温で直接結晶化を経る方法により、あるいは次のステップ:
i)溶媒、好ましくはメタノール、2−メトキシエタノール、エタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミドから選ばれる溶媒中、又はこれらの溶媒の一種と水との混合物中で、モダフィニルを溶解すること;
ii)当該溶液の一部を、好ましくは常圧下、20℃〜120℃の範囲の温度で、より好ましくは約10〜20日間の反応時間で約20℃で濃縮することにより結晶化すること、又は20℃以下、好ましくは−10℃以下で、当該溶液を一定の制御冷却することにより結晶化すること;及び
iii)当該溶媒からモダフィニル形Iを分離すること;
を含む制御冷却を用いることにより、高純度で調製できる。
【0080】
形Iは、20℃で最も安定な形であるが、これは、室温で激しく攪拌しながら、前記の種を加えるかあるいは加えないかして、メタノール、2−メトキシエタノール、エタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、又はこれらの溶媒の一種と水との混合溶媒中で、長時間のスラリーによって、多相形又は溶媒和物から調製してもよい。「長時間のスラリー」とは、平衡条件に達するのに十分な時間であると理解できる。
【0081】
モダフィニル形III(CRL40476−[f III])の調製方法
形IIIは、
i)ジオキサン、クロロホルム、テトラヒドロフラン又はこれらの混合物及びアセトニトリルから選ばれる溶媒からモダフィニル溶媒和物を調製すること;及び
ii)得られたモダフィニル溶媒和物を加熱することによって当該モダフィニル溶媒和物を脱溶媒和して、モダフィニル形IIIを得ること
を含む溶媒和物形成方法により、高純度で調製できる。
【0082】
上記方法の好ましい具体例としては、ステップii)が、好ましくは110℃〜140℃の範囲で常圧下、より好ましくは110℃で12時間、先で得られた結晶を加熱することにある。
【0083】
形IIIは、次のステップ:
i)モダフィニルをアセトニトリル、クロロホルム、テトラヒドロフラン及びメタノーからなる群より選ばれる溶媒に溶解すること;
ii)当該溶媒からモダフィニルを結晶化すること;及び
iii)当該溶媒を分離して、モダフィニル形IIIを得ること
を含む直接結晶法によって高純度で調製できる。
【0084】
当該方法の好ましい具体例は、溶媒がアセトニトリル、クロロホルム又はテトラヒドロフランである場合に、ステップii)が、前記溶液を5℃まで、急激に、通常は10℃/分の速度で冷却することを含む。
【0085】
選択された溶媒がメタノールである場合、ステップii)が、モダフィニル溶液を、急激に、通常は−0.5℃/分〜−10℃/分の範囲の温度の冷却速度で冷却すること、あるいは1〜9倍体積の水をメタノール溶液に攪拌しながら加えて、50/50〜10/90(v/v)の最終体積のメタノール/水混合物を得ることにより、モダフィニルを沈殿させることを含んでもよい。上記冷却速度は、熱力学的に安定な形Iの形成を避けるには十分に高いはずである。
【0086】
ステップii)の好ましい具体例では、1.25体積のメタノールに対して1体積の水を攪拌しながら加えて、50/50(v/v)の最終体積のメタノール/水混合物を得ることにより、モダフィニルは沈殿する。
【0087】
好ましくは、ステップiii)は、得られた結晶のろ過及び乾燥を含む。
【0088】
形IIIは、形V、形VI又は他のモダフィニル溶媒和物から、
i)モダフィニル形Vもしくは形VI又はモダフィニル溶媒和物を110℃〜130℃、好ましくは130℃の温度で加熱すること;及び
ii)変換が完了するまでの十分な時間、室温で冷却すること
により、高純度で調製してもよい。
【0089】
好ましい具体例では、モダフィニル形IIIは、0.3〜1.0m2/g、好ましくは0.5m2/gの特定の表面積を有する。
【0090】
モダフィニル形IV(CRL40476−[f IV])の調製方法
形IVは、
i)テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジオキサン及びこれらの混合物からなる群より選ばれる溶媒から、モダフィニル溶媒和物を調製すること;及び
ii)モダフィニル溶媒和物を脱溶媒和して、モダフィニル形IVを得ること
を含む溶媒和物形成方法により高純度で調製できる。
【0091】
好ましい脱溶媒和の温度は、常圧下で20℃〜30℃の範囲、より好ましく約1月間、約20℃である。当該方法の好ましい具体例は、ステップii)が約20℃で数週間以上、溶媒をゆっくり濃縮することにより、予め得られた溶媒和物を脱溶媒和することを含む。
【0092】
形IVは、次のステップ:
i)モダフィニルをメタノールに溶解すること;
ii)同じ体積の水を加えることにより、好ましくは当該タノール溶液に対して50/50〜90/10(v/v)の範囲の割合で水を加え、攪拌せずに、当該溶媒からモダフィニルを結晶化すること;及び
iii)母液を分離して、モダフィニル形IVを得ること
を含む直接結晶法によって高純度で調製できる。
【0093】
当該方法の好ましい具体例は、ステップii)が、攪拌せずに当該溶液に冷水を注ぐことを含み、かつステップiii)が、得られた混合物を大表面積フィルターでろ過し、残渣性メタノールをほとんど除き、次いで単離した固体を換気付き乾燥機で80℃で乾燥することを含む。
【0094】
好ましい具体例では、モダフィニル形IVは、0.2〜1.0m2/g、好ましくは0.7m2/gの特定の表面積で得られる。
【0095】
モダフィニル形V(CRL40476−[f V])の調製方法
形Vは、
i)テトラヒドロフラン、ジオキサン及びクロロホルムからなる群より選ばれる溶媒又はこれらの混合物から、モダフィニル溶媒和物を調製すること;及び
ii)モダフィニル溶媒和物を脱溶媒和して、モダフィニル形Vを得ること、好ましくはモダフィニル溶媒和物を適当な温度で加熱してモダフィニル形Vを得ること
を含む溶媒和物形成方法により高純度で調製できる。
【0096】
テトラヒドロフランの場合、好ましい脱溶媒和の温度は、常圧下で40℃〜70℃の範囲、より好ましくは約5時間、約60℃である。最も好ましい具体例は、真空下でろ過し、次いで結晶を40℃〜70℃の範囲まで、好ましくは約5時間、約60℃まで約5時間加熱することである。
【0097】
ジオキサンの場合、好ましい脱溶媒和の温度は、常圧下で20℃〜30℃の範囲、より好ましくは約1週間、約20℃である。最も好ましい具体例は、真空下でろ過し、次いで60℃〜90℃の範囲まで、好ましくは約5時間、約90℃まで約5時間加熱することである。
【0098】
クロロホルムの場合、好ましい脱溶媒和の温度は、常圧下で60℃〜90℃の範囲、より好ましくは約1時間、約80℃である。最も好ましい具体例は、真空下でろ過し、次いで常圧下で70℃〜100℃の範囲まで、好ましくは約5時間、約90℃で約5時間加熱することである。
【0099】
好ましい具体例では、モダフィニル形Vは、2〜14m2/g、好ましくは11m2/gの特定の表面積で得られる。
【0100】
モダフィニル形VI(CRL40476−[f VI])の調製方法
形VIもまた、
i)アセトニトリルからモダフィニル溶媒和物を調製すること;及び
ii)モダフィニル溶媒和物を脱溶媒和して、モダフィニル形VIを得ること
を含む溶媒和物形成方法により高純度で調製できる。
【0101】
好ましい脱溶媒和の温度は、10℃〜30℃の範囲であり、より好ましくは常圧下にて25℃で約3日間、又は減圧下にて約6時間である。
【0102】
好ましいい具体例では。モダフィニル形VIは、特定のBrunauer Emett Teller分類に従ってタイプVIとして分類される特定の性質を有して得られる(図12)。
【0103】
モダフィニル形VII(CRL40476−[f VII])の調製方法
形VIIは、次のステップ:
i)モダフィニル溶媒和物をアセトンに溶解すること;
ii)当該アセトン溶液に基いて、50/50〜90/10(v/v)の範囲の体積の水を攪拌せずに加えることにより、上記の溶媒から結晶化すること;及び
iii)当該溶媒を分離して、CRL40476形VIIを得ること
を含む直接結晶化により高純度で調製できる。
【0104】
上記方法の好ましい具体例では、ステップi)から得られる溶液を、微細な不溶粒子を除去するためにグラスフィルター上で続いてろ過する。
【0105】
上記方法の好ましい点では、ステップii)は、ステップi)の溶液を、場合によりろ過して、攪拌せずに冷水に注ぐことを含む。
【0106】
好ましくは、得られた混合物は、攪拌せずに室温で、すなわち約20℃で、大量のモダフィニルを結晶化させるために十分な時間、例えば約12時間放置する。
【0107】
好ましくは、ステップiii)は、ステップii)から得られる混合物を大表面積フィルターでろ過することを含む。
【0108】
<モダフィニル形III、IV、V、VI及びVIIを含む医薬組成物>
モダフィニル形III、IV、V、VI及びVIIは、種々の医薬組成物及び剤形に製剤化できる。
【0109】
剤形及び組成物は、投与経路によって異なる。経口経路、粘膜経路(例えば眼の、鼻腔内の、肺の、腸の、胃の、直腸の、膣の又は尿管の経路)あるいは非経口経路(例え皮下の、皮内の、筋肉の、静脈内の又は腹腔内の経路)を含むいかなる投与経路も考えられる。
【0110】
ここで所望の医薬組成物は、最も好ましくは経口投与であり、好ましくは、ここで述べた特許及び出願に記載の、錠剤、カプセル、粉末、丸薬、液体/懸濁液もしくはゲル/懸濁液又はエマルション、凍結乾燥物及び他の全ての異なった剤形などの医薬形態(ドラッグ・デリバリー・システム)での経口投与であり、より好ましくは錠剤、カプセル及び、液体/懸濁液もしくはゲル/懸濁液の剤形での経口投与である。投与媒体は、多相を安定化し得る、1以上の薬学的に許容される担体(例えば、多相の油中懸濁液)を含んでもよい。
【0111】
本発明の医薬組成物は、場合により、モダフィニル形III、IV、V、VI及びVIIを、互いに又は1以上の薬学的に許容される賦形剤と混合して含む。
好適な賦形剤は、特に、経口投与に関しては、ラクトース、スクロース、マンニトール又はソルビトールを含む糖類等の充填剤;例えばトウモロコシでんぷん、小麦でんぷん、米でんぷん、馬鈴薯でんぷん、ゼラチン、ガム・トラガカンス、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウム・カルボキシメチルセルロース、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)等のセルロース調製物である。
好適な結合剤は、例えばポピドン、コポピドン、デキストラン、デキストリン、シクロデキストリン及びヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン等の誘導体である。
アスパルテーム、サッカリン、ナトリウム・シクラメート等の甘味料も、香料剤と同様に添加できる。
好適な界面活性剤及び乳化剤は、特にポリソルベート20、60、80、スクロエステル(7−11−15)、ポロキサマー188、407、PEG300、400、ソルビタン・ステアレートである。
ミグリオール810、812、グリセリド及びプロピレングリコールの誘導体等の溶解剤も添加できる。
必要ならば、交差結合ポリビニルピロリドン、交差カルメロース・ナトリウム、アルギン酸、ナトリウム・アルギン酸等のこれらの塩などの崩壊剤を加えてもよい。マグネシウム・ステアレート、ロイシン、マグネシウム・ステアリルフマレート、ベヘン酸及びそれらの誘導体などの潤滑剤を添加できる。
【0112】
本発明の医薬組成物はまた、形I及び/又は他の活性もしくは不活性成分を含む他のモダフィニル結晶形を、1以上のモダフィニル形III、IV、V、VI及びVIIと混合して含有してもよい。
【0113】
ここで用いる「薬学的に許容される担体」とは、いずれか及び全ての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗生物質剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤等を含む。医薬活性物質にための当該媒体及び薬剤の使用は、当該分野ではよく知られている。慣用的な媒体又は薬剤が活性成分と相容れない範囲を除いて、これらは、治療組成物中に使用できると考えられる。補助的な活性成分もまた当該組成物中に添加することができる。
【0114】
担体は、体内での溶解性、吸収、風味、色又は媒体の構成又は内容を助ける薬剤を含む。表皮性パッチ等による局所投与又は薬物の直接注射による投与もまた好ましい。
【0115】
剤形ユニットは、好ましくは約5〜約800mg、より好ましくは約25〜約400mg、更に好ましくは約50〜約300mg、最も好ましくは約50〜200mgのモダフィニルを含有する。
【0116】
投与に用いられるモダフィニル多相の用量は、種々のパラメーターの一機能、特に、使用する投与方法の、関連病状の、使用する多相形の、あるいは所望の治療期間の一機能として利用することができる。
【0117】
ここで記載した結晶性モダフィニル形IVは、形Iに代わって、適当な医薬組成物に製剤化することができる。かかる医薬組成物を用いると、より低用量で等価な治療効果が得られるすなわち、例えば、心身に潜在的に有害な要因となる相互作用又は厄介な薬物どうしの相互作用等のモダフィニル−モノオキシゲナーゼ(cytP450)相互作用を減じることによって、モダフィニルの利益/危険の割合を向上させることができる。
【0118】
好ましくは、モダフィニル形IVを含む組成物は、同じ目的のために一般的に用いられる形Iの濃度に比べて、約5〜約50%、より好ましくは約10〜約30%、更に好ましくは約15〜約25%、最も好ましくは約20%低い用量濃度に特徴がある。
【0119】
またここで証明したように、モダフィニル形Vを含む組成物は、モダフィニルの覚醒促進活性の遅延を誘起する。よって、モダフィニルラセミ体である形Iをモダフィニルラセミ体である形Vに代えることにより、モダフィニルの(ナルコレプシー患者又は他の治療上の兆候に見られる睡眠過剰の症状に対する)治療効果の遅延を減じる。ここで述べた結晶性モダフィニル形Vは、形Iに代わって、ここで述べた適当な医薬組成物に製剤化することができる。効果の遅延を減ずる当該モダフィニル形の使用は、全ての病状において興味が持たれ、正常な不眠症レベル(特に過剰睡眠エピソードが社会的又は職業的生活に間現れる場合のナルコレプシー患者、倦怠症候群、交替制の仕事、時差ぼけ等)を急速に元に戻すために重要である。
