モデルにより強調される画像化
治療反応シミュレータは、目的物又は対象についての情報に基づいて治療される目的物又は対象の構造体のモデルを生成するモデラ202と、モデル及び治療計画に基づいて構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す予測される反応を生成する予測器204とを含んでいる。他の観点では、システムが、他の患者に対応するパラメータの候補のセットを用いて患者に関する患者の状態を決定するコンピュータでのシミュレーションを実行することと、患者の予測される状態を示す第1の信号を生成することと、患者の既知の状態に基づいてパラメータの候補のセットが患者に適しているかどうかを示す第2の信号を生成することとを含んでいる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下は、広義には画像化に関し、陽電子放射断層撮影法(PET)を用いて特定の用途に供されるが、他の医療用の画像化及び非医療用の画像化の用途にも適用可能である。
【背景技術】
【0002】
腫瘍は、放射線療法により診断後に治療されることが多い。放射線療法では、腫瘍細胞を殺すのに十分な高い放射線量が腫瘍に届けられる。強度変調放射線治療(IMRT)システムのような従来の放射線治療システムは、標的領域、この標的領域を取り囲む予備の「正常」組織及び放射線損傷の増大した危険にさらされた「正常」組織への所定の線量の正確な供給を可能にする。通常、放射線量は、所定の分画スケジュールに従って多数回に分けて数週間にわたって投与される。
【0003】
機能的画像化は、腫瘍を含む生きている組織におけるグルコースの取り込みを映すために用いられ、これは、一般に「正常」組織に対する増大した代謝率を示す。腫瘍にあっては、機能的画像化は、腫瘍の位置を特定し、腫瘍を病期分類し、監視するために用いられる。そのような機能的手法の例は、18F−フルオロデオキシグルコース(FDG)を含んでいる。この手法の場合、トレーサのFDGが、スキャンされる目的物(object)又は対象(subject)に注入される。放射線医薬品が崩壊すると、陽電子が生成される。陽電子消滅事象において陽電子が電子と相互作用すると、511keVガンマ線の同時発生のペアが生成される。上記ガンマ線は、応答線に沿って対向する両方向に進み、同時係数の時間窓内に検出されるガンマ線のペアが消滅事象として記録される。スキャン中に得られるこの事象は、放射性核種の分布、及び、従って組織及び腫瘍によるグルコースの取り込みの分布を示す画像又は他のデータを生成するために再構築される。
【0004】
機能的画像化は、腫瘍及び放射線治療に由来する放射線に対して危険性がある組織の応答を監視するためにも用いられ得る。しかしながら、照射される放射線への組織の反応の1つは、細胞死及び放射線により殺された細胞を処理又は除去するために治療された場所に引き寄せられるマクロファージによる炎症である。この処理は、放射線を受けた組織における増大したグルコースの取り込みを招く。残念なことに、機能的PETを用いると、炎症により引き起こされた上記増大したグルコースの取り込みが、腫瘍における増大したグルコースの取り込みと区別できない。その結果、一度炎症反応が始まると、放射線治療に対する腫瘍のみの反応は、機能的PETにより定量的に測定されることができない。より正確には、画像データは、腫瘍及びマクロファージの両方のグルコースの取り込みを示す。
【0005】
治療された腫瘍が小さくなったか大きくなったかを決定するために人体が死細胞に反応する時間を持った後、CT、MRIのような手法又は腫瘍の大きさのような形態学的変化を示す他の画像化の手法は、治療後数週間実施され得る。残念なことに、そのような情報は、定量的な情報を与えず、現在の治療パラメータの有効性を確認するため、パラメータの変更を支援するため、又は数週間後までに治療を終了させることを決定するために用いられることができない。他の手法では、治療の効果は、他人が治療に対してどのように反応したかを示す履歴データに基づいて仮定される。残念なことに、同類の腫瘍が必ずしも同じ反応をするとは限らず、このことはこの手法を誤りが生じやすくしてしまう。
【0006】
上述したように、腫瘍は放射線療法により治療されるが、他の治療形態もまた腫瘍を治療するために用いられる。残念なことに、腫瘍を患っている個々の患者は治療に対して予想通りに反応しないことが多く、治療は好ましくない副作用を引き起こし得るので、治療の決定を行うことは難しいことが多い。従って、患者は、通常、追加の検査、例えば、画像化、血液検査等により治療中監視される。治療の監視が当該治療は期待された結果をもたらさないことを示した場合、治療は終了及び/又は変更される。原則的には、コンピュータモデルの助力を得て腫瘍の進行及び治療の反応をシミュレートすることが可能である。しかしながら、これは、臨床診療においては難しく、コンピュータ集約的である。また、そのようなモデルは入力のような人口統計学上のデータに依存しており、これは個々の患者を表していない場合がある。
【0007】
順方向及び逆方向治療計画は、外部ビーム放射線療法に関するリニアックパラメータの最適化の2つの概念である。順方向治療計画では、治療設計パラメータ、例えば、標的への放射線量及び正常組織への最大放射線量が適合するまでビーム数及びビームの角度位置のようなリニアックパラメータがユーザにより手作業で変更される。IMRTは、一般に、パラメータの数のために順方向治療計画によっては対処されない。逆方向治療計画は、パラメータのほとんどの最適化がアルゴリズムを用いて行われる計算論的アプローチによりパラメータの最適化を自動化しようとするものであるが、ビーム数、角度位置及び放射線量のような幾つかの初期設定又は生物学的な目的及び制約は依然として手作業で決定される。
【0008】
治療の複雑さに依存して、最適化、結果の検討及び入力パラメータの調整の多くの繰り返しが、臨床的に受け入れられる計画を達成するために必要とされる。この反復プロセスを更に自動化するための1つの手法は、逆方向治療計画の入力パラメータを所与の間隔で変化させることにより、多数の可能なIMRTソリューションを算出し、その後、ユーザが計画を通してナビゲートすること及び計画を選択することを可能にすることである。しかしながら、この手法は、コンピュータ集約的であり、ナビゲートする高次元のスペースを必要とし、これは該手法をユーザフレンドリでなくする。また、種々の入力パラメータは、依然として指定される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本出願の観点は、上述した問題等に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの観点によれば、治療反応シミュレータは、目的物又は対象についての情報に基づいて治療される上記目的物又は対象の構造体のモデルを生成するモデラと、上記モデル及び治療計画に基づいて上記構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す予測される反応を生成する予測器とを含んでいる。
【0011】
他の観点では、治療システムは、目的物又は対象のモデル及び上記目的物又は対象の治療計画に基づいて上記目的物又は対象の第1の構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す定量的な情報を含むパラメータマップを生成する治療反応シミュレータと、上記パラメータマップに基づいて上記治療の後に得られるデータから生成される画像データを強調する治療監視システムとを含んでいる。
【0012】
他の観点では、方法は、治療の前に得られるデータから生成される目的物又は対象の第1の構造体を示す画像データに基づいて上記目的物又は対象の第1の構造体を示すモデルを生成することと、上記モデル及び治療計画に基づいて上記第1の構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す予測を生成することと、上記予測に基づいて上記第1の構造体によるトレーサの取り込みについての定量的な情報を含むパラメータマップを生成することとを含んでいる。
【0013】
他の観点では、方法は、治療に対する標的組織の第1の反応をシミュレートすることと、上記治療に対する対照組織の第2の反応をシミュレートすることと、上記標的組織及び上記対照組織を治療することと、上記治療に対する上記標的組織の第3の反応を決定することと、上記治療に対する上記対照組織の第4の反応を決定することと、上記第4の反応に基づいて上記第3の反応を正規化することとを含んでいる。
【0014】
他の観点では、方法は、治療前の情報を得ることと、上記治療前の情報に基づいて治療の起こり得る作用のモデルを作ることと、治療後の機能的画像データを得ることと、上記治療の有効性を決定するために上記治療後の機能的画像を上記モデルと比較することとを含んでいる。
【0015】
他の観点では、システムは、患者に対応する患者データを処理する処理要素と、処理された上記データに基づいて上記患者に関する治療を決定するコンピュータでのシミュレーションのためのシミュレーションパラメータの候補のセットを選択する候補パラメータ選択器と、上記パラメータの候補のセットを用いて上記患者に関する患者の状態を決定するコンピュータでのシミュレーションを実行し、上記シミュレーションに基づいて上記患者の予測される状態を示す第1の信号を生成する患者状態シミュレータと、上記予測される状態及び上記患者の既知の状態に基づいて上記パラメータの候補のセットが上記患者に適しているかどうかを示す第2の信号を生成する決定要素とを含んでいる。
【0016】
他の観点では、方法は、第1の患者に関する処理された患者データに基づいて、異なる患者に対応するパラメータのセットを選択することと、上記パラメータのセットに基づいて第1のコンピュータでのシミュレーションを実行することであって、シミュレーションの結果は上記第1の患者の状態を予測する当該第1のシミュレーションを実行することとを含んでいる。
【0017】
他の観点では、方法は、コンピュータでのパラメータシミュレーションを介して決定される患者のための患者専用のパラメータのセットに基づいて上記患者に関するコンピュータでの治療シミュレーションを実行することを含んでおり、上記患者専用のパラメータのセットは、最初は知られておらず、他の患者の状態及び既知のパラメータに基づいて決定される。
【0018】
本発明の更に他の観点は、以下の詳細な説明を読み、理解すると、当業者に認識されるであろう。
【0019】
本発明は、種々の構成要素及び構成要素の取り合わせ並びに種々のステップ及びステップの取り合わせの形をとっている。図面は、専ら好ましい実施の形態を説明する目的のためのものであり、本発明を限定するように解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】例示的な医療用画像化システムを示している。
【図2】一例の治療反応シミュレータ及び一例の治療監視システムを示している。
【図3】方法を示している。
【図4】方法を示している。
【図5】一例のパラメータ決定器を示している。
【図6】図5のパラメータ決定器を介して決定されるパラメータを使用する一例の治療シミュレータを示している。
【図7】コンピュータでのシミュレーションによる治療シミュレーションの患者専用入力パラメータを決定する方法を示している。
【図8】コンピュータでの治療シミュレーションを実行するために治療シミュレーションの患者専用入力パラメータを使用する方法を示している。
【図9】放射線治療計画特定器を示している。
【図10】方法を示している。
【図11】放射線治療計画サーバを示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、一般にリング形状又は環状の構成で長手方向又はz軸に沿って検査領域104の周りに配されたガンマ線高感度検出器102を含む画像化システム100を示している。この例では、検出器102は、z軸に沿って複数のリングで設けられている。検出器102は、検査領域104において発生する陽電子消滅事象のガンマ線特性を検出する。単一の検出器102は、1つ又はそれ以上のシンチレーション結晶と、光電子増倍管、フォトダイオード等のような対応するフォトセンサとを含んでいる。結晶は、ガンマ線が当たると光を生成し、この光はフォトセンサの1つ又はそれ以上により受け取られ、それを表す電気信号を発生させる。
【0022】
データ収集システム106は、上記信号を処理し、画像の収集中に検出器102により検出される消滅事象のリストのような投影データを生成する。リストモードの投影データは、典型的には、上記事象が検出された時間のような情報をリストへの入力が含む状態で、検出された事象のリストを含んでいる。ペア認識器108は、例えば、エネルギーウィンドウイング(例えば、約511keVのエネルギー領域以外の事象の棄却)、同時発生検出(例えば、閾値よりも大きいことによる一時的に互いに分離された事象のペアの棄却)又は別の方法によって、対応する電子−陽電子消滅事象に属するほぼ同時の又は同時発生したガンマ線のペアの検出を認識する。
【0023】
応答線(LOR)処理器110は、2つのガンマ線の検出を結びつける空間的LORを認識するために事象の各ペアについての空間的情報を処理する。飛行時間(TOF)能力を伴って構成される場合、TOF処理器が、上記LORに沿って陽電子−電子消滅事象の場所を特定する又は推定するために同時発生したペアの各事象の時間の時間差を分析する。代替として、上記収集されたデータは、サイノグラム又は投影ビン(bin)に分類される又は入れられる。その結果は、多数の陽電子−電子消滅事象に関して蓄積され、目的物における放射性核種の分布を示す投影データを含む。
【0024】
再構成器112は、フィルタ補正逆投影、補正を伴う逐次逆投影等のような好適な再構成アルゴリズムを用いて画像データを生成するために上記投影データを再構成する。支持部114は、人間の患者のような画像化される目的物又は対象を支持する。物体支持部114は、画像化領域において患者又は画像化の対象を適切な場所に配するためにシステム100の動作と連携して移動可能である。コンソール116は、モニタ又はディスプレイのような人間が読み取り可能な出力デバイスと、キーボード及びマウスのような入力デバイスとを含んでいる。コンソール116内のソフトウェアは、オペレータがスキャナ100と情報をやり取りすることを可能にする。
【0025】
説明されている例では、画像化システム100は、放射線療法、化学療法システム、粒子(例えば、陽子)治療、高密度焦点式超音波(HIFU)、アブレーション、これらの組み合わせ及び/又は他の治療システムを含む療法治療システムと共に用いられる。治療計画システム122は、療法治療システム120のために治療計画を作成するため用いられる。一例では、治療計画システム122は、治療計画を作成する際にCT、MRのような画像データ及び/又は他の画像データを用いる。そのような画像データは、スキャンされる構造体の電子の密度と相互に関連する情報のような情報を含んでおり、これは療法治療システム120により標的領域に与えられる線量を計算するために用いられる。
【0026】
治療反応シミュレータ124は、目的物又は対象内で治療されるべき治療構造体及び/又は未治療構造体の反応及び/又は進行をシミュレートし、種々の構造体のうちの1つ又はそれ以上が治療して及び/又はしないでどのように反応及び/又は進行する見込みであるかを示す予測を生成する。以下に非常に詳細に説明されるように、反応シミュレータ124は、目的物又は対象についての治療前に得られる画像データのような情報及び/又は他の情報に基づいて1つ又はそれ以上のモデルを生成し、上記1つ又はそれ以上のモデルは、上記予測を生成するために治療計画のような治療情報及び/又は目的物又は対象の情報と共に用いられ得る。上記予測は、反応についての定量的な情報を与える問題にしている構造に関するパラメータマップの形で表される。一例では、上記モデル、予測及び/又はパラメータマップは、コンピュータで(in silico)生成される又はコンピュータにより若しくはコンピュータシミュレーションに基づいて得られる。好適なコンピュータでのモデルの例は、Stamatakos等のProc IEEE, Vol. 90, No. 11, pp.
1764-1771 (2002)「In Silico Radiation Oncology: Combing
Novel Simulation Algorithms with Current Visualization Techniques」に見出される。他の例では、上記モデルは、追加又は代替として、経験的及び/又は理論的に決定され得る。
【0027】
治療監視システム126は、目的物又は対象の問題にしているスキャン領域内における治療された及び/又は未治療の構造体の進行を監視するために用いられる。以下に非常に詳細に説明されるように、監視システム126は、治療後に行われる機能的又は他のスキャンのような1回又はそれ以上の走査からの画像データと、1つ又はそれ以上の異なる構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかのパラメータマップ又は予測とに基づいて治療に対する種々の構造体の反応を決定し、これは、上記画像データにおける構造体の1つ又はそれ以上を強調すること(enhancement)(又は隠すこと(suppression))を可能にする。一例では、これは、少なくとも2つの異なる構造体の反応が別の方法では画像データ内において区別できない治療に対する画像データ内の少なくとも2つの異なる構造体の反応の独立した監視を可能にする。
【0028】
非限定的な例という目的で、FDG−PETスキャンのような機能的スキャンの場合、異なる構造体は、治療された及び/又は未治療の腫瘍細胞、治療により殺された細胞を処理するマクロファージ及び正常に生きている細胞のような人間の患者の中の異なる組織であり、刺激は、放射線、化学療法又は腫瘍細胞を治療するために用いられる他の療法と関係がある。そのような例では、機能的画像データにおいて識別可能なトレーサ又はグルコースの取り込みは、腫瘍細胞及び/又は治療により殺された細胞を処理するマクロファージからである(例えば、治療により引き起こされる炎症)。しかしながら、上記取り込みは、画像データにおける腫瘍細胞とマクロファージとを区別できない。反応シミュレータ124によって生成される予測は、腫瘍細胞が放射線又は化学療法に対してどのように反応する見込みであるか、放射線又は化学療法を受ける正常細胞がどのように反応する見込みであるか、及び、何も治療を受けていない腫瘍細胞及び/又は正常細胞がどのように進行する見込みであるかを表す。この情報の少なくとも下位の部分から、1つ又はそれ以上の特定の構造体(例えば、腫瘍細胞、マクロファージ、正常に生きている細胞等)のトレーサの取り込みを示す定量的な情報を含むパラメータマップが生成され、処理の時間及びデータが得られる時間に基づいて、治療後の種々異なる瞬間に得られるデータと共に生成される画像データにおいてある構造体を目立たせる(又は隠す)するために用いられる。例えば、炎症を起こした組織のトレーサの取り込みを定量的に表すパラメータマップは、画像データにおける腫瘍に由来するトレーサの取り込みをそのままにして、該炎症を起こした組織に由来するトレーサの取り込みの寄与を画像データから取り除くために用いられ、これは上記療法の有効性についての情報を決定するために用いられ得る。
【0029】
図2は、反応シミュレータ124及び監視システム126の非限定的な例を示している。上述したように、1つ又はそれ以上のモデル、予測及び/又はパラメータマップは、コンピュータシミュレーションによってコンピュータで及び/又は別の方法で決定される。図示されている実施の形態では、反応シミュレータ124は、1つ又はそれ以上のモデルを生成するモデラ202を含んでいる。図示されているように、モデル発生器202は、MRI、CT、SPECT、PET、US、X線等のような1つ又はそれ以上の画像診断技術から治療の前に得られるデータからの画像データ、組織学的データ、患者の健康状態、病歴、遺伝的性質、臨床検査の結果(例えば、血液値等)、病理学的情報及び/又は患者についての他の情報を含む(しかしながら、これらに限定されない。)患者のような目的物又は対象についての種々の情報に基づいて1つ又はそれ以上のモデルを生成する。
【0030】
図示されている反応シミュレータ124は、上記構造体が治療に対してどのように進行及び/又は反応する見込みであるかを予測する予測器204を更に含んでいる。一例では、この予測は、モデラ202により生成される1つ又はそれ以上のモデル、現在の治療計画(例えば、タイミング、線量、分画計画、アジュバントの投薬等)のような患者に関連する情報、目的物又は対象についての情報及び/又は他の情報に基づく。予測器204は、この情報を処理し、問題にしている上記構造体のうちの1つ又はそれ以上が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す出力信号を生成する。パラメータマップ発生器206は、複数の異なる構造体のそれぞれが治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す情報を伴う1つ又はそれ以上のパラメータマップを生成する。一例では、個々のパラメータマップは、各構造体に対して生成され、対応する構造体がどのように反応する見込みであるかについての定量的な情報を含んでいる。
【0031】
監視システム126は、治療後に得られるデータから生成される画像データを処理する画像データ処理器208と、上記パラメータマップに基づいて上記処理された機能的画像化データの時系列に対応する画像データのような画像データを強調するデータ強調器210とを含んでいる。例えば、治療反応を監視するため、システム100は、治療の開始後、正しいテンポである一定の時点における動的な機能的画像データを生成するために用いられ得る。この画像データから、画像データ処理器208は、異なる構造体によるトレーサの取り込みについての定量的な情報を引き出す。画像データ強調器210は、上記画像データ内において別の方法では区別できない異なる構造体に関するパラメータマップに基づいて定量的なトレーサの取り込みの情報を差し引くことによって特定の構造体に関してこのデータを強調する。画像データ内の残りのトレーサの取り込みは、問題にしている構造体の治療に対する反応及び問題にしている未治療の構造体の進行を示す。そのような情報は、上記治療の有効性についての情報を決定するために用いられ得る。
【0032】
変形、代替及び/又は他の実施の形態が説明される。
【0033】
上述の内容は、概して、(治療された及び未治療の)腫瘍細胞、治療により殺された正常細胞及び正常に生きている細胞に関連して述べられているが、本明細書に述べられている技術は、既知の刺激に対する異なる構造体の反応が機能的画像スキャンからの画像データにおいて区別することができない目的物又は対象の問題にしているスキャン領域において他の構造体を見分けるために用いられ得ることを理解されたい。本明細書において述べられている上記手法は、他の画像化システム及び対応する薬品とともにも用いられ得る。
【0034】
FDG−PETは、上述した非限定的な例において用いられる。しかしながら、他のトレーサも考えられることを理解されたい。例えば、他の好適なトレーサは、18F−フルオロチミジン(FTL)、18F−フルオロチルチロシン(FET)、18F−フルオロミソニダゾル(FMISO)及び18F−フルオロアゾマイシンアラビノフラノシド(FAZA)を含む他のトレーサ、及び/又は、フッ素18を用いた又は用いない他のトレーサを含むが、これらに限定されない。
【0035】
治療システム120、計画システム122、反応シミュレータ124及び監視システム126は、個々のシステムとして示されているが、これらの構成要素の1つ又はそれ以上が同じシステムの一部であり得ることを理解されたい。
【0036】
他の実施の形態では、上記モデルは、異なる組織のタイプのトレーサの取り込みの定量的な値を追加又は代替として与える。このケースでは、正常な基準組織の量が選択される。この基準組織の量は、腫瘍の量と同様の特性を示し、同様の治療、例えば、放射線量、分画等を受けるべきである。上記腫瘍組織及び基準組織の両方に関してシミュレーションが行われる。その後、治療の監視のための機能的スキャンが行われる。結果として得られる予測は、両方の組織のタイプに関して機能的画像データと比較される。上記基準組織に関する結果は、腫瘍の代謝に起因する増大したトレーサの取り込みを示さず、腫瘍の炎症に関連する信号の予測を正規化するために用いられる。そのようにして、腫瘍に関連するトレーサの取り込みはより正確に決定され得る。
【0037】
図3は方法を示している。以下の行為は限定的なものではなく、他の実施の形態では、より多くの又はより少ない数の行為が用いられ得ること及び行為が異なる順序で用いられ得ることを理解されたい。302では、治療される目的物又は対象についての治療前の情報が取得される。上述したように、そのような情報は、画像データ及び/又は他の情報を含んでいる。304、306及び308では、問題にしている構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを表すモデル、予測及びパラメータマップが、本明細書において説明されているように、例えばコンピュータでそれぞれ生成される。310では、上記目的物又は対象が治療される。312では、治療された上記目的物又は対象が、機能的画像化手法を経て画像化される。314では、上記パラメータマップが、上記機能的手法から生成された画像データにおいて問題にしている治療された構造体の反応を強調するために用いられる。この強調された画像データは、治療の有効性についての情報を決定するために用いられる。
【0038】
図4は、治療の予想される有効性を予測する方法を示している。402では、治療前の情報が取得される。上述したように、これは、治療される目的物又は対象についての画像化及び他の情報を含んでいる。404では、上記治療前の情報に基づいて治療の起こり得る作用のモデルが作られる。406では、機能的画像のような治療後の情報が取得される。408では、治療の有効性を決定するために上記治療後の情報の機能的画像データが上記モデルと比較される。そのような情報は、表示される及び/又は他の方法で与えられ、例えば画像の重畳形式で与えられる。上述したように、上記治療は、放射線、粒子、高密度焦点式超音波、化学及び/又はアブレーション療法を含んでいる。
【0039】
上記実施の形態は、既知の入力パラメータを用いるコンピュータでのシミュレーションに関連した観点を含んでいる。以下の実施の形態は、そのようなパラメータが知られていないアプリケーションのための入力パラメータの決定及び/又は使用を伴うものである。
【0040】
図5は、コンピュータでの治療シミュレーションのための患者専用のパラメータを決定するパラメータ決定器500を示している。このパラメータ決定器500は、ワークステーション、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ等のようなスタンドアロン型コンピュータ、コンソール116又は他の画像化システムのコンソール、分散コンピューティングシステム等の一部であり得る。
【0041】
パラメータ決定器500は処理要素502を含んでおり、これはデータを処理する。好適なデータは、治療前に得られる診断データ、臨床検査、患者の病歴、治療中又は治療後に得られる治療監視データ、画像、画像データ及び/又は他のデータのような画像化及び/又は非画像化データを含んでいるが、これらに限定されない。そのようなデータは、HIS、RIS、PACS等のシステム、ハードドライブ、ポータブルメモリ等のような記憶要素、データベース、サーバ、電子機器による医療記録、手入力のようなソース及び/又はコンソール116、他の画像化システムから及び他の方法で得られる。
【0042】
好適な処理は、そのようなデータから情報を抽出すること、得ること、見積もること等を含んでいるが、これらに限定されない。画像ベースのデータを用いる場合、上記処理は、セグメンテーション、定量化、レジストレーション及び/又は他の情報の抽出を含む。候補パラメータ選択器504は、処理された上記データに基づいて候補パラメータのセットを選択する。このパラメータのセットは、コンピュータでの治療シミュレーションのための候補パラメータを含んでいる。そのようなパラメータは、初期の腫瘍の形状、患者の解剖学的構造、生理学的な値等のような情報及び/又は他の情報を含んでいるが、これらに限定されない。
【0043】
選択される上記パラメータのセットは、臨床研究、診療等からの情報を記憶するデータベース、サーバ、アーカイバ又は同様のものを含む(これらに限定されない。)種々のソースから得られる。そのような情報は、境界条件及び/又は初期値、治療に対する反応等のようなコンピュータでの分析から得られる情報を含んでいる。そのような情報は、画像データ、腫瘍の境界、臨床症状、血液検査等を含むが、これらに限定されない。そのようなパラメータは臨床研究において患者のそれぞれに対して知られており、パラメータの少なくとも1つは、病気の進行及び/又は治療に対する反応と関連しており、ある患者のクラスに関する「代表的な」値を表すことを理解されたい。
【0044】
患者状態シミュレータ506は、選択されたパラメータのセット、患者データ、処理されたデータ及び/又は他の情報に基づいて患者の既知の状態をシミュレートする。
【0045】
分析器508は、上記シミュレーションを分析する。これは、入力データに基づいて患者の現在の状態を予測するシミュレートの結果を患者の既知の状態と比較することを含んでいる。分析器508は、この比較を表す信号を生成する。そのような情報は、類似の程度又は予測される状態と既知の状態との違い若しくは相関性を示す計量(metric)のような尺度を含んでいる。他の実施の形態では、分析器508は省略され、臨床医が上記シミュレーションを分析する。
【0046】
決定要素510は、上記選択されたパラメータのセットが適しているかどうかを上記患者の既知の状態に基づいて決定する。例えば、一例では、決定要素510は、上記分析を呈示し、上記パラメータのセットが適しているかどうかに関するユーザ入力を受け取る。他の例では、自動的又は半自動的手法が使用される。例えば、決定要素510は、差分若しくは相関値を所定の類似性閾値と比較する又は所定の類似性閾値との差分若しくは相関値を呈示する。そのような情報は、臨床医及び/又は実行決定アルゴリズムにより用いられる。上記選択されたパラメータのセット又はシミュレーションパラメータセットは、記憶され、呈示され及び/又は別の方法で用いられ得る。一例では、患者の既知の状態に最も近いシミュレーションの結果を与えるパラメータのセット又は他のパラメータが、シミュレーションパラメータセットとして選択される。
【0047】
1つを超えるパラメータのセットが利用可能である場合、シミュレーションの結果が適していないと考えられる場合及び/又はその他の場合には、1つ又はそれ以上の異なるパラメータのセットを用いて別のシミュレーションが実行される。そのようにして、シミュレーションパラメータセットを選択するために反復技法が用いられ得る。また、時間の経過、シミュレーション数、ユーザによる打ち切り等のような所定の停止基準後に、選択されたパラメータのセットの何れもが適切なパラメータのセットに至らなかった場合には、ユーザは棄却されたセットの1つを用いることを決定することができる及び/又は別の方法でパラメータのセットを得ることができる。
【0048】
図6は、治療及び/又は適切な治療のグループの決定を容易にするための上記シミュレーションパラメータのセット及び/又は他のパラメータを使用することができる治療決定装置600を示している。
【0049】
治療選択器602は、種々のタイプの治療に関するシミュレーションの情報を与える。一例では、治療選択器602は、患者の状態に基づいて治療を選択する。シミュレーションの目的のために、上記状態はモデルのパラメータにより定められる。上記治療の情報は、治療情報データベース、サーバ及び/又は他の情報源から得られる。
【0050】
治療シミュレータ604は、シミュレーションパラメータのセットと治療の情報とを用いてコンピュータでの治療シミュレーションを実行する。一例では、これは、患者の現在の状態、コンピュータでのモデル、選択されたモデルのパラメータ及び選択された治療に基づいて患者の今後の状態を予測するためにコンピュータでのシミュレーションを実行することを含んでいる。
【0051】
一例では、治療シミュレータ604はユーザにシミュレーションの結果を呈示し、該ユーザはこのシミュレーションからこのシミュレーションに基づいて治療が適切であるか否かを決定することができる。他の例では、ユーザがこの決定をし易くするために自動的又は半自動的手法が用いられる。上記結果は、記憶される及び/又は別の方法で用いられる。
【0052】
1つを超える治療が利用可能である場合、異なる治療に関して他のシミュレーションが実行され得る。その場合、ユーザは、異なる治療に関する複数の治療シミュレーションの結果に基づいて治療の決定を下すことができる。
【0053】
図7は、患者専用のインシリコベースのシミュレーションパラメータを決定する方法を示している。
【0054】
702では、患者データがロードされる。そのようなデータは、本明細書において説明されているような種々のソースから得られる画像化及び/又は非画像化データを含んでいる。
【0055】
704では、上記データが前処理される。上述したように、これは、画像データ内の腫瘍及び/又は正常組織をセグメント化すること、機能的画像から活性レベルを決定すること等を含んでいる。任意的に、この前処理は、データのセットとの手作業での及び/又は繰り返しのやり取りを含む。
【0056】
706では、患者に関する初期条件又はパラメータの1つ又はそれ以上のセットが上記前処理されたデータに基づいて選択される。上述したように、これは、既知の初期条件が(単数又は複数の)異なる患者に対応している状態で少なくとも1つのパラメータのセットを選択することを含んでいる。
【0057】
708では、患者の状態を予測するために、選択されたパラメータのセットを用いてコンピュータでのシミュレーションが行われる。
【0058】
710では、上記シミュレーションの結果が、患者の既知の状態を含む上記患者データに基づいて分析される。
【0059】
712では、他のシミュレーションが行われるべきであるかどうかが決定される。これは、手動的及び/又は自動的な手法により実現され得る。他のシミュレーションが行われるべきである場合には、行為706ないし712が繰り返される。
【0060】
そうではない場合には、714において、コンピュータでのシミュレーションによってパラメータを決定するプロセスは終了する。パラメータのセットの1つ又はそれ以上及び/又は分析の結果は、記憶され、呈示され及び/又は別の方法で用いられ得る。
【0061】
図8は、患者専用のコンピュータでのシミュレーションにより決定されたパラメータを使用する方法を示している。
【0062】
802では、コンピュータで決定された患者専用の初期パラメータのセットがロードされる。そのようなパラメータは、図7の方法により又は別の方法で得られる。
【0063】
804では、患者の状態に基づいて治療のタイプが選択される。
【0064】
806では、患者の現在の状態と選択された治療とに基づいて患者の今後の状態を予測するためにコンピュータでの治療シミュレーションが行われる。
【0065】
808では、他のコンピュータでの治療シミュレーションが行われべきであるかどうかが決定される。これは、コンピュータでのシミュレーションの結果に基づいて及び/又は別の方法で決定され得る。他の治療シミュレーションが行われるべきである場合には、行為804ないし808が繰り返される。
【0066】