【0120】
<使用方法>
モダフィニル形III、IV、V、VI及びVIIは、
−睡眠障害:
−重度の疼痛を緩和するためにモルヒネ鎮痛薬を投与された癌患者の特発性睡眠過剰及び睡眠過剰を含む睡眠過剰、
−睡眠時無呼吸、病気に関連する過剰睡眠、閉塞型睡眠時無呼吸症候群
−ナルコレプシー等の眠気、過剰眠気、ナルコレプシーに関連する過剰眠気;
−パーキンソン病等の中枢神経障害;
−虚血からの脳組織保護;
−注意障害:
−スタイナー病に関連する不眠症を含む不眠症、
−注意障害、例えば注意欠陥過活動性障害(ADHA)に関連する;
−倦怠及び疲労、特に多硬化症及び他の神経変性障害に関連する障害;
−弱太陽光(日没)に関連する憂鬱、憂鬱気分;
−精神分裂症、
−交替制の仕事、時差ぼけを含む時間的ずれ;
−モダフィニルが食欲増進薬として作用する食欲増進薬;
−刺激認識機能として作用する食事行動障害;並びに
−低用量での認識機能の刺激
を含む種々の疾患及び症状の治療に有用である。
【0121】
再吸収率が全体的に改善されたため、モダフィニル形IVは、例えば、肝臓のモノオキシゲナーゼ(cytP450)と相互作用するモダフィニル量を減じることによって、薬物の利益/危険の割合を向上させるために特に有用である。
【0122】
従って、本発明は、モダフィニルの投与に反応する周知の疾患又は症状に苦しむ患者を含むヒトを、モダフィニル形Iの有効量、言い換えれば、当該疾患又は症状の治療のために一般的に使用されているモダフィニル形Iの量をよりも、約5〜約50%、好ましくは約10〜約30%、より好ましくは約15〜約25%、最も好ましくは約20%低いモダフィニル形IVの有効量を当該ヒトに投与することにより、を提供する。モダフィニル形Iの有効量よりも、約5〜約50%、好ましくは約10〜約30%、より好ましくは約15〜約25%、最も好ましくは約20%低いモダフィニル形IVの有効量を当該ヒトに投与することにより治療するための方法を提供する。
【0123】
好ましくは、当該方法は、200〜300mgの範囲である従来の1日量の代わりに、150〜250mgの範囲のモダフィニル形IVの1日量で、成人を治療することを含む。より好ましくは、モダフィニルIVの1日量は、体重1kg当たり2.3〜3.9mgである(約65kgの平均体重に基いて標準化)。例えば、上記の疾患及び症状に苦しむ患者の治療のためには、形IVの最も適切な1日量は、体重1kg当たり2.5〜3.5mgがすることができる。
【0124】
モダフィニルVは、形Iを用いて得られる応答よりも速い応答が求められる場合に、モダフィニルの治療効果のために必要とされる期間を相当短縮することにより、刺激覚醒症状及び認識機能の刺激の治療に特に推奨される。
【0125】
従って、本発明は、モダフィニル形Vの有効量を前記ヒトに投与することにより、投与後短い時間でヒトの覚醒を向上させる方法を提供する。好ましくは、形Vは、経口投与後2.2〜2.5時間で直ちに、より好ましくは1〜1.5時間で直ちに効果を示した。これは、形Iと比べて初期作用の短縮化を意味し、更に重要なことには、初期応答に必要とされる時間を50%削減することを意味する。
【0126】
本発明はまた、モダフィニル形Vの有効量を前記ヒトに投与することにより、ヒトの血中の治療有効濃度をより迅速に得るための方法を提供する。結局、形Vの投与は、モダフィニル認可に有害な影響を与えずに、非常に速い覚醒が必要とされるあらゆる症状に供される。好ましくは、前記有効濃度は、投与後、約1時間未満内で得られる。
【0127】
「有効量」とは、重度の疼痛を緩和するためにモルヒネ鎮痛薬を投与された癌患者の特発性睡眠過剰及び睡眠過剰を含む睡眠過剰、睡眠時無呼吸、病気に関連する過剰睡眠、閉塞型睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー等の睡眠障害;眠気、過剰眠気、ナルコレプシーに関連する過剰眠気;パーキンソン病等の中枢神経障害;虚血からの脳組織保護;スタイナー病に関連する不眠症を含む不眠症、例えば過敏(注意欠陥過活動性障害)に関連する注意障害;倦怠及び疲労、特に多硬化症及び他の神経変性障害に関連する障害;弱太陽光(日没)に関連する憂鬱、憂鬱気分;精神分裂症、交替制の仕事、時差ぼけを含む時間的ずれ;並びに、モダフィニルが食欲増進薬として作用する食事行動障害を含む疾患及び症状を減少又は除去することができる量である。
【0128】
「治療有効濃度」とは、重度の疼痛を緩和するためにモルヒネ鎮痛薬を投与された癌患者の特発性睡眠過剰及び睡眠過剰を含む睡眠過剰、睡眠時無呼吸、病気に関連する過剰睡眠、閉塞型睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー等の睡眠障害;眠気、過剰眠気、ナルコレプシーに関連する過剰眠気;パーキンソン病等の中枢神経障害;虚血からの脳組織保護;スタイナー病に関連する不眠症を含む不眠症、例えば過敏(注意欠陥過活動性障害)に関連する注意障害;倦怠及び疲労、特に多硬化症及び他の神経変性障害に関連する障害;弱太陽光(日没)に関連する憂鬱、憂鬱気分;精神分裂症、交替制の仕事、時差ぼけを含む時間的ずれ;並びに、モダフィニルが食欲増進薬として作用する食事行動障害を含む疾患及び症状に苦しむヒトの効果的かつ適切な治療のため、患者を含むヒトの血中に存在する必要のあるモダフィニルの濃度として理解される。
【0129】
本願で挙げた特許及び特許出願を含む全ての参考文献は、参考としてここに示した。
【実施例】
【0130】
モダフィニル溶媒和物及び溶媒和物固溶体の調製
実施例1:アセトニトリル溶媒和物の調製
40gのモダフィニル形Iを、沸点まで加熱した2.5Lのアセトニトリルに加えた。当該混合物を完全に溶解するまで攪拌した。混合物を室温までゆっくり冷却し、主として室温で約1時間、攪拌せずに放置した。室温で緩やかな濃縮の後に生成した単結晶を、ろ過によって単離した。単離した固体は、粉末X線回折パターンによってアセトニトリル溶媒和物と同定した。収率:90%。
実施例2:クロロホルム溶媒和物固溶体の調製
20gのモダフィニルを、沸点まで加熱した2.5Lのクロロホルムに加えた。当該混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで0.5時間攪拌した。混合物を攪拌せずに、24時間、室温までゆっくり冷却した。室温で緩やかな濃縮の後に生成した単結晶を、ろ過によって単離した。単離した固体は、粉末X線回折パターンによってモノクロロホルム溶媒和物固溶体と同定した。収率:90%。
【0131】
実施例3:テトラヒドロフラン(THF)溶媒和物固溶体の調製
40gのモダフィニルを、沸点まで加熱した2.5LのTHFに加えた。当該混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで0.5時間攪拌した。混合物を攪拌せずに、24時間、室温までゆっくり冷却した。室温で緩やかな濃縮の後に生成した単結晶を、ろ過によって単離した。単離した固体は、粉末X線回折パターンによってモノテトラヒドロフラン溶媒和物固溶体と同定した。収率:90%。
【0132】
実施例4:ジオキサン固溶体の調製
20gのモダフィニルを、沸点まで加熱した2.5Lのジオキサンに加えた。当該混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで0.5時間攪拌した。混合物を攪拌せずに、24時間、室温までゆっくり冷却した。室温で緩やかな濃縮の後に生成した単結晶をろ過によって単離した。単離した固体は、粉末X線回折パターンによってモノジオキサン溶媒和物固溶体と同定した。収率:92%。
【0133】
実施例5:クロロホルム−THFモダフィニル溶媒和物固溶体
リフラックスコンデンサー、温度計及び攪拌器を付けた三口丸底フラスコ中で、200mLのTHF及び200mLのクロロホルムの混合物中にモダフィニル(3g)を懸濁した。当該混合物を沸点まで加熱し、モダフィニル溶解が完了するまで10分間攪拌した。得られた混合物を攪拌せずに、24時間、室温まで冷却した。モダフィニルのクロロホルム−THF溶媒和物固溶体は、粉末X線回折パターンによって同定した。収率:90%。
【0134】
実施例6:クロロホルム−ジオキサンモダフィニル溶媒和物固溶体
リフラックスコンデンサー、温度計及び攪拌器を付けた三口丸底フラスコ中で、200mLのジオキサン及び200mLのクロロホルムの混合物中にモダフィニル(3g)を懸濁した。当該混合物を沸点まで加熱し、モダフィニル溶解が完了するまで10分間攪拌した。得られた混合物を攪拌せずに、24時間、室温まで冷却した。モダフィニルのクロロホルム−ジオキサン溶媒和物固溶体は、粉末X線回折パターンによって同定した。収率:90%。
【0135】
CRL40476形I(CRL404076−[f I])の調製
実施例7〜9:結晶化法によるモダフィニル形Iの調製
実施例7
10gのモダフィニルを、沸点まで加熱した77mLのメタノールに加えた当該混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで、65℃で0.5時間攪拌した。混合物を攪拌しながら24時間、−10℃までゆっくり冷却した(−0.1℃/分)。反応混合物をろ過し、次いで単離した固体を乾燥し、モダフィニル形Iを90%の収率で得た。形Iは、粉末X線回折パターンによって同定した。
【0136】
実施例8
1gのモダフィニルを、沸点まで加熱した10mLのジメチルホルムアミドに加えた。当該混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで、30分間攪拌した。混合物を攪拌せずに24時間、室温までゆっくり冷却した。室温で緩やかな濃縮の後に生成した単結晶をろ過によって単離した。単離した固体は、粉末X線回折パターンによって形Iと同定した。収率:100%。
【0137】
実施例9
1gのモダフィニルを、沸点まで加熱した50mLの2−メトキシエタノールに加えた。混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで、120℃で30分間攪拌した。当該溶液を攪拌しながら24時間、−10℃までゆっくり冷却した(−0.1℃/分)。反応混合物をろ過し、次いで単離した固体を乾燥し、モダフィニル形Iを93%の収率で得た。形Iは、粉末X線回折パターンによって同定した。
【0138】
実施例10〜11:溶媒和形成法によるモダフィニル形Iの調製
実施例10
実施例2の方法で調製したモダフィニルのクロロホルム溶媒和物1gを、3日間20mlのクロロホルム中で懸濁することにより、CRL40476形Iに変換することができた。粉末X線回折パターンにより、得られた原料が結晶性のモダフィニル形Iであることを確認した。収率:88%。
【0139】
実施例11
実施例3の方法で調製したモダフィニルのTHF溶媒和物1gを、3日間20mlのアセトン中で懸濁することにより、CRL40476形Iに変換することができた。粉末X線回折パターンにより、得られた原料が結晶性のモダフィニル形Iであることを確認した。収率:87%。
【0140】
CRL40476形III(CRL404076−[f III])の調製
実施例12〜15:溶媒和形成法によるモダフィニル形IIIの調製
実施例12
実施例4の方法で調製したモダフィニルジオキサン溶媒和物固溶体10gを110℃で2時間加熱した。当該固体をX線回折計によりモダフィニル形IIIと同定した。反応の総収率は100%であった。粉末X線回折パターンにより、当該最終生成物が結晶性のCRL40476形IIIであることを確認した。
【0141】
実施例13
実施例2の方法で調製したモダフィニルクロロホルム溶媒和物固溶体10gを130℃で12時間加熱した。当該固体を粉末X線回折パターンによりモダフィニル形IIIと同定した。反応の収率は100%であった。
【0142】
実施例14
実施例3の方法で調製したモダフィニルTHF溶媒和物固溶体10gを130℃で12時間加熱した。当該固体を粉末X線回折パターンによりモダフィニル形IIIと同定した。反応の収率は100%であった。
【0143】
実施例15
実施例1の方法で調製したモダフィニルアセトニトリル溶媒和物固溶体10gを130℃で12時間加熱した。当該固体を粉末X線回折パターンによりモダフィニル形IIIと同定した。反応の収率は100%であった。
【0144】
実施例16〜19:結晶化法によるモダフィニル形IIIの調製
実施例16
97gのモダフィニルを、沸点まで加熱した759mLのメタノールに加えた。混合物を、1℃で1分間、600mLの水を加えることによって沈殿させた。当該反応混合物をろ過し、次いで単離した固体を乾燥し、粉末X線回折パターンによって確認した、0.34m2/mg(BET法)の特定の表面積を有するCRL40476形IIIを得た。収率:92%。
【0145】
実施例17
30gのモダフィニルを、沸点まで加熱した1.8Lのアセトニトリルに加えた。混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで、81℃で30分間攪拌した。当該溶液を攪拌しながら、5℃までゆっくり冷却した(−10℃/分)。反応混合物をろ過し、次いで単離した固体を乾燥し、粉末X線回折パターンによって確認した、0.99m2/mg(BET法)の特定の表面積を有するCRL40476形IIIを得た。収率:89.5%。
【0146】
実施例18
30gのモダフィニルを、沸点まで加熱した1.8Lのテトラヒドロフランに加えた。混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで、65℃で30分間攪拌した。当該溶液を攪拌しながら、5℃までゆっくり冷却した(−10℃/分)。反応混合物をろ過し、次いで単離した固体を乾燥し、粉末X線回折パターンによって確認した、0.99m2/mg(BET法)の特定の表面積を有するCRL40476形IIIを収率84.5%で得た。
【0147】