そうではない場合には、810において、上記シミュレーションに基づいて患者に対する治療が選択される。
【0067】
図9は、放射線治療計画器904を伴う治療計画特定器(identifier)902を示している。図示されている治療計画特定器902は、データリポジトリ906と、治療計画サーチエンジン908と、1つ又はそれ以上のフィルタ910と、候補放射線治療計画特定器912と、アルゴリズムバンク914と、プロファイル916とを含んでいる。他の実施の形態では、データリポジトリ906は治療計画特定器902から分離しているが、治療計画特定器902はやはりデータリポジトリ906とやり取りする。
【0068】
データリポジトリ906は、放射線治療計画の情報を有するデータベース又は同様のものを含んでいる。そのような情報は、画像データのセット(2次元、3次元及び/又は4次元)、問題にしている領域のセグメント化された画像データ、ビームに関連した治療計画パラメータ(例えば、数、角度等)のセット、線量の規定、きわどい構造体の線量の目標、人口統計学的データ、転帰データ、化学療法計画のような患者の記述的情報、腫瘍のタイプ、病期等に基づく最適化パラメータ及び/又は他の情報を含むが、これらに限定されない。
【0069】
一例では、データリポジトリ906は、有効な放射線治療計画及び/又は放射線治療計画を作成した臨床医の臨床的知識を表す他の情報を伴っている。これは、異なる病気の部位(肺、前立腺、胸部、頭部及び頸部等)にわたる変動性、(臨床上のがん、病期、分画計画等の間における)治療の案のバリエーション、地理的なバリエーション(例えば、アジアの人口対欧州又は米国の人口等)を表す情報及び/又は他の情報を含んでいる。そのような情報は、例えば、標的のタイプ、患部の解剖、患者の年齢、患者の性別、患者の人種、病期、患者の病歴、遺伝的性質等により様々に分類整理(catalog)されている又は分類可能である。
【0070】
サーチエンジン908は、放射線治療計画器904からの情報に基づいてデータリポジトリ906を検索する。そのような情報は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)及び/又は他のフォーマットのような種々のフォーマットに基づいて与えられる。サーチエンジン908に与えられる上記情報は、放射線治療計画器904のユーザにより選択された及び/又は利用可能な情報に基づくデフォルト値又はユーザ定義のプロファイルを介したデータを含んでいる。
【0071】
そのような情報は、腫瘍に関連するデータ(例えば、タイプ、大きさ、病期等)、患者データ(例えば、年齢、性別等)、画像データ(例えば、標的組織、非標的組織のセグメント化された領域等)、治療情報及び/又は他の情報のような種々の情報を含んでいるが、これらに限定されない。この情報を用いて、サーチエンジン908は、同様の解剖学的特徴、腫瘍のタイプ、治療情報及び/又は他の情報を持つ患者を求めてデータリポジトリ906を検索する。
【0072】
図示されているサーチエンジン908は、検索を容易にするために同時に及び/又は逐次的に種々のフィルタ910を用いる。例えば、フィルタ910のうちの第1のフィルタは、腫瘍のタイプに基づいて検索可能なデータを減らすために使用される。データリポジトリ906のデータが分類整理されている場合、これは、索引及び/又は別の方法により適切なデータを探し当てることを含んでいる。フィルタ910のうちの第2のフィルタは、腫瘍の病期に基づいて検索可能なデータを更に減らすために使用され得る。
【0073】
フィルタ910のうちの第3から第N番目のフィルタは、問題にしている利用可能なセグメント化された領域に基づいて同時に使用され、例えば、解剖学的構造の形状が当該患者の解剖学的構造の形状により似ているデータセットを特定する。フィルタに関連する上記記述は説明のために与えられており、幾つかの実施の形態では、フィルタは使用されない及び/又は省略されることを理解されたい。ユーザは、検索すべきデータ及び/又は検索から排除すべきデータを手作業で選択することも可能である。
【0074】
上記検索の結果は、候補放射線治療計画特定器912に与えられる。この特定器912は、検索の結果から1つ又はそれ以上の放射線治療計画を特定する。一例では、特定器912は、アルゴリズムバンク914からのアルゴリズムに基づいて1つ又はそれ以上の最適な治療計画を特定する。好適なアルゴリズムは、相互情報、相互関係等のような画像レジストレーションアルゴリズムにおいて使用されるような画像ベースの類似性の計量、例えば、体積、形状、幾何学的配列、患者の大きさ、形等を規定する画像の重要な特徴のような問題にしている特性の領域の比較に基づく構造ベースの類似性の計量及び/又は他の類似性の計量に基づいたアルゴリズムを含むが、これらに限定されない。
【0075】
好適なアルゴリズムは、例えば、人口統計学データ、腫瘍の病期、腫瘍の場所等を含む患者データから抽出される様々な特徴に関する多次元特徴ベクトルを用いるパターン認識ベースのアルゴリズムも含んでいる。他の実施の形態では、機械学習アルゴリズム、陰的又は明示的に訓練された分類器、ベイジアンネットワーク、ニューラルネットワーク、費用関数等が、追加として又は代替として使用され得る。そのようなアルゴリズムを用いることは、計算コストが高い手法を介してではなく、当該患者とデータベース内の患者との類似性に基づいて放射線治療計画を自動的に特定することを可能にする。好適なアルゴリズムは、データベースからのコンテンツベースの画像の取り出しのための方法も含んでいる。
【0076】
幾つかの実施の形態では、プロファイル916が、計画の特定を容易にするために用いられる。例えば、プロファイル916は、所定の最小及び/又は最大数の計画閾値を含んでいる。最小数の計画閾値は、少なくとも放射線治療計画が特定されること又はユーザがその中から放射線治療計画を自由に選択できることを確実にするために用いられ得る。最大数の計画閾値は、ユーザが選択しなければならない計画の数を制限するために用いられ得る。
【0077】
また、類似性の閾値は予め決められている。この類似性の閾値は、放射線治療計画が幾つ特定されたかに関わらず、エラー及び/又は選択プロセスが終了する時間の閾値を設定する。更に、選択プロセス及び/又は結果は、選択プロセスを手作業で終了させる及び/又は選択パラメータを変更することができるユーザによって下検分(preview)又は再検討され得る。
【0078】
一例では、1つ又はそれ以上の特定された放射線治療計画は、放射線治療計画器904に与えられる。この場合もやはり、データ転送はDICOM及び/又は他のフォーマットのような種々のフォーマットに基づく。ユーザは、患者に対して提案された治療計画の1つを選択するために計画器904と対話することができる。ユーザは、また、選択された計画のパラメータの1つ又はそれ以上を変更する及び/又は治療計画決定器900が同じ又は異なるパラメータを用いて上記プロセスを繰り返すことを要求することもできる。そのような情報は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)、コマンドライニンターフェース及び/又は他のインターフェースを介するものである。
【0079】
上記選択された放射線治療計画は、従来と同様に決定された計画を実行する。例えば、上記放射線治療計画は、ある期間にわたって単一線量又は分画線量を与えるために用いられる。また、放射線治療計画は、患者の反応、腫瘍の反応、新しい情報に基づいて及び/又は別の方法で変更される。更に、治療計画特定器902は、さらにまた治療中に得られる情報とともに及び/又はそうでなければ新しい情報に基づいて更新された放射線治療計画を与えるために用いられる。
【0080】
他の例では、治療計画マップ作製器918が、目的の画像の解剖学的構造及び/又は他の特徴を適合させるために選択された放射線治療計画のマップを作製する。これは、強度ベースの類似性の計量及びパターンベースの方法を含む(しかしながら、これらに限定されない。)上述した検索アルゴリズムと同類の種々の方法を用いて実現され得る。治療計画マップ作製器918は、治療計画特定器902、放射線治療計画器904の一部であるか、又は独立した構成要素である。
【0081】
放射線治療計画器904は、ワークステーション、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ又は同種のもののようなコンピューティングシステムである。そのようなものとして、放射線治療計画器904は、1つ又はそれ以上の処理器及びコンピュータで実行可能な命令、処理されるべきデータ、処理されているデータ、処理されたデータ及び/又は他の情報を記憶するメモリを含んでいる。図示されている放射線治療計画器904は、上記処理器により実行される際、画像表示、手作業の又は自動化されたセグメンテーションツール、3次元原体放射線治療(3DCRT)計画、逆方向強度変調放射線治療(IMRT)の最適化、線量計算等のような機能を治療計画アプリケーションに与えるコンピュータで実行可能な命令を含んでいる。
【0082】
放射線治療計画器904は、2、3及び/又は4次元の画像データを含む画像データのような種々の情報を得る。そのような画像データは、標的組織、治療により影響を及ぼされる危険性がある非標的組織、危険にさらされていない非標的組織及び/又は他の組織を含む治療される解剖学的構造を表し得る。そのような画像データは、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴(MR)、単光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)等(CT/MR画像化システムのような組み合わせ又はハイブリッド画像化システムを含む)のような種々の画像診断技術により得られる。
【0083】
放射線治療計画器904は、上記画像化システム、HIS、RIS又はPACSシステムのようなアーカイブシステム、携帯型記憶装置、データベース、サーバ、電子機器による医療記録、人間又はロボットによる手入力から及び/又は別の方法で画像を受け取る。放射線治療計画器904は、また、放射線療法、化学療法、粒子療法、高密度焦点式超音波(HIFU)、アブレーション、画像誘導放射線療法を含む治療のタイプ及び/又は他の治療のタイプを得る。そのような情報は、ユーザを介して及び/又は別の方法で入力され得る。
【0084】
他の実施の形態では、治療特定器902が、治療のタイプを決定するためにも用いられる。例えば、上記検索は、特定の放射線治療のタイプを示さないかもしれない。例えば、臨床医は、まだ治療のタイプを決定していないかもしれないし、計画のこの時点では治療のタイプを決定することができないかもしれない。そのような例では、上記特定された治療計画は種々のタイプを含んでいる。他の例では、治療特定器902は、患者を最適に治療するためについての情報、例えば、診断技術についての意思決定の支援(3DCRT対IMRT対VMAT、EBRT単独対EBRT+化学療法等)を与えるために用いられる。
【0085】
図10は方法を示している。
【0086】
1002では、腫瘍と診断された患者に対して腫瘍が病期分類される。
【0087】
1004では、治療の代替案が選択される。
【0088】
1006では、腫瘍が画像化される。
【0089】
1008では、患者、治療、腫瘍についての情報及び/又は他の情報が得られる。そのような情報は、問題にしているセグメント化された領域のような画像データ、人口統計学データのような患者データ、大きさ、形状、病期、タイプ等のような腫瘍のデータ、事前の治療データ、本明細書において述べられているような他の情報及び/又は他の情報に対応する。
【0090】
1010では、治療のタイプが選択される。本明細書において述べられているように、幾つかの実施の形態では、治療のタイプはまだ選択されない。
【0091】
1012では、治療計画特定器904が、本明細書において述べられているように又はそうでなければ患者に対して1つ又はそれ以上の放射線治療計画を特定するために用いられる。本明細書において説明されているように、これは、当該患者についての種々の情報をデータリポジトリ906内の患者の情報と照合すること、及びこの照合に基づいてデータリポジトリ906から候補放射線治療計画を特定することを含んでいる。
【0092】
1014では、上記選択された1つ又はそれ以上の治療計画についての情報が、患者に対して用いられる計画を選択する臨床医に呈示される。この計画は、再検討に関して先に説明された方法を用いて当該患者に対してマッピングされる。本明細書において説明されているように、臨床医は、治療計画パラメータを変更する及び/又は候補特定プロセスを繰り返すように治療計画特定器902を要求することが可能である。
【0093】
1016では、1つ又はそれ以上の治療計画が選択される。一例では、計画は、1つ又はそれ以上の呈示された計画から手作業で選択され、選択された計画の入力パラメータが新しい治療計画を最適化するために適用される。他の例では、幾つかの計画が、データベース内において特定された複数の又は全ての計画からのパラメータを用いることにより生成され、生成された計画の1つ又はそれ以上が、それらのうちの1つ又はそれ以上を選択し得るユーザに呈示される。
【0094】
1018では、上記選択された計画が、治療される患者の治療計画にマッピングされる。一例では、これは、本明細書において説明されているような標的画像の解剖学的構造及び/又は他の特徴に上記選択された放射線治療計画を適合させることを含んでいる。
【0095】
他の例では、データリポジトリ906からの計画の取り出しの代わりに、計画はデータリポジトリ906から選択され、選択された計画からのパラメータは更なるIMRT最適化のための入力として用いられる。これは、データリポジトリ916のインクリメントの積み重ねを可能にする。
【0096】
図11は、他の実施の形態を示している。この実施の形態では、放射線治療計画器904のような放射線治療(RT)クライアント及び/又は少なくとも1つの他のクライアント1102が、ネットワーク1106を介してサブスクリプションサービス又はサーバ1104とやり取りする。サブスクリプションサーバ1104は、治療計画特定器902と関連して登録制の(subscription based)サービスを提供する。一例では、上記サービスはインターネットベースである。
【0097】
例として、医療施設又は他の施設は、手数料方式又は他のベースでサブスクリプションサーバ1104と契約し得る。上記サブスクリプションに基づいて、サブスクリプションサーバ1104はクライアント904及び/又は少なくとも1つの他のクライアント1102からの治療計画の要求を処理する。そのような要求を処理することは、本明細書において説明されているように候補治療計画を特定するために治療計画特定器902を使用することを必然的に伴う。
【0098】
上記候補治療計画が変更される場合には、結果として生じる治療計画がデータリポジトリ906内への組み込みのために与えられる。
【0099】
上記説明は、コンピュータプロセッサにより実行される際、該プロセッサに上述の技術を実行させるコンピュータ可読命令として実行され得る。そのようなケースでは、上記命令は、問題にしているコンピュータに関連する又はそうでなければアクセス可能なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されている。上述した技術は、データの収集と同時に行われる必要なはい。
【0100】
本発明が、種々の実施の形態に関連して説明された。詳細な説明を解釈すると、他への改良及び変更が生じ得る。本発明は、上記改良及び変更が添付の特許請求の範囲又はそれと同等の範囲内で生じる限りにおいて全てのそのような改良及び変更を含むように構成されるよう意図されている。
【技術分野】
【0001】
以下は、広義には画像化に関し、陽電子放射断層撮影法(PET)を用いて特定の用途に供されるが、他の医療用の画像化及び非医療用の画像化の用途にも適用可能である。
【背景技術】
【0002】
腫瘍は、放射線療法により診断後に治療されることが多い。放射線療法では、腫瘍細胞を殺すのに十分な高い放射線量が腫瘍に届けられる。強度変調放射線治療(IMRT)システムのような従来の放射線治療システムは、標的領域、この標的領域を取り囲む予備の「正常」組織及び放射線損傷の増大した危険にさらされた「正常」組織への所定の線量の正確な供給を可能にする。通常、放射線量は、所定の分画スケジュールに従って多数回に分けて数週間にわたって投与される。
【0003】
機能的画像化は、腫瘍を含む生きている組織におけるグルコースの取り込みを映すために用いられ、これは、一般に「正常」組織に対する増大した代謝率を示す。腫瘍にあっては、機能的画像化は、腫瘍の位置を特定し、腫瘍を病期分類し、監視するために用いられる。そのような機能的手法の例は、18F−フルオロデオキシグルコース(FDG)を含んでいる。この手法の場合、トレーサのFDGが、スキャンされる目的物(object)又は対象(subject)に注入される。放射線医薬品が崩壊すると、陽電子が生成される。陽電子消滅事象において陽電子が電子と相互作用すると、511keVガンマ線の同時発生のペアが生成される。上記ガンマ線は、応答線に沿って対向する両方向に進み、同時係数の時間窓内に検出されるガンマ線のペアが消滅事象として記録される。スキャン中に得られるこの事象は、放射性核種の分布、及び、従って組織及び腫瘍によるグルコースの取り込みの分布を示す画像又は他のデータを生成するために再構築される。
【0004】
機能的画像化は、腫瘍及び放射線治療に由来する放射線に対して危険性がある組織の応答を監視するためにも用いられ得る。しかしながら、照射される放射線への組織の反応の1つは、細胞死及び放射線により殺された細胞を処理又は除去するために治療された場所に引き寄せられるマクロファージによる炎症である。この処理は、放射線を受けた組織における増大したグルコースの取り込みを招く。残念なことに、機能的PETを用いると、炎症により引き起こされた上記増大したグルコースの取り込みが、腫瘍における増大したグルコースの取り込みと区別できない。その結果、一度炎症反応が始まると、放射線治療に対する腫瘍のみの反応は、機能的PETにより定量的に測定されることができない。より正確には、画像データは、腫瘍及びマクロファージの両方のグルコースの取り込みを示す。
【0005】
治療された腫瘍が小さくなったか大きくなったかを決定するために人体が死細胞に反応する時間を持った後、CT、MRIのような手法又は腫瘍の大きさのような形態学的変化を示す他の画像化の手法は、治療後数週間実施され得る。残念なことに、そのような情報は、定量的な情報を与えず、現在の治療パラメータの有効性を確認するため、パラメータの変更を支援するため、又は数週間後までに治療を終了させることを決定するために用いられることができない。他の手法では、治療の効果は、他人が治療に対してどのように反応したかを示す履歴データに基づいて仮定される。残念なことに、同類の腫瘍が必ずしも同じ反応をするとは限らず、このことはこの手法を誤りが生じやすくしてしまう。
【0006】
上述したように、腫瘍は放射線療法により治療されるが、他の治療形態もまた腫瘍を治療するために用いられる。残念なことに、腫瘍を患っている個々の患者は治療に対して予想通りに反応しないことが多く、治療は好ましくない副作用を引き起こし得るので、治療の決定を行うことは難しいことが多い。従って、患者は、通常、追加の検査、例えば、画像化、血液検査等により治療中監視される。治療の監視が当該治療は期待された結果をもたらさないことを示した場合、治療は終了及び/又は変更される。原則的には、コンピュータモデルの助力を得て腫瘍の進行及び治療の反応をシミュレートすることが可能である。しかしながら、これは、臨床診療においては難しく、コンピュータ集約的である。また、そのようなモデルは入力のような人口統計学上のデータに依存しており、これは個々の患者を表していない場合がある。