実施例19
30gのモダフィニルを、沸点まで加熱した1.8Lのクロロホルムに加えた。混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで、61℃で30分間攪拌した。当該溶液を攪拌しながら、5℃までゆっくり冷却した(−10℃/分)。反応混合物をろ過し、次いで単離した固体を乾燥し、粉末X線回折パターンによって確認した、0.99m2/mg(BET法)の特定の表面積を有するCRL40476形IIIを収率82%で得た。
【0148】
実施例20:多相転移法によるモダフィニル形IIIの調製
形V又は形VIを約110℃まで緩やかに加熱し、次いでゆっくり冷却して、モダフィニル形IIIに変換した。いずれの場合にも、形IIIは粉末X線回折パターンによって確認した。
【0149】
CRL40476形IV(CRL404076−[f IV])の調製
実施例21〜23:溶媒和形成法によるモダフィニル形IVの調製
実施例21
実施例3の方法によって調製したモダフィニルのTHF溶媒和物10gを1月間、風乾して脱溶媒和した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形IVと同定した。反応収率は95%であった。
【0150】
実施例22
実施例2の方法によって調製したモダフィニルのクロロホルム溶媒和物10gを1月間、風乾して脱溶媒和した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形IVと同定した。反応収率は94%であった。
【0151】
実施例23
実施例4の方法によって調製したモダフィニルのジオキサン溶媒和物10gを1月間、風乾して脱溶媒和した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形IVと同定した。反応収率は93%であった。
【0152】
実施例24:結晶法によるモダフィニル形IVの調製
25.1gのモダフィニルを、900mLのメタノールに加え、モダフィニルの溶解が完了するまで、沸点まで加熱した。当該反応混合物に、2000mLの水を攪拌せずに1℃にて10分間で加えた。反応混合物をろ過し、次いで単離した固体を乾燥し、粉末X線回折パターンによって確認した、CRL40476形IIIを収率92%で得た。
【0153】
実施例25〜29:溶媒和物形成法によるモダフィニル形Vの調製
実施例25
実施例3の方法によって調製したモダフィニルのTHF溶媒和物100mgを60℃で5時間加熱した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形Vと同定した。反応の総収率は100%であった。
【0154】
実施例26
実施例2の方法によって調製したモダフィニルのクロロホルム溶媒和物100gを、真空下(22mgHg)、90℃で1時間、又は真空下(0.05mgHg)、80℃で1時間加熱した。いずれの場合にも、当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形Vと同定した。反応の総収率は100%であった。
【0155】
実施例27
実施例2の方法によって調製したモダフィニルのジオキサン溶媒和物100gを、真空下(22mgHg)、90℃で1時間加熱した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形Vと同定した。反応の総収率は100%であった。
【0156】
実施例28
実施例5の方法によって調製したモダフィニルのTHF−クロロホルム溶媒和物100mgを70℃で5時間加熱した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形Vと同定した。反応の総収率は100%であった。
【0157】
実施例29
実施例6の方法によって調製したモダフィニルのジオキサン−クロロホルム溶媒和物100mgを70℃で5時間加熱した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形Vと同定した。反応の総収率は100%であった。
【0158】
CRL40476形VI(CRL404076−[f VI])の調製
実施例30:溶媒和形成法によるモダフィニル形VIの調製
実施例1の方法によって調製したモダフィニルのアセトニトリル溶媒和物40gを、約20℃で6時間、22mgHgの減圧下で乾燥した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形VIと同定した。反応の総収率は100%であった。
【0159】
CRL40476形VII(CRL404076−[f VII])の調製
実施例31:結晶化法によるモダフィニル形VIIの結晶化
0.5gのモダフィニルを20mLのアセトンに沸点まで加熱することにより溶解した。微細な不溶性粒子を除くために、当該透明な溶液を3番のグラスフィルター上でろ過し、同量の冷水に注いだ。室温で12時間放置後(攪拌せずに)、細かい平板状物が自然に現れた、これをろ過によって集めた。集塊でも溶媒和物でもないこの得られた相を、粉末X線回折パターンによってモダフィニル形VIIと同定した。
【0160】
薬物動力学的研究
実施例32と33の材料及び方法
比較バイオアベイアラビリティの研究を、新規なモダフィニルの多相形IV及び形Vの薬物動力学的プロファイルを測定するために犬で実験した。当該研究は、相形IV及び形Vの血漿濃度を対照である形Iと比較することを目的とした。6匹のオスのビーグル犬を(3×3)ラテン方格法に従って3群にランダムに分けた。各群に、形IV、形V又は対照である形でIの30mg/kg体重用量を1回、経口投与した。2回連続投与は、プロトコールデザイン報告の表1に従い、1週間のウオッシュ・アウト期間を設けて分けて行った。
【0161】
【表19】
【0162】
犬を投与前一晩絶食にし、投与4時間後に食事を与えた。血液試料を、投与前(投与の1時間以内)及び0.5、1.1.5、2、2.5、3、4、5.5、7、9、24時間の各投与後に、静脈穿刺により採集した。血液試料をヘパリン添加試験管に集め、直ちに3000rpmで遠心した。次いで、血漿を除き、分析するまで凍結(−20℃)保存した。モダフィニルの血漿濃度は、Moachon G.et al.,(J.Chromatog.B 1994;654:91)の方法に従い、有効な高圧液体クロマトグラフィーによって測定した。薬物動力学的パラメーターは、noncompartimental分析を使って決定した。
【0163】
実施例32:結果:CRL40476形IVのバイオアベイラビリティプロファイル
形IV対形Iの比較の結果は、全身性露光(Cmax及びAUC0-24h)が、両者について犬に等価な用量(すなわち、用量は、経口ルートによる30mg/kg)を投与した場合、モダフィニル形Iの投与後よりもモダフィニル多相形IVの投与後のほうが著しく高い、ことを示している。形IVについて、非変換のモダフィニルの血漿濃度(作用部位に到達する薬物量を意味する)は、表2に報告したように、対照である形Iの血漿濃度よりも高かった。
【0164】
【表20】
【0165】
対照形(CRL40476形I)と比べると、新規な結晶形IVは、より優れた再吸収とより高いバイオアベイラビリティを有する。モダフィニルを含む多くの医薬に関して、犬で実施される相当のバイオアベイラビリティ研究が、患者に(体重又は体表面積に)釣り合うように移しながら、薬物動力学的プロファイル(すなわち、AUCでの相違)をヒトに変換するための高い関連性のあるモデルである、ことはよく知られている。
【0166】
結果として、モダフィニル形IVは、有利に、モダフィニル形Iに代わることができ、(例えば、ナルコレプシー患者の睡眠過剰症状又は他の治療上の兆候に対する)モダフィニルの治療効果の開始を遅らせたり、あるいは変更したりすることなく、モダフィニルの経口吸収程度を増加させることができる。
【0167】
ここで記載したモダフィニルの結晶形IVは、形Iに換わって適当な医薬組成物に製剤化してもよい。かかる医薬組成物(経口ルート)を用いれば、等価な治療効果がより低用量で達成でき、その結果、例えば、心身に潜在的に有害な要因となる相互作用又は厄介な薬物どうしの相互作用等のモダフィニル−チトクロームp450相互作用を減じることにより、モダフィニルの利益/危険の割合を増加させることができる。
【0168】
実施例33:CRL40476形Vのバイオアベイラビリティプロファイル
実施例32の結果は、形IVに関する同じ研究デザインから得た(上記実施例31に言及)。
対照形(CRL40476形I)と比べると、新規結晶形Vは、吸収/再吸収速度が速いことに特徴がある。等用量を投与した場合(すなわち、用量は、経口ルートによって犬に投与される30mg/kg)、非変換モダニフィルについては、表3に示す対照である形Iによって誘起される血漿濃度よりも高い血漿濃度が、より速く得られた。
【0169】
【表21】
【0170】
モダフィニルの等経口用量を投与した場合、本研究で形Vについて得られたTmax値は、対照である形Iで得られたTmaxよりも、著しく短かった(事実、濃度Cmaxに到達するのに必要な時間を50%減少)。加えて、投与後0〜2.5時間では、形Vに関する平均濃度値は、対応する形Iの平均濃度値よりもかなり高く、このことは、経口再吸収が、形Vの投与による場合にはもっと速く起こることを示唆している。最高血漿濃度は、形Vの投与では、等用量の形Iの投与の場合よりも速く達し得る。モダフィニルを含む多くの医薬について、犬で実施される比較バイオアベイラビルティ研究が、患者に(体重又は体表面積に)釣り合うように移しながら、薬物動力学的プロファイル(すなわち、AUCでの相違)をヒトに変換するための高い関連性のあるモデルである、ことはよく知られている。
【0171】
その結果、モダフィニルラセミ化合物Iをモダフィニルラセミ化合物Vに代えることにより、モダフィニルの(例えばナルコレプシー患者の睡眠過剰症状又は他の治療的兆候に対する)治療効果の遅れが減少した。表3に示したデータによれば、形Vは、対照である形Iについて知られている値の約50%に匹敵する平均Tmax値が特徴である。従って、形Vを含む治療によって達せられる初期の治療応答時間も50%ほど減少し、すなわち2.2〜2.5時間になった(形Iでは4.0〜4.5時間)。
【0172】
ここで記載したモダフィニルの結晶形IVは、形Iに換わって適当な医薬組成物に製剤化してもよい。効果の遅延を減ずる当該モダフィニル形の使用は、全ての病状に興味を持たせ、正常な不眠症レベル(特に過剰睡眠エピソードが社会的又は職業的生活に間現れる場合のナルコレプシー患者、倦怠症候群、交替制の仕事、時差ぼけ等)を急速に元に戻すために重要である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、モダフィニル(modafinil)多形相、その製造方法、医薬組成物及びモダフィニル多形相を含む治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
式(I)のモダフィニル(C15H15NO2S)、2−(ベンズヒドリルスルフィニル)アセトアミド又は2−[(ジフェニルメチル)スルフィニル]アセトアミドは、覚醒促進活性を有する合成アセトアミド誘導体であり、その構造は、米国特許第4,177,290号(「290特許」)に記載されており、そのラセミ化合物は、米国食品医薬品局によってナルコレプシーの治療に使用できることが判明している。
【0003】
【化1】
【0004】
ラセミ混合物の製造方法は、上記290特許に記載されている。左旋性異性体の製造方法は、更に米国特許第4,927,855号に記載されている(いずれもここに参考として示した)。
【0005】
モダフィニルは、マウスに興味深い神経精神薬理活性を有する化合物として記載されている(米国特許第4,177,290号)。モダフィニルはまた、サルの夜間活動(night activiy)の増大を著しく誘起する(Y.Duteil et al.,Eur.J.Pharmacol.,1990;180:49)。モダフィニルは、特発性の睡眠過剰及びナルコレプシーの治療のために、ヒトで首尾よく試験されてきた(Bastuji et al.,Prog.Neuropsych.Biol.Psych.,1988;12:695)。
【0006】
モダフィニルは、中枢神経系の活性の薬剤として、パーキンソン病の治療(米国特許第5,180,745号)、虚血からの脳組織の保護(米国特許第5,391,576号)、尿失禁及び便失禁の治療(米国特許第5,401,776号)及び睡眠時無呼吸及び中枢起源の障害の治療(米国特許第5,612,379号)に有用な薬剤として記載されている。
【0007】
米国特許再出願第37,516号は、かなりの割合で大きな粒子を含有する調製物よりも、より効果的で安全である約200ミクロンよりも小さい規定粒径のモダフィニルの調製物について記載している。
【0008】
加えて、ラセミ化合物としてのモダフィニルに関する特許、米国第4,927,855号は、憂鬱及びアルツハイマー病に苦しむ患者に存在する障害を治療するために、左旋性異性体の使用を開示している。
【0009】
モダフィニルラセミ化合物に関する他の治療処方は、ごく最近の特許出願に開示されている。例えば、国際出願の国際公開第00/54648号パンフレットは、スタイナー病の不眠症障害の治療に関し、国際出願の国際公開第99/25329号パンフレットは、モルヒネ鎮痛薬を投与されている癌患者の睡眠過剰の治療に関する。他の周知な治療処方は、注意不足過敏(注意欠陥過活動性障害)の治療、倦怠及び/又は疲労、特に多硬化症に関連する倦怠及び/又は疲労の治療(国際出願の国際公開第01/12170号パンフレット)、並びにモダフィニルが食欲増進薬として活性がある食事行動障害の治療(国際出願の国際公開第01/13906号パンフレット)を含む。国際出願の国際公開第01/13906号パンフレットもまた、高用量での改善は見られず、認識機能を刺激するために、低用量のモダフィニル(1〜75mg/日)の使用を示唆している。
【発明の概要】
【0010】
国際出願の国際公開第02/10125号パンフレットは、多相モダフィニル及びその製造方法を開示している。
【0011】