【0007】
順方向及び逆方向治療計画は、外部ビーム放射線療法に関するリニアックパラメータの最適化の2つの概念である。順方向治療計画では、治療設計パラメータ、例えば、標的への放射線量及び正常組織への最大放射線量が適合するまでビーム数及びビームの角度位置のようなリニアックパラメータがユーザにより手作業で変更される。IMRTは、一般に、パラメータの数のために順方向治療計画によっては対処されない。逆方向治療計画は、パラメータのほとんどの最適化がアルゴリズムを用いて行われる計算論的アプローチによりパラメータの最適化を自動化しようとするものであるが、ビーム数、角度位置及び放射線量のような幾つかの初期設定又は生物学的な目的及び制約は依然として手作業で決定される。
【0008】
治療の複雑さに依存して、最適化、結果の検討及び入力パラメータの調整の多くの繰り返しが、臨床的に受け入れられる計画を達成するために必要とされる。この反復プロセスを更に自動化するための1つの手法は、逆方向治療計画の入力パラメータを所与の間隔で変化させることにより、多数の可能なIMRTソリューションを算出し、その後、ユーザが計画を通してナビゲートすること及び計画を選択することを可能にすることである。しかしながら、この手法は、コンピュータ集約的であり、ナビゲートする高次元のスペースを必要とし、これは該手法をユーザフレンドリでなくする。また、種々の入力パラメータは、依然として指定される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本出願の観点は、上述した問題等に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの観点によれば、治療反応シミュレータは、目的物又は対象についての情報に基づいて治療される上記目的物又は対象の構造体のモデルを生成するモデラと、上記モデル及び治療計画に基づいて上記構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す予測される反応を生成する予測器とを含んでいる。
【0011】
他の観点では、治療システムは、目的物又は対象のモデル及び上記目的物又は対象の治療計画に基づいて上記目的物又は対象の第1の構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す定量的な情報を含むパラメータマップを生成する治療反応シミュレータと、上記パラメータマップに基づいて上記治療の後に得られるデータから生成される画像データを強調する治療監視システムとを含んでいる。
【0012】
他の観点では、方法は、治療の前に得られるデータから生成される目的物又は対象の第1の構造体を示す画像データに基づいて上記目的物又は対象の第1の構造体を示すモデルを生成することと、上記モデル及び治療計画に基づいて上記第1の構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す予測を生成することと、上記予測に基づいて上記第1の構造体によるトレーサの取り込みについての定量的な情報を含むパラメータマップを生成することとを含んでいる。
【0013】
他の観点では、方法は、治療に対する標的組織の第1の反応をシミュレートすることと、上記治療に対する対照組織の第2の反応をシミュレートすることと、上記標的組織及び上記対照組織を治療することと、上記治療に対する上記標的組織の第3の反応を決定することと、上記治療に対する上記対照組織の第4の反応を決定することと、上記第4の反応に基づいて上記第3の反応を正規化することとを含んでいる。
【0014】
他の観点では、方法は、治療前の情報を得ることと、上記治療前の情報に基づいて治療の起こり得る作用のモデルを作ることと、治療後の機能的画像データを得ることと、上記治療の有効性を決定するために上記治療後の機能的画像を上記モデルと比較することとを含んでいる。
【0015】
他の観点では、システムは、患者に対応する患者データを処理する処理要素と、処理された上記データに基づいて上記患者に関する治療を決定するコンピュータでのシミュレーションのためのシミュレーションパラメータの候補のセットを選択する候補パラメータ選択器と、上記パラメータの候補のセットを用いて上記患者に関する患者の状態を決定するコンピュータでのシミュレーションを実行し、上記シミュレーションに基づいて上記患者の予測される状態を示す第1の信号を生成する患者状態シミュレータと、上記予測される状態及び上記患者の既知の状態に基づいて上記パラメータの候補のセットが上記患者に適しているかどうかを示す第2の信号を生成する決定要素とを含んでいる。
【0016】
他の観点では、方法は、第1の患者に関する処理された患者データに基づいて、異なる患者に対応するパラメータのセットを選択することと、上記パラメータのセットに基づいて第1のコンピュータでのシミュレーションを実行することであって、シミュレーションの結果は上記第1の患者の状態を予測する当該第1のシミュレーションを実行することとを含んでいる。
【0017】
他の観点では、方法は、コンピュータでのパラメータシミュレーションを介して決定される患者のための患者専用のパラメータのセットに基づいて上記患者に関するコンピュータでの治療シミュレーションを実行することを含んでおり、上記患者専用のパラメータのセットは、最初は知られておらず、他の患者の状態及び既知のパラメータに基づいて決定される。
【0018】
本発明の更に他の観点は、以下の詳細な説明を読み、理解すると、当業者に認識されるであろう。
【0019】
本発明は、種々の構成要素及び構成要素の取り合わせ並びに種々のステップ及びステップの取り合わせの形をとっている。図面は、専ら好ましい実施の形態を説明する目的のためのものであり、本発明を限定するように解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】例示的な医療用画像化システムを示している。
【図2】一例の治療反応シミュレータ及び一例の治療監視システムを示している。
【図3】方法を示している。
【図4】方法を示している。
【図5】一例のパラメータ決定器を示している。
【図6】図5のパラメータ決定器を介して決定されるパラメータを使用する一例の治療シミュレータを示している。
【図7】コンピュータでのシミュレーションによる治療シミュレーションの患者専用入力パラメータを決定する方法を示している。
【図8】コンピュータでの治療シミュレーションを実行するために治療シミュレーションの患者専用入力パラメータを使用する方法を示している。
【図9】放射線治療計画特定器を示している。
【図10】方法を示している。
【図11】放射線治療計画サーバを示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、一般にリング形状又は環状の構成で長手方向又はz軸に沿って検査領域104の周りに配されたガンマ線高感度検出器102を含む画像化システム100を示している。この例では、検出器102は、z軸に沿って複数のリングで設けられている。検出器102は、検査領域104において発生する陽電子消滅事象のガンマ線特性を検出する。単一の検出器102は、1つ又はそれ以上のシンチレーション結晶と、光電子増倍管、フォトダイオード等のような対応するフォトセンサとを含んでいる。結晶は、ガンマ線が当たると光を生成し、この光はフォトセンサの1つ又はそれ以上により受け取られ、それを表す電気信号を発生させる。
【0022】
データ収集システム106は、上記信号を処理し、画像の収集中に検出器102により検出される消滅事象のリストのような投影データを生成する。リストモードの投影データは、典型的には、上記事象が検出された時間のような情報をリストへの入力が含む状態で、検出された事象のリストを含んでいる。ペア認識器108は、例えば、エネルギーウィンドウイング(例えば、約511keVのエネルギー領域以外の事象の棄却)、同時発生検出(例えば、閾値よりも大きいことによる一時的に互いに分離された事象のペアの棄却)又は別の方法によって、対応する電子−陽電子消滅事象に属するほぼ同時の又は同時発生したガンマ線のペアの検出を認識する。
【0023】
応答線(LOR)処理器110は、2つのガンマ線の検出を結びつける空間的LORを認識するために事象の各ペアについての空間的情報を処理する。飛行時間(TOF)能力を伴って構成される場合、TOF処理器が、上記LORに沿って陽電子−電子消滅事象の場所を特定する又は推定するために同時発生したペアの各事象の時間の時間差を分析する。代替として、上記収集されたデータは、サイノグラム又は投影ビン(bin)に分類される又は入れられる。その結果は、多数の陽電子−電子消滅事象に関して蓄積され、目的物における放射性核種の分布を示す投影データを含む。
【0024】
再構成器112は、フィルタ補正逆投影、補正を伴う逐次逆投影等のような好適な再構成アルゴリズムを用いて画像データを生成するために上記投影データを再構成する。支持部114は、人間の患者のような画像化される目的物又は対象を支持する。物体支持部114は、画像化領域において患者又は画像化の対象を適切な場所に配するためにシステム100の動作と連携して移動可能である。コンソール116は、モニタ又はディスプレイのような人間が読み取り可能な出力デバイスと、キーボード及びマウスのような入力デバイスとを含んでいる。コンソール116内のソフトウェアは、オペレータがスキャナ100と情報をやり取りすることを可能にする。
【0025】
説明されている例では、画像化システム100は、放射線療法、化学療法システム、粒子(例えば、陽子)治療、高密度焦点式超音波(HIFU)、アブレーション、これらの組み合わせ及び/又は他の治療システムを含む療法治療システムと共に用いられる。治療計画システム122は、療法治療システム120のために治療計画を作成するため用いられる。一例では、治療計画システム122は、治療計画を作成する際にCT、MRのような画像データ及び/又は他の画像データを用いる。そのような画像データは、スキャンされる構造体の電子の密度と相互に関連する情報のような情報を含んでおり、これは療法治療システム120により標的領域に与えられる線量を計算するために用いられる。
【0026】
治療反応シミュレータ124は、目的物又は対象内で治療されるべき治療構造体及び/又は未治療構造体の反応及び/又は進行をシミュレートし、種々の構造体のうちの1つ又はそれ以上が治療して及び/又はしないでどのように反応及び/又は進行する見込みであるかを示す予測を生成する。以下に非常に詳細に説明されるように、反応シミュレータ124は、目的物又は対象についての治療前に得られる画像データのような情報及び/又は他の情報に基づいて1つ又はそれ以上のモデルを生成し、上記1つ又はそれ以上のモデルは、上記予測を生成するために治療計画のような治療情報及び/又は目的物又は対象の情報と共に用いられ得る。上記予測は、反応についての定量的な情報を与える問題にしている構造に関するパラメータマップの形で表される。一例では、上記モデル、予測及び/又はパラメータマップは、コンピュータで(in silico)生成される又はコンピュータにより若しくはコンピュータシミュレーションに基づいて得られる。好適なコンピュータでのモデルの例は、Stamatakos等のProc IEEE, Vol. 90, No. 11, pp.
1764-1771 (2002)「In Silico Radiation Oncology: Combing
Novel Simulation Algorithms with Current Visualization Techniques」に見出される。他の例では、上記モデルは、追加又は代替として、経験的及び/又は理論的に決定され得る。
【0027】
治療監視システム126は、目的物又は対象の問題にしているスキャン領域内における治療された及び/又は未治療の構造体の進行を監視するために用いられる。以下に非常に詳細に説明されるように、監視システム126は、治療後に行われる機能的又は他のスキャンのような1回又はそれ以上の走査からの画像データと、1つ又はそれ以上の異なる構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかのパラメータマップ又は予測とに基づいて治療に対する種々の構造体の反応を決定し、これは、上記画像データにおける構造体の1つ又はそれ以上を強調すること(enhancement)(又は隠すこと(suppression))を可能にする。一例では、これは、少なくとも2つの異なる構造体の反応が別の方法では画像データ内において区別できない治療に対する画像データ内の少なくとも2つの異なる構造体の反応の独立した監視を可能にする。
【0028】
非限定的な例という目的で、FDG−PETスキャンのような機能的スキャンの場合、異なる構造体は、治療された及び/又は未治療の腫瘍細胞、治療により殺された細胞を処理するマクロファージ及び正常に生きている細胞のような人間の患者の中の異なる組織であり、刺激は、放射線、化学療法又は腫瘍細胞を治療するために用いられる他の療法と関係がある。そのような例では、機能的画像データにおいて識別可能なトレーサ又はグルコースの取り込みは、腫瘍細胞及び/又は治療により殺された細胞を処理するマクロファージからである(例えば、治療により引き起こされる炎症)。しかしながら、上記取り込みは、画像データにおける腫瘍細胞とマクロファージとを区別できない。反応シミュレータ124によって生成される予測は、腫瘍細胞が放射線又は化学療法に対してどのように反応する見込みであるか、放射線又は化学療法を受ける正常細胞がどのように反応する見込みであるか、及び、何も治療を受けていない腫瘍細胞及び/又は正常細胞がどのように進行する見込みであるかを表す。この情報の少なくとも下位の部分から、1つ又はそれ以上の特定の構造体(例えば、腫瘍細胞、マクロファージ、正常に生きている細胞等)のトレーサの取り込みを示す定量的な情報を含むパラメータマップが生成され、処理の時間及びデータが得られる時間に基づいて、治療後の種々異なる瞬間に得られるデータと共に生成される画像データにおいてある構造体を目立たせる(又は隠す)するために用いられる。例えば、炎症を起こした組織のトレーサの取り込みを定量的に表すパラメータマップは、画像データにおける腫瘍に由来するトレーサの取り込みをそのままにして、該炎症を起こした組織に由来するトレーサの取り込みの寄与を画像データから取り除くために用いられ、これは上記療法の有効性についての情報を決定するために用いられ得る。
【0029】
図2は、反応シミュレータ124及び監視システム126の非限定的な例を示している。上述したように、1つ又はそれ以上のモデル、予測及び/又はパラメータマップは、コンピュータシミュレーションによってコンピュータで及び/又は別の方法で決定される。図示されている実施の形態では、反応シミュレータ124は、1つ又はそれ以上のモデルを生成するモデラ202を含んでいる。図示されているように、モデル発生器202は、MRI、CT、SPECT、PET、US、X線等のような1つ又はそれ以上の画像診断技術から治療の前に得られるデータからの画像データ、組織学的データ、患者の健康状態、病歴、遺伝的性質、臨床検査の結果(例えば、血液値等)、病理学的情報及び/又は患者についての他の情報を含む(しかしながら、これらに限定されない。)患者のような目的物又は対象についての種々の情報に基づいて1つ又はそれ以上のモデルを生成する。
【0030】
図示されている反応シミュレータ124は、上記構造体が治療に対してどのように進行及び/又は反応する見込みであるかを予測する予測器204を更に含んでいる。一例では、この予測は、モデラ202により生成される1つ又はそれ以上のモデル、現在の治療計画(例えば、タイミング、線量、分画計画、アジュバントの投薬等)のような患者に関連する情報、目的物又は対象についての情報及び/又は他の情報に基づく。予測器204は、この情報を処理し、問題にしている上記構造体のうちの1つ又はそれ以上が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す出力信号を生成する。パラメータマップ発生器206は、複数の異なる構造体のそれぞれが治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す情報を伴う1つ又はそれ以上のパラメータマップを生成する。一例では、個々のパラメータマップは、各構造体に対して生成され、対応する構造体がどのように反応する見込みであるかについての定量的な情報を含んでいる。
【0031】
監視システム126は、治療後に得られるデータから生成される画像データを処理する画像データ処理器208と、上記パラメータマップに基づいて上記処理された機能的画像化データの時系列に対応する画像データのような画像データを強調するデータ強調器210とを含んでいる。例えば、治療反応を監視するため、システム100は、治療の開始後、正しいテンポである一定の時点における動的な機能的画像データを生成するために用いられ得る。この画像データから、画像データ処理器208は、異なる構造体によるトレーサの取り込みについての定量的な情報を引き出す。画像データ強調器210は、上記画像データ内において別の方法では区別できない異なる構造体に関するパラメータマップに基づいて定量的なトレーサの取り込みの情報を差し引くことによって特定の構造体に関してこのデータを強調する。画像データ内の残りのトレーサの取り込みは、問題にしている構造体の治療に対する反応及び問題にしている未治療の構造体の進行を示す。そのような情報は、上記治療の有効性についての情報を決定するために用いられ得る。
【0032】
変形、代替及び/又は他の実施の形態が説明される。
【0033】
上述の内容は、概して、(治療された及び未治療の)腫瘍細胞、治療により殺された正常細胞及び正常に生きている細胞に関連して述べられているが、本明細書に述べられている技術は、既知の刺激に対する異なる構造体の反応が機能的画像スキャンからの画像データにおいて区別することができない目的物又は対象の問題にしているスキャン領域において他の構造体を見分けるために用いられ得ることを理解されたい。本明細書において述べられている上記手法は、他の画像化システム及び対応する薬品とともにも用いられ得る。
【0034】
FDG−PETは、上述した非限定的な例において用いられる。しかしながら、他のトレーサも考えられることを理解されたい。例えば、他の好適なトレーサは、18F−フルオロチミジン(FTL)、18F−フルオロチルチロシン(FET)、18F−フルオロミソニダゾル(FMISO)及び18F−フルオロアゾマイシンアラビノフラノシド(FAZA)を含む他のトレーサ、及び/又は、フッ素18を用いた又は用いない他のトレーサを含むが、これらに限定されない。
【0035】
治療システム120、計画システム122、反応シミュレータ124及び監視システム126は、個々のシステムとして示されているが、これらの構成要素の1つ又はそれ以上が同じシステムの一部であり得ることを理解されたい。
【0036】