本発明は、CRL40476形III(CRL40476-[f III])、CRL40476形IV(CRL40476-[f IV])、CRL40476形V(CRL40476-[f V])、CRL40476形VI(CRL40476-[f VI])及びCRL40476形VII(CRL40476-[f VII])(形III、IV、V、VI及びVIIとも略される)と呼ばれる、モダフィニルラセミ化合物の5種の新規な多相形、並びにモダフィニル溶媒和物を提供する。形I(CRL40476-[f I])の主な物理的、薬学的、生理的及び生物学的な相違を示した。
【0012】
従って、本発明はまた、当該形及び新規なモダフィニル溶媒和物、すなわちアセトニトリル溶媒和物の製造方法を提供する。更に、本発明はまた、他の新規なモダフィニル種のモダフィニル溶媒和物固溶体を記載する。
【0013】
本発明はまた、当該形を含む医薬組成物を提供する。特に、形IVを含む組成物及び形Vを含む組成物を提供する。
【0014】
本発明はまた、モダフィニルが有用な疾患及び症状の治療方法を提供する。特に、当該新規な方法は、上記の特定の特許及び出願に記載の治療処方と同様な治療処方であり、参考としてここに示した。
【0015】
本発明はまた、新規な形及び組成物の製造のための方法を提供する。
【0016】
モダフィニル形IVを含む組成物は、形Iを用いて等価な治療効果を得るために一般的に使用される濃度よりも低い用量濃度で、モダフィニルを含むことができる。よって、モダフィニル形IVは、(例えばナルコレプシー患者又は他の治療上の兆候に見られる睡眠過剰の症状に対する)モダフィニルの初期治療効果を遅延又は変更することなく、有利にモダフィニル形Iに代わって、モダフィニル形Iの経口バイオアベイラビルティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、CRL40476形Iの粉末X線回折パターンを表す。
【図2】図2は、CRL40476形IIIの粉末X線回折パターンを表す。
【図3】図3は、CRL40476形IVの粉末X線回折パターンを表す。
【図4】図4は、CRL40476形Vの粉末X線回折パターンを表す。
【図5】図5は、CRL40476形VIの粉末X線回折パターンを表す。
【図6】図6は、モダフィニルのアセトニトリル溶媒和物の粉末X線回折パターンを表す。
【図7】図7は、モダフィニルのクロロホルム溶媒和物固溶体の粉末X線回折パターンを表す。
【図8】図8は、モダフィニルのテトラヒドロフラン溶媒和物固溶体の粉末X線回折パターンを表す。
【図9】図9は、モダフィニルのジオキサン溶媒和物固溶体の粉末X線回折パターンを表す。
【図10】図10は、モダフィニルのクロロホルム−テトラヒドロフラン溶媒和物固溶体の粉末X線回折パターンを表す。
【図11】図11は、モダフィニルのクロロホルム−ジオキサン溶媒和物固溶体の粉末X線回折パターンを表す。
【図12】図12は、形VI(CRL40476−[f VI])の60℃における完全な吸収及び脱吸収等温線(タイプVI)を表す。
【図13】図13は、CRL40476形VIIの粉末X線回折パターンを表す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
物理化学的条件(例えば、結晶化溶媒、温度、濃度、ろ過法等)を変化させながら、結晶化によって出発医薬物質の製造及び処理を改善するべく実験的研究を探求してきたところ、本発明者は、現在、CRL40476形III(CRL40476-[f III])、CRL40476形IV(CRL40476-[f IV])、CRL40476形V(CRL40476-[f V])、CRL40476形VI(CRL40476-[f VI])及びCRL40476形VII(CRL40476-[f VII])(形III、IV、V、VI及びVIIとも略される)と呼ばれる、モダフィニルラセミ化合物の5種の新規な多相形を発見した。
【0019】
本発明者は、更に、「290特許」に記載された方法によって調製されるモダフィニルが、ここでは、「CRL40476形I」(又はCRL40476−[f I])言われる多相の形で製造されることを、発見した。CRL40476形Iは、dが平面間隔を、I/I0が相対強度を表す、以下の粉末X線回折パターン(図1)を有する。
【0020】
【表1】
【0021】
モダフィニル形IIと呼ばれる不安定な多相も特定した。
本発明者は、更に、当該多相が、形Iとは著しく異なった物理的、薬学的、生理学的又は生物学的性質を示すことを意外にも示した。
【0022】
モダフィニルの新規な結晶形類は、当該結晶形に独特であって、アモルホスのモダフィニルやモダフィニルの他の全ての結晶形とは区別できるフィンガープリントを形成する粉末X線回折パターンにそれぞれ特徴がある。
【0023】
X線回折データは、粉末X線回折メーターとして、λが1.540Åのニッケルをフルター処理した銅照射機能(40KVの加速装置の速度、40mAのチューブ電流)と、測定中の試料のスピン回転(角度:3〜40°(2θ);0.04°の速度(2θ).s-1、0.04°のステップサイズ;優越方位での試料調製)機能を備えた、D5005システムを使用して測定した(Siemens,AG,Karlsruhe,Germany,data method Eva5.0)。強度は、試料の調製、設置方法及び装置のバリエーションによって変化することが理解できよう。2θの測定は、装置のバリエーションによって影響され、その結果、ピークの帰属は、プラスナイナスで0.04°変化する。そのため、当業者であれば、d間隔が回折パターンの本質を構成していることを理解できよう。d間隔は、ブラッグの関係式[2dsinθ=nλ、ここで、dはd間隔(Å)、λは銅照射波長、θは結晶の回転角度(°)を示す] を満たす場合に、当該関係式を使って計算される。
【0024】
異なったモダフィニル多相形の特定の表面積は、窒素吸収等温線を記録し、Brunauer,Emett and Teller(B.E.T)計算法を使って測定した(Coulter TM SA 3100 TM Analyser)。
【0025】
<新規モダフィニル多相形>
モダフィニル形III(CRL40476−[f III])
本発明はまた、CRL40476形IIIを提供する(図2)。
CRL40476形IIIは、dが平面間隔を、I/I0が相対強度を表す、粉末X線回折パターンを与える。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
9.87、6.25、5.09.4.93、4.36及び4.21(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。これらの内で、9.87、6.25、5.09.4.93及び4.36(Å)の平面d間隔は最も特徴的である。モダフィニル形IIIは、159℃の融解分解温度を有する。
【0029】
モダフィニル形IV(CRL40476−[f IV])
本発明はまた、CRL40476形IVを提供する(図3)。
CRL40476形IVは、dが平面間隔を、I/I0が相対強度を表す、以下の粉末X線回折パターンを与える。
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
13.1、6.57及び3.95(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。これらの内で、13.1及び3.95(Å)の平面d間隔は最も特徴的である。モダフィニル形IVは、当該多相に特徴的な161℃の融解分解温度を有する。
【0033】
モダフィニル形IV(CRL40476−[f V])
本発明はまた、CRL40476形Vを提供する(図4)。
CRL40476形Vは、dが平面間隔を、I/I0が相対強度を表す、以下の粉末X線回折パターンを与える。
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】
8.44、5.68、5.29、4.64、4.56、3.87及び3.80(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。これらの内で、8.44、5.29、4.64、3.87及び3.80(Å)の平面d間隔は最も特徴的である。モダフィニル形Vは、159℃の融解分解温度を有する。
【0037】
モダフィニル形IV(CRL40476−[f VI])
本発明はまた、CRL40476形Vを提供する(図5)。
CRL40476形VIは、dが平面間隔を、I/I0が相対強度を表す、以下の粉末X線回折パターンを与える。
【0038】
【表8】
【0039】
12.1、8.47、4.98、4.23及び4.03(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。これらの内で、12.1、8.47、4.98及び4.03(Å)の平面d間隔は最も特徴的である。モダフィニル形VIは、159℃の融解分解温度を有する。
【0040】
モダフィニル形IV(CRL40476−[f VII])
本発明はまた、CRL40476形Vを提供する(図13)。
CRL40476形VIIは、dが平面間隔を、I/I0が相対強度を表す、以下の粉末X線回折パターンを与える。
【0041】
【表9】
【0042】
12.7、8.42、6.45、4.23及び3.91(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。これらの内で、12.7、6.45及び3.91(Å)の平面d間隔は最も特徴的である。モダフィニル形VIIは、158℃の融解分解温度を有する。
【0043】
<新規なモダフィニル溶媒和物>
4種のモダフィニル多相形の発見に加えて、本発明はまた、モダフィニルのアセトニトリル溶媒和物を提供する。本発明はまた、一般式:
モダフィニル−[(テトラヒドロフラン)x−(クロロホルム)y−(ジオキサン)z]
[式中、x、y及びzは、
【数1】
で定義される。]
に相当するモダフィニル溶媒和物固溶体を提供する。
【0044】
熱力学的観点から、当該固溶体は、x、y及びzの値に関らず単一相を構成する。モダフィニルの固溶体は、モダフィニル溶媒和物固溶体と言われる。
【0045】
「溶媒物」とは、溶質分子及び溶媒分子の両方を含む独自の結晶格子を有する組織的構造を意味する。本発明の溶媒和物は、1モダフィニル分子につき約1溶媒分子の決まった割合を有する正確な溶媒和物である。本発明の溶媒和物は、特に次の反応の中間体として、異なったモダフィニル多相の調製のための中間体として、更に特に、直接結晶化によって、特に高収率では容易に得られない形、すなわち形V及びVIを得るために、特に有用である。
【0046】
下記表は、新規モダフィニル溶媒和物の粉末X線回折パターンを表す。アセトニトリルモダフィニル溶媒和物(図6)は、dが平面間隔をI/I0が相対強度を表す、次の粉末X線回折パターンを与える。
【0047】
【表10】
【0048】
【表11】
【0049】
13.3、8.62、4.42、4.37及び3.95(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。
【0050】
クロロホルムのモダフィニル溶媒和物固溶体(yは1)(図7)は、dが平面間隔をI/I0が相対強度を表す、次の粉末X線回折パターンを与える。
【0051】
【表12】
【0052】
6.27、4.92、4.44、4.29、4.18、3.96及び3.484(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。
【0053】
テトラヒドロフランのモダフィニル溶媒和物固溶体(xは1)(図8)は、dが平面間隔をI/I0が相対強度を表す、次の粉末X線回折パターンを与える。
【0054】
【表13】
【0055】
【表14】
【0056】
13.2、8.66、6.33、4.31及び3.95(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。
【0057】
ジオキサンのモダフィニル溶媒和物固溶体(zは1)(図9)は、dが平面間隔をI/I0が相対強度を表す、次の粉末X線回折パターンを与える。
【0058】
【表15】
【0059】
8.03、5.69、4.50、4.02及び3.54(Å)の平面d間隔は、とりわけ特徴的である。
【0060】
x、y及びzの中間値を有するモダフィニル溶媒和物固溶体に関し、X線回折パターンの平面間隔及び相対強度はいずれも、上記の極限状況、すなわち、xが1、yが1又はzが1の間で変化してもよい。バリエーションの例を以下に示す。クロロホルム−テトラヒドロフランモダフィニル溶媒和物固溶体[xとyとの和が1で、かつ1/1(v/v)のクロロホルム−テトラヒドロフラン溶液から調製される](図10)は、dが平面間隔をI/I0が相対強度を表す、次の粉末X線回折パターンを与える。
【0061】
【表16】
【0062】
クロロホルム−ジオキサンモダフィニル溶媒和物固溶体[yとzとの和が1で、かつ1/1(v/v)のクロロホルム−ジオキサン溶液から調製される](図11)は、dが平面間隔をI/I0が相対強度を表す、次の粉末X線回折パターンを与える。
【0063】
【表17】
【0064】
【表18】
【0065】
<CRL40476形I、III、IV、V、VI及びVIIの調製方法>
本発明はまた、CRL40476形I、III、IV、V、VI及びVIIの効率的な調製方法を提供する。
【0066】
溶媒和物形成によるモダフィニル多相III、IV、V、VI及びVIIの調製方法
本発明の第一の方法では、モダフィニル多相形は、次のステップ:
i)モダフィニル溶媒和物固溶体でもあり得るモダフィニル溶媒和物を調製すること、及び
ii)当該モダフィニル溶媒和物を脱溶媒和して、特定の多相形を得ること
を含む一般的な方法に従って、高純度で調製できる。
【0067】
「脱溶媒和する」及び「脱溶媒和」とは、溶媒和物を多相に変換するために、ほとんど又は全ての溶媒分子、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、最も好ましくは99%以上の溶媒分子溶媒和物をから除去することを意味する。
【0068】
モダフィニル溶媒和物の調製
モダフィニル溶媒和物は、
i)アセトニトリル、テトラヒドロフラン、クロロホルム及びジオキサン、又はこれらの混合物からなる群より好ましく選ばれる溶媒中に、いかなる物性種でもよいモダフィニルを溶解すること;及び
ii)当該溶液からモダフィニル溶媒和物を結晶化すること;
によって調製してもよい。
【0069】
当該溶液の温度は、選ばれる溶媒又は溶媒混合物の常圧下で、好ましくは室温から110℃、より好ましくは沸点温度である。好ましくは、調製物を溶解が完了するまで攪拌する。
【0070】
モダフィニル溶媒和物は、冷却又は表面冷凍(chilling)、結晶種及び溶液の一部の濃縮を含む慣用的方法によって当該溶液から結晶化してもよい。好ましい具体例としては、ゆっくり冷却して、常圧下、約20℃で溶液の一部を濃縮することが挙げられる。結晶は好ましくはろ過によって分離する。
【0071】
好ましいモダフィニル溶媒和物の調製の具体例としては、
i)溶媒又は溶媒混合物を沸点温度で加熱し、次いで、モダフィニルを飽和するまで少しずつ添加すること(完全に溶解させるために追加の溶媒を加えてもよい)、及び
ii)得られた溶液を好ましくはゆっくりと室温まで冷却し、モダフィニル溶媒和物、好ましくはモダフィニル溶媒和物結晶を(通常、常圧下、室温で放置することにより)得ること
が挙げられる。
【0072】
モダフィニル溶媒和物の脱溶媒和
上記方法の脱溶媒和の条件は、モダフィニル多相形の性質を決める重要なルールである。すなわち、例えば、クロロホルム溶媒和物は、脱溶媒和の条件よれば、異なった多相形、形III及び形Vにそれぞれなり得る。一般的に、脱溶媒和としては、常圧又は減圧下で過熱することにより当該モダフィニル溶媒和物を乾燥すること、あるいは最初に減圧濾過し、次いで常圧又は減圧下で過熱することを含む。加熱温度は、圧力、所望の脱溶媒和速度及び所望の多相形により変えてもよい。脱溶媒和の条件は、ここで、各多相形III、IV、V及びVIについて更に詳述する。
【0073】
直接結晶化によるモダフィニル多相形I、III、IV及びVIIの調製方法
本発明の第二の方法は、モダフィニル多相形は、次のステップ:
i)いかなる物性種でもよいモダフィニルを溶媒、好ましいくはクロロホルム、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びメタノールに溶解すること;
ii)当該溶媒からモダフィニル多相形を結晶化すること;及び
iii)当該溶媒からモダフィニル多相形を分離すること;
を含む一般的方法に従って調製できる。
【0074】
上記方法では、選ばれた溶媒の性質及び選ばれた結晶化の条件は、いかなる多相形の調製にも使用できる。結晶化溶媒及び条件は、各多相形、すなわち当該方法に従って得られる多相形III、IV、V及びVI各々について、ここで開示する。
【0075】
好ましい具体例は、溶媒を沸騰下に過熱することによりモダフィニルを溶解し、次いでモダフィニルを飽和するまで少しずつ添加することを含む。追加の溶媒は、溶解を完全にするため加えてもよい。
【0076】
モダフィニル多相形は、冷却又は表面冷凍(chilling)、結晶種及び溶液の一部の濃縮を含む慣用的方法によって、あるいは沈殿、好ましくは水の添加によって、当該溶液から結晶化してもよい。好ましい具体例としては、標準的冷却法による当該溶液を急速に冷却することが挙げられる。別の好ましい具体例としては、水、好ましくは冷水を加えることによって結晶を沈殿させることが挙げられる。モダフィニル多相形は、ろ過及び遠心を含む慣用的方法によって単離してもよい。
【0077】
モダフィニル形Iは、熱力学的に安定な形(室温で)で確認される。形Iは、結晶化により、好ましくは常圧下、室温で得られる。モダフィニルの濃度は、溶媒和物の調製又は結晶化によるモダフィニルの直接調製に基準となる要因ではない。しかしながら、モダフィニルの濃度を各溶媒の飽和値に近づけて使用すると、特に便利である。
【0078】
多相は、特定の表面積又は特定の粒径で調製することができる。特定の表面積は、直接結晶化を経る方法における結晶化条件及び乾燥条件(特に、モダフィニル濃度、種及び冷却)、並びに溶媒和物形成を経る方法における脱溶媒和条件により変えてもよい。
【0079】
モダフィニル形I(CRL40476−[f I])の調製方法
系Iは、室温で直接結晶化を経る方法により、あるいは次のステップ:
i)溶媒、好ましくはメタノール、2−メトキシエタノール、エタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミドから選ばれる溶媒中、又はこれらの溶媒の一種と水との混合物中で、モダフィニルを溶解すること;
ii)当該溶液の一部を、好ましくは常圧下、20℃〜120℃の範囲の温度で、より好ましくは約10〜20日間の反応時間で約20℃で濃縮することにより結晶化すること、又は20℃以下、好ましくは−10℃以下で、当該溶液を一定の制御冷却することにより結晶化すること;及び
iii)当該溶媒からモダフィニル形Iを分離すること;
を含む制御冷却を用いることにより、高純度で調製できる。
【0080】
形Iは、20℃で最も安定な形であるが、これは、室温で激しく攪拌しながら、前記の種を加えるかあるいは加えないかして、メタノール、2−メトキシエタノール、エタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、又はこれらの溶媒の一種と水との混合溶媒中で、長時間のスラリーによって、多相形又は溶媒和物から調製してもよい。「長時間のスラリー」とは、平衡条件に達するのに十分な時間であると理解できる。
【0081】
モダフィニル形III(CRL40476−[f III])の調製方法
形IIIは、
i)ジオキサン、クロロホルム、テトラヒドロフラン又はこれらの混合物及びアセトニトリルから選ばれる溶媒からモダフィニル溶媒和物を調製すること;及び
ii)得られたモダフィニル溶媒和物を加熱することによって当該モダフィニル溶媒和物を脱溶媒和して、モダフィニル形IIIを得ること
を含む溶媒和物形成方法により、高純度で調製できる。
【0082】
上記方法の好ましい具体例としては、ステップii)が、好ましくは110℃〜140℃の範囲で常圧下、より好ましくは110℃で12時間、先で得られた結晶を加熱することにある。
【0083】
形IIIは、次のステップ:
i)モダフィニルをアセトニトリル、クロロホルム、テトラヒドロフラン及びメタノーからなる群より選ばれる溶媒に溶解すること;
ii)当該溶媒からモダフィニルを結晶化すること;及び
iii)当該溶媒を分離して、モダフィニル形IIIを得ること
を含む直接結晶法によって高純度で調製できる。
【0084】
当該方法の好ましい具体例は、溶媒がアセトニトリル、クロロホルム又はテトラヒドロフランである場合に、ステップii)が、前記溶液を5℃まで、急激に、通常は10℃/分の速度で冷却することを含む。
【0085】
選択された溶媒がメタノールである場合、ステップii)が、モダフィニル溶液を、急激に、通常は−0.5℃/分〜−10℃/分の範囲の温度の冷却速度で冷却すること、あるいは1〜9倍体積の水をメタノール溶液に攪拌しながら加えて、50/50〜10/90(v/v)の最終体積のメタノール/水混合物を得ることにより、モダフィニルを沈殿させることを含んでもよい。上記冷却速度は、熱力学的に安定な形Iの形成を避けるには十分に高いはずである。
【0086】
ステップii)の好ましい具体例では、1.25体積のメタノールに対して1体積の水を攪拌しながら加えて、50/50(v/v)の最終体積のメタノール/水混合物を得ることにより、モダフィニルは沈殿する。
【0087】
好ましくは、ステップiii)は、得られた結晶のろ過及び乾燥を含む。
【0088】
形IIIは、形V、形VI又は他のモダフィニル溶媒和物から、
i)モダフィニル形Vもしくは形VI又はモダフィニル溶媒和物を110℃〜130℃、好ましくは130℃の温度で加熱すること;及び
ii)変換が完了するまでの十分な時間、室温で冷却すること
により、高純度で調製してもよい。
【0089】
好ましい具体例では、モダフィニル形IIIは、0.3〜1.0m2/g、好ましくは0.5m2/gの特定の表面積を有する。
【0090】
モダフィニル形IV(CRL40476−[f IV])の調製方法
形IVは、
i)テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジオキサン及びこれらの混合物からなる群より選ばれる溶媒から、モダフィニル溶媒和物を調製すること;及び
ii)モダフィニル溶媒和物を脱溶媒和して、モダフィニル形IVを得ること
を含む溶媒和物形成方法により高純度で調製できる。
【0091】
好ましい脱溶媒和の温度は、常圧下で20℃〜30℃の範囲、より好ましく約1月間、約20℃である。当該方法の好ましい具体例は、ステップii)が約20℃で数週間以上、溶媒をゆっくり濃縮することにより、予め得られた溶媒和物を脱溶媒和することを含む。
【0092】
形IVは、次のステップ:
i)モダフィニルをメタノールに溶解すること;
ii)同じ体積の水を加えることにより、好ましくは当該タノール溶液に対して50/50〜90/10(v/v)の範囲の割合で水を加え、攪拌せずに、当該溶媒からモダフィニルを結晶化すること;及び
iii)母液を分離して、モダフィニル形IVを得ること
を含む直接結晶法によって高純度で調製できる。
【0093】
当該方法の好ましい具体例は、ステップii)が、攪拌せずに当該溶液に冷水を注ぐことを含み、かつステップiii)が、得られた混合物を大表面積フィルターでろ過し、残渣性メタノールをほとんど除き、次いで単離した固体を換気付き乾燥機で80℃で乾燥することを含む。
【0094】
好ましい具体例では、モダフィニル形IVは、0.2〜1.0m2/g、好ましくは0.7m2/gの特定の表面積で得られる。
【0095】
モダフィニル形V(CRL40476−[f V])の調製方法
形Vは、
i)テトラヒドロフラン、ジオキサン及びクロロホルムからなる群より選ばれる溶媒又はこれらの混合物から、モダフィニル溶媒和物を調製すること;及び
ii)モダフィニル溶媒和物を脱溶媒和して、モダフィニル形Vを得ること、好ましくはモダフィニル溶媒和物を適当な温度で加熱してモダフィニル形Vを得ること
を含む溶媒和物形成方法により高純度で調製できる。
【0096】
テトラヒドロフランの場合、好ましい脱溶媒和の温度は、常圧下で40℃〜70℃の範囲、より好ましくは約5時間、約60℃である。最も好ましい具体例は、真空下でろ過し、次いで結晶を40℃〜70℃の範囲まで、好ましくは約5時間、約60℃まで約5時間加熱することである。
【0097】
ジオキサンの場合、好ましい脱溶媒和の温度は、常圧下で20℃〜30℃の範囲、より好ましくは約1週間、約20℃である。最も好ましい具体例は、真空下でろ過し、次いで60℃〜90℃の範囲まで、好ましくは約5時間、約90℃まで約5時間加熱することである。
【0098】
クロロホルムの場合、好ましい脱溶媒和の温度は、常圧下で60℃〜90℃の範囲、より好ましくは約1時間、約80℃である。最も好ましい具体例は、真空下でろ過し、次いで常圧下で70℃〜100℃の範囲まで、好ましくは約5時間、約90℃で約5時間加熱することである。
【0099】
好ましい具体例では、モダフィニル形Vは、2〜14m2/g、好ましくは11m2/gの特定の表面積で得られる。
【0100】
モダフィニル形VI(CRL40476−[f VI])の調製方法
形VIもまた、
i)アセトニトリルからモダフィニル溶媒和物を調製すること;及び
ii)モダフィニル溶媒和物を脱溶媒和して、モダフィニル形VIを得ること
を含む溶媒和物形成方法により高純度で調製できる。
【0101】
好ましい脱溶媒和の温度は、10℃〜30℃の範囲であり、より好ましくは常圧下にて25℃で約3日間、又は減圧下にて約6時間である。
【0102】
好ましいい具体例では。モダフィニル形VIは、特定のBrunauer Emett Teller分類に従ってタイプVIとして分類される特定の性質を有して得られる(図12)。
【0103】
モダフィニル形VII(CRL40476−[f VII])の調製方法
形VIIは、次のステップ:
i)モダフィニル溶媒和物をアセトンに溶解すること;
ii)当該アセトン溶液に基いて、50/50〜90/10(v/v)の範囲の体積の水を攪拌せずに加えることにより、上記の溶媒から結晶化すること;及び
iii)当該溶媒を分離して、CRL40476形VIIを得ること
を含む直接結晶化により高純度で調製できる。
【0104】
上記方法の好ましい具体例では、ステップi)から得られる溶液を、微細な不溶粒子を除去するためにグラスフィルター上で続いてろ過する。
【0105】
上記方法の好ましい点では、ステップii)は、ステップi)の溶液を、場合によりろ過して、攪拌せずに冷水に注ぐことを含む。
【0106】
好ましくは、得られた混合物は、攪拌せずに室温で、すなわち約20℃で、大量のモダフィニルを結晶化させるために十分な時間、例えば約12時間放置する。
【0107】
好ましくは、ステップiii)は、ステップii)から得られる混合物を大表面積フィルターでろ過することを含む。
【0108】
<モダフィニル形III、IV、V、VI及びVIIを含む医薬組成物>
モダフィニル形III、IV、V、VI及びVIIは、種々の医薬組成物及び剤形に製剤化できる。
【0109】
剤形及び組成物は、投与経路によって異なる。経口経路、粘膜経路(例えば眼の、鼻腔内の、肺の、腸の、胃の、直腸の、膣の又は尿管の経路)あるいは非経口経路(例え皮下の、皮内の、筋肉の、静脈内の又は腹腔内の経路)を含むいかなる投与経路も考えられる。
【0110】
ここで所望の医薬組成物は、最も好ましくは経口投与であり、好ましくは、ここで述べた特許及び出願に記載の、錠剤、カプセル、粉末、丸薬、液体/懸濁液もしくはゲル/懸濁液又はエマルション、凍結乾燥物及び他の全ての異なった剤形などの医薬形態(ドラッグ・デリバリー・システム)での経口投与であり、より好ましくは錠剤、カプセル及び、液体/懸濁液もしくはゲル/懸濁液の剤形での経口投与である。投与媒体は、多相を安定化し得る、1以上の薬学的に許容される担体(例えば、多相の油中懸濁液)を含んでもよい。
【0111】