他の実施の形態では、上記モデルは、異なる組織のタイプのトレーサの取り込みの定量的な値を追加又は代替として与える。このケースでは、正常な基準組織の量が選択される。この基準組織の量は、腫瘍の量と同様の特性を示し、同様の治療、例えば、放射線量、分画等を受けるべきである。上記腫瘍組織及び基準組織の両方に関してシミュレーションが行われる。その後、治療の監視のための機能的スキャンが行われる。結果として得られる予測は、両方の組織のタイプに関して機能的画像データと比較される。上記基準組織に関する結果は、腫瘍の代謝に起因する増大したトレーサの取り込みを示さず、腫瘍の炎症に関連する信号の予測を正規化するために用いられる。そのようにして、腫瘍に関連するトレーサの取り込みはより正確に決定され得る。
【0037】
図3は方法を示している。以下の行為は限定的なものではなく、他の実施の形態では、より多くの又はより少ない数の行為が用いられ得ること及び行為が異なる順序で用いられ得ることを理解されたい。302では、治療される目的物又は対象についての治療前の情報が取得される。上述したように、そのような情報は、画像データ及び/又は他の情報を含んでいる。304、306及び308では、問題にしている構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを表すモデル、予測及びパラメータマップが、本明細書において説明されているように、例えばコンピュータでそれぞれ生成される。310では、上記目的物又は対象が治療される。312では、治療された上記目的物又は対象が、機能的画像化手法を経て画像化される。314では、上記パラメータマップが、上記機能的手法から生成された画像データにおいて問題にしている治療された構造体の反応を強調するために用いられる。この強調された画像データは、治療の有効性についての情報を決定するために用いられる。
【0038】
図4は、治療の予想される有効性を予測する方法を示している。402では、治療前の情報が取得される。上述したように、これは、治療される目的物又は対象についての画像化及び他の情報を含んでいる。404では、上記治療前の情報に基づいて治療の起こり得る作用のモデルが作られる。406では、機能的画像のような治療後の情報が取得される。408では、治療の有効性を決定するために上記治療後の情報の機能的画像データが上記モデルと比較される。そのような情報は、表示される及び/又は他の方法で与えられ、例えば画像の重畳形式で与えられる。上述したように、上記治療は、放射線、粒子、高密度焦点式超音波、化学及び/又はアブレーション療法を含んでいる。
【0039】
上記実施の形態は、既知の入力パラメータを用いるコンピュータでのシミュレーションに関連した観点を含んでいる。以下の実施の形態は、そのようなパラメータが知られていないアプリケーションのための入力パラメータの決定及び/又は使用を伴うものである。
【0040】
図5は、コンピュータでの治療シミュレーションのための患者専用のパラメータを決定するパラメータ決定器500を示している。このパラメータ決定器500は、ワークステーション、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ等のようなスタンドアロン型コンピュータ、コンソール116又は他の画像化システムのコンソール、分散コンピューティングシステム等の一部であり得る。
【0041】
パラメータ決定器500は処理要素502を含んでおり、これはデータを処理する。好適なデータは、治療前に得られる診断データ、臨床検査、患者の病歴、治療中又は治療後に得られる治療監視データ、画像、画像データ及び/又は他のデータのような画像化及び/又は非画像化データを含んでいるが、これらに限定されない。そのようなデータは、HIS、RIS、PACS等のシステム、ハードドライブ、ポータブルメモリ等のような記憶要素、データベース、サーバ、電子機器による医療記録、手入力のようなソース及び/又はコンソール116、他の画像化システムから及び他の方法で得られる。
【0042】
好適な処理は、そのようなデータから情報を抽出すること、得ること、見積もること等を含んでいるが、これらに限定されない。画像ベースのデータを用いる場合、上記処理は、セグメンテーション、定量化、レジストレーション及び/又は他の情報の抽出を含む。候補パラメータ選択器504は、処理された上記データに基づいて候補パラメータのセットを選択する。このパラメータのセットは、コンピュータでの治療シミュレーションのための候補パラメータを含んでいる。そのようなパラメータは、初期の腫瘍の形状、患者の解剖学的構造、生理学的な値等のような情報及び/又は他の情報を含んでいるが、これらに限定されない。
【0043】
選択される上記パラメータのセットは、臨床研究、診療等からの情報を記憶するデータベース、サーバ、アーカイバ又は同様のものを含む(これらに限定されない。)種々のソースから得られる。そのような情報は、境界条件及び/又は初期値、治療に対する反応等のようなコンピュータでの分析から得られる情報を含んでいる。そのような情報は、画像データ、腫瘍の境界、臨床症状、血液検査等を含むが、これらに限定されない。そのようなパラメータは臨床研究において患者のそれぞれに対して知られており、パラメータの少なくとも1つは、病気の進行及び/又は治療に対する反応と関連しており、ある患者のクラスに関する「代表的な」値を表すことを理解されたい。
【0044】
患者状態シミュレータ506は、選択されたパラメータのセット、患者データ、処理されたデータ及び/又は他の情報に基づいて患者の既知の状態をシミュレートする。
【0045】
分析器508は、上記シミュレーションを分析する。これは、入力データに基づいて患者の現在の状態を予測するシミュレートの結果を患者の既知の状態と比較することを含んでいる。分析器508は、この比較を表す信号を生成する。そのような情報は、類似の程度又は予測される状態と既知の状態との違い若しくは相関性を示す計量(metric)のような尺度を含んでいる。他の実施の形態では、分析器508は省略され、臨床医が上記シミュレーションを分析する。
【0046】
決定要素510は、上記選択されたパラメータのセットが適しているかどうかを上記患者の既知の状態に基づいて決定する。例えば、一例では、決定要素510は、上記分析を呈示し、上記パラメータのセットが適しているかどうかに関するユーザ入力を受け取る。他の例では、自動的又は半自動的手法が使用される。例えば、決定要素510は、差分若しくは相関値を所定の類似性閾値と比較する又は所定の類似性閾値との差分若しくは相関値を呈示する。そのような情報は、臨床医及び/又は実行決定アルゴリズムにより用いられる。上記選択されたパラメータのセット又はシミュレーションパラメータセットは、記憶され、呈示され及び/又は別の方法で用いられ得る。一例では、患者の既知の状態に最も近いシミュレーションの結果を与えるパラメータのセット又は他のパラメータが、シミュレーションパラメータセットとして選択される。
【0047】
1つを超えるパラメータのセットが利用可能である場合、シミュレーションの結果が適していないと考えられる場合及び/又はその他の場合には、1つ又はそれ以上の異なるパラメータのセットを用いて別のシミュレーションが実行される。そのようにして、シミュレーションパラメータセットを選択するために反復技法が用いられ得る。また、時間の経過、シミュレーション数、ユーザによる打ち切り等のような所定の停止基準後に、選択されたパラメータのセットの何れもが適切なパラメータのセットに至らなかった場合には、ユーザは棄却されたセットの1つを用いることを決定することができる及び/又は別の方法でパラメータのセットを得ることができる。
【0048】
図6は、治療及び/又は適切な治療のグループの決定を容易にするための上記シミュレーションパラメータのセット及び/又は他のパラメータを使用することができる治療決定装置600を示している。
【0049】
治療選択器602は、種々のタイプの治療に関するシミュレーションの情報を与える。一例では、治療選択器602は、患者の状態に基づいて治療を選択する。シミュレーションの目的のために、上記状態はモデルのパラメータにより定められる。上記治療の情報は、治療情報データベース、サーバ及び/又は他の情報源から得られる。
【0050】
治療シミュレータ604は、シミュレーションパラメータのセットと治療の情報とを用いてコンピュータでの治療シミュレーションを実行する。一例では、これは、患者の現在の状態、コンピュータでのモデル、選択されたモデルのパラメータ及び選択された治療に基づいて患者の今後の状態を予測するためにコンピュータでのシミュレーションを実行することを含んでいる。
【0051】
一例では、治療シミュレータ604はユーザにシミュレーションの結果を呈示し、該ユーザはこのシミュレーションからこのシミュレーションに基づいて治療が適切であるか否かを決定することができる。他の例では、ユーザがこの決定をし易くするために自動的又は半自動的手法が用いられる。上記結果は、記憶される及び/又は別の方法で用いられる。
【0052】
1つを超える治療が利用可能である場合、異なる治療に関して他のシミュレーションが実行され得る。その場合、ユーザは、異なる治療に関する複数の治療シミュレーションの結果に基づいて治療の決定を下すことができる。
【0053】
図7は、患者専用のインシリコベースのシミュレーションパラメータを決定する方法を示している。
【0054】
702では、患者データがロードされる。そのようなデータは、本明細書において説明されているような種々のソースから得られる画像化及び/又は非画像化データを含んでいる。
【0055】
704では、上記データが前処理される。上述したように、これは、画像データ内の腫瘍及び/又は正常組織をセグメント化すること、機能的画像から活性レベルを決定すること等を含んでいる。任意的に、この前処理は、データのセットとの手作業での及び/又は繰り返しのやり取りを含む。
【0056】
706では、患者に関する初期条件又はパラメータの1つ又はそれ以上のセットが上記前処理されたデータに基づいて選択される。上述したように、これは、既知の初期条件が(単数又は複数の)異なる患者に対応している状態で少なくとも1つのパラメータのセットを選択することを含んでいる。
【0057】
708では、患者の状態を予測するために、選択されたパラメータのセットを用いてコンピュータでのシミュレーションが行われる。
【0058】
710では、上記シミュレーションの結果が、患者の既知の状態を含む上記患者データに基づいて分析される。
【0059】
712では、他のシミュレーションが行われるべきであるかどうかが決定される。これは、手動的及び/又は自動的な手法により実現され得る。他のシミュレーションが行われるべきである場合には、行為706ないし712が繰り返される。
【0060】
そうではない場合には、714において、コンピュータでのシミュレーションによってパラメータを決定するプロセスは終了する。パラメータのセットの1つ又はそれ以上及び/又は分析の結果は、記憶され、呈示され及び/又は別の方法で用いられ得る。
【0061】
図8は、患者専用のコンピュータでのシミュレーションにより決定されたパラメータを使用する方法を示している。
【0062】
802では、コンピュータで決定された患者専用の初期パラメータのセットがロードされる。そのようなパラメータは、図7の方法により又は別の方法で得られる。
【0063】
804では、患者の状態に基づいて治療のタイプが選択される。
【0064】
806では、患者の現在の状態と選択された治療とに基づいて患者の今後の状態を予測するためにコンピュータでの治療シミュレーションが行われる。
【0065】
808では、他のコンピュータでの治療シミュレーションが行われべきであるかどうかが決定される。これは、コンピュータでのシミュレーションの結果に基づいて及び/又は別の方法で決定され得る。他の治療シミュレーションが行われるべきである場合には、行為804ないし808が繰り返される。
【0066】
そうではない場合には、810において、上記シミュレーションに基づいて患者に対する治療が選択される。
【0067】
図9は、放射線治療計画器904を伴う治療計画特定器(identifier)902を示している。図示されている治療計画特定器902は、データリポジトリ906と、治療計画サーチエンジン908と、1つ又はそれ以上のフィルタ910と、候補放射線治療計画特定器912と、アルゴリズムバンク914と、プロファイル916とを含んでいる。他の実施の形態では、データリポジトリ906は治療計画特定器902から分離しているが、治療計画特定器902はやはりデータリポジトリ906とやり取りする。
【0068】
データリポジトリ906は、放射線治療計画の情報を有するデータベース又は同様のものを含んでいる。そのような情報は、画像データのセット(2次元、3次元及び/又は4次元)、問題にしている領域のセグメント化された画像データ、ビームに関連した治療計画パラメータ(例えば、数、角度等)のセット、線量の規定、きわどい構造体の線量の目標、人口統計学的データ、転帰データ、化学療法計画のような患者の記述的情報、腫瘍のタイプ、病期等に基づく最適化パラメータ及び/又は他の情報を含むが、これらに限定されない。
【0069】
一例では、データリポジトリ906は、有効な放射線治療計画及び/又は放射線治療計画を作成した臨床医の臨床的知識を表す他の情報を伴っている。これは、異なる病気の部位(肺、前立腺、胸部、頭部及び頸部等)にわたる変動性、(臨床上のがん、病期、分画計画等の間における)治療の案のバリエーション、地理的なバリエーション(例えば、アジアの人口対欧州又は米国の人口等)を表す情報及び/又は他の情報を含んでいる。そのような情報は、例えば、標的のタイプ、患部の解剖、患者の年齢、患者の性別、患者の人種、病期、患者の病歴、遺伝的性質等により様々に分類整理(catalog)されている又は分類可能である。
【0070】
サーチエンジン908は、放射線治療計画器904からの情報に基づいてデータリポジトリ906を検索する。そのような情報は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)及び/又は他のフォーマットのような種々のフォーマットに基づいて与えられる。サーチエンジン908に与えられる上記情報は、放射線治療計画器904のユーザにより選択された及び/又は利用可能な情報に基づくデフォルト値又はユーザ定義のプロファイルを介したデータを含んでいる。
【0071】
そのような情報は、腫瘍に関連するデータ(例えば、タイプ、大きさ、病期等)、患者データ(例えば、年齢、性別等)、画像データ(例えば、標的組織、非標的組織のセグメント化された領域等)、治療情報及び/又は他の情報のような種々の情報を含んでいるが、これらに限定されない。この情報を用いて、サーチエンジン908は、同様の解剖学的特徴、腫瘍のタイプ、治療情報及び/又は他の情報を持つ患者を求めてデータリポジトリ906を検索する。
【0072】
図示されているサーチエンジン908は、検索を容易にするために同時に及び/又は逐次的に種々のフィルタ910を用いる。例えば、フィルタ910のうちの第1のフィルタは、腫瘍のタイプに基づいて検索可能なデータを減らすために使用される。データリポジトリ906のデータが分類整理されている場合、これは、索引及び/又は別の方法により適切なデータを探し当てることを含んでいる。フィルタ910のうちの第2のフィルタは、腫瘍の病期に基づいて検索可能なデータを更に減らすために使用され得る。
【0073】
フィルタ910のうちの第3から第N番目のフィルタは、問題にしている利用可能なセグメント化された領域に基づいて同時に使用され、例えば、解剖学的構造の形状が当該患者の解剖学的構造の形状により似ているデータセットを特定する。フィルタに関連する上記記述は説明のために与えられており、幾つかの実施の形態では、フィルタは使用されない及び/又は省略されることを理解されたい。ユーザは、検索すべきデータ及び/又は検索から排除すべきデータを手作業で選択することも可能である。
【0074】
上記検索の結果は、候補放射線治療計画特定器912に与えられる。この特定器912は、検索の結果から1つ又はそれ以上の放射線治療計画を特定する。一例では、特定器912は、アルゴリズムバンク914からのアルゴリズムに基づいて1つ又はそれ以上の最適な治療計画を特定する。好適なアルゴリズムは、相互情報、相互関係等のような画像レジストレーションアルゴリズムにおいて使用されるような画像ベースの類似性の計量、例えば、体積、形状、幾何学的配列、患者の大きさ、形等を規定する画像の重要な特徴のような問題にしている特性の領域の比較に基づく構造ベースの類似性の計量及び/又は他の類似性の計量に基づいたアルゴリズムを含むが、これらに限定されない。
【0075】
好適なアルゴリズムは、例えば、人口統計学データ、腫瘍の病期、腫瘍の場所等を含む患者データから抽出される様々な特徴に関する多次元特徴ベクトルを用いるパターン認識ベースのアルゴリズムも含んでいる。他の実施の形態では、機械学習アルゴリズム、陰的又は明示的に訓練された分類器、ベイジアンネットワーク、ニューラルネットワーク、費用関数等が、追加として又は代替として使用され得る。そのようなアルゴリズムを用いることは、計算コストが高い手法を介してではなく、当該患者とデータベース内の患者との類似性に基づいて放射線治療計画を自動的に特定することを可能にする。好適なアルゴリズムは、データベースからのコンテンツベースの画像の取り出しのための方法も含んでいる。
【0076】
幾つかの実施の形態では、プロファイル916が、計画の特定を容易にするために用いられる。例えば、プロファイル916は、所定の最小及び/又は最大数の計画閾値を含んでいる。最小数の計画閾値は、少なくとも放射線治療計画が特定されること又はユーザがその中から放射線治療計画を自由に選択できることを確実にするために用いられ得る。最大数の計画閾値は、ユーザが選択しなければならない計画の数を制限するために用いられ得る。
【0077】
また、類似性の閾値は予め決められている。この類似性の閾値は、放射線治療計画が幾つ特定されたかに関わらず、エラー及び/又は選択プロセスが終了する時間の閾値を設定する。更に、選択プロセス及び/又は結果は、選択プロセスを手作業で終了させる及び/又は選択パラメータを変更することができるユーザによって下検分(preview)又は再検討され得る。
【0078】
一例では、1つ又はそれ以上の特定された放射線治療計画は、放射線治療計画器904に与えられる。この場合もやはり、データ転送はDICOM及び/又は他のフォーマットのような種々のフォーマットに基づく。ユーザは、患者に対して提案された治療計画の1つを選択するために計画器904と対話することができる。ユーザは、また、選択された計画のパラメータの1つ又はそれ以上を変更する及び/又は治療計画決定器900が同じ又は異なるパラメータを用いて上記プロセスを繰り返すことを要求することもできる。そのような情報は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)、コマンドライニンターフェース及び/又は他のインターフェースを介するものである。
【0079】
上記選択された放射線治療計画は、従来と同様に決定された計画を実行する。例えば、上記放射線治療計画は、ある期間にわたって単一線量又は分画線量を与えるために用いられる。また、放射線治療計画は、患者の反応、腫瘍の反応、新しい情報に基づいて及び/又は別の方法で変更される。更に、治療計画特定器902は、さらにまた治療中に得られる情報とともに及び/又はそうでなければ新しい情報に基づいて更新された放射線治療計画を与えるために用いられる。
【0080】
他の例では、治療計画マップ作製器918が、目的の画像の解剖学的構造及び/又は他の特徴を適合させるために選択された放射線治療計画のマップを作製する。これは、強度ベースの類似性の計量及びパターンベースの方法を含む(しかしながら、これらに限定されない。)上述した検索アルゴリズムと同類の種々の方法を用いて実現され得る。治療計画マップ作製器918は、治療計画特定器902、放射線治療計画器904の一部であるか、又は独立した構成要素である。