本発明の医薬組成物は、場合により、モダフィニル形III、IV、V、VI及びVIIを、互いに又は1以上の薬学的に許容される賦形剤と混合して含む。
好適な賦形剤は、特に、経口投与に関しては、ラクトース、スクロース、マンニトール又はソルビトールを含む糖類等の充填剤;例えばトウモロコシでんぷん、小麦でんぷん、米でんぷん、馬鈴薯でんぷん、ゼラチン、ガム・トラガカンス、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウム・カルボキシメチルセルロース、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)等のセルロース調製物である。
好適な結合剤は、例えばポピドン、コポピドン、デキストラン、デキストリン、シクロデキストリン及びヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン等の誘導体である。
アスパルテーム、サッカリン、ナトリウム・シクラメート等の甘味料も、香料剤と同様に添加できる。
好適な界面活性剤及び乳化剤は、特にポリソルベート20、60、80、スクロエステル(7−11−15)、ポロキサマー188、407、PEG300、400、ソルビタン・ステアレートである。
ミグリオール810、812、グリセリド及びプロピレングリコールの誘導体等の溶解剤も添加できる。
必要ならば、交差結合ポリビニルピロリドン、交差カルメロース・ナトリウム、アルギン酸、ナトリウム・アルギン酸等のこれらの塩などの崩壊剤を加えてもよい。マグネシウム・ステアレート、ロイシン、マグネシウム・ステアリルフマレート、ベヘン酸及びそれらの誘導体などの潤滑剤を添加できる。
【0112】
本発明の医薬組成物はまた、形I及び/又は他の活性もしくは不活性成分を含む他のモダフィニル結晶形を、1以上のモダフィニル形III、IV、V、VI及びVIIと混合して含有してもよい。
【0113】
ここで用いる「薬学的に許容される担体」とは、いずれか及び全ての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗生物質剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤等を含む。医薬活性物質にための当該媒体及び薬剤の使用は、当該分野ではよく知られている。慣用的な媒体又は薬剤が活性成分と相容れない範囲を除いて、これらは、治療組成物中に使用できると考えられる。補助的な活性成分もまた当該組成物中に添加することができる。
【0114】
担体は、体内での溶解性、吸収、風味、色又は媒体の構成又は内容を助ける薬剤を含む。表皮性パッチ等による局所投与又は薬物の直接注射による投与もまた好ましい。
【0115】
剤形ユニットは、好ましくは約5〜約800mg、より好ましくは約25〜約400mg、更に好ましくは約50〜約300mg、最も好ましくは約50〜200mgのモダフィニルを含有する。
【0116】
投与に用いられるモダフィニル多相の用量は、種々のパラメーターの一機能、特に、使用する投与方法の、関連病状の、使用する多相形の、あるいは所望の治療期間の一機能として利用することができる。
【0117】
ここで記載した結晶性モダフィニル形IVは、形Iに代わって、適当な医薬組成物に製剤化することができる。かかる医薬組成物を用いると、より低用量で等価な治療効果が得られるすなわち、例えば、心身に潜在的に有害な要因となる相互作用又は厄介な薬物どうしの相互作用等のモダフィニル−モノオキシゲナーゼ(cytP450)相互作用を減じることによって、モダフィニルの利益/危険の割合を向上させることができる。
【0118】
好ましくは、モダフィニル形IVを含む組成物は、同じ目的のために一般的に用いられる形Iの濃度に比べて、約5〜約50%、より好ましくは約10〜約30%、更に好ましくは約15〜約25%、最も好ましくは約20%低い用量濃度に特徴がある。
【0119】
またここで証明したように、モダフィニル形Vを含む組成物は、モダフィニルの覚醒促進活性の遅延を誘起する。よって、モダフィニルラセミ体である形Iをモダフィニルラセミ体である形Vに代えることにより、モダフィニルの(ナルコレプシー患者又は他の治療上の兆候に見られる睡眠過剰の症状に対する)治療効果の遅延を減じる。ここで述べた結晶性モダフィニル形Vは、形Iに代わって、ここで述べた適当な医薬組成物に製剤化することができる。効果の遅延を減ずる当該モダフィニル形の使用は、全ての病状において興味が持たれ、正常な不眠症レベル(特に過剰睡眠エピソードが社会的又は職業的生活に間現れる場合のナルコレプシー患者、倦怠症候群、交替制の仕事、時差ぼけ等)を急速に元に戻すために重要である。
【0120】
<使用方法>
モダフィニル形III、IV、V、VI及びVIIは、
−睡眠障害:
−重度の疼痛を緩和するためにモルヒネ鎮痛薬を投与された癌患者の特発性睡眠過剰及び睡眠過剰を含む睡眠過剰、
−睡眠時無呼吸、病気に関連する過剰睡眠、閉塞型睡眠時無呼吸症候群
−ナルコレプシー等の眠気、過剰眠気、ナルコレプシーに関連する過剰眠気;
−パーキンソン病等の中枢神経障害;
−虚血からの脳組織保護;
−注意障害:
−スタイナー病に関連する不眠症を含む不眠症、
−注意障害、例えば注意欠陥過活動性障害(ADHA)に関連する;
−倦怠及び疲労、特に多硬化症及び他の神経変性障害に関連する障害;
−弱太陽光(日没)に関連する憂鬱、憂鬱気分;
−精神分裂症、
−交替制の仕事、時差ぼけを含む時間的ずれ;
−モダフィニルが食欲増進薬として作用する食欲増進薬;
−刺激認識機能として作用する食事行動障害;並びに
−低用量での認識機能の刺激
を含む種々の疾患及び症状の治療に有用である。
【0121】
再吸収率が全体的に改善されたため、モダフィニル形IVは、例えば、肝臓のモノオキシゲナーゼ(cytP450)と相互作用するモダフィニル量を減じることによって、薬物の利益/危険の割合を向上させるために特に有用である。
【0122】
従って、本発明は、モダフィニルの投与に反応する周知の疾患又は症状に苦しむ患者を含むヒトを、モダフィニル形Iの有効量、言い換えれば、当該疾患又は症状の治療のために一般的に使用されているモダフィニル形Iの量をよりも、約5〜約50%、好ましくは約10〜約30%、より好ましくは約15〜約25%、最も好ましくは約20%低いモダフィニル形IVの有効量を当該ヒトに投与することにより、を提供する。モダフィニル形Iの有効量よりも、約5〜約50%、好ましくは約10〜約30%、より好ましくは約15〜約25%、最も好ましくは約20%低いモダフィニル形IVの有効量を当該ヒトに投与することにより治療するための方法を提供する。
【0123】
好ましくは、当該方法は、200〜300mgの範囲である従来の1日量の代わりに、150〜250mgの範囲のモダフィニル形IVの1日量で、成人を治療することを含む。より好ましくは、モダフィニルIVの1日量は、体重1kg当たり2.3〜3.9mgである(約65kgの平均体重に基いて標準化)。例えば、上記の疾患及び症状に苦しむ患者の治療のためには、形IVの最も適切な1日量は、体重1kg当たり2.5〜3.5mgがすることができる。
【0124】
モダフィニルVは、形Iを用いて得られる応答よりも速い応答が求められる場合に、モダフィニルの治療効果のために必要とされる期間を相当短縮することにより、刺激覚醒症状及び認識機能の刺激の治療に特に推奨される。
【0125】
従って、本発明は、モダフィニル形Vの有効量を前記ヒトに投与することにより、投与後短い時間でヒトの覚醒を向上させる方法を提供する。好ましくは、形Vは、経口投与後2.2〜2.5時間で直ちに、より好ましくは1〜1.5時間で直ちに効果を示した。これは、形Iと比べて初期作用の短縮化を意味し、更に重要なことには、初期応答に必要とされる時間を50%削減することを意味する。
【0126】
本発明はまた、モダフィニル形Vの有効量を前記ヒトに投与することにより、ヒトの血中の治療有効濃度をより迅速に得るための方法を提供する。結局、形Vの投与は、モダフィニル認可に有害な影響を与えずに、非常に速い覚醒が必要とされるあらゆる症状に供される。好ましくは、前記有効濃度は、投与後、約1時間未満内で得られる。
【0127】
「有効量」とは、重度の疼痛を緩和するためにモルヒネ鎮痛薬を投与された癌患者の特発性睡眠過剰及び睡眠過剰を含む睡眠過剰、睡眠時無呼吸、病気に関連する過剰睡眠、閉塞型睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー等の睡眠障害;眠気、過剰眠気、ナルコレプシーに関連する過剰眠気;パーキンソン病等の中枢神経障害;虚血からの脳組織保護;スタイナー病に関連する不眠症を含む不眠症、例えば過敏(注意欠陥過活動性障害)に関連する注意障害;倦怠及び疲労、特に多硬化症及び他の神経変性障害に関連する障害;弱太陽光(日没)に関連する憂鬱、憂鬱気分;精神分裂症、交替制の仕事、時差ぼけを含む時間的ずれ;並びに、モダフィニルが食欲増進薬として作用する食事行動障害を含む疾患及び症状を減少又は除去することができる量である。
【0128】
「治療有効濃度」とは、重度の疼痛を緩和するためにモルヒネ鎮痛薬を投与された癌患者の特発性睡眠過剰及び睡眠過剰を含む睡眠過剰、睡眠時無呼吸、病気に関連する過剰睡眠、閉塞型睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー等の睡眠障害;眠気、過剰眠気、ナルコレプシーに関連する過剰眠気;パーキンソン病等の中枢神経障害;虚血からの脳組織保護;スタイナー病に関連する不眠症を含む不眠症、例えば過敏(注意欠陥過活動性障害)に関連する注意障害;倦怠及び疲労、特に多硬化症及び他の神経変性障害に関連する障害;弱太陽光(日没)に関連する憂鬱、憂鬱気分;精神分裂症、交替制の仕事、時差ぼけを含む時間的ずれ;並びに、モダフィニルが食欲増進薬として作用する食事行動障害を含む疾患及び症状に苦しむヒトの効果的かつ適切な治療のため、患者を含むヒトの血中に存在する必要のあるモダフィニルの濃度として理解される。
【0129】
本願で挙げた特許及び特許出願を含む全ての参考文献は、参考としてここに示した。
【実施例】
【0130】
モダフィニル溶媒和物及び溶媒和物固溶体の調製
実施例1:アセトニトリル溶媒和物の調製
40gのモダフィニル形Iを、沸点まで加熱した2.5Lのアセトニトリルに加えた。当該混合物を完全に溶解するまで攪拌した。混合物を室温までゆっくり冷却し、主として室温で約1時間、攪拌せずに放置した。室温で緩やかな濃縮の後に生成した単結晶を、ろ過によって単離した。単離した固体は、粉末X線回折パターンによってアセトニトリル溶媒和物と同定した。収率:90%。
実施例2:クロロホルム溶媒和物固溶体の調製
20gのモダフィニルを、沸点まで加熱した2.5Lのクロロホルムに加えた。当該混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで0.5時間攪拌した。混合物を攪拌せずに、24時間、室温までゆっくり冷却した。室温で緩やかな濃縮の後に生成した単結晶を、ろ過によって単離した。単離した固体は、粉末X線回折パターンによってモノクロロホルム溶媒和物固溶体と同定した。収率:90%。
【0131】
実施例3:テトラヒドロフラン(THF)溶媒和物固溶体の調製
40gのモダフィニルを、沸点まで加熱した2.5LのTHFに加えた。当該混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで0.5時間攪拌した。混合物を攪拌せずに、24時間、室温までゆっくり冷却した。室温で緩やかな濃縮の後に生成した単結晶を、ろ過によって単離した。単離した固体は、粉末X線回折パターンによってモノテトラヒドロフラン溶媒和物固溶体と同定した。収率:90%。
【0132】
実施例4:ジオキサン固溶体の調製
20gのモダフィニルを、沸点まで加熱した2.5Lのジオキサンに加えた。当該混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで0.5時間攪拌した。混合物を攪拌せずに、24時間、室温までゆっくり冷却した。室温で緩やかな濃縮の後に生成した単結晶をろ過によって単離した。単離した固体は、粉末X線回折パターンによってモノジオキサン溶媒和物固溶体と同定した。収率:92%。
【0133】
実施例5:クロロホルム−THFモダフィニル溶媒和物固溶体
リフラックスコンデンサー、温度計及び攪拌器を付けた三口丸底フラスコ中で、200mLのTHF及び200mLのクロロホルムの混合物中にモダフィニル(3g)を懸濁した。当該混合物を沸点まで加熱し、モダフィニル溶解が完了するまで10分間攪拌した。得られた混合物を攪拌せずに、24時間、室温まで冷却した。モダフィニルのクロロホルム−THF溶媒和物固溶体は、粉末X線回折パターンによって同定した。収率:90%。
【0134】
実施例6:クロロホルム−ジオキサンモダフィニル溶媒和物固溶体
リフラックスコンデンサー、温度計及び攪拌器を付けた三口丸底フラスコ中で、200mLのジオキサン及び200mLのクロロホルムの混合物中にモダフィニル(3g)を懸濁した。当該混合物を沸点まで加熱し、モダフィニル溶解が完了するまで10分間攪拌した。得られた混合物を攪拌せずに、24時間、室温まで冷却した。モダフィニルのクロロホルム−ジオキサン溶媒和物固溶体は、粉末X線回折パターンによって同定した。収率:90%。
【0135】
CRL40476形I(CRL404076−[f I])の調製
実施例7〜9:結晶化法によるモダフィニル形Iの調製
実施例7
10gのモダフィニルを、沸点まで加熱した77mLのメタノールに加えた当該混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで、65℃で0.5時間攪拌した。混合物を攪拌しながら24時間、−10℃までゆっくり冷却した(−0.1℃/分)。反応混合物をろ過し、次いで単離した固体を乾燥し、モダフィニル形Iを90%の収率で得た。形Iは、粉末X線回折パターンによって同定した。
【0136】
実施例8
1gのモダフィニルを、沸点まで加熱した10mLのジメチルホルムアミドに加えた。当該混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで、30分間攪拌した。混合物を攪拌せずに24時間、室温までゆっくり冷却した。室温で緩やかな濃縮の後に生成した単結晶をろ過によって単離した。単離した固体は、粉末X線回折パターンによって形Iと同定した。収率:100%。