【0081】
放射線治療計画器904は、ワークステーション、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ又は同種のもののようなコンピューティングシステムである。そのようなものとして、放射線治療計画器904は、1つ又はそれ以上の処理器及びコンピュータで実行可能な命令、処理されるべきデータ、処理されているデータ、処理されたデータ及び/又は他の情報を記憶するメモリを含んでいる。図示されている放射線治療計画器904は、上記処理器により実行される際、画像表示、手作業の又は自動化されたセグメンテーションツール、3次元原体放射線治療(3DCRT)計画、逆方向強度変調放射線治療(IMRT)の最適化、線量計算等のような機能を治療計画アプリケーションに与えるコンピュータで実行可能な命令を含んでいる。
【0082】
放射線治療計画器904は、2、3及び/又は4次元の画像データを含む画像データのような種々の情報を得る。そのような画像データは、標的組織、治療により影響を及ぼされる危険性がある非標的組織、危険にさらされていない非標的組織及び/又は他の組織を含む治療される解剖学的構造を表し得る。そのような画像データは、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴(MR)、単光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)等(CT/MR画像化システムのような組み合わせ又はハイブリッド画像化システムを含む)のような種々の画像診断技術により得られる。
【0083】
放射線治療計画器904は、上記画像化システム、HIS、RIS又はPACSシステムのようなアーカイブシステム、携帯型記憶装置、データベース、サーバ、電子機器による医療記録、人間又はロボットによる手入力から及び/又は別の方法で画像を受け取る。放射線治療計画器904は、また、放射線療法、化学療法、粒子療法、高密度焦点式超音波(HIFU)、アブレーション、画像誘導放射線療法を含む治療のタイプ及び/又は他の治療のタイプを得る。そのような情報は、ユーザを介して及び/又は別の方法で入力され得る。
【0084】
他の実施の形態では、治療特定器902が、治療のタイプを決定するためにも用いられる。例えば、上記検索は、特定の放射線治療のタイプを示さないかもしれない。例えば、臨床医は、まだ治療のタイプを決定していないかもしれないし、計画のこの時点では治療のタイプを決定することができないかもしれない。そのような例では、上記特定された治療計画は種々のタイプを含んでいる。他の例では、治療特定器902は、患者を最適に治療するためについての情報、例えば、診断技術についての意思決定の支援(3DCRT対IMRT対VMAT、EBRT単独対EBRT+化学療法等)を与えるために用いられる。
【0085】
図10は方法を示している。
【0086】
1002では、腫瘍と診断された患者に対して腫瘍が病期分類される。
【0087】
1004では、治療の代替案が選択される。
【0088】
1006では、腫瘍が画像化される。
【0089】
1008では、患者、治療、腫瘍についての情報及び/又は他の情報が得られる。そのような情報は、問題にしているセグメント化された領域のような画像データ、人口統計学データのような患者データ、大きさ、形状、病期、タイプ等のような腫瘍のデータ、事前の治療データ、本明細書において述べられているような他の情報及び/又は他の情報に対応する。
【0090】
1010では、治療のタイプが選択される。本明細書において述べられているように、幾つかの実施の形態では、治療のタイプはまだ選択されない。
【0091】
1012では、治療計画特定器904が、本明細書において述べられているように又はそうでなければ患者に対して1つ又はそれ以上の放射線治療計画を特定するために用いられる。本明細書において説明されているように、これは、当該患者についての種々の情報をデータリポジトリ906内の患者の情報と照合すること、及びこの照合に基づいてデータリポジトリ906から候補放射線治療計画を特定することを含んでいる。
【0092】
1014では、上記選択された1つ又はそれ以上の治療計画についての情報が、患者に対して用いられる計画を選択する臨床医に呈示される。この計画は、再検討に関して先に説明された方法を用いて当該患者に対してマッピングされる。本明細書において説明されているように、臨床医は、治療計画パラメータを変更する及び/又は候補特定プロセスを繰り返すように治療計画特定器902を要求することが可能である。
【0093】
1016では、1つ又はそれ以上の治療計画が選択される。一例では、計画は、1つ又はそれ以上の呈示された計画から手作業で選択され、選択された計画の入力パラメータが新しい治療計画を最適化するために適用される。他の例では、幾つかの計画が、データベース内において特定された複数の又は全ての計画からのパラメータを用いることにより生成され、生成された計画の1つ又はそれ以上が、それらのうちの1つ又はそれ以上を選択し得るユーザに呈示される。
【0094】
1018では、上記選択された計画が、治療される患者の治療計画にマッピングされる。一例では、これは、本明細書において説明されているような標的画像の解剖学的構造及び/又は他の特徴に上記選択された放射線治療計画を適合させることを含んでいる。
【0095】
他の例では、データリポジトリ906からの計画の取り出しの代わりに、計画はデータリポジトリ906から選択され、選択された計画からのパラメータは更なるIMRT最適化のための入力として用いられる。これは、データリポジトリ916のインクリメントの積み重ねを可能にする。
【0096】
図11は、他の実施の形態を示している。この実施の形態では、放射線治療計画器904のような放射線治療(RT)クライアント及び/又は少なくとも1つの他のクライアント1102が、ネットワーク1106を介してサブスクリプションサービス又はサーバ1104とやり取りする。サブスクリプションサーバ1104は、治療計画特定器902と関連して登録制の(subscription based)サービスを提供する。一例では、上記サービスはインターネットベースである。
【0097】
例として、医療施設又は他の施設は、手数料方式又は他のベースでサブスクリプションサーバ1104と契約し得る。上記サブスクリプションに基づいて、サブスクリプションサーバ1104はクライアント904及び/又は少なくとも1つの他のクライアント1102からの治療計画の要求を処理する。そのような要求を処理することは、本明細書において説明されているように候補治療計画を特定するために治療計画特定器902を使用することを必然的に伴う。
【0098】
上記候補治療計画が変更される場合には、結果として生じる治療計画がデータリポジトリ906内への組み込みのために与えられる。
【0099】
上記説明は、コンピュータプロセッサにより実行される際、該プロセッサに上述の技術を実行させるコンピュータ可読命令として実行され得る。そのようなケースでは、上記命令は、問題にしているコンピュータに関連する又はそうでなければアクセス可能なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されている。上述した技術は、データの収集と同時に行われる必要なはい。
【0100】
本発明が、種々の実施の形態に関連して説明された。詳細な説明を解釈すると、他への改良及び変更が生じ得る。本発明は、上記改良及び変更が添付の特許請求の範囲又はそれと同等の範囲内で生じる限りにおいて全てのそのような改良及び変更を含むように構成されるよう意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的物又は対象についての情報に基づいて治療される前記目的物又は対象の構造体のモデルを生成するモデラと、
前記モデル及び治療計画に基づいて前記構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す予測される反応を生成する予測器と
を有する、治療反応シミュレータ。
【請求項2】
前記予測される反応を示す定量的な情報を含むパラメータマップを生成するパラメータマップ発生器を更に含む、請求項1記載の治療反応シミュレータ。
【請求項3】
前記定量的な情報が、前記構造体と関連するトレーサの取り込みを示す定量的な情報を含む、請求項2記載の治療反応シミュレータ。
【請求項4】
前記構造体が、前記治療により殺される細胞を処理するマクロファージを含む、請求項3記載の治療反応シミュレータ。
【請求項5】
前記トレーサが、フルオロデオキシグルコース、フルオロチミジン、フルオロチルチロシン、フルオロミソニダゾル及びフルオロアゾマイシンアラビノフラノシドの1つである、請求項3又は4記載の治療反応シミュレータ。
【請求項6】
前記マクロファージによる前記トレーサの取り込みが治療される腫瘍によるトレーサの取り込みに類似し、前記マクロファージが前記治療により殺された腫瘍の周りの正常な細胞を処理する、請求項4又は5記載の治療反応シミュレータ。
【請求項7】
前記治療が、放射線療法、化学療法、粒子療法、高密度焦点式超音波、アブレーション又はそれらの組み合わせを含む、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の治療反応シミュレータ。
【請求項8】
前記目的物又は対象についての前記情報が、前記治療よりも前に得られるデータから生成される画像データを含む、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の治療反応シミュレータ。
【請求項9】
前記目的物又は対象についての前記情報が、組織学的データ、患者の健康情報、病歴、遺伝的性質、臨床検査の結果又は病理学的情報の1つ又はそれ以上を含む、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の治療反応シミュレータ。
【請求項10】
前記モデル、前記予測又は前記パラメータマップの少なくとも1つがコンピュータで生成される、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の治療反応シミュレータ。
【請求項11】
目的物又は対象のモデル及び前記目的物又は対象の治療計画に基づいて前記目的物又は対象の第1の構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す定量的な情報を含むパラメータマップを生成する治療反応シミュレータと、
前記パラメータマップに基づいて前記治療の後に得られるデータから生成される画像データを強調する治療監視システムと
を有する、治療システム。
【請求項12】
前記画像データが、機能的画像スキャンから生成される、請求項11記載の治療システム。
【請求項13】
前記画像データが、前記目的物又は対象の前記第1の構造体及び少なくとも1つの異なる構造体によるトレーサの取り込みを示す情報を含む、請求項11又は12記載の治療システム。
【請求項14】
前記トレーサが、フルオロデオキシグルコース、フルオロチミジン、フルオロチルチロシン、フルオロミソニダゾル及びフルオロアゾマイシンアラビノフラノシドの1つである、請求項13記載の治療システム。
【請求項15】
前記治療監視システムは、
治療を受ける2つ又はそれ以上の構造体についての定量的な情報を生成するために前記画像データを処理する画像データ処理器であって、前記2つ又はそれ以上の治療される構造体の1つが前記第1の構造体を含む当該画像データ処理器と、
前記画像データから前記第1の構造体についての前記定量的な情報を差し引くことにより前記画像データにおける前記2つ又はそれ以上の構造体の第2の構造体を強調する画像データ強調器と
を含む、請求項11ないし14のいずれか一項に記載の治療システム。
【請求項16】
前記治療反応シミュレータは、
前記治療の前に得られるデータ及び前記目的物又は対象から生成される画像データに基づいて前記モデルを生成するモデラと、
前記モデル及び前記治療計画に基づいて前記第1の構造体が前記治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す予測を生成する予測器と、
前記予測に基づいて前記パラメータマップを生成するパラメータマップ発生器と
を含む、請求項11ないし15のいずれか一項に記載の治療システム。
【請求項17】
前記モデル、前記予測又は前記パラメータマップのうちの少なくとも1つが、コンピュータシミュレーションにより生成される、請求項16記載の治療システム。
【請求項18】
前記治療反応シミュレータが、組織学的データ、患者の健康情報、病歴、遺伝的性質、臨床検査の結果又は病理学的情報のうちの1つ又はそれ以上に基づいて前記パラメータマップを生成する、請求項11ないし17のいずれか一項に記載の治療システム。
【請求項19】
治療の前に得られるデータから生成される目的物又は対象の第1の構造体を示す画像データに基づいて前記目的物又は対象の第1の構造体を示すモデルを生成することと、
前記モデル及び治療計画に基づいて前記第1の構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す予測を生成することと、
前記予測に基づいて前記第1の構造体によるトレーサの取り込みについての定量的な情報を含むパラメータマップを生成することと
を有する、方法。
【請求項20】
前記治療の後に行われる画像化の手続きから生成される画像データに基づいて2つ又はそれ以上の治療される構造体についての定量的な情報を生成することであって、前記2つ又はそれ以上の治療される構造体のうちの1つは前記第1の構造体を含む当該情報を生成することと、
前記第1の構造体についての前記定量的な情報に基づいて前記画像データにおける前記2つ又はそれ以上の治療される構造体の第2の構造体を強調することと
を更に含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記画像データ内における前記第1の構造体についての前記定量的な情報を隠すことを更に含む、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記画像データが、トレーサの取り込みを示す情報を含む、請求項19ないし21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
治療に対する標的組織の第1の反応をシミュレートすることと、
前記治療に対する対照組織の第2の反応をシミュレートすることと、
前記標的組織及び前記対照組織を治療することと、
前記治療に対する前記標的組織の第3の反応を決定することと、
前記治療に対する前記対照組織の第4の反応を決定することと、
前記第4の反応に基づいて前記第3の反応を正規化することと
を有する、方法。
【請求項24】
前記対照組織が、前記標的組織と同類のトレーサの取り込み特性を伴う、請求項23記載の方法。
【請求項25】
第1及び第2の組織が実質的に同等の放射線量又は分画の1つにより治療される、請求項23又は24記載の方法。
【請求項26】
前記第3及び第4の反応が、前記治療の後に行なわれる機能的スキャンに基づいて決定される、請求項23ないし25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
治療前の情報を得ることと、
前記治療前の情報に基づいて治療の起こり得る作用のモデルを作ることと、
治療後の機能的画像データを得ることと、
前記治療の有効性を決定するために前記治療後の機能的画像を前記モデルと比較することと
を有する、治療の有効性を決定する方法。
【請求項28】
前記比較を示す情報を表示することを更に有する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記情報が画像の重畳の形式である、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記治療が、放射線、粒子、高密度焦点式超音波、化学又はアブレーション療法の1つである、請求項27ないし29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
患者に対応する患者データを処理する処理要素と、
処理された前記データに基づいて前記患者に関する治療を決定するコンピュータでのシミュレーションのためのシミュレーションパラメータの候補のセットを選択する候補パラメータ選択器と、
前記パラメータの候補のセットを用いて前記患者に関する患者の状態を決定するコンピュータでのシミュレーションを実行し、前記シミュレーションに基づいて前記患者の予測される状態を示す第1の信号を生成する患者状態シミュレータと、
前記予測される状態及び前記患者の既知の状態に基づいて前記パラメータの候補のセットが前記患者に適しているかどうかを示す第2の信号を生成する決定要素と
を有する、システム。
【請求項32】
前記候補のセットが、少なくとも一人の他の患者に対応する既知の患者専用のシミュレーションパラメータを含む、請求項31記載のシステム。
【請求項33】
前記候補のセットが、少なくとも一人の他の患者に対応するコンピュータでのシミュレーションにより決定される患者専用のシミュレーションの境界及び初期条件を含む、請求項31又は32記載のシステム。
【請求項34】
前記候補のセットが、前記少なくとも一人の他の患者に対応するコンピュータでのシミュレーションにより決定される治療反応情報を含む、請求項33記載のシステム。
【請求項35】
前記候補のセットが、患者の臨床試験から得られる、請求項31ないし34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
前記候補のセットが、患者の情報リポジトリから得られる、請求項31ないし34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
前記第1の信号を分析する分析器であって、前記決定要素は前記分析の結果に基づいて前記第2の信号を生成する当該分析器を更に含む、請求項31ないし36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記分析は、前記患者の前記予測される状態と前記患者の前記既知の状態とを比較することを含む、請求項37記載のシステム。
【請求項39】
前記患者データが画像化及び非画像化データを含む、請求項31ないし38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記パラメータの候補のセットの少なくとも一部に基づいて治療反応を予測するためにコンピュータでの治療シミュレーションを実行する治療決定装置を更に含む、請求項31ないし39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記治療決定装置が、前記患者の前記既知の状態に基づいて治療のシミュレーションのタイプを選択する治療選択器を含む、請求項40記載のシステム。
【請求項42】
前記治療決定装置が、治療シミュレーションの情報を与える治療シミュレータを含む、請求項39ないし41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
第1の患者に関する処理された患者データに基づいて、異なる患者に対応するパラメータのセットを選択することと、
前記パラメータのセットに基づいて第1のコンピュータでのシミュレーションを実行することであって、シミュレーションの結果は前記第1の患者の状態を予測する当該第1のシミュレーションを実行することと
を有する、方法。
【請求項44】
前記予測された状態が前記第1の患者の既知の状態を表す場合は、前記パラメータのセットに基づいて第2のコンピュータでのシミュレーションを実行するために前記パラメータのセットを使用することを更に含む、請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記第2のコンピュータでのシミュレーションが前記第1の患者の治療反応を予測する、請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記予測された状態を示す第1の値と前記既知の状態を示す第2の値との差分値を所定の閾値と比較することと、
前記差分値が前記閾値よりも小さい場合は、第2のコンピュータでのシミュレーションを実行するために前記パラメータのセットを使用することと
を更に含む、請求項44又は45記載の方法。
【請求項47】
前記予測された状態と前記既知の状態との類似性を示す類似性の計量を生成することと、
前記類似性の計量を所定の閾値と比較することと、
前記類似性の計量が前記閾値を超える場合は、第2のコンピュータでのシミュレーションを実行するために前記パラメータのセットを使用することと
を更に含む、請求項44又は45記載の方法。
【請求項48】
前記パラメータのセットが、既知の境界及び初期条件と別の患者に対応する治療後のパラメータとを含む、請求項43ないし46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
コンピュータでのパラメータシミュレーションを介して決定される患者のための患者専用のパラメータのセットに基づいて前記患者に関するコンピュータでの治療シミュレーションを実行することを有する方法であって、前記患者専用のパラメータのセットは、最初は知られておらず、他の患者の状態及び既知のパラメータに基づいて決定される、当該方法。
【請求項50】
以前に治療された患者のための放射線治療計画及び前記以前に治療された患者についての関連する情報を含むデータリポジトリと、
治療される患者についての情報に基づいて放射線治療計画に関する前記データリポジトリを検索し、検索結果を生成する治療計画サーチエンジンと、
治療される前記患者についての前記情報と前記以前に治療された患者についての対応する情報との類似性に基づいて前記検索結果の中の放射線治療計画の少なくとも1つを特定する候補放射線治療計画特定器と
を有する少なくとも1つの候補放射線治療計画を特定する、システム。
【請求項51】
変形可能な画像レジストレーション、パターン照合又はパラメータ照合の少なくとも1つに基づいて治療される前記患者のための放射線治療計画に、前記特定された放射線治療計画をマッピングするマップ作製器を更に含む、請求項50記載のシステム。
【請求項52】
前記情報が画像データを含み、前記候補放射線治療計画特定器が前記画像データ間の類似性に基づいて前記放射線治療計画の少なくとも1つを特定する、請求項50又は51記載のシステム。
【請求項53】
前記候補放射線治療計画特定器が、前記画像データ内の対応する解剖学的構造の寸法間の類似性に基づいて前記放射線治療計画の少なくとも1つを特定する、請求項52記載のシステム。
【請求項54】
前記情報が腫瘍の特徴を含み、前記候補放射線治療計画特定器が、前記腫瘍の特徴間の類似性に基づいて前記放射線治療計画の少なくとも1つを特定する、請求項50又は51記載のシステム。
【請求項55】
前記情報が、異なる病気の部位間の組織の変動性を表すデータを含む、請求項50ないし54のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項56】
前記情報が、治療ソース間の治療の案のバリエーションを表すデータを含む、請求項50ないし55のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項57】
前記情報が、患者の人口統計学上のバリエーションを表すデータを含む、請求項50ないし56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
前記治療計画サーチエンジンが、前記治療される患者についての前記情報に基づいて前記放射線治療計画のサブセットを選択するために前記データリポジトリにフィルタを適用する、請求項50ないし57のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項59】
前記フィルタが、問題にしている腫瘍の特徴又は問題にしている患者の人口統計学データの少なくとも1つを特定する、請求項58記載のシステム。
【請求項60】
前記候補放射線治療計画特定器が、前記治療される患者と前記以前に治療された患者とに関するセグメント化された画像における問題している対応する領域間の画像レジストレーションに基づいて前記放射線治療計画の少なくとも1つを特定する、請求項50ないし59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
前記候補放射線治療計画特定器が、前記情報間の類似性の尺度の最大値に対応する前記少なくとも1つの放射線治療計画を特定する、請求項50ないし60のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項62】
少なくとも1つの前記放射線治療計画のうちの1つが、前記治療される患者のための前記放射線治療計画として選択される、請求項50ないし61のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項63】
選択される前記計画が、ビーム数、ビーム角度、線量の規定及び線量の目標のうちの1つ又はそれ以上を含む、請求項62記載の方法。
【請求項64】
放射線治療計画のクライアントのための少なくとも1つの候補放射線治療計画を特定するコンピューティングシステムであって、
有効な放射線治療計画及び関連する患者の特徴のデータリポジトリと、
前記クライアントにより供給される問題にしている1つ又はそれ以上の患者の特徴に基づいて前記データリポジトリを検索する治療計画サーチエンジンと、
前記1つ又はそれ以上の供給された問題にしている患者の特徴に基づいて前記クライアントに与えられる放射線治療計画を特定する候補放射線治療計画特定器と
を有する、当該コンピューティングシステム。
【請求項65】
変形可能な画像レジストレーション、パターン照合又はパラメータ照合の少なくとも1つに基づいて治療される患者のための放射線治療計画に前記特定された放射線治療計画をマッピングするマップ作製器を更に含む、請求項64記載のコンピューティングシステム。
【請求項66】
当該コンピューティングシステムが登録制のサービスであり、前記クライアントが放射線治療計画システムである、請求項64又は65記載のコンピューティングシステム。
【請求項67】
前記1つ又はそれ以上の患者の特徴が、放射線療法、化学療法、粒子療法、高密度焦点式超音波(HIFU)、アブレーション又は画像誘導放射線療法の1つを含む治療のタイプを含む、請求項64ないし66のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項68】
前記クライアントに与えられる前記放射線治療計画が、ビーム数、ビーム角度、線量の規定及び線量の目標のうちの1つ又はそれ以上を含む、請求項64ないし67のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項69】
前記候補放射線治療計画特定器が、前記データリポジトリ内の前記特徴と前記クライアントにより供給される前記特徴との類似性に基づいて前記放射線治療計画を特定する、請求項64ないし68のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項70】
第1の患者の第1の画像データ及び前記第1の患者に関する腫瘍に関連する情報を得ることと、
前記第1の画像データからの前記第1の患者の特徴を第2の画像データからの以前に治療された患者の対応する特徴と照合することに基づいて、前記第1の患者の前記腫瘍を治療する治療計画を特定することであって、前記治療計画は有効な治療計画のリポジトリから選択される当該治療計画を特定することと、
前記照合に基づいて前記第1の患者を治療するために前記以前に治療された患者を治療するために用いられた放射線治療計画を選択することと
を有する、コンピュータにより実行される方法。
【請求項71】
前記選択された計画のパラメータに基づいて新しい治療計画を生成することを更に有する、請求項70記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項72】
前記新しい治療計画を前記リポジトリに加えることを更に有する、請求項71記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項73】
少なくとも1つの追加の放射線治療計画を選択することと、
前記選択された計画の前記パラメータに基づいて複数の新しい治療計画を生成することと
を更に有する、請求項70ないし72のいずれか一項に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項74】
ユーザによる選択のために前記新しい治療計画を呈示することを更に有する、請求項73記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項75】
コンピュータネットワークを介して登録制のサーバに登録するクライアント放射線治療システムからの候補放射線治療計画に関する登録制のサーバにおける要求を受け取ることと、
前記要求を具備する情報に基づいて前記要求を満たす治療計画を特定することと、
前記特定された放射線治療計画を、前記コンピュータネットワークを介して前記クライアント放射線治療システムに与えることと
を有する、コンピュータにより実行される方法。
【請求項76】
前記特定された放射線治療計画を治療される患者のための放射線治療計画にマッピングすることを更に含む、請求項75記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項77】
前記特定された放射線治療計画をマッピングすることが、変形可能な画像レジストレーション、パターン照合又はパラメータ照合の少なくとも1つに基づいて前記特定された放射線治療計画をマッピングすることを含む、請求項76記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項78】
第1の患者の特徴を以前に治療された患者の対応する特徴と照合することに基づいて前記第1の患者の腫瘍を治療するための候補治療計画を特定することを有する方法であって、前記候補治療計画は以前に治療された患者のための有効な治療計画のリポジトリから選択される、当該方法。
【請求項79】
前記特定された候補治療計画のパラメータを前記第1の患者のための治療計画にマッピングすることを更に有する、請求項78記載の方法。
【請求項80】
前記特定された候補治療計画に対する前記第1の患者の治療反応を予測するために前記特定された候補治療計画に基づいてコンピュータでのシミュレーションを実行することを更に有する、請求項78又は79記載の方法。
【請求項81】
前記第1の患者の現在の状態を予測するために前記特定された候補治療計画に基づいてコンピュータでのシミュレーションを実行することを更に有する、請求項78ないし80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記リポジトリ内の前記有効な治療計画の少なくとも1つが、コンピュータでのパラメータシミュレーションを介して決定される、請求項78ないし81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
特定された候補治療計画がコンピュータでのシミュレーションを介して特定される、請求項78ないし82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記第1の患者の第1の構造体を示すモデルを生成することと、
前記モデル及び前記特定された候補治療計画に基づいて前記第1の構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す予測を生成することと
を更に有する、請求項78ないし83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
治療後のデータを得ることと、
前記治療後のデータと前記予測との比較に基づいて前記治療の有効性を決定することと
を更に有する、請求項84記載の方法。
【請求項86】
前記構造体のモデル及び前記特定された候補治療計画に基づいて第1の構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す定量的な情報を含むパラメータマップを生成することを更に有する、請求項78ないし83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記パラメータマップに基づいて前記第1の構造体の画像データを強調することを更に有する、請求項86記載の方法。
【請求項1】
目的物又は対象についての情報に基づいて治療される前記目的物又は対象の構造体のモデルを生成するモデラと、
前記モデル及び治療計画に基づいて前記構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す予測される反応を生成する予測器と
を有する、治療反応シミュレータ。
【請求項2】
前記予測される反応を示す定量的な情報を含むパラメータマップを生成するパラメータマップ発生器を更に含む、請求項1記載の治療反応シミュレータ。
【請求項3】
前記定量的な情報が、前記構造体と関連するトレーサの取り込みを示す定量的な情報を含む、請求項2記載の治療反応シミュレータ。
【請求項4】
前記構造体が、前記治療により殺される細胞を処理するマクロファージを含む、請求項3記載の治療反応シミュレータ。
【請求項5】
前記トレーサが、フルオロデオキシグルコース、フルオロチミジン、フルオロチルチロシン、フルオロミソニダゾル及びフルオロアゾマイシンアラビノフラノシドの1つである、請求項3又は4記載の治療反応シミュレータ。
【請求項6】
前記マクロファージによる前記トレーサの取り込みが治療される腫瘍によるトレーサの取り込みに類似し、前記マクロファージが前記治療により殺された腫瘍の周りの正常な細胞を処理する、請求項4又は5記載の治療反応シミュレータ。
【請求項7】
前記治療が、放射線療法、化学療法、粒子療法、高密度焦点式超音波、アブレーション又はそれらの組み合わせを含む、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の治療反応シミュレータ。
【請求項8】
前記目的物又は対象についての前記情報が、前記治療よりも前に得られるデータから生成される画像データを含む、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の治療反応シミュレータ。
【請求項9】
前記目的物又は対象についての前記情報が、組織学的データ、患者の健康情報、病歴、遺伝的性質、臨床検査の結果又は病理学的情報の1つ又はそれ以上を含む、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の治療反応シミュレータ。
【請求項10】
前記モデル、前記予測又は前記パラメータマップの少なくとも1つがコンピュータで生成される、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の治療反応シミュレータ。
【請求項11】
目的物又は対象のモデル及び前記目的物又は対象の治療計画に基づいて前記目的物又は対象の第1の構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す定量的な情報を含むパラメータマップを生成する治療反応シミュレータと、
前記パラメータマップに基づいて前記治療の後に得られるデータから生成される画像データを強調する治療監視システムと
を有する、治療システム。
【請求項12】
前記画像データが、機能的画像スキャンから生成される、請求項11記載の治療システム。
【請求項13】
前記画像データが、前記目的物又は対象の前記第1の構造体及び少なくとも1つの異なる構造体によるトレーサの取り込みを示す情報を含む、請求項11又は12記載の治療システム。
【請求項14】
前記トレーサが、フルオロデオキシグルコース、フルオロチミジン、フルオロチルチロシン、フルオロミソニダゾル及びフルオロアゾマイシンアラビノフラノシドの1つである、請求項13記載の治療システム。
【請求項15】
前記治療監視システムは、
治療を受ける2つ又はそれ以上の構造体についての定量的な情報を生成するために前記画像データを処理する画像データ処理器であって、前記2つ又はそれ以上の治療される構造体の1つが前記第1の構造体を含む当該画像データ処理器と、
前記画像データから前記第1の構造体についての前記定量的な情報を差し引くことにより前記画像データにおける前記2つ又はそれ以上の構造体の第2の構造体を強調する画像データ強調器と
を含む、請求項11ないし14のいずれか一項に記載の治療システム。
【請求項16】
前記治療反応シミュレータは、
前記治療の前に得られるデータ及び前記目的物又は対象から生成される画像データに基づいて前記モデルを生成するモデラと、
前記モデル及び前記治療計画に基づいて前記第1の構造体が前記治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す予測を生成する予測器と、
前記予測に基づいて前記パラメータマップを生成するパラメータマップ発生器と
を含む、請求項11ないし15のいずれか一項に記載の治療システム。
【請求項17】
前記モデル、前記予測又は前記パラメータマップのうちの少なくとも1つが、コンピュータシミュレーションにより生成される、請求項16記載の治療システム。
【請求項18】
前記治療反応シミュレータが、組織学的データ、患者の健康情報、病歴、遺伝的性質、臨床検査の結果又は病理学的情報のうちの1つ又はそれ以上に基づいて前記パラメータマップを生成する、請求項11ないし17のいずれか一項に記載の治療システム。
【請求項19】
治療の前に得られるデータから生成される目的物又は対象の第1の構造体を示す画像データに基づいて前記目的物又は対象の第1の構造体を示すモデルを生成することと、
前記モデル及び治療計画に基づいて前記第1の構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す予測を生成することと、
前記予測に基づいて前記第1の構造体によるトレーサの取り込みについての定量的な情報を含むパラメータマップを生成することと
を有する、方法。
【請求項20】
前記治療の後に行われる画像化の手続きから生成される画像データに基づいて2つ又はそれ以上の治療される構造体についての定量的な情報を生成することであって、前記2つ又はそれ以上の治療される構造体のうちの1つは前記第1の構造体を含む当該情報を生成することと、
前記第1の構造体についての前記定量的な情報に基づいて前記画像データにおける前記2つ又はそれ以上の治療される構造体の第2の構造体を強調することと