【0137】
実施例9
1gのモダフィニルを、沸点まで加熱した50mLの2−メトキシエタノールに加えた。混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで、120℃で30分間攪拌した。当該溶液を攪拌しながら24時間、−10℃までゆっくり冷却した(−0.1℃/分)。反応混合物をろ過し、次いで単離した固体を乾燥し、モダフィニル形Iを93%の収率で得た。形Iは、粉末X線回折パターンによって同定した。
【0138】
実施例10〜11:溶媒和形成法によるモダフィニル形Iの調製
実施例10
実施例2の方法で調製したモダフィニルのクロロホルム溶媒和物1gを、3日間20mlのクロロホルム中で懸濁することにより、CRL40476形Iに変換することができた。粉末X線回折パターンにより、得られた原料が結晶性のモダフィニル形Iであることを確認した。収率:88%。
【0139】
実施例11
実施例3の方法で調製したモダフィニルのTHF溶媒和物1gを、3日間20mlのアセトン中で懸濁することにより、CRL40476形Iに変換することができた。粉末X線回折パターンにより、得られた原料が結晶性のモダフィニル形Iであることを確認した。収率:87%。
【0140】
CRL40476形III(CRL404076−[f III])の調製
実施例12〜15:溶媒和形成法によるモダフィニル形IIIの調製
実施例12
実施例4の方法で調製したモダフィニルジオキサン溶媒和物固溶体10gを110℃で2時間加熱した。当該固体をX線回折計によりモダフィニル形IIIと同定した。反応の総収率は100%であった。粉末X線回折パターンにより、当該最終生成物が結晶性のCRL40476形IIIであることを確認した。
【0141】
実施例13
実施例2の方法で調製したモダフィニルクロロホルム溶媒和物固溶体10gを130℃で12時間加熱した。当該固体を粉末X線回折パターンによりモダフィニル形IIIと同定した。反応の収率は100%であった。
【0142】
実施例14
実施例3の方法で調製したモダフィニルTHF溶媒和物固溶体10gを130℃で12時間加熱した。当該固体を粉末X線回折パターンによりモダフィニル形IIIと同定した。反応の収率は100%であった。
【0143】
実施例15
実施例1の方法で調製したモダフィニルアセトニトリル溶媒和物固溶体10gを130℃で12時間加熱した。当該固体を粉末X線回折パターンによりモダフィニル形IIIと同定した。反応の収率は100%であった。
【0144】
実施例16〜19:結晶化法によるモダフィニル形IIIの調製
実施例16
97gのモダフィニルを、沸点まで加熱した759mLのメタノールに加えた。混合物を、1℃で1分間、600mLの水を加えることによって沈殿させた。当該反応混合物をろ過し、次いで単離した固体を乾燥し、粉末X線回折パターンによって確認した、0.34m2/mg(BET法)の特定の表面積を有するCRL40476形IIIを得た。収率:92%。
【0145】
実施例17
30gのモダフィニルを、沸点まで加熱した1.8Lのアセトニトリルに加えた。混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで、81℃で30分間攪拌した。当該溶液を攪拌しながら、5℃までゆっくり冷却した(−10℃/分)。反応混合物をろ過し、次いで単離した固体を乾燥し、粉末X線回折パターンによって確認した、0.99m2/mg(BET法)の特定の表面積を有するCRL40476形IIIを得た。収率:89.5%。
【0146】
実施例18
30gのモダフィニルを、沸点まで加熱した1.8Lのテトラヒドロフランに加えた。混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで、65℃で30分間攪拌した。当該溶液を攪拌しながら、5℃までゆっくり冷却した(−10℃/分)。反応混合物をろ過し、次いで単離した固体を乾燥し、粉末X線回折パターンによって確認した、0.99m2/mg(BET法)の特定の表面積を有するCRL40476形IIIを収率84.5%で得た。
【0147】
実施例19
30gのモダフィニルを、沸点まで加熱した1.8Lのクロロホルムに加えた。混合物を、モダフィニル溶解が完了するまで、61℃で30分間攪拌した。当該溶液を攪拌しながら、5℃までゆっくり冷却した(−10℃/分)。反応混合物をろ過し、次いで単離した固体を乾燥し、粉末X線回折パターンによって確認した、0.99m2/mg(BET法)の特定の表面積を有するCRL40476形IIIを収率82%で得た。
【0148】
実施例20:多相転移法によるモダフィニル形IIIの調製
形V又は形VIを約110℃まで緩やかに加熱し、次いでゆっくり冷却して、モダフィニル形IIIに変換した。いずれの場合にも、形IIIは粉末X線回折パターンによって確認した。
【0149】
CRL40476形IV(CRL404076−[f IV])の調製
実施例21〜23:溶媒和形成法によるモダフィニル形IVの調製
実施例21
実施例3の方法によって調製したモダフィニルのTHF溶媒和物10gを1月間、風乾して脱溶媒和した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形IVと同定した。反応収率は95%であった。
【0150】
実施例22
実施例2の方法によって調製したモダフィニルのクロロホルム溶媒和物10gを1月間、風乾して脱溶媒和した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形IVと同定した。反応収率は94%であった。
【0151】
実施例23
実施例4の方法によって調製したモダフィニルのジオキサン溶媒和物10gを1月間、風乾して脱溶媒和した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形IVと同定した。反応収率は93%であった。
【0152】
実施例24:結晶法によるモダフィニル形IVの調製
25.1gのモダフィニルを、900mLのメタノールに加え、モダフィニルの溶解が完了するまで、沸点まで加熱した。当該反応混合物に、2000mLの水を攪拌せずに1℃にて10分間で加えた。反応混合物をろ過し、次いで単離した固体を乾燥し、粉末X線回折パターンによって確認した、CRL40476形IIIを収率92%で得た。
【0153】
実施例25〜29:溶媒和物形成法によるモダフィニル形Vの調製
実施例25
実施例3の方法によって調製したモダフィニルのTHF溶媒和物100mgを60℃で5時間加熱した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形Vと同定した。反応の総収率は100%であった。
【0154】
実施例26
実施例2の方法によって調製したモダフィニルのクロロホルム溶媒和物100gを、真空下(22mgHg)、90℃で1時間、又は真空下(0.05mgHg)、80℃で1時間加熱した。いずれの場合にも、当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形Vと同定した。反応の総収率は100%であった。
【0155】
実施例27
実施例2の方法によって調製したモダフィニルのジオキサン溶媒和物100gを、真空下(22mgHg)、90℃で1時間加熱した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形Vと同定した。反応の総収率は100%であった。
【0156】
実施例28
実施例5の方法によって調製したモダフィニルのTHF−クロロホルム溶媒和物100mgを70℃で5時間加熱した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形Vと同定した。反応の総収率は100%であった。
【0157】
実施例29
実施例6の方法によって調製したモダフィニルのジオキサン−クロロホルム溶媒和物100mgを70℃で5時間加熱した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形Vと同定した。反応の総収率は100%であった。
【0158】
CRL40476形VI(CRL404076−[f VI])の調製
実施例30:溶媒和形成法によるモダフィニル形VIの調製
実施例1の方法によって調製したモダフィニルのアセトニトリル溶媒和物40gを、約20℃で6時間、22mgHgの減圧下で乾燥した。当該固体を粉末X線回折パターンによって、モダフィニル形VIと同定した。反応の総収率は100%であった。
【0159】
CRL40476形VII(CRL404076−[f VII])の調製
実施例31:結晶化法によるモダフィニル形VIIの結晶化
0.5gのモダフィニルを20mLのアセトンに沸点まで加熱することにより溶解した。微細な不溶性粒子を除くために、当該透明な溶液を3番のグラスフィルター上でろ過し、同量の冷水に注いだ。室温で12時間放置後(攪拌せずに)、細かい平板状物が自然に現れた、これをろ過によって集めた。集塊でも溶媒和物でもないこの得られた相を、粉末X線回折パターンによってモダフィニル形VIIと同定した。
【0160】
薬物動力学的研究
実施例32と33の材料及び方法
比較バイオアベイアラビリティの研究を、新規なモダフィニルの多相形IV及び形Vの薬物動力学的プロファイルを測定するために犬で実験した。当該研究は、相形IV及び形Vの血漿濃度を対照である形Iと比較することを目的とした。6匹のオスのビーグル犬を(3×3)ラテン方格法に従って3群にランダムに分けた。各群に、形IV、形V又は対照である形でIの30mg/kg体重用量を1回、経口投与した。2回連続投与は、プロトコールデザイン報告の表1に従い、1週間のウオッシュ・アウト期間を設けて分けて行った。
【0161】
【表19】
【0162】
犬を投与前一晩絶食にし、投与4時間後に食事を与えた。血液試料を、投与前(投与の1時間以内)及び0.5、1.1.5、2、2.5、3、4、5.5、7、9、24時間の各投与後に、静脈穿刺により採集した。血液試料をヘパリン添加試験管に集め、直ちに3000rpmで遠心した。次いで、血漿を除き、分析するまで凍結(−20℃)保存した。モダフィニルの血漿濃度は、Moachon G.et al.,(J.Chromatog.B 1994;654:91)の方法に従い、有効な高圧液体クロマトグラフィーによって測定した。薬物動力学的パラメーターは、noncompartimental分析を使って決定した。
【0163】
実施例32:結果:CRL40476形IVのバイオアベイラビリティプロファイル
形IV対形Iの比較の結果は、全身性露光(Cmax及びAUC0-24h)が、両者について犬に等価な用量(すなわち、用量は、経口ルートによる30mg/kg)を投与した場合、モダフィニル形Iの投与後よりもモダフィニル多相形IVの投与後のほうが著しく高い、ことを示している。形IVについて、非変換のモダフィニルの血漿濃度(作用部位に到達する薬物量を意味する)は、表2に報告したように、対照である形Iの血漿濃度よりも高かった。
【0164】
【表20】
【0165】
対照形(CRL40476形I)と比べると、新規な結晶形IVは、より優れた再吸収とより高いバイオアベイラビリティを有する。モダフィニルを含む多くの医薬に関して、犬で実施される相当のバイオアベイラビリティ研究が、患者に(体重又は体表面積に)釣り合うように移しながら、薬物動力学的プロファイル(すなわち、AUCでの相違)をヒトに変換するための高い関連性のあるモデルである、ことはよく知られている。
【0166】
結果として、モダフィニル形IVは、有利に、モダフィニル形Iに代わることができ、(例えば、ナルコレプシー患者の睡眠過剰症状又は他の治療上の兆候に対する)モダフィニルの治療効果の開始を遅らせたり、あるいは変更したりすることなく、モダフィニルの経口吸収程度を増加させることができる。
【0167】
ここで記載したモダフィニルの結晶形IVは、形Iに換わって適当な医薬組成物に製剤化してもよい。かかる医薬組成物(経口ルート)を用いれば、等価な治療効果がより低用量で達成でき、その結果、例えば、心身に潜在的に有害な要因となる相互作用又は厄介な薬物どうしの相互作用等のモダフィニル−チトクロームp450相互作用を減じることにより、モダフィニルの利益/危険の割合を増加させることができる。
【0168】
実施例33:CRL40476形Vのバイオアベイラビリティプロファイル
実施例32の結果は、形IVに関する同じ研究デザインから得た(上記実施例31に言及)。
対照形(CRL40476形I)と比べると、新規結晶形Vは、吸収/再吸収速度が速いことに特徴がある。等用量を投与した場合(すなわち、用量は、経口ルートによって犬に投与される30mg/kg)、非変換モダニフィルについては、表3に示す対照である形Iによって誘起される血漿濃度よりも高い血漿濃度が、より速く得られた。
【0169】
【表21】
【0170】
モダフィニルの等経口用量を投与した場合、本研究で形Vについて得られたTmax値は、対照である形Iで得られたTmaxよりも、著しく短かった(事実、濃度Cmaxに到達するのに必要な時間を50%減少)。加えて、投与後0〜2.5時間では、形Vに関する平均濃度値は、対応する形Iの平均濃度値よりもかなり高く、このことは、経口再吸収が、形Vの投与による場合にはもっと速く起こることを示唆している。最高血漿濃度は、形Vの投与では、等用量の形Iの投与の場合よりも速く達し得る。モダフィニルを含む多くの医薬について、犬で実施される比較バイオアベイラビルティ研究が、患者に(体重又は体表面積に)釣り合うように移しながら、薬物動力学的プロファイル(すなわち、AUCでの相違)をヒトに変換するための高い関連性のあるモデルである、ことはよく知られている。
【0171】
その結果、モダフィニルラセミ化合物Iをモダフィニルラセミ化合物Vに代えることにより、モダフィニルの(例えばナルコレプシー患者の睡眠過剰症状又は他の治療的兆候に対する)治療効果の遅れが減少した。表3に示したデータによれば、形Vは、対照である形Iについて知られている値の約50%に匹敵する平均Tmax値が特徴である。従って、形Vを含む治療によって達せられる初期の治療応答時間も50%ほど減少し、すなわち2.2〜2.5時間になった(形Iでは4.0〜4.5時間)。