を更に含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記画像データ内における前記第1の構造体についての前記定量的な情報を隠すことを更に含む、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記画像データが、トレーサの取り込みを示す情報を含む、請求項19ないし21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
治療に対する標的組織の第1の反応をシミュレートすることと、
前記治療に対する対照組織の第2の反応をシミュレートすることと、
前記標的組織及び前記対照組織を治療することと、
前記治療に対する前記標的組織の第3の反応を決定することと、
前記治療に対する前記対照組織の第4の反応を決定することと、
前記第4の反応に基づいて前記第3の反応を正規化することと
を有する、方法。
【請求項24】
前記対照組織が、前記標的組織と同類のトレーサの取り込み特性を伴う、請求項23記載の方法。
【請求項25】
第1及び第2の組織が実質的に同等の放射線量又は分画の1つにより治療される、請求項23又は24記載の方法。
【請求項26】
前記第3及び第4の反応が、前記治療の後に行なわれる機能的スキャンに基づいて決定される、請求項23ないし25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
治療前の情報を得ることと、
前記治療前の情報に基づいて治療の起こり得る作用のモデルを作ることと、
治療後の機能的画像データを得ることと、
前記治療の有効性を決定するために前記治療後の機能的画像を前記モデルと比較することと
を有する、治療の有効性を決定する方法。
【請求項28】
前記比較を示す情報を表示することを更に有する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記情報が画像の重畳の形式である、請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記治療が、放射線、粒子、高密度焦点式超音波、化学又はアブレーション療法の1つである、請求項27ないし29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
患者に対応する患者データを処理する処理要素と、
処理された前記データに基づいて前記患者に関する治療を決定するコンピュータでのシミュレーションのためのシミュレーションパラメータの候補のセットを選択する候補パラメータ選択器と、
前記パラメータの候補のセットを用いて前記患者に関する患者の状態を決定するコンピュータでのシミュレーションを実行し、前記シミュレーションに基づいて前記患者の予測される状態を示す第1の信号を生成する患者状態シミュレータと、
前記予測される状態及び前記患者の既知の状態に基づいて前記パラメータの候補のセットが前記患者に適しているかどうかを示す第2の信号を生成する決定要素と
を有する、システム。
【請求項32】
前記候補のセットが、少なくとも一人の他の患者に対応する既知の患者専用のシミュレーションパラメータを含む、請求項31記載のシステム。
【請求項33】
前記候補のセットが、少なくとも一人の他の患者に対応するコンピュータでのシミュレーションにより決定される患者専用のシミュレーションの境界及び初期条件を含む、請求項31又は32記載のシステム。
【請求項34】
前記候補のセットが、前記少なくとも一人の他の患者に対応するコンピュータでのシミュレーションにより決定される治療反応情報を含む、請求項33記載のシステム。
【請求項35】
前記候補のセットが、患者の臨床試験から得られる、請求項31ないし34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
前記候補のセットが、患者の情報リポジトリから得られる、請求項31ないし34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
前記第1の信号を分析する分析器であって、前記決定要素は前記分析の結果に基づいて前記第2の信号を生成する当該分析器を更に含む、請求項31ないし36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記分析は、前記患者の前記予測される状態と前記患者の前記既知の状態とを比較することを含む、請求項37記載のシステム。
【請求項39】
前記患者データが画像化及び非画像化データを含む、請求項31ないし38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記パラメータの候補のセットの少なくとも一部に基づいて治療反応を予測するためにコンピュータでの治療シミュレーションを実行する治療決定装置を更に含む、請求項31ないし39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記治療決定装置が、前記患者の前記既知の状態に基づいて治療のシミュレーションのタイプを選択する治療選択器を含む、請求項40記載のシステム。
【請求項42】
前記治療決定装置が、治療シミュレーションの情報を与える治療シミュレータを含む、請求項39ないし41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
第1の患者に関する処理された患者データに基づいて、異なる患者に対応するパラメータのセットを選択することと、
前記パラメータのセットに基づいて第1のコンピュータでのシミュレーションを実行することであって、シミュレーションの結果は前記第1の患者の状態を予測する当該第1のシミュレーションを実行することと
を有する、方法。
【請求項44】
前記予測された状態が前記第1の患者の既知の状態を表す場合は、前記パラメータのセットに基づいて第2のコンピュータでのシミュレーションを実行するために前記パラメータのセットを使用することを更に含む、請求項43記載の方法。
【請求項45】
前記第2のコンピュータでのシミュレーションが前記第1の患者の治療反応を予測する、請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記予測された状態を示す第1の値と前記既知の状態を示す第2の値との差分値を所定の閾値と比較することと、
前記差分値が前記閾値よりも小さい場合は、第2のコンピュータでのシミュレーションを実行するために前記パラメータのセットを使用することと
を更に含む、請求項44又は45記載の方法。
【請求項47】
前記予測された状態と前記既知の状態との類似性を示す類似性の計量を生成することと、
前記類似性の計量を所定の閾値と比較することと、
前記類似性の計量が前記閾値を超える場合は、第2のコンピュータでのシミュレーションを実行するために前記パラメータのセットを使用することと
を更に含む、請求項44又は45記載の方法。
【請求項48】
前記パラメータのセットが、既知の境界及び初期条件と別の患者に対応する治療後のパラメータとを含む、請求項43ないし46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
コンピュータでのパラメータシミュレーションを介して決定される患者のための患者専用のパラメータのセットに基づいて前記患者に関するコンピュータでの治療シミュレーションを実行することを有する方法であって、前記患者専用のパラメータのセットは、最初は知られておらず、他の患者の状態及び既知のパラメータに基づいて決定される、当該方法。
【請求項50】
以前に治療された患者のための放射線治療計画及び前記以前に治療された患者についての関連する情報を含むデータリポジトリと、
治療される患者についての情報に基づいて放射線治療計画に関する前記データリポジトリを検索し、検索結果を生成する治療計画サーチエンジンと、
治療される前記患者についての前記情報と前記以前に治療された患者についての対応する情報との類似性に基づいて前記検索結果の中の放射線治療計画の少なくとも1つを特定する候補放射線治療計画特定器と
を有する少なくとも1つの候補放射線治療計画を特定する、システム。
【請求項51】
変形可能な画像レジストレーション、パターン照合又はパラメータ照合の少なくとも1つに基づいて治療される前記患者のための放射線治療計画に、前記特定された放射線治療計画をマッピングするマップ作製器を更に含む、請求項50記載のシステム。
【請求項52】
前記情報が画像データを含み、前記候補放射線治療計画特定器が前記画像データ間の類似性に基づいて前記放射線治療計画の少なくとも1つを特定する、請求項50又は51記載のシステム。
【請求項53】
前記候補放射線治療計画特定器が、前記画像データ内の対応する解剖学的構造の寸法間の類似性に基づいて前記放射線治療計画の少なくとも1つを特定する、請求項52記載のシステム。
【請求項54】
前記情報が腫瘍の特徴を含み、前記候補放射線治療計画特定器が、前記腫瘍の特徴間の類似性に基づいて前記放射線治療計画の少なくとも1つを特定する、請求項50又は51記載のシステム。
【請求項55】
前記情報が、異なる病気の部位間の組織の変動性を表すデータを含む、請求項50ないし54のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項56】
前記情報が、治療ソース間の治療の案のバリエーションを表すデータを含む、請求項50ないし55のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項57】
前記情報が、患者の人口統計学上のバリエーションを表すデータを含む、請求項50ないし56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
前記治療計画サーチエンジンが、前記治療される患者についての前記情報に基づいて前記放射線治療計画のサブセットを選択するために前記データリポジトリにフィルタを適用する、請求項50ないし57のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項59】
前記フィルタが、問題にしている腫瘍の特徴又は問題にしている患者の人口統計学データの少なくとも1つを特定する、請求項58記載のシステム。
【請求項60】
前記候補放射線治療計画特定器が、前記治療される患者と前記以前に治療された患者とに関するセグメント化された画像における問題している対応する領域間の画像レジストレーションに基づいて前記放射線治療計画の少なくとも1つを特定する、請求項50ないし59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
前記候補放射線治療計画特定器が、前記情報間の類似性の尺度の最大値に対応する前記少なくとも1つの放射線治療計画を特定する、請求項50ないし60のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項62】
少なくとも1つの前記放射線治療計画のうちの1つが、前記治療される患者のための前記放射線治療計画として選択される、請求項50ないし61のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項63】
選択される前記計画が、ビーム数、ビーム角度、線量の規定及び線量の目標のうちの1つ又はそれ以上を含む、請求項62記載の方法。
【請求項64】
放射線治療計画のクライアントのための少なくとも1つの候補放射線治療計画を特定するコンピューティングシステムであって、
有効な放射線治療計画及び関連する患者の特徴のデータリポジトリと、
前記クライアントにより供給される問題にしている1つ又はそれ以上の患者の特徴に基づいて前記データリポジトリを検索する治療計画サーチエンジンと、
前記1つ又はそれ以上の供給された問題にしている患者の特徴に基づいて前記クライアントに与えられる放射線治療計画を特定する候補放射線治療計画特定器と
を有する、当該コンピューティングシステム。
【請求項65】
変形可能な画像レジストレーション、パターン照合又はパラメータ照合の少なくとも1つに基づいて治療される患者のための放射線治療計画に前記特定された放射線治療計画をマッピングするマップ作製器を更に含む、請求項64記載のコンピューティングシステム。
【請求項66】
当該コンピューティングシステムが登録制のサービスであり、前記クライアントが放射線治療計画システムである、請求項64又は65記載のコンピューティングシステム。
【請求項67】
前記1つ又はそれ以上の患者の特徴が、放射線療法、化学療法、粒子療法、高密度焦点式超音波(HIFU)、アブレーション又は画像誘導放射線療法の1つを含む治療のタイプを含む、請求項64ないし66のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項68】
前記クライアントに与えられる前記放射線治療計画が、ビーム数、ビーム角度、線量の規定及び線量の目標のうちの1つ又はそれ以上を含む、請求項64ないし67のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項69】
前記候補放射線治療計画特定器が、前記データリポジトリ内の前記特徴と前記クライアントにより供給される前記特徴との類似性に基づいて前記放射線治療計画を特定する、請求項64ないし68のいずれか一項に記載のコンピューティングシステム。
【請求項70】
第1の患者の第1の画像データ及び前記第1の患者に関する腫瘍に関連する情報を得ることと、
前記第1の画像データからの前記第1の患者の特徴を第2の画像データからの以前に治療された患者の対応する特徴と照合することに基づいて、前記第1の患者の前記腫瘍を治療する治療計画を特定することであって、前記治療計画は有効な治療計画のリポジトリから選択される当該治療計画を特定することと、
前記照合に基づいて前記第1の患者を治療するために前記以前に治療された患者を治療するために用いられた放射線治療計画を選択することと
を有する、コンピュータにより実行される方法。
【請求項71】
前記選択された計画のパラメータに基づいて新しい治療計画を生成することを更に有する、請求項70記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項72】
前記新しい治療計画を前記リポジトリに加えることを更に有する、請求項71記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項73】
少なくとも1つの追加の放射線治療計画を選択することと、
前記選択された計画の前記パラメータに基づいて複数の新しい治療計画を生成することと
を更に有する、請求項70ないし72のいずれか一項に記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項74】
ユーザによる選択のために前記新しい治療計画を呈示することを更に有する、請求項73記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項75】
コンピュータネットワークを介して登録制のサーバに登録するクライアント放射線治療システムからの候補放射線治療計画に関する登録制のサーバにおける要求を受け取ることと、
前記要求を具備する情報に基づいて前記要求を満たす治療計画を特定することと、
前記特定された放射線治療計画を、前記コンピュータネットワークを介して前記クライアント放射線治療システムに与えることと
を有する、コンピュータにより実行される方法。
【請求項76】
前記特定された放射線治療計画を治療される患者のための放射線治療計画にマッピングすることを更に含む、請求項75記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項77】
前記特定された放射線治療計画をマッピングすることが、変形可能な画像レジストレーション、パターン照合又はパラメータ照合の少なくとも1つに基づいて前記特定された放射線治療計画をマッピングすることを含む、請求項76記載のコンピュータにより実行される方法。
【請求項78】
第1の患者の特徴を以前に治療された患者の対応する特徴と照合することに基づいて前記第1の患者の腫瘍を治療するための候補治療計画を特定することを有する方法であって、前記候補治療計画は以前に治療された患者のための有効な治療計画のリポジトリから選択される、当該方法。
【請求項79】
前記特定された候補治療計画のパラメータを前記第1の患者のための治療計画にマッピングすることを更に有する、請求項78記載の方法。
【請求項80】
前記特定された候補治療計画に対する前記第1の患者の治療反応を予測するために前記特定された候補治療計画に基づいてコンピュータでのシミュレーションを実行することを更に有する、請求項78又は79記載の方法。
【請求項81】
前記第1の患者の現在の状態を予測するために前記特定された候補治療計画に基づいてコンピュータでのシミュレーションを実行することを更に有する、請求項78ないし80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記リポジトリ内の前記有効な治療計画の少なくとも1つが、コンピュータでのパラメータシミュレーションを介して決定される、請求項78ないし81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
特定された候補治療計画がコンピュータでのシミュレーションを介して特定される、請求項78ないし82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記第1の患者の第1の構造体を示すモデルを生成することと、
前記モデル及び前記特定された候補治療計画に基づいて前記第1の構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す予測を生成することと
を更に有する、請求項78ないし83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
治療後のデータを得ることと、
前記治療後のデータと前記予測との比較に基づいて前記治療の有効性を決定することと
を更に有する、請求項84記載の方法。
【請求項86】
前記構造体のモデル及び前記特定された候補治療計画に基づいて第1の構造体が治療に対してどのように反応する見込みであるかを示す定量的な情報を含むパラメータマップを生成することを更に有する、請求項78ないし83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記パラメータマップに基づいて前記第1の構造体の画像データを強調することを更に有する、請求項86記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2012−500036(P2012−500036A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522571(P2011−522571)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【国際出願番号】PCT/IB2009/053192
【国際公開番号】WO2010/018477
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【国際出願番号】PCT/IB2009/053192
【国際公開番号】WO2010/018477
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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