【0172】
ここで記載したモダフィニルの結晶形IVは、形Iに換わって適当な医薬組成物に製剤化してもよい。効果の遅延を減ずる当該モダフィニル形の使用は、全ての病状に興味を持たせ、正常な不眠症レベル(特に過剰睡眠エピソードが社会的又は職業的生活に間現れる場合のナルコレプシー患者、倦怠症候群、交替制の仕事、時差ぼけ等)を急速に元に戻すために重要である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジオキサン及びこれらの混合物からなる群より選ばれる溶媒からモダフィニル溶媒和物を調製すること;及び
ii)当該得られたモダフィニル溶媒和物を脱溶媒和して、CRL40476形IVを得ること
を含む、溶媒和形成により、高純度のモダフィニルCRL40476形IVを製造する方法。
【請求項2】
前記モダフィニル溶媒和物の調製が、
i)テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジオキサン及びこれらの混合物からなる群より選ばれる溶媒にいずれかの物性種のモダフィニルを溶解し;及び
ii)当該溶媒からモダフィニル溶媒和物を結晶化すること
を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
i)モダフィニルをメタノールに溶解すること、
ii)50/50(v/v)〜90/10(v/v)の範囲で水を当該メタノール溶液に攪拌せずに加えることにより、当該溶媒からモダフィニルを結晶化すること;及び
iii)当該溶媒を分離して、CRL40476形IVを得ること
を含む、直接的結晶法により、高純度のモダフィニルCRL40476形IVを製造するための方法。
【請求項4】
薬学的に許容される担体と共に、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法によって得られたモダフィニル結晶多形を含む医薬組成物。
【請求項5】
錠剤、カプセル、粉末、丸薬、凍結乾燥物、液体懸濁液又はゲル懸濁液、及びエマルションから選ばれる、請求項4記載の医薬組成物。
【請求項6】
錠剤、カプセル、凍結乾燥物、液体懸濁液又はゲル懸濁液である、請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
重度の疼痛を緩和するためにモルヒネ鎮痛薬を投与された癌患者の特発性睡眠過剰及び睡眠過剰を含む睡眠過剰、睡眠時無呼吸、病気に関連する過剰睡眠、閉塞型睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー;眠気、過剰眠気、ナルコレプシーに関連する過剰眠気;中枢神経障害;虚血からの脳組織保護;スタイナー病に関連する不眠症を含む不眠症;倦怠及び疲労、及び他の神経変性障害に関連する障害;弱太陽光(日没)に関連する憂鬱、憂鬱気分;精神分裂症、交替制の仕事、時差ぼけを含む時間的ずれ;並びに、モダフィニルが食欲増進薬として作用する食事行動障害、を含む疾患及び症状の治療薬の製造のための、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法によって得られたモダフィニルCRL40476形IVの有効量の使用であって、
該モダフィニルCRL40476形IVは、低用量で、食欲増進薬、認識機能の刺激として作用する、使用。
【請求項8】
ヒトにおいてモダフィニルに応答することが知られている疾患又は症状を治療するための医薬を製造するための請求項1〜3のいずれか1項記載の方法によって得られたモダフィニルCRL40476形IVの使用であって、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも5%〜50%低い用量で投与される、使用。
【請求項9】
CRL40476形IVの前記用量が、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも10%〜30%低い、請求項8記載の使用。
【請求項10】
CRL40476形IVの前記用量が、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも15%〜25%低い、請求項9記載の使用。
【請求項11】
CRL40476形IVの前記用量が、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも20%低い、請求項10記載の使用。
【請求項12】
重度の疼痛を緩和するためにモルヒネ鎮痛薬を投与された癌患者の特発性睡眠過剰及び睡眠過剰を含む睡眠過剰、睡眠時無呼吸、病気に関連する過剰睡眠、閉塞型睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー;眠気、過剰眠気、ナルコレプシーに関連する過剰眠気;中枢神経障害;虚血からの脳組織保護;スタイナー病に関連する不眠症を含む不眠症;倦怠及び疲労、及び他の神経変性障害に関連する障害;弱太陽光(日没)に関連する憂鬱、憂鬱気分;精神分裂症、交替制の仕事、時差ぼけを含む時間的ずれ;並びに、モダフィニルが食欲増進薬として作用する食事行動障害、を含む疾患及び症状の治療のための、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法によって得られたモダフィニルCRL40476形IVであって、
低用量で、食欲増進薬、認識機能の刺激として作用する、CRL40476形IV。
【請求項13】
ヒトにおいてモダフィニルに応答することが知られている疾患又は症状を治療するための、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法によって得られたモダフィニルCRL40476形IVであって、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも5%〜50%低い用量で投与される、CRL40476形IV。
【請求項14】
CRL40476形IVの前記用量が、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも10%〜30%低い、請求項13記載のCRL40476形IV。
【請求項15】
CRL40476形IVの前記用量が、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも15%〜25%低い、請求項13記載のCRL40476形IV。
【請求項16】
CRL40476形IVの前記用量が、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも20%低い、請求項13記載のCRL40476形IV。
【請求項1】
i)テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジオキサン及びこれらの混合物からなる群より選ばれる溶媒からモダフィニル溶媒和物を調製すること;及び
ii)当該得られたモダフィニル溶媒和物を脱溶媒和して、CRL40476形IVを得ること
を含む、溶媒和形成により、高純度のモダフィニルCRL40476形IVを製造する方法。
【請求項2】
前記モダフィニル溶媒和物の調製が、
i)テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジオキサン及びこれらの混合物からなる群より選ばれる溶媒にいずれかの物性種のモダフィニルを溶解し;及び
ii)当該溶媒からモダフィニル溶媒和物を結晶化すること
を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
i)モダフィニルをメタノールに溶解すること、
ii)50/50(v/v)〜90/10(v/v)の範囲で水を当該メタノール溶液に攪拌せずに加えることにより、当該溶媒からモダフィニルを結晶化すること;及び
iii)当該溶媒を分離して、CRL40476形IVを得ること
を含む、直接的結晶法により、高純度のモダフィニルCRL40476形IVを製造するための方法。
【請求項4】
薬学的に許容される担体と共に、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法によって得られたモダフィニル結晶多形を含む医薬組成物。
【請求項5】
錠剤、カプセル、粉末、丸薬、凍結乾燥物、液体懸濁液又はゲル懸濁液、及びエマルションから選ばれる、請求項4記載の医薬組成物。
【請求項6】
錠剤、カプセル、凍結乾燥物、液体懸濁液又はゲル懸濁液である、請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
重度の疼痛を緩和するためにモルヒネ鎮痛薬を投与された癌患者の特発性睡眠過剰及び睡眠過剰を含む睡眠過剰、睡眠時無呼吸、病気に関連する過剰睡眠、閉塞型睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー;眠気、過剰眠気、ナルコレプシーに関連する過剰眠気;中枢神経障害;虚血からの脳組織保護;スタイナー病に関連する不眠症を含む不眠症;倦怠及び疲労、及び他の神経変性障害に関連する障害;弱太陽光(日没)に関連する憂鬱、憂鬱気分;精神分裂症、交替制の仕事、時差ぼけを含む時間的ずれ;並びに、モダフィニルが食欲増進薬として作用する食事行動障害、を含む疾患及び症状の治療薬の製造のための、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法によって得られたモダフィニルCRL40476形IVの有効量の使用であって、
該モダフィニルCRL40476形IVは、低用量で、食欲増進薬、認識機能の刺激として作用する、使用。
【請求項8】
ヒトにおいてモダフィニルに応答することが知られている疾患又は症状を治療するための医薬を製造するための請求項1〜3のいずれか1項記載の方法によって得られたモダフィニルCRL40476形IVの使用であって、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも5%〜50%低い用量で投与される、使用。
【請求項9】
CRL40476形IVの前記用量が、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも10%〜30%低い、請求項8記載の使用。
【請求項10】
CRL40476形IVの前記用量が、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも15%〜25%低い、請求項9記載の使用。
【請求項11】
CRL40476形IVの前記用量が、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも20%低い、請求項10記載の使用。
【請求項12】
重度の疼痛を緩和するためにモルヒネ鎮痛薬を投与された癌患者の特発性睡眠過剰及び睡眠過剰を含む睡眠過剰、睡眠時無呼吸、病気に関連する過剰睡眠、閉塞型睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー;眠気、過剰眠気、ナルコレプシーに関連する過剰眠気;中枢神経障害;虚血からの脳組織保護;スタイナー病に関連する不眠症を含む不眠症;倦怠及び疲労、及び他の神経変性障害に関連する障害;弱太陽光(日没)に関連する憂鬱、憂鬱気分;精神分裂症、交替制の仕事、時差ぼけを含む時間的ずれ;並びに、モダフィニルが食欲増進薬として作用する食事行動障害、を含む疾患及び症状の治療のための、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法によって得られたモダフィニルCRL40476形IVであって、
低用量で、食欲増進薬、認識機能の刺激として作用する、CRL40476形IV。
【請求項13】
ヒトにおいてモダフィニルに応答することが知られている疾患又は症状を治療するための、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法によって得られたモダフィニルCRL40476形IVであって、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも5%〜50%低い用量で投与される、CRL40476形IV。
【請求項14】
CRL40476形IVの前記用量が、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも10%〜30%低い、請求項13記載のCRL40476形IV。
【請求項15】
CRL40476形IVの前記用量が、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも15%〜25%低い、請求項13記載のCRL40476形IV。
【請求項16】
CRL40476形IVの前記用量が、前記疾患又は症状の治療に一般的に用いられるCRL40476形Iの用量よりも20%低い、請求項13記載のCRL40476形IV。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−46730(P2011−46730A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235766(P2010−235766)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【分割の表示】特願2004−527153(P2004−527153)の分割
【原出願日】平成15年8月8日(2003.8.8)
【出願人】(505048921)セファロン フランス (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【分割の表示】特願2004−527153(P2004−527153)の分割
【原出願日】平成15年8月8日(2003.8.8)
【出願人】(505048921)セファロン フランス (9)
【Fターム(参考)】
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